(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-01
(45)【発行日】2025-05-13
(54)【発明の名称】熱交換器及び空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F28F 1/30 20060101AFI20250502BHJP
F28F 1/20 20060101ALI20250502BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20250502BHJP
【FI】
F28F1/30 E
F28F1/30 D
F28F1/20
F28D1/053 A
(21)【出願番号】P 2024563063
(86)(22)【出願日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 JP2024010902
【審査請求日】2024-10-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸田 七海
(72)【発明者】
【氏名】尾中 洋次
(72)【発明者】
【氏名】足立 理人
(72)【発明者】
【氏名】八柳 暁
(72)【発明者】
【氏名】中島 崇志
(72)【発明者】
【氏名】中尾 祐基
(72)【発明者】
【氏名】岐部 篤史
(72)【発明者】
【氏名】七種 哲二
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201449172(CN,U)
【文献】特開昭60-253792(JP,A)
【文献】国際公開第2022/219919(WO,A1)
【文献】国際公開第2022/219719(WO,A1)
【文献】国際公開第2023/170834(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/207785(WO,A1)
【文献】米国特許第04311193(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0227945(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0034289(US,A1)
【文献】特表2017-511461(JP,A)
【文献】国際公開第2018/154806(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/095087(WO,A1)
【文献】実開昭56-066688(JP,U)
【文献】実開昭61-026973(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 1/30
F28F 1/20
F28D 1/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に冷媒が流れる複数の扁平管と、
前記扁平管同士の間に設けられ、前記扁平管に流れる冷媒の熱を伝達するものであり、複数のフィンと、を備え、
前記フィンは、
一部に開口が形成された平面部と、
前記平面部の前記開口を開閉するルーバと、を有し、
前記開口には、前記開口における前記扁平管の長軸方向の端部のうち前記扁平管の短軸方向のいずれかの方向にずれた一部が切り欠かれてルーバ除去空間が形成されて
おり、
前記ルーバ除去空間は前記扁平管の長軸方向の一方の一部が前記開口につながり、前記扁平管の長軸方向の他方が前記平面部につながる
熱交換器。
【請求項2】
内部に冷媒が流れる複数の扁平管と、
前記扁平管同士の間に設けられ、前記扁平管に流れる冷媒の熱を伝達するものであり、複数のフィンと、を備え、
前記フィンは、
一部に開口が形成された平面部と、
前記平面部の前記開口を開閉するルーバと、を有し、
前記平面部には、前記ルーバの端部に接続される位置が切り欠かれたルーバ除去空間が形成されており、
前記ルーバ除去空間は、
前記扁平管の短軸方向において、前記ルーバの端部とずれており、
前記扁平管は、高さ方向を長手方向として延びており、
前記フィンは、高さ方向に複数並べられており、
高さ方向に並べられた前記フィンの前記ルーバ除去空間は、高さ方向にそれぞれ位置がずれている
熱交換器。
【請求項3】
前記ルーバ除去空間における前記扁平管の長軸方向の幅は、
前記ルーバの幅の1/3~2/3である
請求項1又は2記載の熱交換器。
【請求項4】
前記フィンには、
前記平面部に貯留する水を排出するスリットが形成されている
請求項1又は2記載の熱交換器。
【請求項5】
前記扁平管は、高さ方向を長手方向として延びており、
前記フィンは、高さ方向に複数並べられており、
高さ方向に並べられた前記フィンの前記スリットは、高さ方向にそれぞれ位置がずれている
請求項4記載の熱交換器。
【請求項6】
請求項1又は2記載の熱交換器
を備える空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、扁平管とフィンとを備える熱交換器及び空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扁平管とフィンとを備える熱交換器が知られている。特許文献1には、複数の扁平管と、複数のルーバが設けられたコルゲートフィンとを備える熱交換器が開示されている。特許文献1は、コルゲートフィン熱交換器において、複数のスリットの排水穴が近接して形成されていることによって、伝熱性能及びフィン強度を向上させつつ、蒸発器として用いた場合にフィンの表面に付着する凝縮水を円滑に排出しようとするものである。また、特許文献1は、排水性を向上させることによって、熱交換効率を向上させようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された熱交換器のように、複数列の扁平管にまたがってコルゲートフィンが設けられている場合、ルーバ群の端部は、フィンの平面からそのままルーバの傾斜部となって切り起こされている。このため、ルーバの傾斜部に沿って流れ落ちた液滴が平面上に溜まる。ルーバ群の端部においてフィンの平面からそのままルーバの傾斜部になっていなくても、平面とルーバとの間が狭いため、凝縮水が溜まる。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ルーバの端部に水が溜まることを抑制する熱交換器及び空気調和装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る熱交換器は、内部に冷媒が流れる複数の扁平管と、前記扁平管同士の間に設けられ、前記扁平管に流れる冷媒の熱を伝達するものであり、複数のフィンと、を備え、前記フィンは、一部に開口が形成された平面部と、前記平面部の前記開口を開閉するルーバと、を有し、前記開口には、前記開口における前記扁平管の長軸方向の端部のうち前記扁平管の短軸方向のいずれかの方向にずれた一部が切り欠かれてルーバ除去空間が形成されており、前記ルーバ除去空間は前記扁平管の長軸方向の一方の一部が前記開口につながり、前記扁平管の長軸方向の他方が前記平面部につながる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、平面部において、ルーバの端部に接続される位置が切り欠かれたルーバ除去空間が形成されている。このため、ルーバの端部に溜まった水は、ルーバ除去空間を通って排出される。従って、ルーバの端部に水が溜まることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る空気調和装置を示す回路図である。
【
図2】実施の形態1に係る熱交換器を示す正面図である。
【
図3】実施の形態1に係る熱交換器を示す斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係るフィンを示す模式図である。
【
図5】実施の形態1に係る熱交換器を示す上面図である。
【
図6】実施の形態1に係る熱交換器を示す側面図である。
【
図7】実施の形態1の変形例に係る熱交換器を示す上面図である。
【
図8】実施の形態2に係る熱交換器を示す斜視図である。
【
図9】実施の形態3に係る熱交換器を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の熱交換器及び空気調和装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本開示は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、本開示の理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは本開示を説明するためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。なお、一部の図面において、断面図のハッチングを一部省略している。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和装置1を示す回路図である。
図1に示すように、空気調和装置1は、室内空間の空気を調整する装置であり、室外機2と、室外機2に接続された室内機3とを備えている。室外機2には、圧縮機6、流路切替装置7、熱交換器8、室外送風機9及び膨張部10が設けられている。室内機3には、室内熱交換器11及び室内送風機12が設けられている。
【0011】
圧縮機6、流路切替装置7、熱交換器8、膨張部10及び室内熱交換器11が冷媒配管5により接続されて、作動ガスである冷媒が流れる冷媒回路4が構成されている。圧縮機6は、低温且つ低圧の状態の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮して高温且つ高圧の状態の冷媒にして吐出するものである。流路切替装置7は、冷媒回路4において冷媒が流れる方向を切り替えるものであり、例えば四方弁である。熱交換器8は、例えば室外空気と冷媒との間で熱交換するものである。熱交換器8は、冷房運転時には凝縮器として作用し、暖房運転時には蒸発器として作用する。
【0012】
室外送風機9は、熱交換器8に室外空気を送る機器である。膨張部10は、冷媒を減圧して膨張する減圧弁又は膨張弁である。膨張部10は、例えば開度が調整される電子式膨張弁である。室内熱交換器11は、例えば室内空気と冷媒との間で熱交換するものである。室内熱交換器11は、冷房運転時には蒸発器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する。室内送風機12は、室内熱交換器11に室内空気を送る機器である。
【0013】
(運転モード、冷房運転)
次に、空気調和装置1の運転モードについて説明する。先ず、冷房運転について説明する。冷房運転において、圧縮機6に吸入された冷媒は、圧縮機6によって圧縮されて高温且つ高圧のガス状態で吐出する。圧縮機6から吐出された高温且つ高圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置7を通過して、凝縮器として作用する熱交換器8に流入し、熱交換器8において、室外送風機9によって送られる室外空気と熱交換されて凝縮して液化する。凝縮された液状態の冷媒は、膨張部10に流入し、膨張部10において膨張及び減圧されて低温且つ低圧の気液二相状態の冷媒となる。そして、気液二相状態の冷媒は、蒸発器として作用する室内熱交換器11に流入し、室内熱交換器11において、室内送風機12によって送られる室内空気と熱交換されて蒸発してガス化する。このとき、室内空気が冷やされ、室内において冷房が実施される。蒸発した低温且つ低圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置7を通過して、圧縮機6に吸入される。
【0014】
(運転モード、暖房運転)
次に、暖房運転について説明する。暖房運転において、圧縮機6に吸入された冷媒は、圧縮機6によって圧縮されて高温且つ高圧のガス状態で吐出する。圧縮機6から吐出された高温且つ高圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置7を通過して、凝縮器として作用する室内熱交換器11に流入し、室内熱交換器11において、室内送風機12によって送られる室内空気と熱交換されて凝縮して液化する。このとき、室内空気が暖められ、室内において暖房が実施される。凝縮された液状態の冷媒は、膨張部10に流入し、膨張部10において膨張及び減圧されて低温且つ低圧の気液二相状態の冷媒となる。そして、気液二相状態の冷媒は、蒸発器として作用する熱交換器8に流入し、熱交換器8において、室外送風機9によって送られる室外空気と熱交換されて蒸発してガス化する。蒸発した低温且つ低圧のガス状態の冷媒は、流路切替装置7を通過して、圧縮機6に吸入される。
【0015】
なお、空気調和装置1は、流路切替装置7を有していなくてもよい。この場合、空気調和装置1は、冷房専用機又は暖房専用機となる。
【0016】
図2は、実施の形態1に係る熱交換器8を示す正面図である。次に、熱交換器8について詳細に説明する。
図2に示すように、熱交換器8は、例えばパラレルフロー型の熱交換器である。なお、熱交換器8は、フィンチューブ型の熱交換器であってもよい。熱交換器8は、扁平管20と、フィン30と、ヘッダ40とを備えている。
【0017】
(扁平管20)
扁平管20は、内部に冷媒が流れるチューブであり、複数並べられており、例えばアルミニウム製又はアルミニウム合金製である。複数の扁平管20は、長軸方向同士が対向するように、間隔を空けて配置されており、扁平管20同士の間には、フィン30が設けられている。また、扁平管20は、アルミニウムを芯材とするクラッド材を用いたものでもよい。扁平管20は、例えば冷媒が流れる流路が一列に複数形成されたものである。扁平管20は、高さ方向を長手方向として延びている。
【0018】
(フィン30)
フィン30は、扁平管20に流れる冷媒の熱を伝達する部材であり、例えば扁平管20と扁平管20との間に折り曲げて配置されたコルゲートフィンである。フィン30は、水平方向に対し傾斜する傾斜面を有し、交互に折り返されている。即ち、フィン30は、帯状の部材が交互に折り返されて、高さ方向に複数並べられているといえる。フィン30と扁平管20との間は、空気が流れる通風路31となっている。フィン30は、例えばアルミニウム製である。なお、フィン30は、プレートフィンでもよい。
【0019】
(ヘッダ40)
ヘッダ40は、内部に冷媒が流れ、接続された複数の扁平管20に冷媒を分流するものであり、例えばアルミニウム製である。このように、ヘッダ40は、フィン30及び扁平管20と同じ材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。ヘッダ40は、複数の扁平管20の一端部を接続するヘッダ40と、複数の扁平管20の他端部を接続するヘッダ40とを有している。なお、ヘッダ40の内部は、1つ又は複数の仕切りによって、冷媒が流れる空間が仕切られるように構成されてもよい。一方のヘッダ40には、冷媒配管5が接続されており、ヘッダ40は冷媒配管5によって流路切替装置7と接続されている。他方のヘッダ40には、冷媒配管5が接続されており、ヘッダ40は冷媒配管5によって膨張部10と接続されている。ヘッダ40は、扁平管20と同じ材料が用いられてもよい。
【0020】
(平面部32)
図3は、実施の形態1に係る熱交換器8を示す斜視図である。
図3に示すように、フィン30は、平面部32と、複数のルーバ33とを有している。平面部32は、扁平管20の長軸方向に沿って、傾斜して延びる板状の部材である。平面部32には、扁平管20に隣接する両端部を除いた中央部の一部に、扁平管20の長軸方向に沿って延びる長方形状の開口32aが形成されている。
【0021】
(ルーバ33)
図4は、実施の形態1に係るフィン30を示す模式図である。
図4に示すように、ルーバ33は、平面部32に形成された開口32aを開閉するものである。ルーバ33は、1つの開口32aに対して複数設けられている。ルーバ33は、平面部32の一部が切り起こされたものであり、側面視において傾斜している。ルーバ33は、側面視において、平面部32の高さに対して一端側が平面部32よりも高く、他端側が平面部32よりも低い。本実施の形態1では、平面部32に接続されてそのままルーバ33の傾斜部となる部分が存在しない。この部分は、ルーバ除去空間34となっている。ルーバ除去空間34がない場合、平面部32に接続されてそのままルーバ33となる部分が存在することになる。このルーバ33は、それ以外のルーバ33と高さ方向の位置を揃えるため、長さが半分となる(
図4の破線参照)。なお、1つの開口32aを開閉する複数のルーバ33を、ルーバ群33aと呼称する。
【0022】
(ルーバ除去空間34)
平面部32には、ルーバ除去空間34が形成されている。
図3に示すように、ルーバ除去空間34は、平面部32において、複数のルーバ33の端部に接続される位置が切り欠かれたものである。
図3では、ルーバ除去空間34が、平面部32に形成された開口32aに対して、扁平管20の短軸方向にずれている場合について例示しているが、ずれていなくてもよいし、ずれ方が変わってもよい。
図4に示すように、ルーバ除去空間34は、平面部32に形成された開口32aにおける扁平管20の長軸方向の端部に形成されている。即ち、ルーバ除去空間34は、本来長さが半分となるルーバ33が設けられる部分(
図4の破線参照)が切り欠かれた空間といえる。
【0023】
図5は、実施の形態1に係る熱交換器8を示す上面図である。次に、高さ方向に隣接する折り曲げられたフィン30におけるルーバ除去空間34の位置について説明する。
図5において、左側のフィン30は上段のフィン30であり、中央のフィン30は中段のフィン30であり、右側のフィン30は下段のフィン30である。また、
図5において、上側が風上側であり、下側が風下側である。
図5に示すように、ルーバ除去空間34は、高さ方向にそれぞれ位置がずれている。
図5では、ルーバ除去空間34における扁平管20の短軸方向の長さが、それぞれ同じである場合について例示しているが、異なっていてもよい。また、ルーバ除去空間34のずれは、周期的であってもよいし、非周期であってもよい。ルーバ除去空間34が周期的であれば、製造工程が簡略化される。
【0024】
図6は、実施の形態1に係る熱交換器8を示す側面図である。ルーバ除去空間34が高さ方向にそれぞれ位置がずれている場合、
図6に示すように、フィン30に付着した水が、一か所に滞留せずに、下方に落下する。これにより、液滴50がフィン30に滞留し難くなる。なお、ルーバ除去空間34がフィン30と扁平管20とが接合された部分であるフィン30の傾斜部の最下部まで到達している方が、排水性がより向上する。
【0025】
(変形例)
図7は、実施の形態1の変形例に係る熱交換器8を示す上面図である。
図7では、フィン30の長手方向の長さが、扁平管20の長軸方向の長さよりもかなり長くなっており、フィン30が、扁平管20の両端部から外側に張り出している。
図7に示すように、2つのルーバ除去空間34のうち一方は扁平管20の両端部から外側に張り出したフィン30に形成されている。このように、ルーバ除去空間34は、扁平管20に対向していなくてもよい。
【0026】
本実施の形態1によれば、平面部32において、ルーバ33の端部に接続される位置が切り欠かれたルーバ除去空間34が形成されている。このため、ルーバ33の端部に溜まった水は、ルーバ除去空間34を通って排出される。従って、ルーバ33の端部に水が溜まることを抑制することができる。
【0027】
また、扁平管20は、高さ方向を長手方向として延びており、フィン30は、高さ方向に複数並べられており、高さ方向に並べられたフィン30のルーバ除去空間34は、高さ方向にそれぞれ位置がずれている。このため、フィン30に付着した液滴が、上方に位置するルーバ除去空間34を通って落下して、下方に位置する平面部32に当たり、傾斜する平面部32に沿って流れ、更にルーバ除去空間34を通って落下していく。即ち、液滴がフィン30に液滴が滞留し難い。
【0028】
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る熱交換器8を示す斜視図である。本実施の形態2は、ルーバ除去空間34の寸法を規定している。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0029】
図8に示すように、ルーバ除去空間34における扁平管20の長軸方向の幅Tは、ルーバ33の幅Wの1/3~2/3である。これにより、熱交換能力を損なうことなく排水性を向上させることができる。即ち、熱交換能力と排水性とを両立させることができる。また、ルーバ除去空間34における扁平管20の長軸方向の幅Tは、ルーバ33の幅Wの1/2であることが更に好ましい。これにより、本来長さが半分となるルーバ33が設けられる部分を除去するのみで済むため、製造工程が簡略化される。
【0030】
実施の形態3.
図9は、実施の形態3に係る熱交換器8を示す上面図である。本実施の形態3は、フィン30にスリット35が形成されている点で、実施の形態1及び2と相違する。本実施の形態3では、実施の形態1及び2と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1及び2との相違点を中心に説明する。
【0031】
図9に示すように、フィン30には、平面部32に貯留する水を排出するスリット35が形成されている。スリット35は、ルーバ33に隣接していない。
図9では、スリット35が複数形成されており、またルーバ除去空間34と同様に、高さ方向にそれぞれ位置がずれている場合について例示している。なお、スリット35は1つ形成されてもよいし、高さ方向において位置が一致していてもよい。このように、本実施の形態3は、ルーバ除去空間34の他にスリット35が形成されているため、排水性を更に向上させることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 空気調和装置、2 室外機、3 室内機、4 冷媒回路、5 冷媒配管、6 圧縮機、7 流路切替装置、8 熱交換器、9 室外送風機、10 膨張部、11 室内熱交換器、12 室内送風機、20 扁平管、30 フィン、31 通風路、32 平面部、32a 開口、33 ルーバ、33a ルーバ群、34 ルーバ除去空間、35 スリット、40 ヘッダ、50 液滴。
【要約】
熱交換器は、内部に冷媒が流れる複数の扁平管と、扁平管同士の間に設けられ、扁平管に流れる冷媒の熱を伝達するものであり、複数のフィンと、を備え、フィンは、一部に開口が形成された平面部と、平面部の開口を開閉するルーバと、を有し、平面部には、ルーバの端部に接続される位置が切り欠かれたルーバ除去空間が形成されている。