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▶ ユニフォー・ソチエタ・ペル・アツィオーニの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-02
(45)【発行日】2025-05-14
(54)【発明の名称】磁気シール付きドア
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/18 20060101AFI20250507BHJP
   E06B 5/20 20060101ALI20250507BHJP
【FI】
E06B7/18 D
E06B5/20
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022522281
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 IB2020059622
(87)【国際公開番号】W WO2021074797
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-09-27
(31)【優先権主張番号】102019000018683
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518444392
【氏名又は名称】ユニフォー・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】UNIFOR S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】デ ヴィータ,レオナルド
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-002470(JP,A)
【文献】特開平10-238249(JP,A)
【文献】登録実用新案第3043428(JP,U)
【文献】特開2016-211201(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/20
E06B 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの当接要素(3)を有するドアフレームまたはドア固定具(2)と、
ドアフレームまたはドア固定具2によって区画される開口(5)を開放する開放位置と、開口(5)を閉鎖するようにドアフレームまたはドア固定具(2)の当接要素(3)に当たって停止する閉鎖位置との間で移動可能であるドアリーフ(4)と、
ドアリーフ(4)またはドアフレームまたはドア固定具(2)において設けられた少なくとも1つのシート(6)と、
低い磁気的作用を有する材料によって形成され、スライド方向(X-X)に沿って格納位置から延在位置及びその逆に移動するようにシート(6)にスライド可能に収容される少なくとも1つのスライド要素(7)と、
スライド方向(X-X)に揃ったまたは平行な極(N、S)を有する少なくとも1つの第1磁石(A)であって、
スライド要素(7)と統合されて配置される第1磁石または電磁石(A)であって、
シート(6)内へのスライド要素(7)の引力の磁気的動作をもたらす、少なくとも1つの第1磁石または電磁石(A)と、
第1磁石または電磁石(A)から分離され、スライド方向(X-X)に揃ったまたは平行な極(N、S)を有する少なくとも1つの第2磁石または電磁石(B)であって、
スライド要素(7)と統合されて配置されている、少なくとも1つの第2磁石または電磁石(B)と、
第1磁石または電磁石(A)と第2磁石または電磁石(B)とによって分離され、第2磁石または電磁石(B)と相互作用するように配置され、スライド要素(7)に取り出しの動作をもたらすように第2磁石または電磁石(B)を引きつけるように当接要素(3)と統合されて配置される少なくとも1つの第2磁石相互作用要素または電磁石(8)と、
を備え、
第2磁石または電磁石(B)は、第2磁石または電磁石(B)が実質的に第2磁石相互作用要素または電磁石(8)に面して配置され、またはスライド方向(X-X)が第2磁石相互要素または電磁石(8)と交差するときのみ、シート(6)から取り出すようにスライド要素(7)を押すように配置され、
少なくとも1つの第1磁石または電磁石(A)は、少なくとも1つの第2磁石または電磁石(B)によって全体的にもたらされる磁気的動作より、全体的に低い磁気的動作をもたらす、ドア。
【請求項2】
シート(6)を画定するシート壁(9)と、
シート壁(9)と統合されて配置される少なくとも1つの第3磁石(C)と、
をさらに有し、
少なくとも1つの第1磁石(A)は、常に少なくとも1つの第3磁石(C)に面し、よって、スライド要素をシート(6)の内部に永久的に引きつける、
または、
シート(6)を画定するシート壁(9)と、
シート壁(9)と統合されて配置される少なくとも1つの第3電磁石または磁場閉鎖要素(C)と、
をさらに有し、
少なくとも1つの第1磁石または電磁石(A)は、常に少なくとも1つの第3磁石、または、磁場閉鎖要素(C)に面し、よって、スライド要素をシート(6)の内部に永久的に引きつける、
及び/または、
少なくとも1つの第2磁石相互作用要素(8)は電磁石であって、第1磁石(A)及び第2磁石(B)によって分離され、第2磁石(B)と相互作用するように配置され、スライド要素(7)に対して取り出しの動作をもたらすように第2磁石石(B)を引きつけるように当接要素(3)と統合されて配置され、
第2磁石または電磁石(B)は、第2磁石または電磁石(B)が実質的に第2磁石相互作用要素(8)に面して配置され、またはスライド方向(X-X)が第2磁石相互要素(8)と交差するときのみ、シート(6)から取り出すようにスライド要素(7)を押すように配置される、請求項1に記載のドア。
【請求項3】
ドアリーフ(4)は、当接要素(3)に面するように適合される少なくとも1つの床リーフエッジ(10)を有し、
当接要素は床(11)であって、
シート(6)は、床リーフエッジ(10)に設けられ、
スライド要素(7)は、第2磁石相互作用要素または電磁石(8)に面して配置される当接表面(12)を有し、
接表面(12)は、スライド要素(7)と当接要素(3)との間に配置されるように適合される音響シール(13)を有する、請求項1または2に記載のドア。
【請求項4】
シート(6)は、スライド方向(X-X)を規定して、スライド方向(X-X)は、ドア(1)のリーフ(4)によって規定される平面に対して横方向に配置され、
または、
シートは、スライド方向(X-X)を規定して、スライド方向(X-X)は、ドア(1)のリーフ(4)によって規定される平面に対して平行に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のドア。
【請求項5】
シート(6)は、シート壁下部(16)を規定するシート壁(9)を有し、
スライド要素(7)は、プロファイル断面開口(15)を有する「U」型プロファイル(14)であって、プロファイル(14)は、プロファイル断面開口(15)がシート壁下部(16)に面するようにシート(6)に収容される、請求項1から4のいずれか一項に記載のドア。
【請求項6】
少なくとも1つの第1磁石または電磁石(A)は、スライド要素(7)の長手方向の延在に沿って分布される第1磁石または電磁石(A)のシリーズであって、
及び/または、
少なくとも1つの第2磁石または電磁石(B)は、少なくともスライド要素(7)の長手方向の端部(17)の近くに配置される第2磁石または電磁石(B)のシリーズである、請求項1から5のいずれか一項に記載のドア。
【請求項7】
第1磁石(A)は、既定の極性(N/S)を有し、
第2磁石(B)は、既定の極性(N/S)を有し、
スライド要素(7)内に配置されると、第1磁石(A)の極性(N/S)の配置は、第2磁石(B)の極性の配置(N/S)に対して逆であって、
または、
第1磁石(A)は電磁石であって、
第2磁石(B)は、磁場閉鎖要素であって、
第1電磁石(A)が作動されると、磁場閉鎖要素との磁気的引力を生成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のドア。
【請求項8】
ドアリーフ(4)は、ドアフレームまたはドア固定具(2)に設けられた少なくとも1つのガイド(20)の上にスライドするドアリーフであって、よって、ドアリーフ(4)はドアフレームまたはドア固定具(2)に対して横方向にスライドすることができ、
接要素(3)に固定された少なくとも1つのスライド足部(18)が設けられ、
ドアフレームまたはドア固定具(2)は、ドアリーフ(4)のスライド移動を案内するように少なくとも1つのスライド足部(18)を収容するように適合された足部シート(19)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のドア。
【請求項9】
第2磁石相互作用要素または電磁石(8)は磁気的スロット(21)、または磁場閉鎖要素または電磁石を有し、
及び/または、
第2磁石相互作用要素または電磁石(8)は、当接要素(2)に埋め込まれた磁気的スロット(21)を有し、
第2磁石相互作用要素または電磁石(8)は、電磁石を有する磁気的スロット(21)を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のドア。
【請求項10】
ドアフレームまたはドア固定具(2)は縦方向フレーム側面(22)を有し、
スライド要素は、スライド要素に固定された第2磁石または電磁石(B)であって、ドアリーフ(4)がドア(1)の閉鎖位置にあるときのみ、鋼鉄によって形成されるストリップ(23)を有する第2磁石相互作用要素(8)と境界を形成する少なくとも1つの第2磁石または電磁石(B)を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のドア。
【請求項11】
スライド要素は、スライド要素に固定される少なくとも1つの第2磁石または電磁石(B)を有し、
ドアフレームまたはドア固定具(2)は床(11)の長さを跨いで配置され、
第2磁石相互作用要素または電磁石(8)は、少なくとも1つの第2磁石または電磁石(B)の極性に対して逆に配置される極性を有し、床(11)に埋め込まれた少なくとも1つの磁気的スロット(21)または高い磁気的相互作用を有する材料によって形成される要素を有し、
第2磁石または電磁石(B)は、スライド要素に固定され、ドアリーフ(4)がドア(1)の閉鎖位置にあるときのみ、少なくとも1つの磁気的スロット(21)または高い磁気的相互作用を有する材料によって形成される要素と境界を形成する、請求項1から10のいずれか一項に記載のドア。
【請求項12】
ドアフレームまたはドア固定具(2)は、横方向フレームまたは桟(24)を有し、
第2磁石相互作用要素または電磁石(8)は、少なくとも1つの第2磁石(B)の極性に対して逆に配置される極性を有し、横方向のフレームまたは桟(24)に埋め込まれた少なくとも1つの磁気的スロット(21)または高い磁気的相互作用を有する材料によって形成される要素を有し、
第2磁石または電磁石(B)は、スライド要素に固定され、ドアリーフ(4)がドア(1)の閉鎖位置にあるときのみ、少なくとも1つの磁気的スロット(21)と境界を形成する、請求項1から11のいずれか一項に記載のドア。
【請求項13】
ドアフレームまたはドア固定具(2)及びスライド要素(7)は、アルミニウムによって構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載のドア。
【請求項14】
第2磁石または電磁石(B)は、第1磁石または電磁石(A)によってもたらされる磁気的動作より少なくとも4倍以上である磁気的引力の動作をもたらす、請求項1から13のいずれか一項に記載のドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアフレームまたは固定具(fixture)に閉じたとき、シーリング、主に音響シーリングのためのシールが設けられたリーフを有するドアに関する。特に、本発明は、いわゆる磁気シール、言い換えれば、ドラフト-ストップ(draft-stops)(またはドイツ語ではZugluft-Stopp)または磁気的に作動されるシールギロチンを有するリーフを有するドアに関する。
【0002】
特に、本発明は、ヒンジ付きリーフを有するドア、特にスライドリーフを有するドアに適合される解決策に関する。
【0003】
さらに、本発明は、いわゆる可動タイプの、即ち、石積み構造でなく、金属及びガラスフレームによって形成される、従来からオフィスにおいて部屋を画定するための仕切り壁のドアに適合される解決策に関する。
【0004】
特に可動のガラスの壁からなるドアにおいて、その体積と、オフィスのエンドユーザにとってその低い視認性との両方において扱いにくくなく、同時に向上した音響絶縁を実現できるシール解決策は、強く求められている。
【背景技術】
【0005】
知られているシールまたはドラフト-ストップは、ドラフトまたは未完成開口と呼ばれ、ドアと、その当接要素(abutment element)または床との間に残る小さいリーフ開口を閉じるために主に設計され、よって、空気の通過を制限し、したがって、例えば、良好な断熱が得られる。
【0006】
しかしながら、特にドアによって共用エリアまたはミーティング用のエリアを画定することが意図されている場合、特にオフィスの仕切り壁において、適切な音響絶縁を有することは特に強く求められている。
【0007】
音響絶縁の要求と対照的に、衝撃を回避するようにドアを閉じる動作に伴う減衰装置の動作、及びギロチンまたはドラフト-ストップを作動させる機構に対抗するように、ドアの開閉においてユーザが使う労力を制限することも強く求められている。当然、特にスライドタイプである場合、ドアの開閉が容易であると、ドアとその固定具またはドアフレームとの間において適切な音響絶縁を得ることが難しくなる。
【0008】
文献JP2005009278に説明される解決策は、床の表面とドアとの間の空間を塞ぐことによって、ドアの床ドラフトを通じる気流及び湿気の通過を抑制できるシールに関する。提案されている解決策は、完全に平坦な床、即ちドアステップ(doorstep)の延在に沿って高さ(level)において差がない床と協働するドアに関する。
【0009】
この解決策において、シール機構は、ドアと床との間の空間を閉じるように下向きに押される。
【0010】
シールは、ドアがドアフレームに閉じると、ドアフレームに引き付けられる磁石押しボタンによって作動される。プッシュボタンを押すことをよって、第1磁石の位置が移動され、よって同じ極性を有する極はシールに配置される磁石に面するように配置され、シールを反発させて、床に向かって下降させる。
【0011】
押しボタンにおける磁石の対は、押しボタンの横方向の戻りばねの力に加えて、互いに面し、ドア及びシールに配置された磁石の2つの対との間の磁力に打ち勝つように充分に強い。さらに、押しボタンの作動は、上昇した位置におけるシールの1つの戻りバネより大きくなければならない。したがって、ガラスおよび音響ドア等の特定の重量を有するドアに通常設けられ、同時に作動する閉鎖または優しく閉じるための(soft-close)システムに打ち勝つための力に上乗せされるリーフ開放ステップにおいて打ち勝つための力は、ドアの利便性、即ちドア自体のエルゴノミクス、したがってドアの快適な使用を大きく制限する。
【0012】
全体的に、その公知の解決策は、かさばり、その操作は繊細である。例えば、ドアへの意図しない衝撃において、押しボタンの磁石は移動して、よって、特にドアがスライドタイプである場合、リーフから出るシールを作動させる可能性があり、よって使用において信頼性が低い。このようなリスクを低減させるため、大きな力を有する弾性手段(押しボタン及びシールの戻りばね)を提供することが求められ、これはドアの使用における不便さをさらに増加させる。
【0013】
したがって、優しく閉じるための装置によるドアが開ける際の抵抗の増加を小さくできる解決策は依然として強く求められている。特に、操作における不正確さと、ドアの開閉に抵抗することによるドアの移動を対比させる力と、視認性が高くオフィスを画定するように通常使用されるガラスドアにとって容認できない増加した体積とを生じさせ、弾性手段及び作動押しボタンを回避することが求められている。
【0014】
文献EP0451732B1から知られる解決策は、2つの相互関連した磁気バーを設けて、一方はドアのリーフに設置され、他方は床に固定されたドアステップに固定的に設置され、よってドアが閉鎖されると、一方がスライドのように相互磁気的引力によって引き出されて、ドアの下の空間が閉じられているように他方の磁気ロッドの上に配置される。
【0015】
シーリングを誘発する可動要素は、硬くない、よって少し柔らかい磁化材料によって形成されるプロファイルを有する磁気ロッドである。磁気ロッドはリーフの全長にわたって延びる。
【0016】
磁石の長手方向の延在の断面に対して、ドアの開放サイドに向けられた磁石の左半分は、S極の領域であり、右半分はN極の領域である。
【0017】
磁気ロッドは、ドアリーフのプロファイルの溝によって受けられ、よって、スライドする部品であり、下方向に可動である。
【0018】
磁気ロッドは、ドアステップの上の床に配置される平坦な磁気ロッドと関連し、これは、断面において逆の極性を有し、即ち、S極部分は固定具の横にあって、N極部分はリーフの開放側にある。
【0019】
ドアステップのプロファイルは、ねじによって床に固定される。
【0020】
この知られた解決先において、ドアステップは、障がい者に適合された空間において、容認できない障害物となる場合がある。
【0021】
さらに、そのシートにおいてスライドするように適合される磁気材料シールはドアリーフに設けられ、シールが絶縁効果を有するように柔らかくすることは、そのシールを繊細にして、時間とともに摩耗されやすくして、よって、その正確な操作及び絶縁の特徴を失う。特に、シートの壁に対する磁気シールのスライド動作は、その側面を摩耗させて、その下向き及び上向きの操作をより不正確にして、摩耗の度合いが大きいと、移動の詰まりをもたらす。
【0022】
さらに、この知られている解決策をスライドドアに使用することは困難であり、若しくは不可能である。
【0023】
磁石は、横方向であり、シール開始点からシール終了点まで、横方向断面の全体にわたって、極の一定のコースを有して配向される(oriented with constant course of the poles)。スライドドアに適用されると、ドアの横スライドの開始において、シールが床の上の磁気ロッドに重なると、下降し始めて、リーフ自体がスライドする可能性を制限する。同様に、完全に解放されたステップにおけるスライドドアが、側壁の固定モジュールと完全に重なる可能性が低く、これは、ハンドルがリーフの上に配置されてもよいことを保証するためであって、固定された直立部分(upright)からのハンドルの距離は、いずれかの場合において、事故を回避するように、及び障がい者にとって操作性と位置の視認性を実現するように数10センチメートル以内に維持される。これは、2つの磁気ロッドが重なることと、スライドドアの下に位置する空間のシーリングを取得することとを不可能にする。
【0024】
他の解決策は、文献JP2005009278、WO2018128824A1、EP0784144、US5396734、EP0216022、DE3708176、EP0451732、WO8101166、FR1363546、US4703586、DE3708176、DE102017127642、DE102016122265、EP3290627、DE4010994から知られている。しかしながら、これらのいずれもの解決策は、ヒンジ付きドアとスライドドアとの両方に適合されず、人間工学的な作動とともに、制限された体積と制限された視認性を実現できない。
【0025】
したがって、ヒンジ付きリーフを有するドアとスライドドアとの両方に適合された解決策であって、簡単であるが、リーフが閉鎖位置にあるときのみで作動するため安全であって、ドアの開口の全体を覆い、加えて、時間経過による摩耗が低減されて簡単かつ安全に操作できるような解決策は、依然として強く求められている。
【発明の概要】
【0026】
知られている先行技術の解決策の欠点を解決することができるドアを提供し、同時に上述の未だ満たされていない要求を満たすドアを提供することが、本発明の目的である。
【0027】
これら及び他の目的及び利点は、請求項1に係るドアによって実現される。
【0028】
さらなる実施の形態は、従属項の対象である。
【0029】
提案されている解決策によって、ヒンジ付きリーフを有する解決策と、スライドリーフを有する解決策との両方に適合されるドアが取得されてもよく、簡単であるが、リーフが閉鎖位置にある場合にのみ作動するため安全であって、よってシールが詰まるまたは摩耗することなく、ドアの開口の全体を覆い、加えて、時間経過による摩耗が低減されて簡単かつ安全に操作できる。
【0030】
磁石のデュアルシリーズを提供することによって、ギロチンの引き延ばし及び格納の両方において用いる力は、極めて正確な態様において調節されてもよく、よってギロチンの作動は、ドアリーフを開閉するときに、ほとんど認識できない。
【0031】
提案されている解決策によって、ギロチンは作動されてもよく、即ち、ギロチンは引き出されてもよく、よって、第2磁石が相互作用要素と揃うときのみに、リーフは固定具または壁フレームに対して音響シールとして作用し、よって、ギロチンの引き出し動作を極めて正確にして、ユーザによって認識される力の低減とともに、安全かつ正確な音響シールが得られる。第2磁石と相互作用要素との間の相互作用の分離、即ち、中断は、例えば、床に面するギロチンに対して、第2磁石は相互作用要素から横方向に急速に離れるように移動するため、正確かつ素早い態様において生じる。言い換えれば、提案されている解決策によって、ギロチンは、ドアリーフが閉鎖位置と一致するときのみに作動され、したがってギロチンまたはその上に配置されるシールがスライドすることは抑制され、よって当接部分上に適切なシール停止(rest)のみを可能にする。
【0032】
提案されている解決策によって、ドアステップ等の障害が床に配置されることを回避し、よって、開放されたドアの開口をわたるユーザに対して躓き要素を回避する。
【0033】
さらに、提案されている解決策は、極めてコンパクトであり、即ち、かさばらず、弾性要素を有せず、よって、組み立て及び整備が極めて簡単である。
【0034】
提案されている解決策は、ドアリーフの平面を、固定具またはドアフレームによって規定される平面の極めて近くに維持することを可能にし、特にスライドリーフタイプである場合において、ドアの全体の体積を減少させる。
【0035】
特に、スライドリーフを有するドアにおいて、提案されている解決策によって、狭く、省スペース化を実現する、正確なスライド足部(foot)が使用されてもよい。
【0036】
本発明のドアのさらなる特徴及び利点は、非限定的な例示によって、添付の図面への参照とともに、その望ましい実施の形態の後続の説明から明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】分離した部分ととともに、ドアフレームに関連したスライドリーフを有するドアの軸測投影図であって、スライドリーフも分離した部分を有し、ドアリーフは部分的にガラスによって構成され、シートが形成されるフレームを有し、シートは、リーフが閉鎖位置にあってドアフレームに面するとき、延在可能な態様において3つの側面にスライドギロチンを収容する。
図2】二重ガラス(double-pane)のスライドリーフの詳細の軸測投影断面図を示し、その背面エッジがドアフレームの直立部分に面して、リーフに設けられたシートに収容されるギロチンが第2磁石相互作用要素に対して当接するようにそのスライドを開始する第1瞬間を示し、ここで、第2磁石相互作用要素は高い磁気相互作用を有する材料から形成されるストリップである。
図3】分離した部分ととともに、ドアフレームの直立部分の第2磁石相互作用要素と境界を形成する(interface)ように適合されたギロチンの軸測投影図であって、複数の第1磁石がギロチンに固定され、ドアリーフのシートにおいてその格納に適合されることと、複数の第2磁石が、ギロチンとドアフレームにおける第2磁石相互作用要素とが揃うと、ギロチンを引き出すように適合されることとを示す。
図4図5とあわせて、リーフの2つの詳細の2つの断面を示し、リーフの背面エッジが2つの瞬間において図示され、第1瞬間は、リーフに設けられたシートに収容されたギロチンが、ドアフレームの直立部分に面しておらず、少なくとも1つの第1磁石がリーフのシートの底壁に配置される第3磁石によって引きつけられ、よってギロチンを完全に格納した位置に維持する瞬間であり、第2瞬間は、ギロチンが完全に引き延ばされ、第2磁石相互作用要素に当接する瞬間であり、ここで第2磁石相互作用要素は、高い磁気相互作用を有する材料から形成されるストリップであり、少なくとも1つの第2磁石が引きつけられる。
図5図4とあわせて、リーフの2つの詳細の2つの断面を示し、リーフの背面エッジが2つの瞬間において図示され、第1瞬間は、リーフに設けられたシートに収容されたギロチンが、ドアフレームの直立部分に面しておらず、少なくとも1つの第1磁石がリーフのシートの底壁に配置される第3磁石によって引きつけられ、よってギロチンを完全に格納した位置に維持する瞬間であり、第2瞬間は、ギロチンが完全に引き延ばされ、第2磁石相互作用要素に当接する瞬間であり、ここで第2磁石相互作用要素は、高い磁気相互作用を有する材料から形成されるストリップであり、少なくとも1つの第2磁石が引きつけられる。
図6】部分的に開放された位置において、スライドリーフを有するドアの側面図である。
図7図6における7a、7b、及び7cによって示されている領域において、ガラス壁に挿入されたリーフのエッジとドアフレームとの断面を示す。
図8図6における8a及び8bによって示されている領域において、ガラス壁に挿入されたリーフのエッジとドアフレームとの断面を示す。
図9】完全に閉鎖した位置におけるスライドリーフを有するドアの側面図を示す。
図10図9における10a、10b、及び10cに示されている領域において、ガラス壁に挿入されたリーフのエッジとドアフレームとの断面を示す。
図11図9における11a及び11bに示されている領域において、ガラス壁に挿入されたリーフのエッジとドアフレームとの断面を示す。
図12】開放位置におけるガラス壁と関連したスライドリーフを有するドアの床に近い詳細の側面図及び上面図を示す。
図13】開放位置におけるガラス壁と関連したスライドリーフを有するドアの床に近い詳細の側面図及び上面図を示す。
図14】分離した部分とともに、2つの第2磁石相互作用要素に面したギロチンの軸測投影図であって、ここで第2磁石相互作用要素は、床に埋め込まれる2つの磁気スロットである。
図15図16図17と異なるスライドリーフの下側エッジの断面であって、第1断面はスライド足部の隣に配置される第2磁石を表示して、第2断面はギロチンに対して格納の作動をもたらすように第3磁石に面した第1磁石を表示して、第3断面はシートにおけるギロチンのスライド移動を案内するように適合されるギロチンのためのガイドピンを表示する。
図16図15図17と異なるスライドリーフの下側エッジの断面であって、第1断面はスライド足部の隣に配置される第2磁石を表示して、第2断面はギロチンに対して格納の作動をもたらすように第3磁石に面した第1磁石を表示して、第3断面はシートにおけるギロチンのスライド移動を案内するように適合されるギロチンのためのガイドピンを表示する。
図17図15図16と異なるスライドリーフの下側エッジの断面であって、第1断面はスライド足部の隣に配置される第2磁石を表示して、第2断面はギロチンに対して格納の作動をもたらすように第3磁石に面した第1磁石を表示して、第3断面はシートにおけるギロチンのスライド移動を案内するように適合されるギロチンのためのガイドピンを表示する。
図18】部分的に開放した位置においてスライドリーフを有するドアの側面図を示す。
図19図18における19a及び19bに示されている領域において、床に面するリーフのエッジの断面を示す。
図20図18における20aに示されている領域において、床に面するリーフのエッジの断面を示す。
図21】完全に閉鎖した位置におけるスライドリーフを有するドアの側面図を示す。
図22図18における22a及び22bに示されている領域において、床に面するリーフのエッジの断面を示す。
図23図18における23aに示されている領域において、床に面するリーフのエッジの断面を示す。
図24】開放した位置においてスライドリーフを有するドアの詳細の側面図を示す。
図25】ギロチンが格納された位置にあって、図24における詳細のドアフレームの上側桟に面するリーフのエッジの断面を示す。
図26】ギロチンが延びた位置にあって、リーフが完全に閉じた位置にあるときのドアフレームの上側桟に面するリーフのエッジの断面を示す。
図27】分離した部分ととともに、ドアフレームの桟に面するリーフの上側エッジのギロチンの軸測投影図である。
図28】第2磁石相互作用要素(8)が第1磁石(A)と第2磁石(B)とから分離されている電磁石(26)であって、第2磁石(B)を引きつけて、ギロチン(7)に格納の動作をもたらすように第2磁石(B)に作用するように配置されるさらなる実施の形態によって、分離した部分ととともに、ドアフレームの桟に面するリーフの上側エッジのギロチンの軸測投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
一般的な実施の形態において、ドア1は、
少なくとも1つの当接要素3を有するドアフレームまたはドア固定具2と、
ドアリーフ4がドアフレームまたはドア固定具2によって区画される開口5を開放する開放位置と、ドアリーフ4が開口5を閉鎖するようにドアフレームまたはドア固定具2の当接要素3に当たって停止する閉鎖位置との間で移動可能であるドアリーフ4と、
ドアリーフ4またはドアフレームまたはドア固定具2において提供される少なくとも1つのギロチンシートまたはシート6と、
低いアルミニウム磁気的作用を有する材料によって形成され、ギロチンスライド方向X-Xに沿って格納位置から延在位置及びその逆に移動するようにシート6にスライド可能に収容される少なくとも1つのスライド要素またはギロチン7と、
ギロチンスライド方向X-Xに揃った、または方向X-Xと平行な極N、Sを有する少なくとも1つの第1磁石Aと、
第1磁石Aは、ギロチン7と統合されて配置され、
第1磁石Aは、シート6内へのギロチン7の引力の磁気的動作をもたらし、
第1磁石Aから分離し、ギロチンスライド方向X-Xに揃った、または方向X-Xと平行な極N、Sを有する少なくとも1つの第2磁石Bと、
第2磁石Bは、ギロチン7と統合されて配置され、
第1磁石Aと第2磁石Bとによって分離され、第2磁石Bと相互作用するように配置され、ギロチン7に取り出しの動作をもたらすように第2磁石Bを引きつけるように当接要素3と統合されて配置される第2磁石相互作用要素8と、を備え、
第2磁石Bは、第2磁石Bが実質的に第2磁石相互作用要素8に面して配置され、またはギロチンスライド方向X-Xが第2磁石相互要素8と交差するときのみ、シート6から取り出すようにギロチン7を押すように配置され、
少なくとも1つの第1磁石Aは、少なくとも1つの第2磁石Bによって全体的にもたらされる磁気的動作より、全体的に低い磁気的動作をもたらす。
【0039】
ある実施の形態によると、ドアフレームまたはドア固定具4はシート6を画定するシート壁9を有する。少なくとも1つの第3磁石Cはシート壁9と統合されて配置される。
【0040】
少なくとも1つの第1磁石Aは、常に少なくとも1つの第3磁石Cに面し、よって、ギロチンをシート6の内部に永久的に引きつける。
【0041】
ある実施の形態によると、ドアリーフ4は、ここでは床リーフエッジである少なくとも1つのリーフエッジ10を有し、ここでは床11である当接要素3に面するように適合される。シート6は、床リーフエッジ10に設けられている。ギロチン7は、第2磁石相互作用要素8に面して配置されるギロチン当接表面12を有する。ギロチン当接表面12は、ギロチン7と当接要素3との間に配置されるように適合される音響シール13を有する。
【0042】
ある実施の形態によると、シート6は、ギロチン取り出し及び格納方向、またはギロチンスライド方向X-Xを規定して、ギロチンスライド方向X-Xは、ドア1のリーフ4によって規定される平面に対して横方向に配置される。
【0043】
ある実施の形態によると、シートは、ギロチン取り出し及び格納方向、またはギロチンスライド方向X-Xを規定して、ギロチンスライド方向X-Xは、ドア1のリーフ4によって規定される平面に対して平行に配置される。
【0044】
ある実施の形態によると、シート6は、シート壁下部16を規定するシート壁9を有する。ギロチン7は、プロファイル断面開口15を有する「U」型プロファイル14であって、プロファイル14は、プロファイル断面開口15がシート壁下部16に面するようにシート6に収容される。
【0045】
ある実施の形態によると、少なくとも1つの第1磁石Aは、ギロチン7の長手方向の延在に沿って分布される第1磁石Aのシリーズである。
【0046】
ある実施の形態によると、少なくとも1つの第2磁石Bは、少なくともギロチン7の長手方向のギロチン端部17の近くに配置される第2磁石Bのシリーズである。
【0047】
ある実施の形態によると、第1磁石Aは、既定の極性N/Sを有する。第2磁石Bは、既定の極性N/Sを有する。ギロチン7内に配置されると、第1磁石Aの極性N/Sの配置は、第2磁石Bの極性の配置N/Sに対して逆である。
【0048】
ある実施の形態によると、ドアリーフ4は、ドアフレームまたはドア固定具2に設けられた少なくとも1つのガイド20の上にスライドするドアリーフであって、よって、ドアリーフ4はドアフレームまたはドア固定具2に対して横方向にスライドすることができる。さらに、例えば床11等の当接要素3に固定された少なくとも1つのスライド足部18が設けられている。ドアフレームまたはドア固定具2は、ドアリーフ4のスライドを案内するようにスライド足部18を収容するように適合した足部シート19を有する。
【0049】
ある実施の形態によると、第2磁石相互作用要素8は磁気的スロット21を有する。
【0050】
ある実施の形態によると、第2磁石相互作用要素8は、例えば床11等の当接要素2に埋め込まれた磁気的スロット21を有する。
【0051】
ある実施の形態によると、ドアフレームまたはドア固定具2は縦方向フレーム側面22を有する。ギロチンは、ギロチンに固定され、ドアリーフ4がドア1の閉鎖位置にあるときのみ、例えば鉄等の高い磁気的相互作用を有する材料によって形成されるストリップ23を有する第2磁石相互作用要素8と境界を形成する少なくとも1つの第2磁石Bを有する。
【0052】
ある実施の形態によると、ギロチンは、ギロチンに固定される少なくとも1つの第2磁石Bを有する。ドアフレームまたはドア固定具2は床11の長さを跨いで配置される。第2磁石相互作用要素8は、少なくとも1つの第2磁石Bの極性に対して逆に配置される極性を有し、床11に埋め込まれた少なくとも1つの磁気的スロット21を有する。第2磁石Bは、ギロチンに固定され、ドアリーフ4がドア1の閉鎖位置にあるときのみ、少なくとも1つの磁気的スロット21と境界を形成する。
【0053】
ある実施の形態によると、ドアフレームまたはドア固定具2は、横方向フレームまたは桟24を有する。第2磁石相互作用要素8は、少なくとも1つの第2磁石Bの極性に対して逆に配置される極性を有し、横方向のフレームまたは桟24に埋め込まれた少なくとも1つの磁気的スロット21を有する。第2磁石Bは、ギロチンに固定され、ドアリーフ4がドア1の閉鎖位置にあるときのみ、少なくとも1つの磁気的スロット21と境界を形成する。
【0054】
ある実施の形態によると、ドアフレームまたはドア固定具2及びギロチン7は、例えば、アルミニウム等の低い磁気的相互作用を有する材料によって構成される。
【0055】
ある実施の形態によると、第2磁石Bは、第1磁石Aによってもたらされる磁気的動作より少なくとも4倍以上である磁気的引力の動作をもたらす。
【0056】
ある実施の形態によると、第1磁石Aは、ネオジウム磁石であって、及び/または第2磁石Bもネオジウム磁石であって、及び/または第3磁石Cはネオジウム磁石、及び/または第4磁石はネオジウム磁石である。
【0057】
後述は、例示によって、本発明によって形成されたスライドリーフを有するドアの操作の説明である。
【0058】
この実施の形態は、例えば、2重ガラスとアルミニウムの押出成型物から形成されるフレームとを提供することによって、防音であるガラスの仕切り壁を提供する。
【0059】
さらに、ドア1は、アルミニウムの押出成型物から形成されるドアフレーム2を有する。同様に、ドアリーフは、フレームに固定される二重ガラスから形成され、フレームは、アルミニウムの押出成型物から形成されるリーフエッジ10を取得する。
【0060】
これらのリーフエッジ10は、床11に面した下側面、仕切り壁及びドアフレーム2に面した縦側面、及び仕切り壁フレーム及びドアフレーム2に面した上側面に、異なるシート6を有する。
【0061】
それぞれのシートは、上述のように形成され、特にネオジウム磁石を収容するギロチン78を収容する。
【0062】
リーフエッジ10の二重ガラスの下側横方向アルミニウムプロファイルは、床11に向かって配向される下側部分において、シート6を取得し、その内部にギロチンの支持本体を形成する第2形成アルミニウムプロファイルを収容するように、形成される。第2アルミニウムプロファイルは「U」型であって、その内部に磁石A、Bの2つのシリーズを収容し、それらの極性は互いに対して逆向きに配向され、磁気的引力または斥力の異なる力を有する。第3磁石Cは、シートの底面及び第1磁石において配置され、第3磁石は、第2「U」型アルミニウムプロファイルにおいて、望ましくはそのプロファイルの中央部分において配置された第1磁石Aを引きつけるように配向される。
【0063】
ギロチンのための位置合わせピンまたはガイドピン25は、リーフエッジ10の横方向のアルミニウムプロファイル、特にシート6において設けられている。ピンは、リーフエッジ10の下側桟に形成されるシート6において第2U型アルミニウムプロファイルの縦方向のスライドを可能にするガイドとして機能する。
【0064】
リーフが完全な閉鎖位置にあるときのみ、第2U型アルミニウムプロファイルを引きつけるように配向される磁気的スロット21は、床11に配置される。その瞬間において、第2磁石Bは、(それぞれが第2磁石Bを引きつけるように極性が逆に配向される第4永久磁石Dを含む)磁気的スロット21に向かって第2U型アルミニウムプロファイルを持ってくる。第2磁石Bと第4磁石Dとの間の引力の動作は、シート6の底面に配置される第3磁石Cを向かい、ギロチン7の取り出しに対抗する第1磁石Aの引力に打ち勝つ。よって、ギロチン7の延在、及びギロチン7が床11の上に完全に当たることを可能にして、よって、ドアリーフ4の下の横方向の隙間の完全な閉鎖を保証する。
【0065】
ドアリーフ4を開放するユーザが、第4磁石Dに対して第2磁石Bを移動させると、第1磁石Aは、第3磁石Cに向かう動作としてまた優勢になり、シート6の内部にギロチン7を格納し、ギロチン7を床11から持ち上げる。ここで、ギロチン7の取り出し及び格納方向X-Xは、縦方向、または2つの磁気的スロット21が埋め込まれた床に対して実質的に垂直である。
【0066】
リーフエッジ10に配置された上側横方向桟に配置されたギロチン7は、同様に動作し、ただし、ギロチン7の取り出し及び格納方向X-Xは、ドアリーフ4が配置される平面に対して実質的に垂直であって、または言い換えれば、床11の平面に対して実質的に平行である。
【0067】
クイックリリース(quick release)ロックが通常設けられている側面におけるドアフレーム2の縦方向当接直立部分に関して、これは、連続磁石を有し、連続磁石はH型リーフの高さであって、ドアフレームにおいて形成される規制部(stop)によって制限される一方で、閉鎖位置においてリーフに対して当接するために充分なストロークに沿って横方向にスライドするようにドアフレーム2のシートにおいてスライドする。この磁石は、磁気シールを形成し、実質的に柔らかい磁気的材料によって形成される。リーフエッジ10は、代替的に、ドアフレームの縦方向当接直立部分に当接する部分において、鋼鉄インサートを有し、鋼鉄インサートは、リーフの厚みの幅であって、またはそのアルミニウム押出成型物の断面において、ロッドまたは鋼鉄ストリップ23を収容するスペースを有する。リーフ4の閉鎖ステップにおいて、前述の磁気的シールは、鋼鉄ストリップ23が設けられているリーフのエッジの全長にわたって完全に接触(adhere)する。
【0068】
縦方向のスライド側面、即ちリーフが閉鎖ステップにあるとハンドルに対して後側のリーフの側面に関して、ハウジングは、リーフエッジ10、またはリーフエ4の「背面」エッジの縦方向のアルミニウム押出成型物に、ギロチン7のためのシート5を形成するプロファイルの全高にわたって形成され、シート6は、ギロチン7の支持本体を形成する第2U型アルミニウムプロファイルを受けて、その外側形状は、その全長にわたって連続的なシールを受けるように適合される。磁石A、Bの2つのシリーズは、U型プロファイルにおいて固定され、磁石Aを有する第1シリーズは、第2シリーズ(第2磁石B)より小さい力を有し、その反対側に配置される。第1磁石Aはシート6の底面に固定された第2磁石Cによって引きつけられ、よってギロチン7は、第2磁石Bがその動作をもたらす限り、シート6内に引きつけられ、したがって、閉鎖及び開放ストローク、及びリーフが開放された状態を維持する全時間において、リーフの自由な移動を可能にする。磁石Bの第2シリーズは、磁石Aの第1シリーズより大きい磁力を有し、よって、閉鎖されたドアの位置は、ギロチンがドアフレーム2の縦方向直立部分、またはそのシートにおいて挿入されるヒンジまたは鋼鉄ストリップ23が設けられたドアフレームのスライド側面に面するとき、U型プロファイルは、第2磁石Bによって応力が負荷され、ギロチン7が鋼鉄ストリップ23に当接し、シール13がリーフ4の縦方向の全高にわたって当接する。ユーザが開放するリーフに作用すると、第2磁石Bは、鋼鉄ストリップ23ともう揃っておらず、よって、シート6の底面に固定される第3磁石Cによって永久的に引きつけられる第1磁石Aは、シート6内にギロチンを引きつけて、よって、格納し、リーフ4は直ちに自由にスライドすることができる。
【0069】
本発明は、1つまたは複数の上述の特徴を有するスライドリーフを有するドアに関する。
【0070】
本発明は、1つまたは複数の上述の特徴を有するヒンジ付きリーフを有するドアにも関する。
【0071】
本発明は、ワードローブ及び収納家具(furnishing containers)のリーフにも関する。ここでは、ギロチンの主な機能は、ほこりに対するシール効果である。ほこりは、スライド及び/またはヒンジ付きリーフを有するワードローブ及びウォークインクローゼットにおいて大きな問題である。
【0072】
ある実施の形態によると、第1磁石(A)は、電気的な作動及び作動停止回路27に接続される電磁石であって、必ずしも必要でないが例えば、第1電磁石(A)を作動させるようにユーザによって制御可能なスイッチ29を有してもよい。よって、第1電磁石(A)は、前述の説明において説明される第1磁石(A)と置き換えられてもよい。
【0073】
ある実施の形態によると、第1電磁石(A)は、本発明の範囲から離脱することなく、上述の説明において説明される第3磁石(C)の位置に配置される第3電磁石(C)、または代替的に第3磁石(C)、または例えば、鋼鉄等の互い磁気的相互作用を有する材料によって形成される要素と相互作用する。
【0074】
ある実施の形態によると、第2磁石(B)は、電気的な作動及び作動停止回路27に接続される電磁石であって、必ずしも必要でないが例えば、第2電磁石(B)を作動させるようにユーザによって制御可能なスイッチ29を有してもよい。よって、第2電磁石(B)は、前述の説明において説明される第2磁石(B)と置き換えられてもよい。
【0075】
ある実施の形態によると、第2電磁石(A)は、本発明の範囲から離脱することなく、上述の説明において説明される第4磁石(D)の位置に配置される第4電磁石(D)、または代替的に第4磁石(D)、または例えば、鋼鉄等の互い磁気的相互作用を有する材料によって形成される要素と相互作用する。
【0076】
ある実施の形態によると、少なくとも1つの第2磁石相互作用要素(8)は、電磁石(26)であり、第1磁石または電磁石(A)及び第2磁石または電磁石(B)によって分離され、第2磁石または電磁石(B)と相互作用するように配置され、ギロチン(7)に対して取り出しの動作をもたらすように第2磁石または電磁石(B)を引きつけるように当接要素(3)と統合されて配置される。
【0077】
ある実施の形態によると、少なくとも1つの第2磁石相互作用要素は、電気的な作動及び作動停止回路27に接続される電磁石26であって、必ずしも必要でないが例えば、制御ユニット28に接続され、少なくとも1つの第2磁石相互作用要素(8)を作動させるようにユーザによって制御可能なスイッチ29を有する。
【0078】
ある実施の形態によると、第2磁石相互作用要素は、電磁石(8)であって、磁気スロット21または電磁石スロットを有する。
【0079】
ある実施の形態によると、第2磁石相互作用要素は、電磁石(8)であって、例えば、床(11)等の当接要素(2)に内蔵されている磁気スロット21を有する。
【0080】
電磁石の提供によって、より素早い制御及び機械的作動を取得でき、センサまたは遠隔制御の手段によってギロチンの作動も取得できる可能性がある。
【0081】
電磁石によって、日常的な使用においてギロチンを操作せずドアを使用してもよく、反対に、会議または個人的な電話の開始において、ワークステーションまたは会議テーブルから遠隔に作動させてもよい。
【0082】
ある実施の形態によると、電磁石は、1つのセッティング使用場面(scenario)から他の使用場面に切り替えることによって、ギロチンを作動及び閉鎖するように、ホームオートメーション(domotics)システムに接続される。
【符号の説明】
【0083】
1 ドア
2 ドアフレームまたはドア固定具
3 当接要素
4 ドアリーフまたはリーフ
5 ドア開口
6 ギロチンシートまたはシート
7 スライド要素またはギロチン
8 第2磁石相互作用要素または電磁石
9 シート壁
10 リーフエッジ
11 床
12 ギロチン当接表面
13 音響シール
14 プロファイル
15 プロファイル断面開口
16 シート壁下部
17 縦方向ギロチン端部
18 スライド足部
19 足部シート
20 スライドリーフガイド
21 磁気スロットまたは高い磁気的相互作用を有する材料によって形成された要素または電磁石
22 縦方向フレーム側面
23 高い磁気的相互作用を有する材料によって形成されるストリップ
24 横方向のフレームまたは桟
25 ギロチンガイドピン
26 電磁石
27 電気回路
28 制御ユニット
29 スイッチ
X-X ギロチンスライド方向
A 第1磁石または電磁石
N N極
S S極
B 第2磁石または電磁石
C 第3磁石または電磁石または高い磁気的相互作用を有する材料によって形成される要素
D 第4磁石または磁気スロットまたは電磁石または高い磁気的相互作用を有する材料によって形成される要素
図1
図2
図3
図4-5】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12e13
図14
図15
図16-17】
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28