(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】基板処理システムのための平坦化膜および方法
(51)【国際特許分類】
B24B 37/30 20120101AFI20250508BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20250508BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20250508BHJP
【FI】
B24B37/30 C
B24B37/00 H
H01L21/304 621B
H01L21/304 622K
(21)【出願番号】P 2020524244
(86)(22)【出願日】2018-10-29
(86)【国際出願番号】 US2018058024
(87)【国際公開番号】W WO2019089467
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-10-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-12
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519379905
【氏名又は名称】アクス テクノロジー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【氏名又は名称】関口 正夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【氏名又は名称】小野寺 隆
(72)【発明者】
【氏名】トロヤン ダニエル レイ
【合議体】
【審判長】鈴木 貴雄
【審判官】本庄 亮太郎
【審判官】田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-110407号公報(JP,A)
【文献】特開2007-12918(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0173566(US,A1)
【文献】特開平9-57587(JP,A)
【文献】特開2001-54855(JP,A)
【文献】特開2015-223681号公報(JP,A)
【文献】特開2001-219368号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B37/30
B24B37/00
H01L21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性膜を提供するステップと、
前記弾性膜に張力をかけるステップと、
前記弾性膜に張力をかけた状態で前記弾性膜の表面を
、前記弾性膜とウェーハとの間のシールを増加させる所定の公差の範囲内で平坦化して、および/または、前記所定の公差の範囲内の表面粗さに適合するように平坦化して
、平坦化弾性膜を形成するステップと、
を含み、
前記平坦化弾性膜は、前
記所定の
公差の範囲内の表面粗さを有する、
基板キャリア用の弾性膜を処理するための方法。
【請求項2】
前記平坦化
弾性膜を形成するステップが、
前記平坦化弾性膜がCMPプロセスにおいて使用される前に、前記弾性膜の表面を平坦化するために使用される膜調整工具を提供するステップと、
前記膜調整工具を前記弾性膜に適用するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記弾性膜の表面が摩耗性材料を用いて平坦化される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記摩耗性材料が砂である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記平坦化
弾性膜を形成するステップが、前記弾性膜の前記表面に1つまたは複数の化学物質を導入するステップをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記1つまたは複数の化学物質が化学スラリー混合物を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記平坦化
弾性膜を形成するステップは、
前記弾性膜をプレートに押し付けつつ、前記プレートと前記弾性膜との間で互いに対する相対的な回転速度を制御するステップを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記回転速度は、約10~500回転/分である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記平坦化
弾性膜を形成するステップは、支持プレートおよび保持要素を備える膜アセンブリに取り付けられた前記弾性膜を用いて実施される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ウェーハを提供するステップと、
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法で形成された平坦化
弾性膜を含むCMPシステムを提供するステップと、
前記
ウェーハの表面を平坦化するステップと、
を含む、
ウェーハを平坦化する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(参照による優先出願への組み込み)
本出願は、2017年11月6日に出願された米国仮出願第62/582,187号の先の出願日の利益を主張する実用新案出願であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
この開示は、一般に、平坦化膜を有するウェーハキャリアを使用して、薄膜を平坦化するための化学機械平坦化(CMP)性能を改善するための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
化学機械平坦化または研磨(CMP)の間に、摩耗性で酸性またはアルカリ性のいずれかのスラリーが、計量ポンプまたは質量流量制御レギュレータシステムを介して、回転研磨パッド/プラテン上に塗布される。基板またはウェーハを、ウェーハキャリアによって保持し、ウェーハキャリアを回転し、指定された期間にわたって、研磨プラテンに対して押圧する。スラリーは、通常、シングルパス分配システムで研磨プラテンに運ばれる。ウェーハは、CMPプロセスの間に、摩耗と腐食の両方によって研磨または平坦化される。
【0004】
それらの媒体中のスラリー粒子は、回転ウェーハと回転研磨パッド/プラテンとの間に均等に分布しないことがある。研磨スラリーの少なくとも一部は、遠心力によって研磨パッド/プラテンのエッジに掃引され、また、研磨パッド/プラテンに対するウェーハの「スクイージー」作用によって掃引されるので、効果がないことも生産性に寄与しないこともある。ウェーハ表面に接触しない粒子は、平坦化に寄与せず、無駄になるので、CMPプロセスのコストを高くし、その効率が下がる。その疎水性のようなパッドの態様は、スラリーおよびそのサブミクロンの摩耗性粒子および腐食性化学物質の分布の変化量に寄与する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CMPの効率を向上させ、製造コストを削減するために、スラリーおよびパッドの性能を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示される技術の一態様は、基板キャリア用の弾性膜を処理するための方法である。この方法は、弾性膜を提供するステップと、弾性膜の表面を平坦化して平坦化弾性膜を形成するステップとを含む。
【0007】
開示される技術の別の態様は、基板を支持するための装置である。この装置は、平坦化表面を含む膜と、膜を支持するように構成された支持プレートと、膜を支持プレートに保持するように構成された保持要素とを含む。
【0008】
開示される技術の別の態様は、化学機械平坦化のための膜である。膜は、基板対向面とキャリア対向面とを備える弾性膜本体を含み、基板対向面が平坦化される。
【0009】
本発明の概念の上記ならびに追加の目的、特徴および利点は、添付の図面を参照して、本発明の実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を通してより良く理解されるであろう。図面において、特に明記しない限り、同様の要素には同様の参照番号を使用する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】化学機械平坦化システムの概略図であり、基板を処理位置に保持する基板キャリアを示す。
【
図2】
図1の化学機械平坦化システムの図であり、基板を装填位置に保持する基板キャリアを示す。
【
図3】化学機械平坦化システムで使用するための膜アセンブリの実施形態を含む例示的なキャリアヘッドアセンブリの部分断面図である。
【
図4】化学機械平坦化システムで使用される膜を調整するために使用される例示的な工具の概略図である。
【
図5】ウェーハ平坦化で、膜が使用される前に、平坦化を使用することによって、膜を調整するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図6】CMPキャリアヘッドの例示的な実施形態である
。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の本文は、本発明の多数の異なる実施形態の詳細な説明を記載するが、本発明の法的範囲は、本特許の末尾に記載される特許請求の範囲の用語によって定義されることを理解されたい。詳細な説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明の全ての可能な実施形態を説明するものではない。その理由は、全ての可能な実施形態を説明することは、不可能ではないにしても非実用的だからである。現在の技術、または本特許の出願日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替的な実施形態を実施することができ、これらは、依然として本発明を定義する特許請求の範囲内に入る。
【0012】
ここで、「例示的」という用語は、「例、事例、または例示として役立つ」ことを意味するものとして使用される。本明細書で、「例示的」であるとして説明されるいかなる態様または実施形態も、必ずしも、他の側面または実施形態よりも好適または有利であると解釈されるものではない。新規なシステム、装置、および方法の様々な態様は、添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本開示全体にわたって提示される任意の特定の構造または機能に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が完璧で完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるために提供される。本明細書の教示に基づいて、当業者は、開示の範囲が、本明細書で開示された新規なシステム、装置、および方法の任意の態様を、説明された任意の他の態様から独立して実装されるか、またはそれらと組み合わされて実装されるかにかかわらず、カバーすることを意図していることを理解すべきである。例えば、ここに述べられた任意の数の態様を使用して、装置が実装されてもよく、あるいは方法が実施されてもよい。さらに、本開示の範囲は、本明細書で説明される開示の様々な態様に加えて、またはそれ以外の、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実施されるそのような装置または方法をカバーすることが意図される。本明細書で開示される任意の態様は、請求項の1つまたは複数の要素によって実施され得ることを理解されたい。
【0013】
また、この特許で「本明細書で使用されるように、用語『-』は、…を意味する」または同様の文を使用して用語が明示的に定義されていない限り、その用語の意味を、その明白な意味または通常の意味を超えて、明示的または暗示的にいずれかで制限する意図はなく、そのような用語は、この特許の任意の節(特許請求の範囲の文言以外)で行われたいかなる陳述に基づいても、範囲が限定されると解釈されるべきではないことも理解されるべきである。本特許の末尾の特許請求の範囲に記載されている用語は、単一の意味と一致する方法で本特許において言及されているが、これは、明確性の観点から読者を混乱させないためにのみなされ、そのような特許請求の範囲の用語は、暗示またはその他によって、その単一の意味に限定されることは意図されていない。
【0014】
化学機械平坦化(CMP)
【0015】
半導体IC、MEMSデバイス、LEDの製造において、薄膜を平坦化するために、化学機械平坦化(CMP)を採用し、使用することは、他の多くの類似した用途の中で、これらのタイプのデバイスのために「チップ」を製造する企業の間で一般的である。この採用には、携帯電話、タブレットおよび他の携帯デバイス、並びにデスクトップおよびラップトップコンピュータのためにチップを製造することを含んでいる。ナノ技術およびマイクロ機械加工の成長は、医療分野、自動車分野、およびモノのインターネット(「IoT」)におけるデジタルデバイスで広範に使用され、適応されるので、絶えず大きな期待が寄せられている。薄膜の平坦化のための化学機械平坦化は、1980年代初頭にIBM社の科学者および技術者によって発明され、開発された。今日、このプロセスは、世界的に広く普及しており、多くのデジタルデバイスの製造において、真に可能な技術の一つである。
【0016】
集積回路は、導電性材料(例えば、銅、タングステン、アルミニウムなど)、絶縁層(例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素など)、および半導電性材料(例えば、ポリシリコン)の複数の層および交互の層を備えて製造される。これらの層の連続的な組み合わせが、ウェーハ表面に順次適用されるが、表面にデバイスが埋め込まれているために、二酸化ケイ素絶縁体層の場合と同様に、デバイス構造上にトポグラフィックな起伏が構築される。これらの望ましくないトポグラフィック起伏は、次の層が堆積される前に、しばしば、フラットにされるか、または「平坦化」され、サイズが小さくなり続けるデバイスフィーチャ間での適切な相互接続が可能になる。銅層の場合、銅は、表面上に堆積されて、コンタクト・ビアを充填し、デバイスからデバイスへの電子移動、および層から層への電子移動のために有効な垂直経路を作る。この手順は、適用される(通常、堆積プロセスによって適用される)各層に続く。導電性材料の複数の層(金属の複数の層)の場合、これは、デバイスフィーチャ間における回路および相互接続を成功させるために、多数の研磨手順(導体、絶縁体、および半導体材料の各層に対して1つの手順)が生じる可能性がある。
【0017】
CMPプロセスは、これをすべて可能にする多層回路の製造における実現技術である。
【0018】
CMPプロセスにおける主要なコスト要因は、研磨スラリー、研磨パッド、およびウェーハキャリア膜などの消耗品セットに関連する総コストからなる。研磨スラリーは、典型的には、水性媒体中の摩耗性粒子、すなわちコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、またはコロイダルセリアのコロイド懸濁液である。
【0019】
研磨パッドは、典型的には、ポリウレタンベースである。一般的なCMP研磨パッドは、通常、直径18”~24”である。この寸法は、世界中で使用されている人気のある研磨機上の研磨プラテン(テーブル)の大きさによって規定される。しかしながら、用途によっては、直径が最大で48”以上にまで大きくなる場合がある(例えば、精密光学の用途)。これらの研磨パッドは、非常に平坦な研磨プラテン(研磨テーブル)に感圧接着剤で取り付けられている。
【0020】
最近のCMPキャリアは、一般に、シリコンウェーハおよび/またはその上に堆積された膜のような一般に平坦で丸いワークピースの精密研磨のために、特定の構成要素を組み込んでいる。これらの構成要素には、1)膜の上面または裏面に圧縮ガスが適用された、1つまたは複数の別個のゾーンからなる弾性膜であって、前記圧力は、次いで、CMP中に材料を除去するために、膜を介してワークピースの上面または裏面に伝達される、弾性膜と、2)膜をその対応する構成要素に固定すること、膜をその所望の形状および寸法で保持すること、および/または膜を締め付けて、密閉し、制御されたガス圧を封じ込めるための密閉体積を提供することのための手段を提供する、1つまたは複数の剛性支持構成要素が含まれる。
【0021】
CMPプロセスの間に、スラリーは、計量ポンプまたは質量流量制御レギュレータシステムを介して、回転研磨パッド上に塗布される。基板またはウェーハをウェーハキャリアによって保持し、ウェーハキャリアを回転し、一般にウェーハキャリア内の弾性膜を介して、指定された期間にわたって、研磨プラテンに押圧する。スラリーは、通常、シングルパス分配システムで研磨プラテンに運ばれる。通常、期待されるのは、それらの媒体中のスラリー粒子が、回転ウェーハと回転研磨パッド/プラテンとの間に均等に分布するであろうということである。
【0022】
ウェーハキャリア膜によってウェーハの裏面に力が加えられて、ウェーハをパッド内に押し込み、その両方が相対速度を生み出すための動きをすることがある。その動きおよび力によって、研磨剤がウェーハ表面を横切って移動する間に、研磨剤を基板に押しつけることで、パッドの一部に摩耗を引き起こす。スラリー中の腐食性化学物質は、ウェーハの表面上で研磨される材料を変化させる。化学的変化と組み合わされたこの摩耗の機械的効果は、化学機械平坦化または研磨(CMP)と呼ばれる。材料の除去速度は、いずれか一方を単独で使用した場合と比較して、化学的効果と機械的効果との両方を同時に用いることで、容易に一桁高くなる。同様に、研磨後の表面の滑らかさも、化学的効果と機械的効果とを一緒に使用することによって最適化される。
【0023】
研磨プロセスの間に、銅、誘電体、またはポリシリコンのような材料は、ウェーハの表面から除去される。これらの微視的粒子は、スラリー中に懸濁したままであるか、または研磨パッド中に埋め込まれるか、またはその両方である。これらの粒子は、研磨されるフィルムの表面にスクラッチを生じさせ、ひいては、チップを無駄にする回路の破局的な故障を生じさせ、したがって、歩留まりに大きな悪影響を与える。
【0024】
歩留まりは、集積回路、MEMS、およびLEDを含む多くの製品の製造レベルでの成功を決定する原動力である。半導体製造設備(「ファブ」)およびファウンドリ内のCMPプロセスの面質公差は、ナノメートル単位で、さらにはオングストローム単位で測定される。CMP中に、ウェーハまたはフィルムの表面からできるだけ均一に材料を除去する能力が重要である。したがって、キャリア設計技術は、この能力の向上に向けて、絶えず進化している。CMPシステムで処理されたウェーハの平坦性に小さな不均一性があると、歩留まりが低下し、廃棄物が増加する可能性がある。ソリッドステートデバイスを製造するための累積コストは「所有コスト」(CoO)と呼ばれ、この用語は、必要な製造ステップのそれぞれにも適用される。CMPプロセスのCoOは、半導体「チップ」およびそれに関連するデジタルデバイスを製造するために必要とされる500~800の個々の製造ステップにおいて、CoO数値が最も高いものの一つである。
【0025】
弾性膜コンセプトの様々な実施形態を組み込んだキャリア設計は、均一な材料除去に関して良好に機能するが、それらの典型的なプロセス性能には、いくつかの最適でない特性が残っている。本質的に、最適でない特性を最小限に抑制するための実質的な努力にもかかわらず、ある種の実際的な欠陥および異常が依然として存在し、それによって、ウェーハに印加される圧力が不均一になり、関連する材料除去も不均一になる。
【0026】
このような異常には、膜全体の膜厚の変化量と、膜全体の張力の変化量と、膜に接触する任意の剛性構成要素の平坦性の変化量とが含まれるが、必ずしもこれらに限定されない。
【0027】
本出願は、そのような異常の存在、大きさ、および影響を少なくするために、CMP装置用の基板キャリアに使用するための平坦化膜を実装するシステム、装置、および方法の実施形態を開示する。これらは、CMP装置に実装された場合、平坦性公差および基板表面品質が改善し、歩留まりが向上し、CoOを削減する。本明細書に記載される平坦化膜の実施形態は、CMP装置の枠内で開示されるが、それらは、他の用途内で同様に実装され得ることが理解されるであろう。
【0028】
本発明の詳細な実施形態について、以下で、図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は、研磨パッド110を処理するための化学機械平坦化システム100の概略図である。システム100は、ウェーハを保持して、処理するように構成されたウェーハキャリア150を含むことができる。ここで使用される用語「ウェーハ」は、円形の半導体ウェーハを指すことができるが、CMP装置によって処理される異なる形状を有する他のタイプの基板をより広く包含することができることが理解されよう。図示の実施形態では、ウェーハキャリア150は、処理位置(例えば、下側)にあり、ウェーハ(図示せず)を膜(図示せず)で研磨パッド110に対して保持する。研磨パッド110は、プラテン120の表面のような支持面上に配置することができる。
【0030】
図2は、
図1の化学機械平坦化システムの図であり、ウェーハキャリア150によって装填位置(例えば、上側)に保持されたウェーハ155を示す。ウェーハ155は、例えば、真空の力によって保持することができる。
図1および
図2の両方を参照すると、システム100は、処理スラリーをウェーハ155に送達し、それを研磨パッド110に対して化学的/機械的に平坦化することを可能にするように構成されたスラリー送達システム140を含むことができる。システム100は、その端部にパッドコンディショナを含むパッド調整アーム160を含むことができ、処理サイクルの間に、または処理サイクルと処理リサイクルの間に、パッドの表面粗さ、または他の処理特性を処理または「リフレッシュ」するように構成することができる。
【0031】
図1および
図2のシステム100では、研磨パッド110は、垂直軸を中心に反時計回りに回転するプラテン120の頂面にある。他の向きおよび移動方向を実施することができる。
【0032】
スラリー送達システム140は、サブミクロンの摩耗性で腐食性の粒子を含有するスラリーを処理済研磨パッド130の表面に送達することができる。研磨スラリーは、典型的には、水性媒体中の摩耗性粒子、すなわちコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、またはコロイダルセリアのコロイド懸濁液である。様々な実施形態では、スラリー送達システム140は、計量ポンプまたは質量流量制御レギュレータシステム、または他の適切な流体送達構成要素を含む。
【0033】
ウェーハキャリア150は、研磨されるべきウェーハ155の表面が研磨パッド110の方を向くように、例えば、真空でウェーハ155を保持することができる。研磨パッド110上のスラリー送達システム140によって堆積されたスラリー中の研磨粒子および腐食性化学物質は、それぞれ、研磨および腐食によってウェーハを機械的および化学的に研磨する。ウェーハキャリア155および研磨パッド110は、研磨を提供するために、多数の異なる方法のいずれかで、互いに対して移動することができる。例えば、ウェーハキャリアは、ウェーハ155が研磨パッド110に対して押圧されるように、プラテン120に対して下向きの力を加えることができる。ウェーハ155は、本明細書でさらに説明するように、加圧膜(図示せず)を用いて研磨パッド110に対して押圧することができる。ウェーハ155と研磨パッド110との間のスラリーの研磨粒子および腐食性化学物質は、研磨パッド110およびウェーハキャリア155が互いに相対的に移動するときに、化学的および機械的研磨を提供することができる。研磨パッドとウェーハキャリアとの間の相対運動は、様々な方法で構成することができ、一方または両方が、互いに対して揺動するように、直線的に移動するように、および/または反時計回りおよび/または時計回りに回転するように構成することができる。
【0034】
パッド調整アーム160は、研磨パッドとウェーハキャリア150に関して上述した相対的な動きのように、それらの間を相対的に動かすことで、研磨パッド110に力を加えて押圧することによって、研磨パッド110の表面を調整する。図示の実施形態におけるパッド調整アーム160は、その端部において研磨パッド110と接触する回転パッドコンディショナで、揺動することができる。
【0035】
図3は、化学機械平坦化(CMP)システムのための膜アセンブリ305の実施形態を含むキャリアアセンブリ300の部分断面図である。いくつかの実施形態では、キャリアアセンブリ300は、膜アセンブリ305が取り付けられる支持ベース380を含んでもよい。支持ベース380は、膜アセンブリを支持するように構成された任意の適切な構成とすることができる。支持ベース380は、キャリアアセンブリ300の残りの部分をCMPシステム(図示せず)に取り付け、接続することができる。
【0036】
膜アセンブリ305は、図示のように、支持プレート310と、弾性膜320と、膜クランプ330と、外側圧力リング340とを含んでもよい。支持プレート310は、膜アセンブリ305を支持ベース380に取り付けるための任意の適切な構成とすることができる。例えば、支持プレート310は、1つまたは複数のボルト、あるいは他の適切な取り付け要素を使用して、支持ベース380に取り付けられてもよい。支持プレート310は、支持ベース380の外周に沿ってなど、様々な場所で支持ベース380に取り付けられてもよい。
【0037】
支持プレート310は、弾性膜320を支持するための任意の適切な構成とすることができる。弾性膜320は、多くの異なる方法で支持プレート310に固定してもよい。弾性膜320は、支持プレート310を支持ベース380に固定する前または後に、支持プレート310に固定してもよい。弾性膜320は、膜クランプ330のような、多数の適切な異なる保持要素のいずれかを使用することによって、支持プレート310に固定してもよい。いくつかの実施形態では、膜クランプ330は、ばねによって付勢されてもよい。他の実施形態では、膜クランプ330は、締結機構(例えば、ナットおよびボルトなど)の使用を通して、しっかりと締め付けてもよい。
【0038】
弾性膜320は、支持プレート310に固定することができ、こうして、例えば、
図1~
図2を参照して上述したように、膜320がウェーハ370を研磨パッドに対して保持し、ウェーハを処理することができる。膜320は、研磨パッド材料およびプロセスパラメータと組み合わせることにより、ウェーハの破損が少なくなるように、十分に弾力性も柔軟性も有するようにできる。膜320および支持プレート310は、膜320と支持プレート310との間のガス圧を許容し、平坦化中に膜320をウェーハ370に押し付けるように構成することができる。例えば、膜320とプレート310との間に、実質的なシールを形成することができる。支持プレート310は、膜320から離間して配置され、それらの間にギャップまたはキャビティ360を形成することができる。キャビティ360は、膜320が静止(例えば、非加圧)状態にあるときに形成することができる。いくつかの実施形態では、膜320は、膜320が静止状態にあるとき、プレート310の上または近傍に静止し、膜320が拡張(例えば、加圧)されたとき、キャビティ360が形成される。キャビティ360は再分配することができ、平坦化中に、膜320に対するガス圧、ひいてはウェーハ370に対するガス圧の変化の要因となることがある。ガス圧は、図示のように、空気圧チャネル350を介して膜320の裏側に提供することができる。空気圧チャネル350は、支持プレート310内に配置されてもよく、あるいは他の構成を介してガスを供給することもできる。空気圧チャネル350は、用途に応じて異なる変更(例えば、円管、正方形管等)が可能である。いくつかの実施形態では、空気圧チャネルは、ウェーハ370を膜アセンブリの下側に保持するための真空を提供することができる。膜320は、このような真空を提供するため、および/または正圧がウェーハ370を膜320から係合解除することを可能にするために、穴を含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、キャビティ360は、支持プレート310から膜320を離間させることによって形成することができる。例えば、支持プレート310は、キャビティを形成するための窪んだ内側部分を含むことができる。図示の実施形態では、膜アセンブリ305は、キャビティ360を形成するための外側圧力リング340を含むことができる。他の実施形態では、膜アセンブリは、圧力リングなしで組み立てられてもよい。例えば、膜320は、膜320を支持プレート310から分離するキャビティ360なしに、支持プレート310に直接当接してもよい。いくつかの実施形態では、膜アセンブリは、同心円状に配置された1つまたは複数の圧力リング340を含むことができる。
【0040】
別の実施形態では、使用される膜320は、マルチゾーン膜であってもよい。例えば、膜320は、膜320の様々なゾーンを効果的に分離する溝(例えば、くぼみ)および/または膜320の隆起部分を有してもよい。非限定的な例では、溝は、膜の中心から始まる一連の同心円に配置されてもよい。別の例では、溝および隆起部分は、膜アセンブリに取り付けられたときにウェーハ370全体に加えられる圧力の分布を改善するために、不規則な形状(例えば、相互接続円、非円形のくぼみ、膜の表面全体に散乱する円形パターン)であってもよい。
【0041】
膜320は、それが取り囲む構造に適合するように可撓性であってもよい。場合によっては、膜320は凸状であってもよい。例えば、膜320は、中心でたるんでいてもよい。膜320は、より高精度な研磨のために、膜320の小さな領域がウェーハ表面と接触するように、円錐のような形状であってもよい。
【0042】
膜材料は、本明細書に記載されるような平坦化に適した、および、例えば、CMPプロセスのためのキャリアヘッド内での使用に適した任意の弾性材料であってもよい。いくつかの実施形態では、膜材料は、ゴムまたは合成ゴム材料のうちの1つであってもよい。膜材料は、エチレンプロピレンジエンモノマー(Mクラス)(EPDM)ゴムまたはシリコーンの1つであってもよい。あるいは、それは、ビニル、ゴム、シリコーンゴム、合成ゴム、ニトリル、熱可塑性エラストマー、フルオロエラストマー、水和アクリロニトリルブタジエンゴム、またはウレタンおよびポリウレタン形態の1つまたは複数の組み合わせであってもよい。
【0043】
1つまたは複数の膜アセンブリは、単一のCMPシステム内に実装することができる。CMPシステムは、CMPプロセス(例えば、可変速度モータ制御など)をより正確に制御するために作動しながら、システムからのフィードバックを利用する制御装置を有してもよい。
【0044】
例示的な実施形態では、膜320は、平坦化されてもよい。例えば、膜320は、所望の公差内で平坦にすること、および/または所望の公差内の表面粗さに適合するようにすることができる。例えば、膜320は、膜が研磨パッドにさらされる平坦化手順を受けてもよい。さらに、膜320は、膜320を平坦化させる化学スラリーに導入されてもよい。さらに、膜320の表面粗さは、この平坦化プロセスを通して改善することができる。表面粗さは、少なくとも2つの理由、すなわち、シーリング(sealing)およびスティクション(stiction)のために、CMPプロセスの意味合いで使用される膜にとって重要であり得る。平坦化プロセスを通して、取り扱いのために、ウェーハ370と膜320との間で改善されたシーリングを提供するために、表面粗さを低くしてもよい。同時に、スティクション(すなわち、ウェーハが表面張力によって膜に付着すること)を防止し、ウェーハを処理後の膜から剥離するのを改善するために、表面粗さを大きくさせることもできる。制御機構は、低表面粗さと高表面粗さとの間の所望のバランスを達成するために、平坦化プロセス(後述)中に使用されてもよい。制御機構は、膜を平坦化するために使用される装置の外部にあってもよい。
【0045】
膜320を平坦化するために、特殊な工具またはデバイスを使用してもよい。例えば、調整工具400(
図4を参照して説明される)を、弾性膜がCMPプロセスにおいて使用される前に、弾性膜の表面を平坦化するために使用してもよい。このデバイスは、単一の平坦化サイクルで1つまたは複数の膜を平坦化するように構成することができる。このサイクルは、膜が十分に平坦化される前に、1回または複数回繰り返されてもよい。あるいは、膜は、1回の連続サイクルの後に平坦化されてもよい。一例では、調整工具には、膜平坦化プロセス(例えば、可変速度モータ制御など)をより正確に制御するために、フィードバック制御ループを利用してもよい。
【0046】
いくつかの実施例では、膜の表面の一部分または一部のみが平坦化される必要がある。例えば、膜の外径のみを平坦化することが、より有利なこともある。膜の単一の表面または両方の表面を平坦化することができる。
【0047】
図4は、膜または膜アセンブリの表面を平坦化するために使用され得る膜調整工具400の概略図である。調整工具400は、平坦化プレート上で膜を保持し、それらの間で接触して、相対運動を提供することで、膜を平坦化するのに適した任意の構成を含むことができる。
【0048】
例えば、調整工具400は、プレート410と、アーム420と、1つまたは複数のローラ430a、430bと、調整工具ベース450を含んでもよい。例示的な実施形態では、膜320をプレート410の頂面に配置することができる。膜320とプレート410とが移動して接触することで、膜320の表面を平坦化することができる。平坦化は、砂などの摩耗性材料、および/または化学スラリーなどの他の化学物質を導入して、材料を除去し、膜320を平坦化することを含むことができる。平坦化は、膜320を加圧して、プレート410に押し付けることによって行うことができる。他のタイプの力を実装して、膜320をプレート410に押し付け、平坦化を提供することができる。例えば、アーム420および/またはプレート410は、膜320をプレート410に押し付けるために、互いに対して相対的に移動することができる。アーム420および/またはプレート410は、同様の機能を提供するために他の方法で構成することができる。例えば、アーム420は、ウェーハキャリアと同様に構成することができ、平坦化のためにプレート410と膜320との間に力を与えるように直線的に移動することができる。プレート410は、膜320に平坦化を提供するために、その表面上に、研磨パッドもしくは他の構成要素または処理を含むことができる。
【0049】
膜は、ファスナ(例えば、磁石、ねじ、ボルトなど)でローラ430a、430bに固定してもよい。
図4に示すように、ローラは、1つまたは複数のローラを備えてもよい。いくつかの実施例では、膜の外縁の周りに配置された追加のローラがあってもよい。あるいは、複数のローラが不要になるように、アーム420から延在し、すべての側で膜の外縁に接触する単一のローラがあってもよい。いくつかの実施形態では、アーム420は、ベース450内に静止して保持されてもよい。他の実施形態では、アーム420は、ベース450内の制御機構によって作動されてもよい。例えば、ベース450は、アーム420と係合するギアをベース450内に含んでもよく、平坦化処理の前または最中にアーム420を移動させる。制御機構は、平坦化プロセス中に膜の平坦な性質に関する情報をシステムから受け取ることができ、こうして、制御機構は、プレート410の速度またはアーム430によって加えられる圧力、または他のパラメータを調節して、システムの有効性および効率を向上させ、材料除去の量、および/または平坦化の均一性に影響を及ぼすことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、プレート410は、任意の方法で移動(例えば、回転、軌道、揺動、往復など)をして、膜320が静止状態に保持されている間に、平坦化を提供してもよい。他の実施形態では、膜320は、プレート410が静止している間に移動させてもよい。他の実施形態では、膜320およびプレート410の両方を移動させて、それらの間の相対運動を提供してもよい。プレートの回転速度は、リアルタイムでプレートの速度を正確に調節するために、システムからの入力を受信する可変速度駆動装置によって制御されてもよい。別の実施形態では、速度は、低い一定速度に保つことができる。さらに、アーム420は、十分に調整された膜を生成するために膜に圧力を加えることができるように作動可能であってもよい。
【0051】
他の実施形態では、膜は、仮膜ホルダの外側の周りに引き伸ばされてもよい。いくつかの例では、このホルダは、膜本体が平坦化プロセスの前またはその間に張力を受けるように、膜を引き伸ばすことができる。いくつかの実施形態では、膜は、
図3の膜アセンブリ305などの追加の支持構成要素を含む膜アセンブリで所定の位置に保持することができる。いくつかの実施形態では、
図1~
図3のキャリアヘッド、研磨パッド、および膜を参照して説明したのと同様に、膜を所定の位置に保持し、プレートに対して加圧または他の方法で保持することができる。膜は、CMPプロセスを参照して本明細書で説明したように、同様のスラリー、化学的性質、および研磨パッドを使用して、同様に処理されてもよい。膜は、従来のCMPプロセスよりも低い速度および/または圧力で平坦化することができる。例えば、膜は、約10~500回転/分(RPM)の回転速度で平坦化されてもよい。膜は、約0.1~10psiの圧力で平坦化することができる。
【0052】
平坦化表面は、実質的にフラットな表面(例えば、平坦な表面)である。表面の平坦化を試験する1つの方法は、表面に沿ったすべての点が単一の二次元平面上にあるか、または単一の二次元平面の特定の誤差範囲内にあるように、表面の均一性を試験することである。
【0053】
平坦化プロセスは、表面が平坦化されるように表面を調整することを含む。これは、例えば、研磨パッドを使用して行うことができ、この場合、平坦化される膜の部分の表面積にわたって所定の均一度で膜表面を平坦化する研磨が求められる。いくつかの実施態様において、第一の平坦化表面と膜の第二の対向表面との間の平坦化膜のおおよその厚さは、約0.005~0.100インチの範囲内である。いくつかの実施形態では、膜が平坦化された後の膜の全体の厚さは、平坦化前の膜の厚さと比較して、約10~50%減少する。いくつかの実施形態では、平坦化膜は、所定の範囲内の粗さを有する平坦化表面を備える。いくつかの実施形態では、平坦化膜の平坦化表面の粗さは、平坦化の前に、同じ表面に対して、あるパーセンテージだけ減少または増加してもよい。
【0054】
別の例では、膜の平面性を試験することは、既知の角度で膜表面から光を反射させ、光が表面に沿ったすべての点で同じ角度または実質的に同じ角度で反射されること、および反射角度が既知の角度にどのように関係するかを測定することを含み得る。例えば、許容可能な差は、2°以内であってもよい。あるいは、角度は、平均して0.7~1.0°であってもよい。
【0055】
本明細書に記載される平坦化CMP膜の実施形態は、多数の異なる構成のいずれかによって形成することができ、
図4に示される例に限定されるべきではないことが理解されるであろう。例えば、CMPシステムは、研磨速度、圧力、および化学的性質などの異なる処理パラメータによって、および/または修正された研磨パッド組成物および構成によって、CMP膜を平坦化するように修正されてもよい。
【0056】
図5は、化学機械平坦化のために膜を調整するための例示的な方法1000を示すフローチャートである。いくつかの態様では、方法1000は、
図4のシステム400で実行されても、あるいは他のシステムによって実行されてもよい。方法1000は、膜320および膜アセンブリ305(
図3および
図4)のような様々な膜および膜アセンブリ上で実施することができる。
【0057】
ブロック1010において、弾性膜を提供する。ブロック1020では、ブロック1010で提供された膜の表面を平坦化する。ブロック1020は、例えば、調整工具システム400(
図4)によって実行することができる。いくつかの実施形態では、方法1000による平坦化弾性膜を使用して、平坦化膜でウェーハ表面を処理することができる。さらに、方法1000は、工具に対して膜を移動させるステップを含むことができる。方法1000は、また、平坦化プロセスを循環させるステップを含むことができる。方法1000はまた、スティクションおよびシールが所望の範囲内にあるように、膜の表面粗さを制御するステップを含むことができる。さらに、ブロック1020は、研磨プロセスの前またはその間に、膜を引き伸ばす(例えば、張力をかける)ステップを含んでもよい。さらに、方法1000を使用して、平坦化膜を形成することができ、その平坦化膜は、ウェーハを研磨するためにCMPプロセス内で実施することができる。このようなプロセスは、CMPに適したスラリー(例えば、摩耗性で腐食性の粒子を有する)を含むスラリーを、処理済研磨パッドの表面に送達することを含むことができる。このプロセスは、摩耗性で腐食性の粒子でウェーハを研磨するステップをさらに含むことができる。1つの好ましい実施形態では、このようなウェーハを研磨するステップは、平坦化膜を使用することを含むことができる。さらに、研磨するステップは、研磨パッドに対してウェーハキャリアを移動させることを含むことができる。
【0058】
本明細書に記載される膜平坦化の方法および装置は、図示された完全なCMPシステムなしで実施され得ることが理解されるであろう。例えば、膜は、
図1および
図2に示されるCMPシステムの残りの枠内に入れられる前に平坦化されてもよい。加えて、他のCMP装置は、多重ヘッドCMPシステム、軌道CMPシステム、または他のCMPシステムを含む、本明細書に記載される平坦化膜の実施形態を実施することができる。例えば、本明細書に記載の膜平坦化処理の方法および装置は、サブアパーチャCMPシステム内で実施することができる。サブアパーチャCMPシステムは、ウェーハよりも直径が小さい研磨パッドを含むことができる。ウェーハは、典型的には、その表面にスラリーが分配された状態で上向き方向を向いており、一方、ウェーハとパッドは回転し、パッドはウェーハ全体を掃引する。
【0059】
図6は、例示的なキャリアヘッド2000の例示的な断面図である。キャリアヘッド2000は、膜クランプ2010と、外側圧力リング2020と、平坦化膜2030と、支持プレート2040とを有してもよい。例えば、平坦化膜は、膜クランプ2010によって所定の位置に固定されてもよい。キャリアヘッドは、
図3を参照して説明した特徴(例えば、支持プレート、空気圧チャネルなど)のすべてまたはいくつかを含むことができる。さらに、キャリアヘッド2000は、外側圧力リング2020により、支持プレート2040と膜2030との間に形成された空気キャビティを有することができる。キャビティの幅は、システムが加圧されていないときの外側圧力リング2020の厚さに少なくとも部分的に基づくことができる
。このキャビティは、システムが加圧されると、例えば、空気圧チャネルを介して提供される真空圧に応じてサイズが縮小することもある。キャリアヘッドは、1つまたは複数のブラダ
ーを含み得る。一実施形態では、ブラダーは、膨張可能または可撓性であり得、それにより、ブラダーは、膨張して、研磨のためにウェーハに均一な圧力を加え得る。
【0060】
本開示の別の態様は、本明細書に記載された弾性膜を支持する構成要素のうちの1つまたは複数を平坦化することを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態は、外側圧力リング2020などの支持リングを平坦化する方法を含むことができる。外側圧力リングは、多孔性ウレタン、またはEminess DF200またはWB20などの他の適切な材料から作製されてもよい。圧力リングを形成するために使用されるいくつかの材料は、厚さの変動および/または局所圧縮性などの不完全性を示すことがある。さらに、外側圧力リング2020が取り付けられる表面は、平坦でない状態および/または表面欠陥(例えば、バンプ、ピットなど)などの同様の異常を有してもよい。このような欠陥は、膜を介して基板に不均一な圧力を移す可能性がある。このように、外側圧力リング2020は、支持プレート2040に適用される前または後に平坦化されてもよい。外側圧力リング2020のこのような平坦化のための回転速度および圧力は、膜に使用されるのと同様の範囲であり得ることが理解されるであろう。