(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】混雑情報表示システム、混雑情報表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20250508BHJP
【FI】
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2020093871
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-04-17
【審判番号】
【審判請求日】2024-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】土谷 滝
(72)【発明者】
【氏名】一瀬 史華
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸一
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】松田 直也
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-67109(JP,A)
【文献】特開2019-215828(JP,A)
【文献】特開2019-145022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設けられたセンサ装置によって取得される前記施設の利用者の有無に関するセンシング情報を入力データとして、前記施設の混雑状況を予測可能な予測モデルを記憶する記憶部と、
前記予測モデルに基づき、前記施設の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へと変化する時刻を予測する予測部と、
前記センシング情報に基づき取得される前記施設の現在の混雑状況を示す混雑情報、及び前記予測部によって予測された前記時刻に前記混雑状況が変化することを示す予測情報を表示装置に表示させる表示処理部と、
を有し、
前記第1の混雑状況が、空席がないことを示す情報である場合、
前記第2の混雑状況は、空席があることを示す情報であり、
前記予測部は、空席が発生する時刻を予測し、
前記第1の混雑状況が、空席があることを示す情報である場合、
前記第2の混雑状況は、空席がないことを示す情報であり、
前記予測部は、混雑する時刻を予測する、
混雑情報表示システム。
【請求項2】
前記施設の現在の混雑状況を判定する判定部をさらに備え、
前記予測部は、前記判定部によって前記施設の現在の混雑状況が前記第1の混雑状況であると判定された場合に、前記施設の現在の混雑状況が前記第1の混雑状況から前記第2の混雑状況へ変化する時刻を予測する、
請求項1に記載の混雑情報表示システム。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記施設の混雑状況が前記第1の混雑状況から前記第2の混雑状況へ変化するまでの時間を前記予測情報として前記表示装置に表示させる、
請求項1又は請求項2に記載の混雑情報表示システム。
【請求項4】
前記予測部は、前記第2の混雑状況の継続時間をさらに予測し、
前記表示処理部は、前記予測部によって予測された前記継続時間も前記予測情報として前記表示装置に表示させる、
請求項1又は請求項2に記載の混雑情報表示システム。
【請求項5】
前記予測部は、現在時刻以降の複数の時刻における混雑状況を一括で予測し、
前記表示処理部は、前記予測部によって予測された複数の混雑状況を示す前記予測情報を前記表示装置に表示させる、
請求項1又は請求項2に記載の混雑情報表示システム。
【請求項6】
前記施設に設けられたセンサ装置によって取得される前記施設の利用者の有無に関するセンシング情報と、前記施設の混雑状況を示し前記センシング情報と対応する混雑情報とに基づく機械学習により得られる学習済みモデルを、前記予測モデルとして生成するモデル生成部、
をさらに有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の混雑情報表示システム。
【請求項7】
記憶部が、
施設に設けられたセンサ装置によって取得される前記施設の利用者の有無に関するセンシング情報を入力データとして、前記施設の混雑状況を予測可能な予測モデルを記憶することと、
予測部が、前記予測モデルに基づき、前記施設の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へと変化する時刻を予測することと、
表示処理部が、
前記センシング情報に基づき取得される前記施設の現在の混雑状況を示す混雑情報、及び前記予測部によって予測された前記時刻に前記混雑状況が変化することを示す予測情報を表示装置に表示させることと、
を含み、
前記第1の混雑状況が、空席がないことを示す情報である場合、
前記第2の混雑状況は、空席があることを示す情報であり、
前記予測部は、空席が発生する時刻を予測し、
前記第1の混雑状況が、空席があることを示す情報である場合、
前記第2の混雑状況は、空席がないことを示す情報であり、
前記予測部は、混雑する時刻を予測する、
混雑情報表示方法。
【請求項8】
コンピュータを、
施設に設けられたセンサ装置によって取得される前記施設の利用者の有無に関するセンシング情報を入力データとして、前記施設の混雑状況を予測可能な予測モデルを記憶する記憶部と、
前記予測モデルに基づき、前記施設の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へと変化する時刻を予測する予測部と、
前記センシング情報に基づき取得される前記施設の現在の混雑状況を示す混雑情報、及び前記予測部によって予測された前記時刻に前記混雑状況が変化することを示す予測情報を表示装置に表示させる表示処理部と、
として機能させ、
前記第1の混雑状況が、空席がないことを示す情報である場合、
前記第2の混雑状況は、空席があることを示す情報であり、
前記予測部は、空席が発生する時刻を予測し、
前記第1の混雑状況が、空席があることを示す情報である場合、
前記第2の混雑状況は、空席がないことを示す情報であり、
前記予測部は、混雑する時刻を予測する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混雑情報表示システム、混雑情報表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店等の施設へ行くことを検討している客や予約を検討している客に対して、当該施設のリアルタイムの空席情報を提示するための技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、店舗への来店者が座席に着席したことをセンサやカメラによって検知し、検知結果に基づき、予約時に予約者が参照する空席情報をリアルタイムに更新する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、利用者が施設に空席があることを空席情報で確認してから施設へ移動しても、施設へ移動している最中に空席の状況が変わり、施設に到着した時点で空席がなくなっている場合がある。この場合、施設の利用者は、席が空くまで待つ必要がある。施設の利用者にとって、現在空席があるか否かだけでなく、いつ席が空くかも分かることが望ましい。
【0006】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、利用者が施設を利用するために施設で待つ時間を短縮することが可能な混雑情報表示システム、混雑情報表示方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る混雑情報表示システムは、施設に設けられたセンサ装置によって取得される前記施設の利用者の有無に関するセンシング情報を入力データとして、前記施設の混雑状況を予測可能な予測モデルを記憶する記憶部と、前記予測モデルに基づき、前記施設の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へと変化する時刻を予測する予測部と、前記センシング情報に基づき取得される前記施設の現在の混雑状況を示す混雑情報、及び前記予測部によって予測された前記時刻に前記混雑状況が変化することを示す予測情報を表示装置に表示させる表示処理部と、を有し、前記第1の混雑状況が、空席がないことを示す情報である場合、前記第2の混雑状況は、空席があることを示す情報であり、前記予測部は、空席が発生する時刻を予測し、前記第1の混雑状況が、空席があることを示す情報である場合、前記第2の混雑状況は、空席がないことを示す情報であり、前記予測部は、混雑する時刻を予測する。
【0008】
本発明の一態様に係る混雑情報表示方法は、記憶部が、施設に設けられたセンサ装置によって取得される前記施設の利用者の有無に関するセンシング情報を入力データとして、前記施設の混雑状況を予測可能な予測モデルを記憶することと、予測部が、前記予測モデルに基づき、前記施設の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へと変化する時刻を予測することと、表示処理部が、前記センシング情報に基づき取得される前記施設の現在の混雑状況を示す混雑情報、及び前記予測部によって予測された前記時刻に前記混雑状況が変化することを示す予測情報を表示装置に表示させることと、を含み、前記第1の混雑状況が、空席がないことを示す情報である場合、前記第2の混雑状況は、空席があることを示す情報であり、前記予測部は、空席が発生する時刻を予測し、前記第1の混雑状況が、空席があることを示す情報である場合、前記第2の混雑状況は、空席がないことを示す情報であり、前記予測部は、混雑する時刻を予測する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、施設に設けられたセンサ装置によって取得される前記施設の利用者の有無に関するセンシング情報を入力データとして、前記施設の混雑状況を予測可能な予測モデルを記憶する記憶部と、前記予測モデルに基づき、前記施設の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へと変化する時刻を予測する予測部と、前記センシング情報に基づき取得される前記施設の現在の混雑状況を示す混雑情報、及び前記予測部によって予測された前記時刻に前記混雑状況が変化することを示す予測情報を表示装置に表示させる表示処理部と、として機能させ、前記第1の混雑状況が、空席がないことを示す情報である場合、前記第2の混雑状況は、空席があることを示す情報であり、前記予測部は、空席が発生する時刻を予測し、前記第1の混雑状況が、空席があることを示す情報である場合、前記第2の混雑状況は、空席がないことを示す情報であり、前記予測部は、混雑する時刻を予測する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用者が施設を利用するために施設で待つ時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る混雑情報表示システムの構成の一例を示す図である。
【
図2A】本実施形態に係る日時と関連付けられたセンシング情報の一例を示す図である。
【
図2B】本実施形態に係るセンシング情報の内容の一例を示す図である。
【
図3A】本実施形態に係る日時と関連付けられた混雑情報の一例を示す図である。
【
図3B】本実施形態に係る混雑情報の内容の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る学習済みモデルにおける入出力の一例を示す図である。
【
図5A】本実施形態に係る日時と関連付けられた混雑情報の一例を示す図である。
【
図5B】本実施形態に係るテーブル情報の一例を示す図である。
【
図6A】本実施形態に係る混雑情報を示す表示画像の一例を示す図である。
【
図6B】本実施形態に係る予測情報が文字で示される表示画像の一例を示す図である。
【
図6C】本実施形態に係る予測情報がイラストで示される表示画像の一例を示す図である。
【
図6D】本実施形態に係る第2の混雑状況の継続時間を予測情報として含む表示画像の一例を示す図である。
【
図6E】本実施形態に係る混雑状況の時系列変化を予測情報として含む表示画像の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る混雑情報表示システム1における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
<1.混雑情報表示システムの構成>
図1は、第1の実施形態に係る混雑情報表示システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、混雑情報表示システム1は、センサ装置100a~100n、ゲートウェイ200、サーバ装置300、及び表示装置400を有する。センサ装置100a~100n(nは自然数)及びゲートウェイ200は、施設10に設けられる。以下、センサ装置100a~100nの各々を区別しない場合、センサ装置100a~100nの総称として「センサ装置100」が用いられる。
【0014】
施設10は、混雑情報及び予測情報の表示対象である。混雑情報は、施設の混雑状況を示す情報である。予測情報は、施設の混雑状況が変化するタイミングを示す情報である。
施設10の一例として、飲食店、映画館、学習塾の自習室、フィットネスジム等が挙げられる。
施設10が飲食店、映画館、学習塾の自習室等の利用者が座席を使用する施設の場合、例えば、混雑情報や予測情報として座席の空席状況に関する情報が表示される。表示する施設や、混雑情報として設備の利用状況を表示する施設等が挙げられる。
施設10がフィットネスジム等の利用者が設備を利用する施設の場合、例えば、混雑情報や予測情報として設備の利用状況に関する情報が表示される。
以下、本実施形態では、施設10が飲食店であり、混雑情報及び予測情報が当該飲食店における空席状況を示す情報である例について説明する。
【0015】
センサ装置100は、施設の利用者の有無に関するセンシング情報を取得する。センサ装置100は、例えば、施設の座席ごとに設けられ、座席ごとの利用者の有無に関するセンシング情報を取得する。センサ装置100の一例として、人感センサが挙げられる。なお、センサ装置100は、かかる例に限定されない。例えば、センサ装置100は、カメラやサーマルセンサ等、人を検知可能なセンサであればよい。
【0016】
センサ装置100は、ゲートウェイ200と通信可能に接続されている。例えば、センサ装置100は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の無線接続によってゲートウェイ200と通信を行う。
センサ装置100は、当該通信により、各種情報をゲートウェイ200へ送信する。例えば、センサ装置100は、センサ装置100の識別情報、センシング情報、及び稼働情報等である。
当該識別情報は、センサ装置100に固有のID(Identification)である。以下、当該IDは、「センサID」とも称される。稼働情報は、センサ装置100が稼働しているか否かを判別するための情報であり、例えば、センサ装置100の電池の残量を示す情報である。
【0017】
ゲートウェイ200は、センサ装置100とサーバ装置300とを中継する装置である。ゲートウェイ200は、ネットワークNWによってサーバ装置300と通信可能に接続されている。ゲートウェイ200は、ネットワークNWを介して、センサ装置100から入力される各種情報をサーバ装置300へ送信する。
ここで、各種情報は、センサ装置100の識別情報、センシング情報、及び稼働情報等である。ゲートウェイ200は、センサ装置100から入力される各種情報に加え、ゲートウェイ200の識別情報もサーバ装置300へ送信する。当該識別情報は、ゲートウェイ200に固有のIDである。以下、当該IDは、「ゲートウェイID」とも称される。ゲートウェイ200は、1つの施設10に対して1台設けられるため、ゲートウェイIDと施設名等を関連付けておくことで、施設10の特定が可能となる。
ゲートウェイ200とサーバ装置300は、例えば、ワイドエリアネットワーク(Wide Area Network:WAN)によって接続されている。WANは、例えば、インターネット接続により実現される。
【0018】
サーバ装置300は、センサ装置100のセンシング情報に基づき、施設10の混雑情報及び予測情報を取得する装置である。サーバ装置300は、ネットワークNWを介して、ゲートウェイ200からセンシング情報を含む各種情報を受信する。サーバ装置300は、ゲートウェイ200から受信したセンシング情報に基づき、混雑情報または予測情報を取得する。
また、サーバ装置300は、ネットワークNWによって表示装置400と接続されている。ゲートウェイ200と通信可能に接続されている。サーバ装置300は、ネットワークNWを介して、混雑情報または予測情報を表示装置400へ送信する。
サーバ装置300と表示装置400は、例えば、WANによって接続されている。
【0019】
表示装置400は、混雑情報または予測情報を表示する装置である。表示装置400は、ネットワークNWを介して、サーバ装置300から混雑情報または予測情報を受信し、表示する。
表示装置400は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、デジタルサイネージ等の装置により実現される。
【0020】
<2.サーバ装置の機能構成>
図1を参照して、第1の実施形態に係るサーバ装置300の機能構成について説明する。
図1に示すように、サーバ装置300は、通信部310、制御部320、及び記憶部330を備える。
【0021】
(1)通信部310
通信部310は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部310は、ゲートウェイ200及びネットワークNWを介してセンサ装置100から各種情報を受信する。具体的に、通信部310は、センサ装置100の識別情報、センシング情報、稼働情報、及びゲートウェイ200の識別情報等を受信する。通信部310は、受信した各種情報を制御部320へ入力する。
また、通信部310は、ネットワークNWを介して、後述する制御部320から入力される混雑情報または予測情報を表示装置400へ送信する。
【0022】
(2)制御部320
制御部320は、サーバ装置300の動作全般を制御する機能を有する。制御部320は、例えば、サーバ装置300がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0023】
図1に示すように、制御部320は、モデル生成部3202、混雑情報取得部3204、判定部3206、予測部3208、及び表示処理部3210を有する。
【0024】
(2-1)モデル生成部3202
モデル生成部3202は、予測モデル3302を生成する機能を有する。予測モデルは、施設10における混雑状況が変化するタイミングを予測するためのモデルである。モデル生成部3202は、生成した予測モデル3302を記憶部330に記憶させる。
【0025】
モデル生成部3202は、少なくとも混雑情報に基づき、予測モデルを生成する。モデル生成部3202が予測モデルを生成する方法は、特に限定されない。
例えば、モデル生成部3202は、AI(Artificial Intelligence)によって予測モデルを生成する。当該AIが予測モデルを生成する手法の一例として、多層の人工ニューラルネットワークによる機械学習手法(ディープラーニング)等が挙げられる。
【0026】
モデル生成部3202は、日時と関連付けられたセンシング情報と、当該センシング情報と対応する混雑情報とに基づく機械学習により得られる学習済みモデルを、予測モデルとして生成する。日時と関連付けられたセンシング情報は、例えば、センサ装置100が取得したセンシング情報と、センサ装置100が当該センシング情報を取得した日時とが関連付けられた情報である。センシング情報と対応する混雑情報は、センサ装置100が取得したセンシング情報に基づき取得される混雑情報のことである。
【0027】
ここで、
図2A及び
図2Bを参照して、日時と関連付けられたセンシング情報について説明する。
図2Aは、本実施形態に係る日時と関連付けられたセンシング情報の一例を示す図である。
図2Bは、本実施形態に係るセンシング情報の内容の一例を示す図である。なお、
図2Aには、施設10に設けられたセンサ装置100a~100nによって取得されたセンシング情報が示されているとする。
【0028】
図2Aには、一例として、「2020年3月2日(月)」にセンサ装置100a~100nによって取得されたセンシング情報が示されている。
図2Aの時刻が示すように、センシング情報は5分間隔で取得され、記録されている。センサ装置100a~100nのセンシング情報は、「0」または「1」で示されている。
図2Bに示すように、センシング情報の「0」は利用者が「不在」であること、「1」は、利用者が「着席」していることを意味している。なお、
図2Aに示すように、センシング情報には、センシング情報が取得された時刻ごとの天候や、センシング情報が取得された曜日が「平日」または「休日」であるかを示す情報(補足情報)が関連付けられてもよい。
【0029】
ここで、
図3A及び
図3Bを参照して、日時と関連付けられた混雑情報について説明する。
図3Aは、本実施形態に係る日時と関連付けられた混雑情報の一例を示す図である。
図3Bは、本実施形態に係る混雑情報の内容の一例を示す図である。なお、
図3Aには、施設10における混雑情報が示されているとする。
【0030】
図3Aには、一例として、「2020年3月2日(月)」に取得された混雑情報が示されている。
図3Aの時刻が示すように、混雑情報は5分間隔で取得され、記録されている。
施設10の混雑情報は、「0」、「1」、または「2」のいずれかで示されている。
図3Bに示すように、混雑情報の「0」は混雑状況が「空席あり」であること、「1」は、混雑状況が「空席わずか」であること、「2」は混雑状況が「混雑中」であることを意味している。
【0031】
モデル生成部3202は、上述した日時と関連付けられたセンシング情報と混雑情報を入力として、センシング情報と混雑情報との対応関係を学習した学習済みモデルを生成する。具体的に、学習済みモデルは、どのようなセンシング情報が取得されると、どのような混雑状況となるかを予測できるように学習したモデルである。これにより、学習済みモデルは、センシング情報を入力された際に混雑状況が変化するタイミングを予測し出力することができる。
【0032】
ここで、
図4を参照して、学習済みモデルにおける入出力について説明する。
図4は、本実施形態に係る学習済みモデルにおける入出力の一例を示す図である。なお、
図4に示す例では、「2020年3月2日(月)」の「12:05」が現在時刻であるとする。
【0033】
図4に示すように、学習済みモデル3304が、入力データ3305を入力されると、出力データ3306を出力する。入力データ3305は、「2020年3月2日(月)」の「12:05」までに取得されたセンシング情報である。
学習済みモデル3304は、当該入力データ3305を入力されると、現在時刻「12:05」以降の混雑情報を示す出力データ3306を出力する。出力データ3306より、「12:10」~「12:40」までの混雑情報が「2」であり、「12:45」以降の混雑情報が「1」であると予測されている。これより、「12:10」~「12:40」までは「混雑中」であるが、「12:45」以降(即ち現在時刻の40分後)には空席が発生することが分かる。
【0034】
また、モデル生成部3202は、統計的な解析によって予測モデルを生成してもよい。例えば、モデル生成部3202は、日時と関連付けられた混雑情報に基づき、所定の時刻及び曜日ごとの混雑情報を示す代表値を算出する。モデル生成部3202は、各曜日における所定の時刻と、当該所定の時刻ごとに算出した代表値とを関連付けたテーブル情報を、予測モデルとして生成する。代表値は、所定のデータ区間における最頻値、中央値、または平均値のいずれかである。以下では、代表値として最頻値を算出する例について説明する。
【0035】
例えば、モデル生成部3202は、過去に取得された混雑情報に基づき、各曜日の所定の時刻ごとに「空席あり(0)」、「空席わずか(1)」、「混雑中(2)」の各々が取得された回数を算出する。モデル生成部3202は、各曜日の所定の時刻ごとに最も取得された回数が多い混雑情報の値を代表値とする。
【0036】
ここで、
図5A及び
図5Bを参照して、日時と関連付けられた混雑情報とテーブル情報について説明する。
図5Aは、本実施形態に係る日時と関連付けられた混雑情報の一例を示す図である。
図5Bは、本実施形態に係るテーブル情報の一例を示す図である。なお、
図5Aでは、「2019年1月24日(木)」以降に取得された混雑情報が示されているが、混雑情報はかかる例に限定されない。
【0037】
図5Aには、「2019年1月24日(木)」以降に取得された混雑情報の一例として、「2019年1月24日(木)」と「2020年3月1日(日)」に取得された混雑情報が示されている。
図5Aに示すように、「2019年1月24日(木)」のデータは、種別が「平日」であり、5分間隔ごとに取得された混雑情報が示されている。「2020年3月1日(日)」のデータは、種別が「休日」であり、同様に5分間隔ごとに取得された混雑情報が示されている。モデル生成部3202は、
図5Aに示すような過去に取得されて蓄積された混雑情報からテーブル情報を生成する。
図5Bには、モデル生成部3202が生成するテーブル情報の一例が示されている。
図5Bに示すテーブル情報には、各曜日の所定の時刻ごとに取得された混雑情報のうち、取得回数が最頻値であった混雑情報が示されている。一例として、火曜日の「12:10」及び「12:15」では、「混雑中(2)」の取得回数が最頻値であったといえる。また、火曜日の「12:45」及び「12:50」では、「空席わずか(1)」の取得回数が最頻値であったといえる。
【0038】
(2-2)混雑情報取得部3204
混雑情報取得部3204は、混雑情報を取得する機能を有する。例えば、混雑情報取得部3204は、通信部310から入力されるセンシング情報に基づき、混雑情報を取得する。混雑情報取得部3204は、取得した混雑情報を判定部3206及び表示処理部3210へ入力する。
【0039】
例えば、混雑情報取得部3204は、施設10の座席ごとに取得されるセンシング情報が示す利用者の有無に基づき、混雑情報を取得する。具体的に、混雑情報取得部3204は、施設10における座席のうち利用者が「着席」している座席の割合を算出する。算出した割合が100%である場合、混雑情報取得部3204は、「混雑中(2)」を混雑情報として取得する。算出した割合が第1の閾値以上かつ100%未満である場合、混雑情報取得部3204は、「空席わずか(1)」を混雑情報として取得する。算出した割合が第1の閾値未満である場合、混雑情報取得部3204は、「空席あり(0)」を混雑情報として取得する。
【0040】
(2-3)判定部3206
判定部3206は、施設10の現在の混雑状況を判定する。例えば、判定部3206は、混雑情報取得部3204から入力される混雑情報に基づき、施設10の現在の混雑状況を判定する。また、判定部3206は、施設10の現在の混雑状況が前回判定された混雑状況と同一であるか否かを判定する。判定部3206は、判定結果を予測部3208へ入力する。
【0041】
(2-4)予測部3208
予測部3208は、予測モデル3302に基づき、施設10の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へと変化する時刻を予測する。予測部3208は、モデル生成部3202によってあらかじめ生成された予測モデル3302を利用することで、当該時刻の予測を容易に行うことができる。
以下、第1の混雑状況は「混雑中」であり、第2の混雑状況は「空席わずか」または「空席あり」である例について説明する。即ち、予測部3208が空席の発生時刻を予測(空席予測)する例について説明する。
【0042】
予測部3208は、判定部3206によって施設10の現在の混雑状況が「混雑中」であると判定された場合に、施設10の現在の混雑状況が「混雑中」から「空席わずか」または「空席あり」へ変化する時刻を予測する。予測モデル3302が学習済みモデルである場合、予測部3208は、現在時刻までに取得されたセンシング情報を学習済みモデルに入力することで、予測結果を取得する。予測部3208は、取得した予測結果を表示処理部3210へ入力する。
【0043】
一方、予測モデル3302がテーブル情報である場合、予測部3208は、現在の日時でテーブル情報を参照することで、予測結果を取得する。ここで、予測モデル3302が
図5Bに示したテーブル情報である場合の予測の一例を説明する。例えば、現在の日時が「2020年3月2日(月)」の「12:10」における混雑情報が「2」であったとする。この場合、予測部3208は、「月曜日」の「12:10」以降で混雑情報が「1」または「0」になる時刻を探す。
図5Bに示すテーブル情報では、「12:45」で混雑情報が「1」に変化する。よって、予測部3208は、施設10の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へと変化する時刻を「12:45」と予測する。予測部3208は、取得した予測結果を表示処理部3210へ入力する。
【0044】
予測部3208は、第2の混雑状況の継続時間をさらに予測してもよい。例えば、予測部3208は、第1の混雑状況から第2の混雑状況へ変化する第1の時刻の予測後、第2の混雑状況から第3の混雑状況へ変化する第2の時刻をさらに予測する。予測部3208は、第2の時刻と第1の時刻の差分の算出結果を、第2の継続状況の継続時間として算出する。
【0045】
予測部3208は、現在時刻以降の複数の時刻における混雑状況を一括で予測してもよい。例えば、予測部3208は、現在時刻以降で所定の時間間隔ごとの混雑状況を一括で予測する。なお、予測部3208は、すべての予測結果を表示処理部3210へ入力してもよいし、混雑状況が変化する時刻における予測結果のみを表示処理部3210へ入力してもよい。
【0046】
(2-5)表示処理部3210
表示処理部3210は、各種情報の表示処理を制御する機能を有する。例えば、表示処理部3210は、混雑情報取得部3204から入力される混雑情報を表示装置400に表示させる。具体的に、表示処理部3210は、混雑情報に基づき、混雑情報を示す表示画像を生成する。生成後、表示処理部3210は、通信部310を介して、表示画像を表示装置400へ送信し、表示させる。
【0047】
表示処理部3210は、表示装置400に表示画像を表示させることで、施設10の混雑情報を可視化することができる。本実施形態のように、施設10が飲食店である場合、表示処理部3210は、空席状況等の混雑情報を表示することができる。これにより、利用者は、表示画像を見ることで飲食店の混雑状況を容易に把握することができる。また、利用者は、表示装置400に表示される混雑情報を確認することで、飲食店の利用時間帯、利用形態等を調整することができる。
【0048】
例えば、利用者は、予め混雑状況を確認することで、ランチタイム等の混雑する時間帯を避けるように、利用時間帯を調整し、待ち時間を短縮することができる。また、利用者は、予め混雑状況を確認することで、混雑を避けるために店内の利用ではなくテイクアウトの利用を前提として来店することもできる。また、利用者は、混雑状況に基づき混雑を回避する行動をとることで、店舗にて他の利用者と密集することを避けることもできる。
【0049】
よって、混雑情報表示システム1は、混雑情報の可視化により、混雑による利用者へのストレスを緩和することや、店舗における混雑の平準化を行うことができる。
【0050】
ここで、
図6Aを参照して、混雑情報を示す表示画像の一例について説明する。
図6Aは、本実施形態に係る混雑情報を示す表示画像の一例を示す図である。
図6Aに示す表示画像410は、1つの飲食店の混雑情報を表示するレイアウトの例である。
【0051】
図6Aに示すように、表示画像410のレイアウトは、表示領域411~表示領域414で構成されている。
表示領域411は、飲食店の店名を表示する領域であり、「AAA店」と表示されている。
表示領域412は、飲食店の店舗情報を表示する領域である。店舗情報は、写真や文章等、任意の形式で表示されてよい。
表示領域413は、飲食店の混雑情報を表示する領域であり、混雑状況が「混雑中」であることを示す情報として、「ただいま混雑中」と文字で表示されている。混雑状況が「空席わずか」であることを示す場合には、「空席わずか」と文字で表示されてもよい。混雑状況が「空席あり」であることを示す場合には、「空席あり」と文字で表示されてもよい。
表示領域414は、飲食店のPR(Public Relations)情報を表示する領域であり、任意の情報が表示されてもよい。PR情報は、例えば、施設10の利用者にアピールしたい情報である。当該情報の一例として、おすすめの商品の情報や店舗の営業に関する情報等が挙げられる。利用者がPR情報を確認することで、例えば、利用者の来店意欲を向上することができる。
図6Aに示す例では、「9時から営業中。ご来店お待ちしております。」と店舗の営業に関する情報が表示されている。
【0052】
なお、表示画像410のレイアウト、表示される情報等はかかる例に限定されない。例えば、表示領域414に表示するPR情報として、商品情報を表示させることで、来店した客に対して提供したい商品を効率よくPRすることができる。例えば、飲食店に限らず、スーパーの食品売り場のコーナーごとにおすすめの商品を表示させたりしてもよい。他にも、店舗の特売情報やその他お得情報を表示させてもよい。これにより、来店客1人あたりの客単価の向上が期待される。
【0053】
また、表示処理部3210は、予測部3208によって予測された時刻に混雑状況が変化することを示す予測情報を表示装置400に表示させる。例えば、表示処理部3210は、施設10の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へ変化するまでの時間を予測情報として表示装置400に表示させる。これにより、利用者は、表示画像を見ることで施設10の混雑状況が変化するタイミングを容易に把握することができる。また、利用者は、把握したタイミングに合わせて施設10へ向かう時間を調整することで、施設10での待ち時間が生じることなく施設10を利用することができる。なお、第1の混雑状況から第2の混雑状況へ変化するまでの時間は、予測部3208が予測した時刻と現在時刻との差分により算出可能である。
【0054】
ここで、
図6B及び
図6Cを参照して、予測情報を示す表示画像の一例について説明する。
図6Bは、本実施形態に係る予測情報が文字で示される表示画像の一例を示す図である。
図6Cは、本実施形態に係る予測情報がイラストで示される表示画像の一例を示す図である。
【0055】
予測情報は、任意の形式で表示されてよい。例えば、
図6Bの表示領域414に示すように、予測情報は文字で示される。具体的に、表示領域414には「10分後に「空席あり」となる傾向です。」と予測情報が示されている。当該予測情報は、施設10の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へ変化するまでの時間を示している。なお、表示画像410の表示領域411~表示領域413には、
図6Aに示した表示画像410と同一の情報が表示されている。
【0056】
また、例えば、
図6Cの表示領域413に示すように、予測情報はイラストで示される。具体的に、表示領域413には棒グラフと吹き出しのイラストが描かれ、当該吹き出しの中に「10分後空席あり」と文字で予測情報が示されている。当該予測情報は、施設10の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へ変化するまでの時間を示している。なお、表示画像410の表示領域411、表示領域412、及び表示領域414には、
図6Aに示した表示画像410と同一の情報が表示されている。
【0057】
なお、表示処理部3210は、予測部3208によって予測された時刻を明示する予測情報を表示してもよい。例えば、「12:45」に混雑状況が「空席あり」になると予測された場合、表示処理部3210は、表示領域414に「12:45に「空席あり」となる傾向です。」と表示させる。
【0058】
また、表示処理部3210は、予測部3208によって予測された継続時間も予測情報として表示装置400に表示させてもよい。これにより、利用者は、表示画像を見ることで施設10における混雑状況(例えば「空席あり」)が継続する時間を容易に把握することができる。また、利用者は、混雑状況の継続時間内に施設10に到着するように時間を調整することができる。これにより、利用者は、ピンポイントの時刻が表示される場合と比較し、余裕をもったスケジュール調整が可能となる。
【0059】
ここで、
図6Dを参照して、予測情報を示す表示画像の一例について説明する。
図6Dは、本実施形態に係る第2の混雑状況の継続時間を予測情報として含む表示画像の一例を示す図である。
【0060】
例えば、
図6Dの表示領域414に示すように、第2の混雑状況の継続時間が予測情報として表示されてもよい。具体的に、表示領域414には「10分後に15分以上「空席あり」となる傾向です。」と予測情報が示されている。当該予測情報は、施設10において第2の混雑状況が継続する時間を示している。
なお、表示画像410の表示領域411~表示領域413には、
図6Aに示した表示画像410と同一の情報が表示されている。
【0061】
また、表示処理部3210は、予測部3208によって予測された複数の混雑状況を示す予測情報を表示装置400に表示させてもよい。例えば、表示処理部3210は、複数の混雑情報の時系列変化が分かるように、例えばグラフ等の形式で複数の混雑状況を表示させる。これにより、利用者は、表示画像を見ることで施設10における混雑状況の時系列変化を容易に把握することができる。また、目的とする混雑状況(例えば「空席あり」)が時系列変化内に複数示されている場合、利用者は、自身のスケジュールに合わせて施設10へ来店する時間を選択することができる。これにより、利用者は、ピンポイントの時刻が表示される場合と比較し、余裕をもったスケジュール調整が可能となる。
【0062】
ここで、
図6Eを参照して、予測情報を示す表示画像の一例について説明する。
図6Eは、本実施形態に係る混雑状況の時系列変化を予測情報として含む表示画像の一例を示す図である。
【0063】
例えば、
図6Eの表示領域413に示すように、混雑状況の時系列変化が予測情報として表示されてもよい。具体的に、表示領域413には「11:45」から「13:00」までの混雑状況の時系列変化が棒グラフで示されている。なお、表示画像410の表示領域411、表示領域412、及び表示領域414には、
図6Aに示した表示画像410と同一の情報が表示されている。
【0064】
上述したように、施設10の利用者が表示画像に基づき施設10への来店時間を調整することで、施設10にて混雑が集中する時間帯が分散され、施設10における混雑を平準化することも可能となる。
【0065】
(3)記憶部330
記憶部330は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部330は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0066】
記憶部330は、各種情報を記憶する機能を有する。例えば、記憶部330は、施設10の混雑状況を予測可能な予測モデル3302を記憶する。
【0067】
<3.処理の流れ>
図7を参照して、本実施形態に係る混雑情報表示システム1における処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態に係る混雑情報表示システム1における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0068】
図7に示すように、まず、混雑情報表示システム1は、施設10の現在の混雑情報を取得する(S102)。例えば、サーバ装置300の混雑情報取得部3204は、センサ装置100が取得するセンシング情報に基づき、現在の混雑情報を取得する。
【0069】
次いで、混雑情報表示システム1は、施設10の現在の混雑状況を判定する(S104)。例えば、サーバ装置300の判定部3206は、混雑情報取得部3204が取得する混雑情報に基づき、施設10の現在の混雑状況を判定する。
【0070】
次いで、混雑情報表示システム1は、混雑状況が「混雑中」であるか否かを判定する(S106)。例えば、サーバ装置300の判定部3206は、混雑状況の判定結果より、混雑状況が「混雑中」であるか否かを判定する。
【0071】
混雑状況が「混雑中」でない場合(S106/NO)、混雑情報表示システム1は、S102から処理を繰り返す。混雑状況が「混雑中」である場合(S106/YES)、混雑情報表示システム1は、S108の処理を行う。
【0072】
混雑情報表示システム1は、混雑状況が「空席あり」となる時刻を予測する(S108)。例えば、サーバ装置300の予測部3208は、予測モデル3302に基づき、混雑状況が「空席あり」となる時刻を予測する。
【0073】
次いで、混雑情報表示システム1は、表示装置400に予測情報を表示させる(S110)。例えば、サーバ装置300の表示処理部3210は、予測情報を示す表示画像を生成し、当該表示画像を表示装置400に表示させる。予測情報の表示後、混雑情報表示システム1は、S102から処理を繰り返す。
【0074】
以上説明したように、本実施形態に係る混雑情報表示システム1の記憶部330は、施設10の混雑状況を予測可能な予測モデル3302を記憶する。
予測部3208は、予測モデル3302に基づき、施設10の混雑状況が第1の混雑状況から第2の混雑状況へと変化する時刻を予測する。
表示処理部3210は、予測部3208によって予測された時刻に関する予測情報を表示装置400に表示させる。
【0075】
かかる構成により、混雑情報表示システム1は、施設10に現在空席があるか否かだけでなく、いつ席が空くかを予測した予測情報を表示装置400に表示させる。これにより、施設10の利用者は、予測情報を参照して、待ち時間が短くなるように施設10への来店時刻を調整することができる。
よって、混雑情報表示システム1は、利用者が施設を利用するために施設で待つ時間を短縮することができる。
【0076】
<4.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明した。続いて、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0077】
(1)第1の変形例
上述の実施形態では、第1の混雑状況が「混雑中」等の空席がないことを示す情報であり、第2の混雑状況が「空席あり」等の空席があることを示す情報である例について説明した。即ち、混雑情報表示システム1が、空席が生じる時刻の予測(空席予測)を行う例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、第1の混雑状況が「空席あり」等の空席があることを示す情報であり、第2の混雑状況が「混雑中」等の空席がないことを示す情報であってもよい。即ち、混雑情報表示システム1は、混雑する時刻の予測(混雑予測)を行ってもよい。
【0078】
(2)第2の変形例
上述の実施形態では、飲食店における混雑情報と予測情報の可視化に混雑情報表示システム1が適用される例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、混雑情報表示システム1は、店舗のレジ(例えば食品売り場のレジ)の混雑情報と予測情報の可視化に適用されてもよい。利用者は、レジの混雑情報と予測情報が可視化されることで、レジに並ぶタイミングを調整することができる。これにより、レジ付近における利用者やスタッフの密集を防ぐことができる。また、店舗のスタッフは、各レジの現状把握が可能となる。
【0079】
よって、混雑情報表示システム1は、混雑情報と予測情報の可視化により、レジ付近に密集することによる利用者やスタッフへのストレスを緩和することや、レジの混雑を平準化することができる。
【0080】
なお、混雑情報表示システム1は、レジの混雑情報と予測情報を店内の掲示板(デジタルサイネージ)に表示させてもよいし、店舗のWebサイトに表示させてもよい。利用者は、店内の掲示板やWebサイトに表示されたレジの待ち時間(予測情報)を確認することで、混雑を避けることが可能な時間帯を容易に把握することができる。
【0081】
また、混雑情報表示システム1は、PR情報として、リアルタイムな商品情報を表示することで、利用者に対して提供したい商品を効率よくアピールすることができる。リアルタイムな商品情報は、例えば、特売情報やお得情報等である。これらの情報は、例えば、食品売り場等のコーナーごとに、各コーナーに応じた情報が表示されてもよい。これにより、店舗は、利用者に対して、スポットごとのリアルタイムな広告サービスを提供することができる。これにより、利用者1人あたりの客単価の向上も期待される。
【0082】
(3)第3の変形例
混雑情報表示システム1は、例えば、店舗に設けられた子供向けのプレイルームにおける混雑情報と予測情報の可視化に適用されてもよい。これにより、プレイルームにおける混雑の平準化、利用者及びスタッフへのストレスの緩和、カスタマーサービスの向上が期待される。
【0083】
(4)第4の変形例
混雑情報表示システム1は、例えば、店舗に設けられた赤ちゃん向け休憩室における混雑情報と予測情報の可視化に適用されてもよい。これにより、赤ちゃん向け休憩室における混雑の緩和、利用者の密集の解消が期待される。さらに、子育て家族にとってやさしい施設としてのイメージアップ効果も期待される。
【0084】
(5)第5の変形例
表示画像には、混雑状況に応じた密集状況を示す密集情報が表示されてもよい。例えば、混雑状況が「空席あり」である場合には、他の利用客と密集することなく施設10を利用可能な旨を示す情報が表示される。具体的には、「密集の心配はございません。」等のメッセージである。一方、混雑状況が「混雑中」である場合には、他の利用客と密集する恐れがある旨を示す情報が表示される。具体的には、「密集する可能性がございます。」等のメッセージである。
【0085】
これにより、混雑情報表示システム1は、施設10の混雑状況に応じた密集情報を表示装置400に表示することができる。利用者は、表示装置400に表示された密集情報を予め確認することで、他の利用者との密集を回避することができる。
【0086】
(6)第6の変形例
上述の実施形態では、予測モデルがモデル生成部3202で生成される例について説明したが、かかる例に限定されない。予測モデルは、混雑情報表示システム1以外のシステムや装置にて生成されたものであってもよい。
【0087】
以上、本発明の実施形態の変形例について説明した。なお、上述した実施形態における混雑情報表示システム1をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0088】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 混雑情報表示システム
10 施設
100 センサ装置
200 ゲートウェイ
300 サーバ装置
310 通信部
320 制御部
330 記憶部
400 表示装置
3202 モデル生成部
3204 混雑情報取得部
3206 判定部
3208 予測部
3210 表示処理部
NW ネットワーク