(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】車両の側部車体構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/02 20060101AFI20250508BHJP
B62D 25/08 20060101ALI20250508BHJP
B62D 25/04 20060101ALI20250508BHJP
【FI】
B62D25/02 B
B62D25/08 L
B62D25/04 D
(21)【出願番号】P 2021138889
(22)【出願日】2021-08-27
【審査請求日】2024-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】村岡 修二
(72)【発明者】
【氏名】長友 宏輔
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-138445(JP,A)
【文献】特開2018-138446(JP,A)
【文献】特開2004-256057(JP,A)
【文献】特開2005-170228(JP,A)
【文献】特開2005-186721(JP,A)
【文献】特開2013-049375(JP,A)
【文献】特開2013-049377(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0158567(US,A1)
【文献】中国実用新案第207128836(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-29/04
B60R 22/00-22/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後輪を支持するリアサスペンションと、
リアサスペンションを車両に取り付けるリアサスペンション取付部よりも上方において車両の側面を構成するサイドパネルと、
前記サイドパネルの車室内面に取り付けられるシートベルトリトラクタと、
前記サイドパネルと協働して上下に延びる閉断面を形成する骨格部材と、
前記サイドパネルに取り付けられる補強部材と、
を備える車両の側部車体構造であって、
前記補強部材は、
前記シートベルトリトラクタを取り付けるリトラクタ取付部と、
前記骨格部材の前記閉断面を上下に仕切る節部と、
振動減衰部材を介して前記サイドパネルと接合される振動減衰接合部とを備えるとともに、これらリトラクタ取付部、節部および振動減衰接合部に亘って連続する部材により一体又は一体的に構成された
車両の側部車体構造。
【請求項2】
前記リトラクタ取付部は前記振動減衰接合部より上方に設けられた
請求項1に記載の車両の側部車体構造。
【請求項3】
前記振動減衰接合部は、前記補強部材における、車両側面視で前記閉断面に相当する箇所に設けられた
請求項1又は2に記載の車両の側部車体構造。
【請求項4】
前記振動減衰接合部には、前記補強部材における、前記振動減衰部材を係合可能に周辺に対して車幅方向の内側および外側のうち、少なくとも一方に突出するとともに、前後方向に延びるビードが設けられた
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造。
【請求項5】
前記リトラクタ取付部は、前記骨格部材に対して前後方向に離間した位置に設けられ、
前記補強部材における、前記リトラクタ取付部と前記節部との前後方向の間において、車幅方向の曲げ入力に対して変形抑制可能に構成される高剛性部が設けられた
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造。
【請求項6】
前記高剛性部は、前記補強部材の前後方向に延びる縁部に形成されたフランジ部である
請求項5に記載の車両の側部車体構造。
【請求項7】
前記高剛性部は、前記サイドパネルの車室内面に固定されるストライカを前記補強部材に取り付けるストライカ取付部である
請求項5又は6に記載の車両の側部車体構造。
【請求項8】
前記ストライカ取付部を、車両前後方向において前記骨格部材よりも前記リトラクタ取付部に近接する箇所に設けられた後側ストライカ取付部とし、
前記ストライカは、前記後側ストライカ取付部と、前記閉断面と車両側面視で一致する箇所に設けられた前側ストライカ取付部とによって前記補強部材に固定され、
前記ストライカに備えたストライカ台座部は、前記後側ストライカ取付部と前記前側ストライカ取付部とに跨って設けられた
請求項7に記載の車両の側部車体構造。
【請求項9】
前記リトラクタ取付部は、前記シートベルトリトラクタの重心よりも前方部位を取り付ける前側リトラクタ取付部であり、
前記骨格部材および前記補強部材は、前記サイドパネルに対して車室外側に固定された
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両の側部車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、後輪を支持するリアサスペンションと、リアサスペンションの車体への取付部よりも上方に延びて車両の側面を構成するサイドパネルと、サイドパネルの車室内面に取り付けられるシートベルトリトラクタと、を備える車両の側部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
シートベルト装着用のリトラクタは、前方の取付部(前方取付部)と後方の取付部(後方取付部)とで車両の側面に固定される構造が知られている。
【0003】
このようなリトラクタは、車両側面よりも車幅方向内側へオフセットした位置に配置された状態で車両側面に対して片持ち状に固定される。このため、シートベルトがロックされるような衝突モードとなる衝突時に、リトラクタには、シートベルトからの前方への引張り荷重が入力される。これにより、車両の側面が前方取付部において車幅方向外側に入り込む変形が生じた場合には、後方取付部は、車両側面に対して車幅方向内側へ剥離するような破断が生じ易くなる。
【0004】
また、通常の車両走行時にリアサスペンションからの路面入力による振動が車両側面に沿ってリトラクタまで伝達されることにより、リトラクタに上下方向の振動が生じ、内部の機構から異音が生じるおそれがある。
【0005】
これらに課題対して、リトラクタ取付部周辺および車両後部の剛性を高めるため、リトラクタの車両側面に対する取付部周辺からCピラーリインフォース(12)に結合するように前方に延びる補強部材(リトラクタ取付リインフォース(40))を設けることが提案されている(下記特許文献1参照)。
【0006】
このように、リトラクタの車両側面への取付部に補強部材を設けることで、走行時のリトラクタの上下振動抑制と、衝突時のリトラクタの取付部の変形抑制に関して、ある程度の性能向上が期待できるが、これら両性能を高次元で満足するためには、補強部材の板厚や車両側面への取付部(締結部)が増加するなど、車体の質量や製造コストが増大するため、さらなる検討の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、車両走行時のリトラクタの上下振動の抑制と、衝突時のリトラクタ取付部の変形抑制とを、質量およびコストの増大を抑制しながら高次元で満足することができる車両の側部車体構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、後輪を支持するリアサスペンションと、リアサスペンションを車両に取り付けるリアサスペンション取付部よりも上方において車両の側面を構成するサイドパネルと、前記サイドパネルの車室内面に取り付けられるシートベルトリトラクタと、前記サイドパネルと協働して上下に延びる閉断面を形成する骨格部材と、前記サイドパネルに取り付けられる補強部材と、を備える車両の側部車体構造であって、前記補強部材は、前記シートベルトリトラクタを取り付けるリトラクタ取付部と、前記骨格部材の前記閉断面を上下に仕切る節部と、振動減衰部材を介して前記サイドパネルと接合される振動減衰接合部とを備えるとともに、これらリトラクタ取付部、節部および振動減衰接合部に亘って連続する部材により一体又は一体的に構成されたものである。
【0010】
前記構成によれば、リアサスペンションからの路面入力による振動(車両走行時に後輪からリアサスペンションを介してリアサスペンション取付部に入力される振動)が補強部材に伝達された際、その振動は、振動減衰接合部で減衰されるため、シートベルトリトラクタに伝達される振動が低減され、結果として、シートベルトリトラクタの上下振動を抑制できる。
【0011】
また、シートベルトがロックされるような衝突モードとなる衝突時に、シートベルトからリトラクタへの入力荷重に対しては、節部が骨格部材の断面内で支持することによりリトラクタ取付部の変形を抑制することができる。
【0012】
従って、車両走行時のリトラクタの上下振動の抑制と、衝突時のリトラクタ取付部の変形抑制とを、質量およびコストの増大を抑制しながら高次元で満足することができる。
【0013】
この発明の態様として、前記リトラクタ取付部は前記振動減衰接合部より上方に設けられた構成としてもよい。
【0014】
前記構成によれば、前記リアサスペンション取付部からサイドパネルに沿ってリトラクタ取付部へ伝達される振動エネルギー(振動)を、振動エネルギーの伝達経路の途中に有する振動減衰接合部によって効果的に抑制(減衰)することができる。
【0015】
この発明の態様として、前記振動減衰接合部は、前記補強部材における、車両側面視で前記閉断面に相当する箇所に設けられた構成としてもよい。
【0016】
前記構成によれば、サイドパネルに備えた前記骨格部材は、前記リアサスペンション取付部から上方へ振動エネルギーが伝達する際の荷重伝達経路に相当する。このような荷重伝達経路に相当する前記骨格部材の一部に、前記振動減衰接合部を設けることで、振動エネルギー(振動)を、振動減衰接合部によって効果的に抑制(減衰)することができる。
【0017】
この発明の態様として、前記振動減衰接合部には、前記補強部材における、前記振動減衰部材を係合可能に周辺に対して車幅方向の内側および外側のうち、少なくとも一方に突出するとともに、前後方向に延びるビードが設けられた構成としてもよい。
【0018】
前記構成によれば、シートベルトがロックされるような衝突モードとなる衝突時に、シートベルトリトラクタの取付部の車幅方向への変形を抑制できる。すなわち、前記構成によれば、車両生産時における振動減衰部材の前記振動減衰接合部からの垂れ落ちを防止できることに加えて、補強部材においてビードがリトラクタ取付部と節部との上下方向の間に介在することで、後述する高剛性部と同様の効果を得ることができる。
【0019】
この発明の態様として、前記リトラクタ取付部は、前記骨格部材に対して前後方向に離間した位置に設けられ、前記補強部材における、前記リトラクタ取付部と前記節部との前後方向の間において、車幅方向の曲げ入力に対して変形抑制可能に構成される高剛性部が設けられた構成としてもよい。
【0020】
前記構成によれば、衝突時に、リトラクタ取付部から補強部材へ入力される車幅方向の荷重によって補強部材が変形することを高剛性部によって抑制することができる。
【0021】
ひいては、補強部材は、リトラクタ取付部から補強部材へ入力される車幅方向の荷重を、閉断面内の節部を利用してしっかりと受け止めることができる。
【0022】
この発明の態様として、前記高剛性部は、前記補強部材の前後方向に延びる縁部に形成されたフランジ部としてもよい。
【0023】
前記構成によれば、別途、補強部材を備えたり、補強部材の板厚を厚くするなどして車体重量を増大させることなく簡単な構成で前記補強部材を補強することができる。
【0024】
ここで、前記フランジ部は、前記補強部材の前後方向に延びる縁部に形成された形状であればよく、例えば、補強部材の上端フランジと下端フランジとのうち、少なくとも一方を示す。
【0025】
この発明の態様として、前記高剛性部は、前記サイドパネルの車室内面に固定されるストライカを前記補強部材に取り付けるストライカ取付部としてもよい。
【0026】
前記構成によれば、ストライカ取付部において、サイドパネルと補強部材とを一体化して互いに補強できるため、衝突時に、リトラクタ取付部から補強部材へ入力される車幅方向の荷重によって補強部材やサイドパネルが変形することをストライカ取付部によって抑制することができる。
【0027】
さらに、ストライカ取付部から補強部材へ入力される車幅方向外側への荷重についても節部によって支持することができる。
詳しくは、車体後部の荷室に大きな荷物を載せている場合において、衝突時(前突時)における荷物の慣性により、該荷物が前方に有するリアシートのシートバックに衝突するおそれがある。その場合、ストライカ取付部から補強部材へ車幅方向外側への荷重が入力される。このようなストライカ取付部から補強部材へ入力される車幅方向外側への荷重に対しても節部によってしっかりと支持することができる。
【0028】
この発明の態様として、前記ストライカ取付部を、車両前後方向において前記骨格部材よりも前記リトラクタ取付部に近接する箇所に設けられた後側ストライカ取付部とし、前記ストライカは、前記後側ストライカ取付部と、前記閉断面と車両側面視で一致する箇所に設けられた前側ストライカ取付部とによって前記補強部材に固定され、前記ストライカに備えたストライカ台座部は、前記後側ストライカ取付部と前記前側ストライカ取付部とに跨って設けられた構成としてもよい。
【0029】
前記構成によれば、前記骨格部材よりも前記リトラクタ取付部に近接する前記後側ストライカ取付部と、前記閉断面内に有する前記前側ストライカ取付部とを、前記ストライカ台座部を介して繋ぐことで、前記後側リトラクタ取付部から前記補強部材へ入力される車幅方向の荷重に対して、該後側ストライカ取付部による前記補強部材の補強効果を高めることができる。
【0030】
この発明の態様として、前記リトラクタ取付部は、前記シートベルトリトラクタの重心よりも前方部位を取り付ける前側リトラクタ取付部であり、前記骨格部材および前記補強部材は、前記サイドパネルに対して車室外側に固定された構成としてもよい。
【0031】
前記構成によれば、前記構成によれば、シートベルトがロックされるような衝突モードとなる衝突時に、前側リトラクタ取付部から車幅方向の外側に向かう補強部材への入力荷重に対して節部が突っ張ることで、衝突時のシートベルトリトラクタの取付部の変形を効果的に抑制できる。
【0032】
なお、本発明は、上述したように、前記骨格部材および前記補強部材を、前記サイドパネルに対して車室外側に固定した構成に限らず、車室側に固定した構成としてもよい。
【発明の効果】
【0033】
前記構成によれば、車両走行時のリトラクタの上下振動の抑制と、衝突時のリトラクタ取付部の変形抑制とを、質量およびコストの増大を抑制しながら高次元で満足することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本実施形態の車両後部の側部の要部を車室外側から視た側面図
【
図2】本実施形態の車両後部の側部の要部を車室側から視た側面図
【
図3】Cピラーを仮想線で示した
図1の領域X1の拡大図
【
図4】Cピラーを取り除くとともに、サイドパネルを仮想線で示した
図1の領域X2の拡大図
【
図9】サイドパネルに固定する補強部材を車室外側、後方かつ下方から視た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
なお、本実施形態の車両の後部の側面は、略左右対称形状であるため、車両後部の右側の側面の構造に基づいて説明する。また、図中、矢印Fは車両前方、矢印Uは車両上方、矢印Rは車両右方、矢印Lは車両左方、矢印OUTは車幅方向外側(車室外側)、矢印INは車幅方向内側(車室側)を夫々示すものとする。
【0036】
本実施形態の側部車体構造は、ドアハッチバックタイプの自動車に適用したものであり、
図1は、自動車の後部の側面1およびその周辺部の要部を車幅方向外側から視た右側面図である。
図2は、同じく側面1およびその周辺部の要部を車幅方向内側から視た、車体後部の車幅方向の中央縦断面図である。
【0037】
図1、
図2に示すように、本実施形態の自動車の車体後部の側面1には、サイドパネル2とホイールハウス3とCピラーレインフォースメント4(「Cピラーレイン4」と略記する)(
図1参照)と、前側インナサイドブレース5(
図2参照)と後側インナサイドブレース6(同図参照)とを備えている。
【0038】
また、車両側面1は、前後方向および上下方向に延びており、後端が、リアピラー7に接合され、前端が車両の後部乗降口8の後縁8rを形成している。車両側面1は、上端が、ルーフサイドレール11の後部に接合され、下端は、リアフレーム12の車幅方向外端に接合されている。
【0039】
なお、サイドパネル2およびホイールハウス3の車幅方向内側には、車体後部に有する荷室の側壁を形成するトリム(図示省略)が配設されるとともに、サイドパネル2およびホイールハウス3の車幅方向外側には、車体外板としてのリアフェンダパネル(図示省略)が配設される。
【0040】
リアピラー7は、側面1の後方において上下方向に延びている。詳しくは、リアピラー7は、延在方向に延びる閉断面7sが構成された骨格部材であり、リアゲート開口13(
図2参照)の側辺に沿って上方程前方へ傾斜して延びている。
【0041】
ルーフサイドレール11は、ルーフ部の両サイドに車両前後方向に沿って延び、内部には、延在方向に延びる閉断面11sが構成された骨格部材である。また、
図2に示すように、車体後部のリアゲート開口13の上辺には、該上辺(ルーフ部の後縁)に沿って車幅方向に延びるリアヘッダ14を備えている。リアヘッダ14についても、内部に延在方向に延びる閉断面14sが構成された骨格部材である。
【0042】
そして、車体後部の上部の両サイドは、リアピラー7の上端とルーフサイドレール11の後端とリアヘッダ14の車幅方向外端と連結されたコーナー部Cを構成している。
【0043】
図2に示すように、車体後部の下部には、リアシート(図示省略)を設置するリアシートパン15と荷室を形成するためのリアフロアパネル16とを備え、これらリアシートパン15とリアフロアパネル16の両サイドに、車両前後方向に延びるリアフレーム12を備えている。なお、これらリアシートパン15およびリアフロアパネル16の境界部には、車幅方向に延びるクロスメンバ17が設けられている。リアフレーム12は、内部に車両前後方向に延びる閉断面12sを構成している。
【0044】
図2に示すように、リアフレーム12は、ホイールハウス3の車室側にてリアフロアパネル16の後端から該ホイールハウス3を越えて車両前方へ延びており、その前端部がサイドシルインナ18の後部に接続されている(図示省略)。
【0045】
リアフレーム12の車両前後方向の中間位置(不図示のリアサスペンションに対応する位置)には、不図示のリアサスペンションダンパの上端部を取付け支持するダンパ取付部19が設けられている。
【0046】
リアフレーム12の上部には、ダンパ取付部19の周辺を補強する補強部材20が設けられている。補強部材20は、アルミダイカスト等によって形成され、リアフレーム12の上部とホイールハウス3との間に跨ってダンパ取付部19の周辺を上方から覆うように設けられている。
【0047】
サイドパネル2は、車体後部の側面1の上部において、前後方向および上下方向に延びる板状に形成され、後端がリアピラー7に接合されるとともに、前端が車両の後部乗降口8の後縁8rの上部を形成している。サイドパネル2は、下端がホイールハウス3の上端に接続されている。
【0048】
サイドパネル2の上部かつ前部には、クォーターウインドウ用の開口部21が形成されている。なお、クォーターウインドウ用の開口部21は、上辺部がルーフサイドレール11の後部によって形成されるとともに、前辺部がCピラーアッパインナレイン9によって形成されている。
【0049】
図1、
図2に示すように、ホイールハウス3は、車体後部の側面1のサイドパネル2よりも下方に設けられている。ホイールハウス3は、後輪(図示省略)を上方から収容可能に車幅方向内側(車室側)へ張り出したホイールハウスインナ31(
図2参照)と車幅方向外側(車室外側)へ張り出したホイールハウスアウタ32(
図1参照)とを備えている。
【0050】
図1に示すように、ホイールハウスアウタ32は、下部に車両側面視で上方に突出するアーチ形状に形成されたアーチ形状部33を備えるとともに、上部にアーチ形状部33の後方寄りの部位から上方へ突出する上方突出部34を備え、互いに一体に形成されている。
【0051】
アーチ形状部33は、上方突出部34よりも車幅方向外側へ張り出しており、アーチ形状部33の上縁には、車幅方向に延びる段部33aがアーチ形状に沿って形成されている。
【0052】
図2に示すように、ホイールハウスインナ31は、アーチ形状部33と上方突出部34とを有するホイールハウスアウタ32と略同じ側面視形状に形成されているが、アーチ形状部33と上方突出部34との夫々に相当する部位の境界部等に段部33aを有さずに滑らかに車室側へ張り出して形成されている。
【0053】
図1、
図2に示すように、ホイールハウスインナ31とホイールハウスアウタ32とは、夫々の上縁辺にフランジ31a,32aが形成されている。サイドパネル2は、下端2e(
図4参照)がホイールハウスインナ31およびホイールハウスアウタ32の夫々のフランジ31a,32aの間に挟み込まれるようにしてホイールハウス3に対して接合されている。
【0054】
図1に示すように、Cピラーレイン4は、サイドパネル2の車幅方向外側に備え、ホイールハウスアウタ32のアーチ形状部33の頂部よりも若干前寄りの段部33aから上方へ延びる骨格部材である。
【0055】
図1、
図7に示すように、Cピラーレイン4の上部は、車両の後部乗降口8の後縁8rの上部およびクォーターウインドウ用の開口部21の前縁に沿って上下方向に延びる。Cピラーレイン4は、
図7に示すように、水平断面(延在方向の直交断面)が車幅方向内側へ開口するハット形状に形成されている。
【0056】
具体的に、
図3、
図7に示すように、Cピラーレイン4は、後壁4bの後縁に沿って後方へ突出する後側フランジ4cが形成されるとともに、前壁4dの前縁に沿って前方へ突出する前側フランジ4eが形成され、これら後側フランジ4cおよび前側フランジ4eがサイドパネル2の外面2aに接合されている。これにより、Cピラーレイン4は、サイドパネル2と協働してこれらの間に閉断面4sを構成している。
【0057】
図1に示すように、Cピラーレイン4は、上部がルーフサイドレール11の後部に下側から接合されている一方で、下部がアーチ形状の段部33a(上縁辺部)の前側部位に沿って備えたガセット22を介してサイドシルインナ18の後部に接続されている。
【0058】
図2に示すように、前側インナサイドブレース5と後側インナサイドブレース6は、何れもサイドパネル2およびホイールハウスインナ31に対して車室側に備えている。前側インナサイドブレース5は、車両後部の車室側において、リアサスペンション取付部としてのダンパ取付部19に対して前側近傍部位から、後側インナサイドブレース6は、ダンパ取付部19に対して後側近傍部位から何れも上方に延出しており、下部が補強部材20によって補強されている。
【0059】
前側、後側インナサイドブレース5,6は、何れも後述する補強部材20からホイールハウスインナ31を跨いでサイドパネル2に至るまで上方へ延びており、車室外側へ開放されたハット形状に形成され、ホイールハウスインナ31およびサイドパネル2と協働してこれらの間に閉断面5s,6sを構成している。
【0060】
前側、後側インナサイドブレース5,6は、サイドパネル2の内面2bに対して車幅方向内側へ突出し、車幅方向内面5a,6aがサイドパネル2の内面よりも車幅方向内側へ離間するとともに上下方向および前後方向に延びる面を構成している。
【0061】
前側インナサイドブレース5は、車両側面視でサイドパネル2に対して車幅方向外側に有するCピラーレイン4(
図1参照)に相当する箇所まで上部が前方へ傾斜して延びている。後側インナサイドブレース6は、上端部がリアピラー7の上部、詳しくは、リアヘッダ14の車幅方向外側端部とリアピラー7の上端部とを連結するコーナー部Cに接合されている。
【0062】
また、
図3に示すように、サイドパネル2には、該サイドパネル2を補強する補強部材50が車幅方向外側から取り付けられている。この補強部材50については後述する。
【0063】
また、
図2に示すように、車体後部の側面1には、車室側からストライカ25が配設されている。
図6、
図7に示すように、ストライカ25は、リアシート(図示省略)のシートバック(図示省略)を起立状態にロックするための部材であり、台座部26と、台座部26から車室側へ突き出すように略U字形状に立設された本体部27(
図6参照)とを備えている。
【0064】
台座部26は、上下方向の直交断面が車室外側へ向けて開口するハット形状に形成され、車室外側へ開口する門型形状の台座部本体26aと、台座部本体26aの前端から前方へ突出する前側フランジ26bと、台座部本体26aの後端から後方へ突出する後側フランジ26cとで一体形成されている。
【0065】
図1、
図6に示すように、ストライカ25は、車体後部の側面1における、後述するリトラクタ42よりも前方かつ下方の位置、換言すると、前側インナサイドブレース5の上端よりも若干上方位置において、台座部26に備えた前後各側のフランジ26b,26cが、サイドパネル2、および該サイドパネル2に対して車幅方向外側に設けられた補強部材50(
図6参照)に対して車室側から取り付けられている。
【0066】
具体的には、
図6、
図7に示すように、ストライカ25の台座部26の前後各側フランジ26b,26cには、ボルトB1a,B1bを挿通可能なボルト挿通穴h1b、h1cが貫通形成されている。
【0067】
一方、
図3、
図7に示すように、車体後部のサイドパネル2における、車両側面視でストライカ25の前後各側フランジ26b,26cにおける各ボルト挿通穴h1b,h1cに対応する部位は、ボルト挿通穴H1b’,H1c’が車幅方向(板厚方向)に貫通形成されている。
【0068】
さらに、車体後部の補強部材50における、車両側面視でストライカ25の前後各側フランジ26b,26cにおける各ボルト挿通穴h1b,h1cに対応する部位は、ボルト挿通穴H1b,H1cが車幅方向(板厚方向)に貫通形成されている。
【0069】
さらにまた、補強部材50の前側のボルト挿通穴H1bの周縁には、前側ストライカ取付部としてのウェルドナットN1aが車幅方向外側から溶着されている。そして、ボルトB1aが、ストライカ25の前側フランジ26b、サイドパネル2および補強部材50の夫々のボルト挿通穴h1b,H1b’,H1bに車幅方向内側から挿入されウェルドナットN1aに締結される。
【0070】
同様に、補強部材50の後側のボルト挿通穴H1cの周縁には、後側ストライカ取付部としてのウェルドナットN1bが車幅方向外側から溶着されている。そして、ボルトB1bが、ストライカ25の後側フランジ26c、サイドパネル2および補強部材50の夫々のボルト挿通穴h1c,H1c’,H1cに車幅方向内側から挿入されウェルドナットN1bに締結される。
【0071】
すなわち、台座部26とサイドパネル2と補強部材50の3枚は、前側のフランジ26bにおいてボルトB1aおよびウェルドナットN1aによって、後側のフランジ26cにおいてボルトB1bおよびウェルドナットN1bによって、夫々共締めされている。
【0072】
また、
図2に示すように、リアシート(図示省略)には、車両用シートベルト装置40を備えている。車両用シートベルト装置40は、リアシートに着座した乗員を拘束する長尺なシートベルト41と、このリアシート用のシートベルト41を引き出し可能に巻き取るリトラクタ42とを備えている。
【0073】
図4に示すように、リトラクタ42は、前後方向に離間する複数のリトラクタ取付け位置Pa,Pb,Pcにおいて、複数のブラケット43,44を介して車体後部の側面1に対して車幅方向内側から取り付けられている。
当例では、
図4に示すように、リトラクタ取付け位置Pa,Pb,Pcは、リトラクタ42の重心Gの位置(
図5参照)よりも前側に位置する前側リトラクタ取付け位置Paと、リトラクタ42の重心Gの位置と前後方向に略一致する中間リトラクタ取付け位置Pbと、リトラクタ42の重心Gの位置よりも後側に位置する後側リトラクタ取付け位置Pcとの3つを備えている。
【0074】
主に、
図4~
図6に示すように、ブラケット43,44は、前側ブラケット43と後側ブラケット44との2つを備えている。後側ブラケット44は、リトラクタ42の略全体を上方から覆うように略水平に延びる平板状の本体部44aを備えており、該本体部44aの平面視中央部において、上下方向に延びるボルトB2(
図4、
図5参照)等を介してリトラクタ42を上方から取り付け支持している。
【0075】
図6、
図8に示すように、リトラクタ42の前方には、リトラクタ42から前方へ延出するシートベルト41をガイドするガイド部45aを有するガイド部材45を備えている。このガイド部材45は、リトラクタ42に対して前方から対向するように配置され、上端が後側ブラケット44の前端に取り付けられている。
【0076】
ここで、
図4~
図6に示すように、本実施形態において、シートベルト41のリトラクタ42から前方への延出部分41aとは、シートベルト41のガイド部45aからの前方への延出部分41aを示すものとする。また、シートベルト41のリトラクタ42から前方への延出部分41aを以下、ベルト前方延出部分41aと略記する。
【0077】
図5に示すように、シートベルト41は、延在方向に対して直交する所定の長さ(幅)を有する帯状に形成されており、ベルト前方延出部分41aにおいて、車幅方向に幅を有するように前方へ延出している。
【0078】
図5に示すように、リトラクタ42は、車両前後方向に対して前側が若干車幅方向内側かつ後側が若干車幅方向外側を向く姿勢となるように車体後部の側面1に片持ち状に車室側から取り付けられている。これにより、ベルト前方延出部分41aは、前方程車幅方向内側に位置するように車両前方と一致する方向に対して平面視で若干傾斜して延びている。
【0079】
図4~
図6に示すように、後側ブラケット44は、本体部44aの前部かつ車幅外縁に前側フランジ44bが形成されるとともに、本体部44aの後部かつ車幅外縁に後側フランジ44cが形成される。
【0080】
後側ブラケット44の後側フランジ44cは、本体部44aの車幅方向外縁から下方へ突出するように曲げ形成されており、後側インナサイドブレース6の車幅方向内面6aにおける後側リトラクタ取付け位置Pcに取り付けられている。
【0081】
具体的に、
図5、
図6に示すように、後側ブラケット44の後側フランジ44cには、後側車体取付部としてのボルトBcを挿通可能なボルト挿通穴144cが貫通形成されている。
【0082】
一方、
図4、
図5に示すように、後側インナサイドブレース6の車幅方向内面6aにおける、車両側面視でボルト挿通穴144cに対応する部位(すなわち、後側リトラクタ取付け位置Pc)には、ボルト挿通穴6cが車幅方向(板厚方向)に貫通形成されており、ボルト挿通穴6cの周縁には、後側リトラクタ取付部としてのウェルドナットNcが車幅方向外側(後側インナサイドブレース6の閉断面6s内側)から溶着されている。
【0083】
そして、後側車体取付部としてのボルトBcが、後側ブラケット44の後側フランジ44cと後側インナサイドブレース6の車幅方向内面6aとの夫々のボルト挿通穴144c,6cに車幅方向内側から挿入されウェルドナットNcに締結される。これにより、後側ブラケット44は、後側フランジ44cが後側取付部(後側車体取付部(Bc)および後側リトラクタ取付部(Nc))によって後側インナサイドブレース6の車幅方向内面6aに取り付けられている。
【0084】
すなわち、リトラクタ42は、後側リトラクタ取付け位置Pcにおいては、サイドパネル2に対して車幅方向内側へ突出する後側インナサイドブレース6の車幅方向内面6aに後側ブラケット44を介して取り付けている。
【0085】
これにより、
図5に示すように、リトラクタ42に前方への引張り荷重Ffが入力された際における、後側取付部(Bc,Nc)に加わる荷重について、せん断方向の荷重成分frを増大させる構成としている。
【0086】
さらに、本実施形態において、後側インナサイドブレース6の車幅方向内面6aは、車両平面視でベルト前方延出部分41a(詳しくは、ベルト前方延出部分41aの車幅方向の外端41o)から、シートベルト41の長手方向の後方へと直線状に延びる延長線Le上に配置されている。
なお、本実施形態において、車幅方向内面6aは、車両平面視で延長線Leと平行に延びるように形成されている(
図5参照)。
【0087】
本実施形態における車幅方向内面6aは、このような配置となるようにサイドパネル2に対して車幅方向内側へ離間させることで、リトラクタ42に前方への引張り荷重Ffが入力された際における、後側取付部(Bc,N)に加わるせん断方向の荷重成分ffをより一層増大させる構成としている。
【0088】
また、リトラクタ42の重心Gの位置については、平面視においてベルト前方延出部分41aの延長線Le上又はその近傍に配置されている(
図5参照)。すなわち、ベルト前方延出部分41aの幅方向の外端41oと、リトラクタ42の重心Gの位置と車幅方向内面6aとは、延長線Le上に沿って略直線状に配置されていることが好ましい。
【0089】
また、
図4~
図6に示すように、上述した後側ブラケット44の前側フランジ44bは、本体部44aの車幅方向外縁から車幅方向外側へ水平に突出する水平突出部441c(
図5参照)と、水平突出部441cの車幅方向外縁から下方へ突出する下方突出部442c(
図4、
図6参照)とで一体に形成されている。
図5に示すように、水平突出部441cは、後側インナサイドブレース6のサイドパネル2に対して車幅方向への突出長さに略相当する長さ分だけ本体部44aの車幅方向外縁から車幅方向外側へ突出している。
【0090】
また、上述した前側ブラケット43は、前後方向に延在するとともに、前後方向の途中部が後側ブラケット44の前側フランジ44bにスポット溶接等により接合されている(
図4、
図5の溶接個所s1参照)。なお、図中「×」印はスポット溶接の打点を示している。これにより、前側ブラケット43と後側ブラケット44とは、互いに一体に取り付け固定されている。
【0091】
前側ブラケット43は、前後方向の途中部に対して前方へ延出する前方延出部143(
図4、
図6参照)と後方へ延出する後方延出部144(
図4、
図5参照)とを備えている。
【0092】
図4、
図6に示すように、前方延出部143の前端側部は、リトラクタ42の車体後部の側面1に対する前側リトラクタ取付け位置Paまで前方に延びており、
図6に示すように、前側車体取付部としてのボルトBaを挿通可能なボルト挿通穴143aが貫通形成されている。
【0093】
ここで、
図3に示すように、前側リトラクタ取付け位置Paは、車体後部の側面1におけるサイドパネル2における、Cピラーレイン4(節部52)および後側ストライカ取付部(N1b)よりも後方に位置する。
【0094】
さらに、
図6に示すように、前側リトラクタ取付け位置Paは、リトラクタ42の下端よりも下方に位置するとともに、
図3に示すように、節部52および振動減衰接合部53よりも上方(詳しくはストライカ取付部(N1a,N1b)よりも若干上方)に位置する。
【0095】
一方、サイドパネル2の前側リトラクタ取付け位置Paおよび、その周辺には、補強部材50が車室外側から設けられている。そして、後述するが前方延出部143の前端側部は、前側リトラクタ取付け位置Paにおいて補強部材50およびサイドパネル2に取り付けられている(
図4、
図6参照)。
【0096】
また、
図4、
図5に示すように、前側ブラケット43の後方延出部144の後端側部は、リトラクタ42の車体後部の側面1に対する中間リトラクタ取付け位置Pbまで後方へ延びており、中間車体取付部としてのボルトBbを挿通可能なボルト挿通穴144b(
図4参照)が貫通形成されている。
【0097】
図4に示すように、サイドパネル2における、中間リトラクタ取付け位置Pbに対応する部位は、ボルト挿通穴2dが車幅方向に貫通形成されており、ボルト挿通穴2dの周縁には、中間リトラクタ取付部としてのウェルドナットNbが車幅方向外側から溶着されている。
【0098】
そして、中間車体取付部としてのボルトBbが、前側ブラケット43の後方延出部144の後端側部とサイドパネル2との夫々のボルト挿通穴144b,2cに車幅方向内側から挿入されウェルドナットNbに締結される。これにより、前側ブラケット43は、後方延出部144の後端側部が中間取付部(中間車体取付部(Bb)および中間リトラクタ取付部(Nb))によってサイドパネル2に取り付けられている。
【0099】
図1、
図3に示すように、補強部材50は、車両側面視でサイドパネル2における、Cピラーレイン4(閉断面4s)に相当する部位と、Cピラーレイン4よりも後方部位とに跨ってサイドパネル2に対しての外面(車幅方向外面)からスポット溶接等により複数箇所に亘って取り付け固定されている(
図4中の×印参照)。
【0100】
すなわち、
図3に示すように、Cピラーレイン4の後側フランジ4cは、前後方向に延びる補強部材50を横切るように補強部材50に対して車幅方向外側から上下方向に延びている。そして、補強部材50は、該補強部材50を上下方向に横切る後側フランジ4cとの重複部分において、Cピラーレイン4の後側フランジ4cとサイドパネル2とで車幅方向の両側から挟み込むようにスポット溶接されている。
【0101】
図3、
図9に示すように、補強部材50は、基部55と、該基部55の後端から後方へ延出する後方延出部56と、基部55の前側下縁から下方へ延出する前側下方延出部57と、基部55の後側下縁から下方へ延出する後側下方延出部58とを備えている。
【0102】
また、補強部材50の後方延出部56は、前側リトラクタ取付け位置Paに至るまで基部55から車両後方へ延出し、該後方延出部56の後端側部位(前側リトラクタ取付け位置Pa)には、ボルト挿通穴50cが車幅方向(板厚方向)に貫通形成されている。
【0103】
さらに、
図3、
図4、
図7に示すように、後方延出部56のボルト挿通穴50cの周縁には、前側リトラクタ取付部としてのウェルドナットNaが車幅方向外側から溶着されている。
なお、サイドパネル2における前側リトラクタ取付け位置Paには、ボルト挿通穴2cが車幅方向(板厚方向)に貫通形成されている(
図7参照)。
【0104】
そして、
図3、
図4、
図6、
図7に示すように、前側リトラクタ取付け位置Paにおいて、前側車体取付部としてのボルトBaが、前側ブラケット43の前方延出部143とサイドパネル2と補強部材50の夫々のボルト挿通穴143a,2c,50cに車幅方向内側から挿入されウェルドナットNaに締結される。これにより、前側ブラケット43の前方延出部143は、前端側部位が前側取付部(前側車体取付部(Ba)および前側リトラクタ取付部(Na))によってサイドパネル2と補強部材50に取り付けられている。
【0105】
すなわち、リトラクタ42は、前側リトラクタ取付け位置Paにおいては、サイドパネル2および補強部材50に後側ブラケット44および前側ブラケット43を介して取り付けられている。
【0106】
また、
図3、
図7に示すように、補強部材50には、前後方向に離間して2つのストライカ取付部としてのウェルドナットN1a,N1bが固着されている。具体的には、2つのストライカ取付部(N1a,N1b)のうち、前側に位置するストライカ取付部(N1a)(前側ストライカ取付部(N1a))は、補強部材50の基部55の前部に固着されるとともに、後側に位置するストライカ取付部(N1b)(後側ストライカ取付部(N1b))は、後方延出部56の前部に固着されている。これにより、補強部材50は、ストライカ25のサイドパネル2への取り付け部分を補強するストライカ補強部材(ストライカレイン)としても機能する。
【0107】
ここで、例えば、衝突時の慣性により、荷室に積載する荷物(図示省略)が車体に対して前進することでリアシート(図示省略)に対して後方から衝突した際に、前後のストライカ取付部(N1a,N1b)には、車幅方向外側へ押し込まれるような負荷が入力される。これに対して、補強部材50は、節部52を備えているため、前後のストライカ取付部(N1a,N1b)から上述した負荷が入力されても、補強部材50の節部52が閉断面4s内において突っ張ることで、該負荷をしっかりと受け止めることが可能となる。
【0108】
さらに、ストライカ25の台座部26は、車両側面視でCピラーレイン4の閉断面4s内に位置する前側ストライカ取付部(N1a)と、Cピラーレイン4よりも後方部位に位置する後側ストライカ取付部(N1b)とに跨ってボルトB1a,B1bを介して補強部材50に取り付けられるため、補強部材50を、Cピラーレイン4の後方部位に至る領域についてもより高剛性化することができる。すなわち、ストライカ25の台座部26は、シートベルト41がロックされるような衝突モードとなる衝突時に、前側リトラクタ取付部(Na)が車幅方向の外側に向かうような補強部材50の変形を抑制可能な高剛性部としても機能する。
【0109】
また、
図3に示すように、補強部材50(後方延出部56と基部55とに亘る)上縁には、該上縁に沿って延びるとともに車幅方向外側へ突出する上縁フランジ61が形成されている。補強部材50の後方延出部56の下縁には、該下縁に沿って延びるとともに車幅方向外側へ突出する下縁フランジ62が形成されている。
【0110】
これら上縁フランジ61と下縁フランジ62は、何れも前側リトラクタ取付け位置Paと、前側リトラクタ取付け位置Paよりも後方に備えた節部52との間において前後方向に延びている。これにより、上縁フランジ61と下縁フランジ62は、シートベルト41がロックされるような衝突モードとなる衝突時に、前側リトラクタ取付部(Na)が車幅方向の外側に向かうような補強部材50の変形を抑制可能な高剛性部としても機能する。
【0111】
また、
図3、
図7~
図9に示すように、前側下方延出部57には、振動減衰接合部53と、該振動減衰接合部53の下端から車幅方向外側へ屈曲形成された節部52を備えている。振動減衰接合部53と基部55の前側部分との境界部には、段部59が形成されている。振動減衰接合部53は、段部59を介して、基部55に対して車幅方向外側へオフセットして形成されている。
【0112】
これにより、
図8に示すように、振動減衰接合部53は、補強部材50をサイドパネル2に取り付けた状態において、サイドパネル2の外面2aとの間に若干の隙間53sが形成される。すなわち、振動減衰接合部53は、隙間53sに備えた振動減衰部材63(
図4、
図8参照)を介してサイドパネル2と接合される。
【0113】
振動減衰接合部53は、全体が平板状に形成されているが、車両側面視で前後方向の中間位置を隔てた各側にビード64が設けられている。これら一対のビード64は、何れも振動減衰部材63を係合可能に周辺に対して車幅方向外側に突出するとともに前後方向に延びている。
【0114】
一対のビード64は、シートベルト41がロックされるような衝突モードとなる衝突時に、前側リトラクタ取付部(Na)が車幅方向の外側に向かうような補強部材50の変形を抑制可能な高剛性部としても機能する。
【0115】
また、
図8に示すように、サイドパネル2における、振動減衰接合部53に設けた一対のビード64と車幅方向の内側で対向する各部位にも、ビード65が設けられている。これら一対のビード65は、振動減衰接合部53に設けた一対のビード64と同様に、振動減衰部材63を係合可能に周辺に対して車幅方向外側に突出するとともに前後方向に延びている。
【0116】
振動減衰部材63は、熱硬化性樹脂で形成されることが好ましい。本実施形態においては、振動減衰部材63は、熱硬化性樹脂で形成しているため、車体製造時の塗装乾燥工程前に隙間53sにおいて振動減衰接合部53とサイドパネル2とに接着剤として塗布しておき、塗装乾燥工程で同時に熱硬化させることで、隙間53sに介在させた状態で、これら振動減衰接合部53とサイドパネル2に対して一体化することができる。
【0117】
上述したように、振動減衰部材63は、車体製造時の塗装乾燥工程の前に、振動減衰接合部53に設けたビード64の内部に侵入するように塗布される。これにより、振動減衰部材63は、振動減衰接合部53とサイドパネル2との夫々に設けたビード64,65に係合される。このため、該振動減衰部材63を塗布してから塗装乾燥工程が行われる(振動減衰部材63が熱硬化する)までの間や、塗装乾燥工程中に振動減衰部材63が隙間53sから脱落しないように定位置に留めておくことができる。
【0118】
また、補強部材50における節部52以外の部位は、サイドパネル2の外面2aに接合される縦壁状の平板で形成されている。節部52は、補強部材50の前側下端(振動減衰接合部53よりも下方位置)に備え、縦壁状の節部52以外の部位に対して、車幅方向外側へ略直角に曲げ加工することで略水平となるように一体形成されている。
【0119】
図7、
図8に示すように、節部52は、Cピラーレイン4の閉断面4sの上下方向の直交断面と略同じ形状および大きさを有する略水平面状に形成され、Cピラーレイン4の閉断面4sを上下に仕切る。
図3、
図9に示すように、節部52は、前縁、後縁、車幅方向外側縁の夫々からフランジ52a,52b,52cが下方に向けて突出して形成されている。
【0120】
そして、節部52の前縁から突出するフランジ部(前縁フランジ52a)は、Cピラーレイン4の前壁4dに、節部52の後縁から突出するフランジ部(後縁フランジ52b)は、Cピラーレイン4の後壁4bに、節部52の車幅方向外側縁から突出するフランジ部(車幅外縁フランジ52c)は、Cピラーレイン4の車幅方向外壁4aに、夫々スポット溶接(
図3中の×印で示した打点参照)により接合されている。
【0121】
補強部材50は、上述したように、前側リトラクタ取付部(Na)と節部52と振動減衰接合部53とストライカ取付部(N1a,N1b)を備えており(
図3参照)、これら前側リトラクタ取付部51、節部52、振動減衰接合部53およびストライカ取付部(N1a,N1b)に亘って連続する単一の板材(一枚物の金属板材)を主要な構成部材として形成されている(
図9参照)。
【0122】
上述した本実施形態の車両の側部車体構造は、後輪を支持するリアサスペンション(図示省略)と、
図2に示すように、リアサスペンションの車体への取付部としてのダンパ取付部19よりも上方において車両の側面1を構成するサイドパネル2と、サイドパネル2の車室内面2bに固定されるリトラクタ42と、
図1に示すように、サイドパネル2と協働して上下方向に延びる閉断面4sを形成する骨格部材としてのCピラーレイン4と、
図1、
図3に示すように、サイドパネル2に固定される補強部材50と、を備え、補強部材50は、
図1、
図3、
図4、
図7に示すように、リトラクタ42を取り付けるリトラクタ取付部としての前側リトラクタ取付部(Na)と、
図3、
図7、
図8、
図9に示すように、Cピラーレイン4の閉断面4sを上下に仕切る節部52と、
図4、
図8に示すように、振動減衰部材63を介してサイドパネル2と接合される振動減衰接合部53とを備えるとともに、
図3、
図9に示すように、これら前側リトラクタ取付部(Na)、節部52および振動減衰接合部53に亘って連続する部材により一体又は一体的に構成されたものである。
【0123】
前記構成によれば、リアサスペンションからの路面入力による振動(車両走行時に後輪からリアサスペンションを介して車両に入力される振動)が補強部材50に入力された際、振動減衰接合部53で振動減衰するため、リトラクタ42に伝達される振動が低減され、結果として、リトラクタ42の上下振動を抑制できる。
【0124】
これにより、リトラクタ42は、リアシートに着座する乗員の耳元に位置するが、例えば、リトラクタ42に内蔵されたセンサ等の内部機器が振動により異音が生じないように抑制することができる。
【0125】
また、シートベルト41がロックされるような衝突モードとなる衝突時に、シートベルト41からリトラクタ42に対して車両前方への入力荷重に対しては、節部52がCピラーレイン4の閉断面4s内で支持することにより前側リトラクタ取付部(Na)の変形を抑制することができる。
【0126】
詳しくは、シートベルト41装着用のリトラクタ42は、該リトラクタ42の重心Gに対して前方に位置する前側取付部(Ba,Na)と後方に位置する後側取付部(Bc,Nc)とで車両の側面1に固定される構造が知られている。
【0127】
このようなリトラクタ42は、車幅方向内側へ片持ち状に突き出すように車両側面1に対して固定される。このため、
図5に示すように、シートベルト41がロックされるような衝突モードとなる衝突時に、リトラクタ42は、シートベルト41からの前方への引張り荷重Ffが入力されると、平面視で時計回りのモーメントMが作用する(
図5中の矢印M参照)。このモーメントMに起因して前側取付部(Ba,Na)が車幅方向外側に押し込まれるような変形が生じ易くなる。
【0128】
これに対して、本実施形態においては、節部52がCピラーレイン4の閉断面4s内で支持する(当例においては突っ張る)ことにより前側リトラクタ取付部(Na)の変形を抑制することができる。
【0129】
さらに、前側取付部(Ba,Na)に作用する車幅方向外側への荷重を、上述したように、閉断面4s内における節部52の突っ張りを利用して受け止めることで、従来のように、サイドパネル2や補強部材の板厚を過剰に厚くしたり、リトラクタ42の車体への締結部の数を増大する必要がなく、前側リトラクタ取付部(Na)の変形を効果的に抑制することができる。
【0130】
従って、車両走行時のリトラクタ42の上下振動の抑制と、衝突時の前側リトラクタ取付部(Na)の変形抑制とを、質量およびコストの増大を抑制しながら高次元で満足することができる。
【0131】
図3、
図9に示すように、この発明の態様として、前側リトラクタ取付部(Na)は振動減衰接合部53より上方に設けられたものである。
【0132】
前記構成によれば、ダンパ取付部19からサイドパネル2に沿って前側リトラクタ取付部(Na)へ上方へ伝達される振動エネルギー(振動)を、振動エネルギーの伝達経路の途中に有する振動減衰接合部53によって効果的に抑制(減衰)することができる。
【0133】
図3、
図7、
図8に示すように、この発明の態様として、振動減衰接合部53は、補強部材50における、車両側面視で閉断面4sに相当する箇所に設けられたものである。
【0134】
前記構成によれば、サイドパネル2に備えたCピラーレイン4は、ダンパ取付部19から上方へ振動エネルギーが伝達する際の荷重伝達経路に相当する。このような荷重伝達経路に相当するCピラーレイン4の一部に、振動減衰接合部53を設けることで、振動エネルギー(振動)を、振動減衰接合部53によって効果的に抑制(減衰)することができる。
【0135】
図3、
図4、
図8に示すように、この発明の態様として、振動減衰接合部53には、補強部材50における、振動減衰部材63(
図4、
図8参照)を係合可能に周辺に対して車幅方向の外側へ突出するとともに、前後方向に延びるビード64が設けられたものである。
【0136】
前記構成によれば、振動減衰部材63がビード64に係合されるため、両生産時における振動減衰部材63の振動減衰接合部53からの垂れ落ちを防止できる。
【0137】
加えて、補強部材50において車両側面視でビード64が前側リトラクタ取付部(Na)と節部52との上下方向の間に設けることで、これらの間を高剛性化することができる。
【0138】
従って、シートベルト41がロックされるような衝突モードとなる衝突時に、前側リトラクタ取付部(Na)の車幅方向の変形を抑制できる。
【0139】
図3に示すように、この発明の態様として、前側リトラクタ取付部(Na)は、節部52に対して後方向に離間した位置に設けられ、補強部材50における、前側リトラクタ取付部(Na)と節部52との前後方向の間において、車幅方向の曲げ入力(平面視で時計回りのモーメントMにより作用する車幅方向外側への荷重)に対して変形抑制可能に構成される高剛性部(61,62,N1b)が設けられたものである。
【0140】
前記構成によれば、衝突時に、前側リトラクタ取付部(Na)から補強部材50へ入力される車幅方向の荷重によって補強部材50が変形することを高剛性部(61,62,N1b)によって抑制することができる。
【0141】
ひいては、補強部材50は、前側リトラクタ取付部(Na)から補強部材50へ入力される車幅方向の荷重を、閉断面4s内の節部52を利用してしっかりと受け止めることができる。
【0142】
特に、
図3に示すように、高剛性部として、補強部材50の前後方向に延びる上縁に形成された上縁フランジ61(フランジ部)と、下縁に形成された下縁フランジ62(フランジ部)を採用することで、別途、補強部材を備えたり、補強部材50の板厚を厚くするなどして車体重量を増大させることなく簡単な構成で補強部材50を補強することができる。
【0143】
また、
図3に示すように、高剛性部として、ストライカ25を補強部材50に取り付けるストライカ取付部としての後側ストライカ取付部(N1b)を採用してもよい。
【0144】
前記構成によれば、後側ストライカ取付部(N1b)において、サイドパネル2と補強部材50とを一体化して互いに補強できるため、衝突時に、前側リトラクタ取付部(Na)から補強部材50へ入力される車幅方向の荷重によって補強部材50やサイドパネル2が変形することを後側ストライカ取付部(N1b)によって抑制することができる。
【0145】
さらに、後側ストライカ取付部(N1b)から補強部材50へ入力される車幅方向外側への荷重についても節部52を利用してしっかりと支持することができる。
詳しくは、衝突時(前突時)に車体後部の荷室に大きな荷物を載せている場合、荷物の慣性により、該荷物が、前方に有するリアシートのシートバックに衝突するおそれがある。その場合、後側ストライカ取付部(N1b)から補強部材50へ車幅方向外側への荷重が入力される。このような後側ストライカ取付部(N1b)から補強部材50へ入力される車幅方向外側への荷重に対しても節部52によってしっかりと支持することができる。
【0146】
この発明の態様として、
図3に示すように、ストライカ取付部を、車両前後方向においてCピラーレイン4よりも後方に離間する箇所に設けられた後側ストライカ取付部(N1b)とし、ストライカ25は、後側ストライカ取付部(N1b)と、閉断面4sと車両側面視で一致する箇所に設けられた前側ストライカ取付部(N1a)とによって補強部材50に固定され、ストライカ25に備えた台座部26は、前側ストライカ取付部(N1a)と後側ストライカ取付部(N1b)とに跨って設けられたものである。
【0147】
前記構成によれば、Cピラーレイン4よりも前側リトラクタ取付部(Na)に近接する後側ストライカ取付部(N1b)と、閉断面4s内に有する前側ストライカ取付部(N1a)とを、台座部26を介して繋ぐことで、後側ストライカ取付部(N1b)の高剛性部としての機能を高めることができる。
【0148】
図1、
図3に示すように、この発明の態様として、Cピラーレイン4および補強部材50は、サイドパネル2に対して車室外側に固定されたものである。
【0149】
前記構成によれば、シートベルト41がロックされるような衝突モードとなる衝突時に、前側リトラクタ取付部(Na)から車幅方向の外側に向かう補強部材50への入力荷重に対して節部52が突っ張ることで、衝突時の前側リトラクタ取付部(Na)の変形を効果的に抑制できる。
【0150】
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
【0151】
例えば、本発明は、リアサスペンション取付部としてのダンパ取付部19を、本実施形態のように、リアフレームに設けた構成に限らず、例えば、リアホイールハウス(アーチ形状部)の頂部など、他の部位に設けた構成としてもよい。
【0152】
また、前記骨格部材および前記補強部材を、前記サイドパネルに対して車室側に固定した構成においても、車室外側に固定した場合と同様に、車両走行時のリトラクタの上下振動の抑制と、衝突時のリトラクタ取付部の変形抑制とを両立することができる。
【0153】
従って、本発明は、上述した実施形態のように、前記骨格部材および前記補強部材を、前記サイドパネルに対して車室外側に固定した構成に限らず、車室側に固定した構成としてもよい。
【0154】
さらにまた、本実施形態のリトラクタ42は、前後のブラケット43,44を介して側面1に車室側から片持ち状に取り付けられているが、本発明のリトラクタは、これに限らず、例えば、ブラケットの数、形状は特に限定せず、また、ブラケットを介さずに直接、側面1に取り付けられた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0155】
1…側面
2…サイドパネル
2b…サイドパネルの車室内面
4…Cピラーレインフォースメント(骨格部材)
4s…(Cピラーレインフォースメントの)閉断面
19…ダンパ取付部(リアサスペンション取付部)
25…ストライカ
26…台座部(ストライカ台座部)
42…リトラクタ(シートベルトリトラクタ)
50…補強部材
52…節部
53…振動減衰接合部
61…上縁フランジ(フランジ部)
62…下縁フランジ(フランジ部)
63…振動減衰部材
64…ビード
Na…前側リトラクタ取付部(リトラクタ取付部、前側リトラクタ取付部)
N1b…後側ストライカ取付部
N1a…前側ストライカ取付部
G…リトラクタの重心(シートベルトリトラクタの重心)