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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-02
(45)【発行日】2025-05-14
(54)【発明の名称】積荷取扱デバイスのウインチアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20250507BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023542778
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 EP2022050815
(87)【国際公開番号】W WO2022152892
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】2100557.4
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】エバンス、ケルビン
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-116386(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0010030(US,A1)
【文献】特開2001-055868(JP,A)
【文献】特開平11-263592(JP,A)
【文献】特開2004-256295(JP,A)
【文献】特開2020-033114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナのスタックの上方に格子パターンで配置された複数の格子部材を備える格子フレームワーク構造(14)を備える保管システム内に積み重ねられたコンテナ(10)を持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイス(30)であって、
i)前記格子フレームワーク構造(14)上の前記積荷取扱デバイス(30)を移動させるために動作可能に配置された車輪駆動機構、および、第1の方向に前記積荷取扱デバイス(30)の移動をガイドするための格子部材の第1のセットと係合するための車輪の第1のセット(34)と、第2の方向に前記積荷取扱デバイス(30)の移動をガイドするための格子部材の第2のセットと係合するための車輪の第2のセット(36)とを備える車輪アセンブリを収容する車体(32)と、ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向を横断し、
ii)コンテナ持ち上げアセンブリ(142、242)とを備え、前記コンテナ持ち上げアセンブリ(142、242)は、
a)使用時に保管コンテナ(10)を解放可能に把持するように構成されたコンテナ把持アセンブリ(39、239)と、
b)複数のウインチアセンブリ(243)と、前記複数のウインチアセンブリ(243)のそれぞれは、その回転中心軸の周りを回転可能なドラム(246)と、前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)に固定された第1の端部および前記ドラム(246)に固定された第2の端部を有する持ち上げテザー(238)とを備え、前記複数のウインチアセンブリのそれぞれの前記ドラム(246)のそれぞれは、前記ドラムの回転が前記持ち上げテザーを前記ドラム(246)の外面の周りに前記持ち上げテザー(238)の螺旋巻きを形成させるように、前記ドラムを横切る前記持ち上げテザー(238)の複数の軸方向に変位した巻きを収容するように構成された前記外面を有し、
c)前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)をコンテナ受け入れ空間(240)内に上昇させるために、前記複数のウインチアセンブリの前記ドラム(246)のそれぞれの回転中心軸の周りの回転を駆動するように構成された駆動アセンブリ(144、244)とを備え、
前記複数のウインチアセンブリは、ドラムの第1および第2のセットを備え、前記駆動アセンブリは、第1および第2の駆動シャフトと単一のモータとを備え、前記ドラムの第1のセットは、第1の駆動シャフト(252a)に取り付けられ、前記ドラムの第2のセットは、第2の駆動シャフト(252b)に取り付けられ、
前記単一のモータ(144)回転運動が前記第1および第2の駆動シャフトに伝達されて前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)を上昇および下降させるように、前記第1および第2の駆動シャフトは、少なくとも1つのタイミングベルトおよび/またはプーリシステムによって前記単一のモータ(144)に結合されることを特徴とする、積荷取扱デバイス。
【請求項2】
前記プーリシステムは、前記第1の駆動シャフト(252a)に取り付けられた第1の駆動プーリと、前記第2の駆動シャフト(252b)に取り付けられた第2の駆動プーリとを備え、ここで、前記単一のモータがドラムの第1および第2のセットの回転を駆動するように、前記単一のモータは、それぞれの前記第1および第2の駆動プーリの周りの単一のベルトによって前記第1および第2の駆動シャフト(252a、252b)に接続される、請求項1に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項3】
前記複数のウインチアセンブリのそれぞれは、前記ドラム(246)の前記外面の周りでの前記持ち上げテザー(238)の巻き取りおよび/または繰り出しをガイドするために、そのそれぞれのドラム(246)の前記回転中心軸に平行な方向に沿って軸方向に並進するように構成されたガイド部材(248)を備える、請求項1または2に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項4】
前記ガイド部材(248)は、前記ドラム(246)の前記回転中心軸に平行な方向に前記ドラム(246)に対して移動可能である、請求項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項5】
前記ドラム(246)の回転が、前記ガイド部材(248)を前記ドラムの前記回転中心軸に平行な方向に沿って並進させて、前記ドラム(246)の前記外面の周りの前記持ち上げテザー(238)の巻き取りおよび/または繰り出しをガイドするように、それぞれのウインチアセンブリの前記ドラム(246)は、前記ガイド部材(248)に対してその回転中心軸に平行な方向に移動可能である、請求項またはに記載の積荷取扱デバイス。
【請求項6】
それぞれのウインチアセンブリの前記ドラム(246)は、前記コンテナ把持アセンブリ(39)が前記コンテナ受け入れ空間(240)内に持ち上げられたときに、前記持ち上げテザー(238)の単一層のみを収容するように構成される、請求項1からのいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項7】
前記持ち上げテザー(238)の前記第2の端部は、前記ドラム(246)に形成された凹部内に受け入れられることによって、それぞれのウインチアセンブリの前記ドラム(246)に固定される、請求項1からのいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項8】
それぞれのウインチアセンブリの前記ドラム(246)の前記外面には、前記持ち上げテザー(238)の螺旋巻きを受け入れるための螺旋溝(250)を含む螺旋シートが設けられている、請求項1からのいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項9】
前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)が4つの持ち上げテザーに固定されるように、前記複数のウインチアセンブリは、4つのウインチを備える、請求項1からのいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項10】
前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)は、4つのコーナーを有するフレームを備え、前記4つの持ち上げテザーのそれぞれは、前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)のそれぞれのコーナーのうちの1つに固定される、請求項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項11】
前記持ち上げテザー(238)は、Dyneema(登録商標)を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項12】
前記持ち上げテザー(238)は、ロープまたはケーブルまたはワイヤである、請求項1から11のいずれか1項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項13】
少なくとも1つのウインチアセンブリの前記ドラム(246)の少なくとも一部は、可変の断面直径を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つのウインチアセンブリの前記ドラム(246)の少なくとも一部はテーパ状である、請求項13に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項15】
前記コンテナ持ち上げアセンブリ(142、242)は、使用時に、コンテナ(10)を解放可能に把持し、前記スタックから前記コンテナを前記車体(32)内の前記コンテナ受け入れ空間(240)内に持ち上げるように構成されるように、前記車体(32)は前記コンテナ受け入れ空間(240)を収容する、請求項1から14のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項16】
車輪の第1および第2のセット(34、36)は、前記車体(32)に対して前記車輪の第1のセット(34)または前記車輪の第2のセット(36)を選択的に昇降させるように、それによって、前記車輪の第1のセット(34)を前記格子部材の第1のセットと、または、前記車輪の第2のセットを前記格子部材の第2のセットと選択的に係合または係合解除するように構成されている車輪位置決め機構を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
【請求項17】
保管および取り出しシステムであって、
トラックの第1のセット、および、複数の格子空間または格子セルを備える格子パターンを形成するように、実質的に水平面において第1のセットに横方向に進むトラックの第2のセットと、
平行経路の第1のセットと平行経路の第2のセットの下に位置付けられた複数のコンテナ(10)のスタックと、ここで、前記コンテナのスタックのそれぞれは、単一の格子空間または格子セルを占有し、
格子空間または格子セルを占有するコンテナのスタックの上方に位置付けられたときに、コンテナ持ち上げアセンブリ(142、242)が前記コンテナのスタックから少なくとも1つのコンテナ(10)を持ち上げるように構成されるように、前記複数の格子空間または格子セルにわたってトラックの第1のセットおよび第2のセットに沿って横断するように配置された、請求項1から16のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(30)とを備える、保管および取り出しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子フレームワーク構造に配置された積み重ねられたコンテナを備えるオートメーション化された保管システムにおいて保管コンテナまたはビンを取り扱うための積荷取扱デバイスの分野に関し、より具体的には、積荷取扱デバイスのウインチアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
保管コンテナ/ビンが互いの上に積み重ねられた3次元保管格子フレームワーク構造を備える保管システムは、良く知られている。PCT公開番号WO2015/185628A(Ocado)は、既知の保管およびフルフィルメントシステムを説明しており、ビンまたはコンテナのスタックは、フレームワーク構造内に配置されている。ビンまたはコンテナは、格子フレームワーク構造の最上部に位置付けられているトラック上で動作可能なロボット制御積荷取扱デバイスによってアクセスされる。このタイプのシステムが、添付の図面の図1から図3に概略的に図示される。
【0003】
図1および図2に示されるように、ビン10として知られる積み重ね可能なコンテナは、互いの上に積み重ねられてスタック12を形成する。スタック12は、倉庫または製造環境において格子フレームワーク構造14中に配置されている。格子フレームワーク構造は、複数の保管列または格子列で構成される。格子フレームワーク構造中の各格子は、コンテナのスタックを保管するための少なくとも1つの格子列を有する。図1は、格子フレームワーク構造14の概略斜視図であり、図2は、格子フレームワーク構造14内に配置されたビン10のスタック12を示す上から見下ろした図である。各ビン10は典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持し、ビン10内の製品アイテムは、同一であってもよく、または用途に応じて異なる製品タイプであってもよい。
【0004】
格子フレームワーク構造14は、水平の部材18、20を支持する複数の直立部材16を備えている。直立部材16によってサポートされている複数の水平の格子構造を形成するために、平行な水平の部材18の第1のセットは、平行な水平の部材20の第2のセットに直角に配置されている。部材16、18、20は、典型的に、金属から製造されている。格子フレームワーク構造14は、ビン10のスタック12の水平移動に対してガードし、ビン10の垂直の移動をガイドするように、ビン10は、格子フレームワーク構造14の部材16、18、20の間で積み重ねられている。
【0005】
格子フレームワーク構造14の最上レベルは、スタック12の最上部にわたって格子パターンで配置されたレール22を含む。加えて図3を参照すると、レール22は、複数の積荷取扱デバイス30を支持する。平行なレール22の第1のセット22aは、格子フレームワーク構造14の最上部にわたる第1の方向(例えばX方向)へのロボット積荷取扱デバイス30の移動をガイドし、第1のセット22aに対して垂直に配置された平行なレール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して垂直な第2の方向(例えばY方向)への積荷取扱デバイス30の移動をガイドする。このようにして、レール22は、水平なX-Y平面において2次元で横方向にロボット積荷取扱デバイス30の移動を可能にし、そのため、積荷取扱デバイス30を、どのスタック12の上方の位置にも移動させることができる。
【0006】
図4に示される既知の積荷取扱デバイス30は、車体32を備え、PCT特許公開WO2015/019055(Ocado)に記載されており、参照により本明細書に組み込まれている。ここで、積荷取扱デバイス30は、第1の方向へのデバイスの移動をガイドするためにレールまたはトラックの第1のセットと係合するための、車両32の前部上の一対の車輪および車両32の後部上の一対の車輪34から成る車輪の第1のセット34と、第2の方向へのデバイスの移動をガイドするためにレールまたはトラックの第2のセットと係合するための、車両32の各側部上の一対の車輪36から成る車輪の第2のセット36とを備える車輪アセンブリを備える。積荷取扱デバイスの車体は、上部と下部とを備える。車輪は、車体の下部において、コンテナ受け入れ凹部40として知られる空洞または凹部の周囲の周りに配置される。図5に示されるような積荷取扱デバイス30は、トートとしても知られる保管コンテナまたはビンを上方から持ち上げるためのウインチまたはクレーン機構を備える持ち上げ機構と、コンテナ把持アセンブリまたはグラバーデバイス39とを備える。持ち上げ機構は、車体の上部に位置付けられている。ウインチクレーン機構は、スプールまたはリール(図示せず)に巻かれた持ち上げテザー38を備える。コンテナ把持アセンブリ39は、コンテナ10の最上部を把持して、PCT特許公報番号WO2015/019055 (Ocado)に教示されるタイプの保管システム中のコンテナのスタックから保管コンテナ10を持ち上げるように構成される。ウインチ機構は、保管コンテナを昇降させるときにZモータがコンテナ把持アセンブリをZ方向に昇降させるように構成されているという理由で、一般的にZモータとしての駆動機構(図示せず)によって駆動される。コンテナ把持アセンブリを下降させるときの駆動機構の動作中に、持ち上げテザーはスプールから繰り出される。
【0007】
ピッキング作業中、特に保管コンテナと係合しているとき、コンテナ把持アセンブリが常に水平のままであることが必須であり、そうでなければ、コンテナ把持アセンブリを保持する持ち上げテザーのうちの少なくとも1つが、不均衡な高負荷を受けた場合に裂ける可能性があるという潜在的なリスクがある。35kgもの重さであり得る保管コンテナの荷重に耐えるのに必要な物理的特性(ヤング係数)を有するために、持ち上げテザーは、一般に、通常は金属(一般に鋼合金)で作られたテープまたはバンドの形態である。典型的には、コンテナ把持アセンブリは、フレームとして構成され、4つの持ち上げテープが、コンテナ把持アセンブリのコーナーのそれぞれに、またはコーナーに近接して固定され、4つの持ち上げテープのそれぞれは、別個のスプールに巻き付けられる。コンテナ把持アセンブリが水平のままであることを確実にするために、コンテナ把持アセンブリの動作中、すべてのテープの長さが常に同じに保たれることが重要である。グラバーデバイスに固定された全てのテザーの長さが、コンテナ把持アセンブリが動作中に水平に保たれるように等しいことを確実にするために、環境、モータの摩耗、テープの伸張などの多くの要因に起因し得る時間とともに引き延ばすまたは伸張する傾向があるので、テープのそれぞれの長さは、初期および様々なサービス間隔の両方において調整されなければならない。テープのいずれか1つの長さが等しくない極端なケースでは、コンテナ把持アセンブリは、その下降が短すぎるか、またはコンテナを通り過ぎるかのいずれかのために、コンテナと係合することができない可能性がある。従来、テープは、積荷取扱デバイスのハウジングまたは本体の上部レベル内に配置された別個のリールに接続され、巻き取られる。持ち上げバンドが巻き取られるスプールの1回転当たりの持ち上げバンドの移動長さは、スプールに巻き付けられる持ち上げバンドの層の数に依存する。
【0008】
テープを調整し、リールの緩みを除去するために、対応するスプールまたはリールを回転シャフトから切り離し、回転シャフトに対するリールまたはスプールの自由回転によってテープを調整することができる。バンドが所望の長さになったとき、リールまたはスプールはその後回転シャフトに取り付けられる。この方法の変形は、WO2019/206438号(Autostore Technology)に教示されているように、コンテナ把持アセンブリに固定された調整可能な持ち上げバンドコネクタを提供することである。各調整可能な持ち上げコネクタは、ブラケットおよびバンドコネクタハブを備え、ブラケットは、コンテナ把持アセンブリに接続され、バンドコネクタハブは、ブラケットおよび持ち上げバンドのうちの1つに接続され、バンドコネクタハブのブラケットに対する移動は、コンテナ把持アセンブリのそれぞれのコーナーと持ち上げバンド駆動アセンブリとの間の垂直距離を調整する。
【0009】
コンテナ把持アセンブリをスプールから吊り下げるための持ち上げテープの使用は、コンテナ把持アセンブリとスプールとの間に伸張するテープの長さを正確に制御することができるという利点を提供する。これは、持ち上げテープが予め定められた均一な厚さを有しているため、スプールに巻き付けられたテープの巻き数を容易に計算することができるからである。テープは一般に比較的薄く(通常約0.1から0.3mmの厚さ)、テープを複数回重ねてスプールに巻き付けることができる。これにより、スプールに巻き取られたりスプールから引き出されたりすることができるテープの長さが大幅に増加し、それによって、持ち上げテープから吊り下げられたコンテナ把持アセンブリが、21個の保管コンテナほどの高さであることができる保管システム内のより深いところに保管された保管コンテナに到達することが可能になる。しかしながら、スプールからコンテナ把持アセンブリを吊り下げるためにテープを使用することに伴う問題は、テープが損傷を受けやすいことである。これは、テープの厚さが比較的薄く、持ち上げテープの複数の重なりがスプールに巻かれることを可能にする場合に特に悪化する。持ち上げテープのよじれは、個々のテープの長さに影響を及ぼし、したがって、スプールとコンテナ把持アセンブリとの間の分離に影響を及ぼす。
よじれは、テープに生じた永久的な折り目、曲がり、またはねじれであり、持ち上げテープが金属で構成されているときに特に顕著である。その結果、テープの長さの一部がよじれによって巻き取られる。コンテナ把持アセンブリは、2つ以上の持ち上げテープによって吊り下げられているので、よじれによるテープのいずれかの長さの変動は、水平面に対するコンテナ把持アセンブリの向きに影響を及ぼし、それによって、下の保管コンテナと係合するその能力に潜在的に影響を及ぼす。テープをロープまたはケーブルなどの別のタイプのテザーと交換することは、テザーの長さを正確に制御することができず、特にテザーがスプール上で互いに重なり合うかまたは巻き付く必要があり、それによって、動作中のコンテナ把持アセンブリの向きに大きく影響を及ぼす、すなわち、動作中に実質的に水平に保たれないという問題を抱えている。
【0010】
従って、本発明の主な目的は、上記の問題を受けない持ち上げ機構を提供することである。
【発明の概要】
【0011】
本出願人は、コンテナの1つ以上のスタックの上方に複数の格子セルを備える格子構造を規定するために格子パターンに配置された複数のトラックを支持する格子フレームワーク構造を備える保管システム内に積み重ねられた1つ以上のコンテナを持ち上げて移動させるように動作する積荷取扱デバイスに対する複数のウインチアセンブリであって、複数のウインチアセンブリの各ウインチアセンブリは、その回転中心軸の周りを回転可能な細長いドラムを備え、細長いドラムは、ドラムの回転によって持ち上げテザーがドラムの外面の周りに巻き付くように、持ち上げテザーの複数の軸方向に変位した巻きを収容するように構成された外面を有する、複数のウインチアセンブリを提供することによって、上記の問題を軽減した。
【0012】
より具体的には、本発明は、コンテナのスタックの上方に格子パターンで配置された複数の格子部材を備える格子フレームワークを備える保管システム内に積み重ねられたコンテナを持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイスを提供し、積荷取扱デバイスは、
i)格子フレームワーク上の積荷取扱デバイスを移動させるために動作可能に配置された車輪駆動機構、および、第1の方向に積荷取扱デバイスの移動をガイドするための格子部材の第1のセットと係合するための車輪の第1のセットと、第2の方向に積荷取扱デバイスの移動をガイドするための格子部材の第2のセットと係合するための車輪の第2のセットとを備える車輪アセンブリを収容する車体と、ここで、第2の方向は、第1の方向を横断し、
ii)コンテナ持ち上げアセンブリとを備え、コンテナ持ち上げアセンブリは、
a)使用時に保管コンテナを解放可能に把持するように構成されたコンテナ把持アセンブリと、
b)複数のウインチアセンブリと、複数のウインチアセンブリのそれぞれのウインチアセンブリは、その回転中心軸の周りを回転可能なドラムと、コンテナ把持アセンブリに固定された第1の端部およびドラムに固定された第2の端部を有する持ち上げテザーとを備え、
c)コンテナ把持アセンブリをコンテナ受け入れ空間内に上昇させるために、複数のウインチアセンブリのドラムのそれぞれの回転中心軸の周りの回転を駆動するように構成された駆動アセンブリとを備え、
複数のウインチのそれぞれのドラムのそれぞれは、ドラムの回転が持ち上げテザーをドラムの外面の周りに持ち上げテザーの螺旋巻きを形成させるように、ドラムを横切る持ち上げテザーの複数の軸方向に変位した巻きを収容するように構成された外面を有することを特徴とする。
【0013】
テープまたはバンドの形態の持ち上げテザーを車輪またはスプールの周りに巻き付けて、重なり合う持ち上げバンドの複数の層を形成することとは対照的に、本発明は、持ち上げテザーがドラムの外面の周りに巻き付けられるように、ドラムの長手方向の長さにわたって持ち上げテザーの複数の軸方向に変位した巻きを収容するように構成された外面を有する細長いドラムを提供する。したがって、スプールに巻き付けられた持ち上げバンドの層の数によって持ち上げテープの移動長さを制御する代わりに、回転ドラムの周りに均一に巻き付けられた持ち上げテザーの螺旋巻きは、持ち上げテザーの移動長さが正確に制御されることを可能にする。したがって、ドラムの周りに巻かれた持ち上げテザーの各螺旋巻きは、持ち上げテザーの移動長さの予め定められた量を占める。ドラムの周りの持ち上げテザーの複数の螺旋巻きまたはコイルは、回転ドラムから繰り出されることができる制御された長さの持ち上げテザーを表す。ドラムは、ドラムの回転毎に予め定められた量の持ち上げテザーが繰り出されるように、均一な断面直径を有する。持ち上げテザーを担持するための細長いドラムの使用はまた、駆動アセンブリをコンテナ把持アセンブリに接続する異なるタイプの持ち上げテザーを使用する能力を増加させ、従来技術のコンテナ把持持ち上げ機構に見られるような持ち上げテープまたはバンドの使用に限定されない。例えば、持ち上げテザーは、十分に可撓性であり、金属タイプのテープまたはバンドに存在するようなよじれに悩まされないロープまたはケーブルまたはストリングであることがある。任意選択的に、持ち上げテザーは、Dyneema(登録商標)-複数の螺旋巻きをドラムの周りに作ることができ、それでも保管コンテナの荷重を支えることができるように、十分に薄く作られるのに十分に強い超高分子量ポリエチレン(UHMwPE)材料を含むことができる。
【0014】
好ましくは、複数のウインチアセンブリのそれぞれは、ドラムの外面の周りの持ち上げテザーの巻き取りおよび/または繰り出しをガイドするために、そのそれぞれのドラムの回転中心軸に平行な方向に沿って軸方向に並進するように構成されたガイド部材を備える。
ガイド部材は、コンテナ把持アセンブリがコンテナ受け入れ空間内に持ち上げられたときにドラムが持ち上げテザーの単一層のみを収容するように、持ち上げテザーの螺旋巻きがドラムの長手方向長さにわたって均一に、かつ任意選択で重なり合うことなく分配されることを確実にする。持ち上げテザーの単一層は、持ち上げテザーへの損傷を防止する。例えば、ドラムが反対方向に駆動される前に、ロープが複数の層を形成するようにロープ自体の周りに何度も巻き付く場合、これは、コンテナ把持アセンブリが下げられたときに、持ち上げテザーを最後の完成した巻き付けの上にとび下り(jump down)させ、それによって持ち上げテザーに応力をかけるかまたは衝撃を与える。保管コンテナからの荷重が高い(例えば、典型的には35kg)とき、持ち上げテザーへの衝撃はそれに応じて高くなり、特定の条件下では、持ち上げテザーの寿命を縮めるか、または持ち上げ機構に損傷を与える可能性がある。これは、コンテナ把持アセンブリを吊り下げるために使用される持ち上げテザーの長さの不均衡を引き起こす。
【0015】
本発明では、コンテナ把持アセンブリを上昇または下降させるときに、ガイド部材がドラムを横切って並進して、持ち上げテザーを巻き取り、巻き出すことができる2つの方法がある。任意選択的に、ガイド部材は、ドラムの回転中心軸に平行な方向にドラムに対して移動可能である。例えば、ドラムの外面には、テザーの螺旋巻きを受け入れるための螺旋溝を含む螺旋シートが設けられ、ガイド部材は、ドラムの螺旋シートとねじ係合するように構成され、その結果、ドラムの回転は、ドラムの回転軸に平行な方向にドラムを横切るガイド部材の移動を直接制御する。任意選択的に、ドラムは、その回転中心軸に平行な方向にガイド部材に対して移動するように構成され、それにより、ドラムの回転が、ドラムの回転中心軸に平行な方向に沿ってドラムを並進させて、ドラムの外面の周りのテザーの巻き取りおよび/または巻き戻しをガイドする。
【0016】
好ましくは、持ち上げテザーの第2の端部は、ドラムに形成された凹部内に受け入れられることによって、それぞれのウインチアセンブリのドラムに固定される。好ましくは、凹部は、ドラムの一端に向かって形成された穴である。任意選択的に、固定機構が、持ち上げテザーの第2の端部をドラムに固定するために使用される。
【0017】
好ましくは、駆動アセンブリは、複数のウインチアセンブリのそれぞれのドラムに結合された少なくとも1つの持ち上げシャフトまたは駆動シャフトと、少なくとも1つの持ち上げシャフトまたは駆動シャフトを回転させるための少なくとも1つのモータとを備える。誤解を避けるために、「駆動シャフト」および「持ち上げシャフト」という用語は、同じ特徴を意味するために本明細書において互換的に使用される。好ましくは、少なくとも1つのモータの回転運動が少なくとも1つの持ち上げシャフトに伝達されてコンテナ把持アセンブリを昇降させるように、持ち上げシャフトは、少なくとも1つのタイミングベルトおよび/またはプーリシステムおよび/またはギア機構によって少なくとも1つのモータに結合される。任意選択的に、複数のウインチアセンブリのドラムは、積荷取扱デバイスの車体に配置された少なくとも2つの回転する持ち上げまたは駆動シャフトによって駆動され、ここで、持ち上げまたは駆動シャフトは、ベルト/チェーンおよび/またはギア機構を介して少なくとも1つのモータにさらに結合されて、少なくとも2つの持ち上げまたは駆動シャフトに同期した回転運動を提供する。任意選択的に、複数のウインチアセンブリは、ドラムの第1および第2のセットを備え、少なくとも1つの駆動シャフトは、第1および第2の駆動シャフトを備え、ドラムの第1のセットは、第1の駆動シャフトに取り付けられ、ドラムの第2のセットは、第2の駆動シャフトに取り付けられる。任意選択で、少なくとも1つのモータは、第1および第2の駆動シャフトの回転を駆動するように構成された単一のモータである。任意選択的に、プーリシステムは、第1の駆動シャフトに取り付けられた第1の駆動プーリと、第2の駆動シャフトに取り付けられた第2の駆動プーリとを備え、ここで、単一のモータがドラムの第1および第2のセットの回転を駆動するように、単一のモータは、それぞれの第1および第2の駆動プーリの周りの単一のベルトによって第1および第2の駆動シャフトに接続される。好ましくは、少なくとも1つの駆動シャフトは、単一のモータに取り付けられたモータ駆動シャフトと、モータ駆動シャフトに取り付けられたモータ駆動プーリとをさらに備え、単一のモータが、それぞれのモータ駆動プーリならびに第1および第2の駆動プーリの周りの単一のベルトによって第1および第2の駆動シャフトに接続され、モータ駆動シャフトの回転がドラムの第1および第2のセットの回転を同期して駆動するようになっている。この配置は、追加のモータを必要とすることなく、各ドラムから同じ速度で持ち上げテザーを繰り出すことを可能にし、それによって、コンテナ把持アセンブリが下げられるときにコンテナ把持アセンブリが水平のままであることを確実にする。同様に、この配置は、持ち上げテザーが同じ速度で各ドラムの周りに巻き付けられることを可能にし、それによって、コンテナ把持アセンブリが持ち上げられるときにコンテナ把持アセンブリが水平のままであることを確実にする。
【0018】
代替的に、少なくとも1つのモータは、ウインチアセンブリの数がモータの数に等しいように、複数のモータを備える。好ましくは、複数のウインチのドラムが同期してそれぞれの回転中心軸の周りを回転するように駆動されるように、複数のモータは同期して駆動される。したがって、少なくとも1つのタイミングベルトおよび/またはプーリシステムおよび/またはギア機構を介して少なくとも2つの持ち上げシャフトに結合された少なくとも1つのモータの代わりに、少なくとも2つの持ち上げシャフトは、少なくとも2つの持ち上げシャフト、したがって少なくとも2つの持ち上げシャフトに取り付けられたドラムの同期回転運動を提供する別個のモータによって回転駆動される。
【0019】
好ましくは、コンテナ把持アセンブリが4つの持ち上げテザーに固定されるように、複数のウインチアセンブリは、4つのウインチを備える。好ましくは、コンテナ把持アセンブリは、4つのコーナーを有するフレームを備え、4つの持ち上げテザーのそれぞれは、コンテナ把持アセンブリのそれぞれのコーナーのうちの1つに固定される。コンテナ把持アセンブリの4つのコーナーに接続された4つの持ち上げテザーは、保管コンテナを格子セルに対して昇降させる動作中にコンテナ把持アセンブリが水平に維持されることを確実にする。
【0020】
コンテナ把持アセンブリデバイスが垂直に移動する速度は、ドラムの断面直径にも依存する。したがって、ドラムの所定の回転速度に対して、ドラムのより大きい断面直径は、上昇または下降されるときにより速く移動することをもたらす。逆に、より小さい断面直径は、上昇または下降されるとき、コンテナ把持アセンブリがより遅く移動することをもたらす。本発明の一態様では、少なくとも1つのウインチアセンブリのドラムの少なくとも一部は、可変の断面直径を有する。好ましくは、少なくとも1つのウインチアセンブリのドラムの少なくとも一部はテーパ状である。ドラムの少なくとも一部をテーパ状にすることによって、コンテナ把持アセンブリが上昇または下降する速度を変えることができる。これは、コンテナ把持アセンブリが下降して保管コンテナと係合するときに特に重要である。コンテナ把持アセンブリが保管コンテナに近づくにつれて、その速度は、コンテナ把持アセンブリが保管コンテナに衝突することを防止するように減速される。
【0021】
任意選択で、車輪アセンブリの車輪の第1および第2のセットは、車体に対して車輪の第1のセットまたは車輪の第2のセットを選択的に昇降させるように、それによって、車輪の第1のセット格子部材の第1のセットと、または、車輪の第2のセットを子部材の第2のセットと選択的に係合または係合解除するように構成されている車輪位置決め機構を備える。
【0022】
車輪位置決め機構は、車輪の第1のセットまたは車輪の第2のセットを選択的に下降または上昇させて、トラックもしくはレールの第1のセットまたはトラックもしくはレールの第2のセットと係合または係合解除させるために、リニアアクチュエータまたはモータによって駆動される1つ以上のリンケージを備えることができる。
【0023】
本発明は、保管および取り出しシステムを更に提供し、保管および取り出しシステムは、
トラックの第1のセット、および、複数の格子空間または格子セルを備える格子パターンを形成するように、実質的に水平面において第1のセットに横方向に進むトラックの第2のセットと、
平行経路の第1のセットと平行経路の第2のセットの下に位置付けられた複数のコンテナのスタックと、ここで、コンテナのスタックのそれぞれは、単一の格子空間または格子セルを占有し、
格子空間または格子セルを占有するコンテナのスタックの上方に位置付けられたときに、コンテナ持ち上げアセンブリが前記コンテナのスタックから少なくとも1つのコンテナを持ち上げるように構成されるように、複数の格子空間または格子セルにわたってトラックの第1のセットおよび第2のセットに沿って横断するように配置された、本発明による積荷取扱デバイスとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の更なる特徴および態様は、図面を参照してなされる実例となる実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1図1は、既知のシステムによる、格子フレームワーク構造の概略図である。
図2図2は、図1の格子フレームワーク構造内に配置されたビンのスタックを示す上面図の概略図である。
図3図3は、格子フレームワーク構造上で動作可能な積荷取扱デバイスを示す既知の保管システムの概略図である。
図4図4は、上方からコンテナを把持する持ち上げデバイスを示す積荷取扱デバイスの概略斜視図である。
図5(a)】図5(a)は、(a)積荷取扱デバイスのコンテナ受け入れ空間内に収容されたコンテナを示す、図4の積荷取扱デバイスの概略斜視断面図である。
図5(b)】図5(b)は、(b)積荷取扱デバイスのコンテナ受け入れ空間示す、図4の積荷取扱デバイスの概略斜視断面図である。
図6図6は、公知の持ち上げ機構を示す積荷取扱デバイスの斜視側面図である。
図7図7は、本発明の実施形態による把持アセンブリまたはグラバーデバイスの斜視前面図である。
図8図8は、本発明の実施形態よるコンテナ把持アセンブリの斜視下面図である。
図9図9は、本発明の実施形態による複数のウインチアセンブリを組み込む積荷取扱デバイスの斜視側面図である。
図10図10は、本発明の実施形態による複数のウインチアセンブリを組み込む積荷取扱デバイスの異なる斜視図である。
図11図11は、本発明の実施形態による複数のウインチアセンブリを組み込む積荷取扱デバイスの下面斜視図である。
図12図12は、本発明の実施形態による、保管コンテナを運ぶ積荷取扱デバイスの正面概略斜視図である。
図13図13は、本発明の実施形態によるウインチアセンブリの拡大斜視図である。
図14図14は、本発明の実施形態による異なる角度におけるウインチアセンブリの拡大斜視図である。
図15図15は、本発明の実施形態による図9から14に示されるウインチアセンブリの持ち上げドラムの斜視図である。
図16図16は、本発明の別の実施形態によるウインチアセンブリの持ち上げドラムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明が考案したのは、図1から図5を参照して上述した格子フレームワーク構造および積荷取扱デバイスなどの保管システムの既知の特徴に対してである。
【0026】
図6は、下の保管コンテナ10に解放可能に接続するための、別名グラバーデバイスとして知られているコンテナ把持アセンブリ139と、グラバーデバイス139を昇降させるための駆動アセンブリ144とを備える、持ち上げ機構またはコンテナ持ち上げアセンブリ142を示す。誤解を避けるために、「持ち上げ機構」および「コンテナ持ち上げアセンブリ」という用語は、本特許明細書において同じ特徴を意味するために互換的に使用される。把持デバイス139を昇降させるために、従来技術の積荷取扱デバイスの持ち上げ機構またはコンテナ持ち上げアセンブリは、把持デバイス139と駆動アセンブリ144との間で垂直方向に伸張する持ち上げテープまたはバンドのセット138を備える。最大の安定性および負荷容量のために、一般的に4つの別個の持ち上げテープ138が、駆動アセンブリ144とグラバーデバイス139の各コーナーとの間に延びるように示されている。本発明の例示的な実施形態では、グラバーデバイス139は、4つのコーナーセクション、上側188および下側190を有するフレームとして形成される(図7参照)。コンテナ10を把持するために、把持デバイス139は、コンテナ10の4つのコーナーに形成された対応する切り欠きまたは穴(図示せず)と嵌合する把持デバイス139のコーナーの近くまたは各コーナーに4つの位置決めピンまたはガイドピン180を備える。4つの把持要素184は、コンテナのリムと係合するために把持デバイス139の底部側に配置される(図7および図8参照)。位置決めピン180は、グリッパ要素184をコンテナ10のリムの対応する穴と適切に位置合わせするのに役立つ。
【0027】
図7に示す特定の実施形態では、グリッパ要素184のそれぞれは、コンテナのリムの対応する穴186(図6参照)に受け入れられるように折り畳み可能である一対のウィングと、コンテナにロックされるように少なくとも1つの寸法においてコンテナのリムの穴186よりも大きいサイズを有する開放または拡大構成(図6参照)とを備える。ウィングは、駆動ギアに結合された適切な作動機構によって、開構成および閉構成に作動される。より具体的には、ウィングのうちの少なくとも1つのヘッドは、駆動ギアと噛合する複数の歯を備え、グリッパ要素184が作動機構によって作動されるとき、駆動ギアの回転が、一対のウィングを閉鎖または折り畳み構成から開放拡大構成(図7および図8)に回転させる。折り畳まれたまたは閉鎖された構成にあるとき、把持要素184は、図6に示されるように、コンテナのリムの対応する穴186内に受け入れ可能であるような大きさである。一対のウィングのそれぞれの足は、止め具188、例えばボスを備え、コンテナのリムの対応する穴186に受け入れられたときに、止め具188は、拡大された開構成にあるときにリムの下側と係合して、グラバーデバイス139が積荷取扱デバイスのコンテナ受け入れ部分に向かって上方に巻き上げられたときにコンテナをロックする。
【0028】
また、図6に示されているように、4つの持ち上げテープ138のそれぞれは、別個のスプールまたはリール192に巻かれており、これらは、別個の駆動モータを備える駆動機構または駆動アセンブリ144によって回転運動するように駆動されて、グラバーデバイス139を昇降させる。持ち上げテープ138は、複数の層でそれぞれのスプール192に巻かれている。スプール192上に巻き付けられるときに、持ち上げテープ138がそれ自体の上に重なるかまたは巻き付くことを確実にするために、スプール192の対向する端部は、持ち上げテープ138をスプール192上に拘束するフランジ194を備える。フランジ間のスプールの幅は、ほぼ持ち上げテープの幅である。
【0029】
駆動モータ144は、典型的にはブラシレスDC電気モータである。別個の駆動モータ144は、全てのスプール192の同期した回転運動を提供するために同期して駆動される。これは、グラバーデバイス、特にグリッパ要素184が保管コンテナ10と適切に係合することを可能にするように、動作中にグラバーデバイス139を水平に保つのに役立つ。スプールの回転を駆動する他の方法は、当該技術分野において既知である。例えば、持ち上げテープ138は、積荷取扱デバイスの本体内に配置された少なくとも2つの回転持ち上げシャフト(図示せず)に接続されることによって、それぞれのスプールまたはリール192に巻き付けられ、そこから巻き出されることができる。少なくとも2つの持ち上げシャフトは、持ち上げシャフトの回転を駆動するために、少なくとも1つの駆動ベルトまたはギアを介して適切なモータに結合される。グラバーデバイスが動作中に水平に保たれることを確実にするために、駆動モータ144のそれぞれとグラバーデバイス139との間の持ち上げテープ138の長さは等しくなければならない。従来、グラバーデバイスに対する全ての持ち上げテープの長さが実質的に等しいことを確実にするために、別々のリールまたはスプール192に取り付けられた持ち上げテープのそれぞれの長さは、使用中に伸びる傾向があるので、様々なサービスレベルで調整されなければならない。持ち上げテープの長さを調整する当該技術分野における1つの方法は、スプールまたはリール192をその対応する駆動シャフトから切り離し、続いてテープのたるみを除去することである。
【0030】
持ち上げテープ138は一般に薄く(典型的には0.5mm未満の厚さ)、典型的には金属で作られる。持ち上げテープの薄さは、持ち上げテープが複数の層でそれ自体の周りに巻き付けられることを可能にし、持ち上げテープがその対応するスプールから繰り出されるときに、持ち上げテープの移動長さのより良好な制御を提供する。しかしながら、把持デバイス139を吊り下げるために持ち上げテープ138を使用することの欠点は、持ち上げテープが容易に「よじれ」たり、ねじれたり、折れたりして、持ち上げテープの小さな部分がよじれによって巻き取られ、その結果、駆動モータと「よじれた」持ち上げテープに固定された把持デバイスとの間の間隔が変化することである。持ち上げテープ138のそれぞれはグラバーデバイス139のコーナーに固定されているので、持ち上げテープの少なくとも1つがねじれた場合、これはグラバーデバイスの向きを変化させ、特に持ち上げテープがそのそれぞれのスプールに続いて巻かれた場合、グラバーデバイスを水平向きに保つ能力を失う。この問題を改善するために、損傷した持ち上げテープを担持するスプール192が取り外され、新しい持ち上げテープのスプールと交換される。これは、持ち上げアセンブリのコストを増加させるだけでなく、スプールが交換されるたびに持ち上げテープが再較正されなければならず、格子フレームワーク構造上で動作する積荷取扱デバイスのダウンタイムを増加させる。
【0031】
図9は、図1および図3を参照して説明した保管システム1において動作可能な本発明の実施形態による積荷取扱デバイス230を示す。積荷取扱デバイス230は、車体パネル(図示せず)がシャーシ231の外部に固定されて車体を形成するフレームまたはシャーシまたは骨格231を備える。車体は、上部と下部とを備える(図9参照)。下部は、保管システムのフレームの最上部のレール上を進む2つの車輪のセット234、236に取り付けられる(図示せず)。車輪のセットのそれぞれ234、236は、それぞれレールに沿ってx方向およびy方向への車両の移動を可能にするように駆動される。車輪の一方または両方のセットは、車輪の各セットをそれぞれのレールから離して持ち上げるための1つ以上の車輪持ち上げモータを備える車輪位置決め機構によって垂直方向に移動させることができ、それによって車両を所望の方向に移動させることができる。
【0032】
本発明の実施形態によれば、車輪の第1のセット234および車輪の第2のセット236のすべてが、車輪の他方の第1のセットまたは車輪の第2のセットが持ち上げられる、すなわち格納される前に、それぞれの格子部材またはトラックと係合されることが好ましい。これを行うために、格納または上昇位置にある車輪は、車輪の他のセットが上昇または格納される前に、最初に下降されて格子部材またはトラックと係合する。車輪の他のセットが上昇位置にあるときに、格子部材またはトラックと現在係合している車輪のセットを下降させて、車輪の第1および第2のセットのすべてが格子部材またはトラックと係合するようにすることは、車輪持ち上げモータが、約160kgの重量に達する可能性がある積荷取扱デバイスの全重量を支えなければならないので、1つ以上の車輪持ち上げモータに大きな負担をかけることになる。同様に、格子部材またはトラックから車輪のセットを係合解除するために車両を持ち上げることは、車両の重量を持ち上げるために車輪持ち上げモータに負担をかけることになる。本発明の特定の実施形態では、車輪の第1または第2のセットは、いったん車輪の第1および第2のセットのすべてが格子部材またはトラックと係合すると、上昇または下降される。したがって、車輪位置決め機構は、2段階プロセスを伴う。第1のプロセスは、車輪の第1および第2のセットの全てを格子部材またはトラックと係合させるプロセスであり、第2のプロセスは、積荷取扱デバイスが格子構造上をX方向またはY方向に移動しているかどうかに応じて、関連する車輪の第1または第2のセットを持ち上げることを伴う。
【0033】
例えば、いったん車輪の第1および第2のセットの全てが格子部材またはトラックと係合する(すなわち、展開位置にある)と、積荷取扱デバイスが8つの車輪全てによって支持され、関連する車輪のセット(車輪の第1または第2のセット)は、積荷取扱デバイスがX方向に移動しているかY方向に移動しているかに応じて上昇または格納される。これにより、格子部材またはトラックから車輪の第1または第2のセットを係合解除する必要があるときに車両を持ち上げるための車輪持ち上げモータの必要性がなくなる。車輪の第1または第2のセットは、車輪の第1または第2のセットのすべてが実質的に同時に持ち上げられるように同期して格納位置に持ち上げられる。
【0034】
車輪234、236は、下部において、コンテナ受け入れ凹部またはコンテナ受け入れ空間240として知られる空洞または凹部の周囲の周りに配置される。図9および12中に示すように、持ち上げアセンブリ242によってコンテナ10が持ち上げられるとき、空間240は、コンテナ10を収容するような大きさである。コンテナ受け入れ空間中にあるとき、コンテナは、下のレールから離れて持ち上げられ、そのため、積荷取扱デバイスは、異なる場所に横方向に移動することができる。目標の場所、例えば別のスタック、保管システム中のアクセスポイントまたはベルトコンベアに到達すると、ビンまたはコンテナを、コンテナ受け入れ空間から下降させ、グラバーデバイス239から解放することができる(図12参照)。図9に示すように、コンテナを収容するためのコンテナ受け入れ空間240が車体内部に配置されているが、本発明は、コンテナ受け入れ空間240が車体内部に位置することに限定されない。本発明は、WO2019/238702(Autostore Technology AS)に記載されているように、積荷取扱デバイスの車体がカンチレバー構造を有する場合など、カンチレバーの下方に位置するコンテナ受け入れ空間にも適用可能である。本発明の目的のために、「車体」という用語は、把持デバイスがカンチレバーの下に位置付けられるようにカンチレバーを任意選択的にカバーすると解釈される。しかしながら、本発明の説明を容易にするために、コンテナを受け入れるためのコンテナ受け入れ空間は、車体内の空洞または凹部内に配置される。
【0035】
車体の上部は、積荷取扱デバイスの嵩張る構成要素(図示せず)の大部分を収容することができる。任意選択で、車体は、再充電可能な電源を収容する(図示せず)。図9から図12は、嵩張る構成要素を収容する外側ケーシングが取り外された積荷取扱デバイスの斜視図を示す。典型的には、車両の上部は、持ち上げ機構またはコンテナ持ち上げアセンブリ242を、持ち上げ機構242の駆動アセンブリに電力を供給するための搭載された再充電可能な電源(図示せず)と共に収容する。再充電可能な電源は、任意の適切な電池であってもよく、例えば、リチウム電池またはキャパシタであってもよいが、これらに限定されない。本発明の説明のために、再充電可能な電源は電池である。本発明では、再充電可能な電源などのかさばる構成要素のいずれかを、車両の本体のどこか、例えば車両の下部に位置付けて、積荷取扱デバイス230の重心を下げ、それによって積荷取扱デバイスの安定性を向上させることが完全に実現可能である。積荷取扱デバイスの本体内にコンテナ受け入れ空間を提供するために、好ましくは、再充電可能なエネルギー源は、車両の本体の側壁のうちの1つに組み込まれる。本発明による積荷取扱デバイスの主要構成要素のさらなる詳細は、国際特許出願WO2015/140216(Ocado Innovation Limited)に記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
本発明は、図11に示されるような複数のウインチアセンブリ243を備える持ち上げ機構またはコンテナ持ち上げアセンブリ242を提供することによって、図6を参照して上述したグラバーデバイスに固定するための持ち上げテープの使用の上記問題を軽減し、それによって、複数のウインチアセンブリの各ウインチアセンブリ243は、その回転中心軸の周りで回転可能な細長いドラム246を備える(図11参照)。本発明の特定の例の目的のために、用語「細長い」は、ドラムの長手方向の長さがドラムの断面直径よりも大きいことを意味すると解釈される。従来技術の解決策と同様に、複数のウインチアセンブリは4つのウインチアセンブリを備え、4つのウインチアセンブリの各ウインチアセンブリは、別個のドラム246に巻き付けられ、駆動アセンブリ244とグラバーデバイス239との間、例えばグラバーフレームのコーナーに伸張する持ち上げテザーを備える。図5を参照して上述したように、グラバーデバイスは、保管システムに保管された保管コンテナと解放可能に係合するように構成される。従来技術の持ち上げ機構とは対照的に、本発明のウインチアセンブリは細長いドラム246を備える。図15に示されるような個々の細長いドラム246は、駆動アセンブリとグラバーデバイスとの間に伸張する持ち上げテザーが細長いドラム246の外面の周りに巻き付くように構成され、その結果、持ち上げテザーの複数の軸方向に変位した巻きがドラム上に巻き付けられる。従来技術の解決策におけるように互いに巻き付けられるのとは対照的に、ドラムの周りに巻き付く持ち上げテザーの能力は、把持デバイスを吊下げるために使用される異なるタイプおよび形状の持ち上げテザーの柔軟性を増加させる。持ち上げテザーは、テープまたはバンドに限定されず、増加した可撓性を提供する他の形状の持ち上げテザーを本発明で使用することができる。なぜなら、従来技術の解決策に見られるように、持ち上げテザーを複数の層に重ねることによって持ち上げテザーの移動長さを制御する必要がないからである。例えば、持ち上げテザーは、ロープまたはストリングまたはワイヤまたはケーブルの形態であってもよく、改善された可撓性を提供し、さらに保管コンテナの荷重を担持するのに十分な引張強度を有することができるポリマー材料を含むことができる。増加した引張強度を提供し、さらに可撓性である持ち上げテザーの組成物の一例は、超高分子量ポリエチレン(UHMwPE)を含み、Dyneema(登録商標)の名称で市販されているポリマー材料である。Dyneema(登録商標)繊維は、同じ重量で鋼よりも15倍強く、引張強度は最大43cN/dtexである。Dyneema(登録商標)は、その並外れた強度に加えて、耐切断性および耐摩耗性において優れており、化学物質およびUVに対する高い耐性を有する。Dyneema(登録商標)繊維はまた、水に浮くという意味で軽量であり、さらに非常に高い弾性率(変形に対する抵抗)を有する。
【0037】
持ち上げテザーの一端は、ドラム246の一端に固定され、持ち上げテザーは、把持デバイスを昇降させるときに、ドラムの対向する端部の間で前後に巻かれる。図15に示す特定の実施形態では、持ち上げテザーの一端は、ドラム本体246の一端に形成された穴または凹部248に固定され、ねじ(図示せず)によってドラムの本体に固定することができる。受け入れ穴248は、図15に示すように、ドラム246の一端に隣接して位置付けられる。持ち上げテザーの端部をドラムの本体に固定するための他の手段、例えば、持ち上げテザーの端部をドラムの本体に固定するための当技術分野で一般に知られている接着剤または他の固定方法の使用が、本発明において適用可能である。ドラムが一方向に回転すると、持ち上げテザーは、ドラムの長さに沿って連続的にまたは螺旋状に巻かれる。ドラムが一方向に回転すると、持ち上げテザーは、ドラムの一端から他端に「移動」して、ドラム外面を持ち上げテザーの層で巻き付ける。ドラムの一端に到達すると、巻き付け(wrap)の方向を逆にすることができ、持ち上げテザーの別の層を第1の層の上に巻き付けることができる。しかしながら、ウインチアセンブリは、ドラムがドラムの長さにわたって持ち上げテザーの単一層のみを収容するように適合されることが好ましい。持ち上げテザーの単一層の使用は、持ち上げテザーの摩耗を低減するのに役立つ。持ち上げテザーの単一層のみの使用は、十分な長さの持ち上げテザーを収容するために、より大きいドラム、長さ、および/または直径を必要とするかもしれない。ドラムの周りの持ち上げテザーの螺旋巻きの量は、以下を含むがこれらに限定されないいくつかの要因に依存する。
i)持ち上げテザーの断面直径
ii)ドラムの断面直径
iii)ドラムの長さ
iv)ドラムの周りの持ち上げテザーの螺旋巻きの数
【0038】
例えば、持ち上げテザーの比較的小さい断面直径(例えば、1mm未満)に対して、より多数の螺旋巻きをドラムの外面の周りにコイル状に巻くことができ、したがって、より長い長さの持ち上げテザーをドラム上に収容することができる。4つのウインチアセンブリがあるので、4つのウインチアセンブリを収容するための車体の上部における空間の利用可能性と、ウインチアセンブリのそれぞれのドラムのサイズとの間でバランスがとられる。上述したDyneema(登録商標)などの強い材料を持ち上げテザーに使用することにより、持ち上げテザーの強度を損なうことなく、はるかに薄い持ち上げテザーを使用することができる。
【0039】
持ち上げテザーがドラム246の周りに巻き付けられるときに持ち上げテザーを着座させるために、ドラムの外面は、螺旋シート250(図15参照)を備えることができる。螺旋シート250の断面形状プロファイルは、ドラム外面に巻き取られるかまたはドラム外面から巻き戻されなければならない持ち上げテザーの断面の半径に対応する半径を有する。本発明の特定の実施形態では、螺旋シートは、ドラム246の外面の周りに螺旋溝250を備える。溝は、ドラムに機械加工されてもよく、またはドラムの製造中に、例えば3D印刷または鋳造中に形成されてもよい。ドラム246は、単一の本体として形成されることができ、また、別個の部品から形成されることができる。例えば、螺旋シートを含むドラム246の外面は、本発明のドラムを形成するために、より小さい直径の内側ドラムまたは車輪上に摺動させることができる取り外し可能なシェルまたはスリーブとして形成することができる。取り外し可能なシェルは、螺旋溝の深さが、ドラムの外面に対する持ち上げテザーの摩擦の結果としての摩耗に起因して予め定められた量を下回ったときに、螺旋溝を備えるドラムの外面が交換または再機械加工されることを可能にする。螺旋溝の「ピッチ」は、ドラムの外面の周りの持ち上げテザーの複数の螺旋巻きを収容するようなものである。したがって、高ピッチは、ドラムの外面上の螺旋溝の数が多いことを表し、低ピッチは、ドラムの外面上の螺旋溝の数が少ないことを表す。ドラムは、金属材料またはポリマー材料を含む複合材料から構成することができる。耐摩耗性を向上させるために、螺旋溝を含むドラムの外面は、例えば硬化鋼で硬化することができる。チタン、ニッケル、またはそれらの合金など、硬度が高く、したがって耐摩耗性が高い他のより高価な材料を使用することができる。あるいは、ドラムの外面は、金属材料またはポリマー材料と比較して硬度および耐摩耗性が高いため、セラミック材料を含むことができる。ドラム、特にドラムの外面を製造するために使用される適切なセラミック材料としては、炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ホウ素、アルミナなどが挙げられるが、これらに限定されない。螺旋溝を含む取り外し可能なシェルの提供は、外面が別個に形成され、より高価な材料またはセラミックなどの他の新種の材料を含むことができるという利点を提供する。
【0040】
本発明の特定の実施形態では、複数のウインチアセンブリの各ウインチアセンブリ243は、ドラムの外面の周りに持ち上げテザーの隣接する偶数の螺旋巻きを形成するように、それぞれのドラム246の外面の周りに持ち上げテザー238をガイドするためのガイド部材248を備える(図13および図14参照)。ガイド部材は、ガイド部材がドラムの回転軸X-X(図14参照)に平行な方向に沿って並進するように構成される。ガイド部材248は、持ち上げテザー238がドラム246上に設けられた螺旋シートのコースに正確に従うことを確実にし、それによって、ドラムの外面上での持ち上げテザーの効率的かつ均一な巻き付けを得る。ガイド部材がドラムを横切って持ち上げテザーを並進させることができる2つの方法がある。図13に示す本発明の第1の実施形態では、ガイド部材248は固定されており、ドラム246は、ドラムの回転軸に平行な方向にガイド部材248に対して移動するように構成されている。図13および図14に示すように、ガイド部材は、持ち上げテザーを下のグラバーデバイス239に供給または取り付けるための入口通路またはアパーチャ241を備える。入口通路は、ガイド部材の長手方向の長さを通って延びる。入口通路は、持ち上げテザーがガイド部材を垂直に通過するように、ガイド部材内で垂直に配向される。図13は、入口通路241への入口を示し、図14は、入口通路241からの出口を示す。持ち上げテザー238は、ガイド部材248によって入口通路を通って把持デバイス239にガイドされ、把持デバイスの1つのコーナー、例えば把持デバイス上のアンカーポイント251に固定される。アンカーポイント251は、持ち上げテザーの端部を把持デバイスに固定するための任意の固定手段、例えばフック、ねじなどであることができる。図13および図14に示される本発明の特定の実施形態において、ガイド部材248は、上向きに直立するブロックとして形成され、グラバーデバイス239に固定される。あるいは、ガイド部材の他の構成があってもよく、例えば、ガイド部材は、グラバーデバイスに固定された伸長可能なチューブであってもよい。別個の持ち上げテザーは、把持デバイスの各コーナーに固定された持ち上げテザーが、本発明のそれぞれのドラムから別個のガイド部材によってガイドされるように、把持デバイスのコーナーに固定される。アンカーポイント251は、別個の固定ねじとして図14に示されている。
【0041】
ドラム246は、駆動シャフト252(図14参照)上の水平回転軸の周りを回転運動するように取り付けられる。駆動シャフト252の回転を駆動するための駆動機構または駆動アセンブリのさらなる詳細は、以下で議論される。誤解を避けるために、「駆動シャフト」および「持ち上げシャフト」という用語は、同じ特徴を意味するために本明細書において互換的に使用される。駆動シャフト252は、その回転中心軸X-Xの周りのドラムの回転運動を可能にするだけでなく、ドラムは、その回転軸に平行な方向に駆動シャフトに沿って移動することもできる。これは、図14の左右の矢印によって示されている。例えば、ドラムは、ドラムが駆動シャフト252に対してその回転軸に平行な方向に摺動することを可能にするが、駆動シャフトが回転させられるときに回転するように拘束されるように、軸受上に搭載されることができる。したがって、ドラムが回転すると、ドラムは、ドラムの回転方向に応じて持ち上げテザー238がドラム246上にまたはそこからガイドされると、駆動シャフトX-Xの回転軸に平行な軸方向に摺動するように構成される。代替として、ドラム246は、駆動シャフト252に固定されることができ、駆動シャフト252自体は、ガイド部材248に対して軸方向に並進するように構成され、ドラムの外表上にまたは外表から持ち上げテザーを巻き取りまたは巻き出すか、または両方の構成の組み合わせを行うことができる。例えば、駆動シャフトの外面の少なくとも一部は、駆動シャフト252の回転が駆動シャフト252全体をその回転軸に平行な軸方向に並進させることができるように、車体またはシャーシへの駆動シャフト252の取付部254(図13参照)の対応するねじ山とねじ係合することができる。
【0042】
固定されたガイド部材に対してドラムを移動させる代わりに、またはそれと組み合わせて、ガイド部材自体が、駆動シャフトに固定されたドラムに対して移動するように構成されることができる。例えば、ガイド部材は、ドラムの回転がガイド部材をドラムの外面を横切って並進させるように、ドラムの螺旋シートとねじ係合するように構成することができる。ガイド部材は、ガイド部材を通してドラムの外面上に持ち上げテザーを通すための入口通路を備えることができ、ドラムの外面上で持ち上げテザーは正しい螺旋溝内に着座される。前述のように、入口通路は、ガイド部材の長手方向長さを通って伸張してもよい。入口通路は、持ち上げテザーがガイド部材を垂直に通過するように、ガイド部材内で垂直に配向されてもよい。本発明の特定の実施形態では、ドラムは、持ち上げテザー238がドラムに巻き付けられるか、またはドラムから巻き出されるときに、ガイド部材に対して軸方向に並進するように構成され、それにより、持ち上げテザーは、複数の螺旋巻きでドラムの周りに巻き付く。上述した全ての選択肢において、ガイド部材とドラムとの間の協働は、回転中心軸X-Xの周りのドラムの回転が、持ち上げテザーの螺旋巻きが螺旋シート内に正確に配置されることを保証し、ドラムの外面の周りに持ち上げテザーの実質的に均一な巻き付けを生じさせるようなものである。
【0043】
ドラム246の回転を駆動するための駆動アセンブリ244は、複数のウインチアセンブリ243のドラムの、それらのそれぞれの回転軸の周りの同期回転運動を提供する。本発明の特定の実施形態では、駆動アセンブリ244は、ベルトおよび/またはチェーン256を介して駆動モータ255および駆動プーリ(図9および図12参照)に接続された少なくとも1つの駆動シャフト252を備える。少なくとも1つの駆動シャフト252は、水平回転軸X-X(図14参照)の周りを回転運動するように取り付けられる。
【0044】
図11に示す特定の実施形態では、複数のウインチアセンブリは、第1の駆動シャフト252aに取り付けられたドラムの第1のセットと、第2の駆動シャフト252bに取り付けられたドラムの第2のセットとを備える。ドラムの第1のセットは、積荷取扱デバイスの前部258に配置された2つのドラムを含み、ドラムの第2のセットは、積荷取扱デバイス260の後部に配置された2つのドラムを含む。ドラムの第1のセットは、共通の駆動シャフト(第1の駆動シャフト252a)に取り付けられ、グラバーデバイス(図示せず)の前方の2つのコーナーに固定された持ち上げテザーを収容するように別個に配置される。同様に、ドラムの第2のセットは、共通の駆動シャフト(第2の駆動シャフト252b)に取り付けられ、把持デバイス(図示せず)の後部の2つのコーナーに固定された持ち上げテザーを収容するように別個に配置される。第1および第2の駆動シャフト252a、252bは、ベルトまたはチェーン256を介して少なくとも1つの駆動モータ255に接続されることによって、ドラムの第1および第2のセットの同期回転運動を提供するように駆動される。図9および図12に示す特定の実施形態では、単一の駆動モータ255が、1つ以上の駆動プーリを介して第1の駆動シャフト252aおよび第2の駆動シャフト252bに接続されて、ドラムの第1および第2のセットに同期した回転運動を提供する。第1の駆動シャフト252aには第1の駆動プーリが取り付けられており、第2の駆動シャフト252bには第2の駆動プーリが取り付けられている。単一のモータ255は、第1および第2の駆動シャフトのそれぞれの第1および第2の駆動プーリ262の周りの単一のベルト256を介して、第1および第2の駆動シャフトに接続される。単一のモータは、モータ駆動プーリが取り付けられたモータ駆動シャフトを駆動するように構成される。単一のモータは、単一のモータによるモータ駆動シャフトの回転がドラムの第1および第2のセットの回転を駆動するように、それぞれのモータ駆動プーリならびに第1および第2の駆動プーリ262の周りの単一のベルト256を介して第1および第2の駆動プーリに接続される。
【0045】
複数のウインチアセンブリのドラムのそれぞれは、ドラム246の中心回転軸に沿って伸張する中心コアまたは穴264を備える(図15参照)。すなわち、ドラムは中空円筒として形成される。中心コア264は、それぞれの駆動シャフトを受け入れるように形成され、駆動シャフトが回転するときにドラムが回転するように、止め具または溝266によって駆動シャフトの周りを自由に回転することを防止される。図15に示される特定の実施形態では、ドラムの中心コア264は、駆動シャフト上の対応して形成されたリッジを受け入れるように形成された溝266を備え、これは、ドラムが駆動シャフトの周りを自由に回転することを防止するが、駆動シャフトが回転するときにドラムが回転することを可能にする。駆動シャフトが回転するときにドラムを回転させるためにドラムを駆動シャフトに取り付ける他の手段は、ドラムの中心コアの内面に形成された対応する形状の歯と噛み合う駆動シャフト上の歯を含む様々なスプラインを含むが、これに限定されない。駆動シャフト上の溝またはスプラインは、ドラムが駆動シャフトの周りで自由に回転することを防止するが、ドラムは、ドラムが駆動シャフトの長手方向長さに沿って軸方向に移動することを可能にするように、ドラムシャフト上に取り付けることができる。上述したように、これにより、ドラムがドラムまたは駆動シャフトの回転軸に平行な軸方向に並進するときに、持ち上げテザーがドラムの周りに巻き付いて、ドラム上に隣接する螺旋巻きを形成することが可能になる。これにより、持ち上げテザーの螺旋巻きがドラムの外面上に正確に配置される、すなわちドラム上に均一に巻き付けられることが保証される。図9から図14に示す本発明の特定の実施形態は、ドラムの同期回転運動を提供するために駆動モータによって駆動される少なくとも1つの駆動シャフトを備える駆動アセンブリを説明しているが、図6を参照して説明したように、複数のウインチアセンブリを別個の駆動モータによって駆動することができる。複数のウインチアセンブリは、別個のモータによって駆動されて、ドラムの同期した回転運動を提供し、グラバーデバイスを実質的に水平に保つ。それぞれの回転軸を中心としたドラムの同期した回転運動を提供するようにドラムの回転運動を提供する他の手段が、本発明において適用可能である。複数のウインチアセンブリ243のドラム246のそれぞれの形状は、ドラムの断面直径がドラムの長手方向長さに沿って均一または実質的に均一であるように形成される。これにより、ドラムの1回転当たりにドラムの外面に巻き付けられる持ち上げテザーの固定された予め定められた移動長さが可能になる。持ち上げテザーの移動長さは、π(pi)×ドラムの断面直径によって与えられるドラムの円周と、ドラムの周りに巻かれた持ち上げテザーのコイルの数との積に近似することができる。
複数のウインチアセンブリのドラムのそれぞれは、各ドラムの外面の周りのコイルの数が実質的に等しくなるように同期して回転され、それによって、駆動アセンブリとグラバーデバイス上のアンカーポイントとの間に延びる各持ち上げテザーの長さが等しいか実質的に等しくなる。これは、グラバーデバイスが格子セル内に昇降されるとグラバーデバイスを水平に保ち、持ち上げテザーのいずれか1つがグラバーデバイスのコーナーのうちの1つを他のコーナーよりも強く引っ張ることを防止する。ドラムの所定の回転速度ωに対して、グラバーデバイスが垂直に移動する速度は、ドラムの断面直径に依存する。したがって、ドラムの所定の回転速度ωに対して、ドラムの大きい断面直径は、ドラムのより小さい断面直径と比較して、グラバーデバイスの比較的大きい垂直速度に変換される。
【0046】
本発明の別の実施形態では、ドラムの断面直径を変化させて、ドラムの所定の回転速度ωに対してグラバーデバイスの垂直速度を変化させることができる。例えば、把持デバイスが保管システム内の保管コンテナと係合するように接近すると、および/または把持デバイスが積荷取扱デバイスの本体のコンテナ受け入れ空間に接近するとき、把持デバイスの異なる垂直速度が必要とされるかもしれない。可変断面直径を有するドラム346を提供する例が、図16の概略図に示されている。ドラム346の少なくとも一部は、持ち上げテザーが可変断面直径を有するドラム上に巻き取られるかまたはドラムから巻き取られるように、テーパ状348である。図16に示す特定の実施形態では、ドラムの対向する端部348はテーパ状であり、持ち上げテザーがドラムのテーパ状部分に巻き取られるかまたは巻き戻されると、把持デバイスの垂直速度が変化するようになっている。ドラムの対向する端部は、グラバーデバイスが保管コンテナと係合するように接近しているとき、またはグラバーデバイスが積荷取扱デバイスの本体のコンテナ受け入れ空間に接近しているときのいずれかの段階に対応する。
【0047】
上述の図示された実施形態は、水平回転軸の周りを回転するドラムを描いているが、他の実施形態では、ドラムは、水平からオフセットされた回転軸の周りを回転してもよい。例えば、ドラムは、水平からわずかにずれた軸の周りを回転してもよい。そのような実施形態では、ドラムの中心軸のオフセットは、持ち上げテザーがドラムの周りにきちんと巻き付くことを容易にすることができる。
【0048】
様々な変更、置換、および代替が、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく行われることができることを理解すべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] コンテナのスタックの上方に格子パターンで配置された複数の格子部材を備える格子フレームワーク(14)を備える保管システム内に積み重ねられたコンテナ(10)を持ち上げて移動させるための積荷取扱デバイス(30)であって、
i)前記格子フレームワーク(14)上の前記積荷取扱デバイス(30)を移動させるために動作可能に配置された車輪駆動機構、および、第1の方向に前記積荷取扱デバイス(30)の移動をガイドするための格子部材の第1のセットと係合するための車輪の第1のセット(34)と、第2の方向に前記積荷取扱デバイス(30)の移動をガイドするための格子部材の第2のセットと係合するための車輪の第2のセット(36)とを備える車輪アセンブリを収容する車体(32)と、ここで、前記第2の方向は、前記第1の方向を横断し、
ii)コンテナ持ち上げアセンブリ(142、242)とを備え、前記コンテナ持ち上げアセンブリ(142、242)は、
a)使用時に保管コンテナ(10)を解放可能に把持するように構成されたコンテナ把持アセンブリ(39、239)と、
b)複数のウインチアセンブリ(243)と、前記複数のウインチアセンブリ(243)のそれぞれは、その回転中心軸の周りを回転可能なドラム(246)と、前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)に固定された第1の端部および前記ドラム(246)に固定された第2の端部を有する持ち上げテザー(238)とを備え、
c)前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)をコンテナ受け入れ空間(240)内に上昇させるために、前記複数のウインチアセンブリの前記ドラム(246)のそれぞれの回転中心軸の周りの回転を駆動するように構成された駆動アセンブリ(144、244)とを備え、
前記複数のウインチアセンブリのそれぞれの前記ドラム(246)のそれぞれは、前記ドラムの回転が前記持ち上げテザーを前記ドラム(246)の外面の周りに前記持ち上げテザー(238)の螺旋巻きを形成させるように、前記ドラムを横切る前記持ち上げテザー(238)の複数の軸方向に変位した巻きを収容するように構成された前記外面を有することを特徴とする、積荷取扱デバイス。
[2] 前記複数のウインチアセンブリのそれぞれは、前記ドラム(246)の前記外面の周りでの前記持ち上げテザー(238)の巻き取りおよび/または繰り出しをガイドするために、そのそれぞれのドラム(246)の前記回転中心軸に平行な方向に沿って軸方向に並進するように構成されたガイド部材(248)を備える、[1]に記載の積荷取扱デバイス。
[3] 前記ガイド部材(248)は、前記ドラム(246)の前記回転中心軸に平行な方向に前記ドラム(246)に対して移動可能である、[2]に記載の積荷取扱デバイス。
[4] 前記ドラム(246)の回転が、前記ガイド部材(248)を前記ドラムの前記回転中心軸に平行な方向に沿って並進させて、前記ドラム(246)の前記外面の周りの前記持ち上げテザー(238)の巻き取りおよび/または繰り出しをガイドするように、それぞれのウインチアセンブリの前記ドラム(246)は、前記ガイド部材(248)に対してその回転中心軸に平行な方向に移動可能である、[2]または[3]に記載の積荷取扱デバイス。
[5] それぞれのウインチアセンブリの前記ドラム(246)は、前記コンテナ把持アセンブリ(39)が前記コンテナ受け入れ空間(240)内に持ち上げられたときに、前記持ち上げテザー(238)の単一層のみを収容するように構成される、[1]から[4]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[6] 前記持ち上げテザー(238)の前記第2の端部は、前記ドラム(246)に形成された凹部内に受け入れられることによって、それぞれのウインチアセンブリの前記ドラム(246)に固定される、[1]から[5]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[7] それぞれのウインチアセンブリの前記ドラム(246)の前記外面には、前記持ち上げテザー(238)の螺旋巻きを受け入れるための螺旋溝(250)を含む螺旋シートが設けられている、[1]から[6]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[8] 前記駆動アセンブリ(144、244)は、前記複数のウインチアセンブリのそれぞれのドラムに結合された少なくとも1つの駆動シャフトと、前記少なくとも1つの駆動シャフトを回転させるための少なくとも1つのモータ(144)とを備える、[1]から[7]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[9] 前記少なくとも1つのモータ(144)の回転運動が前記少なくとも1つの駆動シャフトに伝達されて前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)を上昇および下降させるように、前記駆動シャフトは、少なくとも1つのタイミングベルトおよび/またはプーリシステムおよび/またはギア機構によって前記少なくとも1つのモータ(144)に結合される、[8]に記載の積荷取扱デバイス。
[10] 前記複数のウインチアセンブリは、ドラムの第1および第2のセットを備え、前記少なくとも1つの駆動シャフトは、第1および第2の駆動シャフトを備え、前記ドラムの第1のセットは、第1の駆動シャフト(252a)に取り付けられ、前記ドラムの第2のセットは、第2の駆動シャフト(252b)に取り付けられる、[8]または[9]に記載の積荷取扱デバイス。
[11] 前記少なくとも1つのモータ(144)は、単一のモータを備える、[10]に記載の積荷取扱デバイス。
[12] 前記プーリシステムは、前記第1の駆動シャフト(252a)に取り付けられた第1の駆動プーリと、前記第2の駆動シャフト(252b)に取り付けられた第2の駆動プーリとを備え、ここで、前記単一のモータがドラムの第1および第2のセットの回転を駆動するように、前記単一のモータは、それぞれの前記第1および第2の駆動プーリの周りの単一のベルトによって前記第1および第2の駆動シャフト(252a、252b)に接続される、[11]に記載の積荷取扱デバイス。
[13] 前記少なくとも1つのモータ(144)は、前記ウインチアセンブリの数が前記モータの数に等しいように、複数のモータを備えている、[8]から[10]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[14] 前記複数のウインチアセンブリの前記ドラムが同期してそれぞれの回転中心軸の周りを回転するように駆動されるように、前記複数のモータは同期して駆動される、[13]に記載の積荷取扱デバイス。
[15] 前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)が4つの持ち上げテザーに固定されるように、前記複数のウインチアセンブリは、4つのウインチを備える、[1]から[14]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[16] 前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)は、4つのコーナーを有するフレームを備え、前記4つの持ち上げテザーのそれぞれは、前記コンテナ把持アセンブリ(39、239)のそれぞれのコーナーのうちの1つに固定される、[15]に記載の積荷取扱デバイス。
[17] 前記持ち上げテザー(238)は、Dyneema(登録商標)を備える、[1]から[16]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[18] 前記持ち上げテザー(238)は、ロープまたはケーブルまたはワイヤである、[1]から[17]のいずれか1項に記載の積荷取扱デバイス。
[19] 少なくとも1つのウインチアセンブリの前記ドラム(246)の少なくとも一部は、可変の断面直径を有する、[1]から[18]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[20] 前記少なくとも1つのウインチアセンブリの前記ドラム(246)の少なくとも一部はテーパ状である、[19]に記載の積荷取扱デバイス。
[21] 前記コンテナ持ち上げアセンブリ(142、242)は、使用時に、コンテナ(10)を解放可能に把持し、前記スタックから前記コンテナを前記車体(32)内の前記コンテナ受け入れ空間(240)内に持ち上げるように構成されるように、前記車体(32)は前記コンテナ受け入れ空間(240)を収容する、[1]から[20]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[22] 車輪の第1および第2のセット(34、36)は、前記車体(32)に対して前記車輪の第1のセット(34)または前記車輪の第2のセット(36)を選択的に昇降させるように、それによって、前記車輪の第1のセット(34)を前記格子部材の第1のセットと、または、前記車輪の第2のセットを前記格子部材の第2のセットと選択的に係合または係合解除するように構成されている車輪位置決め機構を備える、[1]から[21]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス。
[23] 保管および取り出しシステムであって、
トラックの第1のセット、および、複数の格子空間または格子セルを備える格子パターンを形成するように、実質的に水平面において第1のセットに横方向に進むトラックの第2のセットと、
平行経路の第1のセットと平行経路の第2のセットの下に位置付けられた複数のコンテナ(10)のスタックと、ここで、前記コンテナのスタックのそれぞれは、単一の格子空間または格子セルを占有し、
格子空間または格子セルを占有するコンテナのスタックの上方に位置付けられたときに、コンテナ持ち上げアセンブリ(142、242)が前記コンテナのスタックから少なくとも1つのコンテナ(10)を持ち上げるように構成されるように、前記複数の格子空間または格子セルにわたってトラックの第1のセットおよび第2のセットに沿って横断するように配置された、[1]から[22]のいずれか一項に記載の積荷取扱デバイス(30)とを備える、保管および取り出しシステム。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16