(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-30
(45)【発行日】2025-05-12
(54)【発明の名称】胴体構造スプライス
(51)【国際特許分類】
B64C 1/06 20060101AFI20250501BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20250501BHJP
【FI】
B64C1/06
B64C1/00 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021006462
(22)【出願日】2021-01-19
【審査請求日】2024-01-09
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・ナサニエル・ストッダード
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ルロイ・マクギー
【審査官】近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-031265(JP,A)
【文献】特開2014-111433(JP,A)
【文献】特表2012-531341(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0320322(US,A1)
【文献】特開2017-074782(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110027696(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 1/06
B64C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパネルおよび第2のパネルを接合するための胴体構造スプライスであって、
第1のパネル主面および第1の縁部を有する第1のパネルと、
前記第1のパネルに接続されたストラップであって、前記ストラップは前記第1のパネルの前記第1の縁部に沿って延伸し、前記第1のパネル主面と接触する第1のストラップ表面と、前記第1のパネルの前記第1の縁部から離れるに従って前記第1のパネルに向かって先細になる第2のストラップ表面とを有する、ストラップと、
前記第1のパネル主面に取り付けられ、前記第1のパネルの前記第1の縁部から離れて延伸し、前記第1のパネル主面に取り付けられた第1のフランジを有する第1のストリンガと、
第1のストリンガベース部分、第1の中間ベース部分、および第1のストラップベース部分を有する第1の取付具であって、前記第1のストリンガベース部分は、前記第1のストリンガの前記第1のフランジに接続され、前記第1のパネルの前記第1の縁部に垂直な第1の平面内に延伸する第1の線に沿って延伸し、前記第1のストラップベース部分は、前記第2のストラップ表面に取り付けられ、前記第1の平面の第2の線に沿って延伸し、前記第2の線は前記第1の線を横切り、前記第1のストラップベース部分は前記第2の線に沿って一定の厚さを有する、第1の取付具と、
を含み、
前記第1のストリンガベース部分は、前記第1のフランジと接触する第1の取り付け表面を有し、前記第1のストラップベース部分は、前記ストラップと接触する第2の取り付け表面を有し、前記第1の中間ベース部分は、前記第1のパネルに面する第3の取り付け表面を有し、前記第1の取付具は、前記第1の取り付け表面を前記第2の取り付け表面に接合する段付き取付具縁部を有
し、
前記第1のストリンガベース部分は、前記第1のストラップベース部分から離れるに従って先細になる前記第1の線に沿った厚さを有する、胴体構造スプライス。
【請求項2】
前記第1のストリンガは、前記第1のフランジから離間し、かつ前記第1のパネル主面に取り付けられた第2のフランジと、前記第1のパネルから離れて前記第1および第2のフランジを超えて延伸する前記第1および第2のフランジの間の隆起部分と、を含み、前記胴体構造スプライスは、
第2のストリンガベース部分および第2のストラップベース部分を有する第2の取付具であって、前記第2のストリンガベース部分は、前記第1のストリンガの前記第2のフランジに接続され、前記第1のパネルの前記第1の縁部に垂直な第2の平面内で延伸する第3の線に沿って延伸し、前記第2のストラップベース部分は、前記第2のストラップ表面に取り付けられ、前記第2の平面の第4の線に沿って延伸し、前記第4の線は前記第3の線を横切り、前記第2のストラップベース部分は前記第4の線に沿って一定の厚さを有する、第2の取付具
をさらに含む、請求項1に記載の胴体構造スプライス。
【請求項3】
第2のパネル主面および第2の縁部を有する第2のパネルであって、前記ストラップの前記第1のストラップ表面が前記第2のパネル主面と接触し、前記第1のパネル主面が前記第2のパネル主面と位置合わせされてスプライスジョイントを形成するために、前記第2の縁部は、前記第1のパネルの前記第1の縁部と縁部に沿って位置合わせされて配置される、第2のパネルと、
前記第2のパネル主面に取り付けられ、前記スプライスジョイントから離れて延伸し、前記第2のパネル主面に取り付けられた第
3のフランジを有する第2のストリンガと、
第
3のストリンガベース部分および第
3のストラップベース部分を有する第3の取付具であって、前記第
3のストリンガベース部分は、前記第2のストリンガの前記第
3のフランジに接続され、前記第2のパネルの前記第2の縁部に垂直な第
3の平面内で延伸する第
5の線に沿って延伸し、前記第
3のストラップベース部分は、第
3のストラップ表面に取り付けられ、前記第
3の平面の第
6の線に沿って延伸し、前記第
6の線は前記第
5の線を横切り、前記第
3のストラップベース部分は前記第
6の線に沿って一定の厚さを有する、第3の取付具と
をさらに含
み、
前記ストラップは、前記第2のパネルの前記第2の縁部から離れるに従って前記第2のパネルに向かって先細になる第3のストラップ表面を有する、請求項1から2のいずれか一項に記載の胴体構造スプライス。
【請求項4】
前記第3の取り付け表面は、前記第1の平面内に延伸する第3の線に沿って延伸し、前記第3の線は、前記第1の線および前記第2の線を横切る、請求項1から3のいずれか一項に記載の胴体構造スプライス。
【請求項5】
前記第2のストラップ表面の第1のパネル領域は、前記第1のパネルの前記第1の縁部の遠位にあるストラップ縁部で終了し、前記ストラップ縁部は、前記第1のストラップ表面から離間し、前記ストラップは、前記第1のストラップ表面を前記第2のストラップ表面に接続するストラップ側面を含み、前記段付き取付具縁部は前記ストラップ側面に面する、請求項1から4のいずれか一項に記載の胴体構造スプライス。
【請求項6】
前記第1の取付具は、前記第1のストリンガベース部分から横方向に延伸する第1のストリンガ突起部分をさらに含み、前記第1のストリンガは、前記第1のフランジから離間し、かつ前記第1のパネルに取り付けられた第2のフランジと、前記第1のパネルから離れて前記第1および第2のフランジを超えて延伸する前記第1および第2のフランジの間の隆起ストリンガ部分と、を含み、前記第1のストリンガ突起部分は、前記隆起ストリンガ部分に近接して配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載の胴体構造スプライス。
【請求項7】
前記第1のストリンガは、前記第1のフランジから離間し、かつ前記第1のパネルに取り付けられた第2のフランジと、前記第1のパネルから離れて前記第1および第2のフランジを超えて延伸する前記第1および第2のフランジの間の隆起ストリンガ部分と、を含み、前記胴体構造スプライスは、前記第1のパネルおよび前記第1のストリンガに接着剤で取り付けられた前記第1のパネルと前記第1のストリンガとの間の接合部に沿って延伸する複合接着材料をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の胴体構造スプライス。
【請求項8】
前記ストラップは、前記第1のパネルの前記第1の縁部に沿って順次配置された複数のストラップセグメントから構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の胴体構造スプライス。
【請求項9】
2つのパネルを接合するための胴体構造スプライス用の取付具であって、前記胴体構造スプライスは、パネル主面および縁部を有するパネルと、前記パネルに接続されたストラップであって、前記ストラップは前記パネルの前記縁部に沿って延伸し、前記パネル主面と接触する第1のストラップ表面と、前記パネルの前記縁部から離れるに従って前記パネルに向かって先細になる第2のストラップ表面とを有する、ストラップと、前記パネル主面に取り付けられ、前記パネルの前記縁部から離れて延伸し、前記パネル主面に取り付けられたフランジを有するストリンガと、を含み、前記取付具は、ストリンガベース部分、中間ベース部分、およびストラップベース部分を有する細長いベースであって、前記ストリンガベース部分は、前記ストリンガの前記フランジに接続され、前記パネルの前記縁部に垂直な平面内に延伸する第1の線に沿って延伸するように構成され、前記ストラップベース部分は、前記第2のストラップ表面に取り付けられるように構成され、前記平面内の第2の線に沿って延伸し、前記第2の線は前記第1の線を横切り、前記ストラップベース部分は、前記第2の線に沿って一定の厚さを有する、細長いベースを含み、
前記取付具の前記ストリンガベース部分は、前記ストリンガの前記フランジと接触する第1の取り付け表面を有し、前記取付具の前記ストラップベース部分は、前記ストラップと接触する第2の取り付け表面を有し、前記取付具の前記中間ベース部分は、前記パネルに面する第3の取り付け表面を有し、前記取付具は、前記第1の取り付け表面を前記第2の取り付け表面に接合し、かつ前記ストラップベース部分に面する段付き取付具縁部を有
し、
前記ストリンガベース部分は、前記ストラップベース部分から離れるに従って先細になる前記第1の線に沿った厚さを有する、取付具。
【請求項10】
前記第3の取り付け表面は、前記平面内に延伸する第3の線に沿って延伸し、前記第3の線は前記第1の線および前記第2の線を横切る、請求項
9に記載の取付具。
【請求項11】
前記ストリンガは、前記パネルから離れて前記フランジから延伸する隆起ストリンガ部分を含み、前記取付具は、前記ストリンガベース部分から横方向に延伸するストリンガ突起部分をさらに含み、前記取付具は、前記ストリンガ突起部分が前記隆起ストリンガ部分に近接して配置されて前記フランジに取り付けられるように構成される、請求項9から
10のいずれか一項に記載の取付具。
【請求項12】
2つのパネルの縁部を位置合わせして配置するステップと、
パネルの縁部に沿ってストラップのパネル領域を配置するステップであって、前記ストラップは、パネル主面と接触するストラップ第1の表面と、前記パネルの前記縁部から離れるに従って前記パネルに向かって先細になり、前記ストラップ第1の表面に対してある角度で前記パネルの前記縁部から離れて延伸するストラップ第2の表面と、を有する、配置するステップと、
ストリンガが前記パネルの前記縁部から離れて延伸する状態で、前記ストリンガの第1のフランジを前記パネルに取り付けるステップと、
第1のストリンガベース部分が前記パネルの前記縁部に垂直な第1の平面内に延伸する第1の線に沿って延伸する状態で、前記ストリンガの前記第1のフランジ上に第1の取付具の前記第1のストリンガベース部分を配置するステップと、
第1のストラップベース部分が前記第1の平面内に延伸する第2の線に沿って延伸する状態で、前記第1の取付具の前記第1のストラップベース部分を前記ストラップ上に配置するステップであって、前記第2の線は、前記第1の線に対して前記角度で横切り、前記第1のストラップベース部分は、前記第2の線に沿って一定の厚さを有する、配置するステップと、
前記第1のストリンガベース部分を前記ストリンガの前記第1のフランジに接続するステップと、
前記第1のストラップベース部分を前記ストラップに接続するステップと、
を含み、
前記第1のストリンガベース部分は、前記第1のフランジと接触する第1の取り付け表面を有し、前記第1のストラップベース部分は、前記ストラップと接触する第2の取り付け表面を有し、前記第1の取り付け表面は、段付き取付具縁部によって前記第2の取り付け表面に接合され、前記第1の取付具を配置するステップは、前記段付き取付具縁部が前記ストラップ第1の表面を前記ストラップ第2の表面に接続するストラップ側面に面するように、前記第1の取付具を配置するステップを含む、胴体構造を作製する方法。
【請求項13】
前記ストリンガの第2のフランジを、前記第2のフランジが前記第1のフランジから離間されるように前記パネルに取り付けるステップであって、隆起ストリンガ部分が、前記第1および第2のフランジの間に延伸し、かつ前記第1および第2のフランジを超えて前記パネルから離れて延伸する、ステップと、
第2のストリンガベース部分が前記パネルの前記縁部に垂直な第2の平面内に延伸する第3の線に沿って延伸する状態で、第2の取付具の第2のストリンガベース部分を前記ストリンガの前記第2のフランジ上に配置するステップと、
第2のストラップベース部分が前記第2の平面内に延伸する第4の線に沿って延伸する状態で、前記第2の取付具の前記第2のストラップベース部分を前記ストラップ上に配置するステップであって、前記第4の線は、前記第3の線に対して前記角度で横切り、前記第2のストラップベース部分は、前記第4の線に沿って一定の厚さを有する、配置するステップと、
前記第2のストリンガベース部分を前記ストリンガの前記第2のフランジに接続するステップと、
前記第2のストラップベース部分を前記ストラップに接続するステップと、
をさらに含む、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の取付具を配置するステップは、前記第1の平面と前記第2の平面との間に配置された第3の平面に対して鏡像関係で前記第1の取付具に対して前記第2の取付具を配置するステップを含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の取付具は、前記第1のストリンガベース部分から横方向に延伸する第1のストリンガ突起部分をさらに含み、前記ストリンガは、前記第1のフランジから離間し、かつ前記パネルに取り付けられた第2のフランジと、前記パネルから離れて前記第1および第2のフランジを超えて延伸する前記第1および第2のフランジの間の隆起ストリンガ部分と、を含み、前記方法は、前記第1のストリンガ突起部分を前記隆起ストリンガ部分に近接して配置するステップをさらに含む、請求項
12から
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ストリンガは、前記第1のフランジから離間した第2のフランジと、前記パネルから離れて前記第1および第2のフランジを超えて延伸する前記第1および第2のフランジの間の隆起ストリンガ部分と、を含み、前記方法は、前記ストリンガの前記第2のフランジを前記パネルに取り付けるステップと、前記パネルと前記ストリンガとの間の接合部に沿って延伸する複合接着材料を適用することによって前記パネルを前記ストリンガに接着して取り付けるステップをさらに含む、請求項
12から
15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、航空機の構造に関する。より具体的には、開示された例は、航空機の胴体部分を接合するためのスプライス取付具のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の胴体部分は、接合構成によって接合された炭素繊維強化ポリマー(CFRP)でできており、接合構成は、2つのスキンパネル間にスプライスジョイントを形成するために、少なくともストラップ、ストリンガ、およびスプライス取付具を利用している。スプライス取付具は、ストリンガのフランジとストラップとの間に接続されている。多くの場合、スプライス取付具は平坦であり、組み立てるとき、胴体部分は、スプライスジョイントでスプライス取付具を位置合わせするために、多くの箇所にシムおよびフィラーを必要とする。シムは、嵌合する構成要素間の公差を吸収し、部品の再加工を回避するための補償要素として使用されるが、シミングプロセスにより、胴体部分の組み立てにかかるコストと時間が増加する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、胴体構造スプライスに関連するシステム、装置、および方法を提供する。いくつかの例では、胴体構造スプライスは、第1のパネル主面および第1の縁部を有する第1のパネルと、第1のパネルに接続されたストラップと、を含んでもよい。ストラップは、第1のパネルの第1の縁部に沿って延伸し、第1および第2のストラップ表面を有する。第1のストラップ表面は、第1のパネル主面と接触し、第2のストラップ表面は、第1のパネルの第1の縁部から離れるに従って、第1のパネルに向かって先細になっている。胴体構造スプライスはまた、第1のパネル主面に取り付けられ、第1のパネルの第1の縁部から離れて延伸し、第1のパネル主面に取り付けられた第1のフランジを有する第1のストリンガを含んでもよい。胴体構造スプライスは、第1のストリンガベース部分および第1のストラップベース部分を有する第1の取付具をさらに含んでもよい。第1のストリンガベース部分は、第1のストリンガの第1のフランジに接続され、第1のパネルの第1の縁部に垂直な第1の平面内に延伸する第1の線に沿って延伸する。第1のストラップベース部分は、第2のストラップ表面に取り付けられ、第1の平面の第2の線に沿って延伸する。第2の線は第1の線を横切り、第1のストラップベース部分は第2の線に沿って一定の厚さを有する。
【0004】
いくつかの例では、胴体構造スプライスは、第1のパネル主面および第1の縁部を有する第1のパネルと、第1のパネルに接続されたストラップと、を含んでもよい。ストラップは、第1のパネルの第1の縁部に沿って延伸し、第1のパネル主面と接触する第1のストラップ表面と、第1のパネルの第1の縁部から離れるに従って第1のパネルに向かって先細になる第2のストラップ表面と、を有する。胴体構造スプライスはさらに、第1のパネル主面に取り付けられ、第1のパネルの第1の縁部から離れて延伸し、第1のパネル主面に取り付けられた第1のフランジを有するストリンガを含んでもよい。胴体構造スプライス用の取付具は、ストリンガベース部分およびストラップベース部分を有する細長いベースを含んでもよい。ストリンガベース部分は、ストリンガの第1のフランジに接続されて、第1のパネルの第1の縁部に垂直な第1の平面内に延伸する第1の線に沿って延伸するように構成される。第1のストラップベース部分は、第2のストラップ表面に取り付けられ、第1の平面の第2の線に沿って延伸するように構成される。第2の線は第1の線を横切り、第1のストラップベース部分は第2の線に沿って一定の厚さを有する。
【0005】
いくつかの例では、胴体構造を作製する方法は、ストラップの第1のパネル領域を第1のパネルの第1の縁部に沿って配置するステップを含んでもよい。本方法は、ストラップを第1のパネルに接続するステップを含んでもよい。本方法は、第1のストリンガが第1のパネルの第1の縁部から離れて延伸する状態で、第1のストリンガの第1のフランジを第1のパネルに取り付けるステップを含んでもよい。本方法は、第1のストリンガベース部分が第1のパネルの第1の縁部に垂直な第1の平面内に延伸する第1の線に沿って延伸する状態で、第1のストリンガの第1のフランジ上に第1の取付具の第1のストリンガベース部分を配置するステップを含んでもよい。本方法は、第1のストラップベース部分が第1の平面内に延伸する第2の線に沿って延伸する状態で、取付具の第1のストラップベース部分をストラップ上に配置するステップを含んでもよく、第2の線は、第1の線に対して第1の角度で横切り、第1のストラップベース部分は、第2の線に沿って一定の厚さを有する。本方法は、第1のストリンガベース部分を第1のストリンガの第1のフランジに接続するステップを含んでもよい。本方法は、第1のストラップベース部分をストラップに接続するステップを含んでもよい。
【0006】
特徴、機能、および利点は、本開示の様々な例で独立して達成することができ、またはさらに他の例で組み合わせることができ、さらなる詳細は、以下の説明および図面を参照して見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の態様に従って組み立てられた例示的な航空機の斜視簡略図である。
【
図2A】
図1の航空機の隣接する胴体部分間のスプライスジョイントの構築の例を示す部分等角図である。
【
図2B】
図1の航空機の隣接する胴体部分間のスプライスジョイントの構築の例を示す部分等角図である。
【
図2D】
図1の航空機の隣接する胴体部分間のスプライスジョイントの構築の例を示す部分等角図である。
【
図3】ストリンガおよびストラップアセンブリに取り付けられた取付具を示す、
図2Dのスプライスジョイントの一部の拡大等角図である。
【
図4】
図2Dのスプライスジョイントのストリンガとストラップに取り付けられた取付具の断面図である。
【
図5】取付具が取り付けられたストリンガの断面図である。
【
図6A】ストリンガおよびストラップ上の段付き構造を備えた取付具の配置の例を示す断面図である。
【
図6B】ストリンガおよびストラップ上の段付き構造を備えた取付具の配置の例を示す断面図である。
【
図7】本教示によるスプライスジョイントの組み立て方法のステップの例を示すフローチャートである。
【
図8】本教示による、スプライスジョイントのストラップ上に取付具を配置する方法のステップの別の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
胴体構造スプライスの様々な態様と例、および関連する方法を以下に説明し、関連する図面に示す。別段の指定がない限り、本教示によるスプライス取付具、および/またはその様々な構成要素は、本明細書に記載され、図示され、および/または組み込まれている構造、構成要素、機能、および/または変形のうちの少なくとも1つを含むことができるが、必須ではない。さらに、特に除外されない限り、本教示に関連して記載され、図示され、および/または組み込まれたプロセスステップ、構造、構成要素、機能、および/または変形は、開示された例の間で互換性があることを含めて、他の類似の装置および方法に含まれてもよい。以下の様々な例の説明は、本質的に単なる例示であり、開示、その用途、または使用を限定することを決して意図するものではない。さらに、以下に説明する例によって提供される利点は、本質的に例示的なものであり、すべての例が同じ利点または同じ程度の利点を提供するわけではない。
【0009】
この詳細な説明には、すぐ下に続く次のセクションが含まれる。(1)概要、(2)実施例、構成要素、および代替例、(3)例示的な組み合わせおよび追加の実施例、(4)利点、特徴、および利点、ならびに(5)結論。実施例、構成要素、および代替例のセクションは、サブセクションAからDにさらに分割され、それに応じて各々にラベルが付けられている。
【0010】
定義
特に明記しない限り、以下の定義がここに適用される。
【0011】
「実質的に」とは、特定の寸法、範囲、形状、概念、または用語によって修飾された他の側面に主に準拠することを意味し、その目的または機能に適している限り、特徴または構成要素が正確に準拠する必要はない。例えば、「実質的に円筒形」の物体とは、物体が円筒に似ているが、実際の円筒から1つまたは複数の偏差がある可能性があることを意味する。
【0012】
「備える」、「含む」、および「有する」(およびそれらの活用)は、必ずしも限定されないが、含むことを意味するために互換的に使用され、追加の未記載の要素または方法のステップを除外することを意図しない制限のない用語である。
【0013】
特に指定のない限り、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、ここでは単なるラベルとして使用され、これらの用語が言及する構成要素に順序、位置、または階層的な要件を課すことを意図するものではない。さらに、例えば、「第2の」構成要素への言及は、より低い番号の項目(例えば、「第1の」項目)および/またはより高い番号の構成要素(例えば、「第3の」項目)の存在を必要としないか、または排除しない。
【0014】
「取り付けられた」とは、一方の性能が他方の性能に影響を与えるような関係にあることを意味し、直接的または介在する構成要素を介して間接的に、永続的または解放的に接続または取り付けられることを含んでもよく、必ずしも物理的な接続に限定されない。
【0015】
概要
一般に、完全な胴体構造スプライスは、通常、スプライスジョイントに沿って分散された複数の個別の取付具を含む。個々の取付具の各々は、スプライスジョイントストラップと複数のストリンガのうちの1つのフランジとの間を接続するように構成される。取付具は、第2の端部に接続された第1の端部を含んでもよい。中間部分は、両端の間に延伸してもよい。以下に説明するように、取付具は、好ましくは、ストラップに取り付けられ、ストリンガフランジに取り付けられる反対側の端部に対してある角度で延伸する端部を有する。取付具のストラップ端もまた、好ましくは均一な厚さを有する。さらに、中間部分は、2つの取付具端部の一方または両方に対してある角度で取付具端部の間で延伸してもよい。そのような中間部分は、それぞれのストラップおよびストリンガフランジ表面を備えた取付具端部の表面の方向付けおよび遷移を提供してもよい。2つの取付具端部の異なる方向は、胴体構造スプライスのストラップとストリンガフランジの厚さと方向の違いに対応し、全体的なシムレススプライスジョイントの組み立てを容易にする。開示された取付具は、胴体部分の複数のペアを接合するための標準的構成要素の共通性と使用を可能にする。
【0016】
実施例、構成要素、および代替例
以下のセクションは、例示的ならびに関連するシステムおよび/または方法の選択された態様を説明する。これらのセクションの例は説明を目的としており、本開示の全範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。各セクションは、1つまたは複数の別個の例、および/または文脈的または関連する情報、機能、および/または構造を含んでもよい。
【0017】
A.例示的なスプライス取付具
図1~
図5に示すように、このセクションでは、例示的なスプライス取付具100について説明する。スプライス取付具100は、熱可塑性の円周方向スプライス取付具であり、上記の飛行機部分を接合するためのスプライスジョイントの取付具スプライスに使用できるスプライス取付具の第1の例である。
【0018】
図1は、スプライス取付具100などのスプライス取付具を有するスプライスジョイントで構成され得る胴体102を有する航空機101の斜視図である。胴体102は、円周方向スプライスジョイント106(スプライスジョイント106a~dとして個別に識別される)と呼ばれる接合線に沿って互いに当接する複数の実質的に円筒形の胴体部分104(胴体部分104a~eとして個別に識別される)を含む。円周方向ジョイント106は、胴体の長手方向軸110に垂直な平面107(個別に平面107a~dとして識別される)を定義する。スプライスジョイント106の接合線および円周方向ジョイント領域は、強度を提供し、航空機が飛行中に受ける高い応力に耐えるために、胴体に沿って力を伝達する。
【0019】
一例では、胴体部分104aは、前方体部分であってもよいし、胴体部分104bは、第1の中央体部分であってもよい。スプライスジョイント106aは、前方体部分を第1の中央体部分に接続する部分41~43の全体接合を表すことができる。同様に、胴体部分104cは、第2の中央体部分であってもよく、胴体部分104dは、第3の中央体部分であってもよく、胴体部分104eは、後方体部分であってもよい。同様に、スプライスジョイント106bは、第1の中央体部分を第2の中央体部分に接続する部分43~44のクラウン接合を表すことができ、スプライスジョイント106cは、第2の中央体部分を第3の中央体部分に接続する部分44~46のクラウン接合を表すことができ、スプライスジョイント106dは、第3の中央体部分を後方体部分に接合する部分46~47の全体接合を表すことができる。
【0020】
各胴体部分104a~eは、胴体102の長手方向軸110の周りに円周方向に延伸する、個々のスキン108a~eとして示される複合スキン108を含んでもよい。本開示を通して、「胴体部分」という用語は、便宜上、軸の周りに円周方向に延伸する任意の飛行機のシェル構造を指すために使用される。当業者は、胴体部分104a~eが一般に円筒形の構造に限定されないが、円形、楕円形(elliptical)、楕円形(oval)、卵形、直線、先細り、または他の断面形状を有する構造を含んでもよいことを理解することができる。さらに、一例では、胴体部分104は、複合スキン108が長手方向軸110の周りに連続的に円周方向に延伸する「ワンピース」スキンである「ワンピース」胴体部分であり得る。しかしながら、他の例では、スキン108は、周囲の胴体部分を形成するために継ぎ合わせ、または他の方法で接合される2つ以上のスキンセグメントから形成され得る。
【0021】
この例では、複合スキン108の各々は、約15フィートから約35フィートなど、少なくとも約10フィートの断面幅を有する。特定の例では、複合スキン108は、約18フィートの断面幅を有してもよい。スキンの厚さも、異なる胴体部分について異なってもよい。特定の例では、複合スキンの厚さは、熱可塑性材料の18~20プライの範囲であってもよい。
【0022】
図2A~
図2Dは共に、それぞれ、アセンブリ構造101a~cを示し、本開示の態様による、第1の胴体部分104aを第2の胴体部分104bに接合するための例示的なアセンブリシーケンスを示す。同様のアセンブリ構造を使用して、他の胴体部分、104bと104c、104cと104d、および104dと104eを接合するか、あるいは2つのパネルまたはワークピースを接合してもよい。
【0023】
最初に
図2Aを参照すると、第1のスプライスジョイント106aの一部である構造アセンブリ101aの胴体102(
図1)内からの拡大等角図である。
図2Aに示す第1の胴体部分104aの部分は、第1のパネル主面111aおよび第1の縁部113aを有する第1のパネル112aを含む。
図2Aに示す第2の胴体部分104bの部分は、第2のパネル主面111bおよび第1の縁部113aに面する第2の縁部113bを有する第2のパネル112bを含む。第2のパネル112bの第2の縁部113bは、第1のパネル112aの第1の縁部113aと縁部に沿って位置合わせまたは突き合わされて配置され、第1のパネル主面が第2のパネル主面と位置合わせされるスプライスジョイント106aを形成する。
【0024】
当業者は、特定の実施態様では、第1のパネルおよび第2のパネルが、一緒に突き合わされたときに、スプライスジョイント106aの全長に沿って完全に接触していない可能性があることを認識するであろう。当業者はまた、突き合わせられた第1のパネルと第2のパネルとの間に画定されたギャップが(例えば、シム、フィラーなどで)埋められるか、または他の公知の方法によって処理され得ることを認識するであろう。
【0025】
この例では、複数のストリンガ114(ストリンガ114a~bとして個別に識別される)は、第1のパネル112aの第1のパネル主面111aに取り付けられてもよい。複数のストリンガは、スプライスジョイント106aから離れて第1の方向D1に、航空機101の長手方向軸110に平行な第1の方向D1の線に沿って、スプライスジョイントおよびパネルの第1の縁部113aを横切って延伸する。ストリンガ114の各々は、複数のフランジと、フランジの間にあって、第1のパネル112aの面から突出する隆起部分124と、を含んでもよい。この例では、ストリンガ114の各々は、隆起部分124の反対側に配置された第1のフランジ126aおよび第2のフランジ126bとして個別に識別される一対のフランジを有する。フランジ126a、126bは、第1のパネル112aに直接取り付けられ、ストリンガ114a~bは、第1のパネル112aを補強、剛性化、および強化するように構成される。図示する例では、ストリンガ114の隆起部分はそれぞれ、C字形またはU字形の断面幾何学的形状を有する。しかしながら、他の例では、ストリンガ114は、「ハット」形状、「L」形状、逆「T」形状、「I」形状、または他の幾何学的形状を含む他の断面形状を有することができる。
【0026】
第2のパネル112bは、構造および機能において、上記の第1のパネル112aと少なくとも概ね同様であり得る。したがって、第2のパネル112bは、第2のパネル112bの第2のパネル主面111bに取り付けられた複数のストリンガ116(ストリンガ116a~bとして個別に識別される)を含んでもよい。ストリンガは、スプライスジョイント106aから離れて、D1とは反対の第2の方向D2に、第2の方向D2の線に沿って、航空機の長手方向軸110に平行に延伸する。ストリンガ116の各々は、第2のパネル112bから突出する隆起部分125、および複数のフランジ(第1のフランジ127aおよび第2のフランジ127bとして個別に識別される)を含んでもよい。フランジは第2のパネル112bに直接取り付けられ、ストリンガ116a~bは、第2のパネル112bを補強、剛性化、および強化するように構成される。図示する例では、ストリンガ116の各々は、C字形またはU字形の断面幾何学的形状を有する。しかしながら、他の例では、ストリンガ116は、「ハット」形状、「L」形状、逆「T」形状、「I」形状、または他の任意の適切な幾何学的形状を含む他の断面形状を有することができる。
【0027】
この例では、第1のパネルに取り付けられたストリンガ114a~bのセットおよび第2のパネルに取り付けられたストリンガ116a~bのセットは、同じ幾何学的形状を有し、胴体構造全体に強化された構造的支持を提供するように位置合わせされる。例えば、第1のパネルのストリンガ114aは、長手方向軸110に平行な線に沿って、第2のパネルのストリンガ116aと同一直線上にある。隆起部分124、125は同一直線上にあり、それらのそれぞれのフランジ126a~126bは、スプライスジョイント106aを横切ってフランジ127a~127bと位置合わせされる。他の例では、第1のパネルに取り付けられたストリンガ114a~bのセットおよび第2のパネルに取り付けられたストリンガ116a~bのセットは、異なる幾何学的形状を有してもよく、交互にまたは不規則に配置されてもよい。
【0028】
図2Bは、
図2Aに示すアセンブリ構造101aに取り付けられた細長いストラップ120を含む構造アセンブリ101bを示す。ストラップ120は、第1のパネル112aおよび第2のパネル112bによって形成されたスプライスジョイント106aにオーバーレイし、ブリッジするために、第1の縁部113aに沿って第1のパネル主面111aに取り付けられ、第2の縁部113bに沿って第2のパネル主面111bに取り付けられる。ストラップ120は、胴体部分104aを部分104bにブリッジするために、胴体の周りに円周方向に延伸するスプライスジョイントに沿って取り付けられている。
【0029】
ストラップは、ストラップ第1の表面121(またはストラップの底面)および反対側のストラップ第2の表面123(または
図2Bに見られるようにストラップの上面)を含んでもよい。ストラップ第1の表面121は、第1のパネル主面111aおよび第2のパネル主面111bと接触している。ストラップ第1の表面は、一般に、第1および第2のパネル主面に取り付けるための連続的な接触領域を提供するために滑らかな表面を有する。
【0030】
図2Cに拡大部分として示されるように、ストラップ第2の表面123は、第1の縁部113aに沿って第1のパネル主面111a上に長さ方向に延伸する第1のパネル領域123aを含んでもよい。第1のパネル領域において、ストラップは、第1のパネル主面の第1の縁部113aおよびスプライスジョイント106aからD1方向に離れるに従って先細になる、ストラップ第1の表面121に垂直な厚さを有する。同様に、ストラップ第2の表面123は、第2の縁部113bに沿って第2のパネル主面111b上に長さ方向に延伸する第2のパネル領域123bを含む。第2のパネル領域において、ストラップは、第2のパネル主面の第2の縁部113bおよびスプライスジョイント106aからD2方向に離れるに従って先細になる、ストラップ第1の表面121に垂直な厚さを有する。
【0031】
さらに、ストラップ第2の表面123は、第1のパネル領域123aと第2のパネル領域123bとの間にストラップ中間領域123cを含む。ストラップは、ストラップ中間領域123cにおいて一定の厚さT1を有する。第1のパネル領域123aは、ストラップ中間領域123cの縁部を形成する第1の一次縁部123a1から、ストラップ第2の表面のストラップ中間領域の配向に対して第1の角度α1で第1の二次縁部123a2まで延伸する。第1の二次縁部123a2は、ストラップ第1の表面121から距離H1だけ離間されており、ストラップは、第1の二次縁部123a2をストラップ第1の表面121に接続するストラップ第1の側面123f1を含む。ストラップ第1の側面は、ストラップ第2の表面の第1のパネル領域123aおよびストラップ第1の表面121の両方を横切っており、H1の高さおよび円周方向ジョイント106aの周りのストラップ120の長さに等しい長さを有する。
【0032】
第2のパネル領域は、方向D2に沿ったストラップ第2の表面のストラップ中間領域123cの配向に対して第2の角度α2で第2の一次縁部123b1から第2の二次縁部123b2まで延伸する。第2の二次縁部123b2は、ストラップ第1の表面121から距離H2だけ離間されており、ストラップは、第2の二次縁部123b3をストラップ第1の表面121に接続するストラップ第2の側面123f2を含む。ストラップ第2の側面123f2は、ストラップ第2の表面の第2のパネル領域123bおよびストラップ第1の表面121の両方を横切っており、H2の高さおよび円周方向ジョイント106aの周りのストラップ120の長さに等しい長さを有する。
【0033】
この例では、細長いストラップは、ストラップの長さに沿って延伸する中心線L1に沿って延伸する。線L1は、
図1に示す平面107aの円周方向のスプライスジョイント106aに平行であり、それに沿って延伸し、この平面は長手方向軸110に直交する。中心線L1は、胴体部分104a、104bと同心の円形経路を横断する。平面107aは、第1および第2のパネル領域が互いに対称であるストラップの対称面を表す。ストラップ第2の表面の第1および第2の一次縁部は、中心線から等距離にある。同様に、ストラップ第2の表面の第1および第2の二次縁部は、中心線から等距離にある。テーパー角度α1は角度α2と同等である。第1および第2の側面123f1および123f2の高さH1およびH2は同等である。
【0034】
第1のパネル112aのそれぞれの内部第1のパネル主面および第2のパネル112bの内部第2のパネル主面に取り付けられたストラップ120は、胴体102の外部の滑らかな空気力学的表面を維持しながら2つのパネルを接合する。
【0035】
一例では、ストラップ120は、グラファイトエポキシまたは同様の材料などの複合材料を含んでもよい。他の例では、ストラップ120は、アルミニウム、チタン、鋼などの金属材料を含む他の材料を含んでもよい。ストラップ120は、
図2Dに示す締め具160と同様の、ストラップ120および第1のパネル112aおよび第2のパネル112bを通って延伸する複数の締め具で第1のパネル112aおよび第2のパネル112bに取り付けられてもよい。他の例では、ストラップ120は、第1のパネル112aおよび第2のパネル112bに接合されてもよいし、あるいは第1のパネル112aおよび第2のパネル112bに接合および固定されてもよい。さらに、一例では、ストラップ120は、スプライスジョイント106aの周りで連続的に、または少なくともほぼ連続的に延伸してもよい。他の例では、ストラップ120は、スプライスジョイント106aの周りでセグメント化されてもよい。例えば、スプライスジョイント106aは、ストラップ120の6つのセグメントを含んでもよい。他の例では、スプライスジョイント106aは、ストラップ120のより多くの(例えば、8つの)またはより少ないセグメントを含んでもよい。
【0036】
図示する例では、ストラップ120は、スキン108と少なくともほぼ同じ厚さであってもよいが、
図2Aおよび
図2Dで識別されるストリンガ114、116の隣接するフランジ126、127よりも厚くてもよい。他の例では、ストラップ120は、ストリンガ114、116の隣接するフランジ126、127よりも薄くてもよい。
【0037】
図2Dは、複数のスプライス取付具100と、
図2Bに示す構造アセンブリ101bに取り付けられたフレーム140と、を含む構造アセンブリ101cを示す。例えば、第1の取付具100aは、第1のパネル112aに取り付けられたストリンガ114aのストリンガフランジ126aに対して、およびストラップ120の第1のパネル領域123aに対して配置される。同様に、第2の取付具100bは、ストリンガ114aのストリンガフランジ126bに対して、およびストラップ120の第1のパネル領域123aに対して配置される。さらに、第3の取付具100cは、第2のパネル112bに取り付けられたストリンガ116aのストリンガフランジ127bに対して、およびストラップ120の第2のパネル領域123bに対して配置される。第4の取付具100dは、ストリンガ116aのストリンガフランジ127aに対して、およびストラップ120の第2のパネル領域123bに対して配置される。一対の取付具100は、各ストリンガ114、116のフランジに対して、およびストラップ120に対して同様に配置される。
【0038】
取付具100a、100bについて
図3および
図4にさらに詳細に示されているように、取付具100の各々は、好ましくは、概ね「L」構成を形成するベースおよび突起を含んでもよい。ベースは、ストラップベース部分およびストリンガベース部分を含む。したがって、取付具100a~dは、それぞれのストラップベース部分131a~dおよびストリンガベース部分132a~dを備えたそれぞれのベースを有する。さらに、取付具100a~dは、それぞれのストリンガベース部分132a~dから横方向に延伸するそれぞれのストリンガ突起部分136a~d、およびそれぞれのストラップベース部分131a~dから横方向に延伸するそれぞれのストラップ突起部分135a~dを含む。図に見られるように、取付具100cのストラップベース部分131cは、ストラップ120に接続されている。取付具のストリンガベース部分132cは、ストリンガ116aのフランジ127bに接続されている。図示する例では、取付具100cは、ストリンガベース部分132cから横方向に延伸するストリンガ突起部分136cと、ストラップベース部分131cから横方向に延伸するストラップ突起部分135cと、を含む。複数の締め具160は、ストラップベース部分131cおよびその下にある構造(すなわち、ストラップ120および関連するパネル)を通って、そしてストリンガベース部分132cおよび下にある構造(すなわち、フランジ127b、および関連するパネル)を通って延伸する。対応する締め具は、取付具100の各々を下にある構造に取り付けて、スプライスジョイント106aを横切る構造的荷重経路を形成する。
【0039】
アセンブリ構造101cは、隣接する胴体部分104aと104bとの間のスプライスジョイント106aの少なくとも一部の周りに円周方向に延伸するフレーム140を含んでもよい。フレーム140は、長手方向に対向する取付具100の間のストラップ中間領域123cに沿ってストラップ120に取り付けられてもよい。図示する例では、フレーム140は、ストラップ120に固定された下側足部150を備えた、概してZ字形の断面構成を有してもよい。
図2Dに示すように、下側足部150は、複数の足部に分割されてもよい。Z字型フレーム140が示されているが、当業者は、C字型フレーム、I字型フレーム、J字型フレームなどの、屈曲に抵抗する任意の適切なフレームを使用できることを理解するであろう。あるいは、フレーム140は省略され得る。
【0040】
フレーム140は、CFRPなどの複合材料、またはストラップ120または取付具100を形成する同じ複合材料などの同様の材料で形成されてもよい。あるいは、フレーム140は、アルミニウムまたはチタンなど、金属または他の材料で形成されてもよい。
【0041】
取付具100、ストリンガ114、116、ストラップ120、フレーム140、およびスキン108は、グラファイトエポキシおよび/または他の適切な複合材料を含む複合材料で作製されてもよい。例えば、一例では、スキン108は、強化エポキシ樹脂および炭素繊維で製造することができる。この例では、スキン108は、樹脂が予め含浸された繊維テープ(すなわち、「プリプレグ」)およびプリプレグ布の外側プライを含んでもよい。別の例では、ストラップ120および取付具100はまた、エポキシ樹脂および炭素繊維から製造されてもよい。スキン108、ストラップ120、および取付具100は、疑似等方性レイアップ、すなわち、0、+45、-45、および90度の向きで等しい(またはほぼ等しい)数のプライを有するレイアップを有することができる。ストリンガ114は、軸方向に優勢な繊維配向を有してもよい。他の例では、スキン108、ストラップ120、取付具100、およびストリンガ114、116は、他の繊維配向を有してもよい。
【0042】
金属の代わりに複合材料を使用することの1つの利点は、取付具100およびその下にある構造(例えば、スキン108およびストリンガ114)が、少なくとも概ね同様の熱膨張係数を有することである。結果として、航空機101(
図1)の運行中に経験される温度変動は、取付具100とその下にある構造との間に異なる熱膨張を引き起こさず、したがって、スプライスジョイント106a~dに大きな応力を引き起こさない。しかしながら、他の例では、取付具100は、アルミニウム、チタン、鋼などの金属材料を含むことができる。金属の使用は、航空機が運航中に大きな温度変動を経験することが予想されない状況で適切であり得る。
【0043】
複合材料および金属材料に加えて、さらに他の例では、スキン108、ストラップ120、取付具100、およびストリンガ114、116、ならびにそれらの組み合わせは、繊維/金属ラミネートなどのハイブリッド材料を含む他の材料を含むことができる。このようなラミネートには、ガラス繊維/アルミニウムラミネートおよびチタン強化グラファイトラミネート(Ti/Gr)が含まれる。アルミニウムとガラス繊維の交互の層を含む1つのハイブリッドラミネートは、ガラスラミネートアルミニウム強化エポキシ(GLARE)と呼ばれる。このラミネートは、従来のアルミニウムよりも優れた疲労特性を提供することができる。Ti/Grラミネートは、従来のアルミニウムまたはグラファイトエポキシよりも重量が有利であり得るが、このラミネートはより高価な場合もある。
【0044】
図2Dに示すスプライスジョイント106aの特徴は、取付具100がストラップ120と重なることである。この特徴の1つの利点は、亀裂または他の構造上の欠陥がストラップ120の一部を通って伝播するという万が一の場合に、フェイルセーフで冗長な荷重経路を提供することである。そのような場合、ストラップと組み合わせた取付具100は、スプライスジョイント106aにわたって構造的荷重を担持することができる。さらに、取付具100はまた、対向するストリンガ114、116がそれぞれ終端するスプライスジョイント106aを横切る冗長な荷重経路を提供する。さらに、セグメント化されたストラップ120が使用される場合には、取付具100はまた、隣接するストラップセグメントのためのスプライスプレートとして使用され得る。スプライスジョイント106aの別の特徴は、ストリンガ114、116の端部が開いたままになっていることである。この特徴の利点の1つは、結露やその他の発生源によって引き起こされた水分がストリンガ114、116から逃げることができることである。
【0045】
図示する例の取付具100の別の特徴は、ストリンガ突起部分136a~dが取付具100に剛性を加えることができることである。突起部分はまた、特に突起部分がストリンガ114、116の隆起部分124に近接して示されるように取付具が配置される場合、ストリンガとストラップとの間のスプライスに剛性を追加する。この構成の1つの利点は、特に圧縮荷重下で、スプライスジョイント106aの安定性を高めることができることである。
【0046】
図2D、
図3および
図4を参照すると、
図3は、ストリンガ114aの第1のフランジ126aおよび第2のフランジ126bにそれぞれ取り付けられ、かつスプライスジョイント106aに沿って延伸するストラップ120(フレーム140なし)に取り付けられた取付具100a、100bの拡大正面斜視図である。ストリンガ114aは、航空機の長手方向軸に平行であり、パネル112aの縁部113aを横切る方向D1に第1のパネルに沿って延伸する。ストリンガ114aは、第1のフランジから離間され、第1のパネル主面111aに取り付けられた第2のフランジ126bを含む。第1のフランジと第2のフランジとの間の隆起部分124は、第1のパネル主面から第1および第2のフランジを超えて離れて延伸する。
【0047】
ストラップ120は、第1のパネル112aを第2のパネル112bにブリッジするために、スプライスジョイント106aに重ね合わされる。ストラップ120は、ストラップの第1のパネル領域123aがストリンガ終端部115cに近接して配置されるように、ストリンガ114aに対して配置されてもよい。ストラップは、ギャップ120gでシーラントによって接合された隣接するストラップセグメントS1、S2を含んでもよい。さらに、ギャップは、シーラントを収容するための面取りされた特徴を含んでもよい。
【0048】
この例では、第1の取付具100aは、第1のストラップベース部分131aを第1のストリンガベース部分132aにブリッジする中間ベース部分133aを含む。第1の取付具は、ストラップ突起部分135aを第1のストリンガ突起部分136aにブリッジする中間突起部分134aをさらに含む。中間突起部分134aは、中間ベース部分133aから横方向に延伸し、取付具に概ね「L」形状を与える。丸みを帯びた第1のジョイント137aは、第1のストリンガベース部分を第1のストリンガ突起部分に接合し、丸みを帯びた第2のジョイント138aは、第1のストラップベース部分を第1のストラップ突起部分に接合し、丸みを帯びた第3のジョイント139aは、第1の中間ベース部分を第1の中間突起部分に接合する。
【0049】
第1のストリンガベース部分132aは、第1のストリンガの第1のフランジと接触している第1の取り付け表面141aを含む。第1のストラップベース部分は、ストラップの反対側にある第2の取り付け表面142aを含む。中間ベース部分133aは、第1のパネルに面する第3の取り付け表面143aを含む。第1のストラップベース部分は、ストラップおよび第1のパネルに面する第4の取り付け表面144aを含む。第1のストリンガ突起部分は、第1のストリンガベース部分の遠位にある第1の遠位縁部151aを含む。第1のストラップ突起部分は、第1のストラップベース部分の遠位にある第2の遠位縁部152aを有する。中間突起部分は、第1の中間ベース部分の遠位にある第3の遠位縁部153aを含む。
【0050】
取付具100aの第1のストリンガ突起部分136aは、隆起ストリンガ部分124に近接して、好ましくは0.09~0.1インチの距離範囲に配置され、圧縮における取付具の安定性を提供し、ストリンガ114cおよび第1のパネル112aへの面外荷重を低減する。
【0051】
様々なベース部分と突起部分は、説明を簡単にするために、取付具の個別の部分として示されている。好ましくは、取付具は、記載された特性を有する様々な部分を備えた単一の単一構造で作られている。いくつかの例では、部分間の遷移はあまり明確に定義されていない場合がある。
【0052】
ストリンガ114aのフランジ126bに取り付けられた第2の取付具100bは、実質的に、上記の取付具100aの鏡像である。したがって、対応する部品には「a」ではなく「b」の符号が付けられる。
図3に見られるように、第2のストラップベース部分131bは、ストラップの反対側にある第2の取り付け表面142bを含む。第2のストリンガ突起部分136bは、第2のストリンガベース部分の遠位にある第1の遠位縁部151bを含む。第2のストラップ突起部分は、第2のストラップベース部分の遠位にある第2の遠位縁部152bを有する。中間突起部分134bは、第2の中間ベース部分の遠位にある第3の遠位縁部153bを含む。
【0053】
第1および第2の取付具は、第1のフランジと第2のフランジとの間に配置されたストリンガ隆起部分124に対して鏡像関係で配置されている。第1および第2のストリンガ突起部分は、示されるように、ストリンガ隆起部分124の反対側に配置され、第1および第2のストリンガベース部分は、ストリンガ隆起部分124から離れて延伸する。複数の締め具160は、取付具100a、100bをストリンガ114aのフランジ126a、126bとストラップ120、および第1のパネル112aに固定する。
【0054】
再び
図2Dを簡単に参照すると、第3の取付具100cは、ストリンガ116aの第2のフランジ127bに取り付けられている。第3の取付具は、上記の第1の取付具100aと実質的に同様である。したがって、対応する部品には対応する符号が付けられる。第3のストリンガベース部分132cは、第3のストリンガ116cの第2のフランジ127bと接触している第1の取り付け表面を含む。第3のストラップベース部分131cは、ストラップの反対側にある第2の取り付け表面143c(すなわち、露出表面)を含む。第3のストリンガ突起部分136cは、第3のストリンガベース部分の遠位にある第1の遠位縁部151cを含む。第3のストラップ突起部分は、第3のストラップベース部分の遠位にある第2の遠位縁部152cを有する。第3の中間突起部分134cは、第3の中間ベース部分の遠位にある第3の遠位縁部153cを含む。
【0055】
第2および第3の取付具は、円周方向スプライスジョイント106aの平面107aに対して鏡像の関係で配置されている。第2および第3の取付具は、ストラップ120のそれぞれの反対側に配置され、第2および第3のストリンガベース部分は、スプライスジョイント106aから反対方向に延伸する。複数の締め具160は、取付具をそれぞれのストリンガおよびストラップ、ならびにそれぞれのパネルに固定する。
【0056】
図4は、
図3の線4-4に沿って取られた概略断面図である。この図は、取付具スプライス内の取付具100bの側面図を示すスプライスジョイントの一部の例を表す。この例は、ジョイントスプライスに使用される取付具の代表的なものである。
【0057】
この例では、第2のストリンガベース部分132bの第1の取り付け表面141bは、第1のパネル112aに取り付けられた第2のフランジ126bと接触し、第1のパネルの第1の縁部に垂直な第1の平面P1の第1の線146に沿って延伸する。平面P1は、
図4のビューの平面に対応する。第2のストラップベース部分131bは、第1のパネル112aに取り付けられたストラップ120の第2の表面の第1のパネル領域123aと接触し、平面P1の第2の線147に沿って延伸する。ストラップの反対側の第2の取り付け表面142bは、第2の線147に平行な第1の平面P1内のストラップに沿って延伸する。パネル112aに面する中間ベース部分133bの第3の取り付け表面143bは、平面P1の第3の線148に沿って延伸する。第2の線147は、第1の線146を横切っており、第3の線148は、第1の線146および第2の線147の両方を横切っている。
【0058】
図4に示すように、取付具の第2のストラップベース部分は、第2のストラップ表面に面し第2の取り付け表面142bと反対側にある第4の取り付け表面144bを含む。第4の取り付け表面は、第2の取り付け表面に実質的に平行であり、したがって、第2のストラップベース部分131bは、第2の線147に沿って一定の厚さを有する。
【0059】
第2のストリンガベース部分132bは、ストラップから離れるに従って先細になる第2のフランジに沿った厚さを有する。換言すれば、第2のストリンガベース部分の厚さは、ストラップからの距離が増加するにつれて次第に狭くなる。一例では、先細りは、40:1のランプ率を含んでもよい。ストリンガベース部分は、ストラップから離れる方向に第1の線146に沿って40mmの距離を横断した後に、第1の表面に直交する方向に1mmに対応する比率で厚さが減少する。
【0060】
第1のストリンガ突起部分136bの第1の遠位縁部151bは、第1の縁線156bに沿って延伸し、第1の線146に平行である。第2のストラップ突起部分135bの第2の遠位縁部152bは、第2の線147に平行な第2の縁線157bに沿って延伸する。中間突起部分134bの第3の遠位縁部153bは、第3の線148に平行な第3の縁線158bに沿って延伸する。
【0061】
第2の線147は、第1の線146と第1の鋭角B1を形成する。第3の線148は、第1の線146と第2の鋭角B2を形成する。第2の縁線は、第1の縁線と第1の鋭角B1を形成する。第3の縁線は、第1の縁線と第2の鋭角B2を形成する。一例では、第1の鋭角は、第2の鋭角よりも小さくてもよい。ストリンガベース部分の取り付け表面141bがストリンガフランジ126bの接触面と同一平面上にあるときに、ストラップベース部分の取り付け表面144bがストラップ第2の表面と同一平面になるように、鋭角B1およびB2が選択される。他の例では、第1の鋭角は、第2の鋭角よりも大きくてもよい。
【0062】
取付具の上記の相対的な角度の付いた部分は、取付具100bの設計に組み込まれており、これにより、フランジ126bおよびストラップの第1のパネル領域の表面に対して取付具を操作して、取り付け表面をストリンガ表面およびストラップ表面と嵌合させることを可能にする。取付具100bは、一点鎖線で示される位置A1から矢印AAで示される方向に位置A2に移動されて、ストラップベース部分とストラップの第1のパネル領域との連続的な嵌合を得て、矢印BとB’との間の距離で表されるギャップを排除することができる。中間ベース部分133bは、胴体構造スプライスにおけるストラップおよびストリンガフランジの厚さ、相対位置、および向きの違いを具体的に考慮し、全体的なシムレススプライスジョイントを容易にする。
【0063】
図5に示す例では、ストリンガ114mが、第1のパネル112aの第1の主面111aに取り付けられている。ストリンガ114mは、キャップ部分114m1と、キャップ部分の対向する側面部分から延伸する第1および第2の側壁114m2、114m3を含む帽子形状の構造を有する。
【0064】
ストリンガ114mは、第1の側壁114m2から延伸する第1のフランジ126m、および第2の側壁114m3から延伸する第2のフランジ126nをさらに含む。第1および第2のフランジ126mおよび126nは、反対方向に互いに離れて延伸し、キャップ部分114m1に平行にすることができる。例えば、第1のフランジと第2のフランジは同一平面上にあり、キャップ部分によって一般的に定義される平面に平行な平面を定義することができる。第1および第2のフランジ126m、126nは、図に見られるように、ストリンガ114mが第1のパネルを補強、剛性化、および強化するように第1のパネル112aに取り付けられるそれぞれの底面を有する。例示的な取付具100aは、ストリンガをパネル112aにさらに固定するために、締め具160によってフランジ126mに取り付けられている。締め具は、好ましくは、取付具の突起部分135aの始点から0.09~0.11インチの範囲の距離170で固定されてもよい。取付具は、好ましくは、第2の側壁114m2から0.09~0.11インチの範囲の距離180で取り付けられてもよい。
【0065】
図5に示す例では、第1および第2の側壁114m2、114m3は、キャップ部分114m1から延伸し、パネルと接触して、接合部で鋭角を形成する。他の例では、第1および第2の側壁114m2および114m3は、パネルと鈍角または実質的に直角を形成することができる。第1の接合部114j1におけるパネル112aと第1の側壁114m2との間の角度は、第2の接合部114j2におけるパネル112aと第2の側壁114m3との間の角度に等しくてもよいし、等しくなくてもよい。さらに、複合接着材料114c1、114c2は、第1のパネルおよび第1のストリンガに対する接着剤取り付けにおいて第1のパネルと第1のストリンガとの間で、それぞれ第1および第2の接合部に沿って延伸する。複合接着材料は、第1のパネルと第1および第2の接合部のストリンガ側壁との間の空間に実質的に一致する形状を有するために複数の複合層を有してもよい。
【0066】
B.段付き縁部を有する例示的なスプライス
図6Aおよび
図6Bに示すように、このセクションは、例示的なスプライス取付具600について説明する。スプライス取付具600は、上記のような熱可塑性の円周方向スプライスを構築するために使用できる取付具の別の例である。スプライス取付具600は、上記の実施例Aで説明したスプライス取付具100a~dと実質的に同様である。したがって、対応する部品には対応する符号が付けられる。スプライス取付具100a~dとは異なる取付具600のこれらの態様を以下に説明する。
【0067】
ストラップ120および第1のパネル112aに取り付けられたストリンガフランジ126bに取り付けられた取付具600の断面図は、
図6Aに示されている通りである。ストリンガベース部分632の第1の取り付け表面641は、ストリンガフランジ126bと接触している。ストラップベース部分631の第2の取り付け表面642は、ストラップの第1のパネル領域の反対側にある。中間ベース部分の第3の取り付け表面643は、ストラップの第1のパネル領域に面している。さらに、ストラップベース部分631は一定の厚さを有し、ストラップベース部分631の第4の取り付け表面644は、第2の取り付け表面と反対であり、ストラップの第1のパネル領域に面し、それから離間している。
【0068】
図2Bを参照して上記のストラップ120を参照して述べたように、第2のストラップ表面123の第1のパネル領域123aは、第1のパネルの第1の縁部の遠位にあるストラップ縁部123a2で終了する。ストラップ縁部123a2は、第1のストラップ表面121から離間している。ストラップは、第1のストラップ表面および第2のストラップ表面のそれぞれを接続し、それらを横切るストラップ側面123f1を含む。
【0069】
図6Aに示すように、ストラップベース部分は、第4の取り付け表面を横切る第1の厚さT2を有する。中間ベース部分は、第3の取り付け表面を横切る第2の厚さT3を有する。この例では、第1の厚さT2は第2の厚さT3よりも小さい。第1の厚さT2は、好ましくは、第2の厚さT3の少なくとも10分の1である。
【0070】
第1の取付具600は、第3の取り付け表面643を第4の取り付け表面644に接続する取付具端面660を含む。換言すれば、取付具端面660は、第3の取り付け表面を第4の取り付け表面に接合する段付き取付具縁部を表し、取付具端面660は、ストラップ側面123f1に面している。一例では、取付具端面660は、ギャップG1によってストラップ側面123f1から離間されている。ギャップG1は、好ましくは約0.25インチ以下である。
【0071】
取付具600の上記の段付き縁部は、取付具600の設計に組み込まれており、これにより、フランジ126bおよびストラップの第1のパネル領域の表面に沿った取付具の操作をして、取り付け中に取り付け表面を表面フランジおよびストラップ表面と嵌合させることを可能にする。
図6Bに示すように、ギャップG1は、第4の取り付け表面の表面がストラップの第1のパネル領域と接触するまで、取付具600をスプライスジョイントに向かって(図に示すように右側に)移動できる空間を提供する。段付き縁部の特徴は、胴体構造スプライスのストラップとストリンガフランジの厚さと方向の違いを具体的に考慮し、全体的なシムレススプライスジョイントの構築を容易にする。
【0072】
C.胴体構造を作製する例示的方法
このセクションは、胴体構造を作製するための例示的方法700のステップを説明する。
図7を参照されたい。前述のスプライス取付具、ストリンガ、ストラップ、および/または胴体構成要素の態様は、以下に説明する方法ステップで利用することができる。必要に応じて、各ステップの実行に使用できる構成要素およびシステムを参照することができる。これらの参照は説明のためのものであり、方法の特定のステップを実行するための可能な方法を限定することを意図したものではない。
【0073】
図7は、例示的な方法で実行されるステップを示すフローチャートであり、完全なプロセスまたは例示された方法を含む他のプロセスのすべてのステップを列挙しない場合がある。方法700の様々なステップが以下に説明され、
図7に示されているが、ステップは必ずしもすべて実行される必要はなく、場合によっては、同時に、または示されている順序とは異なる順序で実行されてもよい。
【0074】
ステップ710は、第1のパネル112aの第1の縁部113aに沿ってストラップ120の第1のパネル領域123aを配置するステップを含む。ストラップは、第1のパネル主面111aと接触するストラップ第1の表面121を有する。ストラップ第2の表面123の第1のパネル領域123aは、第1のパネルの第1の縁部113aから離れるに従って第1のパネルに向かって先細になり、ストラップ第1の表面に対して第1の角度で第1のパネルの第1の縁部から離れて延伸する。いくつかの例では、ステップ710は、ストラップを形成するために、第1のパネルの第1の縁部に沿って複数のストラップセグメントを順次配置するステップをさらに含む。
【0075】
オプションのステップ712は、取付具が取り付けられる前に、ストラップを第1のパネルに直接接続するステップを含む。ストラップ第1の表面は、第1のパネル主面と接触しており、一般に、取り付けのための連続的な接触領域を提供するために、滑らかで連続的な表面を有する。ストラップは、ストラップおよび第1のパネルを通って延伸する複数の締め具160を用いて第1のパネルに接続することができる。他の例では、ストラップは、第1のパネルに接合または接合され固定されてもよい。
【0076】
ステップ714は、第1のストリンガが第1のパネルの第1の縁部から離れて延伸する状態で、第1のストリンガ114aの第1のフランジ126aを第1のパネルに取り付けるステップを含む。第1のストリンガの第1のフランジは、第1のフランジおよび第1のパネルを通って延伸する複数の締め具160を用いて第1のパネルに接続されてもよい。いくつかの例では、ステップ714は、複合接着材料を塗布することによって、第1のストリンガを第1のパネルに接着剤で取り付けるステップをさらに含む。
図5に示すように、接着材料は、第1のパネルと第1のストリンガとの間の接合部に沿って延伸してもよい。
【0077】
ステップ716は、第1のストリンガ114aの第1のフランジ126a上に第1の取付具100bの第1のストリンガベース部分132bを配置するステップを含む。
図4に示すように、第1のストリンガベース部分は、第1のパネルの第1の縁部に垂直な第1の平面P1内に延伸する第1の線146に沿って延伸してもよい。第1のストリンガベース部分は、ストラップから離れるに従って先細になる第1のフランジに沿った厚さを有してもよい。第1のストリンガベース部分は、第1のフランジと接触している第1の取り付け表面141bを有してもよい。第1の取り付け表面は、第1の線に平行に延伸してもよい。
【0078】
ステップ718は、取付具100bのストラップベース部分131bをストラップ上に配置するステップを含む。第1のストラップベース部分は、第1の平面P1内に延伸する第2の線147に沿って延伸してもよい。第2の線は、第1の角度B1で第1の線を横切ってもよい。一例では、第1のストラップベース部分は、第2の線に沿って一定の厚さを有してもよい。第1のストラップベース部分は、ストラップの反対側にある第2の取り付け表面142bを有してもよい。第2の取り付け表面は、第2の線に平行にストラップに沿って延伸してもよい。第1のストラップベース部分は、ストラップに面する第3の取り付け表面144bを有してもよい。いくつかの例では、ステップ718は、ストラップベース部分の第3の取り付け表面とストラップとの間の連続的な接触を得るために、第1の取付具をストラップに近づけたり、ストラップから遠ざけたりするステップをさらに含む。この特徴は、第1の取付具のストラップベース部分の表面をストラップ第2の表面と連続的に接触させることにより、胴体構造を作製する方法中のシムまたはフィラーの必要性を低減する。
【0079】
ステップ720は、第1の取付具100bの第1のストリンガベース部分132bを第1のストリンガ114aの第1のフランジ126bに接続するステップを含む。第1のストリンガベース部分は、第1のストリンガベース部分および第1のフランジを通って延伸する締め具160を含むがこれらに限定されない任意の効果的な方法によって第1のフランジに接続されてもよい。
【0080】
ステップ722は、第1のストラップベース部分131aをストラップ120に接続するステップを含む。第1のストラップベース部分は、第1のストラップベース部分およびストラップを通って延伸する締め具160を含むがこれらに限定されない任意の効果的な方法によってストラップに接続されてもよい。いくつかの例では、ステップ722は、ストラップを介して第1のストラップベース部分をパネルに接続するステップを含んでもよく、これはまた、ストラップをパネルに接続してもよい。
【0081】
D.段付き縁部を有するスプライスを使用する例示的方法
このセクションは、ストラップに対して取付具を配置するための例示的な方法800のステップを説明する。
図8を参照されたい。前述のスプライス取付具、ストリンガ、ストラップ、および/または胴体構成要素の態様は、以下に説明する方法ステップで利用することができる。必要に応じて、各ステップの実行に使用できる構成要素およびシステムを参照することができる。これらの参照は説明のためのものであり、方法の特定のステップを実行するための可能な方法を限定することを意図したものではない。
【0082】
図8は、例示的な方法で実行されるステップを示すフローチャートであり、完全なプロセスまたは方法のすべてのステップを列挙していない場合がある。方法800の様々なステップが以下に説明され、
図8に示されているが、ステップは必ずしもすべて実行される必要はなく、場合によっては、同時に、または示されている順序とは異なる順序で実行されてもよい。
【0083】
方法800は、方法700のステップ718で実行され得るステップの例であってもよい。ステップ802は、ストラップ120に対して第1の取付具600を配置するステップを含む。第1の取付具は、
図6Aおよび
図6Bに示すように、第1のストリンガベース部分632、第1のストラップベース部分631、ならびに段付き取付具縁部660を有する。第1の取り付け表面641は、段付き取付具縁部によって第3の取り付け表面644に接合されてもよい。この例では、ストラップ第1の表面121は、ストラップの側面123f1によってストラップ第2の表面123に接続されている。第1の取付具は、段付き取付具縁部がストラップの側面に面するようにストラップに対して配置される。
【0084】
ステップ804は、取付具の段付き取付具縁部がストラップ側面に向かってまたは離れるように移動するように、取付具をストリンガフランジに沿って移動させるステップを含む。取付具を適切に動かして、取付具のストラップベース部分の表面をストラップ第2の表面と連続的に接触させる。取付具のこの操作は、ストラップベース部分の表面がストラップ第2の表面と連続的に接触しているので、胴体構造を作製する方法中のシムまたはフィラーの必要性を低減する。
【0085】
例示的な組み合わせおよび追加の実施例
このセクションでは、胴体構造スプライスの追加の態様と特徴について説明する。これらは一連の段落として制限なく提示され、その一部またはすべては、明確さと効率のために英数字で指定できる。これらの段落のそれぞれは、任意の適切な方法で、1つまたは複数の他の段落と、および/または本出願の他の場所からの開示と組み合わせることができる。以下の段落のいくつかは、他の段落を明示的に参照し、さらに限定し、適切な組み合わせのいくつかの例を限定せずに提供する。
【0086】
A0.第1のパネル主面および第1の縁部を有する第1のパネルと、
第1のパネルに接続されたストラップであって、ストラップは第1のパネルの第1の縁部に沿って延伸し、第1のパネル主面と接触する第1のストラップ表面と、第1のパネルの第1の縁部から離れるに従って第1のパネルに向かって先細になる第2のストラップ表面とを有する、ストラップと、
第1のパネル主面に取り付けられ、第1のパネルの第1の縁部から離れて延伸し、第1のパネル主面に取り付けられた第1のフランジを有する第1のストリンガと、
第1のストリンガベース部分および第1のストラップベース部分を有する第1の取付具であって、第1のストリンガベース部分は、第1のストリンガの第1のフランジに接続され、第1のパネルの第1の縁部に垂直な第1の平面内に延伸する第1の線に沿って延伸し、第1のストラップベース部分は、第2のストラップ表面に取り付けられ、第1の平面の第2の線に沿って延伸し、第2の線は第1の線を横切り、第1のストラップベース部分は第2の線に沿って一定の厚さを有する、第1の取付具と、
を含む、胴体構造スプライス。
【0087】
A1.第1のストリンガベース部分は、第1のフランジと接触し、かつ第1の線に平行に延伸する第1の取り付け表面を有し、第1のストラップベース部分は、ストラップの反対側にある第2の取り付け表面を有し、第2の取り付け表面は、第2の線に平行な第1の平面内のストラップに沿って延伸する、段落A0の胴体構造スプライス。
【0088】
A2.第1のストリンガベース部分は、ストラップから離れるに従って先細になる第1のフランジに沿った厚さを有する、段落A0の胴体構造スプライス。
【0089】
A3.第1の取付具は、第1のストリンガ突起部分および第1のストラップ突起部分をさらに含み、第1のストリンガ突起部分は、第1のストリンガベース部分から横方向に延伸し、第1のストラップ突起部分は、第1のストラップベース部分から横方向に延伸し、第1のストリンガ突起部分は、第1のストリンガベース部分の遠位にあって、第1の線に平行な第1の縁線に沿って延伸する第1の遠位縁部を有し、第1のストラップ突起部分は、第1のストラップベース部分の遠位にあって、第2の線に平行な第2の縁線に沿って延伸する第2の遠位縁部を有し、第1の遠位縁部は、第2の遠位縁部を横切って延伸する、段落A0の胴体構造スプライス。
【0090】
A4.第1の取付具は、第1のストリンガベース部分を第1のストリンガ突起部分に接合する丸みを帯びた第1のジョイントと、第1のストラップベース部分を第1のストラップ突起部分に接合する丸みを帯びた第2のジョイントと、を含む、段落A3の胴体構造スプライス。
【0091】
A5.第1のストリンガは、第1のフランジから離間し、かつ第1のパネル主面に取り付けられた第2のフランジと、第1のパネルから離れて第1および第2のフランジを超えて延伸する第1および第2のフランジの間の隆起部分と、を含み、胴体構造スプライスは、
第2のストリンガベース部分および第2のストラップベース部分を有する第2の取付具であって、第2のストリンガベース部分は、第1のストリンガの第2のフランジに接続され、第1のパネルの第1の縁部に垂直な第2の平面内で延伸する第3の線に沿って延伸し、第2のストラップベース部分は、第2のストラップ表面に取り付けられ、第2の平面の第4の線に沿って延伸し、第4の線は第3の線を横切り、第2のストラップベース部分は第4の線に沿って一定の厚さを有する、第2の取付具
をさらに含む、段落A0の胴体構造スプライス。
【0092】
A6.第2のストリンガベース部分は、第2のフランジと接触し、かつ第3の線に平行に延伸する第3の取り付け表面を有し、第2のストラップベース部分は、ストラップの反対側にある第4の取り付け表面を有し、第4の取り付け表面は、第4の線に平行な第2の平面でストラップに沿って延伸する、段落A5の胴体構造スプライス。
【0093】
A7.第1および第2の取付具は、第1および第2の平面に平行であって、第1および第2の平面の間に配置された第3の平面に対して鏡像関係で配置される、段落A5の胴体構造スプライス。
【0094】
A8.第2のパネル主面および第2の縁部を有する第2のパネルであって、ストラップの第1のストラップ表面が第2のパネル主面と接触し、第1のパネル主面が第2のパネル主面と位置合わせされてスプライスジョイントを形成するために、第2の縁部は、第1のパネルの第1の縁部と縁部に沿って位置合わせされて配置される、第2のパネルと、
第2のパネル主面に取り付けられ、スプライスジョイントから離れて延伸し、第2のパネル主面に取り付けられた第2のフランジを有する第2のストリンガと、
第2のストリンガベース部分および第2のストラップベース部分を有する第2の取付具であって、第2のストリンガベース部分は、第2のストリンガの第2のフランジに接続され、第2のパネルの第2の縁部に垂直な第2の平面内で延伸する第3の線に沿って延伸し、第2のストラップベース部分は、第2のストラップ表面に取り付けられ、第2の平面の第4の線に沿って延伸し、第4の線は第3の線を横切り、第2のストラップベース部分は第4の線に沿って一定の厚さを有する、第2の取付具と
をさらに含む、段落A0の胴体構造スプライス。
【0095】
A9.第2のストリンガベース部分は、第2のフランジと接触し、かつ第3の線に平行に延伸する第3の取り付け表面を有し、第2のストラップベース部分は、ストラップの反対側にある第4の取り付け表面を有し、第4の取り付け表面は、第4の線に平行な第2の平面でストラップに沿って延伸する、段落A8の胴体構造スプライス。
【0096】
A10.第1の取付具は、第1のストリンガベース部分を第1のストラップベース部分に接続する中間ベース部分を含み、中間ベース部分は、第1のパネルに面する第3の取り付け表面を有し、第3の取り付け表面は、第1の平面内に延伸する第3の線に沿って延伸し、第3の線は、第1の線および第2の線を横切る、段落A0の胴体構造スプライス。
【0097】
A11.第2の線は第1の線と第1の鋭角を形成し、第3の線は第1の線と第2の鋭角を形成し、第1の鋭角は第2の鋭角よりも小さい、段落A10の胴体構造スプライス。
【0098】
A12.第1のストリンガベース部分は、第2の取り付け表面を横切る第1のストラップベース部分の厚さよりも第1の取り付け表面を横切る厚さが大きい、段落A0の胴体構造スプライス。
【0099】
A13.第1のストラップベース部分は、第2のストラップ表面に面し、かつ第1の平面の第3の線に沿って延伸する第2の取り付け表面と反対の第3の取り付け表面を含み、第3の線は第2の線に平行である、段落A12の胴体構造スプライス。
【0100】
A14.第2のストラップ表面の第1のパネル領域は、第1のパネルの第1の縁部の遠位にあるストラップ縁部で終了し、ストラップ縁部は、第1のストラップ表面から離間し、ストラップは、第1のストラップ表面を第2のストラップ表面に接続するストラップ側面を含み、第1の取付具は、第1の取り付け表面を第3の取り付け表面に接合する段付き取付具縁部をさらに含み、段付き取付具縁部はストラップ側面に面する、段落A12の胴体構造スプライス。
【0101】
A15.段付き取付具縁部は、ストラップの側面からギャップだけ離れている、段落A14の胴体構造スプライス。
【0102】
A16.第1の取付具は、第1のストリンガベース部分から横方向に延伸する第1のストリンガ突起部分をさらに含み、第1のストリンガは、第1のフランジから離間し、かつ第1のパネルに取り付けられた第2のフランジと、第1のパネルから離れて第1および第2のフランジを超えて延伸する第1および第2のフランジの間の隆起ストリンガ部分と、を含み、第1のストリンガ突起部分は、隆起ストリンガ部分に近接して配置される、段落A0の胴体構造スプライス。
【0103】
A17.第1のストリンガは、第1のフランジから離間し、かつ第1のパネルに取り付けられた第2のフランジと、第1のパネルから離れて第1および第2のフランジを超えて延伸する第1および第2のフランジの間の隆起ストリンガ部分と、を含み、胴体構造スプライスは、第1のパネルおよび第1のストリンガに対する接着剤取り付けにおいて第1のパネルと第1のストリンガとの間の接合部に沿って延伸する複合接着材料をさらに含む、段落A0の胴体構造スプライス。
【0104】
A18.ストラップは、第1のパネルの第1の縁部に沿って順次配置された複数のストラップセグメントから構成される、段落A0の胴体構造スプライス。
【0105】
B0.胴体構造スプライス用の取付具であって、胴体構造スプライスは、第1のパネル主面および第1の縁部を有する第1のパネルと、第1のパネルに接続されたストラップであって、ストラップは第1のパネルの第1の縁部に沿って延伸し、第1のパネル主面と接触する第1のストラップ表面と、第1のパネルの第1の縁部から離れるに従って第1のパネルに向かって先細になる第2のストラップ表面とを有する、ストラップと、第1のパネル主面に取り付けられ、第1のパネルの第1の縁部から離れて延伸し、第1のパネル主面に取り付けられた第1のフランジを有するストリンガと、を含み、取付具は、ストリンガベース部分およびストラップベース部分を有する細長いベースであって、ストリンガベース部分は、ストリンガの第1のフランジに接続されるように構成され、第1のパネルの第1の縁部に垂直な第1の平面内に延伸する第1の線に沿って延伸し、ストラップベース部分は、第2のストラップ表面に取り付けられるように構成され、第1の平面の第2の線に沿って延伸し、第2の線は第1の線を横切り、ストラップベース部分は第2の線に沿って一定の厚さを有する、細長いベースを含む、胴体構造スプライス用の取付具。
【0106】
B1.ストリンガベース部分は、第1のフランジと接触するように構成され、かつ第1の線に平行に延伸する第1の取り付け表面を有し、ストラップベース部分は、ストラップに沿って延伸しその反対側にある第2の取り付け表面を有し、第2の取り付け表面は、第2の線に平行な第1の平面内のストラップに沿って延伸する、段落B0の取付具。
【0107】
B2.ストリンガベース部分は、ストラップベース部分から離れるに従って先細になる第1の線に沿った厚さを有する、段落B0の取付具。
【0108】
B3.ストリンガ突起部分およびストラップ突起部分をさらに含み、ストリンガ突起部分は、ストリンガベース部分から横方向に延伸し、ストラップ突起部分は、ストラップベース部分から横方向に延伸し、ストリンガ突起部分は、ストリンガベース部分の遠位にあって、第1の線に平行な第1の縁線に沿って延伸する第1の遠位縁部を有し、ストラップ突起部分は、ストラップベース部分の遠位にあって、第2の線に平行な第2の縁線に沿って延伸する第2の遠位縁部を有し、第1の遠位縁部は、第2の遠位縁部を横切って延伸する、段落B0の取付具。
【0109】
B4.ストリンガベース部分をストリンガ突起部分に接合する丸みを帯びた第1のジョイントと、ストラップベース部分をストラップ突起部分に接合する丸みを帯びた第2のジョイントと、をさらに含む、段落B3の取付具。
【0110】
B5.ストリンガベース部分をストラップベース部分に接続する中間ベース部分をさらに含み、中間ベース部分は、第1のパネルに面する取付具第3の表面を有し、取付具第3の表面は、第1の平面内に延伸する第3の線に沿って延伸し、第3の線は第1の線および第2の線を横切る、段落B0の取付具。
【0111】
B6.第2の線は第1の線と第1の鋭角を形成し、第3の線は第1の線と第2の鋭角を形成し、第1の鋭角は第2の鋭角よりも小さい、段落B5の取付具。
【0112】
B7.ストリンガベース部分は第1の平面のストラップベース部分の厚さよりも第1の平面の厚さが大きい、段落B0の取付具。
【0113】
B8.ストラップベース部分は、第2のストラップ表面に面し、かつ第1の平面の第3の線に沿って延伸する第2の取り付け表面と反対の第3の取り付け表面を含み、第3の線は第2の線に平行である、段落B7の取付具。
【0114】
B9.第1の取り付け表面を第3の取り付け表面に接合し、ストリンガベース部分とは反対側を向く段付き取付具縁部をさらに含む、段落B8の取付具。
【0115】
B10.段落B0の取付具であって、ストリンガは、第1のパネルから離れて第1のフランジから延伸する隆起ストリンガ部分を含み、取付具は、ストリンガベース部分から横方向に延伸するストリンガ突起部分をさらに含み、取付具は、ストリンガ突起部分が隆起ストリンガ部分に近接して配置されてフランジに取り付けられるように構成される、段落B0の取付具。
【0116】
C0.第1のパネルの第1の縁部に沿ってストラップの第1のパネル領域を配置するステップであって、ストラップは、第1のパネル主面と接触するストラップ第1の表面と、第1のパネルの第1の縁部から離れるに従って第1のパネルに向かって先細になり、ストラップ第1の表面に対して第1の角度で第1のパネルの第1の縁部から離れて延伸するストラップ第2の表面と、を有する、ステップと、
第1のストリンガが第1のパネルの第1の縁部から離れて延伸する状態で、第1のストリンガの第1のフランジを第1のパネルに取り付けるステップと、
第1のストリンガベース部分が第1のパネルの第1の縁部に垂直な第1の平面内に延伸する第1の線に沿って延伸する状態で、第1のストリンガの第1のフランジ上に第1の取付具の第1のストリンガベース部分を配置するステップと、
第1のストラップベース部分が第1の平面内に延伸する第2の線に沿って延伸する状態で、第1の取付具の第1のストラップベース部分をストラップ上に配置するステップであって、第2の線は、第1の線に対して第1の角度で横切り、第1のストラップベース部分は、第2の線に沿って一定の厚さを有する、ステップと、
第1のストリンガベース部分を第1のストリンガの第1のフランジに接続するステップと、
第1のストラップベース部分をストラップに接続するステップと、を含む、
胴体構造を作製する方法。
【0117】
C1.第1のストリンガベース部分は、第1のフランジと接触し、かつ第1の線に平行に延伸する第1の取り付け表面を有し、第1のストラップベース部分は、ストラップの反対側にある第2の取り付け表面を有し、第2の取り付け表面は、第2の線に平行なストラップに沿って延伸する、段落C0の方法。
【0118】
C2.第1のストラップベース部分は、第2のストラップ表面に面し、かつ第1の平面の第3の線に沿って延伸する第2の取り付け表面と反対の第3の取り付け表面を含み、第3の線は第2の線に平行である、段落C1の方法。
【0119】
C3.第1のストリンガの第2のフランジを、第2のフランジが第1のフランジから離間されるように第1のパネルに取り付けるステップであって、隆起ストリンガ部分が、第1および第2のフランジの間に延伸し、かつ第1および第2のフランジを超えて第1のパネルから離れて延伸する、ステップと、
第2のストリンガベース部分が第1のパネルの第1の縁部に垂直な第2の平面内に延伸する第3の線に沿って延伸する状態で、第2の取付具の第2のストリンガベース部分を第1のストリンガの第2のフランジ上に配置するステップと、
第2のストラップベース部分が第2の平面内に延伸する第4の線に沿って延伸する状態で、第2の取付具の第2のストラップベース部分をストラップ上に配置するステップであって、第4の線は、第3の線に対して第1の角度で横切り、第2のストラップベース部分は、第4の線に沿って一定の厚さを有する、ステップと、
第2のストリンガベース部分を第1のストリンガの第2のフランジに接続するステップと、
第2のストラップベース部分をストラップに接続するステップと、
をさらに含む、段落C0の方法。
【0120】
C4.第2のストリンガベース部分は、第2のフランジと接触し、かつ第3の線に平行に延伸する第3の取り付け表面を有し、第1のストラップベース部分は、ストラップの反対側にある第4の取り付け表面を有し、第4の取り付け表面は、第4の線に平行な第2の平面でストラップに沿って延伸する、段落C3の方法。
【0121】
C5.第2の取付具を配置するステップは、第1の平面と第2の平面との間に平行に配置された第3の平面に対して鏡像関係で第1の取付具に対して第2の取付具を配置するステップを含む、段落C3の方法。
【0122】
C6.スプライスジョイントを形成するために第1のパネル主面を有する第1のパネルの第1の縁部と縁部に沿って位置合わせして、第2のパネル主面を有する第2のパネルの第2の縁部を配置するステップであって、第1のパネル主面が第2のパネル主面と位置合わせされる、ステップと、
ストラップの第2のパネル領域を第2のパネルの第2の縁部に沿って配置するステップであって、ストラップは、第2のパネルの第2の縁部に沿って延伸し、かつ第2のパネル主面と接触するストラップ第1の表面と、第2のパネルの第2の縁部から離れるに従って第2のパネルに向かって先細になり、ストラップ第1の表面ストラップ第1の表面に対して第1の角度で第2のパネルの第2の縁部から離れて延伸する、ストラップ第2の表面とを有する、ステップと、
第2のストリンガの第2のフランジを第2のパネルに取り付けるステップであって、第2のストリンガがスプライスジョイントから離れるように延伸する、ステップと、
第2のストリンガベース部分が第2のパネルの第2の縁部に垂直な第2の平面内に延伸する第3の線に沿って延伸する状態で、第2の取付具の第2のストリンガベース部分を第2のストリンガの第2のフランジ上に配置するステップと、
第2の取付具の第2のストラップベース部分をストラップ上に配置するステップであって、第2のストラップベース部分は第2の平面に延伸する第4の線に沿って延伸し、第4の線は第1の角度で第3の線を横切り、第2のストラップベース部分は第4の線に沿って一定の厚さを有する、ステップと、
第2のストリンガベース部分を第2のストリンガの第2のフランジに接続するステップと、
第2のストラップベース部分をストラップに接続するステップと、
をさらに含む、段落C0の方法。
【0123】
C7.第2のストリンガベース部分は、第2のフランジと接触し、かつ第3の線に平行に延伸する第3の取り付け表面を有し、第1のストラップベース部分は、ストラップの反対側にある第4の取り付け表面を有し、第4の取り付け表面は、第4の線に平行な第2の平面でストラップに沿って延伸する、段落C6の方法。
【0124】
C8.第1の取り付け表面は、段付き取付具縁部によって第3の取り付け表面に接合され、第1の取付具を配置するステップは、段付き取付具縁部がストラップ第1の表面をストラップ第2の表面に接続するストラップ側面に面するように、第1の取付具を配置するステップを含む、段落C2の方法。
【0125】
C9.段付き取付具縁部がストラップ側面に面するように第1の取付具を配置するステップは、段付き取付具縁部がストラップ側面からギャップによって離間されて、第1の取付具を配置するステップを含む、段落C8の方法。
【0126】
C10.第1の取付具は、第1のストリンガベース部分から横方向に延伸する第1のストリンガ突起部分をさらに含み、第1のストリンガは、第1のフランジから離間し、かつ第1のパネルに取り付けられた第2のフランジと、第1のパネルから離れて第1および第2のフランジを超えて延伸する第1および第2のフランジの間の隆起ストリンガ部分と、を含み、方法は、第1のストリンガ突出部分を隆起ストリンガ部分に近接して配置するステップをさらに含む、段落C0の方法。
【0127】
C11.第1のストリンガは、第1のフランジから離間した第2のフランジと、第1のパネルから離れて第1および第2のフランジを超えて延伸する第1および第2のフランジの間の隆起ストリンガ部分と、を含み、方法は、第1のストリンガの第2のフランジを第1のパネルに取り付けるステップと、第1のパネルと第1のストリンガとの間の接合部に沿って延伸する複合接着材料を適用することによって第1のパネルを第1のストリンガに接着して取り付けるステップをさらに含む、段落C0の方法。
【0128】
C12.ストラップを配置するステップは、第1のパネルの第1の縁部に沿って複数のストラップセグメントを順次配置するステップを含む、段落C0の方法。
【0129】
利点、特徴、および利益
本明細書に記載されている取付具の異なる例は、胴体構造スプライスを作作製するための公知の解決策に勝るいくつかの利点を提供する。例えば、本明細書に記載の例示的な例は、2つの異なる構成要素を接続するための個々の取付具を可能にし、通常、構成要素の特定の寸法および/または幾何学的形状に限定される必要はない。さらに、本明細書に記載の例示的な実施形態および例は、個々の取付具を操作して、締結する前に取り付け表面を構成要素表面と嵌合させることを可能にする。
【0130】
さらに、他の利点の中でも、本明細書に記載の例示的な例は、胴体構造の製造中のシムおよびフィラーの必要性を低減または排除することができ、複数の胴体部分の均一で標準化された接合を容易にすることができ、胴体構造スプライス全体に荷重伝達の連続性を提供することができる。
【0131】
既知のシステムまたは装置は、特に取り付け表面を接続先の構成要素表面に適合させるように設計された取付具構成では、これらの機能を実行することができない。したがって、本明細書に記載の例示的な例は、胴体構造スプライスに特に有用である。しかし、本明細書で説明するすべての例が同じ利点または同じ程度の利点を提供するわけではない。
【0132】
結論
上記の開示は、独立した有用性を有する複数の別個の例を包含してもよい。これらのそれぞれは、その好ましい形態で開示されているが、本明細書に開示および図示されているその特定の例は、多数の変形が可能であるため、限定的な意味で考慮されるべきではない。この開示の中でセクションの見出しが使用されている限り、そのような見出しは組織的な目的のためだけのものである。本開示の主題は、本明細書に開示する様々な要素、特徴、機能、および/または特性のすべての新規で非自明な組み合わせおよび下位の組み合わせを含む。以下の特許請求の範囲は、特に、新規で非自明であると見なされる特定の組み合わせおよび下位の組み合わせを指摘している。特徴、機能、要素、および/または特性の他の組み合わせおよび下位の組み合わせは、この出願または関連する出願の優先権を主張する出願で主張されてもよい。そのような特許請求の範囲は、元の特許請求の範囲に対する範囲においてより広い、より狭い、等しい、または異なるかどうかにかかわらず、本開示の主題に含まれるものと見なされる。
【符号の説明】
【0133】
100 スプライス取付具
100a 第1の取付具
100b 第2の取付具
100c 第3の取付具
100d 第4の取付具
101 航空機
102 胴体
104 胴体部分
106 円周方向スプライスジョイント
107 平面
108 スキン
110 長手方向軸
111a 第1のパネル主面
111b 第2のパネル主面
112a 第1のパネル
112b 第2のパネル
113a 第1の縁部
113b 第2の縁部
114 ストリンガ
116 ストリンガ
120 ストラップ
121 ストラップ第1の表面
123 ストラップ第2の表面
123a 第1のパネル領域
123b 第2のパネル領域
123c ストラップ中間領域
123a1 第1の一次縁部
123a2 第1の二次縁部
123b1 第2の一次縁部
123b2 第2の二次縁部
123f1 ストラップ第1の側面
123f2 ストラップ第2の側面
124,125 隆起部分
126,127 フランジ