(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-28
(45)【発行日】2025-05-09
(54)【発明の名称】物品配送システムおよび物品配送方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20250430BHJP
B64C 27/08 20230101ALI20250430BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20250430BHJP
B64D 1/12 20060101ALI20250430BHJP
B64D 45/08 20060101ALI20250430BHJP
【FI】
G06Q50/40
B64C27/08
B64C39/02
B64D1/12
B64D45/08
(21)【出願番号】P 2021142963
(22)【出願日】2021-09-02
【審査請求日】2024-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 雄大
(72)【発明者】
【氏名】糟谷 純一
(72)【発明者】
【氏名】中村 功大
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 廉
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-525756(JP,A)
【文献】特表2017-534101(JP,A)
【文献】国際公開第2019/146576(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/115446(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0130829(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B64C 27/08
B64C 39/02
B64D 1/12
B64D 45/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の配送指定位置を目的地として、前記物品を配送するドローンと、前記ドローンおよび前記物品の発注者が指定する端末装置との通信が可能な物品配送制御装置を含む物品配送システムであって、
前記物品の配送を受注したときに、前記端末装置に対して前記物品の配送コードを送信する通信制御部と、
前記ドローンが前記目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させる照射制御部と、
前記端末装置が前記通信制御部によって送信されることで取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致する場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの前記物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに前記物品のリリースを指示するドローン制御部と、
前記物品配送制御装置から前記物品のリリース操作の指示を示す情報を受信した場合、前記物品のリリース操作を行うよう制御するリリース制御部と、
を備え
、
前記ドローンは、飛行高度情報を取得する高度情報取得部を備え、
前記照射制御部は、前記物品の重量に基づき、前記光を照射する高度を変更する、物品配送システム。
【請求項2】
物品の配送指定位置を目的地として、前記物品を配送するドローンと、前記ドローンおよび前記物品の発注者が指定する端末装置との通信が可能な物品配送制御装置を含む物品配送システムであって、
前記物品の配送を受注したときに、前記端末装置に対して前記物品の配送コードを送信する通信制御部と、
前記ドローンが前記目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させる照射制御部と、
前記端末装置が前記通信制御部によって送信されることで取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致する場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの前記物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに前記物品のリリースを指示するドローン制御部と、
前記物品配送制御装置から前記物品のリリース操作の指示を示す情報を受信した場合、前記物品のリリース操作を行うよう制御するリリース制御部と、
を備え
、
前記ドローンは、飛行高度情報を取得する高度情報取得部を備え、
前記リリース制御部は、前記物品の重量に基づき、前記物品のリリース操作が有効となる高度を変更する、物品配送システム。
【請求項3】
物品の配送指定位置を目的地として、前記物品を配送するドローンと、前記ドローンおよび前記物品の発注者が指定する端末装置との通信が可能な物品配送制御装置を含む物品配送システムであって、
前記物品の配送を受注したときに、前記端末装置に対して前記物品の配送コードを送信する通信制御部と、
前記ドローンが前記目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させる照射制御部と、
前記端末装置が前記通信制御部によって送信されることで取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致する場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの前記物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに前記物品のリリースを指示するドローン制御部と、
前記物品配送制御装置から前記物品のリリース操作の指示を示す情報を受信した場合、前記物品のリリース操作を行うよう制御するリリース制御部と、
を備え
、
前記ドローン制御部は、前記端末装置が前記通信制御部によって送信されることで取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致する場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品の受け渡し位置の微調整の操作を許可し、
前記リリース制御部は、前記受け渡し位置の微調整の操作を示す情報を受信した場合、前記物品の受け渡し位置の微調整を行ってからリリース操作を行うよう制御する、物品配送システム。
【請求項4】
物品の配送指定位置を目的地として、前記物品を配送するドローンと、前記ドローンおよび前記物品の発注者が指定する端末装置との通信が可能な物品配送制御装置を含む物品配送システムの物品配送方法であって、
前記物品の配送を受注したときに、前記端末装置に対して前記物品の配送コードを送信する
送信ステップと、
前記ドローンが前記目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させる
照射ステップと、
前記端末装置が前記物品を発注したときに取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致する場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの前記物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに前記物品のリリースを指示する
リリース指示ステップと、
前記物品配送制御装置から前記物品のリリース操作の指示を示す情報を受信した場合、前記物品のリリース操作を行うよう制御する
リリース制御ステップと、
前記ドローンの飛行高度情報を取得する飛行高度取得ステップと、
を物品配送システムを動作させるコンピュータが実行する物品配送方法
であって、
前記照射ステップでは、前記物品の重量に基づき、前記光を照射する高度を変更する、
物品配送方法。
【請求項5】
物品の配送指定位置を目的地として、前記物品を配送するドローンと、前記ドローンおよび前記物品の発注者が指定する端末装置との通信が可能な物品配送制御装置を含む物品配送システムの物品配送方法であって、
前記物品の配送を受注したときに、前記端末装置に対して前記物品の配送コードを送信する
送信ステップと、
前記ドローンが前記目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させる
照射ステップと、
前記端末装置が前記物品を発注したときに取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致する場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの前記物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに前記物品のリリースを指示する
リリース指示ステップと、
前記物品配送制御装置から前記物品のリリース操作の指示を示す情報を受信した場合、前記物品のリリース操作を行うよう制御する
リリース制御ステップと、
前記ドローンの飛行高度情報を取得する飛行高度取得ステップと、
を物品配送システムを動作させるコンピュータが実行する物品配送方法
であって、
前記リリース制御ステップでは、前記物品の重量に基づき、前記物品のリリース操作が有効となる高度を変更する、
物品配送方法。
【請求項6】
物品の配送を発注する発注者が指定する端末装置と、前記物品の配送を行うドローンとの通信を制御する通信制御部と、
前記通信制御部による通信によって前記ドローンの動作を制御するドローン制御部と、を備え、
前記通信制御部は、前記物品の配送を受注したときに、前記物品の発注者が指定する前記端末装置に対して前記物品の配送指定位置情報を含む配送コードを送信し、
前記ドローン制御部は、前記物品を配送する前記ドローンが、前記物品の配送指定位置情報に基づいた目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させ、前記端末装置が前記通信制御部によって送信されることで取得した配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した配送コードとが一致することを示す情報を取得した場合、前記端末装置に前記ドローンによる物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに物品のリリース操作を指示する制御を行
い、
前記通信制御部は、前記ドローンの飛行高度情報を取得し、
前記ドローン制御部は、前記物品の重量に基づき、前記ドローンに前記光を照射する高度を変更させる、
物品配送制御装置。
【請求項7】
物品の配送を発注する発注者が指定する端末装置と、前記物品の配送を行うドローンとの通信を制御する通信制御部と、
前記通信制御部による通信によって前記ドローンの動作を制御するドローン制御部と、を備え、
前記通信制御部は、前記物品の配送を受注したときに、前記物品の発注者が指定する前記端末装置に対して前記物品の配送指定位置情報を含む配送コードを送信し、
前記ドローン制御部は、前記物品を配送する前記ドローンが、前記物品の配送指定位置情報に基づいた目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させ、前記端末装置が前記通信制御部によって送信されることで取得した配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した配送コードとが一致することを示す情報を取得した場合、前記端末装置に前記ドローンによる物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに物品のリリース操作を指示する制御を行い、
前記通信制御部は、前記ドローンの飛行高度情報を取得し、
前記ドローン制御部は、前記物品の重量に基づき、前記ドローンに前記物品のリリース操作が有効となる高度を変更させる、
物品配送制御装置。
【請求項8】
物品の配送を発注する発注者が指定する端末装置と、前記物品の配送を行うドローンとの通信を制御する通信制御部と、
前記通信制御部による通信によって前記ドローンの動作を制御するドローン制御部と、を備え、
前記通信制御部は、前記物品の配送を受注したときに、前記物品の発注者が指定する前記端末装置に対して前記物品の配送指定位置情報を含む配送コードを送信し、
前記ドローン制御部は、前記物品を配送する前記ドローンが、前記物品の配送指定位置情報に基づいた目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させ、前記端末装置が前記通信制御部によって送信されることで取得した配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した配送コードとが一致することを示す情報を取得した場合、前記端末装置に前記ドローンによる物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに物品のリリース操作を指示する制御を行
い、
前記ドローン制御部は、前記端末装置が前記通信制御部によって送信されることで取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致することを示す情報を取得した場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品の受け渡し位置の微調整の操作を許可し、前記端末装置から、前記受け渡し位置の微調整の操作を示す情報を受信した場合、前記ドローンに、前記物品の受け渡し位置の微調整を指示してする制御を行う、
物品配送制御装置。
【請求項9】
物品の配送を発注する発注者が指定する端末装置および前記物品の配送を行うドローンとの通信が可能な物品配送制御装置が実行する物品配送方法であって、
前記物品の配送を受注したときに、前記端末装置に対して前記物品の配送コードを送信する
送信ステップと、
前記ドローンが目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させる
照射ステップと、
前記端末装置が前記物品を発注したときに取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致することを示す情報を取得した場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの前記物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに前記物品のリリースを指示する
リリース指示ステップと、
前記ドローンの飛行高度情報を取得する飛行高度取得ステップと、
を含み、
前記照射ステップでは、前記物品の重量に基づき、前記ドローンに前記光を照射する高度を変更させる、
物品配送方法。
【請求項10】
物品の配送を発注する発注者が指定する端末装置および前記物品の配送を行うドローンとの通信が可能な物品配送制御装置が実行する物品配送方法であって、
前記物品の配送を受注したときに、前記端末装置に対して前記物品の配送コードを送信する
送信ステップと、
前記ドローンが目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させる
照射ステップと、
前記端末装置が前記物品を発注したときに取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致することを示す情報を取得した場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの前記物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに前記物品のリリースを指示する
リリース指示ステップと、
前記ドローンの飛行高度情報を取得する飛行高度取得ステップと、
を含み、
前記リリース指示ステップでは、前記物品の重量に基づき、前記ドローンに前記物品のリリース操作が有効となる高度を変更させる、
物品配送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品配送システムおよび物品配送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローンを使用して物品を配送することが開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2018-531174号公報
【文献】米国特許出願公開第2020/0094962号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、特許文献2に記載の技術では、ドローンを使用して物品を配送する場合、ドローンからリリースされた物品が意図せずに落下したり、または、物品が適切ではない場所に置かれたりするおそれがある。また、物品の耐衝撃性によっては、受け取り側が物品を人の手で確保したい場合もある。そこで、ドローンにおける物品のリリースを、物品を受け取る側が指定できることが望まれる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ドローンによって配送される物品を、受け取り側の意思に基づいて受け取ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る物品配送システムは、物品の配送指定位置を目的地として、前記物品を配送するドローンと、前記ドローンおよび前記物品の発注者が指定する端末装置との通信が可能な物品配送制御装置を含む物品配送システムであって、前記物品の配送を受注したときに、前記端末装置に対して前記物品の配送コードを送信する通信制御部と、前記ドローンが前記目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させる照射制御部と、前記端末装置が前記通信制御部によって送信されることで取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致する場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの前記物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに前記物品のリリースを指示するドローン制御部と、前記物品配送制御装置から前記物品のリリース操作の指示を示す情報を受信した場合、前記物品のリリース操作を行うよう制御するリリース制御部とを備える。
【0007】
本発明に係る物品配送方法は、物品の配送指定位置を目的地として、前記物品を配送するドローンと、前記ドローンおよび前記物品の発注者が指定する端末装置との通信が可能な物品配送制御装置を含む物品配送システムの物品配送方法であって、前記物品の配送を受注したときに、前記端末装置に対して前記物品の配送コードを送信するステップと、前記ドローンが前記目的地に到達したときに、前記配送コードを重畳させた光を前記ドローンから照射させるステップと、前記端末装置が前記物品を発注したときに取得した前記配送コードと、前記端末装置が前記ドローンから照射された光を受光して取得した前記配送コードとが一致する場合、前記端末装置に前記ドローンによる前記物品のリリース操作を許可し、前記端末装置からの前記物品のリリース操作を示す情報に基づき、前記ドローンに前記物品のリリースを指示するステップと、前記物品配送制御装置から前記物品のリリース操作の指示を示す情報を受信した場合、前記物品のリリース操作を行うよう制御するステップとを物品配送システムを動作させるコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドローンによって配送される物品を、受け取り側の意思に基づいて受け取ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る物品配送システムの概略図である。
【
図4】
図4は、物品配送制御装置のブロック図である。
【
図6】
図6は、表示画面に表示されたリリース指示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第一実施形態に係る物品配送システムの端末装置における発注処理の流れを示す図である。
【
図8】
図8は、第一実施形態に係る物品配送システムの物品配送制御装置における受注処理の流れを示す図である。
【
図9】
図9は、第一実施形態に係る物品配送システムの端末装置における受け渡し処理の流れを示す図である。
【
図10】
図10は、第一実施形態に係る物品配送システムの物品配送制御装置における受け渡し処理の流れを示す図である。
【
図11】
図11は、第一実施形態に係る物品配送システムのドローンにおける受け渡し処理の流れを示す図である。
【
図12】
図12は、第二実施形態に係るドローンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る物品配送システムおよび物品配送方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
[第一実施形態]
(物品配送システム)
図1は、第一実施形態に係る物品配送システム1の概略図である。物品配送システム1は、ドローン10を使用して物品を配送するシステムである。物品配送システム1は、目的地においてドローン10から物品をリリースする際に、受取人によって物品のリリースが制御される。物品配送システム1は、ドローン10と、物品配送制御装置50とを含む。本実施形態は、物品配送システム1は、ドローン10と、物品配送制御装置50と、端末装置70とを備える。ドローン10と物品配送制御装置50と端末装置70とは、ネットワークを介して情報を通信可能である。
【0012】
(ドローン)
図2は、ドローン10の概略図である。ドローン10は、飛行するための駆動部15、光無線通信を行うための光源部14および物品を保持した状態からリリースするためのリリース機構16を備える。
図2においては、物品100が保持されている状態を示す。ドローン10は、物品を目的地へ配達する無人で飛行する飛行体である。ドローン10は、物品の配送指定位置を示す配送指定位置情報を目的地として、物品を配送する。ドローン10は、例えば、目的地まで自律飛行してもよい。ドローン10は、操縦者がリモートコントローラを介して操縦することにより目的地まで飛行してもよい。ドローン10は、自律飛行と操縦者による操縦とを組み合わせて目的地まで飛行してもよい。以下の説明では、ドローン10は、目的地まで自律飛行するものとして説明する。
【0013】
ドローン10は、本体に物品を保持した状態で目的地まで飛行する。物品は、例えば、本体から延びるアームによって保持される。ドローン10が物品を保持する方法は公知の方法を使用可能であり、限定されない。ドローン10は、目的地に到達すると、受取人が使用する端末装置70によって制御されて物品をリリースする。
【0014】
物品は、例えば、配送元または配送会社の事業所などから目的地までドローン10によって運搬されてもよい。物品は、例えば、配送会社の事業所から目的地の数km程度手前までは車両で運搬され、そこから目的地まではドローン10によって運搬されてもよい。
【0015】
図3は、ドローン10のブロック図である。ドローン10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部11と、カメラ13と、光源部14と、駆動部15と、リリース機構16と、通信部19と、制御部20とを備える。ドローン10は、通信制御部29が制御する通信部19を用い、ネットワークを介して物品配送制御装置50と情報を通信可能である。
【0016】
GNSS受信部11は、GNNS衛星からのGNSS信号を受信する。GNSS受信部11は、受信したGNSS信号を制御部20の位置情報取得部21に出力する。GNSS受信部11は、例えば、GNSS信号を受信可能なGNSS受信回路およびアンテナなどで構成されている。
【0017】
カメラ13は、ドローン10の周辺の映像を撮影するカメラである。カメラ13は、目的地の周辺の画像を撮影する。本実施形態では、カメラ13は、ドローン10の自律飛行の制御に使用する映像を撮影する。カメラ13は、ドローン10に搭載されている。カメラ13は、例えば、ドローン10の本体に下向きに配置されている。カメラ13は、例えば、ドローン10が飛行を開始してから飛行を終了するまでの間、常時撮影を行う。カメラ13は、撮影した映像を制御部20の映像取得部23へ出力する。
【0018】
光源部14は、光無線通信を行う光源である。光源部14は、例えば、LED(Light Emitting Diode)光の光源である。光源部14は、ドローン10から光を照射する光源である。より詳しくは、光源部14は、配送コードを重畳させた光(以下、「配送コード重畳光」という。)を照射する。本実施形態では、光源部14は、通信制御部29を介して物品配送制御装置50から受信した配送コード重畳光を照射する。光源部14は、ドローン10の周囲且つ水平方向より下方に向けて光を照射する。光源部14は、例えば、LEDの光源から発した光に、配送コードを、例えば4ビットや8ビットなどの信号でコード化する。また、光源部14は、LEDの光を例えば100HzのPWM(Pulse Width Modulation)調光を行っている場合、調光のパルスに配送コードを重畳させる。配送コード重畳光には、配送コードが含まれている光であることを示すヘッダ情報が含まれていてもよい。
【0019】
配送コードは、物品の発注を一意に特定するコードであり、物品の配送指定位置を示す配送指定位置情報を含んでもよい。配送指定位置は、例えば、緯度経度で示される。配送コードは、例えば、受取人および配送日時の少なくともいずれかを示す情報を含んでもよい。配送コードは、例えば、物品の重量、大きさ、および、物品の種類などを含んでもよい。配送指定位置は、ドローン10の目的地である。
【0020】
駆動部15は、ドローン10を飛行させるモータである。駆動部15は、例えば、ドローン10のプロペラの回転を制御するモータである。駆動部15は、制御部20の駆動制御部27からの制御信号によって回転が制御される。駆動部15の回転が制御されることによって、ドローン10が離着陸、前進、旋回、上昇、下降およびホバリングなどの各種飛行動作を行う。
【0021】
リリース機構16は、ドローン10の物品を保持した保持部を動作させるアクチュエータまたはモータなどを含む駆動機構である。リリース機構16は、例えば、ドローン10の物品を保持するアームを動作させるアクチュエータである。リリース機構16は、制御部20のリリース制御部28からの制御信号によって制御される。リリース機構16が制御されることによって、物品の保持とリリースとが切り替えられる。
【0022】
通信部19は、広域の無線通信を行う通信部である。通信部19は、例えば、ネットワークを介して、物品配送制御装置50と情報の通信を行う。ネットワークは、例えば、インターネット網であるが、これに限定されない。通信部19は、例えば、携帯電話網用の広域無線通信モジュールで構成されている。通信部19は、Wi-Fi(登録商標)などの通信モジュールで構成され、任意のアクセスポイントや他のスマートフォンなどと接続して広域の無線通信を実現してもよい。
【0023】
(制御部)
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部20は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部20には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部20におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部20は、ドローン10を制御する。制御部20は、位置情報取得部21と、映像取得部23と、物品重量取得部24と、照射制御部25と、自律飛行制御部26と、駆動制御部27と、リリース制御部28と、通信制御部29と、記憶部31とを有する。
【0024】
位置情報取得部21は、GNSS受信部11が受信した電波に基づいて、ドローン10の現在の位置情報を公知の方法によって算出する。
【0025】
映像取得部23は、カメラ13が撮影した映像を取得する。映像取得部23は、取得した映像を照射制御部25および自律飛行制御部26へ出力する。映像取得部23は、取得した映像を、図示しない記憶装置に保存したり、配送会社の遠隔監視施設など外部の装置へ出力したりしてもよい。
【0026】
物品重量取得部24は、ドローン10が保持する物品の重量を取得する。物品重量取得部24は、例えば、リリース機構16の周辺に配置された図示しない重量センサから物品の重量を取得してもよい。物品重量取得部24は、例えば、配送会社から配送コードとともに物品の重量を取得してもよい。
【0027】
照射制御部25は、ドローン10から光を照射させる。より詳しくは、照射制御部25は、ドローン10が目的地に到達したときに、物品配送制御装置50から通信制御部29を介して取得した配送コード重畳光をドローン10の光源部14から照射させる。
【0028】
照射制御部25は、ドローン10が目的地に到達し、かつ、カメラ13が撮影した映像に画像処理を行って、端末装置70や人物を認識したときに、配送コード重畳光をドローン10から照射させてもよい。映像から端末装置70や人物などの物体を認識する処理は、公知の技術を使用可能であり限定されない。
【0029】
自律飛行制御部26は、位置情報取得部21によって取得されるドローン10の現在位置の位置情報に基づいて、物品の配送指定位置を目的地として自律飛行するように制御する。より詳しくは、自律飛行制御部26は、物品配送制御装置50から配送指示を示す情報を受信したとき、目的地への自律飛行を開始する。まず、自律飛行制御部26は、例えば、物品配送制御装置50から通信制御部29を介して取得した配送コードから物品の配送指定位置を取得する。自律飛行制御部26は、例えば、図示しない地図情報に基づいて現在位置から目的地までの飛行経路を探索する。自律飛行制御部26は、探索した飛行経路に沿って、ドローン10が目的地まで自律飛行するように駆動制御部27に対して制御信号を出力する。自律飛行制御部26は、例えば、探索した飛行経路および飛行高度を含む制御信号を駆動制御部27に対して出力する。
【0030】
自律飛行制御部26は、ドローン10が目的地に到達した場合、受け渡し可能条件を満たすことを示す情報を、通信制御部29を介して物品配送制御装置50に送信する。より詳しくは、自律飛行制御部26は、ドローン10の現在位置と配送指定位置とに基づいて、受け渡し可能条件を満たすか否かを判定する。自律飛行制御部26は、位置情報取得部21が取得した位置情報と、配送指定位置情報とに基づいて、ドローン10の位置情報が目的地の緯度経度を示す配送指定位置情報と一致する場合、ドローン10が目的地に到達した、言い換えると、受け渡し可能条件を満たすと判定する。
【0031】
自律飛行制御部26は、位置情報に加えて映像取得部23が取得した映像に基づいて、目的地まで自律飛行するように制御してもよい。自律飛行制御部26は、例えば、映像に画像処理を行って、ドローン10の進路上に障害物が認識された場合、障害物を回避させるように制御する制御信号を出力する。自律飛行制御部26は、例えば、映像から障害物が認識された場合、ドローン10を旋回、上昇または下降させるように制御する制御信号を出力する。
【0032】
本実施形態では、自律飛行制御部26は、目的地の周囲において端末装置70を発見するように、ドローン10を旋回しながらゆっくり飛行させてもよい。より詳しくは、自律飛行制御部26は、ドローン10が目的地に到達したと判定される場合、目的地の周囲を、ドローン10が旋回しながらゆっくり飛行するよう制御する制御信号を出力する。
【0033】
本実施形態では、自律飛行制御部26は、目的地において端末装置70に対して配送コード重畳光を照射させるために、ドローン10をホバリングまたは地上1~3メートル程度まで下降させてもよい。また、自律飛行制御部26は、映像取得部23が取得した映像に画像処理を行って、端末装置70を認識したと判定される場合、ドローン10を端末装置70の上空でホバリングさせる制御信号または端末装置70から1m程度の高さまで下降させる制御信号を出力する。
【0034】
本実施形態では、自律飛行制御部26は、物品配送制御装置50から通信制御部29を介して端末装置70からの操作情報を取得した場合、ドローン10による自律飛行の制御に、端末装置70からの操作情報を加えた制御を行う。
【0035】
駆動制御部27は、駆動部15を制御する制御信号を出力する。より詳しくは、駆動制御部27は、ドローン10のプロペラの回転を制御する制御信号を出力する。駆動制御部27は、自律飛行制御部26からの制御信号に基づいて、目的地の住所の緯度経度を示す位置情報まで自律飛行などが行われるように駆動部15を制御する。
【0036】
本実施形態では、駆動制御部27は、ドローン10を目的地まで飛行させる。より詳しくは、駆動制御部27は、自律飛行制御部26からの制御信号に基づいて、駆動部15に対して、ドローン10を目的地まで飛行させる制御信号を出力する。駆動制御部27は、自律飛行制御部26からの制御信号に基づいて、駆動部15に対して、ドローン10を旋回、上昇または下降させるように制御する制御信号を出力する。
【0037】
または、本実施形態では、駆動制御部27は、自律飛行制御部26からの制御信号に基づいて、目的地の周囲において、端末装置70が配送コード重畳光を受光しやすくなるように、ドローン10を旋回しながらゆっくり飛行させる。より詳しくは、駆動制御部27は、自律飛行制御部26からの制御信号に基づいて、駆動部15に対して、目的地の周囲を、ドローン10が旋回しながらゆっくり飛行するよう制御する制御信号を出力する。
【0038】
本実施形態では、駆動制御部27は、自律飛行制御部26からの制御信号に基づいて、目的地において端末装置70に対して配送コード重畳光を照射させるために、ドローン10をホバリングさせる。より詳しくは、駆動制御部27は、自律飛行制御部26からの制御信号に基づいて、駆動部15に対して、ドローン10を端末装置70の上空でホバリングさせる制御信号または下降させる制御信号を出力する。
【0039】
リリース制御部28は、ドローン10が目的地まで飛行する間、リリース機構16に物品を保持させる。リリース制御部28は、端末装置70から物品配送制御装置50を介して物品のリリース操作を指示する操作情報を受信した場合、物品のリリース操作を行うように制御する。
【0040】
リリース制御部28は、物品配送制御装置50から通信制御部29を介して端末装置70からのリリース操作の操作情報を取得した場合、リリース機構16を制御する制御信号を出力する。より詳しくは、リリース制御部28は、物品配送制御装置50から通信制御部29を介して端末装置70からのリリース操作の操作情報を取得した場合、例えば、ドローン10の物品を保持するアームを動作させるアクチュエータに対して、物品の保持とリリースとが切り替える制御信号を出力する。本実施形態では、リリース制御部28は、物品配送制御装置50から通信制御部29を介して端末装置70からのリリース操作の操作情報を取得した場合、リリース機構16に対して物品をリリースする制御信号を出力する。リリース制御部28は、例えば、ドローン10の物品を保持するアームを動作させるアクチュエータに対して、物品をリリースさせる制御信号を出力する。
【0041】
リリース制御部28は、端末装置70から物品の受け渡し位置の微調整の操作を示す操作情報を受信した場合、物品の受け渡し位置の微調整を行ってからリリース操作を行うように制御する。
【0042】
通信制御部29は、通信部19を制御して、物品配送制御装置50との通信を制御する。本実施形態では、通信制御部29は、物品配送制御装置50から配送コードを受信する。通信制御部29は、物品の配送準備が完了したとき、物品配送制御装置50へ配送準備が完了したことを示す配送準備完了情報を送信する。通信制御部29は、物品配送制御装置50から配送指示を示す情報を受信する。通信制御部29は、物品配送制御装置50へ受け渡し可能条件を満たすことを示す情報を送信する。通信制御部29は、物品配送制御装置50から端末装置70において入力された操作情報、例えば、リリース操作の指示を示す操作情報を受信する。
【0043】
記憶部31は、制御部20で使用するプログラムおよびデータなどを記憶する記憶装置である。記憶部31は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリのうち少なくとも1つが用いられる。
【0044】
(物品配送制御装置)
図4は、物品配送制御装置50のブロック図である。物品配送制御装置50は、電子商取引を行う事業者や、物品配送事業者が管理または利用するサーバ装置などであり、複数のサーバ装置で構成されてもよい。物品配送制御装置50は、ネットワークを介してドローン10と端末装置70と情報を通信可能である。物品配送制御装置50は、物品配送の受注処理と物品の受け渡し処理とを行う。物品配送制御装置50は、通信部59と、制御部60とを有する。
【0045】
通信部59は、広域の無線通信を行う通信部である。通信部59は、例えば、ネットワークを介して、ドローン10および端末装置70と情報の通信を行う。ネットワークは、例えば、インターネット網であるが、これに限定されない。通信部59は、例えば、携帯電話網用の広域無線通信モジュールで構成されている。通信部59は、Wi-Fiなどの通信モジュールで構成され、任意のアクセスポイントや他のスマートフォンなどと接続して広域の無線通信を実現してもよい。
【0046】
(制御部)
制御部60は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部60は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部60には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部60におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部60は、物品配送制御装置50を制御する。制御部60は、受注処理部61と、配送コード生成部62と、ドローン制御部63と、記憶部68と、通信制御部69とを有する。
【0047】
受注処理部61は、例えば、端末装置70または外部の装置などから物品の配送を受注する。受注処理部61は、受注時に、端末装置70または外部の装置などから物品の配送指定位置を示す配送指定位置情報を取得する。受注処理部61は、受注時に、端末装置70または外部の装置などから、例えば、物品の受取人、配送日時、物品の重量、大きさ、および、物品の種類の少なくともいずれかを示す情報を配送指定位置情報とともに取得してもよい。
【0048】
配送コード生成部62は、受注処理部61による物品の配送の受注後、配送コードを生成する。配送コード生成部62によって生成された配送コードは、通信制御部69を介して物品の配送を行うドローン10および物品の発注者が指定する端末装置70へ送信される。
【0049】
ドローン制御部63は、物品の配送の開始時、配送指定したドローン10に配送指示を示す情報を出力する。
【0050】
ドローン制御部63は、物品の受け渡し時に、通信制御部69を介して、端末装置70に受け渡し可能であることを示す受け渡し可能通知を送信する。ドローン制御部63は、通信制御部69を介して、ドローン10から受け渡し可能条件を満たすことを示す情報を受信した場合、端末装置70に受け渡し可能通知を送信する。
【0051】
ドローン制御部63は、物品の受け渡し時に、端末装置70にリリース権を付与する。本実施形態では、ドローン制御部63は、端末装置70が通信制御部69によって送信されることで取得した配送コードと、端末装置70がドローン10から照射された光を受光して取得した配送コードとが一致する場合、端末装置70にドローン10による物品のリリース操作を許可し、端末装置70からの物品のリリース操作を示す情報に基づき、ドローン10に物品のリリースを指示する。より詳しくは、ドローン制御部63は、端末装置70から取得した、端末装置70が物品配送制御装置50から取得した配送コードと、端末装置70がドローン10の照射制御部25が照射させた光を受光制御部81を介して受光して取得した配送コードとが一致する場合、端末装置70に物品のリリース権を付与することを示すリリース操作許可情報を送信する。ドローン制御部63は、端末装置70から取得した、2つの配送コードが一致する場合、端末装置70にリリース操作許可情報を送信する。
【0052】
ドローン制御部63は、端末装置70に、物品のリリース権に加えてドローン10の位置微調整権を付与してもよい。本実施形態では、ドローン制御部63は、端末装置70が通信制御部69によって送信されることで取得した配送コードと、端末装置70がドローン10から照射された光を受光して取得した配送コードとが一致する場合、端末装置70にドローン10による物品の受け渡し位置の微調整の操作を許可する。
【0053】
ドローン制御部63は、物品の配送を行うドローン10に対して、ドローン10を制御する制御信号を送信する。ドローン制御部63は、端末装置70から通信制御部69を介して操作情報を受信した場合、通信制御部69を介してドローン10へ操作情報を送信する。
【0054】
ドローン制御部63は、規定条件でのリリース操作の指示を示す情報を、通信制御部69を介してドローン10へ送信してもよい。
【0055】
規定条件とは、予め定められたリリース操作を行う条件であり、例えば、物品の受取人への手渡しが指定されていない場合などにおいて、ドローン10が目的地である配送指定位置に到着し、目的地におけるドローン10の高度が、例えば、地上50cmとなった場合に、物品をリリースする条件などである。
【0056】
記憶部68は、制御部60で使用するプログラムおよびデータなどを記憶する記憶装置である。記憶部68は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスクのうち少なくとも1つが用いられる。
【0057】
通信制御部69は、通信部59を制御して、ドローン10および端末装置70との通信を制御する。より詳しくは、本実施形態では、通信制御部69は、受注処理部61による物品の配送の受注時、端末装置70または外部の装置から、配送指定位置情報および各種情報を取得する。
【0058】
物品の配送の受注時に、通信制御部69が行う処理について説明する。通信制御部69は、受注処理部61による物品の配送を受注したとき、または受注後、物品の発注者が指定する端末装置70に配送コードを送信する。物品の発注者が指定する端末装置70は、物品の発注が行われた端末装置であってもよい。通信制御部69は、受注処理部61による物品の配送を受注したとき、または受注後、配送指定したドローン10に配送コードを送信する。
【0059】
物品の配送時に、通信制御部69が行う処理について説明する。通信制御部69は、配送指定したドローン10から配送準備完了情報を受信する。通信制御部69は、配送指定したドローン10へ配送指示を示す情報を送信する。通信制御部69は、ドローン10から受け渡し可能条件を満たすことを示す情報を受信する。通信制御部69は、ドローン10から受け渡し可能条件を満たすことを示す情報を受信した場合、端末装置70に受け渡し可能通知を送信する。通信制御部69は、端末装置70から、端末装置70が物品配送制御装置50から取得した配送コードと、端末装置70がドローン10の照射制御部25が照射させた光を受光制御部81を介して受光して取得した配送コードとが一致する、または一致しないことを示す情報を受信する。通信制御部69は、端末装置70に物品のリリース権を付与することを示すリリース操作許可情報を送信する。通信制御部69は、端末装置70から操作情報として、例えば、リリース操作の指示を受信する。通信制御部69は、ドローン制御部63からの操作情報として、例えば、リリース操作の指示を示す操作情報をドローン10へ送信する。通信制御部69は、物品の受け渡し処理が終了すると、配送完了通知を端末装置70に送信する。
【0060】
(端末装置)
図5は、端末装置70のブロック図である。より詳しくは、端末装置70は、物品を目的地で受け取る受取人が操作する端末装置である。端末装置70は、例えば、スマートフォンのような携帯用電子機器である。端末装置70は、物品の受け渡し可能通知を受信すると、物品の受け取りが可能になる。端末装置70は、物品の受け取り時に、ドローン10を操作可能である。より詳しくは、端末装置70には、物品の受け取り時に、物品のリリース権が付与される。本実施形態では、端末装置70には、物品のリリース権に加えて、ドローン10の位置微調整権が付与されてもよい。端末装置70は、ネットワークを介して物品配送制御装置50と情報を通信可能である。端末装置70は、受光部71と、表示部72と、操作部73と、通信部79と、制御部80とを備える。
【0061】
受光部71は、光無線通信の受光部である。受光部71は、例えば、LED光を受光する。受光部71は、ドローン10から照射された光を受光する。より詳しくは、受光部71は、配送コード重畳光を受光する。受光部71は、端末装置70が備えるカメラであってもよい。
【0062】
表示部72は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部72は、制御部80の表示制御部82から出力された映像信号に基づいて、映像を表示する。表示部72は、例えば、物品のリリース権が付与された場合、ドローン10のリリース指示画面などを表示する。
【0063】
図6は、表示画面に表示されたリリース指示画面110の一例を示す図である。
図6に示すリリース指示画面は、ドローン10の位置を微調整可能である。リリース指示画面110には、例えば、ドローン10の水平面内の位置の微調整を操作する水平矢印画像111と、上下方向の位置の微調整を操作する上下矢印画像112と、物品のリリースを操作するリリースボタン画像113とを含む。水平矢印画像111は、東西南北を指す矢印の画像である。ドローン10を水平方向の所定方向へ移動させる場合、水平矢印画像111において移動方向をタッチ操作する。上下矢印画像112は、上下を指す矢印の画像である。ドローン10を上下方向へ移動させる場合、上下矢印画像112における移動方向をタッチ操作する。ドローン10から物品をリリースさせる場合、リリースボタン画像113をタッチ操作する。
【0064】
操作部73は、例えば、物品のリリース権が付与された場合、表示部72に備えられているタッチパネルである操作部73は、ドローン10を遠隔操作する各種操作を受付可能である。操作部73は、例えば、ドローン10を水平方向の所定方向へ移動させる操作を受付可能である。操作部73は、例えば、ドローン10を上下方向へ移動させる操作を受付可能である。操作部73は、例えば、ドローン10から物品をリリースさせる操作を受付可能である。操作部73は、操作情報を制御部80の操作制御部83に出力する。
【0065】
物品の受取人は、表示部72に表示されたリリース指示画面を介してドローン10を操作して物品の置き場上に移動させて、物品をリリースするよう操作する。
【0066】
端末装置70によるドローン10の調整範囲は、例えば、水平方向に1m未満、上下方向に1m未満など限定される。当然、ドローン10のカメラ13や図示しない高度センサなどによる衝突防止が優先される。
【0067】
通信部79は、広域の無線通信を行う通信部である。通信部79は、例えば、ネットワークを介して、物品配送制御装置50と情報の通信を行う。ネットワークは、例えば、インターネット網であるが、これに限定されない。通信部79は、例えば、携帯電話網用の広域無線通信モジュールで構成されている。通信部79は、Wi-Fiなどの通信モジュールで構成され、任意のアクセスポイントや他のスマートフォンなどと接続して広域の無線通信を実現してもよい。
【0068】
(制御部)
制御部80は、例えば、CPUなどで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部80は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部80には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部80におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部80は、端末装置70を制御する。制御部80は、受光制御部81と、表示制御部82と、操作制御部83と、記憶部88と、通信制御部89とを有する。
【0069】
受光制御部81は、受光部71に、ドローン10から照射される光を受光させる。より詳しくは、受光制御部81は、受光部71に、配送コード重畳光をドローン10から受光させる。受光制御部81は、受光部71が受光した配送コード重畳光から配送コードを取得する。
【0070】
表示制御部82は、表示部72における映像の表示部72への表示を制御する。表示制御部82は、映像を表示部72に出力させる映像信号を出力する。より詳しくは、表示制御部82は、物品の配送の発注時、発注処理を行う画面の画像を表示する映像信号を出力する。
【0071】
表示制御部82は、表示制御部82は、物品のリリース権が付与された場合、ドローン10からの物品のリリースを指示するリリース指示画面を表示部72に表示する映像信号を出力する。表示制御部82は、物品配送制御装置50から取得した配送コードと、ドローン10の照射制御部25が照射させた光を受光制御部81を介して受光して取得した配送コードとが一致する場合、物品のリリース権が付与されて、物品のリリースを指示するリリース指示画面を表示する映像信号を出力する。本実施形態では、表示制御部82は、物品配送制御装置50から物品のリリース権が付与された場合、物品のリリースを指示するリリース指示画面を表示する映像信号を出力する。
【0072】
表示制御部82は、物品配送制御装置50から取得した配送コードと、ドローン10の照射制御部25が照射させた光を受光制御部81を介して受光して取得した配送コードとが一致する場合、ドローン10の位置微調整権が付与されて、位置を微調整するリリース指示画面を表示部72に表示する映像信号を出力してもよい。本実施形態では、表示制御部82は、物品配送制御装置50からドローン10の位置微調整権が付与された場合、ドローン10の位置を微調整可能なリリース指示画面を表示する映像信号を出力してもよい。
【0073】
操作制御部83は、物品の配送の発注時、発注処理を行う操作を受け付ける。本実施形態では、操作制御部83は、例えば、配送指定位置情報および各種情報を入力する操作を受け付ける。
【0074】
操作制御部83は、物品配送制御装置50から取得した配送コードと、ドローン10の照射制御部25が照射させた光を受光制御部81を介して受光して取得した配送コードとが一致する場合、端末装置70においてドローン10による物品のリリース操作を指示する操作を受け付ける。本実施形態では、操作制御部83は、物品配送制御装置50から物品のリリース権が付与された場合、端末装置70においてドローン10による物品のリリース操作を指示する操作を受け付ける。
【0075】
本実施形態では、操作制御部83は、物品配送制御装置50からドローン10の位置微調整権が付与された場合、位置を微調整の操作を示す操作情報を取得してもよい。より詳しくは、操作制御部83は、例えば、物品のリリース位置までドローン10の移動させるための水平面内の微調整の操作、および、上下方向の微調整の操作を示す操作情報を取得して制御信号を出力してもよい。
【0076】
操作制御部83は、取得した操作情報を制御信号として出力する。操作制御部83が取得した操作情報は、端末装置70から物品配送制御装置50へ出力される。
【0077】
記憶部88は、制御部80で使用するプログラムおよびデータなどを記憶する記憶装置である。記憶部88は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリのうち少なくとも1つが用いられる。
【0078】
通信制御部89は、通信部79を制御して、物品配送制御装置50との通信を制御する。本実施形態では、通信制御部89は、物品の配送の発注時、物品配送制御装置50へ配送指定位置情報および物品情報などの各種情報を送信する。通信制御部89は、物品配送制御装置50から配送コードを受信する。通信制御部89は、物品配送制御装置50へ、物品配送制御装置50から取得した配送コードと、ドローン10の照射制御部25が照射させた光を受光制御部81を介して受光して取得した配送コードとが一致した場合、一致したことを示す情報を送信する。通信制御部89は、物品配送制御装置50から受け渡し可能通知を受信する。通信制御部89は、物品配送制御装置50からリリース操作許可情報を受信する。通信制御部89は、操作制御部83によって取得された操作情報を物品配送制御装置50へ送信する。通信制御部89は、例えば、操作制御部83によって取得された操作情報を物品配送制御装置50へ送信する。通信制御部89は、例えば、リリース操作の指示を示す操作情報を物品配送制御装置50へ送信する。通信制御部89は、例えば、微調整の操作を示す操作情報を物品配送制御装置50へ送信する。通信制御部89は、物品の受け渡し処理が終了すると、配送完了通知を物品配送制御装置50から受信する。
【0079】
(物品配送システムにおける情報処理)
次に、
図7ないし
図11を用いて、物品配送システム1における情報処理について説明する。まず、
図7および
図8を用いて、物品の発注処理および受注処理について説明する。
図7は、第一実施形態に係る物品配送システム1の物品配送制御装置50に対し、物品の発注を行う端末装置70における発注処理の流れを示す図である。
【0080】
端末装置70は、物品の配送を発注する(ステップS101)。より詳しくは、制御部80は、表示制御部82によって、発注処理を行う画面の画像を表示部72に表示する。制御部80は、操作制御部83によって、発注処理を行う操作を受け付ける。制御部80は、操作制御部83によって、例えば、配送指定位置情報および各種情報を入力する操作を受け付ける。制御部80は、通信制御部89によって、物品の配送の発注時、物品配送制御装置50へ配送指定位置情報および物品情報などの各種情報を送信する。制御部80は、ステップS102へ進む。
【0081】
端末装置70は、ステップS101で行った発注を受け付けた物品配送制御装置50から配送コードを受信し、記憶する(ステップS102)。より詳しくは、端末装置70は、物品配送制御装置50から、発注内容を一意に特定できる配送コードを受信する。
【0082】
図8は、第一実施形態に係る物品配送システム1の物品配送制御装置50における受注処理の流れを示す図である。
【0083】
制御部60は、受注が行われたか否かを判定する(ステップS201)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、端末装置70から配送指定位置情報および物品情報などの各種情報を取得したか否かを判定する。制御部60は、端末装置70から配送指定位置情報および物品情報などの各種情報を取得した場合など、オンラインでの受注処理などが行われた場合、受注ありと判定する。制御部60は、受注ありと判定した場合(ステップS201でYes)、ステップS202へ進む。制御部60は、受注ありと判定しない場合(ステップS201でNo)、処理を終了する。
【0084】
制御部60は、受注が行われた場合(ステップS201でYes)、配送コードを発注者の端末装置70に送信する(ステップS202)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、発注者の端末装置70へ配送コードを送信する。制御部60は、ステップS203へ進む。
【0085】
制御部60は、目的地情報および配送コードを配送指定したドローン10に送信する(ステップS203)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、配送指定したドローン10に配送コードを送信する。制御部60は、ステップS204へ進む。
【0086】
制御部60は、配送準備完了情報を取得したか否かを判定する(ステップS204)。制御部60は、通信制御部69によって、配送指定したドローン10から配送準備完了情報を受信したか否かを判定する。配送準備完了とは、ドローン10に配送する物品が保持され、配送が可能となった状態である。制御部60は、配送準備完了情報を取得したと判定する場合(ステップS204でYes)、ステップS205へ進む。制御部60は、配送準備完了情報を取得したと判定しない場合(ステップS204でNo)、ステップS204の処理を再度実行する。
【0087】
制御部60は、配送指定したドローン10の配送準備が完了した場合に、配送指示を行う(ステップS205)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、配送指定したドローン10へ配送指示を示す情報を送信する。配送指示とは、ドローン10が目的地まで飛行を開始する指示である。
【0088】
つづいて、
図9ないし
図11を用いて、受け渡し処理について説明する。
図9は、第一実施形態に係る物品配送システム1の物品配送制御装置50に対し、物品の発注を行った端末装置70における受け渡し処理の流れを示す図である。
【0089】
制御部80は、受け渡し可能通知を受信する(ステップS111)。より詳しくは、制御部80は、通信制御部89によって、物品配送制御装置50から受け渡し可能通知を受信する。受け渡し可能通知は、ドローン10が目的地または目的地付近に到着したときに、物品配送制御装置50から端末装置70に送信される。端末装置70のユーザは、受け渡し可能通知が受信されると、ドローン10の目的地である配送指定位置においてドローン10を確認し、端末装置70が配送コード重畳光を受光できるように、端末装置70をドローン10に向ける。受け渡し可能通知には、ドローン10が配送指定位置に到着した、または近傍まで来たことを示す通知に加えて、配送コード重畳光の受光要求を示す通知が含まれていてもよい。制御部80は、ステップS112へ進む。
【0090】
制御部80は、配送コード重畳光を受光したか否かを判定する(ステップS112)。より詳しくは、制御部80は、受光制御部81によって受光した光に配送コードが含まれていることを確認し、配送コードが含まれている場合に、配送コード重畳光を受光したと判定する。制御部80は、ステップS113へ進む。
【0091】
制御部80は、配送コードを取得し、送信する(ステップS113)。より詳しくは、制御部80は、受光制御部81によって、受光した配送コード重畳光にコード化されているデコードすることで配送コードを取得する。制御部80は、配送コード重畳光から配送コードを取得した後、物品配送制御装置50から送信された配送コードとの対比を行い、一致しているか否かを判定する。制御部80は、通信制御部89によって、物品配送制御装置50へ、物品配送制御装置50から取得した配送コードと、ドローン10の照射制御部25が照射させた光を受光して取得した配送コードとが一致している場合に、一致していることを示す情報を送信する。制御部80は、ステップS114へ進む。
【0092】
制御部80は、リリース指示画面を表示する(ステップS114)。より詳しくは、制御部80は、表示制御部82によって、ドローン10からの物品のリリース操作を指示するリリース指示画面を表示部72に表示する映像信号を出力する。制御部80は、物品配送制御装置50から取得した配送コードと、ドローン10の照射制御部25が照射させた光を受光して取得した配送コードとが一致していない場合は、リリース指示画面を表示しない。制御部80は、ステップS115へ進む。
【0093】
制御部80は、リリース操作が実行されたか否かを判定する(ステップS115)。より詳しくは、制御部80は、操作制御部83によって、ドローン10による物品のリリース操作を支持する操作を受け付けた場合、リリース操作が実行されたと判定する。制御部80は、リリース操作実行されたと判定する場合(ステップS115でYes)、ステップS116へ進む。制御部80は、リリース操作が実行されたと判定しない場合(ステップS115でNo)、ステップS115の処理を再度実行する。
【0094】
制御部80は、リリース操作の指示を送信する(ステップS116)。より詳しくは、制御部80は、通信制御部89によって、例えば、リリース操作の指示を示す操作情報を物品配送制御装置50へ送信する。制御部80は、ステップS117へ進む。
【0095】
制御部80は、配送完了通知を受信する(ステップS117)。より詳しくは、制御部80は、通信制御部89によって、配送完了通知を物品配送制御装置50から受信する。
【0096】
図10は、第一実施形態に係る物品配送システム1の物品配送制御装置50における受け渡し処理の流れを示す図である。
【0097】
制御部60は、ドローン10の位置情報は受け渡し可能条件を満たすか否かを判定する(ステップS211)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、ドローン10から受け渡し可能条件を満たすことを示す情報を受信した場合、受け渡し可能条件を満たすと判定する。制御部60は、受け渡し可能条件を満たすと判定する場合(ステップS211でYes)、ステップS212へ進む。
【0098】
制御部60は、受け渡し可能通知を送信する(ステップS212)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、端末装置70に受け渡し可能通知を送信する。制御部60は、ステップS213へ進む。
【0099】
制御部60は、配送コードが一致することを示す情報を受信する(ステップS213)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、端末装置70から、端末装置70が物品配送制御装置50から取得した配送コードと、端末装置70がドローン10の照射制御部25が照射させた光を受光制御部81を介して受光して取得した配送コードとが一致することを示す情報を受信する。制御部60は、ステップS214へ進む。ステップS213においては、端末装置70から、端末装置70が物品配送制御装置50から取得した配送コードと、ドローン10が照射した光を受光して取得した配送コードとを受信して、制御部60において、2つの配送コードが一致するか否かを判断してもよい。
【0100】
制御部60は、リリース操作許可情報を送信する(ステップS214)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、端末装置70に物品のリリース権を付与することを示すリリース操作許可情報を送信する。制御部60は、ステップS215へ進む。
【0101】
制御部60は、リリース操作の指示を受信したか否かを判定する(ステップS215)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、端末装置70から操作情報として、リリース操作の指示を受信したか否かを判定する。制御部60は、リリース操作の指示を受信したと判定する場合(ステップS215でYes)、ステップS216へ進む。制御部60は、リリース操作の指示を受信したと判定しない場合(ステップS215でNo)、ステップS217へ進む。ステップS215の処理は、ステップS214でリリース操作許可情報を送信してから、例えば60秒などの所定時間内にリリース操作の指示を受信したか否かの判定としてもよい。
【0102】
リリース操作の指示を受信したと判定する場合(ステップS215でYes)、制御部60は、リリース操作の指示を送信する(ステップS216)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、ドローン制御部63からの操作情報として、例えば、リリース操作の指示を示す操作情報をドローン10へ送信する。制御部60は、ステップS218へ進む。
【0103】
リリース操作の指示を受信したと判定しない場合(ステップS215でNo)、制御部60は、規定条件でのリリース操作の指示を送信する(ステップS217)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、ドローン制御部63からの操作情報として、例えば、規定条件を満たすことを条件に、リリース操作の指示を示す操作情報をドローン10へ送信する。制御部60は、ステップS218へ進む。
【0104】
制御部60は、配送完了通知を送信する(ステップS218)。より詳しくは、制御部60は、通信制御部69によって、配送完了通知を端末装置70に送信する。
【0105】
図11は、第一実施形態に係る物品配送システム1のドローン10における受け渡し処理の流れを示す図である。
【0106】
制御部20は、現在位置と配送指定位置に基づき、受け渡し可能条件を満たすか否かを判定する(ステップS301)。より詳しくは、制御部20は、自律飛行制御部26によって、位置情報取得部21が取得した位置情報と、配送コードに含まれる配送指定位置情報とに基づいて、ドローン10の位置情報が目的地の緯度経度を示す配送指定位置情報と一致する場合、ドローン10が目的地に到達した、言い換えると、受け渡し可能条件を満たすと判定する。制御部20は、現在位置と配送指定位置は、受け渡し可能条件を満たすと判定する場合(ステップS301でYes)、ステップS302へ進む。制御部20は、現在位置と配送指定位置は受け渡し可能条件を満たすと判定しない場合(ステップS301でNo)、ステップS301の処理を再度実行する。
【0107】
制御部20は、受け渡し可能条件を満たす情報を送信する(ステップS302)。より詳しくは、制御部20は、通信制御部29によって、物品配送制御装置50へ受け渡し可能条件を満たすことを示す情報を送信する。
【0108】
制御部20は、配送コード重畳光の照射を開始する(ステップS303)。より詳しくは、制御部20は、照射制御部25によって、配送コード重畳光をドローン10の光源部14から照射させる。制御部20は、ステップS304へ進む。
【0109】
制御部20は、リリース操作の指示を受信したか否かを判定する(ステップS304)。より詳しくは、制御部20は、通信制御部29によって、物品配送制御装置50から端末装置70において入力された操作情報、例えば、リリース操作の指示を示す操作情報を受信したか否かを判定する。制御部20は、リリース操作の指示を受信したと判定する場合(ステップS304でYes)、ステップS305へ進む。制御部20は、リリース操作の指示を受信したと判定しない場合(ステップS304でNo)、ステップS306へ進む。
【0110】
制御部20は、規定条件でのリリース操作の指示を受信したか否かを判定する(ステップS305)。制御部20は、規定条件でのリリース操作の指示を受信したと判定する場合(ステップS305でYes)、ステップS306へ進む。制御部20は、規定条件でのリリース操作の指示を受信したと判定しない場合(ステップS305でNo)、ステップS304の処理を再度実行する。
【0111】
制御部20は、物品をリリースする(ステップS306)。より詳しくは、制御部20は、リリース制御部28によって、受信したリリース操作の指示を示す操作情報に基づいて、物品のリリース操作を行うように制御する。
【0112】
(効果)
上述したように、本実施形態では、端末装置70が物品配送制御装置50から取得した配送コードと、ドローン10が照射させた光を受光して取得した配送コードとが一致する場合、端末装置70においてドローン10による物品のリリース操作を指示する操作を受け付けることができる。本実施形態によれば、ドローン10によって配送される物品を、端末装置70を介して受け取り側の意思に基づいて受け取ることができる。本実施形態は、ドローン10からリリースされた物品が意図せずに落下したり、物品が適切ではない場所に置かれたりすることを抑制できる。本実施形態は、物品の耐衝撃性が低い場合等には、受け取り側が物品を人の手など安全な場所で確保することができる。
【0113】
本実施形態では、端末装置70においてドローン10による物品のリリース操作を指示する操作とともに、物品の受け渡し位置の微調整の操作を受け付けることができる。本実施形態によれば、位置を微調整して適切な位置で物品を受け取ることができる。
【0114】
[第二実施形態]
図12を参照しながら、本実施形態に係る物品配送システム1について説明する。
図12は、第二実施形態に係るドローン10Aの概略図である。第二実施形態のドローン10Aは、基本的な構成は第一実施形態のドローン10と同様である。以下の説明においては、第一実施形態のドローン10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。ドローン10Aは、高度センサ12Aおよび高度情報取得部22Aを備える点と、照射制御部25Aとリリース制御部28Aとにおける処理とが第一実施形態と異なる。
【0115】
高度センサ12Aは、ドローン10Aの地面からの飛行高度を検出するセンサである。高度センサ12Aは、例えば、ドローン10Aの下方に向けて配置された超音波、赤外線などのセンサである。高度センサ12Aは、光源部14を飛行高度を検出するセンサとしても使用してもよい。高度センサ12Aは、検出したセンサデータを高度情報取得部22Aへ出力する。
【0116】
高度情報取得部22Aは、ドローン10Aの飛行高度情報を取得する。より詳しくは、高度情報取得部22Aは、高度センサ12Aからセンサデータを取得する。高度情報取得部22Aは、例えば、地面に向かって発せられた超音波または赤外線などの反射時間から飛行高度を取得してもよい。高度情報取得部22Aは、例えば、光源部14から照射された配送コード重畳光の反射時間から飛行高度を取得してもよい。
【0117】
照射制御部25Aは、物品重量取得部24Aが取得した物品の重量に基づき、光を照射する高度を変更する。照射制御部25Aは、物品の重量が重い場合は軽い場合に比べて、低い飛行高度から配送コード重畳光をドローン10Aの光源部14から照射させる。照射制御部25Aは、例えば、物品の重量が1kg未満である場合、ドローン10Aの飛行高度が150cmである状態で、配送コード重畳光をドローン10Aの光源部14から照射させる。照射制御部25Aは、例えば、物品の重量が1kg以上ドローン配送可能重量以下である場合、ドローン10Aの飛行高度が高度50cmである状態で、配送コード重畳光をドローン10Aの光源部14から照射させる。
【0118】
リリース制御部28Aは、物品重量取得部24Aが取得した物品の重量に基づき、物品のリリース操作が有効となる高度を変更する。リリース制御部28Aは、物品の重量が重い場合は軽い場合に比べて、低い飛行高度で物品をリリース可能とするか。リリース制御部28Aは、例えば、物品の重量が1kg未満である場合、ドローン10Aの飛行高度が150cmより上方でリリース操作を受け付けても高度が150cmになるまでリリース操作を有効せず、飛行高度が150cm以下になるとリリース操作を有効とする。リリース制御部28Aは、例えば、物品の重量が1kg以上ドローン配送可能重量以下の場合、高度50cmより上方でリリース操作を受け付けても高度が50cmになるまでリリース操作を有効せず、飛行高度が50cm以下になるとリリース操作を有効とする。
【0119】
上述したように、本実施形態では、物品の重量に基づき、配送コード重畳光を照射する高度を変更することができる。本実施形態によれば、物品の重量に応じて、より安全に荷物を受け取ることができる。
【0120】
本実施形態では、物品の重量に基づき、物品のリリース操作が有効となる高度を変更することができる。本実施形態によれば、物品の重量に応じて、より安全に荷物を受け取ることができる。
【0121】
[第三実施形態]
上述した第一実施形態および第二実施形態においては、本発明に係る物品配送システム1の例として、ドローン10と物品配送制御装置50を含む物品配送システム1の構成および処理について説明した。上述した第一実施形態および第二実施形態による処理は、処理の主体を物品配送制御装置50とすることもできる。
【0122】
具体的には、ドローン10が目的地に到達したときに、照射制御部25によって、配送コード重畳光をドローン10から照射させる処理を、物品配送制御装置50のドローン制御部63が、ドローン10の位置情報と目的地情報に基づいて、ドローン10が目的地に到達したことを判断し、ドローン10の照射制御部25に、配送コード重畳光をドローン10から照射させる指示を行わせることとしてもよい。
【0123】
また、ドローン10の高度情報取得部22Aが取得した飛行高度情報を、物品配送制御装置50が取得することで、物品配送制御装置50のドローン制御部63が、物品の重量に基づいて配送コード重畳光を照射する高度を変更させる制御や、リリース操作が有効となる高度を変更させる制御を行わせることとしてもよい。
【0124】
上述したように、処理の実行主体を物品配送制御装置50とすることで、本実施形態に係る物品配送制御装置50は、以下の構成で示される。物品の配送を発注する発注者が指定する端末装置70と、物品の配送を行うドローン10との通信を制御する通信制御部69と、通信制御部69による通信によってドローン10の動作を制御するドローン制御部63とを備え、通信制御部69は、物品の配送を受注したときに、物品の発注者が指定する端末装置70に対して物品の配送指定位置情報を含む配送コードを送信し、ドローン制御部63は、物品を配送するドローン10が、物品の配送指定位置情報に基づいた目的地に到達したときに、配送コードを重畳させた光をドローン10から照射させ、端末装置70が通信制御部69によって送信されることで取得した配送コードと、端末装置70がドローン10から照射された光を受光して取得した配送コードとが一致することを示す情報を取得した場合、端末装置70にドローン10による物品のリリース操作を許可し、端末装置70からの物品のリリース操作を示す情報に基づき、ドローン10に物品のリリース操作を指示する制御を行う。
【0125】
また、別の構成としては、上述した物品配送制御装置50において、ドローン制御部63は、ドローン10が配送している物品の重量に基づき、ドローン10が配送コードを重畳させた光を照射する飛行高度を変更させる制御を行う。または、上述した物品配送制御装置50において、ドローン制御部63は、ドローン10が配送している物品の重量に基づき、ドローン10が配送している物品のリリース操作が有効となる飛行高度を変更させる制御を行う。
【0126】
さらに別の構成としては、ドローン制御部63は、端末装置70が通信制御部29によって送信されることで取得した前記配送コードと、端末装置70がドローン10から照射された光を受光して取得した配送コードとが一致する場合、端末装置70にドローン10による物品の受け渡し位置の微調整の操作を許可し、端末装置70から受信した受け渡し位置の微調整の操作を示す情報に基づき、ドローン10に物品の受け渡し位置の微調整を行ってからリリース操作を行うよう指示する制御を行う。
【0127】
図示した物品配送システムの各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0128】
物品配送システムの構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0129】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0130】
例えば、物品配送制御装置50の制御部60の各部を分散して、ドローン10と端末装置70とに実装してもよい。より詳しくは、物品配送制御装置50の制御部60の各部は、その一部がドローン10の制御部20に、残部が端末装置70の制御部80に設けられてもよい。
【0131】
上記では、ドローン10は、自律飛行するものとして説明したが、操縦者が操縦する場合は、ドローン10に備えたカメラ13で撮影した映像を見て、操縦者がリモートコントローラを操作して、目的地まで飛行させればよい。
【0132】
本開示は、SDGs(Sustainable Development Goals)の「産業と技術革新の基板をつくろう」の実現に貢献し、IoTソリューションによる価値創出に寄与する事項を含む。
【符号の説明】
【0133】
1 物品配送システム
10 ドローン
11 GNSS受信部
13 カメラ
14 光源部
15 駆動部
16 リリース機構
19 通信部
20 制御部
21 位置情報取得部
23 映像取得部
24 物品重量取得部
25 照射制御部
26 自律飛行制御部
27 駆動制御部
28 リリース制御部
29 通信制御部
50 物品配送制御装置
59 通信部
60 制御部
61 受注処理部
62 配送コード生成部
63 ドローン制御部
68 記憶部
69 通信制御部
70 端末装置
71 受光部
72 表示部
73 操作部
79 通信部
80 制御部
81 受光制御部
82 表示制御部
83 操作制御部
88 記憶部
89 通信制御部