(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-04-30
(45)【発行日】2025-05-12
(54)【発明の名称】段ボールトレイ
(51)【国際特許分類】
B65D 5/20 20060101AFI20250501BHJP
B65D 5/44 20060101ALI20250501BHJP
【FI】
B65D5/20 Z
B65D5/44 F
(21)【出願番号】P 2023568029
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2022058644
(87)【国際公開番号】W WO2022233509
(87)【国際公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-12-21
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520364462
【氏名又は名称】スタックパック・ベスローテン・フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】STACKPACK B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ズワハ,ローナルト
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/179930(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01604903(EP,A2)
【文献】特開2001-233317(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03744654(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00- 5/76
B65D 67/00-79/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開状態の段ボールシートから折り畳まれて形成される段ボールトレイであって、
複数の直線状縁部から構成される周縁部を有する底壁と、
前記底壁の前記直線状縁部に沿ってそれぞれ設けられた複数の壁部と、
前記周縁部に沿った少なくとも互いに対向する前記壁部に設けられた複数の第1フランジ部と、を備え、
前記底壁における対応する前記直線状縁部に対して、反対側に位置するととも
に平行に配置される前記壁部の縁部に、前記第1フランジ部が設けられ、
前記第1フランジ部は、互いに平行且つ隣接して配置されるように接続された細長い第1、第2、及び第3のフランジ部セクションを備え、
それぞれの前記第1フランジ部において、前記第1のフランジ部セクションは、対応する前記壁部に沿って配置され、前記第2のフランジ部セクションは、前記第1のフランジ部セクションに対して二重に折り畳まれ、前記第3のフランジ部セクションは、前記第2のフランジ部セクションに接続されており、
それぞれの前記第1フランジ部において、前記第3のフランジ部セクションは、前記段ボールトレイの内側において前記対応する前記壁部に接着され、前記第2のフランジ部セクションは、前記第3のフランジ部セクションから前記第1のフランジ部セクションに向かって下向きに傾斜している、ことを特徴とする
段ボールトレイ。
【請求項2】
前記第2のフランジ部セクションと前記第3のフランジ部セクションとの間の折り線は、前記底壁に対して、前記第1のフランジ部セクションと前記壁部との間の折り線の上方に間隔を空けて配置されている、
請求項1に記載の段ボールトレイ。
【請求項3】
前記第2のフランジ部セクションの幅は、前記第1のフランジ部セクションの幅よりも大きい、
請求項1または請求項2に記載の段ボールトレイ。
【請求項4】
前記第3のフランジ部セクションは、前記対応する前記壁部を覆うように前記底壁まで延びている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の段ボールトレイ。
【請求項5】
前記複数の壁部には、前記第1フランジ部と共に第2フランジ部が設けられ、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とは、周方向フランジを形成するように前記周縁部に沿って周方向に交互に配置されている、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の段ボールトレイ。
【請求項6】
前記第2フランジ部の長手方向端部は、前記第1フランジ部の前記第1のフランジ部セクションの長手方向端部と重なり合う、
請求項5に記載の段ボールトレイ。
【請求項7】
前記第2フランジ部の長手方向端部のエッジは、前記第1フランジ部の前記第2のフランジ部セクションの長手方向端部のエッジに当接する、
請求項6に記載の段ボールトレイ。
【請求項8】
互いに当接する前記第2フランジ部の長手方向端部の前記エッジと前記第1フランジ部の前記第2のフランジ部セクションの長手方向端部の前記エッジとの角度の組み合わせは、90度よりも大きい、
請求項7に記載の段ボールトレイ。
【請求項9】
展開状態の段ボールシートから折り畳まれて形成される段ボールトレイであって、
複数の直線状縁部から構成される周縁部を有する底壁と、
前記底壁の前記直線状縁部に沿ってそれぞれ設けられた複数の壁部と、
前記周縁部に沿った少なくとも互いに対向する前記壁部に設けられた複数の第1フランジ部と、を備え、
前記底壁における対応する前記直線状縁部に対して、反対側に位置するとともに平行に配置される前記壁部の縁部に、前記第1フランジ部が設けられ、
前記第1フランジ部は、細長い第1のフランジ部セクションを備え、
それぞれの前記第1フランジ部において、前記第1のフランジ部セクションは、対応する前記壁部に沿って配置され、
前記複数の壁部には、前記第1フランジ部と共に第2フランジ部が設けられ、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とは、周方向フランジを形成するように前記周縁部に沿って周方向に交互に配置され、
前記第2フランジ部の長手方向端部のエッジは、前記第1フランジ部の前記第1のフランジ部セクションの長手方向端部のエッジに当接し、
互いに当接する前記第2フランジ部の長手方向端部の前記エッジと前記第1フランジ部の前記第1のフランジ部セクションの長手方向端部の前記エッジとの角度の組み合わせは、90度よりも大きい
、
段ボールトレイ。
【請求項10】
前記底壁および前記壁部における前記段ボールトレイの内側の面と、前記第1フランジ部および前記第2フランジ部とに、ホイルが貼り合わされている、
請求項9に記載の段ボールトレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展開状態の段ボールシートから折り畳まれて形成される段ボールトレイに関する。特に、本発明は、複数の直線状縁部から構成される周縁部を有する底壁と、前記底壁の前記直線状縁部に沿ってそれぞれ設けられた複数の壁部と、前記周縁部に沿った少なくとも互いに対向する前記壁部に設けられた複数の第1フランジ部と、を備え、前記底壁における対応する前記直線状縁部に対して、反対側に位置するとともに好ましくは平行に配置される前記壁部の縁部に、前記第1フランジ部が設けられ、前記第1フランジ部は、互いに平行且つ隣接して配置されるように接続された細長い第1、第2、及び第3のフランジ部セクションを備え、それぞれの前記第1フランジ部において、前記第1のフランジ部セクションは、対応する前記壁部に沿って配置され、前記第2のフランジ部セクションは、前記第1のフランジ部セクションに対して二重に折り畳まれ、前記第3のフランジ部セクションは、前記第2のフランジ部セクションに接続されている、段ボールトレイに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような段ボールトレイは、特許文献1(国際公開第2019-179930号)から知られている。この公知の段ボールトレイでは、細長い第2のフランジ部セクションおよび第3のフランジ部セクションが外側に折り曲げられ、第3のフランジ部セクションが段ボールトレイの壁部の外面に接着されている。その結果、壁部の外面が第3のフランジ部セクションによって少なくとも部分的に覆われてしまい、壁部の表面を印刷に十分に利用できなくなる。展開状態(折り畳まれていない状態)の段ボールシートの両面に印刷することで上記の問題を解決することも必ずしもできない。なぜなら、この場合、一方の印刷面が、段ボールトレイ内で運搬される製品に接触し得るためである。さらに、両面印刷が行われる場合、段ボールトレイのコストが増大する。
【0003】
公知の段ボールトレイには、インライン用途において、フランジ部セクションを外側に折り畳むと、展開状態(折り畳まれていない状態)の段ボールシートから段ボールトレイを折り畳む可能性が妨げられるか又は少なくとも厳しく制限される、という別の欠点もある。通常、公知の段ボールトレイは、個別に折り畳まれてから、インライン充填ステーションとインラインシールステーションとを備えたコンベヤベルトなどのインライン用途に供給される必要がある。
【0004】
本発明の目的は、以上の欠点を軽減し、さらには取り除くことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
この目的は、本発明に係る段ボールトレイによって達成される。本発明は、冒頭に記載のような段ボールトレイであって、それぞれの前記第1フランジ部において、前記第3のフランジ部セクションは、前記段ボールトレイの内側において前記対応する前記壁部に接着され、前記第2のフランジ部セクションは、前記第3のフランジ部セクションから前記第1のフランジ部セクションに向かって下向きに傾斜している、ことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第3のフランジ部セクションは内側に折り畳まれて段ボールトレイの内側において壁部に接着される。この結果、壁部の外面が部分的に覆われることがなくなり、これにより、壁部の全面に亘って印刷可能になる。
【0008】
また、第3のフランジ部セクションが段ボールトレイの内側に配置されることにより、インライン用途での段ボールトレイの折り畳みが可能になる。第3のフランジ部セクションが内側に折り曲げられているため、壁部とフランジ部セクションとが折り曲げられて第3のフランジ部セクションが段ボールトレイの内側において壁部に接着されると、段ボールトレイが、片面、すなわち外側の面において支持され得る。
【0009】
下向きに傾斜した第2のフランジ部セクションは、トップシールホイル(トップシールフィルム)をシールするときに第2のフランジ部セクションを水平位置に強制することによって、張力下にあるトップシールホイルを提供することを可能にし、これにより、その後、第2のフランジ部セクションが傾斜位置に曲がることが可能になる。
【0010】
本発明に係る好ましい実施形態の段ボールトレイにおいて、
前記第2のフランジ部セクションと前記第3のフランジ部セクションとの間の折り線は、底壁に対して、前記第1のフランジ部セクションと前記壁部との間の折り線の上方に間隔を空けて配置される。
【0011】
結果として得られる第1フランジ部の断面は三角形状となり、これにより、第1フランジ部に強度が提供される。これにより、より重い製品を段ボールトレイで運んだり、より薄い段ボールシートを使用したりすることが可能になる。
【0012】
好ましくは、第2のフランジ部セクションの幅は、第1のフランジ部セクションの幅よりも大きい。
【0013】
本発明に係る別の実施形態の段ボールトレイにおいて、前記第3のフランジ部セクションは、前記対応する前記壁部を覆うように前記底壁まで延びている。
【0014】
第3のフランジ部セクションが底壁まで延びることによって、厚さの変化のない滑らかな内面が提供される。
【0015】
本発明に係るさらに好ましい実施形態の段ボールトレイにおいて、前記複数の壁部には、前記第1フランジ部と共に第2フランジ部が設けられ、前記第1フランジ部と第2フランジ部とは、周方向フランジを形成するように前記周縁部に沿って周方向に交互に配置されている。
【0016】
これにより、第1フランジ部がトップシールホイル(トップシールフィルム)に張力を与えることを可能にしつつ、周方向フランジがトップシールホイルの気密シールを可能にする。
【0017】
本発明に係るさらに別の好ましい実施形態の段ボールトレイにおいて、前記第2フランジ部の長手方向端部は、前記第1フランジ部の前記第1のフランジ部セクションの長手方向端部と重なり合う。
【0018】
重なり合う部分は、互いに接着されてもよく、これにより、周方向フランジの強度がさらに高められるとともに、水平面において第1フランジ部の第2のフランジ部セクションを第2フランジ部に位置合わせすることが可能になる。これにより、トップシールホイル(トップシールフィルム)のための平らで連続したシール面が提供される。
【0019】
重なり合う長手方向端部を接着するための接着剤は、糊、ホットメルト、又はシールラッカーであってもよい。シールラッカーが使用される場合、シールラッカーを温める発熱体からの熱は、段ボールによって緩められ得る。このような場合、発熱体と直接接触する長手方向端部に穴またはスリットが設けられてもよく、これにより、発熱体からの熱は、2つの長手方向端部の間の接触面に存在するシールラッカーに向かって伝わりやすくなる。好ましくは、前記第2フランジ部の長手方向端部のエッジは、前記第1フランジ部の前記第2のフランジ部セクションの長手方向端部のエッジに当接する。
【0020】
本発明に係る別の実施形態の段ボールトレイにおいて、互いに当接する2つの長手方向端部のエッジの角度の組み合わせは、90度よりも大きい。当該角度の組み合わせが90度よりも大きいことにより、互いに当接する2つの長手方向端部のエッジは、下向きに傾斜した第2のフランジ部セクションを支持し、これにより、第3のフランジ部セクションに全ての張力がかからなくなる。
【0021】
本発明に係るさらに別の実施形態段ボールトレイでは、それぞれの前記第1フランジ部から前記第2のフランジ部セクションと前記第3のフランジ部セクションとが取り除かれており、前記第2フランジ部の長手方向端部のエッジは、前記第1フランジ部の前記第1のフランジ部セクションの長手方向端部のエッジに当接し、互いに当接する2つの長手方向端部のエッジの角度の組み合わせは、90度よりも大きい。
【0022】
前記角度の組み合わせが90度よりも大きいことにより、互いに当接する2つの長手方向端部のエッジが、下向きに傾斜した第1のフランジ部セクションを確実に支持するため、第2および第3のフランジ部セクションによる更なる支持がなくても、トップシールホイル(トップシールフィルム)における張力が維持され得る。
【0023】
好ましくは、前記底壁および前記壁部における前記段ボールトレイの内側の面と、前記第1フランジ部および前記第2フランジ部とに、ホイル(フィルム)が貼り合わされる(ラミネートされる)。このように貼り合わされるホイル(ラミネートホイル、ラミネートフィルム)により、長手方向端部のエッジが当接位置に維持され、第1フランジ部が下向き傾斜位置に維持される。これにより、トップシールホイル(トップシールフィルム)を配置する前に、フランジ部が所望の位置に維持されることが保証される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、添付図面と併せて、本発明の上記の特徴およびその他の特徴が説明される。
【0025】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の段ボールトレイの展開状態のシートを示す。
【
図2】折り畳まれた状態における
図1の段ボールトレイの断面図を示す。
【
図3】折り畳まれた状態における
図1の段ボールトレイを下から見た斜視図である。
【
図4】折り畳まれた状態における
図1の段ボールトレイを上から見た斜視図である。
【
図5】本発明に係る第2実施形態の段ボールトレイの展開状態のシートを示す。
【
図6】折り畳まれた位置における
図5の段ボールトレイの斜視図を示す。
【
図7】本発明に係る第3実施形態の段ボールトレイの展開状態のシートを示す。
【
図8】折り畳まれた状態における
図7の段ボールトレイの断面図を示す。
【
図9】本発明に係る第4実施形態の段ボールトレイの展開状態のシートを示す。
【
図10】折り畳まれた位置における
図9の段ボールトレイの斜視図を示す。
【
図11A】本発明に係る第5実施形態の段ボールトレイの詳細を示す。
【
図12】本発明に係る第6実施形態の段ボールトレイの断面図を示す。
【
図13】第3のフランジ部セクションを壁部に接着する第1の方法を概略的に示す。
【
図14】第3のフランジ部セクションを壁部に接着する第2の方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明に係る第1実施形態の段ボールトレイの展開状態(折り畳まれていない状態)のシート(段ボールトレイ1)を示す。シート(段ボールトレイ1)は、底壁2と、底壁2に取り付けられた4つの壁部3とを有する。4つの壁部3には、互いに位置決めされるために用いられる複数の接着フラップ4が設けられている。これらの接着フラップ4は、隣接する壁部3の外側または内側の面に折り重ね可能である。なお、特に段ボールトレイ(シート)1の内側の面にホイル(フィルム)が貼り付けられる(ラミネートされる)場合、接着フラップ4は省略されてもよい。
【0027】
底壁2における互いに対向する2つの側方部には第1フランジ部5,6,7が配置され、底壁2における互いに対向する別の2つの側方部には第2フランジ部8が配置されている。
【0028】
図2は、本発明に係る段ボールトレイに折り畳まれた状態のシート(段ボールトレイ1)の断面図を示す。第1フランジ部5,6,7は、段ボールトレイから外側に延びる細長い第1のフランジ部セクション5と、第1のフランジ部セクション5に対して二重に折り畳まれる細長い第2のフランジ部セクション6と、壁部3上において段ボールトレイの内側の面に折り畳まれる細長い第3のフランジ部セクション7とを有する。
【0029】
第1のフランジ部セクション5の幅w1は、第2のフランジ部セクション6の幅w2よりも小さく、第2のフランジ部セクション6は下向きに傾斜している。折り目9は、第1フランジ部5,6,7において三角形の断面が形成されるように、折り目10の上に間隔を空けて配置されている。幅w1と幅w2との比率を変えることにより、第2のフランジ部セクション6の傾斜角度が規定(変更)され得る。好ましくは、第2のフランジ部セクション6の傾斜角度は、約20度以上約30度以下である。ただし、第2のフランジ部セクション6の傾斜角度は、0度に近い角度であってもよい。
【0030】
図3は、折り畳まれた状態の段ボールトレイ1を下から見た図である。第2のフランジ部セクション6の長手方向端部11は、第2フランジ部8の長手方向端部12と重なっている。
図3に示すように、長手方向端部12は長手方向端部11の下側に位置する(
図4も参照)。2つの長手方向端部11,12を互いに接着することにより、さらなる強度が得られる。フランジ部を折り畳む際にフランジ部同士を互いに取り付けるために、例えば糊、ホットメルト、又はシールラッカーなどの接着剤が長手方向端部11,12に提供(塗布)されてもよい。段ボールトレイ1が充填された後に適用されるトップシール処理中に、フランジ部同士が互いに取り付けられてもよい。
【0031】
図5は、本発明に係る第2実施形態の段ボールトレイの展開状態(折り畳まれていない状態)のシート(段ボールトレイ20)を示す。段ボールトレイ(シート)20は、底壁21と、壁部22と、第1フランジ部23,24,25と、第2フランジ部26,27,28とを有する。第1フランジ部23,24,25と、第2フランジ部26,27,28とは、底壁21の周方向において交互に配置されている。
【0032】
第1フランジ部23,24,25及び第2フランジ部26,27,28のそれぞれは、折り畳まれた状態の段ボールトレイ20から外側に延びる第1のフランジ部セクション23,26と、第1のフランジ部セクション23,26に対して二重に折り畳まれる第2のフランジ部セクション24,27と、それぞれに対応する壁部22に対して段ボールトレイ20の内側に折り畳まれる第3のフランジ部セクション25,28とを有する(
図6も参照)。
【0033】
第1のフランジ部セクション23は、第2のフランジ部セクション27の長手方向端部30と重なる長手方向端部29を有する。これにより、例えばトップホイルの気密封止のために、平坦で途切れのない周縁フランジが提供される。
【0034】
図7は、本発明に係る第3実施形態の段ボールトレイの展開状態(折り畳まれていない状態)のシート(段ボールトレイ40)を示す。段ボールトレイ(シート)40は、底壁41と、複数の接着フラップ43を備えた壁部42と、第1フランジ部44,45,46及び第2フランジ部47とを有する。
【0035】
図8Aに示されるように、第1フランジ部44,45,46は、外側に延びる第1のフランジ部セクション44と、第1のフランジ部セクション44に対して二重に折り畳まれた第2のフランジ部セクション45と、壁部42上において段ボールトレイ40の内側に折り畳まれた第3のフランジ部セクション46とを有する。
【0036】
図8Bは、
図8Aの変形例を示す。
図8Bの例では、底壁41上、壁部42上、および第2のフランジ部セクション45上に、さらにホイル(フィルム)47が貼り合わされる(ラミネートされる)。ホイル47は、第1フランジ部44,45,46を下向きの傾斜位置に維持するのに寄与する。
【0037】
図9は、本発明に係る第4実施形態の段ボールトレイの展開状態(折り畳まれていない状態)のシート(段ボールトレイ60)を示す。
【0038】
段ボールトレイ(シート)60は、底壁61と、接着フラップ63を備えた壁部62と、互いに対向配置された一対の第1フランジ部64,65,66と、互いに対向配置された一対の第2フランジ部67とを有する。
【0039】
第2フランジ部67は、長手方向端部68を有する。第2フランジ部67の長手方向端部68は、第1のフランジ部セクション64の長手方向端部69と重なる。第2フランジ部67の長手方向端部68のエッジ(縁部)は、第2のフランジ部セクション65の長手方向端部のエッジ(縁部)70に当接する。
【0040】
長手方向端部のエッジ70の角度αと長手方向端部68のエッジの角度βとの組み合わせは、90度よりも大きく、その結果、第2のフランジ部セクション65および第2フランジ部67の両方が下向きに傾斜するように付勢される。
【0041】
図11A~
図11Cは、本発明に係る第5実施形態の段ボールトレイ80を示す。段ボールトレイ80は、底壁81と、複数の壁部82とを有する。それぞれの壁部82の上面には、第1のフランジ部セクション83,84が設けられている(第2のフランジ部セクションおよび第3のフランジ部セクションは取り除かれている(設けられていない))。
【0042】
第1のフランジ部セクション83の長手方向端部のエッジ(縁部)85は角度αを有し、第1のフランジ部セクション84の長手方向端部のエッジ(縁部)86は角度βを有する。
【0043】
段ボールトレイ80が金型(図示せず)内に配置されると、長手方向端部のエッジ(縁部)85,86同士が互いに押し付けられる(
図11B参照)。底壁(底部)81、壁部82、及びフランジ部83にホイル(フィルム)87を貼り合わせる(ラミネートする)ことにより、この位置が固定される。さらに角度αと角度βとの組み合わせが90度よりも大きい場合、フランジ部83,84は、段ボールトレイに追加の強度を提供するように下向きに傾斜する。
【0044】
図12は、本発明に係る第6実施形態の段ボールトレイ90の断面図を示す。 段ボールトレイ90は、直立した壁部92を備えた底壁91を有する。壁部92の上部には、第1フランジ部93,94,95が配置されている。第1フランジ部は、外側に延びる第1のフランジ部セクション93と、第1のフランジ部セクション93に対して二重に折り畳まれた第2のフランジ部セクション94と、壁部92の全高に沿って段ボールトレイ90の内側に延びる第3のフランジ部セクション95とを有する。これにより、段ボールトレイ90が外側と内側の両方に途切れのない表面を有することが保証される。フランジを下向きの傾斜位置に維持するのに寄与するために、底壁91、壁部92、および第2のフランジ部分セクション94にホイル(フィルム)96が貼り合わされている。
【0045】
図13は、
図1および
図2に示す段ボールトレイ1の壁部3に第3のフランジ部セクション7を接着する第1の方法を概略的に示す。下型100と上下に移動可能な上型101とが設けられている。下型100には、凹部102と、凹部102に隣接するエッジ103とが設けられている。上型101は、下型100とは逆の形状を備え、エッジ103と協働するフランジ104を有する。
【0046】
エッジ103及びフランジ104は下向きに傾斜しており、段ボールトレイ1が上型101と下型100との間でプレスされると、第3のフランジ部セクション7が壁部3に接着される。接着剤が硬化すると、段ボールトレイ1は、下向きに傾斜したフランジ部5,6,7を備えた形状を維持する。
【0047】
図14は、第3のフランジ部セクション7を壁部3に接着する第2の方法を概略的に示す。この目的のために、上記と同じ上型101が、横向きに移動可能な2つの支持レール105,106と組み合わせて使用される。段ボールトレイ1のフランジ部5,6,7がフランジ104と支持レール105,106との間で圧縮され、接着剤が硬化された後、支持レール105,106は、例えばコンベア上に段ボールトレイ1が落下し得るように横向きに動かされる。