(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-25
(45)【発行日】2025-05-08
(54)【発明の名称】水分量測定システム
(51)【国際特許分類】
A01D 41/127 20060101AFI20250428BHJP
【FI】
A01D41/127 130
(21)【出願番号】P 2022106418
(22)【出願日】2022-06-30
【審査請求日】2024-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】森原 浩之
(72)【発明者】
【氏名】寺西 陽之
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-081490(JP,A)
【文献】特開2010-256084(JP,A)
【文献】特開2018-036077(JP,A)
【文献】特開2022-012002(JP,A)
【文献】特開2005-326331(JP,A)
【文献】特開平10-313664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/00-47/00
G01N 27/00-27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の電極ローラの回転により前記電極ローラ間で穀粒を圧砕して、穀粒が圧砕されているときの前記電極ローラ間の電気抵抗値に応じた信号を出力する水分センサと、
前記水分センサの動作を制御して、前記水分センサから出力される信号を受け取り、その受け取った信号からセンサ出力値を求めて、検量線から前記センサ出力値に対応する水分量を求める制御装置と、を含み、
前記制御装置は、水分量の測定の対象として設定された穀粒の種類によって、前記水分センサの動作を制御する方法を複数の制御方法の中で切り替え
、
前記複数の制御方法には、
相対的に長い長期間を設定し、前記長期間に前記水分センサから信号が出力されるように、前記水分センサの動作を制御する第1制御方法と、
相対的に短い短期間を時間間隔を空けて繰り返して設定し、それぞれの前記短期間で前記水分センサから信号が出力されるように、前記水分センサの動作を制御する第2制御方法とが含まれる、水分量測定システム。
【請求項2】
情報の設定のために操作される操作装置、をさらに含み、
前記操作装置の操作により、穀粒の種類が設定される、請求項1に記載の水分量測定システム。
【請求項3】
穀粒の収穫のための作業を行う作業装置、をさらに含み、
前記操作装置の操作により、前記作業装置の作業の対象となる穀粒の種類が設定され、
前記制御装置は、前記作業装置の作業の対象として設定された穀粒の種類によって、前記水分センサの動作を制御する方法を複数の制御方法の中で切り替える、請求項2に記載の水分量測定システム。
【請求項4】
前記作業装置は、作物を脱穀して得られる選別対象物を選別して回収する脱穀装置である、請求項3に記載の水分量測定システム。
【請求項5】
1対の電極ローラの回転により前記電極ローラ間で穀粒を圧砕し、その穀粒が圧砕されているときの前記電極ローラ間の電気抵抗値に応じた信号を出力する動作を行う水分センサと、
前記水分センサの動作を制御して、前記水分センサから出力される信号を受け取り
、その受け取った信号からセンサ出力値を求めて、検量線から前記センサ出力値に対応する水分量を求める制御装置と、を含み、
前記制御装置は、水分量の測定の対象として設定された穀粒のサイズによって、前記水分センサの動作を制御する方法を複数の制御方法の中で切り替え
、
前記複数の制御方法には、
相対的に長い長期間を設定し、前記長期間に前記水分センサから信号が出力されるように、前記水分センサの動作を制御する第1制御方法と、
相対的に短い短期間を時間間隔を空けて繰り返して設定し、それぞれの前記短期間で前記水分センサから信号が出力されるように、前記水分センサの動作を制御する第2制御方法とが含まれる、水分量測定システム。
【請求項6】
前記制御装置に穀粒の基準水分量を入力する入力装置、をさらに含み、
前記基準水分量は、前記水分センサで圧砕された穀粒と同じ水分量を含むと推定される穀粒の水分量を前記制御装置以外の機器によって測定した測定値であり、
前記制御装置は、前記検量線から前記基準水分量に対応する値を求め、その求めた値と前記センサ出力値との偏差を補正値として、前記センサ出力値を前記補正値を用いて補正する、請求項1または5に記載の水分量測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒に含まれる水分量を測定する水分量測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインでは、圃場に植立している作物が刈取装置により刈られ、その刈られた作物が刈取装置から脱穀装置に搬送されて、脱穀装置で作物の穀稈から穀粒が外され、穀粒が選別されて穀粒タンクに搬送される。
【0003】
コンバインには、穀粒に含まれる水分量を測定する水分センサ(水分計)をグレンタンク内に備えるものがある。水分センサは、排出部から排出される穀粒を受け入れることができる位置に配置される。水分センサは、たとえば、電気抵抗式の水分センサであり、一対の電極ローラを備えている。水分センサ内に受け入れられた穀粒は、一対の電極ローラの回転により、電極ローラ間に巻き込まれて、電極ローラ間で圧砕される。電極ローラ間に穀粒の圧砕物が挟まれた状態で、電極ローラ間の電気抵抗値が測定され、その電気抵抗値から穀粒に含まれる水分量が求められる(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、電気抵抗式の水分センサを用いた構成には、水分量の測定精度が低いという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、穀粒に含まれる水分量を精度よく測定できる、水分量測定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る水分量測定システムは、1対の電極ローラの回転により電極ローラ間で穀粒を圧砕して、穀粒が圧砕されているときの電極ローラ間の電気抵抗値に応じた信号を出力する水分センサと、水分センサの動作を制御して、水分センサから出力される信号を受け取り、その受け取った信号からセンサ出力値を求めて、検量線からセンサ出力値に対応する水分量を求める制御装置とを含み、制御装置は、水分量の測定の対象として設定された穀粒の種類によって、水分センサの動作を制御する方法を複数の制御方法の中で切り替える。
【0008】
この構成によれば、水分センサでは、1対の電極ローラの回転により電極ローラ間で穀粒が圧砕される。そして、穀粒の圧砕物(圧砕された穀物)が電極ローラ間に挟まっている状態で、水分センサから電極ローラ間の電気抵抗値に応じた信号が制御装置に向けて出力される。制御装置では、水分センサから受け取った信号からセンサ出力値が求められ、検量線からセンサ出力値に対応する水分量が求められる。
【0009】
穀粒の種類によっては、電極ローラ間に穀粒が入りにくい。たとえば、大麦は、米や小麦などと比べて、電極ローラ間に入りにくい。電極ローラ間に入りにくい穀粒が水分量の測定の対象として設定されている場合、電極ローラが回転している測定期間中に、穀粒が電極ローラ間に入らないために、水分センサから出力される信号の値が著しく小さい期間が生じうる。そのため、測定期間に水分センサから出力される信号の値からセンサ出力値が求められて、そのセンサ出力値に対応する水分量が検量線から求められる構成では、穀粒に含まれる水分量が精度よく測定されない。
【0010】
そこで、水分量の測定の対象として設定された穀粒の種類によって、水分センサの動作を制御する方法が複数の制御方法の中で切り替えられて、穀粒の種類に応じた制御方法で水分センサの動作が制御される。これにより、穀粒の種類に応じたセンサ出力値を求めることができる信号が水分センサから出力される。そのため、制御装置では、穀粒の種類に応じたセンサ出力値を求めることができ、そのセンサ出力に対応する水分量を求めることができる。よって、穀粒に含まれる水分量を精度よく測定することができる。
【0011】
水分量測定システムは、情報の設定のために操作される操作装置をさらに含み、操作装置の操作により、穀粒の種類が設定されてもよい。
【0012】
この構成では、操作装置の操作を行う者が穀粒の種類を設定することができる。
【0013】
穀粒の収穫のための作業を行う作業装置をさらに含み、操作装置の操作により、作業装置の作業の対象となる穀粒の種類が設定され、制御装置は、作業装置の作業の対象として設定された穀粒の種類によって、水分センサの動作を制御する方法を複数の制御方法の中で切り替えてもよい。
【0014】
この構成では、水分量の測定の対象の設定が不要である。
【0015】
作業装置は、作物を脱穀して得られる選別対象物を選別して回収する脱穀装置であってもよい。
【0016】
脱穀装置では、たとえば、作業(脱穀処理)の対象となる穀粒の種類に応じて、チャフシーブの開度が変更される。そのため、脱穀装置には、作業の対象となる穀粒の種類の設定が必要である。その設定が水分量の測定の対象の設定とされることにより、水分量の測定の対象の設定が不要となる。
【0017】
本発明の他の局面に係る水分量測定システムは、1対の電極ローラの回転により電極ローラ間で穀粒を圧砕し、その穀粒が圧砕されているときの電極ローラ間の電気抵抗値に応じた信号を出力する動作を行う水分センサと、水分センサの動作を制御して、水分センサから出力される信号を受け取り、そその受け取った信号からセンサ出力値を求めて、検量線からセンサ出力値に対応する水分量を求める制御装置とを含み、制御装置は、水分量の測定の対象として設定された穀粒のサイズによって、水分センサの動作を制御する方法を複数の制御方法の中で切り替える。
【0018】
この構成によれば、水分センサでは、1対の電極ローラの回転により電極ローラ間で穀粒が圧砕される。そして、穀粒の圧砕物(圧砕された穀物)が電極ローラ間に挟まっている状態で、水分センサから電極ローラ間の電気抵抗値に応じた信号が制御装置に向けて出力される。制御装置では、水分センサから受け取った信号からセンサ出力値が求められ、検量線からセンサ出力値に対応する水分量が求められる。
【0019】
穀粒のサイズによっては、電極ローラ間に穀粒が入りにくい。たとえば、大麦などの大サイズの穀粒は、米や小麦などの小サイズの穀粒と比べて、電極ローラ間に入りにくい。電極ローラ間に入りにくい穀粒が水分量の測定の対象として設定されている場合、電極ローラが回転している測定期間中に、穀粒が電極ローラ間に入らないために、水分センサから出力される信号の値が著しく小さい期間が生じうる。そのため、測定期間に水分センサから出力される信号の値からセンサ出力値が求められて、そのセンサ出力値に対応する水分量が検量線から求められる構成では、穀粒に含まれる水分量が精度よく測定されない。
【0020】
そこで、水分量の測定の対象として設定された穀粒のサイズによって、水分センサの動作を制御する方法が複数の制御方法の中で切り替えられて、穀粒の種類に応じた制御方法で水分センサの動作が制御される。これにより、水分センサの出力信号から穀粒のサイズに応じたセンサ出力値を求めることができ、そのセンサ出力に対応する水分量を求めることができる。よって、穀粒に含まれる水分量を精度よく測定することができる。
【0021】
複数の制御方法には、相対的に長い長期間を設定し、長期間に水分センサから信号が出力されるように、水分センサの動作を制御する第1制御方法と、相対的に短い短期間を時間間隔を空けて繰り返して設定し、それぞれの短期間で水分センサから信号が出力されるように、水分センサの動作を制御する第2制御方法とが含まれていてもよい。
【0022】
水分量測定システムは、制御装置に穀粒の基準水分量を入力する入力装置をさらに含み、基準水分量は、水分センサで圧砕された穀粒と同じ水分量を含むと推定される穀粒の水分量を制御装置以外の機器によって測定した測定値であり、制御装置は、検量線から基準水分量に対応する値を求め、その求めた値とセンサ出力値との偏差を補正値として、センサ出力値を補正値を用いて補正してもよい
【0023】
この構成によれば、穀粒に含まれる水分量をより精度よく測定することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、穀粒に含まれる水分量を精度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る水分量測定装置が搭載されるコンバインの右側面図である。
【
図2】穀粒タンク内の左上部分を右後から見た斜視図であり、穀粒タンクの天板が外された状態を示す。
【
図4】穀粒タンクの正面図であり、カバーが取り外された状態を示す。
【
図6】コンバインの電気的構成の要部を示すブロック図である。
【
図7】測定方法選択処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】センサ出力値の補正の手法を説明するための図である。
【
図11】コンバインの電気的構成の変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】
<コンバインの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る水分量測定装置が搭載されるコンバイン1の右側面図である。
【0028】
コンバイン1は、圃場を走行しながら作物の刈り取りおよび作物からの脱穀を行う農業機械である。
【0029】
コンバイン1は、圃場などの不整地を走破する能力を有する走行装置として、左右1対のクローラ走行装置2を採用している。左右のクローラ走行装置2により、機体フレーム3が支持され、クローラ走行装置2には、機体フレーム3上に設けられたエンジンの動力がトランスミッションを介して伝達される。
【0030】
また、機体フレーム3上には、キャビン4、脱穀装置5および穀粒タンク6が設けられている。クローラ走行装置2および機体フレーム3の前方には、作物を刈り取る刈取装置7が設けられている。
【0031】
キャビン4は、機体フレーム3の前端部上に配置されている。キャビン4は、その内部にユーザが搭乗する空間を提供し、その空間内には、たとえば、ユーザが着座する運転席、ユーザが操作する操作レバーなどが配置されている。キャビン4の右側面には、開閉可能なドア8が設けられており、ユーザは、ドア8を開いて、キャビン4内に乗り込むことができる。
【0032】
脱穀装置5は、キャビン4の左後方に配置されている。穀粒タンク6は、キャビン4の後方かつ脱穀装置5の右方に配置されている。脱穀装置5では、作物を脱穀して得られる選別対象物が選別されて回収される。回収された選別対象物(穀粒)は、穀粒タンク6に搬送されて、穀粒タンク6に貯留される。穀粒タンク6には、アンローダ9が接続されており、穀粒タンク6に貯留された穀粒は、アンローダ9により、穀粒タンク6から機外に排出することができる。
【0033】
<穀粒タンクの要部構成>
図2は、穀粒タンク6内の左上部分を右後から見た斜視図であり、穀粒タンク6の天板が外された状態を示す。
【0034】
穀粒タンク6内には、穀粒タンク6の左側壁11の上部で前後方向の中央部に、排出部12が設けられている。排出部12には、図示が省略されているが、上下方向に延びる軸線を中心に回転する回転羽根が設けられている。穀粒は、脱穀装置5から排出部12に搬送されて、回転する回転羽根により掃き飛ばされ、排出部12から右前方に向けて飛び出す。
【0035】
穀粒タンク6の前側壁13には、穀粒タンク6内に膨出するセンサ収容部14が形成されている。センサ収容部14には、水分センサ15が収容されている。
【0036】
【0037】
センサ収容部14は、
図4に示されるように、前側壁13の上端部から後下がりに傾斜した上傾斜板16と、上傾斜板16の後端縁から下方に延びる後板17と、後板17の下端縁から前側壁13の下端部に向けて前下がりに傾斜した下傾斜板18と、上傾斜板16、後板17および下傾斜板18に囲まれる空間を左右からそれぞれ閉塞するように設けられる側板19とを備えている。センサ収容部14は、上傾斜板16、後板17、下傾斜板18および側板19により区画される空間を水分センサ15が収容されるセンサ収容空間21として提供している。
【0038】
穀粒タンク6の前側壁13の前面には、
図3に示されるように、センサ収容空間21を閉塞するように、カバー22が取り付けられている。
図4では、前側壁13からカバー22が外されている。カバー22の上下方向の寸法は、上傾斜板16の前端縁と下傾斜板18の前端縁との間の上下方向の距離よりも短く、カバー22が前側壁13の前面に取り付けられた状態で、上傾斜板16の前端縁とカバー22の上端縁との間および下傾斜板18の前端縁とカバー22の下端縁との間には、それぞれ隙間23,24が生じている。これにより、センサ収容空間21から隙間23,24を通して熱を逃がすことができ、また、センサ収容空間21に外部から水が入っても、その水をセンサ収容空間21から隙間24を通して抜くことができる。また、下傾斜板18が前下がりに傾斜していることにより、下傾斜板18上に水が溜まることを防止できる。
【0039】
ただし、上傾斜板16の前端縁とカバー22の上端縁との間に隙間23が生じていると、その隙間23に向けて高圧の水が吹きかかったときに、その水が隙間23を通してセンサ収容空間21に入るおそれがある。隙間23からセンサ収容空間21に入った水が水分センサ15にかかることを防止するため、上傾斜板16には、
図4に示されるように、シールド25が取り付けられている。シールド25は、上傾斜板16に接触する矩形板状の接触部26と、接触部26から下方に延びる矩形板状の阻水部27とを一体に有している。接触部26は、上傾斜板16に溶接により固着されている。
【0040】
【0041】
水分センサ15は、箱型のセンサケース31を備えている。センサケース31の後面には、センサケース31内に穀粒を受け入れるための受入口32が形成されている。受入口32は、左右対称の形状であり、上側に開いたV字状の下辺33と、下辺33の左上端から上下方向(鉛直方向)に対して左側に相対的に小さい角度で傾斜して上方に延びる第1左辺34と、第1左辺34の上端から上下方向に対して左側に相対的に大きい角度で傾斜して上方に延びる第2左辺35と、下辺33の右上端から上下方向に対して右側に相対的に小さい角度で傾斜して上方に延びる第1右辺36と、第1右辺36の上端から上下方向に対して右側に相対的に大きい角度で傾斜して上方に延びる第2右辺37とを有している。第1左辺34、第2左辺35、第1右辺36および第2右辺37から前側に、それぞれ平面が延びており、これらの平面は、穀粒をセンサケース31内に案内する案内面として機能する。
【0042】
センサケース31内には、受入口32の後側のローラ収容空間に、一対の電極ローラ41,42が設けられている。電極ローラ41,42は、それぞれ互いに平行をなして前後方向に延びるローラ軸43,44を一体的に有している。電極ローラ41,42の周面は、左右方向に近接して並んでいる。電極ローラ41の周面と電極ローラ42の周面との間には、たとえば、米(籾米)のサイズに応じた間隔、米の幅(長手方向と直交する方向の長さ)よりもやや小さい間隔が空けられている。電極ローラ41,42の周面には、微小な凹凸が多数形成されている。
【0043】
センサケース31内には、モータ45(
図6参照)が設けられており、そのモータ45の動力により、一対の電極ローラ41,42は、正転および逆転する。電極ローラ41,42の正転では、穀粒タンク6内から見て、左側の電極ローラ41が時計回りに回転し、右側の電極ローラ42が反時計回りに回転する。電極ローラ41,42の逆転では、穀粒タンク6内から見て、左側の電極ローラ41が反時計回りに回転し、右側の電極ローラ42が時計回りに回転する。
【0044】
また、前側壁13の内面には、案内部材46が取り付けられている。案内部材46は、平板をV字状に折り曲げた形状をなし、その折れ線が前側ほど下側に位置し、前端(下端)がセンサケース31の受入口32の下辺33から前側に延びる平面上に位置するように配置されている。
【0045】
穀粒タンク6内の排出部12から飛散する穀粒の一部は、センサケース31の位置に到達し、センサケース31の受入口32からセンサケース31内に直接受け入れられる。また、案内部材46上に到達した穀粒は、案内部材46上をセンサケース31に向けて流動し、案内部材46から落下して、受入口32からセンサケース31内に受け入れられる。受入口32からセンサケース31内に受け入れられた穀粒は、電極ローラ41,42上に貯まる。そして、電極ローラ41,42が正転すると、穀粒が電極ローラ41,42間に挟まれて圧砕される。
【0046】
また、電極ローラ41,42の逆転時には、電極ローラ41,42の各周面にブラシ(図示せず)が当接し、電極ローラ41,42の周面(表面)が清掃される。
【0047】
電極ローラ41,42が収容されるローラ収容空間は、その底面が開放されている。したがって、受入口32からセンサケース31内に受け入れられた穀粒および電極ローラ41,42の周面から掻き落とされた穀粒の圧砕物は、電極ローラ41,42上を除いて、ローラ収容空間には溜まらず、ローラ収容空間から水分センサ15の下側に設けられている戻し通路47を通して穀粒タンク6内に排出される。
【0048】
<コンバインの電気的構成>
図6は、コンバイン1の電気的構成の要部を示すブロック図である。
【0049】
コンバイン1には、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)51が搭載されている。ECU51は、マイコン(マイクロコントローラ)を備えており、マイコンには、たとえば、CPU、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリおよびDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリが内蔵されている。
【0050】
ECU51は、穀粒タンク6内に収容された穀粒の水分量を測定するための機能処理部として、測定方法切替部52、測定処理部53、センサ出力値取得部54およびセンサ出力値補正部55を有している。これらの機能処理部は、プログラム処理によってソフトウエア的に実現されるか、論理回路などのハードウェアにより実現されるか、または、それらの組合せにより実現される。
【0051】
測定方法切替部52は、穀物の水分量を測定する測定方法、言い換えれば、穀粒の水分量を測定するために水分センサ15の動作を制御する方法を切り替えて設定する。具体的には、穀物の水分量を測定する測定方法として、第1測定方法および第2測定方法の2つの方法が用意されている。測定方法切替部52は、水分量の測定の対象として設定された作物(穀粒の種類)によって、その作物の水分量を測定する測定方法を第1測定方法と第2測定方法とに切り替えて設定する。
【0052】
測定処理部53は、測定方法切替部52により設定された第1測定方法または第2測定方法に従って、水分センサ15のモータ45を制御して、電極ローラ41,42の正転、逆転および停止を切り替え、電極ローラ41,42間への一定電圧の供給および停止を切り替える。
【0053】
センサ出力値取得部54には、水分センサ15に備えられている信号出力回路56の出力信号が入力される。電極ローラ41,42の正転により電極ローラ41,42間で穀粒が圧砕されるときに、電極ローラ41,42間に一定電圧が供給され、信号出力回路56は、電極ローラ41,42間の電気抵抗値に応じた電圧値の信号を出力する。電極ローラ41,42間の電気抵抗値が小さいほど、信号出力回路56から出力される信号の値が大きくなる。センサ出力値取得部54は、信号出力回路56から入力される信号の値を平均化する平均化処理を行い、センサ出力値を求める。平均化処理は、水分量の測定の対象として設定された作物に応じた内容で行われる。
【0054】
センサ出力値補正部55は、センサ出力値取得部54により取得されたセンサ出力値を補正する。
【0055】
ECU51の不揮発性メモリには、センサ出力値と水分量との関係を示す検量線57が記憶されている。ECU51では、センサ出力値補正部55による補正後のセンサ出力値に対応する水分量が検量線57から求められて、その求められた水分量が穀粒タンク6内に収容された穀粒の水分量とされる。
【0056】
また、キャビン4内には、運転席に着座したユーザが視認および操作可能な位置に、メータパネル58が配置されている。メータパネル58は、たとえば、液晶表示器などのディスプレイ上に感圧式または静電容量式の透明フィルムスイッチを重ねて構成されたタッチパネルからなる。メータパネル58には、各種の情報や操作ボタンなどの画像が表示される。ユーザが操作ボタンをタッチ操作することにより、そのタッチ操作された操作ボタンの種類に応じた指示がメータパネル58に受け付けられる。メータパネル58に指示が受け付けられると、その指示の内容に応じた信号がメータパネル58からECU51に入力される。また、ユーザは、メータパネル58のタッチ操作により、数値を入力することができる。数値が入力されると、その入力された数値に応じた信号がメータパネル58からECU51に入力される。
【0057】
測定方法切替部52およびセンサ出力値取得部54による処理に必要な設定、つまり水分量の測定の対象とする作物の設定は、メータパネル58のタッチ操作により行うことができる。また、メータパネル58では、コンバイン1に搭載された作業装置、つまり脱穀装置5および刈取装置7が作業の対象とする作物の設定を行うことができる。脱穀装置5および刈取装置7が作業の対象とする作物ならびに水分量の測定の対象とする作物は、同一であるから、それらのいずれかが設定されると、それ以外の設定に内容が反映される。たとえば、脱穀装置5の作業の対象とする作物の設定がなされると、刈取装置7の作業の対象する作物が同じ作物に設定され、また、水分量の測定の対象とする作物も同じ作物に設定される。
【0058】
さらに、メータパネル58のタッチ操作により、センサ出力値補正部55によるセンサ出力値の補正に必要とされる基準水分量を入力することができる。
【0059】
<測定方法選択処理>
図7は、測定方法選択処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
たとえば、コンバイン1による作物の刈り取りが開始されると、穀物の水分量を測定する測定方法を作物によって切り替えるため、ECU51の測定方法切替部52により、測定方法選択処理が実行される。
【0061】
測定方法選択処理では、コンバイン1に搭載された作業装置(脱穀装置5、刈取装置7)に対して作業の対象とする作物が設定済みであるか否かが判断される(ステップS1)。
【0062】
作業装置に対する作物の設定が既になされている場合(ステップS1のYES)、その設定が水分量の測定の対象とする作物の設定にも反映されているので、設定済みの作物に応じた測定方法が第1測定方法および第2測定方法の2つの方法の中から選択されて(ステップS2)、測定方法選択処理が終了される。
【0063】
水分量の測定の対象とする作物が米または小麦に設定されている場合、穀物の水分量を測定する測定方法として、第1測定方法が選択される。一方、水分量の測定の対象とする作物が大麦に設定されている場合、穀物の水分量を測定する測定方法として、第2測定方法が選択される。第1測定方法および第2測定方法の内容については、後述する。
【0064】
作業装置に対する作物の設定が行われていない場合(ステップS1のNO)、水分量の測定の対象とする作物の設定が行われたか否かが判断される(ステップS3)。
【0065】
水分量の測定の対象とする作物の設定が行われた場合(ステップS3)、その設定された作物に応じた測定方法が第1測定方法および第2測定方法の2つの方法の中から選択されて(ステップS2)、測定方法選択処理が終了される。
【0066】
測定方法選択処理の開始から所定時間が経過しても、水分量の測定の対象とする作物の設定が行われない場合(ステップS3のNO)、デフォルトの測定方法、たとえば、第1測定方法が選択されて(ステップS4)、測定方法選択処理が終了される。
【0067】
【0068】
前述したように、水分量の測定の対象とする作物が米または小麦に設定されている場合、穀物の水分量を測定する測定方法として、第1測定方法が選択される。第1測定方法による水分量の測定では、測定処理部53により、第1測定方法に従って、水分センサ15の動作が制御される。
【0069】
その制御では、水分センサ15のセンサケース31内に穀粒が貯留されるまで、排出部12から穀粒タンク6内への穀粒の排出が開始されてからの第1時間(たとえば、90秒間)、電極ローラ41,42を停止させた状態で待機される。
【0070】
第1時間が経過すると、モータ45の正転駆動により、電極ローラ41,42が正転される。電極ローラ41,42が正転すると、穀粒が電極ローラ41,42間に挟まれて圧砕される。電極ローラ41,42が正転している間、電極ローラ41,42間に一定電圧が印加されて、信号出力回路56から、電極ローラ41,42間の電気抵抗値に応じた電圧値の信号が出力される。電極ローラ41,42の正転および電極ローラ41,42間への一定電圧の印加は、第2時間(たとえば、10秒間)継続される。
【0071】
電極ローラ41,42の正転および電極ローラ41,42間への電圧印加が開始されてから第2時間が経過すると、モータ45が一旦停止された後、モータ45が逆転駆動される。モータ45の逆転駆動により、電極ローラ41,42が逆転し、電極ローラ41,42の周面が清掃される。モータ45の逆転駆動が第3時間継続されると、モータ45が停止されて、穀物の水分量を測定するための第1測定方法による水分センサ15の動作の制御が終了となる。
【0072】
電極ローラ41の周面と電極ローラ42の周面との間には、米のサイズに応じた間隔が空けられているので、米または小麦などの小サイズの穀粒は、電極ローラ41,42間に入りやすい。そのため、電極ローラ41,42の正転時には、電極ローラ41,42上の穀粒が電極ローラ41,42間に連続的に巻き込まれて圧砕される。したがって、水分センサ15の信号出力回路56から出力される信号の値が立ち上がってから、電極ローラ41,42上から穀粒がなくなるまでの間、その信号の値の変動が小さい。
【0073】
その特性を考慮して、水分量の測定の対象として設定された作物が米または麦であり、水分センサ15の動作が第1測定方法に従って制御された場合の平均化処理では、センサ出力値取得部54により、電極ローラ41,42の正転中における所定期間に信号出力回路56からセンサ出力値取得部54に入力される信号の値が所定のサンプリング周期でサンプリングされる。そして、そのサンプリングした値から平均値および標準偏差が算出され、標準偏差に定数を乗算した値が平均値に足されることにより、信号出力回路56から出力される信号の値を平均化した値が算出され、その値がセンサ出力値とされる。
【0074】
【0075】
水分量の測定の対象とする作物が大麦に設定されている場合、穀物の水分量を測定する測定方法として、第2測定方法が選択される。第2測定方法による水分量の測定では、測定処理部53により、第2測定方法に従って、水分センサ15の動作が制御される。
【0076】
その制御では、水分センサ15のセンサケース31内に穀粒が貯留されるまで、排出部12から穀粒タンク6内への穀粒の排出が開始されてからの第4時間(たとえば、40~50秒間)、電極ローラ41,42を停止させた状態で待機される。
【0077】
第4時間が経過すると、モータ45の正転駆動により、電極ローラ41,42が正転される。電極ローラ41,42が正転すると、穀粒が電極ローラ41,42間に挟まれて圧砕される。電極ローラ41,42が正転している間、電極ローラ41,42間に一定電圧が印加されて、信号出力回路56から、電極ローラ41,42間の電気抵抗値に応じた電圧値の信号が出力される。電極ローラ41,42の正転および電極ローラ41,42間への一定電圧の印加は、第2時間よりも短い第5時間(たとえば、3秒間)継続される。
【0078】
電極ローラ41,42の正転および電極ローラ41,42間への電圧印加が開始されてから第5時間が経過すると、モータ45が一旦停止された後、モータ45が逆転駆動される。モータ45の逆転駆動により、電極ローラ41,42が逆転し、電極ローラ41,42の周面が清掃される。モータ45の逆転駆動が第6時間(たとえば、3秒間)継続されると、モータ45が一旦停止された後、モータ45が正転駆動される。モータ45の正転駆動により、電極ローラ41,42が正転する。このとき、電極ローラ41,42間に電圧が印加されない。モータ45の正転駆動が第7時間(たとえば、2秒間)継続されると、モータ45が停止される。
【0079】
モータ45の停止により、電極ローラ41,42が停止し、センサケース31内に穀粒が貯留されていく。モータ45の停止から第8時間(たとえば、7秒間)が経過すると、その後は、第5時間にわたるモータ45の正転駆動(電極ローラ41,42の正転)および電極ローラ41,42間への電圧の印加、第6時間にわたるモータ45の逆転駆動、第7時間にわたるモータ45の正転駆動および第8時間にわたるモータ45の停止が8回繰り返される(ループされる)。
【0080】
そして、9回目の第8時間にわたるモータ45の停止が行われると、モータ45の正転駆動による電極ローラ41,42の正転および電極ローラ41,42間への電圧印加が第5時間にわたって行われる。その後、モータ45の逆転駆動が第6時間継続されると、モータ45が一旦停止された後、モータ45が正転駆動される。このとき、電極ローラ41,42間に電圧が印加されない。モータ45の正転駆動が第7時間継続されると、モータ45が停止されて、穀物の水分量を測定するための第2測定方法による水分センサ15の動作の制御が終了となる。る。
【0081】
大麦は、米や小麦などと比べて、電極ローラ41,42間に入りにくい。電極ローラ41,42間に入りにくい穀粒が水分量の測定の対象として設定されている場合、電極ローラ41,42が正転している期間中に、穀粒が電極ローラ41,42間に入らないために、水分センサから出力される信号の値が著しく小さい期間が生じ、その期間が長く継続するおそれがある。
【0082】
そこで、水分量の測定の対象として設定された作物が大麦である場合には、第1測定方法による電極ローラ41,42の正転および電極ローラ41,42間への一定電圧の印加が行われる測定期間(第2時間)よりも短い測定期間(第5時間)が設定され、その測定期間に信号出力回路56からセンサ出力値取得部54に入力される信号の値からセンサ出力値が求められる。
【0083】
すなわち、水分センサ15の動作が第2測定方法に従って制御された場合の平均化処理では、センサ出力値取得部54により、合計10回の測定期間に信号出力回路56からセンサ出力値取得部54に入力される信号のピーク値が取得される。そして、その取得された10個のピーク値の平均値が算出されて、その平均値がセンサ出力値とされる。
【0084】
<センサ出力値補正>
センサ出力値補正部55により、センサ出力値取得部54が取得したセンサ出力値を補正するには、基準水分量の入力が必要である。基準水分量は、センサ出力値が取得される際に水分センサ15で圧砕された穀粒と同じ水分量を含むと推定される穀粒の水分量をコンバイン1以外の機器によって測定した値である。水分センサ15で圧砕された穀粒と同じ水分量を含むと推定される穀粒として、たとえば、水分センサ15で圧砕された穀粒と同じ区画の圃場から収穫された穀粒を例に挙げることができる。水分センサ15で圧砕された穀粒と同じ区画の圃場から収穫された穀粒の水分量をユーザが所有している水分計または穀粒を乾燥させる乾燥機などで測定し、その測定された水分量を基準水分量に用いることができる。この実施形態では、基準水分量は、メータパネル58のタッチ操作により入力することができる。
【0085】
図10は、センサ出力値の補正の手法を説明するための図である。
【0086】
センサ出力値取得部54が取得したセンサ出力値(コンバイン測定値)に対する基準水分量が入力されると、センサ出力値補正部55により、ECU51の不揮発性メモリに記憶されている検量線57を用いて、基準水分量に対応するセンサ出力値が求められる。そして、基準水分量に対応するセンサ出力値とセンサ出力値取得部54により取得されたセンサ出力値との偏差が補正値として求められ、その補正値がECU51の揮発性メモリに保持される。
【0087】
以降、センサ出力値取得部54によりセンサ出力値が取得されると、そのセンサ出力値が補正値を用いて補正され、補正後のセンサ出力値に応じた水分量が検量線57から求められる。
【0088】
なお、センサ出力値の補正は、センサ出力値が取得される度に行われてもよいし、センサ出力値が不揮発性メモリに一旦記憶されて、後にセンサ出力値の補正がまとめて行われてもよい。
【0089】
<作用効果>
以上のように、水分量の測定の対象とする作物が米または小麦に設定されている場合、穀物の水分量を測定する測定方法として、第1測定方法が選択され、水分センサ15の動作が第2測定方法に従って制御される。一方、水分量の測定の対象とする作物が大麦に設定されている場合、穀物の水分量を測定する測定方法として、第2測定方法が選択され、水分センサ15の動作が第2測定方法に従って制御される。これにより、水分センサ15の出力信号から穀粒のサイズに応じたセンサ出力値を求めることができ、そのセンサ出力に対応する水分量を求めることができる。よって、穀粒に含まれる水分量を精度よく測定することができる。
【0090】
また、ECU51の不揮発性メモリに記憶されている検量線57を用いて、メータパネル58のタッチ操作により入力される基準水分量に対応するセンサ出力値が求められる。そして、基準水分量に対応するセンサ出力値とセンサ出力値取得部54により取得されたセンサ出力値との偏差が補正値として求められる。検量線57から求められる基準水分量に対応するセンサ出力値とセンサ出力値取得部54により取得されたセンサ出力値との偏差は、水分センサ15の特性により生じる誤差であり、その偏差を補正値としてセンサ出力値が補正されることにより、センサ出力値から誤差をなくすことができる。その結果、補正後のセンサ出力値に対応する水分量を検量線57から求めることにより、穀粒に含まれる水分量をより精度よく測定することができる。
【0091】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0092】
たとえば、
図11に示されるように、ECU51と外部機器とを通信可能に接続する通信部61が設けられて、水分量の測定の対象とする作物の設定の内容は、外部機器であるサーバ62または端末63からECU51に送信されてもよい。また、基準水分量がサーバ62または端末63からECU51に送信されてもよい。穀粒を乾燥させる乾燥機64の動作がサーバ62で管理されている場合には、乾燥機64で測定された穀粒の水分量が乾燥機64からサーバ62に送信されるので、乾燥機64で測定された穀粒の水分量が基準水分量としてサーバ62からECU51に送信されてもよい。
【0093】
また、前述の実施形態では、水分量の測定の対象とする作物が米または小麦に設定されている場合、穀物の水分量を測定する測定方法として、第1測定方法が選択され、水分量の測定の対象とする作物が大麦に設定されている場合、穀物の水分量を測定する測定方法として、第2測定方法が選択されるとした。これに限らず、水分量の測定の対象とする作物が米または小麦などの小サイズの穀粒に設定されている場合、穀物の水分量を測定する測定方法として、第1測定方法が選択され、水分量の測定の対象とする作物が大麦などの大サイズの穀粒に設定されている場合、穀物の水分量を測定する測定方法として、第2測定方法が選択されてもよい。
【0094】
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0095】
5:脱穀装置(作業装置)
7:刈取装置(作業装置)
15:水分センサ
41:電極ローラ
42:電極ローラ
51:ECU(制御装置)
57:検量線
58:メータパネル(操作装置、入力装置)
62:サーバ(入力装置)
63:端末(入力装置)