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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-02
(45)【発行日】2025-05-14
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20250507BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20250507BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20250507BHJP
【FI】
H04N23/52
G03B17/55
G03B17/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021040120
(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公開番号】P2022139640
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2024-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】吉田 崇
(72)【発明者】
【氏名】石井 賢治
(72)【発明者】
【氏名】田村 浩二
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-033718(JP,A)
【文献】特開2018-179054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
G03B 17/55
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子を有する撮像装置であって、
前記撮像装置は、外装部材と、前記撮像装置を制御する制御回路と、前記外装部材の背面側に配置された表示パネルと、前記外装部材の底面側に配置された放熱ファンと、を備え、
光軸方向において前面側から背面側に向かい順に、前記制御回路が実装された制御回路基板、前記表示パネルが配列され、
前記外装部材の背面の上面側に通気口が形成されたダクトは、光軸方向において背面側から前面側に向かい伸び、上面側から底面側に向かい前記制御回路基板と前記表示パネルの間の領域を通過し、前記外装部材の底面側に形成された通気口に繋がっており、
前記放熱ファンは、前記制御回路基板の底面側に配置されたダクト内に配置され
前記撮像素子が実装された撮像素子基板を備え、
前記ダクトは、光軸方向において背面側から前面側に向かい、前記ダクトの底面に配置された放熱ファンと前記撮像素子基板及び前記制御回路基板の間の領域を通過して、前記外装部材の底面側に形成された通気口に繋がっていることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像装置は、外部機器を電気的に接続する接続端子部を備え、前記通気口は、前記接続端子部の領域外に配置されている請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置は、前記撮像装置を三脚に固定する固定部を有しており、前記通気口は、前記接続端子部の領域外に配置されている請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像素子基板は、像振れ補正のために光軸と異なる方向に移動する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記外装部材の上面側に配置された電子ビューファインダを備え、
前記撮像装置の背面側から見た場合、前記外装部材の背面の上面側に形成されたダクトの通気口は、前記電子ビューファインダと前記表示パネルの間の領域に位置する請求項1乃至4の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記放熱ファンの回転軸は光軸と直交する方向であり、前記外装部材の底面側に形成された通気口は、前記外装部材の前面又は側面に形成されている請求項1乃至5の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像素子基板の熱を前記ダクトに伝導するために前記撮像素子基板を形成された第1の熱伝導部材と、前記第1の熱伝導部材の熱を前記ダクトに伝導するために前記第1の熱伝導部材と前記ダクトの間に形成された第2の熱伝導部材と、前記制御回路基板の熱を前記ダクトに伝導するために前記制御回路基板を形成された第3の熱伝導部材と、を備え、
前記第2の熱伝導部材の厚みは、前記第3の熱伝導部材の厚みと同一であるか又は前記第3の熱伝導部材の厚みよりも厚い請求項1乃至6の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮像素子基板を形成された第1の熱伝導部材は、前記制御回路基板に形成された第3の熱伝導部材よりも熱伝導性が高い請求項7に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源から発生する熱の放熱構造を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化に対する要望に伴い、機器内部の実装部品の小型化及び高密度化が顕著となっている。
【0003】
その一方で、撮像装置の高機能化、特に、動画機能の高性能化の要望は強まる一方であり、機器の発熱量は増大傾向にある。
【0004】
高温環境下における動画撮影時は撮像装置内部の温度上昇に伴い実装部品の誤作動や性能低下、ひいては撮像装置の故障の原因となる可能性が高い。
【0005】
また、近年画質の向上を図るために撮像素子を光軸方向に直交する方向へ移動させてぶれ補正を行う撮像装置が普及している。
【0006】
このようなぶれ補正を行う撮像装置においても、ぶれ補正機構の駆動時や、連写撮影時、動画撮影時に、撮像素子において発生する熱が画質に影響を及ぼすため、十分な放熱性が必要とされる。
【0007】
そこで、撮像装置の持つ発熱量に対して自然放熱による放熱量が十分でない場合、ファンを用いた強制空冷による放熱構造が利用されている。
【0008】
特許文献1では、撮像素子用ヒートシンクとこれと対向する回路基板用ヒートシンクの隙間の空気をカメラ底面に配置されたファンで外部に排出する装置が開示されている。
【0009】
また、特許文献2では、撮像素子とメイン基板の間に送風ファンを有するL型ヒートシンク兼ダクトを配置する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2017-228876号公報
【文献】特開2015-204422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された装置では、外部の空気を直接装置内へ取り込むため、装置内に外部のチリやゴミが侵入しやすいという問題がある。
【0012】
また、特許文献2に開示された装置では、ヒートシンク兼ダクトの一部にファンを配置しており、装置が大型化してしまうという問題がある。
【0013】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の一実施態様では、装置の大型化を抑えながら放熱性能を満足する撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施態様に係る撮像装置は、外装部材と、前記撮像装置を制御する制御回路と、前記外装部材の背面側に配置された表示パネルと、前記外装部材の底面側に配置された放熱ファンと、を備え、光軸方向において前面側から背面側に向かい順に、前記制御回路が実装された制御回路基板、前記表示パネルが配列され、前記外装部材の背面の上面側に通気口が形成されたダクトは、光軸方向において背面側から前面側に向かい伸び、上面側から底面側に向かい前記制御回路基板と前記表示パネルの間の領域を通過し、前記外装部材の底面側に形成された通気口に繋がっており、前記放熱ファンは、前記制御回路基板の底面側に配置されたダクト内に配置され、前記撮像素子が実装された撮像素子基板を備え、前記ダクトは、光軸方向において背面側から前面側に向かい、前記ダクトの底面に配置された放熱ファンと前記撮像素子基板及び前記制御回路基板の間の領域を通過して、前記外装部材の底面側に形成された通気口に繋がっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施態様によれば、装置の大型化を抑えながら放熱性能を満足することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ100の斜視図
図2】本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ100の分解斜視図
図3】本発明の第一の実施形態に係るダクト110の斜視図
図4】本発明の第一の実施形態に係るダクト110の内部構造断面図
図5】本発明の第一の実施形態に係るダクト110と発熱源との構成図
図6】本発明の第一の実施形態の変形例図
図7】本発明の第一の実施形態に係るダクト110の内部構造模式図
図8】本発明のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本開示の技術の例示的な実施形態について詳細に説明する。
【0018】
ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状及びそれらの相対配置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。
【0019】
よって、本発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
【0020】
特に図示又は記述をしない構成や工程には、当該技術分野の周知技術又は公知技術を適用することが可能である。また、重複する説明は省略する場合がある。
【0021】
なお、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。
【0022】
(本発明におけるデジタルカメラ400の構成例を示すブロック図)
図8は、本発明におけるデジタルカメラ400の構成例を示すブロック図である。
【0023】
シャッター410は、後述する撮像部411の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。その制御は後述するシステム制御部420で行う。
【0024】
撮像部411はレンズ501を通過した被写体像(光学像)が結像する撮像面を有し、光電変換によって撮像面の光学像に応じた電気信号(アナログ信号)を出力する撮像デバイスである。
【0025】
撮像部411としては、CCD(Charge Couple Device)やCMOS(Complementary MOS)センサが用いられる。
【0026】
A/D変換器412は、撮像部411から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる信号変換手段である。
【0027】
画像処理部413は、A/D変換器412からのデジタル信号、または、後述するメモリ制御部422からのデジタル信号に対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行い画像データを生成する画像演算手段である。
【0028】
画像処理部413により得られた演算結果に基づいてシステム制御部420が絞り位置の制御やレンズ位置制御を行う。
【0029】
画像処理部413では更に、前記画像データを用いて演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0030】
システム制御部420は、少なくとも1つのプロセッサーまたは回路からなる制御部であり、デジタルカメラ400全体を制御する。
【0031】
後述の不揮発性メモリ423に記録されたプログラムを実行することで、本発明の各処理を実現する。
【0032】
メモリ421は、撮像部411によって得られA/D変換器412により変換されたデジタル信号や前記画像処理部413で生成された画像データを一時的に記録する記憶手段である。
【0033】
メモリ421は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0034】
メモリ制御部422は、システム制御部420によって制御されたデータをA/D変換器412、画像処理部413、メモリ421と送受信する制御するメモリ制御手段である。
【0035】
A/D変換器412から出力されたデジタル信号は、画像処理部413およびメモリ制御部422を介して、あるいは、メモリ制御部422のみを介してメモリ421に直接書き込まれる。
【0036】
不揮発性メモリ423は、電気的に消去・記録可能な読み出し専用の記憶手段であり、システム制御部420の動作用の定数、プログラム等が記憶される。
【0037】
システムメモリ424は、システム制御部420の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ423から読み出したプログラム等が保存される読み出しと書き込みが可能な記憶手段である。
【0038】
システムタイマー425は、後述する各種表示部材を消灯するオートパワーオフを実行するまでの時間や、露光時間を計測する計時部である。
【0039】
オートパワーオフは、撮影者がデジタルカメラ400の操作を行っていないと判断した場合に電池の消耗を防ぐために後述する各種表示部材を消灯する機能を有する。
【0040】
電源部430は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0041】
電源制御部431は、デジタルカメラ400を駆動させるための電源となる電源部430を検出する回路、DC-DCコンバータ、電源の供給先を切り替えるスイッチ回路等により構成される。
【0042】
そして、電源部430は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。
【0043】
また、電源制御部431は、前記検出結果及びシステム制御部420の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要なタイミングで、供給先へ供給する。
【0044】
通信端子440は、デジタルカメラ400に設けられており、後述するレンズ通信端子506と電気的に接続する。
【0045】
通信端子440が電気的に接続されることで、デジタルカメラ400全体を制御するシステム制御部420が、後述のレンズ500と通信可能となる。
【0046】
記録媒体I/F441は、後述する記録媒体600とのインターフェースである。
【0047】
姿勢検知部442は、重力方向に対するデジタルカメラ400の姿勢を検知する。
【0048】
姿勢検知部442で検知された姿勢に基づいて、撮像部411で撮影された画像が、デジタルカメラを横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかの向き情報を出力可能である。
【0049】
システム制御部420は、姿勢検知部442で出力された向き情報を画像データに付加することが可能である。
【0050】
姿勢検知部442としては、加速度センサやジャイロセンサなどを用いることができる。
【0051】
姿勢検知部442として、加速度センサとジャイロセンサを用いると、デジタルカメラ400の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0052】
接眼部443は、デジタルカメラ400に対して、撮影者の眼(物体)700が接近(接眼)する箇所である。
【0053】
接眼検知部444は、接眼部443に対する眼700の接近(接眼)および離脱(離眼)を検知する、接近または接眼検知センサである。
【0054】
接眼検知部444は、赤外線近接センサの受光部(図示せず)の受光の有無によって、接眼部443への眼700の接眼検知を行う。
【0055】
接眼を検出した後は、システム制御部420は、離眼を検出するまでは接眼状態であるものと判定する。
【0056】
離眼を検出した後は、システム制御部420は、接眼を検出するまでは非接眼状態であるものとする。
【0057】
なお、赤外線近接センサは一例であって、接眼検知部444には、接眼とみなせる眼や物体の接近を検知できるものであれば他のセンサを採用してもよい。
【0058】
前述のメモリ421は、画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
【0059】
メモリ421に書き込まれたデジタル信号や画像データはメモリ制御部422を介して背面表示部450、EVF451により表示される。
【0060】
背面表示部450は、メモリ制御部422からの信号に応じた表示を行う。
【0061】
EVF451は、接眼検知部444により接眼が検知された場合にメモリ制御部422からの信号に応じた表示を行う。
【0062】
撮像部411で生成されたアナログ信号をA/D変換器412によってA/D変換されメモリ421に記録されたデジタル信号を、背面表示部450またはEVF451に逐次転送して表示する。
【0063】
それにより、リアルタイム表示であるライブビュー撮影表示を行える。
【0064】
システム制御部420は、前述の接眼検知部444で検知された状態に応じて、背面表示部450とEVF451の表示(表示状態)/非表示(非表示状態)を切り替える。
【0065】
非接眼中は背面表示部450に表示し、EVF451は非表示とする。
【0066】
また、接眼中はEVF451に表示し、背面表示部450は非表示とする。
【0067】
操作部460は、ユーザからの操作を受け付ける入力部としての各種操作部材である。
【0068】
操作部460は、後述する各種操作部材(モード切換えスイッチ461、シャッターボタン462、第1シャッタースイッチ463、第2シャッタースイッチ464、タッチパネル465、電源スイッチ466)を含む。
【0069】
また、操作部460は、システム制御部420に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0070】
モード切換えスイッチ461は、システム制御部420の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード等のいずれかに切り替える。
【0071】
静止画撮影モードに含まれる撮影モードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアル撮影モードである。
【0072】
また、静止画撮影モードに含まれる撮影モードとして、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)、がある。
【0073】
同様に、動画撮影モードにも複数の撮影モードが含まれていてもよい。
【0074】
シャッターボタン462は、撮影者が撮影準備指示および撮影指示を行うためのボタンである。
【0075】
第1シャッタースイッチ463は、デジタルカメラ400に設けられたシャッターボタン462の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。
【0076】
第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理等の撮影準備動作を開始する。
【0077】
第2シャッタースイッチ464は、シャッターボタン462の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。
【0078】
システム制御部420は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部411からのアナログ信号の読み出しからA/D変換器412や画像処理部413での信号変換処理が施されている。
【0079】
また、システム制御部420は、メモリ421に一時的に記録された画像データを後述する記録媒体600に書き込むまでの撮影処理動作を開始する。
【0080】
タッチパネル465は、撮影者のタッチもしくはドラック操作を検出するデバイスである。
【0081】
ここでは、背面表示部450と一体となっており、背面表示部450の表示部に指で触れることで操作を行うことができる。
【0082】
電源スイッチ466は、電源のON/OFFを切り替えるスイッチである。電源スイッチ466の切り替え動作により、電源制御部431が電源部430からの電源供給を制御する。
【0083】
ファン470は、本発明における実施例で後述するダクト内部に配置されている。
【0084】
このファン470は、システム制御部420により制御され、デジタルカメラ400内部の熱源からの熱を、気流によって外部へと排出する。
【0085】
レンズユニット500は、デジタルカメラ400に着脱可能な交換式レンズである。
【0086】
レンズ501は被写体で反射した被写体光から光学的な像(被写体像)を生成するためのレンズ群であり複数枚のレンズで構成されているが、本図においては簡略化のため1枚のレンズを表示させている。
【0087】
レンズ通信端子506はレンズユニット500がデジタルカメラ400と通信を行う為の通信端子である。
【0088】
レンズユニット500は、前述のようにレンズ通信端子506と通信端子440が電気的に接続されることで、デジタルカメラ400全体を制御するシステム制御部420と通信可能となる。
【0089】
これによりシステム制御部420は、レンズシステム制御回路505および絞り駆動回路504と通信して、絞り503の位置制御やレンズ501を変位させた実像のピント状態制御を行うことが可能となる。
【0090】
記録媒体600は、デジタルカメラ400に対して着脱可能であり、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体である。
【0091】
例えば、SDカード、FLASH(登録商標)メモリ、ハードディスクなどがあげられる。
【0092】
[実施形態1]
図1(a)はデジタルカメラ100の前面斜視図であり、図1(b)はデジタルカメラ100の背面斜視図である。
【0093】
(デジタルカメラ100の背面斜視図)
21はリアカバーで、デジタルカメラ100を操作するための各種操作部材が取り付けられている。尚、これら操作部材や表示部材は本発明とは関係ないため説明は割愛する。
【0094】
21aは後述する背面表示部31を格納するための表示部格納部21aである。
【0095】
21bは記録媒体用蓋で、撮影画像を記録するためのメモリーカードを収納する記録媒体用IFの開口を保護するためのカバーである。
【0096】
21cはリアカバー21に形成された後述するダクトの吸排気をするための通気口である。
【0097】
22はフロントベースで、22aはユーザーがデジタルカメラ100を保持した際に右手で握りやすい形状をしたグリップ部22aであり、フロントベース22に一体で形成されている。
【0098】
22dは三脚座である。
【0099】
23はトップカバーで、デジタルカメラ100を操作するための各種操作部材が取り付けられている。
【0100】
尚、これら操作部材や表示部材は本発明とは関係ないため説明は割愛する。また、トップカバー23には各種設定状態を確認するための例えば液晶パネルからなる肩部表示部33が取り付けられている。
【0101】
24はボトムカバーで、電池着脱用の電池蓋24aが取り付けられている。
【0102】
25はサイドカバーで、後述するダクトからの吸排気を行うための通気口25bが形成されている。
【0103】
25aは端子カバーで、後述する外部通信端子12cを保護するためのカバーである。
【0104】
26はマウントで、不図示の交換レンズが着脱される。
【0105】
マウント26の中心を通る軸は撮影光軸0である。
【0106】
26aはレンズ通信端子で、前記交換レンズとの電気的通信を行う。
【0107】
31は例えば液晶パネルからなる背面表示部で、表示面のタッチ操作が検出可能な背面LCD部31aにより、撮像素子のプレビュー像や各種設定状態の表示および設定が可能となっている。
【0108】
また、背面表示部31はデジタルカメラ100に対し回動可能に取り付けられている所謂バリアングル式モニターで、リアカバー21に設けられた表示部格納部21aに格納される。
【0109】
32はファインダーで、ユーザーが接眼して使用する。32aは、後述する撮像素子部11から出力される画像を表示するファインダー表示部であり、所謂電子ビューファインダーである。
【0110】
(デジタルカメラ100の内部構造の要部の分解斜視図)
図2はデジタルカメラ100の内部構造を説明するための要部の分解斜視図である。
【0111】
図2に示すようにデジタルカメラ100は、前述のリアカバー21、フロントベース22、トップカバー23、ボトムカバー24、サイドカバー25により外装を形成している。
【0112】
デジタルカメラ100の内部には撮像素子部11、メイン基板12、ダクト部110、シャッター13、ファインダー32が配置される。
【0113】
撮像素子部11は不図示の前記交換レンズを通過した被写体像(光学像)が結像する撮像面を有した撮像デバイスである。
【0114】
撮像素子部11には、CMOS11aを含む可動ユニット11bと、固定ユニット11cとで構成される。CMOS11aは、光電変換によって撮像面の光学像に応じた電気信号(アナログ信号)を出力する。
【0115】
可動ユニット11bは、前記CMOS11aと一体となって可動するユニットであり、駆動力を発生させる磁石もしくはコイル(不図示)が備えられている。
【0116】
固定ユニット11cは、撮像素子部11をフロントベース22に固定している固定部であり、駆動力を発生させる磁石もしくはコイル(不図示)が備えられている。
【0117】
メイン基板12には撮像信号を制御する制御IC群12a、外部記録媒体を収納する記録媒体用IF12b、不図示の外部機器との接続ケーブルを接続するための外部通信端子12cが実装されている。外部通信端子12cは、端子カバー25aで覆われる。
【0118】
また、これ以外にも種々のIC、チップ抵抗、チップコンデンサ、インダクタ、トランジスタ、インターフェイスコネクタ等の電子部品が実装されている(不図示)が説明は割愛する。
【0119】
ダクト110は、デジタルカメラ100外部の空気を、撮像素子部11や制御IC群12a等の熱源近傍まで引き込む。
【0120】
また、ダクト110には遠心ファン131が内蔵されており、ダクト110の内部に空気の流れを発生させる。
【0121】
撮像素子部11、および制御IC群12aはデジタルラメラ100の中でも特に消費電力が大きく発熱量も多く、温度上昇が激しい部材となっている。
【0122】
また、自身の発熱以外にも周辺部材の輻射熱によって更に温度上昇してしまう。その結果、デジタルカメラ100の撮影時間は各部材の動作保証温度によって制限されてしまう。
【0123】
撮影時間を極力長く維持するためには、発熱源である撮像素子部11、制御IC群12aを冷却し、動作保証温度を超えないように対策する必要が生じてくる。
【0124】
そこで、本実施例では、ダクト110を図2で示すようにメイン基板12の背面に配置し、後述する放熱機構120により、撮像素子部11と制御IC群12aをダクト110に熱接触させることで冷却するものである。
【0125】
(ダクトの内部構造)
図3(a)はダクト110の前面斜視図で、図3(b)はダクト110の背面斜視図である。図4はダクト110の内部構造断面図で、図3(b)におけるA-A断面である。
【0126】
図3及び図4を用いてダクト110の形状詳細について説明する。
【0127】
ダクト110は第一ダクト部111と第二ダクト部112と第三ダクト部113とで構成されている。
【0128】
第一ダクト部111は、撮影光軸0と略平行で、表示構造格納部21aのファインダー32下方に設けられている。
【0129】
第一ダクト部111をファインダー32の近傍に配置することで、後述する第二ダクト部112と制御IC群12aとの接触面積を広くとることができるため、放熱の観点からは有利である。
【0130】
第二ダクト部112は、第一ダクト部111と接続されており、撮影光軸0と略垂直で、撮像素子部11とメイン基板12に実装された制御IC群12aの背面側に位置するように形成されている。
【0131】
第二ダクト部112は、メイン基板12に実装された制御IC群12aと対向する面を形成する第二前方ダクト部112aと、その反対側を形成する第二後方ダクト部112bに分けられる。
【0132】
第二ダクト凹部112cは、第二ダクト112に形成された凹形状であり、制御IC群12aの投影面と被らないようにメイン基板12側と対向する面に設けられている。
【0133】
この凹形状により局所的に第二ダクト112の断面積が小さくなるため、第二ダクト112を通過する気流は後述する第三熱伝導部材123の周辺を多く流れる。
【0134】
これにより、制御IC群12aの放熱を効率的に行うことができる。
【0135】
第二ダクト112が熱源の投影面以外の部分に存在することで、デジタルカメラ100内部の熱拡散を効率的に行うことができる。
【0136】
そのため、投影面以外の部分は、第二ダクト凹部112cのような、ダクト110の一部を配置することが好ましい。
【0137】
なお、この凹部形状により生じたスペースを利用して、メイン基板12の第二ダクト凹部112c側には、撮像部11とメイン基板12をつなぐためのコネクタ部およびFPCが配置されている。
【0138】
第三ダクト部113は、第二ダクト部112と接続されている。
【0139】
そして、撮影光軸0と略平行で撮像素子部11とメイン基板12に実装された制御IC群12aの2つの発熱源の下方に位置するように形成されている。
【0140】
第三ダクト部113には、底面ダクトカバー113aが備えられており、不図示の弾性部材を挟んで第三ダクト部113に固定される。
【0141】
三脚座配置部113cは、第三ダクト部113の一部を切り欠くように設けられている。三脚座配置部113cに配置された三脚座22dは、剛性の高い部材に締結されている。
【0142】
本実施例においては、マグネシウム合金であるフロントベース22に締結している。
【0143】
これにより、デジタルカメラ100が三脚座に取り付けられた状態で外部から強い力を受けても、剛性の高い部材と締結することでカメラ全体の変形を抑制できる。
【0144】
言い換えると、撮像部周辺の変形を抑えることで、撮影画像に対する前記強い力の影響を小さくすることができる。
【0145】
また、デジタルカメラ100全体の変形を抑えることは、ダクト110の変形を抑制することで、伝熱効率の低下を防ぐ効果もある。
【0146】
第一ダクト部111には、吸気口133が設けられている。
【0147】
吸気口133とリアカバー21に設けられた通気口21cの間には不図示の弾性部材が設けられており、これにより吸気口133と通気口21cの間が密閉構造となっている。
【0148】
第三ダクト部113には、排気口132が設けられている。
【0149】
排気口132とサイドカバー25に設けられた通気口25bの間には不図示の弾性部材が設けられており、これにより排気口132と通気口25bの間が密閉構造となっている。
【0150】
上記密閉構造とすることにより通気口21cと通気口25bの間が一つの密閉空間として形成される。
【0151】
そのため、空気の流路が形成されるとともに、外部からの水滴や砂などがデジタルカメラ100内へ流入するのを防止することができる。
【0152】
ダクト110内流路での圧損を低減するために、第一ダクト部111、第二ダクト部112、第三ダクト部113は、流路の断面積がなるべく等しくなることが好ましい。
【0153】
断面積が変化してしまう場合でも、その断面積変化は極力小さくなるように各ダクト部は構成されている。
【0154】
第一ダクト部111、第二ダクト部112、第三ダクト部113は、それぞれ別部品を締結して構成していても良いし、3Dプリンタなどによる一体部品でもよい。
【0155】
また、各ダクト部の間の接続においても、締結して構成しても良いし、3Dプリンタなどにより各ダクト部を一体成型してもよい。
【0156】
締結による固定の場合には、不図示の弾性部材を間に挟むことで、ダクト110の密閉性を維持することが望ましい。
【0157】
なお、締結方法は、密閉空間が形成できればよく、ビス、接着、加締め等目的を達成できれば締結方法は問わない。
【0158】
第一ダクト部111と第二ダクト部112と第三ダクト部113の材質は、熱源からの熱を効率よく伝達するために、高熱伝導率の材質が好ましい。
【0159】
ただし、第二後方ダクト部112bに関しては、熱源からの熱拡散への寄与が比較的小さいため、第二前方ダクト部112aより熱伝導率が小さい部材を用いてもよい。
【0160】
また、デジタルカメラ100の重量を軽くする観点からは、比重の軽い材質が好ましい。さらに、ダクト110の主材質を金属とすれば、デジタルカメラ100のグランド筐体として使用するこができ耐ノイズ性の観点から有利である。
【0161】
本実施例では、第一ダクト部111と第二前方ダクト部112aと第三ダクト部113の材質はアルミからなり、第二後方ダクト部112bはポリカーボネートからなる。
【0162】
なお、第二後方ダクト部112bは、リアカバー21と一体化することで、背面方向の装置厚みを低減することもできる。
【0163】
第二前方ダクト部112aのメイン基板12とは反対側の面には、複数の凸形状からなる第一フィン部114aが備えられている。
【0164】
これにより、第二ダクト部112の表面積を増やし、ダクト内の空気との熱交換面積を増やすことで冷却効率を上げている。
【0165】
第三ダクト部の撮影光軸0側には、撮像素子部11とは反対側の面に複数の凸形状からなる第二フィン部114bが備えられている。
【0166】
これにより第三ダクト部113の表面積を増やし、ダクト内の空気との熱交換面積を増やすことで冷却効率を上げている。
【0167】
遠心ファン131は、ダクト110内に空気の流れを作り出すための送風手段であり、第三ダクト部113に底面ダクトカバー113aとともに固定部113bによって固定されている。
【0168】
遠心ファン131を駆動すると、通気口21cを通って吸気口133からダクト110内にデジタルカメラ100外部の空気が流入する。
【0169】
流入した空気は、第二ダクト部112内の第一フィン部114aを通過した後に、第三ダクト部113内の第二フィン部114bを通過する。
【0170】
流入した空気が、熱源により温められた第一フィン部114aおよび第二フィン部114bを通過する際に、フィンが冷却されて熱源が冷却される。
【0171】
フィンを通過後の空気は、遠心ファン131に吸い込まれて、排気口132を通って通気口25bからデジタルカメラ100の外部に排出される。
【0172】
尚、本実施例での空気の流れは上述の如く通気口21cから吸気し、通気口25bに排出している。
【0173】
これは、排気口132をユーザーの顔などから遠いところに配置するためである。
【0174】
そのため、所望の冷却効果が達成出来ればダクト110および遠心ファン131の配置を変更することにより通気口25bから吸気し、通気口21cに排出させてもよい。詳細は変形例として後述する。
【0175】
また、本実施例では送風手段として遠心ファンを用いているがこの限りではなく、例えば軸流ファン等目的を達成できれば限定するものではない。
【0176】
(ダクト110と発熱源との熱接続図)
図5はダクト110と発熱源との熱接続図である。図5(a)は、図3(b)におけるB-B断面を示しており、ダクト110と撮像素子部11との分解斜視図である。
【0177】
図5(b)は、図3(b)におけるC-C断面を示しており、ダクト110とメイン基板12に実装された制御IC群12aとの分解斜視図である。
【0178】
前述のように、撮像素子部11はCMOS11aを含む可動ユニット11bと固定ユニット11cで構成される。
【0179】
固定ユニット11cは、図5(a)に示すように、第三ダクト部113側に一部延出している。この延出部を経由して、固定ユニット11cに蓄えられた熱は、後述の伝熱部材を伝わってダクト110へと伝達する。
【0180】
放熱機構120は、複数の熱源とダクト110とを熱的に接続する伝熱部材である。
【0181】
第一伝熱部材121は、可動ユニット11bの熱拡散を改善するための部材であり、一端は可動ユニット11bと接続され、他端は固定ユニット11cの前記延出部と接続されている。
【0182】
第一伝熱部材121は、グラファイトシートなどの、伝熱性に優れ、かつ柔軟に変形可能なシート状の部材で構成されており、可動ユニット11bとの接続部は可動ユニット11bの動きに追従することができる。
【0183】
この第一伝熱部材121によって、可動ユニット11bに蓄えられた熱は、後述の第二伝熱部材122を伝わってダクト110へと伝達する。
【0184】
第二伝熱部材122は、第三ダクト部113と、固定ユニット11cおよび第一伝熱部材121を熱的に接続するための熱伝導ゴムである。
【0185】
この第二伝熱部材122により、撮像素子部11で発生した熱は、ダクト110へと伝達する。
【0186】
第二伝熱部材122は第三ダクト部113へと当接するが、その当接面の裏側には前述の第二フィン部114bが備えられている。
【0187】
そのため、撮像素子部11からの熱は、第二フィン部114bにより表面積が増えているため効率的に熱交換が行われ、結果として高い冷却性能を発揮することができる。
【0188】
第三伝熱部材123は、メイン基板12に実装された制御IC群12aと第二ダクト部112を熱的に接続するための熱伝導ゴムである。
【0189】
この伝熱部材123により、メイン基板12に実装された制御IC群12aで発生した熱は、ダクト110へと伝達する。
【0190】
第三伝熱部材123は第二ダクト部112へと当接するが、その当接面の裏側には前述の第一フィン部114aが備えられている。
【0191】
そのため、制御IC群12aからの熱は、第一フィン部114aによりダクト110内の空気と効率的に熱交換が行われ、結果として高い冷却性能を発揮することができる。
【0192】
第二伝熱部材122は第三伝熱部材123と比較して、厚みが略同等もしくは厚いことが好ましい。
【0193】
これは、第二伝熱部材122と第三ダクト部113とが押し当たる方向の方が、個体差や組立によるバラつきが大きく、伝熱部材の弾性によってそのバラつきを吸収可能とするためである。
【0194】
なお本実施例では、熱伝導部材はグラファイトシートや熱伝導ゴムと記載したが、例えば金属箔やヒートパイプなど、樹脂などの部材と比較して熱伝導率が高く、またその他機械的、電気的性能を満足していれば、それらに限定されるものではない。
【0195】
図7は、デジタルカメラ100における断面の模式図である。
【0196】
(放熱効果のデータ比較)
【0197】
【表1】
【0198】
表1は、実施形態1のデジタルカメラと、遠心ファン131とダクト110が内蔵されていない実施形態1のデジタルカメラ(比較用)を比較した。
【0199】
表1は、23°環境下において8K30Pで録画撮影を実行した際の最高到達温度を比較した表である。
【0200】
8K30Pは、8Kで秒間30フレームの動画撮影を意味する。
【0201】
実施形態1においては、遠心ファン131を風速12L/minで動作させている状態である。リットル毎分(L/min)は、体積流量の単位である。
【0202】
この表1の通り、遠心ファン131とダクト110を内蔵することにより、最高到達温度がそれぞれ撮像素子部11は111.5度から58.6度、メイン基板12は95.6度から89.9度に低下している。
【0203】
これにより、熱源の温度上昇を抑えられていることが分かる。
【0204】
また、デジタルカメラが機能停止する制限温度を95度以下とした場合、実施形態1の構成にすることにより、23℃環境下では8K30Pの無制限の撮影の実現が可能となっている。
【0205】
以下に本実施形態の説明を図7を用いて端的に述べる。
【0206】
本実施形態の撮像装置は、外装部材21~25と、撮像装置を制御する制御回路12aと、外装部材の背面側に配置された表示パネル31と、外装部材の底面側24(ボトムカバー)に配置された放熱ファン131と、を有する。
【0207】
そして、光軸方向において前面側から背面側に向かい順に、撮像装置を制御する制御回路12aが実装された制御回路基板12、表示パネル31が配列されている。
【0208】
外装部材の背面21の上面側に通気口132が形成されたダクト110は、光軸方向において背面側から前面側に向かい伸びている。
【0209】
そして、ダクト110は、上面側から底面側に向かい制御回路基板12と表示パネル31の間の領域を通過し、外装部材の底面側に形成された通気口133に繋がっている。
【0210】
放熱ファン131は、制御回路基板の底面側24に配置されたダクト内に配置されている。
【0211】
撮像素子が実装された撮像素子基板11を備えている。
【0212】
ダクト110は、光軸方向において背面側から前面側に向かい、ダクトの底面に配置された放熱ファン131と撮像素子基板11及び制御回路基板12の間の領域を通過して、外装部材の底面側24に形成された通気口133に繋がっている。
【0213】
撮像装置100は、外部機器を電気的に接続する接続端子部12cを備え、吸気用通気口132は、接続端子部の領域外に配置されている。
【0214】
撮像装置は、撮像装置を三脚に固定する固定部22dを有しており、排気用通気口133は、接続端子部の領域外に配置されている。
【0215】
撮像素子基板11は、可動機構11b、11cにより、像振れ補正のために光軸と異なる方向に移動する。可動機構11b、11cは、コイル、磁石からなるボイスコイルモータ(VCM)を構成している。
【0216】
撮像素子基板11は、不図示の角速度検出センサ(ジャイロ)の振動検出結果に基づいて駆動される。
【0217】
ユーザの手振れによる撮像素子の撮像面での像振れを補正するように、撮像光学系の光軸を中心として、ヨー方向、ピッチ方向、ロール方向に撮像素子基板を移動させている。
【0218】
外装部材の上面側23(トップカバー)に配置された電子ビューファインダ32を備えている。
【0219】
撮像装置の背面側から見た場合、外装部材の背面21(リアカバー)の上面側に形成されたダクトの通気口132は、電子ビューファインダ32と表示パネルの間の領域に位置する。
【0220】
放熱ファン131の回転軸は光軸と直交する方向である。
【0221】
そして、外装部材の底面側24に形成された通気口133は、外装部材の前面22又は側面25に形成されている。
【0222】
撮像素子基板11の熱をダクト110に伝導するために撮像素子基板を形成された第1の熱伝導部材121を有する。
【0223】
第1の熱伝導部材121の熱をダクト110に伝導するために第1の熱伝導部材とダクトの間に形成された第2の熱伝導部材122を有する。
【0224】
制御回路基板12の熱をダクト110に伝導するために制御回路基板12を形成された第3の熱伝導部材123を有する。
【0225】
第2の熱伝導部材122の厚みは、第3の熱伝導部材123の厚みと同一であるか又は第3の熱伝導部材の厚みよりも厚い。
【0226】
撮像素子基板11を形成された第1の熱伝導部材121は、制御回路基板12に形成された第3の熱伝導部材123よりも熱伝導性が高い。
【0227】
[変形例]
実施形態1では、デジタルカメラ100におけるダクト110の構成は、表示構造格納部21aから吸気し、通気口25bから排気を行う構成として記載した。
【0228】
しかしながら、本開示に係る発明は、それに限定されない。以下に、実施形態1の変形例について説明する。
【0229】
図6に、ダクト110内の吸排気方向を逆にした構成を示す。図6(a)は、デジタルカメラ101の前面斜視図であり、図6(b)はダクト110の分解斜視図である。
【0230】
通気口23aは、トップカバー23の一部に形成されており、ファインダー32の近傍に配置されている。
【0231】
第一ダクト部111は、ファインダー32の両脇を通るように配置されており、下方の第二ダクト部112と接続されている。
【0232】
遠心ファン131は図6(b)のように、実施形態1と略同一の位置で、吸排気方向が異なるように配置されている。
【0233】
これによってダクト110における空気の流れ方向が実施形態1と比較して反転している。
【0234】
吸気口133は第三ダクト部113に配置されており、サイドカバー25に設けられた通気口25bからデジタルカメラ100外部の空気が流入する。
【0235】
排気口132は第一ダクト部111に配置されており、トップカバー23に設けられた通気口23aからデジタルカメラ100外部へ空気が排出される。
【0236】
この変形例のように、側面から吸気して上面へ排気することで、デジタルカメラ100の後方にユーザーの顔などがあっても、不快感を与えずに冷却性能を確保することができる。
【0237】
なお本変形例においては、熱源との熱的な接続や、上記以外のダクト形状などに関しては、実施形態1と同様のため説明を割愛する。
【産業上の利用可能性】
【0238】
本開示の技術は電子機器及び撮影システムに利用されるものである。
【符号の説明】
【0239】
11 撮像素子部
11a CMOS
12 メイン基板
12a 制御IC群
21c、22b、25b 通気口
100 デジタルカメラ
110 ダクト
114 フィン
120 放熱機構
131 遠心ファン
132 排気口
133 吸気口
121~123 熱伝導部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8