(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-02
(45)【発行日】2025-05-14
(54)【発明の名称】居住設備、トレーラーハウス及び破風エクステンダー
(51)【国際特許分類】
B60P 3/335 20060101AFI20250507BHJP
B60P 3/36 20060101ALI20250507BHJP
E04D 13/158 20060101ALI20250507BHJP
【FI】
B60P3/335
B60P3/36
E04D13/158 501Z
(21)【出願番号】P 2024069201
(22)【出願日】2024-04-22
【審査請求日】2024-09-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1) 納品日 令和5年11月22日 (2) 納品場所 ホテルアルペンブリック 新潟県妙高市池の平温泉2452
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】馬場 純
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-042138(JP,A)
【文献】特開2012-241442(JP,A)
【文献】特開2017-115354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/335
B60P 3/36
E04D 13/158
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合って駐車される第1及び第2のトレーラーハウスを備える居住設備であって、
前記第1のトレーラーハウスが、第1シャーシと、前記第1シャーシの上に設置される第1家屋と、第1破風エクステンダーと、を備え、
前記第2のトレーラーハウスが、第2シャーシと、前記第2シャーシの上に設置されるとともに前記第1家屋と隣り合う第2家屋と、第2破風エクステンダーと、を備え、
前記第1家屋が、前記第2家屋から離れる方に向かって下りに傾斜する第1片流れ屋根を有し、
前記第2家屋が、前記第1片流れ屋根の棟から隙間を置いて配置されるとともに前記第1家屋から離れる方に向かって下りに傾斜する第2片流れ屋根を有し、
前記第1破風エクステンダーが、前記第1片流れ屋根の妻側且つ棟側の端部に装着され、前記第1片流れ屋根の妻側の第1ケラバを前記第2家屋の方に斜め上に延長させるよう前記第1ケラバの棟側の端から張り出し、
前記第2破風エクステンダーが、前記第2片流れ屋根の妻側且つ棟側の端部に装着され、前記第2片流れ屋根の妻側の第2ケラバを前記第2家屋の方に斜め上に延長させるよう前記第2ケラバの棟側の端から張り出し、
前記第1破風エクステンダーが、前記第1片流れ屋根と前記第2片流れ屋根の間の前記隙間において、前記第2破風エクステンダーと部分的に重なっている
ことを特徴とする居住設備。
【請求項2】
請求項1に記載の居住設備であって、
前記第1破風エクステンダーが、前記第1ケラバの棟側の端から前記第1片流れ屋根の軒の方へ引き込むよう、前記第1片流れ屋根の傾斜に沿って前記第1ケラバに対して相対的にスライド可能に設けられ、
前記第2破風エクステンダーが、前記第2ケラバの棟側の端から前記第2片流れ屋根の軒の方へ引き込むよう、前記第2片流れ屋根の傾斜に沿って前記第2ケラバに対して相対的にスライド可能に設けられている
ことを特徴とする居住設備。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の居住設備であって、
前記第1片流れ屋根が、前記第1ケラバの妻側の端面を被覆する第1破風板を有し、
前記第1破風エクステンダーが、前記第1破風板に重ねられ、
前記第2片流れ屋根が、前記第2ケラバの妻側の端面を被覆する第2破風板を有し、
前記第2破風エクステンダーが、前記第2破風板に重ねられている
ことを特徴とする居住設備。
【請求項4】
請求項3に記載の居住設備であって、
前記第1破風エクステンダーと前記第1破風板が同じ色であり、
前記第2破風エクステンダーと前記第2破風板が同じ色である
ことを特徴とする居住設備。
【請求項5】
シャーシと、前記シャーシの上に設置された家屋と、を備えるトレーラーハウスであって、
前記トレーラーハウスが破風エクステンダーを備え、
前記家屋が、軒の方に向かって下りに傾斜する片流れ屋根を有し、
前記破風エクステンダーが、前記片流れ屋根の妻側且つ棟側の端部に装着され、前記片流れ屋根の妻側のケラバを斜め上に延長させるよう、前記ケラバの棟側の端から張り出
し、
前記破風エクステンダーが、前記ケラバの棟側の端から前記片流れ屋根の軒の方へ引き込むよう前記片流れ屋根の傾斜に沿って前記ケラバに対して相対的にスライド可能に設けられる
ことを特徴とするトレーラーハウス。
【請求項6】
片流れ屋根の妻側且つ棟側の端部に装着され、前記片流れ屋根の妻側のケラバを斜め上に延長させるよう前記ケラバの棟側の端から張り出
し、前記ケラバの棟側の端から前記片流れ屋根の軒の方へ引き込むよう前記片流れ屋根の傾斜に沿って前記ケラバに対して相対的にスライド可能に設けられる
ことを特徴とする破風エクステンダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住設備、トレーラーハウス及び破風エクステンダーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、軒側破風化粧板が棟側破風化粧板に連結されることによって組み立てられた破風化粧板を開示する。この破風化粧板は、切妻屋根の妻側のケラバに取り付けられる。
【0003】
特許文献2は、車両同士が横に連結されたトレーラーハウス本体を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許6017847号公報
【文献】特開平10-305751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
出願人は、片流れ屋根をそれぞれ有する2台のトレーラーハウスを並列駐車して、これら片流れ屋根の組み合わせが切妻屋根のように見える技術を開発中である。ところが、2台のトレーラーハウスの間に隙間があり、2体の片流れ屋根の間にも隙間があることから、片流れ屋根の組み合わせが完全に切妻屋根に見えることはない。
そこで、本発明の目的は、並列駐車されるトレーラーハウスの片流れ屋根の組み合わせが本物の切妻屋根に見えるような技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の括弧書きで示された参照符号は
図1から
図5において参照される。
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1によれば、
隣り合って駐車される第1及び第2のトレーラーハウス(10及び110)を備える居住設備(1)であって、
前記第1のトレーラーハウス(10)が、第1シャーシ(11)と、前記第1シャーシ(11)の上に設置される第1家屋(20)と、第1破風エクステンダー(50)と、を備え、
前記第2のトレーラーハウス(110)が、第2シャーシ(111)と、前記第2シャーシ(111)の上に設置されるとともに前記第1家屋(20)と隣り合う第2家屋(120)と、第2破風エクステンダー(150)と、を備え、
前記第1家屋(20)が、前記第2家屋(120)から離れる方に向かって下りに傾斜する第1片流れ屋根(40)を有し、
前記第2家屋(120)が、前記第1片流れ屋根(40)の棟から隙間を置いて配置されるとともに前記第1家屋(20)から離れる方に向かって下りに傾斜する第2片流れ屋根(140)を有し、
前記第1破風エクステンダー(50)が、前記第1片流れ屋根(40)の妻側且つ棟側の端部に装着され、前記第1片流れ屋根(40)の妻側の第1ケラバ(42)を前記第2家屋(120)の方に斜め上に延長させるよう前記第1ケラバ(42)の棟側の端から張り出し、
前記第2破風エクステンダー(150)が、前記第2片流れ屋根(140)の妻側且つ棟側の端部に装着され、前記第2片流れ屋根(140)の妻側の第2ケラバ(142)を前記第2家屋(120)の方に斜め上に延長させるよう前記第2ケラバ(142)の棟側の端から張り出し、
前記第1破風エクステンダー(50)が、前記第1片流れ屋根(40)と前記第2片流れ屋根(140)の間の前記隙間において、前記第2破風エクステンダー(150)と部分的に重なっている
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0008】
以上のような請求項1によれば、第1家屋(20)の第1片流れ屋根(40)が第2家屋(120)から離れる方に向かって下りに傾斜し、第2家屋(120)の第2片流れ屋根(140)が第1家屋(20)から離れる方に向かって下りに傾斜するため、これら片流れ屋根(40及び140)の組み合わせは切妻屋根のように見える。
第1片流れ屋根(40)の妻側且つ棟側の端部に装着された第1破風エクステンダー(50)が第1片流れ屋根(40)の妻側の第1ケラバ(42)を第2家屋(120)の方に斜め上に延長させるよう第1ケラバ(42)の棟側の端から張り出し、第2片流れ屋根(140)の妻側且つ棟側の端部に装着された第2破風エクステンダー(150)が第2片流れ屋根(140)の妻側の第2ケラバ(142)を第1家屋(20)の方に斜め上に延長させるよう第2ケラバ(142)の棟側の端から張り出し、第1破風エクステンダー(50)が第1片流れ屋根(40)と第2片流れ屋根(140)の間の前記隙間において第2破風エクステンダー(150)と部分的に重なっているため、第1片流れ屋根(40)の第1ケラバ(42)と第2片流れ屋根(140)の第2ケラバ(142)が山型に連なっているように見える。このことは、第1及び第2片流れ屋根(40及び140)の組み合わせが切妻屋根のように見えることに寄与する。
【0009】
請求項2によれば、
請求項1に記載の居住設備(1)であって、
前記第1破風エクステンダー(50)が、前記第1ケラバ(42)の棟側の端から前記第1片流れ屋根(40)の軒の方へ引き込むよう、前記第1片流れ屋根(40)の傾斜に沿って前記第1ケラバ(42)に対して相対的にスライド可能に設けられ、
前記第2破風エクステンダー(150)が、前記第2ケラバ(142)の棟側の端から前記第2片流れ屋根(140)の軒の方へ引き込むよう、前記第2片流れ屋根(140)の傾斜に沿って前記第2ケラバ(142)に対して相対的にスライド可能に設けられている
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0010】
以上のような請求項2によれば、第1破風エクステンダー(50)が第1片流れ屋根(40)の傾斜に沿って第1ケラバ(42)に対して相対的にスライド可能に設けられており、その第1破風エクステンダー(50)が第1ケラバ(42)の棟側の端から第1片流れ屋根(40)の軒の方へ引き込むと、第1破風エクステンダー(50)の延出が解消される。第1のトレーラーハウス(10)が牽引される際に、第1破風エクステンダー(50)が走向の支障にならない。同様に、第2破風エクステンダー(150)が第2ケラバ(142)の棟側の端から第2片流れ屋根(140)の軒の方へ引き込むと、第2のトレーラーハウス(110)が牽引される際に、第2破風エクステンダー(150)が走向の支障にならない。
【0011】
請求項3によれば、
請求項1又は2に記載の居住設備(1)であって、
前記第1片流れ屋根(40)が、前記第1ケラバ(42)の妻側の端面を被覆する第1破風板(46)を有し、
前記第1破風エクステンダー(50)が、前記第1破風板(46)に重ねられ、
前記第2片流れ屋根(140)が、前記第2ケラバ(142)の妻側の端面を被覆する第2破風板(146)を有し、
前記第2破風エクステンダー(150)が、前記第2破風板(146)に重ねられている
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0012】
以上のような請求項3によれば、第1破風板(46)、第1破風エクステンダー(50)、第2破風板(146)、第2破風エクステンダー(150)は、第1及び第2片流れ屋根(40及び140)の組み合わせが切妻屋根のように見えることに寄与する。
【0013】
請求項4によれば、
請求項3に記載の居住設備(1)であって、
前記第1破風エクステンダー(50)と前記第1破風板(46)が同じ色であり、
前記第2破風エクステンダー(150)と前記第2破風板(146)が同じ色である
ことを特徴とする居住設備(1)が提供される。
【0014】
以上のような請求項4によれば、第1破風エクステンダー(50)と第1破風板(46)の一体感が増し、第2破風エクステンダー(150)と第2破風板(146)の一体感が増す。このことは、第1及び第2片流れ屋根(40及び140)の組み合わせが切妻屋根のように見えることに寄与する。
【0015】
請求項5によれば、
シャーシ(11又は111)と、前記シャーシ(11又は111)の上に設置された家屋(20又は120)と、を備えるトレーラーハウス(10又は110)であって、
前記トレーラーハウス(10又は110)が破風エクステンダー(50又は150)を備え、
前記家屋(20又は120)が、軒の方に向かって下りに傾斜する片流れ屋根(40又は140)を有し、
前記破風エクステンダー(50又は150)が、前記片流れ屋根(40又は140)の妻側且つ棟側の端部に装着され、前記片流れ屋根(40又は140)の妻側のケラバ(42又は142)を斜め上に延長させるよう、前記ケラバ(42又は142)の棟側の端から張り出し、
前記破風エクステンダー(50又は150)が、前記ケラバ(42又は142)の棟側の端から前記片流れ屋根(40又は140)の軒の方へ引き込むよう前記片流れ屋根(40又は140)の傾斜に沿って前記ケラバ(42又は142)に対して相対的にスライド可能に設けられる
ことを特徴とするトレーラーハウス(10又は110)が提供される。
【0016】
請求項6によれば、
片流れ屋根(40又は140)の妻側且つ棟側の端部に装着され、前記片流れ屋根(40又は140)の妻側のケラバ(42又は142)を斜め上に延長させるよう前記ケラバ(42又は142)の棟側の端から張り出し、前記ケラバ(42又は142)の棟側の端から前記片流れ屋根(40又は140)の軒の方へ引き込むよう前記片流れ屋根(40又は140)の傾斜に沿って前記ケラバ(42又は142)に対して相対的にスライド可能に設けられる
ことを特徴とする破風エクステンダー(50又は150)が提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、並列駐車される第1及び第2のトレーラーハウスの片流れ屋根の組み合わせが本物の切妻屋根に見える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図5】
図5は、
図3に示すV-V線に沿った面を矢印方向に見て示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。実施形態の特徴及び技術的な効果は、以下の詳細な説明及び図面から理解される。ただし、本発明の範囲は、以下に開示された実施形態に限定されない。図面は例示のみのために提供されるため、本発明の範囲は図面の例示に限定されない。
【0020】
<1. 居住設備>
図1は、中心投影図法により図示された居住設備1の斜視図である。
【0021】
居住設備1は第1のトレーラーハウス10及び第2のトレーラーハウス110を備える。
トレーラーハウス10,110は、内燃機関又はモーターなどのような走行動力源を有さない被牽引車である。トレーラーハウス10,110は個別に日本の車検に合格可能である。つまり、トレーラーハウス10,110は、自動車検査登録制度による登録を受けることができるとともに、日本の国土交通省が実施する検査に合格可能であり、公道にて一定期間の継続使用の許可を受けることができる。トレーラーハウス10,110は、建築基準法又は道路運送車両法により定められたサイズ及び重量の制限に適合する。例えば、トレーラーハウス10,110の車幅が2.5m以内であり、トレーラーハウス10,110の車長が12m以内であり、トレーラーハウス10,110の車高が3.8m以内である。トレーラーハウス10,110が特別な許可を受けることによって、トレーラーハウス10,110のサイズ又は重量が道路運送車両の保安基準に定められた制限値を超えてもよい。
【0022】
トレーラーハウス10,110が車幅方向に隣り合って、並列駐車されている。第1のトレーラーハウス10が第2のトレーラーハウス110の右に配置されている。居住設備1の外形は前後及び上下に沿った鉛直な対称面に関して面対称である。ここでいう「左」及び「右」は、トレーラーハウス10,110をその正面から見て定められたものではなく、トレーラーハウス10,110を牽引する牽引車の運転席に座って見て定められたものである。つまり、「左」及び「右」は、トレーラーハウス10,110の前進方向へ見て定められたものである。左右方向は車幅方向であり、前後方向は車長方向であり、上下方向は車高方向である。
【0023】
第1のトレーラーハウス10は、シャーシ11、家屋20、リア破風エクステンダー50及びフロント破風エクステンダーを備える。
図1において、フロント破風エクステンダーは家屋20の背後に隠れているため、フロント破風エクステンダーが図示されていない。
【0024】
<2. 第1のトレーラーハウスのシャーシ>
シャーシ11は台車とも呼ばれる。シャーシ11は架台12及び左右の車輪13を有する。左右の車輪13が架台12の左右にそれぞれ取り付けられ、架台12が車輪13によって設置面の上に支持されている。架台12は支持台14等のような支持構造体によって設置面の上に支持されている。支持構造体は工具なしで簡単に取り外せる。車輪13の転動が車止めによって防止されてもよい。シャーシ11は架台12の前端に取り付けられた連結器を有し、シャーシ11が連結器によって牽引車に連結可能である。
【0025】
<3. 第1のトレーラーハウスの家屋>
家屋20はシャーシ11の架台12の上に設置されている。家屋20は壁式構造若しくは軸組構造又はこれら両方を有してもよい。家屋20は木造家屋又は軽量鉄骨造家屋であってもよい。家屋20は、パネル工法、軸組工法、軸組パネル工法若しくは枠組壁工法又はこれらのうち2以上の組み合わせにより組み立てられてもよい。一例では、家屋20は、木質パネル接着工法によって組み立てられた壁式構造を有する木造家屋である。他の一例では、家屋20は、プレハブ工法によって組み立てられた軸組構造を有する軽量鉄骨造家屋である。
【0026】
家屋20はその内側に居住スペースを有する。家屋20は、床を底面に有し、リア外壁21を後面に有し、右サイド外壁22を右側面に有し、フロント外壁を前面に有し、左サイド外壁を左側面に有し、片流れ屋根40を上面に有する。床は架台12の上に敷設されている。一例では、家屋20が木質パネル接着工法によって組み立てられた木造家屋である場合、床は、内部中空状の建築用木質パネルと、建築用木質パネルの上面に貼り付けられた床仕上げ材と、を有する。建設用木質パネルとは、4本の木製框材を矩形枠状に組み立てて成る矩形枠体と、矩形枠体の片面又は両面に貼り付けられた木製の面材と、を有するものである。建設用木質パネルは、矩形枠体の内側において矩形枠体に組み付けられた1又は複数の木製の桟材を有してもよい。建設用木質パネルは、矩形枠体の内側に充填されたグラスウール、ロックウール及び発泡樹脂などのような断熱材を有してもよい。リア外壁21の下端が床の後端に接合され、リア外壁21が床の後端において立てられている。リア外壁21は、開口を有するとともに、その開口に設置された扉31を有する。右サイド外壁22が床の右端に接合され、右サイド外壁22が床の右端において立てられている。右サイド外壁22は、開口を有するとともに、その開口に設置された腰高窓32を有する。左サイド外壁が床の左端に接合され、左サイド外壁が床の左端において立てられている。左サイド外壁は右サイド外壁22よりも高い。左サイド外壁は、連絡口としての開口を有するとともに、その開口に設置された内開き戸を有する。フロント外壁の下端が床の前端に接合され、フロント外壁が床の前端において立てられている。一例では、家屋20が木質パネル接着工法によって組み立てられた木造家屋である場合、リア外壁21、右サイド外壁22、フロント外壁及び左サイド外壁は、建設用木質パネルと、それに貼り付けられた外装材と、を有する。
【0027】
<4. 第1のトレーラーハウスの家屋の片流れ屋根>
片流れ屋根40は、リア外壁21、右サイド外壁22、フロント外壁及び左サイド外壁によって囲われた居住スペースの上からその居住スペースに覆い被さって、リア外壁21、右サイド外壁22、フロント外壁及び左サイド外壁の上端に設置されている。片流れ屋根40の後端、右端、前端及び左端がリア外壁21の上端、右サイド外壁22の上端、フロント外壁の上端及び左サイド外壁の上端にそれぞれ接合されている。片流れ屋根40の左端が片流れ屋根40の右端よりも高く、片流れ屋根40が右に向かって下りに傾斜する。片流れ屋根40は、棟を左端に有するとともに、軒を右端に有する。片流れ屋根40は、その最上層に、例えばアルミ亜鉛合金めっき鋼板からなる屋根材41を有する。一例では、家屋20が木質パネル接着工法によって組み立てられた木造家屋である場合、片流れ屋根40が建設用木質パネルを有し、建設用木質パネルが屋根材41によって被覆されている。他の一例では、片流れ屋根40がリア外壁21、右サイド外壁22、フロント外壁及び左サイド外壁によって囲われた領域に覆い被さる野地板を有し、野地板が屋根材41によって被覆されている。
【0028】
<5. 第2のトレーラーハウス>
第2のトレーラーハウス110はシャーシ111、家屋120、リア破風エクステンダー150及びフロント破風エクステンダーを備える。
図1において、このフロント破風エクステンダーは家屋20,120の背後に隠れているため、フロント破風エクステンダーが図示されていない。以下では、第1のトレーラーハウス10のシャーシ11を第1シャーシ11ともいい、第2のトレーラーハウス110のシャーシ111を第2シャーシ111ともいう。第1のトレーラーハウス10の家屋20を第1家屋20ともいい、第2のトレーラーハウス110の家屋120を第2家屋120ともいう。第1のトレーラーハウス10のリア破風エクステンダー50を第1リア破風エクステンダー50ともいい、第2のトレーラーハウス110のリア破風エクステンダー150を第2リア破風エクステンダー150ともいう。第1のトレーラーハウス10のフロント破風エクステンダーを第1フロント破風エクステンダーともいい、第2のトレーラーハウス110のフロント破風エクステンダーを第2フロント破風エクステンダーともいう。
【0029】
第2シャーシ111は第1シャーシ11と同様に設けられている。
【0030】
第2家屋120は、第1家屋20と同様に、床を底面に有し、リア外壁121を後面に有し、右サイド外壁122を右側面に有し、フロント外壁を前面に有し、左サイド外壁を左側面に有し、片流れ屋根140を上面に有する。以下では、第1家屋20の床を第1床ともいい、第2家屋120の床を第2床ともいう。第1家屋20のリア外壁21を第1リア外壁21ともいい、第2家屋120のリア外壁121を第2リア外壁ともいう。第1家屋20の右サイド外壁22を第1右サイド外壁22ともいい、第2家屋120の右サイド外壁122を第2右サイド外壁122ともいう。第1家屋20のフロント外壁を第1フロント外壁もいい、第2家屋120のフロント外壁を第2フロント外壁ともいう。第1家屋20の左サイド外壁を第1左サイド外壁もいい、第2家屋120の左サイド外壁を第2左サイド外壁ともいう。第1家屋20の左サイド外壁を第1左サイド外壁もいい、第2家屋120の左サイド外壁を第2左サイド外壁ともいう。第1家屋20の片流れ屋根40を第1片流れ屋根40もいい、第2家屋120の片流れ屋根140を第2片流れ屋根140ともいう。
【0031】
トレーラーハウス10,110が並列駐車されているため、第1左サイド外壁が第2右サイド外壁122に左右に対向する。第1左サイド外壁と同様に、第2右サイド外壁122は、連絡口としての開口を有するとともに、その開口に設置された内開き戸を有する。第2右サイド外壁の連絡口が第1左サイド外壁の連絡口に対向する。渡り床が第2右サイド外壁の連絡口の下縁から第1左サイド外壁の連絡口の下縁まで架設されている。渡り床は、トレーラーハウス10,110に固定されていないか、トレーラーハウス10,110に固定されていても工具を用いずにトレーラーハウス10,110から取り外し可能である。防雨フードが第2右サイド外壁の連絡口の周縁から第1左サイド外壁の連絡口の周縁まで架設されており、渡り床の上の空間が防雨フードによって包囲され、その空間が第2右サイド外壁の連絡口から第1左サイド外壁の連絡口までの通路になっている。防雨フードは、トレーラーハウス10,110に固定されていないか、トレーラーハウス10,110に固定されていても工具を用いずにトレーラーハウス10,110から取り外し可能である。
【0032】
第2のトレーラーハウス110の家屋120の外形は、第1のトレーラーハウス10の家屋20の外形に対して、前後及び上下に沿った鉛直な対称面に関して面対称である。そのため、第2左サイド外壁は第1右サイド外壁22の高さと等しい高さを有し、第2右サイド外壁122は第1左サイド外壁の高さと等しい高さを有する。第2片流れ屋根140の右端が第2片流れ屋根140の左端よりも高く、第2片流れ屋根140が左に向かって下りに傾斜する。第2片流れ屋根140は、第1片流れ屋根40の棟と同じ高さに設定された棟を右端に有する。トレーラーハウス10,110が並列駐車されているため、片流れ屋根40,140の組み合わせはあたかも切妻屋根のように見える。
【0033】
<6. ケラバ及び破風エクステンダー>
図2~
図5を参照して、片流れ屋根40,140の後ろの妻側の端部について詳細に説明する。
図2~
図4は
図1に示す領域IIの拡大図である。
図2は、領域IIを斜め下から見上げた斜視図である。
図3及び
図4は、領域IIの背面図である。
図5は、
図3に示すV-V線に沿った面を矢印方向に見て示す断面図である。
図3及び
図4において、符号24は第1左サイド外壁を示す。
【0034】
図5に示すように、第1片流れ屋根40は、その後ろの妻側の端部に第1リアケラバ42を有する。第1リアケラバ42の出は殆ど無いか、僅かである。つまり、第1リアケラバ42は、第1リア外壁21の後面から殆ど張り出していないか、第1リア外壁21の後面から後ろに僅かに張り出している。第1片流れ屋根40は、第1リアケラバ42を被覆する第1リアケラバカバー43を有する。
図2及び
図3に示すように、第1リアケラバ42及び第1リアケラバカバー43は、第1片流れ屋根40と同様に、右に向かって下りに傾斜する。
【0035】
第1リアケラバカバー43は、アルミ亜鉛合金めっき鋼板等のような金属プレートからなるとともに、プレス加工等によって形状加工されている。
図5に示すように、第1リアケラバカバー43はアッパーカバー44、フランジ45、破風板46及び返し47を有する。アッパーカバー44は、第1リアケラバ42の上面の後縁に沿って延びるよう薄板状に成している。アッパーカバー44は、第1リアケラバ42の上面を被覆する。フランジ45は、アッパーカバー44から連続してアッパーカバー44の後ろに設けられている。フランジ45は、第1リアケラバ42の上面の後縁から後ろに延びている。フランジ45は、その後端において折り返されている。そのため、フランジ45は、上片と下片からなるように二重に設けられている。破風板46は、フランジ45の下片の前縁から下に曲げられている。破風板46は、第1リアケラバ42の後ろ妻側端面を被覆する。破風板46は、第1リアケラバ42の下面よりも下に張り出している。返し47は、破風板46の下端において折り返されている。なお、第1片流れ屋根40の屋根材41は、アッパーカバー44及びフランジ45を被覆して、フランジ45の後端において折り返されている。
【0036】
図2及び
図3に示すように、第1リア破風エクステンダー50は、第1リアケラバカバー43の上及び後ろから第1リアケラバ42の棟側部分に装着されている。第1リア破風エクステンダー50は、第1リアケラバ42を第2家屋120の方へ斜め上に延長させるよう、第1リアケラバ42の棟側の端から左斜め上に張り出している。第1リア破風エクステンダー50は右に向かって下りに傾斜する。第1リア破風エクステンダー50は、第1片流れ屋根40の傾斜に沿って第1リアケラバ42及び第1リアケラバ-43に対して相対的にスライド可能である。従って、
図4に示すように、第1リア破風エクステンダー50は、第1リアケラバ42の棟側の端よりも軒の方へ引き込み可能である。
【0037】
突起等のような抜け防止ストッパー及び過剰引き込み防止ストッパーが第1リアケラバカバー43に設けられており、第1リア破風エクステンダー50のスライド範囲が抜け防止ストッパー及び過剰引き込み防止ストッパーによって設定されている。第1リアケラバ42の棟側の端からの第1リア破風エクステンダー50の張り出し長さが最大であると、第1リア破風エクステンダー50が抜け防止ストッパーに当たる。抜け防止ストッパーが第1リア破風エクステンダー50のそれ以上の張り出しを制限することから、第1リアケラバカバー43からの第1リア破風エクステンダー50の取り外れが防止される。第1リア破風エクステンダー50の全体が第1リアケラバ42の棟側の端よりも軒の方へ引き込むと、第1リア破風エクステンダー50が過剰引き込み防止ストッパーに当たる。過剰引き込み防止ストッパーが第1リア破風エクステンダー50のそれ以上の軒の方への移動を制限する。
【0038】
第1リア破風エクステンダー50は、アルミ亜鉛合金めっき鋼板等のような金属プレートからなるとともに、プレス加工等によって形状加工されている。
図5に示すように、第1リア破風エクステンダー50はアッパーカバー51、フランジ52、破風板53及び返し54を有する。アッパーカバー51は、第1リアケラバ42の上面の後縁に沿って延びるよう薄板状に成している。アッパーカバー51は、第1リアケラバ42の上面において、第1リアケラバカバー43のアッパーカバー44及び屋根材41に積み重ねられている。第1リアケラバカバー43はその前端に折り返されており、この折り返しは第1リアケラバカバー43を補強する。フランジ52は、アッパーカバー51から連続してアッパーカバー51の後ろに設けられている。フランジ52は、第1リアケラバ42の上面の後縁から後ろに延びている。フランジ52は、その後端において折り返されている。そのため、フランジ52は、上片と下片からなるように二重に設けられているとともに、上片と下片の間に中空を有する。フランジ52の中空には、第1リアケラバカバー43のフランジ45が差し込まれている。破風板53は、フランジ52の下片の前縁から下に曲げられている。破風板53は、第1リアケラバカバー43の破風板46に重ねられている。返し54は、破風板53の下端において折り返されている。返し54が第1リアケラバカバー43の返し47に引っ掛かり、第1リアケラバカバー43の返し47と破風板46の成す角が、第1リア破風エクステンダー50の返し54と破風板46の成す角に嵌まっている。
【0039】
第1リア破風エクステンダー50と第1リアケラバカバー43の一体感が高まるように、第1リア破風エクステンダー50と第1リアケラバカバー43が同色であってよい。第1リア破風エクステンダー50及び第1リアケラバカバー43のみならず、屋根材41、リア外壁21、右サイド外壁22、フロント外壁及び左サイド外壁24の外装材も同色であってもよい。
【0040】
太陽光等が第1家屋20と第2家屋120の間の隙間に差し込まず、その隙間に影が形成されることから、第1リア破風エクステンダー50が黒色又は焦げ茶のように暗色であると、第1リア破風エクステンダー50が第1家屋20と第2家屋120の間の隙間と一体であるように見える。第1リア破風エクステンダー50が暗色であれば、第1リアケラバカバー43が暗色であってもよい。
【0041】
図2~
図4に示すように、第1片流れ屋根40が第1リアケラバ42を有するのと同様に、第2片流れ屋根140はその後ろの妻側の端部に第2リアケラバ142を有する。第1片流れ屋根40が第1リアケラバカバー43を有するのと同様に、第2片流れ屋根140は、第2リアケラバ142を被覆する第2リアケラバカバー143を有する。トレーラーハウス10,110が並列駐車されているため、第2リアケラバカバー143は、第1リアケラバカバー43に対して、前後及び上下に沿った鉛直な対称面に関して面対称である。従って、第1リアケラバカバー43がアッパーカバー44、フランジ45、破風板46及び返し47を有するのと同様に、第2リアケラバカバー143はアッパーカバー、フランジ145、破風板146及び返しを有する。第1リア破風エクステンダー50が第1リアケラバ42の棟側部分に装着されているのと同様に、第2リア破風エクステンダー150が第2リアケラバ142の棟側部分に装着されている。トレーラーハウス10,110が並列駐車されているため、第2リア破風エクステンダー150は、第1リア破風エクステンダー50に対して、前後及び上下に沿った鉛直な対称面に関して面対称である。そのため、第1リア破風エクステンダー50がアッパーカバー51、フランジ52、破風板53及び返し54を有するのと同様に、第2リア破風エクステンダー150がアッパーカバー、フランジ152、破風板153及び返しを有する。
【0042】
第2リア破風エクステンダー150は、第2リアケラバ142を第1家屋20の方へ斜め上に延長させるよう、第2リアケラバ142の棟側の端から右斜め上に張り出している。第2リア破風エクステンダー150は左に向かって下りに傾斜する。このように張り出した第2リア破風エクステンダー150は、第1片流れ屋根40と第2片流れ屋根140の間の隙間において、同様に張り出した第1リア破風エクステンダー50と部分的に前後に重なっている。張り出したリア破風エクステンダー50,150は、第1片流れ屋根40と第2片流れ屋根140の間の隙間を隠す。そのため、リア破風エクステンダー50,150は、片流れ屋根40,140の組み合わせが切妻屋根のように見えることに貢献する。
【0043】
第2リア破風エクステンダー150は第1リア破風エクステンダー50に固定されていない。第2リア破風エクステンダー150が第1リア破風エクステンダー50に当接してもよいし、第2リア破風エクステンダー150と第1リア破風エクステンダー50の間に隙間が存在してもよい。
【0044】
第2リア破風エクステンダー150と第2リアケラバカバー143が同色であってよい。第2リア破風エクステンダー150及び第2リアケラバカバー143のみならず、第2家屋120の屋根材、リア外壁121、右サイド外壁122、フロント外壁及び左サイド外壁の外装材も同色であってもよい。第2リア破風エクステンダー150と第1リア破風エクステンダー50が同色であってよい。第2リア破風エクステンダー150及び第1リア破風エクステンダー50のみならず、第1リアケラバカバー43及び第2リアケラバカバー143が同色であってよい。第2リア破風エクステンダー150及びリアケラバカバー143が黒色又は焦げ茶のように暗色であってもよい。
【0045】
太陽光等が第1家屋20と第2家屋120の間の隙間に差し込まず、その隙間に影が形成されることから、第1リア破風エクステンダー50が黒色又は焦げ茶のように暗色であると、第1リア破風エクステンダー50が第1家屋20と第2家屋120の間の隙間と一体であるように見える。第1リア破風エクステンダー50が暗色であれば、第1リアケラバカバー43が暗色であってもよい。
【0046】
第2リア破風エクステンダー150は、第2片流れ屋根140の傾斜に沿って第2リアケラバ142及び第2リアケラバカバー143に対して相対的にスライド可能である。従って、
図4に示すように、第2リア破風エクステンダー150は、第2リアケラバ142の棟側の端よりも軒の方へ引き込み可能である。第1リア破風エクステンダー50のスライド範囲が抜け防止ストッパー及び過剰引き込み防止ストッパーによって設定されているのと同様に、第2リア破風エクステンダー150のスライド範囲も設定されている。
【0047】
第1片流れ屋根40の前の妻側に設けられた第1フロントケラバ、第1フロントケラバカバー及び第1フロント破風エクステンダーは、それぞれ第1片流れ屋根40の後ろの妻側に設けられた第1リアケラバ42、第1リアケラバカバー43及び第1リア破風エクステンダー50に対して、左右及び上下に沿った鉛直な中心面に関して面対称に設けられている。第2片流れ屋根140の前の妻側に設けられた第2フロントケラバ、第2フロントケラバカバー及び第2フロント破風エクステンダーは、それぞれ第2片流れ屋根140の後ろの妻側に設けられた第2リアケラバ142、第2リアケラバカバー143及び第2リア破風エクステンダー150に対して、左右及び上下に沿った鉛直な中心面に関して面対称に設けられている。そのため、家屋20,120の正面から見ても、第1及び第2のフロント破風エクステンダーは、片流れ屋根40,140の組み合わせが切妻屋根のように見えることに貢献する。
【0048】
<7. まとめ>
(1) 第1及び第2のトレーラーハウス10,110が並列駐車されており、トレーラーハウス10,110の家屋20,120が隣り合って配置され、家屋20,120の片流れ屋根40,140が隣り合って配置されている。第1片流れ屋根40が第2家屋120から離れる方に向かって下りに傾斜し、第2家屋120の第2片流れ屋根140が第1家屋20から離れる方に向かって下りに傾斜する。このような片流れ屋根40,140の組み合わせは切妻屋根のように見える。
【0049】
(2) 第1リア破風エクステンダー50が第1片流れ屋根40の妻側且つ棟側の端部に装着されている。第1リア破風エクステンダー50が第1片流れ屋根40の妻側の第1リアケラバ42を第2家屋120の方に斜め上に延長させるよう第1リアケラバ42の棟側の端から張り出している。同様に、第2リア破風エクステンダー150が第2片流れ屋根140の妻側の第2リアケラバ142を第1家屋20の方に斜め上に延長させるよう第2リアケラバ142の棟側の端から張り出している。これらのリア破風エクステンダー50,150が第1片流れ屋根40と第2片流れ屋根140の間の隙間において部分的に重なっているため、第1片流れ屋根40の第1リアケラバ42と第2片流れ屋根140の第2リアケラバ142が山型に連なっているように見える。このことは、片流れ屋根40,140の組み合わせが切妻屋根のように見えることに寄与する。
【0050】
(3) 第1片流れ屋根40が第1リアケラバ42の妻側の端面を被覆する破風板46を有し、第1リア破風エクステンダー50が破風板46に重ねられている。第2片流れ屋根140が第2リアケラバ142の妻側の端面を被覆する破風板146を有し、第2リア破風エクステンダー150が破風板146に重ねられている。これらリア破風エクステンダー50,150及び破風板46,146は、片流れ屋根40,140の組み合わせが切妻屋根のように見えることに寄与する。
【0051】
(4) 第1リア破風エクステンダー50と破風板46が同じ色であるため、第1リア破風エクステンダー50と破風板46の一体感が増す。第2リア破風エクステンダー150と破風板146が同じ色であるため、第2リア破風エクステンダー150と破風板146の一体感が増す。このことは、片流れ屋根40,140の組み合わせが切妻屋根のように見えることに寄与する。リア破風エクステンダー50,150と破風板46,146の全てが同じ色であれば、これらの一体感がより増す。
【0052】
(5) リア破風エクステンダー50,150が黒色又は焦げ茶のように暗色であるため、リア破風エクステンダー50,150が片流れ屋根40,140の間の隙間と一体であるに見える。よって、片流れ屋根40,140の組み合わせが切妻屋根のように見える。
【0053】
(6) 第1リア破風エクステンダー50が第1片流れ屋根40の傾斜に沿って第1ケラバ42に対して相対的にスライド可能に設けられており、その第1リア破風エクステンダー50が第1リアケラバ42の棟側の端から第1片流れ屋根40の軒の方へ引き込むと、第1リア破風エクステンダー50の延出が解消される。第2フロント破風エクステンダーについても同様である。よって、第1のトレーラーハウス10が公道で牽引される際に、第1リア破風エクステンダー50及び第2フロントエクステンダーが走向の支障にならない。特に、引き込んだ第1リア破風エクステンダー50及び第2フロントエクステンダーは、公道における車幅制限に抵触しない。同様に、第2リア破風エクステンダー150及び第2フロント破風エクステンダーが引き込むと、第2のトレーラーハウスが公道で牽引される際に、第2リア破風エクステンダー150及び第2フロント破風エクステンダーが走向の支障にならない。
【0054】
(7) 木材の生産から廃棄及び処分までに使用されるエネルギーは、金属材料又はコンクリート材の生産から廃棄及び処分までに使用されるエネルギーよりも少ない。そのため、家屋20,120が木造家屋であれば、家屋20,120を有するトレーラーハウス10,110は、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現と、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の達成とに貢献する。
【0055】
(8) 以上に開示の実施形態は、図示及び例のみを目的として作成されたものであって、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の用語によって解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0056】
1 居住設備
10 第1のトレーラーハウス
11 第1シャーシ
20 第1家屋
40 第1片流れ屋根
42 第1リアケラバ
46 第1破風板
50 第1リア破風エクステンダー
110 第2のトレーラーハウス
111 第2シャーシ
120 第2家屋
140 第2片流れ屋根
142 第2リアケラバ
146 第2破風板
150 第2リア破風エクステンダー
【要約】
【課題】本発明の目的は、並列駐車されるトレーラーハウスの片流れ屋根の組み合わせが本物の切妻屋根に見えるような技術を提供することである。
【解決手段】居住設備1は、隣り合って駐車されるトレーラーハウス10,110を備える。トレーラーハウス10がシャーシ11、家屋20及び破風エクステンダー50を備える。トレーラーハウス110がシャーシ111、家屋120及び破風エクステンダー150を備える。家屋20の片流れ屋根40が家屋120から離れる方に向かって下りに傾斜する。家屋120の片流れ屋根140が家屋20から離れる方に向かって下りに傾斜する。破風エクステンダー50が片流れ屋根40のケラバ42の棟側の端から張り出し、破風エクステンダー50が片流れ屋根140のケラバ142の棟側の端から張り出す。破風エクステンダー50が破風エクステンダー150と部分的に重なっている。
【選択図】
図1