(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-28
(45)【発行日】2025-05-09
(54)【発明の名称】サービス提供システム、サービス提供方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20250430BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
(21)【出願番号】P 2022511682
(86)(22)【出願日】2021-03-02
(86)【国際出願番号】 JP2021007962
(87)【国際公開番号】W WO2021199854
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2024-02-15
(31)【優先権主張番号】P 2020062854
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178216
【氏名又は名称】浜野 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】津田 隼輔
(72)【発明者】
【氏名】萩森 肇
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-232826(JP,A)
【文献】特開2001-222653(JP,A)
【文献】特開2002-063431(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0069013(US,A1)
【文献】“077 インスタカート 食料品の買い物代行サービス”,10年後のGAFAを探せ,第1版第1刷, ISBN978-4-296-10278-5,日本,日経BP,2019年06月24日,pp.225~226
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
依頼者により指定された商品の購入指示を代行者の端末に送信する代行指示手段と、
事業者が決済に用いる支払い手段を示す事業者の決済情報と代行者を識別する識別情報とが関連付けられた前記代行者が
、該代行者の識別情報を店舗で提示することで前記事業者の決済情報を用いて
前記商品を購入した
場合に、前記商品
についての合計支払金額を含む決済結果を取得する決済結果取得手段と、
前記依頼者の端末から前記商品の受取通知を受信した場合に、前記決済結果に基づき、
前記依頼者が決済に用いる支払い手段を示す前記依頼者の決済情報を用いて、前記依頼者から前記事業者への
前記合計支払金額の支払いを処理する決済処理手段と、
を備えるサービス提供システム。
【請求項2】
前記依頼者が要求する買物の条件と、登録された複数の代行者の条件に基づいて、前記代行者を選択する、代行者選択手段をさらに備える
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記代行者選択手段は、前記代行者の候補を選択し、前記代行者の候補から前記代行者を選択する
請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
店舗と前記事業者との間の決済を行う決済サーバと、
前記事業者の決済情報に関連付けられた、前記代行者を識別する識別情報を、前記決済サーバに送信する、識別情報発行手段をさらに備え、
前記決済サーバは、前記識別情報と前記事業者の決済情報とを関連づけて記憶し、前記店舗において前記代行者が所持する記憶媒体から取得した前記識別情報に関連付けられた前記事業者の決済情報を用いて、前記事業者から前記店舗への前記事業者の決済情報による決済を行い、
前記決済結果取得手段は、前記決済サーバから前記決済結果を取得する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記代行指示手段は、前記商品の購入指示とともに、前記識別情報を、前記代行者が所持する記憶媒体に記憶させる、
請求項4に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記商品の購入に関する精算を処理する店舗端末をさらに備え、
前記代行者が所持する記憶媒体は、当該代行者の生体情報を記憶し、
前記店舗端末は、前記店舗において取得された前記代行者の生体情報と、前記記憶媒体に記憶された前記生体情報を照合して、当該代行者を認証する、
請求項4または5に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記識別情報発行手段は、前記代行者の生体情報を前記決済サーバに送信し、
前記決済サーバは、当該代行者の生体情報を記憶し、記憶された前記代行者の生体情報と、前記店舗において取得された前記代行者の生体情報とを照合して、当該代行者を認証する
請求項4乃至6のいずれか1項に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
コンピュータが、
依頼者により指定された商品の購入指示を代行者の端末に送信し、
事業者が決済に用いる支払い手段を示す事業者の決済情報と代行者を識別する識別情報とが関連付けられた前記代行者が
、該代行者の識別情報を店舗で提示することで前記事業者の決済情報を用いて
前記商品を購入した
場合に、前記商品
についての合計支払金額を含む決済結果を取得し、
前記依頼者の端末から前記商品の受取通知を受信した場合に、前記決済結果に基づき、
前記依頼者が決済に用いる支払い手段を示す前記依頼者の決済情報を用いて、前記依頼者から前記事業者への
前記合計支払金額の支払いを処理する、
サービス提供方法。
【請求項9】
コンピュータに、
依頼者により指定された商品の購入指示を代行者の端末に送信し、
事業者が決済に用いる支払い手段を示す事業者の決済情報と代行者を識別する識別情報とが関連付けられた前記代行者が
、該代行者の識別情報を店舗で提示することで前記事業者の決済情報を用いて
前記商品を購入した
場合に、前記商品
についての合計支払金額を含む決済結果を取得し、
前記依頼者の端末から前記商品の受取通知を受信した場合に、前記決済結果に基づき、
前記依頼者が決済に用いる支払い手段を示す前記依頼者の決済情報を用いて、前記依頼者から前記事業者への
前記合計支払金額の支払いを処理すること、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サービス提供システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗における買物は労力を要する。例えば、買物において人は、買物リストを作成し、店舗に行き、買う物を選び、商品の代金を支払い、購入した物を家まで運ぶ。このように労力を要する買物を、代行者に行ってもらえると便利になる。代行者による買物では、商品の代金をどのように支払うかが問題となる。
【0003】
特許文献1には、購買希望者の購買代行を行う代行者の端末に、代行者の識別情報であるコード情報を送信し、代行者の識別情報を、購買希望者の決済手段情報に紐づけて登録することが開示されている。特許文献1によれば、店舗において代行者がコード情報に基づいたコードをコードリーダにかざすことで、代行者が取得した商品に対する支払を、購買希望者が行うことができる。
【0004】
特許文献2には、個人認証付電子決済カードの記憶部に、カードの保有者本人と、本人から委任を受けた登録者の生体情報を格納することが開示されている。特許文献2によれば、保有者本人以外の委任者に電子決済カードを使用させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-156526号公報
【文献】特開2010-152841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
購買希望者は、買物の代行を知り合いではない第三者に依頼したい場合がある。しかし、特許文献1及び特許文献2の技術では、第三者に買物の代行を頼むと、購買希望者の決済情報を用いて、購買希望者の意図しない買物が行われる可能性がある。したがって、依頼者は安心して買物を依頼することができない。
【0007】
本開示の目的は、依頼者が安心して第三者に買物を依頼できる、サービス提供システム、サービス提供方法、及び、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るサービス提供システムは、依頼者により指定された商品の購入指示を代行者の端末に送信する代行指示部と、前記代行者が事業者の決済情報を用いて購入した前記商品に関する決済結果を取得する決済結果取得部と、前記依頼者の端末から前記商品の受取通知を受信した場合に、前記決済結果に基づき、前記依頼者から前記事業者への前記依頼者の決済情報による決済を処理する決済処理部と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係るサービス提供方法は、依頼者により指定された商品の購入指示を代行者の端末に送信し、前記代行者が事業者の決済情報を用いて購入した前記商品に関する決済結果を取得し、前記依頼者の端末から前記商品の受取通知を受信した場合に、前記決済結果に基づき、前記依頼者から前記事業者への前記依頼者の決済情報による決済を処理する。
【0010】
本開示の一態様に係るプログラムは、依頼者により指定された商品の購入指示を代行者の端末に送信し、前記代行者が事業者の決済情報を用いて購入した前記商品に関する決済結果を取得し、前記依頼者の端末から前記商品の受取通知を受信した場合に、前記決済結果に基づき、前記依頼者から前記事業者への前記依頼者の決済情報による決済を処理する、ことをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、依頼者が安心して第三者に買物を依頼できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係るサービス提供システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係るサービス提供装置100の構成を示すブロック図である。
【
図3A】第1実施形態に係る依頼者情報の例を示す図である。
【
図3B】第1実施形態に係る代行者情報の例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る依頼情報の例を示す図である。
【
図5A】第1実施形態に係るサービス提供システム1の動作を示すシーケンス図である。
【
図5B】第1実施形態に係るサービス提供システム1の動作(続き)を示すシーケンス図である。
【
図6】第1実施形態に係る指示情報表示画面の例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る識別情報表示画面の例を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係る受取通知の送信画面の例を示す図である。
【
図9】第1実施形態の変形例2に係る選択画面の例を示す図である。
【
図10】第2実施形態に係るサービス提供システム1の構成を示すブロック図である。
【
図11】第2実施形態に係るサービス提供システム1の動作を例示するフローチャートである。
【
図12】コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を説明するが、本開示は本実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0014】
(第1実施形態)
(構成)
図1は、第1実施形態に係るサービス提供システム1の構成を示すブロック図である。サービス提供システム1は、サービス提供装置100、決済サーバ400、依頼者端末10、代行者端末20、及び、店舗端末30を含む。サービス提供システム1に含まれる各装置は、ローカルエリアネットワーク、インターネット等の任意のネットワーク40を介して、有線接続及び無線接続の少なくとも一方によって接続される。サービス提供システム1には他の装置が含まれてもよい。
【0015】
サービス提供装置100は、買物代行の仲介サービスを提供する事業者(以下、単に、事業者とも呼ぶ)が使用する。サービス提供装置100は、単一、又は、複数のコンピュータ上で実現される。また、サービス提供装置100は、コンピュータ資源の集合であるクラウド上で実現されてもよい。
【0016】
店舗、買物の代行を依頼する依頼者、及び、依頼に基づいて買物の代行を行う代行者は、仲介サービスに登録する。仲介サービスに登録している代行者を登録代行者とも呼ぶ。登録代行者のうち、事業者から代行の指示を受ける代行者として選択された者を買物代行者と呼ぶ。
【0017】
買物代行者には、事業者の決済情報に関連付けられた買物代行者の識別情報が、サービス提供装置100から発行される。買物代行者の識別情報は、買物代行者を識別するための情報であり、依頼を識別するための識別子と、登録代行者の識別子を含んでもよい。ここで、事業者の決済情報とは、事業者が決済に用いる銀行口座に関連付けられた決済手段の情報であり、例えば、事業者に対して発行されたコード決済の会員ID(identifier)や、電子決済カードの会員ID、クレジットカードの会員番号である。また、決済情報は、事業者の銀行口座でもよい。
【0018】
買物代行者の識別情報は、登録代行者が所持するIC(Integrated Circuit)カード、または、携帯端末等の記憶媒体21に記録される。第1実施形態において、記憶媒体21が代行者端末20に内蔵される場合について説明する。第1実施形態において、買物代行者の識別情報は、例えば、バーコードまたは2次元コード等、任意の方式で符号化したコードにより表される。また、記憶媒体21には、識別情報の代わりに、識別情報に関連付けられたURL(Uniform Resource Locator)等、識別情報を取得するための情報が記録されてもよい。
【0019】
図2は、第1実施形態に係るサービス提供装置100の構成を示すブロック図である。サービス提供装置100は、依頼受付部110、代行者選択部130、識別情報発行部140、代行指示部150、決済結果取得部160、通知受付部170、及び、決済処理部180を備える。また、サービス提供装置100は、記憶部として、登録情報記憶部190を備える。
【0020】
登録情報記憶部190は、依頼者情報、及び、代行者情報を記憶する。
【0021】
依頼者情報は、仲介サービスに登録している依頼者に関する情報である。
図3Aは、依頼者情報の例を示す図である。依頼者情報は、
図3Aに示すように、依頼者ID、依頼者の決済情報、及び、依頼者の住所を含む。依頼者IDは、各依頼者を識別するための識別子である。依頼者の決済情報は、例えば、依頼者のクレジットカード番号、銀行口座の番号等である。依頼者の住所は、買物代行者が購入したものの届け先として利用することができる。
【0022】
代行者情報は、仲介サービスに登録している登録代行者に関する情報である。
図3Bは、代行者情報の例を示す図である。代行者情報は、
図3Bに示すように、各登録代行者の登録IDと、登録代行者が所持する代行者端末20の端末IDを含む。登録IDは、各登録代行者を識別するための識別子である。端末IDは、後述する指示情報の代行者端末20への送信に用いられる。さらに、第1実施形態において、端末IDは、記憶媒体21である代行者端末20への識別情報の送信に用いられる。
【0023】
さらに、代行者情報は、登録代行者の現在地、買物における得意分野、プロフィール画像、代行者に対するユーザ評価、その他代行者の属性に関する情報を含んでもよい。
【0024】
登録代行者の現在地は、代行者端末20から受信した登録代行者の位置情報である。サービス提供装置100は、一定時間ごとに位置情報を受信すると、登録情報記憶部190に記憶された代行者情報を更新する。
【0025】
買物における得意分野は、例えば、登録代行者が得意とする商品のカテゴリ、または、登録代行者が得意とする地域である。依頼内容と得意分野が合致していれば、その商品のカテゴリ、または、その地域に詳しい登録代行者に買物を依頼することができる。プロフィール画像は、登録代行者を示す画像である。得意分野、及び、プロフィール画像は、登録代行者が適宜設定することができる。ユーザ評価は、例えば、過去に登録代行者に買物依頼をした依頼者からの評価の平均である。
【0026】
登録情報記憶部190は、さらに、任意の方法により設定された店舗の位置情報を記憶する。
【0027】
依頼受付部110は、依頼者端末10から依頼情報を受け付ける。依頼情報は、依頼者が要求する買物に関する条件を示す。
図4は、依頼情報の例を示す図である。
図4に示すように、依頼情報は、依頼番号、依頼日時、依頼者ID、届け先、及び、買物条件を含む。依頼番号は、依頼を識別するための識別子である。買物条件は、依頼者が適宜設定可能な買物に対する条件である。買物条件は、例えば、商品に関する条件、買物を行う店舗、予算、配達期限を含んでもよい。届け先は、依頼者が希望する、購入された商品の配達場所である。
【0028】
商品に関する条件は、登録代行者の得意分野に基づく買物代行者の選択、または、買物代行者による商品の選択に用いられる。商品に関する条件は、依頼者が購入を希望する商品固有の商品名であってもよいし、商品の種類、または、商品の用途であってもよい。商品の種類とは、例えば、銘柄を指定しない商品名、または、野菜、肉、雑貨等であり、商品の用途とは、例えば、今晩の4人分の夕飯の食材である。
【0029】
買物を行う店舗は、例えば、依頼者が商品の購入を希望する店舗名であり、買物代行者はその店舗で買物を行う。また、買物を行う店舗は、登録代行者の現在地に基づく買物代行者の選択、または、買物代行者による商品の選択に用いられる。依頼者は、店舗名の代わりに、地域名を、買物を行う店舗に指定してもよい。買物代行者は指定された地域内で買物を行う。
【0030】
予算とは、購入金額の下限、及び/または、上限を含む。買物代行者は、予算内で買物ができるように店舗において商品を選択する。
【0031】
配達期限は、購入された商品を届け先に配達する期限の日時である。配達期限は、例えば、登録代行者の現在地に基づく買物代行者の選択に用いられる。
【0032】
図4において、依頼情報には届け先が含まれているが、依頼受付部110は、依頼情報に含まれる依頼者IDと、登録情報記憶部190に記憶された依頼者情報に含まれる依頼者の住所に基づいて、商品の届け先を特定してもよい。
【0033】
代行者選択部130は、依頼情報、及び、代行者情報に基づいて、買物を指示する買物代行者を選択する。すなわち、代行者選択部130は、依頼者が要求する買物の条件と、登録代行者の条件に基づいて買物代行者を選択する。代行者選択部130は、例えば、代行者情報に保存された登録代行者の現在地から依頼情報に含まれる店舗までの距離と、店舗から届け先までの距離の合計を算出し、合計移動距離が最も小さい登録代行者を選択してもよい。また、代行者選択部130は、合計移動距離を用いて、買物代行の所要時間を算出し、所要時間が最も小さい登録代行者を選択してもよい。また、代行者選択部130は、依頼情報に含まれる配達期限内に配達が可能な登録代行者を選択してもよい。
【0034】
代行者選択部130は、その他、任意の方法で買物代行者を選択することができる。例えば、代行者選択部130は、依頼情報に含まれる商品に関する条件が、代行者情報に含まれる得意分野に含まれる登録代行者を選択してもよい。また、配達期限が例えば翌日以降であるなど、期限まで時間がある場合、代行者選択部130は、登録代行者の将来の位置情報に基づいて買物代行者を選択してもよい。この場合、代行者情報には登録代行者の将来の位置情報に関するスケジュールが記憶される。代行者選択部130は、依頼情報と代行者情報を参照し、例えば、指定された買物を行う店舗の住所と、将来の位置が近く、かつ、配達期限までに購入した商品を届けることができる登録代行者を選択する。
【0035】
識別情報発行部140は、買物代行者に対して、事業者の決済情報に関連付けられた買物代行者の識別情報を発行する。識別情報発行部140は、発行した識別情報を、代行指示部150、及び、決済サーバ400に送信する。決済サーバ400は、識別情報を受信すると、その識別情報を記憶する。
【0036】
識別情報発行部140は、識別情報と共に、利用の上限金額、有効期限、または、買物条件を決済サーバ400に送信してもよい。利用の上限金額は、例えば、依頼情報に含まれる予算の上限である。有効期限は、依頼情報に含まれる配達期限と同じであってもよい。さらに、識別情報発行部140は、依頼情報に含まれる店舗名である利用可能店舗名を決済サーバ400に送信してもよい。
【0037】
代行指示部150は、依頼情報に基づいて買物依頼に関する指示情報を生成し、買物代行者の代行者端末20に指示情報を送信する。指示情報は、買物条件と届け先を含む。指示情報は、依頼者により指定された商品の購入指示とも呼ばれる。さらに、代行指示部150は、識別情報発行部140が発行した識別情報を買物代行者の代行者端末20に送信する。
【0038】
決済結果取得部160は、買物代行者が購入した商品に関する店舗への合計支払金額を含む決済処理の結果を決済サーバ400から受信する。決済結果取得部160が受信した決済処理の結果は、サービス提供装置100に対して、買物代行者が店舗で買物を行ったことと、店舗への支払金額を通知する役割を持つ。決済処理の結果は、決済結果とも呼ばれる。
【0039】
通知受付部170は、依頼者端末10から商品の受取通知を受信する。通知受付部170が受信した受取通知は、サービス提供装置100に対して、買物代行者が依頼者へ商品を届けたことを通知する役割を持つ。
【0040】
決済処理部180は、受取通知が受信されると、依頼者の決済情報を用いた事業者への決済を処理する。
【0041】
依頼者端末10は、買物の代行を依頼する依頼者が使用する端末である。依頼者端末10は、上述の依頼情報を生成し、サービス提供装置100に送信する。さらに、依頼者端末10は、依頼者が買物依頼に関する商品を受け取ると、受取通知をサービス提供装置100に送信する。受取通知には、買物代行者による買物代行の評価が含まれてもよい。
【0042】
代行者端末20は、買物代行者が使用する端末である。代行者端末20は、サービス提供装置100から買物依頼に関する指示情報を受信する。買物代行者は、指示情報に基づいて、店舗において購入する商品を選択する。さらに、第1実施形態において、代行者端末20に内蔵された記憶媒体21には、サービス提供装置100により発行された識別情報が書き込まれる。代行者端末20は識別情報を表すコードを表示する。買物代行者は、店舗において選択した商品の精算処理のために、代行者端末20に表示されたコードをリーダ32に読み取らせる。
【0043】
なお、代行者端末20は、GPS(Global Positioning System)により検出された位置情報を、一定時間ごとにサービス提供装置100に送信してもよい。
【0044】
店舗端末30は、店舗に設置され、決済サーバ400と通信して、商品の精算処理を行う端末である。店舗端末30は、買物代行者が選択した商品の合計代金を登録し、代行者端末20(記憶媒体21)に示される識別情報に基づき、事業者の決済情報を用いた精算処理を行う。店舗端末30は、店舗の店員が使用するもの、および、買物代行者が使用するもののうち、いずれであってもよい。
【0045】
店舗端末30には、買物代行者が代行者端末20(記憶媒体21)において提示する識別情報を読み取るために、リーダ32が有線または無線により通信可能に接続される。リーダ32は、代行者端末20(記憶媒体21)から読み取った識別情報を、店舗端末30に送信する。店舗端末30はリーダ32が読み取った識別情報を決済サーバ400に送信する。
【0046】
決済サーバ400は、買物代行者が提示する識別情報に基づいた、買物代行者が選択した商品の決済処理に用いられる。店舗と事業者の決済サーバ400を使用する決済事業者は、サービス提供装置100を使用する事業者と、同一であっても、異なっていてもよい。
【0047】
決済サーバ400は、店舗端末30から受信した識別情報が有効であるか判定する。具体的には、店舗端末30から受信した識別情報が、識別情報発行部140から受信した識別情報と、一致しているか判定する。一致すると判定すると、決済サーバ400は、識別情報が有効であると判定する。識別情報が有効である場合、決済サーバ400は、識別情報に関連付けられた事業者の決済情報を用いて、事業者から店舗への支払に関する決済を処理する。決済サーバ400は、決済処理の完了通知を店舗端末30に送信し、店舗端末30が完了通知を受信すると、店舗端末30における精算処理は終了する。
【0048】
決済サーバ400は、決済処理が完了した後、買物代行者の識別情報と、店舗への合計支払金額とを含む決済処理の結果をサービス提供装置100に送信する。
【0049】
なお、決済サーバ400は、店舗端末30から受信した商品の合計代金、識別情報の読み取り日時、または、店舗名を、識別情報が有効であるかの判定に用いてもよい。この場合、決済サーバ400は、例えば、合計代金が利用の上限金額を超えておらず、かつ、識別情報の読み取り日時が有効期限を過ぎていなければ、識別情報が有効であると判定する。また、決済サーバ400は、店舗端末30から受信した店舗名が利用可能店舗名と一致すれば、識別情報が有効であると判定してもよい。
【0050】
さらに、決済サーバ400は、買物代行者が店舗において選択した商品が、買物条件に含まれる商品名、或いは、商品の種類と一致しているか判定を行ってもよい。この場合、店舗端末30は、商品のバーコード等に基づいて、選択された商品の識別子を取得する。次に店舗端末30は、商品の識別子に基づいて、店舗の商品データベースを参照し、商品名、または、商品の種類を特定し、決済サーバ400に送信する。そして、決済サーバ400は、買物条件と、店舗端末30から受信した商品名、または、商品の種類を比較し、一致する場合に識別情報が有効であることを店舗端末30に送信する。
【0051】
なお、買物代行者が提示する識別情報が有効であるか否かの判定は、店舗端末30において実行することもできる。このとき、店舗端末30による判定のための情報(利用の上限金額、有効期限、買物条件等)は、買物代行者が提示する代行者端末20(記憶媒体21)に記憶されていてもよい。
【0052】
(動作)
以下、第1実施形態に係るサービス提供システム1の動作について、図を用いて説明する。
図5A及び
図5Bは、第1実施形態に係るサービス提供システム1の動作を例示するシーケンス図である。
【0053】
依頼者端末10は、依頼者からの依頼内容の入力に基づいて、
図4に示す依頼情報を生成し(ステップS11)、サービス提供装置100に送信する(ステップS12)。
【0054】
依頼受付部110は、依頼者端末10から依頼情報を受け付ける。
【0055】
代行者選択部130は、依頼受付部110が受け付けた依頼情報と、
図3Bに示した代行者情報に基づいて、買物を指示する買物代行者を選択する(ステップS101)。
【0056】
識別情報発行部140は、識別情報を発行し(ステップS102)、決済サーバ400に送信する(ステップS103)。
【0057】
決済サーバ400は、受信した識別情報を記憶する(ステップS401)。
【0058】
代行指示部150は、指示情報を生成し(ステップS104)、指示情報と識別情報とを買物代行者の代行者端末20に送信する(ステップS105)。
図6は、代行者端末20に表示される、指示情報表示画面の例を示す図である。
図6において、指示情報表示画面には、買物条件と届け先が表示されており、買物条件には、商品に関する条件と、予算と、配達期限が含まれている。
【0059】
買物代行者は指示情報に含まれる買物条件に基づいて、店舗において商品を選択する。
【0060】
次に、店舗端末30は精算処理を実行する。具体的には、買物代行者が選択した商品の合計代金を登録する(ステップS31)。代行者端末20は、識別情報を提示し、リーダ32に読み取らせる(ステップS21)。
図7は、代行者端末20に表示される、識別情報表示画面の例を示す図である。店舗端末30はリーダ32から買物代行者が提示する識別情報を受信する(ステップS32)。次に、店舗端末30は、合計代金と識別情報を決済サーバ400に送信する(ステップS33)。
【0061】
決済サーバ400は、識別情報の有効性を判定する(ステップS402)。具体的には、決済サーバ400は、ステップS401において記憶した識別情報と、店舗端末30から受信した識別情報を比較し、これらが一致する場合に、識別情報が有効であると判定する。識別情報が有効である場合、決済サーバ400は、識別情報に関連付けられた事業者の決済情報を用いて、事業者から店舗への支払に関する決済を処理し、決済処理の完了通知を店舗端末30に送信する(ステップS403)。店舗端末30は、決済サーバ400から完了通知を受信すると、精算処理を終了する。
【0062】
決済サーバ400は、サービス提供装置100に、決済処理の結果を送信する(ステップS404)。決済結果取得部160が、決済処理の結果を取得すると、決済処理部180は、受取通知の送信画面を依頼者端末10に送信する(ステップS106)。
図8は、受取通知の送信画面の例を示す図である。
【0063】
買物代行者は、指示情報に含まれる届け先に基づいて、購入した商品を依頼者に届ける。
【0064】
依頼者端末10は、依頼者が買物依頼に関する商品を受け取ると、受取通知をサービス提供装置100に送信する。依頼者端末10は、例えば、
図8の送信画面において「はい」が選択されると、受取通知を送信する。
【0065】
通知受付部170は、依頼者端末10から受取通知を受信する。
【0066】
決済処理部180は、受取通知が受信されると、依頼者の決済情報を用いた事業者への支払に関する決済を処理する(ステップS107)。
【0067】
以上により、第1実施形態の動作が完了する。
【0068】
依頼者は、例えば、店舗への合計支払金額に、仲介サービス利用料を加算した額を、事業者に支払う。事業者は、例えば、依頼者から受取通知を受信した後に、買物代行者に買物代行の対価を支払ってもよい。
【0069】
なお、依頼者が受取を拒否した場合、買物代行者は、返品可能な商品は店舗へ返品する。返品できない場合は事業者が商品を預かってもよい。また、買物代行者は、受取を拒否された商品を、自らの負担で事業者から買い取ってもよい。
【0070】
(効果)
第1実施形態によれば、依頼者は安心して第三者に買物を依頼できる。その理由は、決済結果取得部160は、代行者による店舗における商品の購入に関する、事業者から店舗への事業者の決済情報による決済結果を取得するからである。また別の理由は、決済処理部180は、依頼者端末10から商品の受取通知を受信した場合に、決済結果に基づき、依頼者から事業者への依頼者の決済情報による決済を処理するからである。
【0071】
また、第1実施形態によれば、依頼者は購入したいものの条件により、第三者に買物を依頼することができる。その理由は、買物代行者に購入したいものの条件が送られるためである。これにより、買物代行者は、依頼者の条件にあった店舗、商品を選択できる。
【0072】
(変形例1)
記憶媒体21が代行者端末20に内蔵される場合、識別情報は、代行者端末20に表示されなくてもよい。例えば、識別情報は、代行者端末20に記憶され、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信によって、リーダ32に送信されてもよい。
【0073】
また、事業者は、識別情報を予め記憶する記憶媒体21として、例えば、ICカード形式または磁気カード形式の電子決済カードを買物代行者に使用させてもよい。この場合、識別情報は、例えば、事業者に対して発行された電子決済カードの会員IDまたはカード番号である。以下に、電子決済カードを用いる場合のサービス提供システム1の動作について説明する。
【0074】
ステップS101において買物代行者が選択されると、識別情報発行部140は、買物代行者が所持する電子決済カードの識別情報を決済サーバ400に送信する。ステップS105において、代行指示部150は識別情報を代行者端末20に送信しなくてもよい。ステップS401において、決済サーバ400は、買物代行者が所持する電子決済カードを用いて店舗における精算処理が行えるように、識別情報を記憶する。
【0075】
店舗において、買物代行者は電子決済カードをリーダ32に提示する。ステップS32において、店舗端末30は、電子決済カードに含まれる識別情報をリーダ32から受信する。その後、サービス提供システム1は第1実施形態において説明した動作と同様に動作する。
【0076】
(変形例2)
代行者選択部130は、代行者情報に登録された登録代行者の中から、依頼を受けることができる買物代行者の候補を選択してもよい。このとき、代行者選択部130は、例えば、依頼者端末10に、買物代行者の候補を表示し、買物代行者の選択を受け付ける選択画面を出力する。
図9は、変形例2に係る選択画面の例を示す図である。
図9に示すように、選択画面には、買物代行者毎に、配達までの所要時間、プロフィール画像、得意分野、今までの買物代行によるユーザの評価値等の項目が出力されてもよい。代行者選択部130は、依頼者からの依頼者端末10への操作に応じて、買物代行者の候補を適宜並べ替え、または、絞り込んでもよい。
【0077】
依頼者により買物代行者が選択されると、依頼者端末10は、選択された買物代行者の登録IDを含んだ依頼情報を依頼受付部110に送信する。代行者選択部130は、依頼情報に含まれる登録IDの登録代行者を買物代行者として選択する。
【0078】
なお、依頼受付部110が、買物代行者の選択を含まない依頼情報を受信した後に、代行者選択部130は、代行者情報及び依頼情報に含まれる各項目の合致度に基づいて、各登録代行者に対し、スコアを算出してもよい。例えば、代行者選択部130は、買物の所要時間が短いほど、または、ユーザ評価値が高いほど、高いスコアを算出してもよい。代行者選択部130は、算出したスコアに基づいて、スコアが最も高い買物代行者の候補を買物代行者に設定してもよい。
【0079】
また、代行者選択部130は、スコアが高い順に買物代行者の候補を並べた選択画面を出力してもよい。この場合、依頼者により買物代行者が選択されると、依頼者端末10は、選択された買物代行者の登録IDを依頼受付部110に送信する。
【0080】
(変形例3)
店舗端末30における精算処理において、買物代行者の生体認証が行われてもよい。この場合、記憶媒体21には、識別情報に加えて、買物代行者の生体情報が記憶される。変形例3において、特許文献2に開示される個人認証付電子決済カードが用いられてもよい。
【0081】
生体情報は、登録代行者の顔を含む領域の画像データから算出される特徴量であってもよく、或いは、登録代行者の顔を含む領域の画像データそのものでもよい。また、店舗端末30における買物代行者の認証には、顔画像のデータ以外の情報を用いてもよい。例えば、店舗端末30は、買物代行者の認証に、虹彩、静脈、指紋等の生体情報を用いてもよい。
【0082】
店舗端末30には、記憶媒体21を提示する買物代行者の生体情報を取得するために、カメラが有線または無線により通信可能に接続される。
【0083】
変形例3に係るサービス提供システム1の処理について説明する。精算処理において、店舗端末30は、カメラから画像データを受信し、生体情報を抽出する。さらに、店舗端末30は、リーダ32から、識別情報に加えて、記憶媒体21に記憶された生体情報を受信する。次に、店舗端末30は受信した生体情報と、画像データに基づいて取得した生体情報とを照合する。生体情報が一致した場合、店舗端末30は、買物代行者を認証し、第1実施形態と同様にステップS33以降の処理を実行し、記憶媒体21に示される識別情報による精算を処理する。
【0084】
変形例3によれば、店舗端末30において記憶媒体21を提示する人物が、買物依頼を受けた買物代行者であることを認証することができる。
【0085】
なお、記憶媒体21に記憶される生体情報は、買物代行者の生体情報に関連付けられたURL、または、情報を識別する識別子であってもよい。
(変形例4)
変形例3において、店舗端末30が買物代行者を認証する場合について説明したが、買物代行者の認証は、識別情報の有効性の判定と共に、決済サーバ400が行ってもよい。また、生体情報は記憶媒体21に含まれていなくてもよい。この場合、登録情報記憶部190に記憶される代行者情報は、登録代行者の生体情報を含む。
【0086】
変形例4に係るサービス提供システム1の処理について説明する。ステップS103において、識別情報発行部140は、識別情報に加えて、登録情報記憶部190に記憶された買物代行者の生体情報を決済サーバ400に送信する。決済サーバ400は、買物代行者の生体情報を、登録IDに関連付けて記憶する。
【0087】
精算処理において、店舗端末30は、画像データを含む買物代行者の認証要求を決済サーバ400に送信する。決済サーバ400は、店舗端末30からの認証要求を受信し、認証要求に含まれる画像データから生体情報を抽出する。決済サーバ400は、記憶した生体情報と認証要求に含まれる生体情報を比較する。比較の結果、生体情報が一致すると、買物代行者を認証し、識別情報が有効であると判定する。
【0088】
(変形例5)
サービス提供システム1において、識別情報を記憶する記憶媒体21を使用する代わりに、買物代行者の生体情報による決済処理を実行してもよい。この場合、ステップS103において、識別情報発行部140は、買物代行者の生体情報、登録ID、及び、事業者の決済情報を決済サーバ400に送信する。決済サーバ400は、買物代行者の生体情報、登録ID、及び、事業者の決済情報を関連付けて記憶する。
【0089】
精算処理において、店舗端末30は、ステップS32を実行せずに、変形例3と同様の構成により、カメラから買物代行者の生体情報を受信する。次に店舗端末30は、ステップS33において、合計代金と生体情報を含む認証要求を決済サーバ400に送信する。
【0090】
決済サーバ400は、記憶された買物代行者の生体情報と、認証要求に含まれる生体情報を比較する。比較の結果、生体情報が一致すると、買物代行者を認証し、認証結果を店舗端末30に送信する。買物代行者が認証されると、店舗端末30は、精算処理を終了する。
【0091】
(変形例6)
代行者端末20、または、店舗端末30は、商品を撮像した画像、或いは、商品の識別子を取得し、買物代行者が店舗において選択した商品に関するデータを、依頼者端末10に送信してもよい。商品に関するデータは、具体的には、例えば、商品の識別子、商品名、商品画像、商品を紹介するウェブページである。
【0092】
依頼者端末10は、商品に関するデータを依頼者に表示し、代行者が選択した商品の購入許可の入力を受け付け、購入許可を代行者端末20、店舗端末30、或いは決済サーバ400に送信してもよい。買物代行者は、例えば、代行者端末20が受信した購入許可を見て、店舗における精算処理を開始する。店舗端末30は、例えば、購入許可を受信すると、精算処理を実行する。決済サーバ400は、例えば、購入許可を受信すると、識別情報が有効であると判定する。
【0093】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るサービス提供システム1について、図面を用いて説明する。サービス提供システム1は、商品の代行購入サービスの決済処理に用いられる。以下、商品の代行購入サービスの概要を説明する。
【0094】
依頼者は、商品の代行購入を仲介する事業者に、商品の代行購入を依頼する。事業者は、依頼者が指定した商品の購入を代行者に指示する。代行者は、店舗で商品を事業者の決済情報で購入し、購入した商品を依頼者に配送する。なお、代行者は、購入した商品の配送を配送業者に依頼してもよい。事業者は、依頼者が商品を受け取った後、商品の代行購入サービスの依頼者の決済情報で決済処理する。
【0095】
(構成)
図10は、第2実施形態に係るサービス提供システム1の構成を示すブロック図である。サービス提供システム1は、代行指示部150、決済結果取得部160、及び、決済処理部180を備える。
【0096】
代行指示部150は、依頼者により指定された商品の購入指示を代行者の端末に送信する。
【0097】
決済結果取得部160は、代行者が事業者の決済情報を用いて購入した商品に関する決済結果を取得する。決済結果は、事業者と店舗の間の決済処理に関する結果である。決済結果は、例えば、購入した商品の合計金額を含む。なお、決済結果は、決済が完了した日時、商品が購入された店舗、購入した商品の識別子等を含んでもよい。
【0098】
決済処理部180は、依頼者の端末から商品の受取通知を受信した場合に、決済結果に基づき、依頼者から事業者への依頼者の決済情報による決済を処理する。
【0099】
(動作)
以下、第2実施形態に係るサービス提供システム1の動作について、図を用いて説明する。
図11は、第2実施形態に係るサービス提供システム1の動作を例示するフローチャートである。
【0100】
代行指示部150は、依頼者により指定された商品の購入指示を代行者の端末に送信する(ステップS501)。
【0101】
決済結果取得部160は、代行者が事業者の決済情報を用いて購入した商品に関する決済結果を取得する(ステップS502)。
【0102】
決済処理部180は、依頼者の端末から商品の受取通知を受信した場合に、決済結果に基づき、依頼者から事業者への依頼者の決済情報による決済を処理する(ステップS503)。
【0103】
(効果)
第2実施形態に係るサービス提供システム1によれば、依頼者が安心して第三者に買物を依頼できる。その理由は、決済結果取得部160は、代行者が事業者の決済情報を用いて購入した商品に関する決済結果を取得するからである。店舗で代行者が商品を購入する際に、事業者の決済情報で決済が行われ、店舗で代行者によって依頼者の意図しない商品が購入されても、直接依頼者の決済とはならない。
【0104】
また別の理由は、決済処理部180は、依頼者の端末から商品の受取通知を受信した場合に、決済結果に基づき、依頼者から事業者への依頼者の決済情報による決済を処理するからである。依頼者が購入を依頼した商品を受け取った後、依頼者の決済情報で決済処理されるので、決済処理しても商品が届かないおそれがない。
【0105】
(ハードウェア構成)
上述した各実施形態において、サービス提供装置100、及び、サービス提供システム1の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素の一部又は全部は、コンピュータ500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0106】
図12は、コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図12を参照すると、コンピュータ500は、例えば、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、プログラム504、記憶装置505、ドライブ装置507、通信インタフェース508、入力装置509、入出力インタフェース511、及び、バス512を含む。
【0107】
プログラム504は、各装置の各機能を実現するための命令(instruction)を含む。プログラム504は、予め、ROM502やRAM503、記憶装置505に格納される。CPU501は、プログラム504に含まれる命令を実行することにより、各装置の各機能を実現する。例えば、サービス提供装置100のCPU501がプログラム504に含まれる命令を実行することにより、サービス提供装置100は、依頼受付部110、代行者選択部130、識別情報発行部140、代行指示部150、決済結果取得部160、通知受付部170、及び、決済処理部180の機能を実現する。また、RAM503は、各装置の各機能において処理されるデータを記憶してもよい。例えば、サービス提供装置100のRAM503が、依頼者情報、代行者情報、依頼情報、及び、指示情報を記憶してもよい。
【0108】
ドライブ装置507は、記録媒体506の読み書きを行う。通信インタフェース508は、通信ネットワークとのインタフェースを提供する。入力装置509は、例えば、マウスやキーボード等であり、管理者等からの情報の入力を受け付ける。出力装置510は、例えば、ディスプレイであり、管理者等へ情報を出力(表示)する。入出力インタフェース511は、周辺機器とのインタフェースを提供する。入出力インタフェース511には、上述の、リーダ32が接続される。バス512は、これらハードウェアの各構成要素を接続する。なお、プログラム504は、通信ネットワークを介してCPU501に供給されてもよいし、予め、記録媒体506に格納され、ドライブ装置507により読み出され、CPU501に供給されてもよい。
【0109】
なお、
図12に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の構成要素が追加されていてもよく、一部の構成要素を含まなくてもよい。
【0110】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0111】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、プロセッサ等を含む汎用又は専用の回路(circuitry)や、これらの組み合わせによって実現されてもよい。これらの回路は、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0112】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部が複数のコンピュータや回路等により実現される場合、複数のコンピュータや回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0113】
また、サービス提供装置100の少なくとも一部がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてよい。すなわち、サービス提供装置100を実現するための機能の少なくとも一部が、ネットワーク経由で実行されるソフトウェアによって実行されてよい。
【0114】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施形態における構成は、本開示のスコープを逸脱しない限りにおいて、互いに組み合わせることが可能である。
【0115】
この出願は、2020年3月31日に出願された日本出願特願2020-062854を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【符号の説明】
【0116】
1 サービス提供システム
100 サービス提供装置
110 依頼受付部
130 代行者選択部
140 識別情報発行部
150 代行指示部
160 決済結果取得部
170 通知受付部
180 決済処理部
190 登録情報記憶部
10 依頼者端末
20 代行者端末
30 店舗端末
400 決済サーバ