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特許7674095全ての飛行条件における外側から操縦室への持続する気流
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-28
(45)【発行日】2025-05-09
(54)【発明の名称】全ての飛行条件における外側から操縦室への持続する気流
(51)【国際特許分類】
   B64D 13/04 20060101AFI20250430BHJP
【FI】
B64D13/04
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020208176
(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公開番号】P2021104804
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】16/719,466
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クリステンソン, ブライアン シー.
(72)【発明者】
【氏名】アトキー, ウォーレン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ティラック, ブライス エー.
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0231035(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0189132(US,A1)
【文献】米国特許第05516330(US,A)
【文献】米国特許第10137317(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2008/0283663(US,A1)
【文献】特開2018-034790(JP,A)
【文献】米国特許第05253484(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(100)の操縦室(112、202、302)の中への気流を持続させるためのシステム(200、300)であって、
各空気源が前記航空機(100)の占有エリアに向けて気流を導くように構成された複数の空気源、
気流が前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを可能・不可能にするように構成された制御弁、並びに
計算システム(201、301)を備え、前記計算システム(201、301)が、
前記操縦室(112、202、302)の中に入る気流のレベルが閾値未満であるような、前記気流のレベルの減少を検出し
記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの増加をもたらすために、前記制御弁を調整し、
センサを使用して、前記航空機(100)のキャビン(110、204、304)内の有毒なガスを検出し、及び
前記キャビン(110、204、304)内の前記有毒なガスを検出したことに基づいて、気流が前記キャビン(110、204、304)から前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを防止するために、特定の制御弁を調整するように構成されている、システム(200、300)。
【請求項2】
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルを測定するように構成された流量センサ(206、306)を更に備え、
前記計算システム(201、301)が、
前記流量センサ(206、306)を使用して、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出するように更に構成されている、請求項1に記載のシステム(200、300)。
【請求項3】
前記計算システム(20、30)が、
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出し、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、前記複数の空気源の少なくとも1つの空気源から前記操縦室(112、202、302)に向けて導かれる気流の増加を可能にするために、特定の制御弁を調整するように更に構成されている、請求項1又は2に記載のシステム(200、300)。
【請求項4】
前記複数の空気源が、
前記航空機(100)の外側から空気を受け取り、その空気を調整された状態で前記航空機(100)の占有エリアに向かう気流として供給するように構成されている、空調パック(208)を備え、
前記計算システム(201、301)が、
昇圧ファン(212、214)に、前記空調パック(208)によって供給された気流を、キャビン(110、204、304)の中に入らないで、前記操縦室(112、202、302)に向かうように推進させることを実行させるように更に構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム(200、300)。
【請求項5】
前記計算システム(201、301)が、
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに応じて、前記減少の源を特定し、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記増加をもたらすために、前記減少の前記源の近傍の1以上の制御弁を調整するように更に構成されている、請求項1からのいずれか一項に記載のシステム(200、300)。
【請求項6】
前記計算システム(20、30)が、
前記減少の前記源が第1の空気源に一致すると特定し、及び
それに応じて、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルを増加させるために、第2の空気源の近傍の少なくとも1つの制御弁を調整するように更に構成されている、請求項に記載のシステム(200、300)。
【請求項7】
航空機(100)の操縦室(112、202、302)の中への気流を持続させるための方法であって、
計算システム(20、30)において、前記操縦室(112、202、302)の中に入る気流のレベルが閾値レベル未満であるような、前記気流のレベルの減少を検出することであって、前記航空機(100)は、前記航空機(100)の占有エリアに向けて気流を導くように構成された各空気源を有する複数の空気源を含む、前記気流のレベルの減少を検出すること
記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、前記縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの増加をもたらすために、気流が前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを可能・不可能にするように構成された制御弁を調整すること
センサを使用して、前記航空機(100)のキャビン(110、204、304)内の有毒なガスを検出すること、及び
前記キャビン(110、204、304)内の前記有毒なガスを検出したことに基づいて、気流が前記キャビン(110、204、304)から前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを防止するために、第1の制御弁を調整することを含む、方法。
【請求項8】
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出することが、
複数のセンサからの測定値に基づいて、前記減少を検出することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の制御弁を調整したことに応じて、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出すること、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、空調パック(208)から前記操縦室(112、202、302)に向けて導かれる気流の増加を可能にするために、第2の制御弁を調整することを更に含み、
前記空調パック(208)は、前記航空機(100)の外側から空気を受け取り、その空気を調整された状態で前記操縦室(112、202、302)及び前記キャビン(110、204、304)に向かう気流として供給するように構成されている、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに応じて、前記減少の源を特定すること、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記増加をもたらすために、前記減少の前記源の近傍に配置された1以上の制御弁を調整することを更に含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記減少の前記源を特定することが、
前記減少の前記源が第1の空気源に一致すると特定することを含み、
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記増加をもたらすために、前記減少の前記源の近傍に配置された1以上の制御弁を調整することが、
それに応じて、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルを増加させるために、第2の空気源の近傍の特定の制御弁を調整することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
指示命令を記憶した非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記指示命令は、1以上のプロセッサによって、計算システム(20、30)に、
航空機(100)の操縦室(112、202、302)の中に入る気流のレベルが閾値レベル未満であるような、前記気流のレベルの減少を検出することであって、前記航空機(100)は、前記航空機(100)の占有エリアに向けて気流を導くように構成された各空気源を有する複数の空気源を含む、前記気流のレベルの減少を検出すること
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの増加をもたらすために、気流が前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを可能・不可能にするように構成された制御弁を調整すること
センサを使用して、前記航空機(100)のキャビン(110、204、304)内の有毒なガスを検出すること、
前記キャビン(110、204、304)内の前記有毒なガスを検出したことに基づいて、気流が前記キャビン(110、204、304)から前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを防止するために、第1の制御弁を調整すること
を含む機能を実行させるように、実行可能である、非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
組の空調パック(208)の第1の空調パック(208)における不具合を検出することであって、各空調パック(208)が、前記航空機(100)の外側から空気を受け取り、その空気を調整された状態で前記航空機(100)の占有エリアに向かう気流として供給するように構成されている、第1の空調パック(208)における不具合を検出すること、並びに
前記第1の空調パック(208)における前記不具合を検出したことに応じて、混合マニフォールドからの気流が前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを防止するために第1の制御弁を調整すること、及び、前記一組の空調パック(208)の第2の空調パック(208)からの気流が、前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを可能にするために、第2の制御弁を調整することを更に含む、請求項12に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、航空機内で気流(airflow)を持続させることに関し、特に、航空機の外側から操縦室への気流を内側で持続させることに関する。
【背景技術】
【0002】
キャビン加圧は、飛行中に乗客と乗務員のための安全で快適な環境を生成するために、調整された空気が航空機の占有エリアの中へ押し込まれるプロセスである。航空機の環境制御システム(ECS)は、航空機の内部環境を維持するために、空気供給(air supply)、熱制御、キャビン加圧を提供することができる。空気供給については、空気がガスタービンエンジンのコンプレッサ段から抽気され、次いで引き続き、冷却され、加湿され、再循環空気と混合され(必要であれば)、その後、ECSによって航空機全体を通して分配される。したがって、乗務員と乗客が飛行のために先ず搭乗する時から、全ての乗客と乗務員が飛行後に航空機から降りるまで、航空機のECSが健康的で快適な環境を提供することが望ましい。これは、航空機を操縦するための最適な条件を確実にするために、全ての条件において航空機の外側から操縦室へ空気を継続的に供給することができる空気供給に対する要求を含む。
【発明の概要】
【0003】
一実施例では、航空機の操縦室の中への気流を持続させるためのシステムが説明される。該システムは、複数の空気源を含む。ここで、各空気源は、航空機の占有エリアに向けて気流を導くように構成されている。該システムはまた、操縦室の中に入る気流のレベルを測定するように構成された流量センサ(flow sensor)、操縦室の中に気流が入ることを可能・不可能にするように構成された制御弁、及び計算システムも含む。該計算システムは、流量センサを使用して、操縦室の中に入る気流のレベルが閾値レベル未満であるような、気流のレベルの減少を検出するように構成されている。更に、該計算システムは、操縦室の中に入る気流のレベルの減少を検出したことに基づいて、操縦室の中に入る気流のレベルの増加をもたらすために、制御弁を調整するように更に構成されている。
【0004】
別の一実施例では、航空機の操縦室の中への気流を持続させるための方法が説明される。該方法は、計算システムで、流量センサを使用して、操縦室の中に入る気流のレベルが閾値レベル未満であるような、気流のレベルの減少を検出することを含む。航空機は、航空機の占有エリアに向けて気流を導くように構成された各空気源を有する複数の空気源を含み、流量センサは、操縦室の中に入る気流のレベルを測定するように構成されている。該方法は、操縦室の中に入る気流のレベルの減少を検出したことに基づいて、操縦室の中に入る気流のレベルの増加をもたらすために制御弁を調整することを更に含む。該制御弁は、操縦室の中に気流が入ることを可能・不可能にするように構成されている。
【0005】
更なる一実施例では、非一過性のコンピュータ可読媒体が説明される。非一過性のコンピュータ可読媒体は、指示命令であって、1以上のプロセッサによって実行されたときに、計算システムに、上述の方法の機能のうちの1以上を実行させる指示命令を記憶するように構成されている。
【0006】
前述の特徴、機能、及び利点は、様々な例において個別に実現可能であるか、又は、更に別の例において組み合わせることが可能である。下記の説明及び図面を参照することで、これらの特徴、機能、及び利点の更なる詳細が理解され得る。
【0007】
例示的な実施例の特徴と考えられる新規の特性は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかし、例示的な実施例、並びに好ましい使用モード、更なる目的、及びそれらの説明は、添付図面を参照して、本開示の例示的な実施例についての以下の詳細な説明を読むことにより、最もよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的な一実施態様による、航空機の斜視図を示す。
図2】例示的な一実施態様による、気流制御のためのシステムを示す。
図3】例示的な一実施態様による、気流制御のための別のシステムを示す。
図4】例示的な一実施態様による、計算システムのブロック図である。
図5】例示的な一実施態様による、方法のフローチャートを示す。
図6】例示的な一実施態様による、図5で示されている方法と共に使用される別の方法のフローチャートを示す。
図7】例示的な一実施態様による、図5で示されている方法と共に使用される更なる方法の追加のフローチャートを示す。
図8】例示的な一実施態様による、図5で示されている方法と共に使用される更なるフローチャートを示す。
図9】例示的な一実施態様による、図5で示されている方法と共に使用される方法の更に別のフローチャートを示す。
図10】例示的な実施態様による、図5で示されている方法と共に使用される方法の追加のフローチャートを示す。
図11】例示的な実施態様による、図5で示されている方法と共に使用される方法の更なるフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書ではこれより、添付図面を参照しつつ開示されている例についてより網羅的に説明するが、添付図面に示すのは開示されている例の一部であって、全てではない。実際には、幾つかの異なる実施例が提供される場合があり、これらの実施例は、本明細書に明記されている実施例に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施例は、この開示内容が包括的で完全であるように、且つ、本開示の範囲が当業者に十分に伝わるように説明されている。
【0010】
航空機は、典型的には、外側の空気と、操縦室やキャビンなどの航空機の占有エリアへの再循環空気との混合を提供する。外側の空気と再循環空気との両方の混合を使用して、占有エリアの内側の温度と湿度との両方を調整し、乗客及び乗務員とにとって飛行をより快適なものにする。したがって、エンジンのコンプレッサ段から空気供給が抽気され得る。圧縮された空気は、非常に熱いが、コンプレッサの燃焼ガスとの接触は一切避けられる。コンプレッサから、空気は冷却のために空調パックの中に導かれる。空調パックは、次いで、調整された空気を、気流として、方向板(louver)、通気口(vent)、及び座席の上方のガスパー(gasper)を通して、キャビンや操縦室の中に導く。
【0011】
最適な動作条件を確実にするために、航空機の空気供給システムは、キャビンに対する正圧(positive pressure)が、全ての実現可能な飛行条件向において維持されるように、操縦室に気流を提供可能であることが望ましいだろう。特に、キャビンに対する操縦室の正圧を維持している気流は、航空機の外側から取得された新鮮な空気であってよい。航空機内にそのような空気供給構成を有することによって、操縦室は、空調パックが故障している間又は航空機のキャビン内で有毒なガスが検出されたときであってさえも、航空機の動作のための安全な環境を提供することができる。
【0012】
例示的な実施形態は、様々な飛行条件の間に航空機の操縦室の中への外側からの気流を確実にするための技法を説明する。例示的な空気供給システムは、航空機の1以上のパイロットのための最適な動作条件を確実にするために、外側の空気が航空機の操縦室に供給されることを可能にするように構成され得る。更に、空気供給システムは、種々の条件に応じて調整を行い、操縦室の中に新鮮な気流を継続的に提供することができる。
【0013】
ある例示的な実施形態では、計算システム又は別の種類の制御ユニットが、操縦室の中に入る気流のレベルの減少を検出し得る。例えば、流量センサ又は別の種類のセンサが、操縦室の中に入る気流のレベルが、気流の閾値レベル未満であることを検出するために使用され得る、測定値を取得し得る。操縦室の中に入る気流のレベルの減少を検出したことに基づいて、計算システム(又は別の制御ユニット)は、操縦室の中に入る気流のレベルの増加をもたらすために制御弁を調整し得る。該制御弁は、操縦室の中に気流が入ることを可能・不可能にするように構成され得る。したがって、制御弁を調整することによって、より多くの気流が操縦室の中に入ることが可能になる。
【0014】
ある実施形態では、航空機の操縦室の中への気流を持続させるためのシステムが、空気源、センサ(例えば、1以上の流量センサ)、及び制御弁を含み得る。これらの構成要素は、航空機のECSの部分であり得る。該システム内で、各空気源は、キャビンや操縦室などの航空機の占有エリアに向けて気流を導くことができる。したがって、計算システム又は別の種類の制御機構は、乗務員が全ての条件で安全に航空機を動作させることを可能にするために、気流が操縦室の中へと持続することを確実にするように動作を実行し得る。
【0015】
計算システムによって実行される動作は、流量センサなどのセンサを使用して、操縦室の中に入る気流のレベルの減少を検出することを含み得る。流量センサは、操縦室の中に入る気流のレベルなどの、あるエリアを通過する気流のレベルを測定するように構成されたある種類のセンサである。したがって、計算システムは、1以上の流量センサからの測定値を使用して、操縦室及び/又は他の占有エリアの中に入る気流のレベルをモニタし得る。
【0016】
計算システムが、操縦室の中に入る気流のレベルが閾値レベル未満であるような、気流のレベルの減少を検出すると、計算システムは、操縦室の中に入る気流のレベルの増加をもたらすために1以上の制御弁を調整し得る。特に、計算システムは、操縦室の中に入る気流のレベルが閾値レベルを満たすことを確実にするために、空気供給システムに対する調整を行い得る。したがって、閾値レベルは、実施例の範囲内で変動し得る。幾つかの実施例では、閾値レベルが、閾値レベルが満たされたときに、操縦室がキャビン圧力に対して正圧を有する気流を受け取ることをもたらすレベルに設定され得る。別の一実施例では、閾値レベルが、航空機の種類に依存し得る。
【0017】
幾つかの状況では、航空機のキャビン内で有毒なガスが検出され得る。例えば、1以上のセンサが、キャビン内で、望ましくないガス、煙、及び/又は他の物質の存在を検出し得る。キャビン及び操縦室は、航空機内で近接して配置されているので、計算システムは、1以上の制御弁を調整することによって、有毒なガス又は他の望ましくない物質が、キャビンを出て操縦室の中に入ることを防止するように構成され得る。特に、その調整は、有毒なガスを操縦室の中に導くことを回避するやり方で、有毒なガスがキャビンを出ることを可能にし得る。更に、制御弁の調整は、操縦室が新鮮な空気の継続的な供給を受け取ることを確実にするために、航空機の外側からの新鮮な空気が調整され、操縦室の中に導かれることを可能にし得る。
【0018】
ある実施例では、計算システムがまた、再循環気流がキャビンを出てキャビンから操縦室の中に入ることを防止するために、1以上のファンを停止させ得る。これらのファンは、キャビン内で気流を再循環させるように構成され得る。したがって、ファンのうちの1以上を停止させることによって、キャビン内の望ましくないガス又は物質を含む再循環キャビン気流が、キャビンを出て操縦室の中に入ることを防止する助けとなり得る。
【0019】
幾つかの実施例では、航空機の乗務員又は乗客が、有毒なガスの存在に気付いて、有毒なガスが操縦室に到達することを防止するために航空機のシステムに対する制御を提供し得る、パイロット又は乗務員のうちの他のメンバーに警告するかもしれない。例えば、乗務員は、航空機の空気供給システムを操作するために、制御弁を調整し、他の動作(例えば、ファンを起動又は起動解除すること)を実行することができる、入力制御装置を有し得る。
【0020】
他の実施形態の範囲内では、計算システムが、1以上の制御弁、ファン、及び/又は他の機構を調整することによって、操縦室の中に入る気流のレベルが閾値レベルを満たすことを確実し得る。例えば、計算システムは、1以上の空調パックから操縦室に向けて導かれる気流の増加を可能にするために、1以上の制御弁を調整し得る。空調パックは、航空機の外側から空気を受け取り、その空気を調整された状態で1以上の占有エリア(例えば、操縦室及びキャビン)に向かう気流として供給する。
【0021】
幾つかの場合では、計算システムが、航空機内の気流を操作する助けとなるために、1以上の昇圧ファン(boost fan)を使用し得る。例えば、計算システムは、1以上の空調パックによって供給される気流をキャビンから離れて操縦室に向かうように推進するために、1以上の昇圧ファンを使用し得る。このストラテジー(strategy)は、操縦室が、空調パックによって調整され供給される外側の空気を受け取ることを確実にし得る。
【0022】
幾つかの実施例は、空気源の誤作動又は望ましくない動作に応じて、調整を行うことを含み得る。例えば、計算システムは、操縦室(又はキャビン)の中に入る気流の減少に基づいて、誤作動している空気源を検出し、それに応じて、どの空気源が減少をもたらしているかを特定し得る。計算システムは、センサの測定値を使用して、どの空気源が空気供給の問題をもたらしているかを特定し、それに応じて、問題のある空気源を特定したことに基づいて1以上の制御弁を調整し得る。例えば、計算システムは、気流が誤作動している空気源によって操縦室に供給されることを防止するために第1の制御弁を調整し、別の空気源から操縦室の中に入る気流を増加させるために第2の制御弁を調整し得る。
【0023】
次に図面を参照すると、図1は、例示的な一実施態様による、航空機の斜視図を示している。航空機100は、一組の翼102、胴体104、尾部106、及び機首108を実装するように示されている。他の実施形態では、航空機100が、他の構成を有し得る。
【0024】
更に、図1は、航空機100のキャビン110及び操縦室112の位置を示している。キャビン110及び操縦室112は、共に集合的に、乗客及び乗務員が飛行中に占め得る航空機100の占有エリアを作り上げている。特に、乗客は、キャビン110内に座り、一方で、パイロットは、操縦室112内から航空機を動作させる。キャビン110及び操縦室112は、コックピットのドアによって分離されてよく、一組の空調パックなどの同じ空気源のうち1以上から空気供給を受け取ってよい。
【0025】
図2は、例示的な一実施態様による、気流制御のためのシステムを示す。システム200は、計算システム201、操縦室202、キャビン204、流量センサ206、空調パック208、210、ファン212、214、及び混合マニフォールド216を含む。更に、システム200は、遮断弁220A、220B、220C、流れ調整遮断弁(flow regulating shutoff valve)222A、222B、及びバルクヘッドチェック弁224A、224Bなどの制御弁も含む。図2で示されている実施例では、システム200内で使用される特定の種類の制御弁が示されている。他の実施例では、種々の種類の制御弁を有する他の配置が使用され得る。
【0026】
システム200は、航空機の外側からの空気が、図1で示されている航空機100などの航空機の操縦室202に継続的に供給されることを可能にするように設計されている。システム200の構成は、動作中に任意の外側空気源を用いて乗務員の手順が実行されるときを含んで、全ての飛行条件において操縦室202の中への新鮮な空気の確かな供給を確実にし得る。
【0027】
計算システム201は、システム200内の1以上の制御システムを実行し得る。例えば、計算システム201は、センサの測定値に基づいて、制御弁を調整し、気流の変化を検出し、本明細書で説明される他の動作を実行し得る。他の実施例では、システム200が、異なる制御ユニット又は機械的な制御などの、別の種類の制御機構を含み得る。例えば、システム200は、別の例示的な一実施態様において、計算システム201を含まないかもしれない。
【0028】
コックピットとしても知られる操縦室202は、1以上のパイロットが航空機を制御し得る航空機のエリアである。操縦室202は、図1で示されている航空機100の機首107の近くに位置付けられている操縦室112の位置と同様に、航空機の前部の近くに配置されてよい。更に、操縦室202は、航空機のキャビン204から境界(例えば、ドア)によって物理的に分離され得る。結果として、各占有エリアは、航空機の空気供給からの気流を受け取るための種々の入口を有し得る。
【0029】
図2で示されているように、操縦室202は、空気が操縦室202の中に入ることを可能にするように構成された吐出口232を含む。幾つかの事例では、吐出口232が、空気が占有エリアから出るための出口としても働き得る(例えば、吐出口232は、空気が操縦室202から出るための出口として働き得る)。システム200は、図2では示されていない、操縦室202及びキャビン204における出口を含んでもよい。
【0030】
操縦室202に加えて、キャビン204は、航空機内の別の占有エリアである。特に、キャビン204は、乗客が飛行中に占めるための図1で示されている航空機100の胴体104内のエリアであってよい。多くの航空機では、キャビン204が、乗客が飛行中に利用するための座席を含んでよい。
【0031】
幾つかの航空機内のキャビン204の全容積は、操縦室202を超えてよい。特に、ジェット旅客機及び他の種類の航空機は、操縦室202よりも実質的に大きいキャビン204を含み得る(例えば、キャビン204は、操縦室202の空間より4倍大きいかもしれない)。キャビン204のより大きなサイズは、より多くの乗客が飛行中にキャビン204を占めることを可能にし得る。一方、操縦室202は、1以上のパイロットのための空間を提供するように設計され得る。
【0032】
サイズの差の結果として、キャビン204は、操縦室202よりも多くの空気供給入口を含み得る。例えば、幾つかの種類の航空機では、操縦室202が、単一の空気供給入口を含んでよく、キャビン204が、複数の空気供給入口を含んでよい。したがって、各空気供給入口は、入口から出てキャビン204の中に流れる空気を操作するための制御弁を含み得る。例えば、システム200は、それぞれ、吐出口230A、230B、230Cに近接して配置された遮断弁220A、220B、220Cを有するように示されている。吐出口230A、230B、230Cは、空調パック208、210及びファン212、214などの、1以上の源からキャビン204の中に気流を供給するように構成され得る。
【0033】
流量センサ206は、システム200が空気供給内の気流を測定するために使用し得る例示的なセンサを表している。特に、流量センサ206は、流量センサ206が、吐出口232(例えば、ノズル)を介して操縦室202の中に入る気流のレベル(例えば、空気の圧力)を測定することを可能にする、システム200内の位置を有し得る。流量センサ206は、制御システム(例えば、計算システム)が、システム200内の1以上の制御弁を調整することを介して、操縦室202の中に入る気流の速度を調整することを可能にする、測定値を制御システムに提供し得る。他の実施例では、システム200が、更なる流量センサを含み得る。それらは、操縦室202及びキャビン204に対する様々な位置に位置付けられてよい。
【0034】
システム200は、空調パック208、210およびファン212、214を含む、航空機の空気供給システム内の気流を提供する(又は気流を導く)ように構成された種々の空気源を含む。他の実施例では、システム200が、1以上の空気源の他の配置を含み得る。例えば、空気源の量、種類、及び位置は、航空機の種類及びサイズに依存する。
【0035】
各空調パック208、210は、航空機の外側から空気を受け取り、その空気を調整された状態で1以上の占有エリア(例えば、操縦室及びキャビン)に向かう気流として供給するように構成され得る。したがって、空調パック208、210は、新鮮な外側の空気を取得し、航空機内のシステム200によって制御される空気供給の中に供給し得る。図示されているように、空調パック208、210によって調整された空気は、システム200内の混合マニフォールド216に供給され得る。
【0036】
更に、ファン212、214は、航空機の空気供給内の気流を調整するためにも使用され得る。特に、各ファン212は、航空機の特定のエリア(例えば、占有エリア)に向けて気流を導くように構成され得る。幾つかの実施例では、各ファン212、214が、空気供給内の空気を再循環させ得る。それは、気流を混合マニフォールド216に向けて(又は混合マニフォールド216から離れるように)導くことを含み得る。幾つかの実施例では、ファン212、214が、キャビン204内で気流を再循環させ得る。
【0037】
混合マニフォールド216は、再循環空気と空調パック208、210からの新鮮な空気とが混合し得る、空気供給システムのエリアを表す。例えば、空調パック208、210とファン212、214とによって導かれる気流が、混合マニフォールド216で共に混合し得る。混合マニフォールドの空気は、次いで、引き続き航空機内の占有エリアに分配され得る。飛行の前又は後に、航空機が地面上に位置付けられているときに、予め調整された空気が、混合マニフォールド216の中に直接的に押し込まれ得る。
【0038】
システム200において示されている様々な制御弁を使用して、占有エリアの中に入る気流の速度を増加又は減少させることを含んで、航空機内の気流を操作することができる。各制御弁を使用して、コントローラ(例えば、計算システム201)からの信号により指示されて、流路のサイズを変更することによって、気流を制御することができる。この制御の態様は、流量の直接的な制御、及び圧力レベルや温度レベルなどのプロセス量の結果として生じる制御を可能にし得る。したがって、制御弁を使用して、占有エリア(例えば、操縦室202及びキャビン204)に入る(又はそれらを出る)気流のレベルを調整することができる。幾つかの事例では、制御弁を使用することにより、占有エリアの内側の温度も調整され得る。例えば、1以上の制御弁を使用して、特定の温度の気流が占有エリアの内側に入る(又は入らない)ことを可能にすることによって、占有エリアの内側の温度を増加又は減少させることができる。制御弁は、空間の全体の温度を減少させるために、より冷たい温度でより多くの新鮮な空気がキャビン又は操縦室の中に入ることを可能にし得る。
【0039】
図2で示されているシステム200内に含まれる制御弁は、遮断弁220A、220B、220C、流れ調整遮断弁222A、222B、及びバルクヘッドチェック弁224A、224Bを含む。これらの制御弁は、制御弁の例示的なレイアウトを示すために含まれている。他の実施例では、他の種類の制御弁が、他の配置に含まれてよい。
【0040】
種々の種類の弁が、種々のやり方で空気供給を調整し得る。遮断弁220A、220B、220Cを使用して、気流が各遮断弁によって占められているエリアを通過することを完全に遮断することができる。例えば、遮断弁220Aは、気流が吐出口230Aでキャビン204の中に入ることを防止し、遮断弁220Bは、気流が吐出口230Bでキャビン204の中に入ることを防止し、遮断弁220Cは、気流が吐出口230Cでキャビン204の中に入ることを防止し得る。一実施例を示すために、制御システムは、キャビン204内の有毒なガス又は別の望ましくない物質(例えば、煙)の存在を検出し得る。したがって、制御システムは、気流がキャビン204の中に入り及び/又はキャビン204から出ることを防止するために、遮断弁220A~220Cのうちの1以上を調整し得る。このやり方で、遮断弁220A~220Cのうちの任意の1以上の閉鎖によってもたらされたキャビン204の中への流れの抑止によって、より多くの外側の空気が操縦室202に提供されることが可能になるので、制御システムは、気流がキャビン204から出て操縦室202の中に入ることを防止し得る。操縦室202への気流の増加及びそれと同時のキャビンの中に入る流れの減少により、キャビン内の圧力に対する操縦室202内の正圧が生成され、それは、有害なガスがキャビンから操縦室202の中に移動することを防止する。更に、遮断弁220A~220Cをより開いた位置に調整して、キャビン204の中に入る気流を増加させることができる。
【0041】
流れ調整遮断弁222A、222Bは、気流の入力圧力を出力における所望の値に低減させ得る圧力調整器として動作し得る。例えば、各流れ調整遮断弁222A、222Bは、抑制要素、負荷要素、及び測定要素を含み得る。抑制要素は、玉形弁(globe valve)、バタフライ弁、ポペット弁などの、気流に対する変更可能な抑制を提供し得る弁であってよい。負荷要素は、抑制要素に必要とされる力を印可し得る部品であってよい。例えば、負荷要素は、重量、バネ、ピストンアクチュエータ、電気モータ駆動アクチュエータ、又はバネと組み合わされたダイヤフラムアクチュエータなどによって提供され得る。測定要素は、レゾルバ、ホールカウント(hall count)、又は開/閉スイッチなどの、弁位置検知機構であってよい。図2で示されているように、流れ調整遮断弁222A、222Bは、システム200内で操縦室202の中に入る(及び/又はそこから出る)気流を調整し得る。
【0042】
バルクヘッドチェック弁224A、224Bは、気流システムの管類に結合する1以上のバクルヘッドフィッティング(bulkhead fitting)を利用する制御弁として動作し得る。各バルクヘッドチェック弁224A、224Bは、占有エリアから加圧されていない空間の中への逆流を防止しながら、空調パック208、210から空気供給システムの中に入る気流を調整するのに役立ち得る。幾つかの実施例では、各バルクヘッドチェック弁224A、224Bが、気流が一方向に(すなわち、各空調パック208、210から空気供給の中に)移動することを可能にし、逆方向に移動しないことを可能にし得る。
【0043】
幾つかの実施例では、弁の組み合わせが、航空機内の空気供給を操作するために調整される。例えば、計算システムは、遮断弁220A~220Cのうちの1以上を調整して、混合マニフォールド216からキャビン204の中に入る気流を減少させ、更に、流れ調整遮断弁222A、222Bのうちの一方又は両方を開いて、混合マニフォールド216から操縦室202の中に入る気流を増加させ得る。この配置は、キャビン204向けの区画圧力に対する操縦室202向けのより好適な区画圧力を生成することができる。
【0044】
別の一実施形態では、航空機上の乗務員又は乗客が、煙、火災、又は臭いに気付いて、手順を実行するようパイロット(又は別の乗務員)に促し得る。その手順の最中に、両方のファン212、214が起動解除されてよく、空調パック208、210が一度に一つずつ起動解除されてよい。結果として、操縦室202の中に入る気流は下げられてよい。操縦室202の中に入る気流の減少を補償するために、システム200は、流れ調整遮断弁222A、222Bのうちの一方又は両方を開けて、操縦室202への気流を増加させるように構成されてよい。更に、遮断弁220A~220Cのうちの1以上は、混合マニフォールド216からキャビン204の中に入る気流を減少させるために完全に閉じられてよい。遮断弁220A~220Cのうちの1以上を閉じることによって、操縦室202に向かう気流の再方向付けが可能になり得る。
【0045】
図3は、例示的な一実施態様による、気流制御のための別のシステムを示している。図2で示されているシステム200と同様に、システム300は、航空機の占有エリアに供給される気流を調整するために使用され得る、例示的な構成要素の配置を表している。図3で示されているようにシステム300は、計算システム301、操縦室302、キャビン304、流量センサ306、空調パック308、310、ファン312、314、混合マニフォールド316、及び昇圧ファン320を含む。更に、システム300は、バルクヘッドチェック弁330A、330B、流れ調整遮断弁332A、332B、及び遮断弁334などの、制御弁も含む。図3で示されている実施例では、特定の種類の制御弁がシステム300内で示されている。他の実施例では、様々な種類の制御弁の他の配置が、システム300内で利用され得る。
【0046】
システム300は、以下の幾つかの差異を伴って、図2で示されているシステム200と類似する。すなわち、特に、システム300は、遮断弁334に近接して配置された昇圧ファン320を含む。システム300で示されているこの配置は、キャビン304に関する気流を制御するために、複数の遮断弁(例えば、図2の遮断弁220A、220B、220C)よりもむしろ遮断弁334を使用することを含む。遮断弁334を使用して、気流がキャビン304を出て操縦室302の中へ直接的に流れることを防止し得る。この配置は、有毒なガス又は他の望ましくない物質が、キャビン304から操縦室302の中に流れることを防止するのに有用であり得る。
【0047】
システム300内に昇圧ファン320を追加したことにより、航空機内の空気供給に対する更なる調整を行うことが可能になり得る。例えば、制御システムは、昇圧ファン320を起動し、キャビン304へ、そして操縦室302に向けて供給されることが意図される気流の再方向付けを実行させる。制御システムは、操縦室302の中に入る気流のレベルの減少を検出したことに応じて、昇圧ファン320を使用し得る。幾つかの実施例では、計算システムが、気流を操縦室302の中に導くために、システム300内の1以上の制御弁及び昇圧ファン320を調整することの組み合わせを使用し得る。
【0048】
一実施形態では、航空機上の乗務員又は乗客が、煙、火災、又は臭いに気付いて、手順を実行するようパイロット(又は別の乗務員)に促し得る。その手順は、流れ調整遮断弁332A、332Bのうちの1以上を、より開いた位置に調整すること、並びに、再循環を提供するファン312及び314を止めながら、昇圧ファン320に電力供給(又は供給電力を増加)することも含み得る。結果として、手順は、操縦室302の中に入る気流を増加させ得る。
【0049】
図4は、例示的な一実施態様による、計算システムのブロック図である。計算システム400は、本開示で説明されるものなどの、様々な作用及び/又は機能を実行し得る。計算システム400は、プロセッサ402、データストレージユニット404、通信インターフェース406、ユーザインタフェース408、弁制御モジュール410、及びセンサデータ処理モジュール412などの、構成要素を含み得る。構成要素は、接続機構414を介して、互い(又は別のデバイス、システム、若しくは他のエンティティ)に接続されてよく、他の例示的な実施態様では、より多くの又はより少ない構成要素を含み得る。他の実施形態では、計算システム400が、ネットワーク内で動作する複数の計算デバイスにわたり実装され得る。他の実施例では、異なる制御機構が、航空機内の気流を調整することに関する動作を実行し得る。
【0050】
本開示では、「接続機構」という用語が、2つ以上のデバイス、システム、又は他のエンティティの間の通信を促進する機構を意味する。例えば、接続機構は、ケーブル若しくはシステムなどの単純な機構であってよく、又はパケットベースの通信ネットワーク(例えば、インターネット)などの比較的複雑な機構であってもよい。幾つかの事例では、接続機構が、有形ではない媒体(例えば、接続が無線である)を含み得る。
【0051】
プロセッサ402は、1以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)及び/又は1以上の専用プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP))を表し得る。したがって、プロセッサ402は、実施例内にプロセッサの組み合わせを含み得る。プロセッサ402は、計算システム400内の他の構成要素から受け取ったデータ、及び、センサ(例えば、1以上の流量センサ)などの外部センサから取得されたデータを処理することを含む動作を実行し得る。
【0052】
データストレージユニット404は、1以上の揮発性、不揮発性、取り外し可能、及び/若しくは取り外し不可能なストレージ構成要素(磁気的、光学的、若しくはフラッシュストレージ)を含み、並びに/又は、プロセッサ402と全体若しくは部分が一体化されていてよい。したがって、データストレージユニット404は、実行可能な指示命令(例えば、コンパイルされた若しくはコンパイルされていないプログラム論理及び/又は機械語)であって、プロセッサ402によって実行されると、計算システム400に、本開示で説明されるものなどの1以上の作用及び/又は機能を実行させる指示命令を記憶した、非一過性のコンピュータ可読媒体の形態を採り得る。そのようなプログラム指示命令は、離散したソフトウェアアプリケーションの部分を規定し及び/又はそのような部分であってよい。幾つかの事例では、計算システム400が、通信インターフェース406又はユーザインタフェース408などからの入力を受け取ったことに応じて、プログラム指示命令を実行し得る。データストレージユニット404は、本開示で説明される種類などの他の種類のデータも記憶することもできる。
【0053】
幾つかの実施例では、データストレージユニット404が、1以上の外部源から取得された情報のためのローカルストレージとして働き得る。例えば、データストレージユニット404は、センサから取得された情報を記憶し得る。データストレージユニット404は、計算システム400の機能を実行するために、プロセッサ402によって実行可能な指示命令も記憶することができる。例えば、本明細書で説明されるモジュールのうちの何れかは、プロセッサ402によって実行可能な指示命令の形態を採ってよく、それらの指示命令は、データストレージユニット404に記憶されてよい。
【0054】
通信インターフェース406は、計算システム400が、1以上のプロトコルに従って、別のエンティティ(例えば、別の計算デバイス)に接続し及び/又はそれと通信することを可能にし得る。一実施例では、通信インターフェース406が、イーサネットインタフェース又は高解像度シリアルデジタルインターフェース(HD-SDI)などの、有線インターフェースであってよい。別の一実施例では、通信インターフェース406が、セルラーインターフェース又はWiFiインターフェースなどの、無線インターフェースであってよい。接続は、直接接続又は間接接続であってよく、後者は、ルーター、切替装置(switcher)、又は他のネットワークデバイスなどの、1以上のエンティティを通過及び/又は横断する接続である。同様に、伝送(transmission)は、直接伝送又は間接伝送であってよい。通信インターフェース406は、1以上の航空機との通信を可能にするための他の種類の無線通信を利用することもできる。
【0055】
ユーザインタフェース408は、ユーザ(例えば、パイロット、乗務員)が、妥当な場合、航空機の空気供給の制御システムと相互作用することを可能にし得る。したがって、ユーザインタフェース408は、キーボード、キーパッド、マウス、タッチ感応パネル、マイクロフォン、及び/若しくはカメラなどの、入力構成要素、並びに/又は、ディスプレイデバイス(例えば、タッチ感応パネルと組み合わされ得る)、音響スピーカー、及び/又は触覚フィードバックシステムなどの、出力構成要素を含んでよい。より一般的には、ユーザインタフェース408が、計算システム400と1以上のユーザとの間の相互作用を容易にする、ハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を含んでよい。
【0056】
弁制御モジュール410は、空気供給システム(例えば、システム200又はシステム300)内の制御弁を調整するために使用され得る、計算システム400の構成要素を表す。例えば、弁制御モジュール410は、1以上の制御弁を調整するための制御指示命令を提供し得る。幾つかの実施例では、弁制御モジュール410が、センサデータ処理モジュール412からの入力に基づいて、制御指示命令を提供し得る。制御指示命令は、無線通信、有線通信、及び/又は機械的な制御を介して提供されてよい。
【0057】
センサデータ処理モジュール412は、航空機の空気供給システムの態様を測定するセンサからのセンサデータを取得し解析するために使用され得る、計算システム400の構成要素を表している。例えば、センサデータ処理モジュール412は、流量センサ、制御弁を測定するセンサ、及び他のセンサからの測定値を使用して、弁制御モジュール410に入力を提供することができる。
【0058】
幾つかの実施例では、センサデータ処理モジュール412が、空気供給システムのモニタリング中に使用される1以上の気流レベル閾値を特定するように構成され得る。特に、気流レベル閾値のうちの1以上を使用して、1以上のエリア(例えば、操縦室)が、キャビン区画内の圧力に対する操縦室内の正圧を維持する正気流などの、航空機の動作中に特定のレベルの気流を受け取ることを確実にし得る。
【0059】
別の一実施例を示すために、センサデータ処理モジュール412は、一対の閾値を設定し得る。一対のうちの第1の閾値は、操縦室が、航空機の1以上の空調パックによって調整された外側の空気から成る気流を受け取ることを確実にするように設定され得る。第2の閾値は、第1の閾値よりも高くてよく、多過ぎる外側の気流が操縦室の中に供給されている時を示す制限値として働き得る。このやり方で、計算システム400は、操縦室が、第1の閾値を超えているが第2の閾値未満の外側の気流を受け取ることを確実にするように構成され得る。
【0060】
図5は、例示的な一実施態様による、方法のフローチャートを示している。方法500は、図2で示されているシステム200、図3で示されているシステム300と共に使用され得る、及び/又は、図4で示されている計算システム400によって実行され得る、例示的な方法を提示している。他の実施例では、デバイス及び/又はシステムの構成要素が、特定のやり方で動作されるときに、機能を実行するようになっており、機能を実行することができ、又は機能を実行するのに適しているように配置され得る。
【0061】
方法500は、ブロック502及び504のうちの1以上によって図示されているように、1以上の動作、機能、又は作用を含み得る。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックはまた、並行して実行してもよく、及び/又は、本明細書に記載の順序とは異なる順序で実行してもよい。更に、様々なブロックを組み合わせてブロックの数を減らしたり、分割してブロックを追加したり、所望の実装に基づいて取り除いたりしてもよい。
【0062】
ブロック502では、方法500が、流量センサを使用して、操縦室の中に入る気流のレベルが閾値レベル未満であるような、気流のレベルの減少を検出することを含む。航空機は、航空機の占有エリアに向けて気流を導くように構成された各空気源を有する1以上の空気源を含み得る。
【0063】
流量センサは、操縦室の中に入る気流のレベルを測定するように構成され得る。例えば、流量センサは、図2で示されている流量センサ206又は図3で示されている流量センサ306として実装され得る。幾つかの実施例では、ACAが、航空機の種々の領域に入り及び/又はそれらの領域から出る気流を測定するための複数の流量センサを含み得る。航空機のACAは、操縦室に関する気流を測定する第1の流量センサ、及び、キャビンに関する気流を測定するための第2の流量センサを含み得る。
【0064】
幾つかの実施例では、閾値レベルが、センサデータに基づいて特定され得る。例えば、閾値レベルは、操縦室向けの正圧がキャビンに対して維持されるように、操縦室202が、空気供給システムから気流を受け取ることを確実にし得る。閾値レベルは、操縦室202が、1以上の空調パックから特定量の外側の空気を受け取るように設定され得る。
【0065】
ブロック504では、方法500が、操縦室の中に入る気流のレベルの減少を検出したことに基づいて、操縦室の中に入る気流のレベルの増加をもたらすために制御弁を調整することを含む。該制御弁は、操縦室の中に気流が入ることを可能・不可能にするように構成され得る。
【0066】
図6は、例示的な一実施態様による、方法500と共に使用される方法のフローチャートを示している。ブロック602は、センサを使用して、航空機のキャビン内の有毒なガスを検出することを含む。ブロック604は、キャビン内の有毒なガスを検出したことに基づいて、気流がキャビンから出て操縦室の中に入ることを防止するように、第1の制御弁を調整することを含む。
【0067】
図7は、例示的な一実施態様による、方法500と共に使用される更なる方法の別のフローチャートを示している。ブロック702は、第1の制御弁を調整したことに応じて、操縦室の中に入る気流のレベルの減少を検出することを含む。ブロック704は、操縦室の中に入る気流のレベルの減少を検出したことに基づいて、空調パックから操縦室に向けて導かれる気流の増加を可能にするために、第2の制御弁を調整することを更に含む。
【0068】
図8は、例示的な一実施態様による、方法500と共に使用される方法の更なるフローチャートを示している。ブロック802は、第2の制御弁を調整したことに応じて、昇圧ファンに、空調パックによって供給された気流を、キャビンから離れて操縦室に向かうように推進させることを実行させる。
【0069】
図9は、例示的な一実施態様による、方法500と共に使用される方法の更に別のフローチャートを示している。ブロック902は、第2の制御弁を調整したことに応じて、操縦室とキャビンとの間で気流が再循環することを防止するためにファンを停止させることを含む。ファンは、キャビンからの気流をキャビンに戻すように再循環させるように構成され得る。
【0070】
図10は、例示的な一実施態様による、方法500と共に使用される方法の追加のフローチャートを示している。ブロック1002は、操縦室の中に入る気流のレベルの減少を検出したことに応じて、減少の源を特定することを含む。
【0071】
ブロック1004は、操縦室の中に入る気流のレベルの増加をもたらすように、減少の源の近傍に配置された1以上の制御弁を調整することを含む。
【0072】
幾つかの実施例では、減少の源が、第1の空気源であると特定され得る。したがって、減少の源の近傍に配置された1以上の制御弁を調整することは、それに応じて、操縦室の中に入る気流のレベルを増加させるために、第2の空気源の近傍の特定の制御弁を調整することを含み得る。
【0073】
図11は、例示的な一実施態様による、方法500と共に使用される方法の更なるフローチャートを示している。ブロック1102は、一組の空調パックの第1の空調パックにおける不具合を検出することを含む。各空調パックは、航空機の外側からの空気を受け取り、その空気を調整された状態で航空機の占有エリアに向かう気流として供給するように構成され得る。ブロック1104は、第1の空調パックにおける不具合を検出したことに応じて、混合マニフォールドからの気流が操縦室の中に入ることを防止するために第1の制御弁を調整すること、及び、一組の空調パックの第2の空調パックからの気流が操縦室の中に入ることを可能にするために第2の制御弁を調整することを含む。
【0074】
本明細書で使用される「実質的に」又は「約」という用語は、挙げられた特性、パラメータ、又は値が、正確に実現されることを必要とするわけではないことを意味する。そのような逸脱又は変形は、例えば、測定誤差、測定精度の限界、摩擦、及び他の要因を含む。それらは当業者に知られており、特性が提供することを意図した効果を排除及び/又は妨害しない量で生じ得る。
【0075】
更に、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。
条項1.
航空機(100)の操縦室(112、202、302)の中への気流を持続させるためのシステム(200、300)であって、
各空気源が前記航空機(100)の占有エリアに向けて気流を導くように構成された複数の空気源、
気流が前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを可能・不可能にするように構成された制御弁、並びに
計算システム(201、301)を備え、前記計算システム(201、301)が、
前記操縦室(112、202、302)の中に入る気流のレベルが閾値未満であるような、前記気流のレベルの減少を検出し、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの増加をもたらすために、前記制御弁を調整するように構成されている、システム(200、300)。
条項2.
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルを測定するように構成された流量センサ(206、306)を更に備え、
前記計算システム(201、301)が、
前記流量センサ(206、306)を使用して、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出するように更に構成されている、条項1に記載のシステム(200、300)。
条項3.
前記計算システム(201、301)が、
センサを使用して、前記航空機(100)のキャビン(110、204、304)内の有毒なガスを検出し、及び
前記キャビン(110、204、304)内の前記有毒なガスを検出したことに基づいて、気流が前記キャビン(110、204、304)から前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを防止するために、特定の制御弁を調整するように更に構成されている、条項1又は2に記載のシステム(200、300)。
条項4.
前記計算システム(201、301)が、
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出し、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、前記複数の空気源の少なくとも1つの空気源から前記操縦室(112、202、302)に向けて導かれる気流の増加を可能にするために、特定の制御弁を調整するように更に構成されている、条項1から3のいずれか一項に記載のシステム(200、300)。
条項5.
前記少なくとも1つの空気源が、空調パック(208)であり、前記空調パック(208)は、前記航空機(100)の外側から空気を受け取り、その空気を調整された状態で前記航空機(100)の占有エリアに向かう気流として供給するように構成されている、条項4に記載のシステム(200、300)。
条項6.
前記複数の空気源が、
前記航空機(100)の外側から空気を受け取り、その空気を調整された状態で前記航空機(100)の占有エリアに向かう気流として供給するように構成されている、空調パック(208)を備え、
前記計算システム(201、301)が、
昇圧ファン(212、214)に、前記空調パック(208)によって供給された気流を、キャビン(110、204、304)の中に入らないで、前記操縦室(112、202、302)に向かうように推進させることを実行させるように更に構成されている、条項1から5のいずれか一項に記載のシステム(200、300)。
条項7.
前記複数の空気源が、
前記キャビン(110、204、304)からの気流を、前記キャビン(110、204、304)の中に戻すように再循環させるように構成されたファン(212、214)を更に備え、
前記計算システム(201、301)は、再循環しているキャビン(110、204、304)の気流が、前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを防止するために、前記ファン(212、214)を停止させるように更に構成されている、条項6に記載のシステム(200、300)。
条項8.
前記計算システム(201、301)が、
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに応じて、前記減少の源を特定し、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記増加をもたらすために、前記減少の前記源の近傍の1以上の制御弁を調整するように更に構成されている、条項1から7のいずれか一項に記載のシステム(200、300)。
条項9.
前記計算システム(201、301)が、
前記減少の前記源が第1の空気源に一致すると特定し、及び
それに応じて、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルを増加させるために、第2の空気源の近傍の少なくとも1つの制御弁を調整するように更に構成されている、条項8に記載のシステム(200、300)。
条項10.
航空機(100)の操縦室(112、202、302)の中への気流を持続させるための方法であって、
計算システム(201、301)において、前記操縦室(112、202、302)の中に入る気流のレベルが閾値レベル未満であるような、前記気流のレベルの減少を検出することであって、前記航空機(100)は、前記航空機(100)の占有エリアに向けて気流を導くように構成された各空気源を有する複数の空気源を含む、前記気流のレベルの減少を検出すること、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、前記縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの増加をもたらすために、気流が前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを可能・不可能にするように構成された制御弁を調整することを含む、方法。
条項11.
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出することが、
複数のセンサからの測定値に基づいて、前記減少を検出することを含む、条項10に記載の方法。
条項12.
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出することが、
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルを測定するように構成された流量センサ(206、306)を使用して、前記減少を検出することを含む、条項10又は11に記載の方法。
条項13.
センサを使用して、前記航空機(100)のキャビン(110、204、304)内の有毒なガスを検出すること、及び
前記キャビン(110、204、304)内の前記有毒なガスを検出したことに基づいて、気流が前記キャビン(110、204、304)から前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを防止するために、第1の制御弁を調整することを更に含む、条項10から12に記載の方法。
条項14.
前記第1の制御弁を調整したことに応じて、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出すること、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、空調パック(208)から前記操縦室(112、202、302)に向けて導かれる気流の増加を可能にするために、第2の制御弁を調整することを更に含み、
前記空調パック(208)は、前記航空機(100)の外側から空気を受け取り、その空気を調整された状態で前記操縦室(112、202、302)及び前記キャビン(110、204、304)に向かう気流として供給するように構成されている、条項13に記載の方法。
条項15.
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、昇圧ファン(212、214)に、前記空調パック(208)によって供給された気流を、前記キャビン(110、204、304)の中に入らないで、前記操縦室(112、202、302)に向かうように推進させることを実行させることを更に含む、条項10から14のいずれか一項に記載の方法。
条項16.
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに応じて、前記減少の源を特定すること、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記増加をもたらすために、前記減少の前記源の近傍に配置された1以上の制御弁を調整することを更に含む、条項10から15のいずれか一項に記載の方法。
条項17.
前記減少の前記源を特定することが、
前記減少の前記源が第1の空気源に一致すると特定することを含み、
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記増加をもたらすために、前記減少の前記源の近傍に配置された1以上の制御弁を調整することが、
それに応じて、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルを増加させるために、第2の空気源の近傍の特定の制御弁を調整することを含む、条項16に記載の方法。
条項18.
指示命令を記憶した非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記指示命令は、1以上のプロセッサによって、計算システム(201、301)に、
航空機(100)の操縦室(112、202、302)の中に入る気流のレベルが閾値レベル未満であるような、前記気流のレベルの減少を検出することであって、前記航空機(100)は、前記航空機(100)の占有エリアに向けて気流を導くように構成された各空気源を有する複数の空気源を含む、前記気流のレベルの減少を検出すること、及び
前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの前記減少を検出したことに基づいて、前記操縦室(112、202、302)の中に入る前記気流のレベルの増加をもたらすために、気流が前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを可能・不可能にするように構成された制御弁を調整すること、を含む機能を実行させるように、実行可能である、非一過性のコンピュータ可読媒体。
条項19.
センサを使用して、前記航空機(100)のキャビン(110、204、304)内の有毒なガスを検出すること、及び
前記キャビン(110、204、304)内の前記有毒なガスを検出したことに基づいて、気流が前記キャビン(110、204、304)から前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを防止するために、第1の制御弁を調整することを更に含む、条項18に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
条項20.
一組の空調パック(208)の第1の空調パック(208)における不具合を検出することであって、各空調パック(208)が、前記航空機(100)の外側から空気を受け取り、その空気を調整された状態で前記航空機(100)の占有エリアに向かう気流として供給するように構成されている、第1の空調パック(208)における不具合を検出すること、並びに
前記第1の空調パック(208)における前記不具合を検出したことに応じて、混合マニフォールドからの気流が前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを防止するために第1の制御弁を調整すること、及び、前記一組の空調パック(208)の第2の空調パック(208)からの気流が、前記操縦室(112、202、302)の中に入ることを可能にするために、第2の制御弁を調整することを更に含む、条項18又は19に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【0076】
種々の有利な構成の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、完全であること、又は開示された形態の実施例に限定されることを意図するものではない。当業者には、多くの修正例及び変形例が自明となろう。更に、種々の有利な実施例は、他の有利な実施例と比べて異なる利点を表わし得る。選択された1以上の実施例は、実施例の原理と実際的な用途を最もよく説明するため、及び、様々な実施例の開示内容と、検討される特定の用途に適した様々な修正例とを当業者が理解できるようにするために、選択及び記述されている。
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