(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-24
(45)【発行日】2025-05-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、機械学習装置、推論装置、情報処理方法、機械学習方法、及び、推論方法
(51)【国際特許分類】
F16K 37/00 20060101AFI20250425BHJP
【FI】
F16K37/00 Z
(21)【出願番号】P 2024003639
(22)【出願日】2024-01-12
【審査請求日】2024-12-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592115504
【氏名又は名称】金子産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【氏名又は名称】青山 純
(72)【発明者】
【氏名】中村 善典
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-61766(JP,A)
【文献】特開2016-146921(JP,A)
【文献】特開2009-138964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁機構の状態を予測する情報処理装置であって、
弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報に基づいて、前記弁機構の状態を示す弁機構状態を求める
ものであり、
検知方向に向かって検知対象の前記所定の変量を検知することができる一つ以上の検知器を備え、
前記弁座は、流路の一部を構成しており、
前記弁座には、前記弁体が接することで前記流路が閉鎖される弁座端面が形成されており、
前記弁座には、一つ以上の検知器設置空間が形成されており、
各前記検知器設置空間には、前記検知器が設置されており、
前記検知方向は、前記検知器が前記検知器設置空間に設置された状態において、前記弁座端面越しにある前記弁体に向かっており、
前記検知器設置空間は、前記弁座端面にて閉鎖されている、
情報処理装置。
【請求項2】
前記一つ以上の検知器のうち少なくとも一つの前記検知器は、距離センサ、振動センサ、及び音響センサのうちいずれか一つの種類のセンサを用いている、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記弁機構状態には、前記弁体と前記弁座との間を流れる流体の流量、前記弁体と前記弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無、前記弁体と前記弁座との間からの予期せぬ流体の漏れ量、及び前記弁体と前記弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの予兆のうちの少なくとも一つを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記入力情報が入力されると、前記入力情報と前記弁機構状態との相関関係が機械学習により学習された学習モデルを用いて、前記弁機構状態を決定し、決定された前記弁機構状態を出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
弁機構の状態を示す弁機構状態を推論するための学習モデルを生成する機械学習装置であって、
弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報と、前記入力情報に対応する前記弁機構状態と、により構成される学習用データを複数組記憶する学習用データ記憶部と、
前記学習用データが複数組入力されることにより、前記入力情報と前記弁機構状態との相関関係を学習モデルに学習させ、学習された前記学習モデルを記憶する機械学習モデル記憶部と、
を備え
、
前記弁座は、流路の一部を構成しており、
前記弁座には、前記弁体が接することで前記流路が閉鎖される弁座端面が形成されており、
前記弁座には、一つ以上の検知器設置空間が形成されており、
各前記検知器設置空間には、検知器が設置されており、
各前記検知器は、検知方向に向かって検知対象の前記所定の変量を検知することができ、
前記検知方向は、前記検知器が前記検知器設置空間に設置された状態において、前記弁座端面越しにある前記弁体に向かっており、
前記検知器設置空間は、前記弁座端面にて閉鎖されている、
機械学習装置。
【請求項6】
メモリと、少なくとも一つのプロセッサとを備え、弁機構の状態を示す弁機構状態を推論する推論装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報を取得する情報取得処理と、
前記入力情報を取得すると、前記メモリに格納されている機械学習による学習モデル を用いて、前記弁機構状態を推論する推論処理と、
推論された前記弁機構状態を出力する出力処理と、
を実行する
ものであって、
前記弁座は、流路の一部を構成しており、
前記弁座には、前記弁体が接することで前記流路が閉鎖される弁座端面が形成されており、
前記弁座には、一つ以上の検知器設置空間が形成されており、
各前記検知器設置空間には、検知器が設置されており、
各前記検知器は、検知方向に向かって検知対象の前記所定の変量を検知することができ、
前記検知方向は、前記検知器が前記検知器設置空間に設置された状態において、前記弁座端面越しにある前記弁体に向かっており、
前記検知器設置空間は、前記弁座端面にて閉鎖されている、
推論装置。
【請求項7】
弁機構の状態を示す弁機構状態を決定するための情報処理方法であって、
弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報に対応する前記弁機構状態を求める
方法であって、
前記弁座は、流路の一部を構成しており、
前記弁座には、前記弁体が接することで前記流路が閉鎖される弁座端面が形成されており、
前記弁座には、一つ以上の検知器設置空間が形成されており、
各前記検知器設置空間には、検知器が設置されており、
各前記検知器は、検知方向に向かって検知対象の前記所定の変量を検知することができ、
前記検知方向は、前記検知器が前記検知器設置空間に設置された状態において、前記弁座端面越しにある前記弁体に向かっており、
前記検知器設置空間は、前記弁座端面にて閉鎖されている、
情報処理方法。
【請求項8】
弁機構の状態を示す弁機構状態を推論するための学習モデルを生成する機械学習方法であって、
弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報と、前記入力情報に対応した前記弁機構状態とにより構成される学習用データを一つ以上の記憶した状態において、
前記学習用データが入力されることにより、前記入力情報と前記弁機構状態との相関関係を学習モデルに学習させる機械学習工程と、
前記機械学習工程において学習された前記学習モデルを機械学習モデル記憶部に記憶させる学習済みモデル記憶工程と、
を実行する
方法であって、
前記弁座は、流路の一部を構成しており、
前記弁座には、前記弁体が接することで前記流路が閉鎖される弁座端面が形成されており、
前記弁座には、一つ以上の検知器設置空間が形成されており、
各前記検知器設置空間には、検知器が設置されており、
各前記検知器は、検知方向に向かって検知対象の前記所定の変量を検知することができ、
前記検知方向は、前記検知器が前記検知器設置空間に設置された状態において、前記弁座端面越しにある前記弁体に向かっており、
前記検知器設置空間は、前記弁座端面にて閉鎖されている、
機械学習方法。
【請求項9】
メモリと、少なくとも一つのプロセッサとを備える推論装置により実行されて、弁機構の状態を示す弁機構状態を推論する推論方法であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報を取得する情報取得工程と、
前記入力情報を取得すると、前記メモリに格納されている機械学習による学習モデルを用いて、前記弁機構状態を推論する推論工程と、
推論された前記弁機構状態を出力する出力工程と、
を実行する
方法であって、
前記弁座は、流路の一部を構成しており、
前記弁座には、前記弁体が接することで前記流路が閉鎖される弁座端面が形成されており、
前記弁座には、一つ以上の検知器設置空間が形成されており、
各前記検知器設置空間には、検知器が設置されており、
各前記検知器は、検知方向に向かって検知対象の前記所定の変量を検知することができ、
前記検知方向は、前記検知器が前記検知器設置空間に設置された状態において、前記弁座端面越しにある前記弁体に向かっており、
前記検知器設置空間は、前記弁座端面にて閉鎖されている、
推論方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、機械学習装置、推論装置、情報処理方法、機械学習方法、及び、推論方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器内の流体の排出口を有するプラス側弁座と、容器内の圧力に応じて排出口を開閉することができるプラス側弁とを有したブリザーバルブが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体の流路上に設けられた弁体と弁座とからなる弁機構では、内部を流通する流体の管理の重要性から、弁機構によって流路を確実に閉鎖するとともに、弁機構を通過する流体の量の検証ができること、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証ができること、そして万一、流体が弁機構から漏れ出している場合には、その漏れ量の検証ができることが要求されている。更に、不測の事態による弁機構からの流体の漏れを防止するため、又は漏れを最小限に抑えるために、弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆を検証することも要求されている。揮発性、及び可燃性を備える流体、又は人体及び環境に対する有害性を備えた流体を扱う場合においては、近年の動植物や環境に対する配慮の高まりから、この要求は、更に大きくなっている。しかし、従来の弁機構では、流路の閉鎖、及び解放をするまでで、弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができないという問題があった。この問題は、弁機構の一例として示した従来例にある揮発性の流体などを扱うブリザーバルブに用いられる弁機構においても何ら解決されておらず、弁機構の一般的な問題として存在している。
【0005】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる情報処理装置、機械学習装置、推論装置、情報処理方法、機械学習方法、及び、推論方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る情報処理装置は、弁機構の状態を予測する情報処理装置であって、弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報に基づいて、弁機構の状態を示す弁機構状態を求める。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る情報処理装置、機械学習装置、推論装置、情報処理方法、機械学習方法、及び、推論方法は、弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1による弁システムを示す概略図である。
【
図4】
図2の検知装置の含む部分を示す拡大図である。
【
図7】
図6の機械学習装置が実施する機械学習の要素を示す概念図である。
【
図10】
図1の機械学習装置による機械学習方法を示すフローチャートである。
【
図11】
図1の情報処理装置による学習用弁機構状態予測方法を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態2による導入部を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本開示を実施するための実施の形態について説明する。なお、以下では本開示の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本開示の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0010】
実施の形態1.
本開示の弁システムの説明として、実施の形態1では、ブリザーバルブに適用された弁システムを用いている。しかし、本開示の弁システムは、ブリザーバルブに適用されたものに限られたものではなく、一般的な弁機構に適宜用いることができる。なお、後に説明する実施の形態2、及び実施の形態3における弁システムにおいても同様である。
【0011】
図1は、実施の形態1による弁システム200を示す概略図である。弁システム200は、ブリザーバルブ5と、機械学習装置240と、情報処理装置250と、それぞれをつなぐネットワーク270と、を備えている。
【0012】
図2は、
図1のブリザーバルブ5を示す概略図である。ブリザーバルブ5は、上流側フランジ4bを介してタンク4の開口部に接続されている。
図2では、ブリザーバルブ5の一部が流路の軸線を含む面での断面で示されている。
【0013】
タンク4は、可燃性を備えた気体又は液体等の流体を貯留している。更に、タンク4には、当該貯留されている流体が揮発した流体も含まれている。可燃性を備えた気体又は液体としては、例えば、化石燃料及び揮発性ガス等の流体である。タンク4の形状は、球形、円筒形状、直方体形状、及び、立方体形状等の形状である。
【0014】
本実施の形態1において、タンク4の形状は、上端に向かうに従ってタンク4の水平断面積が小さくなっている形状である。タンク4の上端には、取付部4aが設置されている。取付部4aには、タンク4の内部に通ずる貫通孔が形成されている。これにより、タンク4の内部の流体は、取付部4aを通して効率的に排出される。
【0015】
ブリザーバルブ5の基部は、上流側フランジ4bを介して取付部4aに取り付けられている。本実施の形態1では、タンク4を上流側とし、タンク4に対してブリザーバルブ5が下流側に設置されているものとする。
【0016】
ブリザーバルブ5は、タンク4の内圧に応じてタンク4の内部の流体を大気に排出し、かつ吸入用流体である大気をタンク4の内部に流入させることができる。即ち、ブリザーバルブ5は、タンク4の内部の圧力を調節することができる。
【0017】
本実施の形態1では、タンク4、及びブリザーバルブ5は、屋外に設置され、大気に暴露されている。
【0018】
ブリザーバルブ5は、主部10と、吸気部20と、排出部40と、を備えている。主部10は、T字形状の配管部材である。主部10のT字形状の配管部材の端部のそれぞれは、鉛直方向の下向きに開口した入側開口端部10a、鉛直方向の上向きに開口した出側開口端部10b、及び水平方向に開口した吸気側開口端部10cである。
【0019】
主部10は、下側に入側開口端部10aがあり、上側に出側開口端部10bがある姿勢で設置されている。入側開口端部10aから出側開口端部10bへ通ずる流路を主流路110とする。主部10は、主流路110の軸線が鉛直方向に沿うように設置されている。主流路110は、排出部40に向かって延びている。排出部40に延びる主流路110については、後に説明をする。
【0020】
主流路110から分岐して吸気側開口端部10cに達する流路を分岐流路111とする。分岐流路111の軸線は、水平方向に沿っている。主部10の吸気側開口端部10cには、吸気部20が接続されている。
【0021】
吸気部20は、吸気部本体21と、吸気部本体21に設けられた吸気弁機構22と、を有している。吸気部本体21は、二つの開口端部を有した管状の部材である。
【0022】
吸気部本体21の一方の端部は、水平方向に向かって開口している接続側開口端部21aである。吸気部本体21の他方の端部には、鉛直方向下向きに開口した、吸気口21bが形成されている。接続側開口端部21aと吸気口21bとを結ぶ流路を吸気流路120とする。ここで、吸気口21bの周囲を構成する吸気部本体21の他方の端部を吸気弁座21xとする。
【0023】
吸気弁機構22は、開閉弁である吸気弁23と、吸気弁23に固定された吸気弁シャフト24と、吸気部本体21に設置された吸気弁ガイド25と、を有している。吸気弁23が吸気口21bの周囲を構成する吸気弁座21xに接することで、吸気口21bは、閉鎖される。吸気弁23と吸気弁座21xとの間に隙間が生じることで、吸気口21bは、開放される。即ち、吸気弁23は、吸気流路120を開閉することができる。
【0024】
吸気弁ガイド25は、吸気弁シャフト24を鉛直方向に沿って移動可能に支持している。これによって、吸気弁23は、吸気弁シャフト24が鉛直方向に沿って移動することで、吸気閉鎖位置と吸気開放位置との間を移動可能である。吸気弁23は、開放弁である。吸気弁23は、吸気弁23、及び、吸気弁シャフト24の自重により、吸気弁ガイド25に沿って落下することで、吸気閉鎖位置に向かって移動することができる。
【0025】
吸気弁23が吸気閉鎖位置にあるとき、吸気弁23は、吸気口21bを閉鎖している。即ち、吸気弁23の下面は、吸気弁座21xに接しているため吸気流路120は閉鎖され、吸気流路120とブリザーバルブ5の外部との連通は遮断された状態となっている。
【0026】
吸気弁23が吸気閉鎖位置から吸気開放位置に向かって自重に抗って上昇移動したとき、吸気弁23と吸気弁座21xbとの間に隙間が生じる。即ち、吸気流路120は、開放され、吸気流路120は、ブリザーバルブ5の外部の大気と連通する状態となる。
【0027】
吸気側開口端部10cと接続側開口端部21aとが接続され、主部10の吸気側開口端部10cに吸気部20が接続されている。これにより、吸気部本体21の内部の吸気流路120は、主部10の内部の分岐流路111と通じている。即ち、吸気流路120は、分岐流路111から水平方向に沿って延びている。
【0028】
主部10の出側開口端部10bには、排出部40が接続されている。排出部40は、排出部本体41と、ベントカバー47と、ベントカバー47に設置されている排出弁機構50と、検知装置60と、弁接触部材70と、を有している。
【0029】
排出部本体41は、管状である導入部42と、導入部42の一方の開口端部を囲うように設けられた大気排出部43とから構成されている。排出部本体41は、導入部42の管路が鉛直方向に沿う姿勢で設置されている。
【0030】
図3は、
図2の導入部42を示す上面図である。
図4は、
図2の検知装置60の含む部分を示す拡大図である。
図3では、導入部42の上面を示しているため弁接触部材70は示されていない。
図2-
図4に基づいて説明を続ける。
【0031】
導入部42の下向きの開口している端部を排出部入側開口端部42aとする。導入部42の鉛直方向上向きの開口している端部を弁側端部42bとする。弁側端部42bの開口を弁側開口42cとし、弁側端部42bの端面を本体端面42dとする。排出部入側開口端部42aと主部10の出側開口端部10bとが接続されている。
【0032】
導入部42には、一つの検知器設置空間42eが形成されている。検知器設置空間42eは、本体端面42dに開口しており、本体端面42dに開口から、導入部42の壁の中を通り、導入部42の外周側に開口する空間である。検知器設置空間42eには、検知装置60の一部が設置されている。
【0033】
検知装置60は、検知器61と、検知器61の信号を図示しない入出力装置に伝達する配線62と、を有している。検知器61は、検知対象の所定の変量を検知することができる。
【0034】
このとき、検知器61は、検知器61が向けられた方向において、検知対象の所定の変量を検知することができるが、その方向を検知器61の検知方向とする。即ち、検知器61の検知方向とは、検知器61が検知対象の所定の変量を検知することができる方向である。
【0035】
検知器設置空間42eには、一つの検知器61と検知器61から延びる配線62の一部が設置されている。検知器61は、検知器61の検知方向が検知器設置空間42eから本体端面42dの外側に向かうように設置されている。即ち、検知器61は、導入部42の弁側端部42b側の端面越しにある検知対象の所定の変量を検知することができる。
【0036】
配線62は、検知器設置空間42eを通って、導入部42の外周から外側に向かって延びて設置されている。配線62は、図示しない入出力装置に接続されている。入出力装置は、検知器61が検知した所定の変量をネットワーク270上に送信することができる。
【0037】
ネットワーク270は、有線、又は無線によって構築された情報伝達網である。ネットワーク270は、インターネットに接続されて、情報伝達可能となっていてもよい。ネットワーク270に接続された機器は、ネットワーク270上に送信された検知器61の信号を取得することができる。ネットワーク270に接続されたその他の機器については、後に説明をする。
【0038】
弁側端部42bには、弁接触部材70が設置されている。
図5は、
図2の弁接触部材70を示す上面図である。
図2-
図5に基づいて説明を続ける。
【0039】
弁接触部材70は、環状の部材である。弁接触部材70において、環状の半径方向に沿った線での断面は、L字状である。即ち、弁接触部材70は、環状の平面板材がその内周側の全周で平面に垂直に曲がっている形状である。弁接触部材70は、本体端面42dの形状に対応する形状に形成されている。
【0040】
弁接触部材70は、導入部42の本体端面42dと、当該本体端面42dから連続する導入部42内周面の一部を覆うように導入部42に設置されている。ここで、弁接触部材70の排出弁53に対向する面を弁対向面70aとする。排出弁53については、後に説明をする。
【0041】
本体端面42dに形成された検知器設置空間42eの開口は、弁接触部材70が導入部42に設置されることで、閉鎖されている。即ち、検知器61は、弁接触部材70で覆われた検知器設置空間42eに設置されている。また、検知器61の検知方向は、弁対向面70a越しにある排出弁53に向かっている。
【0042】
弁接触部材70は、導入部42にねじ止めされ、設置されている。弁接触部材70の外周部分には、ねじ止め用の取り付け箇所が設けられている。しかし、弁接触部材70の導入部42への設置には、ねじ止めの他、周知な方法が用いられてもよい。弁接触部材70は、検知器61の検知能力を著しく低下させない材質で構成されることが好ましい。例えば、弁接触部材70は、ステンレスで構成されている。
【0043】
弁接触部材70の形状を工夫して、検知器61の検知能力を著しく低下させないことが好ましい。例えば、弁接触部材70を薄くすることで検知器61の検知能力の著しい低下を防ぐことができる。なお、
図2-5に示されているように、検知器設置空間42eが形成された部分の導入部42の内周面は、更に内側に向かって突出して形成されており、検知器設置空間42eが形成された部分の導入部42の肉厚は、その他の部分の肉厚より、厚くなっている。また、弁接触部材70は、本体端面42dの形状に対応する形状に形成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、導入部42の肉厚は一様に等しく、即ち、導入部42の内周面には、内側に向かって突出した部分が形成されておらず、軸方向から見た導入部42の内周面は、円形であってもよい。この場合でも、弁接触部材70は、本体端面42dの形状に対応する形状に形成されている。
【0044】
ここで、導入部42の弁側端部42bを弁座本体3とする。なお、弁座本体3は、導入部42の弁側端部42bが排出流路140の一部を構成するように、弁体により閉鎖される流路の一部を構成する筒状のものでよい。また、導入部42の本体端面42dは、弁座本体3に形成されている流路の端部であって弁体に対向する弁座本体3の本体端面である。弁座本体3には、検知器設置空間42eが形成されている。
【0045】
また、導入部42の弁側端部42bである弁座本体3と、弁接触部材70と、を弁座2とする。従って、弁座2は、流路の一部を構成している。また、弁座2と、検知装置60と、を弁座機構1とする。また、この場合、弁接触部材70の弁対向面70aを弁座端面2aとする。
【0046】
即ち、弁座端面2aは、弁体である排出弁53の下面と対向しており、排出弁53が排出流路140を閉鎖している場合には、排出弁53が直接接する箇所である。更に、排出弁53と弁座端面2aとの間の隙間が形成され、排出流路140が開放された場合には、タンク4内の流体は、排出弁53と弁座端面2aとの間の隙間を通って排出される。
【0047】
また、検知方向は、検知器61が検知器設置空間42eに設置された状態において、弁座端面2a越しにある弁体である排出弁53に向かっている。
【0048】
図2に戻り説明を続ける。大気排出部43は、導入部42の弁側端部42bを囲うように形成されている。大気排出部43の上端側には、開口が形成されている。大気排出部43の上端側を弁機構側開口端部43bとする。大気排出部43の弁機構側開口端部43bより下側、即ち大気排出部43の胴部分には、水平方向に開口した複数の放出口43aが形成されている。
【0049】
ベントカバー47は、弁機構側開口端部43bに接続されている。ベントカバー47は、弁機構側開口端部43bの開口を閉鎖している。ベントカバー47の弁機構側開口端部43bへの接続は、周知な構成を採用することができる。ベントカバー47には、排出弁機構50が設置されている。
【0050】
排出弁機構50は、弁側開口42cを閉鎖することができる弁体である排出弁53と、排出弁53に固定された排出弁シャフト54と、ベントカバー47に設置された排出弁ガイド55と、を有している。
【0051】
ベントカバー47が弁機構側開口端部43bへ接続された状態では、排出弁ガイド55は、ベントカバー47から鉛直方向下向きに延びている。排出弁ガイド55は、排出弁シャフト54を鉛直方向に沿って移動可能に支持している。
【0052】
排出弁53は、排出弁シャフト54が鉛直方向に沿って移動することで、排出閉鎖位置と排出開放位置との間を移動可能である。排出弁53は、開放弁である。
【0053】
排出弁53は、排出弁53、及び、排出弁シャフト54の自重により、排出弁ガイド55に沿って落下することで、排出閉鎖位置に向かって移動することができる。
【0054】
排出弁53が排出閉鎖位置にあるとき、排出弁53は、弁側開口42cを閉鎖している。具体的には、排出弁53が排出閉鎖位置にあるとき、排出弁53の表面が弁接触部材70の弁対向面70aに接触する。このとき、弁側開口42cの周囲において、排出弁53の表面と弁対向面70aとが連続して接触している。
【0055】
本実施の形態1では、弁対向面70aに接触する排出弁53の表面は、排出弁53の下面である。即ち、検知装置60は、排出弁53の下面に対向するように設置され、排出弁53までの状態を検知することができる。
【0056】
排出弁53が排出閉鎖位置から排出開放位置に向かって自重に抗って移動したとき、排出弁53と弁側開口42cとの間に隙間が生じる。
【0057】
排出部40には、排出部入側開口端部42aから弁側開口42cを通り、複数の放出口43aに通じる排出流路140が形成されている。排出弁53が排出閉鎖位置にあるとき、主部10の内部から延びた主流路110と、排出流路140とは、連通が遮断された状態となる。
【0058】
排出弁53が排出閉鎖位置から排出開放位置に向かって移動し、排出弁53と弁側開口42cとの間に隙間が生じたとき、主部10の内部から延びた主流路110と、排出流路140とは、連通する状態となる。
【0059】
次に、ブリザーバルブ5の動作について説明する。ブリザーバルブ5は、タンク4の内圧に基づいて動作する。
【0060】
まず、タンク4の内圧が正常圧力である場合では、吸気弁23、及び、排出弁53のそれぞれは、閉状態である。この状態では、吸気弁23からの吸気、及び排出弁53からの排気は、実施されず、タンク4内の内圧は保たれている。
【0061】
次に、タンク4の内圧が正常圧力よりも低い低圧となった場合について説明する。吸気部20では、吸気部20の内圧が低くなっていることから、大気により吸気弁23が押されている。従って、吸気弁23は、吸気閉鎖位置から吸気開放位置に向かって移動する。
【0062】
具体的には、吸気弁23は、大気に押されて自重に抗って上昇する。なお、吸気弁23、及び、吸気弁シャフト24の合計の重量は、吸気部20の内圧が正常圧力以下になると大気に押されて上昇する重量に設定されている。
【0063】
吸気弁23が自重に抗って上昇することで、吸気流路120は、開放され、大気が吸気口21bから吸気部20内部に侵入する。
【0064】
一方、排出部40の内圧が低くなっていることから、排出弁53は、自重により下方に移動しており、排出弁53は、排出閉鎖位置にとどまっている。即ち、弁側開口42cは、排出弁53によって閉鎖された状態を維持している。
【0065】
これにより、吸気口21bから大気が流入し、やがてタンク4の内圧が増加し、吸気弁23が自重により吸気閉鎖位置に移動し、吸気口21bを閉鎖する。このように、タンク4の内圧は、吸気弁23の自重によって設定された圧力となる。
【0066】
次に、タンク4の内圧が正常圧力よりも高い場合について説明する。このとき、吸気部20では、吸気部20の内圧が高くなっていることから、吸気部20の内圧と自重とにより吸気弁23は、吸気閉鎖位置にとどまっている。従って、吸気口21bは閉鎖されている。
【0067】
排出部40では、タンク4、主部10、及び吸気部20の内圧が高くなっていることから、排出弁53が排出閉鎖位置から排出開放位置に向かって移動する。具体的には、排出弁53は、タンク4の内部の流体に押されて自重に抗って上昇する。なお、排出弁53、及び、排出弁シャフト54の合計の重量は、主部10の内圧が正常圧力以上となると自重に抗って上昇する重量に設定されている。
【0068】
従って、タンク4内の流体は、タンク4内から、主流路110、弁側開口42c、排出流路140を通って排出される。即ち、排出弁機構50は、排出部40の内圧が正常圧力よりも高くなった場合には、主流路110と排出流路140とを連通させる。これによりタンク4の内部から排出流路140を通って排出弁機構50の下流側に流体を排出することができる。
【0069】
タンク4内の流体が排出部40から排出されると、やがてタンク4の内圧に基づいて排出弁53は、自重により排出閉鎖位置に移動し、弁側開口42cを閉鎖する。
【0070】
これにより、タンク4の内圧が排出弁53の自重に基づいた圧力となる。このように、ブリザーバルブ5は、タンク4内の圧力を一定の圧力に維持することができる。
【0071】
なお、タンク4の内部の流体は、前述した通り、タンク4の内部の流体と当該流体が揮発してガス化した流体とを含むものである。このため、排出される流体も、タンク4の内部の流体と当該流体が揮発してガス化した流体とを含むものである。
【0072】
次に、検知装置60について説明をする。検知器61によって排出弁53と弁座2の状態を常時検知することができる。検知器61によって検知される検知対象の所定の変量は、排出弁53、又は排出弁53と弁座2との間の状態である弁機構の状態として認識することができる。
【0073】
例えば、検知器61として、排出弁53の下面までの距離を計測することができる距離センサを用いることができる。この場合、検知器61の検知結果より検知できる排出弁53の状態は、排出弁53までの現在の距離、即ち排出弁53の現在位置である。
【0074】
なお、検知器61は、距離センサでなくてもよい。例えば、検知器61には、排出弁53の下面に向けた振動センサを用いることもできる。当該振動センサで排出弁53に対向している弁側端部42bの振動を計測してもよい。検知器61に振動センサを用いても、距離センサと同様に、弁機構の状態を検知することができる。
【0075】
また、例えば、排出弁53の下面に向けた音響センサを検知器61に用いてもよい。当該音響センサで排出弁53との間の音を計測してもよい。音響センサでは、排出弁53の動作音、及び弁座と排出弁53との間にある流体の音を検知することができる。検知器61に音響センサを用いても、距離センサと同様に、弁機構の状態を検知することができる。上記では、検知器61に用いられるセンサとして三種類のセンサを例示したが、検知器61に用いられるセンサの種類は、上記の三種類に限られたものではなく、検知器61には、様々な種類のセンサを用いることができる。
【0076】
機械学習装置240は、機械学習の学習フェーズの主体として動作する装置である。
図6は、
図1の機械学習装置240を示す構成図である。
図7は、
図6の機械学習装置240が実施する機械学習の要素を示す概念図である。機械学習装置240は、機械学習制御部241と、機械学習通信部242と、学習用データ記憶部243と、機械学習モデル記憶部244と、を有している。
【0077】
機械学習制御部241は、入力される情報に対応した出力情報が得られる学習モデル245を生成する。機械学習制御部241は、学習モデル245の生成に一つ以上の学習用データ246を用いる。学習用データ246は、学習用入力情報201aと学習用入力情報201aに対応する学習用弁機構状態201bとで構成されている。
【0078】
ここで、入力情報とは、検知器61によって検知される検知対象の所定の変量であって、弁座2から検知される弁体である排出弁53と弁座2との間の所定の変量を示すものである。弁機構状態とは、弁機構の状態、即ち弁体である排出弁53と弁座2との状態、及び排出弁53と弁座2との間の状態を含んだものを示すものである。なお、弁機構とは、弁体である排出弁53と弁座2、又は弁座機構1とからなるものである。
【0079】
学習用データ246は、教師あり学習における教師データであるトレーニングデータ、検証データ及びテストデータとして用いられるデータである。また、学習用弁機構状態201bは、教師あり学習における正解ラベルとして用いられるデータである。
【0080】
なお、学習用入力情報201aと学習用入力情報201aに対応する弁機構状態である学習用弁機構状態201bとは、入力情報200aと入力情報200aに対応する弁機構状態である弁機構状態200bが学習用データ246として学習用データ記憶部243に記憶された状態のものである。
【0081】
入力情報200aと弁機構状態200bとは、ブリザーバルブ5に対する様々な、試験、及びテストといった製品テストによって得られる。入力情報200a、弁機構状態200b、学習用入力情報201a、学習用弁機構状態201b、及び学習用データ246が記憶されている学習用データ記憶部243については、後に説明をする。
【0082】
機械学習制御部241は、一つ以上の学習用データ246における学習用入力情報201aと学習用弁機構状態201bとの相関関係を学習モデル245に学習させることができる。これにより、機械学習制御部241は、学習済みの学習モデル245を生成することができる。
【0083】
学習モデル245には、ニューラルネットワークの構造が採用されている。学習モデル245は、入力層245a、中間層245b、及び、出力層245cを有している。入力層245aは、学習用入力情報201aのパラメータ数に対応する数のニューロンを有している。出力層245cは、学習用弁機構状態201bの条件数に対応する数のニューロンを有している。
【0084】
各層の間には、各ニューロンをそれぞれ接続する図示しないシナプスが張られている。各シナプスには、重みを付すことができる。
【0085】
機械学習制御部241は、機械学習によって、各シナプスの重みからなる重みパラメータ群を調整する。重みパラメータ群は、学習モデル245に反映される。
【0086】
機械学習制御部241では、学習用入力情報201aの各パラメータを入力層245aの各ニューロンにそれぞれ入力し、学習モデル245を通して、学習用入力情報201aに対応する弁機構の状態を示す学習結果弁機構状態201cが出力される。機械学習制御部241は、学習結果弁機構状態201cを検討し、当該検討結果に基づいて各シナプスの重みを調整する。
【0087】
学習モデル245が、回帰モデルで構成される場合には、学習用弁機構状態201bは、所定の範囲(例えば、0~1)に正規化された数値でそれぞれ出力される。また、学習モデル245が、分類モデルで構成される場合には、学習用弁機構状態201bは、各クラスに対するスコア(確度)として、所定の範囲(例えば、0~1)に正規化された数値でそれぞれ出力される。
【0088】
学習用データ記憶部243は、複数の学習用データ246をデータベースとして記憶することができる。なお、学習用データ記憶部243を構成するデータベースの具体的な構成は適宜設計することができる。
【0089】
学習用データ記憶部243には、製品テスト等によって事前に取得される入力情報200aと入力情報200aに対応している弁機構状態200bとが入力される。学習用データ記憶部243に入力された入力情報200aと弁機構状態200bとのそれぞれは、学習用入力情報201aと学習用弁機構状態201bとして記憶される。従って、学習用弁機構状態201bは、学習用入力情報201aに対応している。これにより、一つの学習用データ246が記憶される。
【0090】
学習用入力情報201aと学習用弁機構状態201bとは、ブリザーバルブ5の製品テストなどで検知器61により得られた入力情報200aと、製品テストなどで実際に観察、及び計測された弁機構状態200bに基づいている。
【0091】
前述の製品テストとしては、ブリザーバルブ5の設計、試作、及び出荷前の製品検査などで実施されるものである。種々の製品テストによって検知器61が検知した検知対象の所定の変量を入力情報200aとして取得する。
【0092】
また、製品テストによって当該変量の検知と同時に観測、又は計測された排出弁53と弁座2との間を通過する流体の量、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無、その漏れ量、及び弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの予兆などを弁機構状態200bとして取得する。製品テストにおいては、ブリザーバルブ5と機械学習装置240とが情報交換可能に接続され、製品テスト中に検知器61に検知される変量が逐次入力情報200aとして学習用データ記憶部243に入力される。そして作業者の判断などによって決定された入力情報200aに対応する弁機構状態200bが、学習用データ記憶部243に入力される。なお、製品テストで検知された変量を図示しない記憶装置に記憶しておき、それに対応する弁状態を決定した後に、作業者がそれらの情報を入力情報200aと入力情報200aに対応する弁機構状態200bとして学習用データ記憶部243に入力してもよい。この場合には、ブリザーバルブ5と機械学習装置240とが必ずしも情報交換可能に接続されていなくてもよい。
【0093】
製品テストでは、排出弁53の開度がゼロのとき、即ち排出弁53によって流路が閉鎖されている状態であっても、検知器61により検知対象の所定の変量が検知されている。即ち、製品テストでは、検知器61によって検知対象の変量が常時検知されているために、それらの変量の時系列データを取得することができる。
【0094】
製品テストにおいては、排出弁53の開度、及び排出弁53から排出される流体の流量が実際に計測器などを用いて計測され、その計測結果に基づいて得られる排出弁53と弁座2との間を通過する流体の量を弁機構状態200bとして取得することができる。
【0095】
また、弁座2と排出弁53との状態を判定できる作業員によって、弁座2と排出弁53との状態が正常状態であるか、異常状態であるか、及び異常状態である場合はどのような異常状態であるのかといった排出弁53と弁座2との観察された結果を弁機構状態200bとして取得することができる。
【0096】
更に、排出弁53と弁座2との状態が異常状態であった場合に、排出弁53と弁座2との間を通過する流体の有無を予期せぬ流体の漏れの有無とし、当該予期せぬ流体の漏れの有無を弁機構状態200bとして取得することができる。
【0097】
更に、排出弁53と弁座2との状態が異常状態であった場合に、排出弁53と弁座2との間を通過する流体の量を予期せぬ流体の漏れ量とし、当該予期せぬ流体の漏れ量を弁機構状態200bとして取得することができる。
【0098】
更に、排出弁53と弁座2との状態が異常状態であり、かつ排出弁53と弁座2との間を通過する流体の量がゼロでなかった場合には、予期せぬ流体の漏れ予兆を弁機構状態200bとして取得することができる。即ち、排出弁53と弁座2との状態が異常状態であり、かつ排出弁53と弁座2との間を通過する流体の量がゼロでなかった場合に、それより以前の排出弁53と弁座2との間を通過する流体の量がゼロであったときの一定期間に渡る時系列の入力情報に対して、予期せぬ流体の漏れ予兆として弁機構状態200bを取得する。
【0099】
製品テストは、不具合の発生を再現したものも実施される。例えば、弁座2と排出弁53との間に何らかの異物の?み込みがあった場合を想定した製品テスト、又は弁座2、及び排出弁53の少なくともいずれか一方を腐食させた状態で実施される製品テストなどがある。更には、実際の稼働状況を模して弁機構を長期間稼働させ、経年劣化の状況、及び耐久性を確認する製品テストなども考えられる。
【0100】
このような製品テストでは、不具合や経年劣化によって排出弁53と弁座2との状態が異常であると判断され、予期せぬ流体の漏れの有無、予期せぬ流体の漏れ量、及び予期せぬ流体の漏れ予兆といったものを弁機構状態200bとして取得することができる。
【0101】
更に、製品テストのみならず、現在稼働しているブリザーバルブ5から取得される入力情報200aと、その際に保守点検などによって取得することができる情報を弁機構状態200bとして取得することができる。あるいは、シミュレーションによって作成されたデータを用いてもよい。
【0102】
このように、製品テストなどで得られる入力情報200aと弁機構状態200bとの相関関係は、実機を使用した結果として求められたものであるから妥当である。従って、このようなデータを学習用データ246として機械学習に用いることが望ましい。
【0103】
入力情報200aである変量は、具体的には検知器61に用いられるセンサの種類によって決定される。検知器61には、距離センサ、振動センサ、あるいは音響センサといったものを採用できるため、入力情報200aとしては、上記センサの種類に対応した所定の変量が得られる。
【0104】
弁機構状態200bは、数値、及びエラーコードといったものを用いて示されてもよい。例えば、弁機構状態200bが定量的に得られるもの、例えば流量、又は漏れ量であれば、その具体的な量によって弁機構状態200bが示されてもよい。例えば、弁機構の状態が正常な場合には、1とし、異常な場合には0として弁機構状態200bが示されてもよい。
【0105】
例えば、予期せぬ流体の漏れの予兆を示す場合には、当該漏れの予兆が全くない場合を0とし、当該漏れの予兆が把握できた場合に1として示してもよい。あるいは、予期せぬ流体の漏れの予兆が全くない場合を0とし、当該漏れの予兆が頻繁にみられ予期せぬ流体の漏れの予兆が高確率に把握できる場合を100として、その間の数値を用いてもよい。
【0106】
機械学習制御部241は、学習用データ記憶部243に記憶された複数の学習用データ246の中から任意の一つ以上の学習用データ246を抽出し、機械学習に用いることができる。
【0107】
機械学習モデル記憶部244は、機械学習制御部241により生成された学習済みの学習モデル245、即ち、調整済みの重みパラメータ群を記憶するデータベースである。
【0108】
機械学習通信部242は、通信インターフェイス部である。機械学習通信部242は、ネットワーク270を介して外部装置と接続されることで、各種のデータを送受信することができる。機械学習モデル記憶部244に記憶された学習済みの学習モデル245は、ネットワーク270や記憶媒体等を介して情報処理装置250に提供される。
【0109】
なお、
図6では、学習用データ記憶部243と、機械学習モデル記憶部244とが別々の記憶部として示されているが、これらは単一の記憶部で構成されてもよい。
【0110】
図8は、
図1の情報処理装置250を示す概略図である。情報処理装置250は、機械学習の推論フェーズの主体として動作する装置である。情報処理装置250は、機械学習装置240により生成された学習モデル245を用いて、新たに入力される予測用入力情報202aに対応する新規弁機構状態202bを予測する。予測用入力情報202aは、現在稼働しているブリザーバルブ5において検知器61が取得した変量である。即ち、情報処理装置250は、現在稼働しているブリザーバルブ5における予測用入力情報202aに基づいた新規弁機構状態202bを求める。
【0111】
情報処理装置250は、情報処理制御部251と、情報処理記憶部255と、情報処理通信部256と、を有している。情報処理制御部251は、情報取得部252と、情報予測部253と、出力処理部254と、を有している。
【0112】
情報取得部252は、検知器61にて取得され検知装置60から出力されるデータを予測用入力情報202aとして取得する。予測用入力情報202aは、新たな弁機構状態を求めるための入力情報である。ここで、予測用入力情報202aに対応する弁機構状態を新規弁機構状態202bとする。
【0113】
情報予測部253は、情報取得部252が取得した予測用入力情報202aを学習モデル245に入力することで、新規弁機構状態202bを予測する。出力処理部254は、情報予測部253により予測された新規弁機構状態202bを情報処理通信部256に出力する。
【0114】
情報予測部253は、情報処理記憶部255に記憶されている複数の学習モデル245の中から一つの学習モデル245を選択して利用することができる。
【0115】
情報処理記憶部255は、情報予測部253で利用される学習済みの学習モデル245を記憶するデータベースである。情報処理記憶部255は、機械学習装置240から入力される学習済みの学習モデル245を複数記憶することができる。
【0116】
複数の学習モデル245のそれぞれは、例えば、機械学習の手法、学習用入力情報201aに含まれるデータの種類、学習用弁機構状態201bに含まれるデータの種類等が異なる複数の学習済みモデルである。
【0117】
情報処理記憶部255は、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータ等の外部コンピュータの記憶部で代用されてもよい。その場合には、情報予測部253は、当該外部コンピュータの記憶部にアクセスして学習モデル245を取得することができる。
【0118】
情報処理通信部256は、ネットワーク270を介して弁システム200の外の装置と通信可能に接続されている。情報処理通信部256は、各種のデータを送受信する通信インターフェイス部である。情報処理通信部256は、出力処理部254が出力した新規弁機構状態202bを情報処理通信部256に出力することができる。
【0119】
図9は、コンピュータ900のハードウエア構成図である。弁システム200の機械学習装置240及び情報処理装置250は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。
【0120】
コンピュータ900は、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信インターフェイス部922、外部機器インターフェイス部924、入出力デバイスインターフェイス部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0121】
プロセッサ912は、一つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。
【0122】
メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
【0123】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音声を含む音出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。
【0124】
入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD、SSD(Solid State Drive)等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0125】
通信インターフェイス部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。ネットワーク940は、ネットワーク270と同一であってもよい。
【0126】
外部機器インターフェイス部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。
【0127】
入出力デバイスインターフェイス部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等の入出力デバイス960に接続され、入出力デバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。
【0128】
メディア入出力部928は、例えば、DVDドライブ、CDドライブ等のドライブ装置で構成され、DVD、CD等の記憶媒体であるメディア970に対してデータの読み書きを行う。
【0129】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。
【0130】
プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信インターフェイス部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。
【0131】
また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA、ASIC等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0132】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよい。コンピュータ900は、弁システム200の機械学習装置240及び情報処理装置250以外の装置にも適用されてもよい。
【0133】
次に、機械学習方法について説明をする。
図10は、
図1の機械学習装置240による機械学習方法を示すフローチャートである。
【0134】
まず、事前に作業者は、一つ以上の学習用データ246を入力し、学習用データ記憶部243に記憶させておく。記憶させる学習用データ246の数は、最終的に得られる学習モデル245に求められる推論精度を考慮して設定される。なお、好ましくは複数組の学習用データ246を記憶させておくことがよい。
【0135】
機械学習方法では、ステップS100として学習モデル準備工程が実施される。機械学習制御部241は、学習前の学習モデル245を準備する。準備された学習モデル245では、各シナプスの重みが初期値に設定されている。
【0136】
次に、ステップS110として機械学習工程が実施される。機械学習工程において、まず、ステップS111として学習用データ取得工程が実施される。機械学習制御部241は、学習用データ記憶部243に記憶された複数の学習用データ246から、ランダムに一つの学習用データ246を取得する。
【0137】
次に、ステップS112としての推論結果出力工程が実施される。機械学習制御部241は、取得した一つの学習用データ246に含まれる学習用入力情報201aを、準備された学習モデル245の入力層245aに入力する。その結果、学習モデル245の出力層245cから推論結果として学習結果弁機構状態201cが出力される。
【0138】
推論結果として出力された学習結果弁機構状態201cは、学習前又は学習中の学習モデル245によって生成されたものである。そのため、学習結果弁機構状態201cは、学習用データ246に含まれる正解ラベルである学習用弁機構状態201bとは異なる。
【0139】
次に、ステップS113として重み調整工程が実施される。機械学習制御部241は、正解ラベルであるステップS111で取得した学習用データ246のうちの学習用弁機構状態201bと、ステップS112において推論結果として出力された学習結果弁機構状態201cとを比較する。当該比較に基づいて、機械学習制御部241は、各シナプスの重みを調整する処理であるバックプロバケーションを実施し、機械学習を実施する。
【0140】
これにより、機械学習制御部241は、学習用入力情報201aと学習用弁機構状態201bとの相関関係を学習モデル245に学習させる。
【0141】
次に、ステップS114として機械学習終了判定工程が実施される。機械学習制御部241は、所定の学習終了条件が満たされたか否かを判定する。この判定は、例えば、正解ラベルである学習用弁機構状態201bと学習結果弁機構状態201cとに基づく誤差関数の評価値や、学習用データ記憶部243内に記憶された未学習の学習用データ246の残数等に基づいて実施される。
【0142】
ステップS114において、機械学習制御部241が、学習終了条件が満たされておらず、機械学習を継続すると判定した場合、即ちステップS114でNoとなった場合、処理は、ステップS111に戻る。このように、学習中の学習モデル245に対してステップS111~S114の工程が未学習の学習用データ246に対して複数回実施される。
【0143】
一方、ステップS114において、機械学習制御部241が、学習終了条件が満たされて、機械学習を終了すると判定した場合、即ち、ステップS114でYesとなった場合、処理は、ステップS120に進む。
【0144】
そして、ステップS120として、学習済みモデル記憶工程が実施される。機械学習制御部241は、各シナプスの重みが調整された学習済みの学習モデル245、即ち、調整済みの重みパラメータ群が反映された学習モデル245を機械学習モデル記憶部244に記憶する。これにより、機械学習方法は、終了する。
【0145】
次に、情報処理装置250による弁システム200の新規弁機構状態202bの予測方法について説明をする。
図11は、
図1の情報処理装置250による学習用弁機構状態予測方法を示すフローチャートである。
【0146】
情報処理方法である学習用弁機構状態予測方法は、弁機構の状態を示す弁機構状態を決定するための方法であって、弁体である排出弁53と弁座2との間の所定の変量である入力情報に基づいた弁機構状態を求めることができる。
【0147】
まず、ステップS200として予測用入力情報取得工程が実施される。検知装置60で所得された変量のデータが予測用入力情報202aとして情報処理装置250に入力されることで、情報取得部252は、予測用入力情報202aを取得する。
【0148】
次に、ステップS210として予測工程が実施される。情報予測部253は、ステップS200にて取得した予測用入力情報202aを学習モデル245に入力する。これにより、情報予測部253は、予測用入力情報202aに対応する新規弁機構状態202bを予測する。
【0149】
次に、ステップS220として出力処理工程が実施される。出力処理部254は、出力処理として、ステップS210にて生成された新規弁機構状態202bを図示しない表示画面などに表示する。これにより、新規弁機構状態202bの予測とその出力が完了する。なお、新規弁機構状態202bは、電子メールなどに記載されて指定された電子メールアドレス宛に送信されてもよい。
【0150】
また、検知装置60からは、所定の変量が常時出力されているため、それに伴って予測用入力情報取得工程が実施される。
【0151】
本開示は、機械学習装置240が備える各部としてコンピュータ900を機能させるプログラムである機械学習プログラムや、機械学習方法が備える各工程をコンピュータ900に実行させるためのプログラムである機械学習プログラムの態様で提供することもできる。
【0152】
また、本開示は、情報処理装置250が備える各部としてコンピュータ900を機能させるプログラムである弁機構状態出力プログラムや、実施の形態1に係る情報処理方法が備える各工程をコンピュータ900に実行させるためのプログラムである弁機構状態出力プログラムの形態で提供することもできる。
【0153】
また、本開示は、実施の形態1に係る情報処理装置250、情報処理方法、又は情報処理プログラムの態様によるもののみならず、弁機構状態を推論するために用いられる推論装置、推論方法、又は推論プログラムの態様で提供することもできる。その場合、推論装置、推論方法、又は推論プログラムとしては、メモリ914と、プロセッサ912とを含み、このうちのプロセッサ912が、一連の処理を実行するものと することができる。
【0154】
当該一連の処理とは、入力情報を取得する情報取得処理(情報取得工程)と、メモリ914に格納されている学習モデル245を用いて、弁機構状態を推論する推論処理(推論工程)と、推論された弁機構状態を外部機器950に出力する出力処理(出力工程)と、を含んでいる。なお、出力処理では、通信インターフェイス部922を介してネットワーク940上に弁機構状態を出力してもよい。
【0155】
実施の形態1による情報処理装置250によれば、弁機構の状態を予測するものであって、弁体である排出弁53と弁座2との間の所定の変量である入力情報に基づいて、弁機構の状態を示す弁機構状態を求めることができる。これにより、弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる。
【0156】
実施の形態1による情報処理装置250によれば、検知方向に向かって検知対象の所定の変量を検知することができる一つ以上の検知器61を備えている。また、弁座2は、流路の一部を構成しており、弁座2には、弁体である排出弁53が接することで流路が閉鎖される弁座端面2aが形成されている。また、弁座2には、一つ以上の検知器設置空間42eが形成されており、各検知器設置空間42eには、検知器61が設置されており、検知方向は、検知器61が検知器設置空間42eに設置された状態において、弁座端面2a越しにある弁体である排出弁53に向かっている。これにより、弁座2と弁体である排出弁53との間の所定の変量を検知器61で検知することができる。従って、より正確に弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる。
【0157】
実施の形態1による情報処理装置250によれば、一つ以上の検知器61のうち少なくとも一つの検知器61は、距離センサ、振動センサ、及び音響センサのうちいずれか一つの種類のセンサを用いている。検知器61には様々な種類のセンサを用いることができるが、距離センサ、振動センサ、及び音響センサのうちいずれか一つのセンサを用いることにより、一般に販売されており入手が容易なセンサを検知器61として用いることができる。従って、弁座機構1の設計、製造、及び保守について容易に対応することができる。
【0158】
実施の形態1による情報処理装置250によれば、弁機構状態には、弁体である排出弁53と弁座2との間を流れる流体の流量、弁体である排出弁53と弁座2との間からの予期せぬ流体の漏れの有無、弁体である排出弁53と弁座2との間からの予期せぬ流体の漏れ量、及び弁体である排出弁53と弁座2との間からの予期せぬ流体の漏れの予兆のうちの少なくとも一つを含む。これにより、情報処理装置250の出力に基づいて、弁機構の状態を容易に、かつ迅速に検証することができる。
【0159】
実施の形態1による情報処理装置250によれば、入力情報が入力されると、入力情報と弁機構状態との相関関係が機械学習により学習された学習モデルを用いて、弁機構状態を決定し、決定された弁機構状態を出力する。これにより、蓄積された情報に基づいた機械学習方法を弁機構の状態の検証に用いることができる。従って、更に正確に弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる。
【0160】
実施の形態1による機械学習装置240によれば、弁機構の状態を示す弁機構状態を推論するための学習モデル245を生成する。また、弁体である排出弁53と弁座2との間の所定の変量である入力情報と、入力情報に対応する弁機構状態と、により構成される学習用データ246を複数組記憶する学習用データ記憶部243を備えている。また、学習用データ246が複数組入力されることにより、入力情報と弁機構状態との相関関係を学習モデルに学習させ、学習された学習モデル245を記憶する機械学習モデル記憶部と、を備えている。これにより、入力情報と弁機構情報との相関関係が学習された学習モデル245を生成し、記憶しておくことができる。従って、学習された学習モデル245を用いて更に正確に弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる。
【0161】
実施の形態1による推論装置によれば、メモリ914と、少なくとも一つのプロセッサ912とを備え、弁機構の状態を示す弁機構状態を推論する。また、少なくとも一つのプロセッサ912は、弁体である排出弁53と弁座2との間の所定の変量である入力情報を取得する情報取得処理と、入力情報を取得すると、メモリ914に格納されている機械学習による学習モデル245を用いて、弁機構状態を推論する推論処理と、推論された弁機構状態を出力する出力処理と、を実行する。これにより、弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる。
【0162】
実施の形態1による推論方法によれば、メモリ914と、少なくとも一つのプロセッサ912とを備える推論装置により実行されて、弁機構の状態を示す弁機構状態を推論する。また、少なくとも一つのプロセッサ912は、弁体である排出弁53と弁座2との間の所定の変量である入力情報を取得する情報取得工程を実行する。また、入力情報を取得すると、メモリ914に格納されている機械学習による学習モデル245を用いて、弁機構状態を推論する推論工程を実行する。また、推論された弁機構状態を出力する出力工程を実行する。これにより、弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる。
【0163】
実施の形態1による情報処理方法によれば、弁機構の状態を示す弁機構状態を決定する。また、弁体である排出弁53と弁座2との間の所定の変量である入力情報に基づいて、弁機構状態を求める。これにより、弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる。
【0164】
実施の形態1による機械学習方法によれば、弁機構の状態を示す弁機構状態を推論するための学習モデル245を生成する。また、弁体である排出弁53と弁座2との間の所定の変量である入力情報と、入力情報に対応した弁機構状態とにより構成される学習用データ246を一つ以上記憶した状態において、学習用データ246が複数組入力されることにより、入力情報と弁機構状態との相関関係を学習モデルに学習させる機械学習工程を実行する。また、機械学習工程において学習された学習モデル245を機械学習モデル記憶部244に記憶させる学習済みモデル記憶工程を実行する。これにより、弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる。
【0165】
なお、実施の形態1では、学習モデル245としてニューラルネットワークによるものを採用している。しかし、これに限られたものではない。学習モデル245としては、他の機械学習のモデルが採用されてもよい。他の機械学習のモデルとしては、例えば、決定木、回帰木等のツリー型、バギング、ブースティング等のアンサンブル学習、再帰型ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、LSTM(Long Short Term Memory)等のニューラルネット型(ディープラーニングを含む)、階層型クラ スタリング、非階層型クラスタリング、k近傍法、k平均法等のクラスタリング型、主成分分析、因子分析、ロジスティク回帰等の多変量解析、サポートベクターマシン等があげられる。
られる。
【0166】
実施の形態2.
本開示の弁システム200の説明として、実施の形態2でもブリザーバルブ5に用いられる弁システム200を用いている。しかし、本開示の弁システム200は、ブリザーバルブ5に適用されたものに限られたものではなく、一般的な弁機構に適宜用いることができる。
【0167】
実施の形態2の情報処理装置250は、機械学習により得られた学習モデルを用いずに新規弁機構状態202bを出力する点で実施の形態1の弁システム200とは相違する。
【0168】
情報処理装置250は、取得した予測用入力情報202aに対応した新規弁機構状態202bを出力することができる。
【0169】
情報予測部253は、入力され情報取得部252が取得した予測用入力情報202aを所定の決定方法によって、新規弁機構状態202bを決定する。これらの決定方法では、機械学習方法を用いないため、学習モデルも用いない。出力処理部254は、決定された新規弁機構状態202bを情報処理通信部256に出力することができる。
【0170】
情報処理装置250では、情報取得部252が取得した予測用入力情報202aを情報処理記憶部255に順次記憶することもできる。これにより、記憶された予測用入力情報202aを時系列のデータとして扱うことができる。実施の形態1の情報処理記憶部255は、学習モデル245のデータベースとして機能していたが、実施の形態2では、情報処理記憶部255は、情報を記憶できる記憶装置として機能する。
【0171】
情報予測部253が実施する所定の決定方法には、記憶された波形データとの比較によるもの、閾値による正常異常を判断するもの、係数を用いた演算によって物理量の算出するもの、及びその他周知な統計的解析計算などがある。
【0172】
情報処理記憶部255には、情報予測部253が実施する決定方法に必要な、波形データ、閾値、又は係数などの情報が予め記憶されている。記憶された波形データとしては、例えば、予期せぬ流体の漏れの予兆となり得る検知器61で検知した所定の変量の時系列のデータがある。
【0173】
情報予測部253は、この波形データを利用して所定の決定方法を実施することができる。例えば、上記のような記憶された波形データ、又は波形データの特長が予測用入力情報202aに基づいた波形データ、又は波形データの特長に一致するか否かによって、対応する弁機構状態を決定することができる。一致した場合には、予期せぬ流体の漏れの予兆があるといった新規弁機構状態202bを決定することができる。
【0174】
また、記憶された閾値としては、排出弁53が流路を一定時間以上解放している状態を異常状態であるとして、当該時間を閾値として記憶するもの、又は、排出弁53の微動作が一定時間以上継続して発生している状態を異常状態であるとして、当該時間を閾値として記憶したものがある。
【0175】
情報予測部253は、この閾値を利用して所定の決定方法を実施することができる。例えば、予測用入力情報202aに基づいて排出弁53による流路の解放、又は排出弁53の微動作が当該閾値以上の時間継続しているか否かを判断するものである。当該閾値以上の時間が経過している場合には、弁機構が異常であるといった新規弁機構状態202bを決定することができる。
【0176】
また、記憶された係数としては、物理量の算出に必要なものがある。例えば、排出弁53と弁座2との間から流出する流体の流量を計算するために必要な係数である。
【0177】
情報予測部253は、この係数を利用して所定の決定方法を実施することができる。例えば、記憶された当該係数を利用して流量を算出し決定するものである。算出された流量を弁機構から流出する流体の流量として新規弁機構状態202bを決定することができる。
【0178】
情報処理制御部251は、予め記憶された波形データ、閾値、及び係数を利用して、予測用入力情報202aに基づいて新規弁機構状態202bを決定することができる。また、本実施の形態2によれば、予め記憶された波形データ、閾値、及び係数は上記に記載したものに限らず、適宜選択することができる。また、新規弁機構状態202bを決定するためには、上記に記載した決定方法に限らず、周知な算術的、及び統計学的を用いた方法を用いることができる。
【0179】
実施の形態2では、機械学習を用いていないため、実施の形態1における学習モデル245、機械学習装置240、及び推論装置に関する構成を用いていない。実施の形態2のその他の構成については、実施の形態1の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0180】
実施の形態2による情報処理装置250によれば、入力情報が入力されると、機械学習方法を用いない所定の決定方法に基づいて入力情報から弁機構状態を決定し、決定された弁機構状態を出力する。これにより、過去の弁機構の知見に基づいて現在設置された弁機構の状態を検証することができる。従って、更に正確に弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる。
【0181】
実施の形態3.
本開示の弁システム200の説明として、実施の形態3でもブリザーバルブ5に用いられる弁システム200を用いている。しかし、本開示の弁システム200は、ブリザーバルブ5に適用されたものに限られたものではなく、一般的な弁機構に適宜用いることができる。
【0182】
実施の形態3では、弁座2に三つの検知器61が設置されている点で実施の形態1、又は実施の形態2とは異なる。
図12は、実施の形態3による導入部42を示す上面図である。
【0183】
検知装置60は、三つの検知器61と、図示しない入出力装置と、当該入出力装置に各検知器61の信号を伝達する配線62と、を有している。導入部42には、三つの検知器設置空間42eが形成されている。一つの検知器設置空間42eには、一つの検知器61と検知器61に接続された配線62とが設置されている。
【0184】
弁接触部材70は、本体端面42dの形状に対応する形状に形成されている。本体端面42dに形成された複数の検知器設置空間42eの開口は、弁接触部材70が導入部42に設置されることで、閉鎖されている。即ち、複数の検知器61は、弁接触部材70で覆われた検知器設置空間42eに設置されている。複数の検知器61のそれぞれは、弁対向面70aに沿って設置される。なお、
図12に示されているように、各検知器設置空間42eが形成された部分の導入部42の内周面は、更に内側に向かって突出して形成されており、検知器設置空間42eが形成された部分の導入部42の肉厚は、その他の部分の肉厚より、厚くなっている。また、弁接触部材70は、本体端面42dの形状に対応する形状に形成されている。しかし、これに限られたものではない。例えば、導入部42の肉厚は一様に等しく、即ち、導入部42の内周面には、内側に向かって突出した部分が形成されておらず、軸方向から見た導入部42の内周面は、円形であってもよい。この場合でも、弁接触部材70は、本体端面42dの形状に対応する形状に形成されている。
【0185】
複数の検知器61のそれぞれは、同一の種類のセンサである、例えば、三つの検知器61を全て距離センサとしてもよい。本実施の形態3のその他の構成は、実施の形態1に開示された構成と同様であるため、説明を省略する。
【0186】
なお、本実施の形態3では、三つの検知器61を導入部42に設置していた。しかし、これに限られたものではない。導入部42に配置する検知器61の数は、二つ以上、即ち複数としてもよい。また、一つの検知器設置空間42eに一つ、又は複数の検知器61が設置されてもよい。 本実施の形態3における弁座機構1の検知器61は、弁座端面2aに沿って複数設置されている。これにより、排出弁53のわずかな傾きや、ぶれなどがより詳細に検討することができる。従って、より詳細に、弁体の挙動を観察することができる。
【0187】
実施の形態3における弁座機構1の複数の検知器61は、単一の種類のセンサである。これにより、各検知器61から得られた信号を容易に比較検討することができる。従って、容易に排出弁53のわずかな傾きや、ぶれなどがより詳細に検知することができる。
【0188】
なお、実施の形態3における三つの検知器61は、全て同一の種類のセンサである。しかし、これに限られたものではない。例えば三つの検知器61のセンサの種類を、一つ以上の距離センサと、一つ以上の振動センサとしてもよい。即ち、複数の検知器61について、複数種類のセンサを用いてもよい。
【0189】
実施の形態3における弁座機構1では、少なくとも二つの検知器61は、互いに異なる種類のセンサである。これにより、排出弁53の挙動が多角的に検討できる。
【0190】
また、実施の形態1から実施の形態3における弁システム200、及び弁座機構1は、ブリザーバルブ5に設けられている。しかし、これに限られたものではない。弁座2の弁座端面2aを弁部材で閉鎖することで流路を閉鎖し、弁部材と弁座2との間の隙間をあけることで流路を開放する弁機構であれば、本実施の形態1から実施の形態3における弁システム200、及び弁座機構1を設けることができる。このような弁機構としては、例えば、ボールバルブのような回転式バルブ、ダイアフラムバルブなどがあげられる。
【0191】
また、実施の形態1から実施の形態3における弁システム200では、弁座2に形成された検知器設置空間42eに設置された検知器61で検知した所定の変量を入力情報としている。しかし、これに限られたものではない。検知器61の設置場所は、弁座2又は、弁機構のどこに設置してもよい。
【0192】
(他の実施の形態)
本開示は、上述した実施の形態に制約されるものではなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において種々変更して実施することが可能である。そして、それらは全て、本開示の技術思想に含まれる。
【0193】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0194】
(付記1)
弁機構の状態を予測する情報処理装置であって、
弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報に基づいて、前記弁機構の状態を示す弁機構状態を求める、
情報処理装置。
(付記2)
検知方向に向かって検知対象の前記所定の変量を検知することができる一つ以上の検知器を備え、
前記弁座は、流路の一部を構成しており、
前記弁座には、前記弁体が接することで前記流路が閉鎖される弁座端面が形成されており、
前記弁座には、一つ以上の検知器設置空間が形成されており、
各前記検知器設置空間には、前記検知器が設置されており、
前記検知方向は、前記検知器が前記検知器設置空間に設置された状態において、前記弁座端面越しにある前記弁体に向かっている、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記一つ以上の検知器のうち少なくとも一つの前記検知器は、距離センサ、振動センサ、及び音響センサのうちいずれか一つの種類のセンサを用いている、
付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記弁機構状態には、前記弁体と前記弁座との間を流れる流体の流量、前記弁体と前記弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無、前記弁体と前記弁座との間からの予期せぬ流体の漏れ量、及び前記弁体と前記弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの予兆のうちの少なくとも一つを含む、
付記1から付記3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記入力情報が入力されると、前記入力情報と前記弁機構状態との相関関係が機械学習により学習された学習モデルを用いて、前記弁機構状態を決定し、決定された前記弁機構状態を出力する、
付記1から付記4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記6)
弁機構の状態を示す弁機構状態を推論するための学習モデルを生成する機械学習装置であって、
弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報と、前記入力情報に対応する前記弁機構状態と、により構成される学習用データを複数組記憶する学習用データ記憶部と、
前記学習用データが複数組入力されることにより、前記入力情報と前記弁機構状態との相関関係を学習モデルに学習させ、学習された前記学習モデルを記憶する機械学習モデル記憶部と、
を備えている、
機械学習装置。
(付記7)
メモリと、少なくとも一つのプロセッサとを備え、弁機構の状態を示す弁機構状態を推論する推論装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報を取得する情報取得処理と、
前記入力情報を取得すると、前記メモリに格納されている機械学習による学習モデル を用いて、前記弁機構状態を推論する推論処理と、
推論された前記弁機構状態を出力する出力処理と、
を実行する、
推論装置。
(付記8)
弁機構の状態を示す弁機構状態を決定するための情報処理方法であって、
弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報に対応する前記弁機構状態を求める、
情報処理方法。
(付記9)
弁機構の状態を示す弁機構状態を推論するための学習モデルを生成する機械学習方法であって、
弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報と、前記入力情報に対応した前記弁機構状態とにより構成される学習用データを一つ以上の記憶した状態において、
前記学習用データが入力されることにより、前記入力情報と前記弁機構状態との相関関係を学習モデルに学習させる機械学習工程と、
前記機械学習工程において学習された前記学習モデルを機械学習モデル記憶部に記憶させる学習済みモデル記憶工程と、
を実行する、
機械学習方法。
(付記10)
メモリと、少なくとも一つのプロセッサとを備える推論装置により実行されて、弁機構の状態を示す弁機構状態を推論する推論方法であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報を取得する情報取得工程と、
前記入力情報を取得すると、前記メモリに格納されている機械学習による学習モデルを用いて、前記弁機構状態を推論する推論工程と、
推論された前記弁機構状態を出力する出力工程と、
を実行する、
推論方法
【符号の説明】
【0195】
1 弁座機構、2 弁座、2a 弁座端面、3 弁座本体、4 タンク、4a 取付部、4b 上流側フランジ、5 ブリザーバルブ、10 主部、10a 入側開口端部、10b 出側開口端部、10c 吸気側開口端部、20 吸気部、21 吸気部本体、21a 接続側開口端部、21b 吸気口、21x 吸気弁座、22 吸気弁機構、23 吸気弁(弁体)、24 吸気弁シャフト、25 吸気弁ガイド、40 排出部、41 排出部本体、42 導入部、42a 排出部入側開口端部、42b 弁側端部、42c 弁側開口、42d 本体端面、42e 検知器設置空間、43 大気排出部、43a 放出口、43b 弁機構側開口端部、47 ベントカバー、50 排出弁機構、53 排出弁(弁体)、54 排出弁シャフト、55 排出弁ガイド、60 検知装置、61 検知器、62 配線、70 弁接触部材、110 主流路、111 分岐流路、120 吸気流路、140 排出流路、200 弁システム、200a 入力情報、200b 弁機構状態、201a 学習用入力情報、201b 学習用弁機構状態、201c 学習結果弁機構状態、202a 予測用入力情報、202b 新規弁機構状態、240 機械学習装置、241 機械学習制御部、242 機械学習通信部、243 学習用データ記憶部、244 機械学習モデル記憶部、245 学習モデル、245a 入力層、245b 中間層、245c 出力層、246 学習用データ、250 情報処理装置、251 情報処理制御部、252 情報取得部、253 情報予測部、254 出力処理部、255 情報処理記憶部、256 情報処理通信部、270 ネットワーク、900 コンピュータ、910 バス、912 プロセッサ、914 メモリ、916 入力デバイス、917 出力デバイス、918 表示デバイス、920 ストレージ装置、922 通信インターフェイス部、924 外部機器インターフェイス部、926 入出力デバイスインターフェイス部、928 メディア入出力部、930 プログラム、940 ネットワーク、950 外部機器、960 入出力デバイス、970 メディア(非一時的な記憶媒体)。
【要約】
【課題】弁機構を通過する流体の量の検証、弁体と弁座との間からの予期せぬ流体の漏れの有無の検証、その漏れ量の検証、及び弁機構からの予期せぬ流体の漏れの予兆の検証をすることができる情報処理装置、機械学習装置、推論装置、情報処理方法、機械学習方法、及び、推論方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示の情報処理装置250は、弁機構の状態を予測し、弁体と弁座との間の所定の変量である入力情報に基づいて、弁機構の状態を示す弁機構状態を求める。
【選択図】
図1