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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-28
(45)【発行日】2025-05-09
(54)【発明の名称】光線治療器
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20250430BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024186871
(22)【出願日】2024-10-23
【審査請求日】2024-10-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591125393
【氏名又は名称】東京医研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥 啓之
(72)【発明者】
【氏名】松井 大
(72)【発明者】
【氏名】小山 智士
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-092859(JP,A)
【文献】特表2016-533224(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第117257443(CN,A)
【文献】特開2024-063771(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0272675(US,A1)
【文献】国際公開第2024/101365(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療光を出力する光源と、
前記治療光を透過して被照射部に照射する照射面と、
前記照射面を包囲する先端部を有し、前記光源を収容する筐体と、
前記先端部に着脱可能に構成され、開口部と前記開口部の周囲に配置される遮光部とを有し、前記先端部に装着された状態で前記遮光部が前記先端部から前記開口部に向けて先細り形状とされたアタッチメントと、
前記先端部に、前記アタッチメントが装着されたか否かを認識可能に構成された認識部と、
前記認識部による認識結果に応じて前記光源を制御する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記認識結果に応じて、前記治療光の照射時間及び前記治療光の出力強度の少なくともいずれか一方を調整するよう、前記光源を制御し、
前記制御部は、
設定照射量に応じて前記光源から出力される前記治療光の照射量を算出し、
アタッチメントタイプに応じた、前記光源から出力される前記治療光の減衰率を予め記憶し、
前記認識部が前記アタッチメントの装着を認識した場合、当該アタッチメントの前記アタッチメントタイプに応じた前記減衰率に応じて、前記治療光の照射時間及び前記治療光の出力強度の少なくともいずれか一方を調整することで、前記開口部を介して前記被照射部に照射される前記治療光の照射量が、算出された前記照射量となるように、前記光源を制御する、
光線治療器。
【請求項2】
治療光を出力する光源と、
前記治療光を透過して被照射部に照射する照射面と、
前記照射面を包囲する先端部を有し、前記光源を収容する筐体と、
前記先端部に着脱可能に構成され、開口部と前記開口部の周囲に配置される遮光部とを有し、前記先端部に装着された状態で前記遮光部が前記先端部から前記開口部に向けて先細り形状とされたアタッチメントと、
前記先端部に、前記アタッチメントが装着されたか否かを認識可能に構成された認識部と、
前記認識部による認識結果に応じて前記光源を制御する制御部と、
を備え、
前記光源は、前記照射面に対向して配置された複数のLED素子を含み、
前記認識部によって、前記アタッチメントが装着されたと認識された場合に、前記複数のLED素子のうち、当該アタッチメントの前記遮光部に対応するLED素子を消灯する、
光線治療器。
【請求項3】
前記認識部は、装着された前記アタッチメントの種別を認識可能に構成された、
請求項1又は2に記載の光線治療器。
【請求項4】
前記認識部は、前記先端部に対して前記アタッチメントが近接したことを検知することにより、当該アタッチメントが装着されたことを認識可能に構成された、
請求項1又は2に記載の光線治療器。
【請求項5】
前記認識部は、前記先端部に設けられた磁気センサであり、前記アタッチメントに設けられたマグネットが近接したことを検知することにより、当該アタッチメントが装着されたことを認識可能に構成された、
請求項4に記載の光線治療器。
【請求項6】
前記先端部は、複数の前記アタッチメントのいずれか一つが選択的に装着可能となるように構成され、
前記認識部は、前記先端部の一箇所又は異なる複数箇所に設けられた一又は複数の前記磁気センサを含み、前記複数のアタッチメントに設けられた前記マグネットの種類及び取付位置の少なくともいずれか一方に応じて、前記複数のアタッチメントのいずれが装着されたかを認識可能に構成された、
請求項5に記載の光線治療器。
【請求項7】
前記光源は、前記照射面に対向して配置された複数のLED素子を含み、
前記認識部によって、前記アタッチメントが装着されたと認識された場合に、前記複数のLED素子のうち、当該アタッチメントの前記遮光部に対応するLED素子を消灯する、
請求項に記載の光線治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光線治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
近赤外線等の光線を照射することにより、疼痛の緩和等の治療を行う光線治療器が知られている。従来の光線治療器には、光線の照射前や途中において光量を繰り返し変化させて目に対する安全性を向上させたり、複数の光源から複数の異なる波長を有する光を照射して治療効果を高めようとするもの等、種々のものが知られている。
【0003】
患部の様な被照射部に想定した量の光を照射することは、効果的な治療を実現するために重要な事項である。特許文献1は、照射領域を狭小な範囲にした場合でも、対象領域に対する紫外線の照度の変化が抑制される紫外線治療器を開示している。この紫外線治療器は、光源を収容し、紫外線を取り出す光出射窓を含む筐体と、筐体に対して着脱自在に取り付けられた筒状のアタッチメントとを備え、アタッチメントが、紫外線が進行する進行空間を取り囲むように内側空間内に配置された反射部材を有する。反射部材は、紫外線を進行空間内に導入する光導入口と、信仰空間内を信仰してきた紫外線を筐体の外側に向けて出射する光出射口と、を有し、光導入口が光出射窓の内側に位置する。これにより、アタッチメントの内側空間内に導入されない紫外線が低減するため、アタッチメントを装着して照射領域を狭小な範囲にした場合でも、紫外線の照度の変化が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2024-118824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で開示されているようなアタッチメントは、光線治療器の本体から出射した光を、想定した被照射部に向けて照射するために重要な部材である。しかしながら、アタッチメントを装着した場合、アタッチメントなしの場合と比べて、光源と被照射部との距離が離れることから、光線出力が減衰し、実際に被照射部に照射される治療光の照射量が、アタッチメントなしで設定した照射量と異なってしまうおそれがある。
【0006】
特許文献1は、上述の通り、アタッチメントを備えた紫外線治療器において、アタッチメント内部に反射部材を設けることにより、アタッチメントを装着して照射領域を狭小な範囲にした場合に、対象領域に対する紫外線の照度の変化を抑制することを開示する。すなわち、特許文献1には、アタッチメントの装着有無に応じて照射面積が異なることへの解決手段が示されていると言える。しかし、特許文献1においては、アタッチメントの装着有無に応じて、光源と被照射部との距離が異なることについては言及されておらず、その解決手段も開示がない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、アタッチメントの有無にかかわらず、設定照射量を精密に照射できる光線治療器を提供する。
【0008】
本発明は、
治療光を出力する光源と、
前記治療光を透過して被照射部に照射する照射面と、
前記照射面を包囲する先端部を有し、前記光源を収容する筐体と、
前記先端部に着脱可能に構成され、開口部と前記開口部の周囲に配置される遮光部とを有し、前記先端部に装着された状態で前記遮光部が前記先端部から前記開口部に向けて先細り形状とされたアタッチメントと、
前記先端部に、前記アタッチメントが装着されたか否かを認識可能に構成された認識部と、
前記認識部による認識結果に応じて前記光源を制御する制御部と、
を備えた光線治療器を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、認識部によるアタッチメントが装着されたか否かの認識結果に応じて、制御部が光源を制御することにより、認識結果に応じた照射量の調整が可能となるので、アタッチメントの有無によって光源と被照射部との距離が異なる場合であっても、設定照射量の治療光を照射可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る光線治療器の分解斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る光線治療器の正面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る光線治療器の照射面の拡大正面図である。
図4図4は、光線治療器の機能ブロック図を示す。
図5図5は、第1実施形態に係る光線治療器のアタッチメントを示す図であり、(a)はアタッチメントの正面図、(b)はアタッチメントの後方斜視図を示す。
図6図6は、第2実施形態に係る光線治療器のアタッチメントを示す図であり、(a)はアタッチメントの正面図、(b)はアタッチメントの後方斜視図を示す。
図7図7は、第3実施形態に係る光線治療器の照射面の拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明に係る光線治療器の具体的な実施の形態について詳述する。
【0012】
図1は、本発明の第1実施形態に係る光線治療器1の分解斜視図である。光線治療器1は、本体部10と、本体部10に対し着脱可能なアタッチメント20と、を含む。図2は、第1実施形態に係る光線治療器1の正面図であり、アタッチメント20を本体部10に取り付けた状態の正面図である。本実施形態に係る光線治療器1は、操作者(ユーザ)が、本体部10を手で把持し、人体の所定の領域(被照射部)に治療光を照射し、治療を行う、いわゆる光線治療を行う装置である。治療光は、治療に用いられる光であり、紫外線及び赤外線を含む。なお、ユーザの例としては、医師、看護師等の専門家が想定される。
【0013】
本体部10は、樹脂等で構成された筐体11を備えている。筐体11は人が手で把持可能な形態を有する。筐体11は、治療光を透過して被照射部に照射する照射面12を有しており、筐体11の先端部13が、照射面12を包囲している。図3は、第1実施形態に係る光線治療器1の照射面12の拡大正面図である。
【0014】
筐体11は、治療光を出力する光源14を収容する。光源14が出力する治療光は、例えば紫外線であるが、治療光の種類は特に限定されない。本実施形態では、光源14は、照射面12に対向して配置された複数のLED素子を含むが、光源14の種類も特に限定されない。
【0015】
樹脂等で構成されたアタッチメント20は、筐体11の先端部13に着脱可能に構成されている。アタッチメント20は、開口部21と開口部21の周囲に配置される遮光部22を有する。アタッチメント20は、先端部13に装着された状態で、遮光部22が先端部13から開口部21に向けて次第に細くなる先細り形状を有する。本体部10は単独でも、治療光を照射可能であるが、先細り形状を有するアタッチメント20を装着することにより、治療光を限定した被照射部に照射することが可能となる。
【0016】
本体部10は、更に、先端部13において、アタッチメント20が装着されたか否かを認識可能に構成された認識部17を備えている。本実施形態において、認識部17は、図1図3に示す様に、照射面12上であって、アタッチメント20に対向する位置に設けられている。認識部17は、例えば磁気を検知可能な磁気センサにより構成されている。
【0017】
図4は、光線治療器1の機能ブロック図を示す。光線治療器1は、制御部30を備えている。制御部30は、光線治療器1の動作全体を制御するコンピュータ、プロセッサ(演算装置)であり、記憶装置から種々のプログラム、アプリケーション、データ等を読み込むことにより、光線治療器1に所定の処理を実行させる。特に本実施形態において、制御部30は、認識部17による認識結果に応じて光源14を制御する役割を果たす。
【0018】
制御部30は、算出部31、記憶部32を備えている。算出部31、記憶部32の詳細は後述する。光線治療器1は、更にボタン、つまみ、タッチパネル等より構成された照射量設定部33を更に備える。ユーザは、照射量設定部33を操作することにより、被照射部に照射する治療光の照射量を設定することができる。制御部30及び照射量設定部33は、光源14及び認識部17と電気的に接続されればよく、筐体11とは別体の装置に設けられてもよいし、筐体11内に設けられてもよい。
【0019】
図5は、第1実施形態に係る光線治療器1のアタッチメント20を示す図であり、(a)はアタッチメント20の正面図、(b)はアタッチメント20の後方斜視図を示す。図5(b)は、図5(a)のアタッチメント20を裏側から見た図である。アタッチメント20は、遮光部22において、開口部21の反対側に位置する端部24を有する。ユーザは、図1の状態において、アタッチメント20の端部24を、本体部10の筐体11の凹部18に挿入することにより、アタッチメント20を本体部10に取り付けることができる。
【0020】
アタッチメント20の端部24は、アタッチメント20を本体部10に取りつけた際に、凹部18の底に位置する照射面12に対向する取付面25を有する。取付面25には、認識部17によって認識可能な被認識体を構成するマグネット26が設けられている。認識部17は磁気を検知可能な磁気センサにより構成されているため、アタッチメント20に設けられたマグネット26が近接したことを検知することにより、アタッチメント20が装着されたことを認識することができる。
【0021】
アタッチメント20の有無により、光源14と被照射部との距離は異なることとなる。このため、ユーザが、予め照射量設定部33を操作して照射量を設定しても、アタッチメント20の有無により、希望した設定照射量の治療光が被照射部に照射されないおそれがある。ユーザが、例えば、アタッチメント20がない状態で、予め照射量設定部33を操作して照射量を設定しても、アタッチメント20を装着することにより、光源14と被照射部との距離が長くなり、必要な照射量が被照射部に届かなくなるおそれがある。
【0022】
本実施形態によれば、認識部17によるアタッチメント20が装着されたか否かの認識結果に応じて、制御部30が光源14を制御することができる。これにより、認識結果に応じた照射光の照射量の調整が可能となるので、アタッチメント20の有無によって光源14と被照射部との距離が異なる場合であっても、設定照射量の治療光を照射可能となり、効果的な治療を施すことができる。
【0023】
具体的に、制御部30は、認識部17による認識結果に応じて、治療光の照射時間及び治療光の出力強度の少なくともいずれか一方を調整するよう、光源14を制御することができる。これにより、認識部17によるアタッチメント20が装着されたか否かの認識結果に応じて、制御部30が治療光の照射時間又は出力強度を調整できるため、適切な治療光の照射が可能となる。
【0024】
また、認識部17は、装着されたアタッチメント20の種別を認識可能に構成されてもよい。認識部17が装着されたアタッチメント20の種別を認識可能であると、アタッチメント20の種類に応じて、設定照射量の治療光を照射可能となる。
【0025】
認識部17は、先端部13に対してアタッチメント20が近接したことを検知することにより、アタッチメント20が装着されたことを認識可能に構成されてもよい。先端部13へのアタッチメント20の近接を検知することにより、アタッチメント20の装着を速やかに認識することができる。
【0026】
具体的に、認識部17は、実施形態の様に、先端部13に設けられた磁気センサにより構成し、アタッチメント20に設けられたマグネット26が近接したことを検知することにより、アタッチメント20が装着されたことを認識可能に構成されてよい。この場合、簡易な構成により、アタッチメント20が装着されたか否かを認識することができる。
【0027】
図6は、第2実施形態に係る光線治療器1のアタッチメント20を示す図であり、(a)はアタッチメント20の正面図、(b)はアタッチメント20の後方斜視図を示す。本実施形態のアタッチメント20は、図5のアタッチメント20に比べて開口部21の面積が大きく、図5のアタッチメント20よりも広い範囲に治療光を照射することができる。
【0028】
先端部13は、図5及び図6の様な、複数のアタッチメント20のいずれか一つが選択的に装着可能となるように構成してもよい。例えば、認識部17は、先端部13の一箇所又は異なる複数箇所に設けられた一又は複数の磁気センサを含んでもよい。この場合、認識部17は、複数のアタッチメント20に設けられたマグネット26の種類及び取付位置の少なくともいずれか一方に応じて、複数のアタッチメント20のいずれが装着されたかを認識可能に構成してもよい。
【0029】
これにより、簡易な構成により、複数のアタッチメント20のいずれが装着されたか否かを認識することができる。
【0030】
図7は、第3実施形態に係る光線治療器1の照射面12の拡大正面図である。本実施形態においては、第1実施形態と異なり、認識部17である磁気センサが、先端部13(照射面12)の上下に配置されており、認識部17は、第1実施形態、第2実施形態のアタッチメント20とは異なる種類のアタッチメントを認識することができる。
【0031】
マグネット26と認識部17すなわち磁気センサの組み合わせ(N極及びS極の組み合わせ)を増やすことにより、例えば次の様に、開口部21の面積が異なる4種類のアタッチメント20の装着が認識可能となる。
1)アタッチメント タイプ1:磁石N極(上) 磁石N極(下)
2)アタッチメント タイプ2:磁石N極(上) 磁石S極(下)
3)アタッチメント タイプ3:磁石S極(上) 磁石N極(下)
4)アタッチメント タイプ4:磁石S極(上) 磁石S極(下)
【0032】
また、制御部30の算出部31が、照射量設定部33による設定照射量に応じて、光源14から出力される治療光の照射量を算出してもよい。この場合、記憶部32は、アタッチメントタイプに応じた、光源14から出力される治療光の減衰率を予め記憶することができる。そして、認識部17がアタッチメント20の装着を認識した場合、当該アタッチメント20のアタッチメントタイプに応じた減衰率に応じて、制御部30は、治療光の照射時間及び治療光の出力強度の少なくともいずれか一方を調整することができる。これにより、開口部21を介して被照射部に照射される治療光の照射量が、算出された照射量となるように、光源14を制御することができる。
【0033】
これにより、アタッチメントタイプに応じた減衰率に応じて、治療光の照射時間又は出力強度を調整し、被照射部に照射される治療光の照射量が適切な値になる様に、光源14を制御することができる。
【0034】
実施形態では、光源14は、照射面12に対向して配置された複数のLED素子を含んでいる。制御部30は、認識部17によって、アタッチメント20が装着されたと認識された場合に、複数のLED素子のうち、当該アタッチメント20の遮光部22に対応するLED素子を消灯するようにしてもよい。光源14が複数のLED素子を含む場合、アタッチメント20の装着時に遮光部22に対応するLED素子を消灯することができる。「当該アタッチメントの遮光部22に対応するLED素子」は、図2で示した様な正面視において、遮光部22によって覆われ、視認できないLED素子を意味し、開口部21を通して視認可能なLED素子以外のLED素子を意味する。
【0035】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0036】
以上により、本開示には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素などを示しているが、これに限定されるものではない。
【0037】
(1) 治療光を出力する光源(14)と、
前記治療光を透過して被照射部に照射する照射面(12)と、
前記照射面を包囲する先端部(13)を有し、前記光源を収容する筐体(11)と、
前記先端部に着脱可能に構成され、開口部(21)と前記開口部の周囲に配置される遮光部(22)とを有し、前記先端部に装着された状態で前記遮光部が前記先端部から前記開口部に向けて先細り形状とされたアタッチメント(20)と、
前記先端部に、前記アタッチメントが装着されたか否かを認識可能に構成された認識部(17)と、
前記認識部による認識結果に応じて前記光源を制御する制御部(30)と、
を備えた光線治療器(1)。
【0038】
上記構成によれば、認識部によるアタッチメントが装着されたか否かの認識結果に応じて、制御部が光源を制御することにより、認識結果に応じた照射量の調整が可能となるので、アタッチメントの有無によって光源と被照射部との距離が異なる場合であっても、設定照射量の治療光を照射可能となる。
【0039】
(2) 前記制御部は、前記認識結果に応じて、前記治療光の照射時間及び前記治療光の出力強度の少なくともいずれか一方を調整するよう、前記光源を制御する、
(1)に記載の光線治療器。
【0040】
上記構成によれば、認識部によるアタッチメントが装着されたか否かの認識結果に応じて、制御部が治療光の照射時間又は出力強度を調整できるため、適切な治療光の照射が可能となる。
【0041】
(3) 前記認識部は、装着された前記アタッチメントの種別を認識可能に構成された、
(1)に記載の光線治療器。
【0042】
上記構成によれば、認識部が装着されたアタッチメントの種別を認識可能であるため、アタッチメントの種類に応じて、設定照射量の治療光を照射可能となる。
【0043】
(4) 前記認識部は、前記先端部に対して前記アタッチメントが近接したことを検知することにより、当該アタッチメントが装着されたことを認識可能に構成された、
(1)に記載の光線治療器。
【0044】
上記構成によれば、先端部へのアタッチメントの近接を検知するため、アタッチメントの装着を速やかに認識することができる。
【0045】
(5) 前記認識部は、前記先端部に設けられた磁気センサであり、前記アタッチメントに設けられたマグネットが近接したことを検知することにより、当該アタッチメントが装着されたことを認識可能に構成された、
(4)に記載の光線治療器。
【0046】
上記構成によれば、簡易な構成により、アタッチメントが装着されたか否かを認識することができる。
【0047】
(6) 前記先端部は、複数の前記アタッチメントのいずれか一つが選択的に装着可能となるように構成され、
前記認識部は、前記先端部の一箇所又は異なる複数箇所に設けられた一又は複数の前記磁気センサを含み、前記複数のアタッチメントに設けられた前記マグネットの種類及び取付位置の少なくともいずれか一方に応じて、前記複数のアタッチメントのいずれが装着されたかを認識可能に構成された、
(5)に記載の光線治療器。
【0048】
上記構成によれば、簡易な構成により、複数のアタッチメントのいずれが装着されたか否かを認識することができる。
【0049】
(7) 前記制御部は、
設定照射量に応じて前記光源から出力される前記治療光の照射量を算出し、
アタッチメントタイプに応じた、前記光源から出力される前記治療光の減衰率を予め記憶し、
前記認識部が前記アタッチメントの装着を認識した場合、当該アタッチメントの前記アタッチメントタイプに応じた前記減衰率に応じて、前記治療光の照射時間及び前記治療光の出力強度の少なくともいずれか一方を調整することで、前記開口部を介して前記被照射部に照射される前記治療光の照射量が、算出された前記照射量となるように、前記光源を制御する、
(2)に記載の光線治療器。
【0050】
上記構成によれば、アタッチメントタイプに応じた減衰率に応じて、治療光の照射時間又は出力強度を調整し、被照射部に照射される治療光の照射量が適切な値になる様に、光源を制御することができる。
【0051】
(8) 前記光源は、前記照射面に対向して配置された複数のLED素子を含み、
前記認識部によって、前記アタッチメントが装着されたと認識された場合に、前記複数のLED素子のうち、当該アタッチメントの前記遮光部に対応するLED素子を消灯する、
(1)に記載の光線治療器。
【0052】
上記構成によれば、光源が複数のLED素子を含むため、タッチメントの装着時に遮光部に対応するLED素子を消灯することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 光線治療器
10 本体部
11 筐体
12 照射面
13 先端部
14 光源
17 認識部
18 凹部
20 アタッチメント
21 開口部
22 遮光部
24 端部
25 取付面
26 マグネット
30 制御部
31 算出部
32 記憶部
33 照射量設定部
【要約】
【課題】アタッチメントの有無にかかわらず、設定照射量の治療光を照射可能とする。
【解決手段】光線治療器1は、治療光を出力する光源14と、治療光を透過して被照射部に照射する照射面12と、照射面12を包囲する先端部13を有し、光源14を収容する筐体11と、先端部13に着脱可能に構成され、開口部21と開口部21の周囲に配置される遮光部22とを有し、先端部13に装着された状態で遮光部22が先端部13から開口部21に向けて先細り形状とされたアタッチメント20と、先端部13に、アタッチメント20が装着されたか否かを認識可能に構成された認識部17と、認識部17による認識結果に応じて光源14を制御する制御部30と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7