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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-01
(45)【発行日】2025-05-13
(54)【発明の名称】モーアのカッターブレード
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/73 20060101AFI20250502BHJP
   A01D 34/64 20060101ALI20250502BHJP
   A01D 34/68 20060101ALI20250502BHJP
【FI】
A01D34/73 101
A01D34/64 A
A01D34/68 K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019095355
(22)【出願日】2019-05-21
(65)【公開番号】P2020188712
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-06-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】伊東 寛和
(72)【発明者】
【氏名】汐月 資純
【合議体】
【審判長】有家 秀郎
【審判官】古屋野 浩志
【審判官】西田 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-237624(JP,A)
【文献】特開2005-237252号公報(JP,A)
【文献】実開昭59-172519(JP,U)
【文献】実開昭60-68936(JP,U)
【文献】特開2014-135911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/412-34/90
A01D 43/06 -43/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーアのハウジングの内部に設けられ、上下向き軸心回りに回転駆動されるカッターブレードであって、
ブレード本体と、
前記ブレード本体の回転方向前端部の少なくとも一部に設けられた刃部と、
前記ブレード本体の回転方向後端部の少なくとも一部に設けられ、前記刃部よりも上方に延出する起風部と、を備え、
前記ブレード本体の下面部、前記刃部の下面部および前記起風部の下面部のうちの少なくとも一部に、前記ブレード本体の材料よりも強度の高い材料で構成されている高強度部を備え、
前記ブレード本体は、中央部に位置する第1部分と、前記第1部分の両側に位置し刃部及び起風部が形成された第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に位置する第3部分とを有し、前記第1部分の高さは、前記第2部分の高さよりも高く設定され、前記第3部分は前記第1部分から前記第2部分に向かうほど低くなるように傾斜しており、
前記起風部は、上面部に設けられ、回転方向後端部から所定距離だけ離れた位置から、上方に向かって延び、前記起風部の回転方向後端部へ向かうにつれて徐々に薄くなる傾斜面を有するテーパ部を備え、前記傾斜面は、前記起風部の上面側の回転方向後端部をトリム加工することにより形成され、前記傾斜面の上端部は前記高強度部により構成され、前記刃部は回転方向前端部に近づくほど前記刃部の下面部に近づくように傾斜しているカッターブレード。
【請求項2】
前記傾斜面が、平面または曲面である請求項1に記載のカッターブレード。
【請求項3】
前記ブレード本体、前記刃部および前記起風部が一体に構成されている請求項1又は2に記載のカッターブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングの内部で上下向き軸心回りに回転駆動されるモーアのカッターブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
上記したカッターブレードは、刃部と起風部とを備え、刃部によって草を切断し、起風部によってハウジング内に風を発生させ、この風によって草を切断しやすいように起立させたり、刈り草を搬送したりする。起風部は、厚みを持ったカッターブレード本体を上方に立ち上げる曲げ加工により形成されている。そして、起風部を大きくすることにより、発生する風の風量を大きくすることができ、草を起立させたり刈り草を搬送したりする能力を高めることができる。その一方で、この種のカッターブレードにおいて、起風部の下面側(カッターブレードの回転方向における後ろ側)に負圧が発生する場合があり、負圧が発生すると、当該負圧部分に渦流が発生することにより、空気流が乱れ、カッターブレードの回転抵抗の増加の原因となる。起風部が大きいほど、負圧による空気流の乱れは大きくなり、回転抵抗が大きくなる傾向にある。
【0003】
従来では、起風部の裏面側に負圧が発生することを防止するための構成として、例えば、引用文献1及び2に記載されたカッターブレードがあった。つまり、特許文献1及び2には、起風部に当該起風部の上面側(カッターブレードの回転方向における前側)と下面側とを連通する孔部が設けられたカッターブレードが開示されている。これらのカッターブレードにおいて、起風部に形成された孔部を介して起風部の表面側から裏面側に空気が流通することにより、起風部を大きくしつつ、負圧に伴う騒音を解消することが意図されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-315418号公報
【文献】特開2005-312396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1及び2に記載されているようなカッターブレードでは、孔部を形成する必要があった。この孔部の形成は、孔部を特定の位置及び形状に形成する必要があることから、精密さが要求されるうえに、手間がかかるものであった。
【0006】
そこで本発明は、上記課題に鑑み、簡易な加工で回転抵抗を抑えることを可能とするカッターブレードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のカッターブレードは、モーアのハウジングの内部に設けられ、上下向き軸心回りに回転駆動されるカッターブレードであって、ブレード本体と、前記ブレード本体の回転方向前端部の少なくとも一部に設けられた刃部と、前記ブレード本体の回転方向後端部の少なくとも一部に設けられ、前記刃部よりも上方に延出する起風部と、を備え、前記ブレード本体の下面部、前記刃部の下面部および前記起風部の下面部のうちの少なくとも一部に、前記ブレード本体の材料よりも強度の高い材料で構成されている高強度部を備え、前記ブレード本体は、中央部に位置する第1部分と、前記第1部分の両側に位置し刃部及び起風部が形成された第2部分と、前記第1部分と前記第2部分との間に位置する第3部分とを有し、前記第1部分の高さは、前記第2部分の高さよりも高く設定され、前記第3部分は前記第1部分から前記第2部分に向かうほど低くなるように傾斜しており、前記起風部は、上面部に設けられ、回転方向後端部から所定距離だけ離れた位置から、上方に向かって延び、前記起風部の回転方向後端部へ向かうにつれて徐々に薄くなる傾斜面を有するテーパ部を備え、前記傾斜面は、前記起風部の上面側の回転方向後端部をトリム加工することにより形成され、前記傾斜面の上端部は前記高強度部により構成され、前記刃部は回転方向前端部に近づくほど前記刃部の下面部に近づくように傾斜している。
【0008】
この発明によれば、起風部の回転方向後端部の厚みが薄く形成されていることにより、カッターブレードの回転方向後側に発生する負圧の発生領域が小さくなり、負圧の発生に伴う渦流及び空気の乱流の発生を抑えることができる。その結果、渦流及び空気流の乱れを原因とするカッターブレードの回転抵抗を抑えることができる。
また、この発明によれば、カッターブレードの下面側に、ブレード本体の材料よりも強度の高い高強度の材料を設けたうえで、起風部の上面側に、カッターブレードの回転抵抗を抑えるための傾斜面を形成することができる。カッターブレードの下面側に高強度の材料が設けることで、耐久性が向上し、草刈り作業時における刈り草や小石等による損傷を軽減することができ、カッターブレードの使用寿命を延ばすことが可能となる。一方で、例えば、起風部の下面側に傾斜面を形成する場合、傾斜面を形成するために高強度材料をトリム加工等する必要がある。しかし、高強度材料は比較的加工が困難であるため、傾斜面の形成が困難となり、また、高強度材料を加工することができたとしても、傾斜面の形成には高強度材料の一部を取り除くことになるので、加工箇所において高強度材料による耐久性の向上を図れなくなるという不都合が生じる。それに対して、起風部の上面側に傾斜面を形成する場合には、高強度材料に傾斜面を形成する必要がなくなるため、前述のような不都合が生じることを防ぐことができる。
【0009】
本発明においては、前記起風部は、回転方向後端部から所定距離だけ離れた位置から、前記起風部の回転方向後端部へ向かうにつれて徐々に薄くなる傾斜面を有するテーパ部を備えると好適である。
【0010】
この発明によれば、起風部は回転方向後端部へ向かうにつれて徐々に薄くなる構成となるため、カッターブレードの上面及び下面を流れる空気の流れとカッターブレードの下面を流れる空気の流れとがスムーズに合流する。その結果、カッターブレードの回転方向後側に発生する渦流及び空気の乱流の発生を抑えることができるため、好適にカッターブレードの回転抵抗を抑えることができる。
【0011】
本発明においては、前記傾斜面が、平面または曲面であると好適である。
【0012】
この発明によれば、傾斜面を形成する際には、例えば、起風部を従来通りの形成方法(曲げ加工等)により形成した後、この起風部の回転方向後端部をトリム加工すればよく、精密さが要求されることなく、簡易な工程で形成することができる。
【0013】
本発明においては、前記傾斜面が、前記起風部の下面部に設けられていると好適である。
【0014】
この発明によれば、起風部の下面部に傾斜面を備えることで、上下向き方向における起風部の高さが低くなることを防ぐことができる。起風部の上面部に傾斜面を備えた場合には、上下向き方向における起風部の高さは低くなり、起風部が小さくなる。起風部が小さくなると、起風部により発生する風の風量が低下してしまうので、草を起立させたり、刈り草を搬送したりする能力が低下してしまう。これを防ぐためには、さらに起風部の高さを高くすることで風量を増加させる必要があり、起風部の上下方向における高さを変更するための設計変更が生じるという不都合がある。そこで、起風部の下面部に傾斜面を備えることで、上下向き方向における起風部の高さが低くなること、つまり、起風部が小さくなることを防ぐことができるため、前述のような設計変更することなく、起風部により発生する風の風量が低下することを防ぐことができる。
【0015】
【0016】
【0017】
本発明においては、前記ブレード本体、前記刃部および前記起風部が一体に構成されていると好適である。
【0018】
この発明によれば、ブレード本体、刃部および起風部が別体に構成されている場合と比べ、溶接等の工程を必要としないことから工数を減らすことができるため、より簡易にカッターブレードを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のモーアのカッターブレードが適用可能な電動草刈機の一例を示す側面図である。
図2】モーアユニットの一部横断面図である。
図3】カッターブレードの斜視図である。
図4】カッターブレードの上面図である。
図5】カッターブレードの起風部を示す拡大図である。
図6】別実施形態のカッターブレードを示す図である。
図7】別実施形態のカッターブレードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態では、草刈機は、ミッドマウント型乗用電動草刈機であり、図1は、草刈機の側面図である。なお、ここでは、特に断りがない限り、「前」は機体前後方向(走行方向)に関して前方を意味し、「後」は機体前後方向(走行方向)に関して後方を意味する。また、左右方向または横方向は、機体前後方向に直交する機体横断方向(機体幅方向)を意味する。「上」または「下」は、機体の鉛直方向(垂直方向)での位置関係であり、地上高さにおける関係を示す。
【0021】
この草刈機は、図1に示すように、遊転可能なキャスタ型の左前車輪1aと右前車輪1bとからなる前車輪ユニット1、左後車輪2aと右後車輪2bとからなる駆動輪ユニット2、前車輪ユニット1と駆動輪ユニット2とによって支持される車体フレーム10、車体フレーム10の後部に配置されたバッテリ7、バッテリ7の前方に配置された運転座席11、運転座席11の後方から立設された転倒保護フレーム12、前車輪ユニット1と駆動輪ユニット2との間で車体フレーム10の下方空間に昇降リンク機構13を介して昇降可能に車体フレーム10から吊り下げられたモーアユニット3を備えている。
【0022】
運転座席11の前方には運転者の足載せ場であるフロアプレート14が設けられており、そこからブレーキペダル16が突き出している。運転座席11の両側には、車体横断方向の水平揺動軸回りに揺動する左操縦レバー15aと右操縦レバー15bとからなる操縦ユニット15が配置されている。
【0023】
図2は、モーアユニット3の一部横断面図である。モーアユニット3は、図2に示すように、モーアハウジング30と、2枚の回転式のカッターブレード20が備えられている。左側のカッターブレード20と右側のカッターブレード20とが車体横断方向に横並びしている。モーアハウジング30は、天板31とこの天板31の外周縁から下方に延びた前側板32と後側板33を備えている。前側板32は、天板31の前側の外周縁とつながっており、後側板33は後側の外周縁とつながっている。前側板32と後側板33との右端領域は欠如されており、カバー34で覆われた刈草排出口35が作り出されている。各カッターブレード20は、天板31と前側板32と後側板33とによって作り出されるモーアハウジング30の内部空間に配置される。
【0024】
モーアハウジング30の天板31を貫通して下方に延びている回転軸21が軸受けユニット(図示せず)によって回転可能に天板31に支持されている。各カッターブレード20は、上下向きに延びる回転軸21の下端において、取付ボルトによって交換可能に締め付け固定されている。回転軸21の上端には入力プーリ22が取り付けられている。
【0025】
図2に示すように、カッターブレード20に動力を供給するモーアモータ80は、後側板33から後方に突き出した装着台36に装着されている。モーアモータ80の出力軸81は、垂直姿勢でモータハウジング82の内部でベアリングを介して回転可能に支持され、その上端がモータハウジング82から突き出している。この出力軸81の突き出した部分に、出力プーリ24が取り付けられている。
【0026】
2つの回転軸21に取り付けられた入力プーリ22と、モーアモータ80の出力軸81に取り付けられた出力プーリ24と、モーアハウジング30に取り付けられたテンションプーリユニット23とにわたってベルト25が掛け回されている。モーアモータ80が駆動されると、出力プーリ24と入力プーリ22と回転軸21とを介して、各カッターブレード20は、上下向き軸心回りに回転駆動される。
【0027】
図2から図4に示すように、本実施形態では、カッターブレード20のブレード本体40は長板状であり、その長手方向の両端部に刃部51と起風部52とが形成されている。
草刈り作業時には、カッターブレード20が回転しながら草刈機が走行することで刃部51によって切断処理された刈草は、カッターブレード20の起風部52によって発生した搬送風により、モーアハウジング30内のバッフルプレートに案内されてモーアハウジング30の内部を通り抜けて、刈草排出口35からモーアハウジング30の横外側に放出される。
【0028】
図3及び図4に示すように、カッターブレード20のブレード本体40は、長手方向に沿って、ブレード本体40の中央側に、回転軸21が設けられる孔部41aが形成された第1部分41と、第1部分41の両側に、刃部51および起風部52が形成された第2部分42と、第1部分41及び第2部分42の間に第3部分43とを有する。第1部分41の高さ位置は第2部分42の高さ位置よりも高く設定され、第3部分43は、第1部分41から第2部分42に向かうほど低くなるように傾斜している。
【0029】
ブレード本体40のそれぞれの第2部分42には、ブレード本体40の長手方向の両端部において、その回転方向前端部に刃部51が形成され、さらに回転方向後端部には起風部52が形成されている。
【0030】
図3及び図5に示すように、それぞれの起風部52は、第2部分42の一部が折曲げられて、刃部51よりも上方かつ回転方向後方側に延出するように立ち上げられることにより、起風部52が形成されている。
【0031】
カッターブレード20は、例えば鋼板を打ち抜き加工して形成されており、本実施形態では、ブレード本体40、刃部51および起風部52は、一体に構成されている。この構成によれば、ブレード本体40、刃部51および起風部52が別体に構成されている場合と比べ、溶接等の工程を必要としないことから工数を減らすことができるため、より簡易にカッターブレードを形成することができる。
【0032】
図5に示すように、本実施形態では、ブレード本体40(図4参照)のそれぞれの起風部52は、その回転方向後端部の厚みT2が、起風部52における他の部位の厚みT1よりも薄くなるように形成されている。具体的には、起風部52において、回転方向後端部から所定距離だけ離れた位置から、起風部52の回転方向後端部に向かうにつれて徐々に薄くなる傾斜面52bを有するテーパ部52aが形成されている。また、本実施形態では、傾斜面52bは、平面または曲面に形成されている。このテーパ部52aの形成は、特には限定されないが、例えば起風部52の回転方向後端部をトリム加工することによって形成される。勿論、プレス加工等、トリム加工以外の方法で形成されてもよい。
【0033】
図3及び図5に示すように、本実施形態では、起風部52の下面部に傾斜面52bを備える。ここで、起風部52の上面部に傾斜面を備えた場合には、上下向き方向における起風部52の高さは低くなり、起風部52が小さくなる。起風部52が小さくなると、起風部52により発生する風の風量が低下してしまうので、草を起立させたり、刈り草を搬送したりする能力が低下してしまう。これを防ぐためには、さらに起風部52の高さを高くすることで風量を増加させる必要があり、起風部52の上下方向における高さを変更するための設計変更が生じるという不都合がある。そこで、起風部52の下面部に傾斜面52bを備えるようにすることで、上下向き方向における起風部52の高さが低くなること、つまり、起風部52が小さくなることを防ぐことができるため、前述のような設計変更することなく、起風部52により発生する風の風量が低下することを防ぐことができる。
【0034】
〔別実施形態〕
以下、上記実施形態に変更を加えた別実施形態を例示する。以下の別実施形態は、矛盾が生じない限り、複数組み合わせて上記実施形態に適用してよい。尚、本発明の範囲は、各実施形態の内容に限定されるものではない。
【0035】
(1)上記実施形態において、ブレード本体40には、ブレード本体40の長手方向の両端部において、その回転方向前端部に刃部51が形成されている場合を例に説明したが、刃部51は、ブレード本体40の回転方向前端部の少なくとも一部に形成されていればよく、例えばブレード本体40の両端部よりも中央側の位置に備えるようにしてもよい。
【0036】
(2)上記実施形態において、ブレード本体40には、ブレード本体40の長手方向の両端部において、その回転方向後端部には起風部52が形成されている場合を例に説明したが、起風部52は、ブレード本体40の回転方向後端部の少なくとも一部に形成されていればよく、例えばブレード本体40の両端部よりも中央側の位置に備えるようにしてもよい。
【0037】
(3)上記実施形態において、ブレード本体40のそれぞれの起風部52は、その回転方向後端部の全体の厚みが、起風部52における他の部位よりも薄くなるように形成されている場合を例に説明したが、起風部52において、回転方向後端部のうちの一部において他の部位よりも薄くなるように形成されていればよく、例えば、図6に示すように、起風部52において、回転方向後端部のうちブレード本体40(図4参照)の長手方向の端部側の一部において他の部位よりも薄くなるように形成されているようにしてもよい。
【0038】
(4)上記実施形態において、傾斜面52bは、起風部52の下面部に形成されている場合を例に説明したが、傾斜面52bは、起風部52の上面部に形成されてもよい。
【0039】
(5)図7に示すように、ブレード本体40(図4参照)の下面部、刃部51の下面部および起風部52の下面部のうちの少なくとも一部に、ブレード本体40(図4参照)の材料よりも強度の高い材料からなる高強度部60が設けられてもよい。この場合、高強度部60が設けられる面とは反対の面となる起風部52の上面側に、傾斜面52bを形成することで、高強度部60を構成する高強度材料に傾斜面52bを形成する必要がなくなる。ここで、高強度材料は比較的加工が困難であるため、傾斜面52bの形成が困難となり、また、高強度材料を加工することができたとしても、傾斜面52bの形成には高強度材料の一部を取り除くことになるので、加工箇所において高強度材料による耐久性の向上を図れなくなるという不都合が生じる。それに対して、起風部52の上面側に傾斜面52bを形成する場合には、高強度材料に傾斜面52bを形成する必要がなくなるため、前述のような不都合が生じることを防ぐことができる。
【0040】
(6)上記実施形態において、カッターブレード20を2つ備えたリアディスチャージ式の草刈機を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、カッターブレード20を3つ備えた草刈機やカッターブレード20を1つ備えた草刈機等、上記以外の草刈機にも適用可能である。また、本発明は、リアディスチャージ式の草刈機に限られず、例えば、サイドディスチャージ式の草刈機やマルチング式の草刈機等、上記以外の草刈機にも適用可能である。
【0041】
(7)上記実施形態において、ミッドマウント型乗用電動草刈機を例に説明したが、本発明は、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。例えば、フロントマウント式の乗用型草刈機等、上記以外の草刈機にも適用可能である。また、原動部としては、電動モータではなく、内燃機関を用いた草刈機でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明はモーアのカッターブレードに適用可能である。
【符号の説明】
【0043】
20 :カッターブレード
30 :モーアハウジング(ハウジング)
40 :ブレード本体
41 :第1部分
42 :第2部分
43 :第3部分
51 :刃部
52 :起風部
52a :テーパ部
52b :傾斜面
60 :高強度部
R :走行装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7