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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-02
(45)【発行日】2025-05-14
(54)【発明の名称】撮像装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20250507BHJP
   H04N 23/51 20230101ALI20250507BHJP
   H04N 23/53 20230101ALI20250507BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20250507BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20250507BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20250507BHJP
【FI】
H04N23/63
H04N23/51
H04N23/53
H04N5/77 200
G03B15/00 D
G03B17/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021034709
(22)【出願日】2021-03-04
(65)【公開番号】P2021166379
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】P 2020067880
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020067881
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 孝
(72)【発明者】
【氏名】長田 陽一
(72)【発明者】
【氏名】小田垣 光一
【審査官】奥田 雄介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-102958(JP,A)
【文献】国際公開第2018/043615(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0260863(US,A1)
【文献】特開2006-157893(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0088297(US,A1)
【文献】特開2001-045424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/00
H04N 5/77
G03B 15/00
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
表示部と把持部を備える本体部と、
前記撮像部と前記把持部に対して前記把持部の長手方向と直交する一軸を中心に回転可能に連結するヒンジ部と、
前記本体部に対する前記一軸を中心とした前記撮像部の向きを検出する第一の検出手段と、
前記撮像部の重力方向の姿勢を検出する第二の検出手段と、
前記撮像部により撮像される画像の前記表示部での表示を、前記第一の検出手段と前記第二の検出手段による検出結果に応じて上下反転させるか否かを制御する表示制御手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記撮像部が前記本体部の表示部側を向いている場合には前記撮像部が前記表示部側の反対側を向いている場合の前記画像の前記表示部での表示の向きに対して前記画像を上下反転させて前記表示部に表示させ、前記撮像部が前記把持部よりも前記重力方向において下に位置している場合には前記撮像部が前記把持部よりも前記重力方向において上に位置している場合の前記画像の前記表示部での表示の向きに対して前記画像を上下反転させて前記表示部に表示させ、前記撮像部が前記本体部の表示部側を向いており且つ前記撮像部が前記把持部よりも前記重力方向において下に位置している場合には前記画像の前記表示部での表示の向きを上下反転させないことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記第一の検出手段により前記撮像部の向きが前記本体部において表示部が設けられている側の反対側を向いている向きを含む第一の範囲であることが検出されている場合と、
前記第一の検出手段により前記撮像部の向きが前記第一の範囲と前記本体部の表示部側を向いている向きを含む第二の範囲との間の範囲である第三の範囲であることが検出され、且つ、前記第二の検出手段により前記撮像部が被写体の天地方向と同じ画像を生成する姿勢が検出されている場合とでは、前記表示部での上下反転表示を行わず、
前記第一の検出手段により前記撮像部の向きが前記第二の範囲であることが検出されている場合と、
前記第一の検出手段により前記撮像部の向きが前記第三の範囲であることが検出され、且つ、前記第二の検出手段により前記撮像部が被写体の天地方向と逆の画像を生成する姿勢が検出されている場合とでは、前記表示部での上下反転表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第一の検出手段は、前記撮像部の前記本体部に対する相対的な回転角度を検出し、 前記第二の検出手段は、前記撮像部の絶対姿勢を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第一の検出手段は、前記撮像部の前記本体部に対する相対的な回転角度を検出し、 前記第二の検出手段は、前記本体部の絶対姿勢を検出することを特徴とする請求項又はに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記ヒンジ部は、前記本体部に対して前記撮像部をチルト方向へ回転可能に支持すると共にパン方向へ回転可能に支持し、
前記第一の検出手段は、前記撮像部の前記本体部に対する前記チルト方向での向きを検出し、
前記撮像部の前記本体部に対する前記パン方向での向きを検出する第三の検出手段を更に備え、
前記撮像部が前記表示部側の反対側を向いた状態を基準として±90°のパン回転範囲を第四の範囲とし、前記撮像部が前記表示部側を向いた状態を基準として±90°のパン回転範囲を第五の範囲として、
前記表示制御手段は、前記第三の検出手段により前記撮像部の向きが前記第四の範囲内であることが検出されている場合に前記表示部での左右反転表示を行わず、前記第三の検出手段により前記撮像部の向きが前記第五の範囲内であることが検出されている場合に前記表示部での左右反転表示を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第一の検出手段は、前記撮像部の絶対姿勢を検出し、
前記第二の検出手段は、前記本体部の絶対姿勢を検出し、
前記ヒンジ部は、前記本体部に対して前記撮像部をチルト方向へ回転可能に支持すると共にパン方向へ回転可能に支持し、
前記撮像部の前記本体部に対する前記パン方向での向きを検出する第三の検出手段を更に備え、
前記撮像部が前記表示部側の反対側を向いた状態を基準として±90°のパン回転範囲を第四の範囲とし、前記撮像部が前記表示部側を向いた状態を基準として±90°のパン回転範囲を第五の範囲として、
前記表示制御手段は、前記第三の検出手段により前記撮像部の向きが前記範囲であることが検出されている場合に前記表示部での左右反転表示を行わず、前記第三の検出手段により前記撮像部の向きが前記範囲であることが検出されている場合に前記表示部での左右反転表示を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項7】
表示部と把持部を備える本体部に対して撮像部が少なくともチルト方向に回転可能に連結された撮像装置の制御方法であって、
前記本体部に対する前記撮像部のチルト方向での向きを検出するステップと、
前記撮像部の重力方向の姿勢を検出するステップと、
前記撮像部により撮像される画像の前記表示部での表示を、前記撮像部が前記本体部の表示部側を向いている場合には前記撮像部が前記表示部側の反対側を向いている場合の前記画像の前記表示部での表示の向きに対して前記画像を上下反転させて前記表示部に表示させ、前記撮像部が前記把持部よりも前記重力方向において下に位置している場合には前記撮像部が前記把持部よりも前記重力方向において上に位置している場合の前記画像の前記表示部での表示の向きに対して前記画像を上下反転させて前記表示部に表示させ、前記撮像部が前記本体部の表示部側を向いており且つ前記撮像部が前記把持部よりも前記重力方向において下に位置している場合には前記画像の前記表示部での表示の向きを上下反転させないステップと、を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項8】
前記撮像部更にパン方向に回転可能に前記本体部に連結されており、
前記本体部に対する前記撮像部のパン方向での向きを検出するステップと、
前記撮像部により撮像される画像の前記表示部での表示を、前記撮像部が前記表示部側の反対側を向いた状態を基準として±90°のパン回転範囲を第四の範囲とし、前記撮像部が前記表示部側を向いた状態を基準として±90°のパン回転範囲を第五の範囲として、前記撮像部の向きが前記第四の範囲内であることが検出されている場合に前記表示部での左右反転表示を行わず、前記撮像部の向きが前記第五の範囲内であることが検出されている場合に前記表示部での左右反転表示を行うステップと、を有することを特徴とする請求項に記載の撮像装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を備える撮像装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の通信ネットワークを利用した動画配信サービスが普及し、気軽に動画配信を行うことが可能となったことに伴い、簡単に意図した動画を撮影することができ、また、オリジナリティのある動画の撮影が可能な撮像装置が求められている。例えば様々なシチュエーションにおいて自由な姿勢での動画撮影や、多様な角度での撮影が可能な撮像装置が求められている。このような要求に対して、特許文献1は、レンズ部を一軸を中心に回転させて撮影方向を切り替えることができ、表示部での撮影中の画像の表示をレンズ部の向きに応じて反転させることが可能な撮像装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-313862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された撮像装置では、例えばレンズ部を一軸を中心に回転させることにより、自分撮り方向と他人撮り方向に切り替えを容易に行うことができ、自分撮り方向の場合には表示部に鏡面画像を表示させることができる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、表示部の表示画像の切り替わりが、レンズ部の一軸を中心とした回転に伴う表示切替と、手動による表示切替に限定されている。そのため、撮影者が、撮影中に表示部に表示されている映像を見た際に、意図した映像が撮影されているかを判断することが容易でない場合がある。
【0006】
本発明は、撮像装置の姿勢が変化しても撮影者に適切な表示画像を常に提供することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る撮像装置は、撮像部と、表示部と把持部を備える本体部と、前記撮像部と前記把持部に対して前記把持部の長手方向と直交する一軸を中心に回転可能に連結するヒンジ部と、前記本体部に対する前記一軸を中心とした前記撮像部の向きを検出する第一の検出手段と、前記撮像部の重力方向の姿勢を検出する第二の検出手段と、前記撮像部により撮像される画像の前記表示部での表示を、前記第一の検出手段と前記第二の検出手段による検出結果に応じて上下反転させるか否かを制御する表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記撮像部が前記本体部の表示部側を向いている場合には前記撮像部が前記表示部側の反対側を向いている場合の前記画像の前記表示部での表示の向きに対して前記画像を上下反転させて前記表示部に表示させ、前記撮像部が前記把持部よりも前記重力方向において下に位置している場合には前記撮像部が前記把持部よりも前記重力方向において上に位置している場合の前記画像の前記表示部での表示の向きに対して前記画像を上下反転させて前記表示部に表示させ、前記撮像部が前記本体部の表示部側を向いており且つ前記撮像部が前記把持部よりも前記重力方向において下に位置している場合には前記画像の前記表示部での表示の向きを上下反転させないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像装置の姿勢が変化しても撮影者に適切な表示画像を常に提供することが可能な撮像装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一実施形態に係る撮像装置の斜視図である。
図2】第一実施形態に係る撮像装置のブロック図である。
図3】第一実施形態に係る撮像装置を構成する可動部の分解斜視図である。
図4】第一実施形態において撮像装置の可動部をチルト回転させた状態の例を示す図である。
図5】第一実施形態において撮像装置全体を鉛直方向を含む面内で回転させた状態の例を示す図である。
図6】第一実施形態において撮像装置の可動部をパン回転させた状態の例を示す図である。
図7】第一実施形態での表示部における表示切替の内容を説明する図である。
図8】第一実施形態での撮像装置の姿勢と撮影者の目との位置関係の例を示す図である。
図9】第二実施形態に係る撮像装置のブロック図である。
図10】第二実施形態での表示部における表示切替の内容を説明する図である。
図11】第三実施形態に係る撮像装置のブロック図である。
図12】第三実施形態での表示部における表示切替の内容を説明する図である。
図13】第四実施形態に係る撮像装置のブロック図である。
図14】第四実施形態において撮像装置の可動部をチルト回転させた状態の例を示す図である。
図15】第四実施形態での撮像装置の表示部の開閉状態を説明する図である。
図16】第四実施形態での表示部における表示切替の内容を説明する図である。
図17】撮像装置での動画コンテンツを管理する操作画面の一例を示す図である。
図18】撮像装置による動画コンテンツの撮影開始から撮影終了までのタイミングチャートである。
図19】撮像装置の姿勢の一例を示す図である。
図20】動画コンテンツを管理する処理のフローチャートである。
図21】警告処理のフローチャートである。
図22】表示部に表示される警告内容の一例を示す図である。
図23】動画コンテンツ撮影中に行われるフラグ付与処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
最初に本発明の第一実施形態について説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る撮像装置10の斜視図である。図1以降の各図面では、説明に不要な部分の図示を省略することにより、説明に必要な部分についての撮像装置10の構成を明確にしている。
【0012】
撮像装置10は、具体的には、動画撮影が可能なビデオカメラである。撮像装置10は、大略的に、可動部20、固定部30(本体部)、ヒンジ部40(ヒンジユニット)及びレンズユニット50(撮影レンズ)により構成される。図1(a)は、レンズユニット50を可動部20から取り外した状態を撮像装置10の斜め前方から見た斜視図である。図1(b)は、レンズユニット50を可動部20から取り外した状態を撮像装置10の後方斜め上側から見た斜視図である。
【0013】
レンズユニット50は、所謂、交換レンズであり、可動部20に着脱可能に構成されている。レンズユニット50と可動部20は、例えばバヨネット式の着脱構造を有しており、レンズユニット50にはバヨネット爪部507が形成され、可動部20にはレンズマウント211が形成されている。
【0014】
可動部20に対してレンズユニット50を取り付ける際には、先ず、バヨネット爪部507の突出部をレンズマウント211の内側に形成されている切り欠きに対して位置合わせする。そして、レンズユニット50を可動部20へ挿入し、光軸を中心にレンズユニット50を回転させる。これにより、レンズユニット50は可動部20に取り付けられる。このとき、レンズマウント211ではレンズユニット50の回転を規制するレンズ回転規制部204(図2参照)を構成する可動ピン204bがレンズユニット50に設けられた凹部508に係合する。これにより、可動部20に対するレンズユニット50の回転が規制されて、レンズユニット50の可動部20からの脱落が防止される。
【0015】
レンズユニット50を可動部20から取り外す際には、操作部202を操作してレンズ回転規制部204の可動ピン204bを凹部508から退避させた状態として、レンズユニット50を可動部20に対する取り付け時の回転方向の反対方向へ回転させる。そして、バヨネット爪部507の突出部がレンズマウント211の切り欠きの位置まで回ったところで、レンズユニット50を可動部20から引き離せばよい。操作部202を含む可動部20の内部構造の詳細については後述する。
【0016】
レンズユニット50が可動部20に装着された状態では、可動部20のインタフェース部205とレンズユニット50のインタフェース部506とが電気的に接続される。これにより、レンズユニット50と可動部20との間で、相互通信を行うことが可能になる。なお、撮像装置10でのシステム構成(制御系)については後述する。
【0017】
可動部20は、ヒンジ部40により、固定部30に対してチルト方向とパン方向に回転可能に連結されている。ヒンジ部40は、チルト回転ヒンジ401とパン回転ヒンジ402とで構成される二軸ヒンジである。チルト回転ヒンジ401は、チルト回転軸Tを回転の中心として可動部20を回転可能に支持している。パン回転ヒンジ402は、パン回転軸Pを回転の中心として回転可能に固定部30に取り付けられている。チルト回転軸Tとパン回転軸Pは互いに略直交する。したがって、チルト回転ヒンジ401とパン回転ヒンジ402を操作することにより、可動部20及びレンズユニット50を固定部30に対して様々な姿勢に遷移させることができる。
【0018】
ヒンジ部40は、チルト回転ヒンジ401及びパン回転ヒンジ402が停止した状態で、一定の保持力を有する。この一定の保持力は、レンズユニット50と可動部20の重量を受けた状態でヒンジ部40が停止姿勢を維持する静トルクよりも大きくなるように設定されている。したがって、ユーザがレンズユニット50が装着された可動部20を回転させてレンズユニット50を被写体に向けた状態とした後にその回転操作を停止させると、レンズユニット50と可動部20は回転操作停止時の姿勢を維持し続けることができる。
【0019】
固定部30には、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を備える表示部303が、表示部ヒンジ306(図15参照)によって回動軸Aを中心として一定の角度範囲内で回動可能に配置されている。表示部303の表示画面303aには、撮影中の映像、撮影された画像や映像、撮影条件を設定するためのメニュー画面等の表示が可能となっている。なお、表示画面303aにはタッチパネルが重畳されていてもよく、この場合には表示部303は操作手段として用いることが可能となる。
【0020】
固定部30は、把持部304を有する。把持部304は、固定部30の端部に形成されており、その表面は、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)やシリコンゴム等の弾性材料によって構成されている。ユーザは、把持部304を一方の手で把持した状態で、他方の手でレンズユニット50と可動部20を自由に回転させることにより、様々なアングルでの撮影を行うことができる。
【0021】
固定部30において、ユーザが把持部304を握った状態で操作可能な位置には、操作部301が配置されている。操作部301は、第一のボタン301a、第二のボタン301b及びタッチパッド301cを含む。ユーザは、タッチパッド301cにより選択操作を行い、第一のボタン301a及び第二のボタン301bにより決定操作を行うことができる。
【0022】
可動部20は、アクセサリシュー209を有する。アクセサリシュー209は、撮像装置10への外部装置(アクセサリ)の装着を可能とする部位であり、例えばビデオライトや外付けマイク等の外部装置を装着することができるようになっている。
【0023】
なお、図1に示すように、説明の便宜上、撮像装置10に対して固定部30を基準としたX方向、Y方向及びZ方向を規定する。パン回転軸Pと平行な方向をY方向とする。Y方向は必ずしも重力方向と一致しない。なお、Y方向について、固定部30から可動部20へ向かう方向を+Y方向、可動部20から固定部30へ向かう方向を-Y方向とする。そして、表示部303の表示画面303aがY方向と平行な状態で表示画面303aと直交する方向をZ方向とする。また、このとき、表示画面303aが向いている方向を-Z方向とし、その反対側を+Z方向とする。Z方向及びY方向と直交する方向をX方向とする。X方向は回動軸Aと平行な方向となる。
【0024】
図2は、撮像装置10のブロック図である。レンズユニット50は、撮影光学系501、絞りユニット502、レンズ駆動部503、レンズ制御部504、振れ検出部505及びインタフェース部506を有する。可動部20は、撮像部201、操作部202、操作部位置検出部203、レンズ回転規制部204、インタフェース部205、第一の姿勢検出部206、中央制御部207、アクセサリシュー209及び記録部210を有する。ヒンジ部40は、第一の角度検出部403及び第二の角度検出部404を有する。固定部30は、操作部301、電源部302、表示部303及び把持部304を有する。
【0025】
レンズユニット50において、撮影光学系501は、複数のレンズと、それらを保持するホルダ(保持部材)、ズームレンズ機構、フォーカスレンズ機構、振れ補正レンズ機構等を含む。絞りユニット502には、例えば複数の薄い遮光シートを駆動させることによって光軸を中心に形成される開口の大きさを可変する虹彩絞りユニットを用いることができる。レンズ駆動部503は、ズームレンズ機構やフォーカスレンズ機構、振れ補正レンズ機構及び絞りユニット502等をそれぞれ駆動するための各種のアクチュエータを含む。各種のアクチュエータは、駆動対象物の駆動に必要な推力や速度、ストローク、停止精度、消費電力、製造コスト等を考慮して選定され、例えばDCモータやステッピングモータ、振動型駆動装置(超音波モータ(USM))等が採用される。
【0026】
レンズ制御部504は、モータドライバICを含み、レンズ駆動部503の各種アクチュエータの駆動を制御する。レンズユニット50のインタフェース部506と可動部20のインタフェース部205が電気的に接続されることにより、レンズ制御部504と中央制御部207との間での相互通信が可能になる。
【0027】
振れ検出部505は、ジャイロセンサや加速度センサ等で構成されており、レンズユニット50(撮像装置10)の振れを検出する。振れ検出部505から出力される振れ検出信号は、レンズ制御部504へ伝達され、レンズ制御部504からインタフェース部506,205を介してアナログ信号又はデジタルデータとして中央制御部207へ伝送される。中央制御部207は、振れ検出部505からの情報から、流し撮りを行う際のレンズユニット50の動きや手ぶれを検出する。
【0028】
可動部20において、撮像部201はCCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子とローパスフィルタ等を含む。ローパスフィルタは、例えば水晶からなり、その表面に施された赤外線遮蔽処理により赤外線の入射を防止すると共に、色モアレ等の発生を防止する。
【0029】
中央制御部207は、撮像装置10の全体的な制御を司るCPU(中央演算処理装置)を含む。撮像部201から中央制御部207へ入力された電気信号は、中央制御部207で映像信号に変換された後、適宜、任意の画像データに加工される。映像信号の加工には、画像切り出し及び回転加工による電子防振動作も含まれる。記録部210は、撮影動作により取得した画像データに加えて、撮影日時や撮影時の撮像装置10の設定条件等を保存する記録する。
【0030】
操作部202は、レンズユニット50を可動部20から取り外す際にユーザにより操作される部材であり、複数のポジション間を移動可能に構成されている。操作部位置検出部203は、例えば受光量に応じて出力信号が変化する透過型のフォトインタラプタ等によって構成されており、出力信号から操作部202のポジションを検出する。操作部位置検出部203によって検出された検出結果は、中央制御部207へ入力される。
【0031】
操作部202により、レンズ回転規制部204を動作させることができる。レンズ回転規制部204の可動ピン204bは、レンズユニット50の回転を規制するレンズマウント211の表面からの突出位置とレンズユニット50の回転を許容するレンズマウント211の表面からの退避位置との間を往復可能となっている。
【0032】
第一の姿勢検出部206は、ジャイロセンサや加速度センサ等を有し、可動部20(撮像部201)の絶対姿勢(鉛直方向に対する可動部20の傾き)の検出に用いられる。第一の角度検出部403は、加速度センサや角度センサ等で構成されており、チルト回転ヒンジ401の回転角度の検出に用いられる。第二の角度検出部404は、加速度センサや角度センサ等で構成されており、パン回転ヒンジ402の回転角度の検出に用いられる。第一の姿勢検出部206、第一の角度検出部403及び第二の角度検出部404から出力される各検出信号は、アナログ信号又はデジタルデータとして、中央制御部207へ伝送される。中央制御部207は、第一の姿勢検出部206、第一の角度検出部403及び第二の角度検出部404からの各検出信号に基づいて、撮像装置10の姿勢について規定される後述の第一乃至第七の方向を判定する。
【0033】
固定部30において、電源部302は、例えばアルカリ二次電池やリチウムイオン二次電池等を搭載したバッテリパックである。電源部302は、ヒンジ部40の内部に配線されるワイヤハーネス等を経由して中央制御部207と電気的に接続されて、撮像装置10の各部へ電源を供給する。なお、操作部301、表示部303及び把持部304については、図1を参照して説明済みであるため、ここでの説明を省略する。
【0034】
次に、可動部20の内部構造について、ヒンジ部40に対する結合構造を含めて説明する。図3は、可動部20の分解斜視図である。レンズマウント211は、ビス215a,215b,215c,215dによってベース部材212に固定される。ベース部材212は、例えばマグネシウム合金やアルミ合金のダイキャスト成型(鋳造)により得られる金属部品である。また、ベース部材212には、レンズ回転規制部204とインタフェース部205(図2参照)が設けられている。インタフェース部205は、その詳細についての図示を省略するが、複数の接点ピンと、コイルばね等の付勢部材と、これらを内包する樹脂ケースを有する。複数の接点ピンは、樹脂ケースの開口部から突出している。そして、接点ピンは、付勢部材により裏側から常時付勢されており、接点ピンは樹脂ケースの表面側から内部側へスライド移動することが可能となっている。
【0035】
インタフェース部205には、フレキシブルプリント基板214が接続されている。インタフェース部205の接点ピンが樹脂ケース表面側から内部側へ一定量押し込まれると、接点ピンがフレキシブルプリント基板214に設けられている導電パターンと電気的に導通する。
【0036】
ベース部材212の外周を囲むように側面カバー213が配置される。側面カバー213に対して2本のビス216によってアクセサリシュー209が固定される。そして、側面カバー213は、2本のビス217がアクセサリシュー209に形成されたビス穴から側面カバー213の逃げ穴を介してベース部材212に締結されることによって、ベース部材212に固定される。
【0037】
ベース部材212に対して撮像部201がビス223a,223b,223cによって固定される。撮像部201は、光電変換素子、ローパスフィルタ、光電変換素子と電気的に接続される硬質パッケージ、硬質パッケージを実装するプリント基板、プリント基板に実装される種々の電子部品、及び、硬質パッケージに接着固定された金属プレート等を有する。硬質パッケージには、例えばセラミック基材の多層基板が採用されており、硬質パッケージの内部には導体パターンが形成されている。硬質パッケージに形成された導体パターンの一部は硬質パッケージの表面に露出している電極端子と接続され、電極端子の一部と光電変換素子はワイヤボンディング等の手法によって電気的に接続される。また、硬質パッケージの電極端子は、種々の電子部品と共にリフローはんだ付け法等によってプリント基板に実装される。金属プレートに対して硬質パッケージを位置合わせした後、例えば紫外線硬化樹脂等を用いて硬質パッケージの側面と金属プレートの端面を接着固定することにより、硬質パッケージは金属プレートに固定される。
【0038】
金属プレートがビス223a,223b,223cによってベース部材212に取り付けられることにより、撮像部201はベース部材212に取り付けられる。このとき、撮像部201とベース部材212は、これらの間にコイルばね222a,222b,222cを挟み込んだ状態で連結される。こうして撮像部201はベース部材212に対して光軸方向に、若干量、変位可能に支持されるため、ビス223a,223b,223cの締め込み量を調整することにより、ベース部材212に対する撮像部201の撮像面の傾きを調整することができる。この傾き調整が完了した後、ビス223a,223b,223cの緩みを防止するため、これらのビスは金属プレートに接着固定される。
【0039】
ヒンジ部40は、前述したように、チルト回転ヒンジ401とパン回転ヒンジ402によって構成されている。チルト回転ヒンジ401は、二股形状に延設された一対の二股片401xを有する。二股片401xの各々の先端部に、アーム部401a,401b(401bは不図示)が互いに対向して設けられる。一方のアーム部401aには、ホルダ218aがアーム部401aに対してチルト回転軸Tまわりに回転可能に保持されている。他方のアーム部401bには、ホルダ218bがアーム部401bに対してチルト回転軸Tまわりに回転可能に保持されている。
【0040】
ホルダ218bを保持するアーム部401bの内部は中空構造となっており、ハーネス405がアーム部401bの内部に挿通されてパン回転ヒンジ402の内部へ配線されている。ハーネス405は更にパン回転ヒンジ402の内部から固定部30の内部へ配線されており、操作部301、電源部302及び表示部303等と電気的に接続される。ホルダ218a,218bのそれぞれにビス締結穴が形成されており、ビス220a,220bによってホルダ218aはベース部材212に固定され、ビス221a,221bによってホルダ218bはベース部材212に固定される。
【0041】
可動部20は、複数のビス締結穴が形成されたシャーシ224を有し、シャーシ124はビス225a,225bによって側面カバー213に固定される。シャーシ224には、プリント基板226がビス228a,228b,228cによって締結固定される。プリント基板226には、第一の姿勢検出部206、中央制御部207及び記録部210等を含む種々の電子部品がリフローはんだ付け法等によって実装されている。また、プリント基板226には複数のコネクタが実装されており、それらのコネクタにフレキシブルプリント基板214やハーネス405が電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板227は、一端がプリント基板226に接続され、他端が撮像部201のプリント基板に接続されることで、撮像部201とプリント基板226を電気的に接続する。
【0042】
操作部202は、背面カバー229に設けられている。操作部202から延出するフレキシブルプリント基板230は、プリント基板226に実装されているコネクタに接続される。背面カバー229には側面カバー213と係合するための係合爪が複数個所に形成されており、側面カバー213には背面カバー229の係合爪に対応する位置に溝部が形成されている。係合爪を溝部に係合させることによって背面カバー229を側面カバー213に組み付けると、係合爪が溝部に引っ掛かることで、抜け止めとして作用する。なお、側面カバー213と背面カバー229とを接着固定することによって、より確実にカバーの外れを防止するようにしてもよい。
【0043】
次に、可動部20と固定部30との相対的な位置関係と、第一の姿勢検出部206、第一の角度検出部403及び第二の角度検出部404について詳細に説明する。
【0044】
図4は、チルト回転軸Tを中心として可動部20を回転させた状態A1~A5を示す図である。図5は、撮像装置10全体を鉛直方向を含む平面内で回転させた状態B1~B8を示す図である。図6は、パン回転軸Pを中心として可動部20を回転させた状態C1~C4を示す図である。
【0045】
前述したように、撮像装置10に対してX方向、Y方向及びZ方向を図1に示した通りに定めている。各方向の定義に従って、レンズユニット50が+Z方向を向いた状態を「前方向状態」と定め、レンズユニット50が-Z方向を向いた状態を「後ろ方向状態」と定める。また、可動部20のアクセサリシュー209が+Y方向側(固定部30とは反対側)を向く姿勢を「正姿勢」と定義し、アクセサリシュー209が-Y方向側(固定部30側)を向く姿勢を「逆姿勢」と定義する。
【0046】
例えば、状態A2,B1,C1は互いに同じ姿勢であり、前方向状態、且つ、正姿勢である。状態A4は、後ろ方向状態、且つ、逆姿勢である。状態B1~B8,C1~C4は正姿勢である。なお、状態A2,B1~B8,C1では撮影方向は+Z方向であり、状態A4,C3では撮影方向は-Z方向である。正姿勢は、撮像部201が被写体の天地方向と同じ画像を生成する姿勢であり、逆姿勢は撮像部201が被写体の天地方向と逆の画像を生成する姿勢である。なお、撮像装置10は、各状態や各姿勢に対して操作に対するクリック感を持たせて、各状態や姿勢から容易に動かないように構成されてもよい。例えば、状態A2,A3,A4,C1,C2,C3,C4では、他の状態よりも容易に動かないように構成されていてもよい。
【0047】
図4に示す状態A1~A5を参照して、可動部20のチルト回転軸Tまわりの回転に対して定義される方向について説明する。なお、状態A1~A5では、可動部20はパン回転軸Pを中心として回転していない。前方向(+Z方向)を基準として前方向から-Y方向(固定部30へ向く方向)への回転範囲(状態A1~A2間の回転位相内)を「第一の方向」とする。また、後ろ方向(-Z方向)を基準として後ろ方向から-Y方向への回転範囲(状態A4~A5間の回転位相内)を「第二の方向」とする。更に、前方向と後ろ方向の間の+Y方向への回転範囲(状態A2~A3~A4間の回転位相内)を「第三の方向」とする。第三の方向での回転角度は180°である。よって、可動部20は、チルト回転軸Tまわりに180°以上回転可能である。なお、状態A4は、撮影者自身が被写体となる自分撮りに高い頻度で用いられる姿勢である。
【0048】
図5に示す状態B1~B8を参照して、可動部20の絶対姿勢に対して定義される方向について説明する。なお、図5では、状態B2~B8について、撮像装置10についての符号を省略している。状態B1は正姿勢で-Y方向が重力方向と合致している状態であり、状態B5は正姿勢で+Y方向が重力方向と合致している状態である。状態B1を基準として、チルト回転軸T(図5に不図示)と平行な軸を中心とした撮像装置10全体の±90°の回転範囲(状態B3~B2~B1~B8~B7間)を「第四の方向」とする。また、状態B5を基準として、チルト回転軸Tと平行な軸を中心とした撮像装置10全体の±90°の回転範囲(状態B3~B4~B5~B6~B7間)を「第五の方向」とする。
【0049】
図6に示す状態C1~C4を参照して、可動部20のパン回転軸Pまわりの回転に対して定義される方向について説明する。前方向(+Z方向)を基準として±90°の回転範囲(状態C4~C1~C2間)を「第六の方向」とする。また、可動部20のパン回転軸Pまわりの回転に対して、後ろ方向(-Z方向)を基準として±90°の回転範囲(状態C2~C3~C4間)を「第七の方向」とする。
【0050】
前述したように、第一の角度検出部403、第一の姿勢検出部206及び第二の角度検出部404の検出信号は中央制御部207へ伝送される。中央制御部207は、第一の姿勢検出部206及び第一の角度検出部403からの検出信号に基づき、第一乃至第五の方向を判定する。また、中央制御部207は、第二の角度検出部404からの検出信号に基づき、第六の方向又は第七の方向かを判定する。そして、中央制御部207は判定した方向に応じて、表示部303の表示画面303aの表示切替制御を行う。
【0051】
表示画面303aでの表示は、前方向且つ正姿勢での通常表示を基準として、上下反転表示(Y方向反転表示)、左右反転表示(X方向反転表示)、上下左右反転表示に切り替え可能となっている。なお、図1に示されるように本実施形態では、表示画面303aは矩形形状を有しており、長辺は回動軸Aと平行であり、短辺は回動軸Aと直交する。表示画面303aの左右方向とは長辺と平行な方向であり、表示画面303aの上下方向とは短辺と平行な方向である。
【0052】
図7は、撮像装置10の表示画面303aでの表示切替の内容を説明する図である。図7(a)は、表示画面303aでの上下方向の表示切替方法を説明する図である。図7(b)は、表示画面303aでの左右方向の表示切替方法を説明する図である。
【0053】
表示画面303aでの上下方向の表示切替は、前方向且つ正姿勢を基準として、第一乃至第三の方向についての判定結果と、第四及び第五の方向についての判定結果に応じて制御される。具体的には、第一の方向であると判定された場合には、第四の方向か第五の方向かにかかわらず、上下方向での反転表示は行われない。第二の方向であると判定された場合には、第四の方向か第五の方向かにかかわらず、上下方向での反転表示が行われる。第三の方向、且つ、第四の方向であると判定された場合には、上下方向での反転表示は行われない。一方、第三の方向、且つ、第五の方向であると判定された場合には、上下方向で反転表示が行われる。
【0054】
表示画面303aでの左右方向の表示切替は、前方向且つ正姿勢を基準として、第六及び第七の方向についての判定結果に応じて制御される。第六の方向であると判定された場合には、左右方向での反転表示は行われない。一方、第七の方向であると判定された場合、左右方向の反転表示が行われる。このような表示切替制御により、自分撮り時や他人撮り時等に、撮影者の意図に沿った画像表示を行うことが可能となる。
【0055】
図8は、撮像装置10の姿勢と撮影者の目Uとの位置関係の例を示す図である。図8(a)は、ローアングル撮影時の撮像装置10と撮影者の目Uとの位置関係を示している。この場合、第三の方向、第四の方向及び第六の方向が検出されるため、表示画面303aでの表示は、上下反転も左右反転も行わない表示である通常表示となる。図8(b)は、撮像装置10を木の枝等に吊り下げた状態で撮影を行う際の撮像装置10と撮影者の目Uとの位置関係を示している。この場合、第一の方向、第五の方向及び第七の方向が検出されるため、表示画面303aでの表示は上下反転させずに左右反転を行う表示となる。
【0056】
このように、可動部20の固定部30に対する角度やヒンジ部40の回転角度、撮像装置10(固定部30)の持ち方等を変えることによって撮像装置10の姿勢が変化しても、常に撮影者に適切な表示画像を提供することが可能になる。よって、撮影者は、撮像装置10の姿勢を種々に変更しても、意図した撮影を行うことができるか否か、また、意図した撮影が行われているか否かを、表示部303に表示された映像(画像)を通じて容易に確認することができる。
【0057】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図9は、第二実施形態に係る撮像装置11のブロック図である。撮像装置11は、第一実施形態に係る撮像装置10と比較すると、第二の姿勢検出部305が搭載された固定部30Aと、第一の姿勢検出部206を有していない可動部20Aを備える点で、撮像装置10と異なる。そのため、撮像装置11の構成要素のうち、撮像装置10の構成要素と同じものについては、図9において同じ符号を付しており、また、ここでの説明を省略する。そして、撮像装置11の外観は、撮像装置10(図1参照)と同じであるため、その説明を省略する。
【0058】
第二の姿勢検出部305は、ジャイロセンサや加速度センサ等で構成されており、図5に示す状態B1~B8での固定部30Aの絶対姿勢を検出する。状態B1を基準として、チルト回転軸T(図5に不図示)と平行な軸を中心とした撮像装置10全体の±90°の回転範囲(状態B3~B2~B1~B8~B7間)を「第八の方向」とする。また、状態B5を基準として、チルト回転軸Tと平行な軸を中心とした撮像装置10全体の±90°の回転範囲(状態B3~B4~B5~B6~B7間)を「第九の方向」とする。
【0059】
第二の姿勢検出部305から出力される検出信号は、アナログ信号又はデジタルデータとして、中央制御部207へ伝送される。中央制御部207は、第一の角度検出部403及び第二の姿勢検出部305の各検出信号に基づいて撮像装置11の姿勢を判定し、判定結果に基づいて表示部303の表示画面303aでの上下方向の表示切替制御を行う。
【0060】
なお、撮像装置11での表示画面303aでの左右方向の表示切替制御は、第一実施形態での撮像装置10の表示画面303aでの左右方向の表示切替制御と同様に行われるため、説明を省略する。撮像装置11では、第二の角度検出部404を備えずに、左右反転表示を行わない構成としてもよい。
【0061】
図10は、撮像装置11での表示画面303aでの表示切替の内容を説明する図である。表示画面303aでの上下方向の表示切替は、前方向且つ正姿勢を基準として、第一乃至第三の方向についての判定結果と、第八及び第九の方向についての判定結果に応じて制御される。なお、第二実施形態での「前方向」、「後ろ方向」、「正姿勢」及び「逆姿勢」の定義は、第一実施形態での定義に準ずる。
【0062】
具体的には、第一の方向であると判定された場合には、第八の方向か第九の方向かにかかわらず、上下方向での反転表示は行われない。第二の方向であると判定された場合には、第八の方向か第九の方向かにかかわらず、上下方向での反転表示が行われる。第三の方向、且つ、第八の方向であると判定された場合には、上下方向での反転表示は行われない。一方、第三の方向、且つ、第九の方向であると判定された場合には、上下方向で反転表示が行われる。
【0063】
このようにして、第二実施形態に係る撮像装置11でも、撮像装置11の姿勢に応じて常に撮影者に適切な表示画像を提供することができる。よって、撮影者は、撮像装置10の姿勢を種々に変更しても、意図した撮影を行うことができるか否か、また、意図した撮影が行われているか否かを、表示部303に表示された映像(画像)を通じて容易に確認することができる。
【0064】
次に、本発明の第三実施形態について説明する。図11は、第三実施形態に係る撮像装置12のブロック図である。撮像装置12は、第一実施形態に係る撮像装置10と比較すると、第二の姿勢検出部305が搭載された固定部30Aと、第一の角度検出部403を有していないヒンジ部40Aを備える点で、撮像装置10と異なる。そのため、撮像装置12の構成要素のうち、撮像装置10の構成要素と同じものについては、図11において同じ符号を付しており、また、ここでの説明を省略する。そして、撮像装置12の外観は、撮像装置10と同じ(図1参照)であるため、その説明を省略する。
【0065】
固定部30Aは、第二実施形態に係る撮像装置11を構成する固定部30Aと同じである。つまり、第二の姿勢検出部305の構成と、第二の姿勢検出部305の検出信号に基づいて中央制御部207が検出する方向(第八の方向、第九の方向)は、第二実施形態での説明に準ずるため、ここでの説明を省略する。
【0066】
中央制御部207は、第一の姿勢検出部206及び第二の姿勢検出部305の各検出信号に基づいて撮像装置12の姿勢を判定し、判定結果に基づいて表示部303の表示画面303aでの上下方向の表示切替制御を行う。
【0067】
なお、撮像装置12での表示画面303aでの左右方向の表示切替制御は、第一実施形態での撮像装置10の表示画面303aでの左右方向の表示切替制御と同様に行われるため、説明を省略する。撮像装置12では、第二の角度検出部404を備えずに、左右反転表示を行わない構成としてもよい。
【0068】
図12は、撮像装置12での表示画面303aの表示切替の内容を説明する図である。表示画面303aでの上下方向の表示切替は、前方向且つ正姿勢を基準として、第四及び第五の方向についての判定結果と、第八及び第九の方向についての判定結果に応じて制御される。なお、第三実施形態での「前方向」、「後ろ方向」、「正姿勢」及び「逆姿勢」の定義は、第一実施形態での定義に準ずる。
【0069】
具体的には、第四の方向、且つ、第八の方向と判定された場合と、第五の方向、且つ、第九の方向であると判定された場合とで、上下方向での反転表示は行われない。第四の方向、且つ、第九の方向と判定された場合と、第五の方向、且つ、第八の方向と判定された場合とで、上下方向での反転表示が行われる。
【0070】
このようにして、第三実施形態に係る撮像装置12でも、撮像装置12の姿勢に応じて常に撮影者に適切な表示画像を提供することが可能になる。よって、撮影者は、撮像装置12の姿勢を種々に変更しても、意図した撮影を行うことができるか否か、また、意図した撮影が行われているか否かを、表示部303に表示された映像(画像)を通じて容易に確認することができる。
【0071】
次に、本発明の第四実施形態について説明する。図13は、第四実施形態に係る撮像装置13のブロック図である。撮像装置13は、第一実施形態に係る撮像装置10と比較すると、第二の姿勢検出部305と第三の角度検出部307が搭載された固定部30Bと、第一の姿勢検出部206を有していない可動部20Aを備える点で、撮像装置10と異なる。そのため、撮像装置13の構成要素のうち、撮像装置10の構成要素と同じものについては、図13において同じ符号を付しており、また、ここでの説明を省略する。そして、撮像装置13の外観は、撮像装置10と同じ(図1参照)であるため、その説明を省略する。
【0072】
固定部30Bが備える第二の姿勢検出部305の構成と、第二の姿勢検出部305の検出信号に基づいて中央制御部207が検出する方向(第八の方向、第九の方向)は、第二実施形態での説明に準ずるため、ここでの説明を省略する。
【0073】
第一の角度検出部403の構成と機能は、第一実施形態で説明した通りであり、ここでの説明を省略する。但し、第四実施形態では、第一の角度検出部403からの検出信号に基づいて中央制御部207が判定する可動部20Aのチルト回転軸Tまわりの回転方向の定義が、第一実施形態での定義と異なる。
【0074】
図14は、チルト回転軸Tを中心として可動部20Aを回転させた状態A1~A5を示す図である。図14に示される状態A1~A5は、図4に示される状態A1~A5と同じである。また、「前方向」及び「後ろ方向」の定義も、第一実施形態での定義に準ずる。
【0075】
前方向から-Y方向(固定部30Bへ向く方向)への回転範囲(状態A1~A2間の回転位相内)を「第十一の方向」とする。後ろ方向を基準として後ろ方向から-Y方向への回転範囲(状態A4~A5間の回転位相内)を「第十二の方向」とする。前方向から+Y方向への回転範囲(状態A2~A3間の回転位相内)を「第十三の方向」とする。後ろ方向から+Y方向への回転範囲(状態A3~A4間の回転位相内)を「第十四の方向」とする。第十三の方向と第十四の方向でのそれぞれの回転角度は90°である。
【0076】
なお、状態A2から状態A3へと可動部20Aの姿勢を切り替える場合には、状態A2の姿勢を超えて一定の角度が経過するまでを第十三の方向と定義する。また、状態A4から状態A3へと可動部20Aの姿勢を切り替える場合には、状態A3の姿勢を超えて一定の角度が経過するまでを第十四の方向と定義する。これにより、表示画面303aにおける上下方向での意図しない表示切替を抑制することができる。
【0077】
図15(a),(b)は、表示部303の閉状態と開状態を示す側面図である。第三の角度検出部307は、加速度センサや角度センサ等で構成されており、表示部ヒンジ306の回転角度を検出する。第三の角度検出部307から出力される検出信号は、アナログ信号又はデジタルデータとして、中央制御部207へ伝送される。中央制御部207は、第三の角度検出部307から取得した検出信号に基づいて、表示部303が開状態か又は閉状態かを判定する。本実施形態では、表示部303の裏面(表示画面303aの反対側の面)が固定部30Bに当接している図15(a)状態を「閉状態」とし、表示部303の裏面が固定部30Bから離れている図15(b)の状態を「開状態」とする。
【0078】
ここで、本実施形態では表示部303の開閉範囲(開閉可能角度)は略45°であり、その中間である略22.5°を境として、中央制御部207は開閉状態の検出結果を切り替える。つまり、図15(b)に示す表示部303の全開状態から中間位置までの範囲(第二の角度範囲)は開状態と判定され、中間位置から図15(a)に示す全閉状態までの範囲(第一の角度範囲)は閉状態と判定される。なお、表示部303の開閉範囲は略45°に限定されるものではなく、より狭くともよいし、視認性を確保することが可能な範囲でより広くてもよい。
【0079】
中央制御部207は、第一の角度検出部403、第二の姿勢検出部305及び第三の角度検出部307の各検出信号に基づいて、表示部303の姿勢を含めた撮像装置13の姿勢を判定する。そして、中央制御部207は、判定結果に基づいて表示画面303aでの上下方向の表示切替制御を行う。
【0080】
図16は、撮像装置13での表示画面303aの表示切替の内容を説明する図である。表示画面303aでの上下方向の表示切替は、前方向且つ正姿勢を基準として、第十一乃至十四の方向についての判定結果と、第八及び第九の方向についての判定結果と、表示部303の開閉状態の判定結果に応じて制御される。なお、第四実施形態での「前方向」、「後ろ方向」、「正姿勢」及び「逆姿勢」の定義は、第一実施形態での定義に準ずる。
【0081】
表示画面303aにおいて上下方向での反転表示が行われないケースは、以下の第一乃至第四のケースである。第一のケースは、第八の方向か第九の方向かの判定結果及び表示部303の開閉状態の判定結果に関係なく、第十一の方向であると判定されたケースである。第二のケースは、表示部303の開閉状態の判定結果に関係なく、第十三の方向であり、且つ、第八の方向であると判定されたケースである。第三のケースは、第十三の方向であり、且つ、第九の方向であり、且つ、表示部303が閉状態であると判定されたケースである。第四のケースは、第十四の方向であり、且つ、第九の方向であり、且つ、表示部303が開状態であると判定されたケースである。
【0082】
一方、表示画面303aにおいて上下方向での反転表示が行われるのは、以下の第五乃至第八のケースである。第五のケースは、第八の方向か第九の方向かの判定結果及び表示部303の開閉状態の判定結果に関係なく、第十二の方向であると判定されたケースである。第六のケースは、第十三の方向であり、且つ、第九の方向であり、且つ、表示部303が開状態であると判定されたケースである。第七のケースは、表示部303の開閉状態の判定結果に関係なく、第十四の方向であり、且つ、第八の方向であると判定されたケースである。第八のケースは、第十四の方向であり、且つ、第九の方向であり、且つ、表示部303が閉状態であると判定されたケースである。
【0083】
このような表示制御により、例えば両手を自由にして撮影するために撮像装置13を所定位置に吊るして撮影したいシーンやローアングルからの撮影を行いたいシーンを区別して、撮影シーンに応じて撮影者に適切な表示画像を常時提供することが可能になる。よって、撮影者は、撮像装置13の姿勢を表示部303の姿勢を含めて種々に変更しても、意図した撮影を行うことができるか否か、また、意図した撮影が行われているか否かを、表示部303に表示された映像(画像)を通じて容易に確認することができる。
【0084】
次に、本発明の第五実施形態について説明する。第五実施形態では、第一実施形態に係る撮像装置10による動画コンテンツの撮影方法及び操作画面の表示制御について説明する。
【0085】
前述した従来技術の一例である特許文献1では、動画撮影等による映像の記録中にレンズ部を回動させて撮影方向を切り替えることがある。こうして記録された映像を再生し或いは編集する際には、確認したいシーンがどこにあるかを容易に見つけ出すことができると便利である。しかし、特許文献1に記載された技術では、撮影方向の切り替わりタイミングを映像再生時に見つけ出すことが容易ではない。そこで、第五実施形態では、記録映像での撮影方向の切り替わりを容易に見つけ出すことができるようにする。
【0086】
図17は、動画コンテンツ(撮影映像)を管理する操作画面の一例を示す図である。表示部303の表示画面303aには、H軸方向(表示画面303aの長手方向)に、撮影された時間軸順にグループごとに各動画コンテンツを表す縮小画像が表示される。グループA,C,Dは、複数の動画コンテンツを含み、複数の動画コンテンツはV軸方向(表示画面303aの短手方向)に並べて表示される。
【0087】
ユーザは、タッチパッド301cを操作することにより、H軸に沿って表示する動画コンテンツから任意の動画コンテンツを選択することができる。また、ユーザは、ある動画コンテンツが属するべきグループを決め、そのグループに動画コンテンツを関連付けることができる。ユーザは、動画コンテンツを撮影する際に、操作部301の第一のボタン301a又は第二のボタン301bを押下することで、撮影開始を中央制御部207に指示する。第一のボタン301aが押下されて撮影が開始された場合、撮影された動画コンテンツは、どのグループにも属さない新しいグループに分類される。一方、第二のボタン301bが押下されて撮影が開始された動画コンテンツは、再撮影による動画コンテンツであると認識されて、指定されたいずれかのグループに分類される。以下、その詳細について説明する。
【0088】
どのグループにも属さない新しい動画コンテンツを撮影する際には、ユーザは第一のボタン301aを押下する。新しい動画コンテンツは、設定されている撮影条件と、装着しているレンズユニット50の種類等の情報と共に、記録部210に記録される。例えば、グループDまで撮影が行われていた場合に第一のボタン301aが押下されて撮影が開始された場合にはグループEが作成され、グループEのコンテンツ1として管理及び表示が行われる。
【0089】
一方、撮影済みの動画コンテンツグループのいずれかに分類されるべき動画コンテンツの撮り直し等の再撮影を行う際には、ユーザは第二のボタン301bを押下する。再撮影された動画コンテンツは、設定された撮影条件と、装着しているレンズユニット50の種類等の情報と共に、記録部210に記録され、最後に撮影されたグループに分類される。例えば、最後にグループDのコンテンツ1が撮影された状況で再撮影が行われた場合には、中央制御部207は、再撮影された動画コンテンツをグループDの動画コンテンツに分類し、グループDのコンテンツ2として管理及び表示を行う。
【0090】
但し、ユーザが、第二のボタン301bを押下する前に表示画面303aに表示されている動画コンテンツの一覧からタッチパッド301cを用いて特定の動画コンテンツを選択する場合がある。この場合、再撮影された動画コンテンツは、最後に撮影されたグループではなく、選択された動画コンテンツのグループに分類される。例えば、グループCのコンテンツ2が選択されていた場合には、再撮影された動画コンテンツは、グループCに分類されて、グループCのコンテンツ3として管理及び表示が行われる。
【0091】
図18は、動画コンテンツの撮影開始から撮影終了までのタイミングチャートである。図18の横軸には、撮影された動画コンテンツでの経過時間Timeが取られている。動画コンテンツの撮影中に、チルト回転ヒンジ401とパン回転ヒンジ402の回転による撮影方向の切り替えが発生することがある。図18の例では、第一の方向から第二の方向へ撮影方向が切り替わった後、第二の方向から再び第一の方向へ撮影方向が切り替わっている。このように、動画コンテンツの撮影中には、固定部30に対する可動部20の回転位置が属する回転角度範囲が切り替わることがある。
【0092】
中央制御部207は、可動部20の姿勢情報に基づき、固定部30に対する可動部20の回転位置が属する回転角度範囲が切り替わったタイミングでそのことを示す「切り替わり情報」を、記録される映像である動画コンテンツに付与する。これにより、動画コンテンツの再生時や編集時に、可動部20の回転位置が属する回転角度範囲が切り替わったタイミングを容易に見つけ出すことが可能になる。
【0093】
切り替わり情報は、切り替わりフラグFLGとして記録部210に記録される。記録される切り替わりフラグFLGには、第一乃至第七の方向に対応して付される切り替わりフラグFLG1~FLG7がある。中央制御部207は、可動部20の回転位置が、隣接する回転角度範囲間の境界を跨いだ場合に、可動部20の回転位置が属する回転角度範囲が切り替わったと判定する。
【0094】
切り替わりフラグFLGは、可動部20の回転位置が属する回転角度範囲が切り替わった時刻を示す情報を含む。また、切り替わりフラグFLGは、可動部20の回転位置が属する回転角度範囲の切り替わり前後の回転角度範囲を示す情報を含む。例えば、第一の方向から第二の方向に切り替わった場合、切り替わり前の回転角度範囲として第一の方向が記録されると共に、切り替わり後の回転角度範囲として第二の方向が記録される。このような情報は、回転角度範囲の切り替わり方向を示す情報でもある。
【0095】
なお、切り替わりフラグFLG1~3と、切り替わりフラグFLG5,6と、切り替わりフラグFLG6,7とは、独立して記録される。例えば、切り替わりフラグFLG1~3は、チルト回転軸T(第一の回転軸)まわりの回転角度範囲が切り替わったことを示す第一の切り替わり情報である。切り替わりフラグFLG5,6は、第一の姿勢検出部206の検出結果に基づく切り替わり情報である。切り替わりフラグFLG6,7は、パン回転軸P(第二の回転軸)まわりの回転角度範囲が切り替わったことを示す第二の切り替わり情報である。
【0096】
ある回転方向に関し、回転角度範囲を区分する数は3つ以上であってもよい。また、3つ以上の回転角度範囲のうち、切り替わりフラグFLGが記録されるのは、切り替わり後の回転角度範囲が所定の回転角度範囲の場合に限定してもよい。例えば、チルト回転軸Tまわりの回転に関して、切り替わりフラグFLG2を廃止してもよい。つまり、第二の方向から第三の方向に切り替わった場合に、切り替わりフラグFLG3には、切り替わり前の回転角度範囲として第二の方向ではなく第一の方向が記録されると共に、切り替わり後の回転角度範囲として第三の方向が記録されるようにしてもよい。
【0097】
後述するように、撮影された動画コンテンツには、切り替わりの時刻や方向だけでなく、回転の角度や速度に応じたフラグも付与される。付与されるフラグは、固有の印や簡略化された文字等により表現される。例えば、図18では、自分撮りフラグと他人撮りフラグが、色違いの星印で付与されている。
【0098】
動画コンテンツに切り替わりフラグFLG等の各種フラグが付与されることで、動画コンテンツの編集の際に編集のターゲットを設定しやすくなり、動画コンテンツ編集時間の短縮を図ることができる。動画コンテンツの編集の態様としては、各グループに属する複数のコンテンツの中から、ユーザにより選ばれた1つずつのコンテンツをつなぎ合わせて1つの動画コンテンツを完成させる態様が想定される。このような態様において、このような態様に限らず、例えば、付与されたフラグをチェックポイントとして活用することで、動画コンテンツの編集を容易に行うことが可能となる。また、動画コンテンツの再生時には、付与されたフラグをキャプチャとして活用することで、フラグ位置からの再生が可能となり、撮影された動画コンテンツの確認も容易に行うことができることで編集時間の短縮が可能になる。動画コンテンツの再生時には、付与されたフラグが示す撮影方向の切り替わりタイミングから再生を開始することができる。
【0099】
なお、図17に示したように、グループの並び方向をH軸方向、各グループに属する動画コンテンツの並び方向をV軸方向としたが、これに限定されず、斜め方向や円弧に沿った方向等、他の方向をグループの並び方向としてもよい。
【0100】
図19(a),(b)は、撮像装置10の姿勢の一例を示す図である。切り替わりフラグFLG1~3を付与するか否かは、チルト回転ヒンジ401での回転だけでなく、固定部30又は可動部20の姿勢を加味して判定されてもよい。
【0101】
図19(a)に示す姿勢では、パン回転軸Pは重力方向と平行である。この姿勢では角度θ1の範囲が第一の方向であり、図4に示す状態A1と状態A2との間の範囲と同じである。これに対して、図19(b)に示す姿勢では、パン回転軸Pは重力方向に対して傾斜している。この姿勢では角度θ2の範囲が第一の方向となる。すなわち、撮像装置10の姿勢を加味したレンズユニット50が向く方向が、重力方向に対して水平となる回転位置から、レンズユニット50が向く方向が重力方向の成分を有する側へ回転可能な限界位置までの角度θ2の範囲が第一の方向となる。角度θ2は、角度θ1より大きい。中央制御部207は、第一の角度検出部403と第一の姿勢検出部206からの検出信号に基づいて、第一乃至第三の方向を変更する。
【0102】
なお、第一の姿勢検出部206は、固定部30の姿勢を検出可能であってもよい。或いは、第三実施形態に係る撮像装置12のように、可動部20用と固定部30用とに独立して姿勢検出部を設けてもよい。
【0103】
固定部30でなく可動部20の姿勢を検出する第一の姿勢検出部206を有する場合には、次のように処理される。すなわち、中央制御部207は、可動部20の姿勢と、チルト回転軸Tまわりの固定部30に対する可動部20の回転位置とから、光軸が水平となるような固定部30に対する可動部20の回転角度を決定する。そして、中央制御部207は、決定した回転角度を、第一の方向と第三の方向との境界とするように変更する。この場合、第一の方向が変更されて角度θ2が大きくなった結果、第二の方向が消滅することが生じ得る。
【0104】
可動部20ではなく固定部30の姿勢を検出する姿勢検出部が設けられた場合には、次のように処理される。すなわち、中央制御部207は、固定部30の姿勢に基づいて、チルト回転軸Tまわりの、光軸が水平となるような固定部30に対する可動部20の回転角度を決定し、決定した回転角度を第一の方向と第三の方向の境界に設定する。回転角度範囲間の境界の変更は、チルト回転軸Tまわりに限らず、パン回転軸Pまわりに関しても反映させることができる。
【0105】
図20は、動画コンテンツを管理する処理のフローチャートである。図20のフローチャートにS番号で示す各処理(ステップ)は、中央制御部207が備えるROM等の記憶部に格納されたプログラムを中央制御部207が備えるCPUが読み出して実行することにより実現される。この処理は、撮像装置10の電源がオンにされると開始される。
【0106】
S101で中央制御部207は、撮影指示が入力されたか否かを判別する。ここでは、第一のボタン301aが押下されると、撮影指示が入力されたと判別される。撮影指示が入力されない場合は、中央制御部207は、S102で、再撮影指示が入力されたか否かを判別する。ここでは、第二のボタン301bが押下されると、再撮影指示が入力されたと判別される。再撮影指示が入力されない場合は、中央制御部207は処理をS101に戻す。
【0107】
S101で撮影指示が入力された場合は、中央制御部207は、S104で、撮影処理を開始する。撮影されたデータ(映像)は記録部210に順次記録される。次に、S105で中央制御部207は、撮影終了指示が入力されるまで撮影を続ける。ここでは、第一のボタン301a又は第二のボタン301bが押下されると、撮影終了指示が入力されたと判別される。撮影終了指示が入力されると、中央制御部207は、S106で、今回撮影されたデータを、どのグループにも属さない新しいグループの動画コンテンツに分類すると共に、撮影されたデータを記録部210に記録し、その後、処理を終了させる。
【0108】
S102での判別の結果、再撮影指示が入力された場合は、中央制御部207は、S103で、再撮影指示が入力される直前に特定の動画コンテンツが選択済みであったか否かを判別する。そして、特定の動画コンテンツが選択済みであった場合は、中央制御部207は、S107で、選択済みの動画コンテンツとしての再撮影を開始し、撮影されたデータを記録部210に順次記録する。次に、S108で中央制御部207は、撮影終了指示が入力されるまで撮影を続ける。ここでは、第一のボタン301a又は第二のボタン301bが押下されると、撮影終了指示が入力されたと判別される。撮影終了指示が入力されると、中央制御部207は、S109で、今回撮影されたデータを、選択済みの動画コンテンツが属するグループに分類すると共に、撮影されたデータを記録部210に記録し、その後、処理を終了させる。
【0109】
S103での判別の結果、特定の動画コンテンツが選択済みでなかった場合は、中央制御部207は、S110で、最後に撮影された動画コンテンツとしての再撮影を開始し、撮影されたデータを記録部210に順次記録する。次に、S111で中央制御部207は、撮影終了指示が入力されるまで撮影を続ける。ここでは、第一のボタン301a又は第二のボタン301bが押下されると、撮影終了指示が入力されたと判別される。撮影終了指示が入力されると、中央制御部207はS112で、今回撮影されたデータを、最後に撮影された動画コンテンツが属するグループに分類すると共に、撮影されたデータを記録部210に記録し、その後、処理を終了させる。
【0110】
図21は、警告処理のフローチャートである。この処理は、図20に示す処理の変形例である。具体的には、図21のフローチャートでは、図20のフローチャートでのS102,S103に代えてS201~S210が実行される。
【0111】
S101でNoと判別された場合、中央制御部207はS201で、S102と同様に、再撮影指示が入力されたか否かを判別し、再撮影指示が入力されるまで待機する。再撮影指示が入力されと、中央制御部207は、S202で、S103と同様に、再撮影指示が入力される直前に特定の動画コンテンツが選択済みであったか否かを判別する。そして、特定の動画コンテンツが選択済みでなかった場合は、中央制御部207は、S210で、撮影開始へ移行する。この場合は、図20のS110以降の、最後に撮影された動画コンテンツとしての再撮影の処理が実行される。
【0112】
S202での判別の結果、特定の動画コンテンツが選択済みであった場合は、中央制御部207は、S203で、選択済みの動画コンテンツが、最後に撮影された動画コンテンツであるか否かを判別する。そして、選択済みの動画コンテンツが、最後に撮影された動画コンテンツである場合は、中央制御部207は、S210で、撮影開始へ移行する。この場合も、図20のS110以降の、最後に撮影された動画コンテンツとしての再撮影の処理が実行される。
【0113】
S203での判別の結果、選択済みの動画コンテンツが最後に撮影された動画コンテンツでない場合は、中央制御部207は、処理をS204に進める。S204で中央制御部207は、選択済みの動画コンテンツを撮影する際に装着されていたレンズユニット50の種類を示す情報を記録部210から読み込み、その種類が現在装着されているレンズユニット50の種類と同じか否かを判別する。なお、レンズユニット50の情報は、装着されるごとに保存されている。そして、両者が同じである場合は、選択済みの動画コンテンツの撮影時と異なるレンズユニット50で再撮影が行われるおそれがないため、中央制御部207は、S210で、撮影開始へ移行する。この場合、図20のS107以降の、選択済みの動画コンテンツとしての再撮影の処理が実行される。
【0114】
S204での判別の結果、選択済みの動画コンテンツを撮影する際に装着されていたレンズユニット50の種類が現在装着されているレンズユニット50の種類と同じでない場合には、中央制御部207は、処理をS205に進める。S205で中央制御部207は、図22に例示するような警告を表示部303の表示画面303aに表示させる。
【0115】
図22は、表示画面303aに表示される警告内容の一例を示す図である。表示画面303aには、選択済みの動画コンテンツを撮影した際に装着していた(前回の)レンズユニット50と、現在装着されている(現在の)レンズユニット50の各名称が表示される。前回のレンズユニット50が「ZOOOM LENS 1」という名称のレンズユニット50であり、現在のレンズユニット50が「ZOOOM LENS 2」という名称であれば、それぞれの名称が表示される。また、レンズユニット50の名称と共に、レンズユニット50の種類が異なっていることを報知するために「レンズが異なります」というメッセージが表示される。これにより、選択された動画コンテンツの撮影時と現在とで装着されているレンズユニット50が異なっていることをユーザに知らせることができる。
【0116】
S205の後のS206で中央制御部207は、第一のボタン301a又は第二のボタン301bが押下されたことにより再撮影の開始指示が入力されたか否かを判別する。再撮影の開始指示が入力されない場合は、中央制御部207は、S207で、現在のレンズユニット50から前回のレンズユニット50に交換されたか否かを判別する。中央制御部207は、現在のレンズユニット50から前回のレンズユニット50に交換されたことが確認できない場合には、処理をS206に戻す。これにより、選択済みの動画コンテンツの撮影時と異なるレンズユニット50で再撮影が行われてしまうことを抑止することができる。
【0117】
一方、現在のレンズユニット50から前回のレンズユニット50に交換されたことを確認することができた場合は、中央制御部207は、S208で、表示画面303aに表示されていた警告表示を終了し、処理をS201に戻す。S206での判別の結果、再撮影の開始指示が入力された場合は、中央制御部207は、S209で、表示画面303aに表示されていた警告表示を終了し、処理をS210に進める。この場合、図20のS107以降の、選択済みの動画コンテンツとしての再撮影の処理が実行される。S210の後、中央制御部207は、図21に示す処理を終了する。
【0118】
このように、再撮影を行う際に、選択された動画コンテンツの撮影時と現在とで、装着されているレンズユニット50が異なっている場合には、表示画面303aに警告が表示される。これにより、意図せずに、選択済みの動画コンテンツの撮影時と異なるレンズユニット50で再撮影が行われることを防止することができる。また、レンズ交換を促すことにより、同じレンズユニット50で再撮影を行うことが可能となる。更に、警告が表示された場合であっても、再度、再撮影の開始指示が入力されると撮影が開始される(S206でYes)。従って、意図的にレンズユニット50を取り変えていた場合にも、再撮影を実行することが可能となる。
【0119】
なお、動画コンテンツ選択の際に、最後に撮影された動画コンテンツが選択された場合には、選択された動画コンテンツの撮影時と現在とで、装着されているレンズユニット50が異なっていたとしても警告は表示されない(S203でYes)。これは、最後に撮影された動画コンテンツの再撮影であるにもかかわらずレンズユニット50が異なっている場合には、意図的にレンズユニット50が取り替えている可能が高いと判断できるからである。
【0120】
図23は、動画コンテンツ撮影中におけるフラグ付与処理のフローチャートである。この処理は、図20のS104,S107,S110のいずれかで撮影が開始されたことに応じて開始され、図20に示す処理と並行して実行される。この処理において、中央制御部207は、本発明における制御手段としての機能を果たす。
【0121】
S301で中央制御部207は、撮影を開始する。S302で中央制御部207は、第一の姿勢検出部206からの検出信号に基づいて撮像装置10の姿勢を判定する。また、中央制御部207は、第一の角度検出部403及び第二の角度検出部404からの検出信号に基づいて、チルト回転軸Tまわりとパン回転軸Pまわりの固定部30に対する可動部20の回転位置を判定する。
【0122】
S303で中央制御部207は、パン方向又はチルト方向への回転動作(以下「回転動作」と総称する)が行われたか否かを判別し、回転動作が行われない場合は、処理をS312に進める。一方、回転動作が行われた場合は、中央制御部207は、処理をS304に進める。なお、回転動作として、パン動作が行われた場合とチルト動作が行われた場合とで、S304以降の処理は並行して実行される。
【0123】
S304で中央制御部207は、回転動作による回転量が所定角度より大きいか否かを判別する。なお、S304では、今回の動作による回転量、すなわち、S303で最後にYesと判別されてからの回転量(停止を挟まずに変位した角度)が判断対象となる。そして、回転動作による回転量が所定角度以下である場合は、中央制御部207は処理をS312に進める。従って、所定角度より大きい可動部20の回転位置の変化が検出されない場合は、切り替わりフラグFLGや他のフラグは、記録される動画コンテンツに対応付けられない。これは、そのような回転動作は、微調整を目的とした動作に過ぎないと判断されるからである。
【0124】
S304での判別の結果、回転動作による回転量が所定角度より大きい場合は、中央制御部207は、S305で、回転動作による回転速度が所定速度未満であるか否かを判別する。回転速度は、単位時間内の回転角度変化に基づき算出される。そして、回転動作による回転速度が所定速度未満である場合は、所定速度より速くない可動部20の回転が検出された場合であり、流し撮りのために、可動部20をゆっくりと回転操作していると考えられる。そこで、中央制御部207はS309で、切り替わりフラグFLGとは異なる流し撮りフラグ(第二の情報)を、記録される映像に対応付ける。流し撮りフラグは、パン、チルトのそれぞれに対応して付与され、両者が複合して付与されることもある。
【0125】
次に、S310で中央制御部207は、固定部30に対する可動部20の回転位置が属する回転角度範囲が切り替わった(境界を跨いだ)か否かを判別する。そして、回転角度範囲が切り替わった場合は、中央制御部207は、S311で、記録される動画コンテンツに、切り替わりフラグFLGを対応付ける。上述したように、切り替わり前後の回転角度範囲を示す情報や切り替わりタイミングを示す情報が、記録される映像に付与される。
【0126】
その後、中央制御部207は、処理をS312に進める。一方、S310での判別の結果、回転角度範囲が切り替わっていない場合は、中央制御部207は、切り替わりフラグFLGを付与することなく、処理をS312に進める。
【0127】
S305での判別の結果、回転動作による回転速度が所定速度未満でない場合は、所定速度より速い可動部20の回転が検出された場合であり、意図的なパン又はチルトの動作が行われたと判断される。そこで、中央制御部207は、S306で、切り替わりフラグFLGとは異なるパンフラグまたはチルトフラグ(第一の情報)を、記録される動画コンテンツに対応付ける。パンフラグとチルトフラグとは複合して付与されることもある。
【0128】
次に、S307で中央制御部207は、パンフラグ又はチルトフラグを付与してから所定時間が経過する前に、固定部30に対する可動部20の回転位置が属する回転角度範囲が切り替わったか否かを判別する。そして、パンフラグ又はチルトフラグを付与してから所定時間が経過する前に回転角度範囲が切り替わらなかった場合は、中央制御部207は、処理をS312に進める。従って、パンフラグ又はチルトフラグは維持され、切り替わりフラグFLGは付与されない。しかし、パンフラグ又はチルトフラグを付与してから所定時間が経過する前に回転角度範囲が切り替わった場合は、中央制御部207は、処理をS308に進める。
【0129】
S308で中央制御部207は、動画コンテンツに対応付けていたパンフラグ又はチルトフラグを削除し、その後、処理をS311に進める。従って、速いパン動作又はチルト動作が行われたが、その直後、所定時間が経過する前に大きく回転させた場合には、パンフラグ又はチルトフラグが削除される代わりに、切り替わりフラグFLGが付与される。これにより、ユーザの意図に沿った切り替わり情報が付与される。
【0130】
S312で中央制御部207は、撮影を続行するか否かを判別する。ここでは、第一のボタン301a又は第二のボタン301bが押下されることで撮影終了指示が入力されると、撮影を続行しないと判別される。撮影を続行すると判別した場合は、中央制御部207は、処理をS303に戻す。撮影を続行しないと判別した場合は、中央制御部207は、S313で、撮影終了処理を実行し、図23に示す処理を終了する。撮影された映像はフラグと共に記録部210に保存される。
【0131】
上記説明の通りに第五実施形態では、撮影中に固定部30に対する可動部20の回転位置が属する回転角度範囲が切り替わったことが検出された場合、切り替わりフラグFLG(切り替わり情報)が、記録部210により記録される映像に対応付けられる。これにより、記録映像において、撮影方向の切り替わりが容易に分かるようにすることができる。従って、動画コンテンツの再生や編集に便利である。特に、切り替わりフラグFLGは、回転角度範囲が切り替わった時刻、切り替わり方向、切り替わり前後の回転角度範囲を示す各情報を含むため、動画コンテンツの再生や編集の操作が非常に容易になる。例えば、記録された映像を再生する際には、切り替わりフラグFLGが示す切り替わりタイミング(回転角度範囲が切り替わった時刻)から再生を開始することができる。
【0132】
また、チルト回転軸Tまわりの回転とパン回転軸Pまわりの回転のそれぞれについて切り替わりフラグFLGが付与されるため、撮影方向の切り替わりをより詳細に知ることができる。更に、パン又はチルト動作の速度によって、切り替わりフラグFLGとは異なるフラグとして、流し撮りフラグの他にパンフラグ又はチルトフラグが付与されるため、撮影時に行った回転動作を再生時や編集時に詳細に確認することができる。
【0133】
そして、パンフラグ又はチルトフラグが付与された後であっても、所定時間内に可動部20を大きく回転させればパンフラグ又はチルトフラグが削除され、切り替わりフラグFLGが付与される。従って、付与される各フラグにユーザの意図が適切に反映される。また、所定角度より大きくない可動部20の回転位置によっては、フラグが付与されないため、フラグが頻繁に付与され過ぎることでシーンの検索が困難になることを回避することができる。
【0134】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0135】
例えば、本発明は、レンズユニット50が可動部20に対して着脱可能でない構成にも適用可能である。また、本発明は二軸ヒンジのヒンジ部40を有する構成に適用されるとしたが、求める効果によっては一軸ヒンジのヒンジ部に適用してもよい。従って、チルト回転機構とパン回転機構のいずれか一方だけを備える撮像装置にも、本発明を適用することができる。
【0136】
また、上記実施形態では、第一の姿勢検出部206や第一の角度検出部403等の各検出部は検出信号のみを出力し、検出信号を受信した中央制御部207が各種の方向判定を行う構成とした。これに限らず、各検出部が検出信号に基づいて方向判定を行い、中央制御部207は各検出部による方向判定結果に基づいて表示部303での表示制御を行うようにしてもよい。
【0137】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0138】
10~13 撮像装置
20,20A 可動部
30,30A,30B 固定部
40,40A ヒンジ部
50 レンズユニット
201 撮像部
206 第一の姿勢検出部
207 中央制御部
210 記録部
303 表示部
305 第二の姿勢検出部
307 第三の角度検出部
403 第一の角度検出部
404 第二の角度検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23