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特許7677430サーバ装置、サーバ装置の制御方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】サーバ装置、サーバ装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20250508BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20250508BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q10/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023537836
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 JP2021027990
(87)【国際公開番号】W WO2023007640
(87)【国際公開日】2023-02-02
【審査請求日】2024-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168310
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】石川 稔
(72)【発明者】
【氏名】田島 尚幸
(72)【発明者】
【氏名】冬野 哲也
(72)【発明者】
【氏名】剱持 昌義
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-058690(JP,A)
【文献】特開2002-279279(JP,A)
【文献】特表2017-535903(JP,A)
【文献】特開2015-210560(JP,A)
【文献】特開2014-052989(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2248401(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理する、選挙管理部と、
前記複数の候補者のうち前記選挙に当選した当選者が開催するイベントに関する予約を管理する、予約管理部と、
を備え
前記選挙管理部は、前記有権者に関する情報である有権者情報に基づいて、前記複数の候補者それぞれと前記有権者の間のマッチ度を算出し、前記算出したマッチ度を前記有権者に提示する、サーバ装置。
【請求項2】
前記選挙管理部は、
前記複数の候補者のなかから前記有権者に適した少なくとも1以上の候補者を推薦候補者として抽出し、前記有権者に前記推薦候補者に関する情報を提供する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記選挙管理部は、
前記推薦候補者及び前記推薦候補者が開催するイベントの詳細情報を前記有権者に提供する、請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記選挙管理部は、
前記有権者の属性情報、健康情報及び身体情報のうち少なくとも1つと、前記複数の候補者それぞれが開催する予定のイベント内容と、に基づいて前記推薦候補者を抽出する、請求項2又は3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記選挙管理部は、
前記推薦候補者に対する、前記有権者と関係のある人物の投票結果を前記有権者に通知する、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記予約管理部は、
前記イベントの最小催行人数よりも得票数の多い候補者を当選者とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記予約管理部は、
前記当選者に投票した第1の有権者による予約を、前記当選者に投票していない第2の有権者による予約よりも優先して受け付ける、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記予約管理部は、
前記第1の有権者による予約を優先する期間の経過後に、前記第2の有権者による予約を受け付ける、請求項7に記載のサーバ装置。
【請求項9】
サーバ装置において、
複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理し、
前記複数の候補者のうち前記選挙に当選した当選者が開催するイベントに関する予約を管理する、サーバ装置の制御方法であって、
前記有権者に関する情報である有権者情報に基づいて、前記複数の候補者それぞれと前記有権者の間のマッチ度を算出し、前記算出したマッチ度を前記有権者に提示する、サーバ装置の制御方法
【請求項10】
サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理する処理と、
前記複数の候補者のうち前記選挙に当選した当選者が開催するイベントに関する予約を管理する処理と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記有権者に関する情報である有権者情報に基づいて、前記複数の候補者それぞれと前記有権者の間のマッチ度を算出し、前記算出したマッチ度を前記有権者に提示する処理を実行させる、プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
地域住民の意見等を取得し、行政に反映するシステムが存在する。
【0003】
特許文献1には、地域住民により投稿される自治体の特定の事業に関するアイデアを他の住民が容易に支援でき、投稿されたアイデアに対して他の地域住民の声を十分に反映させることができるようにする、と記載されている。特許文献1の端末は、地域住民がそれぞれ所持し、自治体が管理する自治体端末にネットワークを介して接続可能な住民端末である。住民端末は、登録部と、投稿部と、閲覧部と、投票部と、を備える。登録部は、自治体端末に対し、ユーザ登録する。投稿部は、ユーザ登録に基づいて、自治体端末より提供される管理情報に応じて、自治体端末に対し、特定の事業に関する課題またはアイデアを投稿する。閲覧部は、投稿された課題および自治体端末によって審査・公開されたアイデアを閲覧する。投票部は、予め付与される所定数の配布ポイントのうち、閲覧したアイデアに対する関心度に応じてポイントを投票する。
【0004】
特許文献2には、行政機関等に対する市民からの提案や、市民に対する行政機関からの提案に対して、種々の評価を与えることによって、真の民意を反映させた行政の運営を可能とする、と記載されている。特許文献2の民意データベースを有する行政総合窓口サイトは、アイデア情報サイト提供システム上に構築された1つのサイトとして提供され、この行政総合窓口サイトに、行政機関である各自治体の端末装置が接続されている。各ユーザ端末から行政総合窓口サイトに提言された苦情、提案(アイデア情報)、それに対する自治体の対処とその結果などの情報が、共有財産として民意データベースに蓄積されていくようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-030612号公報
【文献】特開2003-141309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
過疎の進んでいる地域では娯楽が不足し、より一層過疎化が進む要因ともなっている。とりわけ、大きな楽しみの1つである食事をするレストラン等が少なく、地域住民の不満の1つとなっている。
【0007】
本発明は、地域住民の満足度を向上させることに寄与する、サーバ装置、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の視点によれば、複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理する、選挙管理部と、前記複数の候補者のうち前記選挙に当選した当選者が開催するイベントに関する予約を管理する、予約管理部と、を備える、サーバ装置が提供される。
【0009】
本発明の第2の視点によれば、サーバ装置において、複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理し、前記複数の候補者のうち前記選挙に当選した当選者が開催するイベントに関する予約を管理する、サーバ装置の制御方法が提供される。
【0010】
本発明の第3の視点によれば、サーバ装置に搭載されたコンピュータに、複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理する処理と、前記複数の候補者のうち前記選挙に当選した当選者が開催するイベントに関する予約を管理する処理と、を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の各視点によれば、地域住民の満足度を向上させることに寄与する、サーバ装置、サーバ装置の制御方法及び記憶媒体が提供される。なお、本発明の効果は上記に限定されない。本発明により、当該効果の代わりに、又は当該効果と共に、他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態の概要を説明するための図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図11図11は、第1の実施形態に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る有権者登録部の動作を説明するための図である。
図13図13は、第1の実施形態に係る有権者情報データベースの一例を示す図である。
図14図14は、第1の実施形態に係る有権者登録部の動作を説明するための図である。
図15図15は、第1の実施形態に係る候補者情報データベースの一例を示す図である。
図16図16は、第1の実施形態に係る選挙管理部の動作の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、第1の実施形態に係る予約管理部の動作の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、第1の実施形態に係る予約管理データベースの一例を示す図である。
図19図19は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図20図20は、本願開示に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図21図21は、本願開示の変形例に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図22図22は、本願開示の変形例に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図23図23は、本願開示の変形例に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図24図24は、本願開示の変形例に係るサーバ装置の処理構成の一例を示す図である。
図25図25は、本願開示の変形例に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
図26図26は、本願開示の変形例に係る情報処理システムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
はじめに、一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。また、特段の釈明がない場合には、各図面に記載されたブロックはハードウェア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表す。各図におけるブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。なお、本明細書及び図面において、同様に説明されることが可能な要素については、同一の符号を付することにより重複説明が省略され得る。
【0014】
一実施形態に係るサーバ装置100は、選挙管理部101と、予約管理部102と、を備える(図1参照)。選挙管理部101は、複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理する。予約管理部102は、複数の候補者のうち選挙に当選した当選者が開催するイベントに関する予約を管理する。
【0015】
サーバ装置100は、例えば、地域の住民を有権者とし、当該地域でイベントの開催者を候補者とする選挙の実施を管理する。例えば、サーバ装置100は、レストラン等の少ない過疎地において、複数の料理人のなかから当該過疎地にて食事会(料理提供サービス)を開催する料理人を選択するための選挙を実施する。また、サーバ装置100は、選挙の当選者が開催するイベント(例えば、食事会)の予約に関する管理も行う。例えば、サーバ装置100は、当選者に投票した住民が当該イベントを優先的に予約できる等の運営を行う。このようなサーバ装置100の働きによって、娯楽の少ない地域の住民に対して、選挙で料理人を選ぶという楽しみと開催されるイベントの予約に関する支援が与えられるので当該住民の満足度が向上する。
【0016】
以下に具体的な実施形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0018】
[システムの構成]
図2は、第1の実施形態に係る情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。図2に示すように、情報処理システムには、サーバ装置10が含まれる。
【0019】
第1の実施形態に情報処理システムにおいて、料理人の選挙が行われる。具体的には、所定の地域(例えば、町や村単位の地域)の住民に料理を提供する料理人を決定するための選挙が行われる。例えば、図2の例では、住民A1~A3が住む地域の住民を「有権者(投票者)」とし、料理人B1~B3を「候補者」とする「料理人選挙」が行われる。
【0020】
サーバ装置10は、地域住民の福利厚生等を管理する装置である。サーバ装置10は、自治体等の公的機関や企業等の民間事業者によって管理、運営される。サーバ装置10は、情報処理システムの運営団体の建物と同じ建物に設置されていてもよいし、ネットワーク上(クラウド上)に設置されていてもよい。
【0021】
地域の住民のそれぞれは、住民端末20-1~20-3を所持している。各住民は、住民端末20-1~20-3を使って、サーバ装置10に情報を登録したり、サーバ装置10から情報を取得したりする。
【0022】
料理人のそれぞれは、料理人端末30-1~30-3を所持している。各料理人は、料理人端末30-1~30-3を使って、サーバ装置10に情報を登録したり、サーバ装置10から情報を取得したりする。
【0023】
以降の説明において、住民端末20-1~20-3を区別する特段の理由がない場合には、単に「住民端末20」と表記する。同様に、料理人端末30-1~30-3を区別する特段の理由がない場合には、単に「料理人端末30」と表記する。
【0024】
図2に示す情報処理システムの構成は例示であって、その構成を限定する趣旨ではない。例えば、情報処理システムには複数のサーバ装置10が含まれていてもよい。また、地域の住民の数や料理人の数を「3」に限定する趣旨ではないことは勿論である。
【0025】
[動作概略]
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作概略について説明する。
【0026】
<有権者登録>
第1の実施形態に係る情報処理システムにおいて、料理人選挙への参加を希望する住民は、その旨をサーバ装置10に登録する。具体的には、当該住民は、サーバ装置10に対して「有権者登録」を行う。
【0027】
はじめに、地域の住民は、自身の情報をサーバ装置10に事前登録する(図3参照)。以降の説明において、住民(有権者)がサーバ装置10に登録する情報を「有権者情報」と記載する。
【0028】
住民は、任意の手段を用いて有権者情報をサーバ装置10に登録する。例えば、住民は、所持する住民端末20を操作して有権者登録を行う。例えば、住民は、住民端末20を操作して、サーバ装置10が提供するWEB(ウェブ)ページにアクセスする。
【0029】
有権者情報には、例えば、個人情報、身体に関する情報(身体情報)、健康に関する情報(健康情報)、アレルギーに関する情報(アレルギー情報)、料理ジャンルの好き嫌い等に関する嗜好情報、料理の味付けに関する味付け情報等が例示される。あるいは、有権者情報には、生体情報、好みの食材に関する情報、食事量に関する情報(食べられる量に関する情報)、家族に関する家族情報、友人に関する友人情報等が含まれてもよい。
【0030】
個人情報として、氏名、性別、住所、生年月日、連絡先(電話番号、メールアドレス、SNS(Social Networking Service)アカウント)等が例示される。
【0031】
身体情報として、住民の身長、体重に加え、口腔機能に関する情報(例えば、固いものが食べられるか否か)等が例示される。
【0032】
健康情報として、住民の現症(現在の病気)、既往症(基礎疾患)、服薬している薬の情報等が例示される。
【0033】
アレルギー情報として、アレルギーの種類、アレルギーを起こす食材、材料(例えば、卵、小麦、さば、かに、キウイ)等が例示される。
【0034】
嗜好情報として、和食が好き、中華が好き、フレンチが苦手等の情報が例示される。
【0035】
味付け情報として、濃い味が好き、薄い味が好き、甘い味が苦手、酸っぱい味が苦手等の情報が例示される。
【0036】
生体情報には、例えば、顔、指紋、声紋、静脈、網膜、瞳の虹彩の模様(パターン)といった個人に固有の身体的特徴から計算されるデータ(特徴量)が例示される。あるいは、生体情報は、顔画像、指紋画像等の画像データであってもよい。生体情報は、利用者の身体的特徴を情報として含むものであればよい。
【0037】
家族情報には、同居している家族の人数や氏名等が含まれる。あるいは、家族情報には、家族に関する身体情報、アレルギー情報、嗜好情報、味付け情報等が含まれていてもよい。
【0038】
友人情報には、友人の氏名等が含まれる。友人情報には、家族情報と同様に、友人に関する身体情報、アレルギー情報、嗜好情報、味付け情報等が含まれていてもよい。
【0039】
なお、有権者登録がなされたという事実は、有権者(住民)は自身の個人情報等が利用されることに同意したことと等価である。
【0040】
サーバ装置10は、住民(有権者)から有権者情報を取得すると、当該有権者を識別するための有権者IDを生成する。サーバ装置10は、生成した有権者IDと有権者情報を対応付けて有権者情報データベースに記憶する。有権者情報データベースの詳細は後述する。
【0041】
サーバ装置10は、生成した有権者IDを住民(住民端末20)に払い出す。住民端末20は、取得した有権者IDを内部に記憶する。サーバ装置10と住民端末20が情報の交換、伝達、通知等を行う際、有権者IDが送受信される。
【0042】
<候補者登録>
第1の実施形態に係る情報処理システムにおいて、料理人選挙への参加を希望する料理人は、その旨をサーバ装置10に登録する。具体的には、当該料理人は、サーバ装置10に対して「候補者登録」を行う。
【0043】
はじめに、料理人は、自身の情報をサーバ装置10に事前登録する(図4参照)。以降の説明において、料理人(候補者)がサーバ装置10に登録する情報を「候補者情報」と記載する。
【0044】
料理人は、任意の手段を用いて候補者情報をサーバ装置10に登録する。例えば、料理人は、所持する料理人端末30を操作して候補者登録を行う。例えば、料理人は、料理人端末30を操作して、サーバ装置10が提供するWEB(ウェブ)ページにアクセスする。
【0045】
候補者情報には、例えば、氏名等の個人情報、顔画像を含む画像データ、経歴(プロフィール)に関する経歴情報、料理人が提供可能な料理に関する料理情報等が例示される。さらに、候補者情報には、食事会の開催に関する開催情報(イベント情報)が含まれる。
【0046】
個人情報として、料理人の氏名や連絡先(電話番号、メールアドレス、SNSアカウント)等が例示される。
【0047】
経歴情報として、料理人の肩書き(例えば、料理研究家等)、料理コンテストの受賞歴、テレビ番組への出演実績、勤務中の店舗名、過去に勤務した店舗名等が例示される。
【0048】
料理情報として、料理人が提供可能な料理のジャンル、想定される価格(価格帯)、提供料理のメニュー(献立)、料理の画像データ、料理の味付け(薄味、濃味等)、使用食材、料理のカロリー等が例示される。
【0049】
開催情報として、食事会の開催日、開催場所、催行人数(最少催行人数、最大催行人数)等が含まれる。最少催行人数は、当該候補者が食事会を開催するために必要な最少人数である。最大催行人数は、当該候補者が開催する食事会の定員である。
【0050】
サーバ装置10は、料理人(候補者)から候補者情報を取得すると、当該料理人を識別するための候補者IDを生成する。サーバ装置10は、生成した候補者IDと候補者情報を対応付けて候補者情報データベースに記憶する。候補者情報データベースの詳細は後述する。
【0051】
サーバ装置10は、生成した候補者IDを料理人(料理人端末30)に払い出す。料理人端末30は、取得した候補者IDを内部に記憶する。サーバ装置10と料理人端末30が情報の交換、伝達、通知を行う際、候補者IDが送受信される。
【0052】
ここで、料理人選挙に関する「投票日」や「締め切り日」等の告示は、サーバ装置10が提供するホームページなどを用いて行われる。システム管理者が、料理人選挙に関する情報をサーバ装置10に入力する。サーバ装置10は、ホームページに料理人選挙の情報を掲載し、当該料理人選挙に関する告示を行う。
【0053】
<投票>
投票日が到来すると、有権者は、料理人選挙に投票可能となる。例えば、有権者は、住民端末20を使って、サーバ装置10が提供する料理人選挙のためのホームページにアクセスする。その際、住民端末20は、当該有権者の有権者IDをサーバ装置10に送信する。
【0054】
有権者IDを受信すると、サーバ装置10は、複数の候補者(料理人選挙に立候補した複数の料理人)のなかから有権者に適した少数の候補者を抽出する。例えば、100人の候補者が立候補している場合、サーバ装置10は、有権者の好み、状態等に適する上位3名の候補者を抽出する。
【0055】
以下の説明において、サーバ装置10が、有権者の情報に基づいて抽出した候補者を「推薦候補者」と表記する。サーバ装置10は、少なくとも1以上の候補者を「推薦候補者」として抽出する。
【0056】
サーバ装置10は、有権者が、推薦候補者のなかから投票する候補者を選択可能なGUI(Graphical User Interface)を住民端末20に表示する。例えば、住民端末20は、図5に示すようなGUIを表示する。図5に示すように、住民端末20は、各候補者の画像(写真)、プロフィール、投票者数を表示する。図5に示すような表示に接した有権者は、顔画像、プロフィール及び投票者数を参考にして、詳細を知りたい料理人を選択する。
【0057】
有権者は、詳細を知りたい料理人(推薦候補者)の写真に触れ、料理人を選択する。サーバ装置10は、有権者が選択した推薦候補者の詳細情報を表示する。例えば、サーバ装置10は、図6に示すようなGUIを表示する。
【0058】
図6に示すように、サーバ装置10は、有権者が選択した料理人の写真、プロフィール、提供する料理の情報(例えば、料理の画像、メニュー、価格等)、開催日、開催場所等を表示する。あるいは、サーバ装置10は、当該選択された料理人が獲得している票数(投票者数)や当該選択された料理人が管理する、SNS(Social Networking Service)にアクセスするためのボタン(アイコン)等を表示してもよい。
【0059】
あるいは、サーバ装置10は、料理人投票の投票締め切り日を併せて表示してもよい。あるいは、料理人選挙が過去に何度も行われ、その結果が蓄積されている場合には、サーバ装置10は、各料理人の得票数やアンケート結果を併せて表示してもよい。
【0060】
選択した料理人の詳細に納得した有権者は、「投票」ボタンを押下する。他の料理人に投票したい有権者は、「戻る」ボタンを押下する。
【0061】
投票ボタンが押下されると、サーバ装置10は、図7に示すような表示を行い、投票が完了したことを有権者に通知する。
【0062】
戻るボタンが押下されると、サーバ装置10は、図5に示す画面に戻る。
【0063】
ここで、有権者は、システムから最初に提示された推薦候補者のなかから選択するのではなく、他の候補者のなかから投票をしたいと希望する場合もあり得る。この場合、有権者は、図5に示す「他の料理人を検索」ボタンを押下する。
【0064】
当該ボタンが押下されると、サーバ装置10は、候補者を検索するためのGUIを住民端末20に表示する。例えば、サーバ装置10は、図8に示すようなGUIを表示する。より具体的には、サーバ装置10は、各候補者の簡単な情報(例えば、料理人や料理の写真)を提供するための領域や、表示する候補者を切り替えるための左右ボタン、検索条件を入力するための領域等を表示する。
【0065】
図8において、各候補者の領域に表示された「選択」ボタンが押下されると、サーバ装置10は、図6に示すような表示を行う。また、戻るボタンが押下されると、サーバ装置10は、図5に示す画面に戻る。
【0066】
<選挙結果の通知>
料理人選挙の期日が到来すると、サーバ装置10は、当選者を決定する。例えば、サーバ装置10は、最多得票の料理人を当選者として扱い、当該当選者を有権者(選挙に参加した住民)に通知する。
【0067】
ここで、料理人選挙に参加した有権者のうち上記当選者に投票した有権者は、当選者の食事会を優先的に予約することができる。そこで、サーバ装置10は、当選者に投票した有権者の住民端末20に対して「優先予約開始通知」を送信する。当該通知の受信に応じて、有権者が、サーバ装置10の提供するホームページにアクセスすると、サーバ装置10は、図9に示すようなGUIを住民端末20に表示する。
【0068】
このように、サーバ装置10は、住民(当選者に投票した有権者)が食事の予約を可能とするGUIを表示する。
【0069】
なお、当選者に投票した住民が優先予約できる期間は予め決められている。当該優先期間が過ぎると、サーバ装置10は、当選者以外に投票した有権者からの予約も受け付ける。具体的には、サーバ装置10は、各有権者の住民端末20に対して「予約開始通知」を送信する。当該通知の受信に応じて、有権者が、サーバ装置10の提供するホームページにアクセスすると、サーバ装置10は、図10に示すようなGUIを住民端末20に表示する。
【0070】
図9及び図10を比較すると、当選者に投票した有権者に対しては「優先予約」である旨と当該優先予約が終了する日付が提示される。なお、優先予約後の通常予約に関し、サーバ装置10は、当該予約が可能な有権者を当選者に投票していない有権者に限定してもよいし、当選者に投票した有権者(優先予約が可能であった有権者)も予約可能としてもよい。
【0071】
図9及び図10に示すGUIに接した住民が、予約を選択すると(予約ボタンが押下されると)、サーバ装置10は、当該住民の予約を受け付ける。
【0072】
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムに含まれる各装置の詳細について説明する。
【0073】
[サーバ装置]
図11は、第1の実施形態に係るサーバ装置10の処理構成(処理モジュール)の一例を示す図である。図11を参照すると、サーバ装置10は、通信制御部201と、有権者登録部202と、候補者登録部203と、選挙管理部204と、予約管理部205と、記憶部206と、を備える。
【0074】
通信制御部201は、他の装置との間の通信を制御する手段である。例えば、通信制御部201は、住民端末20、料理人端末30からデータ(パケット)を受信する。また、通信制御部201は、住民端末20、料理人端末30に向けてデータを送信する。通信制御部201は、他の装置から受信したデータを他の処理モジュールに引き渡す。通信制御部201は、他の処理モジュールから取得したデータを他の装置に向けて送信する。このように、他の処理モジュールは、通信制御部201を介して他の装置とデータの送受信を行う。通信制御部201は、他の装置からデータを受信する受信部としての機能と、他の装置に向けてデータを送信する送信部としての機能と、を備える。
【0075】
有権者登録部202は、上述の有権者登録を実現する手段である。有権者登録部202は、料理人選挙に参加する希望を持つ各住民の有権者情報を任意の手段を用いて取得する。
【0076】
例えば、有権者登録部202は、住民が操作する住民端末20から有権者情報を取得してもよい。あるいは、住民は、有権者情報が記載された書類や有権者情報が記憶された外部記憶装置をサーバ装置10の運営団体等に送付し、当該団体の職員等が有権者情報をサーバ装置10に入力してもよい。
【0077】
有権者登録部202は、有権者情報を入力するためのGUIや入力フォームを住民に提供してもよい。例えば、有権者登録部202は、住民が所定のホームページにアクセスした事に応じて、図12に示すようなGUIを住民端末20に表示してもよい。
【0078】
住民は、住民端末20を操作して、図12に示される有権者情報を入力する。住民は、情報入力を完了すると「決定」ボタンを押下し、個人情報、身体情報、健康情報、アレルギー情報、嗜好情報、味付け情報等の有権者情報をサーバ装置10に入力する。なお、住民が身体情報等の入力を希望した場合(対応するボタンが押下された場合)には、有権者登録部202は、図12に類似するGUIによって情報を取得すればよい。
【0079】
有権者登録部202は、有権者を識別するための有権者IDを生成する。有権者IDは、有権者登録された住民(有権者)を一意に識別できる情報であればどのような情報であってもよい。例えば、有権者登録部202は、有権者登録のたびに一意な値を採番し有権者IDとしてもよい。
【0080】
有権者登録部202は、上記生成された有権者ID、有権者情報を対応付けて有権者情報データベースに記憶する(図13参照)。図13に示すように、有権者情報データベースは、有権者ID、投票先及び有権者情報を対応付けて記憶する。投票先フィールドには、有権者が投票した候補者の候補者IDが設定される。当該フィールドの初期値は、投票前を示すブランクである。
【0081】
なお、図13に示す有権者情報データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。例えば、有権者の生体情報(例えば、顔画像や当該顔画像から生成された特徴量)が有権者情報データベースに登録されていてもよい。また、有権者情報データベースは、料理人選挙のたびに新たなデータベースが生成されてもよいし、複数の選挙を通して同じ有権者情報データベースが使用されてもよい。
【0082】
候補者登録部203は、上述の候補者登録を実現する手段である。候補者登録部203は、料理人選挙に参加する希望を持つ各料理人の候補者情報を任意の手段を用いて取得する。
【0083】
例えば、候補者登録部203は、料理人が操作する料理人端末30から候補者情報を取得してもよい。あるいは、料理人は、候補者情報が記載された書類や候補者情報が記憶された外部記憶装置をサーバ装置10の運営団体等に送付し、当該団体の職員等が候補者情報をサーバ装置10に入力してもよい。
【0084】
候補者登録部203は、候補者情報を入力するためのGUIや入力フォームを料理人に提供してもよい。例えば、候補者登録部203は、料理人が所定のホームページにアクセスした事に応じて、図14に示すようなGUIを料理人端末30に表示してもよい。
【0085】
候補者は、料理人端末30を操作して、図14に示される候補者情報を入力する。候補者は、情報入力を完了すると「決定」ボタンを押下し、個人情報、顔画像を含む画像データ、経歴情報、料理情報等の情報をサーバ装置10に入力する。なお、候補者が経歴情報等の入力を希望した場合(対応するボタンが押下された場合)には、サーバ装置10は、図14に類似するGUIによって情報を取得すればよい。
【0086】
候補者登録部203は、候補者を識別するための候補者IDを生成する。候補者IDは、候補者登録された料理人(候補者)を一意に識別できる情報であればどのような情報であってもよい。例えば、候補者登録部203は、候補者登録のたびに一意な値を採番し候補者IDとしてもよい。
【0087】
候補者登録部203は、上記生成された候補者ID、候補者情報を対応付けて候補者情報データベースに記憶する(図15参照)。図15に示すように、候補者情報データベースは、候補者ID、得票数及び候補者情報を対応付けて記憶する。得票数フィールドには、当該料理人に投票した有権者の数が設定される。また、開催情報の催行人数フィールドには、最少催行人数と最大催行人数を表記している。スラッシュ記号の左側が最少催行人数を示し、右側が最大催行人数を示す。
【0088】
なお、図15に示す候補者情報データベースは例示であって、記憶する項目等を限定する趣旨ではない。
【0089】
選挙管理部204は、料理人選挙を管理する手段である。選挙管理部204は、複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理する。
【0090】
図16を参照して、選挙管理部204の動作を説明する。図16は、第1の実施形態に係る選挙管理部204の動作の一例を示すフローチャートである。
【0091】
選挙管理部204は、投票日以降に、有権者が所定のホームページ(投票ページ)等にアクセスすると、当該有権者の住民端末20から有権者IDを取得する。なお、上述のように、料理人選挙に関する「投票日」や「締め切り日」等の情報は、自治体のホームページ等によって告示されている。
【0092】
選挙管理部204は、有権者IDを取得すると、当該有権者IDをキーとして有権者情報データベースを検索し、対応する有権者(エントリ)を特定する。選挙管理部204は、特定した有権者に適した少なくとも1人以上の推薦候補者を、候補者情報データベースに登録された料理人から抽出する。より具体的には、選挙管理部204は、候補者情報データベースに登録された複数の候補者のなかから有権者に適した少数の候補者を抽出する。
【0093】
具体的には、選挙管理部204は、有権者情報に含まれる全部又は一部の情報と、候補者情報データベースに登録された候補者情報と、を用いて「推薦候補者」を抽出する(ステップS101)。なお、選挙管理部204による推薦候補者の抽出(有権者と候補者のマッチング)には、AI(Artificial Intelligence)を用いた既存の技術(マッチングエンジン)を適用することができる。
【0094】
具体的には、システム管理者等は、データ(有権者情報の全部又は一部の情報;例えば、身体情報や健康情報等)と正解値(提供する料理、メニュー)を紐付けて学習することで学習モデルを生成する。選挙管理部204は、当該学習モデルに有権者のデータ(既往症、体型、口腔機能等)を入力し、当該有権者に適する料理やメニューを取得する。選挙管理部204は、取得した料理等をキーとして候補者情報データベースを検索し、対応するエントリ(候補者;料理人)を特定する。特定された料理人が推薦候補者となる。
【0095】
なお、当該学習モデルの生成には、サポートベクタマシン、ブースティングやニューラルネットワーク等の任意のアルゴリズムを用いることができる。なお、上記サポートベクタマシン等のアルゴリズムは公知の技術を使用することができるので、その説明を省略する。
【0096】
例えば、選挙管理部204は、有権者の属性情報(例えば、年齢、性別)を用いて推薦候補者を抽出してもよい。選挙管理部204は、有権者の性別及び年齢を学習モデルに入力し、当該有権者に適した料理(料理メニュー)を取得する。選挙管理部204は、当該料理を提供する候補者を「推薦候補者」として抽出する。例えば、選挙管理部204は、若い男性の有権者にはボリュームのある料理を提供する候補者を推薦候補者として抽出する。
【0097】
例えば、選挙管理部204は、有権者のアレルギー情報を用いて推薦候補者を抽出してもよい。選挙管理部204は、有権者のアレルギー情報を学習モデルに入力し、当該有権者に適した料理(料理メニュー)を取得する。選挙管理部204は、当該料理を提供する候補者を「推薦候補者」として抽出する。例えば、選挙管理部204は、有権者にアレルギー情報が登録されていれば、当該有権者がアレルギーを起こさない料理を提供する候補者を推薦候補者として抽出する。
【0098】
例えば、選挙管理部204は、有権者の健康情報(例えば、基礎疾患、既往症)を用いて推薦候補者を抽出してもよい。選挙管理部204は、有権者の健康情報を学習モデルに入力し、当該有権者に適した料理(料理メニュー)を取得する。選挙管理部204は、当該料理を提供する候補者を「推薦候補者」として抽出する。例えば、「高血圧」が基礎疾患として登録されていれば、選挙管理部204は、塩分の少ない料理を提供する候補者を推薦候補者として抽出する。
【0099】
例えば、選挙管理部204は、有権者の嗜好情報(好きな料理ジャンル)や味付け情報(薄味が好み、濃い味が好み)を用いて推薦候補者を抽出してもよい。選挙管理部204は、有権者の嗜好情報や味付け情報を学習モデルに入力し、当該有権者に適した料理(料理メニュー)を取得する。選挙管理部204は、当該料理を提供する候補者を推薦候補者として抽出する。
【0100】
例えば、選挙管理部204は、有権者の身体情報(例えば、身長、体重)を用いて推薦候補者を抽出してもよい。選挙管理部204は、有権者の身長、体重を学習モデルに入力し、当該有権者に適した料理(料理メニュー)を取得する。選挙管理部204は、当該料理を提供する候補者を「推薦候補者」として抽出する。例えば、選挙管理部204は、大柄な有権者にはカロリーの多い料理を提供する候補者を推薦候補者として抽出する。
【0101】
あるいは、選挙管理部204は、有権者の口腔機能に関する情報(固い物を食べられるか否か)を用いて推薦候補者を抽出してもよい。例えば、固い物を食べられない有権者に対する推薦候補者として、柔らかい料理を提供する候補者が選択される。
【0102】
選挙管理部204は、上記の方法又は他の方法を用いて、予め定められた人数の推薦候補者を抽出する。その際、選挙管理部204は、有権者の同じ情報(例えば、属性情報)を用いて上記予め定められた所定人数(例えば、3人)の推薦候補者を抽出してもよいし、種類の異なる情報を用いて推薦候補者を抽出してもよい。例えば、選挙管理部204は、一人の推薦候補者を属性情報(性別、年齢)から抽出し、他の候補を健康情報や身体情報から抽出してもよい。
【0103】
あるいは、選挙管理部204は、使用する有権者の情報に優先順位を設け、当該優先順位に従って推薦候補者を抽出してもよい。あるいは、選挙管理部204は、適切な学習モデルを用いることで、複数の情報を組み合わせて推薦候補者を抽出してもよい。例えば、選挙管理部204は、有権者の属性情報と嗜好情報を用いて当該有権者に適する推薦候補者を抽出してもよい。
【0104】
あるいは、選挙管理部204は、有権者の情報に重みを与えて、推薦候補者を抽出してもよい。例えば、選挙管理部204は、有権者の各情報(属性情報、健康情報、嗜好情報、味付け情報)等を使って各情報から1人の推薦候補者を取得する。選挙管理部204は、各情報に重みを与え、重視する情報から得られた推薦候補者を採用してもよい。例えば、サーバ装置10は、嗜好情報よりも健康情報を重視する、属性情報よりも味付け情報を重視するといった重み付けを行い、最終的な推薦候補者を抽出する。
【0105】
推薦候補者の抽出を行うと、選挙管理部204は、当該推薦候補者に関する情報を有権者に提供する。例えば、選挙管理部204は、推薦候補者に関する選択画面を表示する(ステップS102)。より具体的には、選挙管理部204は、候補者情報データベースを参照し、上記抽出された少なくとも1以上の推薦候補者の画像データやプロフィール(経歴情報)等を取得する。選挙管理部204は、取得した画像データやプロフィールを用いて、図5に示すようなGUI(推薦候補者選択画面)を住民端末20に表示する。
【0106】
選挙管理部204は、有権者が推薦候補者の写真を選択すると、推薦候補者本人の詳細情報と、当該推薦候補者が開催するイベント(食事会)の詳細情報を有権者に提供する。例えば、選挙管理部204は、有権者が推薦候補者を選択すると、当該選択された候補者のより詳細な情報を提供するためのGUIを住民端末20に表示する(候補者詳細画面を表示;ステップS103)。例えば、選挙管理部204は、候補者情報データベースを参照し、選択された候補者の経歴情報や料理情報(例えば、料理の画像データ、提供予定のメニュー)等を使って図6に示すような表示を行う。
【0107】
選挙管理部204は、有権者が押したボタンを検出する(ステップS104)。選挙管理部204は、有権者が「戻る」ボタンを押下すると、図5に示す画面に戻る。
【0108】
選挙管理部204は、有権者が「投票」ボタンを押下すると、当該有権者が投票した候補者を確定する。この場合、選挙管理部204は、有権者情報データベース及び候補者情報データベースを更新する(ステップS105)。具体的には、選挙管理部204は、有権者情報データベースにおける投票先フィールドに投票された候補者の候補者IDを設定する。また、選挙管理部204は、候補者情報データベースにおける得票数フィールドの値をインクリメントする。
【0109】
なお、図5に示す「他の料理人を検索」ボタンが押下された場合は、選挙管理部204は以下のように動作する。
【0110】
当該ボタンが押下されると、選挙管理部204は、候補者を検索するためのGUIを住民端末20に表示する(検索画面の表示)。例えば、選挙管理部204は、図8に示すようなGUIを住民端末20に表示する。
【0111】
選挙管理部204は、候補者情報データベースに登録された各候補者の画像データ、経歴情報、料理情報を読み出し、各候補者の候補者紹介領域に表示するデータを生成する。また、選挙管理部204は、図8に示す左右ボタンのいずれかが押下されると、他の候補者に関するデータを生成し、候補者紹介領域に表示する。
【0112】
選挙管理部204は、検索領域に絞り込み条件が入力され「検索」ボタンが押下されると、当該絞り込み条件に合致する候補者を候補者情報データベースから抽出し、候補者紹介領域を更新する。
【0113】
選挙管理部204は、図8に示す「戻る」ボタンが押下されると、図5に示す画面に戻る。
【0114】
このように、選挙管理部204は、有権者の情報(例えば、属性情報、健康情報及び身体情報のうち少なくとも1つ)と、複数の候補者それぞれが開催する予定のイベント内容(例えば、提供する料理メニュー)と、に基づいて推薦候補者を抽出する。選挙管理部204は、抽出した推薦候補者(図5の例では3人の推薦候補者)の情報を有権者に提示する。選挙管理部204は、有権者の投票結果を有権者情報データベースと候補者情報データベースに反映する。
【0115】
予約管理部205は、複数の候補者のうち選挙に当選した当選者が開催するイベント(食事会)に関する予約を管理する手段である。より具体的には、予約管理部205は、料理人選挙に当選した当選者の食事会に関する予約を管理する。
【0116】
図17を参照し、予約管理部205の動作を説明する。図17は、第1の実施形態に係る予約管理部205の動作の一例を示すフローチャートである。
【0117】
料理人選挙の締め切り日が到来すると、予約管理部205は、候補者情報データベースから当選者を特定する(ステップS201)。より具体的には、予約管理部205は、候補者情報データベースのなかから最も得票数の多い候補者を特定する。
【0118】
予約管理部205は、当該当選者が開催する食事会の予約を、予約管理データベースを用いて管理する。予約管理部205は、当選者が確定すると、予約管理データベースにエントリを追加する(図18の最下段参照)。
【0119】
より具体的には、予約管理部205は、候補者情報データベースから当選者の候補者IDを読み出し、当該IDを当選者IDフィールドに設定する。また、予約管理部205は、候補者情報データベースから食事会の開催日時、開催場所、催行人数(最小値、最大値)等を読み出し、予約管理データベースに追加する。
【0120】
また、予約管理部205は、当該追記されるエントリの優先予約終了日フィールドに優先予約終了日(例えば、投票締め切り日から1週間後の日付)を設定する。当該優先予約終了日は、当選者に投票した有権者からの予約(当選者が開催する食事会の予約)を優先的に受け付ける期間の終了日である。
【0121】
次に、予約管理部205は、当選者の候補者IDをキーとして有権者情報データベースを検索し、当該特定された候補者に投票した有権者(投票者)を特定する(ステップS202)。
【0122】
予約管理部205は、当該特定された有権者に優先予約の案内を通知する。具体的には、予約管理部205は、「優先予約開始通知」を上記有権者の住民端末20に送信する。当該予約開始通知には、当該当選した料理人による食事会を予約するための情報(例えば、予約ページのURL(Uniform Resource Locator))が含まれる。
【0123】
URLに従って、住民端末20がサーバ装置10にアクセスすると、予約管理部205は、図9に示すようなGUIを表示する(優先予約画面を表示する;ステップS204)。図9に示すように、予約管理部205は、当選者(最多得票の料理人)の画像データ、プロフィール(経歴情報)、提供料理、優先予約終了日等の情報を有権者に提示する。
【0124】
予約管理部205は、有権者が押したボタンを検出する(ステップS205)。有権者が「予約」ボタンを押下すると、予約管理部205は、当該有権者(予約者)の予約を予約管理データベースに反映する(ステップS206)。具体的には、予約管理部205は、予約者IDフィールドに有権者の有権者IDを追加する。
【0125】
有権者が「キャンセル」ボタンを押下すると、予約管理部205は、優先予約画面を終了する。
【0126】
ここで、予約管理部205は、定期的又は所定のタイミングで予約管理データベースにアクセスし、優先予約終了日、予約者数及び最大催行者数を取得する。予約管理部205は、優先予約終了日が経過し、且つ、予約者数が最大催行者数に到達していないエントリを特定する。なお、予約者数は、予約管理データベースの予約者IDフィールドに設定された有権者IDの数を計数することで得られる。
【0127】
予約管理部205は、当該エントリの食事会について、当該エントリの当選者に投票していない有権者を含む各有権者の住民端末20に「予約開始通知」を送信する。当該予約開始通知には、当選した料理人による料理を予約するためのホームページにアクセスするためのURLが含まれる。
【0128】
URLに従って、住民端末20がサーバ装置10にアクセスすると、予約管理部205は、図10に示すようなGUIを表示する(予約画面の表示)。図10に示すように、予約管理部205は、当選者(最多得票の料理人)の画像データ、プロフィール(経歴情報)、提供料理等の情報を有権者に提示する。
【0129】
有権者が「予約」ボタンを押下すると、予約管理部205は、当該有権者(予約者)の予約を食事会管理データベースに反映する。具体的には、予約管理部205は、食事会管理データベースの予約者フィールドに有権者の有権者IDを追加する。
【0130】
有権者が「キャンセル」ボタンを押下すると、予約管理部205は、予約画面を終了する。
【0131】
なお、予約管理部205は、予約期間(優先予約期間、通常予約期間(優先予約期間経過後の期間))内であっても、予約者数が最大催行人数に到達した場合には、有権者からの予約を拒否する。
【0132】
予約管理部205は、当選者の食事会への予約が定員(最大催行人数)に到達した場合、あるいは、予約締め切り日(開催日の所定日前)が到来した場合、当選者に予約者の情報(予約者情報)を通知する。例えば、予約管理部205は、予約した人数を当選者の料理人端末30に通知する。
【0133】
このように、予約管理部205は、選挙の当選者に投票した第1の有権者(優先予約者)による予約を、当該当選者に投票していない第2の有権者による予約よりも優先して受け付ける。また、予約管理部205は、第1の有権者(優先予約者)による予約を優先する期間が経過後に、第2の有権者による予約を受け付ける。即ち、第1の実施形態では、当選した料理人に投票した住民が優先的に食事会の予約が可能であるが、それに限定せずに当該当選した料理人に投票していない住民も食事会の予約が可能であってもよい。
【0134】
記憶部206は、サーバ装置10の動作に必要な情報を記憶する。例えば、有権者情報データベース、候補者情報データベース、予約管理データベースは記憶部206に構築される。
【0135】
[住民端末、料理人端末]
住民端末20、料理人端末30には、スマートフォン、携帯電話機、ゲーム機、タブレット等の携帯端末装置やコンピュータ(パーソナルコンピュータ、ノートパソコン)等が例示される。住民端末20、料理人端末30は、利用者の操作を受け付け、サーバ装置10等と通信可能であれば任意の機器、デバイスとすることができる。また、住民端末20、料理人端末30の構成等は当業者にとって明らかであるので、詳細な説明を省略する。住民端末20、料理人端末30は、サーバ装置10と通信する際、必要に応じて有権者IDや候補者IDを送信し、サーバ装置10による有権者、候補者の特定を可能とする。
【0136】
[システムの動作]
続いて、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作について説明する。なお、有権者登録や候補者登録に関する動作の説明は省略する。図19は、第1の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0137】
有権者(地域の住民)は、住民端末20を操作して、サーバ装置10が提供する投票ページにアクセスする(ステップS01)。
【0138】
サーバ装置10は、有権者IDに基づき有権者を特定し、当該特定された有権者に適した少数の推薦候補者を抽出する。サーバ装置10は、抽出した推薦候補者の情報を用いて推薦候補者選択画面を表示する(ステップS02)。
【0139】
また、サーバ装置10は、有権者の操作に応じて、候補者に投票するため、且つ、候補者の詳細を確認するための候補者詳細画面を表示する(ステップS03)。
【0140】
有権者は、投票する候補者を決定し、投票する(ステップS04)。
【0141】
選挙期間が終了すると、サーバ装置10は、当選者を決定する(ステップS11)。
【0142】
サーバ装置10は、当該当選者に投票した有権者に対して優先予約開始通知を送信する(ステップS12)。あるいは、サーバ装置10は、優先予約期間が経過後は、予約開始通知を送信する(ステップS13)。
【0143】
優先予約開始通知や予約開始通知の受信に応じて、有権者は、サーバ装置10が提供する予約ページにアクセスし、食事会の予約を行う(ステップS14)。
【0144】
予約期間が終了すると、サーバ装置10は、食事会の予約者に関する予約者情報を当選者(料理人端末30)に送信する(ステップS15)。
【0145】
以上のように、第1の実施形態に係るサーバ装置10は、有権者(地域の住民)の情報と候補者(地域で食事会を開催する料理人)の情報を取得し、料理人選挙を行う。サーバ装置10は、取得した情報に基づいて有権者それぞれに適した料理人を推薦候補者として抽出し、当該推薦候補者自身のプロフィール情報や当該推薦候補者が提供予定の料理に関する情報を有権者に提供する。有権者は、提供された推薦候補者の情報等を確認し、気に入った料理人に投票する。サーバ装置10は、投票結果を集計し、当選者を特定する。サーバ装置10は、当選者に投票者した有権者(住民)による食事会の予約を他の有権者よりも優先して行う。このようなサーバ装置10の働きによって、住民が選択した料理人を地域の施設(例えば、小学校や公民館)に招くことができる。地域の住民は、地元の施設において友人等と一緒に食事を楽しむことができる。
【0146】
続いて、情報処理システムを構成する各装置のハードウェアについて説明する。図20は、サーバ装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0147】
サーバ装置10は、情報処理装置(所謂、コンピュータ)により構成可能であり、図20に例示する構成を備える。例えば、サーバ装置10は、プロセッサ311、メモリ312、入出力インターフェイス313及び通信インターフェイス314等を備える。上記プロセッサ311等の構成要素は内部バス等により接続され、相互に通信可能に構成されている。
【0148】
但し、図20に示す構成は、サーバ装置10のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。サーバ装置10は、図示しないハードウェアを含んでもよいし、必要に応じて入出力インターフェイス313を備えていなくともよい。また、サーバ装置10に含まれるプロセッサ311等の数も図20の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ311がサーバ装置10に含まれていてもよい。
【0149】
プロセッサ311は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルなデバイスである。あるいは、プロセッサ311は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスであってもよい。プロセッサ311は、オペレーティングシステム(OS;Operating System)を含む各種プログラムを実行する。
【0150】
メモリ312は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。メモリ312は、OSプログラム、アプリケーションプログラム、各種データを格納する。
【0151】
入出力インターフェイス313は、図示しない表示装置や入力装置のインターフェイスである。表示装置は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力装置は、例えば、キーボードやマウス等のユーザ操作を受け付ける装置である。
【0152】
通信インターフェイス314は、他の装置と通信を行う回路、モジュール等である。例えば、通信インターフェイス314は、NIC(Network Interface Card)等を備える。
【0153】
サーバ装置10の機能は、各種処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ312に格納されたプログラムをプロセッサ311が実行することで実現される。また、当該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transitory)なものとすることができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。また、上記プログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。
【0154】
情報処理装置であるサーバ装置10は、コンピュータを搭載し、当該コンピュータにプログラムを実行させることでサーバ装置10の機能が実現できる。また、サーバ装置10は、当該プログラムによりサーバ装置10の制御方法を実行する。
【0155】
[変形例]
なお、上記実施形態にて説明した情報処理システムの構成、動作等は例示であって、システムの構成等を限定する趣旨ではない。
【0156】
上記実施形態では、住民(有権者)が自身の有権者情報をサーバ装置10に登録する場合について説明した。しかし、有権者情報の登録は任意の方法によって行うことができる。例えば、有権者が、ウェアブル端末を身についていた場合、当該ウェアブル端末が利用者の健康情報を自動的に収集し、当該収集した健康情報をサーバ装置10に送信してもよい。
【0157】
あるいは、サーバ装置10は、外部装置から有権者情報を取得してもよい。例えば、サーバ装置10は、病院等に設置された病院サーバから電子カルテを取得し、当該電子カルテに記載された健康情報を取得してもよい。
【0158】
あるいは、サーバ装置10は、EC(Electronic Commerce)サイトにおける購入履歴から有権者情報を取得(生成)してもよい。あるいは、サーバ装置10は、小売店等に置かれた認証端末から得られる行動履歴から利用者情報を取得してもよい。例えば、サーバ装置10は、有権者の購入履歴や行動履歴から味付け情報や嗜好情報を生成してもよい。なお、外部のサーバや認証端末から情報を取得する際には、サーバ装置10は、利用者の氏名等の情報に基づいて行動履歴等と有権者情報データベースに登録された有権者を特定すればよい。また、生体認証(例えば、顔認証)を用いて有権者が特定される場合には、予め各有権者の生体情報(例えば、顔画像)がサーバ装置10に登録される。
【0159】
このように、サーバ装置10は、住民から有権者情報を取得してもよいし、外部のサーバ等から有権者情報を取得してもよい。また、サーバ装置10は、外部のサーバ装置等から取得した情報(例えば、購買履歴、行動履歴)から有権者が好む料理ジャンル等を特定してもよい。あるいは、サーバ装置10は、何度も投票を繰り返した利用者に関し、当該利用者が投票した料理人のジャンル等に基づいて当該利用者の好み(好みの食材、ジャンル等)を特定してもよい。つまり、サーバ装置10は、利用者が投票システムの利用を重ねることで好みを把握してもよい。また、サーバ装置10は、このようにして収集した情報(例えば、投票結果の履歴情報)を用いて、有権者と候補者のマッチング(推薦候補者の抽出)を行ってもよい。
【0160】
サーバ装置10は、料理人(潜在的な候補者)に対して、地域住民の情報を立候補前に提供してもよい。例えば、サーバ装置10は、過去の選挙結果や登録されている有権者の情報を料理人に提供してもよい。例えば、サーバ装置10は、地域の住民には、健康な人が多いのか、塩分に気を遣っている人が多いのかといった情報を料理人に提供してもよい。料理人は、これらの情報に基づいて、立候補する際の料理メニューを決定してもよい。即ち、サーバ装置10は、地域住民の健康情報や嗜好情報(例えば、健康な人が多い、塩分に配慮が必要、中華好きが多い等の情報)を料理人に提示し、料理人は提供された情報を踏まえて料理を提案してもよい。料理人は、住民の健康状態や好み(嗜好)に応じたコース料理等の提案が可能となる。
【0161】
サーバ装置10は、各料理人から複数の料理(料理メニュー)を含む候補者情報を受け付けてもよい。この場合、サーバ装置10(選挙管理部204)は、図6に示すような候補者詳細画面において、複数の料理を確認可能とするボタン等を表示してもよい(図21参照)。有権者は、図21に示す「他のメニュー」ボタンを押すことで、各料理の詳細を知ることができる。このように、料理人が事前登録する料理(料理のコース)は、1つでもよいし複数でもよい。複数の料理(料理コース)を登録する場合、料理人は、各料理の量や味付けを変更して登録することもできる。サーバ装置10は、料理人ごとに複数のコース料理(価格、味付け、ボリューム等が異なるコース料理)を表示し、有権者が選択可能としてもよい。
【0162】
あるいは、料理人は、レストラン等の施設に代えて自宅で食事を提供するメニューを用意してもよい。この場合、サーバ装置10は、候補者詳細画面等において「自宅でコース料理を楽しむ」といったボタンを表示する。当該ボタンが押下されると、選挙とは無関係に、サーバ装置10は、選択された料理人の料理人端末30にデリバリーを依頼する。当該依頼に応じて、注文した料理が有権者登録の際に入力した自宅まで配達される。
【0163】
サーバ装置10は、図5に示す推薦候補者選択画面や図6に示す候補者詳細画面において、有権者と関係が深い人物や有名な人物の投票状況、投票結果を表示してもよい。例えば、サーバ装置10(選挙管理部204)は、有権者の友人の投票結果(友人がどの候補に投票したか分かる情報)や村長、市長等の有名人の投票結果を表示してもよい(図22参照)。なお、上記関連の強い人物に関し、友人情報のような形式で有権者が直接、当該人物を登録してもよいし、サーバ装置10が、住民同士の会話(例えば、SNSを利用したメッセージ交換)を解析することで、当該利用者の友人等を特定してもよい。このように、サーバ装置10(選挙管理部204)は、推薦候補者や候補者に対する、有権者と関係のある人物の投票結果(推薦候補者、候補者に対して投票しているか否か)を有権者に通知してもよい。
【0164】
あるいは、サーバ装置10は、図5に示す推薦候補者選択画面や図6に示す候補者詳細画面において、各料理人の評価ポイント(例えば、過去に実施された食事会におけるアンケート結果)を表示してもいい。あるいは、システム管理者は、複数の料理人のなかから特別に推薦する料理人を決定し、サーバ装置10に入力してもよい。サーバ装置10は、当該特別に推薦された料理人についてその旨を表示して推薦候補者選択画面や候補者詳細画面を生成してもよい。このように、地域(村、町)で料理人を後押ししてもよい。
【0165】
あるいは、図5に示す推薦候補者選択画面、図6に示す候補者詳細画面、図8に示す画面等において、サーバ装置10は、有権者情報(例えば、味付け情報、嗜好情報、アレルギー情報)に基づいて導き出された各料理人のマッチ度(お勧め度)を表示してもよい。その際、サーバ装置10は、マッチ度を星の数等によって表現してもよい(図23参照)。
【0166】
上記実施形態では、サーバ装置10は、最多得票の候補者を当選者として扱っているが、最少催行人数を超えて得票した候補者を当選者として扱ってもよい。即ち、予約管理部205は、イベントの最少催行人数よりも得票数の多い候補者を当選者としてもよい。
【0167】
上記実施形態では、サーバ装置10は、優先予約画面や予約画面にて提供される料理の価格を併せて表示することを説明した。サーバ装置10は、当該価格(料理の料金)を様々な条件等に応じて変更してもよい。例えば、サーバ装置10は優先予約時の価格を通常予約時の価格よりも安く設定してもよい。あるいは、サーバ装置10は、選挙の早い段階で投票した利用者は、安い価格で予約できてもよいし、友人と一緒に予約した場合(複数人で予約)には、安い料金で予約できるようにしてもよい。あるいは、サーバ装置10は、友人に料理人の予約を紹介した有権者の料金を安くする等の対応をしてもよい。あるいは、サーバ装置10は、選挙終了後、早い段階で予約した有権者の価格を安く設定してもよい。あるいは、予約者が増えるに従って価格を安く設定してもよい。このように、サーバ装置10は、料金設定に関し、早く投票した人、早く予約した人の料金を安く設定してもよいし、人数が多く集まるに従って安い料金を設定してもよい。
【0168】
サーバ装置10は、予約する有権者の住所等によって料金を変えてもよい。例えば、料理人選挙を企画した地域の住民には安い料金、当該地域以外の住民には高い料金が設定されてもよい。
【0169】
サーバ装置10は、食事会に参加した住民から当該食事会のアンケートを取得してもよい。この場合、サーバ装置10は、図24に示すように「アンケート制御部207」を備える。アンケート制御部207は、食事会の終了後に、当該食事会の参加者(参加者の持つ住民端末20)に「アンケート回答依頼」を送信する。住民端末20は、当該アンケート回答依頼に基づき、図25に示すようなGUIを表示し、参加者の評価を取得する。住民端末20は、アンケート回答結果をサーバ装置10に送信する。
【0170】
サーバ装置10は、アンケートの回答結果に基づいて料理人の評価(評価ポイント)を算出し、候補者情報データベースで管理してもよい。あるいは、サーバ装置10(アンケート制御部207)は、取得したアンケート回答結果を料理人(食事会の主催者)にフィードバックしてもよい。例えば、食べ残しの量、食べ残しの理由(口に合わなかったのか、食べきれなかったのか)等が料理人にフィードバックされる。料理人は、当該アンケート結果を参考にして次回の選挙時に提供する料理(料理メニュー)を考える。あるいは、サーバ装置10(選挙管理部204)は、次回の料理人選挙時に、取得したアンケート結果を用いてもよい。例えば、サーバ装置10は、食べ残しの多い料理人と同じジャンルの料理人は除外する、優先度を下げる等の対応を行う。
【0171】
サーバ装置10は、優先予約画面又は通常の予約画面において、食事会の会場までの交通手段を選択可能としてもよい。例えば、サーバ装置10は、食事会の開催場所(例えば、レストランや公共施設)までの移動手段(例えば、タクシーで移動等)を選択可能としてもよい。例えば、タクシーでの移動が選択されると、サーバ装置10は、食事会の開催日に事前登録された住所にタクシーを向かわせる。
【0172】
また、タクシーの配車や着席するテーブルの決定に、利用者の個人情報等が用いられてもよい。例えば、サーバ装置10は、同じ趣味を持った(住んでいる場所が近い)住民が同じタクシーに乗って会場に向かうような手配をしてもよい。あるいは、サーバ装置10は、同じ趣味を持った住民が同じテーブルに座るように料理人に指示をしてもよい。このような対応によって、知り合いでなくとも趣味が共通していれば、友人が増える等の効果が期待できる。
【0173】
なお、住民の住所に到着したタクシーや予約したレストラン等で本人確認が必要な場合には、サーバ装置10に登録された生体情報とタクシー等で取得された生体情報を用いた生体認証が実行されてもよい。
【0174】
サーバ装置10は、有権者(優先予約者、優先予約者以外の有権者)が、イベント(食事会)に関する有権者に関係する人物(例えば、友人、家族)の予約を行うことを可能としてもよい。例えば、サーバ装置10は、「友達を招待」といったボタンを予約画面に表示する(図26参照)。サーバ装置10は、当該ボタンが押下されると、招待する友達の人数を入力するようなGUIを住民端末20に表示し、予約する友達の人数を取得する。あるいは、サーバ装置10は、友人情報に基づいて招待可能な友達のリストを表示してもよい。その際、サーバ装置10は、友人の有権者情報を参照し、例えば、アレルギーを持つ友人を排除してもよいし、料理人の料理を好む友人のリストを表示してもよい。例えば、中華専門の料理人について、中華が好きな友人のリストが表示される。
【0175】
本願開示の情報処理システム(投票システム)は料理人の招致に限定されず、他の用途に適用することもできる。例えば、本願開示の情報処理システムは、コンサート等を開催する歌手等の選挙に適用されてもよいし、旅行や人間ドック等の選択に適用されてもよい。
【0176】
上記実施形態では、サーバ装置10の内部に有権者情報データベースや候補者情報データベース等が構成される場合について説明したが、これらのデータベースは外部のデータベースサーバ等に構築されてもよい。即ち、サーバ装置10の一部の機能は別のサーバに実装されていてもよい。より具体的には、上記説明した「選挙管理部(選挙管理手段)」、「予約管理部(予約管理手段)」等がシステムに含まれるいずれかの装置に実装されていればよい。
【0177】
サーバ装置10は、有権者登録の際、住民の身元を確認してもよい。具体的には、サーバ装置10は、住民の個人情報等と共に、当該住民の生体情報、生体情報が記載された身元確認書類(例えば、パスポート、免許証等)を取得する。サーバ装置10は、身元確認書類の生体情報と住民から取得した生体情報を用いた1対1照合を実行する。サーバ装置10は、当該照合に成功した場合に、有権者登録を行ってもよい。
【0178】
各装置(サーバ装置10、住民端末20等)間のデータ送受信の形態は特に限定されないが、これら装置間で送受信されるデータは暗号化されていてもよい。これらの装置間では、住民の個人情報等が送受信され、これらの情報を適切に保護するためには、暗号化されたデータが送受信されることが望ましい。
【0179】
上記説明で用いた流れ図(フローチャート、シーケンス図)では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態では、例えば各処理を並行して実行する等、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0180】
上記の実施形態は本願開示の理解を容易にするために詳細に説明したものであり、上記説明したすべての構成が必要であることを意図したものではない。また、複数の実施形態について説明した場合には、各実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。例えば、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることや、実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、実施形態の構成の一部について他の構成の追加、削除、置換が可能である。
【0181】
上記の説明により、本発明の産業上の利用可能性は明らかであるが、本発明は、地域に招聘するイベント開催者を選択する情報処理システムなどに好適に適用可能である。
【0182】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理する、選挙管理部と、
前記複数の候補者のうち前記選挙に当選した当選者が開催するイベントに関する予約を管理する、予約管理部と、
を備える、サーバ装置。
[付記2]
前記選挙管理部は、
前記複数の候補者のなかから前記有権者に適した少なくとも1以上の候補者を推薦候補者として抽出し、前記有権者に前記推薦候補者に関する情報を提供する、付記1に記載のサーバ装置。
[付記3]
前記選挙管理部は、
前記推薦候補者及び前記推薦候補者が開催するイベントの詳細情報を前記有権者に提供する、付記2に記載のサーバ装置。
[付記4]
前記選挙管理部は、
前記有権者の属性情報、健康情報及び身体情報のうち少なくとも1つと、前記複数の候補者それぞれが開催する予定のイベント内容と、に基づいて前記推薦候補者を抽出する、付記2又は3に記載のサーバ装置。
[付記5]
前記選挙管理部は、
前記推薦候補者に対する、前記有権者と関係のある人物の投票結果を前記有権者に通知する、付記2乃至4のいずれか一項に記載のサーバ装置。
[付記6]
前記予約管理部は、
前記イベントの最少催行人数よりも得票数の多い候補者を当選者とする、付記1乃至5のいずれか一項に記載のサーバ装置。
[付記7]
前記予約管理部は、
前記当選者に投票した第1の有権者による予約を、前記当選者に投票していない第2の有権者による予約よりも優先して受け付ける、付記1乃至6のいずれか一項に記載のサーバ装置。
[付記8]
前記予約管理部は、
前記第1の有権者による予約を優先する期間の経過後に、前記第2の有権者による予約を受け付ける、付記7に記載のサーバ装置。
[付記9]
前記予約管理部は、
前記第1又は第2の有権者が、前記イベントに関する前記第1又は第2の有権者に関係する人物の予約を行うことを可能とする、付記7又は8に記載のサーバ装置。
[付記10]
前記予約管理部は、
前記イベントを予約した予約者の情報を前記当選者に通知する、付記1乃至9のいずれか一項に記載のサーバ装置。
[付記11]
前記イベント終了後に、前記イベントに参加した参加者からアンケートを取得する、アンケート制御部をさらに備える、付記1乃至10のいずれか一項に記載のサーバ装置。
[付記12]
前記候補者は料理人であって、前記イベントは食事会である、付記1乃至11のいずれか一項に記載のサーバ装置。
[付記13]
サーバ装置において、
複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理し、
前記複数の候補者のうち前記選挙に当選した当選者が開催するイベントに関する予約を管理する、サーバ装置の制御方法。
[付記14]
サーバ装置に搭載されたコンピュータに、
複数の候補者を対象とした選挙において、有権者による投票を管理する処理と、
前記複数の候補者のうち前記選挙に当選した当選者が開催するイベントに関する予約を管理する処理と、
を実行させるためのプログラムを記憶する、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0183】
なお、引用した上記の先行技術文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は例示にすぎないということ、及び、本発明のスコープ及び精神から逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者に理解されるであろう。即ち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0184】
10 サーバ装置
20 住民端末
20-1 住民端末
20-2 住民端末
20-3 住民端末
30 料理人端末
30-1 料理人端末
30-2 料理人端末
30-3 料理人端末
100 サーバ装置
101 選挙管理部
102 予約管理部
201 通信制御部
202 有権者登録部
203 候補者登録部
204 選挙管理部
205 予約管理部
206 記憶部
207 アンケート制御部
311 プロセッサ
312 メモリ
313 入出力インターフェイス
314 通信インターフェイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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