(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-21
(45)【発行日】2025-04-30
(54)【発明の名称】海底分岐装置、および制御方法
(51)【国際特許分類】
H04J 14/02 20060101AFI20250422BHJP
H04B 10/27 20130101ALI20250422BHJP
【FI】
H04J14/02 101
H04B10/27
(21)【出願番号】P 2023549256
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 JP2021035088
(87)【国際公開番号】W WO2023047532
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2024-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】新城 アンドレ
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/106575(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0052788(US,A1)
【文献】特開2021-164162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 14/02
H04B 10/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが第1端子から第4端子を有する第1から第3光スイッチと、
所定の接続ステートに基づいて前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御する制御部と、
を備え、
前記第1光スイッチの第1端子と第1経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第1光スイッチの第2端子と前記第3光スイッチの第1端子とが接続され、
前記第1光スイッチの第3端子と第2経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第1光スイッチの第4端子と前記第2光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第1端子と前記第3光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第2端子と第1経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第2光スイッチの第4端子と第3経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第3光スイッチの第2端子と第3経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第3光スイッチの第4端子と第2経路の第2線路の入力とが接続される、
海底分岐装置。
【請求項2】
前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれは、2x2の光スイッチである、
請求項1に記載の海底分岐装置。
【請求項3】
前記垂直方向接続は、前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれの第1端子と第2端子を接続し、第3端子と第4端子を接続し、第1端子と第3端子を接続せず、第2端子と第4端子を接続しない接続であり、
前記水平方向接続は、前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれの第1端子と第3端子を接続し、第2端子と第4端子を接続し、第1端子と第2端子を接続せず、第3端子と第4端子を接続しない接続である、
請求項1または2に記載の海底分岐装置。
【請求項4】
前記制御部は、
第1経路の第1線路の入力と第3経路の第2線路の出力とを接続し、第2経路の第2線路の入力と第1経路の第2線路の出力とを接続し、第3経路の第1線路の入力と第2経路の第1線路の出力とを接続する第1ステートを行う場合、前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれの接続を前記垂直方向接続に制御し、
第1経路の第1線路の入力と第2経路の第1線路の出力とを接続し、第2経路の第2線路の入力と第3経路の第2線路の出力とを接続し、第3経路の第1線路の入力と第1経路の第2線路の出力とを接続する第2ステートを行う場合、前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれの接続を前記水平方向接続に制御し、
第1経路の第1線路の入力と第2経路の第1線路の出力とを接続し、第2経路の第2線路の入力と第1経路の第2線路の出力とを接続し、第3経路の第1線路の入力と第3経路の第2線路の出力とを接続する第3ステートを行う場合、前記第1光スイッチの接続を前記水平方向接続に制御し、且つ、前記第2から前記第3光スイッチの接続を前記垂直方向接続に制御し、
第1経路の第1線路の入力と第3経路の第2線路の出力とを接続し、第2経路の第2線路の入力と第2経路の第1線路の出力とを接続し、第3経路の第1線路の入力と第1経路の第2線路の出力とを接続する第4ステートを行う場合、前記第1光スイッチと前記第3光スイッチの接続を前記垂直方向接続に制御し、且つ、前記第2光スイッチの接続を前記水平方向接続に制御し、
第1経路の第1線路の入力と第1経路の第2線路の出力とを接続し、第2経路の第2線路の入力と第3経路の第2線路の出力とを接続し、第3経路の第1線路の入力と第2経路の第1線路の出力とを接続する第5ステートを行う場合、前記第1光スイッチと前記第2光スイッチの接続を前記垂直方向接続に制御し、且つ、前記第3光スイッチの接続を前記水平方向接続に制御する、
請求項1から3のいずれか1つに記載の海底分岐装置。
【請求項5】
それぞれが第1端子から第4端子を有する第1から第6光スイッチと、
所定の接続ステートに基づいて前記第1から前記第6光スイッチのそれぞれの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御する制御部と、
を備え、
前記第1光スイッチの第1端子と第1経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第1光スイッチの第2端子と前記第3光スイッチの第1端子とが接続され、
前記第1光スイッチの第3端子と第2経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第1光スイッチの第4端子と前記第2光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第1端子と前記第3光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第2端子と第1経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第2光スイッチの第4端子と第3経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第3光スイッチの第2端子と第3経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第3光スイッチの第4端子と第2経路の第2線路の入力とが接続され、
前記第4光スイッチの第1端子と第1経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第4光スイッチの第2端子と前記第6光スイッチの第1端子とが接続され、
前記第4光スイッチの第3端子と第2経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第4光スイッチの第4端子と前記第5光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第5光スイッチの第1端子と前記第6光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第5光スイッチの第2端子と第1経路の第2線路の入力とが接続され、
前記第5光スイッチの第4端子と第3経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第6光スイッチの第2端子と第3経路の第2線路の入力とが接続され、
前記第6光スイッチの第4端子と第2経路の第2線路の出力とが接続される、
海底分岐装置。
【請求項6】
前記第1から前記第6光スイッチのそれぞれは、2x2の光スイッチである、
請求項5に記載の海底分岐装置。
【請求項7】
前記垂直方向接続は、前記第1から前記第6光スイッチのそれぞれの第1端子と第2端子を接続し、第3端子と第4端子を接続し、第1端子と第3端子を接続せず、第2端子と第4端子を接続しない接続であり、
前記水平方向接続は、前記第1から前記第6光スイッチのそれぞれの第1端子と第3端子を接続し、第2端子と第4端子を接続し、第1端子と第2端子を接続せず、第3端子と第4端子を接続しない接続である、
請求項5または6に記載の海底分岐装置。
【請求項8】
前記制御部は、
第1経路の第1線路の入力と第3経路の第2線路の出力とを接続し、第2経路の第2線路の入力と第1経路の第2線路の出力とを接続し、第3経路の第1線路の入力と第2経路の第1線路の出力とを接続し、第1経路の第2線路の入力と第2経路の第2線路の出力とを接続し、第2経路の第1線路の入力と第3経路の第1線路の出力とを接続し、第3経路の第2線路の入力と第1経路の第1線路の出力とを接続する第1ステートを行う場合、前記第1から前記第6光スイッチのそれぞれの接続を前記垂直方向接続に制御し、
第1経路の第1線路の入力と第2経路の第1線路の出力とを接続し、第2経路の第2線路の入力と第3経路の第2線路の出力とを接続し、第3経路の第1線路の入力と第1経路の第2線路の出力とを接続し、第1経路の第2線路の入力と第3経路の第1線路の出力とを接続し、第2経路の第1線路の入力と第1経路の第1線路の出力とを接続し、第3経路の第2線路の入力と第2経路の第2線路の出力とを接続する第2ステートを行う場合、前記第1から前記第6光スイッチのそれぞれの接続を前記水平方向接続に制御し、
第1経路の第1線路の入力と第2経路の第1線路の出力とを接続し、第2経路の第2線路の入力と第1経路の第2線路の出力とを接続し、第3経路の第1線路の入力と第3経路の第2線路の出力とを接続し、第1経路の第2線路の入力と第2経路の第2線路の出力とを接続し、第2経路の第1線路の入力と第1経路の第1線路の出力とを接続し、第3経路の第2線路の入力と第3経路の第1線路の出力とを接続する第3ステートを行う場合、前記第1光スイッチと前記第4光スイッチの接続を前記水平方向接続に制御し、且つ、前記第2、前記第3、前記第5、及び前記第6光スイッチの接続を前記垂直方向接続に制御し、
第1経路の第1線路の入力と第3経路の第2線路の出力とを接続し、第2経路の第2線路の入力と第2経路の第1線路の出力とを接続し、第3経路の第1線路の入力と第1経路の第2線路の出力とを接続し、第1経路の第2線路の入力と第3経路の第1線路の出力とを接続し、第2経路の第1線路の入力と第2経路の第2線路の出力とを接続し、第3経路の第2線路の入力と第1経路の第1線路の出力とを接続する第4ステートを行う場合、前記第1、前記第3、前記第4、及び前記第6光スイッチの接続を前記垂直方向接続に制御し、且つ、前記第2、及び前記第5光スイッチの接続を前記水平方向接続に制御し、
第1経路の第1線路の入力と第1経路の第2線路の出力とを接続し、第2経路の第2線路の入力と第3経路の第2線路の出力とを接続し、第3経路の第1線路の入力と第2経路の第1線路の出力とを接続し、第1経路の第2線路の入力と第1経路の第1線路の出力とを接続し、第2経路の第1線路の入力と第3経路の第1線路の出力とを接続し、第3経路の第2線路の入力と第2経路の第2線路の出力とを接続する第5ステートを行う場合、前記第1、前記第2、前記第4、及び前記第5光スイッチの接続を前記垂直方向接続に制御し、且つ、前記第3及び前記第6光スイッチの接続を前記水平方向接続に制御する、
請求項5から7のいずれか1つに記載の海底分岐装置。
【請求項9】
それぞれが第1端子から第4端子を有する第1から第3光スイッチを有し、
前記第1光スイッチの第1端子と第1経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第1光スイッチの第2端子と前記第3光スイッチの第1端子とが接続され、
前記第1光スイッチの第3端子と第2経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第1光スイッチの第4端子と前記第2光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第1端子と前記第3光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第2端子と第1経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第2光スイッチの第4端子と第3経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第3光スイッチの第2端子と第3経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第3光スイッチの第4端子と第2経路の第2線路の入力とが接続される、
海底分岐装置の制御方法であって、
所定の接続ステートに基づいて前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御すること、
を備える制御方法。
【請求項10】
それぞれが第1端子から第4端子を有する第1から第3光スイッチを有し、
前記第1光スイッチの第1端子と第1経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第1光スイッチの第2端子と前記第3光スイッチの第1端子とが接続され、
前記第1光スイッチの第3端子と第2経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第1光スイッチの第4端子と前記第2光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第1端子と前記第3光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第2端子と第1経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第2光スイッチの第4端子と第3経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第3光スイッチの第2端子と第3経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第3光スイッチの第4端子と第2経路の第2線路の入力とが接続される、
海底分岐装置の制御方法であって、
所定の接続ステートに基づいて前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御すること、
をコンピュータに実行させるプログラ
ム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、海底分岐装置、制御方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関するものであり、特に、より少ない数の光スイッチを利用して、光ケーブルの経路切替えを実現することが可能な海底分岐装置、制御方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、海底分岐装置(BU:Branching Unit)は、より柔軟なシステム構成のニーズが高まっており、海底分岐装置の3枝(A-B間/A-C間/C-B間)に関して実現可能な全ての2枝の組合せの経路を確立するような構成を実現することが必要となってきている。しかしながら、1x2の光スイッチ(SW:Switch)を使用した場合、海底分岐装置の筐体内における実装数の上限によりファイバペア(FP:Fiber Pair)数に制限が掛かっていた。そこで、1x2の光スイッチの代わりに、2x2の光スイッチを使用して必要なファイバペア数に対する光スイッチの数を低減することで筐体内に実装する光スイッチの数の上限を上げることが必要となった。なお、枝を経路と称することもある。
【0003】
特許文献1の0028段落には、「
図5に示す光海中分岐装置においては、A局とB局とを接続する主伝送路は2対のファイバペアにより構成されている。第1のファイバペアの光ファイバ4-1、4-2と光ファイバ4-1’、4-2’との間、第2ファイバペアの光ファイバ4-3、4-4と光ファイバ4-3’、4-4’との間には、可反転4端子光サーキュレータ1-1~1-4が挿入接続されている。また、分岐路を構成している第3のファイバペアの光ファイバ5-1、5-2、および第4のファイバペアの光ファイバペア5-3、5-4との2対のファイバペアにはそれぞれ可反転4端子光サーキュレータ1-5、1-6が接続されている。なお、本実施の形態の可反転4端子光サーキュレータ1-1~1-6の機能は、2x2光スイッチでも実現可能である。」と記載されている。特許文献1には、接続したい枝の組合せに基づいて各光スイッチの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御することは記載されていない。
【0004】
特許文献2には、0018段落には、2x2の光スイッチの動作方法が記載されている。特許文献2には、接続したい枝の組合せに基づいて各光スイッチの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御することは記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-150409号公報
【文献】特開平9-289488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のとおり、例えば、2x2の光スイッチを使用するなどして、必要なファイバペア数に対する光スイッチの数を低減することが望まれていた。
【0007】
本開示の目的は、上述した課題を解決する海底分岐装置、制御方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る海底分岐装置は、
それぞれが第1端子から第4端子を有する第1から第3光スイッチと、
所定の接続ステートに基づいて前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御する制御部と、
を備え、
前記第1光スイッチの第1端子と第1経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第1光スイッチの第2端子と前記第3光スイッチの第1端子とが接続され、
前記第1光スイッチの第3端子と第2経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第1光スイッチの第4端子と前記第2光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第1端子と前記第3光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第2端子と第1経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第2光スイッチの第4端子と第3経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第3光スイッチの第2端子と第3経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第3光スイッチの第4端子と第2経路の第2線路の入力とが接続される。
【0009】
本開示に係る海底分岐装置は、
それぞれが第1端子から第4端子を有する第1から第6光スイッチと、
所定の接続ステートに基づいて前記第1から前記第6光スイッチのそれぞれの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御する制御部と、
を備え、
前記第1光スイッチの第1端子と第1経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第1光スイッチの第2端子と前記第3光スイッチの第1端子とが接続され、
前記第1光スイッチの第3端子と第2経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第1光スイッチの第4端子と前記第2光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第1端子と前記第3光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第2端子と第1経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第2光スイッチの第4端子と第3経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第3光スイッチの第2端子と第3経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第3光スイッチの第4端子と第2経路の第2線路の入力とが接続され、
前記第4光スイッチの第1端子と第1経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第4光スイッチの第2端子と前記第6光スイッチの第1端子とが接続され、
前記第4光スイッチの第3端子と第2経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第4光スイッチの第4端子と前記第5光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第5光スイッチの第1端子と前記第6光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第5光スイッチの第2端子と第1経路の第2線路の入力とが接続され、
前記第5光スイッチの第4端子と第3経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第6光スイッチの第2端子と第3経路の第2線路の入力とが接続され、
前記第6光スイッチの第4端子と第2経路の第2線路の出力とが接続される。
【0010】
本開示に係る制御方法は、
それぞれが第1端子から第4端子を有する第1から第3光スイッチを有し、
前記第1光スイッチの第1端子と第1経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第1光スイッチの第2端子と前記第3光スイッチの第1端子とが接続され、
前記第1光スイッチの第3端子と第2経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第1光スイッチの第4端子と前記第2光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第1端子と前記第3光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第2端子と第1経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第2光スイッチの第4端子と第3経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第3光スイッチの第2端子と第3経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第3光スイッチの第4端子と第2経路の第2線路の入力とが接続される、
海底分岐装置の制御方法であって、
所定の接続ステートに基づいて前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御すること、
を備える。
【0011】
本開示に係る非一時的なコンピュータ可読媒体は、
それぞれが第1端子から第4端子を有する第1から第3光スイッチを有し、
前記第1光スイッチの第1端子と第1経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第1光スイッチの第2端子と前記第3光スイッチの第1端子とが接続され、
前記第1光スイッチの第3端子と第2経路の第1線路の出力とが接続され、
前記第1光スイッチの第4端子と前記第2光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第1端子と前記第3光スイッチの第3端子とが接続され、
前記第2光スイッチの第2端子と第1経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第2光スイッチの第4端子と第3経路の第1線路の入力とが接続され、
前記第3光スイッチの第2端子と第3経路の第2線路の出力とが接続され、
前記第3光スイッチの第4端子と第2経路の第2線路の入力とが接続される、
海底分岐装置の制御方法であって、
所定の接続ステートに基づいて前記第1から前記第3光スイッチのそれぞれの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御すること、
をコンピュータに実行させるプログラムが格納される。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、より少ない数の光スイッチを利用して、光ケーブルの経路切替えを実現することが可能な海底分岐装置、制御方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【
図2】実施の形態に係る海底分岐装置の接続ステート(State)を例示するブロック図である。
【
図3A】実施の形態に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【
図3B】実施の形態に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【
図3C】実施の形態に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【
図3D】実施の形態に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【
図3E】実施の形態に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【
図4A】実施の形態の比較例に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【
図4B】実施の形態の比較例に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【
図4C】実施の形態の比較例に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【
図4D】実施の形態の比較例に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【
図4E】実施の形態の比較例に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明を省略する。
【0015】
[実施の形態]
<最小構成>
図1は、実施の形態に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
図1は、実施の形態に係る最小構成の海底分岐装置を示す。
【0016】
図1に示すように、実施の形態に係る海底分岐装置11は、第1光スイッチSW1と第2光スイッチSW2と第3光スイッチSW3と制御部111とを備える。
【0017】
第1光スイッチSW1と第2光スイッチSW2と第3光スイッチSW3のそれぞれは、第1端子P1と第2端子P2と第3端子P3と第4端子P4を有する。
【0018】
制御部111は、所定の接続ステート(State)に基づいて第1光スイッチSW1と第2光スイッチSW2と第3光スイッチSW3のそれぞれの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御する。
【0019】
第1光スイッチSW1の第1端子P1と第1経路の第1線路A1の入力とが接続される。第1光スイッチSW1の第2端子P2と第3光スイッチSW3の第1端子P1とが接続される。第1光スイッチSW1の第3端子P3と第2経路の第1線路B1の出力とが接続される。第1光スイッチSW1の第4端子P4と第2光スイッチSW2の第3端子P3とが接続される。
【0020】
第2光スイッチSW2の第1端子P1と第3光スイッチSW3の第3端子P3とが接続される。第2光スイッチSW2の第2端子P2と第1経路の第2線路A2の出力とが接続される。第2光スイッチSW2の第4端子P4と第3経路の第1線路C1の入力とが接続される。
【0021】
第3光スイッチSW3の第2端子P2と第3経路の第2線路C2の出力とが接続される。第3光スイッチSW3の第4端子P4と第2経路の第2線路B2の入力とが接続される。
【0022】
実施の形態に係る海底分岐装置11は、内蔵されている光スイッチSWを切替えることによって、端局装置間をつないでいる光海底ケーブルのブランク側と接続されるトランク側のファイバーペア(FP:Fiber Pair)を自由に組み替えることができる分岐装置である。
【0023】
この例では、第1経路の第1線路A1と第1経路の第2線路A2により、1つの送受信を構成し、第2経路の第1線路B1と第2経路の第2線路B2により、1つの送受信を構成し、第3経路の第1線路C1と第3経路の第2線路C2により、1つの送受信を構成するものとする。
【0024】
なお、第1光スイッチSW1と第2光スイッチSW2と第3光スイッチSW3のそれぞれは、例えば、2x2の光スイッチである。光スイッチを光経路スイッチまたはスイッチと称することもある。
【0025】
ここで、垂直方向接続は、第1光スイッチSW1から第3光スイッチSW3のそれぞれの第1端子P1と第2端子P2を接続し、第3端子P3と第4端子P4を接続し、第1端子P1と第3端子P3を接続せず、第2端子P2と第4端子P4を接続しないものである。水平方向接続は、第1光スイッチSW1から第3光スイッチSW3のそれぞれの第1端子P1と第3端子P3を接続し、第2端子P2と第4端子P4を接続し、第1端子P1と第2端子P2を接続せず、第3端子P3と第4端子P4を接続しないものである。
【0026】
以下に、第1ステートから第5ステートと、それらを実現するための制御部111の制御方法を示す。第NステートをStateN(ただしNは1から5の整数)と称することもある。
【0027】
第1ステート(
図1または
図3AのSW1からSW3参照)は、第1経路の第1線路A1の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続し、第2経路の第2線路B2の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続し、第3経路の第1線路C1の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続するものである。制御部111は、第1ステートを行う場合、第1光スイッチSW1から第3光スイッチSW3のそれぞれの接続を垂直方向接続に制御する。
【0028】
第2ステート(
図3BのSW1からSW3参照)は、第1経路の第1線路A1の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続し、第2経路の第2線路B2の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続し、第3経路の第1線路C1の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続するものである。制御部111は、第2ステートを行う場合、第1光スイッチSW1から第3光スイッチSW3のそれぞれの接続を水平方向接続に制御する。
【0029】
第3ステート(
図3CのSW1からSW3参照)は、第1経路の第1線路A1の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続し、第2経路の第2線路B2の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続し、第3経路の第1線路C1の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続するものである。制御部111は、第3ステートを行う場合、第1光スイッチSW1の接続を水平方向接続に制御し、且つ、第2光スイッチSW2及び第3光スイッチSW3の接続を垂直方向接続に制御する。
【0030】
第4ステート(
図3DのSW1からSW3参照)は、第1経路の第1線路A1の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続し、第2経路の第2線路B2の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続し、第3経路の第1線路C1の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続するものである。制御部111は、第4ステートを行う場合、第1光スイッチSW1と第3光スイッチSW3の接続を垂直方向接続に制御し、且つ、第2光スイッチSW2の接続を水平方向接続に制御する。
【0031】
第5ステート(
図3EのSW1からSW3参照)は、第1経路の第1線路A1の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続し、第2経路の第2線路B2の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続し、第3経路の第1線路C1の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続するものである。制御部111は、第5ステートを行う場合、第1光スイッチSW1と第2光スイッチSW2の接続を垂直方向接続に制御し、且つ、第3光スイッチSW3の接続を水平方向接続に制御する。
【0032】
<構成>
図1に示す最小構成の海底分岐装置は、例えば、第1経路の第1線路A1について、入力のみに対応し出力に対応していない。そこで、第1経路の第1線路A1について、出力にも対応したものを
図3Aから
図3Eに示す。
図3Aから
図3Eに示す例では、第1経路の第1線路A1と第1経路の第2線路A2により、1つのFPを構成し、第2経路の第1線路B1と第2経路の第2線路B2により、1つのFPを構成し、第3経路の第1線路C1と第3経路の第2線路C2により、1つのFPを構成するものとする。
【0033】
図2は、実施の形態に係る海底分岐装置の接続ステート(State)を例示するブロック図である。
接続ステートを経路構成状態と称することもある。
なお、第1経路の第1線路A1をA1と称し、第1経路の第2線路A2をA2と称し、第2経路の第1線路B1をB1と称し、第2経路の第2線路B2をB2と称し、第3経路の第1線路C1をC1と称し、第3経路の第2線路C2をC2と称することもある。
【0034】
図2に示すように、海底分岐装置11は、光スイッチSWを使用(駆動)して、第1ステート(State1)から第5ステート(State5)の状態になることができる。第1ステートは、A1とC2とを接続し、A2とB2とを接続し、B1とC1とを接続する状態である。第2ステートは、A1とB1とを接続し、A2とC1とを接続し、B2とC2とを接続する状態である。第3ステートは、A1とB1とを接続し、A2とB2とを接続する状態である。第4ステートは、A1とC2とを接続し、A2とC1とを接続する状態である。第5ステートは、B1とC1とを接続し、B2とC2とを接続する状態である。
【0035】
第1ステートから第5ステートについてさらに詳細に説明する。
図3Aから
図3Eは、実施の形態に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
図3Aは、第1ステート(State1)を示す。
図3Bは、第2ステート(State2)を示す。
図3Cは、第3ステート(State3)を示す。
図3Dは、第4ステート(State4)を示す。
図3Eは、第5ステート(State5)を示す。
図3Aから
図3Eは、実施の形態に係る光スイッチSWの駆動回路の設定を示す。
図3Aから
図3Eでは、簡単のため、制御部111を省略する。
【0036】
図3Aから
図3Eに示すように、実施の形態に係る海底分岐装置は、
図1に示す最小構成の2つを備える構成である。これにより、海底分岐装置11のAからCの各枝から2本のFP(A1とA2のペア、B1とB2のペア、C1とC2のペア)の光ファイバが入出力する構成となっている。海底分岐装置11は、2本のFPの光ファイバ入出力の構成を有し、6個の光スイッチSWを配置する。光スイッチSWは、例えば、2x2の光スイッチSWである。海底分岐装置11は、これらの6個の光スイッチSWを垂直方向接続、および/または、水平方向接続へ切替え制御することにより全経路を確立する。なお、枝を経路と称することもある。
【0037】
図3Bの上段に示すように、海底分岐装置11は、A1-B1間を光スイッチSW切替えによって直接接続できる第1光スイッチSW1と、A2-C1間を光スイッチSW切替えによって直接接続できる第2光スイッチSW2と、B2-C2間を光スイッチSW切替えによって直接接続できる第3光スイッチSW3と、で構成される。
【0038】
図3Bの下段に示すように、海底分岐装置11は、さらに、A1-B1間を光スイッチSW切替えによって直接接続できる第4光スイッチSW4と、A2-C1間を光スイッチSW切替えによって直接接続できる第5光スイッチSW5と、B2-C2間を光スイッチSW切替えによって直接接続できる第6光スイッチSW6と、で構成される。
【0039】
以下、海底分岐装置11の構成をさらに詳細に説明する。
図3Aから
図3Eに示すように、実施の形態に係る海底分岐装置11は、第1光スイッチSW1から第6光スイッチSW6と制御部111とを備える。
【0040】
第1光スイッチSW1から第6光スイッチSW6のそれぞれは、第1端子P1から第4端子P4を有する。
【0041】
制御部111は、所定の接続ステート(State)に基づいて第1光スイッチSW1から第6光スイッチSW6のそれぞれの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御する。
【0042】
第1光スイッチSW1から第3光スイッチSW3までの接続は、最小構成の場合(
図1参照)と同様であり、既に説明したので省略する。
【0043】
第4光スイッチSW4の第1端子P1と第1経路の第1線路A1の出力とが接続される。第4光スイッチSW4の第2端子P2と第6光スイッチSW6の第1端子P1とが接続される。第4光スイッチSW4の第3端子P3と第2経路の第1線路B1の入力とが接続される。第4光スイッチSW4の第4端子P4と第5光スイッチSW5の第3端子P3とが接続される。
【0044】
第5光スイッチSW5の第1端子P1と第6光スイッチSW6の第3端子P3とが接続される。第5光スイッチSW5の第2端子P2と第1経路の第2線路A2の入力とが接続される。第5光スイッチSW5の第4端子P4と第3経路の第1線路C1の出力とが接続される。
【0045】
第6光スイッチSW6の第2端子P2と第3経路の第2線路C2の入力とが接続される。第6光スイッチSW6の第4端子P4と第2経路の第2線路B2の出力とが接続される。
【0046】
第1光スイッチSW1から第6光スイッチSW6のそれぞれは、例えば、2x2の光スイッチである。
【0047】
ここで、垂直方向接続は、第1光スイッチSW1から第6光スイッチSW6のそれぞれの第1端子P1と第2端子P2を接続し、第3端子P3と第4端子P4を接続し、第1端子P1と第3端子P3を接続せず、第2端子P2と第4端子P4を接続しない接続である。水平方向接続は、第1光スイッチSW1から第6光スイッチSW6のそれぞれの第1端子P1と第3端子P3を接続し、第2端子P2と第4端子P4を接続し、第1端子P1と第2端子P2を接続せず、第3端子P3と第4端子P4を接続しないものである。
【0048】
以下に、第1ステートから第5ステートと、それらを実現するための制御部111の制御方法を示す。第1経路の第1線路A1と第1経路の第2線路A2とをまとめて第1経路Aと称し、第2経路の第1線路B1と第2経路の第2線路B2とをまとめて第2経路Bと称し、第3経路の第1線路C1と第3経路の第2線路C2とをまとめて第3経路Cと称する。
【0049】
海底分岐装置11は、光スイッチSWの構成を、第1ステートから第5ステートに応じた組み合わせで制御することで、第1経路A、第2経路B及び第3経路Cで構成可能な全ての2枝間の経路を確立することができる。
【0050】
第1ステート(
図3A参照)は、第1経路の第1線路A1の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続し、第2経路の第2線路B2の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続し、第3経路の第1線路C1の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続し、第1経路の第2線路A2の入力と第2経路の第2線路B2の出力とを接続し、第2経路の第1線路B1の入力と第3経路の第1線路C1の出力とを接続し、第3経路の第2線路C2の入力と第1経路の第1線路A1の出力とを接続するものである。すなわち、第1ステートは、第1経路の第1線路A1と第3経路の第2線路C2とを相互接続し、第1経路の第2線路A2と第2経路の第2線路B2とを相互接続し、第2経路の第1線路B1と第3経路の第1線路C1とを相互接続する。これにより、第1経路Aと第2経路Bと第3経路Cを相互接続し、3つの経路(A-B間/A-C間/C-B間)に関して実現可能な全ての2枝の組合せの経路を確立する。よって、第1ステートは、全ての経路が相互に接続されている状態である。
【0051】
制御部111は、第1ステートを行う場合、第1光スイッチSW1から第6光スイッチSW6のそれぞれの接続を垂直方向接続に制御する。これにより、第1ステートでは、A1-C2、A2-B2、及びB1-C1の経路構成を確立する。
【0052】
第2ステート(
図3B参照)は、第1経路の第1線路A1の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続し、第2経路の第2線路B2の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続し、第3経路の第1線路C1の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続し、第1経路の第2線路A2の入力と第3経路の第1線路C1の出力とを接続し、第2経路の第1線路B1の入力と第1経路の第1線路A1の出力とを接続し、第3経路の第2線路C2の入力と第2経路の第2線路B2の出力とを接続するものである。すなわち、第2ステートは、第1経路の第1線路A1と第2経路の第1線路B1とを相互接続し、第1経路の第2線路A2と第3経路の第1線路C1とを相互接続し、第3経路の第2線路C2と第2経路の第2線路B2とを相互接続する。これにより、第1経路Aと第2経路Bと第3経路Cを相互接続する。よって、第2ステートは、全ての経路が相互に接続されている状態である。
【0053】
制御部111は、第2ステートを行う場合、第1光スイッチSW1から第6光スイッチSW6のそれぞれの接続を水平方向接続に制御する。これにより、第2ステートでは、A1-B1、A2-C1、及びB2-C2の経路構成を確立する。
【0054】
第3ステート(
図3C参照)は、第1経路の第1線路A1の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続し、第2経路の第2線路B2の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続し、第3経路の第1線路C1の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続し、第1経路の第2線路A2の入力と第2経路の第2線路B2の出力とを接続し、第2経路の第1線路B1の入力と第1経路の第1線路A1の出力とを接続し、第3経路の第2線路C2の入力と第3経路の第1線路C1の出力とを接続するものである。すなわち、第3ステートは、第1経路の第1線路A1と第2経路の第1線路B1とを相互接続し、第1経路の第2線路A2と第2経路の第2線路B2とを相互接続する。また、第3ステートは、第3経路の第1線路C1と第3経路の第2線路C2とを接続するのでこれは経路切替えとしては機能しない。第3ステートは、全ての経路が相互に接続されている状態ではない。
【0055】
制御部111は、第3ステートを行う場合、第1光スイッチSW1と第4光スイッチSW4の接続を水平方向接続に制御し、且つ、第2光スイッチSW2、第3光スイッチSW3、第5光スイッチSW5、及び第6光スイッチSW6の接続を垂直方向接続に制御する。これにより、第3ステートでは、A1-B1、及びA2-B2の経路構成を確立する。
【0056】
第4ステート(
図3D参照)は、第1経路の第1線路A1の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続し、第2経路の第2線路B2の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続し、第3経路の第1線路C1の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続し、第1経路の第2線路A2の入力と第3経路の第1線路C1の出力とを接続し、第2経路の第1線路B1の入力と第2経路の第2線路B2の出力とを接続し、第3経路の第2線路C2の入力と第1経路の第1線路A1の出力とを接続するものである。第4ステートは、第3ステートと同様に、全ての経路が相互に接続されている状態ではない。
【0057】
制御部111は、第4ステートを行う場合、第1光スイッチSW1、第3光スイッチSW3、第4光スイッチSW4、及び第6光スイッチSW6の接続を垂直方向接続に制御し、且つ、第2光スイッチSW2、及び第5光スイッチSW5の接続を水平方向接続に制御する。これにより、第4ステートでは、A1-C2及びA2-C1の経路構成を確立する。
【0058】
第5ステート(
図3E参照)は、第1経路の第1線路A1の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続し、第2経路の第2線路B2の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続し、第3経路の第1線路C1の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続し、第1経路の第2線路A2の入力と第1経路の第1線路A1の出力とを接続し、第2経路の第1線路B1の入力と第3経路の第1線路C1の出力とを接続し、第3経路の第2線路C2の入力と第2経路の第2線路B2の出力とを接続するものである。第5ステートは、第3ステートと同様に、全ての経路が相互に接続されている状態ではない。
【0059】
制御部111は、第5ステートを行う場合、第1光スイッチSW1、第2光スイッチSW2、第4光スイッチSW4、及び第5光スイッチSW5の接続を垂直方向接続に制御し、且つ、第3光スイッチSW3及び第6光スイッチSW6の接続を水平方向接続に制御する。これにより、第5ステートでは、B1-C1及びB2-C2の経路構成を確立する。
【0060】
実施の形態に係る海底分岐装置11は、光スイッチSWの接続を垂直方向接続または水平方向接続に制御することにより、第1ステートから第5ステートを実現し、様々な経路設定を行うことができる。特に、第1ステートと第2ステートは、3つの経路(A-B間/A-C間/C-B間)に関して実現可能な全ての2枝の組合せの経路を確立する。そして、実施の形態は、2x2の光スイッチを使用し、後述する比較例と比べて光スイッチSWの数を少なくすることができる。この例では、必要な光スイッチSWの数は6個である(
図3Aから
図3E参照)。
【0061】
その結果、実施の形態によれば、より少ない数の光スイッチを利用して、光ケーブルの経路切替えを実現することが可能な海底分岐装置、制御方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することができる。
【0062】
また、実施の形態に係る海底分岐装置11は、光スイッチSWの数を少なくすることができるので、その分、1つの装置に実装できる光スイッチSWの数を増加させることができる。その結果、1つの装置が適応できるFP数を増加させることができ、適応可能なFP数の高密度化を実現できる。
【0063】
また、実施の形態に係る海底分岐装置11は、全ての経路が相互に接続されている状態を、第1ステートと第2ステートという2つのステートで実現する。そして、全ての経路が相互に接続されている状態を、2つのステート(第1ステートと第2ステート)で実現するため、より柔軟にステート切替えが可能となる。全ての経路が相互に接続されている状態にする場合、光スイッチSWを切替えることにより、現在のステートから第1ステートまたは第2ステートにすればよい。このとき、全ての経路が相互に接続されている状態が1つのステート(例えば、第2ステートのみ)でしか実現できない場合と比べて、実施の形態は、第1ステートと第2ステートのうち、光スイッチSWを切替える回数が少ない方のステートに切替えればよい。これにより、実施の形態は、光スイッチSWの切替回数と切替時間を減少させることができる。
【0064】
ここで、第4ステート(
図3D参照)から、全ての経路が相互に接続されているステートへの光スイッチSWの切替回数を考えてみる。
【0065】
例えば、全ての経路が相互に接続されているステートが第2ステート(
図3B参照)のみの場合、第4ステートから第2ステートに切替えるためには、第1光スイッチSW1と第3光スイッチSW3と第4光スイッチSW4と第6光スイッチSW6という4つの光スイッチSWを水平方向接続に切替える(制御する)必要がある。
【0066】
一方、実施の形態では、全ての経路が相互に接続されているステートが第1ステートと第2ステートなので、それらのうち、光スイッチSWを切替える回数が少ない方のステートに切替えればよい。この場合、第4ステートから第1ステートに切替える方が光スイッチSWを切替える回数が少ない。第4ステートから第1ステートに切替えるためには、第2光スイッチSW2と第5光スイッチSW5という2つの光スイッチSWを垂直方向接続に切替える(制御する)だけでよい。
【0067】
以上説明したように、実施の形態では、全ての経路が相互に接続されているステートを実現する場合、光スイッチSWの切替回数と切替時間を減少させることができる。
【0068】
一般的に、海底分岐装置の光スイッチの切替えは、陸上装置から海底分岐装置に切替信号を送信することで行う。しかしながら、陸上装置から海底分岐装置までの距離が長いので、1回の切替信号の送信では、陸上装置から送信した切替信号が海底分岐装置まで届かない場合がある。このため、1つの光スイッチを切替えるための切替信号を数回または数十回送信する。よって、切替回数を1回減らすことによって、実際の切替信号の送信回数を大きく減少させることができるので効果が大きく、また、切替時間の減少になる。
【0069】
また、いずれかの光スイッチSWが故障した場合、光スイッチSWの故障状態に基づいて、故障していない他の光スイッチSWを切替え制御し、第1ステートまたは第2ステートを実現し、全ての経路が相互に接続されているステートを実現すればよい。
【0070】
具体的には、いずれかの光スイッチSWが垂直方向接続のまま故障した場合、第1ステートになるように故障していない光スイッチSWを制御し、全ての経路が相互に接続されているステートを実現すればよい。また、いずれかの光スイッチSWが水平方向接続のまま故障した場合、第2ステートになるように故障していない光スイッチSWを制御し、全ての経路が相互に接続されているステートを実現すればよい。
【0071】
[比較例]
図4Aから
図4Eは、実施の形態の比較例に係る海底分岐装置を例示するブロック図である。
図4Aは、第1ステート(State1)を示す。
図4Bは、第2ステート(State2)を示す。
図4Cは、第3ステート(State3)を示す。
図4Dは、第4ステート(State4)を示す。
図4Eは、第5ステート(State5)を示す。
【0072】
図4Aに示すように、比較例に係る海底分岐装置51は、第1ステートを実現する場合、第1光スイッチSW1と第12光スイッチSW12を制御して第1経路の第1線路A1の入力と第3経路の第2線路C2の出力とを接続し、第6光スイッチSW6と第8光スイッチSW8を制御して第2経路の第2線路B2の入力と第1経路の第2線路A2の出力とを接続し、第3光スイッチSW3と第9光スイッチSW9を制御して第3経路の第1線路C1の入力と第2経路の第1線路B1の出力とを接続し、第5光スイッチSW5と第7光スイッチSW7を制御して第1経路の第2線路A2の入力と第2経路の第2線路B2の出力とを接続し、第4光スイッチSW4と第10光スイッチSW10を制御して第2経路の第1線路B1の入力と第3経路の第1線路C1の出力とを接続し、第11光スイッチSW11と第2光スイッチSW2を制御して第3経路の第2線路C2の入力と第1経路の第1線路A1の出力とを接続するものである。なお、第1光スイッチSW1から第12光スイッチSW12のそれぞれは、1x2の光スイッチである。
【0073】
図4Bから
図4Eに示すように、比較例に係る海底分岐装置51は、第2ステートから第5ステートを実現する場合も、第1光スイッチSW1から第12光スイッチSW12の合計12個の光スイッチSWを使用する。
【0074】
一方で、実施の形態に係る海底分岐装置11は、第1ステートから第5ステートを実現する場合、6個の光スイッチSWを使用する(
図3Aから
図3E参照)。よって、比較例に係る海底分岐装置51は、実施の形態に係る海底分岐装置11と比べて、必要とされる光スイッチSWの数は倍である。
【0075】
その結果、比較例では、より少ない数の光スイッチを利用して、光ケーブルの経路切替えを実現することが可能な海底分岐装置、制御方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することが難しい。
【0076】
尚、上記の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、各構成要素の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0077】
上記の実施の形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実態のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(具体的にはフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(具体的には光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(具体的には、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM))、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0078】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0079】
尚、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0080】
11、51:海底分岐装置
111:制御部
SW1:第1光スイッチ
SW2:第2光スイッチ
SW3:第3光スイッチ
SW4:第4光スイッチ
SW5:第5光スイッチ
SW6:第6光スイッチ
SW7:第7光スイッチ
SW8:第8光スイッチ
SW9:第9光スイッチ
SW10:第10光スイッチ
SW11:第11光スイッチ
SW12:第12光スイッチ
P1:第1端子
P2:第2端子
P3:第3端子
P4:第4端子
A:第1経路
B:第2経路
C:第3経路
A1:第1経路の第1線路
A2:第1経路の第2線路
B1:第2経路の第1線路
B2:第2経路の第2線路
C1:第3経路の第1線路
C2:第3経路の第2線路