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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-24
(45)【発行日】2025-05-07
(54)【発明の名称】クリップ取り外し装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/128 20060101AFI20250425BHJP
   A61B 17/94 20060101ALI20250425BHJP
【FI】
A61B17/128
A61B17/94
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022515271
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2021012240
(87)【国際公開番号】W WO2021210364
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2024-02-16
(31)【優先権主張番号】P 2020073808
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504147254
【氏名又は名称】国立大学法人愛媛大学
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】池田 宜央
(72)【発明者】
【氏名】藤本 邦弘
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/235404(WO,A1)
【文献】特開平11-056864(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0085808(US,A1)
【文献】特開平11-076251(JP,A)
【文献】特開2003-159256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/128
A61B 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然状態において前方に向かって拡開するクリップ本体と、当該クリップ本体の後方側から前方側に移動させることにより、前記クリップ本体を弾性変形させて閉じた状態にする締め付けリングとを有し、前記締め付けリングにより前記クリップ本体が体内組織を把持した状態で体内に留置されたクリップを、体外からの操作により取り外すクリップ取り外し装置であって、
筒状のシースと、
前記シース内に進退可能に挿し通された操作ワイヤと、
前記操作ワイヤの先端部に接続され、線条弾性体からなる環状の取り外しループ部とを有し、
前記取り外しループ部は、開口幅が小さくなるくびれ部を有し、前記操作ワイヤの進退によって前記シースに対して突没することにより弾性変形するものであり、
前記くびれ部を形成する一対の線条部は、前記取り外しループ部が前記シースから突出した展開状態において、所定長さに亘って互いに隣接又は接触しており、前記取り外しループ部が前記シースに引き込まれることにより前記シースの先端部よりも前方において互いに交差するものであり、
前記取り外しループ部の開口内において前記くびれ部よりもシース側に前記クリップを配置した状態から、前記取り外しループ部を前記シースに引き込むことによって、前記くびれ部を形成する一対の線条部が互いに交差し、前記くびれ部を形成する互いに交差した前記一対の線条部と前記シースの先端部とによって前記クリップ本体を締め付けることで前記締め付けリングを前記クリップ本体の後方側に移動させて、前記クリップ本体による前記体内組織の把持を解除する、クリップ取り外し装置。
【請求項2】
前記クリップ本体による前記体内組織の把持が解除された後に、前記取り外しループ部を前記シースに引き込むことによって、前記クリップ本体を前記取り外しループ部及び前記シースの先端部により挟んで保持する、請求項1に記載のクリップ取り外し装置。
【請求項3】
前記取り外しループ部の先端部は、前記取り外しループ部が前記シースから突出した展開状態において円弧状に湾曲した形状をなしている、請求項1記載のクリップ取り外し装置。
【請求項4】
前記取り外しループ部は、前記シースから突出した展開状態において、側面視で反った形状である、請求項1に記載のクリップ取り外し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内組織を把持した状態で体内に留置されたクリップを体外からの操作により取り外すクリップ取り外し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械式止血具(以下、クリップという。)としては、特許文献1に示すように、一対のアーム部を有するクリップ本体に対して締め付けリングを移動させることで、一対のアーム部を相互に近接させて体内組織を把持するものがある。
【0003】
このようなクリップの取り外し装置としては、特許文献2に示すように、シースに挿し通された駆動ワイヤの先端に一対の長手片を有する取外装置本体を設けたものが考えられている。この取り外し装置では、シースに対して駆動ワイヤを引き込むことによって一対の長手片が一対のアーム部を挟み込み、長手片に設けられた係合テーパ部が締め付けリングをクリップの基端部方向に移動させる構成としてある。
【0004】
上記の取り外し装置において締め付けリングを確実に移動させるためには、クリップの一対のアーム部に対する長手片の向きを調整して、アーム部が相互に閉じる方向に力が加わるようにして、締め付けリングによるアーム部の締め付けを緩ませる必要がある。
【0005】
しかしながら、体外からの操作によって、体内に挿入された取り外し装置の一対の長手片の向きをクリップに合わせて調整するには、試行錯誤的に取り外し装置を操作する必要があり、高い技術と運が必要となり、効率的にクリップを取り外すことは極めて難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-189705号公報
【文献】国際公開第2018/062414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述したような問題に鑑みてなされたものであり、クリップ本体の向きに関わらず、確実にクリップ本体による体内組織の把持を解除することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係るクリップ取り外し装置は、自然状態において前方に向かって拡開するクリップ本体と、当該クリップ本体の後方側から前方側に移動させることにより、前記クリップ本体を弾性変形させて閉じた状態にする締め付けリングとを有し、前記締め付けリングにより前記クリップ本体が体内組織を把持した状態で体内に留置されたクリップを、体外からの操作により取り外すクリップ取り外し装置であって、筒状のシースと、前記シース内に進退可能に挿し通された操作ワイヤと、前記操作ワイヤの先端部に接続され、線条弾性体からなる環状の取り外しループ部とを有し、前記取り外しループ部は、開口幅が小さくなるくびれ部を有し、前記操作ワイヤの進退によって前記シースに対して突没することにより弾性変形するものであり、前記取り外しループ部の開口内において前記くびれ部よりもシース側に前記クリップを配置した状態から、前記取り外しループ部を前記シースに引き込むことによって、前記くびれ部を用いて前記締め付けリングを前記クリップ本体の後方側に移動させて、前記クリップ本体による前記体内組織の把持を解除することを特徴とする。
【0009】
このようなクリップ取り外し装置であれば、環状の取り外しループ部の開口内においてくびれ部よりもシース側にクリップを配置し、取り外しループ部をシースに引き込むだけで、クリップ本体による体内組織の把持を解除することができる。ここで、取り外しループ部をシースに引き込むことにより、クリップ本体はシースの先端部及び取り外しループ部(特にくびれ部)により全周が取り囲まれて締め付けられるので、クリップ本体の向きに関わらず、締め付けリングによる締め付けを解除してクリップ本体の後方側に移動させることができる。
【0010】
体内組織から取り外されたクリップを体内に残すこと無く、体外に取り出すためには、前記クリップ本体による前記体内組織の把持が解除された後に、前記取り外しループ部を引き続き前記シースに引き込むことによって、前記クリップ本体を前記取り外しループ部及び前記シースの先端部により挟んで保持することが望ましい。
【0011】
前記くびれ部を形成する一対の線条部は、前記取り外しループ部が前記シースに引き込まれることにより互いに交差するものであることが望ましい。
この構成であれば、くびれ部を形成する一対の線条部が互いに交差することにより、締め付けリングを後方側に移動させやすくできる。
【0012】
前記くびれ部を形成する一対の線条部は、前記取り外しループ部が前記シースから突出した展開状態において、所定長さに亘って互いに隣接又は接触していることが望ましい。
この構成であれば、取り外しループ部をシースに引き込むのに伴ってクリップ本体がくびれ部を形成する一対の線条部の間を移動することになり、締め付けリングを後方側により一層移動しやすくできる。
【0013】
クリップの取り外し操作において体内組織を損傷しないようにするためには、前記取り外しループ部の先端部は、前記取り外しループ部が前記シースから突出した展開状態において円弧状に湾曲した形状をなしていることが望ましい。
【0014】
クリップ本体を挟んだ際に締め付けリングの後方側に向かって力が加えやすくするためには、前記取り外しループ部は、前記シースから突出した展開状態において、側面視で反った形状であることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上に述べた本発明によれば、クリップ本体の向きに関わらず、確実にクリップ本体による体内組織の把持を解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るクリップ取り外し装置の全体模式図である。
図2】クリップの一例における(a)開いた状態、(b)閉じた状態を示す図である。
図3】同実施形態の取り外しループ部における展開状態の平面図及び側面図である。
図4】同実施形態の取り外しループ部のシース側開口部にクリップを配置した状態を示す斜視図である。
図5】同実施形態の取り外しループ部のシース側開口部にクリップを配置した状態を示す平面図及び側面図である。
図6】同実施形態の取り外しループ部のくびれ部、シース側開口部及びシースの先端部によりクリップ本体を取り囲んだ状態を示す平面図及び側面図である。
図7】同実施形態の取り外しループ部によりクリップの把持を解除した状態を示す平面図及び側面図である。
図8】同実施形態の取り外しループ部の先端側開口部によりクリップを保持した状態を示す平面図及び側面図である。
【符号の説明】
【0017】
100・・・クリップ取り外し装置
10 ・・・クリップ
11 ・・・クリップ本体
12 ・・・締め付けリング
2 ・・・シース
2a ・・・シースの先端部
3 ・・・操作ワイヤ
4 ・・・取り外しループ部
41 ・・・くびれ部
41a・・・くびれ部を形成する一対の線条部
42 ・・・シース側開口部
43 ・・・先端側開口部
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係るクリップ取り外し装置について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。
【0019】
<1.装置構成>
まず、本実施形態のクリップ取り外し装置100により取り外されるクリップ10の一例について説明する。
【0020】
クリップ10は、図1に示すように、自然状態において前方に向かって拡開するクリップ本体11と、当該クリップ本体11の後方側から前方側に移動させることにより、クリップ本体11を弾性変形させて閉じた状態にする締め付けリング12とを有する。クリップ本体11は、一対のアーム部11aを有しており、締め付けリング12により閉じた状態とされると、一対のアーム部11aが相互に近接して体内組織BTを把持する(図1(b)参照)。なお、締め付けリング12を前方側から後方側に移動させることにより、一対のアーム部11aが相互に離れて体内組織BTを把持が解除される(図1(a)参照)。
【0021】
そして、本実施形態のクリップ取り外し装置100は、図2に示すように、内視鏡とともに用いられる内視鏡用処置具であり、体内組織BTを把持した状態で体内に留置されたクリップ10を体外からの操作によって取り外すものである。
【0022】
具体的にこのクリップ取り外し装置100は、図1に示すように、筒状のシース2と、当該シース2内に進退可能に挿し通された操作ワイヤ3と、操作ワイヤ3の先端部に接続され、線条弾性体からなる環状の取り外しループ部4とを有している。
【0023】
シース2は、内視鏡の操作部に設けられた処置具挿入口から内視鏡の内部に挿入されるものであり、可撓性を有する例えば円筒状をなすものである。このシース2は、内視鏡の挿入部を通り、当該挿入部の先端に設けられた処置具出口から延び出る。また、シース2の基端部2bには、操作ワイヤ3を操作するための操作ハンドル部5が設けられている。
【0024】
操作ワイヤ3は、操作ハンドル5によってシース2内を進退移動するものであり、その先端に取り外しループ部4が設けられている。
【0025】
取り外しループ部4は、図3に示すように、線条弾性体を環状に変形させて形成したものである。具体的に取り外しループ部4は、1本の線条弾性体の両端部を操作ワイヤ3に接続することによって環状となるように構成されている。
【0026】
ここで、線条弾性体としては、シース2の先端部2aから突出した展開状態において自身の形状を保つことができる程度の強度を有するものであり、例えば、ステンレス鋼、Ni-Ti又はチタン等からなる金属製の線材、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリウレタン、ポリプロピレン、フッ素樹脂等からなる樹脂製の線材、あるいは、前記金属製の線材と樹脂製の線材とを組み合わせた線材を用いることができる。
【0027】
この取り外しループ部4は、シース2の先端部2aから突出した展開状態において概略ひょうたん形状をなすものであり、開口幅が小さくなるくびれ部41を有し、操作ワイヤ3の進退によってシース2の先端部2aに対して突没することにより弾性変形する。
【0028】
具体的に取り外しループ部4は、くびれ部41がシース2内に引き込まれる前は、くびれ部41よりもシース側の開口部(以下、シース側開口部42)の開口サイズが主として変化し、くびれ部41がシース2内に引き込まれた後は、くびれ部41よりも先端側の開口部(以下、先端側開口部43)の開口サイズが変化する。
【0029】
取り外しループ部4においてくびれ部41を形成する一対の線条部41aは、取り外しループ部4がシース2の先端部2aから突出した展開状態において、所定範囲に亘って互いに隣接又は接触している。図3においては、くびれ部41を形成する一対の線条部41aが近接する構成であるが、互いに接触する構成としても良いし、また、平面視において重なるように接触又は近接したものであっても良い。
【0030】
なお、取り外しループ部4においてシース側開口部42を形成する一対の線条部42aはそれぞれ外側に向かって例えば円弧状に湾曲することにより、シース側開口部42を形成している。
【0031】
また、取り外しループ部4の先端部4xは、取り外しループ部4がシース2の先端部2aから突出した展開状態において円弧状に湾曲した形状をなしている。つまり、先端側開口部43を形成する線条部43aが円弧状に湾曲している。これにより、クリップ10の取り外し操作において体内組織BTを損傷しないようにしている。
【0032】
さらに、取り外しループ部4は、シース2の先端部2aから突出した展開状態において、側面視で反った形状である。ここで、反った形状は、側面視において連続的に曲がった円弧状をなすものであっても良いし、間欠的(部分的)に曲がっており全体として反った形状であっても良い。この構成において、クリップ10を取り外す際には、取り外しループ部4が体内組織BTから離れる方向に反るようにする。
【0033】
<2.クリップ取り外し装置100の動作・操作>
次に本実施形態のクリップ取り外し装置100の動作・操作の内容を図4図8を参照して説明する。
【0034】
まず、図4及び図5に示すように、取り外しループ部4のシース側開口部42にクリップ10を配置する。このとき、取り外しループ部4は、クリップ本体11において締め付けリング12よりも下側(体内組織側)に位置するようにする。
【0035】
この状態で、操作ワイヤ3をシース2の基端部2b側に移動させることによって、取り外しループ部4をシース2に引き込む。そうすると、図6に示すように、シース側開口部42の開口サイズが小さくなるとともにくびれ部41を形成する一対の線条部41aが互いに交差する。これにより、クリップ本体11は、くびれ部41を形成する一対の線条部41aとシース側開口部42を形成する一対の線条部42aとシース2の先端部2aとにより全周が取り囲まれて締め付けられ、締め付けリング12による締め付けが緩む。
【0036】
ここで、締め付けリング12が線条部41a、42a又はシース2の先端部2aに接触することにより、締め付けリング12がクリップ本体11の後方側に移動する。なお、取り外しループ部4をシース2に対して微小な出し入れを繰り返すことにより、締め付けリング12の後方側への移動を促すことができる。このとき、くびれ部41を形成する一対の線条部41aが互いに交差して上下に重なった状態となっているので、締め付けリング12が後方側に移動しやすくなる。
【0037】
また、取り外しループ部4をシース2にさらに引き込み、クリップ本体11がくびれ部41を形成する一対の線条部41aの間を移動することによって、締め付けリング12がクリップ本体11の後方側に移動する。
【0038】
ここで、取り外しループ部4が湾曲しているので、取り外しループ部4は締め付けリング12を後方側に持ち上げるように接触し、締め付けリング12が後方側に押し上げられ、締め付けリング12がクリップ本体11の後方側に移動しやすくなる。
【0039】
締め付けリング12がクリップ本体11の後方側に移動することによって、図7に示すように、クリップ本体11は取り外しループ部4に保持された状態で前方に向かって拡開し、クリップ本体11による体内組織BTの把持が解除される。なお、この状態においても、クリップ10は取り外しループ部4に挟まれている。
【0040】
クリップ本体11による体内組織BTの把持が解除された後に、取り外しループ部4を引き続きシース2に引き込むことによって、図8に示すように、クリップ本体11は、取り外しループ部4の先端側開口部43に移動し、取り外しループ部4の先端側開口部43を形成する線条部43a及びシース2の先端部2aにより挟まれて保持される。
【0041】
このクリップ10を保持した取り外しループ部4とともにシース2を内視鏡の挿入部から互いに引き出すことによって、取り外したクリップ10を体外に取り出すことができる。体外に取り出したと取り外しループ部4をシース2から出すと、先端側開口部43を形成する線条部43aの弾性復帰力により先端側開口部43が拡開して、クリップ10が取り外しループ部4から離れる。
【0042】
<3.本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態のクリップ取り外し装置100によれば、環状の取り外しループ部4の開口内においてくびれ部41よりもシース側にクリップ10を配置し、取り外しループ部4をシース2に引き込むだけで、クリップ本体11による体内組織の把持を解除することができる。ここで、取り外しループ部4をシース2に引き込むことにより、クリップ本体11はシース2の先端部2a及び取り外しループ部4(特にくびれ部41)により全周が取り囲まれて締め付けられるので、クリップ本体11の向きに関わらず(取り外しループ部4の方向を調整すること無く)、締め付けリング12による締め付けを解除してクリップ本体11の後方側に移動させることができる。
【0043】
また、クリップ本体11による体内組織BTの把持が解除された後において、クリップ本体11を取り外しループ部4及び記シース2の先端部2aにより挟んで保持するので、体内組織BTから取り外されたクリップ10を体内に残すこと無く、体外に取り出すことができる。
【0044】
<4.その他の実施形態>
例えば、前記実施形態では、取り外しループ部4は、平面視で対称形状をなすものであったが、平面視で非対称形状であっても良い。このとき、取り外しループ部4において一方側のみにくびれ部41を形成する形状としても良い。
【0045】
また、前記実施形態の取り外しループ部4は、側面視で湾曲した形状であったが、側面視で直線状をなす形状であっても良い。
【0046】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の変形や組み合わせを行っても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、クリップ本体の向きに関わらず、確実にクリップ本体による体内組織の把持を解除することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8