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特許7674114情報処理装置、学習装置、情報処理システム、ロボットシステム及び評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-28
(45)【発行日】2025-05-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、学習装置、情報処理システム、ロボットシステム及び評価方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20250430BHJP
   B25J 3/00 20060101ALI20250430BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20250430BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20250430BHJP
【FI】
G06Q50/20
B25J3/00 Z
G06Q10/06
G06Q50/04
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021030029
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131206
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2024-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓮沼 仁志
(72)【発明者】
【氏名】掃部 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 武司
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-135362(JP,A)
【文献】特開2013-178294(JP,A)
【文献】国際公開第2013/035244(WO,A1)
【文献】特開2019-184904(JP,A)
【文献】特開2017-064831(JP,A)
【文献】特開2020-026025(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0209980(US,A1)
【文献】Hitachi KE Systems, Ltd.,集合教育用四輪運転シミュレータ(1画面)ACCESS MASTER AM1300,[online],2015年07月26日,[検索日 2024.12.09], インターネット:<URL:https://web.archive.org/web/20150726035529/http://www.hke.jp:80/products/tasknet/simulator/AM1300/index.htm>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B25J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業をロボットに実行させるための前記ロボットの操作を評価する情報処理装置であって、
ユーザによって操作装置に入力される操作指令に従って動作する前記ロボットの動作に関連する情報である動作関連情報を検出する検出処理を、前記作業の実行中に実行する検出処理部と、
前記検出処理部によって検出される前記動作関連情報を、前記ロボットの動作に関連する基準である動作関連基準と比較し評価する評価処理を、前記作業の実行中に実行する評価処理部と、
前記評価処理部の評価結果を、前記ユーザが前記操作装置を操作しつつ情報の提示を受ける提示装置に提示させる提示処理を、前記作業の実行中に実行する提示処理部とを含み、
前記評価処理部は、評価対象の前記ロボットの動作である評価対象動作の都度のタイミングと、前記作業における評価対象の作業段階である評価対象段階の都度のタイミングとのうちの少なくとも一方のタイミングで前記評価処理を実行し、
前記提示処理部は、前記評価対象動作の都度のタイミングで前記評価処理が実行される場合、前記評価処理部によって前記評価対象動作が前記評価処理をされると、前記評価処理をされた前記評価対象動作に関する前記評価結果を前記提示装置に提示させ、
前記提示処理部は、前記評価対象段階の都度のタイミングで前記評価処理が実行される場合、前記評価処理部によって前記評価対象段階が前記評価処理をされると、前記評価処理をされた前記評価対象段階に関する前記評価結果を前記提示装置に提示させ、
1つの前記作業は、複数の前記評価対象動作と、複数の前記評価対象段階とを含む
情報処理装置。
【請求項2】
前記評価処理部は、前記評価対象動作の都度のタイミングで前記評価処理を実行する場合、第1の前記評価対象動作に関する前記評価処理を、前記第1の評価対象動作の次の前記評価対象動作である第2の前記評価対象動作のタイミングまでに実行し、
前記提示処理部は、前記第1の評価対象動作に関する前記評価結果の前記提示処理を、前記第2の評価対象動作のタイミングまでに実行する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価処理部は、前記評価対象段階の都度のタイミングで前記評価処理を実行する場合、第1の前記評価対象段階に関する前記評価処理を、前記第1の評価対象段階の次の前記評価対象段階である第2の前記評価対象段階のタイミングまでに実行し、
前記提示処理部は、前記第1の評価対象段階に関する前記評価結果の前記提示処理を、前記第2の評価対象段階のタイミングまでに実行する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価結果に基づき、前記ロボットの操作に対して前記ユーザに与える対価を決定する対価決定部をさらに含み、
前記提示処理部は、前記対価決定部によって決定される前記対価と、前記作業の実行中の前記対価の積み上げの結果とを前記提示装置に提示させる
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記検出処理部は、前記動作関連情報として、前記操作指令、前記操作指令に従って前記ロボットに動作させるために前記ロボットに対して生成される動作指令、前記ロボットの実際の動作結果、前記ロボットの周辺環境の状態、前記ロボットが作用を加える対象物の状態、及び、前記対象物の周辺環境の状態のうちの少なくとも1つを検出する
請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記評価処理部は、前記動作関連情報を評価するための特徴である複数の評価対象特徴を、前記動作関連基準に含まれる前記複数の評価対象特徴の基準と比較し評価し、前記複数の評価対象特徴の評価結果に基づき前記動作関連情報を評価する
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
蓄積部と、基準決定部とをさらに含み、
前記蓄積部は、前記動作関連基準を含む動作関連基準データと、前記動作関連基準に基づく前記動作関連情報の前記評価結果の情報とを蓄積し、
前記基準決定部は、前記蓄積部に蓄積される第1の前記動作関連基準データ及び前記第1の動作関連基準データに含まれる前記動作関連基準に基づく前記評価結果の情報を用いて、前記評価結果に応じて前記第1の動作関連基準データに含まれる前記動作関連基準を変動させた第2の前記動作関連基準データ生成する
請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記基準決定部は、前記蓄積部に蓄積される情報の中から、指定される条件を満たす前記評価結果の情報と、前記評価結果に用いられる前記動作関連基準データである前記第1の動作関連基準データとを抽出し、抽出された前記評価結果の情報及び前記第1の動作関連基準データを用いて前記第2の動作関連基準データ生成する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置における前記動作関連基準の情報と前記動作関連基準に基づく前記動作関連情報の前記評価結果の情報とを機械学習用データとして記憶する学習データ記憶部と、
機械学習部とを含み、
前記機械学習部は、前記機械学習用データに含まれる前記評価結果の情報を機械学習用入力データとし、前記機械学習用データに含まれ且つ前記評価結果に用いられる前記動作関連基準の情報を教師データとして、機械学習し、
前記機械学習部は、前記評価結果の情報に対応する評価情報を入力データとし、前記評価情報に対応する前記動作関連基準の情報を出力データとする
学習装置。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
請求項9に記載の学習装置とを備え、
前記学習装置は、前記操作装置又は前記情報処理装置から入力データを受け付け、前記入力データに対する出力データを、前記情報処理装置に出力するように構成される
情報処理システム。
【請求項11】
請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記ロボットと、
前記ロボットの動作を制御するロボットコントローラとを備え、
前記情報処理装置は、前記ロボットコントローラと通信可能に接続される
ロボットシステム。
【請求項12】
請求項10に記載の情報処理システムと、
前記ロボットと、
前記ロボットの動作を制御するロボットコントローラとを備え、
前記情報処理装置は、前記ロボットコントローラと通信可能に接続される
ロボットシステム。
【請求項13】
作業をロボットに実行させるための前記ロボットの操作の評価方法であって、
ユーザによって操作装置に入力される操作指令に従って動作する前記ロボットの動作に関連する情報である動作関連情報を検出する検出処理を、前記作業の実行中に実行することと、
前記検出処理において検出される前記動作関連情報を、前記ロボットの動作に関連する基準である動作関連基準と比較し評価する評価処理を、評価対象の前記ロボットの動作である評価対象動作の都度のタイミングと、前記作業における評価対象の作業段階である評価対象段階の都度のタイミングとのうちの少なくとも一方のタイミングで、前記作業の実行中に実行することと、
前記評価対象動作の都度のタイミングで前記評価処理を実行する場合、前記評価対象動作に対する前記評価処理を実行すると、前記評価処理をされた前記評価対象動作に関する評価結果を、前記ユーザが前記操作装置を操作しつつ情報の提示を受ける提示装置に提示する提示処理を、前記作業の実行中に実行することと、
前記評価対象段階の都度のタイミングで前記評価処理を実行する場合、前記評価対象段階に対する前記評価処理を実行すると、前記評価処理をされた前記評価対象段階に関する評価結果を前記提示装置に提示する提示処理を、前記作業の実行中に実行することとを含み、
1つの前記作業は、複数の前記評価対象動作と、複数の前記評価対象段階とを含む
評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、学習装置、情報処理システム及びロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットの操作者を評価する技術が存在する。例えば、特許文献1に開示される管理システムは、ロボットを操作する操作者に、遠隔地にある物が近くに存在するかのように感じさせながら、遠隔地にある物の近くにあるロボットの操作を操作者が行う環境を提供する。管理システムが備えるサーバは、操作者がロボットを操作した際のロボットの状態又は操作者の状態を示す状態情報を取得し、状態情報が示す状態を基準レベルと比較することにより、ロボット操作に対する操作者の適性度を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-135362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、適性度として、ロボット操作のスキルのレベルが決定される。例えば、操作者は、決定されたレベルを通じて、作業に対する操作全体のスキルレベルしか知ることができない。操作者は、ロボット操作のスキルを向上させるための具体的な方策を見出すことができず、スキル向上のためのモチベーション及び操作意欲を高めることができない可能性がある。
【0005】
本開示は、ロボット操作へのユーザの意欲の向上を図る情報処理装置、学習装置、情報処理システム及びロボットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、作業をロボットに実行させるための前記ロボットの操作を評価する情報処理装置であって、ユーザによって操作装置に入力される操作指令に従って動作する前記ロボットの動作に関連する情報である動作関連情報を検出する検出処理を、前記作業の実行中に実行する検出処理部と、前記検出処理部によって検出される前記動作関連情報を、前記ロボットの動作に関連する基準である動作関連基準と比較し評価する評価処理を、前記作業の実行中に実行する評価処理部と、前記評価処理部の評価結果を、前記ユーザが前記操作装置を操作しつつ情報の提示を受ける提示装置に提示させる提示処理を、前記作業の実行中に実行する提示処理部とを含み、前記評価処理部は、評価対象の前記ロボットの動作である評価対象動作の都度のタイミングと、前記作業における評価対象の作業段階である評価対象段階の都度のタイミングとのうちの少なくとも一方のタイミングで前記評価処理を実行し、前記提示処理部は、前記評価対象動作の都度のタイミングで前記評価処理が実行される場合、前記評価対象動作の実行順序と同じ順序で前記評価対象動作に関する前記評価結果を前記提示装置に提示させ、前記提示処理部は、前記評価対象段階の都度のタイミングで前記評価処理が実行される場合、前記評価対象段階の実行順序と同じ順序で前記評価対象段階に関する前記評価結果を前記提示装置に提示させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術によれば、ロボット操作へのユーザの意欲を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係るロボットシステムの構成の一例を示す図
図2】実施の形態に係るロボットの構成の一例を示す斜視図
図3】実施の形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図
図4】実施の形態に係る制御装置の機能的構成の一例を示すブロック図
図5】実施の形態に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャート
図6】実施の形態に係るロボットシステムの動作の一例を示す平面図
図7】変形例に係る情報処理装置及び学習装置の機能的構成の一例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態)
以下において、本開示の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。さらに、各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。また、本明細書及び特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
【0010】
[ロボットシステムの構成]
図1を参照しつつ、実施の形態に係るロボットシステム1の構成を説明する。図1は、実施の形態に係るロボットシステム1の構成の一例を示す図である。ロボットシステム1は、少なくとも1つのロボット100と、少なくとも1つの操作端末200と、サーバ300とを備える。これに限定されないが、本実施の形態では、ロボットシステム1は、遠隔地から操作されるロボット100を用いてユーザPにサービスを提供するように構成される。ロボットシステム1は、介護、医療、清掃、警備、案内、救助、調理、販売、レンタル、物品提供等の様々なサービス業で使用されることができる。
【0011】
ロボット100は、サービスの提供等のための作業を行うことができるロボットである。本明細書及び特許請求の範囲において、「作業」は、何らかの有効な結果が期待されるような生産的な事柄を成し遂げる、作り上げる及び/又は創造するためにロボット100が実行する一連の動作を対象とすることができる。例えば、「作業」は、ロボット100への教示の過程でロボット100が実行する一連の動作を対象としなくてもよい。例えば、「作業」は、遊戯、ゲーム及び/又はエンターテインメントのためにロボット100が実行する一連の動作を対象としなくてもよい。
【0012】
これに限定されないが、本実施の形態では、ユーザPにサービスを提供する場所である1つのサービス提供エリアASに、複数のロボット100が配置される。さらに、サービス提供エリアASから離れた位置にある複数の操作エリアAОのそれぞれに、少なくとも1つの操作端末200が配置される。
【0013】
各ロボット100は、無線通信を介して、データ通信可能に通信ネットワークNと接続できるように構成される。ロボット100と通信ネットワークNとを接続する通信は、有線通信、又は有線通信及び無線通信の組み合わせ等であってもよい。各操作端末200は、有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して、データ通信可能に通信ネットワークNと接続できるように構成される。1つのロボット100と1つの操作端末200とが、通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続され得る。なお、いかなる有線通信及び無線通信が用いられてもよい。
【0014】
サーバ300は、通信ネットワークNを介した通信を管理する。サーバ300は、コンピュータ装置を含む。サーバ300は、ロボット100と操作端末200との間の通信の認証、接続及び接続解除等を管理する。例えば、サーバ300は、ロボットシステム1に登録されているロボット100及び操作端末200の識別情報及びセキュリティ情報等を記憶し、当該情報を用いて、各操作端末200のロボットシステム1への接続の資格を認証する。サーバ300は、ロボット100と操作端末200との間のデータの送受信を管理し、当該データはサーバ300を経由してもよい。サーバ300は、送信元から送信されるデータを、送信先が利用可能なデータ型式に変換するように構成されてもよい。また、サーバ300は、ロボット100の操作の過程でロボット100と操作端末200との間で送受信された情報、指令及びデータ等を記憶し蓄積するように構成されてもよい。
【0015】
通信ネットワークNは特に限定されず、例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、インターネット、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含むことができる。通信ネットワークNは、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)及びZigBee(登録商標)などの近距離無線通信、ネットワーク専用回線、通信事業者の専用回線、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)、モバイル通信網、インターネット網、衛星通信、又は、これらの2つ以上の組み合わせを用いるように構成され得る。モバイル通信網は、第4世代移動通信システム及び第5世代移動通信システム等を用いるものであってもよい。通信ネットワークNは、1つ又は複数のネットワークを含むことができる。本実施の形態では、通信ネットワークNはインターネットである。
【0016】
[操作端末の構成]
図1を参照しつつ、実施の形態に係る操作端末200の構成を説明する。操作端末200は、操作者PОによる指令、情報及びデータ等の入力を受け付けることができ、受け付けた指令、情報及びデータ等を他の装置に出力できるように構成される。操作端末200は、操作入力装置201と、端末コンピュータ202と、提示装置203と、通信装置204とを含む。操作入力装置201、端末コンピュータ202、提示装置203及び通信装置204は、1つの装置を形成するように一体化された構成を有してもよく、それぞれが単独で装置を形成し互いに接続されるように構成されてもよく、少なくとも2つが1つの装置を形成し他の装置と接続されるように構成されてもよい。
【0017】
操作端末200は操作装置の一例である。操作端末200の構成は特に限定されず、例えば、操作端末200は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ、スマートフォン及びタブレットなどのスマートデバイス、個人情報端末、ゲーム端末、ロボットへの教示作業に使用される公知の教示装置、ロボットの公知の操作装置、その他の操作装置、その他の端末装置、これらを利用する装置、並びに、これらを改良した装置等であってもよい。操作端末200は、ロボットシステム1のために考案される専用の装置であってもよいが、一般市場において入手可能な汎用的な装置であってもよい。本実施の形態では、操作端末200には公知の汎用的な装置が用いられる。当該装置は、専用のソフトウェアがインストールされることによって、本開示の操作端末200の機能を実現するように構成されてもよい。
【0018】
操作入力装置201は、操作者PОによる入力を受け付けることができ、入力された指令、情報及びデータ等を示す信号等を端末コンピュータ202に出力するように構成される。操作入力装置201の構成は特に限定されず、例えば、操作入力装置201は、ボタン、レバー、ダイヤル、ジョイスティック、マウス、キー、タッチパネル及びモーションキャプチャ等の、操作者PОの操作を介して入力が与えられる装置を含んでもよい。操作入力装置201は、操作者PО等の画像を撮像する撮像装置、及び、操作者PО等の音声の入力を受け付けるマイク等の音声入力装置を含んでもよい。操作入力装置201は、撮像された画像データ、及び、入力された音声を示す信号を端末コンピュータ202に出力するように構成されてもよい。
【0019】
端末コンピュータ202は、操作入力装置201を介して受け付けた指令、情報及びデータ等を処理し他の装置に出力すること、及び、他の装置からの指令、情報及びデータ等の入力を受け付け、当該指令、情報及びデータ等を処理することができるように構成される。
【0020】
提示装置203は、操作者PОに情報を提示することができるように構成される。これに限定されないが、本実施の形態では、提示装置203は、画像を操作者PОに表示可能であるディスプレイを含む。提示装置203は、端末コンピュータ202から受け取る画像データの画像を表示する。提示装置203は、音声を操作者PОに発することができるスピーカ等の音声出力装置を含んでもよい。提示装置203は、端末コンピュータ202から受け取る音声データの音声を出力する。
【0021】
通信装置204は、通信ネットワークNと接続可能である通信インタフェースを備える。通信装置204は、端末コンピュータ202と接続され、端末コンピュータ202と通信ネットワークNとをデータ通信可能に接続する。通信装置204は、例えば、モデム、ОNU(光回線終端装置:Optical Network Unit)、ルータ及びモバイルデータ通信機器等の通信機器を含んでもよい。通信装置204は、演算機能等を有するコンピュータ装置を含んでもよい。
【0022】
[ロボットの構成]
図2を参照しつつ、実施の形態に係るロボット100の構成を説明する。図2は、実施の形態に係るロボット100の構成の一例を示す斜視図である。各ロボット100は、1つの搬送車110と、少なくとも1つのロボットアーム120と、少なくとも1つのエンドエフェクタ130と、二次電池モジュール141と、電源回路142と、通信装置143と、撮像装置144、145及び146と、集音装置147と、表示装置148と、音声出力装置149と、制御装置170とを備える。制御装置170は、情報処理装置180とロボットコントローラ190とを含む。情報処理装置180とロボットコントローラ190とは、別々の装置として構成されてもよく、一体化されて構成されてもよい。これに限定されないが、本実施の形態では、ロボットアーム120には、産業用としても機能することができるロボットアームが用いられる。なお、上記の各構成要素の数量は上記数量に限定されず、適宜変更可能である。
【0023】
搬送車110は自走可能であるように構成される。これに限定されないが、本実施の形態では、搬送車110は、2つの駆動輪111と、4つの補助輪112と、2つの駆動輪111を駆動する搬送駆動装置113とを含む。搬送駆動装置113は、駆動源である電動アクチュエータとしてサーボモータ(図示略)を含む。サーボモータは、ロボットコントローラ190によって制御される。搬送駆動装置113は、2つの駆動輪111を様々な回転方向及び回転速度で回転駆動することによって、前進方向D1A、後進方向D1B及び旋回方向へ様々な速度で搬送車110に走行させることできる。
【0024】
これに限定されないが、本実施の形態では、ロボットアーム120として、2つのロボットアーム120A及び120Bが、基台120Cを介して搬送車110に搭載される。ロボットアーム120A及び120Bはいずれも、搬送車110から基台120Cに向かう方向の軸S1を中心として、回動可能であるように構成され、同軸双腕式のロボットアームを構成する。ロボットアーム120Aは、リンク121A~124Aと、リンク121A~124Aを相互に接続する関節を駆動するアーム駆動装置M1A~M4A(図3参照)とを含む。ロボットアーム120Bは、リンク121B~124Bと、リンク121B~124Bを相互に接続する関節を駆動するアーム駆動装置M1B~M4B(図3参照)とを含む。アーム駆動装置M1A~M4A及びM1B~M4Bは、駆動源である電動アクチュエータとしてサーボモータを含む。各サーボモータは、ロボットコントローラ190によって制御される。リンク121A及び121Bは、関節(図示略)を介して基台120Cと接続される。リンク124A及び124Bは、エンドエフェクタ130と接続可能であるメカニカルインタフェースを含む。
【0025】
上記のようなロボットアーム120A及び120Bは、水平多関節型アームの構成を有するが、いかなる構成を有してもよい。例えば、ロボットアーム120A及び120Bは、垂直多関節型、極座標型、円筒座標型、直角座標型、又はその他の型式のロボットアームであってもよい。搬送車110に配置されるロボットアーム120の数量も1つ以上であればよい。
【0026】
エンドエフェクタ130として、2つのエンドエフェクタ130A及び130Bがそれぞれ、リンク124A及び124Bに着脱可能に取り付けられる。エンドエフェクタ130A及び130Bは、ロボット100が扱う対象物に作用を加えることができるように構成される。エンドエフェクタ130A及び130Bは、動作可能であるように構成され、駆動装置(図示略)を備えてもよい。当該駆動装置は、電力、空気圧又は液圧等を動力源としてもよい。電力を動力源とする駆動装置は、電動アクチュエータとしてサーボモータを備えてもよい。駆動装置は、ロボットコントローラ190によって制御されてもよい。
【0027】
ロボット100は、搬送車110上に機器筐体140をさらに備える。二次電池モジュール141、電源回路142、通信装置143、情報処理装置180及びロボットコントローラ190は、機器筐体140内に配置されるが、搬送車110のいかなる位置に配置されてもよい。機器筐体140の上には、物品の載置が可能であるテーブル140aが配置されている。
【0028】
二次電池モジュール141は、ロボット100の電力源として機能する。二次電池モジュール141は、少なくとも1つの二次電池を含む。二次電池は、電力の充電及び放電を可能な電池である。二次電池の例は、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、全固体電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池等である。
【0029】
電源回路142は、二次電池モジュール141に対する電力の需給を制御する回路である。電源回路142は、情報処理装置180及びロボットコントローラ190の指令等に従って、電力の需給を制御するように構成される。例えば、電源回路142は、コンバータ、インバータ、トランス及びアンプ等の機器を含んでもよい。電源回路142は、商用電源等の外部電源と接続され、外部電源から供給される電力を二次電池モジュール141に供給し蓄電させ、二次電池モジュール141に蓄積される電力をロボット100内の電力を消費する構成要素に供給するように構成される。
【0030】
通信装置143は、無線通信のための装置であり、無線通信を介して通信ネットワークNと接続できるように構成される。通信装置143が使用する無線通信は、特に限定されないが、例えば、モバイルデータ通信、無線Wi-Fi(Wireless Fidelity)などの無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)及びZigBee(登録商標)などの近距離無線通信、又はこれらの2つ以上の組み合わせ等を用いる無線通信であってもよい。通信装置143は、使用する無線通信に対応する機器を有する。
【0031】
表示装置148は、画像を表示可能であるディスプレイを含む。ディスプレイは、ユーザPによる入力が可能であるように構成されてもよく、例えば、タッチパネルであってもよい。表示装置148は、情報処理装置180等から送られる画像データの画像を表示することができる。表示装置148は、ロボット100と対峙するユーザPに画像を表示することができる。
【0032】
集音装置147は、周囲から音声を取得し当該音声の音声信号を出力することができるマイクを含む。集音装置147は、音声信号を情報処理装置180等に出力するように構成される。情報処理装置180は、音声信号を音声データに変換し操作端末200に送信するように構成されてもよく、音声信号から音声認識するように構成されてもよい。集音装置147は、ロボット100の外部をセンシングすることができるロボット100の外界センサを構成することができる。ロボット100の内界センサは、ロボット100の内部をセンシングすることができ、内界センサの一例は、アーム駆動装置M1A~M4A及びM1B~M4B等のサーボモータに備わる回転センサである。
【0033】
音声出力装置149は、音声信号を音波に変換し音声として放射することができるスピーカを含む。音声出力装置149は、情報処理装置180等から送られる音声信号に対応する音声を出力することができる。音声出力装置149は、ロボット100と対峙するユーザPに音声を出力することができる。
【0034】
撮像装置144、145及び146はそれぞれ、デジタル画像を撮像するカメラを含み、撮像した画像のデータを情報処理装置180に送るように構成される。情報処理装置180は、撮像装置144、145及び146によって撮像された画像データをネットワーク送信可能なデータに処理し、通信ネットワークNを介して、操作端末200に送るように構成されてもよい。情報処理装置180は、上記画像データを画像処理し、他の処理に使用するように構成されてもよい。カメラは、被写体までの距離等のカメラに対する被写体の3次元の位置等を検出するための画像を撮像できるカメラであってもよい。例えば、カメラは、ステレオカメラ、単眼カメラ、TОFカメラ(トフカメラ:Time-of-Flight-Camera)、縞投影等のパターン光投影カメラ、又は光切断法を用いたカメラ等の構成を有してもよい。撮像装置144、145及び146は外界センサを構成することができる。
【0035】
撮像装置144は、ロボットアーム120A及び120Bの少なくとも一方の先端部に配置される。これに限定されないが、本実施の形態では、撮像装置144は、ロボットアーム120Aのエンドエフェクタ130Aに配置される。撮像装置145は、表示装置148に配置される。撮像装置145は、ロボット100に対峙するサービス提供対象のユーザPを撮像することができる。撮像装置145は、エンドエフェクタ130A及び130Bが作用を加える対象物、並びに、エンドエフェクタ130A及び130Bを撮像できるように、撮像方向を変えることができる及び/又は広角な撮像視野を有するように構成されてもよい。撮像装置146は、前進方向D1Aに向けて搬送車110に配置される。
【0036】
ロボットコントローラ190は、ロボットアーム120A及び120B、エンドエフェクタ130A及び130B、並びに、搬送車110の動作を制御するように構成される。例えば、ロボットコントローラ190は、ロボットアーム120A及び120Bのアーム駆動装置M1A~M4A及びM1B~M4B、エンドエフェクタ130A及び130Bの駆動装置(図示略)、並びに搬送車110の搬送駆動装置113等の動作を制御するように構成される。情報処理装置180は、ロボットコントローラ190と有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して接続され、ロボットアーム120A及び120B、エンドエフェクタ130A及び130B、並びに搬送車110の制御に関連する演算処理を行うように構成される。
【0037】
情報処理装置180及びロボットコントローラ190はコンピュータ装置を含む。情報処理装置180の構成は特に限定されないが、例えば、情報処理装置180は、電子回路基板、電子制御ユニット、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン及びタブレットなどのスマートデバイス、並びにその他の電子機器等であってもよい。情報処理装置180は、通信装置143、通信ネットワークN及び通信装置204を介して、操作端末200の端末コンピュータ202とデータ通信可能に接続される。ロボットコントローラ190の構成は特に限定されないが、例えば、ロボットコントローラ190は、電子回路基板、電子制御ユニット、マイクロコンピュータ、及びその他の電子機器等であってもよい。ロボットコントローラ190は、アーム駆動装置M1A~M4A及びM1B~M4B、エンドエフェクタ130A及び130Bの駆動装置(図示略)、並びに搬送駆動装置113等に供給する電力を制御するための駆動回路を含んでもよい。
【0038】
本実施の形態では、情報処理装置180及びロボットコントローラ190は、作業をロボット100に実行させる場合、手動運転制御により、ロボットアーム120A及び120B、エンドエフェクタ130A及び130B、並びに搬送車110等の制御対象要素の動作を制御するように構成されるが、これに限定されない。情報処理装置180及びロボットコントローラ190は、自動運転制御、又は自動運転制御及び手動運転制御の組み合わせにより、上記制御対象要素の少なくとも1つの動作を制御するように構成されてもよい。例えば、自動運転制御及び手動運転制御の組み合わせは、制御対象要素毎に自動運転制御及び手動運転制御が振り分けられるように構成されてもよく、ロボット100の作業の一部が自動運転制御によって実行され、当該作業の他部が手動運転制御によって実行されるように構成さてもよい。
【0039】
例えば、手動運転制御は、操作者PОが操作端末200の操作入力装置201に入力する操作内容に逐次従って、制御対象要素に動作させる制御であってもよい。例えば、手動運転制御では、制御対象要素は、操作入力装置201を操作する操作者PОの動作に従った動作を実行し得る。自動運転制御は、制御プログラムに従って制御対象要素に自律的に動作させる制御であってもよい。
【0040】
[制御装置のハードウェア構成]
図3を参照しつつ、実施の形態に係る制御装置170のハードウェア構成を説明する。図3は、実施の形態に係る制御装置170のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置180は、プロセッサ1801と、メモリ1802と、ストレージ1803と、入出力I/F(インタフェース:Interface)1804a~1804fとを構成要素として含む。情報処理装置180の各構成要素は、バス1805によって相互に接続されるが、他のいかなる有線通信又は無線通信で接続されてもよい。ロボットコントローラ190は、プロセッサ1901と、メモリ1902と、入出力I/F1903と、駆動I/F1904とを構成要素として含む。ロボットコントローラ190は、ストレージを含んでもよい。ロボットコントローラ190の各構成要素は、バス1905によって相互に接続されるが、他のいかなる有線通信又は無線通信で接続されてもよい。情報処理装置180及びロボットコントローラ190それぞれに含まれる構成要素の全てが必須ではない。
【0041】
プロセッサ1801及びメモリ1802の組、及び、プロセッサ1901及びメモリ1902の組はそれぞれ、演算器を構成する。演算器は、他の装置との指令、情報及びデータ等の送受信を行う。演算器は、各種機器からの信号の入力及び各制御対象要素への制御信号の出力を行う。
【0042】
メモリ1802及び1902はそれぞれ、プロセッサ1801及び1901が実行するプログラム、及び各種固定データ等を記憶する。メモリ1802及び1902は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリなどの半導体メモリ等の記憶装置で構成されてもよい。これに限定されないが、本実施の形態では、メモリ1802及び1902は、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)と不揮発性メモリであるRОM(Read-Only Memory)とを含む。
【0043】
ストレージ1803は、各種データを記憶する。ストレージ1803は、半導体メモリ、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)及び固体ドライブ(SSD:Solid State Drive)等の記憶装置で構成されてもよい。
【0044】
プロセッサ1801及び1901はいずれも、RAM及びRОMと一緒にコンピュータシステムを形成する。情報処理装置180のコンピュータシステムは、プロセッサ1801がRAMをワークエリアとして用いてRОMに記録されたプログラムを実行することによって、情報処理装置180の機能を実現してもよい。ロボットコントローラ190のコンピュータシステムは、プロセッサ1901がRAMをワークエリアとして用いてRОMに記録されたプログラムを実行することによって、ロボットコントローラ190の機能を実現してもよい。
【0045】
情報処理装置180及びロボットコントローラ190の機能の一部又は全部は、上記コンピュータシステムにより実現されてもよく、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路により実現されてもよく、上記コンピュータシステム及びハードウェア回路の組み合わせにより実現されてもよい。情報処理装置180及びロボットコントローラ190はそれぞれ、単一の装置による集中制御により各処理を実行するように構成されてもよく、複数の装置の協働による分散制御により各処理を実行するように構成されてもよい。情報処理装置180及びロボットコントローラ190は、互いの機能の少なくとも一部を含むように構成されてもよく、一体化されてもよい。
【0046】
これに限定されないが、例えば、プロセッサ1801及び1901は、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、IC(集積回路)チップ、LSI(Large Scale Integration)等に形成された論理回路又は専用回路によって各処理を実現してもよい。複数の処理は、1つ又は複数の集積回路により実現されてもよく、1つの集積回路により実現されてもよい。
【0047】
情報処理装置180の第1入出力I/F1804aは、情報処理装置180とロボットコントローラ190とを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。第2入出力I/F1804bは、情報処理装置180と通信装置143とを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。第3入出力I/F1804cは、情報処理装置180と撮像装置144~146とを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。第4入出力I/F1804dは、情報処理装置180と集音装置147とを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。第5入出力I/F1804eは、情報処理装置180と表示装置148とを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。第6入出力I/F1804fは、情報処理装置180と音声出力装置149とを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。
【0048】
ロボットコントローラ190の入出力I/F1903は、ロボットコントローラ190と情報処理装置180の第1入出力I/F1804aとを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。駆動I/F1904は、ロボットコントローラ190と駆動回路142aとを接続し、これらの間での信号等の送受信を可能にする。駆動回路142aは、ロボットコントローラ190から受信する信号に含まれる指令値に従って、アーム駆動装置M1A~M4A及びM1B~M4B、エンドエフェクタ130A及び130Bの駆動装置(図示略)、並びに、搬送駆動装置113に供給する電力を制御するように構成される。例えば、駆動回路142aは、各駆動装置に互いに連携させて駆動させることができる。これに限定されないが、本実施の形態では、駆動回路142aは、電源回路142の一部として形成される。
【0049】
なお、ロボットコントローラ190は、各駆動装置のサーボモータをサーボ制御するように構成されてもよい。ロボットコントローラ190は、各サーボモータが備える回転センサの検出値と、駆動回路142aからサーボモータへの電流の指令値とを、フィードバック情報として駆動回路142aから受信する。ロボットコントローラ190は、フィードバック情報を用いてサーボモータの駆動の指令値を決定し、駆動回路142aに送信する。
【0050】
また、操作端末200には汎用的な装置が利用可能であるため、操作端末200のハードウェア構成の詳細な説明を省略する。操作端末200の端末コンピュータ202は、情報処理装置180等と同様にプロセッサ及びメモリ(いずれも図示略)を含む。端末コンピュータ202は、端末コンピュータ202と操作入力装置201との接続、端末コンピュータ202と通信装置204との接続、及び、端末コンピュータ202と提示装置203との接続のそれぞれを確立するための入出力I/F(図示略)も含み得る。
【0051】
[制御装置の機能的構成]
図4を参照しつつ、実施の形態に係る制御装置170の機能的構成を説明する。図4は、実施の形態に係る制御装置170の機能的構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置180は、動作指令部180aと、検出処理部180bと、評価処理部180cと、対価決定部180dと、提示処理部180eと、蓄積処理部180fと、基準決定部180gと、計時部180hと、記憶部181a及び181bとを機能的構成要素として含む。記憶部181a及び181bを除く機能的構成要素の機能は、プロセッサ1801等によって実現され、記憶部181a及び181bの機能は、メモリ1802及び/又はストレージ1803等の記憶装置によって実現される。記憶部181a及び181bそれぞれの機能は、別々の記憶装置によって実現されてもよく、1つの記憶装置によって実現されてもよい。上記の機能的構成要素の全てが必須ではない。ロボットコントローラ190は、駆動指令部190a~190eを機能的構成要素として含む。駆動指令部190a~190eの機能は、プロセッサ1901等によって実現される。上記の機能的構成要素の全てが必須ではない。
【0052】
第1記憶部181aは、様々な作業についての動作関連基準データ(図4では、「基準データ」と表記される)を記憶する。動作関連基準データは、ロボット100の動作に関連する基準である動作関連基準の情報を含む。動作関連基準は、ロボット100の動作に関連する情報である動作関連情報についての基準を含む。動作関連情報は、ロボット100の動作、ロボット100の周辺環境の状態、ロボット100が作用を加える対象物の状態、及び、当該対象物の周辺環境の状態等の動作関連要素の情報を含み得る。
【0053】
例えば、動作関連基準は、動作関連要素に最低限要求されるレベル、動作関連要素の標準的なレベル、動作関連要素の優良なレベル及び動作関連要素の理想的なレベル等を表す基準であってもよい。動作関連基準は、動作関連要素を評価するための特徴である評価対象特徴の基準を含んでもよい。
【0054】
例えば、1つの作業は、ロボット100の一連の複数の動作で構成される。ロボット100の動作の動作関連基準は、ロボットアーム120A及び120B、エンドエフェクタ130A及び130B並びに搬送車110それぞれの当該作業を形成する一連の複数の動作の基準を含んでもよい。例えば、ロボット100の動作の動作関連基準の評価対象特徴は、当該動作の所要時間、当該動作の順序、当該動作でのロボット100及びその各部の位置、当該動作でのロボット100及びその各部の姿勢、当該動作でのロボット100及びその各部の軌跡、当該動作での上記位置の速度、当該動作での上記姿勢の速度、当該動作での上記位置の加速度、当該動作での上記姿勢の加速度、及び、当該動作でのロボット100の作業の出来映え等の特徴を含んでもよい。
【0055】
ロボット100の周辺環境の状態は、ロボット100が作業を行うための周辺環境を形成する装置、設備及び機器等の要素であるロボット周辺要素の状態を含んでもよい。ロボット周辺要素の例は、ロボット100の作業エリア(サービス提供エリアAS等)に配置される装置、設備及び機器等、ロボット100と協働する装置、設備及び機器等、並びに、作業エリア(サービス提供エリアAS等)に配置される撮像装置などのセンサ等である。ロボット周辺要素の動作関連基準の評価対象特徴は、ロボット100がロボット周辺要素に与える力及び衝撃、ロボット100がロボット周辺要素に与える位置、姿勢、形状及び状態の変化、並びに、ロボット周辺要素に対するロボット100及びその各部の位置、姿勢、位置の速度、姿勢の速度、位置の加速度及び姿勢の加速度等の特徴を含んでもよい。例えば、図1では、ロボット100のロボット周辺要素は、他のロボット100、対象物である物品Wが収納される収納棚SR、及び、ロボット100がサービスを提供するユーザP以外のユーザ等である。
【0056】
対象物の状態は、ロボット100がエンドエフェクタ130A及び103B等を用いて取り扱う対象物の状態を含んでもよい。対象物の動作関連基準の評価対象特徴は、対象物の位置、姿勢、位置の速度、姿勢の速度、位置の加速度及び姿勢の加速度、対象物の形状の変化、対象物の状態の変化、並びに、対象物の出来映え等の特徴を含んでもよい。例えば、図1では、対象物は、物品Wである。
【0057】
対象物の周辺環境の状態は、ロボット100以外の対象物を取り扱う装置、設備及び機器等の要素である対象物周辺要素の状態を含んでもよい。対象物周辺要素の例は、対象物を支持、保持、収容、積載、搭載及び移送等する装置、設備及び機器等、対象物が組み付けられる装置、設備及び機器等、並びに、対象物に処理を加える装置、設備及び機器等である。対象物周辺要素の動作関連基準の評価対象特徴は、ロボット100が対象物周辺要素に与える力及び衝撃、ロボット100が対象物周辺要素に与える位置、姿勢、形状及び状態の変化、並びに、対象物周辺要素に対するロボット100及びその各部の位置、姿勢、位置の速度、姿勢の速度、位置の加速度及び姿勢の加速度等の特徴を含んでもよい。例えば、図1では、対象物周辺要素は、収納棚SRの棚板(図示略)、収納棚SR内の他の物品、及びユーザP等である。
【0058】
第2記憶部181bは、蓄積処理部180fによって蓄積されるデータである蓄積データを記憶する。蓄積データは、評価処理部180cによって決定される評価結果の情報と、当該評価結果の決定に用いられた動作関連基準の情報とを関連付けて含む。つまり、蓄積データでは、動作関連情報と、当該動作関連情報の動作関連基準の情報と、当該動作関連基準に基づく評価結果の情報とが関連付けられている。第2記憶部181bは蓄積部の一例である。
【0059】
動作指令部180aは、手動運転制御のとき、操作端末200から受信する操作指令に従って、ロボットアーム120A及び120B、エンドエフェクタ130A及び130B並びに搬送車110に動作させるための動作指令を生成し、ロボットコントローラ190に出力する。なお、動作指令部180aは、自動運転制御のとき、制御プログラムに従ってロボットアーム120A及び120B、エンドエフェクタ130A及び130B並びに搬送車110に動作させるための動作指令を生成し、ロボットコントローラ190に出力する。
【0060】
操作指令は、操作者PОによって操作入力装置201に入力される操作の内容を示す指令である。操作指令は、当該操作の内容に従ってロボット100に手動運転制御のもとで動作させるための指令を含む。端末コンピュータ202は、操作入力装置201から操作の内容を示す信号を受け取り、当該信号を操作指令に変換し、当該操作指令を情報処理装置180に送信する。
【0061】
動作指令部180aは、ロボットアーム120Aへの第1動作指令、ロボットアーム120Bへの第2動作指令、エンドエフェクタ130Aへの第3動作指令、エンドエフェクタ130Bへの第4動作指令、及び、搬送車110への第5動作指令を生成する。例えば、第3動作指令及び第4動作指令はそれぞれ、エンドエフェクタ130A及び130Bが駆動装置を備える場合に生成され得る。第1動作指令及び第2動作指令は、ロボットアーム120A及び120Bの各部の目標位置の指令及び各部が発生する目標力の指令を含み得る。第3動作指令及び第4動作指令は、エンドエフェクタ130A及び130Bの目標状態の指令を含み得る。第5動作指令は、搬送車110の目標位置の指令を含み得る。
【0062】
なお、目標位置の指令は、目標の位置、位置の目標の移動速度、目標の姿勢、及び、姿勢の目標の移動速度等の指令を含み得る。目標力の指令は、目標の力の大きさ及び方向等の指令を含み得る。目標力の指令は、目標の加速度の指令を含んでもよい。
【0063】
計時部180hは、経過時間を計測し、計時結果を検出処理部180b、評価処理部180c、対価決定部180d及び提示処理部180e等に出力する。計時結果は、検出処理部180b、評価処理部180c、対価決定部180d及び提示処理部180e等での処理に使用され得る。例えば、計時部180hの機能は、情報処理装置180のコンピュータ装置に搭載されるクロック等により実現されてもよい。
【0064】
検出処理部180bは、操作指令に従って動作するロボット100の動作関連情報を、ロボット100による作業の実行中に検出するための検出処理を実行する。検出処理部180bは、検出結果を評価処理部180cに出力する。本実施の形態では、検出処理部180bは、動作関連情報の検出後に遅延時間を設けずに、検出結果を評価処理部180cに出力するように構成されるが、これに限定されず、遅延時間が設けられてもよい。
【0065】
検出処理部180bは、作業の実行中に、動作関連情報として、動作関連要素の情報を検出する。検出処理部180bは、いかなる方法で動作関連要素の情報を検出するように構成されてもよい。
【0066】
例えば、検出処理部180bは、動作関連要素として、ロボット100の動作を検出し、具体的には、ロボットアーム120A及び120B、エンドエフェクタ130A及び130B並びに搬送車110の動作を検出する。例えば、検出処理部180bは、操作指令を処理し操作指令が示すロボット100の目標動作を動作関連要素として検出するように構成されてもよく、動作指令を処理し動作指令が示すロボット100の目標動作を動作関連要素として検出するように構成されてもよい。検出処理部180bは、ロボットコントローラ190の駆動指令部190a~190eから駆動指令を取得して処理し、駆動指令が示すロボット100の目標動作を動作関連要素として検出するように構成されてもよい。検出処理部180bは、ロボットコントローラ190の駆動指令部190a~190eからフィードバック情報を取得して処理し、フィードバック情報が示すロボット100の動作を動作関連要素として検出するように構成されてもよい。検出処理部180bは、撮像装置144、145及び146並びにロボット100の外部の撮像装置(図示略)等から撮像画像データを取得して画像処理し、処理後の画像データが示すロボット100の状態を、動作関連要素として検出するように構成されてもよい。
【0067】
例えば、検出処理部180bは、動作関連要素として、ロボット100の周辺環境を構成するロボット周辺要素の状態を検出する。例えば、検出処理部180bは、ロボット100の外界センサから受け取る検出結果及びロボット周辺要素から受け取る情報等を用いて、ロボット周辺要素の状態を検出する。当該外界センサの例は、エンドエフェクタ130A及び103Bとロボットアーム120A及び120Bとの間に配置される力覚センサ(図示略)、撮像装置144~146、集音装置147、並びに、サービス提供エリアASに配置される撮像装置などのセンサ(図示略)等である。ロボット周辺要素から受け取る情報の例は、ロボット周辺要素の状態、振動、衝撃、位置、姿勢、位置の速度、姿勢の速度等である。
【0068】
例えば、検出処理部180bは、動作関連要素として、ロボット100が作用を加える対象物である作用対象物の状態を検出する。例えば、検出処理部180bは、ロボット100の外界センサから受け取る検出結果及び作用対象物から受け取る情報等を用いて、作用対象物の状態を検出する。当該外界センサの例は、ロボットアーム120A及び120Bの力覚センサ、撮像装置144~146、集音装置147、及び、サービス提供エリアASに配置されるセンサ等である。作用対象物から受け取る情報の例は、作用対象物が備えるセンサの検出結果、並びに、作用対象物の状態、振動、衝撃、位置、姿勢、位置の速度、姿勢の速度、位置の加速度及び姿勢の加速度等である。
【0069】
例えば、検出処理部180bは、動作関連要素として、作用対象物の周辺環境を構成する対象物周辺要素の状態を検出する。例えば、検出処理部180bは、ロボット100の外界センサから受け取る検出結果及び対象物周辺要素から受け取る情報等を用いて、対象物周辺要素の状態を検出する。当該外界センサの例は、ロボットアーム120A及び120Bの力覚センサ、撮像装置144~146、集音装置147、及び、サービス提供エリアASに配置されるセンサ等である。対象物周辺要素から受け取る情報の例は、対象物周辺要素の状態、振動、衝撃、位置、姿勢、位置の速度及び姿勢の速度等である。
【0070】
検出処理部180bは、いかなるタイミングで動作関連要素を検出するように構成されてもよい。例えば、検出処理部180bは、所定の時間間隔でのタイミング、予め決められたロボット100の所定の動作の実行タイミング、及び予め決められた所定の作業段階のタイミング等の所定のタイミングで動作関連要素を検出するように構成されてもよい。これに限定されないが、本実施の形態では、検出処理部180bは、所定の時間間隔で検出処理を実行する。
【0071】
以下において、検出処理部180b以外の情報処理装置180の機能的構成要素が処理の対象とするロボット100の動作を、「処理対象動作」と称する。例えば、予め決められたロボット100の所定の動作は、処理対象動作の一例である。処理対象動作の単位は、任意に設定されてもよい。例えば、1単位の処理対象動作の区切りは、動作の実行期間等の時間的な区切り、動作が変化するタイミング等の動作変化の区切り、指定される区切り、その他の区切り、又は、これらの2つ以上の組み合わせ等により設定されてもよい。
【0072】
例えば、ロボット100が、地点Aに載置されている対象物をエンドエフェクタ130Aで把持しテーブル140a上に載せる一連の動作を実行する場合、1単位の処理対象動作は、実行される一連の動作の全てを含むように設定されてもよく、当該一連の動作の一部を含むように設定されてもよい。例えば、1単位の処理対象動作は、エンドエフェクタ130Aを対象物へ移動するロボットアーム120Aの移動動作、対象物を把持するエンドエフェクタ130Aの把持動作、エンドエフェクタ130Aをテーブル140a上へ移動し対象物を載置するロボットアーム120Aの移動動作、及び、対象物の把持を解除するエンドエフェクタ130Aの把持解除動作の4つの動作うちの少なくとも1つを含むように設定されてもよい。例えば、当該4つの動作に対して、1つの処理対象動作が設定されてもよく、2つ以上の処理対象動作が設定されてもよい。
【0073】
作業段階は、作業に含まれる一連の動作を区分けすることによって設定され得る。作業段階の単位は、任意に設定されてもよい。例えば、1単位の作業段階の区切りは、作業の実行期間等の時間的な区切り、作業に含まれる動作が切り替わるタイミング等の動作変化の区切り、指定される区切り、その他の区切り、又は、これらの2つ以上の組み合わせ等により設定されてもよい。例えば、ロボット100が、ユーザPから対象物を要求する指令を受け付け、地点Aに載置されている対象物を運搬しユーザPに渡す作業を実行する場合、1単位の作業段階は、作業中に実行される全ての動作の一部を含むように設定されてもよい。
【0074】
例えば、1単位の作業段階は、ロボット100がユーザPの近傍位置から地点Aの近傍位置へ移動する工程と、ロボット100がエンドエフェクタ130Aにより地点Aの対象物を把持しロボット100上に載置する工程と、ロボット100が地点Aの近傍位置からユーザPの近傍位置へ移動する工程と、ロボット100がエンドエフェクタ130Aによりロボット100上の対象物をユーザPに手渡す工程との4つの工程のうちの少なくとも1つの工程を含むように設定されてもよい。例えば、当該4つの工程に対して、1つの作業段階が設定されてもよく、2つ以上の作業段階が設定されてもよい。
【0075】
評価処理部180cは、検出処理部180bによって検出されるロボット100の動作関連情報を、ロボット100による作業の実行中に動作関連情報の動作関連基準と比較し評価するための評価処理を実行する。具体的には、評価処理部180cは、動作関連情報に含まれる動作関連要素の情報と当該動作関連要素の動作関連基準とを比較して当該動作関連要素の評価結果を決定し、当該動作関連要素の評価結果に基づき当該動作関連情報の評価結果を決定する。
【0076】
評価処理部180cの評価処理対象の動作関連情報は、作業に含まれる処理対象動作のうちの評価対象の処理対象動作に対応する動作関連情報である。以下において、評価対象の処理対象動作を「評価対象動作」と称する。評価対象動作は、作業に含まれる全ての処理対象動作のうちの少なくとも1つの処理対象動作である。当該全ての処理対象動作が評価対象動作とされてもよく、当該全ての処理対象動作の一部が評価対象動作とされてもよい。複数の評価対象動作は、互いに連続してもよく、互いに不連続であってもよい。
【0077】
例えば、評価処理部180cは、評価対象動作に対応する動作関連情報の動作関連要素及び/又は当該動作関連要素の評価対象特徴の動作関連基準に対する逸脱量、逸脱方向及び逸脱頻度等に基づき、当該動作関連要素及び/又は当該評価対象特徴の評価結果を決定してもよい。さらに、評価処理部180cは、当該動作関連要素及び/又は当該評価対象特徴の評価結果に基づき、当該動作関連情報の評価結果を決定してもよい。
【0078】
評価処理部180cは、評価対象動作の都度のタイミングと、作業における評価対象の作業段階である評価対象段階の都度のタイミングとのうちの少なくとも一方のタイミングで評価処理を実行する。作業に含まれる全ての作業段階が評価対象段階とされてもよく、当該全ての作業段階の一部が評価対象段階とされてもよい。さらに、評価対象段階に含まれる全ての処理対象動作に対応する動作関連情報が、評価対象段階の評価のための評価対象とされてもよく、当該全ての処理対象動作の一部の処理対象動作に対応する動作関連情報が、評価対象段階の評価のための評価対象とされてもよい。
【0079】
評価対象動作の都度のタイミングでの評価処理では、評価処理部180cは、当該評価対象動作の動作関連基準データを第1記憶部181aから読み出し、当該動作関連基準データと当該評価対象動作に対応する動作関連情報とを比較し、当該動作関連情報の評価結果を決定する。例えば、評価処理部180cは、動作関連情報の評価レベルを決定してもよい。例えば、評価処理部180cは、当該動作関連基準データに含まれる評価対象特徴の基準と、当該動作関連情報の動作関連要素の評価対象特徴とを比較し、各評価対象特徴の評価レベルを決定してもよい。評価処理部180cは、各評価対象特徴の評価レベルに基づき、当該動作関連要素の評価レベル及び/又は当該動作関連情報の評価レベルを決定してもよい。
【0080】
さらに、評価処理部180cは、例えば、第1の評価対象動作に対応する動作関連情報の評価処理を、第1の評価対象動作の次の評価対象動作である第2の評価対象動作のタイミングまでに実行する。評価処理部180cは、第1の評価対象動作に対応する動作関連情報の評価処理を、第2の評価対象動作のタイミングまでに実行し完了する。例えば、第2の評価対象動作のタイミングは、動作関連基準データに含まれる第2の評価対象動作の基準のタイミング、第2の評価対象動作に対応する動作関連情報の検出タイミング、又は、これらの組み合わせのタイミング等であってもよい。基準のタイミング及び検出タイミングは、動作の開始タイミング、動作の完了タイミング又はこれらの間の所定のタイミングであってもよい。
【0081】
評価処理部180cは、第1の評価対象動作に対応する動作関連情報の評価処理を、第1の評価対象動作の次の処理対象動作のタイミングまでに実行するように構成されてもよい。例えば、次の処理対象動作のタイミングは、当該処理対象動作に対応するロボット100の実際の動作の完了タイミング又は開始タイミングと完了タイミングとの間の所定のタイミングであってもよい。これに限定されないが、本実施の形態では、評価処理部180cは、第1の評価対象動作に対応する動作関連情報の検出結果を検出処理部180bから受け取った後に遅延時間を設けずに、評価処理を開始する。
【0082】
評価対象段階の都度のタイミングでの評価処理では、評価処理部180cは、当該評価対象段階に含まれる処理対象動作のうちの評価対象の処理対象動作の動作関連基準データを第1記憶部181aから読み出し、当該動作関連基準データと、評価対象の処理対象動作に対応する動作関連情報とを比較し、当該動作関連情報の評価結果を決定する。評価処理部180cは、全ての評価対象の処理対象動作に対応する動作関連情報の評価結果を統合し、統合結果により当該評価対象段階の評価結果を決定する。例えば、評価処理部180cは、評価対象段階の評価レベルを決定してもよい。統合方法は、いかなる方法であってもよい。例えば、統合方法は、複数の動作関連情報の評価結果を加算する方法であってもよく、複数の動作関連情報の評価結果を重み付けて加算する方法であってもよく、複数の動作関連情報の評価結果を他の統計的処理により統合する方法であってもよい。
【0083】
さらに、評価処理部180cは、例えば、第1の作業段階の評価処理を、第1の評価対象段階の次の評価対象段階である第2の評価対象段階のタイミングまでに実行する。評価処理部180cは、第1の評価対象段階に含まれる全ての評価対象の処理対象動作に対応する動作関連情報の評価処理を、第2の評価対象段階のタイミングまでに実行し完了する。例えば、第2の作業段階のタイミングは、動作関連基準データに含まれる第2の評価対象段階の基準のタイミング、第2の評価対象段階の検出タイミング、又は、これらの組み合わせのタイミング等であってもよい。基準のタイミング及び検出タイミングは、第2の評価対象段階の最初の処理対象動作の開始タイミング、最後の処理対象動作の完了タイミング又はこれらの間の所定のタイミングであってもよい。
【0084】
評価処理部180cは、第1の評価対象段階の評価処理を、第1の評価対象段階の次の作業段階のタイミングまでに実行するように構成されてもよい。例えば、次の作業段階のタイミングは、当該作業段階の最初の処理対象動作の開始タイミング、最後の処理対象動作の完了タイミング又はこれらの間の所定のタイミングであってもよい。これに限定されないが、本実施の形態では、評価処理部180cは、第1の評価対象段階に含まれる全ての評価対象の処理対象動作のうちの最後の評価対象の処理対象動作に対応する動作関連情報の検出結果を、検出処理部180bから受け取った後に遅延時間を設けずに、評価処理を開始する。
【0085】
対価決定部180dは、評価処理部180cの評価結果に基づき、ロボット100の操作に対して操作者PОに与える対価を決定する。対価決定部180dは、評価対象動作に対応する動作関連情報の評価処理の都度、当該動作関連情報の評価結果に対応する対価を決定する。対価決定部180dは、評価対象段階の評価処理の都度、当該評価対象段階の評価結果に対応する対価を決定する。例えば、対価は、操作者PОに与えられる報酬額、ポイント、得点及びスコア等であってもよい。報酬額は、現実の通貨の報酬額であってよく、仮想の通貨の報酬額であってもよい。
【0086】
さらに、対価決定部180dは、作業の実行中、決定された個々の対価を順次積み上げ、対価を積み上げた結果である積算結果を算出する。対価決定部180dは、対価を決定する毎に、決定された対価の情報と、決定された対価を含む積算結果の情報とを提示処理部180eに出力する。対価決定部180dは、評価対象動作に対応する動作関連情報に対する対価と、評価対象段階に対する対価とを、別々に積み上げて2つの積算結果を算出するように構成されてもよく、2つ対価を統合して積み上げて1つの積算結果を算出するように構成されてもよい。
【0087】
対価決定部180dは、評価対象動作に対応する動作関連情報の評価レベルに重み付けを付加して当該動作関連情報の対価を決定するように構成されてもよい。対価決定部180dは、当該動作関連情報の評価対象特徴の評価レベルに重み付けを付加し、重み付け付加後の評価レベルを統合することによって、当該動作関連情報の対価を決定するように構成されてもよく、決定された当該動作関連情報の対価にさらに重み付けを付加するように構成されてもよい。例えば、評価対象動作に応じて操作の難易度が異なる。対価決定部180dは、評価対象動作に応じて重み付けを変えるように構成されてもよい。対価決定部180dは、評価対象特徴に応じて重み付けを変えるように構成されてもよい。
【0088】
対価決定部180dは、評価対象段階の評価レベルに重み付けを付加して対価を決定するように構成されてもよい。対価決定部180dは、評価対象段階に含まれる評価対象の処理対象動作に対応する動作関連情報の評価レベルに重み付けを付加し、重み付け付加後の評価レベルを統合することによって、当該評価対象段階の対価を決定してもよく、決定された当該評価対象段階の対価にさらに重み付けを付加するように構成されてもよい。対価決定部180dは、評価対象段階及び処理対象動作に応じて重み付けを変えるように構成されてもよい。上記において対価決定部180dが用いる統合方法は、いかなる方法であってもよい。
【0089】
提示処理部180eは、評価処理部180cの評価結果を、操作者PОが操作入力装置201を操作しつつ情報の提示を受ける提示装置203に、作業の実行中に提示させるための提示処理を実行する。これに限定されないが、本実施の形態では、提示処理部180eは、対価決定部180dによって決定される対価と、作業の実行中の対価の積算結果とを提示装置203に提示させる。提示処理部180eは、対価決定部180dから受け取る対価及びその積算結果を含むデータを生成し、当該データと当該データの提示指令とを操作端末200に送信する。例えば、提示処理部180eは、対価及びその積算結果を示す画像データ、音声データ、文字列データ又はこれらの少なくとも2つを含むデータを生成し、操作端末200に送信してもよい。
【0090】
提示処理部180eは、評価対象動作の都度のタイミングで評価処理部180cによって評価処理が実行される場合、評価対象動作の実行順序と同じ順序で、評価対象動作に対応する動作関連情報の評価結果を操作端末200に送信し提示装置203に提示させる。評価結果は、評価レベル及び/又は対価を含み得る。例えば、提示処理部180eは、第1の評価対象動作に対応する動作関連情報の評価結果の提示処理を、次の第2の評価対象動作のタイミングまでに実行する。第2の評価対象動作のタイミングは、評価処理部180cの第2の評価対象動作のタイミングについて例示したタイミングのいずれかであってもよく、評価処理部180cの第2の評価対象動作のタイミングと同じであってもよく異なっていてもよい。
【0091】
提示処理部180eは、評価対象段階の都度のタイミングで評価処理部180cによって評価処理が実行される場合、評価対象段階の実行順序と同じ順序で、評価対象段階の評価結果を操作端末200に送信し提示装置203に提示させる。評価結果は、評価レベル及び/又は対価を含み得る。例えば、提示処理部180eは、第1の評価対象段階の評価結果の提示処理を、次の第2の評価対象段階のタイミングまでに実行する。第2の評価対象段階のタイミングは、評価処理部180cの第2の評価作業段階のタイミングについて例示したタイミングのいずれかであってもよく、評価処理部180cの第2の評価作業段階のタイミングと同じであってもよく異なっていてもよい。
【0092】
蓄積処理部180fは、動作関連基準データと、動作関連基準データに基づく動作関連情報の評価結果の情報と、当該動作関連情報に対応するロボット100の動作の実施日時とを関連付けて、蓄積データとして第2記憶部181bに記憶させる。蓄積処理部180fは、評価対象動作に関する蓄積データと、評価対象段階に関する蓄積データとを第2記憶部181bに記憶させる。
【0093】
例えば、蓄積処理部180fは、評価対象動作に関する蓄積データとして、評価対象動作の情報と、当該評価対象動作に対応する動作関連情報の評価結果の情報と、当該評価結果の評価処理に用いられた動作関連基準データとを関連付けて、第2記憶部181bに記憶させてもよい。評価結果の情報は、評価レベル及び/又は対価を含み得る。
【0094】
例えば、蓄積処理部180fは、評価対象段階に関する蓄積データとして、評価対象段階の情報と、当該評価対象段階に含まれる評価対象の処理対象動作の情報と、当該処理対象動作に対応する動作関連情報の評価結果の情報と、当該評価対象段階の評価結果の情報と、当該評価結果の評価処理に用いられた動作関連基準データとの少なくともいくつかを関連付けて、第2記憶部181bに記憶させてもよい。評価結果の情報は、評価レベル及び/又は対価を含み得る。
【0095】
基準決定部180gは、第2記憶部181bの蓄積データを用いて、新たな動作関連基準データを決定し、当該動作関連基準データを第1記憶部181aに記憶させる。基準決定部180gは、第2記憶部181bの蓄積データに含まれる第1の動作関連基準データと第1の動作関連基準データに基づく評価結果とを用いて、新たな第2の動作関連基準データを決定する。第1の動作関連基準データに基づく評価結果は、第1の動作関連基準データを用いて決定された評価結果である。
【0096】
例えば、基準決定部180gは、第2の動作関連基準データを決定するための指定条件を受け付けることができる。例えば、基準決定部180gは、指定条件を操作端末200から受け付ける。例えば、指定条件は、第2の動作関連基準データの決定に用いられる第1の動作関連基準データ及び評価結果を限定するための条件であってもよい。基準決定部180gは、第2記憶部181bの蓄積データの中から、指定条件を満たす評価結果の情報と、当該評価結果に用いられた動作関連基準データである第1の動作関連基準データとを抽出し、当該評価結果の情報及び当該第1の動作関連基準データを用いて第2の動作関連基準データを決定してもよい。
【0097】
例えば、指定条件は、第1の動作関連基準データが用いられる評価結果の属性を限定する条件であってもよい。評価結果の属性は、評価結果が対象とするユーザ、評価結果が対象とするロボット、評価結果が対象とする作業、評価結果が対象とする作業場所、評価結果が対象とする作業環境、評価結果が対象とする作業実施日、及び評価結果が対象とする作業実施期間等であってもよい。指定条件は、少なくとも1つの評価結果の属性を限定する条件であってもよい。
【0098】
例えば、基準決定部180gは、特定のユーザの評価結果及び第1の動作関連基準データを用いて、当該ユーザに対応する第2の動作関連基準データを決定することができる。例えば、当該ユーザの評価レベルが低い場合、基準決定部180gは、第1の動作関連基準データよりも低い基準の第2の動作関連基準データを生成してもよい。当該ユーザは、ロボット100を操作するとき、第2の動作関連基準データを用いた評価の要求を、操作端末200を介して情報処理装置180に指令することができる。これにより、当該ユーザは、情報処理装置180からより高い評価を得ることができ、ロボット操作に対する意欲を向上させ得る。
【0099】
第1駆動指令部190aは、第1動作指令に含まれる目標位置の指令及び目標力の指令の状態にまで、ロボットアーム120Aのアーム駆動装置M1A~M4Aに関節(図示略)を駆動させるための駆動指令を生成し、駆動回路142aに出力する。駆動指令はサーボモータの電流の指令値を含む。第1駆動指令部190aは、サーボモータのフィードバック情報を用いて駆動指令を生成する。
【0100】
第2駆動指令部190bは、第2動作指令に含まれる目標位置の指令及び目標力の指令の状態にまで、ロボットアーム120Bのアーム駆動装置M1B~M4Bに関節(図示略)を駆動させるための駆動指令を生成し、駆動回路142aに出力する。駆動指令はサーボモータの電流の指令値を含む。第2駆動指令部190bは、サーボモータのフィードバック情報を用いて駆動指令を生成する。
【0101】
第3駆動指令部190cは、第3動作指令に含まれる目標状態にまでエンドエフェクタ130Aの駆動装置(図示略)を駆動させるための駆動指令を生成し、駆動回路142aに出力する。
【0102】
第4駆動指令部190dは、第4動作指令に含まれる目標状態にまでエンドエフェクタ130Bの駆動装置(図示略)を駆動させるための駆動指令を生成し、駆動回路142aに出力する。
【0103】
第5駆動指令部190eは、第5動作指令に含まれる目標位置の指令の状態にまで、搬送車110の搬送駆動装置113に駆動輪111を駆動させるための駆動指令を生成し、駆動回路142aに出力する。駆動指令はサーボモータの電流の指令値を含む。第5駆動指令部190eは、サーボモータのフィードバック情報を用いて駆動指令を生成する。
【0104】
[ロボットシステムの動作]
図5及び図6を参照しつつ、実施の形態に係るロボットシステム1の動作の一例を説明する。図5は、実施の形態に係るロボットシステム1の動作の一例を示すフローチャートである。図6は、実施の形態に係るロボットシステム1の動作の一例を示す平面図である。以下において、ロボット100がユーザPから要求される物品Wを収納棚SRから探し出し、当該ユーザPに手渡すサービスを実行する例を説明する。図5及び図6の例では、情報処理装置180は、評価対象動作の都度及び評価対象段階の都度それぞれにおいて、評価処理及び提示処理を実行する。
【0105】
まず、操作者PОは、ロボット操作を担当する要求を操作端末200に入力し、操作端末200は、当該要求をサーバ300に送信する(ステップS101)。サーバ300は、操作者PОが操作することができるロボット100を探索し、探索されたロボット100の情報処理装置180と上記操作端末200とを通信ネットワークNを介して接続する(ステップS102)。
【0106】
操作者PОは、接続完了の通知をサーバ300から受け取ると、ロボット操作の実行開始指令を操作端末200に入力する。操作端末200は、当該指令を情報処理装置180に送信する。情報処理装置180は、操作端末200から受信する操作指令に従って動作できるように、ロボット100を起動する。情報処理装置180は、ロボット100でのサービスのための作業の実行フラグをОN状態にする、つまり作業を開始する(ステップS103)。
【0107】
次いで、操作者PОは、ロボット操作の評価に使用する動作関連基準データの指定条件を操作端末200に入力する(ステップS104)。操作端末200は、当該指定条件の指令を情報処理装置180に送信する。例えば、指定条件は、標準の動作関連基準データを指定する条件、又は、使用する評価結果の属性を指定する条件であってもよい。本例では、操作者PОは、当該操作者PОに対する評価結果の使用を指定する指定条件を入力する。
【0108】
次いで、情報処理装置180は、操作端末200から受信した指定条件と、情報処理装置180に蓄積される蓄積データとを用いて、新たな動作関連基準データを生成し、当該動作関連基準データの使用を決定する(ステップS105)。当該動作関連基準データは、操作者PОに評価結果に合わせて調整された動作関連基準データである。
【0109】
次いで、操作者PОは、撮像装置145の撮像画像等を表示する提示装置203の画面を確認しつつ、サービス提供エリアAS内でサービスを要求するユーザPを探す。操作者PОは、ユーザPを見つけると、撮像装置145及び/又は146の撮像画像等を表示する提示装置203の画面を視認しつつ操作端末200を操作し、ロボット100をユーザPの近傍位置にまで走行させる(ステップS106)。
【0110】
情報処理装置180は、ロボット100の走行中、所定の時間間隔でロボット100の動作関連情報を検出し、検出の都度、動作関連情報の評価処理及び提示処理を実行する(ステップS107)。本例では、所定の時間間隔の動作関連情報それぞれが、評価対象動作に対応する。情報処理装置180は、動作関連情報の対価及び対価の積算結果を提示装置203に表示させる。例えば、情報処理装置180は、各動作関連情報について、ロボット100の走行速度、走行加速度、走行軌跡、及びロボット周辺要素との干渉等の評価対象特徴を評価する。本例では、情報処理装置180は、検出処理、評価処理及び提示処理を、これらの間に遅延時間を設けずに実行するため、操作者PОは、評価対象動作の対価及び対価の積算結果を、当該評価対象動作のための操作を操作端末200に入力した時点から遅延なく、つまりリアルタイム(実時間)に確認することができる。
【0111】
情報処理装置180は、ロボット100がユーザPの近傍位置に到着すると、出発位置から当該近傍位置までの走行工程である第1作業段階の評価処理及び提示処理を実行し、第1作業段階の対価及び積算結果を提示装置203に表示させる(ステップS108)。
【0112】
操作者PОは、提示装置203の画面を介してユーザPの近傍位置へのロボット100の到着を確認すると、操作端末200への入力、並びにロボット100の表示装置148及び/又は音声出力装置149からの出力等を介して、要求する物品WをユーザPに問い合わせる(ステップS109)。
【0113】
次いで、ユーザPが集音装置147及び/又は表示装置148のタッチパネルに要求物品W1の情報を入力すると、操作者PОは、操作端末200への入力を介して、収納棚SRにおける要求物品W1の位置の情報を、情報処理装置180に要求する。情報処理装置180は、情報処理装置180が搭載されるロボット100の情報に加えて、当該ロボット100が配置されるサービス提供エリアASに関する情報及び提供サービスに関する情報も記憶し得る。操作端末200は、要求物品W1の位置PW1の情報を情報処理装置180から受け取り操作者PОに提示する(ステップS110)。なお、サーバ300が、サービス提供エリアASに関する情報及び提供サービスに関する情報を保持し、操作端末200は、要求物品W1の位置の情報をサーバ300に要求してもよい。
【0114】
次いで、操作者PОは、位置PW1の情報、撮像装置145及び/又は146の撮像画像等を表示する提示装置203の画面を視認しつつ操作端末200を操作し、ロボット100を位置PW1の近傍位置にまで走行させる(ステップS111)。
【0115】
情報処理装置180は、ステップS107の処理と同様に、ロボット100の走行中、所定の時間間隔でロボット100の動作関連情報を検出し、検出の都度、動作関連情報の評価処理及び提示処理を実行する(ステップS112)。
【0116】
情報処理装置180は、ステップS108の処理と同様に、ロボット100が位置PW1の近傍位置に到着すると、ユーザPの近傍位置から位置PW1の近傍位置までの走行工程である第2作業段階の評価処理及び提示処理を実行する(ステップS113)。
【0117】
操作者PОは、提示装置203の画面を介して位置PW1の近傍位置へのロボット100の到着を確認すると、ロボットアーム120A及び120B並びにエンドエフェクタ130A及び130Bに動作させるための操作を操作端末200に入力する(ステップS114)。当該動作は、収納棚SRに収納されている要求物品W1をエンドエフェクタ130A及び130Bを用いて収納棚SRから取り出し、要求物品W1をロボット100のテーブル140a上に載置する動作である。操作者PОは、撮像装置144及び145の撮像画像等を表示する提示装置203の画面を視認しつつ、操作端末200に操作を入力する。
【0118】
情報処理装置180は、ロボット100の動作中、ロボット100の動作関連情報を検出し、評価対象動作に対応する動作関連情報の検出の都度、当該動作関連情報の評価処理及び提示処理を実行する(ステップS115)。例えば、評価対象動作は、エンドエフェクタ130A及び130Bを要求物品W1へ移動するロボットアーム120A及び120Bの移動動作、要求物品W1を把持するエンドエフェクタ130A及び130Bの把持動作、要求物品W1をテーブル140a上に移動し載置するロボットアーム120A及び120Bの移動載置動作、並びに、要求物品W1の把持を解除するエンドエフェクタ130A及び103Bの把持解除動作等の処理対象動作のうちの少なくとも1つである。本例では、全ての処理対象動作が、評価対象動作である。
【0119】
情報処理装置180は、各評価対象動作に対応する動作関連情報について、ロボット100の動作の所要時間、エンドエフェクタ130A及び103Bの位置、姿勢、位置の移動速度、姿勢の移動速度、位置の加速度、姿勢の加速度及び移動軌跡、要求物品W1の位置、姿勢及び状態、ロボット100が要求物品W1に与える力及び衝撃、ロボット100が対象物周辺要素(収納棚SRの棚板及び他の物品等)に与える接触、力及び衝撃、並びに、ロボット100とロボット周辺要素との干渉等の評価対象特徴を評価する。例えば、エンドエフェクタ130A及び103Bの加速度は、エンドエフェクタ130A及び103Bが要求物品W1に与える衝撃等を示し得る。例えば、情報処理装置180は、撮像装置144及び/又は145等によって撮像される要求物品W1の画像を処理して、エンドエフェクタ130A及び103Bに把持されている要求物品W1の保持状態を検出し、評価対象特徴として当該保持状態を評価するように構成されてもよい。情報処理装置180は、撮像装置144等によって撮像されるテーブル140a上の要求物品W1の画像を処理して、要求物品W1の載置状態を検出し、評価対象特徴として当該載置状態を評価するように構成されてもよい。
【0120】
情報処理装置180は、エンドエフェクタ130A及び103Bによる要求物品W1の把持解除動作が検出されると、位置PW1の近傍位置へのロボット100の到着から把持解除完了までの取り出し動作工程である第3作業段階の評価処理及び提示処理を実行し、対価及び積算結果を提示装置203に表示させる(ステップS116)。
【0121】
次いで、操作者PОは、提示装置203の画面を介して、テーブル140a上への要求物品W1の載置を確認すると、撮像装置145及び/又は146の撮像画像等を表示する提示装置203の画面を視認しつつ操作端末200を操作し、ロボット100をユーザPの近傍位置にまで走行させる(ステップS117)。
【0122】
情報処理装置180は、ステップS107の処理と同様に、ロボット100の走行中、所定の時間間隔でロボット100の動作関連情報を検出し、検出の都度、動作関連情報の評価処理及び提示処理を実行する(ステップS118)。
【0123】
情報処理装置180は、ステップS108の処理と同様に、ロボット100がユーザPの近傍位置に到着すると、位置PW1の近傍位置からユーザPの近傍位置までの走行工程である第4作業段階の評価処理及び提示処理を実行する(ステップS119)。
【0124】
次いで、操作者PОは、提示装置203の画面を介してユーザPの近傍位置へのロボット100の到着を確認すると、ロボットアーム120A及び120B並びにエンドエフェクタ130A及び130Bに動作させるための操作を操作端末200に入力する(ステップS120)。当該動作は、テーブル140a上に載置される要求物品W1をエンドエフェクタ130A及び130Bを用いてユーザPに手渡す動作である。操作者PОは、撮像装置144及び145の撮像画像等を表示する提示装置203の画面を視認しつつ、操作端末200に操作を入力する。
【0125】
情報処理装置180は、ロボット100の動作中、ロボット100の動作関連情報を検出し、評価対象動作に対応する動作関連情報の検出の都度、当該動作関連情報の評価処理及び提示処理を実行する(ステップS121)。例えば、評価対象動作は、エンドエフェクタ130A及び130Bを要求物品W1へ移動するロボットアーム120A及び120Bの移動動作、要求物品W1を把持するエンドエフェクタ130A及び130Bの把持動作、要求物品W1をユーザPの前に移動し差し出すロボットアーム120A及び120Bの移動動作、並びに、ユーザPの要求物品W1の保持状態に応じて要求物品W1の把持を解除するエンドエフェクタ130A及び103Bの把持解除動作等の処理対象動作のうちの少なくとも1つである。本例では、全ての処理対象動作が、評価対象動作である。
【0126】
情報処理装置180は、各評価対象動作に対応する動作関連情報について、ロボット100の動作の所要時間、エンドエフェクタ130A及び103Bの位置、姿勢、位置の移動速度、姿勢の移動速度、位置の加速度、姿勢の加速度及び移動軌跡、要求物品W1の位置、姿勢及び状態、ロボット100が要求物品W1に与える力及び衝撃、並びに、ロボット100が対象物周辺要素(ユーザP)に与える接触、力及び衝撃等の評価対象特徴を評価する。例えば、情報処理装置180は、撮像装置144及び/又は145等によって撮像される要求物品W1の画像を処理して、エンドエフェクタ130A及び103Bに把持されている要求物品W1の保持状態を検出し、評価対象特徴として当該保持状態を評価するように構成されてもよい。
【0127】
情報処理装置180は、エンドエフェクタ130A及び103Bによる要求物品W1の把持解除動作が検出されると、ロボット100のユーザPの近傍位置への到着から把持解除完了までの手渡し動作工程である第5作業段階の評価処理及び提示処理を実行し、対価及び積算結果を提示装置203に表示させる(ステップS122)。
【0128】
操作者PОは、ロボット操作を終了する場合、操作終了の指令を操作端末200に入力する。情報処理装置180は、操作終了の指令を操作端末200から受け取ると(ステップS123でYes)、一連の処理を終了する。情報処理装置180は、作業の実行フラグをОFF状態にし、ロボット100を停止する。サーバ300は、操作端末200と情報処理装置180との接続を遮断する。情報処理装置180は、操作終了の指令を受け取らない場合(ステップS123でNo)にステップS106に戻る。
【0129】
なお、ステップS106~S123の処理の過程において、情報処理装置180は、評価対象動作に対応する動作関連情報及び作業段階の評価結果、対価及び対価の積算結果と、評価に用いられた動作関連基準データとを関連付けて記憶し蓄積する。
【0130】
上記のようなステップS101~S123の処理によって、操作者PОは、評価対象動作及び作業段階それぞれの都度、対価及び対価の積算結果を通じて、操作者PОの操作に対する評価を確認しつつ、ロボット100を操作することができる。これにより、操作者PОは、ロボット操作のスキルを向上させるための具体的な方策を見出すことができる。そして、操作者PОは、より多くの対価を得るためにロボット操作のスキルを向上させるモチベーションを高めることができる。
【0131】
(変形例)
本変形例は、ロボットシステムが学習装置400を備える点で、実施の形態と異なる。以下、本変形例について、実施の形態と異なる点を中心に説明し、実施の形態と同様の点の説明を適宜省略する。
【0132】
図7は、変形例に係る情報処理装置180A及び学習装置400の機能的構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、情報処理装置180Aは、データ入出力部180iを機能的構成要素としてさらに含む。データ入出力部180iは、学習装置400との間でデータの入出力を行う。例えば、データ入出力部180iは、第2記憶部181bに記憶される蓄積データを学習装置400に出力する。データ入出力部180iは、基準決定部180gからの要求に応じて、学習装置400に動作関連基準データを要求する。データ入出力部180iは、基準決定部180gから指定条件と当該指定条件を満たす評価結果の情報とを受け取り学習装置400に送る。学習装置400は、当該指定条件及び当該評価結果に対応する動作関連基準データをデータ入出力部180iに送る。
【0133】
学習装置400は、情報処理装置180Aと同様に、コンピュータ装置を含む。これに限定されないが、本変形例では、学習装置400は、情報処理装置180A及びロボットコントローラ190とは別の装置であり、有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して情報処理装置180Aとデータ通信可能に接続される。いかなる有線通信及び無線通信が用いられてもよい。学習装置400は、情報処理装置180Aと共に、ロボット100に搭載される。学習装置400は、情報処理装置180A又はロボットコントローラ190に組み込まれてもよい。学習装置400及び情報処理装置180Aは、情報処理システム500を形成する。
【0134】
また、学習装置400は、記憶媒体を介して、情報処理装置180Aとデータを入出力できるように構成されてもよい。記憶媒体は、半導体ベースの若しくは他の集積回路(IC:Integrated Circuit)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD:Hybrid Hard Disk Drive)、光ディスク、光ディスクドライブ(ОDD:Optical Disk Drive)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィディスクドライブ(FDD:Floppy Disk Drive)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカード若しくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、又はこれらの2つ以上の組合せを含むことができる。
【0135】
本変形例では、学習装置400は、ロボット100に搭載されるが、ロボット100の外部に配置され、通信ネットワークNを介して情報処理装置180Aと接続されるように構成されてもよい。学習装置400は、複数のロボット100の情報処理装置180Aと接続可能であるように構成されてもよい。例えば、学習装置400は、サービス提供エリアASに配置されてもよく、操作エリアAОに配置されてもよく、その他の場所に配置されてもよい。例えば、学習装置400は、サーバ300の配置場所に配置され、サーバ300経由で情報処理装置180Aとデータ通信するように構成されてもよい。学習装置400は、サーバ300に組み込まれてもよい。
【0136】
学習装置400は、データ入出力部401と、学習データ記憶部402と、機械学習部403と、入力データ処理部404と、出力データ処理部405とを機能的構成要素として含む。学習データ記憶部402の機能は、学習装置400が含み得るメモリ及び/又はストレージ等によって実現され、学習データ記憶部402以外の機能的構成要素の機能は、学習装置400が含むプロセッサ等によって実現される。
【0137】
データ入出力部401は、情報処理装置180Aのデータ入出力部180iから蓄積データを受け取り、当該蓄積データを機械学習用データとして、学習データ記憶部402に記憶させる。データ入出力部401は、データ入出力部180iから、動作関連基準データの要求指令と指定条件の情報と当該指定条件を満たす評価結果の情報とを受け取り、入力データ処理部404に出力する。データ入出力部401は、出力データ処理部405から動作関連基準データを受け取り、当該動作関連基準データをデータ入出力部180iに送る。
【0138】
入力データ処理部404は、データ入出力部401から受け取る指定条件の情報及び評価結果の情報を機械学習部403の機械学習モデルに入力可能なデータに変換して機械学習部403に出力する。出力データ処理部405は、機械学習部403の出力データを動作関連基準データに変換してデータ入出力部401に出力する。
【0139】
機械学習部403は、機械学習モデルを含む。機械学習部403は、機械学習用データを用いて機械学習モデルに機械学習させ、機械学習モデルに入力データに対する出力データの精度を向上させる。機械学習モデルは、ニューラルネットワーク(Neural Network)、Random Forest、Genetic Programming、回帰モデル、木モデル、ベイズモデル、時系列モデル、クラスタリングモデル、アンサンブル学習モデル等で構成されてもよいが、本変形例では、ニューラルネットワークで構成される。ニューラルネットワークは、入力層及び出力層を含む複数のノード層で構成される。ノード層には、1つ以上のノードが含まれる。ニューラルネットワークが、入力層、中間層及び出力層で構成される場合、ニューラルネットワークは、入力層のノードに入力された情報について、入力層から中間層への出力処理、中間層から出力層への出力処理を順次行い、入力情報に適合する出力結果を出力する。なお、1つの層の各ノードは、次の層の各ノードと接続されており、ノード間の接続には、重み付けがされている。1つの層のノードの情報は、ノード間の接続の重み付けが付与されて、次の層のノードに出力される。
【0140】
機械学習モデルは、指定条件に関連する条件関連情報と、評価結果に関連する評価関連情報とを入力データとし、当該条件関連情報及び当該評価関連情報に対応する動作関連基準に関連する情報を出力データとする。条件関連情報は、指定条件及び/又は評価結果の属性を示す情報であってもよく、評価関連情報は評価結果を示す情報であってもよい。
【0141】
さらに、機械学習モデルは、機械学習用データに含まれる条件関連情報及び評価関連情報を機械学習用入力データとし、当該条件関連情報及び当該評価関連情報に対応する動作関連基準データに関連する基準関連情報を教師データとする。基準関連情報は動作関連基準データを示す情報であってもよい。例えば、機械学習では、機械学習部403は、機械学習用入力データが入力された場合の機械学習モデルの出力データと、当該機械学習用入力データに対応する教師データとの間でこれらを一致又は誤差を最小化等するように、ニューラルネットワーク内のノード間の接続の重み付けを調整する。このような重み付け調整後の機械学習モデルは、条件関連情報及び評価関連情報が入力されると、当該情報に適切な基準関連情報を出力することができる。
【0142】
上記のような学習装置400は、実施の形態の基準決定部180gによって決定される動作関連基準データよりも、指定条件及び評価結果に適切な動作関連基準データを出力することができる。なお、本変形例において、機械学習部403の機械学習モデルは、出力データ処理部405の機能を含み、出力データ処理部405と同様の出力データを出力するように構成されてもよい。
【0143】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明したが、本開示は、上記実施の形態及び変形例に限定されない。すなわち、本開示の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。例えば、各種変形を実施の形態及び変形例に施したもの、及び、異なる実施の形態及び変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0144】
例えば、実施の形態及び変形例において、ロボットシステム1が対象とするロボット100の作業は、サービス業に関する作業であるが、これに限定されない。ロボットシステム1は、いかなる作業を対象としてもよい。例えば、ロボットシステム1は、工業、農業及びその他の産業等に関する作業を対象としてもよい。
【0145】
実施の形態及び変形例において、ロボットシステム1はロボット100を備えるが、ロボットシステム1が備えるロボットは、作業を行うことができるロボットであればよい。例えば、ロボットは、搬送車110とは異なる構成の移動装置を備えてもよく、例えば、脚部等を備えてもよい。ロボットは、移動装置を備えなくてもよい。例えば、ロボットは、ロボットアーム以外の構成要素を備えてもよく、例えば、人型ロボット及び動物型ロボット等であってもよい。
【0146】
実施の形態及び変形例において、情報処理装置180は、ロボット周辺要素、対象物及び対象物周辺要素等のロボット100以外の要素である外部要素の状態を検出するために、これらが撮像されている画像データを用いるように構成されるが、これに限定されない。例えば、情報処理装置180は、外部要素とは別に配置されるセンサである外部センサの検出結果、及び/又は、外部要素に配置されるセンサである搭載センサの検出結果を用いて、外部要素の状態を検出するように構成されてもよい。外部センサは、外部から外部要素の位置及び姿勢等を検出するように構成されてもよい。例えば、外部センサは、光波、レーザ、磁気、電波、電磁波、超音波又はこれらの組み合わせ等を用いて検出を行うように構成され、光電センサ、レーザセンサ、電波式センサ、電磁波式センサ、超音波センサ及び各種ライダ(LiDAR)等であってもよい。搭載センサは、外部要素と共に移動し、外部要素の位置及び姿勢等を検出するように構成されてもよい。例えば、搭載センサは、加速度センサ、角速度センサ、磁気センサ及びGPS(全地球測位システム:Global Positioning System)受信機等であってもよい。
【0147】
実施の形態及び変形例に係る情報処理装置180及び180Aは、処理にAI(人工知能:Artificial Intelligence)を用いるように構成されてもよい。例えば、AIは、処理対象動作の評価を決定する処理、作業段階の評価を決定する処理、対価及び積算結果を算出する処理、並びに画像処理等に用いることができる。例えば、AIは、機械学習を行う学習モデルを含んでもよい。例えば、学習モデルは、ニューラルネットワークを含んでもよい。
【0148】
実施の形態及び変形例において、サーバ300は、情報処理装置180及び180A並びに学習装置400の機能の少なくとも一部の機能を有するように構成されてもよい。例えば、サーバ300は、図4及び図7に示される情報処理装置180及び180Aの機能的構成要素の少なくとも1つの機能を有するように構成されてもよい。サーバ300は、図7に示される学習装置400の機能的構成要素の少なくとも1つの機能を有するように構成されてもよい。
【0149】
また、本開示の技術の各態様例は、以下のように挙げられる。本開示の一態様に係る情報処理装置は、作業をロボットに実行させるための前記ロボットの操作を評価する情報処理装置であって、ユーザによって操作装置に入力される操作指令に従って動作する前記ロボットの動作に関連する情報である動作関連情報を検出する検出処理を、前記作業の実行中に実行する検出処理部と、前記検出処理部によって検出される前記動作関連情報を、前記ロボットの動作に関連する基準である動作関連基準と比較し評価する評価処理を、前記作業の実行中に実行する評価処理部と、前記評価処理部の評価結果を、前記ユーザが前記操作装置を操作しつつ情報の提示を受ける提示装置に提示させる提示処理を、前記作業の実行中に実行する提示処理部とを含み、前記評価処理部は、評価対象の前記ロボットの動作である評価対象動作の都度のタイミングと、前記作業における評価対象の作業段階である評価対象段階の都度のタイミングとのうちの少なくとも一方のタイミングで前記評価処理を実行し、前記提示処理部は、前記評価対象動作の都度のタイミングで前記評価処理が実行される場合、前記評価対象動作の実行順序と同じ順序で前記評価対象動作に関する前記評価結果を前記提示装置に提示させ、前記提示処理部は、前記評価対象段階の都度のタイミングで前記評価処理が実行される場合、前記評価対象段階の実行順序と同じ順序で前記評価対象段階に関する前記評価結果を前記提示装置に提示させる。
【0150】
上記態様によると、情報処理装置は、評価対象動作の都度のタイミングと評価対象段階の都度のタイミングとのうちの少なくとも一方のタイミングで、評価対象動作及び/又は評価対象段階に関する評価処理を実行し、提示装置を介して評価結果をユーザに提示する。そして、ユーザは、上記のタイミングで操作に対する評価を確認することができる。さらに、ユーザは、操作の順序と同じ順序で、操作に対する評価を確認することができる。これにより、ユーザは、評価を受けた操作と当該操作への評価結果とを認識することができるため、次に評価対象の操作を行うときに操作精度を向上させる意欲を持ち得る。よって、情報処理装置は、ユーザのロボット操作への意欲を向上させることができる。
【0151】
本開示の一態様に係る情報処理装置において、前記評価処理部は、前記評価対象動作の都度のタイミングで前記評価処理を実行する場合、第1の前記評価対象動作に関する前記評価処理を、前記第1の評価対象動作の次の前記評価対象動作である第2の前記評価対象動作のタイミングまでに実行し、前記提示処理部は、前記第1の評価対象動作に関する前記評価結果の前記提示処理を、前記第2の評価対象動作のタイミングまでに実行してもよい。
【0152】
上記態様によると、情報処理装置は、評価対象動作に関する評価処理及び提示処理を次の評価対象動作のタイミングまでに実行する。よって、ユーザは、評価を受けた評価対象動作及び当該評価対象動作に関する評価結果を的確に認識することができる。
【0153】
本開示の一態様に係る情報処理装置において、前記評価処理部は、前記評価対象段階の都度のタイミングで前記評価処理を実行する場合、第1の前記評価対象段階に関する前記評価処理を、前記第1の評価対象段階の次の前記評価対象段階である第2の前記評価対象段階のタイミングまでに実行し、前記提示処理部は、前記第1の評価対象段階に関する前記評価結果の前記提示処理を、前記第2の評価対象段階のタイミングまでに実行してもよい。
【0154】
上記態様によると、情報処理装置は、評価対象段階に関する評価処理及び提示処理を次の評価対象段階のタイミングまでに実行する。よって、ユーザは、評価を受けた評価対象段階及び当該評価対象段階に関する評価結果を的確に認識することができる。
【0155】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、前記評価結果に基づき、前記ロボットの操作に対して前記ユーザに与える対価を決定する対価決定部をさらに含み、前記提示処理部は、前記対価決定部によって決定される前記対価と、前記作業の実行中の前記対価の積み上げの結果とを前記提示装置に提示させてもよい。
【0156】
上記態様によると、情報処理装置は、個々の評価結果を示す対価と、対価を積み上げた結果とを、提示装置を介してユーザに提示する。これにより、ユーザは、より多くの対価を得るために、ロボット操作への意欲を向上し得る。例えば、対価は、報酬額、ポイント、得点及びスコア等であってもよい。
【0157】
本開示の一態様に係る情報処理装置において、前記検出処理部は、前記動作関連情報として、前記操作指令、前記操作指令に従って前記ロボットに動作させるために前記ロボットに対して生成される動作指令、前記ロボットの実際の動作結果、前記ロボットの周辺環境の状態、前記ロボットが作用を加える対象物の状態、及び、前記対象物の周辺環境の状態のうちの少なくとも1つを検出してもよい。上記態様によると、情報処理装置は、多様な情報に基づき、評価処理を行うことができる。
【0158】
本開示の一態様に係る情報処理装置において、前記評価処理部は、前記動作関連情報を評価するための特徴である複数の評価対象特徴を、前記動作関連基準に含まれる前記複数の評価対象特徴の基準と比較し評価し、前記複数の評価対象特徴の評価結果に基づき前記動作関連情報を評価してもよい。
【0159】
上記態様によると、情報処理装置での評価方法が、明確且つ簡潔になり得る。よって、評価処理の処理量の低減及び迅速化が可能になる。例えば、評価対象特徴は、ロボットの動作についての所要時間、位置、姿勢、軌跡、位置の速度、姿勢の速度、位置の加速度及び姿勢の加速度、ロボットがロボットの周辺環境に与える力、衝撃並びに当該周辺環境の位置、姿勢、形状及び状態の変化、ロボットが作用を加える対象物の位置、姿勢、位置の速度、姿勢の速度、位置の加速度及び姿勢の加速度、対象物についての形状の変化、状態の変化及び出来映え、ロボットが対象物の周辺環境に与える力、衝撃並びに当該周辺環境の位置、姿勢、形状及び状態の変化等の特徴を含んでもよい。情報処理装置は、複数の評価対象特徴それぞれの評価結果に重み付けを加えて、動作関連情報の評価結果を決定してもよい。
【0160】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、蓄積部と、基準決定部とをさらに含み、前記蓄積部は、前記動作関連基準の情報と、前記動作関連基準に基づく前記動作関連情報の前記評価結果の情報とを蓄積し、前記基準決定部は、前記蓄積部に蓄積される第1の前記動作関連基準の情報及び前記第1の動作関連基準に基づく前記評価結果の情報を用いて、第2の前記動作関連基準の情報を決定してもよい。上記態様によると、情報処理装置は、蓄積部に蓄積される評価結果に応じて、動作関連基準を新たに決定することができる。
【0161】
本開示の一態様に係る情報処理装置において、前記基準決定部は、前記蓄積部に蓄積される情報の中から、指定される条件を満たす前記評価結果の情報と、前記評価結果に用いられる前記動作関連基準である前記第1の動作関連基準の情報とを抽出し、抽出された前記評価結果の情報及び前記第1の動作関連基準の情報を用いて前記第2の動作関連基準の情報を決定してもよい。
【0162】
上記態様によると、情報処理装置は、指定される条件を満たす評価結果を用いて新たな動作関連基準を決定することができる。よって、情報処理装置は、様々な目的の動作関連基準を決定することができる。例えば、指定条件は、ロボットによって作用が加えられる対象物、ロボット、作業、作業場所、作業環境、作業実施日及び作業実施期間等に対応する評価結果を指定する条件であってもよい。
【0163】
本開示の一態様に係る学習装置は、本開示の一態様に係る情報処理装置における前記動作関連基準の情報と前記動作関連基準に基づく前記動作関連情報の前記評価結果の情報とを機械学習用データとして記憶する学習データ記憶部と、機械学習部とを含み、前記機械学習部は、前記機械学習用データに含まれる前記評価結果の情報を機械学習用入力データとし、前記機械学習用データに含まれ且つ前記評価結果に用いられる前記動作関連基準の情報を教師データとして、機械学習し、前記機械学習部は、前記評価結果の情報に対応する評価情報を入力データとし、前記評価情報に対応する前記動作関連基準の情報を出力データとする。
【0164】
上記態様によると、機械学習後の学習装置は、評価結果に対応する評価情報の入力を受け付けると、当該評価情報に適した動作関連基準を出力することができる。例えば、高い評価結果に対応する評価情報が学習装置に入力されると、学習装置は、高評価を得やすい簡易で低いレベルの動作関連基準を出力する。例えば、低い評価結果に対応する評価情報が学習装置に入力されると、学習装置は、高評価を得るのが難しい高度なレベルの動作関連基準を出力する。例えば、ユーザは、学習装置を用いることによって、ユーザが所望する難易度の動作関連基準を取得し、ロボット操作に用いることができる。
【0165】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、本開示の一態様に係る情報処理装置と、本開示の一態様に係る学習装置とを備え、前記学習装置は、前記操作装置又は前記情報処理装置から入力データを受け付け、前記入力データに対する出力データを、前記情報処理装置に出力するように構成される。上記態様によると、情報処理システムは、本開示の一態様に係る情報処理装置及び学習装置と同様の効果を得ることができる。情報処理システムは、学習装置から出力される動作関連基準を用いて、情報処理装置での評価処理を実行することができる。
【0166】
本開示の一態様に係るロボットシステムは、本開示の一態様に係る情報処理装置と、前記ロボットと、前記ロボットの動作を制御するロボットコントローラとを備え、前記情報処理装置は、前記ロボットコントローラと通信可能に接続される。上記態様によると、ロボットシステムは、本開示の一態様に係る情報処理装置と同様の効果を得ることができる。
【0167】
本開示の一態様に係るロボットシステムは、本開示の一態様に係る情報処理システムと、前記ロボットと、前記ロボットの動作を制御するロボットコントローラとを備え、前記情報処理装置は、前記ロボットコントローラと通信可能に接続される。上記態様によると、ロボットシステムは、本開示の一態様に係る情報処理システムと同様の効果を得ることができる。
【0168】
また、上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
【0169】
また、機能ブロック図におけるブロックの分割は一例であり、複数のブロックを一つのブロックとして実現する、一つのブロックを複数に分割する、及び/又は、一部の機能を他のブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数のブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【符号の説明】
【0170】
1 ロボットシステム
100 ロボット
170 制御装置
180,180A 情報処理装置
180a 動作指令部
180b 検出処理部
180c 評価処理部
180d 対価決定部
180e 提示処理部
180f 蓄積処理部
180g 基準決定部
181a 第1記憶部
181b 第2記憶部(蓄積部)
190 ロボットコントローラ
200 操作端末(操作装置)
203 提示装置
400 学習装置
402 学習データ記憶部
403 機械学習部
500 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7