(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】浄水器
(51)【国際特許分類】
C02F 1/00 20230101AFI20250508BHJP
B01D 27/08 20060101ALI20250508BHJP
E03C 1/10 20060101ALI20250508BHJP
【FI】
C02F1/00 B
B01D27/08
E03C1/10
(21)【出願番号】P 2021065025
(22)【出願日】2021-04-06
【審査請求日】2024-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】506267662
【氏名又は名称】藤田 吉美
(74)【代理人】
【識別番号】100143085
【氏名又は名称】藤飯 章弘
(72)【発明者】
【氏名】藤田 吉美
【審査官】黒木 花菜子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3230598(JP,U)
【文献】特開2007-083209(JP,A)
【文献】特開2004-082982(JP,A)
【文献】特開2001-295929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00
E03C 1/10
B01D 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流し台の天板に形成される天板開口に挿入され、上部を固定した状態で収納庫内に向けて垂直に取り付けが可能な被処理水を浄化する浄水器であって、ケーシングと前記ケーシングに内蔵されるカートリッジとを備えており、
前記ケーシングは、蓋部とケーシング本体とからなり、前記ケーシング本体は前記天板開口の周囲の天板上面領域に当接可能な環状のケーシング本体鍔を有し、前記ケーシング本体は前記カートリッジの挿入・抜去を行うための開口を上方に備えた有
底筒状で、前記ケーシングに前記被処理水が流入するための被処理水流入接続部及び前記カートリッジを接続するためのケーシング本体側被処理水流出接続部を底部に備え、
前記カートリッジは被処理水流入部や濾過体を有し、前記ケーシング本体側被処理水流出接続部に接続されるカートリッジ側被処理水流出接続部を有し、
前記ケーシング本体側被処理水流出接続部と前記カートリッジ側被処理水流出接続部とは、一方が他方に挿入されて接続されており、
前記ケーシング本体鍔は、第1の箇所及び該第1の箇所と対極にある第2の箇所にそれぞれ設けられるボルト挿通用の第1貫通孔及び第2貫通孔を備えており、
前記天板上面領域との間に設置される平パッキンに対向する環状の前記ケーシング本体鍔の下面は、前記第1の箇所及び前記第2の箇所を両端部とした場合において、当該両端部から周方向中間部に向けて徐々に下方側に凸となるような湾曲面状に形成されていることを特徴とする浄水器。
【請求項2】
前記蓋部は、前記ケーシング本体鍔に当接する
筒状の側壁部と、
該側壁部の下方端に接続し前記ケーシング本体鍔の上面側に当接する蓋鍔とを備えており、
前記蓋鍔は、前記第1の箇所近傍に配置され、前記ケーシング本体鍔に固定するためのボルトが挿通する貫通孔が形成される第1鍔領域と、前記第2の箇所近傍に配置され、前記ケーシング本体鍔に固定するためのボルトが挿通する貫通孔が形成される第2鍔領域とを備えており、
前記側壁部の下方端は、前記第1鍔領域との接続箇所及び前記第2鍔領域との接続箇所を両端部とした場合において、当該両端部から周方向中間部に向けて徐々に下方側に凸となるような湾曲状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記蓋部は、前記ケーシング本体の上方に形成される前記開口を塞ぐ蓋上面部を備えており、
前記ケーシング本体の前記開口の開口縁と前記蓋上面部とは平パッキンを間に挟んで当接しており、
前記平パッキンに当接する前記開口の開口縁は、前記蓋部が備える前記第1鍔領域に隣接する部分及び前記第2鍔領域に隣接する部分を両端部とした場合において、当該両端部から周方向中間部に向けて徐々に上方側に凸となるような湾曲状に形成されていることを特徴とする請求項
2に記載の浄水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から水道水には殺菌用の塩素添加が義務づけられており、これにより水道水が雑菌により汚染される懸念は少ないが、カルキ臭により水の味は損なわれていた。また、この塩素と水道水中に含まれるフミン質などの有機物質とが反応することにより、発ガン性を有するトリハロメタンが水道水中に生成することも確認されている。更に、近年の河川、湖沼の汚染等により、これらを原水とする水道水中には、カビ臭原因物質が微量成分として含まれていることも確認されている。そこで、これらの水の味を損ねる物質や有害物質を除去するために、浄水器が広く使用されている。
【0003】
このような浄水器としては、例えば、流し台の天板に形成される天板開口に挿入され、上部を固定した状態で収納庫内に向けて垂直に取り付けが可能な被処理水を浄化する浄水器が知られている。この浄水器は、ケーシングとケーシングに内蔵されるカートリッジとを備えており、ケーシングは、蓋部とケーシング本体とからなり、ケーシング本体は天板開口の周囲の天板上面領域に当接可能な環状のケーシング本体鍔を有し、ケーシング本体はカートリッジの挿入・抜去を行うための開口を上方に備えた有低筒状で、ケーシングに被処理水が流入するための被処理水流入接続部及びカートリッジを接続するためのケーシング本体側被処理水流出接続部を底部に備えて構成される。カートリッジは被処理水流入部や濾過体を有し、ケーシング本体側被処理水流出接続部に接続されるカートリッジ側被処理水流出接続部を有し、ケーシング本体側被処理水流出接続部とカートリッジ側被処理水流出接続部とは、一方が他方に挿入されて接続されて構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような浄水器においては、ケーシング本体が有する鍔部と天板との間に平パッキンを配設するようにして、例えば、対極位置に設けられるボルト・ナット等の固定手段によりケーシング本体の鍔部と天板とを締め付けて、平パッキンに押圧負荷を与えることにより、天板上の水が、ケーシング本体の鍔部と天板との隙間を通って、流し台下方の収納庫内に漏れ出ることを防止している。しかしながら、ボルト・ナット等の固定手段同士の距離が長くなると、平パッキンへの押圧負荷が弱くなってしまう部分が発生し、平パッキンによる水漏れ防止効果が弱まって、ケーシング本体の鍔部と天板との隙間を通って、流し台下方の収納庫内に水が漏れ出てしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、天板上の水が、ケーシング本体の鍔部と天板との隙間を通って、流し台下方の収納庫内に漏れ出ることを効果的に防止することができる浄水器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、流し台の天板に形成される天板開口に挿入され、上部を固定した状態で収納庫内に向けて垂直に取り付けが可能な被処理水を浄化する浄水器であって、ケーシングと前記ケーシングに内蔵されるカートリッジとを備えており、前記ケーシングは、蓋部とケーシング本体とからなり、前記ケーシング本体は前記天板開口の周囲の天板上面領域に当接可能な環状のケーシング本体鍔を有し、前記ケーシング本体は前記カートリッジの挿入・抜去を行うための開口を上方に備えた有低筒状で、前記ケーシングに前記被処理水が流入するための被処理水流入接続部及び前記カートリッジを接続するためのケーシング本体側被処理水流出接続部を底部に備え、前記カートリッジは被処理水流入部や濾過体を有し、前記ケーシング本体側被処理水流出接続部に接続されるカートリッジ側被処理水流出接続部を有し、前記ケーシング本体側被処理水流出接続部と前記カートリッジ側被処理水流出接続部とは、一方が他方に挿入されて接続されており、 前記ケーシング本体鍔は、第1の箇所及び該第1の箇所と対極にある第2の箇所にそれぞれ設けられるボルト挿通用の第1貫通孔及び第2貫通孔を備えており、前記天板上面領域との間に設置される平パッキンに対向する環状の前記ケーシング本体鍔の下面は、前記第1の箇所及び前記第2の箇所を両端部とした場合において、当該両端部から周方向中間部に向けて徐々に下方側に凸となるような湾曲面状に形成されていることを特徴とする浄水器により達成される。
【0007】
このような浄水器において、前記蓋部は、前記ケーシング本体鍔に当接する蓋部当接周縁部と、該蓋部当接周縁部に接続し前記ケーシング本体鍔の上面側に当接する蓋鍔とを備えており、前記蓋鍔は、前記第1の箇所近傍に配置され、前記ケーシング本体鍔に固定するためのボルトが挿通する貫通孔が形成される第1鍔領域と、前記第2の箇所近傍に配置され、前記ケーシング本体鍔に固定するためのボルトが挿通する貫通孔が形成される第2鍔領域とを備えており、蓋部当接周縁部は、前記第1鍔領域との接続箇所及び前記第2鍔領域との接続箇所を両端部とした場合において、当該両端部から周方向中間部に向けて徐々に下方側に凸となるような湾曲状に形成されていることが好ましい。
【0008】
また、前記蓋部は、前記ケーシング本体の上方に形成される前記開口を塞ぐ蓋上面部を備えており、前記ケーシング本体の前記開口の開口縁と前記蓋上面部とは平パッキンを間に挟んで当接しており、前記平パッキンに当接する前記開口の開口縁は、前記蓋部が備える前記第1鍔領域に隣接する部分及び前記第2鍔領域に隣接する部分を両端部とした場合において、当該両端部から周方向中間部に向けて徐々に上方側に凸となるような湾曲状に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、天板上の水が、ケーシング本体の鍔部と天板との隙間を通って、流し台下方の収納庫内に漏れ出ることを効果的に防止することができる浄水器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る浄水器を天板開口に挿入し天板に取り付けた状態を示すがいる約構成断面図である。
【
図2】本発明に係る浄水器が備えるケーシング本体の概略構成断面図である。
【
図3】本発明に係る浄水器が備えるケーシング本体の平面図である。
【
図4】本発明に係る浄水器が備えるケーシング本体の底面図である。
【
図5】本発明に係る浄水器が備えるケーシング本体の側面図である。
【
図7】本発明に係る浄水器が備える蓋部の概略構成断面図である。
【
図8】本発明に係る浄水器が備える蓋部の平面図である。
【
図9】本発明に係る浄水器が備える蓋部の側面図である。
【
図10】本発明に係る浄水器が備える蓋部の底面図である。
【
図12】本発明に係る浄水器が備える蓋部の変形例を示す概略構成断面図である。
【
図13】本発明に係る浄水器が備える蓋部の変形例を示す平面図である。
【
図14】本発明に係る浄水器が備える蓋部の変形例を示す側面図である。
【
図15】本発明に係る浄水器が備える蓋部の変形例を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る浄水器について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る被処理水を浄化する浄水器1を、流し台Zの天板100に形成される天板開口101に挿入し、上部を固定した状態で収納庫102内に向けて垂直に取り付けた状態を示す概略構成断面図である。
【0012】
この浄水器1は、ケーシング2とケーシング2に内蔵されるカートリッジ3とを備えて構成される。ケーシング2は、ケーシング本体4と蓋部5とを備えている。
【0013】
ケーシング本体4は、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属材料、合成樹脂素材(例えば、ABS樹脂やPBT樹脂等)等の材料により形成されている。このケーシング本体4は、
図2の概略構成断面図や、
図3の平面図に示すように、カートリッジ3の挿入・抜去を行うための開口4aを上方に備えた平面視長楕円状の有低筒状に形成されており、流し台Zに形成される天板開口101の周囲の天板100上面領域に当接可能な環状のケーシング本体鍔41を上部に備えている。また、
図2や
図4の底面図、
図5の側面図に示すように、ケーシング2に被処理水を流入させるための被処理水流入接続部42及びカートリッジ3を接続するためのケーシング本体側被処理水流出接続部43を底部に備えて構成される。
【0014】
また、ケーシング本体鍔41は、天板100(天板開口101の周囲の天板100上面領域に)との間に平パッキン10を介在させた状態で天板100上に載置される部位であり、平面視長楕円状の環状体として形成されている。このケーシング本体鍔41は、第1の箇所44及び該第1の箇所44と対極にある第2の箇所45にそれぞれ設けられるボルト挿通用の第1貫通孔46及び第2貫通孔47を備えている。本実施形態においては、平面視長楕円状に形成されるケーシング本体鍔41の長軸上に位置する2つの領域R1,R2の一方を第1の箇所44とし、他方を第2の箇所45としている。また、ケーシング本体鍔41には、第1貫通孔46に隣接して蓋部5が有する蓋鍔53との固定用の雌ネジ孔48が形成され、第2貫通孔47に隣接して蓋部5が有する蓋鍔53との固定用の雌ネジ孔49が形成されている。
【0015】
また、
図4や
図6の要部拡大側面図に示すように、天板100上面領域との間に設置される平パッキン10に対向する環状のケーシング本体鍔41の下面41aは、第1の箇所44及び第2の箇所45を両端部とした場合において、当該両端部から周方向中間部R3に向けて徐々に下方側に凸となるような湾曲面状に形成されている。
【0016】
また、ケーシング2が備える蓋部5は、ケーシング本体4の上部に設けられる開口4aを閉塞する部材であり、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属材料、合成樹脂素材(例えば、ABS樹脂やPBT樹脂等)等の材料により形成されている。この蓋部5は、
図7~
図10に示すように、ケーシング本体4の上方に形成される開口4aに対向し、当該開口4aを塞ぐプレート状の蓋上面部51と、当該蓋上面部51の周縁部に接続し、下方に向かって伸びる筒状の側壁部52とを備えている。ここで、
図7は蓋部5の概略構成断面図であり、
図8は蓋部5の平面図である。
図9は蓋部5の側面図であり、
図10は蓋部5の底面図である。また、側壁部52の下方端52aにおいては、当該下方端52aに接続する蓋鍔53を備えている。蓋鍔53は、側壁部52の下方端52aにおいて、当該側壁部52の周方向に沿って延在するようにして形成されている。つまり、蓋鍔53は、平面視長楕円状の環状体として構成されている。この蓋鍔53は、ケーシング本体鍔41の上面側に当接可能に形成されている。また、筒状の側壁部52の下方端52aは、ケーシング本体鍔41に当接する蓋部当接周縁部を構成する。また、蓋鍔53は、ケーシング本体鍔41における第1の箇所44近傍に配置され、ケーシング本体鍔41に固定するためのボルトが挿通する貫通孔54が形成される第1鍔領域55と、第2の箇所45近傍に配置され、ケーシング本体鍔41に固定するためのボルトが挿通する貫通孔56が形成される第2鍔領域57とを備えている。本実施形態においては、平面視長楕円状に形成される蓋鍔53の長軸上に位置する2つの領域R4,R5の一方を第1鍔領域55とし、他方を第2鍔領域57としている。
【0017】
また、ケーシング2に内蔵されるカートリッジ3は、
図1に示されるように、有底筒上のカートリッジ本体31、被処理水流入部32、濾過体33、ケーシング本体側被処理水流出接続部43に接続されるカートリッジ側被処理水流出接続部34を有して構成されている。ケーシング本体側被処理水流出接続部43とカートリッジ側被処理水流出接続部34とは、一方が他方に挿入されて接続されるように構成されている。被処理水流入部32は、カートリッジ本体31の上部開口を意味し、当該被処理水流入部32(上部開口)には、不織布35(あるいは金属製又は樹脂製のメッシュ)が配置されている。濾過体33はカートリッジ本体31の内部に収容されている。また、カートリッジ本体31の底部に、筒状のカートリッジ側被処理水流出接続部34が設けられている。また、カートリッジ本体31とケーシング本体4との間には隙間が形成されており、ケーシング本体4が有する被処理水流入接続部42を介して被処理水をケーシング本体4内に導き入れ、この導き入れられた被処理水は、カートリッジ本体31とケーシング本体4との間に形成される隙間を通過して、ケーシング本体4の上部に達し、被処理水流入部32に配設される不織布35(あるいは金属製又は樹脂製のメッシュ)を通過してカートリッジ本体31内に流入する。カートリッジ本体31内に流入した被処理水は、濾過体33を通過する際に有害物質や臭気成分等が除去され、カートリッジ本体31の底部に設けられるカートリッジ側被処理水流出接続部34およびケーシング本体4に設けられるケーシング本体側被処理水流出接続部43を介して浄水器1外に導かれる。ケーシング本体側被処理水流出接続部43は、別途配管に接続されており、浄水器1を通過し浄化された被処理水は、飲料水等に使用される。
【0018】
本発明においては、天板100上面領域との間に設置される平パッキン10に対向する環状のケーシング本体鍔41の下面41aに関し、第1の箇所44及び第2の箇所45を両端部とした場合において、当該両端部から周方向中間部R3に向けて徐々に下方側に凸となるような湾曲面状に形成されているため、第1の箇所44及び第2の箇所45に設けられるボルト挿通用の貫通孔46,47にボルトを上方から下方に向けて挿入し、天板100の下側からナットを該ボルトに螺合することにより、ケーシング本体鍔41と天板100とを締め付けてケーシング本体4を天板100上に設置する際に、ボルト・ナットによって固定される部分から最も遠い周方向中間部R3においても平パッキン10に強い押圧負荷を与えることができる。これにより、天板100上の水が、ケーシング本体鍔41と天板100との隙間を通って、流し台Zの下方にある収納庫102内に漏れ出ることを効果的に防止することが可能となる。
【0019】
以上、本発明に係る浄水器1の実施形態について説明したが、浄水器1の具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、
図11の要部拡大断面図に示すように、ケーシング本体4の開口4aの開口縁と蓋上面部51との間に平パッキン11を間に挟んで両者を押圧させることにより、ケーシング本体4の開口4aの開口縁と蓋上面部51との間からの水漏れを防止する構成を採用する際に、平パッキン11に当接する開口4aの開口縁の形状として、
図3や
図5、
図6に示すように、蓋部5が備える第1鍔領域55に隣接する部分61及び第2鍔領域57に隣接する部分62を両端部とした場合において、当該両端部から周方向中間部R6に向けて徐々に上方側に凸となるような湾曲状に形成してもよい。このような構成を採用することにより、蓋部5の蓋鍔53に形成される貫通孔54,56を介してボルトをケーシング本体鍔41に形成される雌ネジ孔48,49に螺合し、蓋部5をケーシング本体4の上部に締め付け固定する際に、ケーシング本体4の開口4aの開口縁と蓋上面部51との間に介在される平パッキン11に強い押圧負荷が与えられることとなり、蓋部5がケーシング本体鍔41にボルト固定される部分から最も遠い周方向中間部R6において、ケーシング本体4の開口4aの開口縁と蓋上面部51との間から水が漏れ出ることを効果的に防止することができる。
【0020】
また、
図11に示すように、蓋部5が有する筒状の側壁部52の下方端52a(蓋部当接周縁部)とケーシング本体鍔41との間にDリング12(又は平パッキン)を間に挟んで両者を押圧させることにより、ケーシング本体鍔41と蓋鍔53との間から水漏れを防止する構成を採用する際において、Dリング12(又は平パッキン)に当接する蓋部5が有する筒状の側壁部52の下方端52a(蓋部当接周縁部)の形状として、
図7や
図9,
図10に示すように、第1鍔領域55と蓋部当接周縁部52aとの接続箇所65及び第2鍔領域57と蓋部当接周縁部52aとの接続箇所66を両端部とした場合において、当該両端部から周方向中間部R7に向けて徐々に下方側に凸となるような湾曲状に形成してもよい。このような構成を採用することにより、蓋部5の蓋鍔53に形成される貫通孔を介してボルトをケーシング本体鍔41に形成される雌ネジ孔に螺合し、蓋部5をケーシング本体4の上部に締め付け固定する際に、ケーシング本体鍔41と蓋部当接周縁部との間に介在されるDリング12(又は平パッキン)には強い押圧負荷が与えられることとなり、蓋部5がケーシング本体鍔41にボルト固定される部分から最も遠い周方向中間部R7において、ケーシング本体鍔41と蓋部当接周縁部との間から水が漏れ出ることを効果的に防止することができる。
【0021】
また、上記実施形態においては、蓋部5が備える蓋鍔53の形態として、平面視長楕円状の環状体として構成しているが、例えば、
図12~
図15に示すように、蓋鍔53の一部が側壁部52から外方に向けて突出しないような形態として構成してもよい。これら
図12~
図15に示す蓋部5の構成において、第1鍔領域55と第2鍔領域57とを両端部とした場合において、蓋鍔53の周方向中間領域部分R8が存在しないように構成されている。ここで、
図12は蓋部5の概略構成断面図であり、
図13は蓋部5の平面図である。
図14は蓋部5の側面図であり、
図15は蓋部5の底面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 浄水器
2 ケーシング
3 カートリッジ
4 ケーシング本体
41 ケーシング本体鍔
5 蓋部
53 蓋鍔