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特許7677888改善された安定性を有する頭皮ケア組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】改善された安定性を有する頭皮ケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20250508BHJP
   A61K 8/27 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20250508BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20250508BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/27
A61K8/34
A61Q5/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021533267
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 US2019066785
(87)【国際公開番号】W WO2020131836
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-06-10
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】62/782,634
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン スコット レーン
【合議体】
【審判長】木村 敏康
【審判官】野田 定文
【審判官】関 美祝
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-529317号公報(JP,A)
【文献】特表2015-523411号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99, A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭皮ケア組成物であって、
a)91.05%~99%の水性担体と、
b)0.05%~10%の、非イオン性かつ水溶性であり、および架橋したN-ビニル-2-ピロリドン-ホモポリマーと、
c)0.01%~7%の不溶性亜鉛塩と、
d)ピロクトンオラミンと、
含む、頭皮ケア組成物。
【請求項2】
前記不溶性亜鉛塩が、シュウ酸亜鉛、タンニン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、クエン酸亜鉛、酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、オレイン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫化亜鉛、ウンデシル酸亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項3】
前記組成物が、0.01%~10%の1つ以上の頭皮用健康剤を更に含む、請求項2に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項4】
前記頭皮用健康剤が、金属ピリジンチオン塩、硫化セレン、粒子状硫黄、及びこれらの混合物からなる群から選択される粒子状頭皮用有益剤である、請求項3に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項5】
粒子状頭皮用有益剤が、ジンクピリチオンである、請求項4に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項6】
前記頭皮用健康剤が、アゾール、シクロピロックス、リロピロックス、及びMEA-ヒドロキシオクチルオキシピリジノンからなる群から選択される界面活性剤可溶性頭皮用健康剤、角質溶解剤(kerolytic agents)、ストロビルリン、金属キレート剤、及びそれらの組み合わせである、請求項3に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項7】
前記水性担体が、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、1,2-ヘキサンジオール、ジメチルイソソルビド、エタノール、1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、2,2’-チオジエタノール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される有機溶媒を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項8】
前記水性担体が、エタノールを含む、請求項7に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項9】
前記水性担体が、グリセリンを含む、請求項7に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項10】
前記組成物が、0.1%~7.5%の範囲のナイアシンアミドを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項11】
前記組成物が、0.01%~3.0%の範囲のカフェインを更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項12】
前記組成物が、0.01%~2.0%の範囲のパンテノールを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項13】
前記組成物が、シリコーンを更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の頭皮ケア組成物。
【請求項14】
前記組成物が、リーブオン組成物である、請求項1~13のいずれか一項に記載の頭皮ケア組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不溶性亜鉛塩と組み合わせて非イオン性、水溶性、架橋N-ビニルラクタムホモポリマーを添加すると予想外の安定性の改善がもたらされることが見出された頭皮ケア組成物を対象とする。
【背景技術】
【0002】
様々な組み合わせの毛髪及び頭皮活性物質を含む毛髪及び頭皮用リーブオントリートメント組成物が、当該技術分野において既知であり、市販されている。これらの組成物は、消費者に知覚される使用体験(液だれしない、広がり、カバー範囲など)を最適化するレオロジー特性を有し得る。
【0003】
それにもかかわらず、一部の消費者は、他のふけ防止リンスオフ製品に取って代わり得るふけ防止効力のレベルを提供する、又はリンスオフふけ防止製品に加えて使用される、又はリンスオフ製品では達成が困難な毛髪及び頭皮へのリーブオン効果を提供する、ふけ防止リーブオントリートメントを望んでいる。結果として、中心となるふけ防止効力と、消費者が気付き、感じることができる、すなわち、有効な更なる頭皮の健康及び毛髪に対する効果とを兼ね備え、かつ使用が快適なトリートメント製品が必要とされている。
【0004】
ジンクピリチオン(ZPT)を含有するリンスオフ製品における以前の研究では、不溶性亜鉛塩をこれらの系に含めることにより、相乗的な皮膚の健康上の利益を提供することができ、また、単独でZPTを含有する製品のレベルを超えて製品の有効性を増大させ得ることが示されている。この利益は、シャンプー分野において重点的に調べられてきたが、リーブオン頭皮トリートメントでは、不溶性亜鉛塩と安定な処方を生成するために必要な、必須のレオロジー変性剤との間の複雑性及び不適合性から未だ活用されていない。典型的には、粒子状活性物質を含有するリーブオン頭皮トリートメントを処方する場合、貯蔵安定性を確保し、系内の粒子の凝集を防止するために、上記の活性物質を処方マトリックスに懸濁させる能力が必要である。原則として、この目的で利用可能な最も一般的なレオロジー変性剤は、以下のいくつかの理由のうちの1つから系と適合しない;不溶性亜鉛塩に結合して、無効にするアニオン性ポリマーにおけるカルボキシル基の存在、レオロジーを上昇させるために非イオン会合性増粘剤に必要な界面活性剤及び他の疎水性材料の欠如、並びに本発明者らの一般的にヒドロアルコール性のシャーシにおけるエタノールとの不適合性。物理的及び化学的に安定な系を達成するために、性能、安定性、及び有効性の観点から、本発明の全てのニーズを満たすことができる材料を同定することに多大な努力が費やされてきた。驚くべきことに、これらの属性の全てを満たすことができる材料の群は非常に限られている。本発明では、驚くべきことに、非イオン性、水溶性、架橋N-ビニルラクタムホモポリマーである有効な材料が見出された。このような材料の例は、架橋N-ビニル-2-ピロリドンホモポリマーである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、約1%~約99%の水性担体と、約0.05%~約10%の非イオン性、水溶性、架橋N-ビニルラクタムホモポリマーと、約0.001%~10%の不溶性亜鉛塩と、を含む頭皮ケア組成物を対象とする。
【0006】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、本開示を通読することで当業者には明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0007】
特に指定がない限り、本明細書において使用するすべての百分率及び比率は、組成物全体の重量基準である。特に指定がない限り、すべての測定は周囲条件で実施されるものと理解され、「周囲条件」とは、約25℃、約1気圧下、及び相対湿度約50%における条件を意味する。全ての数値範囲は、より狭い範囲を含む。記述された上下の範囲限界は組み合わせ可能であり、明示的に記述されていない更なる範囲を作る。
【0008】
本発明の組成物は、本明細書に記載の必須成分及び任意成分を含む、それらから実質的になる、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「~から実質的になる」とは、組成物又は構成成分が、追加成分を含み得るが、追加成分が、特許請求される組成物又は方法の基本的及び新規な特性を実質的に変えない場合に限ることを意味する。
【0009】
組成物に関連して使用される「塗布する」又は「塗布」とは、本発明の組成物を毛髪などの角質組織上に塗布する又は広げることを意味する。
【0010】
「皮膚科学的に許容可能な」又は「化粧品として許容可能な」とは、記載される組成物又は構成成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などがなく、ヒトの皮膚組織と接触させて使用するのに好適であることを意味する。本明細書に記載され、角質組織に直接塗布するという目的を有する全ての組成物は、化粧品として許容可能であるものに限定される。
【0011】
「安全かつ有効な量」とは、有益な効果を有意に誘導するのに十分な化合物又は組成物の量を意味する。
【0012】
組成物に関する「リーブオン」は、塗布して、角質組織上に付着させたままにすることが意図される組成物を意味する。これらのリーブオン組成物は、毛髪に塗布し、その後、(数分以内に)洗浄、すすぎ、拭くことなどのいずれかにより除去する組成物とは区別されるべきである。リーブオン組成物は、シャンプー、リンスオフコンディショナー、洗顔料、手洗浄剤、ボディウォッシュ、又は身体用洗浄剤などのリンスオフ用途を除外する。リーブオン組成物は、洗浄用界面活性剤又は洗浄性界面活性剤を実質的に含まなくてよい。例えば、「リーブオン組成物」は、少なくとも15分間、角質組織上に付着させたままにしておくことができる。例えば、リーブオン組成物は、1%未満の洗浄性界面活性剤、0.5%未満の洗浄性界面活性剤、又は0%の洗浄性界面活性剤を含むことができる。しかし、本組成物は、乳化剤、分散剤又は他の加工用界面活性剤を含有してもよく、これらは毛髪に局所的に塗布した際に、クレンジングによる何らかの有意な恩恵をもたらすことを意図するものではない。
【0013】
「可溶性」とは、25℃及び圧力1atmにおいて、少なくとも約0.1gの溶質が100mLの溶媒に溶解することを意味する。不溶性亜鉛塩とは、亜鉛塩が100mL中0.1g未満の水溶性を有することを意味する。
【0014】
特に記載のない限り、全ての比は重量比である。全ての範囲は、端点を含み、組み合わせ可能である。有効桁数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。用語「分子量」又は「M.Wt.」は、本明細書で使用するとき、特に記載のない限り、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定することができ、「QS(適量)」とは、100%に対して十分な量を意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「実質的に含まない」は、組成物の総重量基準で、約1%未満、又は約0.8重量%未満、又は約0.5重量%未満、又は約0.3重量%未満、又は約0重量%を意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、「毛髪」は、頭皮の毛、顔面の毛及び身体の毛を含めた、哺乳動物の毛、具体的にはヒトの頭部及び頭皮上の毛を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、「誘導体」としては、以下に限定されないが、所与の化合物のアミド誘導体、エーテル誘導体、エステル誘導体、アミノ誘導体、カルボキシル誘導体、アセチル誘導体、酸誘導体、塩誘導体及び/又はアルコール誘導体が挙げられる。
【0018】
本明細書で使用するとき、「ポリマー」は、2つ以上のモノマーの重合から形成される化学物質を意味する。本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、モノマーの重合によって作られる全ての物質、及び天然ポリマーを含むものとする。1種類のモノマーだけで作られるポリマーをホモポリマーと呼ぶ。ポリマーは、少なくとも2つのモノマーを含む。2種類以上の異なるモノマーから作られるポリマーをコポリマーと呼ぶ。異なるモノマーの分布は、統計的に計算することもでき、又はブロック毎に計算することもでき、どちらの可能性も本発明に好適である。特に記述のないかぎり、本明細書において使用される用語「ポリマー」には、ホモポリマー及びコポリマーを含めた、あらゆる種類のポリマーが含まれる。
【0019】
I.頭皮ケア組成物
可溶化剤
本発明の頭皮ケア組成物は、1つ以上の可溶化剤を含んでいてよい。可溶化剤の非限定的な例は、アルキルアルコキシレートエーテル、アルコキシル化エステル、糖又は多糖類の有機酸エステル又はエーテル、グリコールエステル、グリセリンエステル、及び他のものなどの水混和性非イオン性界面活性剤であり得る。可溶化剤として機能し得るより具体的な部類は、飽和又は不飽和アルキルエトキシレートエーテル、エトキシ化有機酸エステル(飽和又は不飽和)、ソルビン酸エステル、ポリソルベートである。可溶化剤として機能し得る具体的な物質の非限定的な例としては、ラウレス-12、ラウレス-23、オレス-10、オレス-20、ステアレス-20、ステアレス-21、セテス-20、PPG-26 Buteth-26、例えば、Creasluble No.4、PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル、PEG-40硬化ヒマシ油、例えば、Cremaphor RH40、PEG-25硬化ヒマシ油、yPEG-50硬化ヒマシ油、POE-30ヒマシ油、POE-40ヒマシ油、ヘプチルグルコシド、例えば、Sepiclear G7、ポリソルベート-80、例えば、Tween 80、ポリソルベート-20、ポリソルベート-28、ポリソルベート-60、ポリソルベート-61、ポリソルベート-85、ステアリン酸グリセリル、PEG-20ステアレート、PEG-40ステアレート、PEG-100ステアレート、PEG-8ジラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、及び他のものが挙げられる。
【0020】
頭皮ケア組成物は、約0.1%~約5%の1つ以上の可溶化剤、更には約0.5%~約3%の1つ以上の可溶化剤、更には約1%~約2%の1つ上の可溶化剤を含んでいてよい。
【0021】
溶媒
頭皮ケア組成物は、1つ以上の溶媒を含んでいてよい。頭皮ケア組成物は、1つ以上の有機溶媒を含んでいてよい。非限定的な例としては、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、3-アリルオキシ-1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、1,2-ヘキサンジオール、ジメチルイソソルビド、エタノール、1,3-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、2,2’-チオジエタノール、及び1,6-ヘキサンジオール、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0022】
頭皮ケア組成物は、米国特許出願公開第2010/0120871号に開示されているものなどの、1つ以上の追加の育毛刺激剤を更に含んでいてもよい。したがって、追加の育毛刺激剤の非限定的な例としては、インドール化合物、キサンチン化合物、ビタミンB化合物、パンテノール化合物、及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0023】
キサンチン化合物
頭皮ケア組成物は、キサンチン化合物を更に含んでいてもよい。本明細書で使用するとき、「キサンチン化合物」は、1つ以上のキサンチン、これらの誘導体、及びこれらの混合物を意味する。本明細書において有用であり得るキサンチン化合物としては、カフェイン、キサンチン、1-メチルキサンチン、テオフィリン、テオブロミン、それらの誘導体、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、組成物は、約0.01%~約10%のキサンチン化合物、約0.5%~約5%のキサンチン化合物、又は約1%~約2%のキサンチン化合物を含むことができ、例えば、この百分率は、最終的なヘアケア組成物の総重量に基づく重量パーセントである。例えば、ヘアケア組成物は、約0.75%のカフェインを更に含むことができる。
【0024】
頭皮ケア組成物では、キサンチンが多量に存在するときに様々な製剤から生じ得る潜在的な白色残渣を少なくするために、キサンチンの量を減少させてもよい。頭皮ケア組成物は、約0.01%~約1%のキサンチン、あるいは約0.01%~約0.75%のキサンチン、あるいは約0.01%~約0.5%のキサンチン、あるいは約0.01%~約0.25%のキサンチン、あるいは約0.01%~約0.1%のキサンチンを含んでいてよい。頭皮ケア組成物は、キサンチンを有していなくてもよい。
【0025】
ビタミンB化合物
頭皮ケア組成物は、ビタミンB3化合物を更に含んでいてもよい。本明細書で使用するとき、「ビタミンB化合物」とは、ニコチン酸、ナイアシンアミド、ニコチニルアルコール、これらの誘導体、及びこれらの混合物を意味する。ビタミンB化合物は、実質的に純物質として、又は天然(例えば、植物)源からの好適な物理的及び/又は化学的単離により得られた抽出物として含まれてよい。頭皮組成物は、約0.1%~約25%のビタミンB化合物;約0.1%~約15%のビタミンB化合物;約0.1%~約7.5%、約3.5%~約7.5%のビタミンB化合物を含んでいてよく、例えば、この百分率は、最終的なヘアケア組成物の総重量に基づく重量パーセントである。頭皮ケア組成物は、約2.5%のビタミンBを更に含んでいてもよい。
【0026】
パンテノール化合物
頭皮ケア組成物は、パンテノール化合物を更に含んでいてもよい。本明細書で使用するとき、「パンテノール化合物」という用語は、パンテノール、1つ以上のパントテン酸誘導体、及びこれらの混合物を含む。パンテノール化合物の非限定的な例としては、D-パンテノール([R]-2,4-ジヒドロキシ-N-[3-ヒドロキシ-プロピル)]-3,3-ジメチルブタミド)、D,L-パンテノール、パントテン酸及びその塩(例えば、カルシウム塩)、トリ酢酸パンテニル、ローヤルゼリー、パンテチン、パントテイン、パンテニルエチルエーテル、パンガミン酸、パントイルラクトース、ビタミンB複合体、又はこれらの混合物が挙げられる。したがって、頭皮ケア組成物は、約0.01%~約5%のパンテノール化合物を含んでいてよく、頭皮ケア組成物は、約0.01%~2.%のパンテノール化合物を含んでいてよく、頭皮ケア組成物は、約0.05%~約2%のパンテノール化合物を含んでいてよく、組成物は、約0.1%~約1%のパンテノール化合物を含んでいてよく、例えば、この百分率は、最終的なヘアケア組成物の総重量に基づく重量パーセントである。頭皮ケア組成物は、約0.15%のパンテノールを更に含んでいてもよい。
【0027】
本発明の別の態様によれば、頭皮ケア組成物は、オレイン酸及び/又はビオチニル-GHKを含んでいなくてもよく、これは、米国特許出願第20060067905号の記載とは異なっている。
【0028】
レオロジー変性剤
頭皮ケア組成物は、組成物の持続性を増加させ、組成物の安定性、非液だれ特性、噴霧性及び/又は展延性を改善するなど、様々な特性を改善するためにレオロジー変性剤を含んでいてもよい。任意の好適なレオロジー変性剤を使用することができる。頭皮ケア組成物は、約0.05%~約10%のレオロジー変性剤、約0.1%~約10%のレオロジー変性剤、約0.5%~約2%のレオロジー変性剤、約0.7%~約2%のレオロジー変性剤、約1%~約1.5%のレオロジー変性剤を含んでいてよい。レオロジー変性剤は、ポリアクリルアミド増粘剤であってもよい。レオロジー変性剤は、高分子レオロジー変性剤であってもよい。高分子レオロジー変性剤は、非イオン性、水溶性、架橋N-ビニルラクタムホモポリマーであってもよい。N-ビニルラクタムホモポリマーは、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピペリドン、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-3-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-4-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-5,5-ジメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-3,3,5-トリメチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-メチル-5-エチル-2-ピロロリドン、N-ビニル-3,4,5-トリメチル-3-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニル-4,4-ジメチル-2-ピペリドン、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-4,6-ジメチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-3,5,7-トリメチル-2-カプロラクタム、及びこれらの混合物を含む群から選択することができる。非イオン性、水溶性、架橋N-ビニルラクタムホモポリマーの非限定的な例は、Ashland Specialty IngredientsによりFlexithixの商標名で販売されている架橋N-ビニル-2-ピロリドンホモポリマーである。
【0029】
頭皮ケア組成物は、アクリル酸、メタクリル酸、又は他の関連する誘導体に基づいて非イオン性又はカチオン性であるホモポリマーである追加のレオロジー変性剤を含んでいてよく、非限定的な例としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチルアクリレート、及びポリアクリルアミドが挙げられる。
【0030】
レオロジー変性剤は、アルカリ膨潤性及び疎水変性アルカリ膨潤性アクリルコポリマー又はメタクリレートコポリマーであってよく、非限定的な例としては、アクリル酸/アクリロナイトロジェンコポリマー、アクリレート/ステアレス-20イタコネートコポリマー、アクリレート/セテス-20イタコネートコポリマー、アクリレート/アミノアクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートクロスポリマー、アクリレート/ビニルネオデカノエートクロスポリマー、及びアクリレート/C10~C30アルキルアクリレートクロスポリマーが挙げられる。
【0031】
非イオン性又はカチオン性である追加のレオロジー変性剤は、架橋アクリルポリマーであってもよく、非限定的な例としては、非イオン性又はカチオン性カルボマーが挙げられる。
【0032】
非イオン性又はカチオン性である追加のレオロジー変性剤は、アルギン酸系材料であってもよい。非限定的な例としては、アルギン酸プロピレングリコールエステルが挙げられる。
【0033】
非イオン性又はカチオン性である追加のレオロジー変性剤は、会合性高分子増粘剤であってもよい。非限定的な例としては、疎水変性セルロース誘導体、疎水変性アルコキシル化ウレタンポリマーが挙げられる。具体的な物質としては、PEG-150/デシルアルコール/SMDIコポリマー、PEG-150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー、及びポリウレタン-39を挙げることができる。他の非限定的な例としては、疎水変性ポリエーテルが挙げられ、これらの物質は、セチル、ステアリル、オレアイル(oleayl)、及びこれらの組み合わせから選択され得る疎水性物質、並びに10~300、30~200、又は40~150の繰り返し単位を有する繰り返しエチレンオキシド基の親水性部分を有していてよい。この部類の具体的な物質としては、PEG-120-メチルグルコースジオレエート、PEG-(40又は60)ソルビタンテトラオレエート、PEG-150ペンタエリスリチルテトラステアレート、PEG-55プロピレングリコールオレエート、及びPEG-150ジステアレートが挙げられる。
【0034】
非イオン性又はカチオン性である追加のレオロジー変性剤は、セルロース及び誘導体であってもよい。非限定的な例としては、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、セルロース粉末、疎水変性セルロースが挙げられる。
【0035】
非イオン性又はカチオン性であるレオロジー変性剤は、グアー及びグアー誘導体であってもよい。非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルグアー、及びヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが挙げられる。レオロジー変性剤は、ポリエチレンオキシド-ポリプロピレンオキシドコポリマーであってもよい。レオロジー変性剤は、ポリビニルピロリドン、架橋ポリビニルピロリドン、及び誘導体であってもよい。レオロジー変性剤は、ポリビニルアルコール及び誘導体であってもよい。レオロジー変性剤は、ポリエチレンイミン及び誘導体であってもよい。
【0036】
非イオン性又はカチオン性である追加のレオロジー変性剤は、シリカであってもよい。非限定的な例としては、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、及びシリコーン表面処理シリカが挙げられる。
【0037】
非イオン性又はカチオン性である追加のレオロジー変性剤は、水膨潤性粘土であってもよい。非限定的な例としては、ラポナイト、ベントライト(bentolite)、モントモリロナイト(montmorilonite)、スメクタイト、及びヘクトナイトが挙げられる。
【0038】
非イオン性又はカチオン性である追加のレオロジー変性剤は、ガムであってもよい。非限定的な例としては、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、アラビアガム、トラガカント、ガラクタン、カロブガム、カラヤガム、及びローカストビーンガムが挙げられる。
【0039】
非イオン性又はカチオン性である追加のレオロジー変性剤は、ジベンジリデンソルビトール、カラギーナン、ペクチン、寒天、マルメロ種子(Cydonia oblonga Mill)、デンプン(コメ、トウモロコシ、ジャガイモ、コムギ由来など)、デンプン誘導体(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン)、藻類抽出物、デキストラン、サクシノグルカン(succinoglucan)、及びプレラン(pulleran)であってもよい。
【0040】
非イオン性又はカチオン性であるレオロジー変性剤の非限定的な例としては、アクリレートコポリマー;アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー、アクリレート/C10~C30アルキルアクリレートルクロスポリマー、アクリレート/ステアレス-20イタコネートコポリマー、アンモニウムポリアクリレート/イソヘキサデカン/PEG-40ヒマシ油、C12~16アルキルPEG-2ヒドロキシプロピルヒドロキシエチルエチルセルロース(HM-EHEC)、カルボマー、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、ジベンジリデンソルビトール、ヒドロキシエチルエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MEHEC)、PEG-150/デシルアルコール/SMDIコポリマー、PEG-150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー、ポリアクリルアミド/C13~14イソパラフィン/ラウレス-7、ポリアクリレート13/ポリイソブテン/ポリソルベート20、ポリアクリレートクロスポリマー-6、ポリアミド-3、ポリクオタニウム-37(及び)水素添加ポリデセン(及び)トリデセス-6、ポリウレタン-39、並びにクロスポリマー(及び)イソヘキサデカン(及び)ポリソルベート60が挙げられる。例示的な市販のレオロジー変性剤としては、Klucel M CS、Klucel H CS、Klucel G CS、Benecel E10M、Benecel K35M、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0041】
担体
本発明の別の態様によれば、頭皮ケア組成物は、少なくとも約20重量パーセントの水性担体を更に含んでいてもよい。水性担体は、例えば、脱塩水又は蒸留水から調製することができる。水性担体は、水、又は水と有機溶媒との組み合わせ(水と混和性又は非混和性)、又はシリコーン溶媒を含む。揮発性担体は、水、又は水と有機溶媒との混合物を含んでいてもよい。溶媒は、皮膚科学的に許容され得る。担体は、他の構成成分の微量成分として組成物に別途偶発的に組み込まれる場合を除き、最低限の濃度の有機溶媒しか含まないか又は有意な濃度の有機溶媒を含まない水を含んでいてもよい。250℃以下の沸点を有する水、有機溶媒、及びシリコーン溶媒は、揮発性溶媒及び揮発性担体である。揮発性溶媒は、90℃以下の沸点を有していてよく、非限定的な例としては、エタノールが挙げられる。250℃超の沸点を有する溶媒は、不揮発性であると考えられる。本発明において、水性担体は、約1%~約99%、約10%~約75%、及び約20%~約50%存在していてよい。本発明では、組成物は、約1%~約99%の揮発性担体であって、約10%未満が揮発性溶媒である、揮発性担体を有していてよい。
【0042】
担体の非限定的な例としては、水、並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液を挙げることができ、低級アルキルアルコールは、例えば、1~6個の炭素を有する一価アルコール、一態様では、エタノール及びイソプロパノール、並びにグリコール、グリセリン、及び他のジオールなどの多価アルコールである。
【0043】
水性担体で使用され得る他の許容可能な担体としては、エタノールなどのアルコール化合物が挙げられるが、これらに限定されない。組成物は、アルコール、ジプロピレングリコール、及び/又は水を含んでいてよい。
【0044】
頭皮ケア組成物は、約3.0~約10の範囲のpHを有していてよく、これは、25℃で組成物の標準的な水素電極を使用して直接pH測定を行うことによって測定することができる。したがって、ヘアケア組成物のpHは、非限定的な例として、約4~約9の範囲内であってよい。
【0045】
頭皮用健康剤
頭皮用健康剤は、界面活性剤可溶性又は粒子状であってもよい。界面活性剤可溶性頭皮用健康剤は、クリンバゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール及びエルビオールなどのアゾール;オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックス、リロピロックス及びMEA-ヒドロキシオクチルオキシピリジノンなどのヒドロキシピリドン;サリチル酸及び他のヒドロキシ酸などの角質溶解剤(kerolytic agents);アゾキシストロビンなどのストロビルリン、並びに1,10-フェナントロリンなどの金属キレート剤からなる群から選択される1種の材料又は混合物であってよい。
【0046】
本発明は、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるイミダゾールであり得るアゾール抗菌剤を含有していてもよく、又はアゾール抗菌剤は、テルコナゾール、イトラコナゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるトリアゾールである。アゾール抗菌剤はケトコナゾールであってもよい。
【0047】
本発明の組成物はまた、頭皮用健康剤粒子を含有してもよい。頭皮用健康剤粒子の好適な非限定例として、ピリジンチオン塩、硫化セレン、粒子状硫黄、及びこれらの混合物が挙げられる。このような頭皮用健康剤粒子は、組成物の必須構成成分と物理的及び化学的に適合しなければならず、そうでなければ製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なってはならない。
【0048】
1.ピリジンチオン塩
ピリジンチオン頭皮用健康剤粒子、特に1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩は、本発明の組成物において使用するための粒子状頭皮用健康剤であってよい。ピリジンチオン頭皮用健康剤粒子の濃度は、典型的には組成物の約0.1重量%~約10重量%の範囲である。本発明は、亜鉛、銅、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウムなどの重金属から形成されるものを含むピリジンチオン塩を含有していてよい。ピリジンチオン塩は、重金属亜鉛から、更には1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として知られている)から、また更には血小板状粒子形態の1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩から形成されてもよく、粒子は最大約20μの平均粒径を有する。粒子は、最大約5μの平均サイズを有していてよく、最大約2.5μであってもよい。他のカチオン(例えば、ナトリウム)から形成される塩もまた好適であり得る。ピリジンチオンふけ防止剤は、例えば、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。本明細書の組成物において、ZPTを頭皮用健康剤粒子として使用する際、毛髪の成長若しくは再生が刺激されるか、又は調節されるか、又はその両方が行われるか、又は脱毛が低減されるか若しくは阻害されるか、又は毛髪がより濃く若しくは豊かに見える可能性があると想到される。
【0049】
2.その他の抗菌活性物質
ピリチオンの多価金属塩から選択される頭皮用健康剤に加えて、本発明は、金属ピリチオン塩有効成分に加えて、1つ以上の抗真菌若しくは抗菌活性物質を更に含んでもよい。好適な抗菌活性物質としては、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジオイル、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イクチオールペール(ichthyol pale)、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。本発明は、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、及びコールタールを含む抗菌剤を含んでいてもよい。
【0050】
b.硫化セレン
硫化セレンは、本発明の抗菌性組成物に使用するのに好適な粒子状頭皮用健康剤である。硫化セレンは一般にセレン1モル及び硫黄2モルを有する化合物とみなされるが、一般式Se(式中x+y=8)に従う環式構造であってもよい。硫化セレンの平均粒径は、典型的には、前方レーザー光散乱装置(例えば、Malvern 3600装置)によって測定したとき、15μm未満、及び10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば、米国特許第2,694,668号、同第3,152,046号、同第4,089,945号、及び同第4,885,107号に記載されている。
【0051】
c.硫黄
硫黄もまた、本発明の抗菌性組成物において粒子状抗菌性/頭皮用健康剤として使用することができる。
【0052】
d.角質溶解剤
本発明は、サリチル酸などの1つ以上の角質溶解剤を更に含んでもよい。
【0053】
本発明はまた、界面活性剤可溶性抗頭皮用健康剤と粒子状頭皮用健康剤との組み合わせを含んでもよい。本発明は、オクトピロックスとジンクピリチオン、パインタールと硫黄、サリチル酸とジンクピリチオン、サリチル酸とエルビオール、ジンクピリチオンとエルビオール、ジンクピリチオンとクリンバゾール(climbasole)、オクトピロックスとクリンバゾール、サリチル酸とオクトピロックス、及びこれらの混合物からなる組み合わせの群から選択される抗菌活性物質の組み合わせを含んでいてもよい。
【0054】
e.追加の抗菌活性物質
本発明の追加の抗菌活性物質は、メラレウカ(茶木)及び炭の抽出物を含んでもよい。本発明はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでもよい。このような組み合わせには、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、オクトピロックスとクリンバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、ジンクピリチオンとクリンバゾール並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0055】
頭皮用健康剤は、約0.01%~10%、約0.1%~9%、約0.25%~8%、約0.5%~6%の量で存在していてよい。
【0056】
本発明は、有効量の不溶性亜鉛塩を更に含有していてもよい。不溶性亜鉛塩の非限定的な例は、シュウ酸亜鉛、タンニン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、クエン酸亜鉛、酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、オレイン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫化亜鉛、ウンデシジル酸亜鉛、及びこれらの混合物である。本発明において、組成物は、組成物の総重量の約0.001%~約10%、又は約0.01%~約7%、又は約0.1%~約5%の不溶性亜鉛塩を含んでいてもよい。
【0057】
本発明は、有効な量の亜鉛含有層状物質を更に含んでいてもよい。亜鉛含有層状物質は、結晶の成長が主に二次元で生じたものであってもよい。層構造は、全ての原子が明確な層に組み込まれているものだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層間にイオン又は分子があるものとして説明することが慣例的である(A.F.Wells「Structural Inorganic Chemistry」Clarendon Press,1975)。亜鉛含有層状物質(zinc-containing layered material、ZLM)は、亜鉛を層に組み込んでいてもよく、及び/又はギャラリーイオンの構成成分であってもよい。以下のZLMの部類は、一般的カテゴリの比較的一般的な例を代表するものであり、この定義に適合する、より広範囲の物質に関して限定的であることを意図するものではない。
【0058】
多くのZLMが鉱物として天然に存在する。ZLMは、水亜鉛土(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化亜鉛銅)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化銅亜鉛)、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。亜鉛を含有する関連鉱物が組成物中に含まれていてもよい。粘土性鉱物(例えば、フィロシリケート)等のアニオン性層の種がイオン交換された亜鉛ギャラリーイオンを含有する、天然のZLMもまた存在し得る。これら天然物質は全て、合成によって得ることもでき、又は組成物中においてその場で、若しくは製造プロセス中に形成することもできる。
【0059】
必ずしもそうではないが、多くの場合合成である、ZLMの別の一般的な部類は、層状複水酸化物である。ZLMは、式[M2+ 1-x3+ (OH)x+m- x/m・nHO(式中、二価イオン(M2+)の一部又は全ては、亜鉛イオンである)に一致する層状複水酸化物であってよい(Crepaldi,EL,Pava,PC,Tronto,J,Valim,JB J.Colloid Interfac.Sci.2002,248,429-42)。
【0060】
ヒドロキシ複塩と呼ばれる、更に別の部類のZLMを調製することもできる(Morioka,H.,Tagaya,H.,Karasu,M,Kadokawa,J,Chiba,K Inorg.Chem.1999,38,4211-6)。本発明において、ZLMは、式[M2+ 1-x2+ 1+x(OH)3(1-y)n- (1=3y)/n・nHO(式中、2つの金属イオン(M2+)は、同一であっても異なっていてもよい)に一致するヒドロキシ複塩であってよい。金属イオンが同一であって亜鉛で表される場合、式は簡素化され、[Zn1+x(OH)2x+ 2x A・nHOとなる。この後者の式は、ヒドロキシ塩化亜鉛及びヒドロキシ硝酸亜鉛等の物質を表す(x=0.4である場合)。ZLMは、ヒドロキシ塩化亜鉛及び/又はヒドロキシ硝酸亜鉛であってもよい。これらはまた、二価のアニオンで一価のアニオンを置き換える、水亜鉛土にも関する。また、これらの物質は、組成物中においてその場で、又は製造プロセス中に形成することができる。
【0061】
本発明では、組成物は、塩基性炭酸亜鉛を含んでいてもよい。塩基性炭酸亜鉛の市販供給源としては、塩基性炭酸亜鉛(Cater Chemicals:Bensenville,IL,USA)、炭酸亜鉛(Shepherd Chemicals:Norwood,OH,USA)、炭酸亜鉛(CPS Union Corp.:New York,NY,USA)、炭酸亜鉛(Elementis Pigments:Durham,UK)、及び炭酸亜鉛AC(Bruggemann Chemical:Newtown Square,PA,USA)が挙げられる。塩基性炭酸亜鉛は、商業的には、「炭酸亜鉛」、「炭酸亜鉛塩基」、又は「ヒドロキシ炭酸亜鉛」と呼ばれる場合もあるが、天然の水亜鉛土に似た物質からなる合成物である。理想的な化学量論は、Zn(OH)(COにより表されるが、実際の化学量論的比はわずかに変化することがあり得、また他の不純物が結晶格子内に組み込まれる場合がある。
【0062】
本発明では、組成物は、有効な量の亜鉛含有層状物質を含んでいてもよい。本発明において、組成物は、組成物の総重量の約0.001%~約10%、又は約0.01%~約7%、又は約0.1%~約5%の亜鉛含有層状物質を含んでいてもよい。
【0063】
亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する本発明では、亜鉛含有層状物質のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩に対する比は、約5:100~約10:1、又は約2:10~約5:1、又は約1:2~約3:1であってよい。
【0064】
ポリオール
ポリオールは、本発明の構成成分であり、ポリオールの非限定的な例は、グリセリンである。グリセリンは、パーソナルケア用途及び医薬製剤で非常に広く使われている無色無臭の粘性液体である。グリセリンは、その水溶性と保湿性に関与する3つのヒドロキシル基を含む。グリセリンは、パーソナルケア用途において毛髪及び皮膚用有益剤として周知である。この物質は、非常に清潔な表面触感を保持しながら、ヒトの毛髪に浸透して、毛髪繊維の柔軟化によって、コンディショニング性と柔らかさをもたらすことができる。グリセリンは、水よりも疎水性の高い汚れ成分(すなわち、皮脂)を除去することが観察されている。
【0065】
グリセリンの濃度は、シャンプー組成物の約0.1重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約1重量%~約7重量%、及び約3.0重量%~約6.0重量%の範囲である。
【0066】
頭皮ケア組成物では、他のポリオールを使用してもよい。非限定的な例としては、プロピレングリコール、ソルビトールなどの糖ポリオール、アロエベラゲル、及びハチミツが挙げられる。
【0067】
シリコーン
本発明の組成物のコンディショニング剤は、シリコーンコンディショニング剤であってよい。シリコーンコンディショニング剤は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含み得る。シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、組成物の約0.01重量%~約10重量%、約0.1重量%~約8重量%、約0.1重量%~約5重量%、及び/又は約0.2重量%~約3重量%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーン用の任意の懸濁化剤の非限定的な例が、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されており、これらの記載は参照により本明細書に組み込まれる。本発明の組成物で使用するためのシリコーンコンディショニング剤は、25℃で測定したとき、約20~約2,000,000センチストーク(「cSt」)、約1,000~約1,800,000cSt、約50,000~約1,500,000cSt、及び/又は約100,000~約1,500,000cStの粘度を有していてよい。
【0068】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、典型的には、約0.01マイクロメートル~約50マイクロメートルの範囲の体積平均粒径を有する。小さな粒子を毛髪に塗布する場合、体積平均粒径は、典型的には、約0.01マイクロメートル~約4マイクロメートル、約0.01マイクロメートル~約2マイクロメートル、約0.01マイクロメートル~約0.5マイクロメートルの範囲である。より大きな粒子を毛髪に塗布する場合、体積平均粒径は、典型的には、約5マイクロメートル~約125マイクロメートル、約10マイクロメートル~約90マイクロメートル、約15マイクロメートル~約70マイクロメートル、及び/又は約20マイクロメートル~約50マイクロメートルの範囲である。
【0069】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を考察する項を含むシリコーンに関する更なる資料が、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp 204-308,John Wiley & Sons,Inc.(1989)に見られ、参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
本発明で用いるのに好適なシリコーンエマルションとしては、米国特許第4,476,282号、及び米国特許出願公開第2007/0276087号に記載の説明に従って調製される不溶性ポリシロキサンのエマルションを挙げることができるが、これらに限定されない。したがって、好適な不溶性ポリシロキサンとしては、約50,000~約500,000g/モルの範囲内の分子量を有するα,ωヒドロキシ末端ポリシロキサン又はα,ωアルコキシ末端ポリシロキサンなどのポリシロキサンが挙げられる。不溶性ポリシロキサンの平均分子量は、約50,000~約500,000g/モルの範囲内であることができる。例えば、不溶性ポリシロキサンの平均分子量は、約60,000~約400,000;約75,000~約300,000;約100,000~約200,000の範囲内であってもよく、又は平均分子量は約150,000g/モルであってもよい。不溶性ポリシロキサンは、約30nm~約10マイクロメートルの範囲内の平均粒径を有し得る。平均粒径は、例えば、約40nm~約5マイクロメートル、約50nm~約1マイクロメートル、約75nm~約500nmの範囲内、又は約100nmであってもよい。
【0071】
不溶性ポリシロキサンの平均分子量、シリコーンエマルションの粘度、及び不溶性ポリシロキサンを含む粒子の大きさは、Smith,A.L.The Analytical Chemistry of Silicones,John Wiley & Sons,Inc.:New York,1991に開示されている方法のように、当業者に広く用いられている方法によって測定される。例えば、シリコーンエマルションの粘度は、2.5rpmでスピンドル6を備えたBrookfield粘度計を用いて30℃で測定することができる。シリコーンエマルションは、追加の乳化剤を、アニオン性界面活性剤と共に更に含んでいてよい。
【0072】
本発明の組成物で使用するのに好適なシリコーンの他の部類としては、i)25℃で測定したとき約1,000,000cSt未満の粘度を有する流動性材料であるシリコーン流体(シリコーン油が挙げられるが、これらに限定されない)、ii)少なくとも1つの一級、二級、又は三級アミンを含有する、アミノシリコーン、iii)少なくとも1つの四級アンモニウム官能基を含有するカチオン性シリコーン、iv)シリコーンゴム(25℃で測定したとき1,000,000cSt以上の粘度を有する物質を含む);v)高架橋ポリマーシロキサン系を含むシリコーン樹脂、vi)少なくとも1.46の屈折率を有する高屈折率シリコーン、及びvii)これらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0073】
有機コンディショニング物質
本発明のシャンプー組成物のコンディショニング剤はまた、単独で又は上記のシリコーンなどの他のコンディショニング剤と組み合わせて、油又はワックスなどの少なくとも1つの有機コンディショニング物質を含んでいてもよい。有機材料は、非ポリマー、オリゴマー、又はポリマーであり得る。これは、油又はワックスの形態であってよく、配合物にそのまま添加してもよいし、予備乳化した形態で添加してもよい。有機コンディショニング材料のいくつかの非限定例としては、i)炭化水素油、ii)ポリオレフィン、iii)脂肪族エステル、iv)フッ素化コンディショニング化合物、v)脂肪族アルコール、vi)アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体、vii)四級アンモニウム化合物、viii)CTFA名称がPEG-200、PEG-400、PEG-600、PEG-1000、PEG-2M、PEG-7M、PEG-14M、PEG-45Mであるもの、及びこれらの混合物などの、最大約2,000,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0074】
頭皮用健康活性物質
頭皮ケア組成物では、頭皮用健康剤によって提供される抗真菌/ふけ防止効果に加えて頭皮に対する利益を提供するために、頭皮用健康活性物質を添加してもよい。この物質の群は変化し、保湿、バリア改善、抗真菌、並びに抗酸化、かゆみ止め、及び感覚惹起を含む幅広い効果をもたらす。このような皮膚用健康活性物質としては、ビタミンE及びF、サリチル酸、グリコール、グリコール酸、PCA、PEG、エリスリトール、グリセリン、乳酸塩、ヒアルロン酸塩、アラントイン及び他の尿素、ベタイン、ソルビトール、グルタミン酸、キシリトール、メントール、乳酸メンチル、イソシクロモン、ベンジルアルコール、並びにペパーミント、スペアミント、アルガン、ホホバ及びアロエを含む天然抽出物/油が挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
任意成分
本発明の組成物は、また、所望に応じて任意の好適な任意成分を更に含んでもよい。例えば、組成物は、他の活性又は不活性成分を任意に含み得る。
【0076】
組成物は、ミノキシジル、シリコーン、グリセリン、コンディショニング剤、及び他の好適な物質などの他の一般的な毛髪成分を含んでいてよい。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Tenth Edition(the Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)より出版)(2004年)(本明細書において以下「CTFA」と呼ぶ)に、本明細書の組成物に付加され得る様々な非限定的な材料が記載されている。これらの成分の部類の例としては、研磨剤;吸収剤;芳香剤、顔料、着色剤/染料、精油、皮膚感覚剤、収斂剤等の美的成分(例えば、丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール、メンチルラクテート、ウィッチヘーゼル留出物);抗ニキビ剤;固化防止剤;消泡剤;抗菌剤(例えば、ヨードプロピルブチルカーバメート);酸化防止剤;結合剤;生物学的添加物;緩衝剤;増量剤;キレート化剤;化学添加物;染料;美容収斂剤;美容殺生剤;変性剤;薬用収斂剤;外用鎮痛剤;被膜形成剤又は物質、例えば、組成物の被膜形成特性及び持続性を補助するためのポリマー(例えば、エイコセン及びビニルピロリドンのコポリマー);不透明化剤;pH調整剤;推進剤;還元剤;封鎖剤;レオロジー変性剤;毛髪コンディショニング剤;及び界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
本発明の配合物は、典型的なヘアケア組成物中で提供することができる。配合物は、溶液又は分散液の形態であってもよい。本発明の組成物は、ヘアトニック、トリートメント、及びスタイリング製品、及びトリートメント製品、並びに毛髪に塗布することができる任意の他の形態であってよく、更に、この組成物は、頭皮並びに/又は毛髪及び頭皮に塗布してよい。
【0078】
II.結果
水、50%エタノール、0.1% ZPT、0.16%炭酸亜鉛、0.45%ピロクトンオラミン、0.5%芳香剤からなる単純な頭皮トリートメントシャーシで、いくつかのポリマーを試験する。ポリマーは、製造業者によって推奨される濃度で添加され、潜在的に本発明の系で機能するように選択され得る異なる分類の材料を表す。全ての場合において、材料が系に適合しない場合、明らかな負の相互作用又は粘度上昇の欠如が存在するので、その材料を更なるフォローアップから排除する。スクリーニングした材料を示す表1を以下に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
処方及び実施例
実施例においては、別途記載のない限り、全ての濃度は重量%として掲載されており、希釈剤、充填剤などの微量の物質は除外され得る。そのため、掲載した処方は、掲載した構成成分及びそのような構成成分に関連する任意の微量物質を含む。当業者にとっては明らかであるとおり、これらの微量物の選択は、ヘアケア組成物を作製するために選択した特定成分の物理的及び化学的特性に応じて変わる。
【0081】
【表2】
【0082】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0083】
「発明を実施するための形態」の中で引用される文献は全て、関連部分において参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本文献における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における同じ用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本文献においてその用語に割り当てられた意味又は定義が優先するものとする。
【0084】
本発明を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。