(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-23
(45)【発行日】2025-05-02
(54)【発明の名称】細胞画像解析の設定を支援する装置、システム、及び、方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/903 20190101AFI20250424BHJP
G16H 30/20 20180101ALI20250424BHJP
【FI】
G06F16/903
G16H30/20
(21)【出願番号】P 2021064247
(22)【出願日】2021-04-05
【審査請求日】2024-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】322004393
【氏名又は名称】株式会社エビデント
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】掛田 貴章
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-040590(JP,A)
【文献】特開2016-029516(JP,A)
【文献】米国特許第8965104(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞画像解析の設定を支援する装置であって、
細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベースを参照して前記画像解析のパラメータ設定候補情報を選択する制御部と、
出力部と、を備え、
前記データベースは、
すでに行われた画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合であって、画像認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、前記画像認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して前記画像解析を行うかを指定する解析パラメータと、を含む組み合わせ情報の集合である、設定履歴情報と、
前記組み合わせ情報を用いた画像解析の用途を示す個別解析用途情報の集合である解析用途情報と、を含み、
前記制御部は、前記認識パラメータとしての第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択し、
前記出力部は、前記パラメータ設定候補情報と、前記パラメータ設定候補情報に対応する前記解析用途情報と、の少なくとも一方を含む、選択候補情報を出力する
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記データベースは、さらに、前記組み合わせ情報に対する評価を示す個別評価情報の集合である評価情報と、を含み、
前記制御部は、前記認識パラメータとしての前記第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む前記組み合わせ情報の中から、前記評価情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
前記出力部は、表示部を含み、
前記表示部は、前記選択候補情報を、前記選択候補情報に対応する前記評価情報に基づいて決定された表示順で、表示する
ことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、
前記出力部は、さらに、前記選択候補情報に対応する前記評価情報を出力し、
前記表示部は、前記選択候補情報を、前記選択候補情報に対応する前記評価情報とともに、表示する
ことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項2に記載の装置において、
前記出力部は、
表示部を含み、
さらに、前記選択候補情報に対応する前記評価情報を出力し、
前記表示部は、前記選択候補情報を、前記選択候補情報に対応する前記評価情報とともに、表示する
ことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項2に記載の装置において、
前記制御部は、
第1条件下で、前記認識パラメータとしての前記第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む前記組み合わせ情報の中から、前記評価情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択し、
前記第1条件を満たさない第2条件下で、前記認識パラメータとしての前記第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む前記組み合わせ情報の全てを前記パラメータ設定候補情報として選択する
ことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、
前記出力部は、表示部を含み、
前記データベースは、さらに、前記組み合わせ情報に対する参照回数を示す個別参照回数情報の集合である参照回数情報を含み、
前記表示部は、前記第2条件下で、前記選択候補情報を、前記選択候補情報に対応する前記参照回数情報に基づいて決定された表示順で、表示する
ことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の装置において、
前記制御部は、前記細胞画像を解析する第1画像解析の実行後に行われた新たな評価であって、前記第1画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報に対する新たな評価に基づいて、前記データベースの更新を制御する
ことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の装置において、
前記個別評価情報は、
前記個別評価情報に対応する組み合わせ情報に対する特定の評価の回数に関する第1評価情報と、
前記個別評価情報に対応する組み合わせ情報に対する評価の回数に関する第2評価情報と、を含む
ことを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の装置において、
前記個別評価情報は、
前記個別評価情報に対応する組み合わせ情報に対する総合評価に関する第3評価情報を含む
ことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の装置において、さらに、
前記データベースを記憶する記憶部を備える
ことを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記制御部は、前記認識パラメータとして選択された前記第1パラメータを含む組み合わせ情報が前記データベース内に存在しない場合に、前記装置とは異なる装置の記憶部に記憶された細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関する第2データベースを参照して前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の装置において、さらに、
前記データベースは、前記装置とは異なる装置に設けられた記憶部に記憶され、
前記制御部は、前記異なる装置と通信することで前記データベースを参照する
ことを特徴とする装置。
【請求項14】
細胞画像解析の設定を支援するシステムであって、
細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベースを記憶する記憶部と、
前記データベースを参照して前記画像解析のパラメータ設定候補情報を選択する制御部と、
表示部と、を備え、
前記データベースは、
すでに行われた画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合であって、画像認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、前記画像認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して前記画像解析を行うかを指定する解析パラメータと、を含む組み合わせ情報の集合である、設定履歴情報と、
前記組み合わせ情報を用いた画像解析の用途を示す個別解析用途情報の集合である解析用途情報と、を含み、
前記制御部は、前記認識パラメータとしての第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択し、
前記表示部は、前記パラメータ設定候補情報と、前記パラメータ設定候補情報に対応する前記解析用途情報と、の少なくとも一方を含む、選択候補情報を表示する
ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムにおいて、
前記データベースは、さらに、前記組み合わせ情報に対する評価を示す個別評価情報の集合である評価情報、を含み、
前記制御部は、前記認識パラメータとしての前記第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む前記組み合わせ情報の中から、前記評価情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
細胞画像解析の設定を支援する方法であって、
細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベースを参照して前記画像解析のパラメータ設定候補情報を選択することと、
選択候補情報を出力することと、を含み、
前記データベースは、
すでに行われた画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合であって、画像認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、前記画像認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して前記画像解析を行うかを指定する解析パラメータと、を含む組み合わせ情報の集合である、設定履歴情報と、
前記組み合わせ情報を用いた画像解析の用途を示す個別解析用途情報の集合である解析用途情報と、を含み、
前記パラメータ設定候補情報を選択することは、前記認識パラメータとしての第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択することを含み、
前記選択候補情報を出力することは、前記パラメータ設定候補情報と、前記パラメータ設定候補情報に対応する前記解析用途情報と、の少なくとも一方を含む情報を、前記選択候補情報として出力することを含む
ことを特徴とするコンピュータが実行する方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記データベースは、さらに、前記組み合わせ情報に対する評価を示す個別評価情報の集合である評価情報、を含み、
前記第1パラメータを含む前記組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択することは、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む前記組み合わせ情報の中から、前記評価情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択することを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
細胞画像解析の設定を支援する装置であって、
細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベースを参照して前記画像解析のパラメータ設定候補情報を選択する制御部と、
前記制御部が選択した前記パラメータ設定候補情報を出力する出力部と、を備え、
前記データベースは、
すでに行われた画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合であって、画像認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、前記画像認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して前記画像解析を行うかを指定する解析パラメータと、を含む組み合わせ情報の集合である、設定履歴情報と、
前記組み合わせ情報を用いた画像解析の用途を示す個別解析用途情報の集合である解析用途情報と、を含み、
前記制御部は、前記画像解析の用途の選択に応答して、選択された前記画像解析の用途を示す個別解析用途情報に対応する組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、
前記データベースは、さらに、前記組み合わせ情報に対する評価を示す個別評価情報の集合である評価情報、を含み、
前記制御部は、前記画像解析の用途の選択に応答して、選択された前記画像解析の用途を示す個別解析用途情報に対応する前記組み合わせ情報の中から、前記評価情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とする装置。
【請求項20】
細胞画像解析の設定を支援するシステムであって、
細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベースを記憶する記憶部と、
前記データベースを参照して前記画像解析のパラメータ設定候補情報を選択する制御部と、
前記制御部が選択した前記パラメータ設定候補情報を表示する表示部と、を備え、
前記データベースは、
すでに行われた画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合であって、画像認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、前記画像認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して前記画像解析を行うかを指定する解析パラメータと、を含む組み合わせ情報の集合である、設定履歴情報と、
前記組み合わせ情報を用いた画像解析の用途を示す個別解析用途情報の集合である解析用途情報と、を含み、
前記制御部は、前記画像解析の用途の選択に応答して、選択された前記画像解析の用途を示す個別解析用途情報に対応する組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項20に記載のシステムにおいて、
前記データベースは、さらに、前記組み合わせ情報に対する評価を示す個別評価情報の集合である評価情報、を含み、
前記制御部は、前記画像解析の用途の選択に応答して、選択された前記画像解析の用途を示す個別解析用途情報に対応する前記組み合わせ情報の中から、前記評価情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とするシステム。
【請求項22】
細胞画像解析の設定を支援する方法であって、
細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベースを参照して前記画像解析のパラメータ設定候補情報を選択することと、
選択した前記パラメータ設定候補情報を出力することと、含み、
前記データベースは、
すでに行われた画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合であって、画像認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、前記画像認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して前記画像解析を行うかを指定する解析パラメータと、を含む組み合わせ情報の集合である、設定履歴情報と、
前記組み合わせ情報を用いた画像解析の用途を示す個別解析用途情報の集合である解析用途情報と、を含み、
前記パラメータ設定候補情報を選択することは、前記画像解析の用途の選択に応答して、選択された前記画像解析の用途を示す個別解析用途情報に対応する組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択することを含むことを特徴とするコンピュータが実行する方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、
前記データベースは、さらに、前記組み合わせ情報に対する評価を示す個別評価情報の集合である評価情報、を含み、
前記選択された前記画像解析の用途を示す前記個別解析用途情報に対応する前記組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択することは、選択された前記画像解析の用途を示す前記個別解析用途情報に対応する前記組み合わせ情報の中から、前記評価情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択すること、を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
細胞画像解析の設定を支援する装置であって、
細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベースを参照して前記画像解析のパラメータ設定候補情報を選択する制御部と、
前記制御部が選択した前記パラメータ設定候補情報を出力する出力部と、を備え、
前記データベースは、
すでに行われた画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合であって、画像認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、前記画像認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して前記画像解析を行うかを指定する解析パラメータと、を含む組み合わせ情報の集合である、設定履歴情報と、を含み、
前記制御部は、前記認識パラメータとしての第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、
前記データベースは、さらに、前記組み合わせ情報に対する評価を示す個別評価情報の集合である評価情報と、を含み、
前記制御部は、前記認識パラメータとしての前記第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む前記組み合わせ情報の中から、前記評価情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とする装置。
【請求項26】
細胞画像解析の設定を支援するシステムであって、
細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベースを記憶する記憶部と、
前記データベースを参照して前記画像解析のパラメータ設定候補情報を選択する制御部と、
前記制御部が選択した前記パラメータ設定候補情報を表示する表示部と、を備え、
前記データベースは、
すでに行われた画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合であって、画像認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、前記画像認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して前記画像解析を行うかを指定する解析パラメータと、を含む組み合わせ情報の集合である、設定履歴情報と、を含み、
前記制御部は、前記認識パラメータとしての第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項26に記載のシステムにおいて、
前記データベースは、さらに、前記組み合わせ情報に対する評価を示す個別評価情報の集合である評価情報と、を含み、
前記制御部は、前記認識パラメータとしての前記第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む前記組み合わせ情報の中から、前記評価情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択する
ことを特徴とするシステム。
【請求項28】
細胞画像解析の設定を支援する方法であって、
細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベースを参照して前記画像解析のパラメータ設定候補情報を選択することと、
選択した前記パラメータ設定候補情報を出力することと、を含み、
前記データベースは、
すでに行われた画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合であって、画像認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、前記画像認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して前記画像解析を行うかを指定する解析パラメータと、を含む組み合わせ情報の集合である、設定履歴情報と、を含み、
前記パラメータ設定候補情報を選択することは、前記認識パラメータとしての第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択することを含む
ことを特徴とするコンピュータが実行する方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、
前記データベースは、さらに、前記組み合わせ情報に対する評価を示す個別評価情報の集合である評価情報、を含み、
前記第1パラメータを含む前記組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択することは、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む前記組み合わせ情報の中から、前記評価情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択することを含む
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、細胞画像解析の設定を支援する装置、システム、及び、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡等で取得した画像に表れるオブジェクトを画像認識し、指定されたパラメータで解析を行う装置が知られている。このような装置は、一般的に、認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して解析するかを指定する解析パラメータとを設定することで様々な解析が可能である。その一方で、十分な専門知識のないユーザには、設定における自由度が高すぎて有益な解析結果を得ることが難しいといった課題がある。
【0003】
この課題に関連する技術は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の技術によれば、ユーザは、画像情報から解析に用いるパラメータ間の相関について情報を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した解析装置は、複数のユーザによって共有されるのが通常である。このような利用実態を活かすことで、解析装置を共有する複数のユーザの間で、解析装置の共有に止まらず解析設定に関する知見を共有する技術が望まれている。
【0006】
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、有益な解析結果が得られるパラメータを効率良く設定可能とする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る装置は、細胞画像解析の設定を支援する装置であって、細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベースを参照して前記画像解析のパラメータ設定候補情報を選択する制御部と、出力部と、を備える。前記データベースは、すでに行われた画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合であって、画像認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、前記画像認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して前記画像解析を行うかを指定する解析パラメータと、を含む組み合わせ情報の集合である、設定履歴情報と、前記組み合わせ情報を用いた画像解析の用途を示す個別解析用途情報の集合である解析用途情報と、を含む。前記制御部は、前記認識パラメータとしての第1パラメータの選択に応答して、前記設定履歴情報に含まれる前記第1パラメータを含む組み合わせ情報に基づいて前記パラメータ設定候補情報を選択し、前記出力部は、前記パラメータ設定候補情報と、前記パラメータ設定候補情報に対応する前記解析用途情報と、の少なくとも一方を含む、選択候補情報を出力する。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様によれば、有益な解析結果が得られるパラメータを効率良く設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態に係る装置100を説明する図である。
【
図2】第1の実施形態に係る装置100の機能的構成を例示した図である。
【
図3】データベース200の構造を例示した図である。
【
図4】装置100が行う処理のフローチャートの一例を示した図である。
【
図5】認識パラメータを指定する方法を説明するための図である。
【
図6】装置100が行う選択処理のフローチャートの一例を示した図である。
【
図7】選択条件による選択結果の違いについて説明するための図である。
【
図8】選択結果のリスト表示の一例を示した図である。
【
図9】選択結果のリスト表示の一例を示した図である。
【
図10】選択結果のリスト表示の別の例を示した図である。
【
図11】選択結果のリスト表示の更に別の例を示した図である。
【
図12】選択結果のリスト表示の更に別の例を示した図である。
【
図13】選択結果のリスト表示の更に別の例を示した図である。
【
図14】選択結果のリスト表示の更に別の例を示した図である。
【
図15】解析結果の評価方法について説明するための図である。
【
図16】装置100が行う選択処理のフローチャートの別の例を示した図である。
【
図17】選択結果のリスト表示の更に別の例を示した図である。
【
図18】装置100を含むシステムの構成を例示した図である。
【
図19】装置100が行う選択処理のフローチャートの更に別の例を示した図である。
【
図20】装置100が行う処理のフローチャートの別の例を示した図である。
【
図21】検索ワードを指定する方法を説明するための図である。
【
図22】装置100が行う選択処理のフローチャートの更に別の例を示した図である。
【
図23】第2の実施形態に係るシステム1000の機能的構成を例示した図である。
【
図24】第3の実施形態に係るシステム2000の機能的構成を例示した図である。
【
図25】第1の実施形態に係る装置100を実現するためのコンピュータ100aのハードウェア構成を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係る装置100を説明する図である。装置100は、細胞画像を解析する装置であり、また、細胞画像を解析する解析(以降、細胞画像解析と記す。)の設定を支援する装置100である。細胞画像は、細胞が写った画像、つまり、細胞を含む画像であればよい。細胞画像は、例えば、スフェロイドやオルガノイドなどの細胞凝集塊を含む画像であってもよく、細胞の一部を拡大表示した画像であってもよい。
【0011】
装置100が解析プログラムを実行することで、例えば、
図1に示すような、解析用のウィンドウW1が表示装置に表示される。ウィンドウW1内の設定領域(領域R1、領域R2、領域R3)を用いて、細胞画像解析用のパラメータを指定することで、ユーザは、細胞画像解析の設定を行うことができる。また、設定後、装置100が解析を実行することで、領域R4に表示されている細胞画像が解析され、測定結果と解析結果が領域R5と領域R6に表示される。
【0012】
装置100においてユーザが指定可能な細胞画像解析用のパラメータの種類には、認識対象のオブジェクトを指定する認識パラメータと、認識対象のオブジェクトのどのような特徴に着目して解析するかを指定する解析パラメータの少なくとも2種類が含まれる。認識パラメータと解析パラメータは、領域R1と領域R3で指定可能であり、それぞれ1つ以上指定可能である。
【0013】
認識パラメータとして選択可能なパラメータには、例えば、「スフェロイド」や「オルガノイド」といった細胞凝集塊、「細胞」、「細胞核」、「細胞小器官」、「細胞シート」などが含まれる。また、特定の種類の細胞、即ち、「細胞種」が選択可能であってもよい。さらに、ユーザが予め指定する任意の特徴を有する領域である「注目領域」や、ユーザが予め指定する任意の特徴を有する細胞内の構造物「特徴的構造物」などが選択可能であってもよい。ただし、上述したパラメータは、あくまで例示であり、その他のパラメータが認識パラメータとして設定可能であってもよい。
【0014】
認識パラメータで指定したオブジェクトを2次元(2D)で認識して解析するか、3次元(3D)で認識して解析するかを指定可能であってもよい。さらに、親子関係を有する認識パラメータ(例えば、「スフェロイド」-「細胞」、「スフェロイド」-「細胞核」など)については、親子関係を指定して設定してもよい。親子関係を設定することで、親毎に子の情報を集計可能である。
【0015】
解析パラメータとして選択可能なパラメータには、例えば、強度情報、形態情報、システム情報に分類される様々なパラメータが含まれる。強度情報に分類されるパラメータには、例えば、総強度(Total Intensity)、平均強度、最大強度、最小強度、強度のSD(標準偏差)などが含まれる。また、吸光度、透過率、反射率なども強度情報のパラメータに分類されてもよい。形態情報に分類されるパラメータには、例えば、面積、境界、表面積、体積、円形度、真球度、主要軸、非主要軸などが含まれる。また、数、色彩、明度、彩度なども形態情報のパラメータに分類されてもよい。システム情報に分類されるパラメータには、例えば、容器、位置(X、Y、Z)、時間、重心(X、Y、Z)などが含まれる。ただし、上述したパラメータは、あくまで例示であり、その他のパラメータが解析パラメータとして設定可能であってもよい。
【0016】
本実施形態に係る装置100は、ユーザがパラメータ設定の一部を指定すること、及び/又は、解析に関連するキーワードを入力することで、細胞画像解析のパラメータ設定の候補を示す情報(以降、パラメータ設定候補情報と記す。)をユーザに提示する。より具体的には、装置100は、ユーザの指定、及び/又は、ユーザの入力に基づいて、細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関するデータベース200(
図2参照)を参照することで、パラメータ設定候補情報をユーザに提示する。これにより、ユーザは、提示されたパラメータ設定候補情報の中から解析に利用するパラメータ設定を選択するだけで、細胞画像解析のパラメータを設定することができる。従って、専門的な知識を有しないユーザであっても容易に適切な設定で解析を行うことができる。
【0017】
なお、装置100は、パラメータ設定候補情報そのものをユーザに提示する代わりに、パラメータ設定候補情報が示すパラメータ設定を選択するための別の情報(例えば、後述する解析用途情報)を提示してもよい。
【0018】
図2は、本実施形態に係る装置100の機能的構成を例示した図である。
図3は、データベース200の構造を例示した図である。以下、
図2及び
図3を参照しながら、装置100の構成についてより詳細に説明する。
【0019】
装置100は、
図2に示すように、制御部110と、記憶部111と、入力部112と、出力部113を含んでいる。出力部113は、表示部114を含んでいる。装置100は、さらに、その他の機能部を備えてもよい。
【0020】
制御部110については後述する。記憶部111は、データベース200を記憶している。データベース200は、例えば、
図2及び
図3に示すように、設定履歴情報210と、評価情報220と、参照回数情報230と、解析用途情報240を含み、さらに、その他の情報を含んでもよい。
【0021】
データベース200に含まれる設定履歴情報210は、すでに行われた細胞画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合である。具体的には、設定履歴情報210は、
図2及び
図3に示すように、上述した認識パラメータと、上述した解析パラメータとの組み合わせを示す組み合わせ情報の集合である。設定履歴情報210は、
図3に示すように、組み合わせ毎(
図3の各レコード毎)に、複数の認識パラメータと、複数の解析パラメータを含んでもよい。組み合わせ毎に含まれている複数の認識パラメータには、親子関係を有する複数の認識パラメータが含まれてもよく(例えば、SpheroidとNuclear)、さらに、次元に関する情報が含まれてもよい(例えば、3次元)。また、複数の解析パラメータには、解析結果をグラフ表示する際の複数の軸のそれぞれに対応する解析パラメータが含まれてもよい。なお、
図3には、2次元表示におけるX軸とY軸のそれぞれに対応する解析パラメータが含まれている例が示されている。
【0022】
データベース200に含まれる評価情報220は、組み合わせ情報に対する評価を示す個別評価情報の集合である。具体的には、個別評価情報は、例えば、対応する組み合わせ情報に対する特定の評価の回数に関する第1評価情報と、対応する組み合わせ情報に対する評価の回数に関する第2評価情報と、を含んでもよい。個別評価情報は、例えば、
図3に示すように、第1評価情報として評価内容が高評価であった評価の回数の値を含んでもよく、第2評価情報として評価内容によらない全ての評価の回数の値を含んでもよい。なお、
図3の例では、評価の欄の分子が第1評価情報を示し、分母が第2評価情報を示している。上記の例では、個別評価情報は、高評価回数と総評価回数を含んでいるが、組み合わせ情報に対する評価は、高評価と低評価のような2値評価に限らない。例えば、“A”“B”“C”“D”などの予め規定された基準による3段階以上の評価が組み合わせ情報に対してなされてもよい。その場合、3段階以上の評価のそれぞれの回数が個別評価情報に含まれてもよい。つまり、個別評価情報には、複数の第1評価情報が含まれてもよく、複数の第1評価情報の各々は、対応する組み合わせ情報に対する異なる特定の評価の回数に関する情報(例えば、A評価の回数、B評価の回数、C評価の回数、D評価の回数など)であってもよい。さらに、個別評価情報は、複数の個別評価情報(つまり、3段階以上の評価のそれぞれの回数)に基づく総合評価に関する第3評価情報を含んでもよい。従って、個別評価情報は、第2評価情報と1つ以上の第1評価情報とを含んでもよい。また、個別評価情報は、第2評価情報と第3評価情報と1つ以上の第1評価情報とを含んでもよい。また、個別評価情報は、第3評価情報と1つ以上の第1評価情報とを含んでもよい。つまり、個別評価情報は、1つ以上の第1評価情報と、第2評価情報と、第3評価情報のうちの少なくとも1つを含んでいればよい。
【0023】
データベース200に含まれる参照回数情報230は、組み合わせ情報に対する参照回数を示す個別参照回数情報の集合である。参照回数とは、組み合わせ情報がパラメータ設定候補情報として制御部110によって選択され、さらに、その組み合わせ情報が示すパラメータの組み合わせが解析に利用するパラメータ設定としてユーザによって選択された回数である。また、参照回数は、組み合わせ情報がパラメータ設定候補情報として選択され、その組み合わせ情報が示すパラメータの組み合わせが解析に利用するパラメータ設定として選択され、その後、実際にそのパラメータ設定で解析が行われた回数であってもよい。
【0024】
データベース200に含まれる解析用途情報240は、組み合わせ情報を用いた画像解析の用途を示す個別解析用途情報の集合である。具体的には、個別解析用途情報は、例えば、認識パラメータで指定される認識対象を対象とする、解析パラメータで指定される特徴についての分析を意味するテキスト情報である。
【0025】
入力部112は、ユーザの操作を受け付ける。ユーザの操作は、例えば、ウィンドウW1の領域R1で行われる認識パラメータを指定する操作である。また、ウィンドウW1の領域R2で行われる解析用途に対する検索キーワードを入力する操作であってもよい。また、ウィンドウW1の領域R2は、フリーテキストを入力する構成に限られず、領域R1及び領域R3のように、予めリストされている情報から解析用途を指定する構成であってもよい。即ち、ウィンドウW1の領域R2で行われる解析用途を指定する操作であってもよい。また、ユーザの操作は、例えば、ウィンドウW1の領域R3で行われる解析パラメータを指定する操作であってもよい。
【0026】
制御部110は、上述したデータベース200を参照して画像解析のパラメータ設定候補情報を選択する。具体的には、制御部110は、認識パラメータとしての任意パラメータ(以降、第1パラメータと記す。)の選択に応答して、設定履歴情報210に含まれる第1パラメータを含む組み合わせ情報に基づいてパラメータ設定候補情報を選択する。さらに具体的には、制御部110は、第1パラメータと記す。の選択に応答して、設定履歴情報210に含まれる第1パラメータを含む組み合わせ情報の中から、評価情報220に基づいてパラメータ設定候補情報を選択する。制御部110は、例えば、第1パラメータを含む組み合わせ情報のうち、対応する評価が所定の基準よりも高いもののみを選択してもよい。なお、ここで、第1パラメータの選択は、例えば、入力部112が受け付けた認識パラメータを指定するユーザの操作によって生じてもよい。
【0027】
出力部113は、制御部110が選択したパラメータ設定候補情報を含む選択候補情報を出力する。出力部113は、制御部110が選択したパラメータ設定候補情報を含む選択候補情報の代わりに、パラメータ設定候補情報に対応する解析用途情報を含む選択候補情報を出力してもよい。即ち、出力部113は、制御部110が選択したパラメータ設定候補情報と、制御部110が選択したパラメータ設定候補情報に対応する解析用途情報と、の少なくとも一方を含む、選択候補情報を出力すればよい。
【0028】
表示部114は、出力部113が出力する選択候補情報を表示する。表示部114に表示される選択候補情報にパラメータ設定候補情報が含まれている場合には、ユーザは、表示されたパラメータ設定候補情報の中から解析に利用するパラメータ設定を選択することができる。また、表示部114に表示される選択候補情報に解析用途情報が含まれている場合には、ユーザは、パラメータ設定そのものを直接的に選択する代わりに解析によってユーザが知りたい情報を示す解析用途を選択することで解析用途に対応するパラメータ設定を間接的に選択することができる。
【0029】
装置100では、ユーザに提示される情報が、評価情報220、つまり、過去に行われた解析を通じて得られた評価、に基づいて峻別される。このため、比較的高い評価を有する、限られた数の選択肢のみがユーザに提示されることになる。従って、ユーザは、限られた選択肢の中から選択するだけで有益な解析結果が得られるパラメータを効率良く設定することができる。特に、認識パラメータに比べて適切な選択が困難な解析パラメータの設定を効率良く行うことができるという点で、装置100は非常に有益である。また、与えられた選択肢から選択するだけで設定を行うことができるため、設定ミスが少なく、解析後に設定ミスに気付いて解析をやり直すといった無駄な作業を回避することができる。
【0030】
図4は、装置100が行う処理のフローチャートの一例を示した図である。
図5は、認識パラメータを指定する方法を説明するための図である。
図6は、装置100が行う選択処理のフローチャートの一例を示した図である。
図7は、選択条件による選択結果の違いについて説明するための図である。
図8は、選択結果のリスト表示の一例を示した図である。
図9は、選択結果のリスト表示の一例を示した図である。
図10は、選択結果のリスト表示の別の例を示した図である。
図11は、選択結果のリスト表示の更に別の例を示した図である。
図12は、選択結果のリスト表示の更に別の例を示した図である。
図13は、選択結果のリスト表示の更に別の例を示した図である。
図14は、選択結果のリスト表示の更に別の例を示した図である。
図15は、解析結果の評価方法について説明するための図である。以下、
図4から
図15を参照しながら、装置100が行う処理について具体的に説明する。
【0031】
装置100の制御部110がプログラムを実行して
図4に示す処理を開始し、表示部114が
図1に示すウィンドウW1を表示すると、装置100は、まず、認識パラメータの指定を受け付ける(ステップS10)。ステップS10では、ユーザが、
図5に示すように、領域R1内のUIコントロールを操作して認識パラメータを指定すると、入力部112が認識パラメータの指定を受け付ける。以降では、ユーザが認識パラメータとして“Spheroid”を選択した場合を例に説明する。
【0032】
認識パラメータの指定を受け付けると、装置100は、データベース200を参照してパラメータ設定候補情報を選択する、
図6に示す選択処理を行う(ステップS20)。選択処理では、制御部110は、まず、データベース200内の設定履歴情報210に含まれているステップS10で指定された認識パラメータを含む組み合わせ情報を取得する(ステップS21)。これにより、例えば、
図7に示すように、認識パラメータとして“Spheroid”を含むすべての組み合わせ情報211が設定履歴情報210から取得される。
【0033】
その後、制御部110は、ステップS21で取得した組み合わせ情報から、評価情報220に基づいてパラメータ設定候補情報を選択する(ステップS22)。ステップS22では、予め決められた条件(以降、選択条件と記す。)を満たす組み合わせ情報がパラメータ設定候補情報として選択される。例えば、高評価の回数が75回以上であることを選択条件として選択が行われてもよく、この場合、制御部110は、
図7に示すように、高評価の回数が75回以上の組み合わせ情報212を、パラメータ設定候補情報として選択してよい。また、例えば、高評価の割合が50%以上であることを選択条件として選択が行われてもよく、この場合、制御部110は、
図7に示すように、高評価の割合が50%以上の組み合わせ情報213を、パラメータ設定候補情報として選択してよい。選択条件は、ユーザが設定可能であってもよく、例えば、予め用意された幾つかの選択肢の中からユーザが選択条件を指定可能であってもよい。また、評価情報に総合評価である第3評価情報が含まれる場合には、制御部110は、第3評価情報に基づいてパラメータ設定候補情報を選択してもよい。
【0034】
パラメータ設定候補情報が選択され、選択処理が終了すると、装置100は、選択候補情報を表示する(ステップS30)。ここでは、例えば、出力部113が、ステップS20で選択したパラメータ設定候補情報を選択候補情報として出力し、表示部114が、
図8に示すように、選択候補情報を表示する。
図8に示すウィンドウW2内のリストL1は、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報を示している。これにより、ユーザは、表示されたパラメータの組み合わせの中から任意の組み合わせを選択するだけで有益な解析結果が期待できるパラメータを設定することができる。
【0035】
なお、
図8では、設定履歴情報210から取得したパラメータ設定候補情報のみを表示する例を示したが、パラメータ設定候補情報は、
図9に示すように、パラメータ設定候補情報に対応する評価情報とともに表示されてもよい。
図9に示すウィンドウW2内のリストL2は、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報と、パラメータ設定候補情報に対応する評価情報と、並べたリストである。即ち、ステップS30では、出力部113は、ステップS20で選択したパラメータ設定候補情報である選択候補情報に加えて、選択候補情報に対応する評価情報を出力してもよく、表示部114は、選択候補情報を、選択候補情報に対応する評価情報とともに、表示してもよい。これにより、ユーザは、表示されたパラメータの組み合わせの中から解析に利用する組み合わせを、評価情報を参考にして決定することができる。特に、表示部114が第1評価情報と第2評価情報を用いて回数又割合で評価を表示することでユーザが評価内容の詳細を把握することができる。また、上述したように、個別評価情報に総合評価である第3評価情報を含む場合には、表示部114は、第3評価情報を表示してもよい。第3評価情報を表示することで、回数や割合を表示する場合と比較として、一目で評価の良し悪しを把握することができる。なお、表示部114は、第1評価情報と第2評価情報と第3評価情報のすべてを表示してもよい。
【0036】
また、
図8では、設定履歴情報210から取得したパラメータ設定候補情報をそのまま表示する例を示したが、パラメータ設定候補情報は、
図10に示すように、パラメータ設定候補情報に対応する評価情報に基づいて決定された表示順で、表示されてもよい。
図10に示すウィンドウW2内のリストL3は、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報を、高評価の回数の降順に並べたリストである。即ち、ステップS30では、出力部113は、ステップS20で選択したパラメータ設定候補情報である選択候補情報を、選択候補情報に対応する評価情報に基づいて決定された表示順に並び替えてもよく、表示部114は、選択候補情報を、決定された表示順で表示してもよい。これにより、ユーザは、選択候補情報に多くのパラメータの組み合わせが存在する場合であっても、より高く評価されているパラメータの組み合わせの利用を優先的に検討することができる。
【0037】
また、
図8では、設定履歴情報210から取得したパラメータ設定候補情報を表示する例を示したが、
図11に示すように、パラメータ設定候補情報の代わりに、対応する解析用途情報を、表示してもよい。
図11に示すウィンドウW2内のリストL4は、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報に対応する解析用途情報を示している。即ち、ステップS30では、出力部113は、ステップS20で選択したパラメータ設定候補情報に対応する解析用途情報を選択候補情報として出力してもよく、表示部114は、解析用途情報である選択候補情報を表示してもよい。この場合も、ユーザは、表示された解析用途の中から任意の解析用途を選択するだけで解析用途に対応する、有益な解析結果が期待できるパラメータを設定することができる。
【0038】
また、上述したパラメータ設定候補情報と、パラメータ設定候補情報に対応する解析用途情報と、パラメータ設定候補情報に対応する評価情報を適宜組み合わせて表示してもよい。
図12に示すウィンドウW2内のリストL5は、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報に対応する解析用途情報と、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報に対応する評価情報と、を並べたリストである。
図13に示すウィンドウW2内のリストL6は、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報と、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報に対応する解析用途情報と、を並べたリストである。
図14に示すウィンドウW2内のリストL7は、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報と、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報に対応する解析用途情報と、ステップS20で選択されたパラメータ設定候補情報に対応する評価情報と、を並べたリストである。
【0039】
選択候補情報が表示されると、装置100は、その後、ユーザによるパラメータの直接的または間接的な指定を受け付けて(ステップS40)、細胞画像の解析を行う(ステップS50)。ここでは、制御部110は、入力部112が受け付けたユーザによって指定されたパラメータを細胞画像解析用のパラメータとして設定し、その後、細胞画像を解析する。
【0040】
解析が終了すると、装置100は、解析結果を表示する(ステップS60)。ここでは、表示部114は、例えば、
図15に示すように、ウィンドウW1内の領域R5に解析結果をグラフ形式で表示する。グラフの形式は特に限定しないが、例えば、解析パラメータが1つの場合には、1つの解析パラメータについてヒストグラムを表示してもよい。また、解析パラメータが2つまたは3つの場合には、2つまたは3つの解析パラメータの2次元又は3次元空間上での分布を示す散布図を表示してもよい。
【0041】
解析結果が表示されると、装置100は、解析に用いたパラメータの組み合わせを評価する入力を監視し(ステップS70)、入力が検出されると(ステップS70YES)、データベース200内の入力に対応する評価情報を更新する(ステップS80)。なお、ユーザは、例えば、
図15に示すように、解析結果の近傍に設けられたUIコントロールを用いて評価を入力してもよく、制御部110は、UIコントロールに対する操作を応じて、データベース200を更新しても良い。即ち、制御部110は、細胞画像を解析する任意の画像解析(以降、第1画像解析と記す。)の実行後に行われた新たな評価に基づいて、データベース200の更新を制御してもよい。なお、新たな評価は、第1画像解析において設定されたパラメータの組み合わせを示す組み合わせ情報に対する新たな評価である。装置100は、ユーザに提示する候補を選択する選択機能とともに、選択結果を評価する評価機能を備えることで、評価結果を用いて選択機能を改善することができる。従って、装置100が利用されるほど選択機能が改善され、その結果、装置100の利用がさらに促進される。
【0042】
図16は、装置100が行う選択処理(ステップS20)のフローチャートの別の例を示した図である。
図17は、選択結果のリスト表示の更に別の例を示した図である。
図16及び
図17を参照しながら、装置100が行う選択処理の変形例について説明する。
【0043】
図16に示す選択処理では、まず、装置100は、認識パラメータが選択されると、まず、データベース200内の設定履歴情報210に含まれている
図4のステップS10で指定された認識パラメータを含む組み合わせ情報を取得する(ステップS121)。この処理は、
図6に示すステップS21の処理と同様である。
【0044】
その後、装置100の制御部110は、予め決められた条件(第1の条件)が満たされているかを判定する(ステップS122)。第1の条件は、評価情報に基づくパラメータ設定候補情報の選択が適切であると見做し得る条件であればよい。例えば、十分な量の評価情報がデータベース200に蓄積されていることなどがその一例である。
【0045】
制御部110は、第1の条件が満たされていると判定すると(ステップS122YES)、ステップS121で取得した組み合わせ情報から、評価情報220に基づいてパラメータ設定候補情報を選択する(ステップS123)。この処理は、
図6に示すステップS21の処理と同様である。
【0046】
一方、制御部110は、第1の条件が満たされていないと判定すると(ステップS122NO)、ステップS121で取得した組み合わせ情報の全てを、パラメータ設定候補情報として選択する(ステップS124)。
【0047】
図6に示す選択処理の代わりに、
図16に示す選択処理が行われることで、例えば、装置100の運用開始から間もない期間など、評価情報が十分に蓄積されていない期間には、評価情報に基づく絞り込みが行われず、
図17に示すように、指定されたパラメータを含む過去に設定されたパラメータ設定をすべて含むリストL8がウィンドウW2に表示される。従って、装置100の運用開始当初から履歴情報を活用した設定支援を行いながら、運用が進むことでより有効な設定支援が可能となる。なお、リストL8として表示されているパラメータ設定候補情報は、パラメータ設定候補情報に対応する参照回数情報に基づいて決定された表示順で表示されてもよく、例えば、参照回数の降順で表示されてもよい。
【0048】
なお、
図16では、第1の条件を満たさない場合には、常に、取得した組み合わせ情報の全てをパラメータ設定候補情報として選択する例を示したが、第1の条件を満たさない場合であって、さらに、別の条件(第2の条件)を満たす場合に、取得した組み合わせ情報の全てをパラメータ設定候補情報として選択してもよい。例えば、取得した組み合わせ情報が所定数以上存在することを第2の条件としてもよい。これにより、評価情報だけでなく設定履歴情報210さえも十分に蓄積されておらず、ユーザに必要最低限の選択肢を提示できない場合には、履歴情報の活用を断念することが可能となる。
【0049】
図18は、装置100を含むシステムの構成を例示した図である。
図19は、装置100が行う選択処理(ステップS20)のフローチャートの更に別の例を示した図である。
図18及び
図19を参照しながら、装置100が行う選択処理の別の変形例について説明する。
【0050】
以上では、装置100が単独で動作する例を示したが、装置100は、必要に応じて他の装置と通信することで上述した機能を実現してもよい。例えば、装置100は、
図18に示すように、ネットワーク300を介してサーバ400と通信してもよく、サーバ400に記憶されているデータベース500を参照してもよい。データベース500は、データベース200と同様の構成を有してもよく、例えば、複数の装置100における設定履歴情報を含んでもよい。なお、データベース500は、装置100とは異なる装置(サーバ400)の記憶部に記憶された細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関する第2データベースの一例である。
【0051】
図19に示す選択処理では、まず、装置100は、認識パラメータが選択されると、まず、データベース200内の設定履歴情報210に含まれている
図4のステップS10で指定された認識パラメータを含む組み合わせ情報を取得する(ステップS221)。この処理は、
図6に示すステップS21の処理と同様である。
【0052】
その後、装置100の制御部110は、該当する組み合わせ情報がデータベース200内に存在するか否かを判定する(ステップS222)。ステップS221で組み合わせ情報が1つ以上取得された場合には、ステップS221で取得した組み合わせ情報から、評価情報220に基づいてパラメータ設定候補情報を選択する(ステップS224)。
【0053】
ステップS221で組み合わせ情報が1つも取得されなかった場合には、制御部110は、異なる装置に記憶されているデータベース500から設定履歴情報に含まれている指定された認識パラメータを含む組み合わせ情報を取得する(ステップS223)。即ち、制御部110は、ステップS221でデータベース200に対して行った処理をデータベース500に対して行う。その後、制御部110は、ステップS221で取得した組み合わせ情報から、評価情報220に基づいてパラメータ設定候補情報を選択する(ステップS224)。
【0054】
図6に示す選択処理の代わりに、
図19に示す選択処理が行われることで、制御部110は、認識パラメータとして選択された第1パラメータを含む組み合わせ情報がデータベース200内に存在しない場合に、装置100とは異なる装置(サーバ400)の記憶部に記憶された細胞画像を解析する画像解析のパラメータ設定履歴に関する第2データベース(データベース500)を参照してパラメータ設定候補情報を選択する。これにより、例えば、特定の装置100の運用開始から間もない期間など、特定の装置100において評価情報が十分に蓄積されていない期間であっても、他の装置100で得られた評価情報を活用することで、履歴情報を活用した設定支援を行うことができる。
【0055】
なお、
図18に示すように、システムには、ネットワーク用のデータベース500の利用を前提として、自装置内にデータベース200を有しない装置100bが含まれてもよい。装置100bは、
図19のステップS221とステップS222が省略され、ステップS223とステップS224が行われる点が、装置100とは異なっている。
【0056】
図20は、装置100が行う処理のフローチャートの別の例を示した図である。
図21は、検索ワードを指定する方法を説明するための図である。
図22は、装置100が行う選択処理のフローチャートの更に別の例を示した図である。以下、
図20から
図22を参照しながら、装置100が行う処理の変形例について説明する。
【0057】
以上では、ユーザが認識パラメータを指定することで装置100が選択候補情報を表示する例を示したが、例えば、以下に示すように、検索ワードなど認識パラメータとは異なる情報が入力されたときに、装置100が選択候補情報を表示してもよい。
【0058】
図20に示す処理では、表示部114が
図1に示すウィンドウW1を表示すると、装置100は、まず、検索ワードの指定を受け付ける(ステップS310)。ステップS310では、ユーザが、
図21に示すように、領域R2内のUIコントロールに検索ワードを入力すると、入力部112が検索ワードの指定を受け付ける。以降では、ユーザが検索ワードとして“分布分析”が入力された場合を例に説明する。
【0059】
検索ワードの入力を受け付けると、装置100は、データベース200を参照してパラメータ設定候補情報を選択する、
図22に示す選択処理を行う(ステップS320)。選択処理では、制御部110は、まず、データベース200内の設定履歴情報210に含まれている組み合わせ情報であって、解析用途情報240に含まれているステップS210で入力された検索ワードを含む個別解析用途情報に対応する組み合わせ情報を取得する(ステップS321)。具体的には、例えば、
図3に示す解析用途情報240に含まれる“Spheroidの分布解析”、“核の分布解析”を示す個別解析用途情報が取得され、さらに、それらの個別解析用途情報に対応する組み合わせ情報(例えば、“Spheroid”-“X”and“Y”、“Spheroid”-“Total Intensity”and“Y”、“Spheroid”and“Nuclear”-“X”and“Y”、“Spheroid”and“Nuclear”-“Y”)が取得される。なお、検索ワードが入力される代わりに、予めあら得られた選択肢から画像解析の用途が選択された場合には、制御部110は、その用途を示す個別解析用途情報に対応する組み合わせ情報を取得してもよい。
【0060】
その後、制御部110は、ステップS321で取得した組み合わせ情報から、評価情報220に基づいてパラメータ設定候補情報を選択する(ステップS322)。ステップS322の処理は、
図6のステップS22の処理と同様である。なお、評価情報220がデータベース200に含まれていない場合には、ステップS321で取得した組み合わせ情報に含まれるパラメータそのものをパラメータ設定候補情報として選択してもよい。即ち、制御部110は、検索ワードの入力による解析用途の選択、又は、直接的な解析用途の選択に応答して、ステップS321で取得した組み合わせ情報に基づいてパラメータ設定候補情報を選択すればよい。
【0061】
パラメータ設定候補情報が選択され、選択処理が終了すると、装置100は、選択候補情報を表示する(ステップS330)。なお、ステップS330以降の処理は、
図4のステップS30以降の処理と同様である。従って、認識パラメータの代わりに検索ワードを用いた場合であっても、ユーザは、限られた選択肢の中から選択するだけで有益な解析結果が得られるパラメータを効率良く設定することができる。
【0062】
[第2の実施形態]
図23は、本実施形態に係るシステム1000の構成を例示した図である。
図23に示すシステム1000は、細胞画像解析の設定を支援するシステムであり、装置600と、装置700を含んでいる。
【0063】
装置600は、細胞画像解析の設定を支援する装置であり、制御部110と、入力部112と、出力部113を含んでいる。装置600は、記憶部111を含まない点を除き、第1の実施形態に係る装置100と同様である。装置700は、記憶部111を含む装置であり、記憶部111は、データベース200を記憶している。即ち、第2の実施形態では、装置600と装置700が連携することで、システム1000が第1の実施形態に係る装置100と同様に動作する。従って、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、ユーザは、限られた選択肢の中から選択するだけで有益な解析結果が得られるパラメータを効率良く設定することができる。
【0064】
[第3の実施形態]
図24は、本実施形態に係るシステム2000の構成を例示した図である。
図24に示すシステム2000は、細胞画像解析の設定を支援するシステムであり、装置800と、装置900と、装置700を含んでいる。
【0065】
装置800は、細胞画像解析の設定を支援する装置であり、制御部110と、出力部115を含んでいる。装置800は、入力部112と表示部114を含まない点が、第2の実施形態に係る装置600とは異なっている。また、出力部115が表示部114を含まない点も、第2の実施形態に係る装置600とは異なる。出力部115は、表示部114を含む装置900に情報を出力し、表示部114は装置800から出力された情報を表示する。装置900は、入力部112と表示部114を含む装置であり、ユーザが直接操作するクライアント端末である。装置700については、第2の実施形態と同様である。第3の実施形態では、装置800と装置900と装置700が連携することで、システム2000が第2の実施形態に係るシステム1000と同様に動作する。従って、本実施形態でも、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、ユーザは、限られた選択肢の中から選択するだけで有益な解析結果が得られるパラメータを効率良く設定することができる。
【0066】
図25は、上述した実施形態に係る、細胞画像解析の設定を支援する装置を実現するためのコンピュータ100aのハードウェア構成を例示した図である。
図25に示すように、コンピュータ100aは、ハードウェア構成として、プロセッサ101、メモリ102、記憶装置103、読取装置104、通信インタフェース106、及び入出力インタフェース107を備えている。なお、プロセッサ101、メモリ102、記憶装置103、読取装置104、通信インタフェース106、及び入出力インタフェース107は、例えば、バス108を介して互いに接続されている。また、コンピュータ100aは、入出力インタフェース107に接続された表示装置を含んでもよい。表示装置は、上述した表示部114に相当し、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイなどのディスプレイであってもよい。また、表示装置は、表示部114と入力部112に相当し、例えば、タッチパネルディスプレイであってもよい。
【0067】
プロセッサ101は、例えば、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサやマルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、記憶装置103に格納されているプログラムを読み出して実行することで、上述した制御部110として動作する。
【0068】
メモリ102は、例えば、半導体メモリであり、RAM領域およびROM領域を含んでいてよい。記憶装置103は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、または外部記憶装置である。
【0069】
読取装置104は、例えば、プロセッサ101の指示に従って着脱可能記憶媒体105にアクセスする。着脱可能記憶媒体105は、例えば、半導体デバイス、磁気的作用により情報が入出力される媒体、光学的作用により情報が入出力される媒体などにより実現される。なお、半導体デバイスは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリである。また、磁気的作用により情報が入出力される媒体は、例えば、磁気ディスクである。光学的作用により情報が入出力される媒体は、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc等(Blu-rayは登録商標)である。
【0070】
通信インタフェース106は、例えば、プロセッサ101の指示に従って、他の装置と通信する。入出力インタフェース107は、例えば、入力装置および出力装置との間のインタフェースである。入力装置は、例えば、ユーザからの指示を受け付けるキーボード、マウス、タッチパネルなどのデバイスである。出力装置は、例えばディスプレイなどの表示装置、およびスピーカなどの音声装置である。
【0071】
上述した記憶部111は、例えば、メモリ102、記憶装置103、および着脱可能記憶媒体105を含んでよい。また、上述した入力部112は、入出力インタフェース107を含んでもよい。また、出力部113は、通信インタフェース106と入出力インタフェース107を含んでもよい。
【0072】
プロセッサ101が実行するプログラムは、例えば、下記の形態でコンピュータ100aに提供される。
(1)記憶装置103に予めインストールされている。
(2)着脱可能記憶媒体105により提供される。
(3)プログラムサーバなどのサーバから提供される。
【0073】
なお、
図25を参照して述べた細胞画像解析の設定を支援する装置を実現するためのコンピュータ100aのハードウェア構成は例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の構成の一部が、削除されてもよく、また、新たな構成が追加されてもよい。また、別の実施形態では、例えば、上述の制御部110の一部または全部の機能がFPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System-on-a-Chip)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびPLD(Programmable Logic Device)などによるハードウェアとして実装されてもよい。
【0074】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態を変形した変形形態および上述した実施形態に代替する代替形態が包含され得る。つまり、各実施形態は、その趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形することが可能である。また、1つ以上の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、新たな実施形態を実施することができる。また、各実施形態に示される構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよく、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加してもよい。さらに、各実施形態に示す処理手順は、矛盾しない限り順序を入れ替えて行われてもよい。即ち、本発明の装置、システム、及び方法は、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0075】
上述した実施形態では、細胞画像解析の設定を支援する装置が、細胞画像解析を行う例を示したが、細胞画像解析を行う装置は、細胞画像解析の設定を支援する装置とは異なる装置であってもよい。
【0076】
また、上述した実施形態では、制御部110が評価情報に基づいてパラメータ設定候補情報を選択する例を示したが、評価情報に加えて、又は、評価情報に代えて、参照回数情報に基づいてパラメータ設定候補情報を選択してもよい。
【0077】
また、上述した実施形態では、データベース200が設定履歴情報210と評価情報220と参照回数情報230と解析用途情報240とその他情報250を含む例を示したが、データベース200は、少なくとも設定履歴情報210と評価情報220を含んでいればよい。なお、データベース200が解析用途情報を含まない場合には、出力部113は、制御部110が選択したパラメータ設定候補情報を選択候補情報として出力すればよい。
【0078】
細胞画像は、例えば、蛍光画像であるが、蛍光画像に限らない。細胞画像は、明視野画像であってもよく、OCT、SHGであってもよい。また、解析用途として、輝度分析、円形度分析、分布分析、個数カウントなどを例示したが、解析用途には、例えば、生死判定、品質評価、平坦度、配向などが含まれてもよい。
【符号の説明】
【0079】
100、200、300、400、500、600、700、800、900 装置
101 プロセッサ
102 メモリ
103 記憶装置
104 読み取り装置
105 着脱可能記憶媒体
106 通信インタフェース
107 入出力インタフェース
108 バス
110 制御部
111 記憶部
112 入力部
113、115 出力部
114 表示部
200、500 データベース
210 設定履歴情報
211、212、213 組み合わせ情報
220 評価情報
230 参照回数情報
240 解析用途情報
250 その他情報
300 ネットワーク
400 サーバ
1000、2000 システム