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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】デッキ構造体
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/00 20060101AFI20250508BHJP
   E04F 15/02 20060101ALI20250508BHJP
【FI】
E04B1/00 501M
E04B1/00 502Z
E04F15/02 J
E04F15/02 U
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021144127
(22)【出願日】2021-09-03
(65)【公開番号】P2023037403
(43)【公開日】2023-03-15
【審査請求日】2024-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺田 容一
(72)【発明者】
【氏名】赤井 忠剛
(72)【発明者】
【氏名】笹島 淳志
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-047119(JP,A)
【文献】特開2012-160280(JP,A)
【文献】米国特許第4888669(US,A)
【文献】実開平2-18047(JP,U)
【文献】実開昭61-136090(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00
E04F 15/02
E04H 17/14
F21V 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デッキと照明部を備え、
デッキは、窓の外側に設けられ、
照明部は、照明具を有し、窓の幅方向に沿う長尺のものであり、デッキの上面に窓に近接して取り付けられ、
照明具は、照明光を略水平に出射し、デッキ上面を照らすように設けられていることを特徴とするデッキ構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
構造体としては、住宅の庭に設置されるデッキが知られている。
デッキは、夜間において見にくく、使い勝手が悪いという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、夜間でもデッキの存在を視認でき、使い勝手の良い構造体が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の課題を解決するために請求項1記載によるデッキ構造体は、デッキと照明部を備え、デッキは、窓の外側に設けられ、照明部は、照明具を有し、窓の幅方向に沿う長尺のものであり、デッキの上面に窓に近接して取り付けられ、照明具は、照明光を略水平に出射し、デッキ上面を照らすように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、以上の構成により、夜間でもデッキの存在を視認でき、使い勝手の良い構造体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係る第1実施形態のデッキの正面図である。
図2図1の要部拡大図である。
図3図1の(3)-(3)線断面図である。
図4】本発明に係る第2実施形態の2段デッキの正面図である。
図5】本発明に係る第3実施形態のフェンスの正面図である。
図6】本発明に係る第4実施形態のデッキの正面図である。
図7図6の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の構造体Aを説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0008】
[構造体の第1実施形態]
本実施形態の構造体Aは、住宅の庭に設置されるデッキである。
以下、構造体AをデッキAとして説明する。
デッキAは、住宅の庭等に設置されるものであり、図1に示すように、複数の束柱10と、束柱10の上端に配設された複数の大引11と、複数の大引11の上端に敷設された複数のデッキ材12と、大引11及びデッキ材12の端部及び側部を隠すように配設された幕板(垂下部材)13を備えたものである。
図2図3に示すように、デッキAの幕板13の裏面130には、大引11の端部及び側部と対向するように照明部14が設けられている。
照明部14は、照射方向が下向きとなるように配置されており、照明部14の光が大引11よりも下方を照らすようにしている。
【0009】
幕板13は、図2及び図3に示すように、端部固定具15、小口側固定具16を介してデッキ材12の端部及び側部に垂下されるように配置されている。
幕板13は、全長をデッキ材12の端部及び側部の全長と略同じとし、全幅を大引11及びデッキ材12の端部及び側部を隠せる幅としており、取付けたときに大引11及びデッキ材12が周囲から見えないようにしている。
【0010】
[照明部の取り付け構成]
照明部14は、図1に示すように、幕板13の全長よりもやや短い全長を有しており、図2図3に示すように、ドットレスのLEDを用いた照明具140と、照明具140を支持した照明具支持部材141と、電力ケーブル142を備えている。
照明部14は、図2図3に示すように、幕板13の裏面130と、裏面130にねじ止めされた取付部材2との間に挟持されている。
電力ケーブル142は、小口側固定具16の下面に取り付けられたケーブル固定具17を介して支持されており、大引11に沿うように配置されている。
【0011】
[取付部材の構成]
取付部材2は、図1に示すように、幕板13の長手方向に沿って複数取り付けられており、互いに一定間隔をもって配置されている。
取付部材2は、図2図3に示すように、弾性を有する金属板材をクランク状に加工したものであり、幕板13の裏面130にねじ止めされる固定片20と、固定片20の下端から大引11方向へ突出した水平片21と、水平片21の大引11側の端部から下方に向かって垂下された照明部取付片22を備えている。
固定片20と照明部取付片22とは、水平片21を間にして離間しており、固定片20を幕板13の裏面130に取り付けたときに、幕板13の裏面130と照明部取付片22との間に、照明部14が嵌合される嵌合凹部23が形成される。
嵌合凹部23は、嵌合された状態において照明部14が落下しないように挟持できる幅のものである。
【0012】
照明部取付片22は、図2図3に示すように、水平片21側の基端側から幕板13の裏面130に向かって傾斜するようにされており、嵌合凹部23の開放側が狭くなるようにしている。
また、照明部取付片22は、前述のように弾性を有する金属板材からなるものであるので、照明部14を嵌合凹部23に嵌合するときには、嵌合凹部23の開放側を拡げるように照明部取付片22を変形させて行う。
嵌合後では、照明部取付片22に変形から元に戻る反発力が作用しており、この反発力が嵌合凹部23に嵌合された照明部14を幕板13の裏面130に押し付ける力となる。
すなわち、照明部取付片22が照明部14を幕板13の裏面130に押し付けることによって、照明部取付片22と幕板13の裏面130とで照明部14が挟持される。
【0013】
以上の構成とするデッキAは、幕板130の下端側から照明部14の光を地面方向に照射することで、デッキAを夜間でも視認でき、夜間においてデッキAの昇降を安全に行うことができる。
そして、ねじ等の取り付け手段を用いることなく、照明部14を取り付けることができるため、照明部14の取り付け作業の容易性向上が期待できる。
また、照明部14が幕板13の裏面130に取り付けられているので、正面から照明部14が視覚されないため、デッキAのデザインを良好なものにできる。
したがって、夜間でも視認できると共に、使い勝手の良いデッキAとすることができる。
【0014】
[構造体の第2実施形態]
構造体Aの第2実施形態として、図4に示すように、2段デッキが例示できる。
以下、構造体Aを2段デッキAとして説明する。
この2段デッキAでは、上段デッキA1の幕板13の下端側から照明部14の光を下段デッキA2の端部上面に照射すると共に、下段デッキA1の幕板13の下端側から照明部14の光を地面方向に照射することで、上段デッキA1及び下段デッキA2を夜間でも視認できる。
したがって、本実施形態の2段デッキAにおいても、第1実施形態と同様に、夜間でも視認できると共に、使い勝手の良いデッキAとすることができる。
【0015】
[構造体の第3実施形態]
次に、図5を参照して第3実施形態の構造体Aを説明する。
本実施形態の構造体Aは、例えば、自宅側の土地(図示せず)と道路側の土地(図示せず)の境界(図示せず)に立設されるフェンスである。
以下、構造体AをフェンスAとして説明する。
フェンスAは、境界上に立設されたブロック塀やコンクリート塀等からなるフェンス本体A3と、フェンス本体にA3の上端に取り付けられた笠木(垂下部材)18とを備えたものである。
笠木18は、下向き凹形状のものであり、笠木18の上端に被せるように取り付けられている。
笠木18の垂直部180の裏面181と、裏面181と対向するフェンス本体A3の道路側との間には、隙間Sが設けられており、この隙間Sに照明部14が配置されている。
また、笠木18の垂直部180の裏面181に、第1実施形態と同じ構成の取付部材2の固定片20を取り付けることによって、照明部取付片22と笠木18の垂直部180の裏面181との間に嵌合凹部23が形成される。
そして、嵌合凹部23に照明部14を嵌合することで、照明部取付片22と幕板13の裏面130とで照明部14が挟持される。
このフェンスAでは、笠木18の垂直部180の下端側から照明部14の光を道路側の地面方向に照射すると共に、フェンス本体A3に照射することで、フェンスAを夜間でも視認できる。
したがって、本実施形態のフェンスAにおいても、第1実施形態と同様に、夜間でも道路側から視認できると共に、使い勝手の良いフェンスAとすることができる。
【0016】
[構造体の第4実施形態]
次に図6図7を参照して第4実施形態の構造体Aを説明する。
本実施形態の構造体Aは、窓Bの外側の下端に連続するように設けられたデッキである。
以下、構造体AをデッキAとして説明する。
デッキAは、図6に示すように、窓Bの外側の下端B1と連続するように、住宅の庭等に設置されるものである。
デッキAは、上面に照明部14が設けられている。
【0017】
[照明部の取り付け構成]
照明部14は、窓Bの幅方向の略全域に沿う全長を有するものであり、図7に示すように、ドットレスのLEDを用いた照明具140と、照明具支持部材141と、電力ケーブル142と、照明具140を取り付ける取付部材3と、取付部材3をカバーするカバー部4とを備えている。
照明部14は、デッキAの上面に窓Bの下端に近接して取り付けられており、照明具140が光を略水平に照射し、デッキAの上面を照らすように設けられている
【0018】
取付部材3は、図7に示すように、前側(デッキA側)に照明具140が嵌合される嵌合凹部30と、電力ケーブル142を収容する収容部31を備えており、デッキAの上面にねじ止めされている。
嵌合凹部30は、開放側を前側として形成されており、照明具140を嵌合したときに、照射方向を略水平となるようにしている。
【0019】
収容部31は、嵌合凹部30の後側に設けられており、嵌合凹部30とは仕切られて独立し、上方から電気ケーブル142を出し入れできる空間として形成されている。
収容部31は、カバー部4を支持する前側支持部310と後側支持部311が立設されている。
前側支持部310は、嵌合凹部30と収容部31との仕切りを構成するものであり、カバー部4の中央部の突起40が係脱自在に係合されている。
後側支持部311には、カバー部4の後端側の突起41が係脱自在に係合されている。
前側支持部310は、後側支持部311よりも低く形成されており、カバー部4を取り付け部材に取り付けたときに、カバー部4がデッキAから窓Bの下端B1に向かって高くなる傾斜が生じるようにしている。
後側支持部311は、カバー部4を取り付けたときに、カバー部4の後端が窓Bの下端B1と略同じ高さとなる高さにされており、これにより、カバー部4の後端と窓Bの下端B1との間に段差が生じないようにしている。
【0020】
図7に示すように、嵌合凹部30の上面と照明具140の上部との間には、弾性を有する軟質のゴム材等を用いてなる緩衝材143が介在されている。
緩衝材143を介在することにより、緩衝材143の弾性で嵌合凹部30内の照明具140を上方から保持することができる。
さらに、人がカバー部4を踏んだ場合でも、その踏み力を緩衝材143の弾性で吸収することができるため、カバー部4へ踏み力が作用しても照明具140の破損を防ぐことができる。
【0021】
カバー部4は、図7に示すように、上面が傾斜面42になっており、この傾斜面42には滑り止め420が施されている。
カバー部4の前端側は、下方に向かって曲げ加工されていると共に、カバー部4の前端側の下端43が嵌合凹部30の中途部位まで至るようにされており、カバー部4の前端側の下端43と嵌合凹部30の下端32との間に出射口44を形成している。
【0022】
以上の構成とするデッキAは、窓Bの下端側に配置された照明部14からデッキAの上面に向かって光を地面方向に照射することで、デッキAと窓Bの境を夜間でも視認でき、夜間においてデッキAと住宅内への出入りを安全に行うことができる。
そして、ねじ等の取り付け手段を用いることなく、照明部14を取り付けることができるため、照明部14の取り付け作業の容易性向上が期待できる。
また、照明具140が照明部14に内蔵されているので、正面から照明具140が視覚されないため、デッキAのデザインを良好なものとすることができる。
また、照明部14のカバー部4の上面が、デッキAの上面から窓Bの下端に向かって高くなる傾斜面42であるので、デッキAの上面と窓Bの下端B1との間の段差をなくすことができ、これによって、デッキAと住宅内との出入りを安全に行うことができる。
したがって、夜間でも視認できると共に、使い勝手の良いデッキAとすることができる。
【0023】
第1実施形態~第3実施形態における照明部14の照明具140は、例示したドットレスのLEDを用いたものに限らず、光ファイバなどの導光体を有していてもよく、導光体で光を誘導し、略水平方向に光を出射してもよい(図示せず)。
このような照明具140は、照明部14の位置を問わない設計が可能であり、照明部14の配置設計の自由度を高めることができる。
【0024】
以上、本発明に係る実施形態の構造体を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0025】
また、前述の各実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0026】
A:デッキ(構造体)
A:2段デッキ(構造体)
A:フェンス(構造体)
A1:上段デッキ
A2:下段デッキ
A3:フェンス本体
B:窓
B1:下端
S:隙間
10:束柱
11:大引
12:デッキ材
13:幕板(垂下部材)
130:裏面
14:照明部
15:端部固定具
16:小口側固定具
17:ケーブル固定具
18:笠木(垂下部材)
180:垂直部
181:裏面
140:照明具
141:照明具支持部材
142:電力ケーブル
2:取付部材
20:固定片
21:水平片
22:照明部取付片
23:嵌合凹部
3:取付部材
30:嵌合凹部
31:収容部
310:前側支持部
311:後側支持部
32:下端
4:カバー部
40:突起
41:突起
42:傾斜面
420:滑り止め
43:下端
44:出射口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7