(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】接客支援装置、接客支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20250508BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2023514292
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(86)【国際出願番号】 JP2021015686
(87)【国際公開番号】W WO2022219798
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】下村 英恵
(72)【発明者】
【氏名】石井 恵美子
(72)【発明者】
【氏名】麓 真美子
(72)【発明者】
【氏名】山崎 茜
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-185714(JP,A)
【文献】特開2006-228156(JP,A)
【文献】特開2018-045430(JP,A)
【文献】特開2015-090654(JP,A)
【文献】特開2008-059575(JP,A)
【文献】特開2007-241786(JP,A)
【文献】特開2017-174272(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0337602(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0268475(US,A1)
【文献】国際公開第03/083744(WO,A1)
【文献】特開2004-302886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に顧客が入店したとき、当該顧客を特定する顧客特定情報、及び当該顧客が店舗端末に入力した当該顧客が接客を希望しているか否かを示す接客希望情報を前記店舗端末から紐づけて取得する第1取得手段と、
前記入店が行われてから前記顧客が前記店舗に滞在している間に、少なくとも接客を希望していることを示している前記接客希望情報について、当該接客希望情報に対応する前記顧客特定情報を特定し、当該顧客特定情報に対応する前記顧客の顔画像を特定して、当該顔画像を含む出力データを出力する出力手段と、
を備える接客支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の接客支援装置において、
前記第1取得手段は、前記顧客が入店したとき、当該顧客が前記店舗端末に入力した当該顧客の来店目的を前記店舗端末から取得し、取得した前記顧客の来店目的を用いて当該顧客が接客を希望しているか否かを判定した結果を前記接客希望情報とする、接客支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の接客支援装置において、
前記出力手段は、接客を希望していることを示している前記接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する前記顔画像、並びに、接客を希望していないことを示している前記接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する顔画像を、前記出力データに含める、接客支援装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の接客支援装置において、
前記顧客特定情報は前記顔画像である接客支援装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の接客支援装置において、
前記出力手段は、前記顧客特定情報と前記顔画像を対応付けて記憶する記憶手段を用いて、出力すべき前記顔画像を特定する、接客支援装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の接客支援装置において、
前記店舗に設置された第1撮像装置が生成した画像、及び前記店舗の出口に設置された第2撮像装置が生成した画像の少なくとも一方を用いて、前記店舗から退店した前記顧客を特定する第1画像処理手段を備え、
前記出力手段は、前記第1画像処理手段によって退店したと判断された前記顧客の顔画像を、前記出力データから外す、接客支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載の接客支援装置において、
前記第1画像処理手段は、前記第1撮像装置が生成した画像に一定時間継続して含まれていなかった前記顧客を、前記店舗から退店した前記顧客と判断する接客支援装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の接客支援装置において、
前記出力手段は、前記店舗の店員が視認可能なディスプレイに、前記出力データを表示させる接客支援装置。
【請求項9】
コンピュータが、
店舗に顧客が入店したとき、当該顧客を特定する顧客特定情報、及び当該顧客が店舗端末に入力した当該顧客が接客を希望しているか否かを示す接客希望情報を前記店舗端末から紐づけて取得する第1取得処理と、
前記入店が行われてから前記顧客が前記店舗に滞在している間に、少なくとも接客を希望していることを示している前記接客希望情報について、当該接客希望情報に対応する前記顧客特定情報を特定し、当該顧客特定情報に対応する前記顧客の顔画像を特定して、当該顔画像を含む出力データを出力する出力処理と、
を行う接客支援方法。
【請求項10】
コンピュータに、
店舗に顧客が入店したとき、当該顧客を特定する顧客特定情報、及び当該顧客が店舗端末に入力した当該顧客が接客を希望しているか否かを示す接客希望情報を前記店舗端末から紐づけて取得する第1取得機能と、
前記入店が行われてから前記顧客が前記店舗に滞在している間に、少なくとも接客を希望していることを示している前記接客希望情報について、当該接客希望情報に対応する前記顧客特定情報を特定し、当該顧客特定情報に対応する前記顧客の顔画像を特定して、当該顔画像を含む出力データを出力する出力機能と、
を持たせるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接客支援装置、接客支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客が店舗に入ると、その店舗の店員がその顧客に応対する場合が多い。特許文献1には、VIP顧客の来店を顧客のICタグを読み取ることで検知し、その後、VIP顧客に関する情報を顧客の顔画像と対応付けて表示することが記載されている。また特許文献2には、顧客の心理状態を推定し、その心理状態に合わせて接客順と客位置を出力することが記載されている。また特許文献3には、接客を望まない顧客はカードを持ち歩くこと、カードのリーダライタがそのカードを検出すると端末にその旨が出力されること、及び、端末は接客を望まない顧客であることを警報などで店員に告知すること、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-185714号公報
【文献】特開2017-174272号公報
【文献】特開2007-188118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顧客によっては、店員による接客を望まない場合が多い。本発明の目的の一例は、店員が、接客を望んでいる顧客を容易に識別できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、店舗に入店した顧客を特定する顧客特定情報、及び当該顧客が接客を希望しているか否かを示す接客希望情報を取得する第1取得手段と、
少なくとも接客を希望していることを示している前記接客希望情報について、当該接客希望情報に対応する前記顧客特定情報を特定し、当該顧客特定情報に対応する前記顧客の顔画像を特定して、当該顔画像を含む出力データを出力する出力手段と、
を備える接客支援装置が提供される。
【0006】
本発明によれば、コンピュータが、
店舗に入店した顧客を特定する顧客特定情報、及び当該顧客が接客を希望しているか否かを示す接客希望情報を取得する第1取得処理と、
少なくとも接客を希望していることを示している前記接客希望情報について、当該接客希望情報に対応する前記顧客特定情報を特定し、当該顧客特定情報に対応する前記顧客の顔画像を特定して、当該顔画像を含む出力データを出力する出力処理と、
を行う接客支援方法が提供される。
【0007】
本発明によれば、コンピュータに、
店舗に入店した顧客を特定する顧客特定情報、及び当該顧客が接客を希望しているか否かを示す接客希望情報を取得する第1取得機能と、
少なくとも接客を希望していることを示している前記接客希望情報について、当該接客希望情報に対応する前記顧客特定情報を特定し、当該顧客特定情報に対応する前記顧客の顔画像を特定して、当該顔画像を含む出力データを出力する出力機能と、
を持たせるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、店員は、接客を望んでいる顧客を容易に識別できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る接客支援装置の使用環境を説明するための図である。
【
図2】店舗端末10の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】接客支援装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】情報記憶部が記憶している情報の第1例を示す図である。
【
図5】情報記憶部が記憶している情報の第2例を示す図である。
【
図7】接客支援装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図8】接客支援装置が行う処理の第1例を示すフローチャートである。
【
図9】
図8のステップS30の後にディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
【
図11】接客支援装置が行う処理の第2例を示すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態において情報記憶部が記憶している情報の一例を示す図である。
【
図13】第2実施形態において接客支援装置が行う処理の一例を示す図である。
【
図14】ステップS130の後にディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図15】第3実施形態に係る接客支援装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図16】顧客情報記憶部が記憶している情報の一例を示す図である。
【
図17】第3実施形態に係る接客支援装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】第4実施形態に係る接客支援装置の使用環境を説明するための図である。
【
図19】第4実施形態に係る接客支援装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図20】第4実施形態において情報記憶部が記憶している情報の一例を示す図である。
【
図21】第4実施形態に係る接客支援装置が行う処理の第1例を示すフローチャートである。
【
図22】第4実施形態に係る接客支援装置が行う処理の第2例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る接客支援装置20の使用環境を説明するための図である。接客支援装置20は、店舗端末10及び顧客端末12の少なくとも一方、並びに店員端末30と共に使用される。接客支援装置20は、店舗に入店した顧客が店員による接客を希望しているか否かを示す情報(以下、接客希望情報と記載)を店員に認識させるための処理を行う。
【0013】
店舗端末10及び顧客端末12は、店舗に入店する顧客によって操作される。店舗端末10は店舗又は店舗の入り口に設置されている。顧客端末12は、顧客が所持している携帯型の端末であり、通信機能を有している。顧客端末12は、例えばスマートフォン又はタブレット端末であるが、これらに限定されない。以下、店舗端末10及び顧客端末12の少なくとも一方を指す場合、「店舗端末10」と記載する、
【0014】
店員端末30は、店員が操作する端末である。店員端末30は、携帯型の端末であってもよいし、固定型の端末であってもよい。店員端末30は、少なくともディスプレイを有している。
【0015】
顧客は、当該顧客が店員による接客を希望しているか否かを示す情報(以下、接客希望情報と記載)を店舗端末10に入力する。また、店舗端末10は、顧客を特定する情報(以下、顧客特定情報と記載)を取得する。顧客特定情報の一例は、顧客の顔画像であるが、顧客にユニークに割り当てられた顧客識別情報(例えばその店舗又は運営団体(例えば会社)で使用される会員ID)であってもよい。例えば店舗端末10が撮像部を有している場合、店舗端末10は、顧客特定情報として、接客希望情報を入力する顧客の顔画像を生成する。そして店舗端末10は、接客希望情報を顔画像に紐づけて接客支援装置20に送信する。なお、顧客端末12がこの処理を行う場合、この処理が行われるタイミングは、店舗の入り口に限られず、店舗に到着する前であってもよいし、店舗の中であってもよい。
【0016】
接客支援装置20は、接客希望情報及び顔画像を取得すると、これら接客希望情報及び顔画像を店員端末30に送信する。店員端末30は、受信した接客情報及び顔画像をディスプレイに表示する。店員は、このディスプレイに表示された情報を認識することにより、接客を希望している顧客の顔画像を認識できる。
【0017】
そして店員は、店員端末30を操作することにより、当該店員が接客すべき顧客を選択する。店員端末30は、選択された顧客の顧客特定情報を、当該顧客が店員によって選択されたことを示す情報(以下、選択情報と記載)の少なくとも一部として、接客支援装置20に送信する。接客支援装置20は、店員端末30から受信した顧客特定情報を管理する。これにより、接客支援装置20は、接客担当が決まっていない顧客を管理できる。
【0018】
なお、図示しない記憶部において、顧客の顔画像が、顧客識別情報に紐づけられていることがある。この場合、店舗端末10は、顧客からの入力によって、顧客識別情報を顧客特定情報として取得し、顔画像の代わりにこの顧客識別情報を接客支援装置20に送信してもよい。すると接客支援装置20は、取得した顧客識別情報に紐づいている顔画像を記憶部から読み出し、この顔画像を接客情報に紐づけて店員端末30に送信する。
【0019】
図2は、店舗端末10の機能構成の一例を示す図である。店舗端末10は、入力部110、撮像部120、及び通信部130を有している。
【0020】
入力部110は、顧客から情報が入力される。入力される情報の一例は、上記した接客希望情報、及び顧客識別情報である。店舗端末10がタッチパネルを有している場合、入力部110は、このタッチパネルを介して情報を取得する。また入力部110がキーボード等の入力デバイスを有している場合、入力部110は、この入力デバイスを介して情報を取得する。また入力部110は、顧客端末12から、無線通信を介して情報を取得してもよい。
【0021】
撮像部120は、顧客が入力部110に情報を入力しているときに、当該顧客の顔画像を生成する。
【0022】
通信部130は、入力部110が取得した情報及び撮像部120が生成した顔画像を、接客支援装置20に送信する。
【0023】
なお、顧客端末12の機能構成の例も、
図2に示した店舗端末10の機能構成の例と同様である。
【0024】
図3は、接客支援装置20の機能構成の一例を示す図である。接客支援装置20は、第1取得部210、出力部220、記憶処理部230、及び第2取得部240を備えている。
【0025】
第1取得部210は、店舗端末10から、顧客特定情報及び接客希望情報を取得する。顧客特定情報の一例は、上記したように、顧客の顔画像又は顧客識別情報である。
【0026】
出力部220は、少なくとも接客を希望していることを示している接客希望情報について、当該接客希望情報に対応する顧客特定情報を特定し、当該顧客特定情報に対応する顧客の顔画像を特定する。そして出力部220は、特定した顔画像を含む出力データを出力する。出力データの出力先の一例は、店員端末30である。
【0027】
なお、出力部220は、接客の希望の要否にかかわらず、接客希望情報及び顔画像を出力データに含めてもよい。この場合、出力部220は、接客を希望していることを示している接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する顔画像、並びに、接客を希望していないことを示している接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する顔画像を、出力データに含める。
【0028】
記憶処理部230は、第1取得部210が取得した顧客特定情報及び接客希望情報を互いに対応付けて情報記憶部250に記憶させる。このため、接客支援装置20は、情報記憶部250を参照することにより、店舗に訪れた複数の顧客それぞれの接客希望情報を管理することができる。
【0029】
なお、
図1を用いて説明したように、店員端末30は、出力部220が出力した出力データをディスプレイに表示する。すると、店員は、当該店員が接客すべき顧客を選択する。そして店員端末30は、店員が選択した顧客の顧客特定情報を、選択情報(その顧客が店員によって選択されたことを示す情報)の少なくとも一部として、接客支援装置20に送信する。なお、店員端末30は、選択情報と共に、当該店員を示す情報(以下、店員識別情報と記載)を接客支援装置20に送信してもよい。店員識別情報は、例えば店員IDである。
【0030】
第2取得部240は、店員端末30が送信した選択情報を取得する。そして記憶処理部230は、接客担当の店員が決まったことを示す情報(以下、担当情報と記載)を、選択情報に含まれる顧客特定情報に紐づけて、情報記憶部250に記憶させる。このため、店員は、情報記憶部250に記憶されている情報を接客支援装置20を介して店員端末30に表示させることにより、接客担当の店員が決まっていない顧客を認識できる。
【0031】
また、店員端末30が店員識別情報も送信していた場合、第2取得部240は、この店員識別情報も取得する。そして記憶処理部230は、この店員識別情報も担当情報の一部として情報記憶部250に記憶させる。この場合、接客支援装置20の管理者は、情報記憶部250に記憶されている担当情報を確認することにより、顧客別に、接客を行っている店員を確認することができる。
【0032】
なお、同一の顧客が同一の店舗を複数回訪れた場合、情報記憶部250は担当情報の履歴を記憶してもよい。担当情報が店員識別情報を含んでいる場合、この履歴は、過去にその顧客を接客した店員を示している。このため、店員は、情報記憶部250に記憶されている情報を店員端末30に表示させることにより、当該店員が過去に接客した顧客を確認できる。
【0033】
なお、情報記憶部250は接客支援装置20の一部であってもよいし、接客支援装置20の外部に位置していてもよい。
【0034】
図4は、情報記憶部250が記憶している情報の第1例を示している。本図に示す例において、情報記憶部250は、顧客別に、顧客特定情報(例えば顔画像)及び接客希望情報を互いに対応付けて記憶している。
【0035】
図5は、情報記憶部250が記憶している情報の第2例を示している。本図に示す例において、情報記憶部250は、
図4に示した例と同様に、顧客特定情報(例えば顔画像)及び接客希望情報を互いに対応付けて記憶している。また情報記憶部250は、さらに、接客を希望していて接客担当が決まっている顧客については、担当情報として、接客担当の店員識別情報を記憶している。
【0036】
図6は、店員端末30の機能構成の一例を示す図である。店員端末30は、ディスプレイ310、表示処理部320、入力部330、及び通信部340を備えている。
【0037】
表示処理部320は、接客支援装置20から受信した情報をディスプレイ310に表示させる。
【0038】
入力部330は、店員から情報が入力される。入力される情報の一例は、上記した選択情報である。ディスプレイ310がタッチパネルである場合、入力部330は、ディスプレイ310を介して所定の情報を取得する。
【0039】
通信部340は、入力部330に入力された選択情報を接客支援装置20に送信する。また、通信部340は、予め当該店員端末30を所持している店員の店員識別情報を記憶している。そして通信部340は、必要に応じて、この店員識別情報を接客支援装置20に送信する。
【0040】
図7は、接客支援装置20のハードウェア構成例を示す図である。接客支援装置20は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0041】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0042】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0043】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0044】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は接客支援装置20の各機能(例えば第1取得部210、出力部220、記憶処理部230、及び第2取得部240、並びに後述する他の実施形態に記載の第1画像処理部270及び第2画像処理部280)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は情報記憶部250、及び後述する他の実施形態に記載の顧客情報記憶部260としても機能する。
【0045】
入出力インタフェース1050は、接客支援装置20と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0046】
ネットワークインタフェース1060は、接客支援装置20をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。接客支援装置20は、ネットワークインタフェース1060を介して店舗端末10及び店員端末30と通信してもよい。
【0047】
なお、店舗端末10及び店員端末30のハードウェア構成例も、
図7に示した通りである。
【0048】
図8は、接客支援装置20が行う処理の第1例を示すフローチャートである。まず顧客は、店舗端末10に接客希望情報を入力する。この際、店舗端末10は、顧客特定情報として、この顧客の顔画像を生成する。そして店舗端末10は、接客希望情報及び顔画像を接客支援装置20に送信する。
【0049】
接客支援装置20の第1取得部210は、店舗端末10から、接客希望情報及び顔画像を取得する(ステップS10)。次いで記憶処理部230は、この接客希望情報及び顔画像を情報記憶部250に記憶させる(ステップS20)。
【0050】
次いで出力部220は、情報記憶部250から接客希望情報及び顔画像を読み出す。ここで、出力部220は、情報記憶部250が記憶しているすべての接客希望情報及び顔画像を読み出してもよいし、新たに情報記憶部250に記憶された接客希望情報及び顔画像を読み出してもよい。後者の場合、出力部220は、情報記憶部250から客希望情報及び顔画像を読み出す代わりに、第1取得部210から客希望情報及び顔画像を取得してもよい。そして出力部220は出力データを生成し、生成した出力データを店員端末30に送信する(ステップS30)。出力データは、出力部220が取得した客希望情報及び顔画像を含んでいる。
【0051】
そして店員端末30の表示処理部320は、ディスプレイ310に、接客支援装置20から取得した客希望情報及び顔画像を表示させる。
【0052】
なお、ステップS30以降の処理は、任意のタイミングで行われてもよい。一例として、ステップS30に示した処理は一定時間ごとに繰り返し行われてもよい。この場合、出力部220は、情報記憶部250が記憶しているすべての接客希望情報及び顔画像を読み出す。
【0053】
図9は、
図8のステップS30の後にディスプレイ310に表示される画像の一例を示している。本図に示す例において、ディスプレイ310は、顔
画像に対応付けて接客希望情報を表示している。すなわちディスプレイ310は、接客を希望していることを示している接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する顔画像、並びに、接客を希望していないことを示している接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する顔画像を表示している。そして店員は、ディスプレイ310に表示された情報を見ることにより、接客を希望している顧客の顔を確認できる。
【0054】
図10は、
図9の変形例を示す図である。本図に示す例において、表示処理部320は、接客希望情報が接客を希望していることを示している顧客の顔画像のみを表示している。本図に示す例では、表示処理部320は、接客希望情報、及び、接客希望情報が接客を希望していないことを示している顧客の顔画像はディスプレイ310に表示させない。このようにしても、店員は、接客を希望している顧客の顔を確認できる。
【0055】
図11は、接客支援装置20が行う処理の第2例を示すフローチャートである。本図に示す例において、ステップS10~ステップS30に示した処理は、
図8を用いて説明した通りである。
【0056】
店員は、当該店員が接客すべき顧客を選択し、その選択結果を店員端末30に入力する。すると店員端末30は、その店員がその顧客を選択したことを示す情報、すなわち上記した選択情報を、その店員の店員識別情報と共に接客支援装置20に送信する。
図1を用いて説明したように、選択情報は、選択された顧客の顧客特定情報を含んでいる。
【0057】
なお、接客支援装置20は、店舗端末10から接客希望情報を取得するタイミングで、その顧客にIDを付与することがある。この場合、記憶処理部230は、このIDを情報記憶部250に記憶させる。そして出力部220は、このIDを出力データに含めていてもよい。このようにすると、選択情報は、顧客特定情報として、このIDを含めることができる。
【0058】
接客支援装置20の第2取得部240は、選択情報及び店員識別情報を取得する(ステップS40)。そして記憶処理部230は、情報記憶部250に、ステップS40で取得された店員識別情報を、選択情報に含まれる顧客特定情報に紐づけて、情報記憶部250に記憶させる(ステップS50)。
【0059】
以上、本実施形態によれば、接客支援装置20は、店員端末30に、顔画像及び接客情報を送信する。店員端末30のディスプレイ310は、この顔画像及び接客情報を表示する。したがって店員は、ディスプレイ310を見ることにより、接客を望んでいる顧客を容易に識別できる。
【0060】
なお、本実施形態において、店舗端末10は、接客希望情報の代わりに来店目的を取得してもよい。この場合、第1取得部210は、入力された来店目的を用いて、その顧客の接客が必要かどうかを判断してもよい。そして接客支援装置20は、この判断結果を接客希望情報として扱う。
【0061】
(第2実施形態)
本実施形態に係る接客支援装置20は、以下の点を除いて第1実施形態に係る接客支援装置20と同様である。まず、接客支援装置20は、顧客の入店時刻を記憶している。そして接客支援装置20は、入店してからの経過時間を用いて、顧客の接客の優先度を設定する。
【0062】
図12は、本実施形態において情報記憶部250が記憶している情報の一例を示す図である。本実施形態において、第1取得部210は、店舗端末10から、店舗端末10が接客希望情報を取得した時刻を取得する。この時刻は入店時刻として扱われる。そして記憶処理部230は、この入店時刻も、顧客特定情報に紐づけて情報記憶部250に記憶させる。
【0063】
図13は、本実施形態において接客支援装置20が行う処理の一例を示す図である。本実施形態に係る接客支援装置20は、第1実施形態と同様の処理に加えて、本図に示す処理も行う。本図は、例えば情報記憶部250が更新されたときに行われるが、一定間隔で繰り返し行われてもよい。
【0064】
まず接客支援装置20の出力部220は、情報記憶部250から、複数の顧客ごとに、顔画像、接客希望情報、接客担当の有無、及び入店時刻を読み出す(ステップS110)。次いで出力部220は、読み出した情報を用いて、店員端末30のディスプレイ310における出力データの表示態様を決定し、この表示態様になるように出力データを生成する(ステップS120)。
【0065】
例えば出力部220は、接客を希望しているが接客担当が未だ無い顧客について、店舗に入店してから現在までの経過時間を算出する。出力部220は、この経過時間を、情報記憶部250から読み出した入店時刻を用いて算出する。次いで出力部220は、この顧客の顔画像及び接客希望情報の少なくとも一方の表示態様を、経過時間を用いて決定する。例えば出力部220は、経過時間が基準値を超えている顧客の顔画像を強調表示する。この際、出力部220は、基準時間が長くなるにつれて、強調度合いを上げてもよい。また出力部220は、接客担当が未だ無い顧客が複数いた場合、経過時間が最も長い顧客についてのみ、強調表示してもよい。
【0066】
そして出力部220は、生成した出力データを店員端末30に送信する(ステップS130)。店員端末30の表示処理部320は、接客支援装置20から取得した出力データをディスプレイ310に表示させる。
【0067】
図14は、ステップS130の後にディスプレイ310に表示される画面の一例を示す図である。本図に示す例において、経過時間が基準値を超えている顧客は一人である。そしてこの一人の顔画像の枠が、接客希望情報とともに強調されている。
【0068】
本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、店員は、接客を望んでいる顧客を容易に識別できる。また店員は、接客の必要性が高い顧客の顔画像を容易に認識できる。
【0069】
(第3実施径形態)
図15は、本実施形態に係る接客支援装置20の機能構成の一例を示す図である。本実施形態に係る接客支援装置20は、顧客情報記憶部260が記憶している情報を利用できる点を除いて、上記したいずれかの実施形態に係る接客支援装置20と同様である。
【0070】
顧客情報記憶部260は、顧客の詳細情報を記憶している。そして出力部220は、この詳細情報を用いて、店員端末30のディスプレイ310における出力データの表示態様を決定する。この決定方法の具体例については後述する。なお、顧客情報記憶部260は、接客支援装置20の一部であってもよいし、接客支援装置20の外部にあってもよい。
【0071】
また、顧客情報記憶部260は、
図1を用いて説明した顧客識別情報別に、当該顧客識別情報に対応する顧客の顔画像を記憶している。出力部220は、店舗端末10から顔画像の代わりに顧客識別情報を取得した場合、顧客情報記憶部260が記憶している顔画像を出力データに含める。
【0072】
図16は、顧客情報記憶部260が記憶している情報の一例を示す図である。本図に示す例において、顧客情報記憶部260は、顧客別に、顧客識別情報、その顧客の顔画像、及びその顧客の詳細情報を記憶している。詳細情報は、例えば性別などの属性情報、及び、その店舗(関連店舗を含む場合もある)におけるその顧客の購入履歴を含んでいる。なお、属性情報は、さらに年齢層などを含んでいてもよい。
【0073】
図17は、本実施形態に係る接客支援装置20が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
まず顧客は、顧客識別情報及び接客希望情報を店舗端末10に入力する。すると、店舗端末10は、接客支援装置20に顧客識別情報及び接客希望情報を送信する。この際、店舗端末10は、顧客の顔画像を接客支援装置20に送信しない。
【0075】
接客支援装置20の第1取得部210は、店舗端末10から顧客識別情報及び接客希望情報を取得し(ステップS210)、取得した顧客識別情報に対応する顔画像及び詳細情報を、顧客情報記憶部260から読み出す(ステップS220)。記憶処理部230は、ステップS210で取得された接客希望情報を、ステップS220で読み出した顔画像及び詳細情報に対応付けて情報記憶部250に記憶させる(ステップS230)。
【0076】
そして出力部220は、情報記憶部250に記憶されている顔画像、接客要否情報、及び詳細情報を読み出し、読み出した情報を用いて出力データを生成する(ステップS240)。この際、出力部220は、接客要否情報が接客を希望している顧客の顔画像の表示態様を、その顧客の詳細情報を用いて決定する(ステップS240)。例えば出力部220は、その顧客の購入履歴を用いて購入総額及び購入点数の少なくとも一方を算出し、算出した値が基準を超えている場合、その顧客の顔画像の枠を強調する。そして出力部220は、ステップS240で決定した表示態様に従って出力データを生成し、この出力データを店員端末30に送信する(ステップS250)。
【0077】
店員端末30の表示処理部320は、接客支援装置20から取得した出力データをディスプレイ310に表示させる。そして店員は、ディスプレイ310に表示された情報を確認することにより、重点的に接客すべき顧客を認識できる。
【0078】
なお、ステップS250において、出力部220は、その顧客の詳細情報の少なくとも一部、例えば購入履歴を出力データに含めてもよい。このようにすると、店員は、ディスプレイ310に表示された情報を確認することにより、その顧客の指向に沿った接客を行える。
【0079】
また、顧客情報記憶部260が顧客の来店履歴を記憶している場合、接客支援装置20は、購入履歴の代わりに来店履歴を用いてもよい。この場合、出力部220は、来店回数を用いて、強調表示を行うか否か、及びその強調度合いを判断する。例えば出力部220は、来店回数が基準値を超えている場合、その顧客の顔画像の枠を強調してもよい。
【0080】
またこの場合、来店履歴に、その時に接客した店員による申し送り事項が含まれていてもよい。この場合、出力部220は、申し送り事項をさらに用いて表示データを生成してもよい。一例として、出力部220は、この申し送り事項を表示データに含めてもよいし、申し送り事項の内容(例えば過去の来店時にトラブルが生じたなど)に応じたマークを表示データに含めてもよい。
【0081】
以上、本実施形態によっても、店員は、接客を望んでいる顧客を容易に識別できる。また店員は、重点的に接客すべき顧客の顔画像を容易に認識できる。
【0082】
(第4実施形態)
図18は、本実施形態に係る接客支援装置20の使用環境を説明するための図である。本実施形態に係る接客支援装置20は、上記した各実施形態の例に加え、少なくとも一つの第1撮像装置40、及び第2撮像装置42と共に使用される。
【0083】
第1撮像装置40は店舗の中を撮影し、生成した画像を接客支援装置20に送信する。第2撮像装置42は、店舗の出口を撮影し、生成した画像を接客支援装置20に送信する。そして接客支援装置20は、第1撮像装置40から取得した画像及び第2撮像装置42から取得した画像の少なくとも一方を用いて、店舗から退店した顧客を特定する。そして接客支援装置20は、退店した顧客に関する情報(例えば顔画像及び接客希望情報)を、出力データから外すための処理を行う。
【0084】
また接客支援装置20は、第1撮像装置40から取得した画像を処理することにより、予め定められたジェスチャー(例えば一定時間継続して手を挙げているなど)を行った顧客を検出する。そして接客支援装置20は、検出した顧客が接客を希望していると判断し、その旨をしめす接客希望情報を情報記憶部250に記憶させる。
【0085】
図19は、本実施形態に係る接客支援装置20の機能構成の一例を示す図である。本図に示す接客支援装置20は、第1画像処理部270、第2画像処理部280、及び第3画像処理部290を備えている点を除いて、
図15に示した接客支援装置20と同様の構成を有している。
【0086】
第1画像処理部270は、第1撮像装置40が生成した画像及び第2撮像装置42が生成した画像の少なくとも一方を用いて、店舗から退店した顧客を特定する。例えば第1画像処理部270は、第2撮像装置42が生成した画像に含まれている顧客を、退店した顧客と判断する。また第1画像処理部270は、いずれの第1撮像装置40が生成した画像にも一定時間継続して含まれていなかった顧客を、退店した顧客と判断する。
【0087】
そして記憶処理部230は、退店した顧客について、そのことを示す情報(以下、退店情報と記載)を情報記憶部250に記憶させる。なお、記憶処理部230は、退店した顧客の各種情報を情報記憶部250から消去してもよい。
【0088】
第2画像処理部280は、第1撮像装置40が生成した画像を処理することにより、予め定められたジェスチャーを行った顧客を検出する。このジェスチャーは、その顧客が接客を希望していることを意味している。そして第2画像処理部280は、第1撮像装置40が生成した画像を処理すること(例えばトリミングすること)により、このジェスチャーを行った顧客の顔画像を生成する。そして第1取得部210は、この顔画像を、接客を希望していることを示す接客希望情報と共に取得する。
【0089】
そして記憶処理部230は、第2画像処理部280から取得された顔画像を接客希望情報に紐づけて情報記憶部250に記憶させる。そして出力部220は、情報記憶部250に記憶された情報を用いて、出力データを生成して店員端末30に送信する。この出力データには、第2画像処理部280によって検出された顧客の顔画像が含まれている。
【0090】
なお、入店時に、顧客が、接客を希望していない旨の接客希望情報を店舗端末10に入力し、その後、店内において、思い直して接客を希望することがある。この場合、この顧客は、店内で上記したジェスチャーを行えばよい。
【0091】
この場合、情報記憶部250は、既に、第2画像処理部280が生成した顔画像に一致する顔画像、及びこれに対応する接客希望情報を記憶している。そしてこの接客希望情報は、接客を希望していないことを示している。そこで記憶処理部230は、情報記憶部250に記憶されている接客希望情報を、接客を希望していることを示すように変更する。その後、出力部220は、変更後の接客希望情報を含む出力データを新たに生成し、この出力データを店員端末30に送信する。
【0092】
第3画像処理部290は、第1撮像装置40が生成した画像を処理することにより、店内にいる顧客の現在位置を繰り返し特定する。この特定には、情報記憶部250に記憶されている顔画像が用いられてもよい。この場合、第3画像処理部290は、第1撮像装置40が取得した画像と、情報記憶部250に記憶されている顔画像とのマッチング処理を行うことにより、当該顔画像に対応する顧客の現在位置を特定する。そして記憶処理部230は、この現在位置を情報記憶部250に記憶させる。
【0093】
そして出力部220は、出力データに、接客希望情報が接客を希望していることを示している顧客の現在位置を含める。このようにすると、店員端末30のディスプレイ310に、顧客の現在位置が表示される。なお、この現在位置は、例えばフロアマップ上に表示されてもよい。
【0094】
図20は、本実施形態において情報記憶部250が記憶している情報の一例を示す図である。本図に示す例において、情報記憶部250は、
図12に示した情報に加えて、退店した顧客について上記した退店情報を記憶しているとともに、退店してない顧客の現在位置を記憶している。
【0095】
図21は、本実施形態に係る接客支援装置20が行う処理の第1例を示す。本図に示す処理は、第1撮像装置40が生成した画像及び第2撮像装置42が生成した画像に関連する処理である。第1撮像装置40及び第2撮像装置42は所定のフレームレート(例えば1フレーム/秒以上5フレーム/秒以下であるが、この値に限定されない)で画像を生成しており、生成した画像をリアルタイムで接客支援装置20に送信する。そして接客支援装置20は、第1撮像装置40及び第2撮像装置42から画像が送信されるたびに、本図に示す処理を行う。
【0096】
まず接客支援装置20は、第1撮像装置40及び第2撮像装置42から画像を取得する(ステップS310)。
【0097】
第3画像処理部290は、第1撮像装置40が生成した画像を処理することにより、各顧客の現在位置を特定する(ステップS320)。ここで行われる処理の一例は、
図19を用いて説明した通りである。
【0098】
また第2画像処理部280は、第1撮像装置40が生成した画像を処理することにより、予め定められたジェスチャーを行った顧客の有無を判断する。そしてそのジェスチャーを行った顧客がいた場合、第2画像処理部280は、このジェスチャーを行った顧客の顔画像を生成する。そして第1取得部210は、この顔画像を、接客を希望していることを示す接客希望情報と共に取得する(ステップS330)。ここで行われる処理の一例は、
図19を用いて説明した通りである。
【0099】
また第1画像処理部270は、第1撮像装置40が生成した画像及び第2撮像装置42が生成した画像を処理することにより、退店した顧客を特定する(ステップ
S335)。ここで行われる処理の一例は、
図19を用いて説明した通りである。
【0100】
そして記憶処理部230は、ステップS320~ステップS340で生成された情報を用いて情報記憶部250を更新する(ステップS340)。ここで行われる処理の一例は、
図19を用いて説明した通りである。
【0101】
図22は、本実施形態に係る接客支援装置20が行う処理の第2例を示す。本図は、出力データを店員端末30に送信する処理を示しており、例えば一定時間ごとに繰り返し行われる。なお、本図に示す処理とは別に、
図8のステップS10及びステップS20で示した処理、並びに
図21に示した処理も行われている。このため、情報記憶部250には、最新のデータが記憶されている。
【0102】
まず出力部220は、情報記憶部250から、出力データを生成するために必要な情報(例えば顔画像、接客希望情報、及び現在位置)を読み出す(ステップS410)。次いで出力部220は、読み出したデータを用いて出力データを生成し、店員端末30に送信する(ステップS420)。この出力データには、顔画像、接客希望情報、及び現在位置が含まれている。そして店員端末30の表示処理部320は、ディスプレイ310に、顔画像、接客希望情報、及び現在位置を互いに対応付けて表示させる。このため、店員は、接客を希望している顧客の現在位置を容易に把握できる。
【0103】
その後の処理(ステップS40及びステップS50)は、
図11を用いて説明した通りである。なお、ステップS50の後、選択情報が示す顧客(すなわちその店員が接客べき顧客)の現在位置が更新された場合、出力部220は、店員端末30に、更新後の現在位置を送信してもよい。
【0104】
本実施形態によっても、店員は、接客を望んでいる顧客を容易に識別できる。また店員は、接客を希望している顧客の現在位置を容易に把握できる。
【0105】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0106】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0107】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.店舗に入店した顧客を特定する顧客特定情報、及び当該顧客が接客を希望しているか否かを示す接客希望情報を取得する第1取得手段と、
少なくとも接客を希望していることを示している前記接客希望情報について、当該接客希望情報に対応する前記顧客特定情報を特定し、当該顧客特定情報に対応する前記顧客の顔画像を特定して、当該顔画像を含む出力データを出力する出力手段と、
を備える接客支援装置。
2.上記1に記載の接客支援装置において、
前記出力手段は、接客を希望していることを示している前記接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する前記顔画像、並びに、接客を希望していないことを示している前記接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する顔画像を、前記出力データに含める、接客支援装置。
3.上記1又は2に記載の接客支援装置において、
前記顧客特定情報は前記顔画像である接客支援装置。
4.上記1又は2に記載の接客支援装置において、
前記出力手段は、前記顧客特定情報と前記顔画像を対応付けて記憶する記憶手段を用いて、出力すべき前記顔画像を特定する、接客支援装置。
5.上記1~4のいずれか一項に記載の接客支援装置において、
前記第1取得手段は、前記店舗又は前記店舗の入り口に設置された店舗端末、又は前記顧客が所持している顧客端末から、前記顧客特定情報及び前記接客希望情報を取得する、接客支援装置。
6.上記1~5のいずれか一項に記載の接客支援装置において、
前記店舗に設置された第1撮像装置が生成した画像、及び前記店舗の出口に設置された第2撮像装置が生成した画像の少なくとも一方を用いて、前記店舗から退店した前記顧客を特定する第1画像処理手段を備え、
前記出力手段は、前記第1画像処理手段によって退店したと判断された前記顧客の顔画像を、前記出力データから外す、接客支援装置。
7.上記6に記載の接客支援装置において、
前記第1画像処理手段は、前記第1撮像装置が生成した画像に一定時間継続して含まれていなかった前記顧客を、前記店舗から退店した前記顧客と判断する接客支援装置。
8.上記1~7のいずれか一項に記載の接客支援装置において、
前記出力手段は、前記店舗の店員が視認可能なディスプレイに、前記出力データを表示させる接客支援装置。
9.上記8に記載の接客支援装置において、
前記出力手段は、
複数の前記顧客別に当該顧客の詳細情報を記憶している顧客情報記憶手段から、前記顧客特定情報に対応する前記詳細情報を取得し、
前記詳細情報を用いて、前記ディスプレイにおける前記出力データの表示態様を決定する、接客支援装置。
10.上記1~9のいずれか一項に記載の接客支援装置において、
前記顧客特定情報及び前記接客希望情報を互いに対応付けて記憶手段に記憶させる記憶処理手段と、
店員によって選択された前記顧客を示す選択情報を取得する第2取得手段と、
をさらに備え、
前記記憶処理手段は、さらに、前記選択情報が示す前記顧客の接客担当が決まったことを示す担当情報を、前記記憶手段に記憶させる、接客支援装置。
11.上記10に記載の接客支援装置において、
前記第2取得手段は、前記選択情報とともに、当該顧客を選択した前記店員の店員識別情報を取得し、
前記記憶処理手段は、前記担当情報の少なくとも一部として、前記第2取得手段が取得した前記店員識別情報を前記記憶手段に記憶させる、接客支援装置。
12.上記1~11のいずれか一項に記載の接客支援装置において、
前記出力手段は、前記顧客が前記店舗に入店してから現在までの経過時間を用いて、前記出力データの表示態様を決定する、接客支援装置。
13.上記1~12のいずれか一項に記載の接客支援装置において、
前記店舗に設置された第1撮像装置が生成した画像を用いて、前記顧客が特定のジェスチャーを行ったことを検知するとともに、当該顧客の前記顧客特定情報を特定する第2画像処理手段を備え、
前記第1取得手段は、前記第2画像処理手段から前記顧客特定情報を取得するとともに、当該顧客特定情報に対応する前記接客希望情報を、接客を希望していることを示すようにする、接客支援装置。
14.上記1~13に記載の接客支援装置において、
前記店舗を撮影した画像を処理することにより、前記顧客の現在位置を特定する第3画像処理手段を備え、
前記出力手段は、前記出力データに、前記接客希望情報が接客を希望していることを示している前記顧客の前記現在位置を含める、接客支援装置。
15.コンピュータが、
店舗に入店した顧客を特定する顧客特定情報、及び当該顧客が接客を希望しているか否かを示す接客希望情報を取得する第1取得処理と、
少なくとも接客を希望していることを示している前記接客希望情報について、当該接客希望情報に対応する前記顧客特定情報を特定し、当該顧客特定情報に対応する前記顧客の顔画像を特定して、当該顔画像を含む出力データを出力する出力処理と、
を行う接客支援方法。
16.上記15に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、前記出力処理において、接客を希望していることを示している前記接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する前記顔画像、並びに、接客を希望していないことを示している前記接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する顔画像を、前記出力データに含める、接客支援方法。
17.上記15又は16に記載の接客支援方法において、
前記顧客特定情報は前記顔画像である接客支援方法。
18.上記15又は16に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、前記出力処理において、前記顧客特定情報と前記顔画像を対応付けて記憶する記憶手段を用いて、出力すべき前記顔画像を特定する、接客支援方法。
19.上記15~18のいずれか一項に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、前記第1取得処理において、前記店舗又は前記店舗の入り口に設置された店舗端末、又は前記顧客が所持している顧客端末から、前記顧客特定情報及び前記接客希望情報を取得する、接客支援方法。
20.上記15~19のいずれか一項に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、
前記店舗に設置された第1撮像装置が生成した画像、及び前記店舗の出口に設置された第2撮像装置が生成した画像の少なくとも一方を用いて、前記店舗から退店した前記顧客を特定する第1画像処理をさらに行い、
前記出力処理において、前記第1画像処理によって退店したと判断された前記顧客の顔画像を、前記出力データから外す、接客支援方法。
21.上記20に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、前記第1画像処理において、前記第1撮像装置が生成した画像に一定時間継続して含まれていなかった前記顧客を、前記店舗から退店した前記顧客と判断する接客支援方法。
22.上記15~21のいずれか一項に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、前記出力処理において、前記店舗の店員が視認可能なディスプレイに、前記出力データを表示させる接客支援方法。
23.上記22に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、前記出力処理において、
複数の前記顧客別に当該顧客の詳細情報を記憶している顧客情報記憶手段から、前記顧客特定情報に対応する前記詳細情報を取得し、
前記詳細情報を用いて、前記ディスプレイにおける前記出力データの表示態様を決定する、接客支援方法。
24.上記15~23のいずれか一項に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、
前記顧客特定情報及び前記接客希望情報を互いに対応付けて記憶手段に記憶させる記憶処理と、
店員によって選択された前記顧客を示す選択情報を取得する第2取得処理と、
をさらに行い、
前記記憶処理において、さらに、前記選択情報が示す前記顧客の接客担当が決まったことを示す担当情報を、前記記憶手段に記憶させる、接客支援方法。
25.上記24に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、
前記第2取得処理において、前記選択情報とともに、当該顧客を選択した前記店員の店員識別情報を取得し、
前記記憶処理において、前記担当情報の少なくとも一部として、前記第2取得処理において取得した前記店員識別情報を前記記憶手段に記憶させる、接客支援方法。
26.上記15~25のいずれか一項に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、前記出力処理において、前記顧客が前記店舗に入店してから現在までの経過時間を用いて、前記出力データの表示態様を決定する、接客支援方法。
27.上記15~26のいずれか一項に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、
前記店舗に設置された第1撮像装置が生成した画像を用いて、前記顧客が特定のジェスチャーを行ったことを検知するとともに、当該顧客の前記顧客特定情報を特定する第2画像処理をさらに行い、
前記第1取得処理においては、前記第2画像処理で特定された前記顧客特定情報を取得するとともに、当該顧客特定情報に対応する前記接客希望情報を、接客を希望していることを示すようにする、接客支援方法。
28.上記15~27に記載の接客支援方法において、
前記コンピュータは、
前記店舗を撮影した画像を処理することにより、前記顧客の現在位置を特定する第3画像処理をさらに行い、
前記出力処理において、前記出力データに、前記接客希望情報が接客を希望していることを示している前記顧客の前記現在位置を含める、接客支援方法。
29.コンピュータに、
店舗に入店した顧客を特定する顧客特定情報、及び当該顧客が接客を希望しているか否かを示す接客希望情報を取得する第1取得機能と、
少なくとも接客を希望していることを示している前記接客希望情報について、当該接客希望情報に対応する前記顧客特定情報を特定し、当該顧客特定情報に対応する前記顧客の顔画像を特定して、当該顔画像を含む出力データを出力する出力機能と、
を持たせるプログラム。
30.上記29に記載のプログラムにおいて、
前記出力機能は、接客を希望していることを示している前記接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する前記顔画像、並びに、接客を希望していないことを示している前記接客希望情報及び当該接客希望情報に対応する顔画像を、前記出力データに含める、プログラム。
31.上記29又は30に記載のプログラムにおいて、
前記顧客特定情報は前記顔画像であるプログラム。
32.上記29又は30に記載のプログラムにおいて、
前記出力機能は、前記顧客特定情報と前記顔画像を対応付けて記憶する記憶手段を用いて、出力すべき前記顔画像を特定する、プログラム。
33.上記29~32のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記第1取得機能は、前記店舗又は前記店舗の入り口に設置された店舗端末、又は前記顧客が所持している顧客端末から、前記顧客特定情報及び前記接客希望情報を取得する、プログラム。
34.上記29~33のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記店舗に設置された第1撮像装置が生成した画像、及び前記店舗の出口に設置された第2撮像装置が生成した画像の少なくとも一方を用いて、前記店舗から退店した前記顧客を特定する第1画像処理機能をさらに持たせ、
前記出力機能は、前記第1画像処理機能によって退店したと判断された前記顧客の顔画像を、前記出力データから外す、プログラム。
35.上記34に記載のプログラムにおいて、
前記第1画像処理機能は、前記第1撮像装置が生成した画像に一定時間継続して含まれていなかった前記顧客を、前記店舗から退店した前記顧客と判断するプログラム。
36.上記29~35のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記出力機能は、前記店舗の店員が視認可能なディスプレイに、前記出力データを表示させるプログラム。
37.上記36に記載のプログラムにおいて、
前記出力機能は、
複数の前記顧客別に当該顧客の詳細情報を記憶している顧客情報記憶手段から、前記顧客特定情報に対応する前記詳細情報を取得し、
前記詳細情報を用いて、前記ディスプレイにおける前記出力データの表示態様を決定する、プログラム。
38.上記29~37のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、さらに、
前記顧客特定情報及び前記接客希望情報を互いに対応付けて記憶手段に記憶させる記憶処理機能と、
店員によって選択された前記顧客を示す選択情報を取得する第2取得機能と、
を持たせ、
前記記憶処理機能は、さらに、前記選択情報が示す前記顧客の接客担当が決まったことを示す担当情報を、前記記憶手段に記憶させる、プログラム。
39.上記38に記載のプログラムにおいて、
前記第2取得機能は、前記選択情報とともに、当該顧客を選択した前記店員の店員識別情報を取得し、
前記記憶処理機能は、前記担当情報の少なくとも一部として、前記第2取得機能が取得した前記店員識別情報を前記記憶手段に記憶させる、プログラム。
40.上記29~39のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記出力機能は、前記顧客が前記店舗に入店してから現在までの経過時間を用いて、前記出力データの表示態様を決定する、プログラム。
41.上記29~40のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記店舗に設置された第1撮像装置が生成した画像を用いて、前記顧客が特定のジェスチャーを行ったことを検知するとともに、当該顧客の前記顧客特定情報を特定する第2画像処理機能をさらに持たせ、
前記第1取得機能は、前記第2画像処理機能で特定された前記顧客特定情報を取得するとともに、当該顧客特定情報に対応する前記接客希望情報を、接客を希望していることを示すようにする、プログラム。
42.上記29~41に記載のプログラムにおいて、
前記コンピュータに、前記店舗を撮影した画像を処理することにより、前記顧客の現在位置を特定する画像処理機能をさらに持たせ、
前記出力機能は、前記出力データに、前記接客希望情報が接客を希望していることを示している前記顧客の前記現在位置を含める、プログラム。
【符号の説明】
【0108】
10 店舗端末
12 顧客端末
20 接客支援装置
30 店員端末
40 第1撮像装置
42 第2撮像装置
110 入力部
120 撮像部
130 通信部
210 第1取得部
220 出力部
230 記憶処理部
240 第2取得部
250 情報記憶部
260 顧客情報記憶部
270 第1画像処理部
280 第2画像処理部
290 第3画像処理部
310 ディスプレイ
320 表示処理部
330 入力部
340 通信部