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特許7676516プログラム、画像描画方法、及びゲーム装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-02
(45)【発行日】2025-05-14
(54)【発明の名称】プログラム、画像描画方法、及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/85 20140101AFI20250507BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20250507BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20250507BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20250507BHJP
【FI】
A63F13/85
A63F13/55
A63F13/54
A63F13/53
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023207926
(22)【出願日】2023-12-08
【審査請求日】2024-04-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)Anime Expo 2023(公開日 令和5年7月3日公開) https://www.anime-expo.org/2023/06/10/dive-into-the-world-of-granblue-fantasy/ (2)株式会社Cygames社内開催プレスイベント(公開日 令和5年8月1日) (3)EVO2023(公開日 令和5年8月5日) https://www.evo.gg/evo-2023 (4)グランブルーファンタジーヴァーサス-ライジング- 公式ホームページ(公開日 令和5年8月7日) https://rising.granbluefantasy.jp/ (5)株式会社Cygames社内開催プレスイベント(公開日 令和5年8月1日) (6)株式会社Cygames社内開催プレスイベント(公開日 令和5年8月10日) (7)youtube(公開日 令和5年9月16日) https://www.youtube.com/watch?v=oBmTzBqfTaU (8)Cygames Magazine(公開日 令和5年10月18日) https://magazine.cygames.co.jp/archives/29243 (9)youtube(公開日 令和5年12月2日) https://www.youtube.com/watch?v=cZPs_JoV5nU
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福原 哲也
(72)【発明者】
【氏名】冨田 浩平
(72)【発明者】
【氏名】井上 恵太
(72)【発明者】
【氏名】和仁 大樹
(72)【発明者】
【氏名】岡川 翔子
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-116365(JP,A)
【文献】ゲームズTAK,P4U2 美鶴vsエリザベス 超パワー対決,YouTube [online][video],2022年03月22日,URL: <https://www.youtube.com/watch?v=OHpZX2hfSXU>,[令和6年5月20日検索日]
【文献】ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ(P4U)攻略wiki,日々ゲームでも [online],2012年07月26日,URL: <http://hail07.blog47.fc2.com/blog-entry-1513.html>,[令和6年5月20日検索日]
【文献】めがほ,2022/11/20 P4U2 日米 10on10,YouTube [online][video],2022年11月21日,URL: <https://www.youtube.com/watch?v=l9G-qjPV1fo>,[令和6年5月22日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のゲーム場面を描画するプログラムであって、
複数のキャラクタから少なくとも一つの前記キャラクタをナビゲータとして選択する手順と、
前記ゲーム場面ごとに設定される少なくとも一つの再生条件と、前記再生条件に紐づけられた前記ナビゲータに対応する複数のメッセージとを管理し、前記再生条件にしたがって複数の前記メッセージから選択した少なくとも一つの前記メッセージを再生メッセージとして決定する手順と、
再生禁止フラグが設定されている前記ゲーム場面では、前記再生メッセージを決定しない手順と、
異なる複数の前記ゲーム場面に、決定された前記再生メッセージを描画又は再生する手順と、を
コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項2】
複数のゲーム場面を描画する画像描画方法であって、
複数のキャラクタから少なくとも一つの前記キャラクタをナビゲータとして選択するステップと、
前記ゲーム場面ごとに設定される少なくとも一つの再生条件と、前記再生条件に紐づけられた前記ナビゲータに対応する複数のメッセージを管理し、前記再生条件にしたがって複数の前記メッセージから選択した少なくとも一つの前記メッセージを再生メッセージとして決定するステップと、
再生禁止フラグが設定されている前記ゲーム場面では、前記再生メッセージを決定しないステップと、
前記ナビゲータを共通して含む異なる複数の前記ゲーム場面を描画し、異なる複数の前記ゲーム場面に、決定された前記再生メッセージを描画又は再生するステップと、を含む
画像描画方法。
【請求項3】
複数のゲーム場面を描画するゲーム装置であって、
複数のキャラクタから少なくとも一つの前記キャラクタをナビゲータとして選択する選択部と、
前記ゲーム場面ごとに設定される少なくとも一つの再生条件と、前記再生条件に紐づけられた前記ナビゲータに対応する複数のメッセージとを管理し、前記再生条件にしたがって複数の前記メッセージから選択した少なくとも一つの前記メッセージを再生メッセージとして決定し、再生禁止フラグが設定されている前記ゲーム場面では、前記再生メッセージを決定しない再生メッセージ決定部と、
前記ナビゲータを共通して含む異なる複数の前記ゲーム場面を描画し、異なる複数の前記ゲーム場面に、決定された前記再生メッセージを描画又は再生する描画再生部と、を備える
ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、画像描画方法、及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイ中には、プレイヤが予め選択した実況者又は解説者が、プレイヤを贔屓した実況又は解説をしてくれる仕組みを備えた対戦格闘ゲームが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、格闘ゲームと、ゲーム中にプレイヤに報知される報知画像の例が開示されている。
【0004】
非特許文献1には、プレイヤ側について応援してくれるキャラクタであるナビが、状況に応じて様々なアドバイスをくれる技術について開示されている。また、非特許文献1には、このナビが変更可能であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-195432号公報
【文献】P4U2/ペルソナ4U2 最速攻略wiki,[online],[2023年12月1日検索],インターネット(URL: https://spwiki.net/p4u2/wikis/203.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の対戦格闘ゲームでは、実況又は解説の音声が再生されるが、実況者又は解説者のセリフ等は表示されない。このため、プレイヤは、BGM等の音量が大きかったり、ゲームに集中していたりすると、実況者又は解説者のセリフ等を聞き漏らすことがあり、どのような内容が話されたかを知ることができなかった。特許文献1に開示された技術を用いても、プレイヤを贔屓したような実況又は解説の内容が画面に表示されることはない。
【0007】
また、非特許文献1に開示された技術、又は他のゲームにおいても、格闘ゲームの対戦場面において、プレイヤを鼓舞するセリフが放音される。しかし、対戦場面以外では、セリフが放音されないので、対戦場面以外のゲーム場面においてプレイヤの意欲が低下する恐れがある。また、プレイヤの操作と関係ないセリフが放音されることも多く、プレイヤはキャラクタに愛着を持ちにくかった。また、プレイヤが一人でゲームをプレイする場合、プレイ内容がよくても他の人と気持ちを共有できず、孤独を感じやすい。このため、様々なゲーム場面でプレイヤの意欲を高めるような仕組みが求められていた。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、プレイヤがゲームを続ける意欲を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
た、本発明に係るプログラムは、複数のゲーム場面を描画するものであって、複数のキャラクタから少なくとも一つのキャラクタをナビゲータとして選択する手順と、ゲーム場面ごとに設定される少なくとも一つの再生条件と、再生条件に紐づけられたナビゲータに対応する複数のメッセージとを管理し、再生条件にしたがって複数のメッセージから選択した少なくとも一つのメッセージを再生メッセージとして決定する手順と、再生禁止フラグが設定されている前記ゲーム場面では、前記再生メッセージを決定しない手順と、異なる複数のゲーム場面に、決定された再生メッセージを描画又は再生する手順と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、異なる複数のゲーム場面でナビゲータによる再生メッセージが描画又は再生されることで、プレイヤがゲームを続ける意欲を高めることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るゲームシステムの概要を示す全体構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係るゲームシステムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係るゲームシステムの機能構成例を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係るゲーム起動後に表示されるメインメニュー場面の表示例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るオンラインロビー場面の表示例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る対戦待ち受け場面の表示例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る対戦結果表示場面の表示例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る再生済みリストの構成例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る再生メッセージの再生処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0013】
<語句の定義>
始めに、本明細書で共通して使用される語句の定義について説明する。以下に説明する語句は、本発明が適用されるゲームで用いられるものである。
【0014】
(ゲーム)
始めに、ゲームについて説明する。
ゲームとは、各種の情報処理端末がゲームのプログラムを実行することで所定の効果を得られる遊戯である。ゲームは、動画データ、画像データ、音声データ、書籍データ、及びテキストデータのうち、少なくとも一つを含み、複数のデータを適宜組み合わせて表現される。通常、ゲームは、自然人であるプレイヤが各種の操作を行って進行させることができる。ただし、プレイヤが所定の指示を与えることで、自動的にゲームを進行させることも可能である。
【0015】
(ゲーム媒体)
ゲームでは、様々な要素に対して識別ID(IDentification)が付与されている。識別IDが付与され、識別IDによって管理される要素を「ゲーム媒体」と呼ぶ。ゲーム媒体は、ゲームの内部的な処理で用いられることが多い。このため、ゲーム媒体は、画面に表示されるオブジェクトとは異なり、画面への表示有無は問われない。
【0016】
例えば、ゲーム媒体として、ゲーム内のキャラクタ、アイテム(装備アイテム、消費アイテム、キャラクタの衣装など)、カード、抽選ゲームで抽選される要素等が想定される。また、ゲーム媒体として、以下に示す用途や作用を一つ以上含むアイテムが想定される。例えば、他のゲーム媒体を変化(強化又は弱化)させるアイテム、何らかのパラメータを変化(強化又は弱化)させるアイテム、ゲーム媒体を消費することで対価を得ることができるアイテム、プレイヤによる編成対象であってゲーム内で効果を発揮するアイテム等がある。
【0017】
(オブジェクト)
ゲームでは、プレイヤがゲームをプレイする端末の表示装置に画面が表示される。画面には、様々なコンピュータグラフィックス画像(以下、「画像」と略称)がオブジェクトとして表示される。ここで、オブジェクトは、大きく2次元画像と3次元画像に分けられる。2次元画像のオブジェクトは、2次元コンピュータグラフィックスにより構成される画像であり、例えば、ゲーム媒体のイラスト画像(キャラクタ、アイテム等)、ユーザインタフェースの画像(ボタン、バーチャルパッド等)である。同様に、3次元画像のオブジェクトは、3次元コンピュータグラフィックスにより構成される画像であり、キャラクタ、アイテム、背景等である。
【0018】
(属性)
属性は、ゲーム媒体を分類するために用いられるデータであって、複数のゲーム媒体、又は複数のオブジェクトに共通して付与されるデータの一部である。例えば、属性は、あるキャラクタを区別するためのデータであったり、あるアイテムの希少度を定めるためのデータであったりする。属性は、ゲームのプレイ時に画面に表示されることが多い。ただし、属性は、プログラムの内部処理でのみ利用され、画面に表示されないこともある。
【0019】
(通貨)
ゲームでは、アイテム等と交換するための通貨が用いられる。この通貨は、現実の世界で価値のある有償通貨と、ゲーム内でのみ利用されるパラメータとがある。有償通貨は、例えば、現金、電子マネー、有償で購入されるゲーム内通貨等を含む。ゲーム内でのみ利用されるパラメータとしては、ゲーム内において無償で提供されるゲーム内通貨がある。さらに、ゲーム内通貨として、例えば、後述する抽選処理で消費される無償の通貨も含まれる。なお、ゲームで使用されるポイント等も通貨と同じ意味で用いられることがある。
【0020】
(報酬)
プレイヤは、ゲームをプレイすることで報酬を得られる。報酬は、プレイヤを識別するために付されたプレイヤIDに付与されるものと、プレイヤIDに付与されないものとに大別される。プレイヤIDに付与される報酬として、例えば、アイテムなどがあり、アイテム等の報酬は、所定パラメータ(経験値、スタミナ、抽選の権利等)の変動に用いられたり、ゲームを進行させるために用いられたりする。また、報酬として、例えば、プレイ可能なクエストの解放、キャラクタのスキル又はアビリティの獲得可能化、ミュージックビデオの閲覧可能化なども想定される。プレイヤIDに付与されない報酬には、例えば、報酬画像又は報酬動画の表示、ゲームに特有のイベントの発生などがある。
【0021】
(抽選処理)
ゲームでは、プレイヤに特典を与えるための抽選処理が行われることがある。抽選処理は、ゲーム内で生成されるソフトウェア乱数を使用することで、確率的に結果を決定する処理である。ソフトウェア乱数においては、シード値が同一であれば、同一の値が生成される。抽選処理では、ソフトウェア乱数の代わりに、予め作成された疑似乱数列を使うことで、結果が決定されてもよい。抽選処理は、所定の対価を消費して抽選処理により報酬を決定する処理(いわゆるガチャによる処理)と、その他の処理とに大別される。
【0022】
所定の対価を消費して抽選処理により報酬を決定する処理は、非復元抽選(抽選確率が一定である処理、又は抽選確率が変動する処理)と、復元抽選(アイテムの数等が予告され、抽選回数を重ねることで目的のアイテムを得られる処理)とがある。その他の処理は、ゲーム報酬の抽選処理、キャラクタ同士を対戦させるゲームにおけるマッチング処理、攻撃を与えた場合のダメージの計算処理、NPC(Non Player Character:プレイヤが操作しないキャラクタ)の行動決定処理等がある。
【0023】
(ゲーム効果)
ゲームでは、ゲーム媒体、又はオブジェクト等に紐づけられた効果(「ゲーム効果」と呼ぶ)がある。ゲーム効果として、例えば、キャラクタのスキル、アビリティ、特殊能力等がある。ゲーム効果は、ゲームの進行に何等かの影響を及ぼすものであり、ゲーム効果を有効化する有効化条件、ゲーム効果の適用対象、ゲーム効果の効果量が任意に組み合わせて定義される。
【0024】
[一実施形態]
<ゲームシステムの全体構成例>
始めに、本発明の一実施形態に係るゲームシステムの構成例について説明する。このゲームシステムは、ゲームを配信するゲームサーバと、情報処理端末とを組み合わせて構成される。ゲームサーバが配信するゲームには、ゲームに関するプログラム及びデータが含まれる。
【0025】
<ゲームシステムの概要>
図1は、一実施の形態に係るゲームシステム10の概要を示す全体構成図である。
ゲームシステム10は、ゲームサーバ1、スマートフォン2A及びPC(Personal Computer)2Bを備える。スマートフォン2A及びPC2Bは、インターネット等のネットワークNを介してゲームサーバ1に接続可能である。以下の説明では、スマートフォン2A及びPC2Bを情報処理端末2と総称する。情報処理端末2として、例えば、ゲーム専用端末が用いられてもよい。
【0026】
ゲームサーバ1は、ゲームシステム10を構成する第1情報処理装置の一例である。ゲームサーバ1は、ゲームのプログラム及びデータを管理しており、認証した情報処理端末2からのデータ取得要求に基づいて、情報処理端末2にゲームのプログラム及びデータを配信する。
【0027】
情報処理端末2は、ゲームサーバ1から受信した、ゲームのプログラム及びデータを処理する。そして、本実施形態に係るプログラムは、入力装置26(入力部の一例)を介して入力される指示により、ゲームの進行に合わせて出力装置27(表示部の一例)に表示されるテキスト、画像等の表示形態を制御するものである。
【0028】
スマートフォン2Aでは、入力装置26と出力装置27が一体化されたタッチパネルディスプレイ装置が用いられる。スマートフォン2Aは、タブレット端末であってもよい。また、PC2Bでは、入力装置26と出力装置27が別体とされている。なお、PC2BをデスクトップPCとして、入力装置26と出力装置27を別途、デスクトップPCに接続した構成としてもよい。
【0029】
情報処理端末2は、ゲームシステム10を構成する第2情報処理装置の一例である。情報処理端末2は、ゲームサーバ1からダウンロードしたゲームの元となるプログラムを含むデータを、後述する図2に示す記憶装置22に保存可能である。
【0030】
なお、情報処理端末2は、メモリ、光ディスク等からゲームの元となるプログラムを含むデータを読み出すことも可能である。そして、情報処理端末2は、記憶装置22から読み出したプログラムを実行することでゲームが表現される。また、ゲームサーバ1で処理されたゲームの処理結果が情報処理端末2に配信される場合、情報処理端末2は、例えば、インターネットブラウザを用いて処理結果を表示させたり、プレイヤがゲームを進行させたりすることもできる。
【0031】
情報処理端末2は、プレイヤが行った操作により入力装置26から入力される操作信号に基づいてプログラムを選択し、出力装置27の画面に合わせた映像信号を出力装置27に出力する。出力装置27は、映像信号に基づいて、映像を表示する。入力装置26から入力される操作信号は、例えば、コントローラの操作スティック、操作ボタンごとに対応する信号である。プレイヤは、入力装置26を通じて指示を入力したり、キャラクタを操作したりすることができる。
【0032】
情報処理端末2は、ゲームサーバ1からダウンロードしたゲームのデータを、後述する図2に示す記憶装置22に保存する。また、情報処理端末2は、ゲームのデータを記憶装置22から読み出してプログラムを実行する処理、入力装置26から入力される操作信号に合わせて画面を描画する処理、及び出力装置27により画面を表示する処理等を行う。例えば、情報処理端末2は、プレイヤによる入力装置26を通じた操作に伴い、キャラクタを含む様々なシーン(以下、ゲーム場面とも呼ぶ)が描画された画面を出力装置27に表示する。
【0033】
入力装置26から入力される、キャラクタに対する操作として、例えば、ゲーム場面内でキャラクタを移動させる指示を行ったり、各種のメニューから特定のメニューを選択したり、プレイヤが操作するキャラクタを選択したり、キャラクタが発する会話への応答等の、各種のコマンド入力がある。また、本実施形態に係るゲームシステム10では、様々なゲーム場面にナビゲータが表示され、特定の条件を満たした時にナビゲータがプレイヤに話しかける機能を持つ。
【0034】
ナビゲータとは、ゲームがオフライン状態であるか、オンライン接続されているかに関わらず、プレイヤにアドバイスを送ったり、プレイヤのゲームを継続するモチベーションを保てるように励ましたりする機能を持つキャラクタの一種である。ナビゲータは、プレイヤが操作するキャラクタではなく、後述するミニゲームで操作されるアバターとも異なる。ゲームには、後述する図4図7に示す様々なゲーム場面が設けられている。ナビゲータは、例えば、ゲーム場面に応じた再生条件が満たされた場合に、そのゲーム場面の隅に登場し、一言話してから退場するようなアニメーションで表示される。この時、ナビゲータは、ゲーム場面の画面外から登場する。その後、再生条件に適した再生メッセージが吹き出し表示され、音声でも再生メッセージが読み上げられる。
【0035】
また、ナビゲータは、再生メッセージの内容に合わせたポーズ、表情を取ることができる。ナビゲータが、ゲームのプレイ中にプレイヤを褒めたり、話しかけたりメッセージを再生することで、プレイヤのゲームプレイにおけるストレス又は飽きなどが緩和されることが期待される。なお、ナビゲータが再生メッセージを読み終わった後、所定の時間経過後、又は別のゲーム場面に遷移することで、ナビゲータが非表示となる。ナビゲータが非表示となった後、さらに詳細なゲーム攻略のためのアドバイスがテキスト表示されてもよい。
【0036】
プレイヤは、事前に複数のキャラクタから選択した少なくとも一つのキャラクタをナビゲータとして選択する操作を行うことができる。入力装置26から行われる操作の一例としては、出力装置27の画面を指又はペンでタッチするタップ操作等もある。入力装置26で行われる操作により、出力装置27に表示されるキャラクタ及びゲーム場面が変化する。
【0037】
<ゲームシステムのハードウェア構成例>
次に、一実施形態に係るゲームシステム10のハードウェア構成例について説明する。
図2は、ゲームシステム10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0038】
(ゲームサーバの構成例)
ゲームサーバ1は、各種のプログラムを実行可能なコンピュータとして動作する計算機の一例である。このゲームサーバ1は、バス13にそれぞれ接続された処理装置11、記憶装置12及びネットワークインターフェイス14を備える。
【0039】
処理装置11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Microprocessor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)のうち、少なくとも一つにより構成される。処理装置11は、本実施の形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶装置12から読み出し、記憶装置12に設けた不図示の一時記憶部にロードして、プログラムコードを実行する。処理装置11は、例えば、ゲームの演算処理を行ったり、情報処理端末2の画面にオブジェクトを描画するために必要な処理を行ったりする。
【0040】
記憶装置12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)により構成される。ROMは、光ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、CD-ROM、Blu-ray(登録商標)ディスク等が用いられる。RAMは、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等が用いられる。記憶装置12には、処理装置11の演算処理の途中で発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれ、これらの変数やパラメータ等が処理装置11によって適宜読み出される。
【0041】
また、記憶装置12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリのうち、少なくとも一つにより構成される。記憶装置12には、ゲームサーバ1のOS(Operating System)、各種のパラメータの他に、ゲームサーバ1を機能させるためのプログラムが記憶されている。上述したように記憶装置12は、処理装置11が動作するために必要なプログラムやデータ等を記憶しており、ゲームサーバ1によって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記憶媒体の一例として用いられる。
【0042】
ネットワークインターフェイス14には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられる。ネットワークインターフェイス14は、NICの端子に接続された専用線等を介し、ネットワークNを経由して各種のデータを、情報処理端末2との間で送受信することが可能である。
【0043】
(情報処理端末の構成例)
情報処理端末2は、各種のプログラムを実行可能なコンピュータとして動作する計算機の一例である。この情報処理端末2は、バス13にそれぞれ接続された処理装置21、記憶装置22及びネットワークインターフェイス24を備える。
【0044】
処理装置21は、例えば、CPU、MPU、GPU、及びFPGAのうち、少なくとも一つにより構成される。処理装置21は、本実施の形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶装置22から読み出し、記憶装置22に設けた不図示の一時記憶部にロードして、プログラムコードを実行する。処理装置21は、例えば、ゲームの演算処理を行ったり、情報処理端末2の画面にオブジェクトを描画するために必要な処理を行ったりする。また、処理装置21は、情報処理端末2のOSの処理、情報処理端末2内の各部で行われるデータの入出力の管理等の処理を行う。また、処理装置21は、ゲームに関する情報を扱う場合、画像信号の他、音声信号、アクチュエータの動作信号等も入出力インターフェイス25を通じて出力装置27に出力可能である。
【0045】
記憶装置22は、例えば、ROM、RAMにより構成される。ROMは、光ディスク、光磁気ディスク、DVD-ROM、CD-ROM、Blu-ray(登録商標)ディスク等が用いられる。RAMは、SRAM、DRAM等が用いられる。記憶装置22には、処理装置21の演算処理の途中で発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれ、これらの変数やパラメータ等が処理装置21によって適宜読み出される。また、処理装置11は、例えば、キャラクタ又は背景を構成する、2次元オブジェクト又は3次元オブジェクトを出力装置27の画面に描画するために必要な処理を行う。
【0046】
また、記憶装置22は、例えば、HDD、SSD、及びフラッシュメモリのうち、少なくとも一つにより構成される。記憶装置22には、情報処理端末2のOS、各種のパラメータの他に、情報処理端末2を機能させるためのプログラム、ゲームのプログラム等が記憶されている。上述したように記憶装置22は、処理装置21が動作するために必要なプログラムやデータ等を記憶しており、情報処理端末2によって実行されるプログラムを格納したコンピュータ読取可能な非一過性の記憶媒体の一例として用いられる。
【0047】
ネットワークインターフェイス24には、例えば、NIC等が用いられる。ネットワークインターフェイス24は、NICの端子に接続された専用線等を介し、ネットワークNを経由して各種のデータを、ゲームサーバ1との間で送受信したり、他の情報処理端末2との間で通信を行ったりすることが可能である。
【0048】
入出力インターフェイス25は、入力装置26から受け取った操作信号を所定の形式のデータに変換し、変換後のデータを処理装置21に渡す。また、入出力インターフェイス25は、処理装置21で描画された画面のデータを映像信号に変換し、出力装置27に出力する。
【0049】
入力装置26は、プレイヤからの入力指示、又は各種の情報を受付ける装置である。入力装置26として、例えば、プレイヤが指定した位置の座標情報を入力可能なポインティングデバイスがある。このポイティングデバイスは、マウス、タッチパネル装置等である。タッチパネル装置は、入力装置26と出力装置27を組み合わせて構成される。また、入力装置26は、ゲームコントローラ、キーボード、マイクロフォン、GPS(Global Positioning System)装置、各種のセンサ類としてもよい。各種のセンサ類として、例えば、加速度センサ(六軸センサ、ジャイロセンサ等)、光学センサ(カメラ等)、圧力センサ(感圧式タッチセンサ等)、気圧センサ等が想定される。
【0050】
出力装置27は、処理装置21によって処理された情報を出力する装置である。出力装置27として、例えば、表示装置(ディスプレイ装置、タッチパネル装置等)、音響装置(スピーカ、ヘッドホン等)、アクチュエータ(振動装置、触覚フィードバック等)等がある。出力装置27を表示装置とした場合、入出力インターフェイス25から受け取った映像信号に基づいた映像が表示装置に表示される。出力装置27を音響装置とした場合、BGM(Back Ground Music)、効果音、キャラクタボイス等の音が放音される。出力装置27をアクチュエータとした場合、ゲームのシーンに応じて振動したり、触覚がフィードバックされたりする。
【0051】
<ゲームシステムの機能構成例>
次に、ゲームシステム10の機能構成例について、図3を参照して説明する。
図3は、ゲームシステム10の機能構成例を示すブロック図である。図3では、通信ネットワークNの記載を省略する。
【0052】
(ゲームサーバの機能構成例)
ゲームサーバ1は、通信部31、ゲーム処理部32、及び記憶部33を備える。
【0053】
通信部31は、情報処理端末2との間の通信を制御する。例えば、通信部31は、情報処理端末2から送信されるデータ取得要求等を受信すると、ゲーム処理部32にデータ取得要求を出力し、ゲーム処理部32が処理したゲームのデータを情報処理端末2に送信する。通信部31の機能は、図2に示した処理装置11及びネットワークインターフェイス14等により実現される。
【0054】
ゲーム処理部32は、通信部31から入力されるデータ取得要求に基づいて、情報処理端末2で利用されるゲームのデータを記憶部33から選択して読み出す。そして、ゲーム処理部32は、読み出したゲームのデータを通信部31に出力する。なお、ゲーム処理部32は、読み出したゲームのデータに基づいて処理を行った後、処理結果のデータを通信部31を出力することもできる。ゲーム処理部32の機能は、図2に示した処理装置11及び記憶装置12により実現される。
【0055】
記憶部33は、ゲームのデータを記憶する。記憶部33の機能は、図2に示した記憶装置12により実現される。また、記憶部33は、ゲームをプレイするプレイヤのデータも記憶する。プレイヤのデータは、プレイヤの認証処理等に用いられる。
【0056】
(情報処理端末の機能構成例)
情報処理端末2は、通信部41、入力部42、入力受付部43、選択部44、再生メッセージ決定部45、描画再生部46、画像出力部47、出力部48及び記憶部49を備える。
【0057】
通信部41は、プレイヤがプレイするゲームが取得要求するデータ等をデータ取得要求としてゲームサーバ1に送信する。そして、通信部41は、ゲームサーバ1から配信されるゲームのデータを記憶部49に書き込む。通信部41の機能は、図2に示した処理装置21及びネットワークインターフェイス24により実現される。
【0058】
入力部42は、プレイヤが入力した操作に基づいて生成する操作信号を入力受付部43に出力する。プレイヤが入力した操作とは、例えば、入力装置26の画面をタップする操作、画面内の特定のアイコンを入力装置26で指定する操作等である。また、プレイヤは、メニュー画面から各種の項目を選択したり、ナビゲータを選択したりする操作を行う。これらの操作は、プレイヤがタップ又はクリックすることで入力することができる。入力部42の機能は、図2に示した入力装置26により実現される。以下の説明では、入力部42で行われる操作はタップであるとする。クリックによる操作は、タップによる操作を読み替えればよい。
【0059】
入力受付部43は、入力部42から操作信号を受付ける。入力受付部43は、操作信号として、例えば、入力部42からナビゲータを選択する指示を受付ける。入力受付部43の機能は、図2に示した入出力インターフェイス25により実現される。
【0060】
選択部44は、入力部42による操作に基づき、複数のキャラクタから少なくとも一つのキャラクタをナビゲータとして選択する。ここで、選択部44は、ゲームでプレイヤが入力部42を介して操作する操作キャラクタを複数のキャラクタから選択することができる。また、選択部44は、プレイヤが操作できないナビゲータを複数のキャラクタから選択することもできる。ナビゲータの選択は、自動的に、又は入力部42を介して行われるようにすればよい。このため、プレイヤがナビゲータを選択していない状態であっても、選択部44により特別なキャラクタがナビゲータとして選択されてもよい。
【0061】
再生メッセージ決定部45は、ゲーム場面ごとに設定される少なくとも一つの再生条件と、再生条件に紐づけられたナビゲータに対応する複数のメッセージとを管理する。再生条件に紐づけられたナビゲータに対応するメッセージとは、例えば、ナビゲータがプレイヤを鼓舞するようなセリフ、プレイのアドバイス等が想定される。ナビゲータが決まることで、再生可能なメッセージは確定する。すなわちナビゲータに対応するメッセージのみが再生可能となる。ナビゲータ毎に、メッセージの趣旨は同じであっても口調や語尾などが異なることが想定される。
【0062】
そして、再生メッセージ決定部45は、再生条件にしたがって複数のメッセージから選択した少なくとも一つのメッセージを再生メッセージとして決定する。再生メッセージ決定部45は、複数のメッセージから少なくとも一つのメッセージを再生メッセージとして決定する際に、抽選処理を行う。この抽選処理により、再生メッセージ決定部45は、プレイヤが予測しにくい順番で再生メッセージを決定することができる。また、再生メッセージ決定部45は、描画再生部46により再生された再生メッセージの再生メッセージ識別子を、記憶部49に作成される再生済みリスト100(後述する図8を参照)に格納する。再生メッセージ決定部45は、再生済みリスト100を用いることで、一定数以上の異なるメッセージが再生メッセージとして決定され、再生されるまでは、重複再生されないように再生順を管理することができる。
【0063】
ただし、再生メッセージ決定部45は、再生禁止フラグが設定されているゲーム場面では、再生メッセージを決定しない。例えば、後述する図4に示すメインメニュー場面60から遷移するオプション選択場面(不図示)では、多くの項目が表示されるので、ナビゲータ及び再生メッセージが表示されると一部の項目が見えづらくなる。このようにナビゲータ及び再生メッセージが表示されると不自然となるようなゲーム場面に、ナビゲータ及び再生メッセージが再生されない。
【0064】
描画再生部46は、異なる複数のゲーム場面に再生メッセージを描画又は再生する。描画再生部46による再生には、ナビゲータ及び再生メッセージの表示の他、ナビゲータに対応する音声により再生メッセージが読み上げられる音声再生も含まれる。描画再生部46は、入力受付部43が受け付けた操作信号に基づいて、出力部48に表示する画像を描画する。描画される画像には、例えば、テキストの他、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタ、その他のキャラクタを含むオブジェクトの2次元画像又は3次元画像等が含まれる。また、描画再生部46は、ナビゲータが再生メッセージを読み上げる音声を再生し、ナビゲータと、再生メッセージのテキストとを含むゲーム場面を描画する。
【0065】
画像出力部47は、描画再生部46により描画された画像を出力部48に出力する。例えば、後述する図4図7に示す各ゲーム場面の画像が出力部48に出力される。画像出力部47の機能は、図2に示した入出力インターフェイス25により実現される。
【0066】
出力部48は、画像出力部47により出力された画像を表示する。また、出力部48は、描画再生部46により再生された再生メッセージの音声を出力装置27の一例であるスピーカに放音する。出力部48の機能は、図2に示した出力装置27により実現される。
【0067】
記憶部49は、通信部41がゲームサーバ1から受信したゲームのデータを記憶する。記憶部49の機能は、図2に示した記憶装置22により実現される。
【0068】
ここで、図4図7を参照してゲーム場面の構成例について説明する。本実施形態では、ゲーム場面は、少なくとも、メインメニューを構成するメインメニュー場面60、対戦へのエントリーを待つオンラインロビー場面70、対戦マッチングを待つ対戦待ち受け場面80、及び対戦結果を表す対戦結果表示場面90のうち、少なくとも一つを含むものとする。図4に示すメインメニュー場面60、図5に示すオンラインロビー場面70、図6に示す対戦待ち受け場面80、図7に示す対戦結果表示場面90は、いずれもプレイヤの操作により遷移可能なゲーム場面の一例である。
【0069】
図4には、ゲーム起動後に表示されるメインメニュー場面60の例が示される。メインメニュー場面60は、メインメニューを含むゲーム場面の一例である。メインメニュー場面60は、ナビゲータ表示エリア61、再生メッセージ表示エリア62、メニュー表示エリア63、及び背景画像表示エリア64を備える。
【0070】
メインメニュー場面60の右下には、ナビゲータ表示エリア61と、再生メッセージ表示エリア62とが含まれる。ナビゲータ表示エリア61には、プレイヤが複数のキャラクタから選択した任意のキャラクタであるナビゲータが表示される。再生メッセージ表示エリア62には、再生メッセージ決定部45により決定された再生メッセージが表示される。メインメニュー場面60では、ゲーム全体の情報、これからゲームをプレイするプレイヤの意欲を高める情報等の内容のメッセージが再生メッセージとして決定される。
【0071】
メインメニュー場面60の再生メッセージの再生条件と再生メッセージの例を以下に挙げる。
(再生条件1)本日初めてプレイヤがゲームをプレイしたこと。
再生メッセージ「今日のゲームは、あの島に行こう。」
(再生条件2)新しいダウンロードコンテンツが配信されたこと。
再生メッセージ「新しいダウンロードコンテンツを確認してみよう。」
(再生条件3)プレゼントボックスに報酬があること。
再生メッセージ「プレゼントを確認してみよう。」
(再生条件4)ゲームのプレイ日が新しい年になったこと。
再生メッセージ「今年も一緒に冒険しよう。」
(再生条件5)プレイヤがデイリーチャレンジをクリアしたこと。
再生メッセージ「デイリーチャレンジをクリアしたよ。」
【0072】
ナビゲータと、再生メッセージは、メインメニュー場面60に常時表示されるものではない。メインメニュー場面60に設定される特定の再生条件が満たされた時に、ナビゲータ表示エリア61にナビゲータが表示され、その満たされた再生条件に応じて抽選で決定された再生メッセージが再生メッセージ表示エリア62に表示される。また、再生メッセージの表示と同期して、再生メッセージと同じ内容の音声がスピーカから放音される。
【0073】
メインメニュー場面60における再生条件として、例えば、プレイヤが本日始めてゲームをプレイしたこと、新しいダウンロードコンテンツが配信されたこと、プレゼントボックスに報酬があること、新しい年になったこと、デイリーチャレンジをクリアしたこと等がある。これらの再生条件が満たされると、再生条件に紐づけられたナビゲータに対応する再生メッセージが再生メッセージ表示エリア62に表示される。
【0074】
再生メッセージの再生が終了すると、ナビゲータ表示エリア61からナビゲータが消え、再生メッセージ表示エリア62から再生メッセージが消える。メインメニュー場面60でナビゲータ、及び再生メッセージが再生されてから、例えば、30秒(第1規定時間の一例)を経過した後に、再生済みのメッセージとは異なるメッセージが再生メッセージとして決定され、再生メッセージ表示エリア62に表示される。なお、第1規定時間は、ゲーム場面毎に異なる値が設定されていてもよい。例えば、後述する図6に示す待ち受け場面80は、他プレイヤとのマッチングが行われるまで表示される待機画面であるので、待ち受け場面80に遷移すると、すぐにナビゲータ、及び再生メッセージが再生される方がプレイヤの気分が盛り上がる。このため、待ち受け場面80では、第1規定時間が1秒間のように短時間で設定されてもよい。
【0075】
メニュー表示エリア63には、例えば、シングルモード、対戦モード、トレーニングモード、及びストーリーモードの各メニューが含まれる。シングルモードは、プレイヤが単独でゲームをプレイするモードである。対戦モードは、他のプレイヤが操作する相手キャラクタと、プレイヤ自身が操作する操作キャラクタ51とを対戦するモードである。相手キャラクタは、オンラインで接続される他のプレイヤが操作するキャラクタの他、コンピュータプログラムが自動的に操作するノンプレイヤーキャラクターも含まれる。トレーニングモードは、プレイヤが対戦トレーニングを行うためのモードである。ストーリーモードは、ゲームのシナリオ等により構成されたストーリーをプレイヤが楽しむためのモードである。
【0076】
背景画像表示エリア64には、メインメニュー場面60の背景画像が表示される。ここでは、背景画像表示エリア64に2人のキャラクタの画像が示されている。背景画像表示エリア64としては、風景画像であってもよいし、プレイヤが選択した任意のキャラクタの画像であってもよい。
【0077】
図5は、オンラインロビー場面70の表示例を示す図である。
オンラインロビーとは、本実施形態に係るゲームにおいて、複数のプレイヤが操作する操作キャラクタとミニゲームをするために、アバターが待機するゲーム内のフィールドである。ミニゲームでは、プレイヤが、対戦時に使用するキャラクタとは異なるキャラクタを3次元のアバターとして操作する。アバターは、プレイヤが複数のキャラクタから選択する少なくとも一つのキャラクタである。アバターは、対戦時に使用されるキャラクタとは異なるキャラクタであり、かつ、ナビゲータとも異なるキャラクタである。すなわち、対戦時に使用されるキャラクタ、アバター、ナビゲータはそれぞれ独立してプレイヤが選択することが可能である。ただし、対戦時に使用されるキャラクタ、アバター、ナビゲータはプレイヤが任意に選択可能である。このため、プレイヤは、対戦時に使用されるキャラクタ、アバター、ナビゲータとして、同じキャラクタを選択して設定することも可能である。
【0078】
オンラインロビー場面70は、ナビゲータ表示エリア71、再生メッセージ表示エリア72、操作キャラクタ表示エリア73、及びロビー情報表示エリア74を備える。
【0079】
ナビゲータ表示エリア71には、ナビゲータが表示される。再生メッセージ表示エリア72には、再生メッセージが表示される。ナビゲータ表示エリア71に表示されるナビゲータは、図4のナビゲータ表示エリア61に表示されたナビゲータと同じキャラクタである。オンラインロビー場面70では、オンラインロビーに入室したプレイヤに対して、ミニゲームに参加したこと、他プレイヤとの交流を促す内容等のメッセージが再生メッセージとして決定される。
【0080】
オンラインロビー場面70の再生メッセージの再生条件と再生メッセージの例を以下に挙げる。
(再生条件1)自プレイヤがオンラインロビーに入室したこと。
再生メッセージ「オンラインロビーにようこそ。」
(再生条件2)オンラインロビー内にいるプレイヤの数が規定人数のx%を超えていること。
再生メッセージ「今日はオンラインロビーが混んでいるみたいだよ。」
(再生条件3)オンラインロビーに自プレイヤがフォロー中の他プレイヤがいること。
再生メッセージ「フォロー中のAさんがいるよ。挨拶してみよう。」
(再生条件4)自プレイヤがミニゲームにエントリーしたこと。
再生メッセージ「ミニゲームを頑張れ。」
【0081】
操作キャラクタ表示エリア73には、操作キャラクタが表示される。
ロビー情報表示エリア74には、オンラインロビーの情報が表示される。オンラインロビーの情報は、例えば、オンラインロビーの所在地の情報、プレイヤがオンラインロビーに入室した日付の情報等が含まれる。
【0082】
図6は、対戦待ち受け場面80の表示例を示す図である。
対戦待ち受けとは、プレイヤが操作する操作キャラクタを、他のプレイヤが操作する操作キャラクタとの対戦を待つことである。プレイヤは、複数のキャラクタから任意のキャラクタを選択し、その選択したキャラクタを操作して対戦することができる。
【0083】
オンライン対戦の場合、プレイヤのレベルとほぼ同じレベルの他のプレイヤであることが求められる。このため、他のプレイヤの操作キャラクタとのマッチングが行われる。このマッチングに時間がかかるので、対戦待ち受け場面80が表示される。
【0084】
対戦待ち受け場面80は、ナビゲータ表示エリア81、再生メッセージ表示エリア82、自操作キャラクタ表示エリア83、及び待ち受け情報表示エリア84を備える。
【0085】
ナビゲータ表示エリア81には、ナビゲータが表示される。再生メッセージ表示エリア82には、再生メッセージが表示される。ナビゲータ表示エリア81に表示されるナビゲータは、図4のナビゲータ表示エリア61に表示されたナビゲータと同じキャラクタである。対戦待ち受け場面80では、プレイヤが他プレイヤとのマッチングを待つ間にプレイヤを鼓舞したり、どのように対戦すればよいかをアドバイスしたりするような内容のメッセージが再生メッセージとして決定される。
【0086】
対戦待ち受け場面80の再生メッセージの再生条件と再生メッセージの例を以下に挙げる。
(再生条件1)自プレイヤがオンライン対戦にエントリーしたこと。
再生メッセージ「今日はどんな対戦になるか楽しみだね。」
(再生条件2)自プレイヤがオンライン対戦で他プレイヤとマッチングしたこと。
再生メッセージ「強そうなプレイヤだけど、きっと勝てるよ。」
【0087】
自操作キャラクタ表示エリア83には、プレイヤが操作する操作キャラクタの情報が表示される。
待ち受け情報表示エリア84には、対戦待ち受け中であることを示す情報として、例えば、対戦相手を探しているとのメッセージが表示される。なお、プレイヤが対戦を止める場合、図2に示した入力装置26(例えば、コントローラ)のBボタンを押すことで、対戦エントリーを解除できるメッセージも表示される。
【0088】
図7は、対戦結果表示場面90の表示例を示す図である。
対戦結果とは、対戦ゲームの結果が表示される画面である。対戦ゲームでは、自プレイヤの操作キャラクタと、他プレイヤの操作キャラクタとが対戦する。対戦によりいずれかの操作キャラクタの体力値がゼロになると、対戦が終了する。体力値がゼロになった操作キャラクタが負けであり、体力値がゼロより多く残っている操作キャラクタが勝ちである。
【0089】
対戦結果表示場面90は、ナビゲータ表示エリア91、再生メッセージ表示エリア92、自プレイヤ操作キャラクタ情報表示エリア93、他プレイヤ操作キャラクタ情報表示エリア94、及び対戦結果表示エリア95を備える。
【0090】
ナビゲータ表示エリア91には、ナビゲータが表示される。再生メッセージ表示エリア92には、再生メッセージが表示される。ナビゲータ表示エリア91に表示されるナビゲータは、図4のナビゲータ表示エリア61に表示されたナビゲータと同じキャラクタである。対戦結果表示場面90では、プレイヤの対戦結果に合わせて、プレイヤのやる気を高めたり、プレイヤを慰めたりするような内容のメッセージが再生メッセージとして決定される。
【0091】
対戦結果表示場面90の再生メッセージの再生条件と再生メッセージの例を以下に挙げる。
(再生条件1)自プレイヤがy勝したこと。
再生メッセージ「すごい!これでy勝だ。もう1戦やってみよう!」
(再生条件2)自プレイヤが特定の行動(例えば、投げ技)を所定回数用いたこと。
再生メッセージ「あの技を出せるとは成長したね。」
【0092】
自プレイヤ操作キャラクタ情報表示エリア93には、自プレイヤの操作キャラクタの画像アイコン、名前、体力値ゲージ等の自プレイヤ操作キャラクタ情報が表示される。
他プレイヤ操作キャラクタ情報表示エリア94には、他プレイヤの操作キャラクタの画像アイコン、名前、体力値ゲージ等の他プレイヤ操作キャラクタ情報が表示される。
【0093】
対戦結果表示エリア95には、対戦結果が表示される。通常、自プレイヤの操作キャラクタの勝ちを表す「WIN」、負けを表す「DEFEAT」が表示される。ただし、図7の例では、自プレイヤの操作キャラクタの体力値が減らなかったので、完全に勝ったことを表す「PERFECT」が表示される。
【0094】
なお、対戦中の場面では、ナビゲータ及び再生メッセージの再生が操作を阻害するおそれがあるので、再生条件が設定されないか、再生禁止フラグが立てられることが想定される。ただし、対戦中の場面であっても、プレイヤがナビゲータに応援してほしいという要望もある。そこで、対戦中に、対戦ゲームに関する所定の再生条件を設けてもよい。この場合、プレイヤが劣勢になったこと(例えば、体力値が初期値の半分)を再生条件として、再生禁止フラグをオフにし、ナビゲータ及び再生メッセージの再生が行われてもよい。また、対戦中に、対戦ゲームに関する所定の第1規定時間を設けてもよい。例えば、対戦ゲームに関する所定の第1規定時間を他のゲーム場面に規定される第1規定時間より長くすることで、対戦時間が長引いた場合に、ナビゲータ及び再生メッセージの再生が行われるようにして、対戦を盛り上げてもよい。
【0095】
図8は、再生済みリスト100の構成例を示す図である。再生済みリスト100は、図3の記憶部49に構成され、描画再生部46により再生された再生メッセージの情報(例えば、再生メッセージ識別子)が格納される。再生済みリスト100には、格納可能数まで再生メッセージ識別子が格納される。
【0096】
再生メッセージ決定部45は、再生済みリスト100にアクセスして、再生済みリスト100に格納されていない再生メッセージ識別子に紐づけられた再生メッセージを決定する。再生メッセージの決定は、例えば、抽選処理が用いられる。
【0097】
ここで、再生済みリスト100に格納される再生メッセージ識別子について説明する。再生済みリスト100は、例えば、ゲーム場面ごとに設けられる。再生済みリスト100には、再生順に上から再生メッセージ識別子が格納される。再生済みリスト100の格納可能数は、7つであるとする。また、再生メッセージ識別子は、例えば、再生メッセージn(nは自然数)で表され、10個の再生メッセージが用意されているものとする。
【0098】
(1)既に7つの再生メッセージが再生済みであれば、再生済みリスト100には、7つの再生メッセージ識別子が格納されている。再生済みリスト100に格納された再生メッセージ識別子のメッセージは、抽選対象から外れる。このため、再生済みリスト100に格納されていない再生メッセージ識別子が付されたメッセージが抽選され、異なる再生メッセージが再生される。この結果、短時間に同じ再生メッセージが繰り返し再生されない。
【0099】
(2)あるゲーム場面の再生条件が満たされたことで、再生メッセージ決定部45が再生メッセージ8を決定したとする。しかし、再生済みリスト100に再生メッセージ識別子が格納された数が、格納可能数である「7」と同じである。このため、再生メッセージ決定部45は、再生済みリスト100をリセットする。再生済みリスト100のリセットは、再生済みリスト100に格納されている再生メッセージ識別子を全て消去する処理である。
【0100】
(3)再生メッセージ決定部45は、リセットした再生済みリスト100に、リセット直前に再生された少なくとも一つの再生メッセージの再生メッセージ識別子を格納する。再生済みリスト100に再生メッセージ識別子が格納されることで、再生メッセージ決定部45が次に再生メッセージを決定する際に、リセット直前に再生された再生メッセージを決定しなくてすむ。
【0101】
(4)再生メッセージ決定部45は、以降の処理において、再生メッセージを決定し、描画再生部46により再生メッセージが再生されると、その再生メッセージの再生メッセージ識別子を再生済みリスト100に格納する処理を続ける。
【0102】
なお、再生済みリスト100のリセットとして、再生済みリスト100に格納されている再生メッセージ識別子を一部残してもよい。例えば、一つ又は二つの再生メッセージ識別子を残してもよい。また、ある特定のイベントで1回だけ再生されるメッセージであれば、そのメッセージが再生された後は、そのメッセージの再生メッセージ識別子が常に再生済みリスト100に格納されてもよい。このため、再生済みリスト100がリセットされた後であっても、特定のイベントで1回だけ再生されるメッセージは再生されない。
【0103】
図9は、再生メッセージの再生処理の例を示すフローチャートである。このフローチャートは、主に再生メッセージ決定部45の処理を示したものである。
【0104】
始めに、ゲーム場面が遷移する(S1)。再生メッセージ決定部45は、入力部42を介して行われるゲームの操作によりゲーム場面が変更されると、遷移前のゲーム場面で行われていたナビゲータ及び再生メッセージの再生を停止すると共に、再生メッセージを改めて決定する。例えば、ゲーム起動後に、図4に示したメインメニュー場面60に遷移したタイミングで再生メッセージ決定部45による処理が開始される。以降の処理は、メインメニュー場面60の表示中に行われるものとする。また、以下のフローチャートで再生メッセージが再生されている時には、ナビゲータも表示されているものとする。
【0105】
次に、再生メッセージ決定部45は、定期的に再生条件のチェックを開始する(S2)。再生メッセージ決定部45による再生条件のチェックは、例えば、ゲーム場面の遷移直後に行ってもよいし、ゲーム場面の遷移後、5秒間を経過した後に行ってもよい。
【0106】
次に、再生メッセージ決定部45は、ゲーム場面のある機能が、再生禁止フラグが立っている機能であるか否かを判定する(S3)。再生禁止フラグは、ゲーム場面が再生条件を満たした状態であっても、ナビゲータの再生を禁止するために立てられる。例えば、上述したオプション選択場面以外にも、ゲーム場面が暗転した場合、一時停止(ポーズ)中などのタイミングではナビゲータ及び再生メッセージの再生が禁止される。このため、ゲーム場面の暗転のタイミングに合わせて再生禁止フラグが立てられる。
【0107】
再生禁止フラグが立っている機能である場合(S3のYES)、再生メッセージ決定部45は、本処理を終了する。一方、再生禁止フラグが立っている機能でない場合(S3のNO)、再生メッセージ決定部45は、描画再生部46により再生メッセージが再生中であるか否かを判定する(S4)。一つの再生メッセージが長ければ、再生メッセージの再生中に、ステップS2により再生条件のチェックが行われるが、再生条件を満たした場合に、再生中の再生メッセージに、別の再生メッセージが重ねて再生されないようにする必要がある。このため、ステップS4の処理が行われる。
【0108】
再生メッセージが再生中であれば(S4のYES)、再生メッセージ決定部45は、本処理を終了する。一方、再生メッセージが再生中でなければ(S4のNO)、再生メッセージ決定部45は、再生メッセージの再生終了後、第1規定時間が経過したか否かを判定する(S5)。第1規定時間は、例えば、1分間とする。ステップS5の処理は、再生メッセージの再生が終わってナビゲータが非表示になった直後に、再びナビゲータが表示され、次の再生メッセージの再生が開始されるような慌ただしい表示を避けるために行われる。このため、再生メッセージ決定部45は、ゲーム場面でナビゲータ、及び再生メッセージが再生されてから第1規定時間を経過した後に、再生済みのメッセージとは異なるメッセージを再生メッセージとして決定する。
【0109】
再生メッセージの再生終了後、第1規定時間が経過していなければ(S5のNO)、再生メッセージ決定部45は、本処理を終了する。一方、再生メッセージの再生終了後、第1規定時間が経過していれば(S5のYES)、再生メッセージ決定部45は、再生条件を満たしたか否かを判定する(S6)。
【0110】
再生条件を満たしていなければ(S6のNO)、再生メッセージ決定部45は、本処理を終了する。一方、再生条件を満たしていれば(S6のYES)、再生メッセージ決定部45は、再生メッセージを抽選する(S7)。ここで、再生メッセージ決定部45が行う再生メッセージの抽選処理について説明する。
【0111】
再生メッセージ決定部45は、抽選、優先度順、又は再生頻度順のいずれかにより、複数のメッセージのうち、一つのメッセージを選択し、描画再生部46により再生された再生メッセージの情報を再生済みリスト100に格納する。再生メッセージ決定部45は、再生メッセージの決定時には、再生済みリスト100に格納済みの再生メッセージの情報に紐づけられた再生メッセージを再生対象から除外する。
【0112】
再生メッセージ決定部45による再生メッセージの抽選処理では、始めに、ゲーム場面を指定することで、再生条件をチェックする項目を絞る処理が行われる。この処理は、上述したステップS1,S2に該当する。ゲーム場面ごとに異なる再生条件が紐付けられているので、指定されたゲーム場面で再生条件が絞られる。次に、再生メッセージ決定部45は、ゲーム場面に紐づけられた再生条件が満たされているかをチェックする。この処理は、上述したステップS6に該当する。
【0113】
次に、再生メッセージ決定部45は、最終抽選をするか否かを判断する。ここで、抽選処理では、再生頻度順、優先度順にメッセージが絞り込まれ、最終抽選で一つのメッセージが再生メッセージとして決定される。再生頻度順の絞り込み処理では、再生メッセージ決定部45は、メッセージに付された再生頻度順のパラメータを用いる。再生頻度は、確率で表される値であり、規定値とするが、例えば、プレイヤのレベルに応じて変動する変動値としてもよい。
【0114】
高い再生頻度(例えば、1.0)が付されたメッセージであれば、このメッセージより低い再生頻度(例えば、0.9)が付されたメッセージよりも再生頻度が高くなるように選択される。この際、再生頻度順を掛け合わせるような計算が行われる。高い再生頻度(例えば、1.0)が付されたメッセージは、1.0×1.0=1.0であるため、100%の確率で次の段階に進む。一方、低い再生頻度(例えば、0.9)が付されたメッセージは、0.9×0.9=0.81であるため、81%の確率で次の段階に進む。
【0115】
上記の再生頻度順の計算により次の段階に進んだメッセージが複数存在する場合、再生メッセージ決定部45は、各メッセージに付された優先度により最終抽選に進むメッセージを選択する。例えば、3つのメッセージが存在し、各メッセージに付された優先度が「4」、「3」、「4」であったとする。再生メッセージ決定部45は、優先度が高い「4」が付された2つのメッセージを最終抽選に進める。その後、再生メッセージ決定部45は、2つのメッセージの最終抽選を実行する。この最終抽選において、一つのメッセージが抽選される確率は同様に確からしいものとする。以上の処理を経て、再生メッセージ決定部45は、抽選処理により、複数のメッセージから一つのメッセージを再生メッセージとして決定する。
【0116】
次に、再生メッセージ決定部45は、抽選で決定された再生メッセージが既に再生済みであるか否かを判定する(S8)。既に再生済みの再生メッセージは、再生済みリスト100に再生メッセージ識別子が格納される。このため、再生メッセージ決定部45は、抽選で決定された再生メッセージが既に再生済みであると判定した場合(S8のYES)、ステップS7に戻って、再生メッセージを抽選し直す。
【0117】
一方、再生メッセージ決定部45は、抽選で決定された再生メッセージが既に再生済みではないと判定した場合(S8のNO)、複数のメッセージから選択した一つのメッセージを再生メッセージとして決定する。描画再生部46は、再生メッセージ決定部45が抽選して決定した再生メッセージを描画又は再生し(S9)、本処理を終了する。
【0118】
ステップS9にて、ナビゲータが描画され、かつ再生メッセージが再生されているゲーム場面が異なるゲーム場面に遷移した場合、描画再生部46は、描画されているナビゲータを消去し、かつ再生メッセージの再生を停止する。ゲーム場面が遷移すると、再生メッセージ決定部45は、再び、ステップS1に戻って、本処理を開始する。
【0119】
また、ステップS9にて、ナビゲータの描画開始及び再生メッセージの再生開始から第2規定時間が経過した後に、描画再生部46は、描画されているナビゲータを消去し、かつ再生メッセージの再生を停止する。再生メッセージの読み上げが終わる時間を第2規定時間とする。第2規定時間は、例えば、30秒間のように一律同じ時間としてよいし、キャラクタによって異なる時間としてもよい。あるいは、再生メッセージの再生時間に数秒間を加えた時間を第2規定時間としてもよい。
【0120】
また、ステップS7にて、再生済みリスト100に格納した再生メッセージ識別子の数が多くなると、再生メッセージ決定部45が選択可能なメッセージの数が少なくなる。この場合、再生メッセージ決定部45は、再生頻度順の計算を行わずに、高い優先度が付されたメッセージを抽出して最終抽選を行ってもよい。さらに、再生済みリスト100に格納した再生メッセージ識別子の数が多くなり、再生メッセージ決定部45が選択可能なメッセージの数が二つになると、再生頻度順の計算と、優先度による選択を行わずに、最終抽選を行ってもよい。また、再生メッセージ決定部45が選択可能なメッセージの数が一つになると、再生メッセージ決定部45は、そのメッセージに付された再生頻度順、優先度を無視して、最終抽選を行わずに再生メッセージとして決定してもよい。
【0121】
以上説明した一実施の形態に係るゲームシステム10では、プレイヤが事前に複数のキャラクタから選択した少なくとも一つのキャラクタがナビゲータとして、ゲーム場面の再生条件を満たした時に、プレイヤを鼓舞する再生メッセージを再生する。様々なゲーム場面でナビゲータによる再生メッセージが描画又は再生されることで、プレイヤがゲームを続ける意欲を高めることができる。
【0122】
ナビゲータと再生メッセージは、画面の右下隅の位置に、ゲーム場面の最も上の表示レイヤに表示されるので、ゲーム場面の他のオブジェクトにより隠れず、プレイヤが視認しやすい。プレイヤは、ナビゲータと再生メッセージを表示させる専用の画面に遷移する必要がないので、プレイヤの操作数及び表示時間を増やさないですむ。このため、プレイヤは、ナビゲータと再生メッセージが表示されることによるストレスを感じにくくなる。また、ナビゲータと再生メッセージは、再生メッセージの読み上げ時間である数秒間だけ表示された後は非表示となるので、プレイヤの操作に支障がない。また、再生メッセージが表示されるので、プレイヤが消音でゲームをプレイする場合にも、ナビゲータがどのような内容の再生メッセージを再生したかを確認しやすくなる。
【0123】
また、ナビゲータと再生メッセージは、ゲーム場面の再生条件を満たした時に極力表示されるので、プレイヤはナビゲータが表示され、再生メッセージが再生されることの期待感を持ちやすくなる。また、ナビゲータと再生メッセージは、ゲーム場面が暗転する等の、再生がふさわしくない状況では表示されないので、プレイヤがプレイ中のゲームに没頭しやすくなる。このように、孤独になりやすい対戦ゲームにおいても、ナビゲータがプレイヤを応援したり、鼓舞したり、ゲーム攻略のアドバイスをくれたりすることで、プレイヤのゲームへのモチベーションを高めることができる。
【0124】
また、メインメニュー場面60、対戦待ち受け場面80、対戦結果表示場面90等により、他プレイヤとの対戦前後の各場面において、最適な内容のメッセージが再生可能となる。例えば、対戦前であれば、メインメニュー場面60、又は対戦待ち受け場面80には、プレイヤに対戦を促したり、プレイヤの勝ちを期待させたりする内容のメッセージが再生される。また、対戦後であれば、対戦結果表示場面90には、プレイヤを称えたり、慰めたりする内容のメッセージが再生される。このため、プレイヤは、再び対戦をしようとする意欲が向上する。
【0125】
また、ナビゲータとして選択されるキャラクタごとに、キャラクタの個性に合わせた複数のメッセージが紐づけられて用意されている。このため、プレイヤは、お気に入りのキャラクタをナビゲータとして選択することで、キャラクタへの愛着を増すことができる。
【0126】
表示されたナビゲータと再生メッセージは、再生メッセージの読み上げによる放音が終わった時、自動的に非表示となる。また、再生メッセージの読み上げの途中であっても、プレイヤが他のゲーム場面に遷移する操作を行うと、読み上げが自動的に停止し、ナビゲータが自動的に非表示となる。このため、ナビゲータの表示と、再生メッセージの再生とは、プレイヤによるゲームの進行を阻害しない。
【0127】
ゲーム場面は、プレイヤの入力操作に基づいて変化する。それぞれのゲーム場面に紐づいて再生条件が管理されている。また、再生条件に紐づけられたナビゲータに対応する複数のメッセージが再生メッセージとして選択可能である。ただし、短時間で同じメッセージが繰り返し再生メッセージとして決定されることを避けるため、再生済みリスト100により既に再生されたメッセージのメッセージ識別子が管理される。この結果、プレイヤは、同じゲーム場面で、同じキャラクタのナビゲータが表示されても、このナビゲータがどのような再生メッセージを話すかを期待することができる。
【0128】
[変形例]
上述した実施の形態では、異なるゲーム場面に一貫して同じキャラクタがナビゲータとしてプレイヤを鼓舞するものであった。しかし、異なるゲーム場面ごとにそれぞれナビゲータを設定可能として、それぞれのナビゲータがプレイヤに話しかけるメッセージが再生される形態としてもよい。
【0129】
また、ナビゲータは、ゲーム場面の右下隅に画面外から移動して表示されるが、他の場所(ゲーム場面の右上隅、左上隅、左下隅)にナビゲータと再生メッセージが表示されてもよい。また、ナビゲータは、フェードインにより表示され、フェードアウトにより非表示とされてもよい。
【0130】
また、メッセージに付された優先度が所定値(例えば、「99」)であれば、再生メッセージ決定部45は、抽選を行わずに、そのメッセージを再生メッセージとして決定してもよい。例えば、ゲーム内で現在日時が1月1日の新年になった時には、ナビゲータがプレイヤに特別なメッセージを再生できるようにする。この処理により、プレイヤは、例えば、ゲームを起動した直後などで、特別なメッセージを受け取ることができる。
【0131】
また、図9で説明した第1規定時間、第2規定時間は、画像のフレーム数で計算されてもよい。例えば、第1規定時間をaフレーム、第2規定時間をbフレームのように設定してもよい。各規定時間は、aフレーム、bフレームをフレームレート(fps:frames per second)で割って算出できる。
【0132】
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するためにシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、本実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0133】
1…ゲームサーバ、2…情報処理端末、10…ゲームシステム、44…選択部、45…再生メッセージ決定部、46…描画再生部、47…画像出力部、48…出力部、49…記憶部、60…メインメニュー場面、61…ナビゲータ表示エリア、62…再生メッセージ表示エリア、70…オンラインロビー場面、80…対戦待ち受け場面、90…対戦結果表示場面、100…再生済みリスト
【要約】
【課題】ゲームをプレイするプレイヤの意欲を高めることが可能なプログラムを提供する。
【解決手段】複数のゲーム場面を描画する情報処理端末2は、複数のキャラクタから少なくとも一つのキャラクタをナビゲータとして選択する選択部44と、ゲーム場面ごとに設定される少なくとも一つの再生条件と、再生条件に紐づけられたナビゲータに対応する複数のメッセージとを管理し、再生条件にしたがって複数のメッセージから選択した少なくとも一つのメッセージを再生メッセージとして決定する再生メッセージ決定部45と、ナビゲータを共通して含む異なる複数のゲーム場面を描画し、再生メッセージを再生する描画再生部46と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9