(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-22
(45)【発行日】2025-05-01
(54)【発明の名称】スピニングリール
(51)【国際特許分類】
A01K 89/01 20060101AFI20250423BHJP
【FI】
A01K89/01 C
(21)【出願番号】P 2021135576
(22)【出願日】2021-08-23
【審査請求日】2024-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】川俣 敦史
(72)【発明者】
【氏名】新妻 翔
(72)【発明者】
【氏名】池袋 哲史
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 啓
【審査官】小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-124183(JP,A)
【文献】特開2011-87570(JP,A)
【文献】特開2020-103118(JP,A)
【文献】特開平11-332431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K89/00-89/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体と、
前記リール本体に対して回転可能に構成されるロータと、
ベールと、前記ベールの一端を支持するベール支持部材とを有し、前記ロータに対して揺動可能に構成されるベールアームと、
前記ベール支持部材に連結されるロッドと、
前記ロッドの外周に配置され、前記ロッドを前記ベール支持部材に向けて付勢するコイルバネと、
前記コイルバネを支持する底部を有し、前記ロータに揺動可能に支持される揺動部材と、
前記揺動部材に支持されるとともに前記コイルバネの内周部に配置され、前記ベールアームの揺動に応じて前記ロッドが摺動する筒状部材と、
を備えた、
スピニングリール。
【請求項2】
前記筒状部材は、前記揺動部材と一体である、
請求項1に記載のスピニングリール。
【請求項3】
前記筒状部材は、前記揺動部材と別体であり、
前記コイルバネは、前記筒状部材を前記揺動部材の前記底部に向けて付勢する、
請求項1に記載のスピニングリール。
【請求項4】
前記ロッドは、前記コイルバネが自然長さの状態において、一部が前記筒状部材の内周部に配置される寸法を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載のスピニングリール。
【請求項5】
揺動部材は、前記コイルバネの一部が収容される収容部を有し、
前記収容部は、前記コイルバネが挿入される開口部を有し、
前記コイルバネは、前記開口部に進退可能に配置される密着巻き部を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載のスピニングリール。
【請求項6】
前記揺動部材は、前記コイルバネの一部が収容される収容部を有し、
前記収容部は、前記コイルバネが挿入される開口部を有し、
前記コイルバネは、前記収容部に収容される第1端部と、前記収容部から露出する第2端部とを有し、
前記第2端部は、前記第1端部の内径よりも小さい内径を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載のスピニングリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
ベールアームを糸巻き取り姿勢と糸開放姿勢のいずれかの姿勢で保持するベール反転機構を備えたスピニングリールが知られている。また、特許文献1に開示されているベール反転機構は、ロータの糸巻き取り方向に回転に連動して、ベールアームを糸開放姿勢から糸巻き取り姿勢に復帰させる。ベール反転機構は、筒状の揺動部材と、揺動部材に収容されるコイルバネと、ロッドとを有している。ロッドは、揺動部材の底部を貫通する支持孔に摺動可能に支持されており、揺動部材と連動して揺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のベール反転機構では、揺動部材の支持孔がコイルバネから離れる方向に延びている。このような構成において、支持孔でロッドを摺動可能に支持するためには、ロッドの全長を長くする必要がある。ロッドの全長が長くなると、ロッドの揺動範囲も広くなるので、揺動スペースを確保するために、ロータアームの外側を覆うカバー部材が大型化するおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、ベールアームに連結されるロッドの全長を短くすることができるスピニングリールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るスピニングリールは、リール本体と、ロータと、ベールアームと、コイルバネと、揺動部材と、筒状部材とを備える。ロータは、リール本体に対して回転可能に構成される。ベールアームは、ロータに対して揺動可能に構成される。ベールアームは、ベールと、ベールの一端を支持するベール支持部材とを有する。ロッドは、ベール支持部材に連結される。コイルバネは、ロッドの外周に配置され、ロッドをベール支持部材に向けて付勢する。揺動部材は、コイルバネを支持する底部を有し、ロータに揺動可能に支持される。筒状部材は、揺動部材に支持される。筒状部材は、コイルバネの内周部に配置され、ベールアームの揺動に応じてロッドが摺動する。
【0007】
このスピニングリールでは、ロッドは、ベールアームの揺動に応じて、コイルバネの内周部に配置される筒状部材と摺動する。すなわち、ロッドは、コイルバネの内周部で筒状部材に摺動可能に支持されるので、ロッドの全長を短くすることができる。その結果、ロッドの揺動範囲が小さくなるので、例えば、ロータアームの外側を覆うカバー部材が大型化することを抑制できる。
【0008】
筒状部材は、揺動部材と一体であってもよい。この場合は、部品点数を削減できる。
【0009】
筒状部材は、揺動部材と別体であってもよい。コイルバネは、筒状部材を揺動部材の底部に向けて付勢してもよい。この場合は、筒状部材と揺動部材とを一体成型する場合に比べて、筒状部材の全長を長くすることが容易になる。また、揺動部材と筒状部材との位置関係をコイルバネの付勢力によって維持できる。
【0010】
ロッドは、コイルバネが自然長さの状態において、一部が筒状部材の内周部に配置される寸法を有してもよい。この場合は、組付け時において、ロッドを円筒部材に挿入するときに、ロッドが円筒部材に対して芯ずれすることを抑制できる。これにより、ロッドを円筒部材に挿入するときに、ロッドが円筒部材に引っ掛かることを抑制できる。
【0011】
揺動部材は、コイルバネの一部が収容される収容部を有してもよい。収容部は、コイルバネが挿入される開口部を有してもよい。コイルバネは、開口部に進退可能に配置される密着巻き部を有してもよい。この場合は、ベールアームの揺動に応じてコイルバネが圧縮されるときに、コイルバネの線間が開口部に引っ掛かることを抑制できる。
【0012】
揺動部材は、コイルバネの一部が収容される収容部を有してもよい。収容部は、コイルバネが挿入される開口部を有してもよい。コイルバネは、収容部に収容される第1端部と、収容部から露出する第2端部とを有してもよい。第2端部は、第1端部の内径よりも小さい内径を有してもよい。この場合は、第2端部において、ロッドとコイルバネとの隙間が小さくなるので、コイルバネのがたつきを抑制できる。これにより、ベールアームの揺動に応じてコイルバネが圧縮されながらロットとともに移動するときに、コイルバネの線間が収容部の開口部に引っ掛かることを抑制できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スピニングリールにおいて、ベールアームに連結されるロッドの全長を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】第1ロータアーム周辺を径方向外側から見た図。
【
図4】揺動部材が第1位置から第2位置に移動した状態を模式的に示した図。
【
図5】第1ベール支持部材を径方向内側から見た図。
【
図6】揺動部材、コイルバネ及び筒状部材の断面図。
【
図7】コイルバネが自然長さの状態における揺動部材、コイルバネ及び筒状部材の断面図。
【
図9】他の実施例に係る揺動部材、コイルバネ及び筒状部材の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の一実施形態が採用されたスピニングリール10の側面図である。
図2は、本発明の一実施形態が採用されたスピニングリール10の縦断面図である。
図1及び
図2に示すように、スピニングリール10は、リール本体12と、ハンドル14と、スプール軸16と、スプール18と、ロータ20と、ベールアーム22とを備える。
【0016】
なお以下の説明において、スプール軸16の軸線Xが延びる方向を軸方向、軸線Xと直交する方向を径方向、軸線X回りの方向を周方向と呼ぶ。また、釣り糸が繰り出される方向を前方、その反対方向を後方として説明する。
【0017】
図2に示すように、リール本体12は、リール本体部12aと、円筒部12bと、を有する。リール本体部12aは、内部空間を有している。内部空間には、ロータ20が駆動されるロータ駆動機構24や、スプール18に釣り糸を均一に巻き付けるためのオシレーティング機構26が収納されている。円筒部12bは、リール本体部12aの前部から前方に延びている。
【0018】
ハンドル14は、リール本体12に回転可能に支持されている。ハンドル14は、リール本体12の左側部に配置されている。なお、ハンドル14は、ハンドル本体の右側部に配置されてもよい。
【0019】
スプール軸16は、前後方向に延びている。スプール軸16は、前後方向に移動可能にリール本体12に支持されている。
【0020】
スプール18は、外周に釣り糸が巻き付けられる。スプール18は、スプール軸16の前部に装着されている。スプール18は、ハンドル14の回転に応じてスプール軸16と一体的に前後方向に移動する。
【0021】
ロータ20は、スプール18に釣り糸を巻き付けるための部材である。ロータ20は、ハンドル14の回転に伴い、ロータ駆動機構24を介してスプール軸16の軸回りに回転する。ロータ20は、ロータ本体部20aと、第1ロータアーム20bと、第2ロータアーム20cと、第1カバー20dと、第2カバー20eとを有する。
【0022】
ロータ本体部20aは、リール本体12の円筒部12bの外周部に配置されている。第1ロータアーム20b及び第2ロータアーム20cは、ロータ本体部20aの外周部で前後方向に延びている。第1ロータアーム20b及び第2ロータアーム20cは、それぞれの後端がロータ本体部20aに接続されている。第1ロータアーム20bと第2ロータアーム20cとは、ロータ本体部20aを挟んで径方向に対向する位置に配置されている。
図3に示すように、第1ロータアーム20bは、案内溝20fを有する。案内溝20fは、軸方向に延びている。案内溝20fは、径方向に開口している。
【0023】
第1カバー20dは、第1ロータアーム20bに固定されている。第1カバー20dは、第1ロータアーム20bを径方向外側から覆う。第2カバー20eは、第2ロータアーム20cに固定されている。第2カバー20eは、第2ロータアーム20cを径方向外側から覆う。
【0024】
ベールアーム22は、ロータ20に対して揺動可能に構成される。ベールアーム22は、第1ロータアーム20b及び第2ロータアーム20cのそれぞれの先端に揺動可能に装着されている。ベールアーム22は、巻き取り姿勢と、開放姿勢との間で揺動する。巻き取り姿勢は、スプール18に釣り糸を巻き付けるときの姿勢である。開放姿勢は、スプール18に巻き付けられた釣り糸を繰り出すときの姿勢である。
【0025】
ベールアーム22は、ベール22aと、第1ベール支持部材22bと、第2ベール支持部材22cとを有する。ベール22aは、第1ベール支持部材22bと第2ベール支持部材22cとを連結する。ベール22aは、第1ベール支持部材22bと第2ベール支持部材22cとの間で円弧状に延びている。
【0026】
第1ベール支持部材22bは、第1ロータアーム20bの先端に揺動可能に装着されている。第1ベール支持部材22bは、ベール22aの一端を支持する。
図5に示すように、第1ベール支持部材22bは、係合凹部22dと、係合穴22eとを有する。係合凹部22dは、周方向に延びている。係合凹部22d及び係合穴22eは、第1ベール支持部材22bの内側に形成されている。係合凹部22d及び係合穴22eは、径方向内側から径方向外側に向かって凹む形状を有している。
【0027】
第2ベール支持部材22cは、第2ロータアーム20cの先端に揺動可能に装着されている。第2ベール支持部材22cは、ベール22aの他端を支持する。
【0028】
図6にスピニングリール10は、ロッド40と、揺動部材50と、コイルバネ60と、筒状部材70とを備える。ロッド40、コイルバネ60、揺動部材50及び筒状部材70は、ベールアーム22が巻き取り姿勢又は開放姿勢にあるときの姿勢を保持する保持機構を構成する。保持機構は、第1ロータアーム20bと第1カバー20dの間に配置されている。
【0029】
ロッド40は、金属製の線材で構成されている。ロッド40は、第1ベール支持部材22bに連結されている。ロッド40は、揺動部材50とともに揺動する。ロッド40は、筒状部材70に摺動可能に支持されている。ロッド40は、コイルバネ60の内周部に配置されている。
【0030】
ロッド40は、係止突起40aと、押圧部40bとを有する。係止突起40aは、ロッド40の前端に形成されている。係止突起40aは、第1ベール支持部材22bに向かって屈曲した形状を有している。係止突起40aは、第1ベール支持部材22bの係合穴22eに係止されている。押圧部40bは、コイルバネ60の前端が当接する。押圧部40bは、ロッド40の揺動に伴い、コイルバネ60を押圧する。詳細には、押圧部40bは、突起40cと、ワッシャ40dとを含む。突起40cは、ワッシャ40dの移動を制限する。ワッシャ40dは、突起40cとコイルバネ60の間に配置されている。なお、
図3及び
図4では、突起40cの図示が省略されている。
【0031】
揺動部材50は、ロータ20に揺動可能に支持されている。揺動部材50は、
図3に示す第1位置と、
図4に示す第2位置との間で揺動する。第1位置は、ベールアーム22の巻き取り姿勢に対応し、第2位置は、ベールアーム22の開放姿勢に対応する。すなわち、ベールアーム22が巻き取り姿勢のときは、揺動部材50は第1位置にあり、ベールアーム22が開放姿勢のときは、揺動部材50は第2位置にある。
【0032】
揺動部材50は、収容部51と、底部52と、突起部53とを有する。収容部51は、筒状に形成されている。収容部51は、コイルバネ60の一部が収容される。収容部51は、コイルバネ60が挿入される開口部51aを有する。開口部51aは、前方に向かって開口している。底部52は、収容部51の後端に配置されている。底部52は、コイルバネ60を支持する。本実施形態では、底部52は、筒状部材70を介してコイルバネ60を支持する。底部52は、ロッド40が貫通可能な貫通孔52aを有する。
【0033】
突起部53は、収容部51の外周面から第1ロータアーム20bに向かって突出している。突起部53は、円柱状に形成されている。
図3に示すように、突起部53は、第1ロータアーム20bに設けられた筒状凹部20gに揺動可能に配置される。これにより、揺動部材50は、第1ロータアーム20bに揺動可能に支持される。
【0034】
コイルバネ60は、ベールアーム22の揺動に応じて、ベールアーム22を巻き取り姿勢と開放姿勢とに振り分けて付勢する。コイルバネ60は、ロッド40の外周に配置されている。コイルバネ60は、ロッド40を第1ベール支持部材22bに向けて付勢する。詳細には、コイルバネ60は、押圧部40bを押圧することでロッド40を第1ベール支持部材22bの前端に向けて付勢する。また、コイルバネ60は、筒状部材70を揺動部材50の底部52に向けて付勢する。巻き取り姿勢及び開放姿勢において、コイルバネ60は、圧縮された状態にある。
【0035】
図7は、コイルバネ60が自然長さの状態を示している。
図7に示すように、コイルバネ60が自然長さの状態において、ロッド40は、一部(ここでは後端)が筒状部材70の内周部に配置される寸法を有することが好ましい。コイルバネ60がロッド40を付勢していない状態、すなわち、コイルバネ60が圧縮されていない状態において、ロッド40は、後端が筒状部材70の内周部に配置される寸法を有していることが好ましい。なお、
図6は、揺動部材50が第1位置にあるときを示している。このため、
図6ではコイルバネ60が圧縮された状態にある。
【0036】
コイルバネ60は、第1端部60aと、第2端部60bとを有している。第1端部60aは、収容部51に収容されている。第2端部60bは、収容部51から露出している。
【0037】
筒状部材70は、揺動部材50と別体である。筒状部材70は、揺動部材50に支持されている。筒状部材70は、揺動部材50の収容部51に収容されている。筒状部材70は、開口部51aから突出していない。筒状部材70は、開口部51aよりも後方に配置されている。筒状部材70は、収容部51に沿う方向に延びている。筒状部材70は、両端が開口している。筒状部材70は、コイルバネ60の内周部に配置されている。
【0038】
筒状部材70は、ロッド40を摺動可能に支持する。筒状部材70は、ベールアーム22の揺動に応じてロッド40が内周面を摺動する。
【0039】
筒状部材70は、鍔部70aを有する。鍔部70aは、筒状部材70の後端に形成されている。鍔部70aは、収容部51内で揺動部材50の底部52に接触している。鍔部70aは、コイルバネ60によって揺動部材50の底部52に向けて付勢されている。
【0040】
図8に示すように、スピニングリール10は、反転機構80と、ロータ制動機構90とを備える。反転機構80は、ベールアーム22が開放姿勢で保持されているときに、ロータ20の回転に連動してベールアーム22を巻き取り姿勢に復帰させる。
【0041】
反転機構80は、移動部材81と、切換部材82とを有する。ロッド40、揺動部材50、コイルバネ60及び筒状部材70は、反転機構80の一部を構成する。
【0042】
移動部材81は、金属製の線材で構成されている。
図3に示すように、移動部材81は、軸方向に延びている。移動部材81は、ベールアーム22の揺動に伴い、第1ロータアーム20bの案内溝20fに沿って前後方向に移動する。
【0043】
移動部材81は、第1端部81aと、第2端部81bとを有する。第1端部81aは、径方向外側に向かって屈曲した形状を有している。第1端部81aは、第1ベール支持部材22bの係合凹部22dと係合する。第2端部81bは、径方向内側に向かって屈曲した形状を有している。第2端部81bは、切換部材82に係合する。
【0044】
切換部材82は、リール本体12に固定されている。切換部材82は、ベールアーム22が開放姿勢で保持されているときにおいて、ロータ20の回転に応じて移動部材81の第2端部81bが接触する。切換部材82は、傾斜面82aを有している。移動部材81の第2端部81bが傾斜面82aを通過するときに、傾斜面82aによって前方に押し上げられることで、第1ベール支持部材22bが死点を超える位置まで揺動する。これにより、開放姿勢に向けて付勢されていたベールアーム22が巻き取り姿勢に向けて付勢される。その結果ベールアーム22が巻き取り姿勢に復帰する。
【0045】
ロータ制動機構90は、ベールアーム22が糸開放姿勢にあるときにロータ20の回転を制動する。ロータ制動機構90は、制動部材91を有する。移動部材81は、ロータ制動機構90の一部を構成する。制動部材91は、リール本体12の円筒部12bに摺動可能に配置されている。制動部材91は、複数の凹部91aを有する。複数の凹部91aは、ベールアーム22が開放姿勢にあるとき、移動部材81の第2端部81bが係合する。ベールアーム22が糸開放姿勢にあるときにロータ20が回転しようとすると、リール本体12の円筒部12bと制動部材91とが摩擦係合することで、ロータ20の回転が制動される。
【0046】
上記構成のスピニングリール10では、ロッド40は、ベールアーム22の揺動に応じて、コイルバネ60の内周部に配置される筒状部材70に摺動する。すなわち、ロッド40は、コイルバネ60の内周部で筒状部材70に摺動可能に支持されるので、ロッド40の全長を短くすることができる。その結果、ロッド40の揺動範囲が小さくなるので、例えば、第1ロータアーム20bの外側を覆う第1カバー20dが大型化することを抑制できる。
【0047】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0048】
前記実施形態では、筒状部材70は、揺動部材50と別体であったが、
図9に示すように、筒状部材70は、揺動部材50と一体であってもよい。
【0049】
図10及び
図11に示すように、コイルバネ60は、密着巻き部60cを有してもよい。
図10は、揺動部材50が第1位置にあり、
図11では、揺動部材50が第2位置にある。密着巻き部60cは、収容部51の開口部51aに進退可能に配置される。密着巻き部60cは、コイルバネ60の第2端部60bに配置されている。密着巻き部60cは、コイルバネ60の中間位置に配置されてもよく、揺動部材50の第1位置から第2位置への移動に応じて、開口部51aに進退可能に配置されていればよい。密着巻き部60cは、揺動部材50が死点又は死点に近接する位置に移動したときおいて、開口部51aに配置されることが好ましい。揺動部材50が死点位置では、コイルバネ60は、最も圧縮された状態にある。なお、密着巻き部60cは、揺動部材50が第1位置にあるときに、密着巻き部60cの一部が開口部51aに配置される構成であってもよい。
【0050】
図12に示すように、コイルバネ60の第2端部60bは、コイルバネ60の第1端部60aの内径よりも小さい内径を有してもよい。すなわち、コイルバネ60の第2端部60bにおいて、ロッド40との径方向の隙間が小さくなるような構成を有してもよい。また、密着巻き部60cを含むコイルバネ60がコイルバネ60の第1端部60aの内径よりも小さい内径を有してもよい。
【符号の説明】
【0051】
10 スピニングリール
12 リール本体
20 ロータ
22 ベールアーム
22a 第1ベール支持部材(ベール支持部材の一例)
40 ロッド
50 揺動部材
51 収容部
51a 開口部
52 底部
60 コイルバネ
60a 第1端部
60b 第2端部
60c 密着巻き部
70 筒状部材