(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-25
(45)【発行日】2025-05-08
(54)【発明の名称】ディスプレイ及びセンサ隠蔽構造体を有するシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20250428BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20250428BHJP
H04N 13/344 20180101ALI20250428BHJP
H04N 13/305 20180101ALI20250428BHJP
H04N 13/271 20180101ALI20250428BHJP
H04N 13/239 20180101ALI20250428BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G09F9/00 350Z
H04N13/344
H04N13/305
H04N13/271
H04N13/239
(21)【出願番号】P 2023518219
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(86)【国際出願番号】 US2021049441
(87)【国際公開番号】W WO2022093405
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-05-22
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】オルソン, ジェフリー シー
(72)【発明者】
【氏名】モンテヴィルゲン, アンソニー エス
(72)【発明者】
【氏名】シュマク, ディビッド エー
(72)【発明者】
【氏名】シンガムセッティ, ディヴァカー
(72)【発明者】
【氏名】フオ, エドワード エス
(72)【発明者】
【氏名】スルペイクス, ジェイソン エル
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン, ジェレミー シー
(72)【発明者】
【氏名】シャー, リツ
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ティモシー ワイ
(72)【発明者】
【氏名】パリエンテ モナリ, ヤミール
(72)【発明者】
【氏名】シャワーズ, ジェイソン シー
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/156389(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0317258(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0307542(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0230640(US,A1)
【文献】中国実用新案第209964149(CN,U)
【文献】特開2009-250705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドマウント支持構造体と、
前記ヘッドマウント支持構造体によって支持され、第1の画像を第1のアイボックスに提供するように構成されている、第1のディスプレイ及び第1のレンズと、
前記ヘッドマウント支持構造体によって支持され、第2の画像を第2のアイボックスに提供するように構成されている、第2のディスプレイ及び第2のレンズと、
前記ヘッドマウント支持構造体の前側に支持された前面ディスプレイであって、第3の画像が表示されるアクティブ領域を有し、かつ前記アクティブ領域を囲む画像を表示しないリング形状の非アクティブ領域を有し、前記アクティブ領域及び前記非アクティブ領域に重なるディスプレイカバー層を有する、前面ディスプレイと、
前記非アクティブ領域内に光学構成要素と、
前記ディスプレイカバー層の下で前記非アクティブ領域に重なるカバー構造体と、
を備え
、
前記カバー構造体は、エアギャップによって前記ディスプレイカバー層から分離されたポリマー層を備える、ヘッドマウントデバイス。
【請求項2】
前記カバー構造体が、シュラウドトリムを有し、かつシュラウドキャノピーを有するシュラウドを備え、前記シュラウドキャノピーが透明ポリマーを備え、前記シュラウドトリムが暗色ポリマーを備え、前記シュラウドキャノピーが接着剤で前記シュラウドトリムに取り付けられ、前記ヘッドマウントデバイスが、前記光学構成要素に重なる前記シュラウドキャノピーの内面上のコーティングを更に備える、請求項1に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項3】
前記カバー構造体が、前記アクティブ領域を取り囲むリング形状ポリマー構造体を備える、請求項1に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項4】
前記リング形状ポリマー構造体が、前記光学構成要素と位置合わせされた貫通孔開口部を有する、請求項3に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項5】
前記リング形状ポリマー構造体が開口部を有し、前記ヘッドマウントデバイスが前記開口部内に前記光学構成要素と位置合わせされたガラス部材を更に備える、請求項3に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項6】
前記リング形状ポリマー構造体が、前記光学構成要素と位置合わせされた凹部を有する、請求項3に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項7】
前記リング形状ポリマー構造体が、接着剤で取り付けられた第1のポリマー部材及び第2のポリマー部材を含み、前記凹部が、前記第1のポリマー部材内の貫通孔によって形成されている、請求項6に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項8】
前記第2のポリマー部材が、前記第1のポリマー部材内の前記貫通孔に重なる透明ポリマーを備える、請求項7に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項9】
前記貫通孔に重なる前記透明ポリマーの内面上のコーティングを更に備える、請求項8に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項10】
前記第1のポリマー部材が黒色ポリマーを備える、請求項9に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項11】
前記ディスプレイカバー層を前記リング形状ポリマー構造体に取り付けるように構成された第1の接着剤層と、
前記第1の接着剤層よりも低い融点を有する第2の接着剤であって、前記リング形状ポリマー構造体を前記ヘッドマウント支持構造体に取り付けるように構成されている、第2の接着剤と、
を更に備える、請求項3に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項12】
前記ポリマー層が、前記非アクティブ領域に重なる複合曲率を有する表面を有し、かつ前記アクティブ領域に重なる可展面を有する、請求項1に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項13】
ヘッドマウント支持構造体と、
前記ヘッドマウント支持構造体の後側にあるアイボックスに視覚コンテンツを提供するように構成された、前記ヘッドマウント支持構造体によって支持される後面ディスプレイと、
前記ヘッドマウント支持構造体の前側に支持された公衆視認可能前面ディスプレイであって、画像を表示するように構成された画素を含むアクティブ領域を有し、かつ前記アクティブ領域を取り囲む画素のないリング形状の非アクティブ領域を有する、公衆視認可能前面ディスプレイと、
前記前面ディスプレイのためのディスプレイカバー層であって、前記アクティブ領域に重なり、かつ前記リング形状の非アクティブ領域に重なる、ディスプレイカバー層と、
前記非アクティブ領域において前記ディスプレイカバー層が重ねられ、かつ前記アクティブ領域を囲む、リング形状シュラウド部材と、
前記リング形状シュラウド部材に結合されたシュラウドキャノピーであって、前記アクティブ領域に重なる、シュラウドキャノピーと、
前記リング形状シュラウド部材が重ねられた光学構成要素と、
を備える、ヘッドマウントデバイス。
【請求項14】
前記光学構成要素がフリッカセンサ及び周囲光センサを備える、請求項13に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項15】
前記フリッカセンサ及び周囲光センサが、前記リング形状シュラウド部材の開口部と位置合わせされ、かつ前記シュラウドキャノピーによって覆われている、請求項14に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項16】
前記リング形状シュラウド部材及び前記シュラウドキャノピーが、前記光学構成要素と位置合わせされた貫通孔開口部を有し、前記光学構成要素がカメラを含む、
請求項15に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項17】
前記光学構成要素が周囲光センサを含み、前記リング形状シュラウド部材が、それを通して前記周囲光センサが周囲光を測定するコーティングを有する凹部を有する、請求項13に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項18】
前記リング形状シュラウド部材の一部の下にブラケットを更に備え、前記ディスプレイカバー層が鼻梁凹部を有し、前記光学構成要素のうちの第1の光学構成要素が前記鼻梁凹部の一方の側で前記ブラケットに取り付けられ、前記光学構成要素のうちの第2の光学構成要素が前記鼻梁凹部の反対側で前記ブラケットに取り付けられている、請求項13に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項19】
前記リング形状シュラウド部材が、ある波長で透明な部分を含み、前記光学構成要素が、前記リング形状シュラウド部材の前記部分を通過した前記波長の光を受ける光学構成要素を備える、請求項13に記載のヘッドマウントデバイス。
【請求項20】
前記リング形状シュラウド部材が、複合曲率を有する表面を有する、請求項13に記載のヘッドマウントデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は概して電子デバイスに関し、より具体的には、ヘッドマウントデバイスなどの電子デバイスに関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その全体が本明細書中に引用をもって援用された、2020年9月21日付け出願の米国仮特許出願第63/081,225号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
ヘッドマウントデバイスなどの電子デバイスは、入出力構成要素を有し得る。入出力構成要素は、ディスプレイ及びセンサなどの構成要素を含むことができる。
【発明の概要】
【0004】
ヘッドマウントデバイスは、ヘッドマウント支持構造体を有し得る。後面ディスプレイは、ヘッドマウント支持構造体の後部にあるアイボックスに画像を提示することができる。前面の公衆視認可能ディスプレイは、後面ディスプレイから離れて面するヘッドマウント支持構造体の前側に支持され得る。
【0005】
前面ディスプレイは、画像が表示されるアクティブ領域を形成する画素を有することができ、画素を囲むリング形状の非アクティブ領域を有することができる。ディスプレイカバー層は、アクティブ領域及び非アクティブ領域に重なることができる。
【0006】
光学構成要素は、非アクティブ領域内のカバー層を通して動作することができる。光学構成要素は、フリッカセンサ、周囲光センサ、カメラ、構造化光三次元センサ及び飛行時間三次元画像センサなどの三次元画像センサ、並びに薄暗い周囲照明条件において追跡カメラのための赤外線照明を提供するように構成された赤外線照明システムを含むことができる。
【0007】
リング形状シュラウドなどの化粧カバー構造体は、非アクティブ領域内の光学構成要素に重なることができる。リング形状シュラウドは、非アクティブ領域内のディスプレイカバー層に隣接して取り付けることができる。
【0008】
光学構成要素は、シュラウドの貫通孔開口部内に受容されてもよく、及び/又はシュラウドの透明部分を通して動作してもよい。透明部分は、シュラウド内のポリマー材料から、シュラウドの窓開口部に挿入されるガラス部材などの窓部材から、及び/又は他の透明構造体から形成することができる。光学構成要素に重なるシュラウドの部分にコーティングを形成して、重なった構成要素を視界から隠すのを助ける一方で、構成要素が十分に動作できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る、ヘッドマウントデバイスなどの例示的な電子デバイスの側面図である。
【
図2】一実施形態に係る、電子デバイスを備える例示的なシステムの模式図である。
【
図3】一実施形態に係る、例示的なヘッドマウントデバイスの正面図である。
【
図4】一実施形態に係る、例示的なシュラウドの正面図である。
【
図5】一実施形態に係る、湾曲した外囲を有する例示的なシュラウドの一部の正面図である。
【
図6】一実施形態に係る、例示的な前面ディスプレイの一部の正面図である。
【
図7】一実施形態に係る、例示的なディスプレイの一部の上断面図である。
【
図8】一実施形態に係る、ディスプレイ及びシュラウドを備える例示的なヘッドマウントデバイスの一部の上断面図である。
【
図9】一実施形態に係る、光学構成要素を収容するための貫通孔開口部を備える例示的なシュラウドの一部の側断面図である。
【
図10】一実施形態に係る、貫通孔開口部内の窓部材を備える例示的なシュラウドの一部の側断面図である。
【
図11】一実施形態に係る、ディスプレイを覆うシュラウドを備える例示的なヘッドマウントデバイスの一部の側断面図である。
【
図12】一実施形態に係る、光学構成要素窓コーティングを伴う、例示的なヘッドマウントデバイス光学構成要素取り付け構成の側断面図である。
【
図13】一実施形態に係る、シュラウド貫通孔開口部を使用する例示的なヘッドマウントデバイス光学構成要素取り付け構成の側断面図である。
【
図14】一実施形態に係る、コーティングを伴うガラス又は透明ポリマーの層などの透明窓部材から形成される窓を備える、例示的なヘッドマウントデバイス光学構成要素取り付け構成の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ヘッドマウントデバイスは、デバイスがユーザの頭部に装着されることを可能にするヘッドマウント支持構造体を含むことができる。ヘッドマウントデバイスは、ユーザに視覚コンテンツを提示するための、ヘッドマウント支持構造体によって支持されるディスプレイを有することができる。ディスプレイは、ヘッドマウント支持構造体の後部のアイボックスに画像を提示する後面ディスプレイを含むことができる。ディスプレイはまた、前面ディスプレイを含むことができる。前面ディスプレイは、ヘッドマウント支持構造体の正面に搭載することができ、ヘッドマウントデバイスがユーザの頭部に装着されていないとき、ユーザによって視認され得る。公衆視認可能ディスプレイと称することもある前面ディスプレイはまた、ヘッドマウントデバイスの近傍にいる他の人々によって視認可能であり得る。
【0011】
画像センサ及び他の光センサなどの光学構成要素が、ヘッドマウントデバイス内に設けられ得る。例示的な構成では、光学構成要素は、前面ディスプレイを保護するディスプレイカバー層の周辺部分の下に取り付けられる。
【0012】
図1は、例示的なヘッドマウント電子デバイスの側面図である。
図1に示すように、ヘッドマウントデバイス10は、ヘッドマウント支持構造体26を含むことができる。支持構造体26は、内部領域42などのデバイス10の内部領域を、外部領域44などのデバイス10を取り囲む外部領域から分離する壁又は他の構造体を有することができる。電気構成要素40(例えば、集積回路、センサ、制御回路、発光ダイオード、レーザ、並びに他の発光デバイス、他の制御回路及び入出力デバイスなど)は、デバイス10内の(例えば、内部領域42内の)プリント回路及び/又は他の構造体上に取り付けられ得る。
【0013】
アイボックス34などのアイボックスから見るための画像をユーザに提示するために、デバイス10は、ディスプレイ14Rなどの後面ディスプレイと、レンズ38などのレンズとを含むことができる。これらの構成要素を、光学モジュール36(例えば、レンズバレル)などの光学モジュール内に取り付けて、個別の左及び右光学システムを形成することができる。例えば、左アイボックス内のユーザの左眼に左レンズを通して画像を提示するための左後面ディスプレイと、右アイボックス内のユーザの右眼に画像を提示するための右後面ディスプレイとがあり得る。ユーザの眼は、構造体26がユーザの顔の外面(顔面30)に対して置かれているとき、デバイス10の後側Rのアイボックス34内に位置する。
【0014】
支持構造体26は、主ハウジング部分26M(主部分又はハウジングと呼ばれることもある)などの主支持構造体を含むことができる。主ハウジング部分26Mは、デバイス10の前側Fからデバイス10の反対側の後側Rまで延在することができる。後側Rにおいて、主ハウジング部分26Mは、部分26Mが顔面30に対して置かれるときにユーザの快適さを高めるためにクッション構造体を有することができる。必要に応じて、支持構造体26は、ストラップ26Bなどの任意選択のヘッドストラップ、及び/又はデバイス10がユーザの頭部に装着されることを可能にする他の構造体を含むことができる。
【0015】
デバイス10は、主ハウジング部分26Mの前側F上に取り付けられるディスプレイ14Fなどの公衆視認可能前向きディスプレイを有することができる。ディスプレイ14Fは、ユーザがデバイス10を装着していないときにユーザに視認可能であり得、及び/又はデバイス10の近傍にいる他者によって視認可能であり得る。ディスプレイ14Fは、一例として、方向52においてデバイス10を見ている観察者50などの外部観察者によって、デバイス10の前側Fにおいて見ることができる。
【0016】
ヘッドマウントデバイスを含むことができる例示的なシステムの模式図を
図2に示す。
図2に示すように、システム8は、1つ以上の電子デバイス10を含むことができる。デバイス10は、ヘッドマウントデバイス(例えば、
図1のデバイス10)、コントローラ及びヘッドフォンなどのアクセサリ、コンピューティング機器(例えば、セルラー電話機、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、及び/又はヘッドマウントデバイスにコンテンツを供給するリモートコンピューティング機器)、及び/又は互いに通信する他のデバイスを含み得る。
【0017】
各電子デバイス10は、制御回路12を有することができる。制御回路12は、デバイス10の動作を制御するストレージ及び処理回路を含むことができる。制御回路12は、例えば、ハードディスクドライブストレージ、不揮発性メモリ(例えば、ソリッドステートドライブを形成するように構成された電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的ランダムアクセスメモリ)などのストレージを含むことができる。制御回路12の処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、オーディオチップ、グラフィック処理ユニット、特定用途向け集積回路及び他の集積回路に基づくことができる。ソフトウェアコードは、回路12内のストレージ上に記憶され、回路12内の処理回路上で実行されて、デバイス10の制御動作(例えば、データ収集動作、制御信号を用いたデバイス10の構成要素の調節を含む動作など)を実施することができる。制御回路12は、有線通信回路及び無線通信回路を含むことができる。例えば、制御回路12は、セルラー電話送受信機回路、無線ローカルエリアネットワーク送受信機回路(WiFi(登録商標)回路)、ミリ波送受信機回路、及び/又はその他の無線通信回路などの無線送受信機回路を含むことができる。
【0018】
動作中、システム8内のデバイスの通信回路(例えば、デバイス10の制御回路12の通信回路)を使用して、電子デバイス間の通信をサポートすることができる。例えば、1つの電子デバイスは、システム8内の別の電子デバイスにビデオデータ、オーディオデータ、制御信号及び/又はその他のデータを送信することができる。システム8内の電子デバイスは、有線及び/又は無線通信回路を使用して、1つ以上の通信ネットワーク(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワークなど)を介して通信することができる。通信回路を使用して、外部機器(例えば、テザーコンピュータ、ハンドヘルドデバイス若しくはラップトップコンピュータなどのポータブルデバイス、リモートサーバ若しくは他のリモートコンピューティング機器などのオンラインコンピューティング機器、又は他の電気機器)からデータをデバイス10によって受信する、かつ/又は外部機器にデータを提供することを可能にすることができる。
【0019】
システム8の各デバイス10は、入出力デバイス22を含むことができる。入出力デバイス22を使用して、ユーザがデバイス10にユーザ入力を提供することを可能にすることができる。入出力デバイス22はまた、デバイス10が動作している環境に関する情報を収集するために使用されてもよい。デバイス22内の出力構成要素は、デバイス10がユーザに出力を提供することを可能にすることができ、外部電気機器との通信に使用することができる。
【0020】
図2に示すように、入出力デバイス22は、ディスプレイ14などの1つ以上のディスプレイを含むことができる。ディスプレイ14は、
図1のディスプレイ14Rなどの後面ディスプレイを含むことができる。デバイス10は、例えば、左及び右の走査ミラーディスプレイデバイス又は他の画像プロジェクタ、液晶オンシリコンディスプレイデバイス、デジタルミラーデバイス、又は他の反射ディスプレイデバイス、発光ダイオード画素アレイに基づく左右のディスプレイパネル(例えば、シリコン基板などのポリマー若しくは半導体基板を有する薄膜有機発光ディスプレイ、又は結晶性半導体発光ダイオードダイから形成された画素アレイに基づくディスプレイデバイス)、液晶ディスプレイパネル、及び/又はユーザの左眼及び右眼でそれぞれ見るために左及び右のアイボックスに画像を提供する他の左及び右のディスプレイデバイスなどの、左及び右の構成要素を含むことができる。これらのようなディスプレイ構成要素(例えば、フレキシブルポリマー基板を有する薄膜有機発光ディスプレイ、又はフレキシブル基板上の結晶性半導体発光ダイオードダイから形成された画素アレイに基づくディスプレイ)はまた、
図1の前面ディスプレイ14Fなどのデバイス10のための前面ディスプレイ(前向きディスプレイ、フロントディスプレイ、又は公衆視認可能ディスプレイと呼ばれることもある)を形成する際に使用され得る。
【0021】
動作中、ディスプレイ14(例えば、ディスプレイ14R及び/又は14F)は、デバイス10のユーザのために視覚コンテンツ(例えば、カメラセンサからの写真及びパススルービデオを含む静止画及び/又は動画、テキスト、グラフィックス、映画、ゲーム、及び/又は他の視覚コンテンツ)を表示するために使用され得る。ディスプレイ14上に提示されるコンテンツは、例えば、仮想オブジェクトと、制御回路12によってディスプレイ14に提供される他のコンテンツとを含み得る。この仮想コンテンツは、コンピュータ生成コンテンツと呼ばれることもある。コンピュータ生成コンテンツは、現実世界のコンテンツがない場合に表示され得る、又は現実世界のコンテンツと組み合わされ得る。いくつかの構成では、現実世界画像は、カメラ(例えば、前面カメラと呼ばれることもある、前向きカメラ)によってキャプチャされてもよく、コンピュータ生成コンテンツは、現実世界画像の部分上に電子的にオーバーレイされ得る(例えば、デバイス10が仮想現実ゴーグルであるとき)。
【0022】
入出力回路22は、センサ16を含んでもよい。センサ16としては、例えば、三次元センサ(例えば、光ビームを放射し、かつ二次元デジタル画像センサを使用して、標的が光ビームによって照射されると生成されるドット若しくは他の光スポットから三次元画像のための画像データを収集する、構造化光センサなどの三次元画像センサ、双眼撮像構成で2つ以上のカメラを使用して三次元画像を収集する双眼三次元画像センサ、飛行時間カメラ若しくは三次元飛行時間カメラと呼ばれることもある三次元ライダー(光検出及び測距(light detection and ranging))センサ、三次元高周波センサ、又は三次元画像データを収集する他のセンサ)、カメラ(例えば、二次元赤外線及び/又は可視デジタル画像センサ)、視線追跡センサ(例えば、画像センサに基づく視線追跡システム、及び必要に応じて、ユーザの眼から反射した後に画像センサを使用して追跡される1つ以上の光ビームを放射する光源)、タッチセンサ、容量性近接センサ、光ベースの(光学)近接センサ、他の近接センサ、力センサ(例えば、歪みゲージ、容量性力センサ、抵抗力センサなど)、スイッチに基づく接触センサなどのセンサ、ガスセンサ、圧力センサ、湿度センサ、磁気センサ、オーディオセンサ(マイクロフォン)、周囲光センサ、人工照明に関連する時間変化周囲光度の存在などの周囲照明条件に関する時間的情報を収集するフリッカセンサ、音声コマンド及び他の音声入力を収集するためのマイクロフォン、動き、位置、及び/若しくは向きに関する情報を収集するように構成されたセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、及び/又はこれらのセンサの全て若しくはこれらのセンサのうちの1つ若しくは2つのサブセットを含む慣性測定ユニット)、並びに/又は他のセンサを挙げることができる。
【0023】
ユーザ入力及び他の情報は、入出力デバイス22内のセンサ及び他の入力デバイスを使用して収集されてもよい。必要に応じて、入出力デバイス22は、触覚出力デバイス(例えば、振動構成要素)、発光ダイオード、レーザ、及び他の光源(例えば、周囲光レベルが低いときにデバイス10を取り囲む環境を照らす光を発する発光デバイス)、音声出力を生成するためのイヤースピーカなどのスピーカ、無線電力を受信するための回路、他のデバイスに電力を無線で送信するための回路、バッテリ及び他のエネルギー蓄積デバイス(例えば、キャパシタ)、ジョイスティック、ボタン、及び/又は他の構成要素などの他のデバイス24を含むことができる。
【0024】
図1に関連して説明したように、電子デバイス10は、ヘッドマウント支持構造体26などのヘッドマウント支持構造体(例えば、ハウジング壁、ストラップなどのヘッドマウントハウジング構造体)を有することができる。ヘッドマウント支持構造体は、デバイス10の動作中にユーザの頭部に(例えば、ユーザの眼を覆うユーザの顔に対して)装着されるように構成されてもよく、ディスプレイ14、センサ16、他の構成要素24、他の入出力デバイス22、及び制御回路12を支持することができる(例えば、
図1の構成要素40及び光学モジュール36を参照)。
【0025】
図3は、デバイス10が前面ディスプレイ14Fなどの公衆視認可能ディスプレイを有する例示的な構成におけるデバイス10の正面図である。
図3に示すように、デバイス10の支持構造体26Mは、部分26NBなどの間に介在する鼻梁部分によって結合される部分26R及び26Lなどの右部分及び左部分を有することができる。部分26NBは、ユーザの頭部上で主ハウジング部分26Mを支持するのを助けるように、ユーザの鼻を受容し、その上に静置するように構成された鼻梁表面90などの湾曲外部表面を有することができる。
【0026】
ディスプレイ14Fは、画像を表示するように構成されたアクティブ領域AAなどのアクティブ領域と、画像を表示しない非アクティブ領域IAとを有し得る。アクティブ領域AAの輪郭は、矩形、丸みを帯びた角部を有する矩形であってもよく、デバイス10の左側及び右側に涙滴形状部分を有してもよく、直線縁部を有する形状、曲線縁部を有する形状、直線部分及び曲線部分の両方を有する周縁部を有する形状、及び/又は他の好適な輪郭を有してもよい。
図3に示すように、アクティブ領域AAは、主ハウジング部分26の鼻梁部26NBに湾曲した凹部を有していてもよい。アクティブ領域AAに鼻形状の凹部が存在することは、アクティブ領域AAのサイズを過度に制限することなく、ハウジング部分26Mの利用可能な空間内にアクティブ領域AAを適合させるのを助けることができる。
【0027】
アクティブ領域AAは、画素のアレイを含む。画素は、例えば、フレキシブルディスプレイパネル基板上の薄膜有機発光ダイオード又は結晶性半導体発光ダイオードダイ(マイクロ発光ダイオードと呼ばれることもある)から形成された発光ダイオード画素であってもよい。ディスプレイ14Fが他のディスプレイ技術を使用する構成も、必要に応じて使用され得る。ディスプレイ14が、フレキシブル基板(例えば、ポリイミドの屈曲可能な層又は他のフレキシブルポリマーのシートから形成される基板)上に形成される有機発光ダイオードディスプレイなどの発光ダイオードディスプレイから形成される、例証的構成が、本明細書では、実施例として説明されることもある。アクティブ領域AAの画素は、
図3のディスプレイパネル14P(例えば、フレキシブル有機発光ダイオードディスプレイパネル)などのディスプレイデバイス上に形成され得る。いくつかの構成では、アクティブ領域AA(及び、必要に応じて、パネル14P)の輪郭は、直線セグメント又は直線セグメントと曲線セグメントとの組み合わせを含む周縁部を有することができる。アクティブ領域AA(及び任意選択でパネル14P)の輪郭全体が湾曲した周縁部によって特徴付けられる構成を使用することもできる。
【0028】
ディスプレイ14Fは、画素がなく、画像を表示しない非アクティブ領域IAなどの非アクティブ領域を有し得る。非アクティブ領域IAは、アクティブ領域AAの周縁部のうちの1つ以上の部分に沿って延びる非アクティブ境界領域を形成し得る。
図3の例示的な構成では、非アクティブ領域IAは、アクティブ領域AAを囲んで非アクティブ境界を形成するリング形状を有する。このタイプの構成では、非アクティブ領域IAの幅は比較的一定であってもよく、領域IAの内縁及び外縁は、直線及び/又は曲線セグメントによって特徴付けられてもよく、又はそれらの全長に沿って曲線であってもよい。例えば、領域IAの外縁(例えば、ディスプレイ14Fの外囲)は、アクティブ領域AAの湾曲した縁部に平行に延びる湾曲した輪郭を有することができる。
【0029】
いくつかの構成では、デバイス10は、システム8内の他のデバイス(例えば、無線コントローラ及び他のアクセサリ)と共に動作することができる。これらのアクセサリは、磁界の方向及び強度を感知する磁気センサを有することができる。デバイス10は、磁界を放射するように構成された1つ以上の電磁石を有することができる。磁界は、デバイス10の近くの無線アクセサリによって測定することができ、その結果、アクセサリは、デバイス10に対するそれらの向き及び位置を判定することができる。これにより、アクセサリは、自身の現在位置、向き、及び動きに関するリアルタイム情報をデバイス10に無線で提供することができるので、アクセサリは無線コントローラとして機能することができる。アクセサリは、ウェアラブルデバイス、扱われるデバイス、及び他の入力デバイスを含むことができる。
【0030】
例示的な構成では、デバイス10は、ディスプレイ14Fの周囲(例えば、非アクティブ領域IA又はディスプレイ14Fの他の部分の下)を延びる例示的なコイル54などのコイルを有することができる。コイル54は、任意の好適な数の巻き線(例えば、1~10、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、10~50、100未満、25未満、6未満など)を有することができる。これらの巻き線は、基板上の金属トレースから形成されてもよく、ワイヤから形成されてもよく、及び/又は他の導電線から形成されてもよい。動作中、制御回路12は、コイル54に交流(AC)駆動信号を供給することができる。駆動信号は、(例として)少なくとも1kHz、少なくとも10kHz、少なくとも100kHz、少なくとも1MHz、10MHz未満、3MHz未満、300kHz未満、又は30kHz未満の周波数を有することができる。AC電流がコイル54を通って流れると、対応する磁界がデバイス10の近傍に生成される。デバイス10の近傍にある磁気センサを有する無線コントローラなどの電子デバイスは、磁界を基準として使用することができるので、無線コントローラがデバイス10に対して動かされている間にその向き、位置、及び/又は動きを決定してデバイス10に入力を提供することができる。
【0031】
一例として、デバイス10の動作を制御する際に使用されるハンドヘルド無線コントローラを考えよう。動作中、デバイス10は、コイル54を使用して磁界を放射する。ハンドヘルド無線コントローラが動かされるにつれて、コントローラの磁気センサは、コントローラがユーザによって空気中を動かされるときにコイル54によって放射される磁界の強度、向き、並びに強度及び/又は向きの変化を監視することによって、コントローラの位置及びデバイス10に対するコントローラの動きを監視することができる。次いで、電子デバイスは、コントローラの位置及び向きに関する情報をデバイス10に無線で送信することができる。このようにして、ハンドヘルドコントローラ、ウェアラブルコントローラ、又は他の外部アクセサリは、デバイス10にエアジェスチャ、ポインティング入力、ステアリング入力、及び/又は他のユーザ入力を提供するために、ユーザによって操作され得る。
【0032】
デバイス10は、光学構成要素(例えば、
図2のセンサ16のうちの光学センサ)などの構成要素を有することができる。これらの構成要素は、ヘッドマウント支持構造体26上の任意の好適な場所(例えば、頭部ストラップ26B上、主ハウジング部分26M上など)に取り付けられ得る。光学構成要素及び他の構成要素は、後方に向いてもよく(例えば、デバイス10の後面に取り付けられるとき)、側方に(例えば、左又は右に)向いてもよく、下方又は上方に向いてもよく、デバイス10の前方に向いてもよく(例えば、デバイス10の前面に取り付けられるとき)、これらの方向の任意の組み合わせを指すように取り付けられてもよく(例えば、前方に、右に、及び下方に)、及び/又は他の好適な向きで取り付けられてもよい。例示的な構成では、デバイス10の構成要素のうちの少なくともいくつかは、前方に(及び任意選択で側方及び/又は上下に)外向きに面するように取り付けられる。例えば、パススルービデオ用の前向きカメラは、カメラが水平次元に沿ってわずかに分岐し、これらのカメラの視野が、デバイス10の前方の環境の広角画像をキャプチャしながら、ある程度重なるような構成で、デバイス10の正面の左側及び右側に取り付けられ得る。キャプチャされた画像は、必要に応じて、デバイス10の真正面の領域の下、上、及び側部にあるユーザの周囲の部分を含むことができる。
【0033】
光学構成要素などの構成要素をデバイス10の外部から見えないように隠すのを助けるために、構成要素の一部又は全部を化粧カバー構造体で覆うことが望ましい場合がある。カバー構造体は、重なり合った光学構成要素が満足に動作することを可能にするのに十分な光透過性によって特徴付けられる透明部分(例えば、光学構成要素窓)を含むことができる。例えば、周囲光センサは、周囲光センサを視界から隠すのを助けるために外部観察者には不透明に見えるが、周囲光センサが満足のいく周囲光測定を行うために十分な周囲光が周囲光センサに通過することを可能にする層で覆われ得る。別の例として、赤外光を放射する光学構成要素が、赤外光に対して透明である視覚的に不透明な材料と重ね合わせられ得る。
【0034】
例示的な構成では、デバイス10のための光学構成要素は、
図3の非アクティブ領域IA内に取り付けられてもよく、化粧カバー構造体は、非アクティブ領域IA内の光学構成要素に重なってリング形状に形成されてもよい。化粧カバー構造体は、インク、ポリマー構造体、金属を含む構造体、ガラス、他の材料、及び/又はこれらの材料の組み合わせから形成され得る。例示的な構成では、化粧カバー構造体は、非アクティブ領域IAのフットプリントに一致するフットプリントを有するリング形状部材から形成され得る。例えば、アクティブ領域AAが涙滴形状を有する左右の部分を有する場合、リング形状部材は、アクティブ領域AAの涙滴形状部分の湾曲した外囲に従う湾曲した縁部を有することができる。リング形状部材は、1つ以上のポリマー構造体から形成され得る(例えば、リング形状部材は、ポリマーリングから形成され得る)。リング形状部材は、重なった構成要素を視界から隠すのを助けることができるので、リング形状部材は、シュラウド又はリング形状シュラウド部材と呼ばれることもある。シュラウド又は他の化粧カバー構造体の外観は、無彩色(白、黒、又は灰色)又は非無彩色(例えば、青、赤、緑、金色、ローズゴールドなど)によって特徴付けられ得る。
【0035】
ディスプレイ14Fは、必要に応じて、保護ディスプレイカバー層を有することができる。カバー層は、アクティブ領域AA及び非アクティブ領域IAに重なってもよい(例えば、
図1の方向52から見たデバイス10の前面全体がカバー層によって覆われ得る)。ハウジング壁又は透明ハウジング壁と呼ばれることもあるカバー層は、長方形の輪郭、涙滴部分を有する輪郭、楕円形の輪郭、又は湾曲した及び/又は直線の縁部を有する他の形状を有することができる。
【0036】
カバー層は、ガラス、ポリマー、サファイアなどの透明結晶材料、透明セラミック、他の透明材料、及び/又はこれらの材料の組合せなどの透明材料から形成することができる。一例として、ディスプレイ14Fのための保護ディスプレイカバー層は、安全ガラス(例えば、積層ポリマーフィルムを有する透明ガラス層を含む積層ガラス)から形成され得る。任意選択のコーティング層がディスプレイカバー層の表面に塗布され得る。必要に応じて、ディスプレイカバー層は、化学的に強化され得る(例えば、イオン交換プロセスを使用して、スクラッチに耐える圧縮応力下で材料の外側層を作成する)。いくつかの構成では、ディスプレイカバー層は、カバー層の性能を向上させるために、2つ以上の材料層(例えば、第1及び第2の構造ガラス層、ガラス層又は別の剛性ポリマー層に結合された剛性ポリマー層など)のスタックから形成され得る。
【0037】
アクティブ領域AAにおいて、ディスプレイカバー層は、ディスプレイパネル14Pの画素に重なってもよい。アクティブ領域AA内のディスプレイカバー層は、ディスプレイパネル14P上に提示された画像を見ることができるように透明であることが好ましい。非アクティブ領域IAにおいて、ディスプレイカバー層は、リング形状シュラウド又は他の化粧カバー構造体に重なってもよい。シュラウド及び/又は他のカバー構造体(例えば、ディスプレイカバー層及び/又は構造体の内面上の不透明インキコーティング)は、非アクティブ領域IA内の光学構成要素の一部又は全部を視界から隠すのを助けるように十分に不透明であり得る。窓が、これらの構造体が重ねられている光学構成要素が満足に動作することを確実にするのを助けるように、シュラウド又は他の化粧カバー構造体に設けられ得る。窓は、穴から形成されてもよく、光透過を高めるために局所的に薄くされたシュラウド又は他の化粧カバー構造体の領域から形成されてもよく、シュラウドの嵌合開口部に挿入された所望の光透過特性を有する窓部材から形成されてもよく、及び/又は他のシュラウド窓構造体から形成されてもよい。
【0038】
図3の例では、デバイス10は、(一例として)光学構成要素60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、及び80などの光学構成要素を含む。これらの光学構成要素(例えば、
図2のセンサ16の中から選択される光学センサ、発光デバイスなど)の各々は、光を検出し、必要に応じて、光(例えば、紫外線、可視光、及び/又は赤外光)を放射するように構成され得る。
【0039】
例示的な構成では、光学構成要素60は、周囲光(例えば、可視周囲光)を感知することができる。特に、光学構成要素60は、周囲光強度の変化を時間の関数として感知する光検出器を有することができる。一例として、ユーザが人工光源を有する環境で動作している場合、光源は、その壁電源(例えば、60Hzの交流主電源)に関連付けられた周波数で光を放射することができる。構成要素60の光検出器は、人工光源からの人工光が60Hzの強度変動によって特徴付けられることを感知することができる。制御回路12は、この情報を使用して、デバイス10内の画像センサの動作に関連付けられたクロック又は他のタイミング信号を調整し、光源周波数とフレームレート又は画像キャプチャ動作に関連付けられた他の周波数との間の望ましくない干渉を回避するのを助けることができる。制御回路12はまた、構成要素60からの測定値を使用して、人工照明の存在及び存在する人工照明のタイプを識別するのを助けることができる。このようにして、制御回路12は、蛍光灯又は既知の非理想的な色特性を有する他の光などの光の存在を検出することができ、カメラ及びディスプレイなどの色に敏感な構成要素に対して補正色かぶり調整(例えば、白色点調整)を行うことができる。光学構成要素60が光強度の変動を測定することができるので、構成要素60はフリッカセンサ又は周囲光周波数センサと呼ばれることもある。
【0040】
光学構成要素62は、周囲光センサであってもよい。周囲光センサは、1つ以上の光検出器を含むことができる。単一光検出器構成では、周囲光センサは、周囲光強度を測定するモノクロセンサであってもよい。マルチ光検出器構成では、各光検出器は、異なる波長帯域(例えば、異なる可視及び/又は赤外線通過帯域)を通過させる光学フィルタが重ねられ得る。光フィルタ通過帯域は、それらのエッジで重なり合ってもよい。これにより、構成要素62は、(例えば、周囲光の色座標を測定することによって)周囲光強度及び周囲光色の両方を測定する色周囲光センサとして機能することができる。デバイス10の動作中、制御回路12は、測定された周囲光強度及び色に基づいて動作を行うことができる。一例として、測定された周囲光の色に基づいて、ディスプレイ又は画像センサの白色点が調整されてもよく、あるいは他のディスプレイ又は画像センサの色調整が行われてもよい。ディスプレイの強度は、光強度に基づいて調整されてもよい。例えば、ディスプレイ14Fの輝度は、ディスプレイ上の画像の視認性を高めるために明るい周囲照明条件において増加されてもよく、ディスプレイ14Fの輝度は、電力を節約するために薄暗い照明条件において低減されてもよい。画像センサ動作及び/又は光源動作はまた、周囲光読取値に基づいて調整され得る。
【0041】
アクティブ領域IA内の光学構成要素はまた、構成要素80及び64などのデバイス10の側面に沿った構成要素を含むことができる。光学構成要素80及び64は、デバイス10の向き及び動きを監視するのを助けるために使用されるポーズ追跡カメラであり得る。構成要素80及び64は、可視光カメラ(及び/又は可視波長及び赤外線波長を感知するカメラ)であってもよく、慣性測定ユニットと共に、視覚慣性オドメトリ(VIO)システムを形成することができる。
【0042】
光学構成要素78及び66は、デバイス10を取り囲む環境のリアルタイム画像をキャプチャする可視光カメラであり得る。シーンカメラ又はパススルービデオカメラと呼ばれることもあるこれらのカメラは、ユーザの眼がデバイス10の後部のアイボックス34内に位置するときにユーザが見るためにディスプレイ14Rにリアルタイムで表示される動画をキャプチャすることができる。このように、パススルー画像(パススルービデオ)をユーザに表示することによって、ユーザの周囲のリアルタイムな情報をユーザに提供することができる。必要に応じて、仮想コンテンツ(例えば、コンピュータ生成画像)が、パススルービデオの一部の上にオーバーレイされ得る。デバイス10はまた、構成要素78及び66がオフにされ、ユーザに映画コンテンツ、ゲームコンテンツ、及び/又はリアルタイム現実世界画像を含まない他の仮想コンテンツのみが提供される、非パススルービデオモードで動作することができる。
【0043】
デバイス10の入出力デバイス22は、デバイス10の動作を制御する際に使用されるユーザ入力を収集することができる。一例として、デバイス10内のマイクロフォンは、音声コマンドを収集することができる。ボタン、タッチセンサ、力センサ、及び他の入力デバイスは、ユーザの指又はデバイス10に接触している他の外部物体からユーザ入力を収集することができる。いくつかの構成では、ユーザの手のジェスチャ又は他のユーザ身体部分の動きを監視することが望ましい場合がある。これにより、ユーザの手の位置又は他の身体部位の位置をゲーム又は他の仮想環境において複製することができ、ユーザの手の動きを、デバイス10の動作を制御するハンドジェスチャ(エアジェスチャ)として機能させることができる。ハンドジェスチャ入力などのユーザ入力は、追跡カメラ(例えば、光学構成要素76及び68)などの可視及び赤外線波長で動作するカメラを使用してキャプチャされ得る。これらのような追跡カメラはまた、デバイス10の動作を制御する際のこれらのコントローラの使用中に、コントローラ及び他の外部アクセサリ(システム8の追加のデバイス10)上の基準点及び他の認識可能な特徴を追跡し得る。必要に応じて、追跡カメラは、コイル54によって生成される磁界を測定することによってその場所及び向きを感知する、ハンドヘルドコントローラ又はウェアラブルコントローラの位置及び向きを決定することを助けることができる。したがって、追跡カメラの使用は、ユーザに対して表示されているポインタ及び他の仮想オブジェクトを移動させる際に使用される手の動き及びコントローラの動きを追跡するのを助けることができ、さもなければ、デバイス10の動作を制御するのを支援することができる。
【0044】
追跡カメラは、十分な周囲光(例えば、明るい可視周囲照明条件)の存在下で満足に動作し得る。薄暗い環境では、補助照明が、補助赤外光源(例えば、光学構成要素82及び84)などの補助光源によって提供され得る。赤外光源は、それぞれ、1つ以上の発光デバイス(発光ダイオード又はレーザ)を含んでもよく、それぞれ、追跡カメラのための補助照明として機能する赤外光の固定及び/又は操縦可能ビームを提供するように構成され得る。必要に応じて、赤外光源は、(例えば、光学構成要素62の周囲光感知能力を使用して)明るい周囲照明条件においてオフにされてもよく、薄暗い周囲照明の検出に応答してオンにされてもよい。
【0045】
デバイス10内の三次元センサは、バイオメトリック識別動作(例えば、認証のための顔識別)を実行するために使用されてもよく、(例えば、一致する仮想環境がユーザのために作成され得るようにユーザの環境をマッピングするために)ユーザの環境内のオブジェクトの三次元形状を判定するために、及び/又はデバイス10の動作中に三次元コンテンツを収集するために使用され得る。一例として、光学構成要素74及び70は、三次元構造化光画像センサであってもよい。各三次元構造化光画像センサは、構造化光を提供する1つ以上の光源(例えば、赤外線ドットのアレイを環境上に投影するドットプロジェクタ、線のグリッドを生成する構造化光源、又は構造化光を放射する他の構造化光構成要素)を有し得る。三次元構造化光画像センサの各々は、投光照明器(例えば、赤外光の広いビームを放射する発光ダイオード又はレーザ)を含むこともできる。投光照明及び構造化光照明を使用して、光学構成要素74及び70は、顔画像、デバイス10を取り囲む環境内の物体の画像などをキャプチャすることができる。
【0046】
光学構成要素72は、デバイス10を取り囲む環境内の物体の三次元画像を収集するために、放射された光に対する飛行時間測定を使用する赤外線三次元飛行時間カメラであり得る。構成要素72は、光学構成要素74及び70の三次元構造化光カメラよりも長い範囲及び狭い視野を有し得る。構成要素72の動作範囲は、(例として)30cm~7m、60cm~6m、70cm~5m、又は他の好適な動作範囲であり得る。
【0047】
図4は、デバイス10の例示的なリング形状の化粧カバー構造体の正面図である。
図4の例示的なリング形状シュラウド100は、非アクティブ領域IAにおいてディスプレイ14Fのディスプレイカバー層の内面の下に取り付けられてもよい。これは、デバイス10の光学構成要素及び他の内部部分をデバイス10の外部から見えないように隠す助けとなり得る。シュラウド100は、1つ以上の切れ目のないリング形状部材から形成することができ、かつ/又は接着剤、締結具、若しくは他の取り付け構造体を使用して取り付けられる複数のシュラウドセグメントから形成することができる。必要に応じて、シュラウド100は、それらの長さの一部又は全部に沿って一緒に挟まれた複数の部材から形成されてもよい。本明細書で一例として説明されることがある例示的な構成では、シュラウド100は、内側シュラウド部材、シュラウドトリム、又はシュラウドトリム部材と呼ばれることがある内側部品(例えば、内側完全リング又は部分リング)から形成されてもよく、シュラウドカバー、キャノピー、又はシュラウドキャノピーと呼ばれることがある1つ以上の外側部品(例えば、1つ以上の材料片又は被覆部材、完全リング、1つ以上の部分リングなど)から形成されてもよい。
【0048】
図4に示すように、シュラウド100は、構成要素60、62、64、84、66、68、70、72、74、76、78、82、及び80を収容するための光学構成要素窓を有することができる。光学構成要素窓は、シュラウド100の貫通孔開口部から、シュラウド100を完全に貫通しない凹部又は他の部分的な開口部から、シュラウド貫通孔開口部に挿入された光学窓部材から、及び/又は他のシュラウド光学構成要素窓構造体から形成されてもよい。ディスプレイ14Fは、対応する光学構成要素窓(貫通孔開口部、陥凹領域、貫通孔開口部内に挿入された窓部材など)を有する、及び/又は所望の光学特性を有するバルク材料から形成される、ディスプレイカバー層を有することができる(例えば、カバー層内に開口部又は他の窓構造体を形成することなく、光学構成要素がカバー層を通して満足に動作することを可能にするために、重なりあった光学構成要素の動作波長範囲において十分な透明度を有する、ガラス及び/又はポリマーなどの材料の1つ以上の層から形成されるディスプレイカバー層)。
【0049】
シュラウド100は、任意の好適な形状を有し得る。例えば、シュラウド100の輪郭は、
図4に示すように角が丸い長方形であってもよく、デバイス10の左側及び右側に涙滴形状を有してもよく、楕円形の輪郭を有してもよく、及び/又は湾曲した及び/若しくは直線の縁部セグメントを有する他の輪郭を有してもよい。
図5は、シュラウド100の一部の正面図であり、シュラウド100の内縁及び外縁が(例えば、涙滴形状に従うように)どのように湾曲し得るかを示している。シュラウド100は、必要に応じて、その長さの大部分又は全部に沿って湾曲した周縁部を有してもよい。
【0050】
シュラウド100の幅は、その長さに沿って一定であってもよいし、シュラウド100が他の部分よりも広い部分を有してもよい。シュラウド100の厚さ(例えば、
図4の向きにおけるページ内へのシュラウド100の寸法)は、シュラウド100の幅(
図4の向きにおけるページ内のシュラウド100の横方向寸法)よりも小さくてもよく、又はシュラウドの厚さは、シュラウドの幅以上であってもよい。シュラウドは、二次元形状を有してもよく(例えば、シュラウド100は、
図4の例においてXZ平面内にある平面形状を有してもよい)、又は三次元形状(例えば、湾曲した断面プロファイルを有する形状及び/又は複合曲率の内面及び/又は外面によって特徴付けられる形状)を有してもよい。例示的な構成では、シュラウドの内面及び外面のほとんど又は全てが複合曲率面を有する。
【0051】
非アクティブ領域IAの下にある光学構成要素は、互いに連動して動作するデバイス10の左側及び右側の構成要素を含んでもよい。例えば、デバイス10内のシーンカメラ、追跡カメラ、及び/又は構造化光カメラは対で形成されてもよく、その各々は、左カメラ及び対応する右カメラを含む。左シーンカメラ及び右シーンカメラは、一例として、一緒に動作して、パススルービデオを収集するための広い視野をデバイス10に提供する重複画像をキャプチャし得る。左及び右追跡カメラは、一緒に動作して、ユーザの手又は他の外部物体を追跡し得る。左右の構造化光カメラ又は他の三次元カメラを一緒に使用して、ユーザの環境の三次元画像を取り込んでもよい。これらのタイプの対になった構成要素構成における左右の光学構成要素の性能を向上させるために、左右の光学構成要素間の正確な位置合わせを維持することが望ましい場合がある。デバイス10のそれぞれの左側及び右側にある光学構成要素を互いに位置合わせされた状態に維持するのを助けるために、デバイス10は、光学構成要素を支持するのを助ける1つ以上のハウジング構造体を備えることができる。
【0052】
図6に示すように、例えば、デバイス10は、デバイス10の左側及び右側で光学構成要素104を支持する助けとなる、ブラケット102などの内部支持構造体を備えてもよい。構成要素104は、例えば、
図3の非アクティブ領域IAの下に示されるタイプの光学構成要素であってもよい。ブラケット102は、剛性金属及び/又は他の硬質材料(例えば、硬質ポリマー、炭素繊維複合材料又は他の繊維複合材料など)から形成されてもよい。ブラケット102における(例えば、鼻梁部分26NBの近くのブラケット102の部分における)鼻梁凹部は、ブラケット102がユーザの顔の形状に適合するのを助けることができる。ブラケット102は、非アクティブ領域IAの長さの一部に沿って(例えば、デバイス10の下縁に)延びる細長い短冊形状を有してもよい。
【0053】
ブラケット102は、落下事象中にブラケット102がハウジング部分26Mの残りの部分に対して浮動することを可能にする、取り付け構造体(接着剤、締結具、圧入接続、及び/又は他の取り付け機構)を用いて、デバイス10に結合されてもよい。ブラケット102の剛性、及びブラケット102の形状を著しく変形させることなく他のハウジング構造体に対していくらか位置をシフトさせるブラケット102の能力は、予期せぬ落下事象中にデバイス10が高い応力を受けるときなどの過度の応力の期間中に、デバイス10の左側及び右側の構成要素を互いに位置合わせして保持する助けとなり得る。
【0054】
図6の例では、ブラケット102は、非アクティブ領域IAの下に取り付けられ、デバイス10がユーザの頭部に装着されたときにユーザの鼻を収容するように構成された湾曲縁部を有する鼻梁凹部を有する。デバイス102は、必要に応じて、他の形状を有してもよい。構成要素104は、接着剤、締結具、圧入接続、及び/又は他の取り付け構造体を使用して、ブラケット102及び/又はデバイス10内の他の支持構造体(例えば、シュラウド100)のそれぞれの左側及び右側に取り付けられてもよい。
【0055】
図7は、デバイス10の一部の上断面図である。
図7に示すように、シュラウド100は、非アクティブ領域IAにおいて1つ以上の光学構成要素104と重なり合ってもよい。非アクティブ領域IAは、アクティブ領域AAを取り囲むリング形状境界を形成することができる。ディスプレイ14Fは、ディスプレイカバー層92などのディスプレイカバー層を有することができる。層92は、ガラス、ポリマー、セラミック、サファイアなどの結晶材料、他の材料、及び/又はこれらの材料の組み合わせから形成することができる。層92は、単一の材料層又は複数の積層された材料層を含むことができる。アクティブ領域AAにおいて、ディスプレイパネル14P内の画素Pは、ディスプレイカバー層92を通して見ることができる画像を表示する。シュラウド100は、アクティブ領域AAに存在しなくてもよく(例えば、シュラウドは、
図7に示すように、パネル14Pの上の開口部を囲むリング形状を有してもよく)、又はシュラウド100は、ディスプレイパネル14Pに重なる部分(キャノピー又はシュラウド構造体と呼ばれることもある)を任意選択的に有してもよい。キャノピーは、完全に又は部分的に透明であってもよい。非アクティブ領域IAにおいて、シュラウド100は構成要素104と重なる。構成要素104は、層92及びシュラウド100の透明部分、並びに/又は層92及びシュラウド100内の凹部、貫通孔開口部、窓部材、及び/若しくは他の窓構造体から形成される光学構成要素窓を通過する光を放出及び/又は検出する、光学構成要素であってもよい。
【0056】
ディスプレイカバー層92は、平面及び/又は曲面を含むことができる。例示的な構成では、ディスプレイカバー層92の内面及び外面のほとんど又は全てが曲率を有する。
【0057】
ディスプレイカバー層92の湾曲面は、歪みのない平面に平坦化され得る湾曲面(可展面又は複合曲率を有していない湾曲面と呼ばれることもある)を含むことができる。これらのような表面は、一例として、アクティブ領域AAと重なってもよい。ディスプレイカバー層92の湾曲面はまた、複合曲率によって特徴付けられる湾曲面(例えば、非可展面と呼ばれることもある、歪みを有する平面にのみ平坦化することができる表面)を含むことができる。非アクティブ領域IA内のディスプレイカバー層92の内面及び外面の一部又は全部は、一例として、複合曲率によって特徴付けられ得る。これにより、ディスプレイ14Fの外囲がアクティブ領域から離れながら滑らかに遷移することが可能になり、デバイス10に魅力的な外観及びコンパクトな形状を提供する。非アクティブ領域IAにおけるディスプレイカバー層92の複合曲率はまた、光学構成要素を非アクティブ領域IAの下に所望の向きで配置することを容易にし得る。アクティブ領域AAにおけるディスプレイカバー層92の内面及び外面は、複合曲率を有してもよく、可展面であってもよく、又は可展面領域及び複合曲率領域の両方を含んでもよい。
【0058】
光学構成要素によって収集された画像データ及び他のデータは、ディスプレイカバー層92に関連する光学歪みを補償するためにデジタル的に歪められ得る。光学歪みを最小限に抑えるのを助けるために、光学構成要素のうちの1つ以上は、任意選択で、光学構成要素に重なっているディスプレイカバー層表面の部分の表面法線に対して平行又は平行に近い方向に配向されてもよい。
【0059】
一例として、
図7の光学構成要素104を考えよう。
図7に示すように、方向112に動作する例示的な光学構成要素104Bなどのいくつかの光学構成要素は、層92の表面法線がY軸に平行に、又はY軸にほぼ平行に配向されるディスプレイカバー層92の部分において、前方を向いてもよい(例えば、方向112は、
図7のY軸に平行又はほぼ平行であってもよい)。方向110に動作する例示的な光学構成要素104Aなどの他の光学構成要素は、ゼロ以外の角度だけ(例えば、少なくとも10°、少なくとも20°、90°未満、50°未満、又は他の好適な量の角度だけ)前方方向から離れるように角度を付けられ得る。方向110は、ディスプレイカバー層92の重なり合う表面の表面法線に対して平行又はほぼ平行であってもよく(例えば、30°以内、20°以内、10°以内又は他の好適な量で位置合わせされている)、かつ
図7のXY平面内にあってもよく、又はXY平面から外れて角度付けられてもよい(例えば、
図7に示すように、方向110を+Y方向から離れるように角度付けることに加えて、方向110が+Z方向に上向き又は-Z方向に下向きに角度付けられるように、構成要素104Aを配向することによって)。
【0060】
このタイプの構成では、ディスプレイカバー層92は、非アクティブ領域IAにおいて複合曲率を有してもよく、シュラウド100は、非アクティブ領域IAにおけるディスプレイカバー層92の断面プロファイルを反映する断面プロファイルを有する形状を有してもよい(例えば、非アクティブ領域IAにおけるシュラウド100の外面及び/又は内面は、複合曲率面であってもよい)。構成要素104A及び104Bなどの構成要素がシュラウド100に取り付けられ、及び/又は他の方法でデバイス10の支持構造体によって支持されて、シュラウド100及びディスプレイカバー層92を通して動作するとき、ディスプレイカバー層92及びシュラウド100の湾曲形状は、これらの構成要素が所望の向き(例えば、構成要素104Bなどの構成要素については前方方向、又は構成要素104Aなどの構成要素については前方方向から離れて角度を付けられる向き)に面することを可能にする助けとなり得る。
【0061】
一例として、鼻梁部分26NBの左側及び右側に取り付けられる光学構成要素は、(例えば、一対のカメラに対して適切な画角を確保するために)それぞれ+Y前方方向のいくらか左及びいくらか右に向けられてもよい。別の例として、デバイス10の下縁に沿った、ディスプレイカバー層92及びシュラウド100の湾曲した形状は、この部分の構成要素がXY平面からいくらか下方に向くことを可能にすることができ、これは、追跡カメラなどのカメラをユーザの手に向ける助けとなり得る。
【0062】
ディスプレイパネル14Pは、フレキシブル基板を有するフレキシブル有機発光ダイオードディスプレイ、又はフレキシブル基板上に実装された結晶半導体発光ダイオードダイから形成された発光ダイオードディスプレイなどの、フレキシブルディスプレイであってもよい。これにより、ディスプレイパネル14Pと、アクティブ領域AAを形成するパネル14Pの画素とが、垂直軸Zに平行に延びる曲げ軸を中心として曲げられることが可能になり、それによって、ディスプレイ14F及びハウジング部分26Mをユーザの顔の曲面の周りに巻き付けるのを助ける。必要に応じて、ディスプレイパネル14Pは、三次元画像を表示するように構成されたレンチキュラディスプレイ(例えば、各々が複数の画素列のそれぞれのグループに重なる一連の平行レンチキュラレンズを有する自動立体ディスプレイ)であってもよい。
【0063】
ディスプレイカバー層92の外面及び内面は同じ形状を有してもよく(例えば、これらの表面は互いに平行であってもよい)、又は外面及び内面は異なる形状を有してもよい。ディスプレイ14Fのディスプレイパネル14Pがフレキシブルである構成では、アクティブ領域AAにおけるディスプレイカバー層92の内面を、ディスプレイパネル14Pの曲げられた外向き表面に一致する曲げられた表面形状を示すように構成することが望ましい場合がある(例えば、アクティブ領域AAにおけるディスプレイカバー層92の内面、及び、必要に応じて、外面は、ディスプレイパネル14Pの展開可能な外向き表面に一致するように、複合曲率のない可展面であってもよい)。
【0064】
シュラウド100及びディスプレイカバー層92は、接着剤、ねじ及び他の締結具、圧入接続、並びに/又は他の取り付け機構を使用して、主ハウジング部分26Mに取り付けられてもよい。シュラウド100及びカバー層92が接着剤を使用して主ハウジング部分26M内のハウジング壁の前向き縁部に取り付けられる例示的な構成を
図8に示す。
図8の例では、シュラウド100は、シュラウドトリム100Aなどの内側シュラウド部材を有し、シュラウドキャノピー100Bなどの対応する外側シュラウド部材を有する。シュラウドトリム100A及びシュラウドキャノピー100Bは、金属、ポリマー、セラミック、ガラス、他の材料、及び/又はこれらの材料の組み合わせから形成されてもよい。例示的な例では、シュラウドトリム100Aは黒色ポリマー又は他の暗色材料から形成され、シュラウドキャノピー100Bは透明ポリマーから形成される。シュラウドキャノピー100Bの外面は、シュラウド100に美容的に魅力的な外観を提供するために滑らかであってもよい。
【0065】
キャノピー100Bをトリム100Aに取り付ける際に、感圧接着剤(例えば、接着剤114を参照)の層を使用してもよい。カバー層92及びシュラウド100をハウジング部分26Mに取り付ける際に、接着剤を使用することもできる。
図8に示すように、例えば、接着剤122などの第1の接着剤を使用して、ディスプレイカバー層92をシュラウド100に(例えば、シュラウドトリム100Aのレッジに)取り付けることができる。次に、接着剤124などの第2の接着剤を使用して、シュラウド100(例えば、シュラウドトリム100A)を主ハウジング部分26M内の壁の隣接リップに取り付けることができる。
【0066】
いくつかの構成では、接着剤122及び124は、同じタイプの材料から形成されてもよい。例示的な構成では、接着剤122及び124は異なる。ハウジング部分26Mは、ディスプレイ14Fをハウジング部分26Mに対して-Y方向に押圧することによってディスプレイ14Fがハウジング部分26Mに取り付けられる際に接着剤124にせん断力を生成するリップ形状を有する壁を有してもよい。この種のシナリオでは、感圧接着剤ではなく、溶融ホットメルト接着剤(熱可塑性接着剤)又は他の液体接着剤などの、せん断力の存在下で十分に接合することができる接着剤から接着剤124を形成するのが望ましいことであり得る。接着剤124は、必要に応じて、ディスプレイ14Fがハウジング26M内に組み立てられる前に、硬化作用(紫外線、湿気など)にさらされてもよい。
【0067】
デバイス10を修理することが望ましい場合がある。例えば、ユーザが落下事象中にディスプレイ14Fを過度の力にさらした場合、ディスプレイ14Fを新しいディスプレイと交換することが望ましい場合がある。これは、接着剤124を加熱して、接着剤124によって形成された接着結合を緩めることによって達成することができる。接着剤124を熱で軟化させている間にディスプレイカバー層92がシュラウド100から分離するのを防止するのを助けるために、接着剤122は、接着剤124よりも高い温度軟化点を有してもよい(例えば、接着剤122は、接着剤124よりも高い融点を有する2液型ホットメルト接着剤であってもよい)。
【0068】
非アクティブ領域IAにおいてディスプレイカバー層92及びシュラウド100が重ねられている光学構成要素は、シュラウド100及びディスプレイカバー層92を通して光を透過及び/又は受け得る。層92は、重ねられた各光学構成要素104に対する光が層92を通過することを可能にする、積層ガラス又は他の透明材料から形成されてもよい。必要に応じて、層92の部分に、部分的な凹部又は貫通孔開口部を形成してもよい。次いで、任意選択の光学構成要素窓部材116を層92内(例えば、窓領域118内)に挿入することができる。一例として、層92は、ガラス及び/又はポリマーの1つ以上の層から形成されてもよく、構成要素104の動作波長(複数可)における第1レベルの光透過率によって特徴付けられてもよく、一方で窓部材116は、第1レベルの光透過率よりも大きい動作波長(複数可)における第2レベルの光透過率によって特徴付けられるポリマー、ガラス、及び/又は他の材料から形成されてもよい。他の例示的な構成では、窓部材は層92に挿入されない(例えば、層92単体で構成要素104の光を通過させるのに十分に透明である場合、
図8の任意の窓部材116を省略することができる)。
【0069】
シュラウド100は、重なっている光学構成要素104を収容するために、領域118に光学構成要素窓を備えることができる。構成要素104は、紫外光波長、可視光波長、及び/又は赤外光波長で動作することができる。
図8の例において構成要素104を収容するために、シュラウドトリム100Aには開口部120などの貫通孔開口部が設けられているが、シュラウドキャノピー100Bは領域118に開口部を有していない。これにより、シュラウド100に、構成要素104と位置合わせされた窓凹部が効果的に形成される。トリム100Aは、黒色ポリマー又は他の光吸収材料から形成されてもよく、したがって、トリム100Aにおける開口部120の形成は、構成要素104が満足に動作することを可能にするために十分な光が領域118を通過し得ることを確実にする助けとなり得る。開口部120に重なるキャノピー100Bの部分は、透明(例えば、透明ポリマー)であってもよい。
【0070】
構成要素104を視界から隠すのを助けるために、
図8のシュラウドキャノピー100Bの内面はコーティング126で覆われている。コーティング126は、所望の外観及び構成要素104が満足に動作できることを保証する光学特性を領域118に提供するために使用されてもよい。コーティング126は、交互の屈折率値の薄膜誘電体層のスタックから形成された薄膜干渉フィルタ(フィルタの所望の透過スペクトル及び所望の反射スペクトルを生成するように選択された屈折率及び厚さを有する)であってもよく、インクの層(例えば、染料、顔料、及び/又は他の着色剤を含むポリマー層)であってもよく、及び/又は所望の光学特性を有する任意の他の好適なコーティングであってもよい。
【0071】
一例として、構成要素104が赤外光を透過及び/又は受けるシナリオを考えよう。このタイプの構成では、コーティング126は、可視波長で不透明であり、赤外波長で透明であり得る。これは、構成要素104の動作に関連する赤外光がシュラウド100及び層92を通過することを可能にしながら、デバイス10の外部からの視界から構成要素104を隠す助けとなる。
【0072】
別の例として、構成要素104が周囲光センサであるシナリオを考えよう。この構成において、コーティング126は、(一例として)1~8%の可視光透過率を示すことができる。これにより、十分な可視周囲光が周囲光センサに到達し、周囲光センサが周囲光読取値を示すことを可能にし得る。同時に、コーティング126の透過率は、コーティング126がデバイス10の外部からの構成要素104の可視性を低減する助けとなるほど十分に低くてもよい。
【0073】
これらの例が示すように、
図8の構成要素104などの光学構成要素に重なるディスプレイ14Fの領域は、光学構成要素を収容する助けとなる光学構成要素窓構造体を層92及び/又はシュラウド100内に備えてもよい。
【0074】
必要に応じて、シュラウド100には、重なった光学構成要素を収容するための貫通孔開口部が設けられてもよい。
図9に示すように、例えば、シュラウド100は、1つ以上の副層(例えば、トリム、キャノピー、及び/又は他の層)を含んでもよい。貫通孔開口部130は、シュラウド100の内面からシュラウド100の外面まで貫通することができる。開口部130は、光学構成要素104と位置合わせされ得る。構成要素104は、開口部130の背後に取り付けられてもよく、及び/又は
図9に示すように開口部130内に部分的又は完全に受容されてもよい。これにより、光が、シュラウド100によって遮断されることなく、構成要素104によって放射される及び/又は受けられることが可能になる。
【0075】
図10の例示的な構成では、シュラウド100はまた、1つ以上の副層(例えば、トリム、キャノピー、及び/又は他の層)をも含む。
図10に示すように、貫通孔開口部は、光学構成要素104と位置合わせされてシュラウド100に形成されてもよく、光学構成要素窓部材132(例えば、ガラス若しくはポリマー部材、又は他の材料及び/若しくはこれらの材料の組み合わせから形成される窓構造体)で充填されてもよい。光学構成要素窓部材132は、構成要素104が領域118を通して光を十分に透過及び/又は受けることを可能にする光学特性(例えば、光透過、反射、吸収、ぼやけなど)を有する。一例として、部材130は、赤外光に対して透明であり、可視光に対して不透明又は透明であるガラスから形成されてもよい。
【0076】
図3及び
図4に関連して説明したように、非アクティブ領域IAには、構成要素104などの多数の光学構成要素があってもよい。各光学構成要素は、その構成要素を収容するためにシュラウド100及び/又は層92内に異なるタイプの光学構成要素窓構造体を有する可能性がある。例えば、シュラウド100のいくつかの領域は、
図9に関連して説明したような構成要素を受け入れる開口部を有することができ、シュラウド100の他の領域は、
図10の部材132などの挿入された光学窓部材を有することができ、及び/又はシュラウド100の他の領域は、
図8の開口部120などの部分的なシュラウド開口部(例えば、非貫通孔凹部)を有することができる(これはシュラウド100の光学特性を修正するためにコーティング126などの層で任意選択的に覆うことができる)。
【0077】
図11は、デバイスの前面を覆う完全に又は部分的に透明なシュラウドを有するヘッドマウントデバイスの一部の側断面図である。
図11に示すように、ヘッドマウントデバイス10は、前面ディスプレイ14のためのディスプレイパネル14Pを含み得る。パネル14Pは、レンチキュラディスプレイ(例えば、ユーザのために三次元画像を表示するように構成されたレンチキュラレンズ14P’を有する自動立体ディスプレイ)であり得る。
【0078】
図11の構成では、ディスプレイカバー層92は、非アクティブ領域IA(例えば、層92の外囲に沿って延びるリング形状領域)において複合曲率を有する内面及び外面を有する。アクティブ領域AA内のディスプレイカバー層92の内面及び外面はまた、複合曲率を有してもよく、又はこれらの表面の一方若しくは両方が可展面であってもよい。
図11の例では、層92の内面及び外面は、非アクティブ領域IA及びアクティブ領域AAの両方において複合曲率を有し(例えば、これらの表面は、任意の可展面がなくてもよい)、これは、デバイス10に魅力的な外観を提供する助けとなり得る。
【0079】
図11のデバイス10のシュラウドは、シュラウドトリム100A及びシュラウドキャノピー100Bを含む。トリム100Aは、リング形状を有してもよく、ディスプレイ14の外囲に延びてもよい。キャノピー100Bは、ポリマーなどの材料から形成されてもよく、ディスプレイカバー層92の輪郭と等しいかほぼ等しい輪郭を有してもよく、デバイス10の前面の実質的に全体を覆ってもよい。このタイプの構成では、シュラウドキャノピー100Bはディスプレイパネル14Pの全てに重なる。キャノピー100Bを構成するポリマーは、バルク着色(例えば、キャノピー100Bに所望の光透過特性を提供する染料及び/又は顔料などの着色剤)を有し得る。例えば、キャノピー100Bは、キャノピー100Bが30~80%、少なくとも20%、少なくとも40%、95%未満、90%未満、85%未満、75%未満、60%、又は他の好適な量の可視光透過率を示すように着色されてもよい。部分的な光透過率(例えば、30~80%又は他の好適な値)を示すようにキャノピー10Bを構成することによって、キャノピー100Bは、レンズ14P’などの内部構成要素及びディスプレイ14Pの他の構造体を視界から視覚的に隠す助けとなり得る(例えば、ディスプレイ14Pが使用されていないとき)。
【0080】
キャノピー100Bの内面には、光学層(光学フィルム)146などの光学層が設けられていてもよい。層146は、ぼやけを生成するテクスチャ及び/又は光散乱粒子を有してもよい。ぼやけは、ディスプレイパネル14Pの構造体をデバイス10の外部から見えないように隠す助けとなり得る。層146はまた、軸外光透過を抑制する助けとなるマイクロルーバー又は他の特徴を有してもよい(例えば、層146は、Y軸に平行でない光線に対する光透過を低減するプライバシー構造体を有してもよい)。層146がぼやけ及び/又はプライバシー構造体を含み得るので、層146は、プライバシー層、ぼやけ層、並びに/又はプライバシー及びぼやけ層と呼ばれることもある。
【0081】
例示的な構成において、層146は、ぼやけたコーティングで覆われたフレキシブル基板層を有してもよい。ぼやけたコーティングは、埋め込まれた光散乱粒子(例えば、酸化チタン粒子などの無機光散乱粒子)を含有するパッド印刷されたポリマーコーティングであってもよい。フレキシブル基板層は、ディスプレイパネル14P)の軸外(Y軸から離れた)視認を防止する、マイクロルーバーフィルム又は他のプライバシー層などのプライバシーフィルムであってもよい。
【0082】
層146のぼやけは、任意の好適なぼやけ構造体(例えば、フレキシブルプライバシーフィルム若しくは他の基材上の3~10マイクロメートルの厚さを有するぼやけたポリマーのコーティング、積層ぼやけフィルム、又は3%~40%のぼやけ若しくは他の好適な値を示す他の層であって、ぼやけコーティングと呼ばれることもある)を使用して提供され得る。ぼやけは、埋め込まれた光散乱粒子及び/又は表面テクスチャ(例えば、層146内のテクスチャ、又は任意選択的にキャノピー100Bの表面上のテクスチャ)によって提供され得る。層146のぼやけたコーティング及び/又は他のぼやけ構造体によって提供されるぼやけは、ディスプレイ14Pの解像度が著しく影響を受けないように、ディスプレイ14Pに十分に近接して提供されることが好ましい。同時に、ぼやけ(例えば、層146のぼやけたコーティング)の存在は、使用されていないときに層14P内のレンズ及び他の構造体を視界から隠す助けとなり得る。
【0083】
デバイス10は、ディスプレイパネル14Pとキャノピー100Bとの間にエアギャップを有してもよい(例えば、キャノピー100Bの内側に面する側及びキャノピー100Bのこの側上のぼやけ層146などの任意のコーティング及び/又はフィルムと、ディスプレイパネル14P(並びにレンズ14P’及びパネル14P上の画素)の対向する上面との間に、エアギャップ144などのエアギャップが存在してもよい)。エアギャップ144の存在は、レンズ14P’が満足に動作することを確実にする助けとなり得る。ブラケット156は、ディスプレイパネル14Pを支持する助けとなり得る。
【0084】
内部構成要素を視界から隠すのを助けるために、層BM-1などの不透明マスキング層が、非アクティブ領域IA内のディスプレイカバー層92の内面上に形成され得る。接着剤122は、キャノピー100Bの縁部に層92を取り付けることができる。追加の不透明なマスキング材料(例えば、キャノピー不透明マスキング層BM-2を参照)が、非アクティブ領域IA内のキャノピー100Bの内面上に形成されてもよい。接着剤114を使用して、シュラウドトリム100Aをシュラウドキャノピー100Bに取り付けることができる。接着剤124を使用して、シュラウドトリム100Aをハウジング部分26Mに取り付けることができる。接着剤160を使用して、(パネル14Pの後部に接着剤で取り付けられる)ブラケット156をキャノピー100Bに取り付けることができる。
【0085】
図11の例では、ディスプレイカバー層92の外面148及び内面150は、非アクティブ領域IA及びアクティブ領域AAにおいて複合曲率を有する。シュラウドキャノピー100Bの外面152及び対向する内面154は、非アクティブ領域IAにおいて一致する複合曲率を有してもよい。アクティブ領域AAにおいて、シュラウドキャノピー100Bの外面152及び内面154は可展面(例えば、軸142などの単一の曲げ軸を中心として曲がる湾曲した断面プロファイルを示す複合曲率のない表面)であってもよい。軸142は、この例ではZ軸に平行に延びる軸である。ディスプレイパネル14Pは、軸142を中心として同じ量の曲げを示してもよく、また可展面によって特徴付けられてもよい(例えば、パネル14Pの外面上の画素アレイは可展面を有してもよい)。
【0086】
キャノピー100Bの曲げ量及び軸142を中心としたディスプレイパネル14Pの対応する曲げ量は、デバイス10がユーザの顔の湾曲形状に適合するのを助けるように選択され得る。
【0087】
図11の例示的な構成では、キャノピー100Bは、ディスプレイパネル14Pに重なる複合曲率の領域を有していない。むしろ、パネル14Pに重なるキャノピー100Bの部分は、内側及び外側の可展面を有する。必要に応じて、表面152及び154の一方又は両方が複合曲率を有してもよい。例えば、外面152は複合曲率を有してもよく、かつ層92の内面150の一部又は全部の下にエアギャップ140の均一な厚さを確立するように構成されてもよい。
図11の例では、層92とキャノピー100Bとの間に不均一な厚さのエアギャップ140がある。
【0088】
ブラケット156は、金属シート又は他の支持構造体から形成されてもよく、可展面(例えば、軸142の周りに曲がり、複合曲率の領域を含まない面)である内面及び外面によって特徴付けられてもよい。ディスプレイパネル14Pを支持し、ディスプレイパネル14Pに直接重なる構造体における複合曲率を回避することによって、ディスプレイパネル14Pは、パネル14Pが複合曲率の領域を有する場合に導入され得るタイプのしわ又は他のアーチファクトを生成するリスクなしに、軸142を中心として曲がるポリイミド基板などの曲がったフレキシブル基板から形成され得る。
【0089】
図11のデバイス10のシュラウド及び他の構造体(例えば、黒色インク層であり得る層BM-1及びBM-2などの不透明マスキング層コーティング)は、光学構成要素104のための光学窓を形成するように構成され得る。
【0090】
図12は、キャノピー100B上の不透明マスキング層BM-2が、コーティング170などのコーティング層で充填された窓開口部をどのように有し得るかを示す。光学構成要素104(例えば、フリッカセンサ、周囲光センサ、及び/又は他の光検出器)は、窓開口部と位置合わせすることができる。透明なキャノピー部分がこの窓開口部に重なってもよく、又はキャノピー開口部がこの窓開口部に重なってもよい。層BM-2は不透明であってもよく、これは、デバイス10内の内部構成要素がデバイス10の外部から見えるのを防ぐ助けとなる。層BM-2内の開口部の存在は、光学構成要素104が満足に動作する(例えば、周囲光を受けて測定する)ことを可能にする。コーティング170は、構成要素104を視覚的に隠すのを助けながら、構成要素104が動作することを可能にするように構成され得る。一例として、コーティング170は、2~25%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも4%、80%未満、30%未満、又は他の好適な量の可視光透過率を有するインクの層から形成され得るが、層BM-2は、(例として)2%未満、1%未満、又は0.5%未満の可視光透過率を有し得る。
【0091】
図13は、別の例示的なヘッドマウントデバイス光学構成要素取り付け構成の側断面図である。
図13の構成は、トリム100A及びキャノピー100Bのシュラウド貫通孔開口部を使用する。これらの貫通孔開口部は、ディスプレイ不透明マスキング層BM-1内の開口部と位置合わせされる(かつ、任意選択で、キャノピー不透明マスキング層BM-2内の対応する開口部と位置合わせされる)。層164などの任意選択のコーティング層が、これらの開口部から形成される光学窓を覆ってもよい。層164及び
図14の他の開口部は光学構成要素104と位置合わせされてもよく、それは、シュラウドの背後に取り付けられてもよく、かつ/又はシュラウドの貫通孔開口部内に突出する部分を有してもよい。第1の例示的な構成では、
図13の構成要素104は赤外線照明器(例えば、赤外線発光ダイオード)である。このタイプの構成では、コーティング層164は、インクの層、薄膜干渉フィルタ、又は可視光を遮断し赤外光を透過する他のフィルタ層(例えば、可視光遮断赤外光透過フィルタ層)から形成することができる。第2の例示的な構成では、
図13の構成要素104はカメラ(例えば、可視パススルーカメラ、赤外線カメラ、並びに/又は可視波長及び/若しくは赤外波長で動作する他のカメラ)である。この構成では、コーティング164は、(可視光及び/又は赤外光を通過させるために)省略されてもよく、反射防止コーティングを形成するように構成されてもよく、及び/又は他の方法でカメラとともに動作するように構成されてもよい。
【0092】
図14は、透明窓部材から形成される光学構成要素窓を有する、例示的なヘッドマウントデバイス光学構成要素取り付け構成の側断面図である。透明窓部材166(例えば、ガラス又はポリマーの層)は、トリム100A及びキャノピー100Bの貫通孔開口部に取り付けられてもよく、光学構成要素104及び層92上の不透明マスキング層BM-1の開口部と位置合わせされてもよい(及び、必要に応じて、キャノピー100B上の不透明マスキング層BM-2の開口部と位置合わせされてもよい)。フィルタコーティング168は、窓部材166上に設けられてもよい。例示的な構成では、
図14の構成要素104は、飛行時間カメラ又は構造体化光カメラなどの三次元カメラであり、赤外線波長で動作することができる。このタイプの構成におけるフィルタ168は、赤外光に対して透過性であってもよく、可視光に対して透過性であってもよく、又は可視光に対して不透過性であってもよい(例えば、フィルタ168は、赤外光透過可視光遮断フィルタであってもよい)。フィルタコーティング168は、インク、薄膜干渉フィルタ、又は他のフィルタ構造体から形成されてもよい。
【0093】
比較的少量の光学歪みを呈するように構成され得る窓部材166の存在は、構成要素104の光学性能を向上させる助けとなり得る。必要に応じて、構成要素104の光学構成要素窓のための光学構成要素適合表面領域は、キャノピー100Bに直接形成されてもよい(例えば、その結果、キャノピー100Bに貫通孔開口部を形成することなく、キャノピー100Bが構成要素104に重なり得る)。
【0094】
一実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスが提供され、ヘッドマウントデバイスは、ヘッドマウント支持構造体と、ヘッドマウント支持構造体によって支持され、第1の画像を第1のアイボックスに提供するように構成されている、第1のディスプレイ及び第1のレンズと、ヘッドマウント支持構造体によって支持され、第2の画像を第2のアイボックスに提供するように構成されている、第2のディスプレイ及び第2のレンズと、ヘッドマウント支持構造体の前側に支持された前面ディスプレイであって、第3の画像が表示されるアクティブ領域を有し、かつアクティブ領域を囲む画像を表示しないリング形状の非アクティブ領域を有し、アクティブ領域及び非アクティブ領域に重なるディスプレイカバー層を有する、前面ディスプレイと、非アクティブ領域内に光学構成要素と、ディスプレイカバー層の下で非アクティブ領域に重なるカバー構造体と、を含む。
【0095】
別の実施形態によれば、カバー構造体は、シュラウドトリムを有し、かつシュラウドキャノピーを有するシュラウドを含み、シュラウドキャノピーは透明ポリマーを含み、シュラウドトリムは暗色ポリマーを含み、シュラウドキャノピーは接着剤でシュラウドトリムに取り付けられ、ヘッドマウントデバイスは、光学構成要素に重なるシュラウドキャノピーの内面上のコーティングを含む。
【0096】
別の実施形態によれば、カバー構造体は、アクティブ領域を取り囲むリング形状ポリマー構造体を含む。
【0097】
別の実施形態によれば、リング形状ポリマー構造体は、光学構成要素と位置合わせされた貫通孔開口部を有する。
【0098】
別の実施形態によれば、リング形状ポリマー構造体は開口部を有し、ヘッドマウントデバイスは、開口部内に光学構成要素と位置合わせされたガラス部材を含む。
【0099】
別の実施形態によれば、リング形状ポリマー構造体は、光学構成要素と位置合わせされた凹部を有する。
【0100】
別の実施形態によれば、リング形状ポリマー構造体は、接着剤で取り付けられた第1のポリマー部材及び第2のポリマー部材を含み、凹部は、第1のポリマー部材内に貫通孔によって形成される。
【0101】
別の実施形態によれば、第2のポリマー部材は、第1のポリマー部材内の貫通孔に重なる透明ポリマーを含む。
【0102】
別の実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスは、貫通孔開口部に重なる透明ポリマーの内面上のコーティングを含む。
【0103】
別の実施形態によれば、第1のポリマー部材は黒色ポリマーを含む。
【0104】
別の実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスは、ディスプレイカバー層をリング形状ポリマー構造体に取り付けるように構成された第1の接着剤層と、第1の接着剤層よりも低い融点を有し、リング形状ポリマー構造体をヘッドマント支持構造体に取り付けるように構成された、第2の接着剤とを含む。
【0105】
別の実施形態によれば、カバー構造体は、エアギャップによってディスプレイカバー層から分離されたポリマー層を含み、ポリマー層は、非アクティブ領域に重なる複合曲率を有する表面を有し、アクティブ領域に重なる可展面を有する。
【0106】
一実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスが提供され、ヘッドマントデバイスは、ヘッドマウント支持構造体と、ヘッドマウント支持構造体の後側にあるアイボックスに視覚コンテンツを提供するように構成された、ヘッドマウント支持構造体によって支持される後面ディスプレイと、ヘッドマウント支持構造体の前側に支持された公衆視認可能前面ディスプレイであって、画像を表示するように構成された画素を含むアクティブ領域を有し、かつアクティブ領域を囲む画素のないリング形状の非アクティブ領域を有する、公衆視認可能前面ディスプレイと、前面ディスプレイのためのディスプレイカバー層であって、アクティブ領域に重なり、リング形状の非アクティブ領域に重なる、ディスプレイカバー層と、非アクティブ領域においてディスプレイカバー層が重ねられ、かつアクティブ領域を取り囲む、リング形状シュラウド部材と、リング形状シュラウド部材が重なる光学構成要素と、を含む。
【0107】
別の実施形態によれば、光学構成要素は、フリッカセンサ及び周囲光センサを含む。
【0108】
別の実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスは、リング形状シュラウド部材に結合されたシュラウドキャノピーを含み、フリッカセンサ及び周囲光センサは、リング形状シュラウド部材内の開口部と位置合わせされ、シュラウドキャノピーによって覆われている。
【0109】
別の実施形態によれば、リング形状シュラウド部材及びシュラウドキャノピーは、光学構成要素と位置合わせされた貫通孔開口部を有する。
【0110】
他の実施形態によれば、光学構成要素はカメラを含む。
【0111】
別の実施形態によれば、光学構成要素は周囲光センサを含み、リング形状シュラウド部材は、それを通して周囲光センサが周囲光を測定するコーティングを有する凹部を有する。
【0112】
別の実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスは、リング形状シュラウド部材の一部の下にブラケットを含み、ディスプレイカバー層は鼻梁凹部を有し、光学構成要素のうちの第1の光学構成要素は、鼻梁凹部の一方の側でブラケットに取り付けられ、光学構成要素のうちの第2の光学構成要素は、鼻梁凹部の反対側でブラケットに取り付けられている。
【0113】
別の実施形態によれば、リング形状シュラウド部材は、ある波長で透明な部分を含み、光学構成要素は、リング形状シュラウド部材の部分を通過した波長の光を受ける光学構成要素を含む。
【0114】
別の実施形態によれば、リング形状シュラウド部材は、複合曲率を有する表面を有する。
【0115】
一実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスが提供され、ヘッドマウントデバイスは、ヘッドマウント支持構造体と、ヘッドマウント支持構造体の左側にある左レンズと、ヘッドマウント支持構造体の右側にある右レンズと、左レンズ及び右レンズを通して左アイボックス及び右アイボックスから視認可能なそれぞれの左後方画像及び右後方画像を提供するように構成された、左ディスプレイ及び右ディスプレイと、左ディスプレイ及び右ディスプレイから離れて面するヘッドマウント支持構造体上の公衆視認可能ディスプレイであって、公衆視認可能画像を表示するように構成された画素を有し、かつ画素を取り囲む非アクティブリング形状境界を有する、公衆視認可能ディスプレイと、公衆視認可能ディスプレイを覆うディスプレイカバー層と、画素に重なり、かつ画素とディスプレイカバー層との間にあるポリマー層と、を含む。
【0116】
別の実施形態によれば、ポリマー層は、エアギャップによって画素から分離されている。
【0117】
別の実施形態によれば、ディスプレイカバー層は、エアギャップによってポリマー層から分離されている。
【0118】
別の実施形態によれば、ディスプレイカバー層は、画素に重なる複合曲率の内面及び外面を有する。
【0119】
別の実施形態によれば、ポリマー層は、画素に重なる可展面を有する。
【0120】
別の実施形態によれば、ヘッドマウントデバイスは、非アクティブリング形状境界内に光学構成要素を含む。
【0121】
別の実施形態によれば、光学構成要素はカメラを含み、ディスプレイカバー層は非アクティブリング形状領域内に複合曲率を有する表面を有し、カメラは複合曲率の表面のそれぞれの部分を通して異なるそれぞれの方向において画像を捕捉するように構成されている。
【0122】
別の実施形態によれば、ポリマー層は、30~80%の可視光透過率を示すように構成されている。
【0123】
別の実施形態によれば、ポリマー層は、画素に重なるぼやけたコーティングを有する。
【0124】
上記は、単に例示に過ぎず、様々な修正を記載の実施形態に行ってもよい。上記の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。