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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-28
(45)【発行日】2025-05-09
(54)【発明の名称】数値制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4093 20060101AFI20250430BHJP
   G05B 19/4097 20060101ALI20250430BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20250430BHJP
【FI】
G05B19/4093 F
G05B19/4097 C
B23Q17/00 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022559052
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 JP2021038714
(87)【国際公開番号】W WO2022091896
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2020178689
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】劉 兆甲
【審査官】岩▲崎▼ 優
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/038523(WO,A1)
【文献】特開平07-168612(JP,A)
【文献】特開2009-110273(JP,A)
【文献】特開平06-170692(JP,A)
【文献】特開平11-212615(JP,A)
【文献】特開2002-189510(JP,A)
【文献】米国特許第05933353(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/00-19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工プログラムを自動生成する数値制御装置であって、
複数の工具に関する工具情報と、前記複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状識別子と、前記形状識別子が示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付け情報を記憶する紐付け情報記憶部と、
加工に選択された工具に関する工具情報を取得する工具情報取得部と、
取得された前記工具情報で前記紐付け情報記憶部に問い合せして、取得された前記工具情報の工具で加工可能な形状を示し、かつ前記Gコードと紐付けられている形状識別子を抽出する形状ID情報抽出部と、
抽出された前記形状識別子に基づいて、加工対象となる加工物のCADデータから加工可能な形状を抽出する加工可能形状抽出部と、
抽出された前記加工可能な形状を表示する加工可能形状表示部であって、表示された前記加工可能な形状は、使用可能な前記Gコードを表示するためにユーザによって選択可能である、加工可能形状表示部と、
を備える数値制御装置。
【請求項2】
加工プログラムを自動生成する数値制御装置であって、
複数の工具に関する工具情報と、前記複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状識別子と、前記形状識別子が示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付け情報を記憶する紐付け情報記憶部と、
加工に選択された工具に関する工具情報を取得する工具情報取得部と、
取得された前記工具情報で前記紐付け情報記憶部に問い合せして、取得された前記工具情報の工具で加工可能な形状を示す形状識別子を抽出する形状ID情報抽出部と、
抽出された前記形状識別子に基づいてCADデータから加工可能な形状を抽出する加工可能形状抽出部と、
抽出された前記加工可能な形状を表示する加工可能形状表示部と、
を備え、
抽出された前記加工可能な形状を選択する形状選択受付部と、
選択された前記加工可能な形状の形状識別子を取得する選択形状取得部と、
前記選択形状取得部により取得された前記加工可能な形状の形状識別子と、取得された前記工具情報と、で前記紐付け情報記憶部に問い合せして、取得された前記工具情報の工具で取得された前記形状識別子の形状に加工するのに使用可能なGコードをさらに絞る使用可能Gコード抽出部と、をさらに備える数値制御装置。
【請求項3】
前記使用可能Gコード抽出部により絞られた前記使用可能なGコードを表示する使用可能Gコード表示部と、
表示された前記使用可能なGコードからGコードを選択するGコード選択受付部と、をさらに備える請求項2に記載の数値制御装置。
【請求項4】
加工プログラムを自動生成する数値制御装置であって、
複数の工具に関する工具情報と、前記複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状識別子と、前記形状識別子が示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付け情報を記憶する紐付け情報記憶部と、
加工に選択された工具に関する工具情報を取得する工具情報取得部と、
取得された前記工具情報で前記紐付け情報記憶部に問い合せして、取得された前記工具情報の工具で使用可能であり、かつ前記形状識別子と紐付けられているGコードを抽出する使用可能Gコード抽出部と、
抽出された前記Gコードを全て表示する使用可能Gコード表示部であって、表示された前記Gコードは、前記加工可能な形状を表示するためにユーザによって選択可能である、使用可能Gコード表示部と、
を備える数値制御装置。
【請求項5】
加工プログラムを自動生成する数値制御装置であって、
複数の工具に関する工具情報と、前記複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状識別子と、前記形状識別子が示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付け情報を記憶する紐付け情報記憶部と、
加工に選択された工具に関する工具情報を取得する工具情報取得部と、
取得された前記工具情報で前記紐付け情報記憶部に問い合せして、取得された前記工具情報の工具で使用可能なGコードを抽出する使用可能Gコード抽出部と、
抽出された前記使用可能なGコードを表示する使用可能Gコード表示部と、
を備え、
抽出された前記使用可能なGコードを選択するGコード選択受付部と、
選択された前記使用可能なGコードを取得する選択Gコード取得部と、
前記選択Gコード取得部により取得された前記使用可能なGコードと、取得された前記工具情報と、で前記紐付け情報記憶部に問い合せして、取得された前記工具情報の工具で選択された前記使用可能なGコードで加工可能な形状を示す形状識別子をさらに絞る形状ID情報抽出部と、をさらに備える数値制御装置。
【請求項6】
形状ID情報抽出部により絞られた前記形状識別子に基づいてCADデータから加工可能な形状を抽出する加工可能形状抽出部と、
抽出された前記加工可能な形状を表示する加工可能形状表示部と、をさらに備える請求項5に記載の数値制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CADデータを用いて加工プログラムを自動的に作成する技術が知られている。例えば、特許文献1参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平4-315550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CADデータを用いて加工プログラムを作成するにあたり、(a)ユーザが加工形状を選択してからGコードを選択する場合と、(b)ユーザがGコードを選択してから加工形状を選択する場合と、がある。
【0005】
(a)ユーザが加工形状を選択してからGコードを選択する場合について
図26Aから図26Dは、ユーザが加工形状を選択してからGコードを選択する場合の表示画面の変化の一例を示す図である。
図26Aに示すように、図27に示す加工物を作成するために、ユーザが工具を選択すると、表示画面の左側の領域に選択された工具(例えば、工具コード「T10」)を含む加工プログラムが表示される。工具を選択した後、ユーザが図27の加工物の図28A及び図28Bに示すCADデータを選択すると、選択された工具(工具コード「T10」)で加工できる形状を絞らずに、CADデータに含まれる全ての形状が画面の右側の領域に表示される。そして、例えば、図26Aに示すように、ユーザが右上の円形部分を深穴加工するために、当該円形部分を選択すると、図26Bに示すように、選択された工具(工具コード「T10」)及び選択された形状でGコードを絞ることなく、全てのGコードが画面の右側の領域に表示される。
図26Bに示す表示画面において、ユーザにより「G83 深穴あけサイクル」が選択されると、図26Cに示すように、Gコード「G83」の切削条件のパラメータを設定する画面が右側の領域に表示される。図26Cに示す表示画面においてユーザにより切削条件のパラメータが設定されると、図26Dに示す表示画面の左側の領域において、加工プログラムにGコード「G83」のブロックが追加され表示される。そして、図26Aから図26Dに示す手順を、CADデータに含まれる全ての形状について行うことにより、加工プログラムが生成される。
【0006】
(b)ユーザがGコードを選択してから加工形状を選択する場合について
図29A及び図29Bは、ユーザがGコードを選択してから加工形状を選択する場合の表示画面の変化の一例を示す図である。
図29Aに示すように、ユーザが工具を選択すると、表示画面の左側の領域に選択された工具(例えば、工具コード「T10」)を含む加工プログラムが表示され、選択された工具(工具コード「T10」)が利用できるGコードを絞らずに、全てのGコードが表示画面の右側の領域に表示される。図29Aに示す画面において、例えば、ユーザが、深穴加工するために「G83 深穴あけサイクル」を選択し、図27に示す加工物の図28A及び図28Bに示すCADデータを選択すると、図29Bに示すように、選択されたGコード「G83」で加工できる形状を絞らずに、CADデータに含まれる全ての形状が表示画面の右側の領域に表示される。
図29Bに示す表示画面において、例えば、ユーザが深穴加工する形状として右上の円形部分を選択すると、Gコード「G83」の切削条件のパラメータを設定する図26Cと同様の画面が右側の領域に表示される。図26Cに示す表示画面においてユーザにより切削条件のパラメータが設定されると、図26Dの場合と同様に、加工プログラムにGコード「G83」のブロックが追加され表示される。そして、図29A図29B図26C図26Dに示す手順を、CADデータに含まれる全ての形状について行うことにより、加工プログラムが生成される。
【0007】
しかしながら、上述したいずれの場合でも、全てのGコード及び/又はCADデータの加工形状が表示されてしまうため、所望のGコード又は加工形状の選択に時間がかかるとともに、選択のミスが起こり易い。
【0008】
そこで、選択した工具によってGコード及び/又は加工形状を絞って表示することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本開示の数値制御装置の一態様は、加工プログラムを自動生成する数値制御装置であって、複数の工具に関する工具情報と、前記複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状識別子と、前記形状識別子が示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付け情報を記憶する紐付け情報記憶部と、加工に選択された工具に関する工具情報を取得する工具情報取得部と、取得された前記工具情報で前記紐付け情報記憶部に問い合せして、取得された前記工具情報の工具で加工可能な形状を示す形状識別子を抽出する形状ID情報抽出部と、抽出された前記形状識別子に基づいてCADデータから加工可能な形状を抽出する加工可能形状抽出部と、抽出された前記加工可能な形状を表示する加工可能形状表示部と、を備える。
【0010】
(2)本開示の数値制御装置の一態様は、加工プログラムを自動生成する数値制御装置であって、複数の工具に関する工具情報と、前記複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状識別子と、前記形状識別子が示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付け情報を記憶する紐付け情報記憶部と、加工に選択された工具に関する工具情報を取得する工具情報取得部と、取得された前記工具情報で前記紐付け情報記憶部に問い合せして、取得された前記工具情報の工具で使用可能なGコードを抽出する使用可能Gコード抽出部と、抽出された前記使用可能なGコードを表示する使用可能Gコード表示部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
一態様によれば、選択した工具によってGコード及び/又は加工形状を絞って表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る制御システムの機能的構成例を示す機能ブロック図である。
図2】紐付けテーブルの一例を示す図である。
図3A】抽出された加工可能な形状の表示画面の一例を示す図である。
図3B】抽出された加工可能な形状の表示画面の一例を示す図である。
図4】絞られた使用可能なGコードの表示の表示画面の一例を示す図である。
図5A】選択されたGコードの設定画面の一例を示す図である。
図5B】選択されたGコードのブロックが追加された表示画面の一例を示す図である。
図6】数値制御装置10の加工プログラム生成処理について説明するフローチャートである。
図7図6においてステップS1で示した工具情報取得処理を説明するフローチャートである。
図8A図6においてステップS3で示した加工可能形状抽出処理を説明するフローチャートである。
図8B図6においてステップS3で示した加工可能形状抽出処理を説明するフローチャートである。
図9図6においてステップS5で示した選択形状取得処理を説明するフローチャートである。
図10図8AのステップS32における加工物のCADデータに形状ID「1」の穴形状があるか否かの判定処理を説明するフローチャートである。
図11】穴形状のCADデータの一例を示す図である。
図12図8AのステップS35における加工物のCADデータに形状ID「2」のネジ形状があるか否かの判定処理を説明するフローチャートである。
図13】ネジ形状のCADデータの一例を示す図である。
図14図8AのステップS38における加工物のCADデータに形状ID「3」のポケット形状があるか否かの判定処理を説明するフローチャートである。
図15】ポケット形状のCADデータの一例を示す図である。
図16図8BのステップS3Bにおける加工物のCADデータに形状ID「4」の輪郭形状があるか否かの判定処理を説明するフローチャートである。
図17】輪郭形状のCADデータの一例を示す図である。
図18図8BのステップS3Eにおける加工物のCADデータに形状ID「5」の傾斜形状があるか否かの判定処理を説明するフローチャートである。
図19】傾斜形状のCADデータの一例を示す図である。
図20】第2実施形態に係る制御システムの機能的構成例を示す機能ブロック図である。
図21】使用可能なGコードの表示画面の一例を示す図である。
図22】抽出された加工可能な形状の表示画面の一例を示す図である。
図23】数値制御装置の加工プログラム生成処理について説明するフローチャートである。
図24】輪郭加工の外壁荒加工「G1060」のGコードの場合の設定画面の一例を示す図である。
図25】選択されたGコードのブロックが追加された画面の一例を示す図である。
図26A】ユーザが加工形状を選択してからGコードを選択する場合の表示画面の変化の一例を示す図である。
図26B】ユーザが加工形状を選択してからGコードを選択する場合の表示画面の変化の一例を示す図である。
図26C】ユーザが加工形状を選択してからGコードを選択する場合の表示画面の変化の一例を示す図である。
図26D】ユーザが加工形状を選択してからGコードを選択する場合の表示画面の変化の一例を示す図である。
図27】加工物の一例を示す図である。
図28A図27の加工物のCADデータの一例を示す図である。
図28B図27の加工物のCADデータの一例を示す図である。
図29A】ユーザがGコードを選択してから加工形状を選択する場合の表示画面の変化の一例を示す図である。
図29B】ユーザがGコードを選択してから加工形状を選択する場合の表示画面の変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
まず、本実施形態の概略を説明する。本実施形態では、数値制御装置は、複数の工具に関する工具情報と、複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状識別子と、形状識別子が示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付け情報を記憶する。数値制御装置は、加工に選択された工具に関する工具情報を取得し、取得した工具情報とで紐付け情報に問合せして、取得された工具情報の工具で加工可能な形状を示す形状識別子を抽出し、抽出した加工可能な形状を表示する。
【0014】
これにより、本実施形態によれば、「選択した工具によってGコード及び/又は加工形状を絞って表示する」という課題を解決することができる。
以上が第1実施形態の概略である。
【0015】
次に、本実施形態の構成について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係る制御システムの機能的構成例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、制御システム1は、数値制御装置10、及び工作機械20を有する。
【0016】
数値制御装置10、及び工作機械20は、図示しない接続インタフェースを介して互いに直接接続されてもよい。また、数値制御装置10、及び工作機械20は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の図示しないネットワークを介して相互に接続されていてもよい。この場合、数値制御装置10、及び工作機械20は、かかる接続によって相互に通信を行うための図示しない通信部を備えている。なお、後述するように、工作機械20は、数値制御装置10を含んでもよい。
【0017】
工作機械20は、当業者にとって公知の工作機械であり、数値制御装置10の動作指令に基づいて動作する。
なお、工作機械20は、例えば、工作機械20に含まれるHDD(Hard Disk Drive)等の図示しない記憶部に、工作機械20の主軸(図示しない)に取付けられる全ての工具を管理する工具管理テーブル(図示しない)を記憶してもよい。そして、後述する数値制御装置10は、加工プログラムに設定された「T10」等の工具番号等に基づいて、工具名、工具径、工具長等を工作機械20の工具管理テーブル(図示しない)から取得してもよい。
【0018】
数値制御装置10は、当業者にとって公知の数値制御装置であり、加工プログラムの実行に基づいて動作指令を生成し、生成した動作指令を工作機械20に送信する。これにより、数値制御装置10は、工作機械20の動作を制御する。
【0019】
図1に示すように、数値制御装置10は、制御部11、入力部12、表示部13、及び記憶部14を含む。制御部11は、工具情報取得部110、形状ID情報抽出部111、加工可能形状抽出部112、選択形状取得部113、使用可能Gコード抽出部114、及びプログラム生成部115を有する。また、記憶部14は、紐付けテーブル141を含む。
【0020】
入力部12は、例えば、キーボード、MDI(Manual Data Input)、及び/又は後述する表示部13の前面に配置されたタッチパネル等で構成され、オペレータであるユーザからの入力を受け付ける。入力部12は、ユーザの入力操作に基づいて、後述する加工可能形状抽出部112により抽出された加工可能な形状を選択する形状選択受付部として機能する。また、入力部12は、ユーザの入力操作に基づいて、後述する使用可能Gコード抽出部114によりさらに絞られた使用可能なGコードを選択するGコード選択受付部として機能する。
【0021】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置であり、表示装置の前面に配置されたタッチパネル(図示しない)を有する。表示部13は、後述する加工可能形状抽出部112により抽出された加工可能な形状を表示する加工可能形状表示部として機能する。また、表示部13は、加工可能な形状に加工するのに後述する使用可能Gコード抽出部114によりさらに絞られた使用可能なGコードを表示する使用可能Gコード表示部として機能する。
【0022】
<記憶部14>
記憶部14は、例えばRAM(Random Access Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部14は、数値制御装置10が、数値制御装置として機能するための公知の制御ソフトウェアを含む各種プログラムを記憶するほか、紐付けテーブル141を備える。
紐付けテーブル141は、複数の工具に関する工具情報と、複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状識別子(以下、「形状ID」ともいう)と、当該形状IDが示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付け情報を含む。
図2は、紐付けテーブル141の一例を示す図である。
図2に示すように、紐付けテーブル141は、例えば、「Tid」、「工具」、「Sid」、「形状(CAD)」、「Gid」、及び「Gコード」の格納領域を含む。
紐付けテーブル141内の「Tid」の格納領域には、予め工具毎に割り当てられた「1」や「2」等の工具識別子(以下、「工具ID」ともいう)が格納される。なお、「Tid」の格納領域に格納される工具IDは、工具番号及び種類が同じ工具であっても加工する形状が異なる場合、異なる工具IDが割り当てられる。
【0023】
紐付けテーブル141内の「工具」の格納領域には、「Tid」に対応する工具番号(例えば、「T10」等)及び工具の種類(例えば、「ドリル」等)が格納される。なお、「工具」の格納領域に格納される工具番号及び工具の種類は、上述したように、工作機械20の工具管理テーブル(図示しない)から予め取得されることが好ましい。
【0024】
紐付けテーブル141内の「Sid」の格納領域には、「工具」の格納領域に格納された工具で加工可能な形状を示す「1」や「2」等の形状IDが格納される。
【0025】
紐付けテーブル141内の「形状(CAD)」の格納領域には、「工具」の格納領域に格納された工具で加工される形状を示すCADデータが格納される。具体的には、「Sid」が「1」の「形状(CAD)」の格納領域には、工具番号「T10」のドリルで空けられる穴の形状を示すCADデータが格納される。また、「Sid」が「2」の「形状(CAD)」の格納領域には、例えば工具番号「T10」等のドリルで空けられた細線で示す穴に、工具番号「T20」のタップで加工される太線で示すネジ山の部分の形状を示すCADデータが格納される。また、「Sid」が「3」の「形状(CAD)」の格納領域には、例えば工具番号「T30」のエンドミルでポケット加工される形状を示すCADデータが格納される。また、「Sid」が「4」の「形状(CAD)」の格納領域には、例えば工具番号「T30」のエンドミルで輪郭加工される形状を示すCADデータが格納される。また、「Sid」が「5」の「形状(CAD)」の格納領域には、例えば工具番号「T10」のドリルで斜めに傾けて空けられる穴の形状を示すCADデータが格納される。
なお、紐付けテーブル141内の「形状(CAD)」の格納領域には、加工される形状のCADデータに限定されない。例えば、「Sid」が「1」の「形状(CAD)」の格納領域には、例えば工具番号「T10」の直径10mmのドリルで空けられる3つの穴の形状を示す「3-φ10」等の「k-φ*」の書式の文字データが格納されてもよい。なお、kは穴の個数を示し、*は穴の直径を示す。また、「Sid」が「2」の「形状(CAD)」の格納領域には、工具番号「T20」のタップで、例えば直径10mmの穴に深さ15mmで高さ1.5mmのネジ山の部分の形状を示す「M10×1.5×15」等の「M*×h×D」の書式の文字データが格納されてもよい。なお、hはネジ山の高さを示し、Dはネジ山の部分の深さを示す。
【0026】
紐付けテーブル141内の「Gid」の格納領域には、「工具」の格納領域に格納された工具で「形状(CAD)」の格納領域に格納された形状を加工するのに使用可能なGコードを示す「1」や「2」等のGコード識別子(以下、「GコードID」ともいう)が格納される。
【0027】
紐付けテーブル141内の「Gコード」の格納領域には、「工具」の格納領域に格納された工具で「形状(CAD)」の格納領域に格納された形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードが格納される。具体的には、GコードID「Gid」が「1」の「Gコード」の格納領域には、工具番号「T10」のドリルで穴を加工するのに使用可能な、ドリルサイクル「G81」、ドリルサイクル「G82」、深穴あけサイクル「G83」、キャンセル「G80」、ドリルサイクル「G1110」、及びドリルサイクル「G1111」のGコードが格納される。また、GコードID「Gid」が「2」の「Gコード」の格納領域には、例えば工具番号「T10」のドリルで空けられた穴に、工具番号「T20」のタップでネジ山の形状を加工するのに使用可能な、タッピングリング「G84」、及びタッピングリング「G1112」のGコードが格納される。また、GコードID「Gid」が「3」の「Gコード」の格納領域には、例えば工具番号「T30」のエンドミルでポケット加工するのに使用可能な、ポケット加工の荒加工「G1040」、ポケット加工の底面仕上げ「G1041」、及びポケット加工の側面仕上げ「G1042」のGコードが格納される。また、GコードID「Gid」が「3」の「Gコード」の格納領域には、例えば工具番号「T30」のエンドミルで輪郭加工するのに使用可能な、輪郭加工の外壁荒加工「G1060」、輪郭加工の外壁底面仕上げ「G1061」、及び輪郭加工の外壁側面仕上げ「G1062」のGコードが格納される。また、GコードID「Gid」が「5」の「Gコード」の格納領域には、例えば工具番号「T10」のドリルで斜めに傾いた穴を加工するのに使用可能な、傾斜面割り出し指令「G68.2」、工具軸方向による傾斜面割り出し指令「G68.3」、及び傾斜面割り出し指令(インクリメンタル多重指令)「G68.4」のGコードが格納される。
【0028】
<制御部11>
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM、RAM、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)メモリ等を有し、これらはバスを介して相互に通信可能に構成される、当業者にとって公知のものである。
CPUは数値制御装置10を全体的に制御するプロセッサである。CPUは、ROMに格納されたシステムプログラム及びアプリケーションプログラムを、バスを介して読み出し、システムプログラム及びアプリケーションプログラムに従って数値制御装置10全体を制御する。これにより、図1に示すように、制御部11が、工具情報取得部110、形状ID情報抽出部111、加工可能形状抽出部112、選択形状取得部113、使用可能Gコード抽出部114、及びプログラム生成部115の機能を実現するように構成される。RAMには一時的な計算データや表示データ等の各種データが格納される。また、CMOSメモリは図示しないバッテリでバックアップされ、数値制御装置10の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。
【0029】
工具情報取得部110は、加工に選択された工具に関する工具情報を取得する。
具体的には、工具情報取得部110は、例えば、入力部12を介してユーザの入力操作に基づいて、工具情報(例えば、工具番号や工具の種類等)を取得する。なお、工具情報取得部110は、入力部12を介してユーザにより工具情報が入力されない場合、例えば、工作機械20の工具管理データ(図示しない)から予め取得されたツーリングデータから工具情報(例えば、工具番号や工具の種類等)を取得するようにしてもよい。
【0030】
形状ID情報抽出部111は、工具情報取得部110により取得された工具情報で紐付け情報記憶部である紐付けテーブル141に問い合せして、取得された工具情報の工具で加工可能な形状を示す形状ID(Sid)を抽出する。
具体的には、形状ID情報抽出部111は、例えば、工具情報取得部110により取得された工具情報が工具番号「T10」を含む場合、紐付けテーブル141に基づいて、「Sid」が「1」及び「5」の形状IDを抽出する。また、形状ID情報抽出部111は、例えば、工具情報取得部110により取得された工具情報が工具番号「T20」を含む場合、紐付けテーブル141に基づいて、「Sid」が「2」の形状IDを抽出する。また、形状ID情報抽出部111は、例えば、工具情報取得部110により取得された工具情報が工具番号「T30」を含む場合、紐付けテーブル141に基づいて、「Sid」が「3」及び「4」の形状IDを抽出する。
【0031】
加工可能形状抽出部112は、形状ID情報抽出部111により抽出された形状IDに基づいて、対象となる加工物のCADデータから加工可能な形状を抽出する。
具体的には、加工可能形状抽出部112は、例えば、形状ID情報抽出部111により抽出された形状IDが「1」及び「5」の場合、X軸、Y軸、又はZ軸に平行に加工される穴、及び斜めに傾いて加工される穴を加工可能な形状としてCADデータから抽出する。また、加工可能形状抽出部112は、形状ID情報抽出部111により抽出された形状IDが「2」の場合、ネジ山が加工される部分を加工可能な形状としてCADデータから抽出する。また、加工可能形状抽出部112は、形状ID情報抽出部111により抽出された形状IDが「3」及び「4」の場合、ポケット加工される部分、及び輪郭加工される部分を加工可能な形状としてCADデータから抽出する。なお、加工可能形状抽出部112の詳細な説明は、後述する。
そして、加工可能形状表示部としての表示部13は、加工可能形状抽出部112により抽出された加工可能な形状を表示する。
図3A及び図3Bは、抽出された加工可能な形状の表示画面の一例を示す図である。
図3Aに示すように、加工可能形状抽出部112が加工可能な形状として形状ID「1」の穴の形状を図28A及び図28Bに示すCADデータから抽出した場合、加工可能形状表示部としての表示部13は、例えば、抽出された穴の形状を太線で強調して表示するようにしてもよい。また、図3Bに示すように、加工可能形状抽出部112が加工可能な形状として形状ID「3」のポケット加工する部分、及び/又は形状ID「4」の輪郭加工する部分の加工形状を図28A及び図28Bに示すCADデータから抽出した場合、加工可能形状表示部としての表示部13は、例えば、抽出された加工可能な形状を太線で強調して表示するようにしてもよい。
なお、加工可能形状表示部としての表示部13は、抽出された加工可能な形状を太線で強調表示したが、太線以外の線で強調表示してもよく、赤色等の色の線で強調表示してもよい。
【0032】
選択形状取得部113は、例えば、加工可能形状表示部としての表示部13に表示された図3A又は図3Bの表示画面において、形状選択受付部としての入力部12を介してユーザにより加工可能な形状が選択された場合、選択された加工可能な形状の形状IDを取得する。選択形状取得部113は、取得した加工可能な形状の形状IDを、工具情報取得部110により取得された工具情報とともに後述する使用可能Gコード抽出部114に出力する。
【0033】
使用可能Gコード抽出部114は、選択形状取得部113から受信した工具情報と加工可能な形状の形状IDとで紐付け情報記憶部としての紐付けテーブル141に問い合せして、受信した工具情報の工具で受信した形状IDの形状に加工するのに使用可能なGコードをさらに絞る。
具体的には、使用可能Gコード抽出部114は、例えば、工具情報取得部110により取得された工具番号「T10」と、形状選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択された穴の形状を示す形状ID「1」と、を選択形状取得部113から受信した場合、紐付けテーブル141に基づいて、GコードID「Gid」が「1」の使用可能な、ドリルサイクル「G81」、ドリルサイクル「G82」、深穴あけサイクル「G83」、キャンセル「G80」、ドリルサイクル「G1110」、及びドリルサイクル「G1111」のGコードを抽出し絞る。また、使用可能Gコード抽出部114は、工具情報取得部110により取得された工具番号「T20」と、形状選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択されたネジ山の部分を示す形状ID「2」と、を選択形状取得部113から受信した場合、紐付けテーブル141に基づいて、GコードID「Gid」が「2」の使用可能な、タッピングリング「G84」、及びタッピングリング「G1112」のGコードを抽出し絞る。
【0034】
また、使用可能Gコード抽出部114は、工具情報取得部110により取得された工具番号「T30」と、形状選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択されたポケット加工の部分を示す形状ID「3」と、を選択形状取得部113から受信した場合、紐付けテーブル141に基づいて、GコードID「Gid」が「3」の使用可能な、ポケット加工の荒加工「G1040」、ポケット加工の底面仕上げ「G1041」、及びポケット加工の側面仕上げ「G1042」のGコードを抽出し絞る。また、使用可能Gコード抽出部114は、工具情報取得部110により取得された工具番号「T30」と、形状選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択された輪郭加工の部分を示す形状ID「4」と、を選択形状取得部113から受信した場合、紐付けテーブル141に基づいて、GコードID「Gid」が「4」の使用可能な、輪郭加工の外壁荒加工「G1060」、輪郭加工の外壁底面仕上げ「G1061」、及び輪郭加工の外壁側面仕上げ「G1062」のGコードを抽出し絞る。また、使用可能Gコード抽出部114は、工具情報取得部110により取得された工具番号「T10」と、形状選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択された斜めに傾いた穴の形状を示す形状ID「5」と、を選択形状取得部113から受信した場合、紐付けテーブル141に基づいて、GコードID「Gid」が「5」の使用可能な、傾斜面割り出し指令「G68.2」、工具軸方向による傾斜面割り出し指令「G68.3」、及び傾斜面割り出し指令(インクリメンタル多重指令)「G68.4」のGコードを抽出し絞る。
【0035】
そして、使用可能Gコード表示部としての表示部13は、使用可能Gコード抽出部114により絞られた使用可能なGコードを表示する。
図4は、絞られた使用可能なGコードの表示の表示画面の一例を示す図である。
例えば、図3Bに示す表示画面において、ポケット加工の部分がユーザにより選択された場合、図4に示すように、使用可能Gコード表示部としての表示部13は、ポケット加工の荒加工「G1040」、ポケット加工の底面仕上げ「G1041」、及びポケット加工の側面仕上げ「G1042」のGコードのみを表示する。
そうすることで、数値制御装置10は、Gコードと加工形状との選択を容易に行うことができ、加工プログラムの作成時間を短縮することができる。また、数値制御装置10は、可能なGコードと加工形状とを提示しユーザに選択させることで、加工プログラムを間違って入力することを防ぐことができる。
【0036】
プログラム生成部115は、例えば、使用可能Gコード表示部としての表示部13に表示された図4の画面において、Gコード選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択されたGコードを受け付ける。プログラム生成部115は、選択されたGコードのパラメータを設定するために、表示部13にパラメータ設定画面を表示する。
図5Aは、選択されたGコードの設定画面の一例を示す図である。図5Bは、選択されたGコードのブロックが追加された表示画面の一例を示す図である。
プログラム生成部115は、図5Aの設定画面を介してユーザにより入力されたパラメータを用いて、図5Bに示すように、選択されたGコードを含むブロックを追加し加工プログラムを生成する。
なお、「G1200」はポケット加工の開始点を設定するGコードであり、「G1201」はポケット加工の直線を設定するGコードである。また、「G1990」はグループ範囲選択開始指令のGコードであり、「G1991」はグループ範囲選択終了指令のGコードである。
【0037】
<数値制御装置10の加工プログラム生成処理>
次に、図6を参照しながら、数値制御装置10の加工プログラム生成処理の流れを説明する。
図6は、数値制御装置10の加工プログラム生成処理について説明するフローチャートである。ここで示すフローは、加工プログラムが生成される度に実行される。
以下、加工可能な形状として、穴の形状(以下、「穴形状」ともいう)、ネジ山の部分(以下、「ネジ形状」ともいう)、ポケット加工の部分(以下、「ポケット形状」ともいう)、輪郭加工の部分(以下、「輪郭形状」ともいう)、斜めに傾いた穴の形状(以下、「傾斜形状」ともいう)の場合について説明するが、これに限定されない。穴形状、ネジ形状、ポケット形状、輪郭形状、傾斜形状以外の加工可能な形状の場合についても同様に処理することができる。
【0038】
ステップS1において、工具情報取得部110は、入力部12を介してユーザの入力操作に基づいて、工具情報取得処理を行い、工具情報(例えば、工具番号や工具の種類等)を取得する。なお、工具情報取得処理の詳細なフローについては、後述する。
【0039】
ステップS2において、形状ID情報抽出部111は、ステップS1で取得された工具情報で紐付け情報記憶部である紐付けテーブル141に問い合せして、取得された工具情報の工具で加工可能な形状の形状IDを抽出する。
【0040】
ステップS3において、加工可能形状抽出部112は、ステップS2で抽出された形状IDに基づいて、加工可能形状抽出処理を行い、対象となる加工物のCADデータから加工可能な形状を抽出する。なお、加工可能形状抽出処理の詳細なフローについては、後述する。
【0041】
ステップS4において、加工可能形状表示部としての表示部13は、ステップS3で抽出された形状を表示する(例えば、図3A又は図3B)。
【0042】
ステップS5において、選択形状取得部113は、加工可能形状表示部としての表示部13に表示された画面において、形状選択受付部としての入力部12を介してユーザによる加工可能な形状の選択に基づいて、選択形状取得処理を行い、ユーザにより選択された加工可能な形状の形状IDを取得する。なお、選択形状取得処理の詳細なフローについては、後述する。
【0043】
ステップS6において、使用可能Gコード抽出部114は、ステップS1で取得された工具情報と、ステップS5で選択された加工可能な形状の形状IDと、で紐付けテーブル141に問い合せして、使用可能なGコードをさらに絞る。
【0044】
ステップS7において、使用可能Gコード表示部としての表示部13は、ステップS6で絞られた使用可能なGコードを表示する(例えば、図4)。
【0045】
ステップS8において、プログラム生成部115は、使用可能Gコード表示部としての表示部13に表示された表示画面において、Gコード選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択されたGコードを受け付ける。
【0046】
ステップS9において、プログラム生成部115は、ステップS8で受け付けたGコードGコードの設定画面(例えば、図5A)を表示部13に表示し、入力部12を介してユーザにより入力されたパラメータを受け付ける。
【0047】
ステップS10において、プログラム生成部115は、ステップS9でユーザにより入力されたパラメータを用いて、選択されたGコードを含むブロックを追加する(例えば、図5B)。
【0048】
ステップS11において、プログラム生成部115は、加工プログラムの生成が終了したか否かを判定する。プログラム生成部115は、入力部12を介してユーザにより加工プログラムの「保存」や「終了」等の入力を受け付けた場合、加工プログラムの生成が終了したと判定し、処理は終了する。一方、プログラム生成部115は、入力部12を介してユーザにより加工プログラムの「保存」や「終了」等の入力を受け付けていない場合、加工プログラムの生成は終了していないと判定し、処理はステップS1に戻る。
【0049】
<ステップS1の工具情報取得処理>
図7は、図6においてステップS1で示した工具情報取得処理を説明するフローチャートである。
【0050】
ステップS1Aにおいて、工具情報取得部110は、入力部12を介してユーザの入力操作に基づいて、工具情報が入力されたか否かを判定する。工具情報が入力された場合、処理はステップS1Bに進む。一方、工具情報が入力されていない場合、処理はステップS1Cに進む。
【0051】
ステップS1Bにおいて、工具情報取得部110は、入力部12を介してユーザにより入力された工具情報(例えば、工具番号や工具の種類等)を取得する。
【0052】
ステップS1Cにおいて、工具情報取得部110は、工作機械20の工具管理データ(図示しない)から予め取得されたツーリングデータから工具情報(例えば、工具番号や工具の種類等)を取得する。
以上により、工具情報取得処理のフローは終了し、処理は図6のフローに戻る。
【0053】
<ステップS3の加工可能形状抽出処理>
図8A及び図8Bは、図6においてステップS3で示した加工可能形状抽出処理を説明するフローチャートである。
【0054】
ステップS31において、加工可能形状抽出部112は、ステップS2で抽出された形状IDが、穴形状の「1」であるか否かを判定する。形状IDが、穴形状の「1」である場合、処理はステップS32に進む。一方、形状IDが、穴形状の「1」でない場合、処理はステップS34に進む。
【0055】
ステップS32において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータに形状ID「1」の穴形状があるか否かの判定処理を行う。なお、ステップS32の判定処理の詳細なフローについては、後述する。
【0056】
ステップS33において、ステップS32の判定処理の結果から穴形状がある場合、処理はステップS3Gに進む。一方、ステップS32の判定処理の結果から穴形状がない場合、処理はステップS3Hに進む。
【0057】
ステップS34において、加工可能形状抽出部112は、ステップS2で抽出された形状IDが、ネジ形状の「2」であるか否かを判定する。形状IDが、ネジ形状の「2」である場合、処理はステップS35に進む。一方、形状IDが、ネジ形状の「2」でない場合、処理は図8BのステップS37に進む。
【0058】
ステップS35において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータに形状ID「2」のネジ形状があるか否かの判定処理を行う。なお、ステップS35の判定処理の詳細なフローについては、後述する。
【0059】
ステップS36において、ステップS35の判定処理の結果からネジ形状がある場合、処理はステップS3Gに進む。一方、ステップS35の判定処理の結果からネジ形状がない場合、処理はステップS3Hに進む。
【0060】
図8BのステップS37において、加工可能形状抽出部112は、ステップS2で抽出された形状IDが、ポケット形状の「3」であるか否かを判定する。形状IDが、ポケット形状の「3」である場合、処理はステップS38に進む。一方、形状IDが、ポケット形状の「3」でない場合、処理はステップS3Aに進む。
【0061】
ステップS38において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータに形状ID「3」のポケット形状があるか否かの判定処理を行う。なお、ステップS38の判定処理の詳細なフローについては、後述する。
【0062】
ステップS39において、ステップS38の判定処理の結果からポケット形状がある場合、処理はステップS3Gに進む。一方、ステップS38の判定処理の結果からポケット形状がない場合、処理は図8AのステップS3Hに進む。
【0063】
ステップS3Aにおいて、加工可能形状抽出部112は、ステップS2で抽出された形状IDが、輪郭形状の「4」であるか否かを判定する。形状IDが、輪郭形状の「4」である場合、処理はステップS3Bに進む。一方、形状IDが、輪郭形状の「4」でない場合、処理はステップS3Dに進む。
【0064】
ステップS3Bにおいて、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータに形状ID「4」の輪郭形状があるか否かの判定処理を行う。なお、ステップS3Bの判定処理の詳細なフローについては、後述する。
【0065】
ステップS3Cにおいて、加工可能形状抽出部112は、ステップS3Bの判定処理の結果から輪郭形状がある場合、処理は図8AのステップS3Gに進む。一方、加工可能形状抽出部112は、ステップS3Gの判定処理の結果から輪郭形状がない場合、処理は図8AのステップS3Hに進む。
【0066】
ステップS3Dにおいて、加工可能形状抽出部112は、ステップS2で抽出された形状IDが、傾斜形状の「5」であるか否かを判定する。形状IDが、傾斜形状の「5」である場合、処理はステップS3Eに進む。一方、形状IDが、輪郭形状の「5」でない場合、処理は図8AのステップS3Hに進む。
【0067】
ステップS3Eにおいて、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータに形状ID「5」の傾斜形状があるか否かの判定処理を行う。なお、ステップS3Eの判定処理の詳細なフローについては、後述する。
【0068】
ステップS3Fにおいて、ステップS3Eの判定処理の結果から傾斜形状がある場合、図8AのステップS3Gに進む。一方、ステップS3Eの判定処理の結果から傾斜形状がない場合、処理は図8AのステップS3Hに進む。
【0069】
ステップS3Gにおいて、加工可能形状抽出部112は、CADデータから形状IDに対応する加工可能な形状を抽出する。処理はステップS3Hに進む。
【0070】
ステップS3Hにおいて、加工可能形状抽出部112は、全ての抽出された形状IDをチェックしたか否かを判定する。全ての抽出された形状IDをチェックしていない場合、処理はステップS31に戻る。一方、全ての抽出された形状IDをチェックした場合、ステップS3の加工可能形状抽出処理のフローは終了し、処理は図6のフローに戻る。
【0071】
<ステップS5の選択形状取得処理>
図9は、図6においてステップS5で示した選択形状取得処理を説明するフローチャートである。
【0072】
ステップS51において、選択形状取得部113は、ユーザにより選択された加工形状が穴形状か否かを判定する。ユーザにより選択された加工形状が穴形状である場合、処理はステップS52に進む。一方、ユーザにより選択された加工形状が穴形状でない場合、処理はステップS53に進む。
【0073】
ステップS52において、選択形状取得部113は、ユーザにより選択された穴形状の形状ID「1」を取得する。
【0074】
ステップS53において、選択形状取得部113は、ユーザにより選択された加工形状がネジ形状か否かを判定する。ユーザにより選択された加工形状がネジ形状である場合、処理はステップS54に進む。一方、ユーザにより選択された加工形状がネジ形状でない場合、処理はステップS55に進む。
【0075】
ステップS54において、選択形状取得部113は、ユーザにより選択されたネジ形状の形状ID「2」を取得する。
【0076】
ステップS55において、選択形状取得部113は、ユーザにより選択された加工形状がポケット形状か否かを判定する。ユーザにより選択された加工形状がポケット形状である場合、処理はステップS56に進む。一方、ユーザにより選択された加工形状がポケット形状でない場合、処理はステップS57に進む。
【0077】
ステップS56において、選択形状取得部113は、ユーザにより選択されたポケット形状の形状ID「3」を取得する。
【0078】
ステップS57において、選択形状取得部113は、ユーザにより選択された加工形状が輪郭形状か否かを判定する。ユーザにより選択された加工形状が輪郭形状である場合、処理はステップS58に進む。一方、ユーザにより選択された加工形状が輪郭形状でない場合、処理はステップS59に進む。
【0079】
ステップS58において、選択形状取得部113は、ユーザにより選択された輪郭形状の形状ID「4」を取得する。
【0080】
ステップS59において、選択形状取得部113は、ユーザにより選択された加工形状が傾斜形状か否かを判定する。ユーザにより選択された加工形状が傾斜形状である場合、処理はステップS5Aに進む。一方、ユーザにより選択された加工形状が傾斜形状でない場合、選択形状取得処理のフローは終了し、処理は図6のフローに戻る。
【0081】
ステップS5Aにおいて、選択形状取得部113は、ユーザにより選択された加工形状が傾斜形状あるとして、傾斜形状の形状ID「5」を取得する。以上により、選択形状取得処理のフローは終了し、処理は図6のフローに戻る。
【0082】
<ステップS32の判定処理>
図10は、図8AのステップS32における加工物のCADデータに形状ID「1」の穴形状があるか否かの判定処理を説明するフローチャートである。
図11は、穴形状のCADデータの一例を示す図である。図11に示すように、端点Pと端点Pとの間の距離(穴の直径)をL、端点Pから穴形状の先端までの距離をLi+1、端点Pから穴形状の先端までの距離をLi+2、端点Pから穴形状の終端までの距離をLi+3、及び端点Pから穴形状の終端までの距離をLi+4とする。また、直線Lと直線Li+3とのなす角、及び直線Lと直線Li+4とのなす角は90度である。また、直線L、Li+1、Li+2からなる三角形は2等辺三角形であり、直線Lと直線Li+1とのなす角と、直線Lと直線Li+2とのなす角と、は同じである。
【0083】
ステップS321において、加工可能形状抽出部112は、iを「0」に初期化する。
【0084】
ステップS322において、加工可能形状抽出部112は、iを1つ増加させる。
【0085】
ステップS323において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータにおいて、端点Pを端点とする直線Li+1、Li+3があるか否かを判定する。直線Li+1、Li+3がある場合、処理はステップS324に進む。一方、直線Li+1、Li+3がない場合、処理はステップS329に進む。
【0086】
ステップS324において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータにおいて、端点Pを端点とする直線Li+2、Li+4があるか否かを判定する。直線Li+2、Li+4がある場合、処理はステップS325に進む。一方、直線Li+2、Li+4がない場合、処理はステップS329に進む。
【0087】
ステップS325において、加工可能形状抽出部112は、直線Lと直線Li+3とのなす角、及び直線Lと直線Li+4とのなす角が90度か否かを判定する。直線Lと直線Li+3とのなす角、及び直線Lと直線Li+4とのなす角が90度の場合、処理はステップS326に進む。直線Lと直線Li+3とのなす角及び/又は直線Lと直線Li+4とのなす角が90度でない場合、処理はステップS329に進む。
【0088】
ステップS326において、加工可能形状抽出部112は、直線Lと直線Li+1とのなす角と、直線Lと直線Li+2とのなす角と、が等しいか否かを判定する。直線Lと直線Li+1とのなす角と、直線Lと直線Li+2とのなす角と、が等しい場合、処理はステップS327に進む。一方、直線Lと直線Li+1とのなす角と、直線Lと直線Li+2とのなす角と、が等しくない場合、処理はステップS329に進む。
【0089】
ステップS327において、加工可能形状抽出部112は、直線LがX軸又はY軸に平行か否かを判定する。直線LがX軸又はY軸に平行の場合、処理はステップS328に進む。一方、直線LがX軸及びY軸に平行でない場合、処理はステップS329に進む。
【0090】
ステップS328において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータに穴形状があると判定する。ステップS32の判定処理のフローは終了し、処理は図8Aのフローに戻る。
【0091】
ステップS329において、加工可能形状抽出部112は、全ての直線をチェックしたか否かを判定する。全ての直線をチェックした場合、ステップS32の判定処理のフローは終了し、処理は図8Aのフローに戻る。一方、全ての直線をチェックしていない場合、処理はステップS322に戻る。
【0092】
<ステップS35の判定処理>
図12は、図8AのステップS35における加工物のCADデータに形状ID「2」のネジ形状があるか否かの判定処理を説明するフローチャートである。
なお、ステップS351、ステップS352、及びステップS359の処理は、図10のステップS321、ステップS322、及びステップS329の処理と同様であり、説明は省略する。
また、図13は、ネジ形状のCADデータの一例を示す図である。図13のネジ形状では、図11と同様の穴形状を含む。このため、穴形状の説明は省略する。図13に示すように、端点PNSと端点PNEとの間の距離をLi+5、端点PNSからネジ形状の終端までの距離をLi+6、端点PNEからネジ形状の終端までの距離をLi+7とするネジ形状が、図11の穴形状に形成されている。
【0093】
ステップS353において、加工可能形状抽出部112は、図10と同様の判定処理を行うことにより、加工物のCADデータに穴形状があるか否かを判定する。穴形状がある場合、処理はステップS354に進む。一方、穴形状がない場合、処理はステップS359に進む。
【0094】
ステップS354において、加工可能形状抽出部112は、ステップS353で判定処理された穴形状のCADデータに、端点PNSと端点PNEとを結ぶ直線Li+5があるか否かを判定する。直線Li+5がある場合、処理はステップS355に進む。一方、直線Li+5がない場合、処理はステップS359に進む。
【0095】
ステップS355において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータにおいて、端点PNSを端点とする直線Li+6があるか否かを判定する。直線Li+6がある場合、処理はステップS356に進む。一方、直線Li+6がない場合、処理はステップS359に進む。
【0096】
ステップS356において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータにおいて、端点PNEを端点とする直線Li+7があるか否かを判定する。直線Li+7がある場合、処理はステップS357に進む。一方、直線Li+7がない場合、処理はステップS359に進む。
【0097】
ステップS357において、加工可能形状抽出部112は、直線Li+5と直線Li+6とのなす角、及び直線Li+5と直線Li+7とのなす角が90度か否かを判定する。直線Li+5と直線Li+6とのなす角、及び直線Li+5と直線Li+7とのなす角が90度の場合、処理はステップS358に進む。直線Li+5と直線Li+6とのなす角及び/又は直線Li+5と直線Li+7とのなす角が90度でない場合、処理はステップS359に進む。
【0098】
ステップS358において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータにネジ形状があると判定する。ステップS35の判定処理のフローは終了し、処理は図8Aのフローに戻る。
【0099】
<ステップS38の判定処理>
図14は、図8AのステップS38における加工物のCADデータに形状ID「3」のポケット形状があるか否かの判定処理を説明するフローチャートである。
なお、ステップS381、ステップS382、及びステップS38Aの処理は、図10のステップS321、ステップS322、及びステップS329の処理と同様であり、説明は省略する。
また、図15は、ポケット形状のCADデータの一例を示す図である。図15の上段は、上から見たポケット形状を示し、図15の下段は、正面から見たポケット形状を示す。図15に示すように、X軸方向において、端点PSLと端点PSRとを結ぶ直線はLLRとする。
【0100】
ステップS383において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータにおいて、任意の1つの要素に隣接する要素Eを取得する(jは1からnの整数であり、nは1以上の整数である)。
【0101】
ステップS384において、加工可能形状抽出部112は、要素EからX軸方向において形状の最も左端の点P、及び最も右端の点Pを取得する。
【0102】
ステップS385において、加工可能形状抽出部112は、全ての直線要素から、Y軸に平行、かつ始点又は終点のY座標の値(Y値)がステップS384で取得された点P又は点PのY座標の値(Y値)と同じ直線L、Lを探索する。
【0103】
ステップS386において、加工可能形状抽出部112は、直線L、Lがあるか否かを判定する。直線L、Lがある場合、処理はステップS387に進む。一方、直線L、Lがない場合、処理はステップS38Aに進む。
【0104】
ステップS387において、加工可能形状抽出部112は、直線LのY値の小さい端点PSLと直線LのY値の小さい端点PSRとを結ぶ直線LLRがあるか否かを判定する。直線LLRがある場合、処理はステップS388に進む。一方、直線LLRがない場合、処理はステップS38Aに進む。
【0105】
ステップS388において、加工可能形状抽出部112は、ほかの端点PSL、PSRを通る要素がないか否かを判定する。ほかの端点PSL、PSRを通る要素がない場合、処理はステップS389に進む。一方、ほかの端点PSL、PSRを通る要素がある場合、処理はステップS38Aに進む。
【0106】
ステップS389において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータにポケット形状があると判定する。ステップS38の判定処理のフローは終了し、処理は図8Aのフローに戻る。
【0107】
<ステップS3Bの判定処理>
図16は、図8BのステップS3Bにおける加工物のCADデータに形状ID「4」の輪郭形状があるか否かの判定処理を説明するフローチャートである。
なお、ステップS3B1からステップS3B6、及びステップS3BAの処理は、図14のステップS381からステップS386、及びステップS38Aの処理と同様であり、説明は省略する。
図17は、輪郭形状のCADデータの一例を示す図である。図17の上段は、上から見た輪郭形状を示し、図17の下段は、正面から見た輪郭形状を示す。図17に示すように、X軸方向において、端点PLLと端点PLRとを結ぶ直線はLLRとする。
【0108】
ステップS3B7において、加工可能形状抽出部112は、直線LのY値の大きい端点PLLと直線LのY値の大きい端点PLRとを結ぶ直線LLRがあるか否かを判定する。直線LLRがある場合、処理はステップS3B8に進む。一方、直線LLRがない場合、処理はステップS3BAに進む。
【0109】
ステップS3B8において、加工可能形状抽出部112は、ほかの端点PLL、PLRを通る要素がないか否かを判定する。ほかの端点PLL、PLRを通る要素がない場合、処理はステップS3B9に進む。一方、ほかの端点PLL、PLRを通る要素がある場合、処理はステップS3BAに進む。
【0110】
ステップS3B9において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータに輪郭形状があると判定する。ステップS3Bの判定処理のフローは終了し、処理は図8Bのフローに戻る。
【0111】
<ステップS3Eの判定処理>
図18は、図8BのステップS3Eにおける加工物のCADデータに形状ID「5」の傾斜形状があるか否かの判定処理を説明するフローチャートである。
なお、ステップS3E1からステップS3E6、及びステップS3E9の処理は、図10のステップS321からステップS326、及びステップS329の処理と同様であり、説明は省略する。
図19は、傾斜形状のCADデータの一例を示す図である。図19に示すように、傾斜形状は、図11の穴形状を斜めに傾けた形状であり、図11の要素と同じ要素については同じ符号を付し、説明は省略する。
【0112】
ステップS3E7において、加工可能形状抽出部112は、直線LがX軸及びY軸に平行でないか否かを判定する。直線LがX軸及びY軸に平行でない場合、処理はステップS3E8に進む。一方、直線LがX軸又はY軸に平行の場合、処理はステップS3E9に進む。
【0113】
ステップS3E8において、加工可能形状抽出部112は、加工物のCADデータに傾斜形状があると判定する。ステップS3Eの判定処理のフローは終了し、処理は図8Bのフローに戻る。
【0114】
以上のように、第1実施形態に係る数値制御装置10は、ユーザにより選択された工具の工具情報と、紐付けテーブル141と、に基づいて選択された工具で加工可能な形状を示す形状IDを抽出し、抽出された形状IDの加工可能な形状を表示する。数値制御装置10は、表示された加工可能な形状のうちユーザにより選択された形状の形状IDと、選択された工具情報と、紐付けテーブル141と、に基づいて使用可能なGコードをさらに絞る。これにより、数値制御装置10は、選択した工具によってGコード及び/又は加工形状を絞って表示することができる。そして、数値制御装置10は、加工可能な形状と使用可能なGコードとの選択を容易に行うことができ、加工プログラムの作成時間を短縮することができる。
また、数値制御装置10は、加工可能な形状と使用可能なGコードとを提示しユーザに選択させることで、加工プログラムを間違って入力することを防ぐことができる。
以上、第1実施形態について説明した。
【0115】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。上述したように、第1実施形態に係る数値制御装置10は、複数の工具に関する工具情報と、複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状IDと、当該形状IDが示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付けテーブル141を記憶し、ユーザにより選択された工具の工具情報と、紐付けテーブル141と、に基づいて選択された工具で加工可能な形状を示す形状IDを抽出し、抽出された形状IDの加工可能な形状を表示する。数値制御装置10は、表示された加工可能な形状のうちユーザにより選択された形状の形状IDと、紐付けテーブル141と、に基づいて使用可能なGコードをさらに絞る。
これに対し、第2実施形態に係る数値制御装置10Aは、複数の工具に関する工具情報と、複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状IDと、当該形状IDが示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付けテーブル141を記憶し、ユーザにより選択された工具の工具情報と、紐付けテーブル141とに基づいて、選択された工具で使用可能なGコードを抽出し、抽出されたGコードを表示する。数値制御装置10Aは、表示されたGコードのうちユーザにより選択されたGコードと、紐付けテーブル141と、に基づいて加工可能な形状をさらに絞る点で、第1実施形態と相違する。
これにより、数値制御装置10Aは、選択した工具によってGコード及び/又は加工形状を絞って表示することができる。
以下、第2実施形態について説明する。
【0116】
図20は、第2実施形態に係る制御システムの機能的構成例を示す機能ブロック図である。なお、図1の制御システム1の要素と同様の機能を有する要素については、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図20に示すように、制御システム1は、数値制御装置10A、及び工作機械20を有する。
工作機械20は、第1実施形態に係る工作機械20と同等の機能を有する。
【0117】
図20に示すように、数値制御装置10Aは、制御部11a、入力部12、表示部13、及び記憶部14を含む。制御部11aは、工具情報取得部110、形状ID情報抽出部111a、加工可能形状抽出部112、使用可能Gコード抽出部114a、プログラム生成部115、及び選択Gコード取得部116を含む。また、記憶部14は、紐付けテーブル141を含む。
【0118】
入力部12、表示部13、及び記憶部14は、第1実施形態に係る入力部12、表示部13、及び記憶部14と同等の機能を有する。
また、工具情報取得部110、加工可能形状抽出部112、及びプログラム生成部115は、第1実施形態に係る工具情報取得部110、加工可能形状抽出部112、及びプログラム生成部115と同等の機能を有する。
【0119】
使用可能Gコード抽出部114aは、工具情報取得部110により取得された工具情報で紐付け情報記憶部である紐付けテーブル141に問い合せして、取得された工具情報の工具で使用可能なGコードを抽出する。
具体的には、使用可能Gコード抽出部114aは、例えば、工具情報取得部110により取得された工具情報が工具番号「T10」を含む場合、紐付けテーブル141に基づいて、GコードID「Gid」が「1」の使用可能な、ドリルサイクル「G81」、ドリルサイクル「G82」、深穴あけサイクル「G83」、キャンセル「G80」、ドリルサイクル「G1110」、及びドリルサイクル「G1111」と、GコードID「Gid」が「5」の使用可能な、傾斜面割り出し指令「G68.2」、工具軸方向による傾斜面割り出し指令「G68.3」、及び傾斜面割り出し指令(インクリメンタル多重指令)「G68.4」と、のGコードを抽出する。また、使用可能Gコード抽出部114aは、例えば、工具情報取得部110により取得された工具情報が工具番号「T20」を含む場合、紐付けテーブル141に基づいて、GコードID「Gid」が「2」の使用可能な、タッピングリング「G84」、及びタッピングリング「G1112」のGコードを抽出する。また、使用可能Gコード抽出部114aは、例えば、工具情報取得部110により取得された工具情報が工具番号「T30」を含む場合、紐付けテーブル141に基づいて、GコードID「Gid」が「3」の使用可能な、ポケット加工の荒加工「G1040」、ポケット加工の底面仕上げ「G1041」、及びポケット加工の側面仕上げ「G1042」と、GコードID「Gid」が「4」の使用可能な、輪郭加工の外壁荒加工「G1060」、輪郭加工の外壁底面仕上げ「G1061」、及び輪郭加工の外壁側面仕上げ「G1062」と、のGコードを抽出する。
【0120】
そして、使用可能Gコード表示部としての表示部13は、使用可能Gコード抽出部114aにより抽出された使用可能なGコードを表示する。
図21は、使用可能なGコードの表示画面の一例を示す図である。
例えば、工具として工具番号「T30」のエンドミルがユーザにより選択された場合、図21に示すように、使用可能Gコード表示部としての表示部13は、ポケット加工の荒加工「G1040」、ポケット加工の底面仕上げ「G1041」、ポケット加工の側面仕上げ「G1042」、輪郭加工の外壁荒加工「G1060」、輪郭加工の外壁底面仕上げ「G1061」、及び輪郭加工の外壁側面仕上げ「G1062」のGコードを表示する。
【0121】
選択Gコード取得部116は、例えば、使用可能Gコード表示部としての表示部13に表示された図21の表示画面において、Gコード選択受付部としての入力部12を介してユーザによりGコードが選択された場合、選択されたGコードを取得する。選択Gコード取得部116は、取得したGコードを、工具情報取得部110により取得された工具情報とともに後述する形状ID情報抽出部111aに出力する。
【0122】
形状ID情報抽出部111aは、選択Gコード取得部116から受信した工具情報とGコードとで紐付け情報記憶部としての紐付けテーブル141に問い合せして、受信した工具情報の工具で受信したGコードにより加工可能な形状の形状IDをさらに絞る。
具体的には、形状ID情報抽出部111aは、例えば、工具情報取得部110により取得された工具番号「T10」と、Gコード選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択された深穴あけサイクル「G83」のGコードと、を選択Gコード取得部116から受信した場合、紐付けテーブル141に基づいて、形状ID(Sid)「1」を抽出し絞る。また、形状ID情報抽出部111aは、例えば、工具情報取得部110により取得された工具番号「T20」と、Gコード選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択されたタッピングリング「G84」のGコードと、を選択Gコード取得部116から受信した場合、紐付けテーブル141に基づいて、形状ID(Sid)「2」を抽出し絞る。また、形状ID情報抽出部111aは、例えば、工具情報取得部110により取得された工具番号「T30」と、Gコード選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択されたポケット加工の荒加工「G1040」のGコードと、を選択Gコード取得部116から受信した場合、紐付けテーブル141に基づいて、形状ID(Sid)「3」を抽出し絞る。また、形状ID情報抽出部111aは、例えば、工具情報取得部110により取得された工具番号「T30」と、Gコード選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択された輪郭加工の外壁荒加工「G1060」のGコードと、を選択Gコード取得部116から受信した場合、紐付けテーブル141に基づいて、形状ID(Sid)「4」を抽出し絞る。また、形状ID情報抽出部111aは、例えば、工具情報取得部110により取得された工具番号「T10」と、Gコード選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択された傾斜面割り出し指令「G68.2」のGコードと、を選択Gコード取得部116から受信した場合、紐付けテーブル141に基づいて、形状ID(Sid)「5」を抽出し絞る。
【0123】
そして、加工可能形状表示部としての表示部13は、上述の形状ID情報抽出部111aにより絞られた形状IDに基づいて、加工可能形状抽出部112により加工物のCADデータから抽出された加工可能な形状を表示する。
図22は、抽出された加工可能な形状の表示画面の一例を示す図である。
例えば、図21において、ユーザにより輪郭加工の外壁荒加工「G1060」のGコードが選択された場合、形状ID情報抽出部111aは、形状ID「4」を抽出する。そして、加工可能形状抽出部112は、図28A及び図28Bに示すCADデータにおいて、形状ID「4」の輪郭形状のみを抽出する。図22に示すように、加工可能形状表示部としての表示部13は、抽出された輪郭形状を太線で強調して表示するようにしてもよい。
そうすることで、数値制御装置10Aは、Gコードと加工形状との選択を容易に行うことができ、加工プログラムの作成時間を短縮することができる。また、数値制御装置10Aは、使用可能なGコードと加工可能な形状とを提示しユーザに選択させることで、加工プログラムを間違って入力することを防ぐことができる。
なお、加工可能形状表示部としての表示部13は、抽出された加工形状を太線で強調表示したが、太線以外の線で強調表示してもよく、赤色等の色の線で強調表示してもよい。
【0124】
<数値制御装置10Aの加工プログラム生成処理>
次に、図23を参照しながら、数値制御装置10Aの加工プログラム生成処理の流れを説明する。
図23は、数値制御装置10Aの加工プログラム生成処理について説明するフローチャートである。ここで示すフローは、加工プログラムが生成される度に実行される。
【0125】
ステップS´1において、工具情報取得部110は、入力部12を介してユーザの入力操作に基づいて、第1実施形態におけるステップS1と同様の工具情報取得処理を行い、工具情報(例えば、工具番号や工具の種類等)を取得する。
【0126】
ステップS´2において、使用可能Gコード抽出部114aは、ステップS´1で取得された工具情報で紐付け情報記憶部である紐付けテーブル141に問い合せして、取得された工具情報の工具で使用可能なGコードを抽出する。
【0127】
ステップS´3において、使用可能Gコード表示部としての表示部13は、ステップS´2で抽出された使用可能なGコードを表示する(例えば、図21)。
【0128】
ステップS´4において、選択Gコード取得部116は、使用可能Gコード表示部としての表示部13に表示された表示画面(例えば、図21)において、Gコード選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択されたGコードを取得する。
【0129】
ステップS´5において、形状ID情報抽出部111aは、ステップS´1で取得された工具情報と、ステップS´4で選択されたGコードと、で紐付けテーブル141に問い合せして、取得された工具情報の工具で選択されたGコードにより加工可能な形状の形状IDをさらに絞る。
【0130】
ステップS´6において、加工可能形状抽出部112は、ステップS´5で抽出された形状IDに基づいて、第1実施形態のステップS3と同様の加工可能形状抽出処理を行い、対象となる加工物のCADデータから加工可能な形状を抽出する。
【0131】
ステップS´7において、加工可能形状表示部としての表示部13は、ステップS´6で抽出された加工可能な形状を表示する(例えば、図22)。
【0132】
ステップS´8において、プログラム生成部115は、加工可能形状表示部としての表示部13に表示された表示画面において、形状選択受付部としての入力部12を介してユーザにより選択された形状を受け付ける。
【0133】
ステップS´9において、プログラム生成部115は、ステップS´8で受け付けた形状を加工するために、ステップS´4で選択されたGコードの設定画面を表示部13に表示し(例えば、図24)、入力部12を介してユーザにより入力されたパラメータを受け付ける。
図24は、輪郭加工の外壁荒加工「G1060」のGコードの場合の設定画面の一例を示す図である。
【0134】
ステップS´10において、プログラム生成部115は、ステップS´9でユーザにより入力されたパラメータを用いて、選択されたGコードを含むブロックを追加する。
図25は、選択されたGコードのブロックが追加された画面の一例を示す図である。なお、「G1200」は輪郭加工の開始点を設定するGコードであり、「G1201」は輪郭加工の直線を設定するGコードである。
【0135】
ステップS´11において、プログラム生成部115は、第1実施形態のステップS11と同様に、加工プログラムの生成が終了したか否かを判定する。プログラム生成部115は、入力部12を介してユーザにより加工プログラムの「保存」や「終了」等の入力を受け付けた場合、加工プログラムの生成が終了したと判定し、処理は終了する。一方、プログラム生成部115は、入力部12を介してユーザにより加工プログラムの「保存」や「終了」等の入力を受け付けていない場合、加工プログラムの生成は終了していないと判定し、処理はステップS´1に戻る。
【0136】
以上のように、第2実施形態に係る数値制御装置10Aは、ユーザにより選択された工具の工具情報と、紐付けテーブル141と、に基づいて選択された工具で使用可能なGコードを抽出し、抽出された使用可能なGコードを表示する。数値制御装置10は、表示された使用可能なGコードのうちユーザにより選択されたGコードと、選択された工具情報と、紐付けテーブル141と、に基づいて加工可能な形状をさらに絞る。これにより、数値制御装置10Aは、選択した工具によってGコード及び/又は加工形状を絞って表示することができる。そして、数値制御装置10Aは、加工可能な加工形状と使用可能なGコードとの選択を容易に行うことができ、加工プログラムの作成時間を短縮することができる。
また、数値制御装置10Aは、加工可能な加工形状と使用可能なGコードとを提示しユーザに選択させることで、加工プログラムを間違って入力することを防ぐことができる。
以上、第2実施形態について説明した。
【0137】
以上、第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、数値制御装置10、10Aは、上述の実施形態に限定されるものではなく、目的を達成できる範囲での変形、改良等を含む。
【0138】
<変形例>
上述の第1実施形態及び第2実施形態では、数値制御装置10、10Aは、工作機械20と異なる装置としたが、これに限定されない。例えば、数値制御装置10、10Aは、工作機械20に含まれてもよい。
【0139】
数値制御装置10、10Aの全部又は一部をソフトウェアで構成する場合、数値制御装置10、10Aの動作の全部又は一部を記述したプログラムを記憶した、ハードディスク、ROM等の記憶部、演算に必要なデータを記憶するDRAM、CPU、及び各部を接続するバスで構成されたコンピュータにおいて、演算に必要な情報をDRAMに記憶し、CPUで当該プログラムを動作させることで実現することができる。
【0140】
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(Non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(Tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(Transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は、無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
また、これらのプログラムは、ネットワークを介してユーザのコンピュータにダウンロードされることにより配布されてもよい。
【0141】
なお、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0142】
以上を換言すると、本開示の数値制御装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
【0143】
(1)本開示の数値制御装置10は、加工プログラムを自動生成する数値制御装置であって、複数の工具に関する工具情報と、複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状IDと、形状IDが示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付けテーブル141を記憶する記憶部14と、加工に選択された工具に関する工具情報を取得する工具情報取得部110と、取得された工具情報で紐付けテーブル141に問い合せして、取得された工具情報の工具で加工可能な形状を示す形状IDを抽出する形状ID情報抽出部111と、抽出された形状IDに基づいてCADデータから加工可能な形状を抽出する加工可能形状抽出部112と、抽出された加工可能な形状を表示する加工可能形状表示部としての表示部13と、を備える。
この数値制御装置10によれば、選択した工具によってGコード及び/又は加工形状を絞って表示することができる。
【0144】
(2) (1)に記載の数値制御装置10において、抽出された加工可能な形状を選択する形状選択受付部としての入力部12と、選択された加工可能な形状の形状IDを取得する選択形状取得部113と、選択形状取得部113により取得された加工可能な形状の形状IDと、取得された工具情報と、で前記紐付けテーブル141に問い合せして、取得された工具情報の工具で取得された形状IDの形状に加工するのに使用可能なGコードをさらに絞る使用可能Gコード抽出部114と、をさらに備えてもよい。
そうすることで、数値制御装置10は、加工可能な加工形状と使用可能なGコードとの選択を容易に行うことができ、加工プログラムの作成時間を短縮することができる。
【0145】
(3) (2)に記載の数値制御装置10において、使用可能Gコード抽出部114により絞られた使用可能なGコードを表示する使用可能Gコード表示部としての表示部13と、表示された使用可能なGコードからGコードを選択するGコード選択受付部としての入力部12と、をさらに備えてもよい。
そうすることで、数値制御装置10は、加工可能な加工形状と使用可能なGコードとを提示しユーザに選択させることで、加工プログラムを間違って入力することを防ぐことができる。
【0146】
(4)本開示の数値制御装置10Aは、加工プログラムを自動生成する数値制御装置であって、複数の工具に関する工具情報と、複数の工具それぞれが加工可能な形状を示す形状IDと、形状IDが示す形状を加工するのに使用可能な少なくとも1つのGコードと、を予め紐付けた紐付けテーブル141を記憶する記憶部14と、加工に選択された工具に関する工具情報を取得する工具情報取得部110と、取得された工具情報で紐付けテーブル141に問い合せして、取得された工具情報の工具で使用可能なGコードを抽出する使用可能Gコード抽出部114aと、抽出された使用可能なGコードを表示する使用可能Gコード表示部としての表示部13と、を備える。
この数値制御装置10Aによれば、(1)と同等の効果を奏することができる。
【0147】
(5) (4)に記載の数値制御装置10Aにおいて、抽出された使用可能なGコードを選択するGコード選択受付部としての入力部12と、選択された使用可能なGコードを取得する選択Gコード取得部116と、選択Gコード取得部116により取得された使用可能なGコードと、取得された工具情報と、で紐付けテーブル141に問い合せして、取得された工具情報の工具で選択された使用可能なGコードで加工可能な形状を示す形状IDさらに絞る形状ID情報抽出部111aと、をさらに備えてもよい。
そうすることで、数値制御装置10Aは、(2)と同等の効果を奏することができる。
【0148】
(6) (5)に記載の数値制御装置10Aにおいて、形状ID情報抽出部111aにより絞られた形状IDに基づいてCADデータから加工可能な形状を抽出する加工可能形状抽出部112と、抽出された加工可能な形状を表示する加工可能形状表示部としての表示部13と、をさらに備えてもよい。
そうすることで、数値制御装置10Aは、(3)と同等の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0149】
1 制御システム
10、10A 数値制御装置
11、11a 制御部
110 工具情報取得部
111、111a 形状ID情報抽出部
112 加工可能形状抽出部
113 選択形状取得部
114、114a 使用可能Gコード抽出部
115 プログラム生成部
116 選択Gコード取得部
12 入力部
13 表示部
14 記憶部
141 紐付けテーブル
20 工作機械
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図26C
図26D
図27
図28A
図28B
図29A
図29B