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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-28
(45)【発行日】2025-05-09
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250430BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023567280
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(86)【国際出願番号】 JP2021045806
(87)【国際公開番号】W WO2023112084
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2024-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 恵
(72)【発明者】
【氏名】北出 祐
(72)【発明者】
【氏名】辻川 剛範
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-018492(JP,A)
【文献】特開2013-105232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者を観測した観測情報に基づき、前記対象者が受けた外部刺激の推定値を算出する外部刺激推定手段と、
前記推定値が所定の閾値以上となる時点での前記外部刺激の要因となるイベントを取得する第1取得手段と、
前記時点での前記対象者の主観に基づく前記外部刺激の快・不快に関する情報を取得する第2取得手段と、
前記イベントを前記快・不快に関する情報に基づき分類する分類手段と、
前記イベントの分類結果を表示装置に表示させる表示制御手段と、
を有する制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、第1期間において発生した前記イベントの分類結果と、前記第1期間より前の第2期間において発生した前記イベントの分類結果とを前記表示装置に表示させる、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1期間は、前記イベントの分類結果を前記表示装置が表示する直前の期間であり、前記第2期間は、前記第1期間の直前の期間である、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記第1期間と前記第2期間とにおいて前記分類結果が異なる前記イベントを検出し、検出した前記イベントを強調表示する、請求項2または3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、快に分類される前記イベントに関する表示欄と、不快に分類される前記イベントに関する表示欄とを、夫々前記表示装置に表示させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記快・不快に関する入力画面を前記表示装置に表示させ、
前記第2取得手段は、前記入力画面における前記快・不快に関する入力に基づき、前記快・不快に関する情報を生成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1取得手段は、前記対象者のスケジュールに関するスケジュール情報、又は、前記外部刺激の要因となるイベントを指定する入力画面での入力に基づき、前記イベントを取得する、請求項1~6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記対象者の慢性ストレスの推定値を取得する慢性ストレス取得手段をさらに有し、
前記表示制御手段は、前記慢性ストレスの推定値に基づき、前記イベントの分類結果を表示装置に表示させるタイミングを決定する、請求項1~のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、所定の評価対象期間における、前記分類結果の変化に基づく前記イベントの評価を前記表示装置に表示させる、請求項1~のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記評価を修正する入力を受け付け、当該入力に基づき前記評価の修正に関する情報を生成する、請求項に記載の制御装置。
【請求項11】
コンピュータが、
対象者を観測した観測情報に基づき、前記対象者が受けた外部刺激の推定値を算出し、
前記推定値が所定の閾値以上となる時点での前記外部刺激の要因となるイベントを取得し、
前記時点での前記対象者の主観に基づく前記外部刺激の快・不快に関する情報を取得し、
前記イベントを前記快・不快に関する情報に基づき分類し、
前記イベントの分類結果を表示装置に表示させる、
制御方法。
【請求項12】
対象者を観測した観測情報に基づき、前記対象者が受けた外部刺激の推定値を算出し、
前記推定値が所定の閾値以上となる時点での前記外部刺激の要因となるイベントを取得し、
前記時点での前記対象者の主観に基づく前記外部刺激の快・不快に関する情報を取得し、
前記イベントを前記快・不快に関する情報に基づき分類し、
前記イベントの分類結果を表示装置に表示させる処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内面状態の推定及び推定結果に関する表示の制御を行う制御装置、制御方法及び記憶媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
対象者から測定したデータに基づき対象者のストレス状態を判定する装置又はシステムが知られている。例えば、特許文献1には、対象者の生体情報を測定し、対象者の日常生活におけるストレス状態を判定するシステムが開示されている。また、特許文献2には、対象者の生体データから特徴量を抽出し、抽出した特徴量から慢性ストレスの推定値を算出する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-209128号公報
【文献】国際公開WO2020/209117
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象者の日常生活において発生するイベントは、対象者のストレス(急性ストレスを含む)などを引き起こす外部刺激の要因となっているため、そのような日々発生するイベントが対象者にどのように作用しているかを把握することが自己理解及びストレスマネジメントにとって重要となる。一方、特許文献1及び特許文献2には、外部刺激の要因となるイベントの把握を支援する具体的な手法については、何ら開示していない。
【0005】
本開示は、上述した課題を鑑み、外部刺激の要因となる情報を対象者に提示することが可能な制御装置、制御方法及び記憶媒体を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
制御装置の一の態様は、
対象者を観測した観測情報に基づき、前記対象者が受けた外部刺激の推定値を算出する外部刺激推定手段と、
前記推定値が所定の閾値以上となる時点での前記外部刺激の要因となるイベントを取得する第1取得手段と、
前記時点での前記対象者の主観に基づく前記外部刺激の快・不快に関する情報を取得する第2取得手段と、
前記イベントを前記快・不快に関する情報に基づき分類する分類手段と、
前記イベントの分類結果を表示装置に表示させる表示制御手段と、
を有する制御装置である。
【0007】
制御方法の一の態様は、
コンピュータが、
対象者を観測した観測情報に基づき、前記対象者が受けた外部刺激の推定値を算出し、
前記推定値が所定の閾値以上となる時点での前記外部刺激の要因となるイベントを取得し、
前記時点での前記対象者の主観に基づく前記外部刺激の快・不快に関する情報を取得し、
前記イベントを前記快・不快に関する情報に基づき分類し、
前記イベントの分類結果を表示装置に表示させる、
制御方法である。なお、「コンピュータ」は、あらゆる電子機器(電子機器に含まれるプロセッサであってもよい)を含み、かつ、複数の電子機器により構成されてもよい。
【0008】
プログラムの一の態様は、
対象者を観測した観測情報に基づき、前記対象者が受けた外部刺激の推定値を算出し、
前記推定値が所定の閾値以上となる時点での前記外部刺激の要因となるイベントを取得し、
前記時点での前記対象者の主観に基づく前記外部刺激の快・不快に関する情報を取得し、
前記イベントを前記快・不快に関する情報に基づき分類し、
前記イベントの分類結果を表示装置に表示させる処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、外部刺激の要因となる情報を対象者に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る外部刺激管理システムの概略構成を示す。
図2】各実施形態に共通する外部刺激管理装置のハードウェア構成の一例を示す。
図3】第1実施形態に係る外部刺激管理装置の機能ブロックの一例である。
図4】外部刺激登録画面の表示例である。
図5】第1実施形態における外部刺激フィードバック画面の表示例である。
図6】第1実施形態において外部刺激管理装置が実行するフローチャートの一例である。
図7】第2実施形態に係る外部刺激管理装置の機能ブロックの一例である。
図8】第2実施形態における外部刺激フィードバック画面の表示例である。
図9】第3実施形態に係る外部刺激管理装置の機能ブロックの一例である。
図10】第3実施形態における評価画面の表示例である。
図11】第3実施形態において外部刺激管理装置が実行するフローチャートの一例である。
図12】第4実施形態における外部刺激管理システムの概略構成を示す。
図13】第5実施形態における制御装置のブロック図である。
図14】第5実施形態において外部刺激管理装置が実行するフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、制御装置、制御方法及び記憶媒体の実施形態について説明する。
【0012】
<第1実施形態>
(1)システム構成
図1は、第1実施形態に係る外部刺激管理システム100の概略構成を示す。外部刺激管理システム100は、対象者の外部刺激に関する情報の管理及び表示を行う。ここで、「対象者」は、組織により外部刺激の管理が行われるスポーツ選手又は従業員であってもよく、個人のユーザであってもよい。
【0013】
外部刺激管理システム100は、主に、外部刺激管理装置1と、入力装置2と、表示装置3と、記憶装置4と、センサ5とを備える。
【0014】
外部刺激管理装置1は、対象者のストレス(急性ストレスを含む)などを引き起こす外部刺激の要因となるイベントを、快をもたらす刺激(良い刺激)か不快をもたらす刺激(悪い刺激)かに応じて分類し、その分類結果の提示を行う。外部刺激管理装置1は、通信網を介し、又は、無線若しくは有線による直接通信により、入力装置2、表示装置3、及びセンサ5とデータ通信を行う。例えば、外部刺激管理装置1は、入力装置2から供給される入力信号「S1」、センサ5から供給されるセンサ信号「S3」、及び記憶装置4に記憶された種々の情報を受信する。また、外部刺激管理装置1は、対象者の外部刺激の要因となるイベントの分類結果などを表示するための表示制御信号「S2」を生成し、生成した表示制御信号S2を表示装置3に供給する。
【0015】
入力装置2は、各対象者に関する情報の外部入力(手入力)を受け付けるインターフェースである。なお、入力装置2を用いて情報の入力を行うユーザは、対象者本人であってもよく、対象者の活動を管理又は監督する者であってもよい。入力装置2は、例えば、タッチパネル、ボタン、キーボード、マウス、音声入力装置などの種々の外部入力用インターフェースであってもよい。入力装置2は、ユーザの入力に基づき生成した入力信号S1を、外部刺激管理装置1へ供給する。表示装置3は、外部刺激管理装置1から供給される表示制御信号S2に基づき、所定の情報を表示する。表示装置3の例には、ディスプレイ、仮想(拡張)現実端末又はプロジェクタが含まれる。
【0016】
センサ5は、対象者の生体信号等を測定し、測定した生体信号等を、センサ信号S3として外部刺激管理装置1へ供給する。この場合、センサ信号S3は、対象者の心拍、脳波、脈波、発汗量、ホルモン分泌量、脳血流、血圧、体温、筋電、呼吸数、加速度などの任意の生体信号(バイタル情報を含む)であってもよい。また、センサ5は、対象者から採取された血液を分析し、その分析結果を示すセンサ信号S3を出力する装置であってもよい。また、センサ5は、対象者が装着するウェアラブル端末であってもよく、対象者を撮影するカメラ又は対象者の発話の音声信号を生成するマイク等であってもよく、対象者が操作するパーソナルコンピュータやスマートフォンなどの端末であってもよい。例えば、上述のウェアラブル端末は、GNSS(global navigation satellite system)受信機、加速度センサ、その他生体信号を検出する任意のセンサを含んでおり、これらの各センサの出力信号をセンサ信号S3として出力する。また、センサ5は、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどの操作量に相当する情報をセンサ信号S3として外部刺激管理装置1に供給してもよい。また、センサ5は、対象者の睡眠中に対象者から生体データ(睡眠時間を含む)を表すセンサ信号S3を出力するものであってもよい。
【0017】
記憶装置4は、ストレス状態の推定等に必要な各種情報を記憶するメモリである。記憶装置4は、外部刺激管理装置1に接続又は内蔵されたハードディスクなどの外部記憶装置であってもよく、フラッシュメモリなどの記憶媒体であってもよい。また、記憶装置4は、外部刺激管理装置1とデータ通信を行うサーバ装置であってもよい。また、記憶装置4は、複数の装置から構成されてもよい。
【0018】
記憶装置4は、機能的には、観測情報記憶部40と、外部刺激推定値記憶部41と、快・不快関連情報記憶部42と、イベント情報記憶部43と、を有している。
【0019】
観測情報記憶部40は、センサ5等により対象者を観測(測定)した情報(「観測情報」とも呼ぶ。)を記憶する。ここで、センサ5が出力するセンサ信号S3そのものが観測情報として扱われてもよく、センサ信号S3に基づき算出される特徴量(画像又は音声データから解析される表情、感情などを表す指標を含む)が観測情報として扱われてもよい。また、観測情報は、入力信号S1に基づくアンケート情報又は当該情報に基づく性格等の診断結果を含んでもよい。観測情報は、例えば、観測対象となる対象者の識別情報(対象者ID)及び観測日時を表す日時情報等とが紐付けられて観測情報記憶部40に記憶される。
【0020】
外部刺激推定値記憶部41は、観測情報記憶部40に記憶された観測情報に基づき外部刺激管理装置1により算出された対象者への外部刺激の推定値である外部刺激推定値を記憶する。本実施形態では、外部刺激管理装置1は、外部刺激の推定値に相当する指標の一例として、外部刺激により引き起こされる急性ストレスの度合いを表す急性ストレス値を算出し、急性ストレス値を外部刺激推定値として用いる。なお、急性ストレス値を外部刺激推定値として用いることに限らず、外部刺激に応じて変化する任意の生体信号の特徴量(例えば、心拍、脈波、発汗量、血圧、体温、呼吸数等に関する指標値)を外部刺激推定値として用いてもよい。外部刺激推定値は、例えば、推定された外部刺激を対象者が受けた日時情報及び対象者ID等と紐付けられて外部刺激推定値記憶部41に記憶される。
【0021】
快・不快関連情報記憶部42は、対象者の主観に基づく外部刺激への快・不快に関する情報である快・不快関連情報を記憶する。快・不快関連情報は、例えば、特定のタイミングにおいて対象者が受けた外部刺激が対象者に快をもたらす刺激(良い刺激)であるか、又は、不快をもたらす刺激(悪い刺激)であるかを示す。外部刺激管理装置1は、入力信号S1に基づき、対象者の主観に基づく外部刺激の快・不快を認識し、認識結果に基づき快・不快関連情報を生成する。快・不快関連情報は、例えば、快・不快の判定が行われた外部刺激の発生日時を表す日時情報及び対象者ID等と紐付けられて快・不快関連情報記憶部42に記憶される。
【0022】
イベント情報記憶部43は、対象者の外部刺激に起因したイベント情報を記憶する。イベント情報は、対象者が受けた外部刺激の発生日時又はその直前日時における対象者のイベントを表す情報であり、例えば、イベントの種類(カテゴリ)、内容、及びイベントが行われた日時(又は/及びイベントに起因する外部刺激の発生日時)に関する情報を少なくとも含む。イベント情報は、例えば、対象者IDと紐付けられてイベント情報記憶部43に記憶される。
【0023】
なお、図1に示す外部刺激管理システム100の構成は一例であり、当該構成に種々の変更が行われてもよい。例えば、入力装置2及び表示装置3は、一体となって構成されてもよい。この場合、入力装置2及び表示装置3は、外部刺激管理装置1と一体又は別体となるタブレット型端末として構成されてもよい。この場合、外部刺激管理装置1、入力装置2、表示装置3及びセンサ5(及び記憶装置4を含んでもよい)は、対象者が使用する一台のスマートフォンとして構成されてもよい。また、外部刺激管理装置1は、複数の装置から構成されてもよい。この場合、外部刺激管理装置1を構成する複数の装置は、予め割り当てられた処理を実行するために必要な情報の授受を、これらの複数の装置間において行う。また、外部刺激管理装置1は、スピーカなどの音出力装置と接続又は内蔵し、表示装置3が出力する表示内容に応じた音声等を音出力装置により出力してもよい。
【0024】
(2)外部刺激管理装置のハードウェア構成
図2は、外部刺激管理装置1のハードウェア構成を示す。外部刺激管理装置1は、ハードウェアとして、プロセッサ11と、メモリ12と、インターフェース13とを含む。プロセッサ11、メモリ12及びインターフェース13は、データバス90を介して接続されている。
【0025】
プロセッサ11は、メモリ12に記憶されているプログラムを実行することにより、外部刺激管理装置1の全体の制御を行うコントローラ(演算装置)として機能する。プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)などのプロセッサである。プロセッサ11は、複数のプロセッサから構成されてもよい。プロセッサ11は、コンピュータの一例である。
【0026】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの各種の揮発性メモリ及び不揮発性メモリにより構成される。また、メモリ12には、外部刺激管理装置1が実行する処理を実行するためのプログラムが記憶される。なお、メモリ12が記憶する情報の一部は、外部刺激管理装置1と通信可能な1又は複数の外部記憶装置により記憶されてもよく、外部刺激管理装置1に対して着脱自在な記憶媒体により記憶されてもよい。
【0027】
インターフェース13は、外部刺激管理装置1と他の装置とを電気的に接続するためのインターフェースである。これらのインターフェースは、他の装置とデータの送受信を無線により行うためのネットワークアダプタなどのワイアレスインタフェースであってもよく、他の装置とケーブル等により接続するためのハードウェアインターフェースであってもよい。
【0028】
なお、外部刺激管理装置1のハードウェア構成は、図2に示す構成に限定されない。例えば、外部刺激管理装置1は、入力装置2又は表示装置3の少なくとも一方を含んでもよい。また、外部刺激管理装置1は、スピーカなどの音出力装置と接続又は内蔵してもよい。
【0029】
(3)イベント分類処理
次に、外部刺激管理装置1が実行する、外部刺激の要因となるイベントの分類に関する処理であるイベント分類処理について説明する。概略的には、外部刺激管理装置1は、顕著な外部刺激に対して対象者が感じた快・不快の入力を受け付けることで、当該外部刺激の要因となったイベントに対して対象者が受けた快・不快を判定する。そして、外部刺激管理装置1は、快・不快に基づくイベントの分類結果を複数の期間の各々について集計し、期間ごとのイベントの分類結果を表示する。これにより、外部刺激管理装置1は、対象者が受けた快・不快に基づくイベントの分類結果及び分類結果の変化を対象者に提示する。
【0030】
(3-1)機能ブロック
図3は、外部刺激管理装置1の機能ブロックの一例である。外部刺激管理装置1のプロセッサ11は、機能的には、観測情報取得部14と、外部刺激推定部15と、快・不快判定部16と、イベント取得部17と、分類部18と、表示制御部19とを有する。なお、図3では、データの授受が行われるブロック同士を実線により結んでいるが、データの授受が行われるブロックの組合せは図3に限定されない。後述する他の機能ブロックの図においても同様である。
【0031】
観測情報取得部14は、センサ信号S3に基づき、対象者の観測情報を取得し、取得した観測情報を観測情報記憶部40に記憶する。この場合、上述したように、観測情報取得部14は、センサ信号S3を観測情報として取得してもよく、センサ信号S3に基づき算出される特徴量(画像又は音声データから解析される表情、感情などを表す指標を含む)を観測情報として取得してもよい。なお、観測情報取得部14は、入力信号S1に基づくアンケート情報又は当該情報に基づく性格等の診断結果を観測情報として取得してもよい。
【0032】
外部刺激推定部15は、対象者の外部刺激推定値を算出し、算出した外部刺激推定値を外部刺激推定値記憶部41に記憶する。本実施形態では、外部刺激推定部15は、観測情報記憶部40から所定期間における対象者の観測情報を抽出し、抽出した観測情報に基づき算出した同期間における時系列での急性ストレス値を、同期間における外部刺激推定値として算出する。この場合、外部刺激推定部15は、観測情報に基づき急性ストレス値の推定を行うストレス推定モデルを用いて急性ストレス値を推定してもよい。ここで、上述のストレス推定モデルは、例えば、対象者の観測情報が入力された場合に当該対象者の急性ストレス値を出力するように予め学習されたモデルであり、当該モデルを構成するためのパラメータが記憶装置4等に予め記憶されている。
【0033】
快・不快判定部16は、入力信号S1に基づき、顕著な外部刺激に対して対象者が感じた快・不快の判定を行い、快・不快の判定結果を快・不快関連情報記憶部42に記憶する。ここで、快・不快が判定される対象となる外部刺激(「対象外部刺激」とも呼ぶ。)は、入力装置2による対象者の入力により特定された外部刺激であってもよく、時系列の外部刺激推定値に対するピーク検出処理(閾値処理も含む)に基づき外部刺激管理装置1により特定された外部刺激であってもよい。対象外部刺激に対する快・不快の判定の具体例については、図4の表示例を参照して後述する。
【0034】
イベント取得部17は、対象外部刺激の発生要因となった対象者のイベント(「外部刺激要因イベント」とも呼ぶ。)を表すイベント情報を取得し、取得したイベント情報をイベント情報記憶部43に記憶する。イベント取得部17は、イベント情報を、対象者のスケジュールに関するスケジュール情報を管理するスケジュール管理システムから取得してもよく、入力装置2が対象者の入力操作により生成した入力信号S1に基づき生成してもよい。
【0035】
分類部18は、表示制御部19から所定の要求があった場合、快・不快関連情報記憶部42が記憶する快・不快関連情報及びイベント情報記憶部43が記憶するイベント情報を参照し、夫々発生した外部刺激要因イベントを期間ごとに分類する。そして、分類部18は、上記の分類結果を、上記の要求の応答として表示制御部19に供給する。ここで、外部刺激要因イベントが分類される期間は、例えば、表示を行う現日時に対して直近の所定期間(例えば、直近1か月間)と、当該所定期間の直前の期間(例えば、1か月~2か月前の間)とを少なくとも含むように設定される。なお、上述の期間の長さは月単位に限らず、日単位、週単位、複数月単位、年単位などの任意の長さであってもよい。以後では、直近の所定期間を「対象期間」と呼び、対象期間の直前の期間を「比較期間」と呼ぶ。従って、分類部18が表示制御部19に供給する分類結果には、対象期間での外部刺激要因イベントの快・不快に基づく分類結果と、比較期間での外部刺激要因イベントの快・不快に基づく分類結果とが含まれている。対象期間は第1期間の一例であり、比較期間は第2期間の一例である。
【0036】
表示制御部19は、入力信号S1等に基づき、外部刺激要因イベントの分類結果の表示要求を検知した場合に、外部刺激要因イベントの分類結果の表示画面を表示装置3に表示させる制御を行う。この場合、表示制御部19は、分類部18に対して外部刺激要因イベントの分類を要求し、その応答として外部刺激要因イベントの分類結果を分類部18から受信する。また、表示制御部19は、対象外部刺激に対する快・不快に関する対象者の入力を受け付ける入力画面を、表示装置3に表示させる制御を行う。表示制御部19は、これらの画面を表示装置3に表示させるための表示制御信号S2を生成し、当該表示制御信号S2を表示装置3にインターフェース13を介して供給する。
【0037】
なお、図3において説明した観測情報取得部14、外部刺激推定部15、快・不快判定部16、イベント取得部17、分類部18及び表示制御部19の各構成要素は、例えば、プロセッサ11がプログラムを実行することによって実現できる。また、必要なプログラムを任意の不揮発性記憶媒体に記録しておき、必要に応じてインストールすることで、各構成要素を実現するようにしてもよい。なお、これらの各構成要素の少なくとも一部は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組合せ等により実現してもよい。また、これらの各構成要素の少なくとも一部は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はマイクロコントローラ等の、プログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、上記の各構成要素から構成されるプログラムを実現してもよい。また、各構成要素の少なくとも一部は、ASSP(Application Specific Standard Produce)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又は量子プロセッサ(量子コンピュータ制御チップ)により構成されてもよい。このように、各構成要素は、種々のハードウェアにより実現されてもよい。以上のことは、後述する他の実施の形態においても同様である。さらに、これらの各構成要素は、例えば、クラウドコンピューティング技術などを用いて、複数のコンピュータの協働によって実現されてもよい。
【0038】
(3-2)快・不快関連情報の生成
次に、快・不快関連情報の生成方法の具体例について説明する。図4は、対象外部刺激に対する対象者による快・不快の入力等を受け付ける外部刺激登録画面の表示例である。ここでは、一例として、一日の終わりにその日に発生した対象外部刺激に対する外部刺激要因イベント及び快・不快の登録を対象者が表示装置3を参照しながら入力装置2を用いて行う例が示されている。
【0039】
表示制御部19は、外部刺激推定値記憶部41を参照して外部刺激登録画面の表示制御信号S2を生成し、生成した表示制御信号S2をインターフェース13を介して表示装置3に供給することで、表示装置3に外部刺激登録画面を表示させている。そして、表示制御部19は、外部刺激登録画面上に、主に、外部刺激推移表示欄60と、外部刺激要因イベント指定欄62(62A,62B)と、快・不快指定欄63(63A,63B)と、登録ボタン64とを設けている。
【0040】
表示制御部19は、外部刺激推移表示欄60上に、現在の日付(ここでは〇月〇日)において算出された1日分の外部刺激推定値の推移を表す外部刺激推定値グラフを表示している。また、表示制御部19は、外部刺激推定値グラフ上において、対象外部刺激に該当する箇所(計2か所)を、破線円61A、61Bにより囲むことで明示している。ここでは、表示制御部19は、外部刺激推定値グラフの極大値に相当する箇所であって所定の閾値以上となる箇所を、対象外部刺激として検出している。なお、表示制御部19は、上述の例に限らず、外部刺激推定値グラフの増減点、変化点、変曲点、又は切替点となる箇所を、対象外部刺激として検出してもよい。また、表示制御部19は、対象者が外部刺激登録画面上で指定した外部刺激推定値グラフの箇所を入力信号S1に基づき特定し、特定した箇所を対象外部刺激として検出してもよい。
【0041】
また、表示制御部19は、2個の対象外部刺激に夫々対応する外部刺激要因イベント指定欄62(62A,62B)及び快・不快指定欄63(63A,63B)を表示している。具体的には、表示制御部19は、13時30分の対象外部刺激に対応する、外部刺激要因イベント指定欄62A及び快・不快指定欄63Aを設け、16時30分の対象外部刺激に対応する、外部刺激要因イベント指定欄62B及び快・不快指定欄63Bを設けている。
【0042】
また、外部刺激要因イベント指定欄62(62A,62B)は、一例として、テキスト入力欄となっている。なお、対象者のスケジュール情報に基づきイベント取得部17が対象の外部刺激要因イベントを取得した場合には、表示制御部19は、取得された外部刺激要因イベントを、対象者の入力によらずに外部刺激要因イベント指定欄62(62A,62B)に表示する。また、外部刺激要因イベント指定欄62(62A,62B)は、プルダウンメニュー形式又はその他の任意の形式の入力欄であってもよい。
【0043】
また、快・不快指定欄63(63A,63B)は、一例として、プルダウンメニュー形式(ここでは「快」及び「不快」の二択)の入力欄となっている。なお、この例に代えて、63(63A,63B)は、快・不快の度合いを示すスコアの入力を受け付けてもよい。この場合、快・不快判定部16は、例えば、入力されたスコアから、快又は不快のいずれに該当するかを判定し、快・不快関連情報を生成する。さらに別の例では、表示制御部19は、「快」及び「不快」の各選択肢に対応する絵文字を63(63A,63B)に選択可能に表示し、快・不快判定部16は、選択された絵文字の種類に基づき、快・不快関連情報を生成してもよい。
【0044】
登録ボタン64が選択されたことを表示制御部19が検知した場合、イベント取得部17は、外部刺激要因イベント指定欄62(62A,62B)への入力内容に基づくイベント情報を、対応する対象外部刺激の発生日時を表す日時情報等と関連付けてイベント情報記憶部43に記憶する。同様に、快・不快判定部16は、快・不快指定欄63(63A,63B)への入力内容に基づく快・不快関連情報を、対応する対象外部刺激の発生日時を表す日時情報等と関連付けて快・不快関連情報記憶部42に記憶する。
【0045】
なお、表示制御部19は、外部刺激登録画面上にさらにカレンダー等を表示し、対象者による日付選択を受け付けてもよい。この場合、表示制御部19は、選択された日付の対象外部刺激に対する外部刺激要因イベント及び快・不快の入力を受け付けるように外部刺激登録画面の表示を更新する。これにより、表示制御部19は、任意の日付に発生した対象外部刺激に対するイベント情報及び快・不快関連情報を生成することができる。
【0046】
(3-3)外部刺激要因イベントの分類結果の表示
次に、外部刺激要因イベントの分類及びその分類結果の表示に関する具体例について説明する。図5は、外部刺激に関する対象者へのフィードバックを表示する外部刺激フィードバック画面の表示例である。ここでは、一例として、表示制御部19は、直近1か月間と、その前の1か月間(即ち1~2か月前)とにおける、良い刺激の要因となったイベント及び悪い刺激の要因となったイベントを、夫々外部刺激フィードバック画面上に示している。即ち、ここでは、表示制御部19は、1か月を集計期間の長さとし、直近の1か月に相当する対象期間と対象期間の直前期間に相当する比較期間との外部刺激要因イベントの分類結果を外部刺激フィードバック画面上に対比可能に並べて表示している。
【0047】
表示制御部19は、外部刺激フィードバック画面上に、過去良刺激表示欄70Aと、過去悪刺激表示欄70Bと、最新良刺激表示欄70Cと、最新悪刺激表示欄70Dとを設けている。過去良刺激表示欄70Aは、比較期間である1~2か月前において快(即ち良い刺激)と判定された外部刺激要因イベントを表示しており、過去悪刺激表示欄70Bは、同期間において不快(即ち悪い刺激)と判定された外部刺激要因イベントを表示している。また、最新良刺激表示欄70Cは、対象期間である直近1か月間において快と判定された外部刺激要因イベントを表示しており、最新悪刺激表示欄70Dは、同期間において不快と判定された外部刺激要因イベントを表示している。
【0048】
また、ここでは、表示制御部19は、対象期間と比較期間とで分類結果が異なる外部刺激要因イベントを検出し、検出した外部刺激要因イベントを強調表示している。ここでは、表示制御部19は、比較期間において悪い刺激の要因となったイベント「プレゼン発表」が対象期間において良い刺激の要因となったイベントに変化していることから、過去悪刺激表示欄70B及び最新良刺激表示欄70Cでの「プレゼン発表」を強調表示している。これにより、表示制御部19は、対象期間と比較期間とで異なるクラスに分類された外部刺激要因イベントを容易に対象者に認識させることができる。
【0049】
一方、表示制御部19は、対象期間と比較期間とで共通して良い刺激の要因となった外部刺激要因イベントを、過去良刺激表示欄70A及び最新良刺激表示欄70Cにおいて同一位置に表示する。同様に、表示制御部19は、対象期間と比較期間とで共通して悪い刺激の要因となった外部刺激要因イベントを、過去悪刺激表示欄70B及び最新悪刺激表示欄70Dにおいて同一位置に表示している。このように、表示制御部19は、対象期間と比較期間とで分類結果が変化しない外部刺激要因イベントを対応付けて表示することで、分類結果が変化しない外部刺激要因イベントを容易に対象者に認識させることができる。
【0050】
なお、表示制御部19は、外部刺激フィードバック画面の各欄に表示する外部刺激要因イベントを、期間内での出現頻度に応じた態様により表示してもよい。例えば、「ランニング」が比較期間において1度良い刺激の要因となり、「小運動」が比較期間において複数回良い刺激の要因となった場合、表示制御部19は、過去良刺激表示欄70Aにおいて「ランニング」よりも「小運動」を目立つ態様(例えば大きいフォントサイズ)により表示してもよい。
【0051】
また、外部刺激登録画面において、快・不快のスコアが入力された場合には、表示制御部19は、外部刺激フィードバック画面上に表示する外部刺激要因イベントを、対応する快・不快のスコアに応じた態様により表示してもよい。例えば、比較期間での外部刺激要因イベントである「ランニング」に対応する快・不快のスコアが、比較期間での外部刺激要因イベントである「小運動」に対応する快・不快のスコアよりも高い場合、表示制御部19は、過去良刺激表示欄70Aにおいて「小運動」よりも「ランニング」を目立つ態様により表示してもよい。
【0052】
(3-4)処理フロー
図6は、第1実施形態において外部刺激管理装置1が実行するフローチャートの一例である。外部刺激管理装置1は、フローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0053】
まず、外部刺激管理装置1は、観測情報を取得する(ステップS11)。この場合、外部刺激管理装置1は、センサ5から供給されるセンサ信号S3に基づき、観測情報を取得し、取得した観測情報を観測情報記憶部40に記憶する。
【0054】
次に、外部刺激管理装置1は、観測情報記憶部40に記憶された観測情報に基づき、外部刺激の推定を行う(ステップS12)。外部刺激管理装置1は、推定結果である外部刺激推定値を外部刺激推定値記憶部41に記憶する。
【0055】
そして、外部刺激管理装置1は、対象外部刺激を決定する(ステップS13)。この場合、外部刺激管理装置1は、対象者の入力に基づき対象外部刺激を決定してもよく、ピーク検出処理などに基づき対象外部刺激を決定してもよい。そして、外部刺激管理装置1は、決定した各対象外部刺激の要因となるイベント(即ち外部刺激要因イベント)を表すイベント情報を取得する(ステップS14)。この場合、外部刺激管理装置1は、対象者のスケジュール情報に基づき外部刺激要因イベント及びそのイベント情報を生成してもよく、対象者の入力に基づき外部刺激要因イベント及びそのイベント情報を生成してもよい。
【0056】
そして、外部刺激管理装置1は、決定された対象外部刺激の各々に対して対象者の主観に基づく快・不快を判定する(ステップS15)。この場合、外部刺激管理装置1は、対象者の入力に基づき、決定された対象外部刺激の各々に対する対象者の快・不快に関する快・不快関連情報を生成する。
【0057】
そして、外部刺激管理装置1は、外部刺激要因イベントの分類に関するフィードバックを行うべきタイミングであるか否か判定する(ステップS16)。この場合、例えば、外部刺激管理装置1は、外部刺激フィードバック画面の表示要求を入力信号S1に基づき検出した場合、外部刺激要因イベントの分類に関するフィードバックを行うべきタイミングであると判定する。そして、外部刺激管理装置1は、外部刺激要因イベントの分類に関するフィードバックを行うべきタイミングではないと判定した場合(ステップS16;No)、ステップS11~ステップS15の処理を引き続き実行する。
【0058】
一方、外部刺激要因イベントの分類に関するフィードバックを行うべきタイミングである場合(ステップS16;Yes)、外部刺激管理装置1は、外部刺激要因イベントを対象期間及び比較期間において夫々分類する(ステップS17)。この場合、外部刺激管理装置1は、対象期間における外部刺激要因イベントを、対応する快・不快関連情報に基づき分類し、比較期間における外部刺激要因イベントを、対応する快・不快関連情報に基づき分類する。
【0059】
そして、外部刺激管理装置1は、各期間での外部刺激要因イベントの分類結果を表示する(ステップS18)。この場合、例えば、外部刺激管理装置1は、表示制御信号S2を表示装置3に供給することで、図5に示される外部刺激フィードバック画面を表示装置3に表示させる。これにより、外部刺激管理装置1は、対象期間と比較期間とでの外部刺激に対する対象者の受け止め方及びその変化を対象者に提示することができる。
【0060】
(4)変形例
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は任意に組み合わせて上述した実施形態に適用してもよい。
【0061】
(変形例1)
外部刺激管理装置1は、外部刺激要因イベントを快・不快に基づく2つのクラスに分類してその分類結果を表示する代わりに、外部刺激要因イベントを3クラス以上に分類してその分類結果を表示してもよい。
【0062】
この場合、外部刺激管理装置1は、例えば、外部刺激登録画面の快・不快指定欄63において「快」、「不快」、「どちらでもない」の3つのクラスを選択肢として受け付ける。そして、外部刺激管理装置1は、当該快・不快指定欄63での入力に基づき生成された快・不快関連情報を参照することで、対象期間及び比較期間における外部刺激要因イベントを上記3つのクラスに分類して表示する。この場合、外部刺激管理装置1は、図5の表示例と同様の表示制御を行う。具体的には、外部刺激管理装置1は、対象期間と比較期間とで分類結果が異なる外部刺激要因イベントを強調表示したり、対象期間と比較期間とで分類結果が同一の外部刺激要因イベントを、該当する表示欄内で同一位置に表示したりする。外部刺激要因イベントを4クラス以上に分類する場合も同様に、外部刺激管理装置1は、対象者の入力に基づき所定数のクラスに対象外部刺激が分類された快・不快関連情報を生成し、対象期間及び比較期間における外部刺激要因イベントを所定数のクラスに分類して表示する。
【0063】
本変形例においても、外部刺激管理装置1は、対象期間と比較期間とでの外部刺激に対する対象者の受け止め方及びその変化を対象者に提示することができる。
【0064】
(変形例2)
外部刺激管理装置1は、比較期間を複数設け、複数の比較期間における外部刺激要因イベントの分類結果と対象期間における外部刺激要因イベントの分類結果とを表示してもよい。
【0065】
この場合、例えば、外部刺激管理装置1は、対象期間における外部刺激要因イベントの分類結果と、各比較期間における外部刺激要因イベントの分類結果とを対比可能に並べて表示する。この場合においても、外部刺激管理装置1は、図5の表示例と同様、対象期間と各比較期間とで分類が変化した外部刺激要因イベントを強調表示したり、対象期間と各比較期間とで同一分類の外部刺激要因イベントを、該当する表示欄上で同一位置に表示したりする。
【0066】
本変形例によれば、外部刺激管理装置1は、対象期間と複数の比較期間とでの外部刺激に対する対象者の受け止め方及びその変化を対象者に提示することができる。
【0067】
<第2実施形態>
第2実施形態では、外部刺激管理システム100は、対象者の慢性ストレスの変化度合いに基づいて、対象者に外部刺激要因イベントの分類結果をフィードバックするタイミングを決定する処理を実行する。以後では、第1実施形態と同一となる第2実施形態の構成要素については適宜同一の符号を用い、その説明を省略する。
【0068】
図7は、第2実施形態における外部刺激管理装置1Aの機能ブロック図である。第2実施形態に係る外部刺激管理装置1Aのプロセッサ11は、第1実施形態において説明した観測情報取得部14、外部刺激推定部15、快・不快判定部16、イベント取得部17、分類部18、表示制御部19に加えて、慢性ストレス推定部20と、表示タイミング決定部21とを有する。また、記憶装置4は、第1実施形態において説明した観測情報記憶部40、外部刺激推定値記憶部41、快・不快関連情報記憶部42、イベント情報記憶部43に加えて、対象者の慢性ストレスの推定値である慢性ストレス推定値を記憶する慢性ストレス推定値記憶部44を有する。慢性ストレスは、数日から週又は月単位での長期(慢性)的な観点でのストレスである。
【0069】
慢性ストレス推定部20は、観測情報記憶部40が記憶する観測情報に基づき、慢性ストレス推定値を算出する。慢性ストレス推定部20は、観測情報記憶部40から、慢性ストレスの推定において対象者の状態が考慮される期間(即ち、上述した数日から週又は月単位の期間)内の観測情報であって慢性ストレス値と相関を有する観測情報を抽出し、抽出した観測情報から慢性ストレス値を推定する。この場合、慢性ストレス推定部20は、任意の方法に基づいて観測情報から慢性ストレス値を推定してもよい。また、慢性ストレス推定部20は、慢性ストレスを推定するためのアンケートの回答結果に基づく観測情報(即ち主観的に測定された情報)から慢性ストレス値を推定してもよい。なお、慢性ストレス値を推定するためのアンケートとしてPSS(Perceived Stress Scale)アンケートなどが存在する。また、慢性ストレス推定部20は、慢性ストレス値の推定を行う推定モデルを用いて慢性ストレス値を推定してもよい。特許文献2には、慢性ストレスの推定方法の一例が記載されている。慢性ストレス推定部20は、算出した慢性ストレス推定値を、対象者ID及び対象の日時を表す日時情報と関連付けて慢性ストレス推定値記憶部44に記憶する。
【0070】
表示タイミング決定部21は、慢性ストレス推定値に基づき、外部刺激フィードバック画面の表示タイミング(即ち、対象者に外部刺激要因イベントの分類結果をフィードバックするタイミング)を決定する。この場合、表示タイミング決定部21は、例えば、現在の慢性ストレス推定値が所定の基準日での慢性ストレス推定値と比べて所定値以上高くなった(又は低くなった)ことを検出した場合、外部刺激フィードバック画面の表示タイミングであると判定する。上述の基準日は、例えば、前回の外部刺激フィードバック画面の表示日であってもよく、対象者が指定した日であってもよく、対象期間の初日(例えば月初め)であってもよい。他の例では、表示タイミング決定部21は、慢性ストレス推定値の推移を監視し、当該推移において変曲点(変化点又は切替点)を検出した場合に、外部刺激フィードバック画面の表示タイミングであると判定する。なお、表示タイミング決定部21は、慢性ストレス推定値が極大値又は極小値となる日を検出した場合においても、外部刺激フィードバック画面の表示タイミングであると判定してもよい。
【0071】
そして、表示タイミング決定部21が外部刺激フィードバック画面の表示タイミングとなったと判定した場合、分類部18は、表示タイミング決定部21の要求に基づき外部刺激要因イベントの分類を実行する。そして、表示制御部19は、外部刺激要因イベントの分類結果を表す外部刺激フィードバック画面の表示制御を行う。この場合、好適には、表示制御部19は、慢性ストレス推定値記憶部44を参照し、慢性ストレス推定値の推移を外部刺激フィードバック画面上に表示するとよい。なお、表示タイミング決定部21は、外部刺激フィードバック画面の表示タイミングであると判定した場合、外部刺激フィードバック画面の表示を指示する操作を促す警告(通知)を表示装置3等により出力してもよい。この場合、上記警告に応じて外部刺激フィードバック画面の表示要求を入力信号S1により検知したときに、分類部18は外部刺激要因イベントの分類を行い、表示制御部19は外部刺激フィードバック画面の表示制御を行う。
【0072】
このように、第2実施形態に係る外部刺激管理装置1Aは、慢性ストレスが急減又は急増したタイミング等において、外部刺激フィードバック画面を表示することで、外部刺激の良否に基づく外部刺激要因イベントの分類の変化を対象者に認識させ、対象者の自己理解を深めることが可能となる。
【0073】
図8は、第2実施形態における外部刺激フィードバック画面の表示例である。ここでは、一例として、表示制御部19は、1日ごとに過去1か月の対象者の観測情報に基づく慢性ストレス推定値を算出し、慢性ストレス推定値の急増を検知したことから、外部刺激フィードバック画面を表示装置3に表示させている。
【0074】
表示制御部19は、外部刺激フィードバック画面上に、1日ごとの慢性ストレス推定値の推移を示す慢性ストレス推移表示欄60Aと、過去良刺激表示欄70Aと、過去悪刺激表示欄70Bと、最新良刺激表示欄70Cと、最新悪刺激表示欄70Dとを表示している。
【0075】
表示制御部19は、慢性ストレス推移表示欄60A上に、慢性ストレス推定値記憶部44を参照し、6月15日から現在の日付である7月14日までの1か月における1日ごとの慢性ストレス推定値の推移を示すグラフを表示している。ここでは、一例として、表示タイミング決定部21は、現在から1か月前の6月15日の慢性ストレス推定値に対し、本日の7月14日の慢性ストレス推定値が所定の閾値より高いことから、外部刺激フィードバック画面の表示タイミングになったと判定している。そして、表示制御部19は、現在日付の7月14日から直近1か月までの期間(6月15日~7月14日)を対象期間、その前の一か月間(5月15日~6月14日)を比較期間に設定し、各期間での外部刺激要因イベントの分類結果を各表示欄に表示している。
【0076】
そして、表示制御部19は、対象期間と比較期間とで分類結果が異なる外部刺激要因イベントを該当する表示欄において強調表示している。これにより、表示制御部19は、慢性ストレスが増加した要因を対象者にフィードバックさせて対象者が自己理解を深めることを促進することができる。具体的には、対象期間において対象者がランニングをする時間がなかったことから比較期間において良い刺激の要因であったランニングが対象期間において発生せず、対象期間での良い刺激が比較期間よりも減っている。一方、対象者の業務関係の変化により新PJ(プロジェクト)の打ち合わせが発生し、対象期間での悪い(プレッシャーのかかる)刺激が比較期間よりも増えている。従って、表示制御部19は、「ランニング」及び「新PJの打ち合わせ」を、該当する表示欄において強調表示している。
【0077】
また、外部刺激管理装置1Aは、慢性ストレスが減少したことを検知した場合にも同様に、外部刺激フィードバック画面の表示タイミングであると判定し、対象期間と比較期間とにおける外部刺激要因イベントの分類結果及びその変化を表示する。これにより、外部刺激管理装置1Aは、慢性ストレスが減少した要因を対象者にフィードバックさせて対象者が自己理解を深めることを促進することができる。
【0078】
ここで、第2実施形態における処理フローについて図6を参照して補足説明する。外部刺激管理装置1Aは、慢性ストレス推定値を、ステップS12~ステップS15までの任意のタイミングにおいて算出し、算出した慢性ストレス推定値を慢性ストレス推定値記憶部44に記憶する。そして、外部刺激管理装置1Aは、ステップS16において、慢性ストレス推定値記憶部44に記憶された慢性ストレス推定値に基づき、フィードバックのタイミングであるか否か判定する。そして、外部刺激管理装置1Aは、慢性ストレス推定値に基づき、フィードバックのタイミングであると判定した場合に、ステップS17へ処理を進める。なお、外部刺激管理装置1Aは、上述したように、フィードバックのタイミングであると判定後、所定の警告(通知)を出力し、当該警告に応じて外部刺激フィードバック画面の表示要求の入力を検知したときに、ステップS17へ処理を進めてもよい。
【0079】
<第3実施形態>
第3実施形態では、第1実施形態又は第2実施形態における処理に加えて、外部刺激管理システム100は、中長期的な期間における外部刺激要因イベントの快・不快の変化の有無に基づく評価結果を表示し、かつ、当該評価結果の修正(即ち再評価)の入力を受け付ける。これにより、外部刺激管理システム100は、中長期的な区切りごとの外部刺激要因イベントの評価結果を表示し、かつその評価結果の修正を受け付ける。以後では、第1実施形態と同一となる第3実施形態の構成要素については適宜同一の符号を用い、その説明を省略する。
【0080】
図9は、第3実施形態における外部刺激管理装置1Bの機能ブロック図である。第3実施形態に係る外部刺激管理装置1Bのプロセッサ11は、第1実施形態において説明した観測情報取得部14、外部刺激推定部15、快・不快判定部16、イベント取得部17、分類部18に加えて、表示制御部19Aを有する。表示制御部19Aは、第1実施形態において説明した表示制御部19が実行する処理に加えて、中長期的な期間における外部刺激要因イベントの快・不快の変化の有無に基づく評価結果を表示装置3に表示させ、かつ、当該評価結果の修正を受け付ける処理を行う。「中長期的な期間」は、評価対象となる期間であり、以後では「評価対象期間」とも呼ぶ。また、記憶装置4は、第1実施形態において説明した観測情報記憶部40、外部刺激推定値記憶部41、快・不快関連情報記憶部42、イベント情報記憶部43に加えて、評価画面において入力された外部刺激要因イベントの分類結果の再評価に関する再評価情報を記憶する再評価情報記憶部45を有する。
【0081】
図10は、第3実施形態における評価画面の表示例である。ここでは、一例として、表示制御部19は、2021年内を評価対象期間とし、2021年の月ごとの外部刺激要因イベントの快・不快の分類結果に基づき、2021年内での各外部刺激要因イベントの評価結果を評価画面上に表示し、かつ、その評価結果を修正する入力を受け付ける。
【0082】
表示制御部19は、評価画面上において、評価結果表示欄65と、完了ボタン66とを設けている。評価結果表示欄65は、2021年の月ごとの外部刺激要因イベントの快・不快の分類結果に基づく各外部刺激要因イベントの評価結果を表示している。ここでの外部刺激要因イベントの評価は、(a)2021年中において外部刺激要因イベントが一貫して快(良い刺激)、又は、(b)2021年中において一貫して不快(悪い刺激)、又は、(c)2021年の途中で快から不快に変わった、又は、(d)2021年の途中で不快から快に変わった、のパターン(a)~(d)のいずれに該当するかの評価である。このように、表示制御部19は、月ごとの外部刺激要因イベントの分類結果を集計することで、各外部刺激要因イベントをパターン(a)~(d)のいずれに該当するか評価し、その評価結果を評価結果表示欄65に表示する。
【0083】
また、表示制御部19は、評価結果表示欄65上の各外部刺激要因イベントの表示位置を、ドラッグアンドドロップ操作等に基づき変更する入力を受け付ける。例えば、図10では、表示制御部19は、当初はパターン(b)に相当する「不快」の欄に表示されていた「会議」を、ドラッグアンドドロップ操作によりパターン(c)に相当する「不快→快」の欄に移動させている。そして、表示制御部19は、移動された外部刺激要因イベント(ここでは「会議」)を強調表示している。なお、表示制御部19は、ドラッグアンドドロップ以外の任意の入力方法(音声入力等も含む)に基づき各外部刺激要因イベントへの評価の変更(即ち再評価)を受け付けてもよい。
【0084】
そして、表示制御部19は、完了ボタン66が選択されたことを検知した場合、評価が変更された外部刺激要因イベント(ここでは「会議」)に関する情報を再評価情報として再評価情報記憶部45に記憶する。この場合、再評価情報は、例えば、対象の外部刺激要因イベント(ここでは「会議」)と、当該外部刺激要因イベントに対する最終的な評価(ここでは「不快→快」)と、対象者IDとを少なくとも含む情報である。
【0085】
そして、再評価情報記憶部45に記憶された再評価情報は、例えば、快・不快に関する対象者の入力を支援する情報として用いられてもよい。この場合、例えば、表示制御部19は、外部刺激登録画面の外部刺激要因イベント指定欄62にて指定されたイベントが再評価情報により示される外部刺激要因イベントと一致する場合には、外部刺激要因イベント指定欄62にて指定されたイベントの再評価情報に基づく評価を表示する。例えば、表示制御部19は、図10に示す評価画面にて再評価情報の生成後、その後に表示した外部刺激登録画面の外部刺激要因イベント指定欄62にて「会議」が指定された場合、「会議」が不快から快に評価が変わっている旨を通知する表示を行う。これにより、表示制御部19は、快・不快に関する快・不快指定欄63での入力を好適に支援することができる。
【0086】
図11は、第3実施形態において外部刺激管理装置1Bが実行するフローチャートの一例である。外部刺激管理装置1Bは、このフローチャートの処理を、図6に示すフローチャートの処理に加えて実行する。
【0087】
まず、外部刺激管理装置1Bは、外部刺激要因イベントに対する中長期的な評価のタイミングであるか否か判定する(ステップS21)。例えば、外部刺激管理装置1Bは、評価対象期間における評価の実行を指示する対象者の入力を入力信号S1に基づき検知した場合に、外部刺激要因イベントに対する中長期的な評価のタイミングであると判定する。この場合、評価対象期間は、対象者により指定された期間であってもよい。他の例では、外部刺激管理装置1Bは、中長期的な区切りとなる所定のタイミング(例えば期末又は期首の所定時点)になったと判定した場合に、今期又は直前期を評価対象期間とする外部刺激要因イベントへの中長期的な評価のタイミングであると判定する。
【0088】
次に、外部刺激管理装置1Bは、評価対象期間に発生した各外部刺激要因イベントについて、分類結果の変化に基づく評価を決定し、当該評価を表示装置3上に表示する(ステップS22)。この場合、外部刺激管理装置1Bは、例えば、表示制御信号S2を生成し、当該表示制御信号S2を表示装置3に供給することで、評価対象期間に発生した各外部刺激要因イベントがパターン(a)~(d)のいずれに該当するかを示す情報を表示装置3に表示させる。
【0089】
そして、外部刺激管理装置1Bは、ステップS22で表示した各外部刺激要因イベントに対する評価の修正を受け付ける(ステップS23)。そして、外部刺激管理装置1Bは、ステップS23において受け付けた評価の修正内容を示す再評価情報を生成し、生成した再評価情報を再評価情報記憶部45に記憶する。
【0090】
<第4実施形態>
図12は、第4実施形態における外部刺激管理システム100Cの概略構成を示す。第4実施形態に係る外部刺激管理システム100Cは、サーバクライアントモデルのシステムであり、サーバ装置として機能する外部刺激管理装置1Cが第1実施形態における外部刺激管理装置1、第2実施形態における外部刺激管理装置1A、又は第3実施形態における外部刺激管理装置1Bの処理を行う。以後では、第1実施形態~第3実施形態と同一構成要素については、適宜同一符号を付し、その説明を省略する。
【0091】
外部刺激管理システム100Cは、主に、サーバとして機能する外部刺激管理装置1Cと、記憶装置4と、クライアントとして機能する端末装置8とを有する。外部刺激管理装置1Cと端末装置8とは、ネットワーク7を介してデータ通信を行う。
【0092】
端末装置8は、対象者が使用する端末であり、入力機能、表示機能、及び通信機能を有し、図1に示される入力装置2及び表示装置3等として機能する。端末装置8は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどのタブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistant)などであってもよい。端末装置8は、利用者が装着するウェアラブルセンサなどのセンサ5と電気的に接続し、センサ5が出力する対象者の生体信号等(即ち、図1におけるセンサ信号S3に相当する情報)を、外部刺激管理装置1Cに送信する。また、端末装置8は、外部入力により生成された情報(図1における入力信号S1に相当する情報)を、外部刺激管理装置1Cに送信する。
【0093】
外部刺激管理装置1Cは、図2に示す外部刺激管理装置1のハードウェア構成と同一のハードウェア構成を有し、外部刺激管理装置1Cのプロセッサ11は、第1実施形態~第3実施形態において説明したいずれかの機能ブロックを有する。そして、外部刺激管理装置1Cは、図1における入力信号S1及びセンサ信号S3に相当する情報を、ネットワーク7を介して端末装置8から受信し、イベント分類処理等を実行する。また、外部刺激管理装置1Cは、端末装置8からの表示要求に基づき、イベント分類結果を出力するための表示制御信号を、ネットワーク7を介して端末装置8へ送信する。
【0094】
第4実施形態によれば、対象者が使用する端末装置8から受信する対象者の生体信号及び入力信号等に基づき、対象者が受けた快・不快に基づくイベントの分類結果及び期間に応じた分類結果の変化を、端末装置8により対象者に提示することができる。
【0095】
<第5実施形態>
図13は、第5実施形態における制御装置1Xのブロック図である。制御装置1Xは、例えば、第1実施形態に係る外部刺激管理装置1、第2実施形態に係る外部刺激管理装置1A、第3実施形態に係る外部刺激管理装置1B、第4実施形態に係る外部刺激管理装置1Cのいずれかとすることができる。制御装置1Xは、主に、第1取得手段17Xと、第2取得手段16Xと、分類手段18Xと、表示制御手段19Xとを有する。なお、制御装置1Xは、複数の装置により構成されてもよい。
【0096】
第1取得手段17Xは、対象者が受けた外部刺激の要因となるイベントを取得する。第1取得手段17Xは、例えば、第1実施形態~第4実施形態においてイベント情報を生成するイベント取得部17、又は、イベント情報をイベント情報記憶部43から取得する分類部18とすることができる。
【0097】
第2取得手段16Xは、対象者の主観に基づく外部刺激の快・不快に関する情報を取得する。第2取得手段16Xは、例えば、第1実施形態~第4実施形態において快・不快関連情報を生成する快・不快判定部16、又は、快・不快関連情報を快・不快関連情報記憶部42から取得する分類部18とすることができる。なお、「快・不快に関する情報」は、対象となる外部刺激が快・不快のいずれであるかを示す情報であることに限らず、第1実施形態の変形例1における快・不快関連情報と同様、快・不快の度合いを3段階以上により示す情報であってもよい。
【0098】
分類手段18Xは、イベントを快・不快に関する情報に基づき分類する。分類手段18Xは、第1実施形態~第4実施形態における分類部18とすることができる。表示制御手段19Xは、イベントの分類結果を表示装置に表示させる。この場合、外部刺激管理装置1Xは、表示装置と同一装置(即ち表示装置と一体に構成された装置)であってもよく、別の装置であってもよい。表示制御手段19Xは、第1実施形態~第4実施形態における表示制御部19又は表示制御部19Aとすることができる。
【0099】
図14は、第5実施形態において外部刺激管理装置1Xが実行するフローチャートの一例である。第1取得手段17Xは、対象者が受けた外部刺激の要因となるイベントを取得する(ステップS31)。第2取得手段16Xは、対象者の主観に基づく外部刺激の快・不快に関する情報を取得する(ステップS32)。分類手段18Xは、イベントを快・不快に関する情報に基づき分類する(ステップS33)。表示制御手段19Xは、イベントの分類結果を表示装置に表示させる(ステップS34)。
【0100】
第5実施形態によれば、外部刺激管理装置1Xは、対象者が受けた外部刺激の要因となるイベントの快・不快に関する分類結果を好適に提示することができる。
【0101】
なお、上述した各実施形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータであるプロセッサ等に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記憶媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記憶媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0102】
その他、上記の各実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。
【0103】
[付記1]
対象者が受けた外部刺激の要因となるイベントを取得する第1取得手段と、
前記対象者の主観に基づく前記外部刺激の快・不快に関する情報を取得する第2取得手段と、
前記イベントを前記快・不快に関する情報に基づき分類する分類手段と、
前記イベントの分類結果を表示装置に表示させる表示制御手段と、
を有する制御装置。
[付記2]
前記表示制御手段は、第1期間において発生した前記イベントの分類結果と、前記第1期間より前の第2期間において発生した前記イベントの分類結果とを前記表示装置に表示させる、付記1に記載の制御装置。
[付記3]
前記第1期間は、前記イベントの分類結果を前記表示装置が表示する直前の期間であり、前記第2期間は、前記第1期間の直前の期間である、付記2に記載の制御装置。
[付記4]
前記表示制御手段は、前記第1期間と前記第2期間とにおいて前記分類結果が異なる前記イベントを検出し、検出した前記イベントを強調表示する、付記2または3に記載の制御装置。
[付記5]
前記表示制御手段は、快に分類される前記イベントに関する表示欄と、不快に分類される前記イベントに関する表示欄とを、夫々前記表示装置に表示させる、付記1~4のいずれか一項に記載の制御装置。
[付記6]
前記表示制御手段は、前記快・不快に関する入力画面を前記表示装置に表示させ、
前記第2取得手段は、前記入力画面における前記快・不快に関する入力に基づき、前記快・不快に関する情報を生成する、付記1~5のいずれか一項に記載の制御装置。
[付記7]
前記第1取得手段は、前記対象者のスケジュールに関するスケジュール情報、又は、前記外部刺激の要因となるイベントを指定する入力画面での入力に基づき、前記イベントを取得する、付記1~6のいずれか一項に記載の制御装置。
[付記8]
前記対象者を観測した観測情報に基づき、前記外部刺激の推定値を算出する外部刺激推定手段と、
前記外部刺激の時系列での推定値に基づき、前記イベント及び前記快・不快に関する情報を取得する対象となる前記外部刺激を決定する決定手段と、
をさらに有する付記1~7のいずれか一項に記載の制御装置。
[付記9]
前記対象者の慢性ストレスの推定値を取得する慢性ストレス取得手段をさらに有し、
前記表示制御手段は、前記慢性ストレスの推定値に基づき、前記イベントの分類結果を表示装置に表示させるタイミングを決定する、付記1~8のいずれか一項に記載の制御装置。
[付記10]
前記表示制御手段は、所定の評価対象期間における、前記分類結果の変化に基づく前記イベントの評価を前記表示装置に表示させる、付記1~9のいずれか一項に記載の制御装置。
[付記11]
前記表示制御手段は、前記評価を修正する入力を受け付け、当該入力に基づき前記評価の修正に関する情報を生成する、付記10に記載の制御装置。
[付記12]
コンピュータが、
対象者が受けた外部刺激の要因となるイベントを取得し、
前記対象者の主観に基づく前記外部刺激の快・不快に関する情報を取得し、
前記イベントを前記快・不快に関する情報に基づき分類し、
前記イベントの分類結果を表示装置に表示させる、
制御方法。
[付記13]
対象者が受けた外部刺激の要因となるイベントを取得し、
前記対象者の主観に基づく前記外部刺激の快・不快に関する情報を取得し、
前記イベントを前記快・不快に関する情報に基づき分類し、
前記イベントの分類結果を表示装置に表示させる処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された記憶媒体。
【0104】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0105】
1、1A~1C 外部刺激管理装置
1X 制御装置
2 入力装置
3 表示装置
4 記憶装置
5 センサ
8 端末装置
100、100C 外部刺激管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14