(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-23
(45)【発行日】2025-05-02
(54)【発明の名称】大気有害物質の付着抑制方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/27 20060101AFI20250424BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20250424BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20250424BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20250424BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20250424BHJP
【FI】
A61K8/27
A61K8/29
A61K8/81
A61Q19/00
A61Q1/00
(21)【出願番号】P 2020098002
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】P 2019106341
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 智也
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 浩之
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-070556(JP,A)
【文献】特開2005-336056(JP,A)
【文献】特開2013-107887(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0012909(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0006536(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61P 1/00-43/00
B82Y 5/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、
該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)
成分(A):平均一次粒子径d
Aが5nm以上50nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径D
Bが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
を含有し、
成分(A)が、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、かつ表面を疎水化処理したものであり、
成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)、及び多孔質粒子(B2)から選ばれる1種以上であり、
該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である、大気有害物質の付着抑制方法。
【請求項2】
成分(A)の皮膚への塗布量が0.03mg/cm
2以上である、請求項1に記載の大気有害物質の付着抑制方法。
【請求項3】
外用剤中の成分(A)の含有量が1質量%以上40質量%以下である、請求項1又は2に記載の大気有害物質の付着抑制方法。
【請求項4】
成分(A)の皮膚への塗布量が0.8mg/cm
2以下である、請求項2又は3に記載の大気有害物質の付着抑制方法。
【請求項5】
複合粒子(B1)を構成するコア粒子(b1-1)が、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上である、請求項1~4のいずれかに記載の大気有害物質の付着抑制方法。
【請求項6】
複合粒子(B1)を構成するコア粒子(b1-1)の表面が、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上のバインダー(c)で被覆されてなる、請求項1~5のいずれかに記載の大気有害物質の付着抑制方法。
【請求項7】
複合粒子(B1)を構成する無機微粒子(b1-2)が、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上である、請求項1~6のいずれかに記載の大気有害物質の付着抑制方法。
【請求項8】
下記の成分(A)及び成分(B):
成分(A):平均一次粒子径d
Aが5nm以上50nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径D
Bが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
を含有し、
成分(A)が、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、かつ表面を疎水化処理したものであり、
成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)であり、
コア粒子(b1-1)が、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上であり、
コア粒子(b1-1)の表面が、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上のバインダー(c)で被覆されてなり、
無機微粒子(b1-2)が、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である、外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気有害物質の付着抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スギ、ヒノキ等の花粉、ばい煙、粉じん等の大気汚染物質、黄砂などの大気中に浮遊する有害物質(以下、「大気有害物質」ともいう)が、人体へ様々な健康被害をもたらすため問題となっている。大気有害物質の中でも、PM2.5と呼ばれる直径2.5μm以下の粒子状物質は、その成分が炭素成分、硫酸塩、硝酸塩、アンモニウム塩等から構成されており、PM2.5や黄砂は吸入により循環器系や呼吸器系の疾患を引き起こすことが知られている。また、PM2.5や花粉、黄砂は、皮膚に付着又は浸透することにより肌トラブルの原因となることが指摘されている。例えば、非特許文献1には、PM2.5が肌にダメージを与えることに関する学術報告がある。そのため、大気有害物質から肌を保護する化粧料への要望が強くなっている。
例えば、特許文献1には、大気汚染物質等の外的刺激から肌を保護するスキンケア化粧料として、特定量のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、特定量の紫外線防御剤とを含有するスキンケア化粧料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Shiraiwa他、ネイチャー ケミストリー(Nature Chemistry)3,291-295(2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムがその吸着能により大気汚染物質を吸着して肌に到達させず、酸性物質が付着してもpH緩衝能によって中和することができ、これらの外的刺激による肌ダメージを軽減することが記載されている。また、紫外線防御剤は皮膚を紫外線から有効に防御することが記載されている。このような技術は、大気汚染物質が皮膚へ及ぼす影響を軽減させることができるが、大気汚染物質の皮膚への付着を防ぐものではなく、改善の余地がある。また、紫外線防御剤として酸化チタン、酸化亜鉛等の無機粉体を外用剤に配合する場合、該外用剤を皮膚に塗布した後の感触、とりわけさらさら感に劣る場合がある。そのため、塗布後の良好な感触も求められる。
本発明は、大気有害物質に対する高い付着抑制効果を有し、かつ皮膚へ塗布した後の感触、とりわけさらさら感に優れる、大気有害物質の付着抑制方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、特許文献1に示すように大気汚染物質を吸着させるのではなく、平均一次粒子径が所定の範囲である金属酸化物と平均粒子径が所定の範囲である非崩壊性粒子とを所定の質量比で含有する外用剤を皮膚に塗布し、ナノサイズの凹凸を皮膚表面に形成することにより、皮膚へ塗布した後の感触を悪化させることなく、大気有害物質の皮膚への付着を抑制できることに着目し、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]及び[2]を提供する。
[1]外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、
該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である、大気汚染物質の付着抑制方法。
成分(A):平均一次粒子径dAが800nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径DBが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
[2]下記の成分(A)及び成分(B):
成分(A):平均一次粒子径dAが800nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径DBが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
を含有し、
成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)であり、
コア粒子(b1-1)が、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上であり、
コア粒子(b1-1)の表面が、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上のバインダー(c)で被覆されてなり、
無機微粒子(b1-2)が、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である、外用剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、大気有害物質に対する高い付着抑制効果を有し、かつ皮膚へ塗布した後の感触、とりわけさらさら感に優れる、大気有害物質の付着抑制方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】大気有害物質の付着抑制効果の評価方法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[大気有害物質の付着抑制方法]
本発明の大気有害物質の付着抑制方法は、外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.30以上5.0以下である。
成分(A):平均一次粒子径dAが800nm以下である金属酸化物
成分(B):平均粒子径DBが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
なお、本発明において「大気有害物質」とは、スギ、ヒノキ等の花粉;硫黄酸化物、ばいじん、窒素酸化物等のばい煙、粉じん、自動車排出ガス、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有害大気汚染物質、揮発性有機化合物(VOC)等を含む粒子などの大気汚染物質;黄砂などの大気中に浮遊する有害物質(PM2.5を含む)を意味する。
【0010】
本発明の付着抑制方法は、大気有害物質、とりわけ微粒子状の大気有害物質に対する付着抑制効果が高く、かつ皮膚へ塗布した後の感触(さらさら感)に優れる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明においては、平均一次粒子径が所定の範囲である金属酸化物を皮膚に塗布することにより、皮膚表面にナノサイズの凹凸が形成されるため、大気有害物質が金属酸化物に接触したときの接触面積を低減させることができ、大気有害物質の付着を効果的に抑制できると考えられる。
また、本発明に用いる外用剤は前記金属酸化物と平均粒子径が所定の範囲である非崩壊性粒子とを特定の質量比で含有する。皮膚表面上に付与される非崩壊性粒子は、擦過しても崩壊し難く所定の大きさの粒子径を維持することができるため、良好な感触(さらさら感)を発現すると考えられる。
なお、以下の記載において、本発明における大気有害物質に対する付着抑制効果を単に「付着抑制効果」と表記し、本発明における感触(さらさら感)を単に「感触」と表記する。
【0011】
<外用剤>
〔成分(A)〕
成分(A)は、平均一次粒子径dAが800nm以下である金属酸化物である。
成分(A)の平均一次粒子径dAは、付着抑制効果を向上させる観点から、800nm以下であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下、更に好ましくは200nm以下、より更に好ましくは80nm以下、より更に好ましくは50nm以下であり、そして、汎用性の観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは10nm以上である。より具体的には、平均一次粒子径dAは、付着抑制効果を向上させる観点、及び汎用性の観点から、好ましくは1~800nm、より好ましくは1~500nm、更に好ましくは1~300nm、より更に好ましくは1~200nm、より更に好ましくは1~80nm、より更に好ましくは5~80nm、より更に好ましくは5~50nm、より更に好ましくは10~50nmである。
本発明における平均一次粒子径dAは、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察画像から求めることができる。具体的にはTEMにより観察倍率50,000倍の条件にて観察し、観察画像中の300個の一次粒子の最大短径を測定し、その数平均値を算出することにより求められる。ここで、最大短径とは、成分(A)が板状以外の形状を有する場合には、長径と直交する短径のうち、最大長を有する短径を意味する。また、成分(A)が板状の形状を有する場合には、上記と同様の条件で観察される観察画像中の300個の一次粒子の厚さを測定し、その数平均値を算出することにより求められる。具体的には実施例に記載の方法により測定される。
【0012】
成分(A)は、化粧料等の外用剤に通常用いられるものであれば特に制限はない。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化クロム等が挙げられる。これらの中でも、紫外線防御能を付与する観点から、好ましくは酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化セリウムから選ばれる1種以上であり、より好ましくは酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、付着抑制効果を更に向上させる観点からは、更に好ましくは酸化チタンである。
成分(A)が酸化チタンである場合、酸化チタンの結晶構造は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のいずれでもよいが、汎用性の観点からは、好ましくはルチル型又はアナターゼ型である。
【0013】
成分(A)の形状としては、球状、紡錘状、板状、針状等が挙げられる。これらの中でも、付着抑制効果を向上させる観点から、球状、紡錘状、板状が好ましい。
成分(A)が酸化チタンである場合には、付着抑制効果を向上させる観点から、紡錘状であることが好ましい。
成分(A)が酸化亜鉛である場合には、付着抑制効果を向上させる観点から、球状又は板状であることが好ましい。
成分(A)の存在形態は、前記平均一次粒子径dAが前述の範囲を満たせば、一次粒子の形態であってもよく、一次粒子が凝集した凝集体(二次粒子)が含まれる形態であってもよい。
【0014】
成分(A)は、その表面を処理していないものでもよく、その表面を処理したものであってもよいが、外用剤中の成分(A)の分散性を高め、付着抑制効果を向上させる観点から、その表面を改質するように処理したものが好ましい。表面処理としては、疎水化処理及び親水化処理が挙げられるが、前記と同様の観点から、疎水化処理が好ましい。
【0015】
疎水化処理としては、シリコーン処理;アルキルアルコキシシラン処理;脂肪酸処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール、パーフルオロアルキルアルコキシシラン等のフッ素含有化合物処理;N-アシルグルタミン酸等のアミノ酸処理;アルキルリン酸エステル処理などが挙げられる。
これらの表面処理は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせてもよい。
これらの中でも、外用剤中での成分(A)の分散性を高め、付着抑制効果を向上させる観点から、シリコーン処理、アルキルアルコキシシラン処理、及び脂肪酸処理から選ばれる1種以上が好ましい。
【0016】
シリコーン処理に用いられる表面処理剤としては、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ジメチルシロキサン/メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン/メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン/メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン/メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン/メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン/メチルステアロキシシロキサン共重合体、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)共重合体等の各種シリコーン油を挙げられる。これらの中でも、外用剤中での成分(A)の分散性を高め、付着抑制効果を向上させる観点から、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンが好ましい。
【0017】
アルキルアルコキシシラン処理に用いられる表面処理剤としては、外用剤中での成分(A)の分散性を高め、付着抑制効果を向上させる観点から、炭素数6以上20以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するものが好ましく、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランがより好ましい。
脂肪酸処理に用いられる表面処理剤としては、炭素数12以上22以下の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸が挙げられる。中でも、外用剤中での成分(A)の分散性を高め、付着抑制効果を向上させる観点から、炭素数14以上22以下の直鎖又は分岐鎖の高級脂肪酸が好ましく、炭素数16以上20以下の直鎖又は分岐鎖の高級脂肪酸がより好ましく、ステアリン酸、イソステアリン酸が更に好ましい。
【0018】
前述の表面処理剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせ用いることができる。
成分(A)における疎水化処理の処理量は、外用剤中での成分(A)の分散性を高め、付着抑制効果を向上させる観点から、成分(A)に対して、好ましくは0.1質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
なお、成分(A)がその表面を疎水化処理したものである場合、成分(A)の質量、塗布量及び平均一次粒子径dAは、表面処理剤を含めての質量、塗布量及び平均一次粒子径dAを意味する。
【0019】
成分(A)が酸化チタンである場合、酸化チタン中のTiO2の含有量は、付着抑制効果を向上させる観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
成分(A)が酸化亜鉛である場合、酸化亜鉛中のZnOの含有量は、付着抑制効果を向上させる観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
【0020】
成分(A)は、外用剤中での成分(A)の分散性を高め、付着抑制効果を向上させる観点から、好ましくは疎水化処理酸化チタン及び疎水化処理酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、より好ましくはシリコーン処理酸化チタン、シリコーン処理酸化亜鉛、アルキルアルコキシシラン処理酸化チタン、アルキルアルコキシシラン処理酸化亜鉛、脂肪酸処理酸化チタン、及び脂肪酸処理酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは脂肪酸処理酸化チタン及びアルキルアルコキシシラン処理酸化亜鉛から選ばれる1種以上である。
【0021】
成分(A)の市販品としては、テイカ(株)製の「JR-800S」(シリコーン処理酸化チタン)、「MPY-70M」(シリコーン処理酸化チタン)、「MZ-504R3M」(シリコーン処理酸化亜鉛)、「MT-600KS」(シリコーン処理酸化亜鉛)、「MT-100TV」(ステアリン酸処理酸化チタン)、「MT-100Z」(ステアリン酸処理酸化チタン);石原産業(株)製の「MPT-171」(ステアリン酸処理酸化チタン);大東化成工業(株)の「D-FZN」(シリコーン処理酸化亜鉛);堺化学工業(株)製の「STR-100A-LP」(シリコーン処理酸化チタン)、「FINEX-50-LPTM」(シリコーン処理酸化亜鉛)、「FINEX-30-OTS」(オクチルトリエトキシシラン処理酸化亜鉛)、「STR-100C-LF」(ステアリン酸処理酸化チタン)、「STR-100W-OTS」(オクチルトリエトキシシラン処理酸化チタン)、「FINEX-50-OTS」(オクチルトリエトキシシラン処理酸化亜鉛)等が挙げられる。
【0022】
〔成分(B)〕
成分(B)は、平均粒子径DBが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子である。
本発明において「非崩壊性粒子」とは、所定の荷重で負荷して擦過したときに、崩壊し難い粒子であり、具体的には実施例に記載した崩壊性を確認する試験方法において、表面性測定機トライボギア TYPE:14(新東科学(株)製)を用いて10回往復擦過した際、下記式(I)で表される擦過前後の粒子径比が50%以上の粒子である。
擦過前後の粒子径比(%)=(擦過後の平均粒子径DB’/擦過前の平均粒子径DB)×100 (I)
平均粒子径DBは、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、1μm以上であり、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上であり、そして、付着抑制効果を向上させる観点から、10μm以下であり、好ましくは9μm以下、より好ましくは8μm以下である。平均粒子径DBの具体的範囲は、付着抑制効果を向上させる観点、及び皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、好ましくは1~9μm、より好ましくは2~9μm、更に好ましくは3~9μm、より更に好ましくは3~8μmである。平均粒子径DBは、実施例に記載の方法により測定される。
【0023】
成分(B)は、好ましくは無機粒子及び有機粒子から選ばれる1種以上である。
無機粒子としては、二酸化ケイ素(シリカ)、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム等のケイ素含有化合物;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化クロム等の金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸チタン、塩化銀、臭化銀等の金属塩;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;チタン、鉄、クロム、ニッケル、金、銀、白金、銅、鉛、亜鉛等の金属及びこれらの金属合金;ダイアモンド;窒化ホウ素、炭化ホウ素等のホウ素含有化合物;炭化チタン、炭化タンタル、炭化ジルコニウム等の金属炭化物;窒化アルミニウム、窒化チタン等の金属窒化物;メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(ケイ酸アルミン酸マグネシウム)等の混合物などから選ばれる1種以上の無機物を含む粒子が挙げられる。これらの無機粒子は1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
前記無機粒子は、表面処理が施されていないものであってもよく、表面処理が施されたものであってもよい。
前記無機粒子中の前記無機物の含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
なお、前記無機粒子がその表面を表面処理したものである場合、該無機粒子の質量、平均粒子径DBは、表面処理剤を含めての質量、平均粒子径DBを意味する。
【0024】
成分(B)が無機粒子である場合、成分(B)は、これらの中でも、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、好ましくはケイ素含有化合物、金属酸化物、金属塩、金属窒化物、及び金属炭化物から選ばれる1種以上を含む粒子、より好ましくはケイ素含有化合物及び金属酸化物から選ばれる1種以上を含む粒子、更に好ましくはシリカ、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムから選ばれる1種以上を含む粒子、より更に好ましくはシリカ及びケイ酸カルシウムから選ばれる1種以上を含む粒子、より更に好ましくはシリカを含むシリカ粒子である。
【0025】
有機粒子としては、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、好ましくは天然ポリマー、半合成ポリマー及び合成ポリマーから選ばれる1種以上を含むものである。具体的には、セルロース、デンプン、キトサン等の多糖及びこれらの誘導体;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等の付加重合系ポリマー;ポリアミド、ポリ乳酸等のポリエステル、ポリウレタン等の縮合系ポリマー;シリコーンパウダーなどのポリマー粒子が挙げられる。前記ポリマー粒子は、架橋構造を有するポリマー粒子でもよく、架橋構造を有しないポリマー粒子でもよい。
これらの中でも、前記と同様の観点から、好ましくはポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、ポリ乳酸、シリコーンパウダー、セルロース、セルロース誘導体、デンプン、及びデンプン誘導体から選ばれる1種以上を含む粒子、より好ましくはポリスチレン、ポリ(メタ)アクリレート、セルロース、及びセルロース誘導体から選ばれる1種以上を含む粒子、汎用性の観点からは、更に好ましくはポリ(メタ)アクリレートを含むポリ(メタ)アクリレート粒子である。
本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる1種以上を意味する。
【0026】
前記ポリ(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル系モノマーの単独重合体又は共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸;炭素数1以上18以下の脂肪族アルコール由来の炭化水素基を有する(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリル系モノマーは1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
本明細書において「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる1種以上を意味する。
前記ポリ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレート以外に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートをさらに共重合させた架橋構造を有するポリ(メタ)アクリレートであってもよい。
【0027】
前記ポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メチルアクリレート共重合体が挙げられ、架橋構造を有する(ポリ)アクリレートとしては、ブチルアクリレート/エチレングリコールジメタクリレート/メタクリル酸ナトリウム共重合体、ラウリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート/メタクリル酸ナトリウム共重合体等が挙げられる。
前記ポリ(メタ)アクリレート粒子としては、特開2006-8980号公報に「架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子」として記載されている粒子、アイカ工業(株)のガンツパールシリーズ等が挙げられる。
【0028】
成分(B)の存在形態は、一次粒子の形態であってもよく、一次粒子が凝集した凝集
体(二次粒子)が含まれる形態であってもよい。
成分(B)の粒子構造としては、非多孔質粒子、多孔質粒子、コア粒子と該コア粒子の表面を被覆する微粒子とからなる複合粒子等が挙げられる。本発明において「非多孔質粒子」とは比表面積が50m2/g以下である粒子を意味し、「多孔質粒子」とは比表面積が50m2/g超である粒子を意味する。前記比表面積は、JIS Z 8830:2013に準じて測定することができる。
成分(B)は、付着抑制効果を向上させる観点、及び皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)、及び多孔質粒子(B2)から選ばれる1種以上が好ましい。
【0029】
(複合粒子(B1))
複合粒子(B1)は、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる粒子である。
コア粒子(b1-1)は、非多孔質粒子、多孔質粒子のいずれであってもよい。
コア粒子(b1-1)の平均粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは3μm以上であり、そして、好ましくは10μm以下、より好ましくは9μm以下、更に好ましくは8μm以下である。コア粒子(b1-1)の平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
コア粒子(b1-1)は、前述の有機粒子、無機粒子のいずれも用いることができる。それらの中でも、付着抑制効果を向上させ、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上が好ましい。
コア粒子(b1-1)の市販品としては、特開2006-8980号公報に「架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子」として記載されている粒子、アイカ工業(株)のガンツパールシリーズ等のポリ(メタ)アクリレート粒子;AGCエスアイテック(株)の「NP-100」等のシリカ粒子などが挙げられる。
【0030】
コア粒子(b1-1)は、複合粒子の生産性の観点から、その表面をバインダー(c)で被覆されてなるものが好ましい。これにより、複合粒子(B1)が、バインダー(c)を介して無機微粒子(b1-2)がコア粒子(b1-1)に吸着した構造を有することができる。バインダー(c)は、無機微粒子(b1-2)の表面水酸基と相互作用を生じることができる官能基を有するものが好ましく、アミド結合又はアミド基を側鎖に有するポリマーがより好ましい。バインダー(c)としてアミド結合又はアミド基を側鎖に有するポリマーを用いることにより、コア粒子(b1-1)の表面を水素結合を介して無機微粒子(b1-2)が吸着した構造を形成することができる。
バインダー(c)は、前記と同様の観点から、好ましくはアミド結合又はアミド基を有するビニルモノマーの付加重合により得られるビニル系ポリマー、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはポリ(N-ビニルピロリドン)、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上である。
本明細書において「(メタ)アクリルアミド」とは、アクリルアミド及びメタクリルアミドから選ばれる1種以上を意味する。
【0031】
前記ビニル系ポリマーを構成するビニルモノマーとしては、N-ビニルピロリドン、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルカプロラクタム等のN-ビニル化合物;(メタ)メタクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマーなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくはポリ(N-ビニルピロリドン)及びポリ(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリ(N-ビニルピロリドン)である。
前記ポリ(N-ビニルピロリドン)としては、N-ビニルピロリドン単独重合体;N-ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、N-ビニルピロリドン/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニル共重合体等のN-ビニルピロリドンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。ポリ(N-ビニルピロリドン)の市販品としては、例えばPVP K-90(Ashland Specialty Ingredients社製)、PVP K-25、同K-30、同K-90(以上、富士フイルム和光純薬(株)製、商品名);PVA-6450、アコーンM(以上、大阪有機化学工業(株)、商品名);コリドン VA64(商品名、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、BASFジャパン(株)製)等が挙げられる。
前記ポリ(メタ)アクリルアミドとしては、(メタ)アクリル系モノマーの単独重合体;(メタ)アクリル系モノマーと、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等の他のモノマーとの共重合体及びその塩が挙げられる。ポリ(メタ)アクリルアミドとしては、例えば特開2005-162700号公報記載のN-tert-ブチルアクリルアミド/N,N-ジメチルアクリルアミド/N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート共重合体等が挙げられる。
【0032】
オキサゾリン類の単独重合体又は共重合体としては、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、オキサゾリン類の共重合体が好ましく、環状イミノエーテルを開環重合してなるポリ(N-アシルアルキレンイミン)鎖を側鎖に有するオキサゾリン変性シリコーンがより好ましい。
オキサゾリン変性シリコーンとしては、ポリ(N-ホルミルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン共重合体、ポリ(N-アセチルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン共重合体、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体等のポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体が挙げられる。中でも、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)/メチルポリシロキサン共重合体(POLYSILICONE-9)が好ましい。
前記ポリ(N-アシルアルキレンイミン)/オルガノポリシロキサン共重合体は、例えば、環状イミノエーテルの開環重合物であるポリ(N-アシルアルキレンイミン)と主鎖セグメントを形成するオルガノポリシロキサンとを反応させる方法により得ることができる。POLYSILICONE-9として、例えば特開2016-6029号公報に記載のものを用いることができる。
【0033】
無機微粒子(b1-2)の平均一次粒子径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上、更に好ましくは3nm以上であり、そして、好ましくは30nm以下、より好ましくは25nm以下、更に好ましくは20mm以下である。無機微粒子(b1-2)の平均一次粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
無機微粒子(b1-2)としては、前述の無機粒子が挙げられる。
無機微粒子(b1-2)として金属酸化物を用いる場合、該金属酸化物は、その表面を親水化処理したものが好ましい。
親水化処理としては、シリカ、含水シリカ;アルミニウム、ジルコニア等の金属の含水酸化物、酸化物又は水酸化物;ポリアクリル酸、アルギン酸又はこれらの塩等の水溶性ポリマーなどによる処理が挙げられる。これらの中でも、シリカ処理、含水シリカ処理及び水酸化アルミニウム処理から選ばれる1種以上が好ましい。
無機微粒子(b1-2)における親水化処理の処理量は、無機微粒子(b1-2)に対して、好ましくは0.1質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
【0034】
無機微粒子(b1-2)は、付着抑制効果を向上させつつ、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、好ましくはケイ素含有化合物及び金属酸化物から選ばれる1種以上であり、より好ましくは親水性シリカ及び親水化処理された金属酸化物から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは親水性シリカ、並びに、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはシリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上である。
無機微粒子(b1-2)の市販品としては、テイカ(株)製の「MT-100WP」(含水シリカ処理微粒子酸化チタン)、堺化学工業(株)製の「STR-100W」(含水シリカ処理微粒子酸化チタン)、「STR-100C」(水酸化アルミニウム処理微粒子酸化チタン)、「FINEX-33W」(含水シリカ処理微粒子酸化亜鉛)、エボニック社製の「AEROSIL200」(親水性微粒子シリカ)等が挙げられる。
【0035】
複合粒子(B1)は、コア粒子(b1-1)と無機微粒子(b1-2)を混合して製造することが好ましい。これにより、大きい平均粒子径を有するコア粒子(b1-1)と小さい平均一次粒子径を有する無機微粒子(b1-2)のヘテロ凝集により、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる構造を形成することができる。
前記混合方法に特に制限はないが、コア粒子(b1-1)の分散液に無機微粒子(b1-2)を添加する方法が挙げられる。コア粒子(b1-1)の分散媒は特に制限はなく、例えばエタノール等の低級アルコール;水などが挙げられる。
コア粒子(b1-1)としてその表面をバインダー(c)で被覆された粒子を用いる場合には、該コア粒子(b1-1)を構成する粒子とバインダー(c)とを予め混合して得られる粒子を用いることが好ましい。
【0036】
コア粒子(b1-1)に対するバインダー(c)の配合量は、複合粒子の生産性の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、そして、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
コア粒子(b1-1)に対する無機微粒子(b1-2)の配合量は、複合粒子の生産性の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは0.25質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
【0037】
(多孔質粒子(B2))
多孔質粒子(B2)は、好ましくは平均一次粒子径が1nm以上30nm以下の無機微粒子(b2)が凝集したものである。無機微粒子(b2)は、前述の無機粒子と同様のものが挙げられる。それらの中でも、塗布した後の感触を良いものとし、外用剤の使用感を向上させる観点から、好ましくは、ケイ素含有化合物及び金属酸化物から選ばれる1種以上を含む粒子、より好ましくはシリカ及び酸化チタンから選ばれる1種以上を含む粒子である。
多孔質粒子(B2)の平均一次粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
多孔質粒子(B2)の市販品としては、AGCエスアイテック(株)製の「サンスフェア H-51」(多孔質シリカ粒子);日揮触媒化成(株)製の「HCS リフレ 50」(シリカと酸化チタンの凝集体)等が挙げられる。
【0038】
前記外用剤は、成分(A)及び成分(B)の他、外用剤の用途に応じて使用される美容成分や薬効成分、又は皮膚化粧料等の外用剤に通常使用される成分を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜含有してもよい。当該成分としては、成分(A)及び成分(B)以外の、油剤、溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、乳化剤、中和剤、pH調整剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、着色剤、キレート剤、保湿剤、パール剤、セラミド類、制汗剤、香料等が挙げられる。
【0039】
〔外用剤の製造〕
本発明に用いる外用剤は、外用剤の剤型に応じて公知の方法を適宜用いることにより製造することができる。例えば、成分(A)、成分(B)、及び必要に応じて前述の他の成分を配合し、ディスパー等により撹拌、混合する方法が挙げられる。
前記外用剤が、後述する油中水滴型(W/O)型又は水中油滴型(O/W)である場合には、水相と油相とをそれぞれ調製した後、両者を混合する方法を用いることもできる。各成分の含有量及び各質量比は以下のとおりである。
【0040】
(外用剤中の成分(A)の含有量)
前記外用剤中の成分(A)の含有量は、付着抑制効果を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、そして、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点、及び経済性の観点から、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。より具体的には、該成分(A)の含有量は、付着抑制効果を向上させる観点、及び皮膚に塗布した後の感触を良いものとし、外用剤を使用する際に使用感を良いものとする観点から、好ましくは1~40質量%、より好ましくは1.5~20質量%、更に好ましくは1.5~10質量%、より更に好ましくは2~10質量%である。
【0041】
(外用剤中の成分(B)の含有量)
前記外用剤中の成分(B)の含有量は、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、そして、付着抑制効果を向上させる観点、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
【0042】
(質量比[(A)/(B)])
前記外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]は、付着抑制効果を向上させる観点から、0.30以上であり、好ましくは0.32以上、より好ましくは0.35以上、更に好ましくは0.40以上、より更に好ましくは0.60以上、より更に好ましくは0.80以上であり、そして、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、5.0以下であり、好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.5以下、より更に好ましくは3.0以下、より更に好ましくは2.5以下である。より具体的には、前記質量比[(A)/(B)]は、付着抑制効果を向上させる観点、及び皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、好ましくは0.32~4.5、より好ましくは0.35~4.0、更に好ましくは0.40~3.5、より更に好ましくは0.60~3.0、より更に好ましくは0.80~2.5である。
【0043】
前記外用剤が更に油剤を含有する場合、外用剤中の油剤の含有量は、付着抑制効果を向上させる観点、及び皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
【0044】
本発明に用いる外用剤の形態としては、水相一相を分散媒とする水性型、油相一相を分散媒とする油性型、水中油滴型(以下、「O/W型」ともいう)、油中水滴型(以下、「W/O型」ともいう)等が挙げられ、適宜選択することができる。
本発明において外用剤は、例えば、皮膚、毛髪に適用する外用剤として塗布することができる。前記外用剤は、付着抑制効果の観点から、好ましくは化粧料であり、より好ましくは皮膚化粧料である。
前記外用剤の剤型には特に制限はなく、液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状等の任意の剤型とすることができる。
【0045】
〔塗布方法〕
本発明において外用剤を皮膚に塗布する方法としては、外用剤の使用形態又は目的に応じて、公知の方法により塗布することができる。ここで、「皮膚に塗布する」とは、皮膚表面に手等で外用剤を直接塗布することだけでなく、噴霧等により外用剤を皮膚表面に付着させることを含む。前記外用剤が、液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状のものは、通常そのまま塗布、噴霧等により施用することができる。
【0046】
(成分(A)の塗布量)
成分(A)の皮膚表面への塗布量は、付着抑制効果を向上させる観点から、好ましくは0.01mg/cm2以上、より好ましくは0.02mg/cm2以上、更に好ましくは0.03mg/cm2以上、より更に好ましくは0.04mg/cm2以上であり、そして、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点、及び経済性の観点から、好ましくは0.8mg/cm2以下、より好ましくは0.7mg/cm2以下である。より具体的には、成分(A)の皮膚表面への塗布量は、付着抑制効果を向上させる観点から、並びに皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点、及び経済性の観点から、好ましくは0.01~0.8mg/cm2、より好ましくは0.02~0.8mg/cm2、更に好ましくは0.03~0.8mg/cm2、より更に好ましくは0.04~0.8mg/cm2、より更に好ましくは0.04~0.7mg/cm2である。
【0047】
前記外用剤がW/O型の場合は、成分(A)の皮膚表面への塗布量は、付着抑制効果を向上させる観点から、好ましくは0.01mg/cm2以上、より好ましくは0.02mg/cm2以上、更に好ましくは0.03mg/cm2以上、より更に好ましくは0.04mg/cm2以上であり、そして、皮膚に塗布する際に使用感を良いものとする観点、及び経済性の観点から、好ましくは0.8mg/cm2以下、より好ましくは0.7mg/cm2以下である。より具体的には、成分(A)の皮膚表面への塗布量は、付着抑制効果を向上させる観点から、並びに皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点、及び経済性の観点から、好ましくは0.01~0.8mg/cm2、より好ましくは0.02~0.8mg/cm2、更に好ましくは0.03~0.8mg/cm2、より更に好ましくは0.04~0.8mg/cm2、より更に好ましくは0.04~0.7mg/cm2である。
【0048】
前記外用剤がO/W型の場合は、成分(A)の皮膚表面への塗布量は、付着抑制効果を向上させる観点から、好ましくは0.01mg/cm2以上、より好ましくは0.02mg/cm2以上、更に好ましくは0.03mg/cm2以上、より更に好ましくは0.04mg/cm2以上であり、そして、皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点、及び経済性の観点から、好ましくは0.8mg/cm2以下、より好ましくは0.7mg/cm2以下、更に好ましくは0.5mg/cm2以下、より更に好ましくは0.3mg/cm2以下である。より具体的には、成分(A)の皮膚表面への塗布量は、付着抑制効果を向上させる観点から、並びに皮膚に塗布した後の感触を良いものとする観点、及び経済性の観点から、好ましくは0.01~0.8mg/cm2、より好ましくは0.02~0.8mg/cm2、更に好ましくは0.03~0.8mg/cm2、より更に好ましくは0.04~0.7mg/cm2、より更に好ましくは0.04~0.5mg/cm2、より更に好ましくは0.04~0.3mg/cm2である。
【0049】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の実施態様を開示する。
<1> 外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、
該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.32以上4.5以下である、大気有害物質の付着抑制方法。
成分(A):平均一次粒子径dAが1nm以上80nm以下である酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上
成分(B):平均粒子径DBが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
<2> 外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、
該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.32以上4.5以下である、大気有害物質の付着抑制方法。
成分(A):平均一次粒子径dAが5nm以上50nm以下である酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上
成分(B):平均粒子径DBが3μm以上8μm以下である非崩壊性粒子
<3> 外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.40以上3.5以下である、前記<1>又は<2>に記載の大気有害物質の付着抑制方法。
<4> 外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.80以上2.5以下である、前記<1>又は<2>に記載の大気有害物質の付着抑制方法。
【0050】
<5> 成分(A)の皮膚への塗布量が0.03mg/cm2以上0.8mg/cm2以下である、前記<1>~<4>のいずれかに記載の大気有害物質の付着抑制方法。
<6> 外用剤が水中油滴型(O/W型)であって、成分(A)の皮膚への塗布量が0.04mg/cm2以上0.3mg/cm2以下である、前記<1>~<4>のいずれかに記載の大気有害物質の付着抑制方法。
<7> 外用剤中の成分(A)の含有量が1質量%以上40質量%以下である、前記<1>~<6>のいずれかに記載の大気有害物質の付着抑制方法。
<8> 外用剤中の成分(A)の含有量が1.5質量%以上20質量%以下である、前記<1>~<6>のいずれかに記載の大気有害物質の付着抑制方法。
<9> 外用剤中の成分(A)の含有量が2質量%以上10質量%以下である、前記<1>~<6>のいずれかに記載の大気有害物質の付着抑制方法。
【0051】
<10> 外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、
該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.40以上3.5以下であり、成分(A)の皮膚への塗布量が0.03mg/cm2以上0.8mg/cm2以下である、大気有害物質の付着抑制方法。
成分(A):平均一次粒子径dAが1nm以上80nm以下である酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上
成分(B):平均粒子径DBが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
<11> 水中油滴型(O/W型)の外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、
該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.80以上2.5以下であり、成分(A)の皮膚への塗布量が0.04mg/cm2以上0.3mg/cm2以下である、大気有害物質の付着抑制方法。
成分(A):平均一次粒子径dAが5nm以上50nm以下である酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上
成分(B):平均粒子径DBが3μm以上8μm以下である非崩壊性粒子
【0052】
<12> 外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、
該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.40以上3.5以下であり、該外用剤中の成分(A)の含有量が1質量%以上40質量%以下である、大気有害物質の付着抑制方法。
成分(A):平均一次粒子径dAが1nm以上80nm以下である酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上
成分(B):平均粒子径DBが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
<13> 外用剤を皮膚に塗布して、大気有害物質の皮膚への付着を抑制する、大気有害物質の付着抑制方法であって、
該外用剤が下記の成分(A)及び成分(B)を含有し、該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.80以上2.5以下であり、該外用剤中の成分(A)の含有量が2質量%以上10質量%以下である、大気有害物質の付着抑制方法。
成分(A):平均一次粒子径dAが5nm以上50nm以下である酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上
成分(B):平均粒子径DBが3μm以上8μm以下である非崩壊性粒子
【0053】
<14> 成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)、及び多孔質粒子(B2)から選ばれる1種以上である、前記<1>~<13>のいずれかに記載の大気有害物質の付着抑制方法。
<15> 複合粒子(B1)を構成するコア粒子(b1-1)が、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上である、前記<14>に記載の大気有害物質の付着抑制方法。
<16> 複合粒子(B1)を構成するコア粒子(b1-1)の表面が、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上のバインダー(c)で被覆されてなる、前記<14>又は<15>に記載の大気有害物質の付着抑制方法。
<17> 複合粒子(B1)を構成する無機微粒子(b1-2)が、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上である、前記<14>~<16>のいずれかの記載の大気有害物質の付着抑制方法。
【0054】
<18> 下記の成分(A)及び成分(B):
成分(A):平均一次粒子径dAが1nm以上80nm以下である酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上
成分(B):平均粒子径DBが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
を含有し、
成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)であり、
コア粒子(b1-1)が、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上であり、
コア粒子(b1-1)の表面が、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上のバインダー(c)で被覆されてなり、
無機微粒子(b1-2)が、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.32以上4.5以下である、外用剤。
【0055】
<19> 下記の成分(A)及び成分(B):
成分(A):平均一次粒子径dAが5nm以上50nm以下である酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上
成分(B):平均粒子径DBが3μm以上8μm以下である非崩壊性粒子
を含有し、
成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)であり、
コア粒子(b1-1)が、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上であり、
コア粒子(b1-1)の表面が、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上のバインダー(c)で被覆されてなり、
無機微粒子(b1-2)が、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、
成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.32以上4.5以下である、外用剤。
【0056】
<20> 外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.40以上3.5以下である、前記<18>又は<19>に記載の外用剤。
<21> 外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.80以上2.5以下である、前記<18>又は<19>に記載の外用剤。
<22> 外用剤中の成分(A)の含有量が1質量%以上40質量%以下である、前記<18>~<21>のいずれかに記載の外用剤。
<23> 外用剤中の成分(A)の含有量が1.5質量%以上20質量%以下である、前記<18>~<21>のいずれかに記載の外用剤。
<24> 外用剤中の成分(A)の含有量が2質量%以上10質量%以下である、前記<18>~<21>のいずれかに記載の外用剤。
【0057】
<25> 下記の成分(A)及び成分(B):
成分(A):平均一次粒子径dAが1nm以上80nm以下である酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上
成分(B):平均粒子径DBが1μm以上10μm以下である非崩壊性粒子
を含有する外用剤であり、
成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)であり、
コア粒子(b1-1)が、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上であり、
コア粒子(b1-1)の表面が、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上のバインダー(c)で被覆されてなり、
無機微粒子(b1-2)が、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、
該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.40以上3.5以下であり、該外用剤中の成分(A)の含有量が1質量%以上40質量%以下である、外用剤。
【0058】
<26> 下記の成分(A)及び成分(B):
成分(A):平均一次粒子径dAが5nm以上50nm以下である酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上
成分(B):平均粒子径DBが3μm以上8μm以下である非崩壊性粒子
を含有する外用剤であり、
成分(B)が、コア粒子(b1-1)の表面の少なくとも一部を無機微粒子(b1-2)で被覆してなる複合粒子(B1)であり、
コア粒子(b1-1)が、ポリ(メタ)アクリレート粒子及びシリカ粒子から選ばれる1種以上であり、
コア粒子(b1-1)の表面が、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(メタ)アクリルアミド、及びオキサゾリン類の単独重合体又は共重合体から選ばれる1種以上のバインダー(c)で被覆されてなり、
無機微粒子(b1-2)が、シリカ、含水シリカ及び水酸化アルミニウムから選ばれる1種以上で表面処理された、酸化チタン及び酸化亜鉛から選ばれる1種以上であり、
該外用剤中の成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比[(A)/(B)]が0.80以上2.5以下であり、該外用剤中の成分(A)の含有量が2質量%以上10質量%以下である、外用剤。
【実施例】
【0059】
以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。
【0060】
(1)成分(A)の平均一次粒子径dA、無機微粒子(b1-2)及び多孔質粒子(B2)の平均一次粒子径
測定試料が板状以外の形状を有する場合には、予め調製した測定試料の分散液を透過型電子顕微鏡(TEM)(商品名「JEM1400Plus」、日本電子(株)製)の試料台に載せて、風乾させた後、TEMにより観察倍率50,000倍の条件で観察した画像中の300個の一次粒子の最大短径を測定し、その数平均値をそれぞれの平均一次粒子径とした。ここで、最大短径とは、長径と直交する短径のうち、最大長を有する短径を意味する。
測定試料が板状の形状を有する場合には、上記と同様の方法及び観察倍率の条件で観察した画像中の300個の一次粒子の厚さを測定し、その数平均値をそれぞれの平均一次粒子径とした。
なお、測定試料の分散液は、測定試料5gに溶媒としてエタノール95gを加えて超音波分散して調製した。
【0061】
(2)成分(B)の平均粒子径DB、コア粒子(b1-1)の平均粒子径
レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名「LA-920」、(株)堀場製作所製)を用い、イオン交換水を分散媒として測定した。有機粒子の測定においては相対屈折率を1.10とし、無機粒子の測定においては相対屈折率を1.09とした。測定は、フローセルを使用し、循環速度:15、超音波照射:なし、分布形態:標準、粒子径基準:体積の測定条件にて行った。
【0062】
(3)崩壊性の確認
各粒子の分散液(分散媒:エタノール、固形分濃度:5%)0.04gを人工皮革(商品名「ラフォーレS2923」、(株)オカモト新和製)(5cm×4cm)に均一に20秒で塗り広げ(粒子の付着量:0.1mg/cm2)、常温で24時間乾燥させて各測定サンプルを得た。表面性測定機(商品名「トライボギア TYPE:14」、新東科学(株)製)(垂直荷重:360g、移動距離:50mm、移動速度:600mm/min)により、何も塗布されていない人工皮革(ラフォーレS2923)(3cm×10cm)を貼り付けた治具(3cm×3cm)を用いて、測定サンプルの粒子が塗布された表面を10回往復擦過した。次いで、電界放射形走査電子顕微鏡(FE-SEM-4800(5.0kV))((株)日立ハイテク製)を用いて測定サンプルの擦過した表面を観察倍率15,000倍の条件で観察し、観察画像中の30個の粒子についてそれぞれ長径及び短径を測定し、長径と短径の平均値を各粒子の粒子径とした。粒子30個の粒子径から体積基準の粒子径を算出し、擦過後の平均粒子径DB’とした。
擦過後の平均粒子径DB’と前記(2)で測定される擦過前の平均粒子径DBを用いて、下記式(I)で表される粒子径比が50%未満である粒子を「易崩壊性粒子」とし、下記式(I)で表される粒子径比が50%以上である粒子を「非崩壊性粒子」とした。
擦過前後の粒子径比(%)=(擦過後の平均粒子径DB’/擦過前の平均粒子径DB)×100 (I)
【0063】
(ポリメタクリレート粒子P1の製造)
製造例1
特開2006-8980号公報の実施例1に従って、ポリメタクリレート粒子P1(ラウリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート/メタクリル酸ナトリウム共重合体の粒子)を合成した。該ポリメタクリレート粒子P1の平均粒子径は3μmであった。
【0064】
(複合粒子(B1)の調製)
調製例1
コア粒子(b1-1)として、製造例1で得られたポリメタクリレート粒子P1 100gを精製水150gに分散させ、オキサゾリン変性シリコーン(商品名「OS-50TE-E」、花王(株)製)0.1gを添加した後、1時間撹拌し、オキサゾリン変性シリコーンで被覆された被覆ポリメタクリレート粒子P1-1(以下、「被覆ポリメタクリレート粒子P1-1」とも表記する)を得た。次いで、無機微粒子(b1-2)として表1に示す含水シリカ処理微粒子酸化チタン0.5gを添加した後、30分撹拌し、複合粒子B1-1を得た。複合粒子B1-1は未精製のまま後述する外用剤に用いた。
【0065】
調製例2
コア粒子(b1-1)として、調製例1と同様にしてオキサゾリン変性シリコーンで被覆された被覆ポリメタクリレート粒子P1-1を得た後、無機微粒子(b1-2)として表1に示す水酸化アルミニウム処理微粒子酸化チタン0.5gを添加した後、30分撹拌し、複合粒子B1-2を得た。複合粒子B1-2は未精製のまま後述する外用剤に用いた。
【0066】
調製例3
コア粒子(b1-1)として、製造例1で得られたポリメタクリレート粒子P1 100gを精製水150gに分散させ、ポリビニルピロリドン(商品名「PVP K-90」、Ashland Specialty Ingredients社製)0.1gを添加した後、1時間撹拌し、ポリビニルピロリドンで被覆された被覆ポリメタクリレート粒子P1-2(以下、「被覆ポリメタクリレート粒子P1-2」とも表記する)を得た。次いで、無機微粒子(b1-2)として表1に示す親水性微粒子シリカ0.5gを添加した後、30分撹拌し、複合粒子B1-3を得た。複合粒子B1-3は未精製のまま後述する外用剤に用いた。
【0067】
調製例4
コア粒子(b1-1)として、シリカ粒子P2(商品名「サンスフェアNP-100」、AGCエスアイテック(株)製、平均粒子径10μm)100gを精製水150gに分散させ、ポリビニルピロリドン(PVP K-90)0.1gを添加した後、1時間撹拌し、ポリビニルピロリドンで被覆された被覆シリカ粒子P2-1(以下、「被覆シリカ粒子P2-1」とも表記する)を得た。次いで、無機微粒子(b1-2)として表1に示す親水性微粒子シリカ0.5gを添加し、30分撹拌し、複合粒子B1-4を得た。複合粒子B1-4は未精製のまま後述する外用剤に用いた。
【0068】
調製例5
コア粒子(b1-1)として、調製例1と同様にしてオキサゾリン変性シリコーンで被覆された被覆ポリメタクリレート粒子P1-1を得た後、無機微粒子(b1-2)として表1に示す含水シリカ処理微粒子酸化亜鉛0.5gを添加した後、30分撹拌し、複合粒子B1-5を得た。複合粒子B1-5は未精製のまま後述する外用剤に用いた。
【0069】
調製例6
コア粒子(b1-1)として、シリカ粒子P3(商品名「Sciqas」、堺化学工業(株)製、表面未処理品、平均粒子径0.4μm)100gを精製水150gに分散させ、ポリビニルピロリドン(PVP K-90)0.1gを添加した後、1時間撹拌し、ポリビニルピロリドンで被覆された被覆シリカ粒子P3-1(以下、「被覆シリカ粒子P3-1」とも表記する)を得た。次いで、無機微粒子(b1-2)として表1に示す親水性微粒子シリカ0.5gを添加した後、30分撹拌し、複合粒子B1’-6を得た。複合粒子B1’-6は未精製のまま後述する外用剤に用いた。
【0070】
調製例7
コア粒子(b1-1)として、調製例3と同様にしてポリビニルピロリドンで被覆された被覆ポリメタクリレート粒子P1-2を得た後、無機微粒子(b1-2)として含水シリカ処理微粒子酸化チタン0.5gを添加し、30分撹拌し、複合粒子B1-7を得た。複合粒子B1-7は未精製のまま後述する外用剤に用いた。
【0071】
【0072】
実施例1~12,比較例1~7
温度25℃において、表2~4に示す組成にて、水を入れた配合漕に成分(B)又は成分(B’)、増粘剤、乳化剤、及び溶剤を撹拌しながら添加し水相を調製した。別途、温度80℃において、成分(A)と油剤とを混合し油相を調製した。その後、前記水相に対し、前記油相及び中和剤を添加し、撹拌することにより、表2~4に記載の組成の外用剤を得た。
得られた外用剤を用いて大気有害物質の付着抑制効果及び感触の評価を以下に示す方法により評価した。結果を表2~4に示す。
【0073】
なお、表2~4の各表記は以下のとおりである。
成分(A)の平均一次粒子径dA、及び成分(B)又は成分(B’)の平均粒子径DB及び粒子の崩壊性は表2~4に示す。
ステアリン酸処理微粒子酸化チタンA1:商品名「MT-100TV」、テイカ(株)製、ステアリン酸処理された紡錘状微粒子酸化チタン
オクチルトリエトキシシラン処理微粒子酸化亜鉛A2:「FINEX-30-OTS」、堺化学工業(株)製、オクチルトリエトキシシラン処理された球状微粒子酸化亜鉛
多孔質粒子B2-1:商品名「HCS リフレ 50」、日揮触媒化成(株)、160nmのシリカと250nmの酸化チタンの凝集体(シリカ:酸化チタン=50:50)、吸油量50mL/100g
多孔質粒子B2-2:商品名「サンスフェア H-51」、AGCエスアイテック(株)製、比表面積800m2/g
シリカ粒子P’4:商品名「サンスフェア H-121」、AGCエスアイテック(株)製
シリカ粒子P’5:商品名「サンスフェア H-52」、AGCエスアイテック(株)製
パルミチン酸イソプロピル:商品名「エキセパール IPP」、花王(株)製
アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体1:商品名「PEMULEN TR-1」、Lubrizol Advanced Materials社製
アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体2:商品名「PEMULEN TR-2」、Lubrizol Advanced Materials社製
【0074】
<大気有害物質の付着抑制効果の評価>
上記で得た外用剤を、表2~4に示す成分(A)の塗布量となるように、皮膚の代替として白色人工皮革(商品名「ラフォーレS2923」、(株)オカモト新和製)に塗布し、室温で一晩放置して乾燥させた。
評価用大気有害物質の送風環境中に外用剤が塗布された人工皮革表面を曝露し、測色計を用いてL
*a
*b
*値を測定し、曝露前後の色差ΔEを以下の方法により測定した。
〔色差ΔEの測定〕
測色計(商品名「CM-2002」、コニカミノルタ(株)製)を用い、評価用大気有害物質を曝露する前の外用剤が塗布された人工皮革表面のL
1
*、a
1
*、b
1
*値を測定した。
別途、グローブバッグ(品番「3-118-01」、アズワン(株)製)内に、送風機(商品名「シルキーウィンド9ZF002RH02」、サイズ:129×106×83mm、リズム時計工業(株)製)、網ふるい(Test sieves試験用ふるい JIS Z 8801、枠寸法:φ100×45H、目開き:106μm、東京スクリーン(株)製)を固定した。網ふるいの設置高さは17cmとした。
試験サンプルの外用剤が塗布された人工皮革(5cm×4cm)を該人工皮革の下端の高さが11cmの位置になるように支持体に貼り付けた。該支持体の人工皮革の塗布表面と送風機との間の距離を15cmとし、
図1に示すとおり送風機の送風方向に対して人工皮革の塗布表面を垂直に、送風機の羽根の中心高さと人工皮革の中心高さが同じになるように設置した。
グローブバッグ内の温度を25℃、相対湿度を57%RHとし、網ふるいから目詰まり除去ブラシ(商品名「JNB-5」、ブラシ径53μm、東京スクリーン(株)製)を用いて、評価用大気有害物質として黒鉛粉末(商品名「J-CPB」、平均粒径5.5μm、日本黒鉛工業(株)製)50mgを分級しながら、送風目盛りを1に設定した送風機の吹き出し口の前に1分間落下させ、評価用大気有害物質の送風環境中に外用剤が塗布された人工皮革表面を曝露した。
次いで、上記測色計を用いて曝露した人工皮革表面のL
2
*、a
2
*、b
2
*値を測定し、下記式(II-1)より色差ΔE値を求めた。
ΔE=[(L
1
*-L
2
*)
2+(a
1
*-a
2
*)
2+(b
1
*-b
2
*)
2]
0.5 (II-1)
以上の操作を各試験サンプルにつき3回行い、試験サンプルの外用剤を塗布した人工皮革の色差ΔEの平均値をΔEtとした。更に、標準サンプルとして外用剤を塗布していない人工皮革についても上記と同様の操作を3回行い、色差ΔEの平均値をΔEsとし、下記式(II-2)より付着抑制率を算出した。付着抑制率が高いほど大気有害物質の付着抑制効果に優れる。
大気有害物質の付着抑制率(%)=100×(ΔEs-ΔEt)/ΔEs (II-2)
【0075】
<感触(さらさら感)の評価>
専門パネラー3名により、前腕内側部へ直径3cm円状に各外用剤0.02mLを塗布し、25℃、57%RHの条件下で20秒かけて均一に塗り延ばした。外用剤の塗布15分後の感触(さらさら感)を下記基準により5段階の官能評価を行い、3名の平均スコアを求めた。結果を表2~4に示す。
5:さらさら感を非常に感じる。
4:さらさら感を感じる。
3:さらさら感を感じない。
2:べたつき感やきしみ感を感じる。
1:べたつき感やきしみ感を非常に感じる。
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
表2~4から、実施例1~12は、成分(A)として平均一次粒子径dAが所定の範囲である金属酸化物及び成分(B)として平均粒子径DBが所定の範囲である非崩壊性粒子を所定の質量比で含有する外用剤を塗布することにより、比較例1~7と比べて、高い付着抑制効果を有し、かつ皮膚に塗布した後の感触(さらさら感)が良好であることが分かる。
【0080】
実施例13,14
温度25℃において、表5の処方例1及び2に示す組成にて、水を入れた配合漕に成分(B)、増粘剤、乳化剤、及び溶剤を撹拌しながら添加し水相を調製した。別途、温度80℃において、成分(A)と油剤とを混合し油相を調製した。その後、前記水相に対し、前記油相、中和剤及び他の成分を添加し、撹拌することにより、表5に記載の組成の外用剤を得た。
得られた外用剤を用いて大気有害物質の付着抑制効果及び感触の評価を前述に示す方法により評価した。結果を表5に示す。
なお、表5において、表2~4で示した成分以外の各表記は以下のとおりである。また、成分(A)の平均一次粒子径dA、及び成分(B)の平均粒子径DB及び粒子の崩壊性は表5に示す。
オクチルトリエトキシシラン処理微粒子酸化チタンA3:商品名「STR-100W-OTS」、堺化学工業(株)製、オクチルトリエトキシシラン処理された紡錘状微粒子酸化チタン
*1:商品名「ユビナール MC80」、BASFジャパン(株)製
*2:商品名「ユビナール T-150」、BASFジャパン(株)製
*3:商品名「TINOSORB S」、BASFジャパン(株)製
*4:商品名「パールリーム EX」、日油(株)製
*5:商品名「KF-96A-10CS」、信越化学工業(株)製
*6:商品名「セチルアルコール NX」、高級アルコール工業(株)製
【0081】
【0082】
表5から、実施例13及び14は、成分(A)として平均一次粒子径dAが所定の範囲である金属酸化物及び成分(B)として平均粒子径DBが所定の範囲である非崩壊性粒子を所定の質量比で含有する外用剤を塗布するため、高い付着抑制効果を有し、かつ皮膚に塗布した後の感触(さらさら感)が良好であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の付着抑制方法は、大気有害物質の付着抑制効果が高いため、大気有害物質の皮膚への付着抑制方法として特に有用である。
【符号の説明】
【0084】
1:評価対象のサンプル
2:支持体
3:網ふるい
4:評価用大気有害物質
5:送風機