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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-23
(45)【発行日】2025-05-02
(54)【発明の名称】運搬車
(51)【国際特許分類】
   B62D 5/04 20060101AFI20250424BHJP
   H02K 7/10 20060101ALI20250424BHJP
   B62B 3/00 20060101ALI20250424BHJP
   B62B 5/06 20060101ALI20250424BHJP
【FI】
B62D5/04
H02K7/10 C
B62B3/00 B
B62B5/06 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021117160
(22)【出願日】2021-07-15
(65)【公開番号】P2023013176
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松野 匡輔
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-029538(JP,A)
【文献】特開2005-287105(JP,A)
【文献】特開2005-045923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04
H02K 7/10
B62B 3/00
B62B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬車であって、
車台と、
前記車台に支持されており、地面に接地する車輪と、
転舵軸周りに回動可能に前記車台に支持されており、前記車輪を回転軸周りに回転可能に保持する保持部材と、
ユーザが把持する操舵ハンドルと、
前記操舵ハンドルへの前記ユーザによる操作を検出する入力センサと、
前記入力センサで検出された前記ユーザによる前記操作に応じて駆動する操舵モータと、
前記操舵モータと前記保持部材を連結しており、前記操舵モータの駆動に応じて前記保持部材を前記転舵軸周りに回動させる伝達機構を備えており、
前記操舵ハンドルと前記伝達機構が、機械的に分離されており、
前記伝達機構が、前記操舵モータと前記保持部材の間に介在するトルクリミッタを備えており、
前記伝達機構が、前記操舵モータと前記保持部材の間に配置されており、前記伝達機構における操舵角を検出するための操舵角センサをさらに備えており、
前記トルクリミッタが、前記操舵モータと前記操舵角センサの間に配置されている、運搬車。
【請求項2】
前記伝達機構が、
前記車台に対して回動可能であり、前記操舵モータの駆動に応じて回動する操舵シャフトと、
前記操舵シャフトに固定されたリンク部材と、
一端が前記リンク部材に回動可能に取り付けられており、他端が前記保持部材に回動可能に取り付けられたタイロッドをさらに備えており、
前記操舵角センサが、前記操舵モータと前記操舵シャフトの間に配置されている、請求項の運搬車。
【請求項3】
前記伝達機構が、前記車台に対して回動可能であり、前記操舵モータと前記操舵シャフトの間に介在する中継シャフトをさらに備えており、
前記中継シャフトが、第1ギヤ部を有しており、
前記操舵シャフトが、前記第1ギヤ部と噛み合う第2ギヤ部を有しており、
前記操舵角センサが、前記中継シャフトに取り付けられている、請求項の運搬車。
【請求項4】
前記伝達機構が、前記車台に対して回動可能であり、前記操舵モータの駆動に応じて回動するスピンドルをさらに備えており、
前記スピンドルが、円筒ウォーム部を有しており、
前記中継シャフトが、前記円筒ウォーム部と噛み合うウォームホイール部をさらに有する、請求項の運搬車。
【請求項5】
前記操舵モータが、前記操舵モータの駆動に応じて回転するモータシャフトを備えており、
前記モータシャフトが、第3ギヤ部を有しており、
前記トルクリミッタが、
前記スピンドルに固定されたカムホイールと、
前記スピンドルの軸方向に沿って前記スピンドルに対して移動可能であり、前記第3ギヤ部と噛み合う可動ギヤと、
前記可動ギヤを前記スピンドルに対して前記カムホイールに向けて付勢するコイルバネを備えており、
前記カムホイールが、カム溝を有しており、
前記可動ギヤが、前記カム溝に対応するカム突起を有している、請求項の運搬車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、運搬車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両が開示されている。前記車両は、車台と、前記車台に支持されており、地面に接地する車輪と、転舵軸周りに回動可能に前記車台に支持されており、前記車輪を回転軸周りに回転可能に保持する保持部材と、ユーザが把持する操舵ハンドルと、前記操舵ハンドルへの前記ユーザによる操作を検出する入力センサと、前記入力センサで検出された前記ユーザによる前記操作に応じて駆動する操舵モータと、前記操舵モータと前記保持部材を連結しており、前記操舵モータの駆動に応じて前記保持部材を前記転舵軸周りに回動させる伝達機構を備えている。前記操舵ハンドルと前記伝達機構は、機械的に分離されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-44621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような車両を、荷物を搬送する運搬車として使用する場合、操舵モータから過負荷が作用した場合に、伝達機構が破損するおそれがある。本明細書では、運搬車において、操舵モータから過負荷が作用した場合であっても、伝達機構が破損することを抑制することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つまたはそれ以上の実施形態において、運搬車は、車台と、前記車台に支持されており、地面に接地する車輪と、転舵軸周りに回動可能に前記車台に支持されており、前記車輪を回転軸周りに回転可能に保持する保持部材と、ユーザが把持する操舵ハンドルと、前記操舵ハンドルへの前記ユーザによる操作を検出する入力センサと、前記入力センサで検出された前記ユーザによる前記操作に応じて駆動する操舵モータと、前記操舵モータと前記保持部材を連結しており、前記操舵モータの駆動に応じて前記保持部材を前記転舵軸周りに回動させる伝達機構を備えていてもよい。前記操舵ハンドルと前記伝達機構が、機械的に分離されていてもよい。前記伝達機構は、前記操舵モータと前記保持部材の間に介在するトルクリミッタを備えていてもよい。
【0006】
上記の構成によれば、伝達機構が、操舵モータと保持部材の間に介在するトルクリミッタを備えているので、操舵モータから過負荷が作用した場合であっても、伝達機構が破損することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例に係る運搬車2を前方右方上方から見た斜視図である。
図2】実施例に係る車台ユニット4を前方右方下方から見た斜視図である。
図3】実施例に係る車台ユニット4を後方右方上方から見た斜視図である。
図4】実施例に係る車台ユニット4を前後方向および上下方向に沿った断面で見た断面図である。
図5】実施例に係る車台ユニット4を左右方向および上下方向に沿った断面で見た断面図である。
図6】実施例に係るハンドルユニット8を後方右方上方から見た斜視図である。
図7】実施例に係るハンドルユニット8の下部を前方右方下方から見た斜視図である。
図8】実施例に係るハンドルユニット8の支持パイプ78と、クランプ部材80と、固定部材82と、ハンドルシャフト84と、回動角度センサ88を、前方右方下方から見た斜視図である。
図9】実施例に係るハンドルユニット8の可動カム部材90を、後方左方上方から見た斜視図である。
図10】実施例に係るハンドルユニット8の固定カム部材92を、前方左方上方から見た斜視図である。
図11】実施例に係るハンドルユニット8において、右方向へ操舵する操作が行われた状態での、ハンドルユニット8の下部を前後方向および左右方向に沿った断面で見た断面図である。
図12】実施例に係るハンドルユニット8において、右方向へ操舵する操作が行われた状態での、ハンドルユニット8の下部を前方右方下方から見た斜視図である。
図13】変形例に係るハンドルユニット108を後方右方上方から見た斜視図である。
図14】変形例に係るハンドルユニット108の、支持パイプ114と、クランプスリーブ116と、上側アーム板120と、ハンドルスリーブ124を、後方右方上方から見た斜視図である。
図15】変形例に係るハンドルユニット108の下部を前後方向および上下方向に沿った断面で見た断面図である。
図16】変形例に係るハンドルユニット108の支持パイプ114と、クランプスリーブ116と、上側アーム板120と、下側アーム板122と、ハンドルスリーブ124と、ハンドルシャフト126と、スライドスリーブ134と、コイルバネ136を、前方右方下方から見た斜視図である。
図17】変形例に係るハンドルユニット108の下部を左右方向および上下方向に沿った断面で見た断面図である。
図18】変形例に係るハンドルユニット108の支持パイプ114と、クランプスリーブ116と、上側アーム板120と、下側アーム板122と、ハンドルスリーブ124と、ハンドルシャフト126と、コイルバネ136を、前方右方下方から見た斜視図である。
図19】変形例に係るハンドルユニット108において、右方向へ操舵する操作が行われた状態での、ハンドルユニット108の下部を左右方向および上下方向に沿った断面で見た断面図である。
図20】実施例に係る操舵ユニット10および前輪ユニット12を前方左方上方から見た斜視図である。
図21】実施例に係る操舵ユニット10を前方左方上方から見た斜視図である。
図22】実施例に係る操舵ユニット10を前後方向および左右方向に沿った断面で見た断面図である。
図23】実施例に係る操舵ユニット10のスピンドル178、カムホイール180、可動ギヤ182およびコイルバネ184を、後方左方下方から見た分解斜視図である。
図24】実施例に係る操舵ユニット10を前後方向および上下方向に沿った断面で見た断面図である。
図25】実施例に係る右前輪ユニット12aを前方左方上方から見た斜視図である。
図26】実施例に係る右前輪ユニット12aを左右方向および上下方向に沿った断面で見た断面図である。
図27】実施例に係る操舵ユニット10および前輪ユニット12の、沈み込み無し状態における正面図である。
図28】実施例に係る操舵ユニット10および前輪ユニット12の、最大沈み込み状態における正面図である。
図29】実施例に係る操舵ユニット10および前輪ユニット12において、沈み込み無し状態で右方向に操舵した場合の、操舵プレート170、右側タイロッド172、左側タイロッド174、右前輪ユニット12aおよび左前輪ユニット12bの上面図である。
図30】実施例に係る操舵ユニット10および前輪ユニット12において、最大沈み込み状態で右方向に操舵した場合の、操舵プレート170、右側タイロッド172、左側タイロッド174、右前輪ユニット12aおよび左前輪ユニット12bの上面図である。
図31】実施例に係る後輪ユニット14を後方右方上方から見た斜視図である。
図32】実施例に係る右後輪ユニット14aを後方左方上方から見た斜視図である。
図33】実施例に係る運搬車2の下部の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された運搬車、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、運搬車は、車台と、前記車台に支持されており、地面に接地する車輪と、転舵軸周りに回動可能に前記車台に支持されており、前記車輪を回転軸周りに回転可能に保持する保持部材と、ユーザが把持する操舵ハンドルと、前記操舵ハンドルへの前記ユーザによる操作を検出する入力センサと、前記入力センサで検出された前記ユーザによる前記操作に応じて駆動する操舵モータと、前記操舵モータと前記保持部材を連結しており、前記操舵モータの駆動に応じて前記保持部材を前記転舵軸周りに回動させる伝達機構を備えていてもよい。前記操舵ハンドルと前記伝達機構が、機械的に分離されていてもよい。前記伝達機構は、前記操舵モータと前記保持部材の間に介在するトルクリミッタを備えていてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、伝達機構が、操舵モータと保持部材の間に介在するトルクリミッタを備えているので、操舵モータから過負荷が作用した場合であっても、伝達機構が破損することを抑制することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記伝達機構は、前記操舵モータと前記保持部材の間に配置されており、前記伝達機構における操舵角を検出するための操舵角センサを備えていてもよい。前記トルクリミッタは、前記操舵モータと前記操舵角センサの間に配置されていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、トルクリミッタが、操舵モータと操舵角センサの間に配置されているので、トルクリミッタが作動して伝達機構における動力の伝達が遮断された場合であっても、操舵角センサを用いて検出される操舵角と伝達機構における実際の操舵角がずれてしまうことを抑制することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記伝達機構は、前記車台に対して回動可能であり、前記操舵モータの駆動に応じて回動する操舵シャフトと、前記操舵シャフトに固定されたリンク部材と、一端が前記リンク部材に回動可能に取り付けられており、他端が前記保持部材に回動可能に取り付けられたタイロッドをさらに備えていてもよい。前記操舵角センサは、前記操舵モータと前記操舵シャフトの間に配置されていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、トルクリミッタと操舵角センサを、車輪や保持部材から離れた位置に配置することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記伝達機構は、前記車台に対して回動可能であり、前記操舵モータと前記操舵シャフトの間に介在する中継シャフトをさらに備えていてもよい。前記中継シャフトは、第1ギヤ部を有していてもよい。前記操舵シャフトは、前記第1ギヤ部と噛み合う第2ギヤ部を有していてもよい。前記操舵角センサは、前記中継シャフトに取り付けられていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、操舵角センサによる操舵角の検出をより精度よく行うことができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記伝達機構は、前記車台に対して回動可能であり、前記操舵モータの駆動に応じて回動するスピンドルをさらに備えていてもよい。前記スピンドルは、円筒ウォーム部を有していてもよい。前記中継シャフトは、前記円筒ウォーム部と噛み合うウォームホイール部をさらに有していてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、スピンドルから中継シャフトへ回転が伝達するものの、中継シャフトからスピンドルへ回転が伝達しないので、例えば外力によって保持部材が転舵軸周りのトルクを受けた場合であっても、そのトルクが伝達機構を介して操舵モータへ伝達することを抑制することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記操舵モータは、前記操舵モータの駆動に応じて回転するモータシャフトを備えていてもよい。前記モータシャフトは、第3ギヤ部を有していてもよい。前記トルクリミッタは、前記スピンドルに固定されたカムホイールと、前記スピンドルの軸方向に沿って前記スピンドルに対して移動可能であり、前記第3ギヤ部と噛み合う可動ギヤと、前記可動ギヤを前記スピンドルに対して前記カムホイールに向けて付勢するコイルバネを備えていてもよい。前記カムホイールは、カム溝を有していてもよい。前記可動ギヤは、前記カム溝に対応するカム突起を有していてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、トルクリミッタを実現することができる。
【0023】
(実施例)
図1に示す運搬車2は、車台ユニット4と、荷台ユニット6と、ハンドルユニット8と、操舵ユニット10と、前輪ユニット12と、後輪ユニット14を備えている。運搬車2は、荷台ユニット6に積載された荷物を運搬する。運搬車2は、車台ユニット4に搭載された受信機(図示せず)を備えている。運搬車2は、ハンドルユニット8の後方に立ったユーザがハンドルユニット8を把持した状態で前方または後方へ移動する手動モードで動作することができる。あるいは、運搬車2は、車台ユニット4の前方に立ったユーザが携帯するビーコン(図示せず)を追尾して移動する追従運転や、ユーザが携帯するリモコン(図示せず)からの指示に応じて移動するリモコン運転を行う自動モードで動作することもできる。この場合、運搬車2は、受信機によって、ビーコンやリモコンからの電波を受信する。あるいは、運搬車2は、後輪ユニット14をロックしてその場で停止し続けるパーキングモードで動作することもできる。
【0024】
(車台ユニット4)
図2図3に示すように、車台ユニット4は、ベースプレート20と、前側支持部材22と、後側支持部材24と、右下側フレーム26と、左下側フレーム28と、右上側フレーム30と、左上側フレーム32と、バッテリボックス34と、コントローラケース36を備えている。ベースプレート20は、アルミ製の部材であって、長手方向が前後方向に沿っており、短手方向が左右方向に沿った、略矩形の平板形状を有している。図2に示すように、前側支持部材22は、鋼製の部材であって、ベースプレート20の前部において、ベースプレート20の下面に固定されている。後側支持部材24は、鋼製の部材であって、ベースプレート20の後部において、ベースプレート20の下面に固定されている。右下側フレーム26と左下側フレーム28は、いずれも鋼製の部材であって、ベースプレート20よりも下方で、前後方向に延びている。右下側フレーム26の前部と左下側フレーム28の前部は、それぞれ、前側支持部材22に固定されている。右下側フレーム26の後部と左下側フレーム28の後部は、それぞれ、後側支持部材24に固定されている。図3に示すように、右上側フレーム30と左上側フレーム32は、いずれもアルミ製の部材であって、ベースプレート20よりも上方で、前後方向に延びている。右上側フレーム30と左上側フレーム32は、それぞれ、ベースプレート20の上面に固定されている。
【0025】
図3に示すように、バッテリボックス34は、樹脂製の部材であって、ベースプレート20の後部近傍で、ベースプレート20よりも下方に配置されている。バッテリボックス34は、後側支持部材24に固定されている。図4に示すように、バッテリボックス34の内部には、バッテリパック38を着脱可能なバッテリ取付部40が設けられている。バッテリパック38は、例えばリチウムイオン電池セル等の二次電池セルを備えている。運搬車2は、バッテリ取付部40に取り付けられたバッテリパック38から供給される電力によって動作する。バッテリボックス34の後部には、開閉可能なバッテリカバー42が設けられている。バッテリカバー42を開いた状態とし、バッテリパック38をバッテリ取付部40に対して前後方向にスライドさせることで、バッテリパック38をバッテリ取付部40に対して着脱することができる。
【0026】
図2に示すように、コントローラケース36は、樹脂製の部材であって、ベースプレート20の中央近傍で、ベースプレート20よりも下方に配置されている。コントローラケース36は、右下側フレーム26の上面および左下側フレーム28の上面に載置された状態で、右下側フレーム26と左下側フレーム28に固定されている。図4図5に示すように、コントローラケース36は、1つのメイン制御回路基板44と、2つの駆動制御回路基板46,48と、4つの電気ブレーキ回路基板50,52,54,56を保持している。
【0027】
図4に示すように、メイン制御回路基板44は、回路基板ケース44aの内部に収容されている。回路基板ケース44aは、コントローラケース36の内部の後方に収容されている。回路基板ケース44aは、メイン制御回路基板44が上下方向および左右方向に沿うように配置されている。メイン制御回路基板44には、運搬車2の動作を制御するための回路が搭載されている。
【0028】
図5に示すように、駆動制御回路基板46,48は、それぞれ、回路基板ケース46a,48aの内部に収容されている。図4に示すように、回路基板ケース46a,48aは、コントローラケース36の内部の前方下方に収容されている。回路基板ケース46a,48aは、駆動制御回路基板46,48が前後方向および左右方向に沿うように配置されている。駆動制御回路基板46,48は、それぞれ、メイン制御回路基板44に電気的に接続されている。駆動制御回路基板46,48の動作は、メイン制御回路基板44により制御される。駆動制御回路基板46,48には、後述する操舵モータ176、右前輪モータ232、左前輪モータ242、右後輪モータ、左後輪モータ、右後輪電磁ブレーキ、左後輪電磁ブレーキの動作を制御するための回路が搭載されている。
【0029】
図5に示すように、電気ブレーキ回路基板50,52,54,56は、それぞれ、放熱ケース50a,52a,54a,56aに取り付けられている。放熱ケース50a,52a,54a,56aは、それぞれ、電気ブレーキ回路基板50,52,54,56を収容する回路基板収容部50b、52b、54b、56bと、放熱フィン50c、52c、54c、56cと、冷却ファン50d,52d,54d,56dを備えている。放熱ケース50a,52aは、コントローラケース36の内部の前方上方に収容されている。放熱ケース50a,52aは、電気ブレーキ回路基板50,52が前後方向および左右方向に沿うように、かつ冷却ファン50d、52dが上方を向くように配置されている。放熱ケース54a,56aは、コントローラケース36の外部の前方下方でコントローラケース36に固定された放熱プレート58に固定されている。放熱ケース54a,56aは、電気ブレーキ回路基板54,56が前後方向および左右方向に沿うように、かつ冷却ファン54d,56dが下方を向くように配置されている。電気ブレーキ回路基板50,54および冷却ファン50d,54dは、駆動制御回路基板46に電気的に接続されている。電気ブレーキ回路基板50,54および冷却ファン50d,54dの動作は、駆動制御回路基板46によって制御される。電気ブレーキ回路基板52,56および冷却ファン52d,56dは、駆動制御回路基板48に電気的に接続されている。電気ブレーキ回路基板52,56および冷却ファン52d,56dの動作は、駆動制御回路基板48によって制御される。電気ブレーキ回路基板50,52,54,56には、後述する右前輪モータ232、左前輪モータ242、右後輪モータ、左後輪モータに、電気ブレーキを作用させるための回路が搭載されている。
【0030】
(荷台ユニット6)
図1に示すように、荷台ユニット6は、メインフレーム60と、右側ガード62と、左側ガード64と、前側ガード66を備えている。メインフレーム60と、右側ガード62と、左側ガード64と、前側ガード66は、いずれも、鋼製の丸パイプから構成されている。メインフレーム60は、車台ユニット4のベースプレート20の上方において、前後方向および左右方向に沿うように配置されている。メインフレーム60は、車台ユニット4の右上側フレーム30と左上側フレーム32の上面に載置された状態で、右上側フレーム30と左上側フレーム32に固定されている。メインフレーム60の上面には、運搬車2によって運搬する荷物が載置される。右側ガード62は、メインフレーム60の上面よりも上方に突出するように、メインフレーム60の右端に取り付けられている。右側ガード62は、前後方向および上下方向に沿うように配置されている。左側ガード64は、メインフレーム60の上面よりも上方に突出するように、メインフレーム60の左端に取り付けられている。左側ガード64は、前後方向および上下方向に沿うように配置されている。前側ガード66は、メインフレーム60の上面よりも上方に突出するように、メインフレーム60の前端に取り付けられている。前側ガード66は、左右方向および上下方向に沿うように配置されている。
【0031】
(ハンドルユニット8)
図6に示すように、ハンドルユニット8は、スイッチボックス70と、右側ハンドル72と、左側ハンドル74と、ハンドルアーム76と、支持パイプ78と、クランプ部材80と、固定部材82と、ハンドルシャフト84と、ベース部材86と、回動角度センサ88と、可動カム部材90と、固定カム部材92と、コイルバネ94を備えている。なお、以下では右側ハンドル72と、左側ハンドル74と、ハンドルアーム76と、支持パイプ78を総称して、操舵ハンドル73ともいう。
【0032】
スイッチボックス70には、主電源スイッチ96と、モード切換スイッチ98と、トリガスイッチ100と、進行方向切換スイッチ102と、速度切換スイッチ104と、警笛スイッチ106が設けられている。主電源スイッチ96は、運搬車2の主電源のオン/オフを切り替えることができる。モード切換スイッチ98は、運搬車2の動作モードを、手動モード、自動モードおよびパーキングモードの間で切り換えることができる。トリガスイッチ100は、手動モードにおいて、運搬車2の前進や後退のオン/オフを切り替えることや、運搬車2の進行速度の調整を行うことができる。進行方向切換スイッチ102は、手動モードにおいて、運搬車2の進行方向を切り換えることができる。速度切換スイッチ104は、手動モードにおいて、運搬車2の進行速度を切り換えることができる。警笛スイッチ106は、スイッチボックス70に内蔵されたブザー(図示せず)によって警笛を鳴らすことができる。主電源スイッチ96、モード切換スイッチ98、トリガスイッチ100、進行方向切換スイッチ102、速度切換スイッチ104、警笛スイッチ106、ブザーは、それぞれ、メイン制御回路基板44(図4参照)に電気的に接続されている。
【0033】
右側ハンドル72は、上下方向に伸びる支持部72aと、支持部72aの上端から右方に屈曲したハンドル部72bを備えている。支持部72aの下端は、ハンドルアーム76に固定されている。ハンドル部72bの右端には、右側グリップ72cが設けられている。スイッチボックス70は、右側グリップ72cよりも左方で、ハンドル部72bに固定されている。左側ハンドル74は、上下方向に伸びる支持部74aと、支持部74aの上端から左方に屈曲したハンドル部74bを備えている。支持部74aの下端は、ハンドルアーム76に固定されている。ハンドル部74bの左端には、左側グリップ74cが設けられている。ハンドルアーム76には、支持パイプ78の上端が固定されている。支持パイプ78は、上下方向に延びている。クランプ部材80は、支持パイプ78を左右両側から挟持するクランプ片80a,80bを備えている。クランプ片80a,80bの後端には、締結具(図示せず)により締結される締結部80cが形成されている。締結部80cの締結具が締め付けられると、クランプ片80a,80bが支持パイプ78の外面に強く押し付けられ、支持パイプ78はクランプ部材80に対して固定される。締結部80cの締結具が緩められると、クランプ片80a,80bが支持パイプ78の外面に押し付けられず、支持パイプ78はクランプ部材80に対して上下方向に移動可能となり、かつ上下方向周りに回動可能となる。締結部80cの締結具を緩めた状態で、支持パイプ78をクランプ部材80に対して所望の位置および角度に調整した後、締結部80cの締結具を締め付けることで、クランプ部材80に対する支持パイプ78の位置および角度を固定することができる。
【0034】
図7に示すように、クランプ部材80の前部は、固定部材82に固定されている。固定部材82には、ハンドルシャフト84の上端が固定されている。ハンドルシャフト84の下端は、ベース部材86に回動可能に支持されている。ベース部材86は、車台ユニット4のベースプレート20の上面に固定されている。ベース部材86の下部には、回動角度センサ88が固定されている。回動角度センサ88は、ハンドルシャフト84の下端に連結している。回動角度センサ88は、ベース部材86に対するハンドルシャフト84の回動角度を検出する。回動角度センサ88は、例えば、回動角度の変化に応じた電気抵抗値の変化を検出するポテンショメータであってもよい。あるいは、回動角度センサ88は、ベース部材86に対して位置が固定されたホール素子と、ハンドルシャフト84に対して位置が固定された永久磁石を備える磁気ロータリセンサであってもよい。回動角度センサ88は、メイン制御回路基板44(図4参照)に電気的に接続されている。
【0035】
図8に示すように、ハンドルシャフト84には、ガイド突起84aが設けられている。ガイド突起84aは、ハンドルシャフト84の外周面から径方向外側に突出しており、ハンドルシャフト84の軸方向に沿って延びている。
【0036】
図9に示すように、可動カム部材90は、略円筒形状を有している。可動カム部材90の下部には、下方に向けて延びるカム凸部90a,90bが形成されている。カム凸部90a,90bには、それぞれ、第1カム面90c,90dと、第2カム面90e,90fが設けられている。第1カム面90c,90dは、可動カム部材90を上方から見たときに、時計方向に向かうにつれて下方から上方へ向かうように傾斜している。第2カム面90e,90fは、可動カム部材90を上方から見たときに、反時計方向に向かうにつれて下方から上方へ向かうように傾斜している。可動カム部材90の内周面には、ガイド溝90gが形成されている。ガイド溝90gは、ガイド突起84a(図8参照)に対応する幅を有しており、可動カム部材90の中心軸に沿う方向に延びている。可動カム部材90がハンドルシャフト84に取り付けられる際には、ガイド突起84aがガイド溝90gに上下方向に摺動可能に係合する。このため、可動カム部材90はハンドルシャフト84に上下方向に移動可能に保持される。可動カム部材90の上部には、コイルバネ94を支持するバネ受け部90hが形成されている。図7に示すように、コイルバネ94は、固定部材82に対して可動カム部材90を下方に向けて付勢する。
【0037】
図10に示すように、固定カム部材92は、略円筒形状の円筒部92aと、円筒部92aの下端から径方向外側に延びるフランジ部92bを備えている。固定カム部材92は、フランジ部92bがベース部材86(図7参照)の上面に締結具(図示せず)により締結されることで、ベース部材86に固定されている。円筒部92aの上部には、可動カム部材90のカム凸部90a,90bに対応するカム凹部92c,92dが形成されている。カム凹部92c,92dには、それぞれ、第1カム面92e,92fと、第2カム面92g,92hが設けられている。第1カム面92e,92fは、それぞれ、可動カム部材90の第1カム面90c,90dに対応している。第2カム面92g,92hは、それぞれ、可動カム部材90の第2カム面90e,90fに対応している。また、円筒部92aの内周面には、ストッパ部92i,92jが設けられている。図11に示すように、ストッパ部92i,92jは、ハンドルシャフト84が固定カム部材92に対して回動した時に、ハンドルシャフト84のガイド突起84aに当接することで、ハンドルシャフト84の回動範囲を規制する。
【0038】
図6に示すハンドルユニット8において、ユーザが操舵ハンドル73を上方から見て時計方向(または反時計方向)に回動させると、ハンドルシャフト84が時計方向(または反時計方向)に回動する。この際に、図12に示すように、可動カム部材90がハンドルシャフト84と一体的に回動することで、可動カム部材90の第1カム面90c,90d(または第2カム面90e,90f)が固定カム部材92の第1カム面92e,92f(または第2カム面92g,92h)に対して摺動し、可動カム部材90は固定カム部材92に対して相対的に回動しながら、コイルバネ94の付勢力に抗して上方に向けて移動する。この際に可動カム部材90が固定カム部材92から受ける反力によるトルクが、操舵ハンドル73を回動させるユーザに作用する。
【0039】
ハンドルユニット8では、固定部材82と、ハンドルシャフト84と、コイルバネ94と、可動カム部材90と、固定カム部材92と、回動角度センサ88が、同一軸上に配置されている。このような構成とすることによって、前後方向および左右方向の寸法を小型化することができる。
【0040】
(ハンドルユニット108)
なお、運搬車2は、ハンドルユニット8の代わりに、図13図19に示すハンドルユニット108を備えていてもよい。図13に示すように、ハンドルユニット108は、スイッチボックス110と、ハンドルバー112と、支持パイプ114と、クランプスリーブ116と、クランプ部材118と、上側アーム板120と、下側アーム板122と、ハンドルスリーブ124と、ハンドルシャフト126(図15参照)と、カバー部材128と、ベース部材130と、回動角度センサ132と、スライドスリーブ134(図15参照)と、コイルバネ136(図15参照)を備えている。なお、以下ではハンドルバー112と、支持パイプ114を総称して、操舵ハンドル113ともいう。
【0041】
ハンドルバー112は、左右方向に延びている。ハンドルバー112の右端には、右側グリップ112aが設けられている。スイッチボックス110は、右側グリップ112aの近傍のハンドルバー112に固定されている。スイッチボックス110は、ハンドルユニット8のスイッチボックス70と略同様の構成を備えている。ハンドルバー112の左端には、左側グリップ112bが設けられている。ハンドルバー112の中央には、支持パイプ114の上端が固定されている。支持パイプ114は、上下方向に延びている。支持パイプ114は、クランプスリーブ116を貫通している。図14に示すように、クランプスリーブ116の上端には、クランプ部116aが設けられている。クランプ部116aには、クランプ部116aの上端から下方に延びるスリット116bが形成されている。図13に示すように、クランプ部材118は、クランプスリーブ116のクランプ部116aを左右両側から挟持するクランプ片118a,118bを備えている。クランプ片118a,118bの後端には、ボルト118cと、ナット118dが取り付けられている。ボルト118cは、クランプ片118a,118bの後部を貫通している。ナット118dは、ボルト118cの先端に螺合している。ナット118dには、ピン118eが設けられている。ピン118eを起こして、ピン118eをボルト118cに対して回転させることで、ナット118dをボルト118cに対して回転させることができる。ナット118dがボルト118cに締め付けられると、クランプ片118a,118bがクランプスリーブ116のクランプ部116aの外面に強く押し付けられ、それによってクランプ部116aの内面が支持パイプ114の外面に強く押し付けられる。これによって、支持パイプ114はクランプスリーブ116に対して固定される。ナット118dがボルト118cに対して緩められると、クランプ片118a,118bがクランプスリーブ116の外面に押し付けられなくなり、それによってクランプ部116aの内面が支持パイプ114の外面に押し付けられなくなる。これによって、支持パイプ114はクランプスリーブ116に対して上下方向に移動可能となり、かつ上下方向周りに回動可能となる。ナット118dをボルト118cに対して緩めた状態で、支持パイプ114をクランプスリーブ116に対して所望の位置および角度に調整した後、ナット118dをボルト118cに締め付けることで、クランプスリーブ116に対する支持パイプ114の位置および角度を固定することができる。
【0042】
図15に示すように、上側アーム板120は、クランプスリーブ116とハンドルスリーブ124を連結している。下側アーム板122は、上側アーム板120よりも下方で、クランプスリーブ116とハンドルスリーブ124を連結している。ハンドルスリーブ124は、ハンドルシャフト126の上端に固定されている。ハンドルシャフト126は、カバー部材128とベース部材130を貫通している。カバー部材128は、カバー部材128の上端においてハンドルシャフト126を回動可能に支持している。ベース部材130は、ベース部材130の下端においてハンドルシャフト126を回動可能に支持している。カバー部材128はベース部材130に固定されている。ベース部材130は、車台ユニット4のベースプレート20(図3参照)の上面に固定されている。ベース部材130の下部には、回動角度センサ132が固定されている。回動角度センサ132は、ハンドルシャフト126の下端に連結している。回動角度センサ132は、ベース部材130に対するハンドルシャフト126の回動角度を検出する。回動角度センサ132は、例えば、回動角度の変化に応じた電気抵抗値の変化を検出するポテンショメータであってもよい。あるいは、回動角度センサ132は、ベース部材130に対して位置が固定されたホール素子と、ハンドルシャフト126に対して位置が固定された永久磁石を備える磁気ロータリセンサであってもよい。回動角度センサ132は、メイン制御回路基板44(図4参照)に電気的に接続されている。
【0043】
スライドスリーブ134は、カバー部材128およびベース部材130の内部において、ハンドルシャフト126の外周面を覆うように、ハンドルシャフト126に取り付けられている。図16に示すように、スライドスリーブ134には、ガイド溝134a,134bと、バネ受け部134cと、ボール保持孔134d,134e(図17参照)が設けられている。ガイド溝134a,134bは、スライドスリーブ134の外周面から径方向内側に陥凹しており、上下方向に沿って延びている。ガイド溝134a,134bには、上下方向に沿って延びるガイドピン150a,150bが摺動可能に係合している。図15に示すように、ガイドピン150a,150bの下部は、ベース部材130に固定されている。このため、スライドスリーブ134は、ベース部材130に対して上下方向に移動可能に保持されている。バネ受け部134cは、コイルバネ136の下端を支持する。コイルバネ136は、カバー部材128およびベース部材130の内部に配置されており、カバー部材128に対してスライドスリーブ134を下方に向けて付勢する。なお、以下の説明では、カバー部材128の上部の、コイルバネ136の上端を支持する部分を、固定部材128aともいう。
【0044】
図17に示すように、ボール保持孔134d,134eには、ボール152a,152bが内側から入り込んでいる。ボール保持孔134d,134eの内径は、ボール152a,152bの外径よりも僅かに大きい。ボール保持孔134d,134eの外側はベース部材130によって覆われているので、ボール保持孔134d,134eは、ボール152a,152bを回転可能に保持している。ボール152a,152bは、ハンドルシャフト126の外周面に形成されたボール溝126a,126bにも、外側から入り込んでいる。図18に示すように、ボール溝126a,126bは、それぞれ、ハンドルシャフト126を上方から見たときに、反時計方向に向かうにつれて下方から上方へ向かうように傾斜した第1ボール溝126c,126dと、時計方向に向かうにつれて下方から上方へ向かうように傾斜した第2ボール溝126e,126fを備えている。ボール152a,152bは、それぞれ、第1ボール溝126c,126dおよび第2ボール溝126e,126fに沿って転動可能である。なお、以下の説明では、スライドスリーブ134とボール152a,152bを総称して、可動カム部材135(図17参照)ともいう。
【0045】
図13に示すハンドルユニット108において、ユーザが操舵ハンドル113を上方から見て時計方向(または反時計方向)に回動させると、ハンドルシャフト126が時計方向(または反時計方向)に回動する。この際に、図19に示すように、ボール保持孔134d,134eに保持されたボール152a,152bが、ハンドルシャフト126の第1ボール溝126c,126d(または第2ボール溝126e,126f)を転動することで、スライドスリーブ134はコイルバネ136の付勢力に抗して上方に向けて移動する。この際にハンドルシャフト126がボール152a,152bを介してスライドスリーブ134から受ける反力によるトルクが、操舵ハンドル113を回動させるユーザに作用する。
【0046】
ハンドルユニット108では、固定部材128aと、ハンドルシャフト126と、コイルバネ136と、可動カム部材135と、回動角度センサ132が、同一軸上に配置されている。このような構成とすることによって、前後方向および左右方向の寸法を小型化することができる。また、ハンドルユニット108では、カバー部材128とベース部材130によって、ハンドルシャフト126の大部分と、コイルバネ136と、可動カム部材135の周囲が覆われている。このような構成とすることによって、ハンドルシャフト126やコイルバネ136、可動カム部材135に泥や水が付着して動作不良を生じることを抑制することができる。
【0047】
(操舵ユニット10)
図20に示すように、操舵ユニット10は、車台ユニット4のベースプレート20(図2参照)の前部下方において、前側支持部材22に取り付けられている。操舵ユニット10は、前輪ユニット12に連結されており、前輪ユニット12の操舵を行う。
【0048】
図21に示すように、操舵ユニット10は、モータハウジング160と、モータ支持部材162と、ギヤハウジング164と、操舵角センサ166と、操舵シャフト168と、操舵プレート170と、右側タイロッド172と、左側タイロッド174を備えている。モータハウジング160は、モータ支持部材162に固定されている。モータ支持部材162は、ギヤハウジング164に固定されている。ギヤハウジング164は、車台ユニット4の前側支持部材22(図20参照)に固定されている。
【0049】
図22に示すように、モータハウジング160の内部には、操舵モータ176が収容されている。操舵モータ176は、例えば、インナロータ型のブラシレスDCモータである。操舵モータ176は、駆動制御回路基板46(図5参照)に電気的に接続されている。駆動制御回路基板46は、操舵モータ176の動作を制御する。操舵モータ176は、前後方向に延びるモータシャフト176aを備えている。モータシャフト176aは、後端近傍においてモータハウジング160に回転可能に保持されており、前部においてモータ支持部材162に回転可能に保持されている。モータシャフト176aの前部は、モータ支持部材162を貫通して、ギヤハウジング164の内部に入り込んでいる。モータシャフト176aの前端近傍には、ギヤ部176bが形成されている。
【0050】
ギヤハウジング164の内部には、スピンドル178と、カムホイール180と、可動ギヤ182と、コイルバネ184と、円筒ウォーム186と、ウォームホイール188と、中継シャフト190が収容されている。スピンドル178は、前後方向に沿うように配置されている。スピンドル178は、前端近傍と後部において、ギヤハウジング164に回転可能に保持されている。また、スピンドル178は、後端近傍において、モータ支持部材162に回転可能に保持されている。
【0051】
カムホイール180は、スピンドル178の後端近傍に固定されている。図23に示すように、カムホイール180の前面には、カム溝180aが形成されている。可動ギヤ182は、カムホイール180よりも前方で、スピンドル178に取り付けられている。可動ギヤ182は、スピンドル178に対して前後方向に移動可能であり、かつ前後方向周りに回転可能に、スピンドル178に保持されている。可動ギヤ182の外周面には、モータシャフト176aのギヤ部176b(図22参照)と噛み合うギヤ部182aが形成されている。可動ギヤ182の後部には、カムホイール180が入り込む凹部182bが形成されている。凹部182bには、カムホイール180のカム溝180aに対応するカム突起182cが形成されている。コイルバネ184は、可動ギヤ182よりも前方で、スピンドル178に取り付けられている。コイルバネ184は、スピンドル178に設けられたバネ受け部178aに保持されている。コイルバネ184は、スピンドル178に対して可動ギヤ182を後方に向けて付勢する。
【0052】
モータシャフト176a(図22参照)が回転すると、可動ギヤ182も回転する。可動ギヤ182のカム突起182cがカムホイール180のカム溝180aに係合している場合、可動ギヤ182の回転に伴ってカムホイール180が回転し、それによってスピンドル178も回転する。可動ギヤ182とカムホイール180の間に作用するトルクが小さい場合、コイルバネ184の付勢力によってカム突起182cとカム溝180aの係合が維持されて、モータシャフト176aからスピンドル178への回転の伝達が維持される。これに対して、可動ギヤ182とカムホイール180の間に作用するトルクが大きい場合は、コイルバネ184の付勢力に抗して可動ギヤ182が前方に向けて移動し、カム突起182cとカム溝180aの係合が解除されて、モータシャフト176aからスピンドル178への回転の伝達が遮断される。すなわち、カムホイール180と、可動ギヤ182と、コイルバネ184によって、トルクリミッタ181が構成されている。
【0053】
図22に示すように、円筒ウォーム186は、スピンドル178の前部に固定されている。ウォームホイール188は、円筒ウォーム186と噛み合うように配置されている。図24に示すように、ウォームホイール188は、中継シャフト190の上部に固定されている。中継シャフト190は、上下方向に沿うように配置されている。中継シャフト190は、上端近傍と中央部において、ギヤハウジング164に回転可能に保持されている。中継シャフト190の下端近傍には、ギヤ部190aが形成されている。
【0054】
ギヤハウジング164の上部には、操舵角センサ166が固定されている。操舵角センサ166は、中継シャフト190の上端に連結している。操舵角センサ166は、ギヤハウジング164に対する中継シャフト190の回動角度を検出する。操舵角センサ166は、例えば、回動角度の変化に応じた電気抵抗値の変化を検出するポテンショメータであってもよい。あるいは、操舵角センサ166は、ギヤハウジング164に対して位置が固定されたホール素子と、中継シャフト190に対して位置が固定された永久磁石を備える磁気ロータリセンサであってもよい。操舵角センサ166は、メイン制御回路基板44(図4参照)に電気的に接続されている。
【0055】
操舵シャフト168は、上端近傍と上部において、ギヤハウジング164に回転可能に保持されている。操舵シャフト168は、上下方向に沿うように配置されている。操舵シャフト168の上部には、中継シャフト190のギヤ部190aと噛み合うギヤ部168aが形成されている。操舵シャフト168の下端は、操舵プレート170の前端近傍に固定されている。図21に示すように、操舵プレート170は、前後方向に長手方向を有しており、左右方向に短手方向を有する、細長い平板形状を有している。操舵プレート170の後端近傍には、右側タイロッド172の後端と、左側タイロッド174の後端が、それぞれ連結されている。右側タイロッド172の後端は、操舵プレート170に対して、右側タイロッド172の長手方向に直交する二軸周りに回動可能に連結されている。左側タイロッド174の後端は、操舵プレート170に対して、左側タイロッド174の長手方向に直交する二軸周りに回動可能に連結されている。
【0056】
図22に示すように、モータシャフト176aの回転によってスピンドル178が回転すると、円筒ウォーム186とウォームホイール188を介して、スピンドル178の回転が中継シャフト190に伝達する。図24に示すように、中継シャフト190が回動すると、それに伴って操舵シャフト168が回動し、操舵プレート170の後端が左右方向に回動する。この操舵プレート170の回動により、図21に示す右側タイロッド172および左側タイロッド174が移動し、前輪ユニット12の操舵が行われる。なお、以下の説明では、操舵シャフト168と、操舵プレート170と、右側タイロッド172と、左側タイロッド174と、スピンドル178と、トルクリミッタ181と、円筒ウォーム186と、ウォームホイール188と、中継シャフト190を総称して、伝達機構169ともいう。
【0057】
メイン制御回路基板44(図4参照)は、手動モードにおいて、ハンドルユニット8,108(図6図13参照)の回動角度センサ88,132からの検出信号に基づいて、操舵ユニット10において実現されるべき操舵角を算出する。そして、メイン制御回路基板44は、操舵ユニット10において実現されるべき操舵角に基づいて、操舵モータ176で実現されるべき回転角度を算出し、駆動制御回路基板48に操舵モータ176の駆動を指示する。これによって、操舵ユニット10において、ハンドルユニット8,108でのユーザの操作に応じた操舵角が実現される。
【0058】
(前輪ユニット12)
図20に示すように、前輪ユニット12は、車台ユニット4のベースプレート20(図2参照)の前部下方において、前側支持部材22に取り付けられている。前輪ユニット12は、右前輪ユニット12aと、左前輪ユニット12bを備えている。右前輪ユニット12aは、右前輪192と、右側ギヤハウジング194と、右側モータハウジング196と、右側キングピン198と、右側スリーブ200と、右上側アーム202と、右下側アーム204と、右側緩衝部材206と、右側操舵プレート208と、右側実舵角センサ210を備えている。左前輪ユニット12bは、左前輪212と、左側ギヤハウジング214と、左側モータハウジング216と、左側キングピン218(図27参照)と、左側スリーブ220と、左上側アーム222と、左下側アーム224と、左側緩衝部材226と、左側操舵プレート228と、左側実舵角センサ230を備えている。なお、以下の説明では、右側ギヤハウジング194と、右側キングピン198と、右側スリーブ200と、右側操舵プレート208を総称して右側保持部材195ともいい、左側ギヤハウジング214と、左側キングピン218と、左側スリーブ220と、左側操舵プレート228を総称して左側保持部材215ともいう。また、右側保持部材195と、右上側アーム202と、右下側アーム204と、右側緩衝部材206と、左側保持部材215と、左上側アーム222と、左下側アーム224と、左側緩衝部材226と、操舵ユニット10を総称して、懸架機構11ともいう。
【0059】
図25に示すように、右側ギヤハウジング194は、右前輪192の左側に配置されている。右側モータハウジング196は、右側ギヤハウジング194の左部に固定されている。図26に示すように、右側モータハウジング196の内部には、右前輪モータ232が収容されている。右前輪モータ232は、例えば、インナロータ型のブラシレスDCモータである。右前輪モータ232は、駆動制御回路基板46(図5参照)に電気的に接続されている。駆動制御回路基板46は、右前輪モータ232の動作を制御する。右前輪モータ232は、左右方向に延びる右前輪モータシャフト232aと、右前輪モータシャフト232aの回転数を検出する右前輪モータ回転数センサ232bを備えている。右前輪モータシャフト232aは、左端近傍において右側モータハウジング196に回転可能に保持されており、右端近傍において右側ギヤハウジング194に回転可能に保持されている。右前輪192は、左方に延びる右前輪アクスル192aを備えている。右前輪アクスル192aは、左端近傍において右側ギヤハウジング194に回転可能に保持されている。右側ギヤハウジング194の内部には、遊星歯車機構234が収容されている。遊星歯車機構234は、右前輪モータシャフト232aの回転を減速して右前輪アクスル192aに伝達する。右前輪モータ232が駆動すると、右前輪モータシャフト232aの回転が遊星歯車機構234を介して右前輪アクスル192aに伝達して、右前輪192が回転する。
【0060】
右側キングピン198は、右側ギヤハウジング194の上部に固定されている。右側キングピン198は、上下方向に沿って延びている。右側キングピン198の上部は、右側スリーブ200の内部に入り込んでいる。右側キングピン198は、右側スリーブ200の上端近傍と下端近傍において、右側スリーブ200に回転可能に保持されている。図25に示すように、右側スリーブ200の上部には、右上側アーム202の右端が、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。右側スリーブ200の下部には、右下側アーム204の右端が、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。図20に示すように、右上側アーム202の左端は、前側支持部材22の右上側連結部22aに、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。右下側アーム204の左端は、前側支持部材22の右下側連結部22bに、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。このため、右側スリーブ200は、前側支持部材22に、右上側アーム202と右下側アーム204の可動範囲内で移動可能に支持されている。
【0061】
右側緩衝部材206は、ダンパ206aと、コイルバネ206bを備えている。右側緩衝部材206の上端は、前側支持部材22の前面に、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。右側緩衝部材206の下端は、右下側アーム204の前面に、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。このため、右前輪192が前側支持部材22に対して上下方向に移動する際には、ダンパ206aによる減衰力と、コイルバネ206bによる弾性復元力により、右前輪192からの衝撃や振動が車台ユニット4に伝達することが抑制される。
【0062】
図25に示すように、右側操舵プレート208は、右側キングピン198の下端近傍に固定されている。右側操舵プレート208の左前端には、右側タイロッド172の前端が、右側タイロッド172の長手方向に直交する二軸周りに回動可能に連結されている。右前輪ユニット12aを上方から見た時に、右側タイロッド172は、右上側アーム202および右下側アーム204に対して交差している。前輪ユニット12が右方向(または左方向)に操舵される場合には、操舵プレート170(図21参照)の後端が右方向(または左方向)に移動し、それによって右側操舵プレート208と、右側キングピン198と、右側ギヤハウジング194と、右側モータハウジング196と、右前輪192が、右側キングピン198の軸方向を転舵軸として、右側スリーブ200を上方から見た時に、右側スリーブ200に対して時計回りに(または反時計回りに)回動する。
【0063】
右側実舵角センサ210は、右側スリーブ200の上部に固定されている。右側実舵角センサ210は、右側キングピン198の上端に連結している。右側実舵角センサ210は、右側スリーブ200に対する右側キングピン198の回動角度を検出する。右側実舵角センサ210は、例えば、回動角度の変化に応じた電気抵抗値の変化を検出するポテンショメータであってもよい。あるいは、右側実舵角センサ210は、右側スリーブ200に対して位置が固定されたホール素子と、右側キングピン198に対して位置が固定された永久磁石を備える磁気ロータリセンサであってもよい。右側実舵角センサ210は、メイン制御回路基板44(図4参照)に電気的に接続されている。
【0064】
図20に示すように、左前輪ユニット12bは、右前輪ユニット12aと左右対称の構成を備えている。以下では、右前輪ユニット12aを図示した図25図26を参照しながら、左前輪ユニット12bについて説明する。
【0065】
図25に示すように、左側ギヤハウジング214は、左前輪212の右側に配置されている。左側モータハウジング216は、左側ギヤハウジング214の右部に固定されている。図26に示すように、左側モータハウジング216の内部には、左前輪モータ242が収容されている。左前輪モータ242は、例えば、インナロータ型のブラシレスDCモータである。左前輪モータ242は、駆動制御回路基板48(図5参照)に電気的に接続されている。駆動制御回路基板48は、左前輪モータ242の動作を制御する。左前輪モータ242は、左右方向に延びる左前輪モータシャフト242aと、左前輪モータシャフト242aの回転数を検出する左前輪モータ回転数センサ242bを備えている。左前輪モータシャフト242aは、右端近傍において左側モータハウジング216に回転可能に保持されており、左端近傍において左側ギヤハウジング214に回転可能に保持されている。左前輪212は、右方に延びる左側アクスル212aを備えている。左側アクスル212aは、右端近傍において左側ギヤハウジング214に回転可能に保持されている。左側ギヤハウジング214の内部には、遊星歯車機構244が収容されている。遊星歯車機構244は、左前輪モータシャフト242aの回転を減速して左側アクスル212aに伝達する。左前輪モータ242が駆動すると、左前輪モータシャフト242aの回転が遊星歯車機構244を介して左側アクスル212aに伝達して、左前輪212が回転する。
【0066】
左側キングピン218は、左側ギヤハウジング214の上部に固定されている。左側キングピン218は、上下方向に沿って延びている。左側キングピン218の上部は、左側スリーブ220の内部に入り込んでいる。左側キングピン218は、左側スリーブ220の上端近傍と下端近傍において、左側スリーブ220に回転可能に保持されている。図25に示すように、左側スリーブ220の上部には、左上側アーム222の左端が、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。左側スリーブ220の下部には、左下側アーム224の左端が、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。図20に示すように、左上側アーム222の右端は、前側支持部材22の左上側連結部22cに、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。左下側アーム224の右端は、前側支持部材22の左下側連結部22dに、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。このため、左側スリーブ220は、前側支持部材22に、左上側アーム222と左下側アーム224の可動範囲内で移動可能に支持されている。
【0067】
左側緩衝部材226は、ダンパ226aと、コイルバネ226bを備えている。左側緩衝部材226の上端は、前側支持部材22の前面に、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。左側緩衝部材226の下端は、左下側アーム224の前面に、前後方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。このため、左前輪212が前側支持部材22に対して上下方向に移動する際には、ダンパ226aによる減衰力と、コイルバネ226bによる弾性復元力により、左前輪212からの衝撃や振動が車台ユニット4に伝達することが抑制される。
【0068】
図25に示すように、左側操舵プレート228は、左側キングピン218の下端近傍に固定されている。左側操舵プレート228の右前端には、左側タイロッド174の前端が、左側タイロッド174の長手方向に直交する二軸周りに回動可能に連結されている。左前輪ユニット12bを上方から見た時に、左側タイロッド174は、左上側アーム222および左下側アーム224に対して交差している。前輪ユニット12が右方向(または左方向)に操舵される場合には、操舵プレート170(図21参照)の後端が右方向(または左方向)に移動し、それによって左側操舵プレート228と、左側キングピン218と、左側ギヤハウジング214と、左側モータハウジング216と、左前輪212が、左側キングピン218の軸方向を転舵軸として、左側スリーブ220を上方から見た時に、左側スリーブ220に対して時計回りに(または反時計回りに)回動する。
【0069】
左側実舵角センサ230は、左側スリーブ220の上部に固定されている。左側実舵角センサ230は、左側キングピン218の上端に連結している。左側実舵角センサ230は、左側スリーブ220に対する左側キングピン218の回動角度を検出する。左側実舵角センサ230は、例えば、回動角度の変化に応じた電気抵抗値の変化を検出するポテンショメータであってもよい。あるいは、左側実舵角センサ230は、左側スリーブ220に対して位置が固定されたホール素子と、左側キングピン218に対して位置が固定された永久磁石を備える磁気ロータリセンサであってもよい。左側実舵角センサ230は、メイン制御回路基板44(図4参照)に電気的に接続されている。
【0070】
図27に示すように、車台ユニット4が右前輪192や左前輪212に対して沈み込んでいない場合(以下では沈み込み無しの状態ともいう)には、操舵プレート170は右側操舵プレート208や左側操舵プレート228よりも第1所定高さH1だけ上方に位置している。このような、沈み込み無しの状態は、例えば、荷台ユニット6に荷物が載置されておらず、運搬車2が停止している場合に実現される。これに対して、図28に示すように、車台ユニット4が右前輪192や左前輪212に対して最大限に沈み込んだ場合(以下では最大沈み込みの状態ともいう)には、操舵プレート170は右側操舵プレート208や左側操舵プレート228よりも第2所定高さH2だけ下方に位置している。このような、最大沈み込みの状態は、例えば、運搬車2の使用中に、右側緩衝部材206、左側緩衝部材226で許容される最大の負荷が右側緩衝部材206、左側緩衝部材226にかかっている場合に実現される。本実施例の運搬車2では、第1所定高さH1と第2所定高さH2は略等しい。この場合、図29に示すように、沈み込み無しの状態において、上下方向に対して直交する平面に右側タイロッド172および左側タイロッド174を投影した時の長さR1,L1と、図30に示すように、最大沈み込みの状態において、上下方向に対して直交する平面に右側タイロッド172および左側タイロッド174を投影した時の長さR2,L2は、略等しくなる。
【0071】
上下方向に対して直交する平面に右側タイロッド172および左側タイロッド174を投影した時の長さR,Lは、車台ユニット4が沈み込み無しの状態から沈み込んでいくと増加していき、操舵プレート170が右側操舵プレート208や左側操舵プレート228と同じ高さになると最大となる。その後、車台ユニット4が最大沈み込みの状態に向かってさらに沈み込んでいくと、操舵プレート170が右側操舵プレート208や左側操舵プレート228よりも下方に下がっていき、上下方向に対して直交する平面に右側タイロッド172および左側タイロッド174を投影した時の長さR,Lは減少していく。本実施例の運搬車2では、沈み込み無しの状態における長さR1,L1と、最大沈み込みの状態における長さR2,L2が略等しいので、上下方向に対して直交する平面に右側タイロッド172および左側タイロッド174を投影した時の長さR,Lの変動幅を小さくすることができる。
【0072】
(後輪ユニット14)
図31に示すように、後輪ユニット14は、車台ユニット4のベースプレート20(図2参照)の後部下方において、後側支持部材24に取り付けられている。後輪ユニット14は、右後輪ユニット14aと、左後輪ユニット14bを備えている。右後輪ユニット14aは、右後輪252と、右側ギヤハウジング254と、右側モータハウジング256と、右側ブレーキハウジング258と、右側クラッチレバー260と、右後輪回転数センサ262(図32参照)と、右側緩衝部材264を備えている。左後輪ユニット14bは、左後輪272と、左側ギヤハウジング274と、左側モータハウジング276と、左側ブレーキハウジング278と、左側クラッチレバー280と、左後輪回転数センサ282と、左側緩衝部材284を備えている。
【0073】
図32に示すように、右側ギヤハウジング254は、右後輪252の左側に配置されており、右後輪252の右後輪アクスル(図示せず)を回転可能に保持している。右側ギヤハウジング254は、右後輪アクスルから前方上方に延びている。右側モータハウジング256は、右側ギヤハウジング254の前方上方の左部に固定されている。右側ブレーキハウジング258は、右側モータハウジング256の左部に固定されている。右側モータハウジング256の内部には、右後輪モータ(図示せず)が収容されている。右後輪モータは、例えば、インナロータ型のブラシレスDCモータである。右後輪モータは、駆動制御回路基板46(図5参照)に電気的に接続されている。駆動制御回路基板46は、右後輪モータの動作を制御する。右後輪モータは、左右方向に延びる右後輪モータシャフト(図示せず)と、右後輪モータシャフトの回転数を検出する右後輪モータ回転数センサ(図示せず)を備えている。右側ブレーキハウジング258には、右後輪電磁ブレーキ(図示せず)が収容されている。右後輪電磁ブレーキは、右後輪モータシャフトに連結している。右後輪電磁ブレーキは、右後輪モータシャフトの回転を許容する状態と回転を禁止する状態の間で切り換わる。右後輪電磁ブレーキは、駆動制御回路基板46(図5参照)に電気的に接続されている。駆動制御回路基板46は、右後輪電磁ブレーキの動作を制御する。パーキングモードにおいては、右後輪電磁ブレーキは、右後輪モータシャフトの回転を禁止する状態で維持される。
【0074】
右側ギヤハウジング254の内部には、平歯車機構(図示せず)と、クラッチ機構(図示せず)が収容されている。平歯車機構は、右後輪モータシャフトの回転を減速して右後輪アクスルに伝達する。右後輪モータが駆動すると、右後輪モータシャフトの回転が平歯車機構を介して右後輪アクスルに伝達して、右後輪252が回転する。クラッチ機構は、右側クラッチレバー260への操作に応じて、右後輪モータシャフトから右後輪アクスルへの回転の伝達を許容する状態と遮断する状態の間で切り換わる。このため、右後輪電磁ブレーキが右後輪モータシャフトの回転を禁止した時に、クラッチ機構を右後輪モータシャフトから右後輪アクスルへの回転の伝達を遮断する状態に切り換えることで、右後輪252がロックしてしまうことを抑制することができる。右後輪回転数センサ262は、右側ギヤハウジング254の後方下方の左部に固定されている。右後輪回転数センサ262は、右後輪アクスルの左端に連結している。右後輪回転数センサ262は、右側ギヤハウジング254に対する右後輪アクスルの回転数を検出する。右後輪回転数センサ262は、メイン制御回路基板44(図4参照)に電気的に接続されている。
【0075】
右側ギヤハウジング254の前上端近傍には、連結部254aが設けられている。連結部254aは、後側支持部材24に、左右方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。右側緩衝部材264は、ダンパ264aと、コイルバネ264bを備えている。右側緩衝部材264の上端は、連結部254aよりも後方上方で、後側支持部材24に、左右方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。右側緩衝部材264の下端は、右側ギヤハウジング254の後上面に、左右方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。このため、右後輪252が後側支持部材24に対して上下方向に移動する際には、ダンパ264aによる減衰力と、コイルバネ264bによる弾性復元力により、右後輪252からの衝撃や振動が車台ユニット4に伝達することが抑制される。
【0076】
図31に示すように、左後輪ユニット14bは、右後輪ユニット14aと左右対称の構成を備えている。以下では、右後輪ユニット14aを図示した図32を参照しながら、左後輪ユニット14bについて説明する。
【0077】
図32に示すように、左側ギヤハウジング274は、左後輪272の右側に配置されており、左後輪272の左後輪アクスル(図示せず)を回転可能に保持している。左側ギヤハウジング274は、左後輪アクスルから前方上方に延びている。左側モータハウジング276は、左側ギヤハウジング274の前方上方の右部に固定されている。左側ブレーキハウジング278は、左側モータハウジング276の右部に固定されている。左側モータハウジング276の内部には、左後輪モータ(図示せず)が収容されている。左後輪モータは、例えば、インナロータ型のブラシレスDCモータである。左後輪モータは、駆動制御回路基板48(図5参照)に電気的に接続されている。駆動制御回路基板48は、左後輪モータの動作を制御する。左後輪モータは、左右方向に延びる左後輪モータシャフト(図示せず)と、左後輪モータシャフトの回転数を検出する左後輪モータ回転数センサ(図示せず)を備えている。左側ブレーキハウジング278には、左後輪電磁ブレーキ(図示せず)が収容されている。左後輪電磁ブレーキは、左後輪モータシャフトに連結している。左後輪電磁ブレーキは、左後輪モータシャフトの回転を許容する状態と回転を禁止する状態の間で切り換わる。左後輪電磁ブレーキは、駆動制御回路基板48(図5参照)に電気的に接続されている。駆動制御回路基板48は、左後輪電磁ブレーキの動作を制御する。パーキングモードにおいては、左後輪電磁ブレーキは、左後輪モータシャフトの回転を禁止する状態で維持される。
【0078】
左側ギヤハウジング274の内部には、平歯車機構(図示せず)と、クラッチ機構(図示せず)が収容されている。平歯車機構は、左後輪モータシャフトの回転を減速して左後輪アクスルに伝達する。左後輪モータが駆動すると、左後輪モータシャフトの回転が平歯車機構を介して左後輪アクスルに伝達して、左後輪272が回転する。クラッチ機構は、左側クラッチレバー280への操作に応じて、左後輪モータシャフトから左後輪アクスルへの回転の伝達を許容する状態と遮断する状態の間で切り換わる。このため、左後輪電磁ブレーキが左後輪モータシャフトの回転を禁止した時に、クラッチ機構を左後輪モータシャフトから左後輪アクスルへの回転の伝達を遮断する状態に切り換えることで、左後輪272がロックしてしまうことを抑制することができる。左後輪回転数センサ282は、左側ギヤハウジング274の後方下方の右部に固定されている。左後輪回転数センサ282は、左後輪アクスルの右端に連結している。左後輪回転数センサ282は、左側ギヤハウジング274に対する左後輪アクスルの回転数を検出する。左後輪回転数センサ282は、メイン制御回路基板44(図4参照)に電気的に接続されている。
【0079】
左側ギヤハウジング274の前上端近傍には、連結部274aが設けられている。連結部274aは、後側支持部材24に、左右方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。左側緩衝部材284は、ダンパ284aと、コイルバネ284bを備えている。左側緩衝部材284の上端は、連結部274aよりも後方上方で、後側支持部材24に、左右方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。左側緩衝部材284の下端は、左側ギヤハウジング274の後上面に、左右方向に沿った回動軸周りに回動可能に連結している。このため、左後輪272が後側支持部材24に対して上下方向に移動する際には、ダンパ284aによる減衰力と、コイルバネ284bによる弾性復元力により、左後輪272からの衝撃や振動が車台ユニット4に伝達することが抑制される。
【0080】
メイン制御回路基板44(図4参照)は、操舵ユニット10の操舵角センサ166の検出信号から取得される操舵角と、前輪ユニット12の右前輪モータ回転数センサ232bと左前輪モータ回転数センサ242bのそれぞれの検出信号から取得される右前輪モータ232と左前輪モータ242のそれぞれの回転数と、後輪ユニット14の右後輪モータ回転数センサと左後輪モータ回転数センサのそれぞれの検出信号から取得される右後輪モータと左後輪モータのそれぞれの回転数に基づいて、運搬車2の実際の走行軌道を算出することができる。
【0081】
図33に示すように、運搬車2を後方から見た時に、車台ユニット4の中央下方には、地面GSから上方に延びる下方空間290が形成されている。図27図28に示すように、下方空間290は、右前輪192の中心と左前輪212の中心を結ぶ直線CL1の中点CP1を内包している。下方空間290は、右前輪192と左前輪212の間で、幅CW1を有している。幅CW1は、右前輪192の左側面と左前輪212の右側面の間の距離W1の1/3以上である。また、図33に示すように、下方空間290は、右後輪252の中心と左後輪272の中心を結ぶ直線CL2の中点CP2を内包している。下方空間290は、右後輪252と左後輪272の間で、幅CW2を有している。幅CW2は、右後輪252の左側面と左後輪272の右側面の間の距離W2の1/3以上である。このような構成とすることによって、地面GSに障害物が存在する場合であっても、操舵ユニット10や前輪ユニット12、後輪ユニット14等が障害物に衝突することを抑制することができる。
【0082】
(変形例)
上記の実施例において、右前輪モータ232、左前輪モータ242、右後輪モータ、左後輪モータは、右前輪192、左前輪212、右後輪252、左後輪272に組み込まれたインホイールモータ(図示せず)であってもよい。
【0083】
上記の実施例において、操舵モータ176、右前輪モータ232、左前輪モータ242、右後輪モータ、左後輪モータは、アウタロータ型のブラシレスDCモータであってもよいし、ブラシ付きDCモータであってもよいし、ACモータであってもよいし、他の種類のモータであってもよい。
【0084】
上記の実施例において、図6に示すハンドルユニット8は、可動カム部材90と、固定カム部材92と、コイルバネ94と、ハンドルシャフト84の一部を覆うカバー部材(図示せず)を備えていてもよい。この場合、固定部材82は、カバー部材の一部を構成していてもよい。
【0085】
上記の実施例において、図6図13に示すハンドルユニット8,108は、コイルバネ94,136の代わりに、他の種類の弾性部材を備えていてもよい。また、ハンドルユニット8,108は、ハンドルシャフト84,126の回動に対して減衰力を作用させるダンパ(図示せず)を備えていてもよい。
【0086】
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、運搬車2は、車台ユニット4(車台の例)と、車台ユニット4に支持されており、地面に接地する右前輪192、左前輪212(車輪の例)と、転舵軸周りに回動可能に車台ユニット4に支持されており、右前輪192、左前輪212を回転軸周りに回転可能に保持する右側保持部材195、左側保持部材215(保持部材の例)と、ユーザが把持する操舵ハンドル73,113と、操舵ハンドル73,113への前記ユーザによる操作を検出する回動角度センサ88,132(入力センサの例)と、回動角度センサ88,132で検出されたユーザによる操作に応じて駆動する操舵モータ176と、操舵モータ176と右側保持部材195、左側保持部材215を連結しており、操舵モータ176の駆動に応じて右側保持部材195、左側保持部材215を転舵軸周りに回動させる伝達機構169を備えている。操舵ハンドル73,113と伝達機構169は、機械的に分離されている。伝達機構169は、操舵モータ176と右側保持部材195、左側保持部材215の間に介在するトルクリミッタ181を備えている。
【0087】
上記の構成によれば、伝達機構169が、操舵モータ176と右側保持部材195、左側保持部材215の間に介在するトルクリミッタ181を備えているので、操舵モータ176から過負荷が作用した場合であっても、伝達機構169が破損することを抑制することができる。
【0088】
1つまたはそれ以上の実施形態において、伝達機構169は、操舵モータ176と右側保持部材195、左側保持部材215の間に配置されており、伝達機構169における操舵角を検出するための操舵角センサ166を備えている。トルクリミッタ181は、操舵モータ176と操舵角センサ166の間に配置されている。
【0089】
上記の構成によれば、トルクリミッタ181が、操舵モータ176と操舵角センサ166の間に配置されているので、トルクリミッタ181が作動して伝達機構169における動力の伝達が遮断された場合であっても、操舵角センサ166を用いて検出される操舵角と伝達機構169における実際の操舵角がずれてしまうことを抑制することができる。
【0090】
1つまたはそれ以上の実施形態において、伝達機構169は、車台ユニット4に対して回動可能であり、操舵モータ176の駆動に応じて回動する操舵シャフト168と、操舵シャフト168に固定された操舵プレート170(リンク部材の例)と、一端が操舵プレート170に回動可能に取り付けられており、他端が右側保持部材195、左側保持部材215に回動可能に取り付けられた右側タイロッド172、左側タイロッド174(タイロッドの例)をさらに備えている。操舵角センサ166は、操舵モータ176と操舵シャフト168の間に配置されている。
【0091】
上記の構成によれば、トルクリミッタ181と操舵角センサ166を、右前輪192、左前輪212や右側保持部材195、左側保持部材215から離れた位置に配置することができる。
【0092】
1つまたはそれ以上の実施形態において、伝達機構169は、車台ユニット4に対して回動可能であり、操舵モータ176と操舵シャフト168の間に介在する中継シャフト190をさらに備えている。中継シャフト190は、ギヤ部190a(第1ギヤ部の例)を有している。操舵シャフト168は、ギヤ部190aと噛み合うギヤ部168a(第2ギヤ部の例)を有している。操舵角センサ166は、中継シャフト190に取り付けられている。
【0093】
上記の構成によれば、操舵角センサ166による操舵角の検出をより精度よく行うことができる。
【0094】
1つまたはそれ以上の実施形態において、伝達機構169は、車台ユニット4に対して回動可能であり、操舵モータ176の駆動に応じて回動するスピンドル178をさらに備えている。スピンドル178は、円筒ウォーム186(円筒ウォーム部の例)を有している。中継シャフト190は、円筒ウォーム186と噛み合うウォームホイール188(ウォームホイール部の例)をさらに有している。
【0095】
上記の構成によれば、スピンドル178から中継シャフト190へ回転が伝達するものの、中継シャフト190からスピンドル178へ回転が伝達しないので、例えば外力によって右側保持部材195、左側保持部材215が転舵軸周りのトルクを受けた場合であっても、そのトルクが伝達機構169を介して操舵モータ176へ伝達することを抑制することができる。
【0096】
1つまたはそれ以上の実施形態において、操舵モータ176は、操舵モータ176の駆動に応じて回転するモータシャフト176aを備えている。モータシャフト176aは、ギヤ部176b(第3ギヤ部)を有している。トルクリミッタ181は、スピンドル178に固定されたカムホイール180と、スピンドル178の軸方向に沿ってスピンドル178に対して移動可能であり、ギヤ部176bと噛み合う可動ギヤ182と、可動ギヤ182をスピンドル178に対してカムホイール180に向けて付勢するコイルバネ184を備えている。カムホイール180は、カム溝180aを有している。可動ギヤ182は、カム溝180aに対応するカム突起182cを有している。
【0097】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、トルクリミッタ181を実現することができる。
【符号の説明】
【0098】
2 :運搬車
4 :車台ユニット
6 :荷台ユニット
8 :ハンドルユニット
10 :操舵ユニット
11 :懸架機構
12 :前輪ユニット
12a :右前輪ユニット
12b :左前輪ユニット
14 :後輪ユニット
14a :右後輪ユニット
14b :左後輪ユニット
20 :ベースプレート
22 :前側支持部材
22a :右上側連結部
22b :右下側連結部
22c :左上側連結部
22d :左下側連結部
24 :後側支持部材
26 :右下側フレーム
28 :左下側フレーム
30 :右上側フレーム
32 :左上側フレーム
34 :バッテリボックス
36 :コントローラケース
38 :バッテリパック
40 :バッテリ取付部
42 :バッテリカバー
44 :メイン制御回路基板
44a :回路基板ケース
46 :駆動制御回路基板
46a :回路基板ケース
48 :駆動制御回路基板
48a :回路基板ケース
50 :電気ブレーキ回路基板
50a :放熱ケース
50b :回路基板収容部
50c :放熱フィン
50d :冷却ファン
52 :電気ブレーキ回路基板
52a :放熱ケース
52b :回路基板収容部
52c :放熱フィン
52d :冷却ファン
54 :電気ブレーキ回路基板
54a :放熱ケース
54b :回路基板収容部
54c :放熱フィン
54d :冷却ファン
56 :電気ブレーキ回路基板
56a :放熱ケース
56b :回路基板収容部
56c :放熱フィン
56d :冷却ファン
58 :放熱プレート
60 :メインフレーム
62 :右側ガード
64 :左側ガード
66 :前側ガード
70 :スイッチボックス
72 :右側ハンドル
72a :支持部
72b :ハンドル部
72c :右側グリップ
73 :操舵ハンドル
74 :左側ハンドル
74a :支持部
74b :ハンドル部
74c :左側グリップ
76 :ハンドルアーム
78 :支持パイプ
80 :クランプ部材
80a :クランプ片
80b :クランプ片
80c :締結部
82 :固定部材
84 :ハンドルシャフト
84a :ガイド突起
86 :ベース部材
88 :回動角度センサ
90 :可動カム部材
90a :カム凸部
90b :カム凸部
90c :第1カム面
90d :第1カム面
90e :第2カム面
90f :第2カム面
90g :ガイド溝
90h :バネ受け部
92 :固定カム部材
92a :円筒部
92b :フランジ部
92c :カム凹部
92d :カム凹部
92e :第1カム面
92f :第1カム面
92g :第2カム面
92h :第2カム面
92i :ストッパ部
92j :ストッパ部
94 :コイルバネ
96 :主電源スイッチ
98 :モード切換スイッチ
100 :トリガスイッチ
102 :進行方向切換スイッチ
104 :速度切換スイッチ
106 :警笛スイッチ
108 :ハンドルユニット
110 :スイッチボックス
112 :ハンドルバー
112a :右側グリップ
112b :左側グリップ
113 :操舵ハンドル
114 :支持パイプ
116 :クランプスリーブ
116a :クランプ部
116b :スリット
118 :クランプ部材
118a :クランプ片
118b :クランプ片
118c :ボルト
118d :ナット
118e :ピン
120 :上側アーム板
122 :下側アーム板
124 :ハンドルスリーブ
126 :ハンドルシャフト
126a :ボール溝
126b :ボール溝
126c :第1ボール溝
126d :第1ボール溝
126e :第2ボール溝
126f :第2ボール溝
128 :カバー部材
128a :固定部材
130 :ベース部材
132 :回動角度センサ
134 :スライドスリーブ
134a :ガイド溝
134b :ガイド溝
134c :バネ受け部
134d :ボール保持孔
134e :ボール保持孔
135 :可動カム部材
136 :コイルバネ
150a :ガイドピン
150b :ガイドピン
152a :ボール
152b :ボール
160 :モータハウジング
162 :モータ支持部材
164 :ギヤハウジング
166 :操舵角センサ
168 :操舵シャフト
168a :ギヤ部
169 :伝達機構
170 :操舵プレート
172 :右側タイロッド
174 :左側タイロッド
176 :操舵モータ
176a :モータシャフト
176b :ギヤ部
178 :スピンドル
178a :バネ受け部
180 :カムホイール
180a :カム溝
181 :トルクリミッタ
182 :可動ギヤ
182a :ギヤ部
182b :凹部
182c :カム突起
184 :コイルバネ
186 :円筒ウォーム
188 :ウォームホイール
190 :中継シャフト
190a :ギヤ部
192 :右前輪
192a :右前輪アクスル
194 :右側ギヤハウジング
195 :右側保持部材
196 :右側モータハウジング
198 :右側キングピン
200 :右側スリーブ
202 :右上側アーム
204 :右下側アーム
206 :右側緩衝部材
206a :ダンパ
206b :コイルバネ
208 :右側操舵プレート
210 :右側実舵角センサ
212 :左前輪
212a :左側アクスル
214 :左側ギヤハウジング
215 :左側保持部材
216 :左側モータハウジング
218 :左側キングピン
220 :左側スリーブ
222 :左上側アーム
224 :左下側アーム
226 :左側緩衝部材
226a :ダンパ
226b :コイルバネ
228 :左側操舵プレート
230 :左側実舵角センサ
232 :右前輪モータ
232a :右前輪モータシャフト
232b :右前輪モータ回転数センサ
234 :遊星歯車機構
242 :左前輪モータ
242a :左前輪モータシャフト
242b :左前輪モータ回転数センサ
244 :遊星歯車機構
252 :右後輪
254 :右側ギヤハウジング
254a :連結部
256 :右側モータハウジング
258 :右側ブレーキハウジング
260 :右側クラッチレバー
262 :右後輪回転数センサ
264 :右側緩衝部材
264a :ダンパ
264b :コイルバネ
272 :左後輪
274 :左側ギヤハウジング
274a :連結部
276 :左側モータハウジング
278 :左側ブレーキハウジング
280 :左側クラッチレバー
282 :左後輪回転数センサ
284 :左側緩衝部材
284a :ダンパ
284b :コイルバネ
290 :下方空間
図1
図2
図3
図4
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