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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-30
(45)【発行日】2025-05-12
(54)【発明の名称】除湿機
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20250501BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20250501BHJP
【FI】
B01D53/26 220
B01D53/26 100
F24F3/14
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020201036
(22)【出願日】2020-12-03
(65)【公開番号】P2022088903
(43)【公開日】2022-06-15
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】山下 光義
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-118759(JP,A)
【文献】特開2007-029833(JP,A)
【文献】特開2002-186824(JP,A)
【文献】特開2004-028481(JP,A)
【文献】特開2010-089045(JP,A)
【文献】特開2005-095807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D53/26 -53/28
F24F 3/00 - 3/167
F24F 1/0035- 1/0057
F24F 1/0007
F24F11/00 -11/89
F24F 6/00 - 6/18
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を除湿する除湿部を備え、
前記除湿部は、熱の交換を行う第1熱交換部を含み、
前記第1熱交換部は、
前記空気が流通する第1流通路と、
冷媒が流通する第2流通路
を有し、
前記第1流通路は、前記第2流通路と交差し、
前記第2流通路は、前記第1流通路を貫通し、
前記第2流通路の一部のみが前記第1流通路の内部に位置する、除湿機。
【請求項2】
前記第1熱交換部は、熱を伝える伝熱板をさらに含み、
前記伝熱板は、前記第1流通路が延びる方向に沿って配置され、
前記第2流通路は、前記伝熱板を貫通する、請求項1に記載の除湿機。
【請求項3】
前記第1流通路は、
熱を伝える第1伝熱板と、
前記第1伝熱板と対向する第2伝熱板と、
前記第1伝熱板と、前記第2伝熱板との間に配置される一対の第3伝熱板と
を有し、
前記第2流通路は、前記第1伝熱板と前記第2伝熱板とを貫通する、請求項1に記載の除湿機。
【請求項4】
前記第1流通路は、内壁に付着する水滴を案内する案内部を有する、請求項2または請求項3に記載の除湿機。
【請求項5】
前記除湿部は、
前記空気を加熱する加熱部と、
前記加熱部に前記空気を送風する送風部と、
水分を放出する放湿部と、
前記空気が移動する流通経路と
を備え、
前記流通経路は、前記第1熱交換部と、前記加熱部と、前記送風部と、前記放湿部とが、前記送風部、前記加熱部、前記放湿部、及び前記第1熱交換部の順番に配置され、
前記第1流通路は、前記流通経路の一部を構成する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の除湿機。
【請求項6】
前記除湿部は、熱の交換を行う第2熱交換部をさらに備え、
前記第1熱交換部は、前記放湿部が前記水分を放出した後の前記空気と前記第1熱交換部の周りの空気を冷却し、
前記第2熱交換部は、前記冷媒の熱を放出させ、放出した熱で前記第1流通路を流通する前記空気を加熱し、
前記流通経路は、前記第1熱交換部と、前記加熱部と、前記送風部と、前記放湿部と、前記第2熱交換部とが、前記送風部、前記加熱部、前記放湿部、前記第1熱交換部、及び、前記第2熱交換部の順番に配置される、請求項5に記載の除湿機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除湿機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の除湿機は、第1送風機と、圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器と、第2送風機と、ヒータと、吸湿ロータと、顕熱交換機とを備える。第1送風機は、空気を送出する。圧縮機と凝縮器と減圧装置と蒸発器とは、冷凍サイクルを形成する。第2送風機は、吸湿ロータに空気を送出する。ヒータは、空気を加熱する。吸湿ロータは、湿気を吸収する。顕熱交換機は、空気を冷却し、結露を発生させる。特許文献1に記載の除湿機によれば、吸湿ロータ式の除湿機と冷凍サイクル式の除湿機とを組み合わせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-28481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の除湿機では、ロータ式(デシカント式)の除湿機と冷凍サイクル式(コンプレッサ式)の除湿機とをそのまま組み合わせるため、除湿機のサイズが大型化していた。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、デシカント式の除湿機能とコンプレッサ式の除湿機能とを組み合わせつつ、サイズが大きくなることを抑制できる除湿機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、除湿機は除湿部を備える。前記除湿部は、空気を除湿する。前記除湿部は、第1熱交換部を含む。前記第1熱交換部は、熱の交換を行う。前記第1熱交換部は、第1流通部と、第2流通部とを有する。前記第1流通部は、前記空気が流通する。前記第2流通部は、冷媒が流通する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の除湿機によれば、デシカント式の除湿機能とコンプレッサ式の除湿機能とを組み合わせつつ、除湿機のサイズが大きくなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係る除湿機の斜視図である。
図2】本実施形態1に係る除湿機の内部を示す模式図である。
図3】本実施形態1に係る除湿機の冷却部を拡大して示す図である。
図4図3に示すIV-IV断面を示す図である。
図5】実施形態3の冷却部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
[実施形態1]
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態1に係る除湿機100について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る除湿機100の斜視図である。図2は、除湿機100の内部を示す模式図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、除湿機100は、ケーシング1と、カバー部材2aと、排水タンク4と、操作部Cとを備える。
【0012】
ケーシング1は、中空の部材である。図2に示すように、ケーシング1には、吹出口2と、第1吸込口3aとが形成される。
【0013】
吹出口2は、ケーシング1の第1方向D1の側に配置される。第1方向D1は、排水タンク4から操作部Cに向かう方向を示す。また、第1方向D1の反対方向は第2方向D2である。吹出口2は、例えば、ケーシング1の前面に形成される。ケーシング1の前面は、第3方向D3に向かって配置される面である。第3方向D3は、第1吸込口3aから吹出口2に向かう方向を示す。また、吹出口2から第1吸込口3aに向かう方向は、第4方向D4である。
【0014】
吹出口2は、ケーシング1の内部と外部とを連通する。吹出口2は、ケーシング1の内部の空気をケーシング1の外部に放出する。吹出口2は、ケーシング1に形成されていればよく、ケーシング1の前面以外の場所に位置していてもよい。
【0015】
カバー部材2aは、略板状の部材である。図1において、カバー部材2aは、吹出口2を覆っている。カバー部材2aは、ケーシング1に回転可能に取り付けられる。カバー部材2aは、回転角度を変更することで、吹出口2から放出される空気の流れる方向を、カバー部材2aの回転角度に応じた方向に規定する風向板として機能する。
【0016】
第1吸込口3aは、ケーシング1の背面に形成される。第1吸込口3aは、ケーシング1の内部と外部とを連通する。第1吸込口3aは、ケーシング1の外部の空気をケーシング1の内部に流入させる。第1吸込口3aは、ケーシング1に形成されていればよく、ケーシング1の背面以外の場所に位置していてもよい。
【0017】
排水タンク4は、ケーシング1の第2方向D2の側に配置される。排水タンク4は、ケーシング1に着脱自在に格納される。具体的には、排水タンク4を第5方向D5へ移動させることで、排水タンク4をケーシング1から引き出すことができる。第5方向D5は、排水タンク4がケーシング1から引き出される方向を示す。また、排水タンク4を第6方向D6へ移動させることで、排水タンク4をケーシング1に押し込むことができる。第6方向D6は、排水タンク4がケーシング1に押し込まれる方向を示す。排水タンク4は、除湿機100によって生成された水を貯留する。
【0018】
操作部Cは、ケーシング1の第1方向D1の側に配置される。つまり、操作部Cは、ケーシング1の上部に設けられる。操作部Cは、外部からの指示を受け付ける。
【0019】
図2に示すように、除湿機100は、除湿部110と、第1送風部17とをさらに備える。除湿部110は、空気を除湿する。第1送風部17は、空気を送風する。第1送風部17は、ファンを含む。
【0020】
除湿部110は、第2送風部5と、ヒータ6と、除湿ロータ7と、冷却部8と、放熱部9と、集水部10と、膨張部11と、圧縮部12とを含む。第2送風部5は、「送風部」の一例に相当する。ヒータ6は、「加熱部」の一例に相当する。
【0021】
第1送風部17、ヒータ6、除湿ロータ7、冷却部8、放熱部9、第2送風部5、及び圧縮部12は、ケーシング1の内部に配置される。
【0022】
第2送風部5は、空気を送風する。第2送風部5は、ファンを含む。第2送風部5は、ヒータ6の第3方向D3側に配置される。つまり、第2送風部5は、ヒータ6の上流に配置される。第2送風部5は、ヒータ6に空気を送風する。
【0023】
ヒータ6は、発熱することで空気を加熱する。
【0024】
除湿ロータ7は、ゼオライト71と、ロータ72と、回転軸73とを含む。ロータ72は、略円盤状の部材である。ロータ72には、ロータ72の周方向に沿って複数のゼオライト71が設けられる。ロータ72は、回転軸73を中心に回転する。
【0025】
除湿ロータ7は、放湿部7aと、吸湿部7bとをさらに含む。
【0026】
放湿部7aは、水分を放出する。放湿部7aは、水分を放出することで、空気を加湿する。放湿部7aは、ロータ72のうちの第1方向D1側の部分である。放湿部7aは、吸湿部7bの第1方向D1側に位置する。放湿部7aは、ヒータ6と対向する。放湿部7aは、ヒータ6の第4方向D4側に配置される。放湿部7aには、ヒータ6から熱が供給される。
【0027】
放湿部7aは、ヒータ6により加熱された空気を供給されることで、吸湿部7bで除湿された水分を含む空気(高湿度の空気)を放出する。具体的には、放湿部7aに位置するゼオライト71に対してヒータ6により加熱された空気が供給されることで、ゼオライト71が吸湿部7bに位置する際に除湿した水分が放湿部7aで気化される。その結果、放湿部7aから高湿度の空気が放出される。
【0028】
吸湿部7bは、水分を吸収する。吸湿部7bは、水分を吸収することで、空気を除湿する。吸湿部7bは、ロータ72のうちの第2方向D2側の部分である。吸湿部7bは、ヒータ6と対向しない。吸湿部7bは、冷却部8と放熱部9との間に配置される。
【0029】
吸湿部7bは、空気を除湿する。具体的には、吸湿部7bに位置するゼオライト71が空気を除湿する。その結果、吸湿部7bからは、除湿された空気(乾燥空気)が放出される。
【0030】
ゼオライト71は、ロータ72と共に回転することで、放湿部7aに位置する状態と、吸湿部7bに位置する状態とを交互に繰り返す。
【0031】
圧縮部12は、冷媒を圧送する。圧縮部12は、コンプレッサを含む。
【0032】
膨張部11は、冷媒を減圧する。膨張部11は、例えば、キャピラリーチューブを含む。
【0033】
ケーシング1の内部には、冷凍サイクルF2が形成される。冷凍サイクルF2は、圧縮部12と、放熱部9と、膨張部11と、冷却部8とを環状に連結した循環路を形成し、圧縮部12により循環路を通じて冷媒を循環させるサイクルである。
【0034】
冷凍サイクルF2において、圧縮部12が動作することにより冷媒が高温高圧化される。高温高圧化された冷媒は、放熱部9へ送られる。放熱部9は、放熱部9を通過する空気中に冷媒の熱を放熱することで、冷媒を冷やす。放熱部9を通過した冷媒は、膨張部11へ送られる。膨張部11は、放熱部9により冷やされた冷媒を減圧することで、低温低圧化された冷媒を生成する。膨張部11を通過した冷媒は、冷却部8へ送られる。冷却部8は、膨張部11から低温低圧化された冷媒を供給されることで冷却される。冷却部8を通過した冷媒は、圧縮部12へ送られる。冷凍サイクルF2において、冷媒が、圧縮部12、放熱部9、膨張部11、及び冷却部8の順番に循環することで、冷却部8の温度上昇が抑制される。なお、冷凍サイクルF2において、放熱部9には、圧縮部12により高温高圧化された冷媒が送られるので、放熱部9の温度が上昇する。
【0035】
冷却部8は、熱の交換を行って空気を冷やす。冷却部8は、エバポレータを含む。冷却部8は、上下方向に沿って延びる形状を有する。冷却部8は、吸湿部7bに対向する。冷却部8は、吸湿部7bの第4方向D4側に配置される。実施形態1の冷却部8は、「第1熱交換部」の一例に相当する。
【0036】
冷却部8は、空気を冷やすことで、空気中の水蒸気を結露させる。その結果、空気が除湿されると共に、水が生成される。
【0037】
実施形態1では、放湿部7aから高湿度の空気が放出される。放湿部7aから放出された空気は、冷却部8に供給される。そして、冷却部8は、放湿部7aから放出された空気から結露を生成して除湿を行う。
【0038】
放熱部9は、冷凍サイクルF2において、冷媒を冷やすことによって、冷却部8を冷やす。すなわち、放熱部9は、冷媒(例えば、フロンガス)を介して冷却部8を冷やす。放熱部9は、コンデンサを含む。放熱部9は、吸湿部7bの第3方向D3側に配置される。放熱部9は、ヒータ6の第2方向D2側に配置される。放熱部9は、第1送風部17の第4方向D4側に配置される。放熱部9は、「第2熱交換部」の一例に相当する。
【0039】
集水部10は、冷却部8で生成された水を回収する。集水部10は、冷却部8の下方に配置される。集水部10には冷却部8で生成された水が滴下する。
【0040】
集水部10は、例えば、漏斗状に形成され、供給された水を排水タンク4へ案内する。その結果、排水タンク4に水が貯留される。
【0041】
除湿機100は、記憶部13と、制御部14とをさらに備える。
【0042】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)のような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。主記憶装置及び/または補助記憶装置は、制御部14によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0043】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)及びMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部14は、除湿機100の各要素を制御する。
【0044】
次に図2図4を参照して、冷却部8と放熱部9とを詳しく説明する。熱交換を行う冷却部8と熱交換を行う放熱部9とは、形状が同じであってもよい。本実施形態では、冷却部8を例に「熱交換部」を説明する。図3は、冷却部8を拡大して示す図である。図4は、図3に示すIV-IV断面を示す図である。
【0045】
図3に示すように、冷却部8は、第1支持部81と、第2支持部82と、複数の伝熱板83と、第1流通部84と、第2流通部85とを有する。
【0046】
第1支持部81は、複数の第1流通部84を支持する。具体的には、第1支持部81は、複数の第1流通部84の第1方向D1の側の端部を支持する。具体的には、第1支持部81は、複数の第1開口81aを有している。複数の第1開口81aのそれぞれには、第1流通部84の第1方向D1の端部が挿通される。
【0047】
第1支持部81は、U字形状を有する。第1支持部81は、熱伝導性を有する。第1支持部81は、例えば、金属により形成される。第1支持部81は、第2支持部82と離隔して配置される。第1支持部81は、第2支持部82と離隔した状態で、第2支持部82と対向する。
【0048】
第2支持部82は、複数の第1流通部84を支持する。具体的には、第1支持部81は、複数の第1流通部84の第2方向D2の側の端部を支持する。具体的には、第2支持部82は、複数の第2開口82aを有している。複数の第2開口82aのそれぞれには、第1流通部84の第1方向D1の端部が挿通される。
【0049】
第2支持部82は、U字形状を有する。第2支持部82は、熱伝導性を有する。第2支持部82は、例えば、金属により形成される。第2支持部82は、第1支持部81と離隔して配置される。第2支持部82は、第1支持部81と離隔した状態で、第1支持部81と対向する。第2流通部85は、圧縮部12と放熱部9とを繋ぐ経路に対応する。また、第2流通部85は、膨張部11と冷却部8とを繋ぐ経路に対応する。
【0050】
第1流通部84は、空気が流通する。第1流通部84は、筒形状を有する。具体的には、第1流通部84は、角形状の筒である。第1流通部84は、第1方向D1の第1端部842と、第2方向D2の第2端部843とを有する。第1端部842には、開口が形成される。第2端部843には、開口が形成される。図2図3とに示すように、放湿部7aから放出された高湿度の空気は、第1端部842から第1流通部84の内部に流入する。次に、高湿度の空気は第1流通部84の内部を第2方向D2の方向へ移動する。次に、高湿度の空気は第2端部843から流出する。つまり、冷却部8は、第1流通部84の内部を流通する高湿度の空気を冷却する。
【0051】
また、第1流通部84は、熱伝導性を有する。第1流通部84は、例えば、金属により形成される。本実施形態において複数の第1流通部84は、等間隔に配置される。本実施形態では、3つの第1流通部84が第1支持部81と第2支持部82とに支持される。また、第1流通部84は、第2流通部85と交差する。
【0052】
第2流通部85は、冷媒が流通する。具体的には、第2流通部85は、冷却された冷媒が流通する。したがって、冷却部8は、第1流通部84の内部を流通する高湿度の空気を冷却しつつ、第2流通部85の周りの空気を冷却できる。つまり、デシカント式の除湿機で使用される冷却部、及び、コンプレッサ式の除湿機で使用される冷却部を、1つの冷却部8が兼ねることができる。この結果、デシカント式の除湿機能とコンプレッサ式の除湿機能とを組み合わせつつ、除湿機100のケーシング1のサイズが大きくなることを抑制できる。換言すると、除湿機100を小型化できる。
【0053】
図4に示すように、第2流通部85は、第1流通部84を貫通する。したがって、第2流通部85の一部が、第1流通部84の内部に位置する。つまり、第1流通部84の内部を移動する空気は第2流通部85の周りを通る。そして、第2流通部85の内部を移動する冷媒は、第2流通部85の周りの空気を冷却する。この結果、第1流通部84の内部を移動する空気をより効率的に冷却できる。
【0054】
複数の伝熱板83は、熱を伝える。複数の伝熱板83は、熱伝導性を有する。複数の伝熱板83は、例えば、金属により形成される。本実施形態において複数の伝熱板83は、等間隔に配置される。本実施形態では、10枚の伝熱板83が第1支持部81と第2支持部82との間に配置される。伝熱板83は、第1流通部84が延びる方向に沿って配置される。つまり、伝熱板83は、第1方向D1または第2方向D2に沿って配置される。
【0055】
また、第2流通部85は、伝熱板83を貫通する。したがって、複数の伝熱板83は第2流通部85に支持される。第2流通部85に支持された複数の伝熱板83は、第2流通部85の内部を移動する冷媒の熱を空気に伝える。つまり、伝熱板83によって、冷却部8の周りの空気がより冷却される。この結果、効率良く冷却部8の周りの空気を冷却できる。
【0056】
また、図4に示すように、第1流通部84は、本体部841を有する。本体部841は、複数の貫通孔845と、案内部846とを有する。
【0057】
本体部841は、筒体である。本体部841の内壁847には、案内部846が配置される。
【0058】
複数の貫通孔845は、本体部841の内部と外部とを連通する。複数の貫通孔845のそれぞれには、第2流通部85が挿通される。本実施形態では、12個の貫通孔845が本体部841に配置される。
【0059】
案内部846は、内壁847に付着する水滴を案内する。つまり、案内部846は、内壁847に付着した水滴を第1端部842から第2端部843に案内できる。具体的には、案内部846は、内壁847に付着する水滴を集水部10(図2参照)に案内する。したがって、集水部10に水滴が案内され、排水タンク4に水が排出される。この結果、除湿機100の除湿能力が低下することを抑制できる。
【0060】
案内部846は、内壁847から突出する。したがって、本体部841の内壁847側の表面積が大きくなる。この結果、内壁847に結露を多く付着させることができる。
【0061】
続いて、図2図4を参照して、ケーシング1の内部に形成される流通経路F1について説明する。
【0062】
図2図4に示すように、第2送風部5は、空気を送風することで、流通経路F1を生成する。流通経路F1は、空気が移動する流路である。
【0063】
図2に示すように、流通経路F1は、第1経路F11と、第2経路F12と、第3経路F13と、第4経路F14と、第5経路F15と、第6経路F16とを含む。
【0064】
第1経路F11は、空気が流通する流路である。第1経路F11は、冷却部8及び放熱部9の各々の第1方向D1の側、かつ、ヒータ6及び放湿部7aの各々の第3方向D3の側に位置する。第1経路F11は、第1吸込口3aに連通し、第1吸込口3aから第3方向D3に延びる。第1経路F11の接続領域F1aは、ヒータ6よりも第3方向D3の側に位置する。
【0065】
第2経路F12は、空気が流通する流路である。第2経路F12は、第1経路F11の接続領域F1aに連なり、接続領域F1aから放熱部9側に延びる。第2経路F12のうち放熱部9側の接続領域F2aは、ヒータ6の第3方向D3に位置する。なお、第1経路F11と第2経路F12とは省略してもよい。
【0066】
第3経路F13は、空気が流通する流路である。第3経路F13は、第2経路F12の接続領域F2aに連なり、接続領域F2aから第4方向D4に延びる。第3経路F13は、ヒータ6と放湿部7aとの第1方向D1の側を通る。第3経路F13の接続領域F3aは、冷却部8の第1方向D1の側に位置する。
【0067】
第4経路F14は、空気が流通する流路である。第4経路F14は、第3経路F13の接続領域F3aに連なり、接続領域F3aから第2方向D2に向かってに延びる。第4経路F14は、冷却部8に形成される。第4経路F14は、第1流通部84に対応する。
【0068】
第5経路F15は、空気が流通する流路である。第5経路F15は、第4経路F14の接続領域F4aに連なり、接続領域F4aから第3方向D3に延びる。第5経路F15は、放熱部9を通る。
【0069】
第6経路F16は、空気が流通する流路である。第6経路F16は、第5経路F15の中途領域F5aに連なり、中途領域F5aから第1方向D1に延びる。第6経路F16は、放熱部9に形成される。第6経路F16は、第2送風部5に通じる。第6経路F16は、第1流通部84に対応する。
【0070】
ケーシング1の内部には、排出経路FZがさらに形成される。排出経路FZは、第1送風部17から吹出口2に亘って形成される。
【0071】
第1吸込口3aを介してケーシング1の内部に流入した空気は、流通経路F1を循環する。
【0072】
流通経路F1では、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、冷却部8、及び放熱部9の順番に空気が流れる。
【0073】
なお、図4に示すように、第1送風部17が送風することで、第4方向D4から第3方向D3に向かって空気が冷却部8を通過する。冷却部8を通過した空気は冷却される。そして、排出経路FZを流れた後、吹出口2からケーシング1の外部に排出される。
【0074】
除湿機100は、複数の壁部15をさらに備える。複数の壁部15の各々は、ケーシング1の内部を仕切ることで、流通経路F1を形成する。
【0075】
複数の壁部15は、第1壁部15a~第6壁部15fを含む。複数の壁部15は、板状の部材である。
【0076】
第1壁部15aは、第1経路F11と、第3経路F13との間に配置される。第1壁部15aは、ケーシング1の内部のうち放湿部7aの第4方向D4側に位置する空間を左右に仕切ることで、第1経路F11と第3経路F13とを互いに区分する。第1壁部15aは、冷却部8の第1方向D1の側に配置される。実施形態1では、一対の第1壁部15aが設けられる。一対の第1壁部15aの間には、第3経路F13が存在する。
【0077】
第2壁部15bは、第1経路F11と、第3経路F13との間に配置される。第2壁部15bは、ケーシング1の内部のうち放湿部7aの第3方向D3の側に位置する空間を左右に仕切ることで、第1経路F11と第3経路F13とを互いに区分する。第2壁部15bは、放熱部9の第1方向D1の側に配置される。実施形態1では、一対の第2壁部15bが設けられる。一対の第2壁部15bの間には、第3経路F13が存在する。また、一対の第2壁部15bの間には、ヒータ6が存在する。
【0078】
第3壁部15cは、第2壁部15bの第3方向D3の側に配置される。第3壁部15cと第2壁部15bとの間には、第2経路F12が存在する。第3壁部15cは、ヒータ6の第3方向D3の側に配置される。第3壁部15cは、ケーシング1の内部のうちヒータ6の第3方向D3の側に位置する空間を前後に仕切ることで、第2経路F12を形成する。第3壁部15cの第4方向D4の側には、第2経路F12が存在する。
【0079】
第4壁部15dは、ヒータ6と放熱部9との間に配置される。また、第4壁部15dは、放湿部7aと吸湿部7bとの間に配置される。第4壁部15dは、第3壁部15cの下部に連なる。第4壁部15dは、ケーシング1の内部の空間のうちヒータ6の下方に位置する空間を上下に仕切る。第4壁部15dの上側には、第1経路F11と、第2経路F12と、第3経路F13とが存在する。第4壁部15dの下側には、第5経路F15が存在する。
【0080】
第5壁部15eは、冷却部8の第4方向D4側に配置される。第5壁部15eは、冷却部8を背方から覆うように形成される。第5壁部15eは、ケーシング1の一部であってもよい。また、第5壁部15eは、ケーシング1とは別部材であってもよい。第5壁部15eと第4壁部15dとの間には、隙間Sが形成される。隙間Sには、第4経路F14が存在する。
【0081】
第6壁部15fは、冷却部8の第3方向D3側に配置される。第6壁部15fは、冷却部8を介して第5壁部15eと対向する。第6壁部15fと第5壁部15eとの間には、第4経路F14が存在する。第6壁部15fの下端faは、冷却部8の下端よりも第1方向D1側に位置する。第4経路F14は、第6壁部15fよりも第2方向D2側で第5経路F15に連なる。
【0082】
以上、図2図4を参照して説明したように、流通経路F1は、第2送風部5と、ヒータ6と、放湿部7aと、冷却部8とが、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、及び冷却部8の順番に配置される。したがって、ケーシング1の外部から流通経路F1に供給された空気は、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、及び、冷却部8の順番に流れる。流通経路F1を流れる空気は、冷却部8により空気中の水分を結露されることによって除湿される。その結果、空気の除湿量を向上させることができるので、空気を効果的に乾燥させることができる。
【0083】
さらに、図2に示すように、流通経路F1は、第2送風部5と、ヒータ6と、放湿部7aと、冷却部8と、放熱部9とが、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、冷却部8、及び、放熱部9の順番に配置される。冷却部8は、放湿部7aが水分を放出した後の空気と冷却部8の周りの空気を冷却する。放熱部9は、冷媒の熱を放出させ、放出した熱で第6経路F16を流通する空気を加熱する。つまり、ケーシング1の外部から流通経路F1に供給された空気は、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、冷却部8、及び放熱部9の順番に流れた後、第2送風部5に戻る。したがって、放熱部9で発生した熱により加熱された空気をヒータ6がさらに加熱する。この結果、空気を効果的に加熱することができる。
【0084】
例えば、図2図4に示すように、ケーシング1の外部の空気は、第1吸込口3aを介してケーシング1の内部に流入した後、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、冷却部8、及び放熱部9の順番に流れて、吹出口2からケーシング1の外部に排出される。また、ケーシング1の外部の空気は、第1吸込口3aを介してケーシング1の内部に流入した後、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、冷却部8、及び放熱部9の順番に流れて、第2送風部5に戻る。
【0085】
具体的には、第2送風部5によって、第1吸込口3aを介してケーシング1の内部に流入した空気は、ヒータ6により加熱される。ヒータ6により加熱された空気は、放湿部7aに供給される。そして、ヒータ6により加熱された空気は、放湿部7aに位置するゼオライト71に含まれる水分を気化する。その結果、高湿度の空気が生成される。高湿度の空気は、放湿部7aから放出される。
【0086】
放湿部7aから放出された高湿度の空気は、冷却部8により冷やされる。その結果、結露が生成される。結露により生成された水は、集水部10を介して排水タンク4に排出される。
【0087】
冷却部8から放出された空気は、放熱部9に供給される。放熱部9に供給された後、第2送風部5に放出される。第2送風部5に放出された空気は、再びヒータ6に送出される。
【0088】
以上、図2を参照して説明したように、冷却部8により冷却された空気が放熱部9に供給される。したがって、冷却部8によって冷却された空気により放熱部9を冷却することができるので、放熱部9の温度上昇を抑制できる。その結果、冷凍サイクルF2において、放熱部9により冷媒を効果的に冷やすことができるので、冷凍サイクルF2による冷却部8の冷却効率を向上させることができる。
【0089】
また、冷凍サイクルF2による冷却部8の冷却効率が向上することで、冷却部8の冷えた状態を効果的に確保できる。冷却部8の冷えた状態が確保されると、冷却部8による空気の冷却能力を向上させることができる。したがって、冷却部8は、空気中の水蒸気を効果的に結露させてより多くの水を生成することができる。その結果、除湿機100の除湿能力が低下することを抑制できる。
【0090】
また、除湿機100の周りの温度が十分に高い場合は、ヒータ6がOFFの状態でも、冷却部8により結露が生じる程度に空気を冷却できる。つまり、季節が夏の場合、ヒータ6をOFFの状態にして除湿を行ってもよい。この場合、省電力化の観点から、ヒータ6がOFFの状態で除湿機100が稼働されてもよい。また、季節が冬の場合、除湿機100の周りの温度が十分に低いため、圧縮部12をOFFの状態にして除湿してもよい。また、衣類を乾燥する時は、ヒータ6と圧縮部12とをON状態にして除湿してもよい。
【0091】
[実施形態2]
次に図1図4を参照して、本発明の実施形態2に係る除湿機100について説明する。実施形態2に係る除湿機100では、放熱部9が「第1熱交換部」である点で実施形態1に係る除湿機100と異なる。以下、実施形態2では、主に実施形態1と異なる点を説明する。
【0092】
実施形態2の除湿機100は、ケーシング1と、カバー部材2aと、排水タンク4と、操作部Cと、除湿部110と、第1送風部17とを備える。
【0093】
ケーシング1には、吹出口2と、一対の第1吸込口3aとが形成される。吹出口2は、ケーシング1の前面に形成され、ケーシング1の内部の空気をケーシング1の外部に放出する。カバー部材2aは、カバー部材2aの回転角度に応じた方向に吹出口2から放出される空気の流れる方向を規定する。第1吸込口3aは、ケーシング1の背面に形成され、ケーシング1の外部の空気をケーシング1の内部に流入させる。排水タンク4は、除湿機100によって生成された水を貯留する。操作部Cは、外部からの指示を受け付ける。除湿部110は、空気を除湿する。第1送風部17は、空気を送風する。
【0094】
除湿部110は、第2送風部5と、ヒータ6と、除湿ロータ7と、冷却部8と、放熱部9と、集水部10と、膨張部11と、圧縮部12と、記憶部13と、制御部14とを含む。実施形態2の放熱部9は、「第1熱交換部」の一例に相当する。
【0095】
第2送風部5は、ヒータ6に空気を送風する。ヒータ6は、発熱することで空気を加熱する。除湿ロータ7は、ゼオライト71と、ロータ72と、回転軸73と、放湿部7aと、吸湿部7bとを含む。放湿部7aは、水分を放出することで、空気を加湿する。吸湿部7bは、水分を吸収することで、空気を除湿する。ゼオライト71は、ロータ72と共に回転することで、放湿部7aに位置する状態と、吸湿部7bに位置する状態とを交互に繰り返す。圧縮部12は、冷媒を圧送する。膨張部11は、冷媒を減圧する。冷却部8は、熱の交換を行って空気を冷やす。放熱部9は、冷媒を冷やすことによって、冷却部8を冷やす。集水部10は、冷却部8で生成された水を回収する。
【0096】
ケーシング1の内部には、冷凍サイクルF2が形成される。冷凍サイクルF2は、圧縮部12と、放熱部9と、膨張部11と、冷却部8とを環状に連結した循環路を形成し、圧縮部12により循環路を通じて冷媒を循環させるサイクルである。
【0097】
記憶部13は、ROM、及びRAMのような主記憶装置(例えば、半導体メモリー)を含み、補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)をさらに含んでもよい。主記憶装置及び/または補助記憶装置は、制御部14によって実行される種々のコンピュータープログラムを記憶する。
【0098】
制御部14は、CPU及びMPUのようなプロセッサーを含む。制御部14は、除湿機100の各要素を制御する。
【0099】
図2図4に示すように、除湿機100は、複数の壁部15をさらに備える。複数の壁部15の各々は、ケーシング1の内部を仕切ることで、流通経路F1を形成する。第1送風部17と第2送風部5とは、空気を送風することで、空気が流通経路F1を移動する。
【0100】
図2に示すように、流通経路F1は、第1経路F11と、第2経路F12と、第3経路F13と、第4経路F14と、第5経路F15と、第6経路F16とを含む。
【0101】
第1経路F11は、冷却部8及び放熱部9の各々の上方、かつ、ヒータ6及び放湿部7aの各々の側方に位置する。第2経路F12は、第1経路F11に連なり、ヒータ6側に延びる。第3経路F13は、第2経路F12に連なり、ヒータ6と放湿部7aとを通る。第4経路F14は、第3経路F13に連なり、冷却部8に形成される。第5経路F15は、第4経路F14に連なり、吸湿部7bと、放熱部9とを通る。第6経路F16は、第5経路F15に連なり、放熱部9に形成される。
【0102】
実施形態2の流通経路F1では、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、冷却部8、及び放熱部9の順番に空気が流れる。
【0103】
以上、図2図4を参照して説明したように、流通経路F1は、第2送風部5と、ヒータ6と、放湿部7aと、冷却部8と、放熱部9とが、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、冷却部8、及び、放熱部9の順番に配置される。実施形態2の放熱部9は、「第1熱交換部」の一例に相当する。つまり、ケーシング1の外部から流通経路F1に供給された空気は、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、及び放熱部9の順番に流れた後、第2送風部5に戻る。したがって、放熱部9で発生した熱により加熱された空気をヒータ6がさらに加熱する。この結果、空気を効果的に加熱することができる。
【0104】
[実施形態3]
次に図1図2、及び図5を参照して、本発明の実施形態3に係る除湿機100について説明する。実施形態3に係る除湿機100では、「熱交換器」の形状が実施形態1及び実施形態2の「熱交換器」と異なる。以下では、主に実施形態1及び実施形態2と異なる点を説明する。
【0105】
図5は、実施形態3の冷却部8を示す図である。本実施形態では、冷却部8を例に「熱交換部」を説明する。熱交換を行う冷却部8と熱交換を行う放熱部9とは、形状が同じであってもよい。
【0106】
図5に示すように、冷却部8は、複数の第1流通部84と、複数の第2流通部85とを有する。
【0107】
第1流通部84は、空気が流通する。第1流通部84は、筒形状を有する。具体的には、第1流通部84は、角形状の筒である。第1流通部84は、第1方向D1の第1端部842と、第2方向D2の第2端部843とを有する。第1端部842には、開口が形成される。第2端部843には、開口が形成される。
【0108】
第1流通部84は、第1伝熱板83aと、第2伝熱板84aと、一対の第3伝熱板84bと、一対の第4伝熱板83bとを含む。
【0109】
第1伝熱板83aは、熱を伝える。第1伝熱板83aは、熱伝導性を有する。第1伝熱板83aは、例えば、金属により形成される。第1伝熱板83aは、平板形状を有する。
【0110】
第1伝熱板83aは、第2伝熱板84aと対向する。第1伝熱板83aは、第2伝熱板84aが配置される位置よりも第5方向D5の側に配置される。第1伝熱板83aは、第1方向D1または第2方向D2に沿って延びる。
【0111】
第1伝熱板83aは、複数の貫通孔835を有する。複数の貫通孔835のそれぞれには、第2流通部85が挿通される。本実施形態では、12個の貫通孔835が第1伝熱板83aに配置される。
【0112】
一対の第4伝熱板83bは、隣り合う第1流通部84の第2伝熱板84aに接触し、熱を伝える。一対の第4伝熱板83bは、熱伝導性を有する。一対の第4伝熱板83bは、例えば、金属により形成される。一対の第4伝熱板83bは、平板形状を有する。
【0113】
一対の第4伝熱板83bは、第1伝熱板83aから延設される。具体的には、一対の第4伝熱板83bのうちの一方は、第1伝熱板83aの第1方向D1の端部から第6方向D6に沿って延びる。一対の第4伝熱板83bのうちの他方は、第1伝熱板83aの第2方向D2の端部から第6方向D6に沿って延びる。一対の第4伝熱板83bは、隣り合う第1流通部84の第2伝熱板84aと第1伝熱板83aとの間に配置される。一対の第4伝熱板83bは、第3方向D3または第4方向D4に沿って延びる。
【0114】
第2伝熱板84aは、熱を伝える。第2伝熱板84aは、熱伝導性を有する。第2伝熱板84aは、例えば、金属により形成される。第2伝熱板84aは、平板形状を有する。
【0115】
第2伝熱板84aは、第1伝熱板83aと対向する。第2伝熱板84aは、第1伝熱板83aが配置される位置よりも第6方向D6の側に配置される。第2伝熱板84aは、第1方向D1または第2方向D2に沿って延びる。
【0116】
第2伝熱板84aは、複数の貫通孔845を有する。複数の貫通孔845のそれぞれには、第2流通部85が挿通される。本実施形態では、12個の貫通孔845が第2伝熱板84aに配置される。なお、複数の貫通孔845の位置は、複数の貫通孔835の位置に対応する。
【0117】
一対の第3伝熱板84bは、隣り合う第1流通部84の第1伝熱板83aに接触し、熱を伝える。一対の第3伝熱板84bは、熱伝導性を有する。一対の第3伝熱板84bは、例えば、金属により形成される。一対の第3伝熱板84bは、平板形状を有する。
【0118】
一対の第3伝熱板84bは、第2伝熱板84aから延設される。一対の第3伝熱板84bは、第1方向D1または第2方向D2に沿って延びる。一対の第3伝熱板84bのうちの一方は、第2伝熱板84aの第3方向D3の端部から第6方向D6に沿って延びる。一対の第3伝熱板84bのうちの他方は、第2伝熱板84aの第4方向D4の端部から第6方向D6に沿って延びる。一対の第3伝熱板84bは、第1伝熱板83aと第2伝熱板84aとの間に配置される。
【0119】
図5に示すように、本実施形態の第2流通部85は、第1伝熱板83aと第2伝熱板84aとを貫通する。したがって、第2流通部85の内部を流通する冷媒の熱が第1伝熱板83aと第2伝熱板84aとに伝わる。この結果、第1流通部84を移動する空気を冷却しつつ、第1流通部84の周りの空気も冷却できる。
【0120】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の速度、材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0121】
(1)実施形態1の除湿機100と実施形態2の除湿機100とは、ヒータ6を有していたが、これに限らない。例えば、除湿機100からヒータ6を除いてもよい。ヒータ6を除く場合、放熱部9が空気を加熱する。そして、放熱部9に加熱された空気は、放湿部7aに案内される。ヒータ6に代えて放熱部9を用いることで、ヒータ6を稼働させるための電力が不要になる。よって、除湿機100のランニングコストを低減できる。また、常に、冷凍サイクルF2で発生した熱、または、放熱部9で発生した熱により空気が加熱され、加熱された空気が放湿部7aに供給されるので、放湿部7aを使用して効率よく除湿することができる。
【0122】
(2)実施形態1では、1つの案内部846が本体部841の内壁847に配置されたが、これに限らない。案内部846は、本体部841の内壁847に複数配置されてもよい。複数の案内部846は、内壁847に付着した水滴を第2端部843に案内する。複数の案内部846に案内された水滴は、集水部10を介して排水タンク4に排出される。また、複数の案内部846は、第1方向D1または第2方向D2に沿って延びる。
【0123】
(3)実施形態1~実施形態3の冷却部8の第1流通部84の長さは、ケーシング1の第1方向D1に沿う方向の長さにあわせて変更できる。例えば、第1流通部84は長ければ長い程、空気が冷却部8を通過するのにかかる時間が増大する。つまり、冷却部8により空気を効果的に冷却できる。
【0124】
(4)実施形態1~実施形態3の流通経路F1を移動する空気は、吸湿部7bを通過しなかったが、これに限らない。流通経路F1は、第2送風部5、ヒータ6、放湿部7a、冷却部8、吸湿部7b、及び放熱部9の順番に空気が流れてもよい。よって、流通経路F1を流れる空気は、吸湿部7bによりさらに除湿される。この結果、空気の除湿量を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、除湿機を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0126】
5 :第2送風部(送風部)
6 :ヒータ(加熱部)
7a :放湿部
7b :吸湿部
8 :冷却部(第1熱交換部)
9 :放熱部(第1熱交換部、第2熱交換部)
83 :伝熱板
83a :第1伝熱板
84 :第1流通部
84a :第2伝熱板
84b :第3伝熱板
85 :第2流通部
100 :除湿機
110 :除湿部
846 :案内部
847 :内壁
F1 :流通経路
図1
図2
図3
図4
図5