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特許7677398無線端末、Edge Enabler Server(EES)、及びこれらにおける方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】無線端末、Edge Enabler Server(EES)、及びこれらにおける方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/06 20090101AFI20250508BHJP
   H04W 48/14 20090101ALI20250508BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20250508BHJP
   H04W 28/08 20230101ALI20250508BHJP
   H04W 76/18 20180101ALI20250508BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20250508BHJP
【FI】
H04W48/06
H04W48/14
H04W8/00 110
H04W28/08
H04W76/18
H04W88/18
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023500608
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 JP2022000273
(87)【国際公開番号】W WO2022176425
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】P 2021023808
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高倉 強
(72)【発明者】
【氏名】田村 利之
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-520771(JP,A)
【文献】3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Architecture for enabling Edge Applications; (Release 17),3GPP TS 23.558 V1.3.0,2021年02月04日,pp.19-25,61-75,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.558/23.558-130.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末であって、
Edge Application Server (EAS) discovery requestをEdge Enabler Server (EES) に向けて送信する手段と、
前記無線端末の固有サービス情報を考慮して前記EESによって特定された1又はそれ以上のEASが輻輳していることにより前記EAS discovery requestが失敗しているという原因を含むEAS discovery responseを、前記EESから受信する手段とを備え、
前記EAS discovery responseは、前記無線端末が新たなEAS discovery requestを行う前に待機すべき時間を示す情報をさらに含
前記待機すべき時間は、EAS profile毎に設定される、無線端末。
【請求項2】
前記無線端末は、User Equipment (UE)、移動局、移動端末、モバイルデバイス、携帯電話、スマートフォン、タブレット、セルラー Internet of Things (IoT) 端末、IoTデバイスのいずれかを含む、請求項1に記載の無線端末。
【請求項3】
無線端末における方法であって、
Edge Application Server (EAS) discovery requestをEdge Enabler Server (EES) に向けて送信し、
前記無線端末の固有サービス情報を考慮して前記EESによって特定された1又はそれ以上のEASが輻輳していることにより前記EAS discovery requestが失敗しているという原因を含むEAS discovery responseを、前記EESから受信し、
前記EAS discovery responseは、前記無線端末が新たなEAS discovery requestを行う前に待機すべき時間を示す情報をさらに含
前記待機すべき時間は、EAS profile毎に設定される、方法。
【請求項4】
前記無線端末は、User Equipment (UE)、移動局、移動端末、モバイルデバイス、携帯電話、スマートフォン、タブレット、セルラー Internet of Things (IoT) 端末、IoTデバイスのいずれかを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
Edge Enabler Server (EES) であって、
無線端末から送信されたEdge Application Server (EAS) discovery requestを受信する手段と、
前記無線端末の固有サービス情報を考慮して前記EESによって特定された1又はそれ以上のEASが輻輳していることにより前記EAS discovery requestが失敗しているという原因を含むEAS discovery responseを、前記無線端末に向けて送信する手段とを備え、
前記EAS discovery responseは、前記無線端末が新たなEAS discovery requestを行う前に待機すべき時間を示す情報をさらに含
前記待機すべき時間は、EAS profile毎に設定される、Edge Enabler Server (EES)
【請求項6】
Edge Enabler Server (EES) における方法であって、
無線端末から送信されたEdge Application Server (EAS) discovery requestを受信し、
前記無線端末の固有サービス情報を考慮して前記EESによって特定された1又はそれ以上のEASが輻輳していることにより前記EAS discovery requestが失敗しているという原因を含むEAS discovery responseを、前記無線端末に向けて送信し、
前記EAS discovery responseは、前記無線端末が新たなEAS discovery requestを行う前に待機すべき時間を示す情報をさらに含
前記待機すべき時間は、EAS profile毎に設定される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信ネットワークに関し、特にエッジコンピューティングのための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エッジコンピューティングは、アプリケーション、データ、コンピューティングパワー(サービス)を、一元的な場所(centralized points)(e.g., centralized data centers)からユーザにより近いロケーション(e.g., distributed data center)に移すことを目指している。European Telecommunications Standards Institute(ETSI)のMulti-access Edge Computing(MEC)と呼ばれるIndustry Specification Groupは、エッジコンピューティングのためのアプリケーション・プラットフォーム及びAPIsを標準化している。例えば、MECは、アプリケーション開発者(application developers)及びコンテンツプロバイダに対して、モバイル加入者(mobile subscribers)に近接した無線アクセスネットワーク(Radio Access Network(RAN))内でのクラウド・コンピューティング能力(capabilities)及びinformation technology(IT)サービス環境を提供する。この環境は、超低遅延(ultra-low latency)及び広帯域幅(high bandwidth)に加えて、アプリケーション及びサービスによって活用される(leveraged)ことができる無線ネットワーク情報(radio network information generation)(e.g., 加入者位置およびセル負荷)への直接アクセスを提供する。
【0003】
Third Generation Partnership Project (3GPP) SA6ワーキンググループは、エッジアプリケーションを可能にするためのアーキテクチャ(an architecture for enabling Edge Applications)の標準化作業を開始している(例えば、非特許文献1を参照)。3GPPのこのアーキテクチャは、EDGEAPPアーキテクチャと呼ばれる。EDGEAPPアーキテクチャは、User equipment(UE)上で動作するアプリケーションクライアント(application clients(ACs))とエッジに配置されたアプリケーション(applications)との間の通信を容易にする(facilitate)するための可能化(enabling)レイヤの仕様(specification)を提供する。EDGEAPPアーキテクチャによると、Edge Application Servers(EASs)によって提供されるエッジアプリケーション(applications)は、UEのACsに、Edge Configuration Server(ECS)及びEdge Enabler Server(EES)によって当該UEのEdge Enabler Client(EEC)を介して提供される。
【0004】
UE上で動作するACは、エッジクラウド上のサーバーアプリケーション(i.e., 3GPP SA6 terminologyではEAS、又はETSI ISG MEC terminologyではMEC application)を発見する必要がある。ACは、サーバーアプリケーションの発見のために、当該UE上の他のクライアント、すなわちEEC、を利用できる。EECは、エッジデータネットワークにおいて利用可能な(available)EASsのディスカバリをACsに提供する。
【0005】
UEは、エッジデータネットワーク(Edge Data Network(EDN))に接続するために必要な情報をECSから最初にプロビジョンされる。EDNは、1又はそれ以上のEESs及び1又はそれ以上のEASsを含む。より具体的には、UEのEECは、サービスプロビジョニングのためにECSと通信する。サービスプロビジョニングは、UEロケーション、サービス要件(requirements)、サービス性能(performances)、及び接続性(connectivity)に基づいて、利用可能なエッジコンピューティング・サービス(services)についての情報をEECに設定することを可能にする。当該設定は、EDNに配置された1又はそれ以上のEESsとのコネクションを確立するためにEECに必要なアドレス情報を含む。
【0006】
このサービスプロビジョニングのため、EDNでのサービス提供のためのリソース、及び接続又は設定に関する情報を要求するため、EECはサービスプロビジョニング要求をECSに対して行う。接続又は設定に関する情報は、例えば、利用可能なエッジコンピューティング・サービス(services)についての情報、EDN内のサーバの情報、当該サーバに関する識別子(ID)及びアドレス情報(e.g., Internet Protocol (IP) address、Single-Network Slice Selection Assistance Information (S-NSSAI)、及びサービスエリア情報)、EDN configuration information、及びEECが接続を確立するためのEdge Data Networkに関するコンフィグレーション情報を含む。
【0007】
非特許文献1によると、Application Client profile(s)がEECより提供されているなら、ECSは、提供されたApplication Client profile(s)及びUEロケーションに基づいて、EES(s)を特定(又は選択、又は決定、又は発見)する。Application Client profile(s)が提供されないとき、ECSは、ECSにおけるUE固有(UE-specific)サービス情報が利用可能であるなら、そのUE固有サービス情報及びUEロケーションに基づいて、EES(s)を特定する。あるいは、ECSは、Edge Computing Service Provider(ECSP)ポリシーを適用することによって(e.g., UEロケーションのみに基づいて)、EES(s)を特定する。もし、ECSが、EECからのサービスプロビジョニング要求でのインプット(inputs)、ECSでのUE固有サービス情報、又はECSPポリシーを用いてEES情報を決定できない場合、ECSは、サービスプロビジョニング要求を拒絶し、適切な失敗原因(failure cause)によってEECに応答する必要がある。もしサービスプロビジョニング要求が失敗したなら、EECは、受信した失敗原因によって示された不足している情報(missing information)を含めて、当該サービスプロビジョニング要求を再送(resend)することができる。
【0008】
次に、EECは、EESと通信し、ACのためにEASディスカバリを行う。EASディスカバリは、利用可能な対象のEASs(available EASs of interest)についての情報を得ることをEECに可能にする。EAS(s)のディスカバリは、EECより提供されるEAS discovery filtersのマッチングに基づく。EASディスカバリのため、EDNでのサービス提供に必要な装置、接続又は設定に関する情報を要求するため、EECはEASディスカバリ要求をEESに対して行う。当該情報は、例えば、利用可能なエッジコンピューティング・サービス(services)についての情報、及びEDN内のサーバの情報を含む。
【0009】
非特許文献1によると、EESは、EAS discovery filtersがEECより提供されているなら、EESは、提供されたEAS discovery filters及びUEロケーションに基づいて、EAS(s)を特定(又は選択、又は決定、又は発見)する。EAS discovery filtersが提供されないとき、EESは、EESにおけるUE固有(UE-specific)サービス情報がもし利用可能であるなら、そのUE固有サービス情報及びUEロケーションに基づいて、EAS(s)を特定する。あるいは、EESは、ECSPポリシーを適用することによって(e.g., UEロケーションのみに基づいて)、EAS(s)を特定する。もし、EESが、EECからのEASディスカバリ要求でのインプット(inputs)、ECSでのUE固有サービス情報、又はECSPポリシーを用いてEAS情報を決定できない場合、ECSは、EASディスカバリ要求を拒絶し、適切な失敗原因(failure cause)によってEECに応答する必要がある。もしUEがEASの地理的(geographical)な又はトポロジカルなサービスエリアの外に位置しているなら、EESは、当該EASをディスカバリ応答に含めるべきでない。もしEASディスカバリ要求が失敗したなら、EECは、受信した失敗原因によって示された不足している情報(missing information)を含めて、当該EASディスカバリ要求を再送(resend)することができる。
【0010】
以下、サービスプロビジョニング要求及び/又はEASディスカバリ要求を行うエンティティを総称して要求エンティティと呼ぶ。またサービスプロビジョニング要求(Service provisioning request)およびEASディスカバリ要求(Edge Application Server discovery request)を総称して単に要求と呼ぶ。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【文献】3GPP TS 23.558 V1.2.0 (2020-11) "3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Architecture for enabling Edge Applications; (Release 17)", November 2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
発明者等は、EDGEAPPアーキテクチャについて検討し、様々な課題を見出した。これらの課題の1つは、ECSによるEES(s)の特定(又は選択、又は決定、又は発見)、及びEESによるEAS(s)の特定(又は選択、又は決定、又は発見)に関する。現時点では、ECSが具体的にどのようにEES(s)を特定するのかが十分に明確ではない。同様に、EESが具体的にどのようにEAS(s)を特定するのかが十分に明確ではない。言い換えると、現時点では、3GPP SA6ワーキンググループは、エッジデータネットワークに配置された好ましい又は適切な(preferred or suitable)サーバ(以下ではエッジサーバと呼ぶ)を特定するための選択基準(criteria)又はロジックを十分に定義していない。3GPP EDGEAPPアーキテクチャでは、エッジサーバは、1又はそれ以上のEESs及び1又はそれ以上のEASsを含む。
【0013】
課題の他の1つは、サービスプロビジョニング要求又はEASディスカバリ要求が拒絶された場合の要求エンティティ(e.g., EEC)の動作に関する。現時点では、サービスプロビジョニング要求又はEASディスカバリ要求が拒絶されたとき要求エンティティがどのように動作するべきであるのかが十分に明確ではない。
【0014】
本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、上述された課題のうち少なくとも1つの解決に寄与する装置、方法、及びプログラムを提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様では、第1のサーバは、少なくとも1つのメモリ、及び前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を要求エンティティから受信したことに応じて、少なくとも1つの選択基準に基づいて前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバを特定することを試行するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2のサーバを特定した場合、前記第2のサーバの情報を前記要求エンティティに送信するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2のサーバを特定できない場合、当該第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを前記要求エンティティに送信するよう構成される。前記少なくとも1つの選択基準は、エッジデータネットワーク内に配置されるサーバの輻輳状態を含む。
【0016】
第2の態様では、第1のサーバにより行われる方法は以下のステップを含む:
(a)エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を要求エンティティから受信したことに応じて、少なくとも1つの選択基準に基づいて前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバを特定することを試行すること、ここで前記少なくとも1つの選択基準は、前記エッジデータネットワーク内に配置されるサーバの輻輳状態を含む、
(b)前記第2のサーバを特定した場合、前記第2のサーバの情報を前記要求エンティティに送信すること、及び
(c)前記第2のサーバを特定できない場合、当該第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを前記要求エンティティに送信すること。
【0017】
第3の態様では、要求エンティティは、少なくとも1つのメモリ、及び前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を第1のサーバに送信し、前記要求に対する応答を前記第1のサーバから受信するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの選択基準に基づいて特定される前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバの情報を前記応答が包含するなら、前記情報、前記サービスを提供するための通信に使用するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、前記応答が前記第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを含み且つバックオフが必要とされることを前記応答が示すなら、次の要求を送信する前にバックオフを行うよう構成される。
【0018】
第4の態様では、要求エンティティにより行われる方法は以下のステップを含む:
(a)エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を第1のサーバに送信すること、
(b)前記要求に対する応答を前記第1のサーバから受信すること、
(c)少なくとも1つの選択基準に基づいて特定される前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバの情報を前記応答が包含するなら、前記情報を、前記サービスを提供するための通信に使用すること、及び
(d)前記応答が前記第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを含み且つバックオフが必要とされることを前記応答が示すなら、次の要求を送信する前にバックオフを行うこと。
【0019】
第5の態様では、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述の第2又は第4の態様に係る方法をコンピュータに行わせるための命令群(ソフトウェアコード)を含む。
【発明の効果】
【0020】
上述の態様によれば、上述された課題のうち少なくとも1つの解決に寄与する装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係るネットワークのアーキテクチャの一例を示す図である。
図2】実施形態に係る第1のサーバの動作の一例を示すフローチャートである。
図3】実施形態に係る第1のサーバの動作の一例を示すフローチャートである。
図4】実施形態に係る要求エンティティの動作の一例を示すフローチャートである。
図5】実施形態に係るEEC及びECSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図6】実施形態に係るEEC及びEESの動作の一例を示すシーケンス図である。
図7】実施形態に係るソースEES(S-EES)及びECSの動作の一例を示すシーケンス図である。
図8】実施形態に係るソースEES(S-EES)及びターゲットEES(T-EES)の動作の一例を示すシーケンス図である。
図9】実施形態に係るUEの構成例を示すブロック図である。
図10】実施形態に係るサーバの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0023】
以下に説明される複数の実施形態は、独立に実施されることもできるし、適宜組み合わせて実施されることもできる。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を有している。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与する。
【0024】
以下に示される複数の実施形態は、3GPPシステム(e.g., 5G system(5GS))を主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、他の無線通信システムに適用されてもよい。
【0025】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係るネットワークのアーキテクチャの一例を示している。図1のアーキテクチャは、3GPP EDGEAPPアーキテクチャに相当する。図1に示された要素の各々は機能エンティティであり、3GPPにより定義された機能及びインタフェースを提供する。図1に示された各要素(機能エンティティ)は、例えば、専用ハードウェア(dedicated hardware)上のネットワークエレメントとして、専用ハードウェア上で動作する(running)ソフトウェア・インスタンスとして、又はアプリケーション・プラットフォーム上にインスタンス化(instantiated)された仮想化機能として実装されることができる。
【0026】
図1の例では、User Equipment(UE)1は、Edge Enabler Client(EEC)2、及び1又はそれ以上のApplication Clients(ACs)3を含む。言い換えると、EEC2及び1又はそれ以上のACs3は、UE1に配置され、UE1上で動作する。なお、図1には明示されていないが、UE1は、アクセスネットワーク(e.g., Radio Access Network(e.g., NG Radio Access Network(NG-RAN)))を介して3GPPコアネットワーク8(e.g., 5G Core(5GC))と通信する。これにより、UE1は、アクセスネットワーク及び3GPPコアネットワーク8を介したデータネットワークとの接続性をEEC2及びAC(s)3に提供する。
【0027】
EEC2は、AC(s)3により必要とされるサポート機能(supporting functions)を提供する。具体的には、EEC2は、Edge Application Server(EAS)とのアプリケーション・データ・トラフィックの交換を可能とするために設定情報のプロビジョニングを提供する。さらに、EEC2は、Edge Data Network(EDN)4内で利用可能な1又はそれ以上のEASsの発見のための機能を提供する。EEC2は、EASディスカバリで得られたEASのエンドポイント情報を発信(outgoing)アプリケーション・データ・トラフィックのEASへのルーティングのために使用する。さらに、EEC2は、EES5及びEAS(s)6の登録(i.e., registration, update, and de-registration)の機能を提供する。
【0028】
各AC3は、UE1で動作するアプリケーションである。各AC3は、エッジコンピューティングサービスを利用するために、1又はそれ以上のEASsに接続し、アプリケーション・データ・トラフィックをこれらEASsと交換する。
【0029】
1つのEdge Data Network(EDN)4は、1又はそれ以上のEdge Enabler Servers(EES)5、及び1又はそれ以上のEdge Application Servers(EASs)6を含む。EDN4は、Local Area Data Network(LADN)であってもよい。LADNは、1又はそれ以上の特定のエリアのみでのDN(及び対応するData Network Name(DNN))への限定的なアクセスを可能にする。当該エリアの外では、UE1は、当該DN(及びDNN)にアクセスできない。LADN DNNが利用可能なエリアは、LADNサービスエリアと呼ばれ、Tracking Areas(TAs)のセットとしてネットワーク内に設定される。LADN特徴を使用していないDNNsは、LADNサービスエリアを持たず、当該特徴によって制限されない。LADNサービスエリアは、UE1が登録するときに3GPPコアネットワーク8内のAccess and Mobility Management Function(AMF)によってUE1に提供される。これにより、UE1は、LADN(又はEDN)が利用可能であるエリアを知ることができ、このエリアの外では当該LADN(又はEDN)へのアクセスを試みない。
【0030】
各EES5は、EAS(s)6及びEEC2により必要とされるサポート機能(supporting functions)を提供する。具体的には、各EES5は、設定情報のプロビジョニングをEEC2に提供し、これによりアプリケーション・データ・トラフィックのEAS(s)6との交換を可能にする。各EES5は、EEC2及びEAS(s)6の登録(i.e., registration, update, and de-registration)の機能を提供する。各EES5は、EESs間のアプリケーションコンテキスト転送の機能を提供する。この機能は、サービス継続性(continuity)のためのエッジアプリケーション・モビリティ(又はアプリケーションコンテキスト・リロケーション)のために必要とされる。エッジアプリケーション・モビリティは、ユーザ(つまりAC)に関するアプリケーションコンテキスト若しくはアプリケーション・インスタンス又は両方をソースEAS(又はEDN又はLADN)からターゲットEAS(又はEDN又はLADN)にリロケートする。エッジアプリケーション・モビリティは、UEモビリティ・イベント又は非UEモビリティ・イベントによって引き起こされる。UEモビリティ・イベントは、例えば、EDN内UEモビリティ、EDN間UEモビリティ、及びLADN関連UEモビリティを含む。非UEモビリティ・イベントは、例えば、EAS又はEDNのオーバロード状況、及びEASのメンテナンス(例えば、EASのgraceful shutdown)を含む。
【0031】
さらに、各EES5は、Application Programming Interface (API) invoker及びAPI exposing functionの機能をサポートする。各EES5は、3GPPコアネットワーク8内のネットワーク機能のサービス(services)及び能力(capabilities)にアクセスするために3GPPコアネットワーク8と直接的に(e.g., Policy Control Function(PCF)を介して)又は間接的に(e.g., Network Exposure Function(NEF)若しくはService Capability Exposure Function (SCEF)を介して)インタラクトしてもよい。各EES5は、EAS(s)6への3GPPネットワーク機能のサービス(services)及び能力(capabilities)の外部露出(external exposure)をサポートしてもよい。
【0032】
各EAS6は、EDN4に配置され、アプリケーションのサーバ機能を実行する。アプリケーションのサーバ機能は、エッジのみで利用可能であってもよい。言い換えると、アプリケーションのサーバ機能は、EASとしてのみ利用可能であってもよい。しかしながら、アプリケーションのサーバ機能は、エッジとクラウド内の両方において利用可能であってもよい。言い換えると、アプリケーションのサーバ機能は、アプリケーションのサーバ機能は、EASとして利用可能であり、加えてクラウド内のアプリケーションサーバとして利用可能であってもよい。ここでのクラウドは、EDN4よりもUE1から離れて配置された中央(central)クラウドを意味する。したがって、クラウド内のアプリケーションサーバは、一元化された(centralized)場所(e.g., centralized data center)に配置されたサーバを意味する。各EAS6は、3GPPコアネットワーク能力(capabilities)を消費又は利用してもよい。各EAS6は、3GPPコアネットワーク機能APIを直接的に呼び出し(invoke)してもよい。これに代えて、各EAS6は、EES5を介して、又はNEF若しくはSCEFを介して、3GPPコアネットワーク能力(capabilities)を消費又は利用してもよい。
【0033】
Edge Configuration Server(ECS)7は、EES(s)5に接続するためにEEC2により必要とされるサポート機能(supporting functions)を提供する。具体的には、ECS7は、エッジ設定情報のEEC2へのプロビジョニングを提供する。エッジ設定情報は、EES(s)5に接続するためのEEC2への情報(e.g., LADNに該当する(applicable to)サービスエリア情報)を含み、EES(s)5とのコネクションを確立するための情報(e.g., Uniform Resource Identifier (URI))を含む。ECS7は、EES(s)5の登録(i.e., registration, update, and de-registration)の機能を提供する。さらに、ECS7は、API invoker及びAPI exposing functionの機能をサポートする。ECS7は、3GPPコアネットワーク8内のネットワーク機能のサービス(services)及び能力(capabilities)にアクセスするために3GPPコアネットワーク8と直接的に(e.g., PCFを介して)又は間接的に(e.g., NEF若しくはSCEFを介して)インタラクトしてもよい。ECS7は、3GPPコアネットワーク8を提供するMobile Network Operator(MNO)ドメイン内に配置されてもよいし、サービスプロバイダ(e.g., Edge Computing Service Provider(ECSP))のサードパーティ・ドメインに配置されてもよい。
【0034】
図1の構成例は、説明の便宜のために、代表的な要素のみを示している。例えば、ECS7は、EDN4を含む複数のEDNsに接続されてもよい。
【0035】
図2は、本実施形態に係る第1のサーバの動作の一例を示すフローチャートである。第1のサーバは、EDN4に配置された好ましい又は適切なエッジサーバを特定(発見、選択、又は決定)することを試みる。一例では、第1のサーバは、ECS7であってもよく、UE1のEEC2からの要求に応じて、1又はそれ以上のEESsを特定することを試行してもよい。あるいは、第1のサーバは、ECS7であってもよく、エッジアプリケーション・モビリティ(又はアプリケーションコンテキスト・リロケーション)の際に、ソースEES(S-EES)からの要求に応じて、ターゲットEES(T-EES)を特定することを試行してもよい。他の例では、第1のサーバは、EES5であってもよく、UE1のEEC2からの要求に応じて、1又はそれ以上のEASsを特定することを試行してもよい。あるいは、第1のサーバは、EES5(T-EES)であってもよく、エッジアプリケーション・モビリティ(又はアプリケーションコンテキスト・リロケーション)の際に、S-EESからの要求に応じて、ターゲットEAS(T-EAS)を特定することを試行してもよい。あるいは、第1のサーバは、EES5であってもよく、EEC2からの登録手続における登録の要求の検証(以下、登録検証と呼ぶ)において、EAS(s)を特定することを試行してもよい。
【0036】
ステップ201では、第1のサーバは、要求(requesting)エンティティから要求を受信する。要求エンティティは、機能エンティティであってもよい。第1のサーバがECS7であるケースでは、要求エンティティは、EEC2であってもよいし、エッジアプリケーション・モビリティでのS-EES(e.g., EES5)であってもよい。第1のサーバがEES5であるケースでは、要求エンティティは、EEC2であってもよいし、エッジアプリケーション・モビリティでのS-EESであってもよいし、EEC2のEES5への登録手続におけるEEC2であってもよい。要求は、エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続を要求する。当該要求は、サービスプロビジョニング要求又はEASディスカバリ要求であってもよい。当該要求は、EEC registration requestであってもよいし、EEC registration update requestであってもよい。
【0037】
ステップ202では、要求の受信に応じて、第1のサーバは、EDN4内に配され且つ少なくとも1つの選択基準を満たす第2のサーバを特定することを試行する。言い換えると、第1のサーバは、少なくとも1つの選択基準に基づいて、EDN4内に配された第2のサーバを特定する。ここで、少なくとも1つの選択基準において考慮される少なくとも1つのファクターは、EDN4内に配されたサーバの輻輳状態を含む。サーバの輻輳状態は、サーバが輻輳している(congested)か否かを示してもよい。あるいは、輻輳状態は、3レベル以上の輻輳レベル(e.g., 輻輳なし、低輻輳、中輻輳、高輻輳)のうち1つを示してもよい。輻輳状態は、負荷状態と呼ばれてもよい。一例では、第1のサーバは、輻輳しておらず且つ残りの選択基準を満たす第2のサーバを特定してもよい。一例では、第1のサーバは、輻輳状態(高負荷状態)であると判定された第2のサーバに関する情報を、少なくとも1つの利用可能な第2のサーバの情報(又はリスト)から除外してもよい。
【0038】
第2のサーバは、その輻輳状態を第1のサーバに動的に通知してもよい。より具体的には、第2のサーバは、当該第2のサーバを第1のサーバへ登録する際にその輻輳状態を第1のサーバに通知し、また輻輳状態が変わったことに応じて輻輳状態の更新を第1のサーバに通知してもよい。具体的には、各EAS6は、その輻輳状態をEdge Application Server Registration手順においてEES5に通知し、その輻輳状態の更新をEdge Application Server Registration Update手順においてEES5に通知してもよい。EES5は、その輻輳状態をEdge Enabler Server Registration手順においてECS7に通知し、その輻輳状態の更新をEdge Enabler Server Registration Update手順においてECS7に通知してもよい。加えて、EES5は、登録されたEAS(s)の各々の輻輳状態をEdge Enabler Server Registration手順においてECS7に通知し、登録されたEAS(s)の各々の輻輳状態の更新をEdge Enabler Server Registration Update手順においてECS7に通知してもよい。あるいは、第2のサーバは、その輻輳状態を第1のサーバに定期的に通知してもよい。
【0039】
あるいは、第1のサーバが第2のサーバの死活監視を行ってもよい。より具体的には、第1のサーバは、第2のサーバの障害又は第2のサーバとの通信路の障害などにより、第2のサーバによるサービスの提供が不可能と判定した場合、第1のサーバは、当該第2のサーバについて重大な輻輳状態として管理してもよい。あるいは、第2のサーバがメンテナンスに移行する場合など計画的なサービス中断を行う場合、第2のサーバは、その旨を第1のサーバに通知してもよい。一例では、第1のサーバは、サービスの提供が不可能と判定された第2のサーバに関する情報を、少なくとも1つの利用可能な第2のサーバの情報(又はリスト)から除外してもよい。あるいは、第1のサーバは、図1には明示的に示されてないNetwork Data Analytics Function(NWDAF)から第2のサーバの輻輳状態を得てもよい。この場合、第1のサーバは、NWDAFが提供する輻輳に関するサービスに加入(Subscribe)する事で、第2のサーバ毎、EAS毎、あるいはEES毎の輻輳情報を得ることができる。
【0040】
第2のサーバは、輻輳しているか否かを判定し、輻輳しているか否かを示す輻輳状態情報を第1のサーバに提供してもよい。当該輻輳状態情報は、2レベルに限られない。例えば、第2のサーバは、3レベル以上の輻輳レベル(e.g., 輻輳なし、低輻輳、中輻輳、高輻輳)の1つを特定し、特定された輻輳レベルを第1のサーバに知らせてもよい。この場合、輻輳状態情報は、3レベル以上の輻輳レベルのうち1つを示す情報であってもよい。
【0041】
ECS7によるEES(s)の選択(又は決定、又は発見、又は特定)のケースでは、第2のサーバはEESである。この場合、少なくとも1つの選択基準において考慮される他のファクターは、UE1のロケーション、EEC2より提供される少なくとも1つのApplication Client profile、及び第2のサーバ(i.e., EES)の稼働状態のうち少なくとも1つを含んでもよい。具体的には、ECS7は、提供されたApplication Client profileにマッチするEES(s)を特定してもよい。複数のApplication Client profilesが提供されたなら、ECS7は、全てのApplication Client profilesにマッチするEES(s)を特定してもよい。あるいは、ECS7は、提供されたApplication Client profilesのうち少なくとも1つにマッチするEES(s)を特定してもよい。あるいは、ECS7は、Application Client profile単位でEES(s)を特定してもよい。
【0042】
Application Client profileは、例えば、“Application Client Schedule”、“Expected Application Client Geographical Service Area”、“Service Continuity Support”、又は“List of EASs”のうち少なくとも1つを含む。Application Client Scheduleは、AC3の予想される動作スケジュール(expected operation schedule)、例えばタイムウインドウ、を示す。Expected Application Client Geographical Service Areaは、AC3の予想される動作スケジュールの間でのUE1の予想される位置(expected location(s))、例えばルート、を示す。Service Continuity Supportは、AC3のためにサービス継続性サポートが必要とされるか否かを示す。List of EASsは、EAS IDを含み、Application Client Service Key Performance Indicators (KPIs)をさらに含んでもよい。Application Client Service KPIsは、AC3によって要求されるサービス特性(characteristics)を示す。これらのサービス特性は、例えばconnection bandwidth、maximum request rate to be generated by the AC、maximum response time、maximum compute resources required by the AC、maximum memory resources required by the AC、又はInformation specific to the AC type(e.g., video, Virtual Reality (VR), etc.)のうち少なくとも1つを含む。
【0043】
ここで「提供されたApplication Client profileにマッチする」とは、EESの情報(e.g., 特性、性能、状態)がApplication Client profileに含まれるApplication Clientに関する情報にマッチすることを意味してもよい。あるいは、これは、EESの情報(e.g., 特性、性能、状態)がApplication Client profileに含まれるApplication Clientに関する条件を満たすことを意味してもよい。EES(s)の選択基準は以下の通りであってもよい。例えば、ECS7は、Application Client profileに含まれる全ての情報要素にマッチするEES(s)を特定してもよい。あるいは、ECS7は、“List of EASs”を除くApplication Client profileに含まれる全ての情報要素にマッチし、且つ“List of EASs”の少なくとも1つのアイテムにマッチするEES(s)を特定してもよい。あるいは、ECS7は、Application Client profileに含まれる少なくとも一つの情報要素にマッチするEES(s)を特定してもよい。
【0044】
UEロケーションは、UE1が接続しているネットワーク又はUEのポジションを特定してもよい。UEロケーションの値は、Cell Identity(ID)、Tracking Area Identity(TAI)、Global Positioning System(GPS)座標(Coordinates)、又は住所(civic address)であってもよい。ECS7によるEES(s)の選択のためのUEロケーションに関する選択基準は、UE1のロケーションがEDNサービスエリア又はEESサービスエリア内であることを要求してもよい。EDN4がLADNを用いて配備(deployed)される場合、EDNサービスエリアはLADNサービスエリアと同一であってもよい。EDNサービスエリアエリアが定義されるなら、EESサービスエリアはEDNサービスエリアと同一であってもよい。EESサービスエリアは、トポロジカルなサービスエリアであってもよいし、地理的な(geographical)サービスエリアであってもよい。トポロジカルなサービスエリアは、1又はそれ以上のセルIDによって定義されてもよいし、1又はそれ以上のTAIsによって定義されてもよい。
【0045】
一方、EES5によるEAS(s)の選択(又は決定、又は発見、又は特定)のケースでは、第2のサーバはEASである。この場合、少なくとも1つの選択基準において考慮される他のファクターは、UE1のロケーション、EEC2より提供されるEAS discovery filters、及び第2のサーバ(i.e., EAS)の稼働状態のうち少なくとも1つを含んでもよい。具体的には、EES5は、提供されたEAS discovery filtersにマッチするEAS(s)を特定してもよい。EAS discovery filtersは、要求されたEASを決定するために必要な特性(characteristics)のセットを示す。例えば、EAS discovery filtersは、“List of Application Client characteristics”及び“List of Edge Application Server characteristics”のうち一方又は両方を含んでもよい。
【0046】
EAS discovery filtersに包含されるList of Application Client characteristicsは、複数のApplication Clients(つまり、複数のApplication Client Profiles)を示してもよい。この場合、EES5は、全てのApplication Client profilesにマッチするEAS(s)を特定してもよい。あるいは、EES5は、提供されたApplication Client profilesのうち少なくとも1つにマッチするEAS(s)を特定してもよい。あるいは、EES5は、Application Client profile単位でEAS(s)を特定してもよい。ここでマッチするとは、EASの情報(e.g., 特性、性能、状態)がApplication Client profileに含まれるApplication Clientに関する情報又は条件を満たすという意味でもよい。EAS(s)のの選択基準は以下の通りであってもよい。例えば、EES5は、Application Client profileに含まれる全ての情報要素にマッチするEAS(s)を特定してもよい。あるいは、EES5は、“List of EASs”を除くApplication Client profileに含まれる全ての情報要素にマッチし、且つ“List of EASs”の少なくとも1つのアイテムにマッチするEAS(s)を特定してもよい。あるいは、EES5は、Application Client profileに含まれる少なくとも一つの情報要素にマッチするEAS(s)を特定してもよい。
【0047】
さらに又はこれに代えて、EAS discovery filtersに包含されるList of Edge Application Server characteristicsは、複数のアイテムを示してもよい。当該リストに掲載された各アイテムは、1又はそれ以上の特性のセット(e.g., EAS type、EAS schedule、EAS Geographical Service Area、EAS Topological Service Area、Service continuity support、及びEAS statusの任意の組み合わせ)を示す。EES5は、当該リストに掲載された全アイテムにマッチするEAS(s)を特定してもよい。あるいは、ECS7は、当該リストに掲載された少なくとも1つのアイテムにマッチするEAS(s)を特定してもよい。ここでマッチするとは、EASの情報(e.g., 特性、性能、状態)がList of Edge Application Server characteristicsに含まれるEdge Application Serverに関する情報又は条件を満たすという意味でもよい。EAS(s)の選択基準は以下の通りであってもよい。EES5は、List of Edge Application Server characteristicsに含まれる全ての情報要素にマッチするEAS(s)を特定してもよい。あるいは、List of Edge Application Server characteristicsに含まれる少なくとも一つの情報要素にマッチするEAS(s)を特定してもよい。
【0048】
EAS discovery filtersがList of Application Client characteristics及びList of Edge Application Server characteristicsの両方を含む場合、EES5は、これら両方にマッチするEAS(s)を特定してもよい。例えば、EES5は、List of Application Client characteristicsに含まれる全てのApplication Client profilesにマッチし、且つList of Edge Application Server characteristicsにもマッチするEAS(s)を特定してもよい。あるいは、EES5は、提供されたApplication Client profilesのうち1つのApplication Client profileにマッチし、且つList of Edge Application Server characteristicsにもマッチするEAS(s)を特定してもよい。これに代えて、EES5は、これらのうち少なくとも一方にマッチするEAS(s)を特定してもよい。
【0049】
EES5によるEAS(s)の選択のためのUEロケーションに関する選択基準は、UE1のロケーションがEDNサービスエリア、EESサービスエリア、又はEASサービスエリア内であることを要求してもよい。EASサービスエリアは、トポロジカルなサービスエリア(e.g., Cell ID(s)、又はTAI(s))であってもよいし、地理的なサービスエリアであってもよい。EASサービスエリアは、EDNサービスエリアと同じかそのサブセットであってもよい。EASサービスエリアは、EESサービスエリアと同じかそのサブセットであってもよい。
【0050】
EES5によるEAS(s)の登録検証において考慮される他のファクターは、セキュリティ要件、UE1のロケーション、EEC2より提供されるApplication Client Profile(s)、及び第2のサーバ(i.e., EAS)の稼働状態のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0051】
選択基準を満たす第2のサーバの特定に成功したことに応じて(ステップ203でYES)、手順はステップ204に進む。ステップ204では、第1のサーバ(i.e., ECS7又はEES5)は、ステップ203で特定された第2のサーバ(e.g., EES、EAS、T-EES、又はT-EAS)の情報を要求エンティティ(i.e., EEC2又はS-EES)に送信する。
【0052】
これに対して、選択基準を満たす第2のサーバの特定に失敗したことに応じて(ステップ203でNO)、手順はステップ205に進む。ステップ205では、第1のサーバ(i.e., ECS7又はEES5)は、拒絶又はエラーメッセージにより要求に応答する(以降、単に拒絶メッセージと称する場合がある)。第1のサーバは、要求エンティティへの応答メッセージに失敗原因(failure cause、cause value、又はerror)を含めることによって要求が拒絶されること又は失敗したことを示してもよい。なお、上述の「拒絶メッセージにより要求に応答する」とは、Request/Responseモデルに基づくservice provisioning手順またはEAS discovery手順における応答を意味するが、Subscribe-Notifyモデルに基づくservice provisioning手順又はEAS discovery手順では、第1のサーバは、拒絶メッセージにより要求に応答することに代えて、拒絶メッセージを要求エンティティに通知する。エラーメッセージは、失敗原因を含むレスポンスメッセージであってもよい。
【0053】
上述の第1のサーバの動作によれば、第1のサーバは、少なくとも第2のサーバの輻輳状態を考慮しつつ、好ましい又は適切な第2のサーバを特定、発見、選択、又は決定することができる。
【0054】
要求エンティティがEEC2であり且つservice provisioning手順において拒絶メッセージを受信した場合、要求エンティティ(EEC2)は以下のように動作してもよい。EEC2は、service provisioning手順を中止(abort)する。あるいは、EEC2は、service provisioning requestを再送してもよい。再送回数が所定の最大数に到達したなら、EEC2は、service provisioning手順を中止(abort)する。EEC2は、失敗原因(又はエラー)をAC3に知らせてもよい。EEC2は、失敗原因(又はエラー)をAC固有の(AC-specific)失敗原因(又はエラー)にマップしてもよい。あるいは、EEC2は、失敗原因(又はエラー)を透過的にAC3に転送してもよい。
【0055】
要求エンティティがEEC2であり且つSubscribe-Notifyモデルに基づくservice provisioning手順において拒絶メッセージを受信した場合、要求エンティティ(EEC2)は以下のように動作してもよい。EEC2は、service provisioning手順を中止(abort)する。あるいは、EEC2は、service provisioning subscription update requestをECS7に送信してもよい。EEC2は、失敗原因(又はエラー)をAC3に知らせてもよい。EEC2は、失敗原因(又はエラー)をAC固有の(AC-specific)失敗原因(又はエラー)にマップしてもよい。あるいは、EEC2は、失敗原因(又はエラー)を透過的にAC3に転送してもよい。
【0056】
要求エンティティがEEC2であり且つEAS discovery手順において拒絶メッセージを受信した場合、要求エンティティ(EEC2)は以下のように動作してもよい。EEC2は、EAS discovery手順を中止(abort)する。あるいは、EEC2は、EAS discovery requestを再送してもよい。再送回数が所定の最大数に到達したなら、EEC2は、EAS discovery手順を中止(abort)する。EEC2は、失敗原因(又はエラー)をAC3に知らせてもよい。EEC2は、失敗原因(又はエラー)をAC固有の(AC-specific)失敗原因(又はエラー)にマップしてもよい。あるいは、EEC2は、失敗原因(又はエラー)を透過的にAC3に転送してもよい。あるいは、EEC2は、拒絶メッセージの失敗原因に基づき、EAS discoveryの送信を抑止してもよい。
【0057】
要求エンティティがEEC2であり且つSubscribe-Notifyモデルに基づくEAS discovery手順において拒絶メッセージを受信した場合、要求エンティティ(EEC2)は以下のように動作してもよい。EEC2は、EAS discovery手順を中止(abort)する。あるいは、EEC2は、EAS discovery subscription update requestをEES5に送信してもよい。EEC2は、失敗原因(又はエラー)をAC3に知らせてもよい。EEC2は、失敗原因(又はエラー)をAC固有の(AC-specific)失敗原因(又はエラー)にマップしてもよい。あるいは、EEC2は、失敗原因(又はエラー)を透過的にAC3に転送してもよい。あるいは、EEC2は、拒絶メッセージの失敗原因に基づき、EAS discoveryの送信を抑止してもよい。
【0058】
要求エンティティがEEC2であり且つEEC2の登録手順において拒絶メッセージを受信した場合、要求エンティティ(EEC2)は以下のように動作してもよい。EEC2は、登録手順を中止(abort)する。あるいは、EEC2は、EEC registration requestを再送してもよい。再送回数が所定の最大数に到達したなら、EEC2は、登録手順を中止(abort)する。あるいは、EEC2は、EEC registration update requestを送信してもよい。あるいは、EEC2は、EEC de-registration requestを送信してもよい。あるいは、EEC2は、失敗原因(又はエラー)をAC3に知らせてもよい。EEC2は、失敗原因(又はエラー)をAC固有の(AC-specific)失敗原因(又はエラー)にマップしてもよい。あるいは、EEC2は、失敗原因(又はエラー)を透過的にAC3に転送してもよい。あるいは、EEC2は、拒絶メッセージの失敗要因原因に基づき、EEC registration request、またはEEC registration update requestの送信を抑止してもよい。
【0059】
第1のサーバは、第2のサーバが輻輳している場合に要求エンティティに送られる拒絶メッセージを、第2のサーバが発見できない場合に送られる拒絶メッセージと区別してもよい。一例では、第2のサーバが輻輳している場合に拒絶メッセージにセットされる失敗原因の値は、第2のサーバが発見できない場合に拒絶メッセージにセットされるそれと異なってもよい。これにより、要求エンティティは、拒絶メッセージのタイプ(又は失敗原因のタイプ)を区別できる。さらに、要求エンティティは、拒絶メッセージのタイプ(又は失敗原因のタイプ)に依存して異なる動作を行うことができる。
【0060】
以下では、第1のサーバがECS7である場合における拒絶メッセージの具体例を説明する。ECS7がUEロケーションに関する選択基準に基づく拒絶メッセージにより要求に応答する場合、当該拒絶メッセージは、要求エンティティ依存のエラーまたは状態であることを示してよく、具体的にはHTTP Status code 403 Forbiddenであってよい。当該拒絶メッセージに含まれる失敗原因は、エッジ設定情報取得が許容または承認されていないことを示す値であってよく、あるいはUEのロケーションでの当該要求が承認又は許容されていないことを示す値であってよく、具体的には"NOT_AUTHORIZED"であってもよい。他の例では、ECS7は、NASメッセージを利用して拒絶応答してもよい。具体的には、当該NASメッセージは、PDU Session Establishment Rejectメッセージ、PDU Session Establishment Acceptメッセージ、Registration Rejectメッセージ、Registration Acceptメッセージのいずれかでもよい。また当該拒絶メッセージに含まれる失敗原因は、UEロケーションに関する選択基準に基づく拒絶であることを示すcause valueであってよいし、UEロケーションに関する選択基準に基づくエラーを示す値でもよい。なお、UEロケーションに関する選択基準に基づく拒絶とは、Application Client profilesにマッチするEESは特定できるが、ロケーションに関する選択基準を満たしていないことによる拒絶であってよい。言い換えると、これは、UEロケーションがエッジ設定情報を受信できるロケーション外であることによるエラーであってよい。EEC2は、要求に対する応答がUEロケーションに関する選択基準に基づく拒絶であった場合、service provisioning requestの送信を抑止してもよい。さらに、EEC2は、UEロケーションを変更するまで、service provisioning requestの送信を抑止してもよい。言い換えると、EEC2は、UEロケーションを変更するまで、拒絶された要求と同一のリソース又は情報を含むservice provisioning requestの送信を抑止してもよい。
【0061】
ECS7が、Application Client profilesに関する選択基準に基づく拒絶メッセージにより要求に応答する場合(第2のサーバが発見できない場合)、当該拒絶メッセージは、要求エンティティ依存のエラーまたは状態であることを示してよく、具体的にはHTTP Status code 404 Not Foundであってよい。当該拒絶メッセージに含まれる失敗原因は、EESが見つからないことを示す値であってよく、あるいはApplication Client profilesに含まれる情報又は条件を満たすことができないことを示す値であってよく、具体的には"RESOURCE_NOT_FOUND"であってよい。他の例では、ECS7は、NASメッセージを利用して拒絶応答してもよい。具体的には、当該NASメッセージは、PDU Session Establishment Rejectメッセージ、PDU Session Establishment Acceptメッセージ、Registration Rejectメッセージ、Registration Acceptメッセージのいずれかでもよい。当該拒絶メッセージに含まれる失敗原因は、Application Client profilesに関する選択基準に基づく拒絶であることを示すcause valueであってよいし、Application Client profilesに関する選択基準に基づくエラーを示す値でもよい。なお、Application Client profilesに関する選択基準に基づく拒絶とは、Application Client profilesにマッチするEESが見つからない場合の拒絶であってもよい。あるいは、これは、Application Client profilesにマッチするEAS(s)を特定できるが、当該EAS(s)が稼働状態ではない場合の拒絶であってもよい(例えば、EAS(s)が輻輳している場合やEAS(s)がメンテナンス中である場合)。ここで、EAS(s)が稼働状態ではない場合の失敗原因は、EAS(s)の稼働状態に起因する失敗であることを示す値でもよく、具体的には上述の"RESOURCE_NOT_FOUND"に代わり"APPLICATION_NOT_FOUND"であってもよい。EEC2は、要求に対する応答がApplication Client profilesに関する選択基準に基づく拒絶であった場合、service provisioning requestの送信を抑止してよい。さらに、EEC2は、Application Client profiles又はこれらに含まれる情報の一部を変更するまで、service provisioning requestの送信を抑止してもよい。言い換えると、EEC2は、Application Client profiles又はこれらに含まれる情報の一部を変更するまで、拒絶された要求と同一のリソース又は情報を含むservice provisioning requestの送信を抑止してもよい。
【0062】
ECS7が、EESの稼働状態に関する選択基準に基づく拒絶メッセージにより要求に応答する場合(EESが輻輳している場合やEESがメンテナンス中である場合)、当該拒絶メッセージは、サーバ依存のエラーまたは状態であることを示してよく、具体的にはHTTP Status code 503 Service Unavailableであってもよい。他の例では、ECS7は、NASメッセージを利用して拒絶応答してもよい。具体的には、当該NASメッセージは、PDU Session Establishment Rejectメッセージ、PDU Session Establishment Acceptメッセージ、Registration Rejectメッセージ、Registration Acceptメッセージのいずれかでもよい。当該拒絶メッセージに含まれる失敗原因は、EESの稼働状態に関する選択基準に基づく拒絶であることを示すcause valueであってよいし、EESの稼働状態に関する選択基準に基づくエラーを示す値でもよい。
【0063】
なお、NASメッセージを用いて拒絶応答する場合、ECS7は、3GPPコアネットワーク8が提供するAPIを活用して応答する。当該APIは、NEFによってApplication Function(AF)であるECS7に対して公開され、PCF、Session Management Function(SMF)、又はAMFの3GPP core network capabilityへのアクセスを提供するAPIであってもよい。
【0064】
以下では、第1のサーバがEES5である場合における拒絶メッセージの具体例を説明する。EES5が、UEロケーションに関する選択基準に基づく拒絶メッセージにより要求に応答する場合、当該拒絶メッセージは、要求エンティティ依存のエラーまたは状態であることを示してよく、具体的にはHTTP Status code 403 Forbiddenであってもよい。当該拒絶メッセージに含まれる失敗原因は、EAS情報取得が許容または承認されていないことを示す値であってよく、あるいはUEのロケーションでの当該要求が承認又は許容されていないことを示す値であってよく、具体的には"NOT_AUTHORIZED"であってもよい。なお、UEロケーションに関する選択基準に基づく拒絶とは、EAS discovery filtersにマッチするEAS(s)は特定できるが、ロケーションに関する選択基準を満たしていないことによる拒絶であってもよい。言い換えると、UEロケーションがEAS情報を受信できるロケーション外であることによるエラーであってよい。EEC2は、要求に対する応答がUEロケーションに関する選択基準に基づく拒絶であった場合、EAS discovery requestの送信を抑止してもよい。さらに、EEC2は、UEロケーションを変更するまで、EAS discovery requestの送信を抑止してもよい。言い換えると、EEC2は、UEロケーションを変更するまで、拒絶された要求と同一のリソース又は情報を含むEAS discovery requestの送信を抑止してもよい。
【0065】
EES5が、登録検証において実施するUEロケーションに関する選択基準に基づく拒絶メッセージにより要求に応答する場合、当該拒絶メッセージは、要求エンティティ依存のエラーまたは状態であることを示してよく、具体的にはHTTP Status code 403 Forbiddenであってよい。当該拒絶メッセージに含まれる失敗原因は、UEのロケーションでの登録が承認、または許容されていないことを示す値であってよく、具体的には"NOT_AUTHORIZED"であってもよい。なお、ここでのUEロケーションに関する選択基準に基づく拒絶とは、Application Client profilesにマッチするEAS(s)は特定できるが、これらがロケーションに関する選択基準を満たしていないことによる拒絶であってよい。UEロケーションが当該EASを考慮した登録が許可されているロケーション外であることによるエラーであってよい。このとき、EEC2は、要求に対する応答がUEロケーションに基づく拒絶であった場合、EEC registration request又はEEC registration update requestの送信を抑止してもよい。さらに、EEC2は、UEロケーションを変更するまで、EEC registration request又はEEC registration update requestの送信を抑止してもよい。言い換えると、EEC2は、UEロケーションを変更するまで、拒絶された要求と同一のリソース又は情報を含むEEC registration request又はEEC registration update requestの送信を抑止してもよい。
【0066】
EES5が、EAS discovery filtersに関する選択基準に基づく拒絶メッセージにより要求に応答する場合(第2のサーバが発見できない場合)、当該拒絶メッセージは、要求エンティティ依存のエラーまたは状態であることを示してよく、具体的にはHTTP Status code 404 Not Foundであってよい。当該拒絶メッセージに含まれる失敗原因は、EASが見つからないことを示す値であってよく、あるいはEAS discovery filters に含まれる情報又は条件が満たされないことを示す値であってよく、具体的には"RESOURCE_NOT_FOUND"であってよい。なお、EAS discovery filtersに関する選択基準に基づく拒絶とは、EAS discovery filtersにマッチするEAS(s)が見つからない場合の拒絶であってよい。このとき、EEC2は、要求に対する応答がEAS discovery filtersに関する選択基準に基づく拒絶であった場合、EAS discovery requestの送信を抑止してよい。さらに、EEC2は、EAS discovery filters又はこれらに含まれる情報の一部を変更するまで、EAS discovery requestの送信を抑止してもよい。言い換えると、EEC2は、EAS discovery filters又はこれらに含まれる情報の一部を変更するまで、拒絶された要求と同一のリソース又は情報を含むEAS discovery requestの送信を抑止してもよい。
【0067】
EES5が、登録検証において実施するApplication Client profiles関する選択基準に基づく拒絶メッセージにより要求に応答する場合(第2のサーバが発見できない場合)、当該拒絶メッセージは、要求エンティティ依存のエラーまたは状態であることを示してよく、具体的にはHTTP Status code 404 Not Foundであってもよい。当該拒絶メッセージに含まれる失敗原因は、Application Client profiles に含まれる情報又は条件を満たすことができないことを示す値であってよく、具体的には"RESOURCE_NOT_FOUND"であってもよい。なお、ここでのApplication Client profilesに関する選択基準に基づく拒絶とは、Application Client profilesにマッチするEAS(s)が見つからない場合の拒絶であってもよい。このとき、EEC2は、要求に対する応答がApplication Client profilesに関する検証基準に基づく拒絶であった場合、EEC registration request又はEEC registration update requestの送信を抑止してよい。さらに、EEC2は、Application Client profiles又はこれらに含まれる情報の一部を変更するまで、EEC registration request又はEEC registration update requestの送信を抑止してもよい。言い換えると、EEC2は、Application Client profiles又はこれらに含まれる情報の一部を変更するまで、拒絶された要求と同一のリソース又は情報を含むEEC registration request又はEEC registration update requestの送信を抑止してもよい。
【0068】
EES5が、EASsの稼働状態に関する選択基準に基づく拒絶メッセージにより要求に応答する場合(第2のサーバが輻輳している場合や第2のサーバがメンテナンス中である場合)、当該拒絶メッセージは、サーバ依存のエラーまたは状態であることを示してよく、具体的にはHTTP Status code 503 Service Unavailableを示してよい。
【0069】
要求エンティティがEEC2であり且つservice provisioning手順において拒絶メッセージを受信した場合、要求エンティティ(EEC2)は以下のように動作してもよい。当該拒絶メッセージが第2のサーバ(i.e., EES)の輻輳に起因しているなら、EEC2は、service provisioning requestの再送信を行わずにservice provisioning手順を中止(abort)する。これに対して、当該拒絶メッセージが第2のサーバ(i.e., EES)が見つからないとの事実に起因しているなら、EEC2は、service provisioning requestの再送信を行う。
【0070】
要求エンティティがEEC2であり且つEAS discovery手順において拒絶メッセージを受信した場合、要求エンティティ(EEC2)は以下のように動作してもよい。当該拒絶メッセージが第2のサーバ(i.e., EAS)の輻輳に起因しているなら、EEC2は、EAS discovery requestの再送信を行わずにEAS discovery手順を中止(abort)する。これに対して、当該拒絶メッセージが第2のサーバ(i.e., EAS)が見つからないとの事実に起因しているなら、EEC2は、EAS discovery requestの再送信を行う。
【0071】
<第2の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明された第1のサーバ及び要求エンティティの動作の変形を提供する。本実施形態に係るネットワークアーキテクチャの例は、図1を参照して説明された例と同様である。
【0072】
本実施形態では、第1のサーバは、要求が拒絶される場合に、要求エンティティが次の要求を送信する前にバックオフを行うべきであることを拒絶メッセージにおいて明示的又は暗示的に示す。一例では、第1のサーバは、第2のサーバが輻輳している(高負荷状態である)ために要求が拒絶される場合に、要求エンティティが次の要求を送信する前にバックオフを行うべきであることを拒絶メッセージにおいて明示的又は暗示的に示す。具体的には、第1のサーバは、第2のサーバが輻輳していることを示す失敗原因(failure cause)を拒絶メッセージに含めてもよい。当該失敗原因は、バックオフが必要とされることを暗示的に示す。さらに又はこれに代えて、第1のサーバは、特定のバックオフ時間を示す値、最大バックオフ時間を示す値、又はこれらのいずれかを導出するためのパラメータ、を拒絶メッセージに含めてもよい。バックオフ時間は、バックオフ期間又はバックオフウィンドウと呼ばれてもよい。
【0073】
要求エンティティは、バックオフが必要とされることを拒絶メッセージが示していないなら、バックオフを行わずに次の要求を送信することができる。例えば、要求エンティティは、受信した拒絶メッセージに包含されている失敗原因によって示された不足している情報(missing information)を含めて、要求メッセージを再送(resend)することができる。
【0074】
これに対して、バックオフが必要とされることを拒絶メッセージが明示的又は暗示的に示すなら、要求エンティティは、次の要求を送信する前にバックオフを行う。言い換えると、要求エンティティは、少なくともバックオフ時間が経過するまで次の要求の送信を遅らせる。バックオフ時間は、第1のサーバにより指定されてもよいし、要求エンティティよって導出されてもよい。要求エンティティは、最大バックオフ時間を上限としてランダムなバックオフ時間を決定してもよい。
【0075】
図3は、本実施形態に係る第1のサーバの動作の一例を示すフローチャートである。第1のサーバは、EDN4に配置された好ましい又は適切なエッジサーバを特定(発見、選択、又は決定)することを試みる。一例では、第1のサーバは、ECS7であってもよく、UE1のEEC2からの要求に応じて、1又はそれ以上のEESsを特定することを試行してもよい。あるいは、第1のサーバは、ECS7であってもよく、エッジアプリケーション・モビリティ(又はアプリケーションコンテキスト・リロケーション)の際に、ソースEES(S-EES)からの要求に応じて、ターゲットEES(T-EES)を特定することを試行してもよい。他の例では、第1のサーバは、EES5であってもよく、UE1のEEC2からの要求に応じて、1又はそれ以上のEASsを特定することを試行してもよい。あるいは、第1のサーバは、EES5(T-EES)であってもよく、エッジアプリケーション・モビリティ(又はアプリケーションコンテキスト・リロケーション)の際に、S-EESからの要求に応じて、ターゲットEAS(T-EAS)を特定することを試行してもよい。
【0076】
ステップ301~304は、図2のステップ201~204と同様である。ステップ305では、第1のサーバ(i.e., ECS7又はEES5)は、拒絶メッセージにより要求に応答する。当該拒絶メッセージは、次の要求の送信の前にバックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示す。具体的には、第2のサーバが輻輳している(高負荷状態である)ために要求が拒絶される場合に、第1のサーバは、バックオフの必要性を拒絶メッセージで示してもよい。
【0077】
図4は、本実施形態に係る要求エンティティの動作の一例を示すフローチャートである。EES(s)の選択(又は決定、又は発見、又は特定)のケースでは、要求エンティティは、EEC2であってもよいし、エッジアプリケーション・モビリティでのS-EES(e.g., EES5)であってもよい。EAS(s)の選択(又は決定、又は発見、又は特定)のケースでは、要求エンティティは、EEC2であってもよいし、エッジアプリケーション・モビリティでのS-EESであってもよい。
【0078】
ステップ401では、要求エンティティは第1のサーバ(e.g., ECS7、又はEES5)に要求を送信する。ステップ402では、要求エンティティは第1のサーバから応答を受信する。
【0079】
ステップ402の応答が拒絶メッセージでないなら(ステップ403でNO)、手順はステップ404に進む。ステップ404では、要求エンティティ(e.g., EEC2、又はS-EES)は、EDN4内に配置され且つ少なくとも1つの選択基準を満たす第2のサーバ(e.g., EES、EAS、T-EES、又はT-EAS)の情報を応答メッセージから取り出す。要求エンティティは、第2のサーバの情報を、EDN4でサービスを提供するための通信に使用する。例えば、要求エンティティがEES(s)の選択(又は決定、又は発見、又は特定)のケースでのEEC2であるなら、EEC2は受信した第2のサーバ(i.e., EES)の情報を、後続のEASディスカバリにおいて利用してもよい。あるいは、要求エンティティがEAS(s)の選択(又は決定、又は発見、又は特定)のケースでのEEC2であるなら、EEC2は受信した第2のサーバ(i.e., EES)の情報(e.g., エンドポイント情報)を、アプリケーション・データ・トラフィックのEASへのルーティングのために使用してもよい。
【0080】
これに対して、ステップ402の応答が拒絶メッセージであるなら(ステップ403でYES)、手順はステップ405に進む。ステップ405では、要求エンティティは、バックオフが必要であることを拒絶メッセージが示すか否かを判定する。バックオフが必要でないなら(ステップ405でNO)、要求エンティティは、バックオフを行わずに次の要求を送信することができる(ステップ406)。バックオフが必要であるなら(ステップ405でYES)、要求エンティティは、次の要求を送信する前にバックオフを行う。
【0081】
上述の第1のサーバ及び要求エンティティの動作によれば、要求が拒絶される場合に、第1のサーバは、要求エンティティによる次の要求の送信を遅らせることができる。特に第2のサーバの輻輳が原因で要求が拒絶される場合は、要求エンティティによる次の要求の送信を遅らせることで、第2のサーバの輻輳の解消や低減が期待できる。
【0082】
以下は、上述の第1のサーバ及び要求エンティティの動作の実装の幾つかの具体例を図5から図8を参照しながら提供する。図5は、Request/Responseモデルに基づくservice provisioning手順におけるEEC2及びECS7の動作の一例を示している。図5のEEC2は上述の要求エンティティに対応し、図5のECS7は上述の第1のサーバに対応する。ステップ501では、EEC2は、上述の要求としてservice provisioning requestをECS7に送る。
【0083】
ステップ502では、ECS7は、少なくとも1つの選択基準を満たす少なくとも1つのEESを特定することを試行する。少なくとも1つの選択基準は、EESの輻輳状態を考慮する。さらに、少なくとも1つの選択基準は、UEロケーション及びステップ501の要求を介してEEC2より提供された少なくとも1つのApplication Client profileの一方又は両方を考慮してもよい。少なくとも1つの選択基準は、他のファクター、例えば、ECS7におけるUE固有(UE-specific)サービス情報、又はECSPポリシーを考慮してもよい。図3(ステップ305)を参照して説明されたように、ECS7は、少なくとも1つの選択基準を満たすEESを特定できない場合に、EEC2の要求を拒絶する。
【0084】
ステップ503では、ECS7は、service provisioning responseによってEEC2の要求に応答する。図5は、EEC2の要求が拒絶されるケースを示している。したがって、当該応答は、失敗原因を含む。さらに、EESが輻輳している(高負荷状態である)場合に、当該応答は、バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示す。バックオフが必要とされることを当該応答が明示的に示す場合、ステップ503において、当該応答にさらにバックオフタイマー値が設定されてもよい。ステップ504では、EEC2は、少なくともバックオフ時間が経過するまで次の要求の送信を遅らせる。
【0085】
バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示す情報は、service provisioning responseに設定されるEDN connection information毎に設定されてもよいし、EDN connection information内に設定されるEES(s)毎に設定されてもよい。EDN connection informationは、UE1がEDN4との接続を確立するための情報である。
【0086】
図5のステップ503では、EES5が輻輳しているが、EEC2の要求が受け入れられるケースが有る。この場合、当該service provisioning responseは、バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示し、且つ失敗原因を含まない。当該応答は失敗原因を含まないので、当該応答は、EEC2の要求が受け入れられ、ECS7からservice provisioningがEEC2に対して行われていることを示す。したがって、当該応答は、バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示すが、要求が拒絶された場合(FAILURE)では無く、要求が受け入れられた場合(SUCCESS)のメッセージとして扱われてもよい。この場合、ステップ504では、EEC2は、ECS7から輻輳していると示されたEES(s)へのEDGE-1メッセージの送信を、バックオフタイマー値などを考慮して遅らせる。当該EDGE-1メッセージは、Edge Enabler Client registration request、Edge Enabler Client registration update request、Edge Enabler Client de-registration request、Edge Application Server discovery requestの少なくともいずれかを含む。この場合のバックオフを示す情報は、遅延要求情報(Deferred request)又は低速処理通知(Slow processing notification)などと表現されてもよい。
【0087】
図5に示されたservice provisioning手順は適宜変更されることができる。特に、service provisioning手順は、Request-Responseモデルに代えて、Subscribe-Notifyモデルに従ってもよい。図5に示されたEEC2とECS7との間のシグナリングは、3GPPコアネットワーク8及びアクセスネットワークによって提供されるユーザプレーン・コネクション(e.g.,データ無線ベアラ及び1又はそれ以上のユーザプレーン・トンネル)を介して行われてもよい。これに代えて、当該シグナリングは、3GPPコアネットワーク8及びアクセスネットワークによって提供されるコントロールプレーン・コネクションを介して行われてもよい。当該コントロールプレーン・コネクションは、UE1と3GPPコアネットワーク8内のコントロールプレーン・エンティティ(e.g., AMF又はMobility Management Entity (MME))との間のNon-Access Stratum (NAS)シグナリングコネクションを含む。
【0088】
図6は、Request/Responseモデルに基づくEAS discovery手順におけるEEC2及びEES5の動作の一例を示している。図6のEEC2は上述の要求エンティティに対応し、図6のEES5は上述の第1のサーバに対応する。ステップ601では、EEC2は、上述の要求としてEdge Application Server discovery requestをEES5に送る。
【0089】
ステップ602では、EES5は、少なくとも1つの選択基準を満たす少なくとも1つのEASを特定することを試行する。少なくとも1つの選択基準は、EASの輻輳状態を考慮する。さらに、少なくとも1つの選択基準は、UEロケーション及びステップ601の要求を介してEEC2より提供されたEAS discovery filtersの一方又は両方を考慮してもよい。少なくとも1つの選択基準は、他のファクター、例えば、EES5におけるUE固有(UE-specific)サービス情報、又はECSPポリシーを考慮してもよい。図3(ステップ305)を参照して説明されたように、EES5は、少なくとも1つの選択基準を満たすEASを特定できない場合に、EEC2の要求を拒絶する。
【0090】
ステップ603では、EES5は、Edge Application Server discovery responseによってEEC2の要求に応答する。図6は、EEC2の要求が拒絶されるケースを示している。したがって、当該応答は、失敗原因を含む。さらに、EASが輻輳している(高負荷状態である)場合に、当該応答は、バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示す。バックオフが必要とされることを当該応答が明示的に示す場合、ステップ603において、当該応答にさらにバックオフタイマー値が設定されてもよい。ステップ604では、EEC2は、少なくともバックオフ時間が経過するまで次の要求の送信を遅らせる。
【0091】
バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示す情報は、Edge Application Server discovery responseに設定される EAS profile毎に設定されてもよい。
【0092】
図6のステップ603では、EAS6が輻輳しているが、EEC2の要求が受け入れられるケースが有る。この場合、当該Edge Application Server discovery responseは、バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示し、且つ失敗原因を含まない。当該応答は失敗原因を含まないので、当該応答は、EEC2の要求が受け入れられ、EES5からEdge Application Server discoveryがEEC2に対して行われていることを示す。したがって、当該応答は、バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示すが、要求が拒絶された場合(FAILURE)では無く、要求が受け入れられた場合(SUCCESS)のメッセージとして扱われてもよい。この場合、ステップ604では、EEC2は、EES5から輻輳していると示されたEAS(s)に関する情報をAC(s)3に通知する。AC(s)3は、AC(s)3は、EEC2から輻輳していると示されたEAS(s)へのアプリケーションデータの送信を、バックオフタイマー値などを考慮して遅らせる。あるいは、AC(s)3は、EAS(s)の輻輳のためにアプリケーションの正常な動作が望めないと判断し、アプリケーションの起動を断念してもよい。この場合のバックオフを示す情報は、遅延要求情報(Deferred request)又は低速処理通知(Slow processing notification)などと表現されてもよい。
【0093】
図6に示されたEAS discovery手順は適宜変更されることができる。特に、EAS discovery手順は、Request-Responseモデルに代えて、Subscribe-Notifyモデルに従ってもよい。図6に示されたEEC2とEES5との間のシグナリングは、3GPPコアネットワーク8及びアクセスネットワークによって提供されるユーザプレーン・コネクション(e.g.,データ無線ベアラ及び1又はそれ以上のユーザプレーン・トンネル)を介して行われてもよい。これに代えて、当該シグナリングは、3GPPコアネットワーク8及びアクセスネットワークによって提供されるコントロールプレーン・コネクションを介して行われてもよい。当該コントロールプレーン・コネクションは、UE1と3GPPコアネットワーク8内のコントロールプレーン・エンティティ(e.g., AMF又MME)との間のNASシグナリングコネクションを含む。
【0094】
図7は、Retrieve Target Edge Enabler Server手順におけるソースEES(S-EES)71及びECS7の動作の一例を示している。図7のS-EES71は上述の要求エンティティに対応し、図7のECS7は上述の第1のサーバに対応する。ステップ701では、S-EES71は、Retrieve Edge Enabler Server requestをECS7に送る。
【0095】
ステップ702では、ECS7は、少なくとも1つの選択基準を満たす少なくとも1つのターゲットEES(T-EES)を特定することを試行する。少なくとも1つの選択基準は、T-EESの輻輳状態を考慮する。さらに、少なくとも1つの選択基準は、UEロケーション及びターゲットDNAIの一方又は両方を考慮してもよい。少なくとも1つの選択基準は、他のファクター、例えば、ECS7におけるUE固有(UE-specific)サービス情報、又はECSPポリシーを考慮してもよい。図3(ステップ305)を参照して説明されたように、ECS7は、少なくとも1つの選択基準を満たすT-EESを特定できない場合に、S-EES71の要求を拒絶する。
【0096】
ステップ703では、ECS7は、Retrieve Edge Enabler Server responseをS-EES71に送る。図7は、S-EES71の要求が拒絶されるケースを示している。したがって、当該応答は、失敗原因を含む。さらに、T-EESが輻輳している(高負荷状態である)場合に、当該応答は、バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示す。バックオフが必要とされることを当該応答が明示的に示す場合、ステップ703において、当該応答にさらにバックオフタイマー値が設定されてもよい。ステップ704では、S-EES71は、少なくともバックオフ時間が経過するまで次の要求の送信を遅らせる。
【0097】
バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示す情報は、Retrieve Edge Enabler Server responseに設定されるtarget Edge Enabler Server(s) information毎に設定されてもよい。
【0098】
図7のステップ703では、EAS(s)が輻輳しているが、S-EES71の要求が受け入れられるケースが有る。この場合、当該Retrieve Edge Enabler Server responseは、バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示し、且つ失敗原因を含まない。当該応答は失敗原因を含まないので、当該応答はS-EES71の要求が受け入れられECS7からRetrieve Edge Enabler ServerがEEC2に対して行われていることを示す。したがって、当該応答は、バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示すが、要求が拒絶された場合(FAILURE)では無く、要求が受け入れられた場合(SUCCESS)のメッセージとして扱われてもよい。この場合、ステップ704では、S-EES71は、ECS7から輻輳していると示されたEES(s)へのTarget EAS discovery requestなどのEDGE-9メッセージを、バックオフタイマー値などを考慮して遅らせる。この場合のバックオフを示す情報は、遅延要求情報(Deferred request)又は低速処理通知(Slow processing notification)などと表現されてもよい。
【0099】
図7に示されたRetrieve Target Edge Enabler Server手順は適宜変更されることができる。特に、Retrieve Target Edge Enabler Server手順は、Request-Responseモデルに代えて、Subscribe-Notifyモデルに従ってもよい。
【0100】
図8は、ソースEES(S-EES)によって決定又はトリガーされるアプリケーションコンテキスト・リロケーションの間に行われるTarget EAS discovery手順におけるソースEES(S-EES)81及びターゲットEES(T-EES)82の動作の一例を示している。図8のS-EES81は上述の要求エンティティに対応し、図8のT-EES82は上述の第1のサーバに対応する。ステップ801では、S-EES81は、Edge Application Server discovery requestをT-EES82に送る。
【0101】
ステップ802では、T-EES82は、少なくとも1つの選択基準を満たす少なくとも1つのターゲットEAS(T-EAS)を特定することを試行する。少なくとも1つの選択基準は、T-EASの輻輳状態を考慮する。さらに、少なくとも1つの選択基準は、S-EES81のEAS profileにマッチするEAS discovery filter、及びターゲットDNAIの一方又は両方を考慮してもよい。少なくとも1つの選択基準は、他のファクター、例えば、T-EES82におけるUE固有(UE-specific)サービス情報、又はECSPポリシーを考慮してもよい。図3(ステップ305)を参照して説明されたように、T-EES82は、少なくとも1つの選択基準を満たすT-EASを特定できない場合に、S-EES81の要求を拒絶する。
【0102】
ステップ803では、T-EES82は、Edge Application Server discovery responseによってS-EES81の要求に応答する。図8は、S-EES81の要求が拒絶されるケースを示している。したがって、当該応答は、失敗原因を含む。さらに、T-EASが輻輳している(高負荷状態である)ために要求が拒絶される場合に、当該応答は、バックオフが必要とされることを明示的又は暗示的に示す。バックオフが必要とされることを明示的に示す場合、ステップ803にバックオフタイマー値が設定されてもよい。ステップ804では、S-EES81は、少なくともバックオフ時間が経過するまで次の要求の送信を遅らせる。
【0103】
<第3の実施形態>
本実施形態は、第1のサーバ及び要求エンティティの動作の他の例を提供する。本実施形態に係るネットワークアーキテクチャの例は、図1を参照して説明された例と同様である。
【0104】
本実施形態では、第1のサーバは、第2のサーバが稼働状態でない場合に要求エンティティに送られる拒絶メッセージを、第2のサーバが発見できない場合に送られる拒絶メッセージと区別してもよい。一例では、第2のサーバが稼働状態でない場合に拒絶メッセージにセットされる失敗原因の値は、第2のサーバが発見できない場合に拒絶メッセージにセットされるそれと異なってよい。これにより、要求エンティティは、拒絶メッセージのタイプ(又は失敗原因のタイプ)を区別できる。さらに、要求エンティティは、拒絶メッセージのタイプ(又は失敗原因のタイプ)に依存して異なる動作を行うことができる。
【0105】
要求エンティティがEEC2であり且つservice provisioning手順において拒絶メッセージを受信した場合、要求エンティティ(EEC2)は以下のように動作してもよい。当該拒絶メッセージが第2のサーバ(i.e., EES)が稼働状態でないとの事実に起因しているなら、EEC2は、service provisioning requestの再送信を行わずにservice provisioning手順を中止(abort)する。これに対して、当該拒絶メッセージが第2のサーバ(i.e., EES)が見つからないとの事実に起因しているなら、EEC2は、service provisioning requestの再送信を行う。
【0106】
要求エンティティがEEC2であり且つEAS discovery手順において拒絶メッセージを受信した場合、要求エンティティ(EEC2)は以下のように動作してもよい。当該拒絶メッセージが第2のサーバ(i.e., EAS)が稼働状態でないとの事実に起因しているなら、EEC2は、EAS discovery requestの再送信を行わずにEAS discovery手順を中止(abort)する。これに対して、当該拒絶メッセージが第2のサーバ(i.e., EAS)が見つからないとの事実に起因しているなら、EEC2は、EAS discovery requestの再送信を行う。
【0107】
続いて以下では、上述の複数の実施形態に係るUE1、EES5、EAS6、及びECS7の構成例について説明する。図9は、UE1の構成例を示すブロック図である。Radio Frequency(RF)トランシーバ901は、RANノードと通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ901は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ901により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。RFトランシーバ901は、アンテナアレイ902及びベースバンドプロセッサ903と結合される。RFトランシーバ901は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ903から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナアレイ902に供給する。また、RFトランシーバ901は、アンテナアレイ902によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ903に供給する。RFトランシーバ901は、ビームフォーミングのためのアナログビームフォーマ回路を含んでもよい。アナログビームフォーマ回路は、例えば複数の移相器及び複数の電力増幅器を含む。
【0108】
ベースバンドプロセッサ903は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リソース管理、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及び通話管理に関するシグナリング)の通信管理を含む。
【0109】
例えば、ベースバンドプロセッサ903によるデジタルベースバンド信号処理は、Service Data Adaptation Protocol(SDAP)レイヤ、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、Medium Access Control(MAC)レイヤ、およびPhysical(PHY)レイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ903によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、Radio Resource Control(RRC)プロトコル、MAC Control Elements(CEs)、及びDownlink Control Information(DCIs)の処理を含んでもよい。
【0110】
ベースバンドプロセッサ903は、ビームフォーミングのためのMultiple Input Multiple Output(MIMO)エンコーディング及びプリコーディングを行ってもよい。
【0111】
ベースバンドプロセッサ903は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., Central Processing Unit(CPU)又はMicro Processing Unit(MPU))を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ904と共通化されてもよい。
【0112】
アプリケーションプロセッサ904は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ904は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ904は、メモリ906又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、通話アプリケーション、WEBブラウザ、メーラ、カメラ操作アプリケーション、音楽再生アプリケーション)を実行することによって、UE1の各種機能を実現する。
【0113】
幾つかの実装において、図9に破線(905)で示されているように、ベースバンドプロセッサ903及びアプリケーションプロセッサ904は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ903及びアプリケーションプロセッサ904は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス905として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
【0114】
メモリ906は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ906は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ906は、ベースバンドプロセッサ903、アプリケーションプロセッサ904、及びSoC905からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ906は、ベースバンドプロセッサ903内、アプリケーションプロセッサ904内、又はSoC905内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ906は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
【0115】
メモリ906は、上述の複数の実施形態で説明されたUE1による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)907を格納してもよい。幾つかの実装において、ベースバンドプロセッサ903又はアプリケーションプロセッサ904は、当該ソフトウェアモジュール907をメモリ906から読み出して実行することで、上述の実施形態で図面を用いて説明されたUE1の処理を行うよう構成されてもよい。
【0116】
なお、上述の実施形態で説明されたUE1によって行われるコントロールプレーン処理及び動作は、RFトランシーバ901及びアンテナアレイ902を除く他の要素、すなわちベースバンドプロセッサ903及びアプリケーションプロセッサ904の少なくとも一方とソフトウェアモジュール907を格納したメモリ906とによって実現されることができる。
【0117】
図10は、EES5の構成例を示している。EAS6及びECS7も図10に示されたのと同様の構成を有してもよい。図10を参照すると、EES5(又はEAS6、又はECS7)は、ネットワークインターフェース1001、プロセッサ1002、及びメモリ1003を含む。ネットワークインターフェース1001は、例えば、他のネットワーク機能(NFs)又はノードと通信するために使用される。ネットワークインターフェース1001は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0118】
プロセッサ1002は、例えば、マイクロプロセッサ、Micro Processing Unit(MPU)、又はCentral Processing Unit(CPU)であってもよい。プロセッサ1002は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0119】
メモリ1003は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリによって構成される。メモリ1003は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。メモリ1003は、プロセッサ1002から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1002は、ネットワークインターフェース1001又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1003にアクセスしてもよい。
【0120】
メモリ1003は、上述の複数の実施形態で説明されたEES5(又はEAS6、又はECS7)による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)1004を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ1002は、当該ソフトウェアモジュール1004をメモリ1003から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたEES5(又はEAS6、又はECS7)の処理を行うよう構成されてもよい。
【0121】
図9及び図10を用いて説明したように、上述の実施形態に係るUE1、EES5、EAS6、及びECS7が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0122】
本明細書における無線端末(User Equipment(UE))は、無線インタフェースを介して、ネットワークに接続されたエンティティである。本明細書の無線端末(UE)は、専用の通信装置に限定されるものではなく、本明細書中に記載された無線端末(UE)の通信機能を有する次のような任意の機器であってもよい。
【0123】
「(3GPPで使われる単語としての)ユーザ端末(User Equipment(UE)」、「移動局(mobile station)」、「移動端末(mobile terminal)」、「モバイルデバイス(mobile device)」、及び「無線端末(wireless device)」との用語は、一般的に互いに同義であることが意図されている。UEは、ターミナル、携帯電話、スマートフォン、タブレット、セルラーIoT端末、IoTデバイス、などのスタンドアローン移動局であってもよい。「UE」及び「無線端末」との用語は、長期間にわたって静止している装置も包含する。
【0124】
UEは、例えば、生産設備・製造設備および/またはエネルギー関連機械(一例として、ボイラー、機関、タービン、ソーラーパネル、風力発電機、水力発電機、火力発電機、原子力発電機、蓄電池、原子力システム、原子力関連機器、重電機器、真空ポンプなどを含むポンプ、圧縮機、ファン、送風機、油圧機器、空気圧機器、金属加工機械、マニピュレータ、ロボット、ロボット応用システム、工具、金型、ロール、搬送装置、昇降装置、貨物取扱装置、繊維機械、縫製機械、印刷機、印刷関連機械、紙工機械、化学機械、鉱山機械、鉱山関連機械、建設機械、建設関連機械、農業用機械および/または器具、林業用機械および/または器具、漁業用機械および/または器具、安全および/または環境保全器具、トラクター、軸受、精密ベアリング、チェーン、歯車(ギアー)、動力伝動装置、潤滑装置、弁、管継手、および/または上記で述べた任意の機器又は機械のアプリケーションシステムなど)であってもよい。
【0125】
UEは、例えば、輸送用装置(一例として、車両、自動車、二輪自動車、自転車、列車、バス、リヤカー、人力車、船舶(ship and other watercraft)、飛行機、ロケット、人工衛星、ドローン、気球など)であってもよい。
【0126】
UEは、例えば、情報通信用装置(一例として、電子計算機及び関連装置、通信装置及び関連装置、電子部品など)であってもよい。
【0127】
UEは、例えば、冷凍機、冷凍機応用製品および装置、商業およびサービス用機器、自動販売機、自動サービス機、事務用機械及び装置、民生用電気・電子機械器具(一例として音声機器、スピーカー、ラジオ、映像機器、テレビ、オーブンレンジ、炊飯器、コーヒーメーカー、食洗機、洗濯機、乾燥機、扇風機、換気扇及び関連製品、掃除機など)であってもよい。
【0128】
UEは、例えば、電子応用システムまたは電子応用装置(一例として、X線装置、粒子加速装置、放射性物質応用装置、音波応用装置、電磁応用装置、電力応用装置など)であってもよい。
【0129】
UEは、例えば、電球、照明、計量機、分析機器、試験機及び計測機械(一例として、煙報知器、対人警報センサ、動きセンサ、無線タグなど)、時計(watchまたはclock)、理化学機械、光学機械、医療用機器および/または医療用システム、武器、利器工匠具、または手道具であってもよい。
【0130】
UEは、例えば、無線通信機能を備えたパーソナルデジタルアシスタントまたは装置(一例として、無線カードや無線モジュールなどを取り付けられる、もしくは挿入するよう構成された電子装置(例えば、パーソナルコンピュータや電子計測器など))であってもよい。
【0131】
UEは、例えば、有線や無線通信技術を使用した「あらゆるモノのインターネット(IoT:Internet of Things)」において、以下のアプリケーション、サービス、ソリューションを提供する装置またはその一部であってもよい。IoTデバイス(もしくはモノ)は、デバイスが互いに、および他の通信デバイスとの間で、データ収集およびデータ交換することを可能にする適切な電子機器、ソフトウェア、センサ、ネットワーク接続、などを備える。IoTデバイスは、内部メモリの格納されたソフトウェア指令に従う自動化された機器であってもよい。IoTデバイスは、人間による監督または対応を必要とすることなく動作してもよい。IoTデバイスは、長期間にわたって備え付けられている装置および/または、長期間に渡って非活性状態(inactive)状態のままであってもよい。IoTデバイスは、据え置き型な装置の一部として実装され得る。IoTデバイスは、非据え置き型の装置(例えば車両など)に埋め込まれ得る、または監視される/追跡される動物や人に取り付けられ得る。IoT技術は、人間の入力による制御またはメモリに格納されるソフトウェア命令に関係なくデータを送受信する通信ネットワークに接続されることができる任意の通信デバイス上に実装されることができる。IoTデバイスは、機械型通信(Machine Type Communication、MTC)デバイス、またはマシンツーマシン(Machine to Machine、M2M)通信デバイス、Narrow Band-IoT (NB-IoT) UEと呼ばれることもある。
【0132】
UEは、1つまたは複数のIoTまたはMTCアプリケーションをサポートしてもよい。
【0133】
MTCアプリケーションのいくつかの例は、3GPP TS22.368 V13.2.0(2017-01-13) Annex B(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に示されたリストに列挙されている。このリストは、網羅的ではなく、一例としてのMTCアプリケーションを示すものである。このリストでは、MTCアプリケーションのサービス範囲 (Service Area)は、セキュリティ (Security)、追跡及びトレース (Tracking & Tracing)、支払い (Payment)、健康 (Health)、リモートメンテナンス/制御 (Remote Maintenance/Control)、計量 (Metering)、及び民生機器 (Consumer Devices)を含む。
【0134】
セキュリティに関するMTCアプリケーションの例は、監視システム (Surveillance systems)、固定電話のバックアップ (Backup for landline)、物理アクセスの制御(例えば建物へのアクセス) (Control of physical access (e.g. to buildings))、及び車/運転手のセキュリティ (Car/driver security)を含む。
【0135】
追跡及びトレースに関するMTCアプリケーションの例は、フリート管理 (Fleet Management)、注文管理 (Order Management)、テレマティクス保険:走行に応じた課金 (Pay as you drive (PAYD))、資産追跡 (Asset Tracking)、ナビゲーション (Navigation)、交通情報 (Traffic information)、道路料金徴収 (Road tolling)、及び道路通行最適化/誘導 (Road traffic optimisation/steering)を含む。
【0136】
支払いに関するMTCアプリケーションの例は、販売時点情報管理 (Point of sales (POS))、自動販売機 (Vending machines)、及び遊戯機 (Gaming machines)を含む。
【0137】
健康に関するMTCアプリケーションの例は、生命徴候の監視 (Monitoring vital signs)、高齢者又は障害者支援 (Supporting the aged or handicapped)、ウェブアクセス遠隔医療 (Web Access Telemedicine points)、及びリモート診断 (Remote diagnostics)を含む。
【0138】
リモートメンテナンス/制御に関するMTCアプリケーションの例は、センサ (Sensors)、明かり (Lighting)、ポンプ (Pumps)、バルブ (Valves)、エレベータ制御 (Elevator control)、自動販売機制御 (Vending machine control)、及び車両診断 (Vehicle diagnostics)を含む。
【0139】
計量に関するMTCアプリケーションの例は、パワー (Power)、ガス (Gas)、水 (Water)、暖房 (Heating)、グリッド制御 (Grid control)、及び産業用メータリング (Industrial metering)を含む。
【0140】
民生機器に関するMTCアプリケーションの例は、デジタルフォトフレーム、デジタルカメラ、及び電子ブック (ebook)を含む。
【0141】
アプリケーション、サービス、及びソリューションは、一例として、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)サービス/システム、防災無線サービス/システム、構内無線電話(PBX(Private Branch eXchange:構内交換機))サービス/システム、PHS/デジタルコードレス電話サービス/システム、Point of sales(POS)システム、広告発信サービス/システム、マルチキャスト(Multimedia Broadcast and Multicast Service(MBMS))サービス/システム、V2X(Vehicle to Everything:車車間通信および路車間・歩車間通信)サービス/システム、列車内移動無線サービス/システム、位置情報関連サービス/システム、災害/緊急時無線通信サービス/システム、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービス/システム、コミュニティーサービス/システム、映像配信サービス/システム、Femtoセル応用サービス/システム、VoLTE(Voice over LTE)サービス/システム、無線タグ・サービス/システム、課金サービス/システム、ラジオオンデマンドサービス/システム、ローミングサービス/システム、ユーザ行動監視サービス/システム、通信キャリア/通信NW選択サービス/システム、機能制限サービス/システム、PoC(Proof of Concept)サービス/システム、端末向け個人情報管理サービス/システム、端末向け表示・映像サービス/システム、端末向け非通信サービス/システム、アドホックNW/DTN(Delay Tolerant Networking)サービス/システムなどであってもよい。
【0142】
上述したUEのカテゴリは、本明細書に記載された技術思想及び実施形態の応用例に過ぎない。本明細書のUEは、これらの例に限定されるものではなく、当業者は種々の変更をこれに行うことができる。
【0143】
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0144】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0145】
(付記1)
少なくとも1つのメモリ、及び
前記少なくとも1つのメモリに結合され、且つ
エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を要求エンティティから受信したことに応じて、少なくとも1つの選択基準に基づいて前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバを特定することを試行し、
前記第2のサーバを特定した場合、前記第2のサーバの情報を前記要求エンティティに送信し、
前記第2のサーバを特定できない場合、当該第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを前記要求エンティティに送信する、
よう構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つの選択基準は、前記エッジデータネットワーク内に配置されるサーバの輻輳状態を含む、
第1のサーバ。
(付記2)
前記エッジデータネットワーク内に配置されるサーバが輻輳しているために前記第2のサーバを特定できない場合に、前記拒絶メッセージは前記要求エンティティが次の要求を送信する前にバックオフを行うべきであることを示す、
付記1に記載の第1のサーバ。
(付記3)
前記拒絶メッセージは、前記エッジデータネットワーク内に配置されるサーバが輻輳していることを示す失敗原因(failure cause)を含む、
付記2に記載の第1のサーバ。
(付記4)
前記拒絶メッセージは、前記バックオフのための特定のバックオフ時間又は最大バックオフ時間を特定するための情報を含む、
付記2又は3に記載の第1のサーバ。
(付記5)
バックオフを行うべきであることを示す情報は、特定のバックオフ時間又は最大バックオフ時間を特定するための情報、及び、失敗原因の少なくとも1つを含む、
付記2~4のいずれか1項に記載の第1のサーバ。
(付記6)
前記少なくとも1つのプロセッサは、輻輳していると判定された前記エッジデータネットワーク内に配置されるサーバに関する情報を前記第2のサーバの情報から除外するよう構成されている、
付記1~5のいずれか1項に記載の第1のサーバ。
(付記7)
前記拒絶メッセージは、前記要求エンティティに、前記要求の中止、前記要求の送信の抑止、前記要求の再送、要求のサブスクリプション更新要求及び前記サービスのためのアプリケーションに対する通知の少なくとも1つを行わせる、
付記1~6のいずれか1項に記載の第1のサーバ。
(付記8)
前記第1のサーバは、Edge Configuration Server(ECS)であり、
前記第2のサーバは、Edge Enabler Server(EES)又はターゲットEESであり、
前記要求エンティティは、User Equipment(UE)に配置されたEdge Enabler Client(EEC)、又はソースEESである、
付記1~7のいずれか1項に記載の第1のサーバ。
(付記9)
前記第1のサーバは、Edge Enabler Server(EES)、ソースEES、又はターゲットEESであり、
前記第2のサーバは、Edge Application Server(EAS)又はターゲットEASであり、
前記要求エンティティは、User Equipment(UE)に配置されたEdge Enabler Client(EEC)、ソースEAS、又はソースEESである、
付記1~7のいずれか1項に記載の第1のサーバ。
(付記10)
エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を要求エンティティから受信したことに応じて、少なくとも1つの選択基準に基づいて前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバを特定することを試行すること、
前記第2のサーバを特定した場合、前記第2のサーバの情報を前記要求エンティティに送信すること、及び
前記第2のサーバを特定できない場合、当該第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを前記要求エンティティに送信すること、
を備え、
前記少なくとも1つの選択基準は、前記エッジデータネットワーク内に配置されるサーバの輻輳状態を含む、
第1のサーバにより行われる方法。
(付記11)
第1のサーバのための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を要求エンティティから受信したことに応じて、少なくとも1つの選択基準に基づいて前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバを特定することを試行すること、
前記第2のサーバを特定した場合、前記第2のサーバの情報を前記要求エンティティに送信すること、及び
前記第2のサーバを特定できない場合、当該第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを前記要求エンティティに送信すること、
を備え、
前記少なくとも1つの選択基準は、前記エッジデータネットワーク内に配置されるサーバの輻輳状態を含む、
プログラム。
(付記12)
少なくとも1つのメモリ、及び
前記少なくとも1つのメモリに結合され、且つ
エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を第1のサーバに送信し、
前記要求に対する応答を前記第1のサーバから受信し、
少なくとも1つの選択基準に基づいて特定される前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバの情報を前記応答が包含するなら、前記情報を、前記サービスを提供するための通信に使用し、
前記応答が前記第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを含み且つバックオフが必要とされることを前記応答が示すなら、次の要求を送信する前にバックオフを行う、
よう構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、要求エンティティ。
(付記13)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記応答が前記拒絶メッセージを含むが、バックオフが必要とされることを前記応答が示していないなら、バックオフを行わずに次の要求を送信するよう構成される、
付記12に記載の要求エンティティ。
(付記14)
前記少なくとも1つの選択基準は、前記第2のサーバの輻輳状態を含む、
付記12又は13に記載の要求エンティティ。
(付記15)
前記第1のサーバは、Edge Configuration Server(ECS)であり、
前記第2のサーバは、Edge Enabler Server(EES)又はターゲットEESであり、
前記要求エンティティは、User Equipment(UE)に配置されたEdge Enabler Client(EEC)、又はソースEESである、
付記12~14のいずれか1項に記載の要求エンティティ。
(付記16)
前記第1のサーバは、Edge Enabler Server(EES)、ソースEES、又はターゲットEESであり、
前記第2のサーバは、Edge Application Server(EAS)又はターゲットEASであり、
前記要求エンティティは、User Equipment(UE)に配置されたEdge Enabler Client(EEC)、ソースEAS、又はソースEESである、
付記12~14のいずれか1項に記載の要求エンティティ。
(付記17)
要求エンティティにより行われる方法であって、
エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を第1のサーバに送信すること、
前記要求に対する応答を前記第1のサーバから受信すること、
少なくとも1つの選択基準に基づいて特定される前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバの情報を前記応答が包含するなら、前記情報を、前記サービスを提供するための通信に使用すること、及び
前記応答が前記第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを含み且つバックオフが必要とされることを前記応答が示すなら、次の要求を送信する前にバックオフを行うこと、
を備える、方法。
(付記18)
要求エンティティのための方法を、コンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を第1のサーバに送信すること、
前記要求に対する応答を前記第1のサーバから受信すること、
少なくとも1つの選択基準に基づいて特定される前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバの情報を前記応答が包含するなら、前記情報を、前記サービスを提供するための通信に使用すること、及び
前記応答が前記第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを含み且つバックオフが必要とされることを前記応答が示すなら、次の要求を送信する前にバックオフを行うこと、
を備えるプログラム。
(付記19)
少なくとも1つのメモリ、及び
前記少なくとも1つのメモリに結合され、且つ
エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を第1のサーバに送信し、
前記要求に対する応答を前記第1のサーバから受信し、
少なくとも1つの選択基準に基づいて特定される前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバの情報を前記応答が包含するなら、前記情報を、前記サービスを提供するための通信に使用し、
前記応答が前記第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを含む場合、前記少なくとも1つの選択基準に含まれる選択基準の一部を変更するまで、前記要求と同じ情報を含む要求の送信を抑止する、
よう構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、要求エンティティ。
(付記20)
前記少なくとも1つの選択基準は、EAS discovery filtersを含む、
付記19に記載の要求エンティティ。
(付記21)
前記少なくとも1つの選択基準は、前記要求エンティティを備える無線端末の位置情報を含む、
付記19又は20に記載の要求エンティティ。
(付記22)
前記少なくとも1つの選択基準は、前記第2のサーバの輻輳状態を含む、
付記19又は20に記載の要求エンティティ。
(付記23)
要求エンティティにより行われる方法であって、
エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を第1のサーバに送信し、
前記要求に対する応答を前記第1のサーバから受信し、
少なくとも1つの選択基準に基づいて特定される前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバの情報を前記応答が包含するなら、前記情報を、前記サービスを提供するための通信に使用し、
前記応答が前記第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを含む場合、前記少なくとも1つの選択基準に含まれる選択基準の一部を変更するまで、前記要求と同じ情報を含む要求の送信を抑止する、
ことを備える方法。
(付記24)
少なくとも1つのメモリ、及び
前記少なくとも1つのメモリに結合され、且つ
エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を要求エンティティから受信したことに応じて、少なくとも1つの選択基準に基づいて前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバを特定することを試行し、
前記少なくとも1つの選択基準に基づいて前記第2のサーバを特定した場合、前記第2のサーバの情報を前記要求エンティティに送信し、
前記少なくとも1つの選択基準に基づいて前記第2のサーバを特定できない場合、当該第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを前記要求エンティティに送信し、
前記拒絶メッセージは、前記少なくとも1つの選択基準に含まれる選択基準の一部を変更するまで、前記要求エンティティが前記要求と同じ情報を含む要求を送信することを抑止させる、
よう構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を備える、第1のサーバ。
(付記25)
エッジデータネットワークでサービスを提供するエンティティへの接続のための要求を要求エンティティから受信したことに応じて、少なくとも1つの選択基準に基づいて前記エッジデータネットワーク内に配置される第2のサーバを特定することを試行すること、
前記少なくとも1つの選択基準に基づいて前記第2のサーバを特定した場合、前記第2のサーバの情報を前記要求エンティティに送信すること、
前記少なくとも1つの選択基準に基づいて前記第2のサーバを特定できない場合、当該第2のサーバを特定できないことを示す拒絶メッセージを前記要求エンティティに送信すること、を備え
前記拒絶メッセージは、前記少なくとも1つの選択基準に含まれる選択基準の一部を変更するまで、前記要求エンティティが前記要求と同じ情報を含む要求を送信することを抑止させる、
第1のサーバにより行われる方法。
【0146】
この出願は、2021年2月17日に出願された日本出願特願2021-023808を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0147】
1 User Equipment(UE)
2 Edge Enabler Client(EEC)
3 Application client(AC)
4 Edge Data Network(EDN)
5 Edge Enabler Server(EES)
6 Edge Application Server(EAS)
7 Edge Configuration Server(ECS)
903 ベースバンドプロセッサ
904 アプリケーションプロセッサ
906 メモリ
907 モジュール
1002 プロセッサ
1003 メモリ
1004 モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10