(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-23
(45)【発行日】2025-05-02
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H04N 21/41 20110101AFI20250424BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20250424BHJP
【FI】
H04N21/41
H04N5/64 551Z
(21)【出願番号】P 2021071515
(22)【出願日】2021-04-21
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正義
(72)【発明者】
【氏名】宇野 晴貴
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-188409(JP,A)
【文献】特開2016-76392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を入射させるための入射口が形成されたキャビネットと、
前記キャビネット内に設けられたホルダと、
前記ホルダの背面側に設けられ、光を受光する受光素子が実装された光学基板と、
前記ホルダの正面側に設けられ、光を前記受光素子に導光する導光部を有し、前記導光部の先端部が前記キャビネットの前記入射口に係合する導光体と、
前記キャビネット内における前記光学基板の背面側に設けられ、ビスの締め付けによって前記キャビネットに対して固定され、前記光学基板の背面を押圧する押圧突起を有し、前記光学基板を支持する基板支持部材と、を備え、
前記キャビネットに係止孔が形成され、前記キャビネットの前記係止孔が前記ビスの頭部よりも前方に位置し、前記基板支持部材に前記キャビネットの前記係止孔に係止する係止爪が形成されている、電子機器。
【請求項2】
前記押圧突起の数は複数であって、複数の前記押圧突起が幅方向に間隔を置いて配置されている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記キャビネットの内壁面に前記ビスをねじ込むためのビスボスが設けられ、前記基板支持部材に前記ビスを挿通させるための挿通孔が形成され、前記基板支持部材の正面における前記挿通孔の周縁に前記ビスボスの外周面を案内するガイドリブが形成されている、請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記係止爪の先端側は、後方向に向かって漸次厚くなるように楔状に形成されている、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記導光部は、外部操作装置からの操作指示に応じた光を前記受光素子に導光する、請求項1から4のちのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
光を出射するための出射口が形成され、光を発光する発光素子が実装され、前記導光体は、前記発光素子からの光を前記キャビネットの外部に導光する第2導光部を有し、前記第2導光部の先端部が前記キャビネットの前記出射口に係合する、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記キャビネットに音声を導入するための音孔が形成され、
更に、前記ホルダの正面側に設けられ、音声を集音するマイク素子が実装されたマイク基板と、
前記キャビネットの内壁面と前記マイク基板との間に挟持された状態で設けられ、弾性体により構成され、前記キャビネットの前記音孔に連通する開口部を有したスペーサと、を備える、請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばテレビジョン受信機等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン受信機等の多くの電子機器は、リモコン等の外部操作装置によって遠隔操作可能になっている。特許文献1に示す電子機器においては、次のような構成より外部操作装置による遠隔操作を可能にしている。
【0003】
キャビネットには、外部操作装置からの操作指示に応じた光(赤外線)を入射させるための入射口が形成されている。キャビネット内には、ホルダが設けられており、ホルダの背面側には、光学基板が設けられている。光学基板には、光を受光する受光素子が実装されている。また、ホルダの正面側には、導光体が設けられており、導光体は、外部操作装置からの操作指示に応じた光を受光素子に導光する導光部を有している。導光部の先端部は、キャビネットの入射口に係合する。更に、キャビネット内における光学基板の背面側には、光学基板を支持する基板支持部材が設けられており、基板支持部材は、ビスの締め付けによってキャビネットに対して固定されている。基板支持部材は、光学基板の背面を押圧する押圧突起を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示す電子機器においては、ビスの頭部からの前方向の押圧力によって基板支持部材の押圧突起が光学基板の背面を押圧し、導光体が光学基板及びホルダを介してキャビネットの内壁面側に押圧されるが、ビスの頭部からの前方向の押圧力は大きくない。そのため、ユーザの指等によってキャビネットの外側から導光体の導光部に外力が加わると、導光体が移動して、光学基板に対して導光体の位置ずれが生じて、受光素子の受光状態が不安定になる。
【0006】
なお、前述の問題は、受光素子が外部操作装置からの光を受光する場合だけでなく、外光等の光を受光する場合においても、同様に生じる。
【0007】
そこで、本発明の一態様は、光学基板に対する導光体の位置ずれを防止して、受光素子の受光状態を良好な状態に保つことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、光を入射させるための入射口が形成されたキャビネットと、前記キャビネット内に設けられたホルダと、前記ホルダの背面側に設けられ、光を受光する受光素子が実装された光学基板と、前記ホルダの正面側に設けられ、光を前記受光素子に導光する導光部を有し、前記導光部の先端部が前記キャビネットの前記入射口に係合する導光体と、前記キャビネット内における前記光学基板の背面側に設けられ、ビスの締め付けによって前記キャビネットに対して固定され、前記光学基板の背面を押圧する押圧突起を有し、前記光学基板を支持する基板支持部材と、を備え、前記キャビネットに係止孔が形成され、前記キャビネットの前記係止孔が前記ビスの頭部よりも前方に位置し、前記基板支持部材に前記キャビネットの前記係止孔に係止する係止爪が形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、光学基板に対する導光体の位置ずれを防止して、受光素子の受光状態を良好な状態に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るテレビジョン受信機の模式的な正面図である。
【
図3】
図2におけるIII-III線に沿った拡大断面図である。
【
図4】
図2におけるIV-IV線に沿った拡大断面図である。
【
図5】
図2におけるV-V線に沿った拡大断面図である。
【
図6】
図2におけるVI-VI線に沿った拡大断面図である。
【
図7】本実施形態に係るテレビジョン受信機における基板支持部材の斜視図である。
【
図9】本実施形態の変形例の特徴部分を示す図であり、
図2におけるVI-VI線に沿った拡大断面図に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本願の特許請求の範囲及びン明細書において、幅方向とは、テレビジョン受信機等の電子機器の幅方向又はキャビネットの幅方向のことをいい、本実施形態においては、左右方向と同義である。図面に記載した通り、テレビジョン受信機又はキャビネットの正面側を前側、テレビジョン受信機又はキャビネットの背面側を後側と称する。テレビジョン受信機又はキャビネットの幅方向の一方側を左側、テレビジョン受信機又はキャビネットの幅方向の他方側を右側と称する。テレビジョン受信機又はキャビネットの高さ方向の一方側を上側、テレビジョン受信機又はキャビネットの高さ方向の他方側を下側と称する。
【0012】
〔実施形態〕
本実施形態について
図1から8を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るテレビジョン受信機の模式的な正面図である。
図2は、
図1におけるII部の拡大図である。
図3は、
図2におけるIII-III線に沿った拡大断面図である。
図4は、
図2におけるIV-IV線に沿った拡大断面図である。
図5は、
図2におけるV-V線に沿った拡大断面図である。
図6は、
図2におけるVI-VI線に沿った拡大断面図である。
図7は、本実施形態に係るテレビジョン受信機における基板支持部材の斜視図である。
図8は、
図7に示す基板支持部材の正面図である。
【0013】
(表示パネル12等)
図1から3に示すように、本実施形態に係るテレビジョン受信機10は、外部操作装置としてのリモコンRCによって遠隔操作可能な電子機器である。テレビジョン受信機10は、画像を表示する矩形の表示パネル12を備えており、表示パネル12は、左右方向(幅方向)に延びている。表示パネル12は、アレー基板(不図示)とカラーフィルタ基板(不図示)との間に液晶(不図示)を封入した液晶パネルである。また、テレビジョン受信機10は、表示パネル12を囲むように保持する矩形枠状のフレーム14を備えており、フレーム14は、左右方向に延びている。フレーム14は、例えば、アルミニウム又は鉄等の金属により構成されている。
【0014】
なお、液晶パネルの代わりに、有機発光ダイオード素子(不図示)を備えた有機ELパネルを表示パネル12として用いてもよい。
【0015】
(キャビネット16)
図2から4に示すように、テレビジョン受信機10は、フレーム14の下側に設けられたキャビネット16を備えており、キャビネット16は、左右方向に延びている。キャビネット16は、例えばアルミニウム、鉄等の金属又は樹脂により構成されている。キャビネット16の前面における左右方向の中央部には、リモコンRCからの操作指示に応じた光(赤外線)を入射させるための入射口16iが形成されている。キャビネット16の前面における入射口16iの近傍には、テレビジョン受信機10の動作状態に応じた光(LED光)を出射するための出射口16eが形成されている。キャビネット16の前面における出射口16eの近傍には、音声を導入するための2つ音孔16hが形成されており、2つの音孔16hは、左右方向に離隔している。
【0016】
なお、説明の便宜上、キャビネット16の1つの出射口16eのみ図示しているが、キャビネット16の出射口16eの数を複数に変更してもよい。
【0017】
(ホルダ18)
図3及び4に示すように、キャビネット16内には、ホルダ18設けられており、ホルダ18は、左右方向に延びている。ホルダ18は、複数のビス20の締め付けによってキャビネット16に対して固定されている。ホルダ18は、例えばアルミニウム、鉄等の金属又は樹脂により構成されている。
【0018】
(光学基板22)
図3から5に示すように、ホルダ18の背面側は、光学基板22が設けられており、光学基板22は、左右方向に延びている。光学基板22は、キャビネット16の内壁面16fに設けられた基板用の位置決めピン(不図示)によって、キャビネット16に対して位置決めされている。
【0019】
光学基板22の前面には、光(赤外線)を受光する受光素子としてのフォトダイオード24が実装されている。フォトダイオード24は、受光した光に応じた電気信号を出力する。光学基板22の前面におけるフォトダイオード24の近傍には、例えば録画状態等のテレビジョン受信機10の動作状態に応じた光を発光する発光素子として発光ダイオード26が実装されている。光学基板22は、フォトダイオード24の受光動作及び発光ダイオード26の発光動作を制御する。光学基板22は、テレビジョン受信機10全体を統括的に制御するためのメイン基板(不図示)に接続されている。
【0020】
なお、説明の便宜上、1つの発光ダイオード26のみを図示しているが、テレビジョン受信機10の動作状態の種類に応じて発光ダイオード26の数を増やしてもよい。
【0021】
(導光体28)
図3から5に示すように、ホルダ18の背面側の左部には、導光体28が設けられており、導光体28は、透明な樹脂により構成されている。導光体28は、その左部に、リモコンRCからの操作指示に応じた光(赤外線)をフォトダイオード24に導光する扁平状の第1導光部30を有している。第1導光部30は、フォトダイオード24に整合(対向)する位置に配置されており、第1導光部30の先端部は、キャビネット16の入射口16iに係合する。導光体28は、その右部に、発光ダイオード26からの光をキャビネット16の外部に導光するピン状の第2導光部32を有している。第2導光部32は、発光ダイオード26に整合する位置に配置されており、第2導光部32の先端部は、キャビネット16の出射口16eに係合する。
【0022】
なお、説明の便宜上、1つの第2導光部32のみ図示しているが、第2導光部32の数を増やしてもよい。
【0023】
(マイク基板34)
図3及び6に示すように、ホルダ18の背面側における導光体28の右側には、マイク基板34が設けられており、マイク基板34は、左右方向に延びている。マイク基板34は、前記基板用の位置決めピンによってキャビネット16に対して位置決めされている。マイク基板34の背面(後側面)には、音声を集音する2つのマイク素子36が実装されている。2つのマイク素子36は、左右方向に離隔しており、各マイク素子36は、キャビネット16の音孔16hに整合する位置に配置されている。マイク基板34には、マイク素子36とキャビネット16の音孔16h側を連通する2つの通孔34hが形成されており、2つの通孔34hは、左右方向に離隔している。マイク基板34は、2つのマイク素子36の集音動作を制御し、メイン基板(不図示)に接続されている。
【0024】
なお、2つのマイク素子36をマイク基板34の背面に実装する代わりに、マイク基板34の正面(前側面)に実装してもよく、この場合には、マイク基板34に通孔34hを形成しなくてもよい。
【0025】
(スペーサ38)
図3及び6に示すように、キャビネット16の内壁面16fとマイク基板34の前側面との間には、2つのスペーサ38が挟持された状態で設けられており、2つのスペーサ38は、左右方向に離隔している。各スペーサ38は、キャビネット16の各音孔16hに連通する円形の開口部38aを有しており、開口部38aの開口面積は、キャビネット16の音孔16hの断面積よりも大きく設定されている。各スペーサ38は、例えばシリコンゴム等の弾性体により構成されており、キャビネット16の内壁面16fとマイク基板34とによって圧縮されている。
【0026】
ここで、キャビネット16の音孔16hからマイク素子36にかけて、音声の通り道である音道が形成される。換言すれば、キャビネット16の音孔16h、スペーサ38の開口部38a、及びマイク基板34の通孔34hは、それぞれ、音道の一部を構成する。
【0027】
(基板支持部材40等)
図3、6から8に示すように、キャビネット16内における光学基板22の背面側には、光学基板22を支持する基板支持部材40が設けられており、基板支持部材40は、左右方向に延びている。基板支持部材40は、例えばアルミニウム等の金属又は樹脂により構成されており、2つのビス42の締め付けによってキャビネット16に対して固定されている。基板支持部材40には、ビス42を挿通させるための2つの挿通孔40hが形成されており、2つの挿通孔40hは、左右方向に離隔している。基板支持部材40は、キャビネット16の内壁面16fに設けられた支持部材用の位置決めピン44によって、キャビネット16に対して位置決めされている。基板支持部材40の左右方向の中央部には、支持部材用の位置決めピン44に嵌合させるための嵌合孔40vが形成されている。
【0028】
基板支持部材40は、光学基板22の背面を押圧する複数の押圧突起46(46A,46B,46C)を有しており、各押圧突起46は、前方向に向かって突出している。複数の押圧突起46の押圧箇所は、光学基板22の背面における電子部品を回避した箇所である。複数の押圧突起46は、左右方向に間隔を置いて配置されている。複数の押圧突起46のうち、左右方向の両端側に位置する押圧突起46A,46Cは、上下方向に延びた小片状に形成されている。複数の押圧突起46のうち、左右方向の中央側に位置する押圧突起46Bは、側面視L字状に形成されている。
【0029】
(基板支持部材40とキャビネット16との関係)
図6から8に示すように、キャビネット16の内壁面には、ビス42をねじ込むための2つのビスボス48が設けられており、2つのビスボス48は、左右方向に離隔している。2つのビスボス48は、キャビネット16の一部を構成する。基板支持部材40の正面における各挿通孔40hの周縁には、各ビスボス48の外周面を案内するガイドリブ50が形成されている。
【0030】
キャビネット16には、2つの係止孔16vが形成されており、2つの係止孔16vは、左右方向に離隔している。キャビネット16の各係止孔16vは、ビス42の頭部42aよりも前方に位置しており、光学基板22の端面に上下に対向している。キャビネット16の各係止孔16vは、各ビスボス48の先端面(後端面)よりも前方に位置している。基板支持部材40には、キャビネット16の係止孔16vに下方向から係止する2つの係止爪52が形成されており、2つの係止爪52は、左右方向に離隔している。基板支持部材40の各係止爪52は、押圧突起46の直上側に配置されており、側面視L字形状に形成されている。
【0031】
(作用効果)
基板支持部材40の各係止爪52をキャビネット16の各係止孔16vに係止させた状態で、各ビス42が締め付けられる。すると、各ビス42の頭部42aからの前方向の押圧力が働くと共に、基板支持部材40の各係止爪52とキャビネット16の各係止孔16vとの接触部に反力によって基板支持部材40からの前方向の押圧力が働く。つまり、各ビス42の頭部42aよりも前方に位置する各係止孔16vに、基板支持部材40の各係止爪52が係止するため、各ビス42の頭部42aからの前方向の押圧力の他に、前記接触部の反力による基板支持部材40からの前方向の押圧力が働く。
【0032】
そのため、基板支持部材40の複数の押圧突起46が光学基板22の背面を十分な押圧力で押圧して、導光体28及びマイク基板34が光学基板22及びホルダ18を介してキャビネット16の内壁面16f側に十分な押圧力で押圧される。特に、各ガイドリブ50が各ビスボス48の外周面を案内しているため、キャビネット16に対する各ビス42の位置の位置ずれを防止して、各ビス42の頭部42aからの前方向の押圧力を安定させることができる。複数の押圧突起46が幅方向に間隔を置いて配置されているため、基板支持部材40による光学基板22の背面への押圧状態を安定させることができる。
【0033】
これにより、本実施形態によれば、ユーザの指等によってキャビネット16の外側から導光体28の第1導光部30に外力が加わっても、光学基板22(ホルダ18)に対する導光体28の位置ずれを十分に防止することができる。よって、本実施形態によれば、フォトダイオード24の受光状態を良好な状態に保ちつつ、リモコンRCによるテレビジョン受信機10の遠隔操作を安定して行うと共に、キャビネット16の出射口16eの光の出射状態を良好な状態を保つことができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、ホルダ18に対するマイク基板34の位置ずれを十分に防止することができる。よって、本実施形態によれば、音道のぶれを抑制して、各マイク素子36の集音性能を向上させることができる。
【0035】
(本実施形態の変形例)
本実施形態について
図9を参照して説明する。
図9は、本実施形態の変形例の特徴部分を示す図であり、
図2におけるVI-VI線に沿った拡大断面図に相当する図である。なお、説明の便宜上、本実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0036】
図9に示すように、本実施形態の変形例においては、基板支持部材40の各係止爪52の先端側は、後方向に向かって漸次厚くなるように楔状に形成されている。そのため、キャビネット16の各係止孔16vと基板支持部材40の各係止爪52との接触部の面積(接触面積)を増やして、前記接触部に反力による基板支持部材40からの前方向の押圧力を増大させることができる。
【0037】
これにより、本実施形態の変形例によれば、光学基板22に対する導光体28の位置ずれ、及びホルダ18に対するマイク基板34の位置ずれをより十分に防止することができる。よって、本実施形態の変形例によれば、前述の本実施形態の効果をより高めることができる。
【0038】
(他の実施形態)
なお、テレビジョン受信機10は、フォトダイオード24がリモコンRCからの光を受光する場合だけでなく、外光等の光を受光する場合においても、同様の構成を有してもよい。また、テレビジョン受信機10(
図1参照)に適用した技術的思想を、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末機、加熱調理器等のテレビジョン受信機10以外の電子機器に適用してもよい。
【0039】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電子機器は、光を入射させるための入射口が形成されたキャビネットと、前記キャビネット内に設けられたホルダと、前記ホルダの背面側に設けられ、光を受光する受光素子が実装された光学基板と、前記ホルダの正面側に設けられ、光を前記受光素子に導光する導光部を有し、前記導光部の先端部が前記キャビネットの前記入射口に係合する導光体と、前記キャビネット内における前記光学基板の背面側に設けられ、ビスの締め付けによって前記キャビネットに対して固定され、前記光学基板の背面を押圧する押圧突起を有し、前記光学基板を支持する基板支持部材と、を備え、前記キャビネットに係止孔が形成され、前記キャビネットの前記係止孔が前記ビスの頭部よりも前方に位置し、前記基板支持部材に前記キャビネットの前記係止孔に係止する係止爪が形成されている。
【0040】
前記の構成によれば、前記基板支持部材の前記係止爪を前記キャビネットの前記係止孔に係止させた状態で、前記ビスが締め付けられる。すると、前記ビスの頭部からの前方向の押圧力が働くと共に、前記基板支持部材の前記係止爪と前記キャビネットの前記係止孔との接触部に反力によって前記基板支持部材からの前方向の押圧力が働く。つまり、前記ビスの頭部よりも前方に位置する前記係止孔に、前記基板支持部材の前記係止爪が係止するため、前記ビスの頭部からの前方向の押圧力の他に、前記接触部の反力による前記基板支持部材からの前方向の押圧力が働く。
【0041】
そのため、前記基板支持部材の前記押圧突起が前記光学基板の背面を十分な押圧力で押圧して、前記導光体が前記光学基板及び前記ホルダを介して前記キャビネットの内壁面側に十分な押圧力で押圧される。これにより、ユーザの指等によって前記キャビネットの外側から前記導光体の前記導光部に外力が加わっても、前記光学基板(前記ホルダ)に対する前記導光体の位置ずれを防止して、前記受光素子の受光状態を良好な状態に保つことができる。
【0042】
本発明の態様2に係る電子機器は、前記態様1において、前記押圧突起の数は複数であって、複数の前記押圧突起が幅方向に間隔を置いて配置されてもよい。
【0043】
前記の構成によれば、前記基板支持部材による前記光学基板の背面への押圧状態を安定させることができる。
【0044】
本発明の態様3に係る電子機器は、前記態様1又は2において、前記キャビネットの内壁面に前記ビスをねじ込むためのビスボスが設けられ、前記基板支持部材に前記ビスを挿通させるための挿通孔が形成され、前記基板支持部材の正面における前記挿通孔の周縁に前記ビスボスの外周面を案内するガイドリブが形成されてもよい。
【0045】
前記の構成によれば、前記ガイドリブが前記ビスボスの外周面を案内しているため、前記キャビネットに対する前記ビスの位置の位置ずれを防止して、前記ビスの頭部からの前方向の押圧力を安定させることができる。
【0046】
本発明の態様4に係る電子機器は、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記係止爪の先端側は、後方向に向かって漸次厚くなるように楔状に形成されてもよい。
【0047】
前記の構成によれば、前記キャビネットの前記係止孔と前記基板支持部材の前記係止爪との接触部の面積(接触面積)を増やして、前記接触部に反力による前記基板支持部材からの前方向の押圧力を増大させることができる。
【0048】
本発明の態様5に係る電子機器は、前記態様1から4のいずれかにおいて、前記導光部は、外部操作装置からの操作指示に応じた光を前記受光素子に導光してもよい。
【0049】
前記の構成によれば、前記外部操作装置による前記電子機器の遠隔操作を安定して行うことができる。
【0050】
本発明の態様6に係る電子機器は、前記態様1から5のいずれかにおいて、光を出射するための出射口が形成され、光を発光する発光素子が実装され、前記導光体は、前記発光素子からの光を前記キャビネットの外部に導光する第2導光部を有し、前記第2導光部の先端部が前記キャビネットの前記出射口に係合してもよい。
【0051】
前記の構成によれば、前記キャビネットの外側から前記導光体の前記導光部に外力が加わっても、前記光学基板(前記ホルダ)に対する前記導光体の位置ずれを防止できるため、前記キャビネットの前記出射口の光の出射状態を良好な状態を保つことができる。
【0052】
本発明の態様7に係る電子機器は、前記態様1から6のいずれかにおいて、前記キャビネットに音声を導入するための音孔が形成され、更に、前記ホルダの正面側に設けられ、音声を集音するマイク素子が実装されたマイク基板と、前記キャビネットの内壁面と前記マイク基板との間に挟持された状態で設けられ、弾性体により構成され、前記キャビネットの前記音孔に連通する開口部を有したスペーサと、を備えてもよい。
【0053】
前記の構成によれば、前記基板支持部材の前記押圧突起が前記光学基板の背面を十分な押圧力で押圧して、前記マイク基板が前記光学基板及び前記ホルダを介してキャビネットの内壁面側に十分な押圧力で押圧される。そのため、前記ホルダに対する前記マイク基板の位置ずれを防止することができる。よって、音道のぶれを抑制して、前記マイク素子の集音性能を向上させることができる。
【0054】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
10 テレビジョン受信機(電子機器)
12 表示パネル
16 キャビネット
16i 入射口
16e 出射口
16h 音孔
16f 内壁面
16v 係止孔
18 ホルダ
22 光学基板
24 フォトダイオード(受光素子)
26 発光ダイオード(発光素子)
28 導光体
30 第1導光部
32 第2導光部
34 マイク基板
34h 通孔
36 マイク素子
38 スペーサ
38a 開口部
40 基板支持部材
40h 挿通孔
40v 嵌合孔
42 ビス
42a 頭部
46 押圧突起
46A 押圧突起
46B 押圧突起
46C 押圧突起
48 ビスボス
50 ガイドリブ
52 係止爪
RC リモコン(外部操作装置)