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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-23
(45)【発行日】2025-05-02
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   A01G 3/04 20060101AFI20250424BHJP
   A01G 3/053 20060101ALI20250424BHJP
   A01D 34/40 20060101ALI20250424BHJP
【FI】
A01G3/04 501J
A01G3/053
A01D34/40
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021130243
(22)【出願日】2021-08-06
(65)【公開番号】P2023024136
(43)【公開日】2023-02-16
【審査請求日】2024-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 聡
(72)【発明者】
【氏名】清水 輝
【審査官】小林 直暉
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-016328(JP,A)
【文献】特開2005-054971(JP,A)
【文献】特開2013-121328(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0128837(US,A1)
【文献】特表2008-543275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D34/02-34/408
A01G3/00-3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業部と、
前記作業部を駆動する原動機と、
前記作業部を支持するハウジングと、
前記ハウジングに対して回動軸周りに回動可能に取り付けられており、ユーザが把持可能なハンドルと、
前記ハウジングと前記ハンドルとの間に配置される弾性部材と、を備え、
前記ハウジングが、第1面を備えており、
前記ハンドルが、前記回動軸方向において、間隔を隔てて前記第1面に対向する第2面を備えており、
前記弾性部材が、前記第1面と前記第2面の間に配置されており、
前記弾性部材が、前記ハウジングおよび前記ハンドルの一方に保持されており、前記弾性部材が、前記ハウジングおよび前記ハンドルの他方に対して、前記回動軸方向において互いに向かい合うように当接する、作業機。
【請求項2】
作業部と、
前記作業部を駆動する原動機と、
前記作業部を支持するハウジングと、
前記ハウジングに対して回動軸周りに回動可能に取り付けられており、ユーザが把持可能なハンドルと、
前記ハウジングと前記ハンドルとの間に配置される弾性部材と、を備え、
前記ハウジングが、第1面を備えており、
前記ハンドルが、前記回動軸方向において、間隔を隔てて前記第1面に対向する第2面を備えており、
前記弾性部材が、前記第1面と前記第2面の間に配置されており、
前記ハウジングおよび前記ハンドルの一方が、前記回動軸に沿う第1方向に向かうにつれて縮径する外側面を有するシャフト部を備えており、
前記ハウジングおよび前記ハンドルの他方が、前記第1方向において前記シャフト部の前記外側面と係合する係合部を備えており、
前記回動軸方向に関して、前記第1面および前記第2面が、前記係合部よりも前記第1方向側に配置されている、作業機。
【請求項3】
前記弾性部材が、前記回動軸の周方向において離散的に配置されており、前記第1面または前記第2面と当接可能な複数の当接部を備えている、請求項1または2の作業機。
【請求項4】
作業部と、
前記作業部を駆動する原動機と、
前記作業部を支持するハウジングと、
前記ハウジングに対して回動軸周りに回動可能に取り付けられており、ユーザが把持可能なハンドルと、
前記ハウジングと前記ハンドルとの間に配置される弾性部材と、を備え、
前記ハウジングが、第1面を備えており、
前記ハンドルが、間隔を隔てて前記第1面に対向する第2面を備えており、
前記弾性部材が、前記第1面と前記第2面の間に配置されており、
前記弾性部材が、前記回動軸の周方向において離散的に配置されており、前記第1面または前記第2面と当接可能な複数の当接部を備えており、
前記回動軸方向から見た時に、前記回動軸が、前記複数の当接部のそれぞれの中心を頂点とする凸多角形の内側に配置されている、作業機。
【請求項5】
前記複数の当接部のそれぞれが、丸みを帯びた当接面を備える、請求項3または4の作業機。
【請求項6】
前記弾性部材が、軸方向が前記回動軸に沿う略円柱形状を有する複数の弾性円柱部材を備えており、
前記複数の当接部のそれぞれが、対応する前記複数の弾性円柱部材のそれぞれに設けられている、請求項3から5の何れか一項の作業機。
【請求項7】
前記原動機が、電動モータである、請求項1から6の何れか一項の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業部と、前記作業部を駆動する原動機と、前記作業部を支持するハウジングと、前記ハウジングに対して回動軸周りに回動可能に取り付けられており、ユーザが把持可能なハンドルと、を備えている作業機が開示されている。前記ハウジングは、第1面を備えている。前記ハンドルは、間隔を隔てて前記第1面に対向する第2面を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2004/0128837号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような、ハンドルがハウジングに対して回動可能に取り付けられた作業機においては、ハンドルとハウジングとの間にガタツキが発生することがある。本明細書では、ハンドルがハウジングに対して回動可能に取り付けられた作業機において、ハンドルとハウジングとの間に発生するガタツキを低減することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する作業機は、作業部と、前記作業部を駆動する原動機と、前記作業部を支持するハウジングと、前記ハウジングに対して回動軸周りに回動可能に取り付けられており、ユーザが把持可能なハンドルと、前記ハウジングと前記ハンドルとの間に配置される弾性部材と、を備えていてもよい。前記ハウジングは、第1面を備えていてもよい。前記ハンドルは、前記回動軸方向において、間隔を隔てて前記第1面に対向する第2面を備えていてもよい。前記弾性部材は、前記第1面と前記第2面の間に配置されていてもよい。
【0006】
上記の構成によれば、第1面と第2面の間に配置された弾性部材によって、ハンドルとハウジングの間のガタツキを抑制することができる。ハンドルがハウジングに対して回動可能に取り付けられた作業機において、ハンドルとハウジングとの間に発生するガタツキを低減することができる。また、上記の構成によれば、回動軸方向に間隔を隔てて配置された第1面と第2面の間に弾性部材が配置されているので、ハンドルとハウジングの間の回動軸方向でのガタツキを抑制することができる。
【0007】
本明細書が開示する別の作業機は、作業部と、前記作業部を駆動する原動機と、前記作業部を支持するハウジングと、前記ハウジングに対して回動軸周りに回動可能に取り付けられており、ユーザが把持可能なハンドルと、前記ハウジングと前記ハンドルとの間に配置される弾性部材と、を備えていてもよい。前記ハウジングは、第1面を備えていてもよい。前記ハンドルは、間隔を隔てて前記第1面に対向する第2面を備えていてもよい。前記弾性部材は、前記第1面と前記第2面の間に配置されてもよい。前記弾性部材は、前記回動軸の周方向において離散的に配置されてもよく、前記第1面または前記第2面と当接可能な複数の当接部を備えていてもよい。
【0008】
上記の構成によれば、第1面と第2面の間に配置された弾性部材によって、ハンドルとハウジングの間のガタツキを抑制することができる。ハンドルがハウジングに対して回動可能に取り付けられた作業機において、ハンドルとハウジングとの間に発生するガタツキを低減することができる。また、上記の構成によれば、ハンドルがハウジングに対して回動する場合に生じる摺動抵抗を低減することができる。このため、ユーザにとって、ハンドルの回動が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1に係るヘッジトリマ100を前方右方上方から見た斜視図である。
図2】実施例1に係るヘッジトリマ100における、ハウジング14に対してリアハンドル18がロックされている状態の内部構造を右方から見た側断面図である。
図3】実施例1に係るヘッジトリマ100のリアハンドル18を右方から見た側断面図である。
図4】実施例1に係るヘッジトリマ100における、ハウジング14に対してリアハンドル18がロックされていない状態の内部構造を右方から見た側断面図である。
図5】実施例1に係るヘッジトリマ100における、ロック部材34が前進位置にある状態の内部構造を後方右方上方から見た斜視図である。
図6】実施例1に係るヘッジトリマ100における、ロック部材34が後退位置にある状態の内部構造を後方右方上方から見た斜視図である。
図7】実施例1に係るヘッジトリマ100のハウジング14を右方から見た側断面図である。
図8】実施例1に係るヘッジトリマ100における、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態での結合部142、突出部182、およびラバーピン36の位置関係を模式的に示す図である。
図9】実施例1に係るヘッジトリマ100のハウジング14を後方右方上方から見た斜視図である。
図10】実施例1に係るヘッジトリマ100における、ハウジング14に対してリアハンドル18を右回りに90度回動させた状態のヘッジトリマ100を、前方右方上方から見た斜視図である。
図11】実施例1に係るヘッジトリマ100における、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態での結合部142および突出部182を右方から見た側断面図である。
図12】実施例1に係るヘッジトリマ100における、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態でのラバーピン36の状態を模式的に示す図である。
図13】変形例に係るヘッジトリマ100における、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態での結合部142、突出部182、およびラバーピン36の位置関係を模式的に示す図である。
図14】変形例に係るヘッジトリマ100における、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態での結合部142、突出部182、およびラバーピン36の別の位置関係を模式的に示す図である。
図15】変形例に係るヘッジトリマ100における、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態での結合部142、突出部182、およびラバーピン36のさらに別の位置関係を模式的に示す図である。
図16】変形例に係るヘッジトリマ100における、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態での結合部142、突出部182、およびラバーピン36のさらにまた別の位置関係を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0011】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0012】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、作業部と、前記作業部を駆動する原動機と、前記作業部を支持するハウジングと、前記ハウジングに対して回動軸周りに回動可能に取り付けられており、ユーザが把持可能なハンドルと、前記ハウジングと前記ハンドルとの間に配置される弾性部材と、を備えていてもよい。前記ハウジングは、第1面を備えていてもよい。前記ハンドルは、前記回動軸方向において、間隔を隔てて前記第1面に対向する第2面を備えていてもよい。前記弾性部材は、前記第1面と前記第2面の間に配置されていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、第1面と第2面の間に配置された弾性部材によって、ハンドルとハウジングの間のガタツキを抑制することができる。ハンドルがハウジングに対して回動可能に取り付けられた作業機において、ハンドルとハウジングとの間に発生するガタツキを低減することができる。また、上記の構成によれば、回動軸方向に間隔を隔てて配置された第1面と第2面の間に弾性部材が配置されているので、ハンドルとハウジングの間の回動軸方向でのガタツキを抑制することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ハウジングおよび前記ハンドルの一方は、前記回動軸に沿う第1方向に向かうにつれて縮径する外側面を有するシャフト部を備えていてもよい。前記ハウジングおよび前記ハンドルの他方は、前記第1方向において前記シャフト部の前記外側面と係合する係合部を備えていてもよい。前記回動軸方向に関して、前記第1面および前記第2面は、前記係合部よりも前記第1方向側に配置されていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、ハウジングおよびハンドルの一方が、ハウジングおよびハンドルの他方に対して、第1方向に移動することがシャフト部の外側面および係合部の係合によって抑制され、第1方向の反対の方向に移動することが弾性部材によって抑制される。また、ハウジングおよびハンドルの一方が、ハウジングおよびハンドルの他方に対して、回動軸に直交する方向に移動することがシャフト部の外側面および係合部の係合によって抑制される。このような構成とすることによって、ハンドルとハウジングの間のガタツキを効果的に低減することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記弾性部材は、前記回動軸の周方向において離散的に配置されてもよく、前記第1面または前記第2面と当接可能な複数の当接部を備えていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、ハンドルがハウジングに対して回動する場合に生じる摺動抵抗を低減することができる。このため、ユーザにとって、ハンドルの回動が容易になる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、作業部と、前記作業部を駆動する原動機と、前記作業部を支持するハウジングと、前記ハウジングに対して回動軸周りに回動可能に取り付けられており、ユーザが把持可能なハンドルと、前記ハウジングと前記ハンドルとの間に配置される弾性部材と、を備えていてもよい。前記ハウジングは、第1面を備えていてもよい。前記ハンドルは、間隔を隔てて前記第1面に対向する第2面を備えていてもよい。前記弾性部材は、前記第1面と前記第2面の間に配置されてもよい。前記弾性部材は、前記回動軸の周方向において離散的に配置されてもよく、前記第1面または前記第2面と当接可能な複数の当接部を備えていてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、第1面と第2面の間に配置された弾性部材によって、ハンドルとハウジングの間のガタツキを抑制することができる。ハンドルがハウジングに対して回動可能に取り付けられた作業機において、ハンドルとハウジングとの間に発生するガタツキを低減することができる。また、上記の構成によれば、ハンドルがハウジングに対して回動する場合に生じる摺動抵抗を低減することができる。このため、ユーザにとって、ハンドルの回動が容易になる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記回動軸方向から見た時に、前記回動軸は、前記複数の当接部のそれぞれの中心を頂点とする凸多角形の内側に配置されていてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、複数の当接部が、回動軸の周囲を取り囲むように配置されているので、ハンドルとハウジングの間のガタツキを効果的に低減することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記複数の当接部のそれぞれは、丸みを帯びた当接面を備えていてもよい。
【0024】
仮に、複数の当接部のうちの何れかが平坦な当接面を備えている場合、ハンドルがハウジングに対して回動する際に、その当接部が第1面または第2面に片当たりをして、大きな摺動抵抗を生じるおそれがある。上記の構成によれば、複数の当接部のそれぞれが丸みを帯びた当接面を備えているので、ハンドルがハウジングに対して回動する場合に生じる摺動抵抗を小さくすることができる。このため、ユーザの快適性を向上することができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記弾性部材は、軸方向が前記回動軸に沿う略円柱形状を有する複数の弾性円柱部材を備えていてもよい。前記複数の当接部のそれぞれは、対応する前記複数の弾性円柱部材のそれぞれに設けられてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、弾性部材を容易に成形することができるとともに、弾性部材を容易にハウジングまたはハンドルに組み付けることができる。
【0027】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記原動機は、電動モータであってもよい。
【0028】
原動機として電動モータを用いる作業機においては、原動機としてエンジンを用いる作業機に比べて、原動機の駆動により生じる振動が小さいので、ハンドルとハウジングの間のガタツキがユーザの使用感に与える影響が大きい。上記の構成によれば、ハンドルとハウジングの間のガタツキを抑制することができるので、ユーザの快適性を向上することができる。
【0029】
(実施例1)
以下では、作業機の例として、ヘッジトリマ100について説明する。図1に示すヘッジトリマ100は、主に生垣や植木の剪定に用いられる園芸工具である。ヘッジトリマ100は、一対のシャーブレード12と、シャーブレード12を支持するハウジング14と、ユーザが把持可能なフロントハンドル16およびリアハンドル18と、外部から電力を供給するための電源コード20を備えている。
【0030】
一対のシャーブレード12は、ハウジング14から前方へ直線状に延びており、その長手方向に沿って複数の刃先12aを有している。一対のシャーブレード12は、互いに往復運動することにより、複数の刃先12aによって生垣や植木を剪定する。本実施例におけるヘッジトリマ100では、一対のシャーブレード12の各々が往復運動するように構成されている。
【0031】
ここで、本実施例では、一対のシャーブレード12の長手方向を前後方向と定め、ハウジング14から一対のシャーブレード12に向かう方向を前方向とし、一対のシャーブレード12からハウジング14に向かう方向を後方向とする。また、前後方向に垂直であって、一対のシャーブレード12の複数の刃先12aが位置する平面に平行な方向を左右方向と定める。そして、前後方向および左右方向に垂直な方向を上下方向と定め、一対のシャーブレード12からハウジング14に向かう方向を上方向とし、ハウジング14から一対のシャーブレード12に向かう方向を下方向とする。
【0032】
図2に示すように、フロントハンドル16およびリアハンドル18は、それぞれハウジング14に取り付けられている。フロントハンドル16は、ハウジング14の前方上部に位置している。リアハンドル18は、ハウジング14の後方に位置している。なお、リアハンドル18は、ハウジング14に対して、回動軸X周りに回動可能に取り付けられている。回動軸Xは、前後方向に対して上下方向に僅かに傾いていてもよく、例えば、前後方向に対して、右方向から見て時計回りを正として-20°から45°の範囲内で上下方向に傾いている。なお、本実施例では、回動軸Xは前後方向に対して、時計回りを正として10°だけ上下方向に傾いている。なお、以下の説明では、便宜上、回動軸Xに沿って前方へ向かう方向を前方向ということがあり、回動軸Xに沿って後方へ向かう方向を後方向ということがある。ヘッジトリマ100は、手持ち式の電動工具であり、通常、ユーザは、一方の手でフロントハンドル16を把持し、他方の手でリアハンドル18を把持することによって、ヘッジトリマ100を操作する。フロントハンドル16は、前後方向に対して角度を成す面に沿って延びている。図1図2に示す状態では、リアハンドル18は、前後方向および上下方向に平行な平面(即ち、左右方向に垂直な平面)に沿って延びている。
【0033】
フロントハンドル16には、第1駆動スイッチ21が設けられており、リアハンドル18には、第2駆動スイッチ22が設けられている。また、リアハンドル18には、ロックスイッチ24が設けられている。ヘッジトリマ100は、第1駆動スイッチ21と第2駆動スイッチ22の両者が同時に操作されている間に限って、一対のシャーブレード12を駆動するように構成されている。また、第2駆動スイッチ22は、通常、ロックスイッチ24によって機械的にロックされており、ロックスイッチ24が操作されている間に限って、その操作が許可されるように構成されている。第1駆動スイッチ21、第2駆動スイッチ22、およびロックスイッチ24は、それぞれ、ユーザがフロントハンドル16およびリアハンドル18を把持することによって操作される。このため、ヘッジトリマ100は、ユーザがフロントハンドル16とリアハンドル18との両者を把持していなければ、一対のシャーブレード12の駆動が禁止されるように構成されている。
【0034】
ヘッジトリマ100は、原動機の例としてモータ26をさらに備える。モータ26は、ハウジング14に収容されており、一対のシャーブレード12を駆動する。この点に関して、モータ26は、クランクカム28を介して一対のシャーブレード12に接続されており、一対のシャーブレード12の各々を往復運動させるように構成されている。本実施例におけるモータ26は、ブラシレスモータである。モータ26の回転軸は、一対のシャーブレード12の長手方向に垂直であって、上下方向に延びている。
【0035】
ヘッジトリマ100は、ハウジング14内の前方上部に収容される電気回路ユニット30をさらに備える。電気回路ユニット30は、電源コード20と電気的に接続しており、電源コード20を介して外部から供給される電力を調節し、モータ26に供給する。ユーザが第1駆動スイッチ21および第2駆動スイッチ22を操作すると、電気回路ユニット30は、モータ26への電力供給を開始し、第1駆動スイッチ21または第2駆動スイッチ22の操作が解除されると、電気回路ユニット30は、モータ26への電力供給を中止する。このため、電気回路ユニット30は、モータ26のON、OFFを切り替えることができる。さらに、電気回路ユニット30は、ユーザが操作する操作ボタン32の操作状態に基づいて、ヘッジトリマ100の主電源のON、OFFの切り替えや、モータ26の回転速度の変更、モータ26の逆回転での駆動等を行うことができる。本実施例では、モータ26がブラシレスモータであることから、電気回路ユニット30は、インバータ回路30aをさらに備える。インバータ回路30aは、電源コード20とモータ26との間へ電気的に設けられており、電源コード20からの直流電力を交流電力に変換して、モータ26へ供給する。
【0036】
(突出部182の構成)
図3に示すように、リアハンドル18は、前方に向けて突出する突出部182を備えている。突出部182は、シャフト部182cと、ベース部182aと、フランジ部182bを備えている。シャフト部182cの外側面184cは、円錐台形状を有している。シャフト部182cの外側面184cは、回動軸Xに沿って前方向(第2方向)に向かうにつれて拡径している、言い換えると回動軸Xに沿って後方向(第1方向)に向かうにつれて縮径している。ベース部182aは、幅広の円環平板形状を有しており、シャフト部182cの後端から回動軸Xの径方向外側に延びている。ベース部182aの前側の面は、対向面184aである。フランジ部182bは、幅広の円環平板形状を有しており、シャフト部182cの前端から回動軸Xの径方向外側に延びている。フランジ部182bの後側の面は、対向面184bである。本実施例では、対向面184aおよび対向面184bは、回動軸Xに垂直な面である。
【0037】
リアハンドル18はさらに、ロック部材34を備えている。ロック部材34は、リアハンドル18に対し、略前後方向にスライド可能に保持されている。ロック部材34は、前後方向に対して上下方向に僅かに傾いていてもよく、例えば、前後方向に対して回動軸Xと同程度傾いていてもよい。本実施例では、ロック部材34は前後方向に対して、右方向から見て時計回りを正として10°だけ上下方向に傾いている。ロック部材34は、リアハンドル18に収容されたコイルばね(図示せず)によって、リアハンドル18に対して前方に向けて付勢されている。このため、図2に示すように、ユーザがロック部材34を操作しない場合には、ロック部材34はコイルばねの付勢力によって、リアハンドル18からハウジング14に向けて突出した前進位置に移動する。図4に示すように、ユーザがコイルばねの付勢力に抗してロック部材34を後方に引き出すと、ロック部材34がハウジング14からリアハンドル18の内部に退避した後退位置に移動する。図5に示すように、ロック部材34は、前方向に向けて突出する係合凸部34aと、第2駆動スイッチ22に対応して配置されたストッパ部34bを備えている。ロック部材34が前進位置にある場合には、第2駆動スイッチ22とロック部材34のストッパ部34bは機械的に干渉しないため、第2駆動スイッチ22の操作は許容されている。図6に示すように、ロック部材34が後退位置にある場合には、第2駆動スイッチ22とロック部材34のストッパ部34bは機械的に干渉するため、第2駆動スイッチ22の操作は禁止されている。
【0038】
(結合部142の構成)
図7に示すように、ハウジング14は、リアハンドル18の突出部182と結合する結合部142を備える。結合部142は、対向面144aおよび対向面144bを備える。図8に示すように、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態では、対向面144aは、対向面184aと回動軸X方向に第1間隔Yを隔てて対向して配置される。第1間隔Yは1mm以下であってもよい。本実施例では、第1間隔Yは0.8mmである。ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態では、対向面144bは、対向面184bと回動軸X方向に間隔を隔てて対向して配置される。結合部142は、シャフト部182cに係合するための係合面144cをさらに備える。係合面144cは、シャフト部182cの外側面184cと同様の形状を有している。すなわち、係合面144cは、円錐台形状を有している。係合面144cは、前方向(第2方向)に向かうにつれて拡径しており、後方向(第1方向)に向かうにつれて縮径している。リアハンドル18をハウジング14に対して第1方向に移動させようとすると、シャフト部182cの外側面184cが係合面144cに当接して、リアハンドル18のハウジング14に対する第1方向への移動が抑制される。すなわち、外側面184cと係合面144cは、第1方向に係合している。リアハンドル18をハウジング14に対して回動軸Xに直交する方向に移動させようとすると、シャフト部182cの外側面184cが係合面144cに当接して、リアハンドル18のハウジング14に対する回動軸Xに直交する方向への移動が抑制される。すなわち、外側面184cと係合面144cは、回動軸Xに直交する方向にも係合している。
【0039】
図9に示すように、結合部142は、対向面144aにおいて、ロック部材34の係合凸部34a(図5図6参照)を前方向に挿入可能な受け入れ孔146を備える。受け入れ孔146は、係合凸部34aに係合する形状を有しているため、係合凸部34aが受け入れ孔146に挿入されている場合、ロック部材34はハウジング14に対して回動軸Xの周方向に固定される。図5に示すように、ロック部材34が前進位置にある場合には、係合凸部34aが受け入れ孔146に挿入されるため、ハウジング14に対するリアハンドル18の回動が禁止される。図6に示すように、ロック部材34が後退位置にある場合には、係合凸部34aがリアハンドル18の内部に退避し、ハウジング14とは干渉しないため、ハウジング14に対するリアハンドル18の回動が許容される。
【0040】
図10に示すように、リアハンドル18は、ハウジング14に対して回動させることができる。なお、図10の状態は、ハウジング14に対してリアハンドル18を右回りに90度回動させた状態である。このように、ユーザは、ハウジング14に対するリアハンドル18の回動角度を適宜変更することができるため、ヘッジトリマ100の操作性が向上する。結合部142に受け入れ孔146を複数設けることにより、ロック部材34を複数の位置で固定することができる。このため、ハウジング14に対して複数の回動角度でリアハンドル18を固定することができる。
【0041】
図9に示すように、対向面144aには、複数の収容溝144dが形成されている。複数の収容溝144dのそれぞれには、弾性部材(本実施例では、複数のラバーピン36)がそれぞれ収容されている。本実施例では、ラバーピン36は、回動軸X周りの同心円上に4つ設けられている。詳細には、ラバーピン36aは対向面144aの右方上部に、ラバーピン36bは対向面144aの右方下部に、ラバーピン36cは対向面144aの左方下部に、ラバーピン36dは対向面144aの左方上部に、それぞれ設けられている。換言すると、ラバーピン36は回動軸Xを含む上下方向の面と左右方向の面で区切られる四象限において、各象限に少なくとも一つ配置されている。図8(a)および図11に示すように、ラバーピン36は、軸方向が回動軸Xに沿う略円柱形状を有している。ラバーピン36の後端部分は、対向面144aよりも後方に突出している。ラバーピン36の後端部分は丸みを帯びている。図8(b)に示すように、ラバーピン36の後端部分は略半球状であってもよい。ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態では、ラバーピン36の後端は対向面184aに当接する。リアハンドル18をハウジング14に対して前方向(第2方向)に移動させようとすると、ラバーピン36の弾性復元力によって、リアハンドル18のハウジング14に対する前方向(第2方向)への移動が抑制される。
【0042】
図12に示すように、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態である場合、ラバーピン36は、自然状態から潰し代Cだけ回動軸X方向に収縮した状態となる。ラバーピン36の潰し代Cが存在しない場合、ハウジング14に対するリアハンドル18のガタ低減が十分できない可能性がある。ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態における第1間隔Yは、ラバーピン36の自然長Lとの間において、L/7>Yの関係が成り立つ。また、第1間隔Yは、ラバーピン36の直径dとの間において、d/5>Yの関係が成り立つ。自然長L、直径d、第1間隔Yの間に以上の関係が成り立たない場合、ラバーピン36の弾性変形に起因する弾性復元力が過大となり、リアハンドル18がハウジング14に対して回動する際に生じる摺動抵抗を低減できない可能性がある。なお、ラバーピン36の自然長Lは10.8mmから7.2mmの範囲内であってもよい。本実施例では、自然長Lは9mmである。潰し代Cは1.0mmから0.2mmの範囲内であってもよい。本実施例では、潰し代Cは0.6mmである。ラバーピン36の直径dは6.4mmから5.2mmの範囲内であってもよい。本実施例では、直径dは5.8mmである。
【0043】
ハウジング14に対してリアハンドル18が回動する場合、対向面184aには、ラバーピン36が摺接する。図9に示すように、ラバーピン36は回動軸Xの周方向において離散的に設けられているため、ハウジング14に対してリアハンドル18が回動する場合に生じる摺動抵抗は、小さくなる。また、ラバーピン36の後端部分が丸みを帯びていることから、ハウジング14に対してリアハンドル18が回動する際に、対向面184aに対して片当たりすることが防止される。
【0044】
図11に示すように、シャフト部182cは、回動軸X方向に沿って中心が空洞となっており、ハウジング14の内部とリアハンドル18の内部は、空間的に接続している。シャフト部182cの空洞部分に電気配線(図示せず)等を適宜配置することにより、ハウジング14の前方上部に収容される電気回路ユニット30と、リアハンドル18の後方に設けられた電源コード20とを電気的に接続することができる。
【0045】
(変形例)
上記の実施例では、作業機の例として、ヘッジトリマ100について説明した。これとは異なり、作業機は、ヘッジトリマ100以外の作業機であってもよい。例えば、作業機は、チェンソーや、刈払機等であってもよい。
【0046】
上記の実施例では、ハウジング14に一対のシャーブレード12が支持された構成について説明した。これとは異なり、ヘッジトリマ100が支持棹(図示せず)をさらに備えており、支持棹の後端にハウジング14、支持棹の前端にフロントハウジング、フロントハウジングにシャーブレード12が支持された構成であってもよい。
【0047】
上記の実施例では、一対のシャーブレード12の各々が、往復運動するような構成について説明した。これとは異なり、一対のシャーブレード12の一方のみが往復運動するような構成であってもよい。
【0048】
上記の実施例では、原動機の例として、モータ26が備えられた構成について説明した。これとは異なり、原動機は、モータ26以外の原動機であってもよい。例えば、原動機は、エンジンであってもよい。
【0049】
上記の実施例では、作業機(ヘッジトリマ100)が、電源コード20を備えており、電源コード20を介して外部からヘッジトリマ100に電力を供給する構成について説明した。これとは異なり、作業機(ヘッジトリマ100)は、リアハンドル18に着脱可能なバッテリパック(図示せず)を備えており、バッテリパックから作業機(ヘッジトリマ100)に電力を供給するものであってもよい。
【0050】
上記の実施例では、原動機(モータ26)が、ブラシレスモータである構成について説明した。これとは異なり、原動機(モータ26)は、ブラシレスモータ以外のモータであってもよい。例えば、原動機(モータ26)は、ブラシ付きモータ等であってもよい。
【0051】
上記の実施例では、回動軸Xが、前後方向に対して僅かに傾いている構成について説明した。これとは異なり、回動軸Xは、前後方向に平行であってもよい。
【0052】
上記の実施例では、結合部142に設けられる弾性部材(ラバーピン36)の数が4つである構成について説明した。これとは異なり、結合部142に設けられる弾性部材(ラバーピン36)の数は、4つに限られず、いくつであってもよい。
【0053】
上記の実施例では、弾性部材(ラバーピン36)が、略円柱形状である構成について説明した。これとは異なり、弾性部材(ラバーピン36)は、略円柱形状以外の形状に構成されてもよい。例えば、弾性部材(ラバーピン36)は、球状に構成されてもよい。
【0054】
上記の実施例では、それぞれの弾性部材(ラバーピン36)が、別個の部品として形成されている構成について説明した。これとは異なり、それぞれの弾性部材(ラバーピン36)が、前端部分においてOリング状の弾性部材(図示せず)に連結した一体的な部品として形成されていてもよい。この場合も、それぞれの弾性部材(ラバーピン36)の後端部分が、対向面184aと当接する複数の当接部を構成する。
【0055】
上記の実施例では、ハウジング14が、結合部142を備えており、リアハンドル18が、突出部182を備えている構成について説明した。これとは異なり、ハウジング14が、突出部182を備えており、リアハンドル18が、結合部142を備えている構成であってもよい。
【0056】
上記の実施例では、シャフト部182cの外側面184cが、後方向に向かうにつれて縮径しており、対向面144aが、対向面184aと回動軸X方向に第1間隔Yを隔てて対向して配置されており、弾性部材(ラバーピン36)が、ハウジング14の対向面144aにおいて、後端部分が対向面144aよりも後方に突出しており、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態では、弾性部材(ラバーピン36)の後端部分が対向面184aに当接するように設けられている構成について説明した。これとは異なり、図13に示すように、シャフト部182cの外側面184cは、前方向(第1方向)に向かうにつれて縮径していてもよく、対向面144bは、対向面184bと回動軸X方向に第2間隔Y’を隔てて対向して配置されていてもよく、弾性部材(ラバーピン36)は、ハウジング14の対向面144bにおいて、前端部分が対向面144bよりも前方に突出しており、ハウジング14とリアハンドル18が結合した状態では、対向面184bに当接するように設けられてもよい。第2間隔Y’は1mm以下であってもよい。本実施例では、第2間隔Y’は0.8mmである。
【0057】
上記の実施例では、シャフト部182cの外側面184cが、回動軸X方向のいずれか一方に向かうにつれて縮径している構成について説明した。これとは異なり、図14に示すように、シャフト部182cの外側面184cは、回動軸X方向に沿って径が一定であってもよい。
【0058】
上記の実施例では、弾性部材(ラバーピン36)が、ハウジング14に形成された収容溝144dに収容されている構成について説明した。これとは異なり、図15に示すように、弾性部材(ラバーピン36)は、リアハンドル18に形成された収容溝184dに収容されていてもよい。
【0059】
上記の実施例では、弾性部材(ラバーピン36)が、回動軸X方向において間隔を隔てて互いに対向する対向面144a(または対向面144b)と対向面184a(または対向面184b)の間に取り付けられる構成について説明した。これとは異なり、図16に示すように、弾性部材(ラバーピン36)は、回動軸Xに直交する方向において間隔を隔てて互いに対向する係合面144cと外側面184cの間に設けられてもよい。弾性部材(ラバーピン36)は、回動軸Xの周方向に離散的に設けられてもよい。この場合、例えばOリング(図示せず)のように、回動軸Xの周方向に連続的な当接部を有する弾性部材を設けると、ハウジング14に対してリアハンドル18が回動する場合に生じる摺動抵抗が大きくなる。図16に示す構成の場合では、弾性部材(ラバーピン36)が周方向に離散的に設けられていることによって、ハウジング14に対してリアハンドル18が回動する場合に生じる摺動抵抗を小さくすることができる。
【0060】
上記の実施例では、対向面144a、対向面144b、対向面184a、および対向面184bが、回動軸Xに垂直な面である構成について説明した。これとは異なり、対向面144a、対向面144b、対向面184a、および対向面184bは、回動軸Xに垂直な面以外の面であってもよい。
【0061】
(対応関係)
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、ヘッジトリマ100(作業機の例)は、一対のシャーブレード12(作業部の例)と、一対のシャーブレード12を駆動するモータ26(原動機の例)と、一対のシャーブレード12を支持するハウジング14と、ハウジング14に対して回動軸X周りに回動可能に取り付けられており、ユーザが把持可能なリアハンドル18と、ハウジング14とリアハンドル18との間に配置されるラバーピン36(弾性部材の例)と、を備えている。ハウジング14は、対向面144a(または対向面144b)(第1面の例)を備えている。リアハンドル18は、回動軸X方向において、間隔を隔てて対向面144a(または対向面144b)に対向する対向面184a(または対向面184b)(第2面の例)を備えている。ラバーピン36は、対向面144a(または対向面144b)と対向面184a(または対向面184b)の間に配置されている。
【0062】
上記の構成によれば、対向面144a(または対向面144b)と対向面184a(または対向面184b)の間に配置されたラバーピン36によって、リアハンドル18とハウジング14の間のガタツキを抑制することができる。リアハンドル18がハウジング14に対して回動可能に取り付けられたヘッジトリマ100において、リアハンドル18とハウジング14との間に発生するガタツキを低減することができる。また、上記の構成によれば、回動軸X方向に間隔を隔てて配置された対向面144a(または対向面144b)と対向面184a(または対向面184b)の間にラバーピン36が配置されているので、リアハンドル18とハウジング14の間の回動軸X方向でのガタツキを抑制することができる。
【0063】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ハウジング14およびリアハンドル18の一方は、回動軸Xに沿う第1方向(後方向または前方向)に向かうにつれて縮径する外側面184cを有するシャフト部182cを備えている。ハウジング14およびリアハンドル18の他方は、第1方向(後方向または前方向)においてシャフト部182cの外側面184cと係合する係合面144c(係合部の例)を備えている。回動軸X方向に関して、対向面144a(または対向面144b)および対向面184a(または対向面184b)は、係合面144cよりも第1方向(後方向または前方向)側に配置されている。
【0064】
上記の構成によれば、ハウジング14とリアハンドル18の一方が、ハウジング14およびリアハンドル18の他方に対して、第1方向(後方向または前方向)に移動することがシャフト部182cの外側面184cおよび係合面144cの係合によって抑制され、第1方向(後方向または前方向)の反対の方向に移動することがラバーピン36によって抑制される。また、ハウジング14およびリアハンドル18の一方が、ハウジング14およびリアハンドル18の他方に対して、回動軸Xに直交する方向に移動することがシャフト部182cの外側面184cおよび係合面144cの係合によって抑制される。このような構成とすることによって、リアハンドル18とハウジング14の間のガタツキを効果的に低減することができる。
【0065】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ラバーピン36(ラバーピン36a、36b、36c、36d)は、回動軸Xの周方向において離散的に配置されており、対向面144a(または対向面144b)または対向面184a(または対向面184b)と当接可能なラバーピン36a、36b、36c、36dの後端部分(または前端部分)(複数の当接部の例)を備えている。
【0066】
上記の構成によれば、リアハンドル18がハウジング14に対して回動する場合に生じる摺動抵抗を低減することができる。このため、ユーザにとって、リアハンドル18の回動が容易になる。
【0067】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ヘッジトリマ100は、一対のシャーブレード12と、一対のシャーブレード12を駆動するモータ26と、一対のシャーブレード12を支持するハウジング14と、ハウジング14に対して回動軸X周りに回動可能に取り付けられており、ユーザが把持可能なリアハンドル18と、ハウジング14とリアハンドル18との間に配置されるラバーピン36と、を備えている。ハウジング14は、対向面144a(または対向面144b、係合面144c)(第1面の例)を備えている。リアハンドル18は、間隔を隔てて対向面144a(または対向面144b、係合面144c)に対向する対向面184a(または対向面184b、外側面184c)(第2面の例)を備えている。ラバーピン36は、対向面144a(または対向面144b、係合面144c)と対向面184a(または対向面184b、外側面184c)の間に配置されている。ラバーピン36は、回動軸Xの周方向において離散的に配置されており、対向面144a(または対向面144b、係合面144c)または対向面184a(または対向面184b、外側面184c)と当接可能なラバーピン36a、36b、36c、36dの後端部分(または前端部分)を備えている。
【0068】
上記の構成によれば、対向面144a(または対向面144b、係合面144c)と対向面184a(または対向面184b、外側面184c)の間に配置されたラバーピン36によって、リアハンドル18とハウジング14の間のガタツキを抑制することができる。リアハンドル18がハウジング14に対して回動可能に取り付けられたヘッジトリマ100において、リアハンドル18とハウジング14との間に発生するガタツキを低減することができる。また、上記の構成によれば、リアハンドル18がハウジング14に対して回動する場合に生じる摺動抵抗を低減することができる。このため、ユーザにとって、リアハンドル18の回動が容易になる。
【0069】
1つまたはそれ以上の実施形態において、回動軸X方向から見た時に、回動軸Xは、ラバーピン36a、36b、36c、36dの後端部分(または前端部分)のそれぞれの中心を頂点とする凸多角形の内側に配置されている。
【0070】
上記の構成によれば、ラバーピン36a、36b、36c、36dの後端部分(または前端部分)が、回動軸Xの周囲を取り囲むように配置されているので、リアハンドル18とハウジング14の間のガタツキを効果的に低減することができる。
【0071】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ラバーピン36a、36b、36c、36dの後端部分(または前端部分)のそれぞれは、丸みを帯びている(丸みを帯びた当接面を備えている例)。
【0072】
仮に、ラバーピン36a、36b、36c、36dの後端部分(または前端部分)のうちの何れかが平坦な形状である(平坦な当接面を備えている例)場合、リアハンドル18がハウジング14に対して回動する際に、その後端部分(または前端部分)が対向面144a(または対向面144b)または対向面184a(または対向面184b)に片当たりをして、大きな摺動抵抗を生じるおそれがある。上記の構成によれば、ラバーピン36a、36b、36c、36dのそれぞれが丸みを帯びているので、リアハンドル18がハウジング14に対して回動する場合に生じる摺動抵抗を小さくすることができる。このため、ユーザの快適性を向上することができる。
【0073】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ラバーピン36は、軸方向が回動軸Xに沿う略円柱形状を有するラバーピン36a、36b、36c、36d(複数の弾性円柱部材の例)を備えている。ラバーピン36a、36b、36c、36dの後端部分(または前端部分)のそれぞれは、対応するラバーピン36a、36b、36c、36dのそれぞれに設けられている。
【0074】
上記の構成によれば、ラバーピン36を容易に成形することができるとともに、ラバーピン36を容易にハウジング14またはリアハンドル18に組み付けることができる。
【0075】
1つまたはそれ以上の実施形態において、モータ26は、ブラシレスモータ(電動モータの例)である。
【0076】
モータ26としてブラシレスモータを用いるヘッジトリマ100においては、モータ26としてエンジンを用いるヘッジトリマ100に比べて、モータ26の駆動により生じる振動が小さいので、リアハンドル18とハウジング14の間のガタツキがユーザの使用感に与える影響が大きい。上記の構成によれば、リアハンドル18とハウジング14の間のガタツキを抑制することができるので、ユーザの快適性を向上することができる。
【符号の説明】
【0077】
12 :一対のシャーブレード
12a :複数の刃先
14 :ハウジング
16 :フロントハンドル
18 :リアハンドル
20 :電源コード
21 :第1駆動スイッチ
22 :第2駆動スイッチ
24 :ロックスイッチ
26 :モータ
28 :クランクカム
30 :電気回路ユニット
30a :インバータ回路
32 :操作ボタン
34 :ロック部材
34a :係合凸部
34b :ストッパ部
36、36a、36b、36c、36d :ラバーピン
100 :ヘッジトリマ
142 :結合部
144a、144b :対向面
144c :係合面
144d :収容溝
146 :受け入れ孔
182 :突出部
182a :ベース部
182b :フランジ部
182c :シャフト部
184a、184b :対向面
184c :外側面
184d :収容溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16