(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-25
(45)【発行日】2025-05-08
(54)【発明の名称】インパクト算出装置およびインパクト算出方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250428BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021116684
(22)【出願日】2021-07-14
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】物井 愛子
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-165847(JP,A)
【文献】特開2009-282567(JP,A)
【文献】特開2014-081750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
社会課題に対して施策を講じたときに、前記施策が前記社会課題に及ぼす影響を定量化した情報であるインパクトを算出するインパクト算出装置であって、
インパクトを算出するための要件となり得る項目群の情報を予め定められた階層構造で記憶する記憶部と、
ユーザ操作に応じて上層の項目群から選択された項目に対応する下層の項目群を選定する絞込処理を繰り返し、インパクトを算出するための各要件の項目を絞り込む絞込部と、
前記絞込部により絞り込まれたインパクトを算出するための各要件の項目と、前記インパクトに係る複数の種類および施策に係る複数の種類からユーザ操作に応じて選択されたインパクトの種類および施策の種類とをもとに特定する、前記インパクトを算出するための算出式およびデータを用いて、前記インパクトを算出する算出部と、
を備え
、
前記記憶部は、ドメインの項目ごとに社会課題の項目群の情報を記憶し、社会課題の項目ごとに主体の項目群の情報を記憶し、主体の項目ごとに主体課題の項目群の情報を記憶し、主体課題の項目ごとに地域の項目群の情報を記憶し、地域の項目ごとに地域の情報を記憶し、
前記絞込部は、前記絞込処理において、ドメインの項目群から選択されたドメインの項目に対応する社会課題の項目群の情報を取得し、前記社会課題の項目群から選択された社会課題の項目に対応する主体の項目群の情報を取得し、前記主体の項目群から選択された主体の項目に対応する主体課題の項目群の情報を取得し、前記主体課題の項目群から選択された主体課題の項目に対応する地域の項目群の情報を取得し、前記地域の項目群から選択された地域の項目の情報を取得する、
インパクト算出装置。
【請求項2】
社会課題の項目群の情報には、前記社会課題に係る主体を示す定性データと、前記主体における前記社会課題に対する深刻度を示す定量データとが含まれ、
主体の項目群の情報には、前記主体が抱える主体課題を示す定性データと、前記主体の事業性を示す定量データとが含まれる、
請求項
1に記載のインパクト算出装置。
【請求項3】
前記記憶部は、社会課題と主体とに対応して社会インパクトに係る複数の種類の情報を記憶し、主体と前記主体の事業性とに対応して主体インパクトに係る複数の種類の情報を記憶し、主体と前記主体の事業性とに対応して施策に係る複数の種類の情報を記憶し、社会インパクトの種類と施策の種類とに対応して社会インパクトの計算式の情報を記憶し、主体インパクトの種類と施策の種類とに対応して主体インパクトの計算式の情報を記憶し、主体の事業性と前記主体における社会課題に対する深刻度と地域とに紐付けられている、計算式に挿入するためのデータを記憶し、
前記算出部は、
前記絞込処理において選択された社会課題と前記絞込処理において選択された主体とに対応する社会インパクトに係る複数の種類の情報を出力し、出力した社会インパクトに係る複数の種類から選択された社会インパクトの種類の情報を入力し、
前記絞込処理において選択された主体と前記主体の事業性とに対応する主体インパクトに係る複数の種類の情報を出力し、出力した主体インパクトに係る複数の種類から選択された主体インパクトの種類の情報を入力し、
前記絞込処理において選択された主体と前記主体の事業性とに対応する施策に係る複数の種類の情報を出力し、出力した施策に係る複数の種類から選択された施策の種類の情報を入力し、
前記インパクトとして、前記社会インパクトの種類および前記施策の種類に対応する計算式と、前記主体の事業性と前記主体における前記社会課題に対する深刻度と前記絞込処理において選択された地域とに紐付けられているデータとを用いて前記社会インパクトを算出し、前記主体インパクトの種類および前記施策の種類に対応する計算式と前記データとを用いて前記主体インパクトを算出する、
請求項
2に記載のインパクト算出装置。
【請求項4】
前記記憶部は、インパクトを算出するための要件となり得る項目群の一部の情報を、CLD(Causal Loop Diagram)およびKPI(Key Performance Indicator)ツリーの少なくとも1つから取得する、
請求項1に記載のインパクト算出装置。
【請求項5】
社会課題に対して施策を講じたときに、前記施策が前記社会課題に及ぼす影響を定量化した情報であるインパクトを算出するインパクト算出方法であって、
記憶部が、インパクトを算出するための要件となり得る項目群の情報を予め定められた階層構造で記憶することと、
絞込部が、ユーザ操作に応じて上層の項目群から選択された項目に対応する下層の項目群を選定する絞込処理を繰り返し、インパクトを算出するための各要件の項目を絞り込むことと、
算出部が、前記絞込部により絞り込まれたインパクトを算出するための各要件の項目と、前記インパクトに係る複数の種類および施策に係る複数の種類からユーザ操作に応じて選択されたインパクトの種類および施策の種類とをもとに特定する、前記インパクトを算出するための算出式およびデータを用いて、前記インパクトを算出することと、
を含
み、
前記記憶部は、ドメインの項目ごとに社会課題の項目群の情報を記憶し、社会課題の項目ごとに主体の項目群の情報を記憶し、主体の項目ごとに主体課題の項目群の情報を記憶し、主体課題の項目ごとに地域の項目群の情報を記憶し、地域の項目ごとに地域の情報を記憶し、
前記絞込部は、前記絞込処理において、ドメインの項目群から選択されたドメインの項目に対応する社会課題の項目群の情報を取得し、前記社会課題の項目群から選択された社会課題の項目に対応する主体の項目群の情報を取得し、前記主体の項目群から選択された主体の項目に対応する主体課題の項目群の情報を取得し、前記主体課題の項目群から選択された主体課題の項目に対応する地域の項目群の情報を取得し、前記地域の項目群から選択された地域の項目の情報を取得する、
インパクト算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、インパクトを算出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
国際社会の要請により、SDGs(Sustainable Development Goals)および社会課題ビジネスが勃興するなか、事業性の成立の判断に不可欠なインパクトを評価する研究も比例して増加している。
【0003】
近年、効果的な環境負荷削減の施策案の選定を支援する環境経営情報システムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、環境負荷軽減の施策効果としての環境保全効果値および費用対効果値の一覧を算出する方法が開示されている。しかしながら、予め固定された条件による効果値が算出されているため、必ずしもユーザが求めるような条件の効果値が算出されていない。特に、インパクトの施策の効果値を算出する場合、算出のための条件がより複雑になるため、あらゆる条件に基づいて算出される効果値の一覧を提示することができず、ユーザにおける施策の選定のサポートを行うことは困難である。
【0006】
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、インパクトを適切に算出し得るインパクト算出装置等を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、社会課題に対して施策を講じたときに、前記施策が前記社会課題に及ぼす影響を定量化した情報であるインパクトを算出するインパクト算出装置であって、インパクトを算出するための要件となり得る項目群の情報を予め定められた階層構造で記憶する記憶部と、ユーザ操作に応じて上層の項目群から選択された項目に対応する下層の項目群を選定する絞込処理を繰り返し、インパクトを算出するための各要件の項目を絞り込む絞込部と、前記絞込部により絞り込まれたインパクトを算出するための各要件の項目と、前記インパクトに係る複数の種類および施策に係る複数の種類からユーザ操作に応じて選択されたインパクトの種類および施策の種類とをもとに特定する、前記インパクトを算出するための算出式およびデータを用いて、前記インパクトを算出する算出部と、を設けるようにした。
【0008】
上記構成によれば、例えば、ユーザは、出力される項目群から気になる項目を選択し、出力されるインパクトに係る複数の種類および施策に係る複数の種類から気になるインパクトの種類および施策の種類を選択することにより、インパクトを適切に算出することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利便性の高いインパクト算出装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施の形態によるインパクト算出システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態によるインパクト算出システムに係るハードウェアの一例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態によるインパクト算出装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態によるCLD(Causal Loop Diagram)の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施の形態によるKPI(Key Performance Indicator)ツリーの一例を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す図である。
【
図7】第1の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す図である。
【
図8】第1の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す図である。
【
図9】第1の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す図である。
【
図10】第1の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す図である。
【
図11】第1の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す図である。
【
図12】第1の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す図である。
【
図13】第1の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す図である。
【
図14】第1の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す図である。
【
図15】第1の実施の形態によるインパクト算出処理の一例を示す図である。
【
図16】第1の実施の形態によるインパクト算出処理の一例を示す図である。
【
図17】第1の実施の形態による画面の一例を示す図である。
【
図18】第1の実施の形態による画面の一例を示す図である。
【
図19】第1の実施の形態による画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(I)第1の実施の形態
以下、本発明の一実施の形態を詳述する。ただし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
本実施の形態のインパクト算出装置は、インパクトを算出する。インパクトとは、現在起きている社会課題に対して施策(課題解決策)を講じたときに、当該施策が社会課題に及ぼす影響を定量化した情報である。インパクト算出装置は、ユーザの選択に応じてインパクト算出のための要件となる項目を段階的に提示し、それらの選択結果に基づいてインパクトを算出する。
【0013】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は、単数でも複数でも構わない。
【0014】
なお、以下の説明では、図面において同一要素については、同じ番号を付し、説明を適宜省略する。また、同種の要素を区別しないで説明する場合には、枝番を含む参照符号のうちの共通部分(枝番を除く部分)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、枝番を含む参照符号を使用することがある。例えば、社会インパクト種類情報を特に区別しないで説明する場合には、「社会インパクト種類情報401」と記載し、個々の社会インパクト種類情報を区別して説明する場合には、「社会インパクト種類情報401-1」、「社会インパクト種類情報401-2」のように記載することがある。
【0015】
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数または順序を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は、文脈毎に用いられ、1つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
【0016】
図1において、100は、全体として第1の実施の形態によるインパクト算出システムを示す。
【0017】
インパクト算出システム100は、社会課題DB(Database)110とインパクトシミュレータ120とを含んで構成される。
【0018】
社会課題DB110には、定性情報111と定量情報112とが記憶されている。定性情報111は、生活者調査(生活者へのインタビュー、アンケート等)により得られた社会インパクトの種類、ステークホルダ等の情報である。定性情報111は、例えば生活者調査の結果に基づいて作成されるCLD130の社会インパクト種類情報から、自動で生成されてもよいし、手動で生成されてもよい。定量情報112は、デスクトップ調査(インターネット、文献等を用いた情報収集)により得られた経済的数値、課題深刻度等の情報である。定量情報112は、例えばデスクトップ調査の結果に基づいて作成されるKPIツリー140の経済的指標から、自動で生成されてもよいし、手動で生成されてもよい。
【0019】
インパクトシミュレータ120は、計算式121(社会インパクトの計算式および主体インパクトの計算式)を備える。インパクトシミュレータ120は、社会課題DB110からインパクトの算出に用いる情報を取得し、計算式121を用いてインパクトを算出(シミュレーション)する。
【0020】
インパクトシミュレータ120により計算式121を用いて算出される数値は、施策の実施後の社会課題におけるインパクト(社会インパクト、主体インパクト等)の値であってもよいし、施策の実施前のインパクトの値と施策の実施後のインパクトの値との差分(増加量、減少量等)であってもよいし、インパクトから算出可能な他の値であってもよい。
【0021】
図2は、インパクト算出システム100に係るハードウェアの一例を示す図である。
【0022】
インパクト算出システム100は、インパクト算出装置210と、ユーザ端末220とを含んで構成される。インパクト算出装置210と、ユーザ端末220とは、ネットワーク230を介して通信可能に接続されている。
【0023】
インパクト算出装置210は、社会課題DB110とインパクトシミュレータ120とを実現可能な装置の一例である。インパクト算出装置210は、サーバ装置、汎用コンピュータ等であり、プロセッサ211と、主記憶装置212と、補助記憶装置213と、入力装置214と、出力装置215と、通信装置216と、を備える。
【0024】
プロセッサ211は、演算処理を行う装置である。プロセッサ211は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、AI(Artificial Intelligence)チップ等である。
【0025】
主記憶装置212は、プログラム、データ等を記憶する装置である。主記憶装置212は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等である。ROMは、SRAM(Static Random Access Memory)、NVRAM(Non Volatile RAM)、マスクROM(Mask Read Only Memory)、PROM(Programmable ROM)等である。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。
【0026】
補助記憶装置213は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、SSD(Solid State Drive)、光学式記憶装置等である。光学式記憶装置は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等である。補助記憶装置213に格納されているプログラム、データ等は、主記憶装置212に随時読み込まれる。
【0027】
入力装置214は、ユーザから情報を受付けるユーザインターフェースである。入力装置214は、例えば、キーボード、マウス、カードリーダ、タッチパネル等である。
【0028】
出力装置215は、各種の情報を出力(表示出力、音声出力、印字出力等)するユーザインターフェースである。出力装置215は、例えば、各種情報を可視化する表示装置、音声出力装置(スピーカ)、印字装置等である。表示装置は、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等である。
【0029】
通信装置216は、通信媒体を介して他の装置と通信する通信インターフェースである。通信装置216は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、シリアル通信モジュール等である。通信装置216は、通信可能に接続する他の装置から情報を受信する入力装置として機能することもできる。また、通信装置216は、通信可能に接続する他の装置に情報を送信する出力装置として機能することもできる。
【0030】
インパクト算出装置210の機能(後述の第1記憶部310、第2記憶部320、第1演算部330、第2演算部340等)は、例えば、プロセッサ211が補助記憶装置213に格納されたプログラムを主記憶装置212に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。なお、インパクト算出装置210の1つの機能は、複数の機能に分けられていてもよいし、複数の機能は、1つの機能にまとめられていてもよい。また、インパクト算出装置210の機能の一部は、別の機能として設けられてもよいし、他の機能に含められていてもよい。また、インパクト算出装置210の機能の一部は、インパクト算出装置210と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。また、インパクト算出装置210の機能は、VM(Virtual Machine)であってもよいし、コンテナであってもよいし、アプリケーションであってもよい。
【0031】
ユーザ端末220は、ユーザが使用する端末であり、汎用コンピュータ、ノートパソコン、タブレット端末等である。なお、ユーザは、例えば、社会課題を対象として検討を進めている者であり、営利企業で社会課題に取り組んでいる者、行政で施策を検討している者、地域において何かしらの課題を持っている事業主等である。
【0032】
例えば、ユーザ端末220は、入力装置と出力装置とを備え、ユーザによる入力装置の操作に応じて入力された情報をインパクト算出装置210に送信し、インパクト算出装置210により算出されたインパクトを出力装置に出力する。
【0033】
なお、インパクト算出システム100は、上述した構成に限らない。例えば、インパクト算出システム100は、ユーザ端末220を備えなくてもよい。この場合、インパクト算出装置210がユーザ端末220の機能を備えてもよい。
【0034】
図3は、インパクト算出装置210の機能構成の一例を示す図である。
【0035】
インパクト算出装置210は、第1記憶部310、第2記憶部320、第1演算部330、第2演算部340、第1入力部350、第2入力部360、第1加算部370、および第2加算部380を備える。
【0036】
第1記憶部310は、ドメインDB311、社会課題DB312、主体DB313等を記憶する。入力装置214またはユーザ端末220の操作に応じてデータ(例えば、DBに登録されていないデータ)が第1入力部350により入力された場合、入力されたデータが第1加算部370により第1記憶部310の各DBに加算(アップデート)される。
【0037】
ドメインDB311は、ドメインに係る情報を記憶する。ドメインは、企業等の主体が経済活動する事業領域(フィールド)である。社会課題DB312は、社会課題に係る情報を記憶する。社会課題は、社会的構造によって生じた企業、行政等が主体となり解決すべき課題であり、その種類は問わない。主体DB313は、主体に係る情報を記憶する。主体は、社会課題に係る事業主体および当事者である。なお、ドメインDB311、社会課題DB312、および主体DB313については、
図6を用いて後述する。
【0038】
第2記憶部320は、社会インパクトDB321、主体インパクトDB322、施策DB323等を記憶する。入力装置214またはユーザ端末220の操作に応じてデータ(例えば、DBに登録されていないデータ)が第2入力部370により入力された場合、入力されたデータが第2加算部380により第2記憶部320の各DBに加算(アップデート)される。
【0039】
社会インパクトDB321は、社会インパクトに係る情報を記憶する。社会インパクトは、社会課題解決のための施策の実行が社会に及ぼす定性・定量的な影響(正・負の両側面を含む)を示す評価値である。主体インパクトDB322は、主体への影響に関する数値(主体インパクト)に係る情報を記憶する。主体インパクトは、社会課題解決のための施策の実行により主体が受ける定性・定量的な社会・経済・環境的な影響(正・負の両側面を含む)を示す評価値である。施策DB323は、施策に係る情報を記憶する。施策は、社会課題に対して講じる対策である。社会インパクトDB321、主体インパクトDB322、および施策DB323については、
図7を用いて後述する。
【0040】
第1演算部330は、第1記憶部310により記憶されている社会課題に係る情報から、ユーザによる入力内容に応じて、インパクトを算出するための要件となり得る項目の絞り込みを段階的に行い、インパクトに係る情報を特定する。第2演算部340は、第2記憶部320により記憶されているインパクトに係る情報と、ユーザによる入力内容とに応じて、計算式121と計算式121に代入するデータとを特定し、特定した計算式121およびデータを用いてインパクトを算出する。
【0041】
図4は、CLD130の一例(CLD400)を示す図である。CLD400では、交通系の社会課題を描出した例を示している。CLD400は、例えば、ドメインごと、かつ、社会課題ごとに設けられている。
【0042】
CLD400では、交通系の社会課題に係る社会インパクトの因果関係が示されている。CLD400では、社会課題の中心的要素となる社会インパクト種類情報401に、社会インパクト種類情報401に関係する課題当事者であるステークホルダ410(鉄道利用者、行政等)の社会インパクト種類情報411が関連付けられている。CLD400の一部の社会インパクト種類情報は、社会課題DB110の予め定められた項目(例えば、社会課題と主体とに対応する項目)に設定される。
【0043】
図5は、KPIツリー140の一例(KPIツリー500)を示す図である。KPIツリー500では、事業主体(顧客)の収支を中心として交通系の社会課題を描出した例を示している。KPIツリー500は、例えば、ドメインごと、かつ、事業主体ごとに設けられている。
【0044】
KPIツリー500では、ツリー510に示すように、最終目標(例えば、利益)を起点として、最終目標を達成するために、中間目標としてどのようなKPI(経済的指標)を定めるべきかが、漏れなくダブりなく構造的に分解して図化されている。また、KPIツリー500では、ツリー520に示すように、所定のKPI511に繋がる社会インパクト種類情報521が設けられている。なお、KPIツリー500の一部の経済的指標(経済的数値)は、社会課題DB110の予め定められた項目(例えば、ドメインの市場規模)に設定される。
【0045】
図6は、第1記憶部310が記憶する情報の一例(ドメインデータテーブル610、社会課題データテーブル620、主体データテーブル630)を示す図である。
【0046】
ドメインデータテーブル610は、ドメインDB311に含まれるテーブルの一例である。ドメインデータテーブル610は、ドメイン611ごとに、取引相手612、市場規模613、提供サービス614、関連する社会課題615等のデータを含むレコードを記憶している。ドメイン611は、例示している住宅611-1、鉄道611-2、電力611-3に限られず、任意の項目でよい。なお、関連する社会課題615のデータは、ドメイン611の下層の社会課題群を示すデータであり、各社会課題を示すデータであってもよいし、社会課題群を識別可能なデータであってもよい。
【0047】
社会課題データテーブル620は、社会課題DB312に含まれるテーブルの一例である。社会課題データテーブル620は、ドメイン611ごとに設けられていてもよいし、ドメイン611を識別可能な情報を含んでいてもよい。社会課題データテーブル620では、鉄道611-2に対応して設けられている社会課題のデータの一例を示す。
【0048】
より具体的には、社会課題データテーブル620は、社会課題621ごとに、事業主体622、課題当事者623、事業主体の課題深刻度624、課題当事者の課題深刻度625、地域独自性626等のデータを含むレコードを記憶している。
【0049】
一の社会課題621のレコードにおいて、事業主体622および課題当事者623のデータは、当該社会課題621に係る主体を示すデータである。当該レコードにおいて、事業主体の課題深刻度624のデータは、事業主体622における当該社会課題621に対する深刻度が評価されたデータである。当該レコードにおいて、課題当事者の課題深刻度625のデータは、課題当事者623における当該社会課題621に対する深刻度が評価されたデータである。なお、事業主体の課題深刻度624および課題当事者の課題深刻度625の各データは、CLD130、生活者調査の結果、デスクトップ調査の結果等をもとに評価した者により登録されるデータであってもよいし、CLD130より取得されるデータであってもよい。
【0050】
例えば、渋滞621-1という1つの項目に対して、交通事業者、車・鉄道利用者、行政等の主体(ラベル、属性といったような定性項目)を設定し、交通事業者の課題深刻度および車・鉄道利用者または行政の課題深刻度(深刻度といったような定量項目)を設定することで、渋滞621-1を評価している。このように、社会課題データテーブル620では、一の社会課題621に係る主体を示す定性データと、当該主体における当該社会課題621に対する深刻度を示す定量データとで当該社会課題621が多角的に評価されている。
【0051】
なお、事業主体622および課題当事者623のデータは、社会課題621の下層の主体群を示すデータであり、各主体を示すデータであってもよいし、主体群を識別可能なデータであってもよい。
【0052】
主体データテーブル630は、主体DB313に含まれるテーブルの一例である。主体データテーブル630は、社会課題621ごとに設けられていてもよいし、社会課題621を識別可能な情報を含んでいてもよい。主体データテーブル630では、渋滞621-1に対応して設けられている主体のデータの一例を示す。
【0053】
より具体的には、主体データテーブル630は、主体631ごとに、主体課題632、主体の事業性633、企業の事業性634のデータを含むレコードを記憶している。
【0054】
一の主体631のレコードにおいて、主体課題632のデータは、当該主体631が抱える課題を示すデータである。当該レコードにおいて、主体の事業性633のデータは、当該主体631の事業性が評価されたデータである。当該レコードにおいて、企業の事業性634のデータは、当該主体631に対して課題解決に資する施策を事業として講じた際における企業の事業性が評価されたデータである。主体の事業性633および企業の事業性634の各データは、CLD130、生活者調査の結果、デスクトップ調査の結果等をもとに評価した者により登録されるデータであってもよいし、CLD130より取得されるデータであってもよい。
【0055】
例えば、交通事業者631-1という1つの項目に対して、営業利益、運賃収入、輸送量、遅延率等の主体課題(定性項目)を設定し、交通事業者631-1の事業性および当該交通事業者631-1に係る企業の事業性(定量項目)を設定することで、交通事業者631-1を評価している。このように、主体データテーブル630では、一の主体631に係る主体課題を示す定性データと、当該主体631に係る事業性を示す定量データとで当該主体631が多角的に評価されている。
【0056】
なお、主体課題632のデータは、主体631の下層の主体課題群を示すデータであり、各主体課題を示すデータであってもよいし、主体課題群を識別可能なデータであってもよい。
【0057】
また、図示は省略するが、第1記憶部310には、主体課題データテーブル、地域データテーブルが記憶されている。
【0058】
主体課題データテーブルは、主体631に対応して設けられている主体課題のデータを記憶する。主体課題データテーブルは、主体631ごとに設けられていてもよいし、主体631を識別可能な情報を含んでいてもよい。主体課題データテーブルは、主体課題ごとに、当該主体課題に係る地域のデータを含むレコードを記憶している。地域のデータは、主体課題の下層の地域群(都市、地方中核都市、地方等)を示すデータであり、各地域を示すデータであってもよいし、地域群を識別可能なデータであってもよい。
【0059】
地域データテーブルは、主体課題に対応して設けられている地域のデータを記憶する。地域データテーブルは、主体課題ごとに設けられていてもよいし、主体課題を識別可能な情報を含んでいてもよい。地域データテーブルは、地域ごとに、当該地域に係るデータ(人口数、鉄道路線数、課題の固有性等)を含むレコードを記憶している。
【0060】
上述したように、社会課題DB110には、ドメインデータテーブル610が最上位の階層、社会課題データテーブル620が第2の階層、主体データテーブル630が第3の階層、主体課題データテーブルが第4の階層、地域テーブルが最下位の階層として設けられている。つまり、社会課題DB110は、インパクトを算出するための要件となる項目が段階的に絞り込まれるデータ構造となっている。換言するならば、第1記憶部310は、インパクトを算出するための要件となり得る項目群の情報を予め定められた階層構造で記憶している。
【0061】
図7は、第2記憶部320が記憶する情報の一例(社会インパクト種類データテーブル700)を示す図である。社会インパクト種類データテーブル700は、社会課題710ごと、かつ、主体720ごとに、1つ以上の社会インパクトの種類を示すデータを記憶する。なお、社会インパクト種類データテーブル700は、ドメインが「鉄道」である場合の例であり、同様のデータテーブルがドメインごとに設けられている。
【0062】
図8は、第2記憶部320が記憶する情報の一例(主体インパクト種類データテーブル800)を示す図である。主体インパクト種類データテーブル800は、主体の事業性810ごと、かつ、主体820ごとに、1つ以上の主体インパクトを示すデータを記憶する。なお、主体インパクト種類データテーブル800は、ドメインが「鉄道」であり、社会課題が「渋滞」である場合の例であり、同様のデータテーブルが、ドメインごと、かつ、社会課題ごとに設けられている。
【0063】
図9は、第2記憶部320が記憶する情報の一例(施策種類データテーブル900)を示す図である。施策種類データテーブル900は、主体の事業性910ごと、かつ、主体920ごとに、1つ以上の施策を示すデータを記憶する。なお、施策種類データテーブル900は、ドメインが「鉄道」であり、社会課題が「渋滞」である場合の例であり、同様のデータテーブルが、ドメインごと、かつ、社会課題ごとに設けられている。
【0064】
図10は、第2記憶部320が記憶する情報の一例(社会インパクト計算式データテーブル1000)を示す図である。社会インパクト計算式データテーブル1000は、施策種類1010ごとに、かつ、社会インパクト種類1020ごとに、社会インパクトを算出するための計算式を示すデータを記憶している。なお、社会インパクト計算式データテーブル1000は、ドメインが「鉄道」であり、社会課題が「渋滞」である場合の例であり、同様のデータテーブルが、ドメインごと、かつ、社会課題ごとに設けられている。
【0065】
図11は、第2記憶部320が記憶する情報の一例(主体インパクト計算式データテーブル1100)を示す図である。主体インパクト計算式データテーブル1100は、施策種類1110ごと、かつ、主体インパクト種類1120ごとに、主体インパクトを算出するための計算式を示すデータを記憶している。なお、主体インパクト計算式データテーブル1100は、ドメインが「鉄道」であり、社会課題が「渋滞」である場合の例であり、同様のデータテーブルが、ドメインごと、かつ、社会課題ごとに設けられている。
【0066】
図12は、第2記憶部320が記憶する情報の一例(路線データテーブル1200)を示す図である。路線データテーブル1200は、課題当事者(例えば、生活者)の課題深刻度1210ごと、かつ、主体の事業性1220ごとに、路線を示すデータを記憶している。なお、路線データテーブル1200は、社会インパクトの種類が「混雑度」であり、施策の種類が「時間制運賃」である場合の計算式と、主体インパクトの種類が「運賃収入」であり、施策の種類が「時間制運賃」である場合の計算式とに用いられるデータを含むデータテーブルの例であり、同様のデータテーブルが、社会インパクトの計算式および主体インパクトの計算式ごとに設けられていることがある。
【0067】
図13は、第2記憶部320が記憶する情報の一例(乗客数値データテーブル1300)を示す図である。乗客数値データテーブル1300は、路線(ピーク時1310の路線および非ピーク時1320の路線)ごと、かつ、地域1330ごとに、乗客数を示すデータを記憶している。なお、乗客数値データテーブル1300は、社会インパクトの種類が「混雑度」であり、施策の種類が「時間制運賃」である場合の計算式と、主体インパクトの種類が「運賃収入」であり、施策の種類が「時間制運賃」である場合の計算式とに用いられるデータを含むデータテーブルの例であり、同様のデータテーブルが、社会インパクトの計算式および主体インパクトの計算式ごとに設けられていることがある。
【0068】
図14は、第2記憶部320が記憶する情報の一例(運賃データテーブル1400)を示す図である。運賃データテーブル1400は、路線1410ごと、かつ、地域1420ごとに、運賃を示すデータを記憶している。なお、運賃データテーブル1400は、社会インパクトの種類が「混雑度」であり、施策の種類が「時間制運賃」である場合の計算式と、主体インパクトの種類が「運賃収入」であり、施策の種類が「時間制運賃」である場合の計算式とに用いられるデータを含むデータテーブルの例であり、同様のデータテーブルが、社会インパクトの計算式および主体インパクトの計算式ごとに設けられていることがある。
【0069】
上述したように、路線データテーブル1200、乗客数値データテーブル1300、および運賃データテーブル1400は、社会インパクトの計算式および主体インパクトの計算式に挿入するデータを記憶するテーブルの一例である。つまり、インパクトの算出に用いられる計算式に挿入されるデータは、主体の事業性と当該主体における社会課題に対する深刻度と地域との少なくとも1つに紐付けられている。
【0070】
図15および
図16は、インパクト算出処理の一例を示す図である。インパクト算出処理は、適宜のタイミングで開始される。例えば、インパクトを算出するための起動操作がユーザにより行われたことを示す情報をインパクト算出装置210がユーザ端末220から受信したことを契機に開始する。インパクト算出処理については、ユーザ端末220に表示される
図17~
図19に示す画面を適宜に用いて説明する。
【0071】
S1501では、第1演算部330は、CLD130から社会インパクト種類情報を抽出する。
【0072】
S1502では、第1演算部330は、KPIツリー140から経済的指標を抽出する。
【0073】
S1503では、第1演算部330は、社会インパクトの種類を定性情報111に追加し、抽出した経済的指標を定量情報112に追加し、社会課題DB110をアップデートする。
【0074】
なお、S1501およびS1502の抽出は、人手で行われてもよい。また、S1501~S1503の処理は、インパクト算出処理とは別のタイミングに行われてもよい。
【0075】
以下では、ドメインとして「鉄道」、社会課題として「渋滞」、主体として「交通事業者」、主体課題として「運賃収入」、地域として「都市」がユーザにより選択されるケースの例を適宜に挙げて説明する。
【0076】
S1504では、第1演算部330は、ドメイン情報を出力する。例えば、第1演算部330は、ドメインデータテーブル610を参照し、ドメイン611を選択可能な画面(例えば、ドメイン選択画面1710)を生成し、生成した画面をユーザ端末220に送信する。
図17に示すように、ドメイン選択画面1710には、インパクトを算出したい対象(算出対象)のドメインをユーザが選択可能なように、ドメインごとにチェックボックスが設けられている。なお、この時点では、他の画面(社会課題選択画面1720~地域選択画面1750)およびボタン1760は、表示されていない。
【0077】
S1505では、第1演算部330は、ドメイン情報を入力する。例えば、ユーザ端末220は、ドメイン選択画面1710においてユーザにより選択されたドメイン「鉄道」をインパクト算出装置210に送信し、第1演算部330は、選択されたドメイン「鉄道」を受信する。
【0078】
S1506では、第1演算部330は、社会課題情報を出力する。例えば、第1演算部330は、ドメインデータテーブル610を参照し、選択されたドメイン「鉄道」(鉄道611-2)のレコードを取得する。第1演算部330は、取得したレコードの関連する社会課題615のデータに対応する社会課題データテーブル620を参照し、社会課題621を選択可能な画面(例えば、社会課題選択画面1720)を生成し、生成した画面をユーザ端末220に送信する。
図17に示すように、社会課題選択画面1720には、算出対象の社会課題をユーザが選択可能なように、社会課題ごとにチェックボックスが設けられている。なお、この時点では、他の画面(主体選択画面1730~地域選択画面1750)およびボタン1760は、表示されていない。
【0079】
S1507では、第1演算部330は、社会課題情報を入力する。例えば、ユーザ端末220は、社会課題選択画面1720においてユーザにより選択された社会課題「渋滞」をインパクト算出装置210に送信し、第1演算部330は、選択された社会課題「渋滞」を受信する。
【0080】
S1508では、第1演算部330は、主体情報を出力する。例えば、第1演算部330は、社会課題データテーブル620を参照し、選択された社会課題「渋滞」(渋滞621-1)のレコードを取得する。第1演算部330は、取得したレコードの事業主体622および課題当事者623のデータに対応する主体データテーブル630を参照し、主体631を選択可能な画面(例えば、主体選択画面1730)を生成し、生成した画面をユーザ端末220に送信する。
図17に示すように、主体選択画面1730には、算出対象の主体をユーザが選択可能なように、主体ごとにチェックボックスが設けられている。なお、この時点では、他の画面(主体課題選択画面1740および地域選択画面1750)およびボタン1760は、表示されていない。
【0081】
S1509では、第1演算部330は、主体情報を入力する。例えば、ユーザ端末220は、主体選択画面1730においてユーザにより選択された主体「交通事業者」をインパクト算出装置210に送信し、第1演算部330は、選択された主体「交通事業者」を受信する。
【0082】
S1510では、第1演算部330は、主体課題情報を出力する。例えば、第1演算部330は、主体データテーブル630を参照し、選択された主体「交通事業者」(交通事業者631-1)のレコードを取得する。第1演算部330は、取得したレコードの主体課題632のデータに対応する主体課題データテーブルを参照し、主体課題を選択可能な画面(例えば、主体課題選択画面1740)を生成し、生成した画面をユーザ端末220に送信する。
図17に示すように、主体課題選択画面1740には、算出対象の主体課題をユーザが選択可能なように、主体課題ごとにチェックボックスが設けられている。なお、この時点では、他の画面(地域選択画面1750)およびボタン1760は、表示されていない。
【0083】
S1511では、第1演算部330は、主体課題情報を入力する。例えば、ユーザ端末220は、主体課題選択画面1740においてユーザにより選択された主体課題「運賃収入」をインパクト算出装置210に送信し、第1演算部330は、選択された主体課題「運賃収入」を受信する。
【0084】
S1512では、第1演算部330は、地域情報を出力する。例えば、第1演算部330は、主体課題データテーブルを参照し、選択された主体課題「運賃収入」のレコードを取得する。第1演算部330は、取得したレコードの地域のデータに対応する地域データテーブルを参照し、地域を選択可能な画面(例えば、地域選択画面1750)を生成し、生成した画面をユーザ端末220に送信する。
図17に示すように、地域選択画面1750には、算出対象の地域をユーザが選択可能なように、地域ごとにチェックボックスが設けられている。
【0085】
S1513では、第1演算部330は、地域情報を入力する。例えば、ユーザ端末220は、地域選択画面1750においてユーザにより選択された地域「都市」をインパクト算出装置210に送信し、第1演算部330は、選択された地域「都市」を受信する。
【0086】
S1514では、第1演算部330は、社会インパクト種類情報、主体インパクト種類情報、および施策種類情報を出力する。例えば、第1演算部330は、ボタン1760が押下されたことを示す情報をユーザ端末220から受信した場合、入力されたドメイン「鉄道」、社会課題「渋滞」、主体「交通事業者」、主体課題「運賃収入」、および地域「都市」に対応する画面(例えば、インパクト算出画面1800)を生成し、生成した画面をユーザ端末220に送信する。インパクト算出画面1800には、社会インパクト種類選択画面1810、主体インパクト種類選択画面1820、施策種類選択画面1830、およびボタン1840が含まれる。
【0087】
例えば、第1演算部330は、選択されたドメイン「鉄道」に対応する社会インパクト種類データテーブル700を参照し、選択された社会課題「渋滞」(渋滞710-1)および選択された主体「交通事業者」(交通事業者720-1)に対応して設けられている社会インパクトの種類を示すデータ(混雑度、遅延率、渋滞率、輸送キャパシティ等)を取得し、社会インパクト種類選択画面1810を生成する。また、第1演算部330は、選択されたドメイン「鉄道」および選択された社会課題「渋滞」に対応する主体インパクト種類データテーブル800を参照し、選択された主体「交通事業者」の事業性(主体の事業性「5」810-1)と選択された主体「交通事業者」(交通事業者820-1)とに対応して設けられている主体インパクトの種類を示すデータ(営業利益、運賃収入、遅延率、輸送量、設備投資費等)を取得し、主体インパクト種類選択画面1820を生成する。また、第1演算部330は、選択されたドメイン「鉄道」および選択された社会課題「渋滞」に対応する施策種類データテーブル900を参照し、選択された主体「交通事業者」の事業性(主体の事業性「5」910-1)と選択された主体「交通事業者」(交通事業者920-1)とに対応して設けられている施策の種類を示すデータ(時間制運賃、自動運転、混雑可視化等)を取得し、施策種類選択画面1830を生成する。
【0088】
図18に示すように、社会インパクト種類選択画面1810には、算出対象の社会インパクトをユーザが選択可能なように、社会インパクトの種類ごとにチェックボックスが設けられている。社会インパクト種類選択画面1810では、社会インパクトの種類がチェックされた際、当該社会インパクトの設定値を入力するためのポップアップ1811が表示される。主体インパクト種類選択画面1820には、算出対象の主体インパクトをユーザが選択可能なように、主体インパクトの種類ごとにチェックボックスが設けられている。施策種類選択画面1830には、算出対象の施策をユーザが選択可能なように、施策の種類ごとにチェックボックスが設けられている。施策種類選択画面1830では、施策の種類がチェックされた際、当該施策の設定値を入力するためのポップアップ1831が表示される。
【0089】
このように、第1演算部330は、入力内容に応じて、ドメイン、社会課題、主体、主体課題、地域の項目を段階的に絞り込む絞込処理を行い、社会インパクトの種類、主体インパクトの種類、および施策の種類を選択するための情報を出力する。
【0090】
以下では、社会インパクトの種類として「混雑度」、主体インパクトの種類として「運賃収入」、施策の種類として「時間制運賃」がユーザにより選択されるケースの例を適宜に挙げて説明する。
【0091】
S1601では、第2演算部340は、社会インパクト種類情報を入力する。例えば、ユーザ端末220は、社会インパクト種類選択画面1810においてユーザにより選択された社会インパクトの種類「混雑度」と、その設定値「X」とをインパクト算出装置210に送信し、第2演算部340は、選択された社会インパクトの種類「混雑度」および設定値「X」を受信する。
【0092】
S1602では、第2演算部340は、主体インパクト種類情報を入力する。例えば、ユーザ端末220は、主体インパクト種類選択画面1820においてユーザにより選択された主体インパクトの種類「運賃収入」をインパクト算出装置210に送信し、第2演算部340は、選択された主体インパクトの種類「運賃収入」を受信する。
【0093】
S1603では、第2演算部340は、施策情報を入力する。例えば、ユーザ端末220は、施策種類選択画面1830においてユーザにより選択された施策の種類「時間制運賃」と、その設定値「Y」とをインパクト算出装置210に送信し、第2演算部340は、選択された施策の種類「時間制運賃」および設定値「Y」を受信する。
【0094】
S1604では、第2演算部340は、入力内容(S1601~S1603において入力された情報)に応じて、計算式を選択する。
【0095】
例えば、第2演算部340は、社会インパクトの計算式については、社会インパクト計算式データテーブル1000を参照し、選択された施策の種類「時間制運賃」(時間制運賃1010-1)と選択された社会インパクトの種類「混雑度」(混雑度1020-1)とに対応して設けられている計算式「計算式A」を選択する。また、第2演算部340は、主体インパクトの計算式については、主体インパクト計算式データテーブル1100を参照し、選択された施策の種類「時間制運賃」(時間制運賃1110-1)と選択された主体インパクトの種類「運賃収入」(運賃収入1120-2)とに対応して設けられている計算式「計算式D」を選択する。
【0096】
S1605では、第2演算部340は、入力内容(S1505、S1507、S1509、S1511、S1513、およびS1601~S1603において入力された情報)に応じて路線を選択する。
【0097】
例えば、第2演算部340は、社会課題データテーブル620を参照し、選択された社会課題「渋滞」(渋滞621-1)のレコードから、課題当事者の課題深刻度625「4」を取得する。また、第2演算部340は、主体データテーブル630を参照し、選択された主体「交通事業者」(交通事業者631-1)のレコードから、主体の事業性633「5」を取得する。そして、第2演算部340は、路線データテーブル1200を参照し、課題当事者の課題深刻度「4」1210-2と主体の事業性「5」1220-1とに対応して設けられている路線「ピーク時混雑路線b」を取得する。
【0098】
S1606では、第2演算部340は、入力内容に応じて乗客数を選択する。例えば、第2演算部340は、乗客数値データテーブル1300を参照し、取得された路線「ピーク時混雑路線b」(ピーク時1310の混雑路線「b」1310-2)と選択された地域「都市」(都市1330-1)とに対応して設けられている乗客数「乗客数b」を取得する。
【0099】
S1607では、第2演算部340は、入力内容に応じて運賃額を選択する。例えば、第2演算部340は、運賃データテーブル1400を参照し、取得された路線「ピーク時混雑路線b」(ピーク時混雑路線「b」1410-2)と選択された地域(都市1420-1)とに対応して設けられている運賃「運賃b」を取得する。
【0100】
ここで、第2演算部340は、例えば、ボタン1840が押下されたことを示す情報をユーザ端末220から受信した場合、S1608以降の処理を行う。
【0101】
S1608では、第2演算部340は、選択された施策を講じた際の社会インパクトを算出する。例えば、社会インパクトの種類「混雑度」に係る計算式Aが下記である場合、第2演算部340は、S1605~S1607において取得した値を計算式Aに挿入して「混雑度」を算出する。
【0102】
(計算式A)
現状の混雑度(乗車率)
=(列車の定員数)÷{(ラッシュ時の1路線当たりの乗客数)÷(1時間当たりのダイヤ本数)}
施策導入後の混雑度(乗車率)
=(列車の定員数)÷{{(ラッシュ時の1路線当たりの乗客数)-(施策で減少した乗客数)}÷(1時間当たりのダイヤ本数)}
=(列車の定員数)÷{{(ラッシュ時の1路線当たりの乗客数)-X}÷(1時間当たりのダイヤ本数)}
【0103】
S1609では、第2演算部340は、選択された施策を講じた際の主体インパクトを算出する。例えば、主体インパクトの種類「運賃収入」に係る計算式Dが下記である場合、第2演算部340は、S1605~S1607において取得した値を計算式Dに挿入して「運賃収入」の増加額を算出する。
【0104】
(計算式D)
施策導入後の運賃収入の増加額
={(施策導入後の乗客数)×(運賃)}-{(施策前後で減少した乗客数)×(運賃)}-
{(他交通へ流入した(乗客数)×(運賃)}+{(非混雑時間帯に流入した乗客数)×(運賃)}
={(乗客数b-X)×(運賃b+Y)}-{X×運賃b}-{(乗客数b-X)÷5)×運賃b}+{(乗客数b-X)÷5)×(運賃b-Y)
【0105】
S1610では、第2演算部340は、インパクトを出力する。例えば、S1608で算出した社会インパクトおよびS1609で算出した主体インパクトを含む画面(例えば、インパクト確認画面1900)をユーザ端末220に送信する。
図19に示すように、インパクト確認画面1900では、現状の混雑度1910と、施策導入後の混雑度1920と、施策導入後の運賃収入の増加額1930と、終了ボタン1940と、比較ボタン1950とが表示される。ユーザは、比較ボタン1950を押下することで、設定値、施策等を変更することができ、様々な条件下でインパクトを算出して比較することができる。
【0106】
S1611では、第2演算部340は、インパクト算出処理を終了するか否か(例えば、終了ボタン1940または比較ボタン1950が押下されたか)を判定する。第2演算部340は、終了ボタン1940が押下されたと判定した場合、インパクト算出処理を終了し、比較ボタン1950が押下されたと判定した場合、S1601に処理を戻す。
【0107】
本実施の形態では、条件を細かく入力できるので、様々な要素が影響を及ぼしているインパクトをxx万円、xx%という数値として算出することができる。
【0108】
(II)付記
上述の実施の形態には、例えば、以下のような内容が含まれる。
【0109】
上述の実施の形態においては、本発明をインパクト算出装置に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法、プログラムに広く適用することができる。
【0110】
また、上述の実施の形態において、プログラムの一部またはすべては、プログラムソースから、インパクト算出装置を実現するコンピュータのような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、ネットワークで接続されたプログラム配布サーバまたはコンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。また、上述の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0111】
また、上述の実施の形態において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部または一部が1つのテーブルであってもよい。
【0112】
また、上述の実施の形態において、説明の便宜上、インパクト算出装置に係る情報を、テーブルを用いて説明したが、データ構造はテーブルに限定されるものではない。インパクト算出装置に係る情報は、XML(Extensible Markup Language)、YAML(YAML Ain’t a Markup Language)、ハッシュテーブル、木構造等、テーブル以外のデータ構造によって表現されてもよい。
【0113】
また、上述の実施の形態において、図示および説明した画面は、一例であり、受け付ける情報が同じであるならば、どのようなデザインであってもよい。
【0114】
また、上述の実施の形態において、図示および説明した画面は、一例であり、提示する情報が同じであるならば、どのようなデザインであってもよい。
【0115】
また、上述の実施の形態において、情報の出力は、ディスプレイへの表示に限るものではない。情報の出力は、スピーカによる音声出力であってもよいし、ファイルへの出力であってもよいし、印刷装置による紙媒体等への印刷であってもよいし、プロジェクタによるスクリーン等への投影であってもよいし、その他の態様であってもよい。
【0116】
また、上記の説明において、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0117】
上述した実施の形態は、例えば、以下の特徴的な構成を有する。
【0118】
(1)
社会課題に対して施策を講じたときに、上記施策が上記社会課題に及ぼす影響を定量化した情報であるインパクトを算出するインパクト算出装置(例えば、インパクト算出装置210)は、インパクトを算出するための要件となり得る項目群の情報を予め定められた階層構造で記憶する記憶部(例えば、第1記憶部310、補助記憶装置213)と、ユーザ操作に応じて上層の項目群から選択された項目に対応する下層の項目群を選定する絞込処理を繰り返し、インパクトを算出するための各要件の項目を絞り込む絞込部(例えば、第1演算部330、プロセッサ211および主記憶装置212、回路)と、上記絞込部により絞り込まれたインパクトを算出するための各要件の項目と、上記インパクトに係る複数の種類および施策に係る複数の種類からユーザ操作に応じて選択されたインパクトの種類および施策の種類とをもとに特定する、上記インパクトを算出するための算出式およびデータを用いて、上記インパクトを算出する算出部(例えば、第2演算部340、プロセッサ211および主記憶装置212、回路)と、を備える。
【0119】
上記構成によれば、例えば、ユーザは、出力される項目群から気になる項目を選択し、出力されるインパクトに係る複数の種類および施策に係る複数の種類から気になるインパクトの種類および施策の種類を選択することにより、インパクトを適切に算出することができる。
【0120】
(2)
上記記憶部は、ドメインの項目ごとに社会課題の項目群の情報(例えば、ドメインデータテーブル610)を記憶し、社会課題の項目ごとに主体の項目群の情報(例えば、社会課題データテーブル620)を記憶し、主体の項目ごとに主体課題の項目群の情報(例えば、主体データテーブル630)を記憶し、主体課題の項目ごとに地域の項目群の情報(例えば、主体課題データテーブル)を記憶し、地域の項目ごとに地域の情報(例えば、地域データテーブル)を記憶し、上記絞込部は、上記絞込処理において、ドメインの項目群から選択されたドメインの項目に対応する社会課題の項目群の情報を取得し、上記社会課題の項目群から選択された社会課題の項目に対応する主体の項目群の情報を取得し、上記主体の項目群から選択された主体の項目に対応する主体課題の項目群の情報を取得し、上記主体課題の項目群から選択された主体課題の項目に対応する地域の項目群の情報を取得し、上記地域の項目群から選択された地域の項目の情報を取得する(例えば、
図15参照)。
【0121】
上記構成によれば、例えば、インパクトを算出するための各要件の項目として、ドメイン、社会課題、主体、主体課題、および地域の項目が絞り込まれるので、これらの要件が影響を及ぼすインパクトを算出することができる。
【0122】
(3)
社会課題の項目群の情報には、上記社会課題に係る主体を示す定性データ(例えば、事業主体622のデータ、課題当事者623のデータ)と、上記主体における上記社会課題に対する深刻度を示す定量データ(例えば、事業主体の課題深刻度624のデータ、課題当事者の課題深刻度625のデータ)とが含まれ、主体の項目群の情報には、上記主体が抱える主体課題を示す定性データ(例えば、主体課題632のデータ)と、上記主体の事業性を示す定量データ(例えば、主体の事業性633のデータ)とが含まれる。
【0123】
上記構成では、社会課題の項目群の情報には社会課題が多角的に評価された情報が含まれ、主体の項目群の情報には主体が多角的に評価された情報が含まれている。上記構成によれば、例えば、インパクトを算出するための各要件の項目をより詳細に絞り込むことができ、インパクトの算出により適した項目、データ等を使用できるようになるので、インパクトをより精緻に算出することができる。
【0124】
(4)
上記記憶部は、社会課題と主体とに対応して社会インパクトに係る複数の種類の情報(例えば、社会インパクト種類データテーブル700)を記憶し、主体と上記主体の事業性とに対応して主体インパクトに係る複数の種類の情報(例えば、主体インパクト種類データテーブル800)を記憶し、主体と上記主体の事業性とに対応して施策に係る複数の種類の情報(例えば、施策種類データテーブル900)を記憶し、社会インパクトの種類と施策の種類とに対応して社会インパクトの計算式の情報(例えば、社会インパクト計算式データテーブル1000)を記憶し、主体インパクトの種類と施策の種類とに対応して主体インパクトの計算式の情報(例えば、主体インパクト計算式データテーブル1100)を記憶し、主体の事業性と上記主体における社会課題に対する深刻度と地域とに紐付けられている、計算式に挿入するためのデータ(例えば、路線データテーブル1200、乗客数値データテーブル1300、運賃データテーブル1400)を記憶し、上記算出部は、上記絞込処理において選択された社会課題と上記絞込処理において選択された主体とに対応する社会インパクトに係る複数の種類の情報を出力し、出力した社会インパクトに係る複数の種類から選択された社会インパクトの種類の情報を入力し、上記絞込処理において選択された主体と上記主体の事業性とに対応する主体インパクトに係る複数の種類の情報を出力し、出力した主体インパクトに係る複数の種類から選択された主体インパクトの種類の情報を入力し、上記絞込処理において選択された主体と上記主体の事業性とに対応する施策に係る複数の種類の情報を出力し、出力した施策に係る複数の種類から選択された施策の種類の情報を入力し、上記インパクトとして、上記社会インパクトの種類および上記施策の種類に対応する計算式と、上記主体の事業性と上記主体における上記社会課題に対する深刻度と上記絞込処理において選択された地域とに紐付けられているデータとを用いて上記社会インパクトを算出し、上記主体インパクトの種類および上記施策の種類に対応する計算式と上記データとを用いて上記主体インパクトを算出する(例えば、
図16参照)。
【0125】
上記構成によれば、例えば、インパクトとして社会インパクトおよび主体インパクトが算出されるので、ユーザは、主体による課題解決と主体の事業性との両立の判断を容易に行うことができる。
【0126】
(5)
上記記憶部は、インパクトを算出するための要件となり得る項目群の一部の情報を、CLD(例えば、CLD400)およびKPIツリー(例えば、KPIツリー500)の少なくとも1つから取得する。
【0127】
上記構成によれば、例えば、社会課題の検討に用いられたCLDおよびKPIツリーの情報を利用することができるので、インパクトの算出に用いる情報をより容易に準備することができる。
【0128】
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
【0129】
「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という形式におけるリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができると理解されたい。同様に、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の形式においてリストされた項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができる。
【符号の説明】
【0130】
200……インパクト算出装置、330……第1演算部、340……第2演算部。