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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-21
(45)【発行日】2025-04-30
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20250422BHJP
   H01B 7/08 20060101ALI20250422BHJP
【FI】
H01B7/00 301
H01B7/08
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023536647
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 JP2022023542
(87)【国際公開番号】W WO2023002774
(87)【国際公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2021119179
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】望月 泰志
(72)【発明者】
【氏名】山野 能章
(72)【発明者】
【氏名】加藤 重人
(72)【発明者】
【氏名】高野 朋昭
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-531014(JP,A)
【文献】特開2015-5352(JP,A)
【文献】特開2010-282748(JP,A)
【文献】国際公開第2020/202275(WO,A1)
【文献】特開平7-122119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
H01B 7/08
H02G 3/04
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電線を有する電線束を備えるワイヤハーネスであって、
前記電線束は、前記電線束の延びる方向における少なくとも一部に前記複数の電線がフラットに並ぶフラット部を有し、
前記フラット部の厚さ方向の両側から前記フラット部を挟んで貼り合わされる第1テープ部材及び第2テープ部材を備えており、
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の各々は、少なくとも1つのテープを有し、
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の一方は、第1の幅を有する前記テープを有し、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の他方は、前記第1の幅よりも広い第2の幅を有する前記テープを有し、
前記第1の幅を有する前記テープと、前記第2の幅を有する前記テープとは、前記フラット部の厚さ方向の両側から前記フラット部に重ね合わせられるワイヤハーネス。
【請求項2】
複数の電線を有する電線束を備えるワイヤハーネスであって、
前記電線束は、前記電線束の延びる方向における少なくとも一部に前記複数の電線がフラットに並ぶフラット部を有し、
前記フラット部の厚さ方向の両側から前記フラット部を挟んで貼り合わされる第1テープ部材及び第2テープ部材を備えており、
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の各々は、前記フラット部の厚さ方向に互いに重ね合わせられる複数のテープを有しており、
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方は、第1の長さを有する前記テープと、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する前記テープとを有し、前記第1の長さを有するテープと、前記第2の長さを有する前記テープとは、前記フラット部の厚さ方向に互いに重ね合わせられる部分を有するワイヤハーネス。
【請求項3】
複数の電線を有する電線束を備えるワイヤハーネスであって、
前記電線束は、前記電線束の延びる方向における少なくとも一部に前記複数の電線がフラットに並ぶフラット部を有し、
前記フラット部の厚さ方向の両側から前記フラット部を挟んで貼り合わされる第1テープ部材及び第2テープ部材を備えており、
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の各々は、前記フラット部の厚さ方向に互いに重ね合わせられる複数のテープを有しており、
前記第1テープ部材が有する前記複数のテープの各々は、前記第2テープ部材が有する前記複数のテープと対をなしており、
対をなす前記テープは、前記フラット部の厚さ方向の両側から前記フラット部を挟んで互いに重ね合わせられるとともに、前記電線束の延びる方向における位置が互いに等しく、
複数対の前記テープのうち少なくとも一対の前記テープは、幅が互いに異なり、
前記第1テープ部材が有する前記複数のテープの各々は、少なくとも一部が、前記第1テープ部材が有する前記複数のテープのうちの少なくとも1つの前記テープと前記フラット部の厚さ方向に重なり、
前記第2テープ部材が有する前記複数のテープの各々は、少なくとも一部が、前記第2テープ部材が有する前記複数のテープのうちの少なくとも1つの前記テープと前記フラット部の厚さ方向に重なるワイヤハーネス。
【請求項4】
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の各々は、帯状をなし、前記電線束の延びる方向に沿って延びている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項5】
前記第1テープ部材と前記第2テープ部材とは、前記フラット部の幅方向の両側で互いに直接貼り合わせられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項6】
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方は、前記第1テープ部材と前記第2テープ部材との間に位置する前記電線のうちの少なくとも1本の前記電線の外周面の少なくとも一部に貼り付いている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項7】
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方は、前記第1テープ部材と前記第2テープ部材との間に位置する前記電線のうちの少なくとも1本の前記電線の外周面に貼り付くとともに当該外周面に沿った円弧状をなす円弧貼着部を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項8】
前記第1テープ部材と前記第2テープ部材とは、前記フラット部における隣り合う前記電線の間で互いに直接貼り合わせられている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項9】
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の各々は、前記フラット部の厚さ方向に互いに重ね合わせられる複数のテープを有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項10】
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方は、
帯状をなす基材と当該基材の片面に積層されている粘着剤層とを有する、電線の結束に使用される電線用結束テープ、
前記電線用結束テープが有する前記基材よりも厚さが厚い基材と、当該基材の片面に積層されている粘着剤層とを有する保護テープ、
帯状をなす多孔性の基材を有する消音テープ、
前記電線用結束テープよりも耐熱性に優れる耐熱テープ、
帯状をなす金属製の基材を有する金属テープ、
帯状をなす基材と当該基材の両面にそれぞれ積層されている粘着剤層とを有する両面テープ、
帯状の面ファスナー、
及び、帯状の磁石である基材を有する磁石テープ
の少なくとも1つを含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項11】
前記電線用結束テープは、ポリ塩化ビニルテープである請求項10に記載のワイヤハーネス。
【請求項12】
前記保護テープは、ポリプロピレンテープである請求項10に記載のワイヤハーネス。
【請求項13】
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方は、前記フラット部の厚さ方向に互いに重ね合わせられる同一種類の前記複数のテープを有する請求項2または請求項3に記載のワイヤハーネス。
【請求項14】
前記電線束は、前記電線束の延びる方向に離れる2つの前記フラット部と、前記電線束の延びる方向における前記2つのフラット部の間に位置し前記フラット部における前記電線とは異なる並び方で前記電線が並ぶ積み重ね部とを有し、
前記第1テープ部材と前記第2テープ部材との間には、前記2つのフラット部と前記積み重ね部とが挟まれており、
前記積み重ね部における前記複数の電線は、前記フラット部の厚さ
方向における厚さが前記フラット部よりも前記積み重ね部の方が厚く、且つ、前記フラット部の幅方向における幅が前記フラット部よりも前記積み重ね部の方が狭くなるように並ぶ請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項15】
前記フラット部は、前記フラット部の厚さ方向から見て前記複数の電線が曲がるフラット曲げ部を有し、
前記フラット曲げ部における前記複数の電線は、前記フラット部の幅方向に沿って一列に並ぶとともに、前記フラット部の厚さ方向から見て一列に並んだ配列を維持しながら曲がり、
前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材は、前記フラット曲げ部を前記フラット部の厚さ方向の両側から挟むとともに、前記フラット曲げ部における前記複数の電線の配列及び曲げ形状を維持する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項16】
前記電線束は、前記フラット部から前記電線束の延びる方向にずれた位置に前記複数の電線がフラットに並びながら曲がる単層曲げ部を有し、
前記単層曲げ部における前記複数の電線は、前記単層曲げ部の厚さ方向から見て、前記単層曲げ部の厚さ方向と直交する一方向に沿って一列に並ぶとともに、一列に並んだ配列を維持しながら曲がり、
前記単層曲げ部を前記単層曲げ部の厚さ方向の両側から挟んで貼り合わされる第3テープ部材及び第4テープ部材を備え、
前記第3テープ部材及び前記第4テープ部材は、前記単層曲げ部における前記複数の電線の配列及び曲げ形状を維持する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項17】
前記電線束は、前記フラット部から前記電線束の延びる方向にずれた位置に前記電線束が曲がる重ね曲げ部を有し、
前記重ね曲げ部における前記複数の電線は、前記フラット部の厚さ方向における厚さが前記フラット部よりも前記重ね曲げ部の方が厚く、且つ、前記フラット部の幅方向における幅が前記フラット部よりも前記重ね曲げ部の方が狭くなるように重なり合う状態で曲がり、
前記重ね曲げ部を間に挟んで貼り合わされる第1曲げ固定テープ部材及び第2曲げ固定テープ部材を備え、
前記第1曲げ固定テープ部材及び前記第2曲げ固定テープ部材は、前記重ね曲げ部における前記複数の電線の配列及び曲げ形状を維持する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項18】
前記フラット部は、前記フラット部の幅方向から見て、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材によって直線状に維持されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項19】
前記フラット部は、前記フラット部の幅方向から見て、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材によって湾曲形状に維持されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤハーネスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両に搭載されるワイヤハーネスは、当該ワイヤハーネスの一部が周辺部材の間等の狭い場所に配置されることがある。そのため、このようなワイヤハーネスには、平らで薄い形状、即ちフラット状、をなすフラット部を有するものがある。当該ワイヤハーネスは、フラット部が狭い場所に配置されるように車両に配索される。
【0003】
フラット部を有するワイヤハーネスには、例えば特許文献1に記載されているように、複数の電線をフラット状に維持するための電線フラット化部材を有するものがある。電線フラット化部材は、例えば樹脂成形品である。電線フラット化部材は、複数の電線に対して配置された後に、粘着テープなどの結束材によって電線に対して固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-30344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の電線をフラット状に維持するために電線フラット化部材を用いる場合、電線の直径や本数に応じた形状の電線フラット化部材を製造することになる。また、電線フラット化部材を用いて複数の電線をフラット状に維持する場合、電線フラット化部材を複数の電線に対して配置する工程と、電線フラット化部材を結束材によって電線に対して固定する工程とを行うことになる。そのため、フラット部において複数の電線を簡単にフラット状に維持できるようになることが望まれていた。
【0006】
本開示の目的は、フラット部において複数の電線を簡単にフラット状に維持できるワイヤハーネスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のワイヤハーネスは、複数の電線を有する電線束を備えるワイヤハーネスであって、前記電線束は、前記電線束の延びる方向における少なくとも一部に前記複数の電線がフラットに並ぶフラット部を有し、前記フラット部の厚さ方向の両側から前記フラット部を挟んで貼り合わされる第1テープ部材及び第2テープ部材を備えるワイヤハーネスである。
【発明の効果】
【0008】
本開示のワイヤハーネスによれば、フラット部における電線の形状を簡単に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図3図3は、第2実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す斜視図である。
図4図4は、第2実施形態におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図5図5は、第3実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す斜視図である。
図6図6は、第3実施形態におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図7図7は、第4実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す正面図である。
図8図8は、第4実施形態におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図9図9は、第4実施形態におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図10図10は、第5実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す正面図である。
図11図11は、第5実施形態におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図12図12は、第6実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す正面図である。
図13図13は、第6実施形態におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図14図14は、第7実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す斜視図である。
図15図15は、第7実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す縦断面図である。
図16図16は、第8実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す縦断面図である。
図17図17は、第8実施形態におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図18図18は、第9実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す斜視図である。
図19図19は、第9実施形態におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図20図20は、第10実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す斜視図である。
図21図21は、第10実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す縦断面図である。
図22図22は、第11実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す斜視図である。
図23図23は、第11実施形態におけるワイヤハーネスの一部を示す縦断面図である。
図24図24は、第11実施形態におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図25図25は、変更例におけるワイヤハーネスの一部を示す正面図である。
図26図26は、変更例におけるワイヤハーネスの一部を示す側面図である。
図27図27は、図26に示す変更例におけるワイヤハーネスの断面図である。
図28図28は、変更例におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図29図29は、変更例におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図30図30は、変更例におけるワイヤハーネスの横断面図である。
図31図31は、変更例におけるワイヤハーネスの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のワイヤハーネスは、
[1]複数の電線を有する電線束を備えるワイヤハーネスであって、前記電線束は、前記電線束の延びる方向における少なくとも一部に前記複数の電線がフラットに並ぶフラット部を有し、前記フラット部の厚さ方向の両側から前記フラット部を挟んで貼り合わされる第1テープ部材及び第2テープ部材を備えるワイヤハーネスである。
【0011】
この構成によれば、第1テープ部材と第2テープ部材とを貼り合わせることにより、第1テープ部材と第2テープ部材との間に挟まれたフラット部を、複数の電線がフラットに並んだ状態に維持できる。従って、第1テープ部材と第2テープ部材とによって、フラット部における複数の電線を簡単にフラット状に維持できる。
【0012】
[2]上記[1]において、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の各々は、帯状をなし、前記電線束の延びる方向に沿って延びていてもよい。この構成によれば、電線束の延びる方向に沿って第1テープ部材及び第2テープ部材が貼り合わせられた範囲にわたって、フラット部における複数の電線を簡単にフラット状に維持できる。
【0013】
[3]上記[1]または[2]において、前記第1テープ部材と前記第2テープ部材とは、前記フラット部の幅方向の両側で互いに直接貼り合わせられていてもよい。この構成によれば、第1テープ部材に対して第2テープ部材が相対的に移動することが抑制される。従って、第1テープ部材と第2テープ部材とによって、フラット部における複数の電線をフラット状に、より維持しやすい。また、第1テープ部材と第2テープ部材とによって、フラット部の外周を全周にわたって囲むことができる。従って、ワイヤハーネスが配索されるときに、周辺部材等がフラット部に直接接触することを第1テープ部材及び第2テープ部材によって抑制できる。つまり、ワイヤハーネスを保護できる。
【0014】
[4]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方は、前記第1テープ部材と前記第2テープ部材との間に位置する前記電線のうちの少なくとも1本の前記電線の外周面の少なくとも一部に貼り付いていてもよい。この構成によれば、フラット部における複数の電線をフラット状に並んだ状態に更に維持しやすい。
【0015】
[5]上記[1]から[4]のいずれかにおいて、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方は、前記第1テープ部材と前記第2テープ部材との間に位置する前記電線のうちの少なくとも1本の前記電線の外周面に貼り付くとともに当該外周面に沿った円弧状をなす円弧貼着部を有していてもよい。この構成によれば、フラット部における複数の電線をフラット状に並んだ状態に一層維持しやすい。
【0016】
[6]上記[1]から[5]のいずれかにおいて、前記第1テープ部材と前記第2テープ部材とは、前記フラット部における隣り合う前記電線の間で互いに直接貼り合わせられていてもよい。この構成によれば、フラット部においては、複数の電線は、第1テープ部材と第2テープ部材とによってフラット部の幅方向に離れた状態に維持される。そのため、フラット部の幅方向に隣り合う電線が互いに接触している場合に比べて、第1テープ部材及び第2テープ部材が電線を覆う部分の表面積を大きくできる。従って、フラット部における放熱性を向上できる。
【0017】
[7]上記[1]から[6]のいずれかにおいて、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の各々は、前記フラット部の厚さ方向に互いに重ね合わせられる複数のテープを有していてもよい。この構成によれば、テープの数を調整することにより、フラット部の厚さ方向における第1テープ部材及び第2テープ部材の各々の厚さを調整できる。また、複数種類のテープにより第1テープ部材及び第2テープ部材の各々を構成可能になる。
【0018】
[8]上記[1]から[7]のいずれかにおいて、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方は、帯状をなす基材と当該基材の片面に積層されている粘着剤層とを有する、電線の結束に使用される電線用結束テープ、前記電線用結束テープが有する前記基材よりも厚さが厚い基材と、当該基材の片面に積層されている粘着剤層とを有する保護テープ、帯状をなす多孔性の基材を有する消音テープ、前記電線用結束テープよりも耐熱性に優れる耐熱テープ、帯状をなす金属製の基材を有する金属テープ、帯状をなす基材と当該基材の両面にそれぞれ積層されている粘着剤層とを有する両面テープ、帯状の面ファスナー、及び、帯状の磁石である基材を有する磁石テープの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0019】
この構成によれば、電線用結束テープは入手が容易であるため、第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方に電線用結束テープが含まれると、第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方を準備しやすくなる。第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方に保護テープが含まれると、フラット部における保護テープにて覆われる部分を、当該保護テープによって、周辺部材から保護できる。第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方に消音テープが含まれると、フラット部における消音テープが貼り付けられている部分が、周辺部材に衝突したり擦れたりした場合に、異音が発生することを抑制できる。第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方に耐熱テープが含まれると、フラット部の耐熱性を向上できる。
【0020】
第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方に金属テープが含まれると、フラット部における金属テープが貼り付けられている部分では、当該金属テープによって、フラット部における電線から外部に電磁ノイズが放射されることを抑制できる。また、同部分では、金属テープによって、外部からの電磁ノイズがフラット部における電線に侵入することを抑制できる。また、同部分では、金属テープが輻射熱を反射できるため、フラット部における電線の温度上昇を抑制できる。
【0021】
第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方に両面テープが含まれると、両面テープが有する2つの粘着剤層のうち一方の粘着剤層を、フラット部に貼り付けることができる。更に、他方の粘着剤層を、フラット部の配索場所に貼り付けることにより、フラット部を容易に固定できる。つまり、フラット部を固定するための部品を別途用意しなくてもよい。第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方に面ファスナーが含まれると、フラット部の配索場所が、面ファスナーが付着可能な面を有する場合に、当該面ファスナーを利用して容易にフラット部を配索場所に固定できる。第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方に磁石テープが含まれると、フラット部の配索場所が、磁石に引き付けられる材料よりなる部分を有する場合に、当該磁石テープを利用して磁力により容易にフラット部を固定できる。
【0022】
[9]上記[8]において、前記電線用結束テープは、ポリ塩化ビニルテープであってもよい。この構成によれば、第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方の材料として使用する電線用結束テープを、より容易に入手できる。
【0023】
[10]上記[8]において、前記保護テープは、ポリプロピレンテープであってもよい。この構成によれば、第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方の材料として使用する保護テープを容易に入手できる。
【0024】
[11]上記[7]において、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方は、前記フラット部の厚さ方向に互いに重ね合わせられる同一種類の前記複数のテープを有していてもよい。この構成によれば、フラット部の厚さ方向における第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方の厚さを、同一種類の複数のテープを重ねることにより容易に厚くできる。そして、フラット部における、同一種類の複数のテープが重ね合わせられた部分に覆われる部分を、当該同一種類の複数のテープが重ね合わせられた部分によって、周辺部材から保護できる。また、複数種類のテープを重ね合わせる場合に比べて、複数のテープを容易に準備できる。
【0025】
[12]上記[1]から[11]のいずれかにおいて、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の各々は、少なくとも1つのテープを有し、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の一方は、第1の幅を有する前記テープを有し、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の他方は、前記第1の幅よりも広い第2の幅を有する前記テープを有し、前記第1の幅を有する前記テープと、前記第2の幅を有する前記テープとは、前記フラット部の厚さ方向の両側から前記フラット部に重ね合わせられていてもよい。この構成によれば、第2の幅を有するテープは、第1の幅を有するテープよりもフラット部の幅方向に突出する。このため、第2の幅を有するテープにおける、第1の幅を有するテープよりもフラット部の幅方向に突出した部分を、フラット部の配索場所に貼り付けることにより、フラット部を容易に固定できる。つまり、フラット部を固定するための部品を別途用意しなくてもよい。
【0026】
[13]上記[7]、[11]及び[12]のいずれかにおいて、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材の少なくとも一方は、第1の長さを有する前記テープと、前記第1の長さよりも長い第2の長さを有する前記テープとを有し、前記第1の長さを有するテープと、前記第2の長さを有する前記テープとは、前記フラット部の厚さ方向に互いに重ね合わせられる部分を有していてもよい。
【0027】
この構成によれば、第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方において、第1の長さを有するテープと第2の長さを有するテープとが重ね合わせられている部分は、当該2つのテープが重ね合わせられていない部分に比べて、フラット部の厚さ方向に厚くなる。従って、第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方におけるフラット部の厚さ方向に厚さを厚くしたい部分に、第1の長さを有するテープと第2の長さを有するテープとが重なる部分を配置することにより、厚さを部分的に容易に厚くできる。例えば、フラット部の保護を強化したい一部分に、第1の長さを有するテープと第2の長さを有するテープとが重なる部分を配置することにより、当該一部分の周辺部材からの保護を容易に強化できる。また、第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方は、第1の長さを有するテープが有する機能を、電線束の長さ方向において部分的に有することができる。更に、第1テープ部材及び第2テープ部材の少なくとも一方は、第2の長さを有するテープが備える機能を、電線束の長さ方向において全体的にもしくは部分的に有することができる。
【0028】
[14]上記[7]、[11]、[12]及び[13]のいずれかにおいて、前記第1テープ部材が有する前記複数のテープの各々は、前記第2テープ部材が有する前記複数のテープと対をなしており、対をなす前記テープは、前記フラット部の厚さ方向の両側から前記フラット部を挟んで互いに重ね合わせられるとともに、前記電線束の延びる方向における位置が互いに等しく、複数対の前記テープのうち少なくとも一対の前記テープは、幅が互いに異なり、前記第1テープ部材が有する前記複数のテープの各々は、少なくとも一部が、前記第1テープ部材が有する前記複数のテープのうちの少なくとも1つの前記テープと前記フラット部の厚さ方向に重なり、前記第2テープ部材が有する前記複数のテープの各々は、少なくとも一部が、前記第2テープ部材が有する前記複数のテープのうちの少なくとも1つの前記テープと前記フラット部の厚さ方向に重なっていてもよい。
【0029】
この構成によれば、対をなすテープであって互いに幅が異なるテープは、互いに重ね合わせられると、幅が広い方のテープが、幅が狭い方のテープよりもフラット部の幅方向に突出する。このため、幅が広い方のテープにおける、幅が狭い方のテープよりもフラット部の幅方向に突出した部分を、フラット部の配索場所に貼り付けることにより、フラット部を容易に固定できる。つまり、フラット部を固定するための部品を別途用意しなくてもよい。
【0030】
また、第1テープ部材及び第2テープ部材の各々において、複数のテープの各々は、各自とは別のテープとフラット部の厚さ方向に重なるように配置されていればよい。そのため、複数のテープの各々を、複数のテープの各々が有する機能に応じて、電線束の長さ方向における所望の位置に配置しやすい。また、複数のテープが重なり合う部分を、フラット部における保護を強化したい一部分に重なるように配置することにより、当該一部分の周辺部材からの保護を容易に強化できる。
【0031】
[15]上記[1]から[14]のいずれかにおいて、前記電線束は、前記電線束の延びる方向に離れる2つの前記フラット部と、前記電線束の延びる方向における前記2つのフラット部の間に位置し前記フラット部における前記電線とは異なる並び方で前記電線が並ぶ積み重ね部とを有し、前記第1テープ部材と前記第2テープ部材との間には、前記2つのフラット部と前記積み重ね部とが挟まれており、前記積み重ね部における前記複数の電線は、前記フラット部の厚さ方向における厚さが前記フラット部よりも前記積み重ね部の方が厚く、且つ、前記フラット部の幅方向における幅が前記フラット部よりも前記積み重ね部の方が狭くなるように並んでいてもよい。
【0032】
この構成によれば、積み重ね部における複数の電線は、フラット部における複数の電線に比べて、第1テープ部材及び第2テープ部材に接触する部分が少ない。そのため、積み重ね部は、フラット部に比べて曲げられやすい。従って、2つのフラット部の間に位置する積み重ね部を容易に曲げてワイヤハーネスを配索できる。つまり、ワイヤハーネスに柔軟性を付与できる。
【0033】
[16]上記[1]から[14]のいずれかにおいて、前記フラット部は、前記フラット部の厚さ方向から見て前記複数の電線が曲がるフラット曲げ部を有し、前記フラット曲げ部における前記複数の電線は、前記フラット部の幅方向に沿って一列に並ぶとともに、前記フラット部の厚さ方向から見て一列に並んだ配列を維持しながら曲がり、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材は、前記フラット曲げ部を前記フラット部の厚さ方向の両側から挟むとともに、前記フラット曲げ部における前記複数の電線の配列及び曲げ形状を維持していてもよい。
【0034】
この構成によれば、電線束において複数の電線が曲がる部分も、第1テープ部材及び第2テープ部材によってフラット状に維持できる。従って、フラット部の配索場所が、狭く且つ曲がっている場合であっても、当該配索場所にフラット部を配置できる。
【0035】
[17]上記[1]から[14]のいずれかにおいて、前記電線束は、前記フラット部から前記電線束の延びる方向にずれた位置に前記複数の電線がフラットに並びながら曲がる単層曲げ部を有し、前記単層曲げ部における前記複数の電線は、前記単層曲げ部の厚さ方向から見て、前記単層曲げ部の厚さ方向と直交する一方向に沿って一列に並ぶとともに、一列に並んだ配列を維持しながら曲がり、前記単層曲げ部を前記単層曲げ部の厚さ方向の両側から挟んで貼り合わされる第3テープ部材及び第4テープ部材を備え、前記第3テープ部材及び前記第4テープ部材は、前記単層曲げ部における前記複数の電線の配列及び曲げ形状を維持していてもよい。
【0036】
この構成によれば、電線束においてフラット部から離れた位置で複数の電線が曲がる単層曲げ部も、第3テープ部材及び第4テープ部材によって簡単にフラット状に維持できる。従って、ワイヤハーネスを、狭い場所に、電線束が曲がった状態で容易に配置できる。
【0037】
[18]上記[1]から[14]のいずれかにおいて、前記電線束は、前記フラット部から前記電線束の延びる方向にずれた位置に前記電線束が曲がる重ね曲げ部を有し、前記重ね曲げ部における前記複数の電線は、前記フラット部の厚さ方向における厚さが前記フラット部よりも前記重ね曲げ部の方が厚く、且つ、前記フラット部の幅方向における幅が前記フラット部よりも前記重ね曲げ部の方が狭くなるように重なり合う状態で曲がり、前記重ね曲げ部を間に挟んで貼り合わされる第1曲げ固定テープ部材及び第2曲げ固定テープ部材を備え、前記第1曲げ固定テープ部材及び前記第2曲げ固定テープ部材は、前記重ね曲げ部における前記複数の電線の配列及び曲げ形状を維持していてもよい。
【0038】
この構成によれば、ワイヤハーネスの配索場所が曲がった部分を有する場合、重ね曲げ部を当該曲がった部分の形状に応じた形状にできる。更に、第1曲げ固定テープ部材及び第2曲げ固定テープ部材によって、重ね曲げ部を曲がった形状に維持できる。従って、フラット部を有するワイヤハーネスの配索をより行い易くできる。
【0039】
[19]上記[1]から[18]のいずれかにおいて、前記フラット部は、前記フラット部の幅方向から見て、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材によって直線状に維持されていてもよい。この構成によれば、フラット部の配索場所が直線状である場合に、フラット部を容易に配索できる。
【0040】
[20]上記[1]から[18]のいずれかにおいて、前記フラット部は、前記フラット部の幅方向から見て、前記第1テープ部材及び前記第2テープ部材によって湾曲形状に維持されていてもよい。この構成によれば、フラット部の配索場所が湾曲している場合に、フラット部を容易に配置できる。
【0041】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。添付図面において、構成要素の寸法比率は、実際のものと、または別の図中のものと異なる場合がある。
【0042】
<第1実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第1実施形態について説明する。
図1に示すワイヤハーネス30は、例えば、自動車等の車両に搭載される。
【0043】
ワイヤハーネス30は、電線束40を備える。電線束40は、複数の電線41を有する。例えば、電線束40は、4つの電線41を有する。4つの電線41は、例えば同一種類の電線であるとともに、直径が等しい。電線束40は、複数の電線41が束ねられたものである。
【0044】
図2に示すように、各電線41は、導電性を有する芯線42と、芯線42の外周を囲むとともに絶縁性を有する絶縁被覆43とを有する。なお、図2は、図1における2-2断面図である。
【0045】
芯線42としては、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚線、内部が中実構造をなす柱状の1本の金属棒からなる柱状導体、内部が中空構造をなす筒状導体を用いることができる。また、芯線42として、例えば、撚線、柱状導体、筒状導体のうちの少なくとも2つを組み合わせたものを用いてもよい。芯線42の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。
【0046】
絶縁被覆43は、例えば、芯線42の外周を、電線41の中心線L1回りの周方向全周にわたって被覆する。絶縁被覆43は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料により構成される。
【0047】
なお、図1及び図2では、電線41の中心線L1を一点鎖線で図示している。中心線L1は、電線41の横断面における中央を通る線である。
各電線41の端部には、図示しないコネクタが設けられている。コネクタは、コネクタハウジングと、コネクタハウジングの内側に保持される接続端子とを有する。複数の電線41は、それぞれ異なる接続端子に電気的に接続されている。
【0048】
電線束40は、電線束40の延びる方向における少なくとも一部に複数の電線41がフラットに並ぶフラット部45を有する。例えば、電線束40は、当該電線束40の一部にフラット部45を有する。
【0049】
例えば、フラット部45においては、4本の電線41は、電線束40の延びる方向と垂直に交差する一方向に沿って一列に並ぶ。なお、電線束40の延びる方向を、以下、延在方向Xと記載する。延在方向Xは、電線束40の長さ方向であって、束ねられた複数の電線41の中心線L1に沿う方向である。図中では、延在方向Xを両矢印で示している。
【0050】
フラット部45においては、延在方向Xと垂直に交差する第1の方向Yに沿って複数の電線41が並ぶ。延在方向Xと垂直に交差し、且つ、第1の方向Yと垂直に交差する方向を第2の方向Zとする。第1の方向Yは、フラット部45の幅方向に該当する。第2の方向Zは、フラット部45の厚さ方向に該当する。フラット部45における横断面形状は、第1の方向Yに長く、且つ、第2の方向Zに薄い扁平な形状である。なお、「横断面」は、延在方向Xと垂直な平面で切った断面である。また、第1の方向Yにおけるフラット部45の幅は、第2の方向Zにおけるフラット部45の幅よりも広い。フラット部45においては、4本の電線41は、例えば互いに平行に延びている。また、フラット部45においては、第1の方向Yに隣り合う電線41同士は、例えば互いに接触している。
【0051】
なお、本明細書において、「複数の電線がフラットに並ぶ」とは、電線束の横断面形状が扁平な形状になるように複数の電線が並ぶことを意味する。即ち、電線束の横断面形状が、電線束の延びる方向と垂直に交差する第1の方向に長く、且つ、第1の方向と垂直に交差する第2の方向に薄い形状となるように電線が並ぶことを意味する。そして、第1の方向におけるフラット部の幅は、フラット部の横断面において最も幅が広い部分の幅に該当する。更に、第1の方向におけるフラット部の幅と、第2の方向におけるフラット部の幅とは、異なる値であって、第1の方向におけるフラット部の幅の方が、第2の方向におけるフラット部の幅よりも広い。また、本明細書において、「フラット状」とは、複数の電線がフラットに並んだ状態を意味する。
【0052】
ワイヤハーネス30は、第1テープ部材50と第2テープ部材60とを備える。第1テープ部材50と第2テープ部材60とは、フラット部45の厚さ方向の両側からフラット部45を挟んで貼り合わされている。フラット部45における電線41は、第1テープ部材50と第2テープ部材60とによって一体的に保持されている。
【0053】
第1テープ部材50は、例えば、帯状をなしている。第1テープ部材50は、例えば、帯状をなす第1基材51を有する。また、第1テープ部材50は、例えば、第1基材51の片面に積層されている第1粘着剤層52を有する。
【0054】
第1テープ部材50は、例えば、保護テープである。第1テープ部材50が保護テープである場合、第1基材51は、例えば、一般的に電線の結束に使用される電線用結束テープが有する基材よりも厚さが厚い。また、同場合、第1基材51は、例えば、当該電線用結束テープの基材よりも硬度が高い。例えば、第1基材51は、当該電線用結束テープの基材よりも、ビッカース硬さの値が高い材料よりなる。
【0055】
第1テープ部材50が保護テープである場合、第1テープ部材50として、ポリプロピレン(PP:polypropylene)テープを用いることができる。第1テープ部材50がPPテープである場合、第1基材51は、例えば、帯状のPPフィルム、及び、PP繊維が帯状に編まれている織布のいずれかである。なお、第1テープ部材50が保護テープである場合、第1テープ部材50として、アセテートテープ、ポリカーボネートテープ、及びポリエチレン(PE)テープのうちのいずれかを用いることもできる。
【0056】
第2テープ部材60は、例えば、帯状をなしている。第2テープ部材60は、例えば、帯状をなす第2基材61を有する。また、第2テープ部材60は、例えば、第2基材61の片面に積層されている第2粘着剤層62を有する。第2テープ部材60は、例えば、第1テープ部材50と同一種類のものである。本実施形態では、第1テープ部材50と第2テープ部材60とは、同一種類のものであるため、第2テープ部材60の詳細な説明を省略する。
【0057】
第1テープ部材50と第2テープ部材60とは、間にフラット部45を挟んで第1粘着剤層52と第2粘着剤層62とが対向するように、フラット部45の厚さ方向の両側からフラット部45を挟んで貼り合わされている。そして、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々は、例えば、延在方向Xに沿って延びている。また、フラット部45は、フラット部45の幅方向から見て、例えば、第1テープ部材50及び第2テープ部材60によって直線状に維持されている。
【0058】
第1テープ部材50と第2テープ部材60とは、例えば、フラット部45の幅方向の両側で互いに直接貼り合わせられていてもよい。例えば、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々は、フラット部45の幅方向における長さがフラット部45よりも長い。そして、第1テープ部材50及び第2テープ部材60は、フラット部45の幅方向の両側で互いに直接貼り合わせられる第1貼着端部53及び第2貼着端部63をそれぞれ有していてもよい。第1テープ部材50は、例えば、幅方向における第1テープ部材50の両端の端部領域にそれぞれ第1貼着端部53を有する。第2テープ部材60は、例えば、幅方向における第2テープ部材60の両端の端部領域にそれぞれ第2貼着端部63を有する。ワイヤハーネス30においては、互いに貼り合わせられた2組の第1貼着端部53及び第2貼着端部63の間に、フラット部45が位置している。第1貼着端部53及び第2貼着端部63の各々は、延在方向Xに沿って延びている。
【0059】
また、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の少なくとも一方は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する電線41のうちの少なくとも1本の電線41の外周面の少なくとも一部に貼り付いていてもよい。
【0060】
例えば、第1テープ部材50は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する4本の電線41の各々の外周面の一部に貼り付いている。即ち、第1テープ部材50は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する4本の電線41の各々の外周面の一部に第1粘着剤層52が接触している。そして、例えば、第1テープ部材50は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する4本の電線41の各々の外周面の一部に第1粘着剤層52が密着している。
【0061】
例えば、第2テープ部材60は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する4本の電線41の各々の外周面の一部に貼り付いている。即ち、第2テープ部材60は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する4本の電線41の各々の外周面の一部に第2粘着剤層62が接触している。そして、例えば、第2テープ部材60は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する4本の電線41の各々の外周面の一部に第2粘着剤層62が密着している。
【0062】
また、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の少なくとも一方は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する電線41のうちの少なくとも1本の電線41の外周面に貼り付くとともに当該外周面に沿った円弧状をなす円弧貼着部54,64を有していてもよい。
【0063】
例えば、第1テープ部材50は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する電線41のうち、フラット部45において両端に並ぶ2つの電線41の外周面に貼り付くとともに当該外周面に沿った円弧状をなす2つの第1円弧貼着部54を有する。2つの第1円弧貼着部54における第1粘着剤層52は、フラット部45において両端に並ぶ2つの電線41の外周面の一部にそれぞれ面接触している。そして、例えば、2つの第1円弧貼着部54における第1粘着剤層52は、フラット部45において両端に並ぶ2つの電線41の外周面の一部にそれぞれ密着している。
【0064】
例えば、第2テープ部材60は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する電線41のうち、フラット部45において両端に並ぶ2つの電線41の外周面に貼り付くとともに当該外周面に沿った円弧状をなす2つの第2円弧貼着部64を有する。2つの第2円弧貼着部64における第2粘着剤層62は、フラット部45において両端に並ぶ2つの電線41の外周面の一部にそれぞれ面接触している。そして、例えば、2つの第2円弧貼着部64における第2粘着剤層62は、フラット部45において両端に並ぶ2つの電線41の外周面の一部にそれぞれ密着している。
【0065】
本実施形態の作用について説明する。
第1テープ部材50と第2テープ部材60とによって、フラット部45における電線41同士の相対移動、並びに第1テープ部材50及び第2テープ部材60に対する電線41の移動が規制される。即ち、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間では、フラット部45の厚さを厚くするような電線41の移動が規制される。
【0066】
本実施形態の効果について説明する。
(1-1)第1テープ部材50と第2テープ部材60とを貼り合わせることにより、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に挟まれたフラット部45を、複数の電線41がフラットに並んだ状態に維持できる。従って、第1テープ部材50と第2テープ部材60とによって、フラット部45における複数の電線41を簡単にフラット状に維持できる。
【0067】
(1-2)第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々は、帯状をなし、延在方向Xに沿って延びている。この構成によれば、延在方向Xに沿って第1テープ部材50及び第2テープ部材60が貼り合わせられた範囲にわたって、フラット部45における複数の電線41を簡単にフラット状に維持できる。
【0068】
(1-3)第1テープ部材50と第2テープ部材60とは、フラット部45の幅方向の両側で互いに直接貼り合わせられている。この構成によれば、第1テープ部材50に対して第2テープ部材60が相対的に移動することが抑制される。従って、第1テープ部材50と第2テープ部材60とによって、フラット部45における複数の電線41をフラット状に、より維持しやすい。また、第1テープ部材50と第2テープ部材60とによって、フラット部45の外周を全周にわたって囲むことができる。従って、ワイヤハーネス30が配索されるときに、周辺部材等がフラット部45に直接接触することを第1テープ部材50及び第2テープ部材60によって抑制できる。つまり、ワイヤハーネス30を保護できる。
【0069】
(1-4)第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する各電線41の外周面の少なくとも一部に貼り付いている。この構成によれば、フラット部45における複数の電線41をフラット状に更に維持しやすい。
【0070】
(1-5)第1テープ部材50は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する電線41のうちフラット部45の幅方向の両端に位置する2本の電線41の外周面に貼り付くとともに当該外周面に沿った円弧状をなす第1円弧貼着部54を有する。第2テープ部材60は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する電線41のうちフラット部45の幅方向の両端に位置する2本の電線41の外周面に貼り付くとともに当該外周面に沿った円弧状をなす第2円弧貼着部64を有する。この構成によれば、フラット部45における複数の電線41をフラット状に一層維持しやすい。
【0071】
(1-6)第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々は、保護テープである。第1テープ部材50は、帯状の第1基材51と、第1基材51の片面に積層されている第1粘着剤層52とを有する。第2テープ部材60は、帯状の第2基材61と、第2基材61の片面に積層されている第2粘着剤層62とを有する。第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々が保護テープである場合、第1基材51及び第2基材61の各々は、電線の結束に使用される電線用結束テープが有する基材よりも厚さが厚い。従って、保護テープは、電線用結束テープに比べて、破れにくい。従って、第1テープ部材50及び第2テープ部材60として保護テープを使用することにより、フラット部45における第1テープ部材50及び第2テープ部材60にて覆われる部分を、当該第1テープ部材50及び第2テープ部材60によって、周辺部材から保護できる。
【0072】
(1-7)第1テープ部材50及び第2テープ部材60として使用する保護テープは、ポリプロピレンテープである。この構成によれば、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の材料として使用する保護テープを容易に入手できる。
【0073】
(1-8)第1テープ部材50と第2テープ部材60とは、同一種類のものである。この構成によれば、第1テープ部材50と第2テープ部材60とが異なる種類のものである場合に比べて、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の準備が容易になる。また、フラット部45の厚さ方向の両側のうちいずれの側に第1テープ部材50が配置されてもよくなる。従って、フラット部45に対する第1テープ部材50及び第2テープ部材60の貼り間違いがなくなるため、ワイヤハーネス30の生産性を向上できる。
【0074】
(1-9)フラット部45は、フラット部45の幅方向から見て、第1テープ部材50及び第2テープ部材60によって直線状に維持されている。この構成によれば、フラット部45の配索場所が直線状である場合に、フラット部45を容易に配索できる。
【0075】
(1-10)フラット部45における複数の電線41は、フラット部45の厚さ方向におけるフラット部45の両側に第1テープ部材50及び第2テープ部材60が貼り付けられることによりフラット状に維持されている。そのため、フラット部45における複数の電線41がばらけることが抑制される。従って、ワイヤハーネス30をより容易に配索できる。
【0076】
(1-11)フラット部45における複数の電線41をフラット状に維持するために、従来のような樹脂成形品の電線フラット化部材を用いない。そして、それぞれ帯状をなす第1テープ部材50及び第2テープ部材60によって、フラット部45における複数の電線41をフラット状に維持する。従って、従来のような電線フラット化部材を用いる場合に比べて、フラット部45及びワイヤハーネス30におけるフラット部45の周辺の部分を薄型化できる。
【0077】
また、第1テープ部材50及び第2テープ部材60は、従来のような樹脂成形品の電線フラット化部材に比べて、延在方向Xにおける長さや第1の方向Yにおける幅を容易に変更できる。そのため、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の取扱者は、例えば、ワイヤハーネス30の製造現場といった任意の場所で、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々の長さや輪郭を微調整可能である。
【0078】
また、従来のような樹脂成形品の電線フラット化部材は、一般的に金型を用いて形成される。電線フラット化部材を形成するための金型は、ワイヤハーネスが備える電線の直径や本数に応じた形状である。そのため、ワイヤハーネスが備える電線の直径や本数が変更されると、電線フラット化部材を形成するための金型の形状も変更することになる。従って、製造コストが増大するという問題がある。これに対し、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々は、保護テープなどのテープにより形成される。従って、ワイヤハーネス30が備える電線41の直径や本数が変更されても、金型を新たに製造しなくてよいため、製造コストの増大を抑制できる。また、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々として、市販されているテープを使用可能である。従って、ワイヤハーネス30が備える電線41の直径や本数が変更されても、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々として使用するテープを容易に準備できる。
【0079】
<第2実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0080】
図3及び図4に示すように、本第2実施形態のワイヤハーネス30Aは、フラット部45を有する電線束40と、第1テープ部材50と、第2テープ部材60とを備える。なお、図4は、図3における4-4断面図である。
【0081】
第1テープ部材50は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する4本の電線41の外周面に貼り付く4つの第1円弧貼着部54を有する。4つの第1円弧貼着部54は、2つの第1貼着端部53の間で、第1の方向Yに沿って、即ちフラット部45の幅方向に沿って並んでいる。また、4つの第1円弧貼着部54は、フラット部45の幅方向に沿って連続して並んでいる。
【0082】
4つの第1円弧貼着部54における第1粘着剤層52は、それぞれフラット部45における4つの電線41の外周面の一部に面接触している。そして、例えば、4つの第1円弧貼着部54における第1粘着剤層52は、それぞれフラット部45における4つの電線41の外周面の一部に密着している。また、各第1円弧貼着部54は、電線41の外周面に沿った円弧状をなしている。更に、各第1円弧貼着部54は、延在方向Xに延びている。
【0083】
第2テープ部材60も同様に、4つの第2円弧貼着部64を有する。なお、4つの第2円弧貼着部64は、4つの第1円弧貼着部54と同様の構成であるため、4つの第2円弧貼着部64の説明を省略する。
【0084】
本第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用を奏する。更に、フラット部45においては、電線41の各々にそれぞれ第1円弧貼着部54及び第2円弧貼着部64が貼り付いている。従って、フラット部45において、電線41同士の相対移動が抑制される。
【0085】
本第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(2-1)第1テープ部材50及び第2テープ部材60は、第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に位置する各電線41の外周面に貼り付くとともに当該外周面に沿った円弧状をなす円弧貼着部54,64を有する。この構成によれば、フラット部45における複数の電線41をフラット状に一層維持しやすい。
【0086】
<第3実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態では、上記第1実施形態もしくは上記第2実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0087】
図5及び図6に示すように、本第3実施形態のワイヤハーネス30Bは、フラット部45Bを有する電線束40と、第1テープ部材50と、第2テープ部材60とを備える。なお、図6は、図5における6-6断面図である。
【0088】
例えば、電線束40は、電線束40の延びる方向における一部に複数の電線41がフラットに並ぶフラット部45Bを有する。フラット部45Bにおいては、延在方向Xと垂直に交差する第1の方向Yに沿って複数の電線41が並ぶ。フラット部45Bにおける横断面形状は、第1の方向Yに長く、且つ、第2の方向Zに薄い扁平な形状である。また、フラット部45Bにおいては、4本の電線41は、例えば互いに平行に延びている。また、フラット部45Bにおいては、第1の方向Yに隣り合う電線41同士は、第1の方向Y、即ちフラット部45Bの幅方向に離れている。
【0089】
第1テープ部材50と第2テープ部材60とは、フラット部45Bにおける隣り合う電線41の間で互いに直接貼り合わせられている。詳述すると、第1テープ部材50及び第2テープ部材60は、フラット部45Bの幅方向に隣り合う電線41の間で互いに直接貼り合わせられる第1電線間貼着部55及び第2電線間貼着部65をそれぞれ有する。第1電線間貼着部55及び第2電線間貼着部65の各々は、延在方向Xに沿って延びている。
【0090】
ワイヤハーネス30Bは、フラット部45Bにおいては、4本の電線41の間に、それぞれ互いに貼り合わせられた第1電線間貼着部55及び第2電線間貼着部65が位置している。第1テープ部材50及び第2テープ部材60は、第1電線間貼着部55及び第2電線間貼着部65を有することにより、フラット部45Bにおいて、複数の電線41をフラット部45Bの幅方向に離れた状態に維持している。
【0091】
また、第1テープ部材50は、2つの第1貼着端部53と、4つの第1円弧貼着部54とを有する。第1テープ部材50においては、フラット部45Bの幅方向における第1電線間貼着部55の両側にそれぞれ第1円弧貼着部54が位置する。同様に、第2テープ部材60は、2つの第2貼着端部63と、4つの第2円弧貼着部64とを有する。第2テープ部材60においては、フラット部45Bの幅方向における第2電線間貼着部65の両側にそれぞれ第2円弧貼着部64が位置する。フラット部45Bにおいては、各電線41の外周が全周にわたって、第1テープ部材50及び第2テープ部材60によって囲まれている。
【0092】
本第3実施形態によれば、上記第1実施形態及び上記第2実施形態と同様の作用を有する。更に、第1テープ部材50及び第2テープ部材60が第1電線間貼着部55及び第2電線間貼着部65を有することにより、フラット部45Bにおいて、フラット部45Bの幅方向に隣り合う電線41を、フラット部45Bの幅方向に離れた状態に維持できる。
【0093】
また、第1テープ部材50及び第2テープ部材60が第1電線間貼着部55及び第2電線間貼着部65を有することにより、フラット部45Bにおける各電線41は、第1円弧貼着部54と第2円弧貼着部64とによって外周面が全体的に覆われる。従って、フラット部45Bにおいて、各電線41の外周面と第1テープ部材50との間、並びに、各電線41の外周面と第2テープ部材60との間に空気の層が形成され難くなる。
【0094】
本第3実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果及び上記第2実施形態の(2-1)の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(3-1)第1テープ部材50と第2テープ部材60とは、フラット部45Bにおける隣り合う電線41の間で互いに直接貼り合わせられている。この構成によれば、フラット部45Bにおいては、複数の電線41は、第1テープ部材50と第2テープ部材60とによってフラット部45Bの幅方向に離れた状態に維持される。そのため、フラット部45Bの幅方向に隣り合う電線41が互いに接触している場合に比べて、第1テープ部材50及び第2テープ部材60が電線41を覆う部分の表面積を大きくできる。従って、フラット部45Bにおける放熱性を向上できる。
【0095】
また、フラット部45Bにおいて、フラット部45Bの幅方向に隣り合う電線41が、フラット部45Bの幅方向に離れた状態に維持されていると、フラット部45Bを曲げるときに電線41間で摩擦力が発生し難い。このため、フラット部45Bを曲げやすくなる。従って、第1テープ部材50及び第2テープ部材60の各々が、電線41よりも柔軟性に優れている場合には、フラット部45Bの柔軟性を向上できる。
【0096】
<第4実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第4実施形態について説明する。なお、本第4実施形態では、上記第1実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0097】
図7図9に示す本第4実施形態のワイヤハーネス30Cは、電線束40Cと、第1テープ部材50と、第2テープ部材60とを備える。なお、図8は、図7における8-8断面図である。図9は、図7における9-9断面図である。
【0098】
電線束40Cは、例えば8つの電線41を有する。8つの電線41は、例えば同一種類の電線であるとともに、直径が等しい。
電線束40Cは、2つのフラット部45a,45bを有する。フラット部45a,45bの各々においては、上記第1実施形態のフラット部45と同様に第1の方向Yに沿って8つの電線41が一列に並んでいる。フラット部45aとフラット部45bとは、延在方向Xに離れている。
【0099】
また、電線束40Cは、延在方向Xにおける2つのフラット部45a,45bの間に位置する積み重ね部46を有する。積み重ね部46においては、各フラット部45a,45bにおける電線41とは異なる並び方で電線41が並んでいる。積み重ね部46における複数の電線41は、フラット部45a,45bの厚さ方向における厚さがフラット部45a,45bの各々よりも積み重ね部46の方が厚くなるように並ぶ。且つ、積み重ね部46における複数の電線41は、フラット部45a,45bの幅方向における幅がフラット部45a,45bの各々よりも積み重ね部46の方が狭くなるように並ぶ。従って、フラット部45a,45bの厚さ方向、即ち第2の方向Zにおける積み重ね部46の厚さT1は、第2の方向Zにおけるフラット部45aの厚さT2よりも厚い。更に、フラット部45a,45bの幅方向、即ち第1の方向Yにおける積み重ね部46の幅W1は、第1の方向Yにおけるフラット部45aの幅W2よりも狭い。また、第2の方向Zにおける積み重ね部46の厚さT1は、第2の方向Zにおけるフラット部45bの厚さよりも厚い。更に、第1の方向Yにおける積み重ね部46の幅W1は、第1の方向Yにおけるフラット部45bの幅よりも狭い。
【0100】
なお、第2の方向Zにおけるフラット部45aの厚さT2と、第2の方向Zにおけるフラット部45bの厚さとは、例えば、同じ厚さである。また、第1の方向Yにおけるフラット部45aの幅W2と、第2の方向Zにおけるフラット部45bの幅とは、例えば同じ幅である。ただし、第2の方向Zにおけるフラット部45aの厚さT2と、第2の方向Zにおけるフラット部45bの厚さとは、異なる厚さであってもよい。また、第1の方向Yにおけるフラット部45aの幅W2と、第2の方向Zにおけるフラット部45bの幅とは、異なる幅であってもよい。
【0101】
フラット部45a,45bの各々では、8つの電線41が第1の方向Yに沿って一列に、即ち1層に並んでいる。これに対し、積み重ね部46では、8つの電線41が第2の方向Zに積み重なって並んでいる。例えば、積み重ね部46の一部では、第1の方向Yに沿って並ぶ電線41の列が3列ある。また、積み重ね部46の一部では、第1の方向Yに沿って並ぶ電線41の層が、第2の方向Zに3層、積み重ねられている。
【0102】
第1テープ部材50と第2テープ部材60との間に、2つのフラット部45a,45bと、積み重ね部46とが挟まれている。第1テープ部材50と第2テープ部材60とは、フラット部45a,45bの厚さ方向の両側からフラット部45a,45b及び積み重ね部46を挟んで貼り合わされている。
【0103】
本第4実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用を奏する。更に、積み重ね部46における複数の電線41について、フラット部45a,45bにおける複数の電線41に比べて、第1テープ部材50及び第2テープ部材60に接触する部分を少なくできる。
【0104】
本第4実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(4-1)電線束40Cは、延在方向Xに離れる2つのフラット部45a,45bと、延在方向Xにおける2つのフラット部45a,45bの間に位置しフラット部45a,45bにおける電線41とは異なる並び方で電線41が並ぶ積み重ね部46とを有する。第1テープ部材50と第2テープ部材60との間には、2つのフラット部45a,45bと積み重ね部46とが挟まれている。積み重ね部46における複数の電線41は、フラット部45a,45bの厚さ方向における厚さがフラット部45a,45bよりも積み重ね部46の方が厚く、且つ、フラット部45a,45bの幅方向における幅がフラット部45a,45bよりも積み重ね部46の方が狭くなるように並ぶ。
【0105】
この構成によれば、積み重ね部46における複数の電線41は、フラット部45a,45bにおける複数の電線41に比べて、第1テープ部材50及び第2テープ部材60に接触する部分が少ない。そのため、積み重ね部46は、フラット部45a,45bに比べて曲げられやすい。従って、2つのフラット部45a,45bの間に位置する積み重ね部46を容易に曲げてワイヤハーネス30Cを配索できる。つまり、ワイヤハーネス30Cに柔軟性を付与できる。
【0106】
<第5実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第5実施形態について説明する。なお、本第5実施形態では、上記第1実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0107】
図10及び図11に示す本第5実施形態のワイヤハーネス30Dは、電線束40Dと、第1テープ部材50と、第2テープ部材60とを備える。なお、図11は、図10における11-11断面図である。
【0108】
電線束40Dは、例えば12本の電線41を有する。12本の電線41は、例えば同一種類の電線であるとともに、直径が等しい。
電線束40Dは、延在方向Xにおける一部に複数の電線41がフラットに並ぶフラット部45Dを有する。フラット部45Dは、フラット部45Dの厚さ方向から見て、複数の電線41が曲がるフラット曲げ部47を有する。
【0109】
フラット曲げ部47における複数の電線41は、フラット部45Dの幅方向に沿って一列に並ぶとともに、フラット部45Dの厚さ方向から見て一列に並んだ配列を維持しながら曲がっている。フラット曲げ部47における複数の電線41は、フラット曲げ部47の幅方向の一方の端に位置する電線41から他方の端に位置する電線41まで、フラット曲げ部47における電線41の長さが徐々に長くなるように整列されている。例えば、フラット曲げ部47における12本の電線41は、フラット部45Dの厚さ方向から見て、同心の円弧状に湾曲している。そして、フラット曲げ部47における複数の電線41は、フラット曲げ部47の幅方向の一方の端に位置する電線41から他方の端に位置する電線41まで、曲率半径が徐々に大きくなっている。なお、フラット曲げ部47における12本の電線41は、全て異なる曲率で湾曲している。また、フラット曲げ部47においては、フラット部45Dの幅方向に隣り合う電線41同士は、例えば互いに接触している。
【0110】
第1テープ部材50及び第2テープ部材60は、フラット曲げ部47をフラット部45Dの厚さ方向の両側から挟む。更に、第1テープ部材50及び第2テープ部材60は、フラット曲げ部47における複数の電線41の配列及び曲げ形状を維持する。例えば、第1テープ部材50及び第2テープ部材60は、第1粘着剤層52及び第2粘着剤層62の粘着力、並びに、第1基材51及び第2基材61によって、フラット曲げ部47における複数の電線41の配列及び曲げ形状を維持する。
【0111】
本第5実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用を奏する。更に、電線束40Dにおいて複数の電線41が曲がる部分を、第1テープ部材50及び第2テープ部材60によって曲がった形状に維持できるとともに、フラット状に維持できる。
【0112】
本第5実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(5-1)フラット部45Dは、フラット部45Dの厚さ方向から見て複数の電線41が曲がるフラット曲げ部47をする。フラット曲げ部47における複数の電線41は、フラット部45Dの幅方向に沿って一列に並ぶとともに、フラット部45の厚さ方向から見て一列に並んだ配列を維持しながら曲がる。第1テープ部材50及び第2テープ部材60は、フラット曲げ部47をフラット部45Dの厚さ方向の両側から挟むとともに、フラット曲げ部47における複数の電線41の配列及び曲げ形状を維持する。
【0113】
この構成によれば、電線束40Dにおいて複数の電線41が曲がる部分も、第1テープ部材50及び第2テープ部材60によってフラット状に維持できる。従って、フラット部45Dの配索場所が、狭く且つ曲がっている場合であっても、当該配索場所にフラット部45Dを配置できる。
【0114】
<第6実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第6実施形態について説明する。なお、本第6実施形態では、上記第1実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0115】
図12及び図13に示す本第6実施形態のワイヤハーネス30Eは、電線束40Eを有する。なお、図13は、図12における13-13断面図である。電線束40Eは、例えば12本の電線41を有する。12本の電線41は、例えば同一種類の電線であるとともに、直径が等しい。
【0116】
電線束40Eは、例えば、延在方向Xにおける一部に複数の電線41がフラットに並ぶ2つのフラット部45Eを有する。なお、電線束40Eは、フラット部45Eを1つのみ有する構成であってもよい。フラット部45Eは、電線41の数は異なるが、上記第1実施形態のフラット部45と同様の構成である。2つのフラット部45Eは、電線束40Eにおける延在方向Xに離れた2カ所に位置する。なお、第2の方向Zにおける2つのフラット部45Eの厚さは、例えば、同じ厚さである。また、第1の方向Yにおける2つのフラット部45Eの幅は、例えば同じ幅である。
【0117】
各フラット部45Eは、第1テープ部材50と第2テープ部材60とによってフラット部45Eの厚さ方向の両側から挟まれている。即ち、ワイヤハーネス30Eは、第1テープ部材50と第2テープ部材60との組を2組備える。
【0118】
電線束40Eは、フラット部45Eから延在方向Xにずれた位置に電線束40Eが曲がる重ね曲げ部48を有する。電線束40Eは、例えば、延在方向Xにおける2つのフラット部45Eの間に重ね曲げ部48を有する。
【0119】
重ね曲げ部48においては、フラット部45Eにおける電線41とは異なる並び方で電線41が並んでいる。重ね曲げ部48においては、複数の電線41は、フラット部45Eの厚さ方向に積み重なっている。重ね曲げ部48における複数の電線41は、フラット部45Eの厚さ方向における厚さがフラット部45Eよりも重ね曲げ部48の方が厚くなるように重なり合う状態で曲がっている。且つ、重ね曲げ部48における複数の電線41は、フラット部45Eの幅方向における幅がフラット部45Eよりも重ね曲げ部48の方が狭くなるように重なり合う状態で曲がっている。従って、フラット部45Eの厚さ方向、即ち第2の方向Zにおける重ね曲げ部48の厚さT3は、第2の方向Zにおけるフラット部45Eの厚さよりも厚い。更に、フラット部45Eの幅方向、即ち第1の方向Yにおける重ね曲げ部48の幅W3は、第1の方向Yにおけるフラット部45Eの幅よりも狭い。なお、重ね曲げ部48の厚さT3及び幅W3は、電線束40Eにおいて最も重ね曲げ部48に近い位置にあるフラット部45Eの厚さ及び幅と比較する。
【0120】
ワイヤハーネス30Eは、重ね曲げ部48を間に挟んで貼り合わされる第1曲げ固定テープ部材70及び第2曲げ固定テープ部材80を備える。第1曲げ固定テープ部材70は、シート状の第1基材71と、第1基材71の片面に積層された第1粘着剤層72とを有する。第2曲げ固定テープ部材80は、シート状の第2基材81と、第2基材81の片面に積層された第2粘着剤層82とを有する。第1曲げ固定テープ部材70と第2曲げ固定テープ部材80とは、第1粘着剤層72と第2粘着剤層82とが互いに対向する状態で間に重ね曲げ部48を挟んで互いに貼り合わせられている。
【0121】
第1曲げ固定テープ部材70及び第2曲げ固定テープ部材80は、重ね曲げ部48における複数の電線41の配列及び曲げ形状を維持する。例えば、第1曲げ固定テープ部材70及び第2曲げ固定テープ部材80は、第1粘着剤層72及び第2粘着剤層82の粘着力、並びに、第1基材71及び第2基材81によって、重ね曲げ部48における複数の電線41の配列及び曲げ形状を維持する。
【0122】
本第6実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用を奏する。更に、フラット部45Eを有する電線束40Eにおいて複数の電線41が曲がる部分、即ち重ね曲げ部48を、第1曲げ固定テープ部材70及び第2曲げ固定テープ部材80によって曲がった形状に維持できる。
【0123】
本第6実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(6-1)電線束40Eは、フラット部45Eから延在方向Xにずれた位置に電線束40Eが曲がる重ね曲げ部48を有する。重ね曲げ部48における複数の電線41は、フラット部45Eの厚さ方向における厚さがフラット部45Eよりも重ね曲げ部48の方が厚くなるように重なり合う状態で曲がる。且つ、重ね曲げ部48における複数の電線41は、フラット部45Eの幅方向における幅がフラット部45Eよりも重ね曲げ部48の方が狭くなるように重なり合う状態で曲がる。ワイヤハーネス30Eは、重ね曲げ部48を間に挟んで貼り合わされる第1曲げ固定テープ部材70及び第2曲げ固定テープ部材80を備える。第1曲げ固定テープ部材70及び第2曲げ固定テープ部材80は、重ね曲げ部48における複数の電線41の配列及び曲げ形状を維持する。
【0124】
この構成によれば、ワイヤハーネス30Eの配索場所が曲がった部分を有する場合、重ね曲げ部48を当該曲がった部分の形状に応じた形状にできる。更に、第1曲げ固定テープ部材70及び第2曲げ固定テープ部材80によって、重ね曲げ部48を曲がった形状に維持できる。従って、フラット部45Eを有するワイヤハーネス30Eの配索をより行い易くできる。
【0125】
<第7実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第7実施形態について説明する。なお、本第7実施形態では、上記各実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0126】
図14及び図15に示すように、本第7実施形態のワイヤハーネス30Kは、フラット部45を有する電線束40と、第1テープ部材50Kと、第2テープ部材60Kとを備える。なお、図15は、図14における15-15断面図である。
【0127】
第1テープ部材50Kと第2テープ部材60Kとは、フラット部45の厚さ方向の両側からフラット部45を挟んで貼り合わされている。フラット部45における電線41は、第1テープ部材50Kと第2テープ部材60Kとによって一体的に保持されている。
【0128】
第1テープ部材50Kは、例えば、全体として延在方向Xに沿って延びる帯状をなしている。第1テープ部材50Kは、フラット部45の厚さ方向、即ち第2の方向Zに互いに重ね合わせられる複数のテープ100を有する。例えば、第1テープ部材50Kは、複数のテープ100として、3つの第1テープ101a,101b,101cを有する。なお、第1テープ部材50Kが有するテープ100の数は、3つに限らず、2つもしくは4つ以上であってもよい。因みに、上記第1から第6実施形態の各々における第1テープ部材50は、1つのテープ100により構成されている。
【0129】
第1テープ101aは、フラット部45に直接貼り付けられている。第1テープ101aは、円弧貼着部54を有していてもよい。第1テープ101bは、第2の方向Zに第1テープ101aに直接重ねられている。第1テープ101cは、第2の方向Zに第1テープ101bに直接重ねられている。第1テープ101a,101b,101cは、例えば、第1の方向Yにおける幅が互いに等しい。第1テープ101a,101b,101cは、例えば、延在方向Xにおける長さが互いに等しい。また、第1テープ101a,101b,101cは、例えば、延在方向Xにおける位置が互いに同じである。
【0130】
第2テープ部材60Kは、例えば、全体として延在方向Xに沿って延びる帯状をなしている。第2テープ部材60Kは、第2の方向Zに互いに重ね合わせられる複数のテープ100を有する。例えば、第2テープ部材60Kは、複数のテープ100として、3つの第2テープ102a,102b,102cを有する。なお、第2テープ部材60Kが有するテープ100の数は、3つに限らず、2つもしくは4つ以上であってもよい。また、第2テープ部材60Kが有するテープ100の数は、第1テープ部材50Kが有するテープ100の数と異なっていてもよい。因みに、上記第1から第6実施形態の各々における第2テープ部材60は、1つのテープ100により構成されている。
【0131】
第2テープ102aは、第1テープ101aとの間にフラット部45を挟む位置で、フラット部45に直接貼り付けられている。第2テープ102aは、円弧貼着部64を有していてもよい。第2テープ102bは、第2の方向Zに第2テープ102aに直接重ねられている。第2テープ102cは、第2の方向Zに第2テープ102bに直接重ねられている。第2テープ102a,102b,102cは、例えば、第1の方向Yにおける幅が互いに等しい。例えば、第1の方向Yにおける第2テープ102a,102b,102cの各々の幅は、第1の方向Yにおける第1テープ101a,101b,101cの各々の幅と等しい。第2テープ102a,102b,102cは、例えば、延在方向Xにおける長さが互いに等しい。例えば、延在方向Xにおける第2テープ102a,102b,102cの各々の長さは、延在方向Xにおける第1テープ101a,101b,101cの各々の長さと等しい。また、第2テープ102a,102b,102cは、例えば、延在方向Xにおける位置が互いに同じである。例えば、延在方向Xにおける第2テープ102a,102b,102cの各々の位置は、延在方向Xにおける第1テープ101a,101b,101cの各々の位置と同じである。
【0132】
テープ100の各々は、例えば、延在方向Xに沿って延びる帯状をなしている。第1テープ101aは、例えば、第1基材51aと、第1基材51aの片面に積層されている第1粘着剤層52aとを有する。第1テープ101bは、例えば、第1基材51bと、第1基材51bの片面に積層されている第1粘着剤層52bとを有する。第1テープ101cは、例えば、第1基材51cと、第1基材51cの片面に積層されている第1粘着剤層52cとを有する。第1基材51a,51b,51cの各々は、例えば、帯状をなす。
【0133】
第2テープ102aは、例えば、第2基材61aと、第2基材61aの片面に積層されている第2粘着剤層62aとを有する。第2テープ102bは、例えば、第2基材61bと、第2基材61bの片面に積層されている第2粘着剤層62bとを有する。第2テープ102cは、例えば、第2基材61cと、第2基材61cの片面に積層されている第2粘着剤層62cとを有する。第2基材61a,61b,61cの各々は、例えば、帯状をなす。
【0134】
第1テープ101a及び第2テープ102aの各々は、例えば、金属テープである。第1テープ101a及び第2テープ102aが金属テープである場合、第1基材51a及び第2基材61aの各々は、金属製である。例えば、第1基材51a及び第2基材61aの各々は、帯状のアルミニウム箔である。
【0135】
第1テープ101b及び第2テープ102bの各々は、例えば、上記第1実施形態の第1テープ部材50と同様の保護テープである。
第1テープ101c及び第2テープ102cの各々は、例えば、両面テープである。第1テープ101cが両面テープである場合、第1テープ101cは、第1基材51cにおける第1粘着剤層52cが積層された面と反対の面に第1粘着剤層52dを更に有する。第2テープ102cが両面テープである場合、第2テープ102cは、第2基材61cにおける第2粘着剤層62cが積層された面と反対側の面に第2粘着剤層62dを更に有する。第1テープ101cは、第1粘着剤層52cが第1テープ101bに貼り付けられる一方で、第1粘着剤層52dをフラット部45の配索場所に貼り付け可能である。第2テープ102cは、第2粘着剤層62cが第2テープ102bに貼り付けられる一方で、第2粘着剤層62dをフラット部45の配索場所に貼り付け可能である。
【0136】
本第7実施形態によれば、上記第1実施形態の(1-1)から(1-5)、(1-7)、及び(1-9)から(1-11)、並びに、上記第2実施形態と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
【0137】
(7-1)第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの各々は、第2の方向Zに互いに重ね合わせられる複数のテープ100を有する。この構成によれば、テープ100の数を調整することにより、第2の方向Zにおける第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの各々の厚さを調整できる。また、複数種類のテープ100により第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの各々を構成可能になる。
【0138】
(7-2)第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの各々は、電線の結束に使用される電線用結束テープが有する基材よりも厚さが厚い基材と、当該基材の片面に積層されている粘着剤層とを有する保護テープを含む。また、第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの各々は、帯状をなす金属製の基材を有する金属テープを含む。また、第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの各々は、帯状をなす基材と当該基材の両面にそれぞれ積層されている粘着剤層とを有する両面テープを含む。
【0139】
この構成によれば、第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの各々に保護テープが含まれると、フラット部45における保護テープにて覆われる部分を、当該保護テープによって、周辺部材から保護できる。
【0140】
第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの各々に金属テープが含まれると、フラット部45における金属テープが貼り付けられている部分では、当該金属テープによって、フラット部45における電線41から外部に電磁ノイズが放射されることを抑制できる。また、同部分では、金属テープによって、外部からの電磁ノイズがフラット部45における電線41に侵入することを抑制できる。また、同部分では、金属テープが輻射熱を反射できるため、フラット部45における電線41の温度上昇を抑制できる。
【0141】
また、第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの各々に両面テープが含まれると、両面テープが有する2つの粘着剤層のうち一方の粘着剤層を、フラット部45に貼り付けることができる。更に、他方の粘着剤層を、フラット部45の配索場所に貼り付けることにより、フラット部45を容易に固定できる。つまり、フラット部45を固定するための部品を別途用意しなくてもよい。
【0142】
<第8実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第8実施形態について説明する。なお、本第8実施形態では、上記各実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0143】
図16及び図17に示すように、本第8実施形態のワイヤハーネス30Lは、フラット部45を有する電線束40と、第1テープ部材50Lと、第2テープ部材60Lとを備える。なお、図16は、ワイヤハーネス30Lの一部を示す縦断面図であって、図17における16-16断面図である。図17は、ワイヤハーネス30Lの一部を示す横断面図であって、図16における17-17断面図である。
【0144】
第1テープ部材50Lと第2テープ部材60Lとは、フラット部45の厚さ方向の両側からフラット部45を挟んで貼り合わされている。フラット部45における電線41は、第1テープ部材50Lと第2テープ部材60Lとによって一体的に保持されている。
【0145】
第1テープ部材50L及び第2テープ部材60Lの各々は、例えば、全体として延在方向Xに沿って延びる帯状をなしている。第1テープ部材50L及び第2テープ部材60Lの少なくとも一方は、第2の方向Zに互いに重ね合わせられる同一種類の複数のテープ100を有していてもよい。例えば、第1テープ部材50L及び第2テープ部材60Lの各々は、第2の方向Zに互いに重ね合わせられる同一種類の複数のテープ100を有する。
【0146】
例えば、第1テープ部材50Lは、複数のテープ100として、2つの第1テープ101a,101bを有する。例えば、第1テープ101aは、上記第7実施形態と同様に金属テープであるとともに、第1テープ101bは、第1テープ101aと同一種類の金属テープである。
【0147】
例えば、第2テープ部材60Lは、複数のテープ100として、2つの第2テープ102a,102bを有する。なお、第1テープ部材50L及び第2テープ部材60Lの各々が有するテープ100の数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。また、第1テープ部材50Lが有するテープ100の数と、第2テープ部材60Lが有するテープ100の数とは、異なっていてもよい。例えば、第2テープ102aは、上記第7実施形態と同様に金属テープであるとともに、第2テープ102bは、第2テープ102aと同一種類の金属テープである。
【0148】
第1テープ101a,101b及び第2テープ102a,102bは、上記第7実施形態と同様の態様でフラット部45に対して配置されている。
本第8実施形態によれば、上記第1実施形態の(1-1)から(1-5)、(1-7)、及び(1-9)から(1-11)、並びに、上記第2実施形態と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
【0149】
(8-1)第1テープ部材50L及び第2テープ部材60Lの各々は、第2の方向Zに互いに重ね合わせられる同一種類の複数のテープ100を有する。この構成によれば、第2の方向Zにおける第1テープ部材50L及び第2テープ部材60Lの各々の厚さを、同一種類の複数のテープ100を重ねることにより容易に厚くできる。そして、フラット部45における、同一種類の複数のテープ100が重ね合わせられた部分に覆われる部分を、当該同一種類の複数のテープ100が重ね合わせられた部分によって、周辺部材から保護できる。また、複数種類のテープ100を重ね合わせる場合に比べて、複数のテープ100を容易に準備できる。
【0150】
(8-2)第1テープ部材50L及び第2テープ部材60Lの各々は、帯状をなす金属製の基材を有する金属テープを含む。この構成によれば、第1テープ部材50L及び第2テープ部材60Lの各々に金属テープが含まれると、フラット部45における金属テープが貼り付けられている部分では、当該金属テープによって、フラット部45における電線41から外部に電磁ノイズが放射されることを抑制できる。また、同部分では、金属テープによって、外部からの電磁ノイズがフラット部45における電線41に侵入することを抑制できる。また、同部分では、金属テープが輻射熱を反射できるため、フラット部45における電線41の温度上昇を抑制できる。
【0151】
<第9実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第9実施形態について説明する。なお、本第9実施形態では、上記各実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0152】
図18及び図19に示すように、本第9実施形態のワイヤハーネス30Mは、フラット部45を有する電線束40と、上記第2実施形態の第1テープ部材50と、第2テープ部材60Mとを備える。なお、図19は、図18における19-19断面図である。
【0153】
第1テープ部材50及び第2テープ部材60Mの各々は、少なくとも1つのテープ100を有する。例えば、第1テープ部材50及び第2テープ部材60Mの各々は、1つのテープ100を有する。
【0154】
第1テープ部材50を構成するテープ100は、第1の幅W11を有する。第1の幅W11は、第1の方向Yにおける当該テープ100の長さである。
第2テープ部材60Mは、上記第2実施形態の第2テープ部材60と同様の保護テープである。即ち、第2テープ部材60Mを構成するテープ100は、保護テープである。第2テープ部材60Mを構成するテープ100は、第1の幅W11よりも広い第2の幅W21を有する。第2の幅W21は、第1の方向Yにおける当該テープ100の長さである。
【0155】
第1の幅W11を有するテープ100、即ち第1テープ部材50と、第2の幅W21を有するテープ100、即ち第2テープ部材60Mとは、第2の方向Zの両側からフラット部45に重ね合わせられる。第2の幅W21を有するテープ100は、第1の幅W11を有するテープ100よりも第1の方向Yにおける幅が広い。そのため、第2の幅W21を有するテープ100は、第1の方向Yにおける両端部領域のうち少なくとも一方の端部領域に、第1の幅W11を有するテープ100と第2の方向Zに重ならない貼着部110を有する。例えば、第2の幅W21を有するテープ100は、第1の方向Yにおける両端部領域にそれぞれ貼着部110を有する。貼着部110は、第1の幅W11を有するテープ100によって第2粘着剤層62が覆われない。そのため、貼着部110を、フラット部45の配索場所に貼り付け可能である。
【0156】
なお、ワイヤハーネス30Mの輸送時等、フラット部45を配索場所に配置するまでの間は、貼着部110における第2粘着剤層62に剥離紙111を貼り付けておいてもよい。図19では剥離紙111を二点鎖線で図示している。貼着部110における第2粘着剤層62に剥離紙111を貼り付けない場合には、第1の幅W11を有するテープ100の第1の方向Yにおける端部領域に貼着部110を重ねるように、第2の幅W21を有するテープ100を折り曲げておいてもよい。この場合、貼着部110における第2粘着剤層62は、第1基材51における第1粘着剤層52が積層されている面とは反対側の面に貼り付けられる。そして、フラット部45を配索場所に配置する際には、貼着部110を、第1の幅W11を有するテープ100から剥がした後に、配索場所に貼り付ける。
【0157】
本第9実施形態によれば、上記第1実施形態及び上記第2実施形態と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
(9-1)第1テープ部材50及び第2テープ部材60Mの各々は、少なくとも1つのテープ100を有する。第1テープ部材50は、第1の幅W11を有するテープ100を有する。第2テープ部材60Mは、第1の幅W11よりも広い第2の幅W21を有するテープ100を有する。第1の幅W11を有するテープ100と、第2の幅W21を有するテープ100とは、第2の方向Zの両側からフラット部45に重ね合わせられている。
【0158】
この構成によれば、第2の幅W21を有するテープ100は、第1の幅W11を有するテープ100よりもフラット部45の幅方向に突出する。このため、第2の幅W21を有するテープ100における、第1の幅W11を有するテープ100よりもフラット部45の幅方向に突出した部分を、フラット部45の配索場所に貼り付けることにより、フラット部45を容易に固定できる。つまり、フラット部45を固定するための部品を別途用意しなくてもよい。
【0159】
<第10実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第10実施形態について説明する。なお、本第10実施形態では、上記各実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0160】
図20及び図21に示すように、本第10実施形態のワイヤハーネス30Nは、フラット部45を有する電線束40と、第1テープ部材50Nと、第2テープ部材60Nとを備える。なお、図21は、図20における21-21断面図である。
【0161】
第1テープ部材50Nと第2テープ部材60Nとは、フラット部45の厚さ方向の両側からフラット部45を挟んで貼り合わされている。フラット部45における電線41は、第1テープ部材50Nと第2テープ部材60Nとによって一体的に保持されている。
【0162】
第1テープ部材50Nは、例えば、全体として延在方向Xに沿って延びる帯状をなしている。第1テープ部材50Nは、複数のテープ100を有する。例えば、第1テープ部材50Nは、複数のテープ100として、3つの第1テープ101a,101b,101cを有する。なお、第1テープ部材50Nが有するテープ100の数は、3つに限らず、2つもしくは4つ以上であってもよい。
【0163】
第1テープ101aは、フラット部45に直接貼り付けられている。第1テープ101bは、第2の方向Zに第1テープ101aに直接重ねられている。第1テープ101cは、第2の方向Zに第1テープ101bに直接重ねられている。第1テープ101a,101b,101cは、例えば、延在方向Xにおける各々の中央が第2の方向Zに互いに重なるように重ね合わせられている。
【0164】
第1テープ101a,101b,101cは、第1の方向Yにおける幅が互いに等しくてもよい。また、第1テープ101a,101b,101cは、延在方向Xにおける長さが互いに異なっていてもよい。例えば、第1テープ部材50Nは、長さL1bを有する第1テープ101bと、長さL1bよりも長い長さL1aを有する第1テープ101aとを有する。この場合、長さL1bは「第1の長さ」に該当するとともに、長さL1aは「第2の長さ」に該当する。また、例えば、第1テープ部材50Nは、長さL1cを有する第1テープ101cと、長さL1cよりも長い長さL1bを有する第1テープ101bとを有する。この場合、長さL1cは「第1の長さ」に該当するとともに、長さL1bは「第2の長さ」に該当する。また、例えば、第1テープ部材50Nは、長さL1cを有する第1テープ101cと、長さL1cよりも長い長さL1aを有する第1テープ101aとを有する。この場合、長さL1cは「第1の長さ」に該当するとともに、長さL1aは「第2の長さ」に該当する。
【0165】
第2テープ部材60Nは、例えば、全体として延在方向Xに沿って延びる帯状をなしている。第2テープ部材60Nは、複数のテープ100を有する。例えば、第2テープ部材60Nは、複数のテープ100として、3つの第2テープ102a,102b,102cを有する。なお、第2テープ部材60Nが有するテープ100の数は、3つに限らず、2つもしくは4つ以上であってもよい。また、第2テープ部材60Nが有するテープ100の数は、第1テープ部材50Nが有するテープ100の数と異なっていてもよい。
【0166】
第2テープ102aは、第1テープ101aとの間にフラット部45を挟む位置で、フラット部45に直接貼り付けられている。延在方向Xにおける第2テープ102aの位置は、例えば、延在方向Xにおける第1テープ101aの位置と同じ位置である。第2テープ102bは、第2の方向Zに第2テープ102aに直接重ねられている。第2テープ102cは、第2の方向Zに第2テープ102bに直接重ねられている。第2テープ102a,102b,102cは、例えば、延在方向Xにおける各々の中央が第2の方向Zに互いに重なるように重ね合わせられている。
【0167】
第2テープ102a,102b,102cは、第1の方向Yにおける幅が互いに等しくてもよい。また、第2テープ102a,102b,102cは、延在方向Xにおける長さが互いに異なっていてもよい。例えば、延在方向Xにおける第2テープ102aの長さL2aは、延在方向Xにおける第1テープ101aの長さL1aと等しい。また、例えば、延在方向Xにおける第2テープ102bの長さL2bは、延在方向Xにおける第1テープ101bの長さL1bと等しい。また、例えば、延在方向Xにおける第2テープ102cの長さL2cは、延在方向Xにおける第1テープ101cの長さL1cと等しい。このため、例えば、長さL2bは長さL2aよりも短い。また、例えば、長さL2cは長さL2bよりも短い。なお、長さL1aと長さL2aとは、互いに異なる長さであってもよい。同様に、長さL1bと長さL2b、並びに、長さL1cと長さL2cは、それぞれ互いに異なる長さであってもよい。
【0168】
第1テープ101aと第2テープ102a、第1テープ101bと第2テープ102b、第1テープ101cと第2テープ102cは、例えば、延在方向Xにおける位置が互いに同じである。因みに、第1テープ101aと第2テープ102a、第1テープ101bと第2テープ102b、第1テープ101cと第2テープ102cは、例えば、それぞれ互いに対をなしている。
【0169】
第1テープ101a及び第2テープ102aの各々は、例えば、上記第7実施形態と同様に金属テープである。第1テープ101b及び第2テープ102bの各々は、例えば、上記第7実施形態と同様に保護テープである。第1テープ101c及び第2テープ102cの各々は、例えば、上記第7実施形態と同様に両面テープである。
【0170】
フラット部45は、例えば、第1テープ101cの第1粘着剤層52d及び第2テープ102cの第2粘着剤層62dの少なくとも一方がフラット部45の配索場所に貼り付けられることにより、当該配索場所に固定される。
【0171】
本第10実施形態によれば、上記第1実施形態の(1-1)から(1-5)、(1-7)、及び(1-9)から(1-11)、上記第2実施形態、並びに上記第7実施形態と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
【0172】
(10-1)第1テープ部材50Nは、第1テープ101cと、延在方向Xにおいて第1テープ101cよりも長い第1テープ101a,101bとを有する。第1テープ101aは、延在方向Xにおいて第1テープ101bよりも長い。また、第2テープ部材60Nは、第2テープ102cと、延在方向Xにおいて第2テープ102cよりも長い第2テープ102a,102bとを有する。第2テープ102aは、延在方向Xにおいて第2テープ102bよりも長い。
【0173】
この構成によれば、第1テープ部材50Nにおいて、第1テープ101aに第1テープ101b,101cが重ね合わせられている部分は、第1テープ101b,101cが重ね合わせられていない部分に比べて、第2の方向Zに厚くなる。第1テープ部材50Nにおいては、第1テープ101aと、第1テープ101bと、第1テープ101cとが第2の方向Zに重なっている部分が第2の方向Zに最も厚くなる。従って、第1テープ部材50Nにおける第2の方向Zに厚さを厚くしたい部分に、第1テープ101aと第1テープ101b,101cの少なくとも一方とが互いに重なる部分を配置することにより、厚さを部分的に容易に厚くできる。例えば、フラット部45の保護を強化したい一部分に、第1テープ101a,101b,101cが互いに重なる部分を配置することにより、当該一部分の周辺部材からの保護を容易に強化できる。また、第1テープ部材50Nは、第1テープ101b,101cが有する機能を、延在方向Xにおいて部分的に有することができる。更に、第1テープ部材50Nは、第1テープ101aが備える機能を、延在方向Xにおいて全体的に有することができる。第2テープ部材60Nにおいても同様の作用効果を奏する。
【0174】
<第11実施形態>
以下、ワイヤハーネスの第11実施形態について説明する。なお、本第11実施形態では、上記各実施形態と同一の構成もしくは対応する構成に同一の符号を付して、その構成の説明の一部または全部を省略する。
【0175】
図22図23及び図24に示すように、本第11実施形態のワイヤハーネス30Pは、フラット部45を有する電線束40と、第1テープ部材50Pと、第2テープ部材60Pとを備える。なお、図23は、図22における23-23断面図である。また、図24は、図23における24-24断面図である。
【0176】
第1テープ部材50Pと第2テープ部材60Pとは、フラット部45の厚さ方向の両側からフラット部45を挟んで貼り合わされている。フラット部45における電線41は、第1テープ部材50Pと第2テープ部材60Pとによって一体的に保持されている。
【0177】
第1テープ部材50Pは、例えば、全体として延在方向Xに沿って延びる帯状をなしている。第1テープ部材50Pは、複数のテープ100を有する。例えば、第1テープ部材50Pは、複数のテープ100として、4つの第1テープ101e,101a,101b,101cを有する。なお、第1テープ部材50Pが有するテープ100の数は、4つに限らず、2つ、もしくは3つ、もしくは5つ以上であってもよい。
【0178】
第2テープ部材60Pは、例えば、全体として延在方向Xに沿って延びる帯状をなしている。第2テープ部材60Pは、複数のテープ100を有する。例えば、第2テープ部材60Pは、複数のテープ100として、4つの第2テープ102e,102a,102b,102cを有する。なお、第2テープ部材60Pが有するテープ100の数は、4つに限らず、第1テープ部材50Pが有するテープ100の数と同じであればよい。
【0179】
第1テープ部材50Pに含まれる複数の第1テープ101e,101a,101b,101cの各々は、第2テープ部材60Pに含まれる複数の第2テープ102e,102a,102b,102cと対をなしている。即ち、第1テープ101eと第2テープ102e、第1テープ101aと第2テープ102a、第1テープ101bと第2テープ102b、第1テープ101cと第2テープ102cは、それぞれ互いに対をなしている。このように、第1テープ部材50P及び第2テープ部材60Pは、例えば、4対のテープ100を有している。
【0180】
対をなすテープ100同士は、延在方向Xにおける長さが互いに等しい。また、対をなすテープ100ごとに、延在方向Xにおける長さが個別に設定されている。例えば、対をなす第1テープ101e及び第2テープ102eは、延在方向Xにおける長さが等しい。また、例えば、第1テープ101a,101b,101cの各々は、例えば、第1テープ101eよりも延在方向Xにおける長さが短い。
【0181】
対をなす第1テープ101e及び第2テープ102eは、第2の方向Zの両側からフラット部45を挟んで互いに重ね合わせられるとともに、延在方向Xにおける位置が互いに等しい。対をなす第1テープ101a及び第2テープ102aは、第2の方向Zの両側からフラット部45を挟んで互いに重ね合わせられるとともに、延在方向Xにおける位置が互いに等しい。対をなす第1テープ101b及び第2テープ102bは、第2の方向Zの両側からフラット部45を挟んで互いに重ね合わせられるとともに、延在方向Xにおける位置が互いに等しい。対をなす第1テープ101c及び第2テープ102cは、第2の方向Zの両側からフラット部45を挟んで互いに重ね合わせられるとともに、延在方向Xにおける位置が互いに等しい。
【0182】
第1テープ部材50Pに含まれる複数のテープ100の各々は、少なくとも一部が、第1テープ部材50Pに含まれる複数のテープ100のうちの少なくとも1つのテープ100と第2の方向Zに重なる。例えば、第1テープ101eは、フラット部45に直接貼り付けられている。第1テープ101aは、第2の方向Zに第1テープ101eに直接重ねられている。例えば、第1テープ101aは、延在方向Xにおける全体にわたって第1テープ101eと重なっている。第1テープ101bは、例えば、延在方向Xにおける両端のうち一方の端部が第1テープ101aに直接重ねられるとともに、他方の端部が第1テープ101eに直接重ねられている。そして、第1テープ101bは、延在方向Xにおける全体にわたって第1テープ101eと第2の方向Zに重なるとともに、延在方向Xにおける一部の範囲が第1テープ101aと第2の方向Zに重なる。第1テープ101cは、例えば、第1テープ101a及び第1テープ101bに対して延在方向Xにずれた位置に配置されている。即ち、第1テープ101cは、第1テープ101a,101bの各々と第2の方向Zに重ならない位置で、第1テープ101eに第2の方向Zに重ねられていてもよい。そして、第1テープ101cは、例えば、延在方向Xにおける全体にわたって第2の方向Zに第1テープ101eに直接重ねられている。
【0183】
第2テープ部材60Pに含まれる複数のテープ100の各々は、少なくとも一部が、第2テープ部材60Pに含まれる複数のテープ100のうちの少なくとも1つのテープ100と第2の方向Zに重なる。詳しくは、第2テープ102eは、フラット部45に対して第1テープ101eとは反対側で、対をなす第1テープ101eと同様にフラット部45に直接貼り付けられている。また、第2テープ102aは、第1テープ部材50Pとは反対側で、対をなす第1テープ101aと同様にフラット部45に重ねられている。また、第2テープ102bは、第1テープ部材50Pとは反対側で、対をなす第1テープ101bと同様にフラット部45に重ねられている。また、第2テープ102cは、第1テープ部材50Pとは反対側で、対をなす第1テープ101cと同様にフラット部45に重ねられている。
【0184】
第1テープ101eは、例えば、帯状の第1基材51eと、第1基材51eの片面に積層されている第1粘着剤層52eとを有する。第2テープ102eは、例えば、帯状の第2基材61eと、第2基材61eの片面に積層されている第2粘着剤層62eとを有する。第1テープ101e及び第2テープ102eの各々は、例えば、一般的に電線の結束に使用される電線用結束テープである。電線用結束テープは、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)テープである。
【0185】
第1テープ101a及び第2テープ102aの各々は、例えば、上記第7実施形態と同様に金属テープである。第1テープ101b及び第2テープ102bの各々は、例えば、上記第7実施形態と同様に保護テープである。第1テープ101c及び第2テープ102cの各々は、例えば、上記第7実施形態と同様に両面テープである。
【0186】
複数対のテープ100のうち少なくとも一対のテープ100は、幅が互いに異なる。幅は、第1の方向Yにおけるテープ100の長さである。例えば、4対のテープ100のうち、対をなす第1テープ101a及び第2テープ102aは、幅が互いに異なる。例えば、第1テープ101aは第2テープ102aよりも幅が広い。詳しくは、第2テープ102aは、第1の幅W12を有する。第1テープ101aは、第1の幅W12よりも広い第2の幅W22を有する。第1テープ101aは、第1の方向Yにおける両端部領域のうち少なくとも一方の端部領域に、第2テープ102aと第2の方向Zに重ならない貼着部110を有する。例えば、第1テープ101aは、第1の方向Yにおける両端部領域にそれぞれ貼着部110を有する。
【0187】
フラット部45の一部は、例えば、第1テープ101cの第1粘着剤層52d及び第2テープ102cの第2粘着剤層62dの少なくとも一方がフラット部45の配索場所に貼り付けられることにより、当該配索場所に固定される。また、フラット部45の一部は、貼着部110が、フラット部45の配索場所に貼り付けられることにより、当該配索場所に固定される。なお、フラット部45を配索場所に配置するまでの間は、上記第9実施形態と同様にして、貼着部110における第1粘着剤層52aが周囲にある他の部材に貼り付かないようにしておいてもよい。
【0188】
本第11実施形態によれば、上記第1実施形態の(1-1)から(1-5)、(1-7)、及び(1-9)から(1-11)、上記第2実施形態、上記第7実施形態、上記第9実施形態、並びに上記第10実施形態と同様の作用効果に加えて、以下の作用効果を奏する。
【0189】
(11-1)第1テープ部材50P及び第2テープ部材60Pの各々は、帯状をなす基材と当該基材の片面に積層されている粘着剤層とを有する、電線の結束に使用される電線用結束テープを含む。この構成によれば、電線用結束テープは入手が容易であるため、第1テープ部材50P及び第2テープ部材60Pの各々に電線用結束テープが含まれると、第1テープ部材50P及び第2テープ部材60Pの各々を準備しやすくなる。
【0190】
(11-2)第1テープ101e及び第2テープ102eは、電線用結束テープである。電線用結束テープは、ポリ塩化ビニルテープである。この構成によれば、第1テープ部材50P及び第2テープ部材60Pの各々の材料として使用する電線用結束テープを、より容易に入手できる。
【0191】
(11-3)第1テープ部材50Pに含まれる複数のテープ100の各々は、第2テープ部材60Pに含まれる複数のテープ100と対をなしている。対をなすテープ100は、第2の方向Zの両側からフラット部45を挟んで互いに重ね合わせられるとともに、延在方向Xにおける位置が互いに等しい。複数対のテープ100のうち一対のテープ100、即ち対をなす第1テープ101aと第2テープ102aとは、幅が互いに異なる。第1テープ部材50Pが有する複数のテープ100の各々は、少なくとも一部が、第1テープ部材50Pが有する複数のテープ100のうちの少なくとも1つのテープ100と第2の方向Zに重なっている。第2テープ部材60Pが有する複数のテープ100の各々は、少なくとも一部が、第2テープ部材60Pが有する複数のテープ100のうちの少なくとも1つのテープ100と第2の方向Zに重なっている。
【0192】
この構成によれば、対をなすテープ100であって互いに幅が異なるテープ100は、互いに重ね合わせられると、幅が広い方のテープ100が、幅が狭い方のテープ100よりもフラット部45の幅方向に突出する。即ち、対をなす第1テープ101aと第2テープ102aとは、互いに重ね合わせられると、第1テープ101aが、第2テープ102aよりも第1の方向Yに突出する。このため、幅が広い方の第1テープ101aにおける、幅が狭い方の第2テープ102aよりも第1の方向Yに突出した部分を、フラット部45の配索場所に貼り付けることにより、フラット部45を容易に固定できる。つまり、フラット部45を固定するための部品を別途用意しなくてもよい。
【0193】
また、第1テープ部材50P及び第2テープ部材60Pの各々において、複数のテープ100の各々は、各自とは別のテープ100と第2の方向Zに重なるように配置されていればよい。そのため、複数のテープ100の各々を、複数のテープ100の各々が有する機能に応じて、延在方向Xにおける所望の位置に配置しやすい。また、複数のテープ100が重なり合う部分を、フラット部45における保護を強化したい一部分に重なるように配置することにより、当該一部分の周辺部材からの保護を強化できる。
【0194】
<変更例>
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0195】
図25に示すワイヤハーネス30Fは、上記第6実施形態のワイヤハーネス30Eにおいて、重ね曲げ部48に代えて単層曲げ部49を有する構成である。詳しくは、電線束40Eは、フラット部45Eから延在方向Xにずれた位置に複数の電線41がフラットに並びながら曲がる単層曲げ部49を有する。単層曲げ部49は、上記第5実施形態のフラット曲げ部47と同様の構成である。即ち、単層曲げ部49における複数の電線41は、単層曲げ部49の厚さ方向から見て、単層曲げ部49の厚さ方向と直交する一方向に沿って一列に並ぶとともに、一列に並んだ配列を維持しながら曲がっている。
【0196】
ワイヤハーネス30Fは、単層曲げ部49を単層曲げ部49の厚さ方向の両側から挟んで貼り合わされる第3テープ部材91及び第4テープ部材92を備える。第3テープ部材91及び第4テープ部材92は、単層曲げ部49における複数の電線41の配列及び曲げ形状を維持する。第3テープ部材91及び第4テープ部材92は、第1テープ部材50及び第2テープ部材60と同様の構成である。
【0197】
このようにすると、電線束40Eにおいてフラット部45Eから離れた位置で複数の電線41が曲がる単層曲げ部49も、第3テープ部材91及び第4テープ部材92によって簡単にフラット状に維持できる。また、単層曲げ部49を、第3テープ部材91及び第4テープ部材92によって簡単に曲がった状態に維持できる。従って、ワイヤハーネス30Fを、を狭い場所に、電線束40Eが曲がった状態で容易に配置できる。
【0198】
図26及び図27に示すように、上記第1実施形態において、フラット部45は、フラット部45の幅方向から見て第1テープ部材50及び第2テープ部材60によって湾曲形状に維持されてもよい。なお、図27は、図26における27-27断面図である。例えば、第1テープ部材50及び第2テープ部材60は、第1粘着剤層52及び第2粘着剤層62の粘着力、並びに、第1基材51及び第2基材61によって、フラット部45を湾曲形状に維持する。このようにすると、フラット部45の配索場所が湾曲している場合に、フラット部45を容易に配置できる。上記第2から第11実施形態においても同様に変更してもよい。
【0199】
・上記第10実施形態において、第1テープ101b,101cの各々は、延在方向Xにおける各々の中央が、延在方向Xにおける第1テープ101aの中央に対して延在方向Xにずれるように配置されていてもよい。第2テープ102b,102cにおいても同様に変更してもよい。
【0200】
・上記第9実施形態において、第2の幅W21を有するテープ100は、第1の方向Yにおける両端部領域のうち片方の端部領域にのみ貼着部110を有するように、第1の幅W11を有するテープ100と重ね合わせられていてもよい。上記第11実施形態においても同様にしてもよい。
【0201】
・上記第7実施形態において、延在方向Xにおける第1テープ101a,101b,101cの位置は、互いに同じ位置でなくてもよい。但し、第1テープ101a,101b,101cの各々は、少なくとも一部が、自身以外の第1テープと第2の方向Zに重なる。第2テープ102a,102b,102cにおいても同様に変更してもよい。
【0202】
・上記第7実施形態において、第1の方向Yにおける第1テープ101a,101b,101cの幅は、互いに異なっていてもよい。例えば、第1テープ101bと第1テープ101cとは、第1の方向Yにおける幅が等しく、且つ、第1テープ101aは、第1テープ101b,101cよりも第1の方向Yにおける幅が広くてもよい。また、第1テープ101a,101b,101cは、それぞれに異なる幅を有していてもよい。第2テープ102a,102b,102cにおいても同様に変更してもよい。上記第8実施形態及び上記第10実施形態においても同様に変更してもよい。
【0203】
・上記第1実施形態において、第1テープ部材50と第2テープ部材60とは、異なる種類のものであってもよい。このようにすると、フラット部45が配索される場所の環境に応じて、第1テープ部材50と第2テープ部材60とをそれぞれ選択できる。上記第2から第6実施形態においても同様に変更してもよい。
【0204】
・上記7実施形態において、第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの少なくとも一方は、電線用結束テープ、保護テープ、消音テープ、耐熱テープ、金属テープ、両面テープ、面ファスナー、及び磁石テープの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0205】
電線用結束テープは、帯状をなす基材と当該基材の片面に積層されている粘着剤層とを有する、一般的に電線の結束に使用されるテープである。電線用結束テープは入手が容易であるため、第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの少なくとも一方に電線用結束テープが含まれると、第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの少なくとも一方を準備しやすくなる。
【0206】
消音テープは、帯状をなす多孔性の基材を有するテープである。例えば第1テープ101cを消音テープとする場合、第1基材51cは、例えば、帯状のスポンジ、帯状の不織布、帯状の織布などのいずれかである。第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの少なくとも一方に消音テープが含まれると、フラット部45における消音テープが貼り付けられている部分が、周辺部材に衝突したり擦れたりした場合に、異音が発生することを抑制できる。
【0207】
耐熱テープは、一般的に電線の結束に使用される電線用結束テープよりも耐熱性に優れるテープである。耐熱テープとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)テープが挙げられる。第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの少なくとも一方に耐熱テープが含まれると、フラット部45の耐熱性を向上できる。従って、耐熱テープの耐熱温度の範囲内で高温になる場所にもフラット部45を配置可能になる。
【0208】
面ファスナーとしては、帯状の面ファスナーを用いることができる。例えば、第1テープ101cが面ファスナーである場合、第1基材51cは、同第1基材51cにおける第1粘着剤層52cと反対側の面に、フック状に起毛された図示しないフック構造部を有する。なお、第1基材51cは、同第1基材51cにおける第1粘着剤層52cと反対側の面に、フック構造部に代えて、ループ状に起毛された図示しないループ構造部を有していてもよい。また、第1基材51cは、同第1基材51cにおける第1粘着剤層52cと反対側の面に、フック構造部とループ構造部との両方を有していてもよい。第1基材51cは、フラット部45に対して、第1粘着剤層52cを有する面がフラット部45に面するとともに、第1基材51cにおける第1粘着剤層52cと反対側の面がフラット部45の外周側を向くように配置される。第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの少なくとも一方に面ファスナーが含まれると、フラット部45の配索場所が、面ファスナーが付着可能な面を有する場合に、当該面ファスナーを利用して容易にフラット部45を固定できる。
【0209】
磁石テープは、帯状の磁石である基材を有するテープである。例えば第1テープ101cを磁石テープとする場合、第1基材51cは、帯状の磁石である。第1テープ部材50K及び第2テープ部材60Kの少なくとも一方に磁石テープが含まれると、フラット部45の配索場所が、磁石に引き付けられる材料よりなる部分を有する場合に、当該磁石テープを利用して磁力により容易にフラット部45を固定できる。
【0210】
上記第1から第6実施形態、並びに、上記第8から第11実施形態においても同様に変更してもよい。
・上記第1実施形態において、互いに貼り合わせられる第1テープ部材50及び第2テープ部材60において、第1粘着剤層52及び第2粘着剤層62のいずれか一方を省略してもよい。例えば、第1テープ部材50が第1粘着剤層52を有する場合には、第2テープ部材60は第2粘着剤層62を有していなくてもよい。上記第2から第6実施形態、及び上記第9実施形態においても同様に変更してもよい。また、上記第7実施形態、上記第8実施形態、及び上記第10実施形態において、第1テープ101a及び第2テープ102aを同様に変更してもよい。また、上記第11実施形態において第1テープ101e及び第2テープ102eを同様に変更してもよい。
【0211】
・電線束40,40C,40Eの各々が有する電線41の本数は、上記実施形態の数に限らず、2つ以上であればよい。
・第1実施形態において、電線束40及び複数の電線41がフラットに並ぶフラット部45の構成は上記実施形態の構成に限らない。上記第2から第11実施形態においても同様である。
【0212】
例えば、上記第1実施形態の電線束40に代えて、図28に示す電線束40Gをワイヤハーネス30に備えてもよい。電線束40Gは、直径の異なる2種類の電線41a,41bを有する。電線束40Gは、例えば、電線41aを3つ、電線41aよりも直径の小さい電線41bを4つ有する。電線束40Gが有するフラット部45Gでは、電線41a,41bは、延在方向Xと垂直に交差する第1の方向Yに沿って扁平に並んでいる。フラット部45Gにおける電線41a,41bは、第1の方向Yと垂直に交差する第2の方向Zにおけるフラット部45Gの厚さが、第1の方向Yにおけるフラット部45Gの幅よりも薄くなるように並んでいる。フラット部45Gにおいて、電線41aは、第1の方向Yに沿って一列に並んでいる。また、フラット部45Gにおいて、4つの電線41bのうち2つの電線41bは、2つの電線41aの間で第2の方向Zに沿って一列に並んでいる。即ち、当該2つの電線41bは、2つの電線41aの間で第2の方向Zに積み重ねられている。また、フラット部45Gにおいて、残りの2つの電線41bは、電線41aとともに第1の方向Yに沿って一列に並んでいる。
【0213】
また例えば、上記第1実施形態の電線束40に代えて、図29に示す電線束40Hをワイヤハーネス30に備えてもよい。電線束40Hは、3種類の電線41a,41b,41cを有する。電線41a,41cは、電線41bに比べて直径が大きい。電線41aと電線41cとは、例えば直径が等しい。電線束40Hは、例えば、電線41aを1つ、電線41bを7つ、電線41cを2つ有する。電線束40Hが有するフラット部45Hでは、合計3つの電線41a,41cは、第2の方向Zに積み重なるように俵積み状に並べられている。フラット部45Hでは、3つの電線41a,41cは、第2の方向Zに2層に積み重ねられている。また、フラット部45Hでは、7つの電線41bのうち6つの電線41bは、第1の方向Yにおける電線41a,41cの両側で、3つずつ第2の方向Zに積み重ねられている。積み重ねられた3つの電線41bは、第2の方向Zにおける厚さが、積み重ねられた電線41a,41cよりも薄い。また、フラット部45Hでは、7つの電線41bのうち残りの1つの電線41bは、積み重ねられた電線41a,41cの厚さの範囲内に配置されている。
【0214】
また例えば、電線束40Hは、図30に示すフラット部45Iを有していてもよい。フラット部45Iでは、電線41a,41cは、第1の方向Yに沿って一列に並んでいる。また、フラット部45Iでは、7つの電線41bのうち5つの電線41bは、電線41a,41cと共に第1の方向Yに沿って一列に並んでいる。また、フラット部45Iでは、7つの電線41bのうち残りの2つの電線41bは、電線41a,41cもしくは電線41cに第2の方向Zに積み重なっている。
【0215】
また例えば、上記第1実施形態の電線束40に代えて、図31に示す電線束40Jをワイヤハーネス30に備えてもよい。電線束40Jは、10本の電線41を有する。電線束40Jが有するフラット部45Jでは、5つずつの電線41が、それぞれ第1の方向Yに沿って一列に並んでいる。このため、フラット部45Jでは、第1の方向Yに沿って並ぶ電線41の列が2列ある。そして、フラット部45Jでは、第1の方向Yに沿って並ぶ電線41のが、第2の方向Zに2層、積み重ねられている。
【0216】
・上記第1実施形態において、電線束40の全体がフラット部45であってもよい。また、上記第1実施形態において、電線束40は、複数のフラット部45を有していてもよい。この場合、ワイヤハーネス30は、フラット部45の数に応じて、第1テープ部材50と第2テープ部材60との組を複数組有する。上記第2から第11実施形態においても同様に変更してもよい。
【符号の説明】
【0217】
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,30K,30L,30M,30N,30P ワイヤハーネス
40,40C,40D,40E,40G,40H,40J 電線束
41,41a,41b,41c 電線
42 芯線
43 絶縁被覆
45,45a,45b,45B,45D,45E,45G,45H,45I,45J フラット部
46 積み重ね部
47 フラット曲げ部
48 重ね曲げ部
49 単層曲げ部
50,50K,50L,50N,50P 第1テープ部材
51,51a,51b,51c,51e 第1基材(基材)
52,52a,52b,52c,52d,52e 第1粘着剤層(粘着剤層)
53 第1貼着端部
54 第1円弧貼着部(円弧貼着部)
55 第1電線間貼着部
60,60K,60L,60M,60N,60P 第2テープ部材
61,61a,61b,61c,61e 第2基材(基材)
62,62a,62b,62c,62d,62e 第2粘着剤層(粘着剤層)
63 第2貼着端部
64 第2円弧貼着部(円弧貼着部)
65 第2電線間貼着部
70 第1曲げ固定テープ部材
71 第1基材
72 第1粘着剤層
80 第2曲げ固定テープ部材
81 第2基材
82 第2粘着剤層
91 第3テープ部材
92 第4テープ部材
100 テープ
101a,101b,101c,101e 第1テープ
102a,102b,102c,102e 第2テープ
L1a,L2a 長さ(第2の長さ)
L1b,L2b 長さ(第1の長さ、第2の長さ)
L1c,L2c 長さ(第1の長さ)
110 貼着部
111 剥離紙
W11,W12 第1の幅
W21,W22 第2の幅
X 延在方向(電線束の延びる方向)
Y 第1の方向
Z 第2の方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31