(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-24
(45)【発行日】2025-05-07
(54)【発明の名称】画像符号化、復号化方法、装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 19/85 20140101AFI20250425BHJP
H04N 19/136 20140101ALI20250425BHJP
H04N 19/186 20140101ALI20250425BHJP
H04N 19/70 20140101ALI20250425BHJP
【FI】
H04N19/85
H04N19/136
H04N19/186
H04N19/70
(21)【出願番号】P 2023564254
(86)(22)【出願日】2022-04-02
(86)【国際出願番号】 CN2022085074
(87)【国際公開番号】W WO2022222744
(87)【国際公開日】2022-10-27
【審査請求日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】202110420800.9
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】蔡品隆
(72)【発明者】
【氏名】呉▲チャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】呉平
(72)【発明者】
【氏名】高瑩
(72)【発明者】
【氏名】謝紹偉
【審査官】久保 光宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0267392(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0124399(US,A1)
【文献】Edouard Francois, et al.,"AHG9: Out-of-loop luma mapping with chroma scaling using APS or SEI message parameters signalling",Document: JVET-U0078, [online],JVET-U0078 (version 1),Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29,2020年12月30日,Pages 1-6,[令和6年11月8日検索], インターネット, <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/current_document.php?id=10592> and <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/21_Teleconference/wg11/JVET-U0078-v1.zip>.,(See document file "JVET-U0078.docx" in the zip file "JVET-U0078-v1.zip".)
【文献】Jianle Chen, et al.,"Algorithm description for Versatile Video Coding and Test Model 12 (VTM 12)",Document: JVET-U2002-v1, [online],JVET-U2002 (version 1),Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29,2021年04月12日,Pages 1,8,9,79-84,[令和6年11月8日検索], インターネット, <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/current_document.php?id=10676> and <URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/21_Teleconference/wg11/JVET-U2002-v1.zip>.,(See document file "JVET-U2002-v1.docx" in the zip file "JVET-U2002-v1.zip".)
【文献】"Recommendation ITU-T H.266 (08/2020)",Edition 1.0,[online], ITU-T,2020年08月29日,Pages 7,38-62,109,122-125,136,137,152,[令和5年4月5日検索], インターネット, <URL: https://www.itu.int/rec/T-REC-H.266-202008-S/en>.
【文献】"Recommendation ITU-T H.265 (02/2018)",Edition 5.0,[online], ITU-T,2018年02月13日,Pages 15, 37-39, 46-48, 87, 100,[令和4年5月2日検索], インターネット, <URL: https://www.itu.int/rec/T-REC-H.265-201802-S/en>.
【文献】中條 健,「ループ内フィルタ」,映像情報メディア学会誌,日本,一般社団法人 映像情報メディア学会,2013年,Vol.67, No.7,第545~548頁,[令和6年11月8日検索], インターネット, <URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej/67/7/67_545/_article/-char/ja> and <URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej/67/7/67_545/_pdf>,Online ISSN: 1881-6908, Print ISSN: 1342-6907, <DOI: https://doi.org/10.3169/itej.67.545>.
【文献】Andrey Norkin,"Alternative film grain characteristics SEI message",Document: JCTVC-AM0026-v2, [online],JCTVC-AM0026 (version 2),Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,2020年04月20日,Pages 1-16,[令和6年11月9日検索], インターネット, <URL: https://mpeg.expert/jct/meetings/meeting_182.html> and <URL: https://mpeg.expert/jct/files/JCTVC-AM0026-v2.zip>.,(See document file "JCTVC-AM0026-v2.docx" in the zip file "JCTVC-AM0026-v2.zip".)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N19/00-19/98
CSDB(日本国特許庁)
学術文献等データベース(日本国特許庁)
IEEEXplore(IEEE)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ画像を取得し、前記ビデオ画像の画像特性を特定することと、
前記画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定することと、
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記ビデオ画像を処理することと、
処理後の前記ビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報を前記コードストリームに書き込むことと、を含
み、
前記ループ外識別情報は、前記ビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行うか否かを指示するために用いられ、前記第1のマッピング変換は、ループ外輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含み、前記ループ内識別情報は、前記ビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行うか否かを指示するために用いられ、前記第2のマッピング変換は、ループ内輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含む、
画像符号化方法。
【請求項2】
前記画像特性は、
輝度ダイナミックレンジ、色空間、テクスチャ情報、形状特徴、空間関係のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の画像符号化方法。
【請求項3】
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報のうちの少なくとも1つは、
ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯される、
請求項1に記載の画像符号化方法。
【請求項4】
前記した、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記ビデオ画像を処理することは、
前記ループ外識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して
前記第1のマッピング変換を行い、前記ループ内識別情報に応じて
前記第1のマッピング変換を経た前記ビデオ画像に対して
前記第2のマッピング変換を行うことと、
前記ループ外識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して
前記第1のマッピング変換を行い、前記ループ内識別情報に応じて
前記第1のマッピング変換を経た前記ビデオ画像に対して
前記第2のマッピング変換を行わないことを決定することと、
前記ループ外識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して
前記第1のマッピング変換を行わないことを決定し、前記ループ内識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して
前記第2のマッピング変換を行うことと、
前記ループ外識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して
前記第1のマッピング変換を行わないことを決定し、前記ループ内識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して
前記第2のマッピング変換を行わないことを決定することと、のうちの1つを含む、
請求項1に記載の画像符号化方法。
【請求項5】
前記輝度マッピング変換は、輝度成分数値のマッピングを含み、輝度成分数値のマッピングは、輝度ダイナミックレンジを変更するために用いられ、前記色度マッピング変換は、色度成分数値のマッピング、又は前記輝度マッピング変換に依存する色度スケーリング処理を含む、
請求項4に記載の画像符号化方法。
【請求項6】
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報のうちの少なくとも1つは、制御情報及びパラメータ情報を含み、そのうち、
前記制御情報は、前記第1のマッピング変換又は前記第2のマッピング変換を行うか否かを制御する情報であり、前記パラメータ情報は、前記第1のマッピング変換又は前記第2のマッピング変換に使用されるパラメータ情報であり、
前記制御情報は、ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯され、前記コードストリームにおける前記パラメータ情報は、自己適応パラメータセット、補足エンハンスメント情報、カスタムネットワーク抽象化層ユニットのうちの少なくとも1つに携帯される、
請求項1に記載の画像符号化方法。
【請求項7】
前記コードストリームにおける前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報のそれぞれは、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯され、前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、カスタムの補足エンハンスメント情報のデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記カスタムネットワーク抽象化層ユニット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、のうちの1つのように携帯される、
請求項6に記載の画像符号化方法。
【請求項8】
コードストリームを取得し、前記コードストリームにおけるループ内識別情報及びループ外識別情報を解析して得ることと、
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記コードストリームを処理することと、
処理後の前記コードストリームを復号化してビデオ画像を生成することと、を含
み、
前記ループ外識別情報は、前記ビデオ画像に対して第3のマッピング変換を行うか否かを指示するために用いられ、前記第3のマッピング変換は、ループ外輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含み、前記ループ内識別情報は、前記ビデオ画像に対して第4のマッピング変換を行うか否かを指示するために用いられ、前記第4のマッピング変換は、ループ内輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含む、
画像復号化方法。
【請求項9】
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報のうちの少なくとも1つは、
ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯される、
請求項8に記載の画像復号化方法。
【請求項10】
前記した、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記コードストリームを処理することは、
前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して
前記第4のマッピング変換を行い、前記ループ外識別情報に応じて
前記第4のマッピング変換を経た前記コードストリームに対して
前記第3のマッピング変換を行うことと、
前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して
前記第4のマッピング変換を行い、前記ループ外識別情報に応じて
前記第4のマッピング変換を経た前記コードストリームに対して
前記第3のマッピング変換を行わないことを決定することと、
前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して
前記第4のマッピング変換を行わないことを決定し、前記ループ外識別情報に応じて前記コードストリームに対して
前記第3のマッピング変換を行うことと、
前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して
前記第4のマッピング変換を行わないことを決定し、前記ループ外識別情報に応じて前記コードストリームに対して
前記第3のマッピング変換を行わないことを決定することと、のうちの1つを含む、
請求項8に記載の画像復号化方法。
【請求項11】
前記輝度マッピング変換は、輝度成分数値のマッピングを含み、輝度成分数値のマッピングは、輝度ダイナミックレンジを変更するために用いられ、前記色度マッピング変換は、色度成分数値のマッピング、又は前記輝度マッピング変換に依存する色度スケーリング処理を含む、
請求項10に記載の画像復号化方法。
【請求項12】
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報のうちの少なくとも1つは、制御情報及びパラメータ情報を含み、そのうち、
前記制御情報は、前記第3のマッピング変換又は前記第4のマッピング変換を行うか否かを制御する情報であり、前記パラメータ情報は、前記第3のマッピング変換又は前記第4のマッピング変換に使用されるパラメータ情報であり、
前記制御情報は、ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯され、前記コードストリームにおける前記パラメータ情報は、自己適応パラメータセット、補足エンハンスメント情報、カスタムネットワーク抽象化層ユニットのうちの少なくとも1つに携帯される、
請求項8に記載の画像復号化方法。
【請求項13】
前記コードストリームにおける前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報のそれぞれは、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯され、前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、カスタムの補足エンハンスメント情報のデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記カスタムネットワーク抽象化層ユニット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、のうちの1つのように携帯される、
請求項12に記載の画像復号化方法。
【請求項14】
ビデオ画像を取得し、前記ビデオ画像の画像特性を特定するように構成される画像取得モジュールと、
前記画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定するように構成される識別特定モジュールと、
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記ビデオ画像を処理するように構成される画像処理モジュールと、
処理後の前記ビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報を前記コードストリームに書き込むように構成される符号化処理モジュールと、を備
え、
前記ループ外識別情報は、前記ビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行うか否かを指示するために用いられ、前記第1のマッピング変換は、ループ外輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含み、前記ループ内識別情報は、前記ビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行うか否かを指示するために用いられ、前記第2のマッピング変換は、ループ内輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含む、
画像符号化装置。
【請求項15】
コードストリームを取得し、前記コードストリームにおけるループ内識別情報及びループ外識別情報を解析して得るように構成されるコードストリーム解析モジュールと、
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記コードストリームを処理するように構成されるコードストリーム処理モジュールと、
処理後の前記コードストリームを復号化してビデオ画像を生成するように構成される画像復号化モジュールと、を備
え、
前記ループ外識別情報は、前記ビデオ画像に対して第3のマッピング変換を行うか否かを指示するために用いられ、前記第3のマッピング変換は、ループ外輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含み、前記ループ内識別情報は、前記ビデオ画像に対して第4のマッピング変換を行うか否かを指示するために用いられ、前記第4のマッピング変換は、ループ内輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含む、
画像復号化装置。
【請求項16】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサに実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサが請求項1~7のいずれかに記載の画像符号化方法及び/又は請求項8~13のいずれかに記載の画像復号化方法を実現する、
電子機器。
【請求項17】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると、請求項1~7のいずれかに記載の画像符号化方法及び/又は請求項8~13のいずれかに記載の画像復号化方法が実現される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年04月19日に中国専利局に出願された、出願番号が202110420800.9である中国特許出願の優先権を主張し、上記出願された全ての内容は引用により本願に援用される。
【0002】
本願は、画像処理の技術分野に関し、例えば画像符号化、復号化方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
情報技術の発展に伴い、世界中のインターネットトラフィックは急増しており、そのうち、ビデオ形式のトラフィックは、総トラフィックの約80%を占めている。ビデオは、よく見られる放送テレビ、インターネットメディア、ビデオ通話、ビデオ会議、ビデオ監視などを含む様々な形式で生活のあらゆる面に存在する。ネットワーク帯域幅、表示及び記憶などの技術の発展により、ビデオの高品質表示への発展がさらに促進され、ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range、HDR)ビデオが誕生した。HDRビデオは、より大きな露光ダイナミックレンジを有し、従来のビデオと比べ、HDRビデオは、実世界をより正確に表現し、よりよい体験をユーザにもたらすことができる。国際標準化機構(International Organization for Standardization、ISO)/国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission、IEC)配下の合同専門家チーム(Joint Video Expert Teams、JVET)は、国際ビデオ符号化・復号化標準の策定に取り組んでおり、ハイブリッドログガンマ(Hybrid Log Gamma、HLG)及び知覚量子化器(Perceptual Quantizer、PQ)技術により変換されたビデオをHDRビデオの汎用テストシーケンスとして採択している。しかし、HDRビデオは、より広い輝度範囲を有するため占有する記憶空間もより大きくなり、従って、HDRビデオを処理するには、より高効率的なビデオ符号化・復号化技術を用いる必要がある。
【0004】
輝度及び色度のマッピング変換は、ビデオ符号化・復号化ループ内及びループ外に作用可能であり、ここでの符号化・復号化ループは、符号化ループ及び復号化ループを含み、ループにおける処理プロセスは、従来の符号化・復号化ツールが作用するプロセスであり、そのうち、符号化・復号化ツールは、ブロック分割、イントラ予測、インター予測、変換と量子化、ループフィルタリングなどを含むことができる。符号化・復号化ループ内は、ループ内と略称されてもよく、符号化・復号化ループ外は、ループ外と略称されてもよい。現在、JVETによって公表された次世代ビデオ符号化復号化国際標準では、ループ内の輝度マッピング及び色度スケーリング(Luma mapping with chroma scaling、LMCS)技術が採択されており、LMCS技術は、ビデオ画像の輝度成分をマッピングし、色度成分を輝度成分のマッピングに依存してスケーリングし、コードストリームを節約し符号化効率を高める目的が実現される。一方、ループ内のLMCS技術は、適応性が悪く、符号化効率が高くないという問題が存在する。過去のビデオ符号化国際標準の策定過程では、ビデオ符号化に適用される前に、まず入力されたビデオを前処理し、輝度及び色度をマッピング変換し、復号化後に出力ビデオを後処理し、元のビデオを復元することができることを目的としたループ外の輝度及び色度マッピング変換技術(リシェーパ(Reshaper)と呼ばれる)が提案されたこともある。ループ外のリシェーパは、ビデオ符号化・復号化プロセスにおけるブロック分割、イントラ予測、インター予測、変換と量子化、ループフィルタリングなどの技術と協調することができていないため、符号化性能が確保できない。現在、効果的に符号化効率を向上させるために、ループ外とループ内の輝度及び色度マッピング変換を複合的に使用する符号化・復号化方法が早急に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、主に、ループ外とループ内の輝度及び色度マッピング変換の複合的な使用をサポートする符号化・復号化方法を実現することで、効果的にビデオの符号化・復号化効率を高め、同じコードレートで復号画像品質を向上させることを目的とした画像符号化、復号化方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例は、
ビデオ画像を取得し、前記ビデオ画像の画像特性を特定するステップと、前記画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定するステップと、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記ビデオ画像を処理するステップと、処理後の前記ビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報を前記コードストリームに書き込むステップと、を含む画像符号化方法を提供する。
【0007】
本願の実施例は、
コードストリームを取得し、前記コードストリームにおけるループ内識別情報及びループ外識別情報を解析して得るステップと、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記コードストリームを処理するステップと、処理後の前記コードストリームを復号化してビデオ画像を生成するステップと、含む画像復号化方法をさらに提供する。
【0008】
本願の実施例は、
ビデオ画像を取得し、前記ビデオ画像の画像特性を特定するように構成される画像取得モジュールと、
前記画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定するように構成される識別特定モジュールと、
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記ビデオ画像を処理するように構成される画像処理モジュールと、
処理後の前記ビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報を前記コードストリームに書き込むように構成される符号化処理モジュールと、を備える画像符号化装置をさらに提供する。
【0009】
本願の実施例は、
コードストリームを取得し、前記コードストリームにおけるループ内識別情報及びループ外識別情報を解析して得るように構成されるコードストリーム解析モジュールと、
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記コードストリームを処理するように構成されるコードストリーム処理モジュールと、
処理後の前記コードストリームを復号化してビデオ画像を生成するように構成される画像復号化モジュールと、を備える画像復号化装置をさらに提供する。
【0010】
本願の実施例は、
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサに実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサが本願の実施例のいずれかに記載の画像符号化方法及び/又は画像復号化方法を実現する、電子機器をさらに提供する。
【0011】
本願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶され、該コンピュータプログラムがプロセッサに実行されると、本願の実施例のいずれかに記載の画像符号化方法及び/又は画像復号化方法が実現される、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【発明の効果】
【0012】
本願の実施例は、取得されたビデオ画像の画像特性を符号化側により特定し、画像特性を使用してループ内識別情報及びループ外識別情報を特定し、ループ内識別情報及びループ外識別情報に従ってビデオ画像を処理し、処理後のビデオ画像をコードストリームに符号化し、そして、ループ内識別情報及びループ外識別情報を上記コードストリームに書き込み、本願の実施例は、ループ外とループ内の輝度及び色度マッピング変換の複合的な使用をサポートすることで、効果的にビデオの符号化・復号化効率を高め、同じコードレートで復号画像品質を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願の実施例に係る1つのループ内の符号化・復号化プロセスの模式図である。
【
図2】本願の実施例に係る1つのループ外の符号化・復号化プロセスの模式図である。
【
図3】本願の実施例に係る1つの画像符号化方法のフローチャートである。
【
図4】本願の実施例に係る他の1つの画像符号化方法のフローチャートである。
【
図5】本願の実施例に係る他の1つの画像符号化方法のフローチャートである。
【
図6】本願の実施例に係る他の1つの画像符号化方法のフローチャートである。
【
図7】本願の実施例に係る他の1つの画像符号化方法のフローチャートである。
【
図8】本願の実施例に係る1つの画像符号化方法を例示する図である。
【
図9】本願の実施例に係る他の1つの画像符号化方法を例示する図である。
【
図10】本願の実施例に係る1つの画像復号化方法のフローチャートである。
【
図11】本願の実施例に係る1つの画像復号化方法を例示する図である。
【
図12】本願の実施例に係る1つの画像符号化装置の構造模式図である。
【
図13】本願の実施例に係る1つの画像復号化装置の構造模式図である。
【
図14】本願の実施例に係る1つの電子機器の構造模式図である。
【
図15】本願の実施例に係る1つのエンコーダの構造模式図である。
【
図16】本願の実施例に係る1つのエンコーダの構造模式図である。
【
図17】本願の実施例に係る1つのデコーダの構造模式図である。
【
図18】本願の実施例に係る1つのデコーダの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで説明される具体的な実施例は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0015】
後続の説明において、素子を表すための例えば「モジュール」、「部材」又は「ユニット」といったサフィックスは、本願の説明を容易にするために使用されるものに過ぎず、それ自体に特有の意味はない。そのため、「モジュール」、「部材」又は「ユニット」は、混合して使用されてもよい。下記明細書では、図面を参照しながら実施例と結び付けて本願を詳しく説明する。矛盾がない場合には、本願における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせてもよい。なお、本願の明細書における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などは、類似する対象を区別するためのものであり、特定の順序又は前後順序を説明するものではない。
【0016】
図1は、本願の実施例に係る1つのループ内の符号化・復号化プロセスの模式図であり、
図1には、ループ内の輝度マッピング及び色度スケーリングの模式が示されており、輝度マッピング及び色度スケーリングは、ループフィルタリングの前に新たに加えられた処理プロセスであり、2つの主な部分を含み、1つは、自己適応区分線形モデルを用いて輝度成分のループマッピングを実現するものであり、もう1つは、色度成分に対して、輝度に依存する色度残差スケーリングを用いて処理を行うものである。
図1に示すように、マッピング領域に含まれる新たに加えられた処理プロセスであって、該新たに加えられた処理プロセスは、逆量子化、逆変換、輝度イントラ予測及び輝度予測と残差との合計を含み、元の領域(即ちマッピングされていない領域)に含まれる処理プロセスであって、該新たに加えられた処理プロセスは、ループフィルタリング、動き補償予測、色度イントラ予測、色度予測と残差との合計、復号画像を参照画像として記憶することを含み、ループ内の輝度マッピング及び色度スケーリングの作用ブロックであって、順方向及び逆方向の輝度信号マッピング、輝度に依存する色度スケーリングプロセスを含む。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
色度残差スケーリングは、輝度信号とそれに対応する色度信号との間のインタラクションを補完するために用いられる。色度残差スケーリングを有効にするか否かはスライス層で規定されている。輝度マッピングが有効な場合、追加の制御識別情報は、輝度依存の色度残差スケーリングを有効にするか否かを規定する。輝度マッピングが有効になっていない場合、輝度に依存する色度残差スケーリングも有効にならない。輝度に依存する色度残差スケーリングは、小さい符号化色度ブロックでは常に有効にならないことを注意されたい。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
図2は、本願の実施例に係る1つのループ外の符号化・復号化プロセスの模式図であり、
図2を参照し、入力されたHDRビデオを取得し、HDRビデオを分析及び処理してメタデータを生成することができ、メタデータを復号化側に送信してHDRビデオの再構成に用いることができ、HDRビデオを符号化及び復号化することができ、復号化後のビデオを標準ダイナミックレンジ(Standard Dynamic Range、SDR)ビデオとして出力することができる。
【0033】
図3は、本願の実施例に係る1つの画像符号化方法のフローチャートであり、本実施例は、画像を符号化する場合に適用可能であり、該方法は、本願の実施例における画像符号化装置により実行されてもよく、該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアにより実現されてもよく、且つ一般的には画像エンコーダに集積可能であり、本願の実施例の方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0034】
ステップ110において、ビデオ画像を取得し、ビデオ画像の画像特性を特定する。
【0035】
そのうち、ビデオ画像は、ビデオストリーム又はメディアファイルにおける1フレーム又は複数フレームの画像であってもよく、画像特性は、ビデオ画像特徴の情報であってもよく、画像特性は、ビデオ画像に対して輝度及び色度マッピング変換処理を行う情報を特定するために使用されてもよい。
【0036】
本願の実施例において、ビデオシーケンスにおける1フレーム又は複数フレームの画像を取得することができ、各フレームのビデオ画像の画像特性を識別することができ、例えば、各フレームのビデオ画像を事前に訓練されたニューラルネットワークモデルに入力することができ、ニューラルネットワークモデルにより各フレームのビデオ画像に対応する画像特性を特定することができる。
【0037】
ステップ120において、画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定する。
【0038】
そのうち、ループ内識別情報は、ビデオ画像の符号化・復号化ループ内での輝度及び色度マッピング変換処理を制御する情報であってもよく、ループ外識別情報は、ビデオ画像の符号化・復号化ループ外での輝度及び色度マッピング変換処理を制御する情報であってもよい。
【0039】
例えば、画像特性に応じて符号化・復号化ループ内で輝度及び色度マッピング変換処理を行う必要があるか否か、及び符号化・復号化ループ外で輝度及び色度マッピング変換処理を行う必要があるか否かを判定することができ、判定結果に従って対応するループ内識別情報及びループ外識別情報を生成することができる。
【0040】
ステップ130において、ループ内識別情報及びループ外識別情報に従ってビデオ画像を処理する。
【0041】
本願の実施例において、ループ内識別情報及びループ外識別情報に応じてビデオ画像に対して符号化・復号化ループ外で輝度及び色度マッピング変換処理、並びに符号化・復号化ループ内で輝度及び色度マッピング変換処理を行う必要があるか否かを判定し、対応する判定結果に応じて順次ビデオ画像に対して符号化・復号化ループ外及び符号化・復号化ループ内で輝度及び色度マッピング変換処理を行うことができる。
【0042】
ステップ140において、処理後のビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、ループ内識別情報及びループ外識別情報をコードストリームに書き込む。
【0043】
そのうち、コードストリームは、ビデオ画像が符号化された後に得られたデータストリームであってもよい。
【0044】
例えば、輝度及び色度マッピング変換を経た後のビデオ画像を符号化することができ、ビデオ画像をデータストリームに符号化し、特定されたループ内識別情報及びループ外識別情報をデータストリームに追加することができる。符号化して生成されたコードストリームを送信し、ビデオ画像の伝送を実現することもできる。
【0045】
本願の実施例は、取得されたビデオ画像の画像特性を特定し、画像特性を使用してループ内識別情報及びループ外識別情報を生成し、ループ内識別情報及びループ外識別情報に従ってビデオ画像を処理し、処理後のビデオ画像をコードストリームに符号化し、生成されたループ内識別情報及びループ外識別情報をコードストリームに追加することにより、画像符号化プロセスにおけるループ外とループ内の輝度及び色度マッピング変換の複合的な使用が実現され、ビデオ画像符号化効果が高められる。
【0046】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記画像特性は、輝度ダイナミックレンジ、色空間、テクスチャ情報、形状特徴、空間関係のうちの少なくとも1つを含む。
【0047】
本願の実施例において、輝度ダイナミックレンジは、ビデオ画像における輝度の最小値から最大値までの範囲であってもよく、色空間は、ビデオ画像における画像の色がカバーする色彩範囲であってもよく、テクスチャ情報は、ビデオ画像における量子化された色又は強度の空間配置情報であってもよく、形状特徴は、ビデオ画像における目標の輪郭及び領域特徴であってもよく、空間関係は、ビデオ画像における分割可能な複数の目標の間の空間位置関係又は相対方向関係であってもよい。
【0048】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記ループ内識別情報及び/又は前記ループ外識別情報は、ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯される。
【0049】
例えば、生成されたループ内識別情報及びループ外識別情報をビデオ画像のコードストリームのネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報に追加してもよいし、コードストリームに1つの新たなユニット情報を書き込んでもよく、該ユニットは、カスタムで生成された情報ユニットであってもよい。
【0050】
図4は、本願の実施例に係る他の1つの画像符号化方法のフローチャートであり、本願の実施例は、上記出願の実施例に基づいて具体化されたものであり、
図4を参照し、本願の実施例に係る方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0051】
ステップ210において、ビデオ画像を取得し、ビデオ画像の画像特性を特定する。
【0052】
ステップ220において、画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定する。
【0053】
ステップ230において、ループ外識別情報に応じてビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行い、ループ内識別情報に応じて第1のマッピング変換を経たビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行う。
【0054】
本願の実施例において、符号化ループ外でループ外識別情報を使用して第1のマッピング変換を行うか否かを決定し、そして符号化ループ内でループ内識別情報を使用してビデオ画像に第2のマッピング変換を行う必要があるか否かを決定することができ、ループ外識別情報を使用してビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行うことを決定すると、ループ外識別情報における制御パラメータに従って符号化ループ外でビデオ画像に対して第1のマッピング変換処理を行い、ループ内識別情報に応じてビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行うことを決定すると、符号化ループ内で第1のマッピング変換処理を経たビデオ画像に対して第2のマッピング変換処理を行う。
【0055】
ステップ240において、処理後のビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、ループ内識別情報及びループ外識別情報をコードストリームに書き込む。
【0056】
図5は、本願の実施例に係る他の1つの画像符号化方法のフローチャートであり、本願の実施例は、上記出願の実施例に基づいて具体化されたものであり、
図5を参照し、本願の実施例に係る方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0057】
ステップ310において、ビデオ画像を取得し、ビデオ画像の画像特性を特定する。
【0058】
ステップ320において、画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定する。
【0059】
ステップ330において、ループ外識別情報に応じてビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行い、ループ内識別情報に応じて第1のマッピング変換を経たビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行わないことを決定する。
【0060】
本願の実施例において、符号化ループ外でループ外識別情報を使用して第1のマッピング変換を行うか否かを決定し、そして符号化ループ内でループ内識別情報を使用してビデオ画像に第2のマッピング変換を行う必要があるか否かを決定することができ、ループ外識別情報を使用してビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行うことを決定すると、符号化ループ外でループ外識別情報における制御パラメータに従ってビデオ画像に対して第1のマッピング変換処理を行い、ループ内識別情報に応じてビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行わないことを決定すると、符号化ループ内で第1のマッピング変換処理を経たビデオ画像に対して第2のマッピング変換処理を行わない。
【0061】
ステップ340において、第1のマッピング変換処理後のビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、ループ内識別情報及びループ外識別情報をコードストリームに書き込む。
【0062】
図6は、本願の実施例に係る他の1つの画像符号化方法のフローチャートであり、本願の実施例は、上記出願の実施例に基づいて具体化されたものであり、
図6を参照し、本願の実施例に係る方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0063】
ステップ410において、ビデオ画像を取得し、ビデオ画像の画像特性を特定する。
【0064】
ステップ420において、画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定する。
【0065】
ステップ430において、ループ外識別情報に応じてビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行わないことを決定し、ループ内識別情報に応じてビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行う。
【0066】
本願の実施例において、符号化ループ外でループ外識別情報を使用して第1のマッピング変換を行うか否かを決定し、そして符号化ループ内でループ内識別情報を使用してビデオ画像に第2のマッピング変換を行う必要があるか否かを決定することができ、ループ外識別情報に従って符号化ループ外でビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行わないことを決定することができ、ループ内識別情報に応じて符号化ループ内でビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行うことを決定すると、ループ内識別情報における制御パラメータを使用して符号化ループ内でビデオ画像の第2のマッピング変換処理を制御することができる。
【0067】
ステップ440において、第2のマッピング変換処理後のビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、ループ内識別情報及びループ外識別情報をコードストリームに書き込む。
【0068】
図7は、本願の実施例に係る他の1つの画像符号化方法のフローチャートであり、本願の実施例は、上記出願の実施例に基づいて具体化されたものであり、
図7を参照し、本願の実施例に係る方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0069】
ステップ510において、ビデオ画像を取得し、ビデオ画像の画像特性を特定する。
【0070】
ステップ520において、画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定する。
【0071】
ステップ530において、ループ外識別情報に応じてビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行わないことを決定し、ループ内識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行わないことを決定する。
【0072】
例えば、ループ外識別情報を使用して符号化ループ外で第1のマッピング変換を行う必要があるか否かを決定し、そしてループ内識別情報を使用して符号化ループ内で第2のマッピング変換を行う必要があるか否かを決定することができ、ビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行わず、且つビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行わないことを決定することができる。
【0073】
ステップ540において、ビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、ループ内識別情報及びループ外識別情報をコードストリームに書き込む。
【0074】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記第1のマッピング変換及び前記第2のマッピング変換は、輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含み、そのうち、輝度マッピング変換は、輝度成分数値のマッピングを含み、輝度成分数値のマッピングは、輝度ダイナミックレンジを変更するために用いられ、色度マッピング変換は、色度成分数値のマッピング、又は輝度マッピング変換に依存する色度スケーリング処理を含む。
【0075】
例えば、第1のマッピング変換及び第2のマッピング変換は、いずれも輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含むことができ、輝度マッピング変換は、輝度成分数値のマッピングを含み、輝度成分数値のマッピングは、輝度ダイナミックレンジを変更するために用いられ、色度マッピング変換は、色度成分数値のマッピング、又は輝度マッピング変換に依存する色度スケーリング処理を含む。例えば、第1のマッピング変換は、リシェーパに基づくマッピング変換であってもよく、第2のマッピング変換は、LMCS技術に基づくマッピング変換であってもよい。
【0076】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記ループ内識別情報及び/又は前記ループ外識別情報は、制御情報及びパラメータ情報を含み、そのうち、前記制御情報は、ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯され、前記コードストリームにおける前記パラメータ情報は、自己適応パラメータセット、補足エンハンスメント情報、カスタムネットワーク抽象化層ユニットのうちの少なくとも1つに携帯される。
【0077】
本願の実施例において、ループ内識別情報及びループ外識別情報は、制御情報及びパラメータ情報からなってもよく、そのうち、制御情報は、第1のマッピング変換又は第2のマッピング変換を行うか否かを制御する情報であってもよく、制御情報は、具体的にネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの1つ又は複数に携帯されてもよく、パラメータ情報は、第1のマッピング変換又は第2のマッピング変換に使用されるパラメータ情報であってもよく、パラメータ情報は、自己適応パラメータセット、補足エンハンスメント情報、カスタムネットワーク抽象化層ユニットのうちの1つ又は複数に携帯されてもよい。
【0078】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記コードストリームにおける前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報のそれぞれは、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯され、前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、カスタムの補足エンハンスメント情報のデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記カスタムネットワーク抽象化層ユニット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、のうちの1つのように携帯される。
【0079】
本願の実施例において、ループ内識別情報及びループ外識別情報のパラメータ情報は、コードストリームの自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに書き込んでもよく、又は、ループ内識別情報は、コードストリームの自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに書き込んでもよく、ループ外識別情報は、カスタムの補足エンハンスメント情報のデータパケットに書き込んでもよく、又は、ループ内識別情報及びループ外識別情報のパラメータ情報は、コードストリームのカスタムネットワーク抽象化層ユニット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに書き込んでもよい。
【0080】
図8は、本願の実施例に係る1つの画像符号化方法を例示する図であり、
図8を参照し、本実施例は、ビデオを符号化処理する装置に適用されるビデオの符号化方法である。前記装置の入力は、ビデオに含まれる画像であり、出力は、画像コードストリーム又は画像コードストリームを含むトランスポートストリーム又はメディアファイルである。
【0081】
ステップ301において、ビデオシーケンスにおける1フレームである画像を読み取る。
【0082】
ステップ302において、輝度ダイナミックレンジ、色空間、テクスチャ情報、形状特徴、空間関係を含むが、これらに限られない画像の特性を分析し、これらの情報に応じて第1のマッピング変換を行うか否かを判断し、第1のマッピング変換の制御情報を設定し、
そのうち、輝度ダイナミックレンジとは、輝度の最小値から最大値までの範囲であり、色空間とは、画像の色がカバーする色彩範囲であり、テクスチャ情報とは、画像の量子化された色又は強度の空間配置の情報であり、形状特徴とは、画像における目標の輪郭及び領域特徴であり、空間関係とは、画像の分割可能な複数の目標の空間位置又は相対方向関係であり、
そのうち、第1のマッピング変換の制御情報は、第1のマッピング変換を行うか否かを示すために用いられる。
【0083】
ステップ303において、第1のマッピング変換の識別情報に応じて符号化ループ外に作用する第1のマッピング変換処理を行い、
そのうち、第1のマッピング変換の識別情報は、第1のマッピング変換の制御情報及び第1のマッピング変換のパラメータ情報を含み、第1のマッピング変換の制御情報は、ステップ302で設定され、第1のマッピング変換の有効化状況を識別するために用いられ、第1のマッピング変換のパラメータ情報は、第1のマッピング変換処理プロセスのパラメータであり、
ステップ304において、輝度ダイナミックレンジ、色空間、テクスチャ情報、形状特徴、空間関係を含むが、これらに限られない、符号化ループに入った画像の特性を分析し、これらの情報に応じて第2のマッピング変換を行うか否かを判断し、第2のマッピング変換の制御情報を設定し、
そのうち、符号化ループに入った画像は、第1のマッピング変換処理を経た後の画像又は第1のマッピング変換処理を経ていない画像を含み、
そのうち、輝度ダイナミックレンジとは、輝度の最小値から最大値までの範囲であり、色空間とは、画像の色がカバーする色彩範囲であり、テクスチャ情報とは、画像の量子化された色又は強度の空間配置の情報であり、形状特徴とは、画像における目標の輪郭及び領域特徴であり、空間関係とは、画像の分割可能な複数の目標の空間位置又は相対方向関係であり、
そのうち、第2のマッピング変換の制御情報は、第2のマッピング変換を行うか否かを示すために用いられる。
【0084】
ステップ305において、設定された第2のマッピング変換の制御情報に応じて符号化ループ内に作用する第2のマッピング変換処理を行い、
そのうち、第2のマッピング変換の識別情報は、第2のマッピング変換の制御情報及び第2のマッピング変換のパラメータ情報を含み、第2のマッピング変換の制御情報は、ステップ304で設定され、第2のマッピング変換の有効化状況を識別するために用いられ、第2のマッピング変換のパラメータ情報は、第2のマッピング変換処理プロセスのパラメータであり、
ステップ306において、処理後の画像を符号化し、コードストリームを生成し、第1のマッピング変換及び第2のマッピング変換の識別情報をコードストリームに書き込み、前記識別情報は、ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報のうちの全部又は一部に携帯され、又は新たな情報ユニットとされ、
そのうち、処理後の画像とは、通常符号化プロセス及び/又は第1のマッピング変換及び/又は第2のマッピング変換を経た後の画像であり、ここでの通常符号化プロセスは、ブロック分割、変換と量子化、イントラ/インター予測及び他の処理プロセスを含む。
【0085】
ステップ307において、画像コードストリーム又は画像コードストリームを含むトランスポートストリーム又はメディアファイルを出力する。
【0086】
図9は、本願の実施例に係る他の1つの画像符号化方法を例示する図であり、
図9を参照し、本実施例は、ビデオを符号化処理する装置に適用されるビデオの符号化方法である。前記装置の入力は、ビデオに含まれる画像であり、出力は、画像コードストリーム又は画像コードストリームを含むトランスポートストリーム又はメディアファイルである。
【0087】
ステップ401において、ビデオシーケンスにおける1フレームである画像を読み取る。
【0088】
ステップ402において、輝度ダイナミックレンジ、色空間、テクスチャ情報、形状特徴、空間関係を含むが、これらに限られない画像の特性を分析し、これらの情報に応じて第1のマッピング変換及び第2のマッピング変換を行うか否かを判断し、第1のマッピング変換の制御情報及び第2のマッピング変換の制御情報を設定し、
そのうち、輝度ダイナミックレンジとは、輝度の最小値から最大値までの範囲であり、色空間とは、画像の色がカバーする色彩範囲であり、テクスチャ情報とは、画像の量子化された色又は強度の空間配置の情報であり、形状特徴とは、画像における目標の輪郭及び領域特徴であり、空間関係とは、画像の分割可能な複数の目標の空間位置又は相対方向関係であり、
そのうち、第1のマッピング変換の制御情報は、第1のマッピング変換を行うか否かを示すために用いられ、第2のマッピング変換の制御情報は、第2のマッピング変換を行うか否かを示すために用いられる。
【0089】
ステップ403において、第1のマッピング変換の識別情報に応じて符号化ループ外に作用する第1のマッピング変換処理を行い、
そのうち、第1のマッピング変換の識別情報は、第1のマッピング変換の制御情報及び第1のマッピング変換のパラメータ情報を含み、第1のマッピング変換の制御情報は、ステップ402で設定され、第1のマッピング変換の有効化状況を識別するために用いられ、第1のマッピング変換のパラメータ情報は、第1のマッピング変換処理プロセスのパラメータであり、
ステップ404において、設定された第2のマッピング変換の制御情報に応じて符号化ループ内に作用する第2のマッピング変換処理を行い、
そのうち、第2のマッピング変換の識別情報は、第2のマッピング変換の制御情報及び第2のマッピング変換のパラメータ情報を含み、第2のマッピング変換の制御情報は、ステップ402で設定され、第2のマッピング変換の有効化状況を識別するために用いられ、第2のマッピング変換のパラメータ情報は、第2のマッピング変換処理プロセスのパラメータであり、
ステップ405において、処理後の画像を符号化し、コードストリームを生成し、第1のマッピング変換及び第2のマッピング変換の識別情報をコードストリームに書き込み、前記識別情報は、ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報のうちの全部又は一部に携帯され、又は新たな情報ユニットとされ、
そのうち、処理後の画像とは、通常符号化プロセス及び/又は第1のマッピング変換及び/又は第2のマッピング変換を経た後の画像であり、ここでの通常符号化プロセスは、ブロック分割、変換と量子化、イントラ/インター予測及び他の処理プロセスを含む。
【0090】
ステップ406において、画像コードストリーム又は画像コードストリームを含むトランスポートストリーム又はメディアファイルを出力する。
【0091】
1つの例示的な実施形態において、第1のマッピング変換及び第2のマッピング変換は、いずれも輝度及び色度マッピング変換の実現形態である。そのうち、輝度マッピング変換の実現形態の1つは、輝度成分数値の線形又は非線形マッピングであり、これで輝度ダイナミックレンジが縮小又は拡大され、色度マッピング変換の実現形態は、色度成分数値の線形又は非線形マッピング、又は輝度マッピング変換に依存する色度スケーリング処理を含む。
【0092】
図10は、本願の実施例に係る1つの画像復号化方法のフローチャートであり、本実施例は、画像ビデオ伝送プロセスにおいて画像を復号化する場合に適用可能であり、該方法は、本願の実施例における画像復号化装置により実行されてもよく、該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアの形態により実現することができ、且つ一般的には画像デコーダに集積可能であり、本願の実施例の方法は、具体的に以下のステップを含む。
【0093】
ステップ610において、コードストリームを取得し、コードストリームにおけるループ内識別情報及びループ外識別情報を解析して得る。
【0094】
そのうち、コードストリームは、ビデオ画像の符号化された後のデータストリームであってもよく、画像符号化装置により生成され画像復号化装置に送信されることが可能である。
【0095】
本願の実施例において、画像復号化装置は、伝送されたコードストリームを受信し、コードストリームからループ内識別情報及びループ外識別情報を抽出することができ、そのうち、ループ内識別情報は、ビデオ画像の符号化・復号化ループ内での輝度及び色度マッピング変換処理を制御する情報であってもよく、ループ外識別情報は、ビデオ画像の符号化・復号化ループ外での輝度及び色度マッピング変換処理を制御する情報であってもよい。
【0096】
ステップ620において、ループ内識別情報及びループ外識別情報に従ってコードストリームを処理する。
【0097】
例えば、ループ内識別情報及びループ外識別情報に応じてコードストリームに対して復号化ループ内で輝度及び色度マッピング変換処理を行う必要があるか否か、及びコードストリームに対して復号化ループ外で輝度及び色度マッピング変換処理を行う必要があるか否かを判定し、対応する判定結果に応じて順次コードストリームに対して復号化ループ内及び復号化ループ外で輝度及び色度マッピング変換処理を行うことができ、画像復号化装置における処理は、画像符号化装置における処理の逆処理であってもよいことを理解できる。
【0098】
ステップ630において、処理後のコードストリームを復号化してビデオ画像を生成する。
【0099】
本願の実施例において、受信されたコードストリームをビデオ復号化アルゴリズムに従って復号化処理し、復号化後のビデオ画像を取得することができ、該ビデオ画像は、さらに、表示インターフェースに送信されて提示されてもよい。コードストリームの復号化プロセスは、関連技術における復号化プロセスに従って処理してもよく、コードストリームの復号化プロセスは、ビデオ符号化装置におけるビデオ画像の符号化プロセスに対応してもよいことを理解できる。
【0100】
本願の実施例は、コードストリームを受信し、コードストリームに携帯されたループ外識別情報及びループ内識別情報を抽出し、ループ内識別情報及びループ外識別情報に応じて受信されたコードストリームを処理し、該コードストリームをビデオ画像に復号化することにより、復号化プロセスにおけるループ外とループ内の輝度及び色度マッピング変換の複合的な使用が実現され、復号化ビデオ画像の品質が改善される。
【0101】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記ループ内識別情報及び/又は前記ループ外識別情報は、
ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯される。
【0102】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記した、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記コードストリームを処理することは、
前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して第4のマッピング変換を行い、前記ループ外識別情報に応じて第4のマッピング変換を経た前記コードストリームに対して第3のマッピング変換を行うことと、
前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して第4のマッピング変換を行い、前記ループ外識別情報に応じて第4のマッピング変換を経た前記コードストリームに対して第3のマッピング変換を行わないことを決定することと、
前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して第4のマッピング変換を行わないことを決定し、前記ループ外識別情報に応じて前記コードストリームに対して第3のマッピング変換を行うことと、
前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して第4のマッピング変換を行わないことを決定し、前記ループ外識別情報に応じて前記コードストリームに対して第3のマッピング変換を行わないことを決定することと、のうちの1つを含む。
【0103】
そのうち、第3のマッピング変換及び第4のマッピング変換は、輝度及び色度マッピング変換に対する処理であってもよく、第3のマッピング変換は、ビデオ符号化装置における第1のマッピング変換の逆変換であってもよく、第4のマッピング変換は、ビデオ符号化装置における第2のマッピング変換の逆変換であってもよく、例えば、第4のマッピング変換は、LMCS技術に基づくマッピング変換であってもよく、第3のマッピング変換は、リシェーパに基づくマッピング変換であってもよい。
【0104】
本願の実施例において、復号化ループ内でループ内識別情報を使用してコードストリームに対して第4のマッピング変換を行うか否かを決定し、そして復号化ループ外でループ外識別情報を使用してコードストリームに第3のマッピング変換を行う必要があるか否かを決定することができ、復号化ループ内でコードストリームに対して第4のマッピング変換を行い、そして復号化ループ外で第4のマッピング変換を経たコードストリームに対して第3のマッピング変換を行い、又は、復号化ループ内でコードストリームに対して第4のマッピング変換を行い、そして、復号化ループ外で第4のマッピング変換を経たコードストリームに対して第3のマッピング変換を行わず、又は、復号化ループ内でコードストリームに対して第4のマッピング変換を行わず、そして、復号化ループ外でコードストリームに対して第3のマッピング変換を行い、又は、復号化ループ内でコードストリームに対して第4のマッピング変換も行わないし、復号化ループ外でコードストリームに対して第3のマッピング変換も行わない、ことを含むことができる。
【0105】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記第3のマッピング変換及び前記第4のマッピング変換は、それぞれ輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含み、そのうち、前記輝度マッピング変換は、輝度成分数値のマッピングを含み、輝度成分数値のマッピングは、輝度ダイナミックレンジを変更するために用いられ、前記色度マッピング変換は、色度成分数値のマッピング、又は前記輝度マッピング変換に依存する色度スケーリング処理を含む。
【0106】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記ループ内識別情報及び/又は前記ループ外識別情報は、制御情報及びパラメータ情報を含み、そのうち、前記制御情報は、ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯され、前記コードストリームにおける前記パラメータ情報は、自己適応パラメータセット、補足エンハンスメント情報、カスタムネットワーク抽象化層ユニットのうちの少なくとも1つに携帯される。
【0107】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記コードストリームにおける前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報のそれぞれは、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯され、前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、カスタムの補足エンハンスメント情報のデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記カスタムネットワーク抽象化層ユニット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、のうちの1つのように携帯される。
【0108】
図11は、本願の実施例に係る1つの画像復号化方法を例示する図であり、
図11を参照し、1つの例示的な実施形態において、本実施例は、ビデオコードストリームを復号化処理する装置に適用されるビデオの復号化方法である。前記装置の入力は、画像コードストリーム又は画像コードストリームを含むトランスポートストリーム又はメディアファイルであり、出力は、ビデオを構成する画像である。
【0109】
ステップ501において、コードストリームを読み取る。
【0110】
ステップ502において、コードストリームを解析し、マッピング変換の識別情報を取得し、マッピング変換の識別情報は、第3のマッピング変換の識別情報及び第4のマッピング変換の識別情報を含み、
そのうち、第3のマッピング変換の識別情報は、第3のマッピング変換の制御情報及び第3のマッピング変換のパラメータ情報を含み、第3のマッピング変換の制御情報は、第3のマッピング変換の有効化状況を識別するために用いられ、第3のマッピング変換のパラメータ情報は、第3のマッピング変換処理プロセスのパラメータであり、
そのうち、第4のマッピング変換の識別情報は、第4のマッピング変換の制御情報及び第4のマッピング変換のパラメータ情報を含み、第4のマッピング変換の制御情報は、第4のマッピング変換の有効化状況を識別するために用いられ、第4のマッピング変換のパラメータ情報は、第4のマッピング変換処理プロセスのパラメータであり、
ステップ503において、第4のマッピング変換の識別情報に応じて、第4のマッピング変換を行うか否かを判断し、
ステップ504において、第4のマッピング変換の識別情報に応じて、復号化ループ内に作用する第4のマッピング変換を行い、
そのうち、ここでの第4のマッピング変換は、実施例ステップ305に対応する逆処理プロセスであり、
ステップ505において、第3のマッピング変換の識別情報に応じて、第3のマッピング変換を行うか否かを判断し、
ステップ506において、第3のマッピング変換の識別情報に応じて、復号化ループ外に作用する第3のマッピング変換処理を行い、
そのうち、ここでの第3のマッピング変換は、実施例ステップ303に対応する逆処理プロセスであり、
ステップ507において、復号画像を出力する。
【0111】
一実施例において、上記出願の実施例に基づいて、シーケンス層、ピクチャ層及びスライス層におけるループ内とループ外の輝度及び色度マッピング変換に関連するシンタックス及びセマンティックが与えられる。
【0112】
表1は、上記実施例に記載のコードストリームにおけるシーケンス層パラメータセット(Sequence Parameter Set、SPS)に携帯される輝度及び色度マッピング変換の識別情報である。
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
表3は、上記実施例に記載のコードストリームにおけるピクチャヘッダ(picture header、PH)パラメータセットに携帯されるループ内とループ外の輝度及び色度マッピング変換に用いられる識別情報である。
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
表4は、上記実施例に記載のコードストリームにおけるスライスヘッダ(slice header、SH)パラメータセットに携帯されるループ内とループ外の輝度及び色度マッピング変換に用いられる識別情報である。
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
1つの例示的な実施形態において、シーケンス層におけるループ内とループ外の輝度及び色度マッピング変換に関連するシンタックス及びセマンティックが与えられる。
【0128】
表5は、上記実施例に記載のコードストリームにおけるシーケンス層パラメータセット(Sequence Parameter Set、SPS)に携帯される輝度及び色度マッピング変換の識別情報である。
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
表6は、上記実施例に記載のコードストリームにおけるスライスヘッダ(SH)パラメータセットに携帯されるループ内とループ外の輝度及び色度マッピング変換に用いられる識別情報である。
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
1つの例示的な実施形態において、ピクチャ層におけるループ内とループ外の輝度及び色度マッピング変換に関連するシンタックス及びセマンティックが与えられる。
【0141】
【0142】
【0143】
表8は、上記実施例に記載のコードストリームにおけるピクチャヘッダパラメータセット(PH)に携帯されるループ内とループ外の輝度及び色度マッピング変換に用いられる識別情報である。
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
1つの例示的な実施形態において、ピクチャ層、スライス層におけるループ内とループ外の輝度及び色度マッピング変換に関連するシンタックス及びセマンティックが与えられる。
【0148】
【0149】
【0150】
表10は、上記実施例に記載のコードストリームにおけるスライスヘッダパラメータセット(SH)に携帯されるループ内とループ外の輝度及び色度マッピング変換に用いられる識別情報である。
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
1つの例示的な実施形態において、ピクチャ層の自己適応パラメータセット(Adaptation Parameter Set、APS)におけるループ内とループ外の輝度及び色度マッピング変換に関連する制御シンタックスが規定され、デコーダは、本実施例で規定されるシンタックスに従ってループ内の輝度及び色度マッピング変換、又はループ外の輝度及び色度マッピング変換、若しくは輝度及び色度マッピング変換を行わないこと、を選択できる。
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
表14に示すのは、1つの好ましいシンタックス構成形態である。
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
表15に示すのは、1つの好ましいシンタックス構成形態である。
【0169】
【0170】
【0171】
図12は、本願の実施例に係る1つの画像符号化装置の構造模式図であり、本願の任意の実施例に係る画像符号化方法を実行でき、方法の実行に相応する機能モジュール及び有益な効果を備える。該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアにより実現可能であり、具体的には、画像取得モジュール701、識別特定モジュール702、画像処理モジュール703及び符号化処理モジュール704を備える。
【0172】
画像取得モジュール701は、ビデオ画像を取得し、前記ビデオ画像の画像特性を特定するように構成される。
【0173】
識別特定モジュール702は、前記画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定するように構成される。
【0174】
画像処理モジュール703は、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記ビデオ画像を処理するように構成される。
【0175】
符号化処理モジュール704は、処理後の前記ビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報を前記コードストリームに書き込むように構成される。
【0176】
本願の実施例において、画像取得モジュールは、取得されたビデオ画像の画像特性を特定し、識別特定モジュールは、画像特性を使用してループ内識別情報及びループ外識別情報を生成し、画像処理モジュールは、ループ内識別情報及びループ外識別情報に従ってビデオ画像を処理し、符号化処理モジュールは、処理後のビデオ画像をコードストリームに符号化し、生成されたループ内識別情報及びループ外識別情報をコードストリームに追加することにより、符号化プロセスにおけるループ外とループ内の輝度及び色度マッピング変換の複合的な使用が実現され、ビデオ画像符号化効果が高められる。
【0177】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記装置における画像特性は、
輝度ダイナミックレンジ、色空間、テクスチャ情報、形状特徴、空間関係のうちの少なくとも1つを含む。
【0178】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記装置におけるループ内識別情報及び前記ループ外識別情報のうちの少なくとも1つは、
ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯される。
【0179】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記装置における画像処理モジュール703は、第1の処理ユニットと、第2の処理ユニットと、第3の処理ユニットと、第4の処理ユニットとのいずれかを備える。
【0180】
第1の処理ユニットは、前記ループ外識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行い、前記ループ内識別情報に応じて第1のマッピング変換を経た前記ビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行うように構成される。
【0181】
第2の処理ユニットは、前記ループ外識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行い、前記ループ内識別情報に応じて第2のマッピング変換を経た前記ビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行わないことを決定するように構成される。
【0182】
第3の処理ユニットは、前記ループ外識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行わないことを決定し、前記ループ内識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行うように構成される。
【0183】
第4の処理ユニットは、前記ループ外識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して第1のマッピング変換を行わないことを決定し、前記ループ内識別情報に応じて前記ビデオ画像に対して第2のマッピング変換を行わないことを決定するように構成される。
【0184】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記装置における第1のマッピング変換及び前記第2のマッピング変換は、それぞれ輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含み、そのうち、前記輝度マッピング変換は、輝度成分数値のマッピングを含み、輝度成分数値のマッピングは、輝度ダイナミックレンジを変更するために用いられ、前記色度マッピング変換は、色度成分数値のマッピング、又は前記輝度マッピング変換に依存する色度スケーリング処理を含む。
【0185】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記装置におけるループ内識別情報及び前記ループ外識別情報のうちの少なくとも1つは、制御情報及びパラメータ情報を含み、そのうち、前記制御情報は、ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯され、前記コードストリームにおける前記パラメータ情報は、自己適応パラメータセット、補足エンハンスメント情報、カスタムネットワーク抽象化層ユニットのうちの少なくとも1つに携帯される。
【0186】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記コードストリームにおいて、前記装置におけるループ内識別情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報のそれぞれは、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯され、前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、カスタムの補足エンハンスメント情報のデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記カスタムネットワーク抽象化層ユニット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、のうちの1つのように携帯される。
【0187】
図13は、本願の実施例に係る1つの画像復号化装置の構造模式図であり、本願の任意の実施例に係る画像復号化方法を実行でき、方法の実行に相応する機能モジュール及び有益な効果を備える。該装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアにより実現可能であり、具体的には、コードストリーム解析モジュール801、コードストリーム処理モジュール802及び画像復号化モジュール803を備える。
【0188】
コードストリーム解析モジュール801は、コードストリームを取得し、前記コードストリームにおけるループ内識別情報及びループ外識別情報を解析して得るように構成される。
【0189】
コードストリーム処理モジュール802は、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記コードストリームを処理するように構成される。
【0190】
画像復号化モジュール803は、処理後の前記コードストリームを復号化してビデオ画像を生成するように構成される。
【0191】
本願の実施例において、コードストリーム解析モジュールがコードストリームを受信し、コードストリームに携帯されたループ外識別情報及びループ内識別情報を抽出し、コードストリーム処理モジュールがループ内識別情報及びループ外識別情報に応じて受信されたコードストリームを処理し、画像復号化モジュールが該コードストリームをビデオ画像に復号化することにより、復号化プロセスにおけるループ外とループ内の輝度及び色度マッピング変換の複合的な使用が実現され、復号化ビデオ画像の品質が改善される。
【0192】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記装置におけるループ内識別情報及び前記ループ外識別情報のうちの少なくとも1つは、
ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯される。
【0193】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記装置におけるコードストリーム処理モジュール802は、第1の処理ユニット、第2の処理ユニット、第3の処理ユニット、又は第4の処理ユニットを備える。
【0194】
第1の処理ユニットは、前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して第4のマッピング変換を行い、前記ループ外識別情報に応じて第4のマッピング変換を経た前記コードストリームに対して第3のマッピング変換を行うように構成される。
【0195】
第2の処理ユニットは、前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して第4のマッピング変換を行い、前記ループ外識別情報に応じて第4のマッピング変換を経た前記コードストリームに対して第3のマッピング変換を行わないことを決定するように構成される。
【0196】
第3の処理ユニットは、前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して第4のマッピング変換を行わないことを決定し、前記ループ外識別情報に応じて前記コードストリームに対して第3のマッピング変換を行うように構成される。
【0197】
第4の処理ユニットは、前記ループ内識別情報に応じて前記コードストリームに対して第4のマッピング変換を行わないことを決定し、前記ループ外識別情報に応じて前記コードストリームに対して第3のマッピング変換を行わないことを決定するように構成される。
【0198】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記装置における第3のマッピング変換及び前記第4のマッピング変換は、それぞれ輝度マッピング変換及び色度マッピング変換を含み、そのうち、前記輝度マッピング変換は、輝度成分数値のマッピングを含み、輝度成分数値のマッピングは、輝度ダイナミックレンジを変更するために用いられ、前記色度マッピング変換は、色度成分数値のマッピング、又は前記輝度マッピング変換に依存する色度スケーリング処理を含む。
【0199】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記装置におけるループ内識別情報及び前記ループ外識別情報のうちの少なくとも1つは、制御情報及びパラメータ情報を含み、そのうち、前記制御情報は、ネットワーク抽象化層ユニットヘッダ情報、シーケンス層パラメータセット、ピクチャ層パラメータセット、スライス層パラメータセット、補足エンハンスメント情報、ビデオユーザビリティ情報、カスタムユニット情報のうちの少なくとも1つの情報に携帯され、前記コードストリームにおける前記パラメータ情報は、自己適応パラメータセット、補足エンハンスメント情報、カスタムネットワーク抽象化層ユニットのうちの少なくとも1つに携帯される。
【0200】
一実施例において、上記出願の実施例に加えて、前記コードストリームにおいて、前記装置におけるループ内識別情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報のそれぞれは、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報は、前記自己適応パラメータセット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯され、前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、カスタムの補足エンハンスメント情報のデータパケットに携帯されることと、
前記ループ内識別情報の前記パラメータ情報及び前記ループ外識別情報の前記パラメータ情報は、前記カスタムネットワーク抽象化層ユニット内の輝度及び色度マッピング変換に向けたデータパケットに携帯されることと、のうちの1つのように携帯される。
【0201】
図14は、本願の実施例に係る1つの電子機器の構造模式図であり、該電子機器は、プロセッサ60、メモリ61、入力装置62及び出力装置63を備え、電子機器におけるプロセッサ60の数は、1つ又は複数であってもよく、
図14では1つプロセッサ60を例とし、電子機器におけるプロセッサ60、メモリ61、入力装置62及び出力装置63は、バス又は他の形態により接続されてもよく、
図14ではバスによる接続を例とする。
【0202】
メモリ61は、1つのコンピュータ可読記憶媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能なプログラム及びモジュールを記憶するように使われ、例えば本願の実施例における画像符号化装置及び/又は画像復号化装置の対応するモジュールである(画像取得モジュール701、識別特定モジュール702、画像処理モジュール703及び符号化処理モジュール704、及び/又は、コードストリーム解析モジュール801、コードストリーム処理モジュール802及び画像復号化モジュール803)。プロセッサ60は、メモリ61に記憶されたソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを動作させることにより、電子機器の各種の機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、即ち上記した画像符号化方法及び/又は画像復号化方法を実現する。
【0203】
メモリ61は、主にプログラム記憶エリア及びデータ記憶エリアを備えることができ、そのうち、プログラム記憶エリアは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要とされるアプリケーションプログラムを記憶でき、データ記憶エリアは、電子機器の使用に応じて作成されたデータなどを記憶できる。また、メモリ61は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよいし、不揮発性メモリ、例えば少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ装置、又は他の不揮発性固体記憶装置を含んでもよい。いくつかの実例において、メモリ61は、プロセッサ60に対して遠隔に設けられたメモリをさらに含んでもよく、これらの遠隔メモリは、ネットワークにより電子機器に接続可能である。上記ネットワークの実例は、インターネット、イントラネット、ローカルネットワーク、移動通信ネットワーク及びそれらの組合せを含むが、これらに限られない。
【0204】
入力装置62は、入力されたデジタル又は文字情報を受信し、そして電子機器のユーザ設定及び機能制御に関連するキー信号の入力を発生させるように使われる。出力装置63は、ディスプレイなどの表示機器を含むことができる。
【0205】
図15は、本願の実施例に係る1つのエンコーダの構造模式図であり、1つの例示的な実施形態において、
図15に示すエンコーダは、ビデオを符号化処理する装置に適用される。前記装置の入力は、ビデオに含まれる画像であり、出力は、画像コードストリーム又は画像コードストリームを含むトランスポートストリーム又はメディアファイルである。
図15に示すように、該エンコーダは、入力装置901、処理装置902および出力装置903を含む。
【0206】
該入力装置901は、画像を入力するように構成され、
該処理装置902は、画像を処理し、符号化するように構成され、具体的なプロセスは、上記実施例における操作と一致し、
該出力装置903は、コードストリームを出力するように構成される。
【0207】
図16は、本願の実施例に係る1つのエンコーダの構造模式図であり、1つの例示的な実施形態において、
図16に示すエンコーダは、ビデオを符号化処理する装置に適用される。前記装置の入力は、ビデオに含まれる画像であり、出力は、画像コードストリーム又は画像コードストリームを含むトランスポートストリーム又はメディアファイルである。
図16に示すように、該エンコーダは、入力装置1001、プリプロセッサ1002、処理装置1003および出力装置1004を含む。
【0208】
該入力装置1001は、画像を入力するように構成され、
該プリプロセッサ1002は、画像を処理するように構成され、具体的なプロセスは、上記実施例の画像符号化方法のステップ302、303と一致し、
該処理装置1003は、画像を処理し、符号化するように構成され、具体的なプロセスは、上記実施例の画像符号化方法のステップ304、305、306と一致し、
該出力装置1004は、コードストリームを出力するように構成される。
【0209】
図17は、本願の実施例に係る1つのデコーダの構造模式図であり、1つの例示的な実施形態において、
図17に示すデコーダは、ビデオコードストリームを復号化処理する装置に適用される。前記装置の入力は、画像コードストリーム又は画像コードストリームを含むトランスポートストリーム又はメディアファイルであり、出力は、ビデオを構成する画像である。
図17に示すように、該デコーダは、入力装置1101、処理装置1102および出力装置1103を含む。
【0210】
該入力装置1101は、コードストリームを入力するように構成され、
該処理装置1102は、コードストリームを解析して画像を取得し、画像を処理するように構成され、具体的なプロセスは、上記出願の実施例のビデオ復号化方法の操作と一致する。
【0211】
該出力装置1103は、画像を出力するように構成される。
【0212】
図18は、本願の実施例に係る1つのデコーダの構造模式図であり、1つの例示的な実施形態において、
図18に示すデコーダは、ビデオコードストリームを復号化処理する装置に適用される。前記装置の入力は、画像コードストリーム又は画像コードストリームを含むトランスポートストリーム又はメディアファイルであり、出力は、ビデオを構成する画像である。
図18に示すように、該デコーダは、入力装置1201、処理装置1202、ポストプロセッサ1203および出力装置1204を含む。
【0213】
該入力装置1201は、コードストリームを入力するように構成され、
該処理装置1202は、コードストリームを解析して画像を取得し、画像を逆処理するように構成され、具体的なプロセスは、上記実施例の画像復号化方法のステップ501、502、503、504の操作と一致する。
【0214】
該ポストプロセッサ1203は、画像を処理するように構成され、具体的なプロセスは、上記実施例の画像復号化方法のステップ506の操作と一致する。
【0215】
該出力装置1204は、画像を出力するように構成される。
【0216】
本願の実施例は、コンピュータ実行可能な命令を備える記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ実行可能な命令は、コンピュータプロセッサにより実行されると、画像符号化方法の実行に用いられ、該方法は、
ビデオ画像を取得し、前記ビデオ画像の画像特性を特定することと、
前記画像特性に応じてループ内識別情報及びループ外識別情報をそれぞれ特定することと、
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記ビデオ画像を処理することと、
処理後の前記ビデオ画像を符号化してコードストリームを生成し、前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報を前記コードストリームに書き込むことと、を含む。
【0217】
及び/又は、コンピュータ実行可能な命令は、コンピュータプロセッサにより実行されると、画像復号化方法の実行に用いられ、該方法は、
コードストリームを取得し、前記コードストリームにおけるループ内識別情報及びループ外識別情報を解析して得ることと、
前記ループ内識別情報及び前記ループ外識別情報に従って前記コードストリームを処理することと、
処理後の前記コードストリームを復号化してビデオ画像を生成することと、を含む。
【0218】
以上の実施形態に関する説明により、当業者であれば、本願は、ソフトウェア及び必要な汎用ハードウェアを介して実現可能であり、無論、ハードウェアにより実現されてもよいが、多くの場合、前者がより好適な実施形態であることを明確に理解することができる。このような理解に基づいて、本願の技術案の本質或いは関連技術に貢献する部分は、ソフトウェア製品の形で具現化することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、コンピュータ可読記憶媒体、例えばコンピュータのフロッピーディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、フラッシュメモリ(FLASH)、ハードディスク又は光ディスクなどに記憶することができ、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)が本願の各実施例に記載の方法を実行させるためのいくつかの命令を含む。
【0219】
上記装置の実施例において、備えられる各ユニット及びモジュールは、機能ロジックに従って画成されたものに過ぎず、ただし、相応する機能を実現できれば、上記した画成に限られず、また、各機能ユニットの具体的な名称も、互いの区別を容易にするためのものに過ぎず、本願の保護範囲を制限するためのものではないことを注意されたい。
【0220】
当業者であれば、上記明細書に開示された方法における全部又は何らかのステップ、システム、機器における機能モジュール/ユニットは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及びそれらの適切な組合せとして実施されてもよいことを理解できる。
【0221】
ハードウェアの実施形態において、以上の説明の中で言及された機能モジュール/ユニットの間の画成は、物理コンポーネントの画成に対応するとは限らず、例えば、1つ物理コンポーネントは、複数の機能を有してもよく、又は1つの機能又はステップは、いくつかの物理コンポーネントにより共同で実行されてもよい。いくつかの物理コンポーネント又は全ての物理コンポーネントは、プロセッサ、例えば中央プロセッサ、デジタル信号プロセッサ又はマイクロプロセッサにより実行されるソフトウェアとして実施されてもよいし、又はハードウェアとして実施されてもよいし、又は集積回路、例えば専用集積回路として実施されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ可読媒体に分布されてもよく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的媒体)及び通信媒体(又は一時的媒体)を含んでもよい。当業者に周知されているように、用語のコンピュータ記憶媒体は、情報(例えばコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術で実施される揮発性及び不揮発性、リムーバブル及び非リムーバブル媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory、リードオンリー光ディスク)、デジタルビデオディスク(DVD、Digital Video Disc)又は他の光ディスク記憶、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶又は他の磁気記憶装置、或いは所望の情報を記憶するように使われ且つコンピュータからアクセス可能な任意の媒体を含むが、これらに限られない。また、当業者に周知されているように、通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は例えば搬送波又は他の伝送機構のような変調データ信号における他のデータを含み、且つ任意の情報配信媒体を含んでもよい。
【0222】
以上、図面を参照しながら本願のいくつかの実施例を説明したが、本願の特許権の範囲は、これにより限定されているわけではない。当業者であれば、本願の範囲及び実質から逸脱することなく行われる任意の修正、同等の置換及び改良は、いずれも本願の特許請求の範囲内に含まれるべきである。