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特許7674427霧化アセンブリ、電子霧化装置及び検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-28
(45)【発行日】2025-05-09
(54)【発明の名称】霧化アセンブリ、電子霧化装置及び検出方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20250430BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20250430BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20250430BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20250430BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/40
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023133974
(22)【出願日】2023-08-21
(65)【公開番号】P2024050428
(43)【公開日】2024-04-10
【審査請求日】2023-08-21
(31)【優先権主張番号】202211200837.1
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】謝 崢俊
(72)【発明者】
【氏名】陳 涛
(72)【発明者】
【氏名】鄭 維
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第114568750(CN,A)
【文献】特表2022-520171(JP,A)
【文献】特開2022-090650(JP,A)
【文献】特表2018-532390(JP,A)
【文献】特表2017-510270(JP,A)
【文献】特表2021-534731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予定霧化基質を加熱し霧化してエアロゾルを発生させるように構成される発熱体と、
前記発熱体に電気的に接続され、前記発熱体の静電容量値を取得するように構成される静電容量検出モジュールと、
前記静電容量検出モジュールに電気的に接続され、前記静電容量値と基準静電容量値との差が公称静電容量値区間内にある場合、前記予定霧化基質の加熱および霧化を開始するように制御するように構成される制御モジュールとを含み、
前記基準静電容量値は、前記静電容量検出モジュールが、前記発熱体に前記予定霧化基質が設けられていない場合に取得する前記発熱体の静電容量値であり、
前記制御モジュールは、さらに、前記基準静電容量値に基づいて前記公称静電容量値区間を取得するように構成され
前記発熱体に接続されたピンをさらに含み、
前記ピンと前記静電容量検出モジュールとが単線で電気的に接続されているだけで、前記発熱体の静電容量値が前記静電容量検出モジュールにより取得され、
前記発熱体は、前記ピンを介して、前記発熱体に電力を供給するための電源アセンブリに接続される、ことを特徴とする霧化アセンブリ。
【請求項2】
前記発熱体は、筒状発熱本体と、前記筒状発熱本体に囲まれて形成された加熱キャビティとを含み、前記加熱キャビティは、前記発熱体によって加熱され霧化される前記予定霧化基質を収容するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の霧化アセンブリ。
【請求項3】
前記筒状発熱本体は、筒状基体と、前記筒状基体の内面又は外面に設けられた発熱フィルムとを含み、
前記発熱フィルムは、通電時に前記加熱キャビティ内の前記予定霧化基質を加熱し霧化してエアロゾルを発生させる、ことを特徴とする請求項に記載の霧化アセンブリ。
【請求項4】
前記発熱体は、柱状であり、前記発熱体を取り囲む前記予定霧化基質を加熱し霧化するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の霧化アセンブリ。
【請求項5】
前記発熱体は、基体本体とキャビティとを含む柱状基体と、前記柱状基体のキャビティ内に配置された発熱部材とを含み、
前記発熱部材は、通電時に前記基体本体を加熱して、前記柱状基体を取り囲む前記予定霧化基質を加熱し霧化する、ことを特徴とする請求項に記載の霧化アセンブリ。
【請求項6】
前記発熱体は、柱状基体と、螺旋状発熱線とを含み、
前記螺旋状発熱線は、前記柱状基体に巻き付けられており、前記螺旋状発熱線は、通電時に加熱され、前記螺旋状発熱線を取り囲む前記予定霧化基質を加熱し霧化してエアロゾルを発生させる、ことを特徴とする請求項に記載の霧化アセンブリ。
【請求項7】
アトマイザーベースと、前記電源アセンブリと、アトマイザーハウジングと、請求項1~のいずれか一項に記載の霧化アセンブリと、を含み、前記アトマイザーハウジングは前記アトマイザーベース上に配置され、前記霧化アセンブリは前記アトマイザーハウジング内に配置され、前記電源アセンブリは前記霧化アセンブリに電力を供給するように構成される、ことを特徴とする電子霧化装置。
【請求項8】
請求項に記載の電子霧化装置の検出方法であって、
前記静電容量検出モジュールにより前記発熱体の前記静電容量値をリアルタイムに取得することと、
前記制御モジュールにより前記静電容量値と前記基準静電容量値との差を取得し、前記静電容量値と前記基準静電容量値との差が公称静電容量値区間内にある場合、前記予定霧化基質の加熱および霧化を開始するように制御することと、を含む、ことを特徴とする検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子霧化装置の技術分野に関し、特に、霧化アセンブリ、電子霧化装置及び検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展に伴い、電子霧化技術が出現した。電子霧化技術とは、使用者が霧化されたエアロゾルを使用することを容易にするために、予定霧化基質を電子霧化装置によってエアロゾルに霧化すること、例えば、固体シガレットを電子タバコによって煙に霧化することを意味する。
【0003】
現在、電子タバコには、一般に、シガレットが電子霧化装置内に配置されているか否かを検出するバリスタが設けられている。固体シガレットが発熱体に挿入されると、バリスタを押圧して変形させ、読み取ったバリスタの圧力値により固体シガレットの電子霧化装置への挿入の有無を判断し、霧化装置を起動して予定霧化基質を霧化するか否かを判断する。
【0004】
しかしながら、バリスタの反発寿命は限られており、使用時間の長さは、バリスタによって得られる圧力値の精度に影響を与え、圧力値が不正確であると、固体シガレットが電子霧化装置に挿入されているかどうかを正確に決定することが困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、固体シガレットが電子霧化装置に挿入されているか否かを正確に決定することが困難であるという問題を解決するために、霧化アセンブリ、電子霧化装置、及び検出方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本発明の実施例は、
予定霧化基質を加熱し霧化してエアロゾルを発生させるように構成される発熱体と、
前記発熱体に電気的に接続され、前記発熱体の静電容量値をリアルタイムに取得するように構成される静電容量検出モジュールと、
前記静電容量検出モジュールに電気的に接続され、前記静電容量値と基準静電容量値との差が公称静電容量値区間内にある場合、前記霧化アセンブリを加熱霧化を開始するように制御するように構成される制御モジュールとを含む霧化アセンブリを提供する。
【0007】
一実施例において、前記基準静電容量値は、前記静電容量検出モジュールが、前記発熱体に前記予定霧化基質が設けられていない場合に取得する前記発熱体の静電容量値であり、前記制御モジュールは、さらに、前記基準静電容量値に基づいて前記公称静電容量値区間を取得するように構成される。
【0008】
一実施例において、霧化アセンブリは、前記発熱体に接続されたピンをさらに含み、前記静電容量検出モジュールは、単線で前記ピンに電気的に接続される。
【0009】
一実施例において、前記発熱体は、筒状発熱本体と、前記筒状発熱本体に囲まれて形成された加熱キャビティとを含み、前記加熱キャビティは、前記発熱体によって加熱され霧化される予定霧化基質を収容するように構成される。
【0010】
一実施例において、前記筒状発熱本体は、筒状基体と、前記筒状基体の内面又は外面に設けられた発熱フィルムとを含み、前記発熱フィルムは、通電時に前記加熱キャビティ内の予定霧化基質を加熱し霧化してエアロゾルを発生させる。
【0011】
一実施例において、前記発熱体は、柱状であり、前記発熱体を取り囲む予定霧化基質を加熱し霧化するように構成される。
【0012】
一実施例において、前記発熱体は、基体本体とキャビティとを含む柱状基体と、前記柱状基体のキャビティ内に配置された発熱部材とを含み、前記発熱部材は、通電時に前記基体本体を加熱して、前記柱状基体を取り囲む予定霧化基質を加熱し霧化する。
【0013】
一実施例において、前記発熱体は、柱状基体と、螺旋状発熱線とを含み、前記螺旋状発熱線は、前記柱状基体に巻き付けられており、前記螺旋状発熱線は、通電時に加熱され、前記螺旋状発熱線を取り囲む予定霧化基質を加熱し霧化してエアロゾルを発生させる。
【0014】
第2の態様では、本発明の実施例は、アトマイザーベースと、電源アセンブリと、アトマイザーハウジングと、上記の霧化アセンブリと、を含み、前記アトマイザーハウジングは前記アトマイザーベース上に配置され、前記霧化アセンブリは前記アトマイザーハウジング内に配置され、前記電源アセンブリは前記霧化アセンブリに電力を供給するように構成される電子霧化装置を提供する。
【0015】
第3の態様では、本発明の実施例は、上記の電子霧化装置の検出方法であって、
前記静電容量検出モジュールにより前記発熱体の静電容量値をリアルタイムに取得することと、
前記制御モジュールにより前記静電容量値と基準静電容量値との差を取得し、前記静電容量値と基準静電容量値との差が公称静電容量値区間内にある場合、前記霧化アセンブリを加熱霧化を開始するように制御することと、を含む検出方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例によって提供された霧化アセンブリ、電子霧化装置及び検出方法によれば、霧化アセンブリの制御モジュールによって発熱体の静電容量値と基準静電容量値との静電容量の差をリアルタイムに取得し、且つ該静電容量の差と公称静電容量値区間との関係に基づいて、発熱体に予定霧化基質が設けられているか否かを決定することにより、発熱体が変形しにくいため、リアルタイムに取得された発熱体の静電容量値をより正確にして、それによって静電容量の差と公称静電容量値区間との関係を正確に決定することができ、さらに発熱体に予定霧化基質が設けられているか否かを正確に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、本発明の実施例における技術的解決策をより明確に説明するために、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、これらの図面に基づいて創造的な努力なしに他の図面を得ることができることが明らかであろう。
図1】本発明の一実施例に係る霧化アセンブリの概略図である。
図2】一実施例の霧化アセンブリにおける発熱体の概略図である。
図3】他の実施例の霧化アセンブリにおける発熱体の概略図である。
図4】また他の実施例の霧化アセンブリにおける発熱体の概略図である。
図5】さらに他の実施例の霧化アセンブリにおける発熱体の概略図である。
図6】さらに他の実施例の霧化アセンブリにおける発熱体の概略図である。
図7】さらに他の実施例の霧化アセンブリにおける発熱体の概略図である。
図8】本発明の一実施例に係るアトマイザーの概略図である。
図9】本発明の一実施例に係る電子霧化装置の概略図である。
図10】本発明の一実施例に係る電子霧化装置の検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、本発明を十分に理解するために、多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者であれば、本発明の趣旨から逸脱することなく類似な改善を行うことができる。したがって、本発明は以下に開示される具体的な実施例に限定されるものではない。
【0019】
本発明の説明において、理解すべきものとして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を説明しやすく且つ説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作しなければならないことを意味又は示唆するものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0020】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解すべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、機械的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていてもよい。また、特に明確に限定されない限り、直接的に接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。本発明における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて当業者には理解されるであろう。
【0021】
本発明において、特に明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1及び第2の特徴が直接に接触してもよいし、第1及び第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」、及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも大きいことを示すだけであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0022】
なお、一方の素子が他方の素子に「固定される」、「設けられる」と呼ばれる場合、他方の素子に直接存在してもよいし、又は介在する要素が存在してもよい。一方の素子が他方の素子に「接続される」と考えられる場合、他方の素子に直接接続されてもよいし、又は介在する要素が存在してもよい。本明細書で使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は説明の目的だけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0023】
本発明の実施例に係る霧化アセンブリ及び電子霧化装置は、エアロゾル発生基質を加熱してユーザが使用するエアロゾルを発生させるために用いられる。ここで、加熱手段は、対流、伝導、放射、又はそれらの組合せ(実際に請求する技術案に従って選択)であってもよい。エアロゾル発生基質の形態は、液体、ゲル、ペースト又は固体(実際に請求する技術案に従って選択)などであってもよい。エアロゾル発生基質が固体である場合、エアロゾル発生基質は、粉砕状、顆粒化、粉末状、粒状、ストリップ状又は片状の形態の固体(実際に請求する技術案に従って選択)であってもよい。エアロゾル発生基質は、医療、ヘルスケア、健康、美容目的で使用される材料を含むが、これらに限定されず、例えば、エアロゾル発生基質は、薬液、油(実際に請求する技術案に従って選択)、又はエアロゾル発生基質は、植物の根、茎、葉、花、芽、種子などの植物材料(実際に請求する技術案に従って選択)である。
【0024】
図1は、本発明の一実施例に係る霧化アセンブリの概略図である。図1を参照すると、霧化アセンブリ12は、予定霧化基質を加熱してエアロゾルを発生させるために使用することができる。本発明の実施例では、霧化アセンブリ12は、発熱体121と、静電容量検出モジュール122と、制御モジュール123とを含むことができる。
【0025】
発熱体121は、予定霧化基質を加熱してエアロゾルを発生させるために使用される。発熱体121は、筒状発熱体であってもよいし、柱状発熱体であってもよい。
【0026】
筒状発熱体の内部にはキャビティが形成されており、このキャビティ内に予定霧化基質が配置され、キャビティ内に配置された予定霧化基質が筒状発熱体により加熱され霧化されてエアロゾルを発生する。さらに、上記筒状発熱体は、螺旋状の筒状発熱線又は筒状発熱管を含んでいてもよく、霧化されたエアロゾルは、筒状発熱体の内部の空気流路を通ってアトマイザーベースに向かって流れることができる。柱状発熱体全体は柱状であり、予定霧化基質は柱状発熱体の外部に外嵌され、柱状発熱体によって加熱され霧化されてエアロゾルを発生する。
【0027】
さらに、図2に示すように、本発明の一具体例では、発熱体121は、筒状発熱管であり、発熱体121は、筒状発熱本体1211と、筒状発熱本体1211に囲まれて形成された加熱キャビティ1212とを含み、加熱キャビティ1212は、発熱体121によって加熱され霧化される予定霧化基質を収容するために用いられる。予定霧化基質は加熱キャビティ1212内に配置されることにより、筒状発熱本体1211が加熱されるときに、加熱キャビティ1212内に配置された予定霧化基質を加熱し霧化してエアロゾルを発生させることができる。
【0028】
いくつかの可能な実施形態では、図3及び図4に示すように、さらに、筒状発熱本体1211は、筒状基体1213及び発熱フィルム1214を含むことができる。筒状基体1213は、加熱キャビティ1212を取り囲むように形成している。筒状基体1213の対応する加熱キャビティ1212内に予定霧化基質を配置すると、発熱フィルム1214に通電し、発熱フィルム1214に通電するときに加熱キャビティ1212内の予定霧化基質を加熱し霧化してエアロゾルを発生させる。なお、筒状基体1213は、金属材質からなる金属筒であってもよい。
【0029】
発熱フィルム1214は、電源アセンブリと電気的に接続されている。発熱フィルム1214は、通電されると、加熱キャビティ1212内の予定霧化基質を加熱し霧化してエアロゾルを発生させる。
【0030】
いくつかの実施例では、図3に示すように、発熱フィルム1214は筒状基体1213の内面に設けられており、発熱フィルム1214によって筒状基体1213を加熱することにより、筒状基体1213が加熱された後に、加熱キャビティ1212内に配置された予定霧化基質が加熱され霧化される。
【0031】
別の実施例では、図4に示すように、発熱フィルム1214は筒状基体1213の外面に設けられており、発熱フィルム1214を介して加熱キャビティ1212内に配置された予定霧化基質が直接加熱され霧化される。
【0032】
図5を参照すると、発熱体121は柱状であってもよく、発熱体121を取り囲む予定霧化基質を加熱し霧化するために使用される。予定霧化基質は、発熱体121の外部に外嵌されてもよい。これにより、発熱体121は、発熱体121に外嵌された予定霧化基質の内部から加熱してエアロゾルを発生させる。
【0033】
一実施例として、図6に示すように、発熱体121は、基体本体12151とキャビティ12152とを含む柱状基体1215と、柱状基体1215のキャビティ12152内に配置された発熱部材1216とを含むことができる。発熱部材1216は電池アセンブリに接続されている。発熱部材1216は、金属製の金属板又は金属棒であってもよく、基体本体12151も金属製であってもよい。
【0034】
予定霧化基質は発熱体121の外部に外嵌され、発熱部材1216は通電時に加熱され、柱状基体1215の基体本体12151を加熱し、基体本体12151は加熱された後に基体本体12151の外部に外嵌された予定霧化基質を加熱し霧化する。
【0035】
さらに別の実施形態として、図7に示すように、発熱体121は柱状であり、発熱体121は柱状基体1215及び螺旋状発熱線1217を含む。螺旋状発熱線1217は、電源アセンブリと電気的に接続されている。予定霧化基質は、発熱体121の外側に外嵌される。柱状基体1215及び螺旋状発熱線1217は、金属製であってもよい。
【0036】
螺旋状発熱線1217は、柱状基体1215に巻き付けられ、通電時に加熱され、螺旋状発熱線1217を取り囲む予定霧化基質を加熱し霧化してエアロゾルを発生させる。
【0037】
再び図1を参照すると、本発明の実施例では、静電容量検出モジュール122は、発熱体121の静電容量値をリアルタイムに取得するために発熱体121に電気的に接続されている。発熱体121の具体的な構成が異なると、静電容量検出モジュール122と発熱体121とが電気的に接続される態様も異なることが理解される。
【0038】
例えば、図3又は図4に示す構成において、静電容量検出モジュール122は筒状基体1213に電気的に接続され、図5図7のいずれかに示す構成において、静電容量検出モジュール122は柱状基体1215に電気的に接続されてもよい。静電容量検出モジュール122と発熱体121は単線によって電気的に接続され、それによって霧化アセンブリ12の構造が簡単になり、生産がさらに便利になる。
【0039】
一実施形態として、発熱体121は、発熱体121に電力を供給するためにピン124を介して電源アセンブリに接続されともよい。これにより、このピン124から直接単線を引き出し、この単線を介して発熱体121を静電容量検出モジュール122に電気的に接続することができるので、発熱体121の静電容量値を得るために他の構造部材を追加したり、発熱体121を構造的に改造したりする必要がない。当業者であれば、発熱体121の材料、体積等のパラメータに応じて、静電容量検出モジュール122として適切な静電容量検出回路を選択することができるので、ここでは説明を省略する。
【0040】
制御モジュール123は、マイクロ制御ユニット(Microcontroller Unit、略してMCU)であり、静電容量検出モジュール122と電気的に接続されてもよい。本発明の実施例では、制御モジュール123は、静電容量検出モジュール122によって取得された静電容量値に基づいて、発熱体121には予定霧化基質が設けられているか否か、すなわちタバコが挿入されているか否かを判定するために使用される。
【0041】
本発明の実施例では、基準静電容量値は、前記静電容量検出モジュール122が、前記発熱体121に予定霧化基質が設けられていない場合に取得する発熱体121の静電容量値である。公称静電容量値区間は、要求に基づいて設定されてもよく、制御モジュール123によって基準静電容量値に基づいて得られてもよく、この公称静電容量値区間及び基準静電容量値は、制御モジュール123に記憶される。当該公称静電容量値区間における最小値は、ゼロよりも大きい。
【0042】
静電容量検出モジュール122は発熱体121の静電容量値をリアルタイムに取得し、かつリアルタイムに取得した静電容量値を制御モジュール123に送信し、制御モジュール123はリアルタイムに取得した静電容量値と基準静電容量値とに差をつけ、静電容量の差を取得し、かつ該静電容量の差が公称静電容量値区間にある場合、発熱体121に予定霧化基質が設けられていると決定し、霧化アセンブリ12を加熱霧化を開始するように制御する一方、該静電容量の差が公称静電容量値区間にない場合、発熱体121に予定霧化基質が設けられていないと決定し、霧化アセンブリ12を閉鎖を維持するように制御する。
【0043】
発熱体121に予定霧化基質が設けられている場合と比較して、発熱体121に予定霧化基質が設けられていない場合には、静電容量値が低くなるため、リアルタイムに取得した静電容量値と基準静電容量との静電容量の差に基づいて、発熱体121に予定霧化基質が設けられているか否かを決定することができる。
【0044】
制御モジュール123は、基準静電容量値及び発熱体121の具体的な構成に基づいて公称静電容量値区間を決定することができ、基準静電容量値は同じであるが構成が異なる発熱体については、対応する公称静電容量値区間が異なり、例えば、柱状発熱体と筒状発熱体の基準静電容量値が同じである場合には、それらの公称静電容量値区間が異なっていてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、発熱体121に予定霧化基質が設けられていると決定される場合には、ユーザがプロンプト情報に基づいて電子霧化装置の加熱スイッチを操作することを容易にするために、プロンプト情報を出力し、電子霧化装置は、この操作に基づいて、霧化アセンブリ12を起動するように制御して、発熱体121を介して予定霧化基質を加熱し霧化する。
【0046】
別の実施形態において、発熱体121に予定霧化基質が設けられていると決定される場合には、電子霧化装置は、霧化アセンブリ12を作動するように直接制御し、発熱体121を介して予定霧化基質を加熱し霧化してもよいし、発熱体121に予定霧化基質が設けられていると決定されてから所定時間が経過した場合には、電子霧化装置は、霧化アセンブリ12を作動するように直接制御し、発熱体121を介して予定霧化基質を加熱し霧化してもよい。所定時間は、10秒又は15秒等であってもよい。
【0047】
以上より、霧化アセンブリ12の制御モジュール123により、リアルタイムに取得された発熱体121の静電容量値と基準静電容量値との静電容量の差を取得し、この静電容量の差と公称静電容量値区間との関係に基づいて、発熱体121に予定霧化基質が設けられているか否かを決定する。発熱体121は変形しにくいため、リアルタイムに取得された発熱体121の静電容量値はより正確であり、静電容量の差と公称静電容量値区間との関係を正確に決定することができ、発熱体121に予定霧化基質が設けられているか否かを正確に決定することができる。
【0048】
それと同時に、静電容量検出モジュール122と発熱体121は単線によって電気的に接続されるため、霧化アセンブリの構造が簡単で、設計及び生産に便利で、霧化アセンブリのコストを大幅に低減する。
【0049】
図8は、本発明の一実施例に係るアトマイザーの概略図である。図8を参照すると、アトマイザー10は、アトマイザーハウジング11と、前述した実施形態に記載の霧化アセンブリ12とを含んでもよい。霧化アセンブリ12は、発熱体121、静電容量検出モジュール122、制御モジュール123、及びピン124を含んでもよい。
【0050】
アトマイザーハウジング11は、筒状構造であり、その内部が霧化アセンブリ12を配置するために使用されてもよい。アトマイザーハウジング11は、霧化アセンブリ12を保護するために使用され、その本体の材料は、金属又は合成材料から作製され、その外側層は、限定されることなく、外観の要求に応じて美化されてもよく、例えば、他の材料の装飾層を追加してもよい。
【0051】
図9は、本発明の一実施例に係る電子霧化装置の概略図である。当該電子霧化装置1は、予定霧化基質を加熱してエアロゾルを発生させるために用いられてもよい。当該電子霧化装置1は、前述した実施形態のアトマイザー10と、アトマイザー10に合わせる電源アセンブリ20と、アトマイザー10に合わせるアトマイザーベース30とを含んでもよい。
【0052】
電源アセンブリ20は、アトマイザー10に電力を供給するために使用することができる。電源アセンブリ20は、リチウム電池及び電力供給回路を含むことができる。電源アセンブリ20は、アトマイザー10内に配置されてもよいし、アトマイザーベース30内に配置されてもよく、配置位置が限定されなく、製品の全体的な構造に適合すればよいことが理解される。
【0053】
いくつかの実施形態では、アトマイザー10とアトマイザーベース30とはねじ接続によって互いに取り外し可能に接続されており、電源アセンブリ20はアトマイザーベース30内に配置されている。
【0054】
アトマイザー10とアトマイザーベース30とは、ネジによって接続されることに限定されず、磁気吸引に取り外し可能に接続されてもよいことが理解される。さらに、アトマイザー10、電源アセンブリ20、及びアトマイザーベース30は、円柱状に限定されるものではなく、楕円形、滑走路形状、又は不規則形状の断面を有する柱状であってもよい。
【0055】
アトマイザー10は、使用者が予定霧化基質をアトマイザーに挿入するのを容易にするために挿入口13をさらに有してもよい。
【0056】
アトマイザーベース30は、筒状であり、一端がアトマイザー10に接続され、他端が排気口31を有してもよい。排気口31は、アトマイザーベース30のアトマイザー10から離れた端部に設けられ、アトマイザー10と連通する。排気口31は、ユーザが煙を吸うためのマウスピースを形成する。排気口31には、アトマイザー10を使用しないときに排気口31を塞ぎ、アトマイザー10の霧ダクトに異物が入らないようにするための閉塞部材が設けられてもよい。
【0057】
アトマイザー10は、例えば固体薬剤などの予定霧化基質を配置かつ加熱し霧化してエアロゾルを発生させて放出するために使用することができる。
【0058】
図10は、本発明の一実施例に係る電子霧化装置の検出方法のフローチャートである。当該方法は、上記の電子霧化装置に適用可能であり、静電容量検出モジュールにより発熱体の静電容量値をリアルタイムに取得するステップS10と、制御モジュールにより静電容量値と基準静電容量値との差を取得し、静電容量値と基準静電容量値との差が公称静電容量値区間内にある場合、霧化アセンブリを加熱霧化を開始するように制御するステップS20とを含む。
【0059】
ステップS10を実行する前に、電子霧化装置に電源が投入され、発熱体121に予定霧化基質が設けられていない場合、すなわち、アトマイザーハウジング内にタバコが挿入されていない場合、静電容量検出モジュール122により基準静電容量値を取得し、静電容量検出モジュール122は容量値C1を読み取り、この時のC1をタバコが挿入されていない状態の値である基準静電容量値とする。そして、制御モジュール123により基準静電容量値に基づいて公称静電容量値区間を決定し、この公称静電容量値区間に基づいて発熱体121に予定霧化基質が設けられているか否かを決定する。
【0060】
そして、静電容量検出モジュール122により発熱体の静電容量値をリアルタイムに取得するステップS10を実行する。タバコが発熱体121に挿入される場合、静電容量検出モジュール122は静電容量値C2を読み取り、タバコが挿入されていない場合の公称静電容量値C1とC2を比較し、制御モジュール123により静電容量値C2と基準静電容量値C1との差を取得し、静電容量値C2と基準静電容量値C1との差が公称静電容量値区間内にある場合、アトマイザーハウジング内に予定霧化基質、すなわちタバコが挿入されていると決定し、霧化アセンブリ12を加熱霧化を開始するように制御する。タバコが挿入されていない場合、静電容量検出モジュール122が読み取った静電容量値は基準静電容量値C1との差が0であるC1であるので、公称静電容量値区間における最小値がゼロよりも大きいため、すなわち静電容量検出モジュール122が読み取った静電容量値は公称静電容量値区間内にないため、アトマイザーハウジング内に予定霧化基質、すなわちタバコが挿入されていないと決定することができ、霧化アセンブリ12を閉鎖を維持するように制御する。
【0061】
要約すると、本発明に係る霧化アセンブリ、電子霧化装置及び検出方法によれば、霧化アセンブリの制御モジュールによって発熱体の静電容量値と基準静電容量値との静電容量の差をリアルタイムに取得し、且つ該静電容量の差と公称静電容量値区間との関係に基づいて、発熱体に予定霧化基質が設けられているか否かを決定することにより、発熱体が変形しにくいため、リアルタイムに取得された発熱体の静電容量値をより正確にして、それによって静電容量の差と公称静電容量値区間との関係を正確に決定することができ、さらに発熱体に予定霧化基質が設けられているか否かを正確に決定することができる。
【0062】
本明細書を考慮し、本明細書に開示された実施形態を実施することにより、当業者は、本発明の他の実施例を容易に想起し得るであろう。本発明は、本発明の一般的原理に従い、本発明によって開示されていない当技術分野における一般的な知識又は慣用の技術的手段を含む本発明の任意の変形、使用又は適応的な変更を包含することを意図している。なお、本発明は、上記に説明され図面に示された具体的な構成に限定されるものではなく、その範囲から逸脱することなく種々の変形や変更が可能である。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0063】
最後に、上記の実施形態は、本発明の技術的解決策を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。上記の実施形態を参照して本発明を詳細に説明したが、上記の実施形態に記載された技術的解決策を変更するか、又はそれらの一部の技術的特徴を同等に置き換えることができ、これらの変更または置き換えは、対応する技術的解決策の本質を、本願の様々な実施形態の技術的解決策の精神および範囲から逸脱させるものではないことは当業者にとって理解され得る。
【符号の説明】
【0064】
1 電子霧化装置
10 アトマイザー
11 アトマイザーハウジング
12 霧化アセンブリ
121 発熱体
122 静電容量検出モジュール
123 制御モジュール
1211 発熱本体
1212 加熱キャビティ
1213 筒状基体
1214 発熱フィルム
1215 柱状基体
1216 発熱部材
12151 基体本体
12152 キャビティ
1217 螺旋状発熱線
124 ピン
13 挿入口
20 電源アセンブリ
30 アトマイザーベース
31 排気口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10