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特許7677912ジアリールアミド化合物及びそれらの用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】ジアリールアミド化合物及びそれらの用途
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/341 20060101AFI20250508BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/40 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/421 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20250508BHJP
   A61K 31/4035 20060101ALI20250508BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20250508BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20250508BHJP
   C07D 307/68 20060101ALI20250508BHJP
   C07D 307/72 20060101ALI20250508BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20250508BHJP
   A61P 7/10 20060101ALI20250508BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20250508BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20250508BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20250508BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250508BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250508BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20250508BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20250508BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20250508BHJP
【FI】
A61K31/341
A61K31/167
A61K31/381
A61K31/40
A61K31/421
A61K31/443
A61K31/497
A61K31/506
A61K31/501
A61K31/4709
A61K31/422
A61K31/4155
A61K31/5377
A61K31/496
A61K31/4035
C07D405/12 CSP
C07D409/12
C07D307/68
C07D307/72
A61P9/04
A61P7/10
A61P13/12
A61P9/10
A61P1/16
A61P35/00
A61P43/00 105
A61P3/00
A61P1/00
A61P9/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021575322
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2020096939
(87)【国際公開番号】W WO2020253802
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】201910531710.X
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515014990
【氏名又は名称】サンシャイン・レイク・ファーマ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUNSHINE LAKE PHARMA CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Northern Industrial Area,Songshan Lake,Dongguan,Guangdong 523000,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、パオシュエ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ルンタオ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、シュン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シューユァン
【審査官】早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-126154(JP,A)
【文献】特表2015-520151(JP,A)
【文献】国際公開第2013/165606(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/007625(WO,A2)
【文献】特公昭39-000488(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第104825454(CN,A)
【文献】特表2003-502426(JP,A)
【文献】特表2007-508347(JP,A)
【文献】Robert J. M. H. et al.,Non-carboxylic antiinflammatory compounds. III. N-(4,6-Dimethylpyridin-2-yl)arylcarboxamides and arylthiocarboxamides acting as brain edema inhibitors,European Journal of Medicinal Chemistry,1995年,30(12),pp. 915-924
【文献】Zhou, L. et al.,A Class of 5-Nitro-2-furancarboxylamides with Potent Trypanocidal Activity against Trypanosoma brucei in Vitro,Journal of Medicinal Chemistry,2013年,56(3),pp. 796-806
【文献】Gupta, Revathi A. et al.,Exploration of Physicochemical Properties and Molecular Modeling Studies of Furanylamide Analogs as Antituberculosis Agents,QSAR & Combinatorial Science,2007年,26(8),pp. 897-907
【文献】De La Fuente, R. et al.,Small molecules with antimicrobial activity against E. coli and P. aeruginosa identified by high-throughput screening,British Journal of Pharmacology,2006年,149(5),pp. 551-559
【文献】REGISTRY(STN)[online],Entered STN: 2018年3月2日以前,[検索日:2024年3月16日],CAS登録番号:2183371-69-7, 908538-64-7
【文献】Li, Min et al.,Developing Hypothetical Inhibition Mechanism of Novel Urea Transporter B Inhibitor,Scientific Reports,2014年,4,5775
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む、利尿薬としての使用のための医薬組成物であって、
【化1】
式中、
環Aは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、ピラゾリル、又はフェニルであるヘテロアリール又はアリール基からなる群から選択され;
環Bは、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、又はピリダジニルからなる群から選択され;
前記環A及び環Bは、それぞれR及びRで任意に置換され、
は、ニトロ、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキルカルボニルアミノ、及びC1-6アルキルスルホニルからなる群から選択され;
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルカルボニル、C1-6アルコキシカルボニル、Rで任意に置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ、Rで任意に置換された6員環の複素環式置換基、N-(C1-6アルキル)アミノ、N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノ、並びにR及びRで置換されたアミノカルボニルからなる群から選択され;
及びRは、それぞれ独立して、H、C1-6アルキル、N-(C1-6アルキル)アミノC-Cアルキル、及びN,N-ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルからなる群から選択され;並びに
は、C1-6アルキル、ニトロ、C1-6アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-6アルキル)アミノ、N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノ、及びN,N-ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルアミノからなる群から選択され
前記複素環式置換基は、ピペリジニル、モルホリニル、及びピペラジニルからなる群から選択される、医薬組成物
【請求項2】
以下の化合物(1)~(79):
(1)N-(4-アセトアミドフェニル)-4-ニトロベンズアミド;
(2)N-(4-アセチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(3)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(4)N-(4-アセトアミドフェニル)フラン-2-カルボキサミド;
(5)N-フェニル-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(6)N-(4-アセトアミドフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド;
(7)N-(4-アセトアミドフェニル)-1H-ピロール-2-カルボキサミド;
(8)N-(4-アセトアミドフェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド;
(9)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド;
(10)N-(ピリジン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(11)N-(ピリジン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(12)N-(ピリジン-4-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(13)N-(ピラジン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(14)N-(ピリミジン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(15)N-(ピリダジン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(16)N-(キノリン-6-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(17)N-(チオフェン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(18)N-(チオフェン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(19)N-(イソオキサゾール-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(20)N-(1H-ピラゾール-5-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(21)N-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(22)N-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(23)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-ブロモフラン-2-カルボキサミド;
(24)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセトアミドフラン-2-カルボキサミド;
(25)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-メチルスルホニルフラン-2-カルボキサミド;
(26)N-(2-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(27)N-(3-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(28)N-(3-メチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(29)N-(2-メトキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(30)N-(3-メトキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(31)N-(4-メトキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(32)N-(3-ヒドロキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(33)N-(4-ヒドロキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(34)N-(3-アミノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(35)N-(2-フルオロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(36)N-(3-フルオロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(37)N-(4-フルオロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(38)N-(3-クロロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(39)N-(4-クロロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(40)N-(3-シアノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(41)N-(4-シアノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(42)エチル3-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート;
(43)エチル4-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート;
(44)N-(3-カルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(45)N-(4-カルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(46)N-(3-アセチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(47)N-(4-ジメチルアミノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(48)N-(4-モルホリニルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(49)N-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(50)N-(4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(51)N-(4-アミノメチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(52)N,N’-(1,4-フェニレン)ビス(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド);
(53)N-(3-(メチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(54)N-(3-(ジメチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(55)N-(3-(エチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(56)N-(3-(イソプロピルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(57)N-(3-(イソブチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(58)N-(3-(シクロヘキシルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(59)N-(3-(ベンジルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(60)N-(3-((2-ジメチルアミノエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(61)N-(3-((2-モルホリニルエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(62)N-(3-((3-モルホリニルプロピル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(63)N-(4-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(64)N-(5-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(65)N-(4-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(66)N-(5-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(67)N-(4-ヒドロキシ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(68)N1,N3-ジメチル-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)イソフタルアミド;
(69)N-(2-メチル-1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-5-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(70)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセチルフラン-2-カルボキサミド;
(71)N-(4-(2-ジメチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(72)N-(4-(2-モルホリニル)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(73)N-(4-(3-ジメチルアミノ)プロピオンアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(74)N-(4-((2-ジメチルアミノ)エチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(75)エチル2-アセトアミド-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート;
(76)エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート;
(77)エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート;
(78)N-メチル-3-[(5-アセチル-2-フロイル)アミノ]ベンズアミド;及び
(79)N-3-(エチニルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド、
又はその薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む、利尿薬としての使用のための医薬組成物
【請求項3】
前記利尿薬が更に、浮腫疾患を治療するために使用され、前記浮腫疾患は、うっ血性心不全及び/又は収縮性心膜炎による心原性浮腫;急性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎動脈硬化症及び/又は尿細管疾患による腎原発性浮腫;肝硬変、肝壊死、肝臓癌及び/又は急性肝炎による肝性浮腫;原発性の食物摂取不足、続発性栄養不良、消化吸収障害及び/又はタンパク質合成障害による栄養障害性浮腫;結合組織疾患による浮腫;アレルギー性浮腫;内分泌浮腫;特発性浮腫;静脈閉塞性浮腫;リンパ性閉塞性浮腫;炎症性浮腫;血管神経性浮腫;脳浮腫;喉頭浮腫;肺水腫並びに/或いは下肢浮腫を含む、請求項1又は2に記載の医薬組成物
【請求項4】
以下の化合物
(15)N-(ピリダジン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(17)N-(チオフェン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(25)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-メチルスルホニルフラン-2-カルボキサミド;
(26)N-(2-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(51)N-(4-アミノメチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(53)N-(3-(メチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(55)N-(3-(エチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(56)N-(3-(イソプロピルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(57)N-(3-(イソブチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(58)N-(3-(シクロヘキシルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(60)N-(3-((2-ジメチルアミノエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(61)N-(3-((2-モルホリニルエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(62)N-(3-((3-モルホリニルプロピル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(63)N-(4-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(64)N-(5-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(65)N-(4-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(66)N-(5-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(67)N-(4-ヒドロキシ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(68)N1,N3-ジメチル-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)イソフタルアミド;
(69)N-(2-メチル-1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-5-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(70)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセチルフラン-2-カルボキサミド;
(71)N-(4-(2-ジメチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(72)N-(4-(2-モルホリニル)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(73)N-(4-(3-ジメチルアミノ)プロピオンアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(74)N-(4-((2-ジメチルアミノ)エチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(75)エチル2-アセトアミド-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート;
(76)エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート;
(77)エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート;及び
(78)N-メチル-3-[(5-アセチル-2-フロイル)アミノ]ベンズアミド、
又はその薬学的に許容可能な塩からなる群から選択されるジアリールアミド化合物、又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
請求項4に記載の前記化合物又はその薬学的に許容可能な塩、及び薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月19日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第201910531710.X号の優先権及び利益を主張し、その開示はそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、利尿薬の分野、特にジアリールアミド化合物、その薬学的に許容可能な塩及び尿素輸送体阻害剤としての薬物の調製におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
1.利尿薬の現在の用途及び研究のホットスポット
利尿薬は腎臓に作用して水の排泄を増加させる。臨床的には、これらは主に、様々な理由によって引き起こされる浮腫を治療するために使用され、且ついくつかの非浮腫性疾患を治療するためにも使用され得る。例えば、第一選択薬として、高血圧を治療するために、これらは単独で又は他の薬物と組み合わせて使用され得、且つ心血管及び脳血管疾患の発生及び死亡率を低下させる。利尿薬は、利尿薬の異なる作用部位に応じて、カリウム保持性利尿薬、サイアザイド系利尿薬、ループ利尿薬、及び炭酸脱水酵素阻害薬に分けられ得る。アミロライド及びトリアムテレンに代表されるカリウム保持性利尿薬は、主にNa、K及びHの交換を直接遮断することによって利尿効果を発揮する。さらに、カリウム保持性利尿薬は、アルドステロンのレベルを間接的に調節することによっても利尿効果を発揮することができる。サイアザイド系利尿薬は主に、遠位曲尿細管及び集合管のNa-Cl共輸送体に作用してNaClの再吸収を妨げることにより、利尿効果を発揮する。ループ利尿薬は、髄質ループのNa-K-2Cl共輸送体に作用してNaClの再吸収を妨げることによって利尿効果を発揮する。この部分はNaCl再吸収の主要部分であるため、尿濃度に大きな影響を有する。したがって、ループ利尿薬はより強力な利尿効果を有する。しかし、利尿効果を発揮しながら、Na、K、及びClの増加した排泄を導くであろう。したがって、利尿薬の長期間の使用は、水分及び電解質平衡異常、不十分な血液量、代謝性酸塩基平衡異常、並びに血中脂質及びグルコース障害等の有害反応を引き起こす可能性がある。したがって、電解質異常を引き起こさない新しい利尿薬の開発は、利尿薬の研究及び開発の分野におけるホットスポットである。
【0004】
バソプレシンV2受容体拮抗薬は、バソプレシンのその受容体への結合に特異的に拮抗する薬物の一種であり、これは腎臓の集合管の主細胞内の小胞においてアクアポリン2(AQP2)をリン酸化し、且つこれを細胞の頂端部細胞膜に挿入し、集合管内の水の再吸収を増加させ、それによって利尿効果を発揮することができる。バソプレシンV2受容体拮抗薬は、正常な体積及び循環血液量過多の低ナトリウム血症等の疾患に適しているが、V2受容体の下流経路がより複雑であり、これは肝毒性及び他の有害反応を引き起こす可能性があるため、利尿薬として完全に理想的というわけではない。したがって、我々は、電解質異常等の副作用を引き起こすことなく、利尿効果を発揮することができる新しいタイプの利尿薬を見出すことを望む。
【0005】
尿素輸送体(UT)は、尿濃縮の機構において非常に重要な役割を果たす特異的尿素透過性細胞膜貫通タンパク質である。尿素輸送体の選択的ノックアウトは、腎臓における尿素循環経路を遮断し、尿濃縮能を低下させ、且つNa、K及びClの排泄に影響を及ぼすことなく尿素選択的利尿をもたらすことができる。したがって、尿素輸送体阻害剤は、身体の電解質平衡に有意に影響を及ぼすことなく腎内尿素サイクルによって確立される腎内浸透圧差を低下させるための利尿薬として使用され得、それによって利尿効果をもたらし、且つ様々な理由(例えば、うっ血性心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群等)によって引き起こされる浮腫疾患に罹患している患者及び非浮腫疾患(例えば、心不全、心血管及び脳血管疾患等)に罹患している患者を治療するために使用されている。
【0006】
2.腎臓における尿濃度機構及び尿素サイクル過程
正常な人は、1日当たり約180リットルの原尿を生成するが、1日当たりに排泄される実際の最終尿量は、わずか約1.5リットルである。尿素は尿中で最も豊富な溶質であり、尿の全溶質の40~50%を占める。尿中の尿素の濃度は、血漿中の尿素の濃度よりも100倍高くなり得る(Yang B and Bankir L.Renal handling of urea in transgenic mice lacking the urea transporter UT-B,Am J Physiol Renal Physiol,2005,288:F881-F896)。尿素は、尿濃縮の機構に関与する主要な溶質であり、対向流増幅及び対向流交換の過程を通じた腎内尿素循環の機構によって、髄質外部から髄質内部へと徐々に増加した濃度を有し、且つ腎皮質から腎髄質への塩化ナトリウムとの浸透圧勾配を形成し、それによって腎臓が尿を効果的に濃縮して、水及び特定の溶質が効果的に再吸収され得る。腎内尿素循環の機構は、具体的には、(1)バソプレシンの制御下における集合管による水の再吸収及び尿素の不透過性が、集合管内の高濃度な尿素を導き、(2)髄質内部集合管の末端の尿素に対する増加した透過性が、高濃度の尿素が髄質内部の間質組織に浸透することを可能にし、(3)髄質尿素が、髄質内部の上行枝を介して血液によって腎皮質に連続的に運ばれ、且つ髄質ループの下行枝及び小血管の下行枝の細区分の特定の区分による尿素の透過を介して髄質に戻され、それによって腎皮質から腎髄質への尿素勾配及び浸透圧勾配を維持することを含む。この過程は、尿濃縮の機構において非常に重要である(Sands JM.Renal urea transporters,Curr Opin Nephrol Hypertens,2004,13:525-532)。髄質内部の一直線微小血管の上行枝の内皮細胞が、微小孔内で尿素を透過させることを除いて、尿素に対する上記部分の透過性は、尿素輸送体によって媒介される(Smith CP and Rousselet G.Facilitative Urea transporters,J MembrancBiol,2001,183:1-14)。
【0007】
尿素輸送体は、尿素を特異的に透過させる膜輸送体タンパク質である。現在、2つのサブファミリUT-A及びUT-Bそれぞれに属する7つのメンバがクローニングされている。UT-Aサブファミリは、異なるプロモータ及び転写後スプライシングの調節を介して同じ遺伝子(Slc14a2)から産生される6つのメンバ(UT-A1~UT-A6)を含み(Bagnasco SM.Gene structure of urea transporters,Am J Physiol,2003,284:F3-F10、Shayakul C and Hediger MA.The SLC14 gene family of urea transporters,Pfluegers Arch,2004,447:603-609)、且つUT-Bサブファミリはただ1つのメンバUT-Bを有する。腎臓の異なる部分で発現される5つの尿素輸送体が存在し、UT-A1、UT-A3、及びUT-A4(UT-A4はラットでのみ発現される)は腎集合管の上皮細胞で発現され、且つUT-A2は腎髄質ループの下行枝の細区分で発現され、UT-A5及びUT-A6はそれぞれ精巣及び結腸で発現される。UT-Bは、別の遺伝子(Slc14a1)によって発現され、腎臓、赤血球、並びに様々な組織及び器官の一直線微小血管の下行枝の内皮細胞に位置する。UT-A1、UT-A2、UT-A3、UT-A4及びUT-Bは、腎臓の尿素サイクルの対応する部分の尿素透過性を媒介し、腎臓の尿素サイクルの過程で重要な役割を果たし、且つ尿濃縮の機構に関与する。
【0008】
3.尿素輸送体の機能的ノックアウトは、尿素選択的利尿効果をもたらし、且つ血圧を低下させることができる
尿素輸送体遺伝子ノックアウトマウスモデルを使用することによって実施された腎臓生理学の研究結果(Yang B,Bankir L,Gillepsie A.Urea-selective concentrating defect in transgenic mice lacking urea transporter UT-B,J Biol Chem,2002,277:10633-10637)は、UT-Bを欠損しているマウスは、異常な成長及び発達を示さないことを示す。UT-Bノックアウトは、糸球体濾過率、腎臓重量、尿素以外の尿中の主要溶質(Na、K、Cl)のクリアランスに影響を及ぼさない。しかし、その尿濃縮能は著しく変化しており、尿量が増加し、尿浸透圧が低下し、且つ血中尿素濃度に対する尿中尿素の比率は野生型マウスのわずか50%である。実験結果は、腎臓の一直線小血管においてUT-Bによって媒介される尿素輸送が、腎臓の総尿濃縮能の1/3を占めることを示す(Bankir L,Chen K and Yang B.Renal handling of urea in transgenic mice lacking the urea transporter UT-B,Am J Physiol,2004,286:F144-F151)。塩基性条件下では、UT-A1/UT-A3遺伝子欠損マウスは、野生型マウスの濃度の35%に低下した尿濃縮能を有し、且つそれらの尿量は野生型マウスよりも3倍高い。さらに、それらの尿浸透圧は、水分摂取の厳密な制御の5日後に上昇しない。UT-A1/UT-A3ノックアウトマウスの腎臓髄質内部における尿素の蓄積も有意に減少した(正常レベルの1/3)(Fenton RA,Chou CL,Stewart GS.Urinary concentrating defect in mice with selective deletion of phloretin-sensitive urea transporters in the renal collecting duct,Proc Natl Acad Sci,2004,101:7469-7474、Fenton,R.A.,Flynn A,Shodeinde A.Renal phenotype of UT-A urea transporter knockout mice,J Am Soc Nephrol.2005,16:1583-1592)。全てのUTノックアウトマウスは有意な多尿を示し、且つ平均1日尿量は野生型マウスの尿量の約3倍である。脱水後、野生型マウスの尿浸透圧は顕著に上昇するが、全てのUTノックアウトマウスの尿浸透圧はよりゆっくりと上昇する。したがって、HE染色切片は、野生型マウス及び全てのUTノックアウトマウスの腎皮質及び髄質外部がいずれの組織学的異常も有さないことを示す。全てのUTノックアウトマウスの腎臓髄質内部において、集合管の拡張が観察され得たが、野生型マウスはこの現象を有さない(Jiang,T.,Li,Y.,Layton A.T.,Wang,W.,Sun,Y.,Li,M.,Zhou,H.,and Yang,B.(2017).Generation and phenotypic analysis of mice lacking all urea transporters.Kidney Int 91,338-351)。したがって、UT-B又はUT-A1/UT-A3の選択的ノックアウトは、Na、K、Clに影響を及ぼすことなく、腎臓尿素循環経路を遮断し、尿濃縮能を低下させ、選択的尿素利尿効果を生じさせることができる。したがって、尿素輸送体阻害剤は、利尿薬として腎臓に作用し、且つ水の排泄を増加させることができ、したがって、うっ血性心不全、ネフローゼ症候群及び浮腫等の保水性疾患を治療するために臨床的に使用され得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】Yang B and Bankir L.Renal handling of urea in transgenic mice lacking the urea transporter UT-B,Am J Physiol Renal Physiol,2005,288:F881-F896
【文献】Sands JM.Renal urea transporters,Curr Opin Nephrol Hypertens,2004,13:525-532
【文献】Smith CP and Rousselet G.Facilitative Urea transporters,J MembrancBiol,2001,183:1-14
【文献】Bagnasco SM.Gene structure of urea transporters,Am J Physiol,2003,284:F3-F10
【文献】Shayakul C and Hediger MA.The SLC14 gene family of urea transporters,Pfluegers Arch,2004,447:603-609
【文献】Yang B,Bankir L,Gillepsie A.Urea-selective concentrating defect in transgenic mice lacking urea transporter UT-B,J Biol Chem,2002,277:10633-10637
【文献】Bankir L,Chen K and Yang B.Renal handling of urea in transgenic mice lacking the urea transporter UT-B,Am J Physiol,2004,286:F144-F151
【文献】Fenton RA,Chou CL,Stewart GS.Urinary concentrating defect in mice with selective deletion of phloretin-sensitive urea transporters in the renal collecting duct,Proc Natl Acad Sci,2004,101:7469-7474
【文献】Fenton,R.A.,Flynn A,Shodeinde A.Renal phenotype of UT-A urea transporter knockout mice,J Am Soc Nephrol.2005,16:1583-1592
【文献】Jiang,T.,Li,Y.,Layton A.T.,Wang,W.,Sun,Y.,Li,M.,Zhou,H.,and Yang,B.(2017).Generation and phenotypic analysis of mice lacking all urea transporters.Kidney Int 91,338-351
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
コンピュータハイスループットスクリーニング及び合理的な薬物設計方法を通して、本発明は、良好な尿素輸送体阻害活性及び優れた薬性を有するジアリールアミド化合物及びその薬学的に許容可能な塩のクラスを見出す。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様として、本発明は、尿素輸送体阻害剤としての薬物の調製における式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を記載し、
【化1】
式中、
環A及び環Bは、それぞれ独立して、5~6員環のヘテロアリール基又は5~6員環のアリール基であり、
環A及び環Bは、それぞれR及びRで任意に置換され、
は、ニトロ、ハロゲン、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルスルホニル及びピリド基からなる群から選択され、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ピリド、Rで任意に置換されたアルキルカルボニルアミノ、Rで任意に置換された複素環式又は環式置換基、Rで任意に置換されたヘテロアリールカルボニルアミノ、N-アルキルアミノ、N,N-ジ(アルキル)アミノ、並びにR及びRで置換されたアミノカルボニルからなる群から選択され、
ここで、R及びRは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル、アルキル、Rで任意に置換された複素環式又は環式置換基、Rで任意に置換された複素環式又は環式のアルキル、Rで任意に置換されたヘテロアリール又はアリールアルキル、N-(アルキル)アミノアルキル、及びN,N-ジ(アルキル)アミノアルキルからなる群から選択され、且つ
は、アルキル、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、N-(アルキル)アミノ、N,N-ジ(アルキル)アミノ、N,N-ジ(アルキル)アミノアルキルアミノ、及び複素環式又は環式置換基からなる群から選択される。
【0012】
本発明の第2の態様として、本発明はまた、治療有効量の本発明に係る式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、尿素輸送体阻害剤に関連する疾患を治療又は予防する方法を記載する。
【0013】
本発明の第3の態様として、本発明はまた、尿素輸送体阻害剤に関連する疾患の治療又は予防における使用のための本発明に係る式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を記載する。
【0014】
本発明の第4の態様として、本発明はまた、尿素輸送体阻害剤としての使用のための本発明に係る式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を記載する。
【0015】
本発明の第5の態様として、本発明はまた、尿素輸送体阻害剤に関連する疾患の治療における本発明に係る式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を記載する。
【0016】
本発明の第6の態様として、本発明は、ジアリールアミド化合物又はその薬学的に許容可能な塩を記載し、ジアリールアミド化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、以下の化合物又はその薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される。
(15)N-(ピリダジン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(17)N-(チオフェン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(25)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-メチルスルホニルフラン-2-カルボキサミド;
(26)N-(2-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(51)N-(4-アミノメチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(53)N-(3-(メチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(55)N-(3-(エチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(56)N-(3-(イソプロピルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(57)N-(3-(イソブチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(58)N-(3-(シクロヘキシルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(59)N-(3-(ベンジルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(60)N-(3-((2-ジメチルアミノエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(61)N-(3-((2-モルホリニルエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(62)N-(3-((3-モルホリニルプロピル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(63)N-(4-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(64)N-(5-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(65)N-(4-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(66)N-(5-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(67)N-(4-ヒドロキシ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(68)N,N-ジメチル-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)イソフタルアミド;
(69)N-(2-メチル-1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-5-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(70)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセチルフラン-2-カルボキサミド;
(71)N-(4-(2-ジメチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(72)N-(4-(2-モルホリニル)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(73)N-(4-(3-ジメチルアミノ)プロピオンアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(74)N-(4-((2-ジメチルアミノ)エチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(75)エチル2-アセトアミド-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート;
(76)エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート;
(77)エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート;及び
(78)N-メチル-3-[(5-アセチル-2-フロイル)アミノ]ベンズアミド
【0017】
本発明の第7の態様として、本発明は、本発明の第6の態様に係るジアリールアミド化合物又はその薬学的に許容可能な塩、及び薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を記載する。
【0018】
本発明は、コンピュータシミュレーションスクリーニングを使用することによって、小分子化合物ライブラリから1,040個の化合物をふるい出し、赤血球溶血モデルによってUT-B阻害活性を有する化合物をふるい出し、且つ構造的な修飾及び最適化を組み合わせることによってより強力なUT-B阻害活性を有するジアリールアミド化合物のクラスを得る。このクラスのジアリールアミド化合物は、尿素を透過させるためのUT-B及びUT-Aに対する強力な阻害活性を有し、且つインビトロで尿素輸送体UT-Bを阻害するためのそれらの50%有効量は、明らかな細胞毒性なしで、マイクロモルレベル未満である。これらのジアリールアミド化合物の皮下及び経口投与は、ラット及びマウスの尿量を有意に増加させ、尿中尿素のレベルを低下させ、且つ尿浸透圧を同時に低下させることができることがインビボ実験において見出され、それらが優れた尿素選択的利尿効果を有し、且つこれらの化合物が体液の電解質平衡に影響を及ぼさないことを示している。本発明のジアリールアミド化合物は、新しいタイプの利尿薬へと発展される可能性を有し、電解質異常等の従来の利尿薬の一般的な副作用を回避することができ、且つ様々な理由(例えば、うっ血性心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群等)によって引き起こされる浮腫疾患に罹患している患者及び非浮腫疾患(例えば、心不全、心血管及び脳血管疾患等)に罹患している患者を治療するために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】赤血球尿素輸送体阻害剤のスクリーニングモデルの概略図である。
図2】尿素透過させるためのUT-B及びUT-A1に対する本発明の実施例3の化合物(以下、実施例3又は実施例3の化合物と称される)の阻害効果を例示的に示す。Aが、実施例3の化合物の化学構造を示し、Bが、赤血球溶血モデルにおけるヒト及びラットUT-Bの阻害効果に対する実施例3の化合物の用量-効果関係を示し、Cが、野生型又はUT-Bノックアウトマウスにおける赤血球尿素透過性の阻害に対するPU-48の用量-効果関係を示し、Dが、UT-Bで安定にトランスフェクションされたMDCK細胞の尿素輸送能に対する実施例3の化合物の阻害効果を示し、Eが、UT-A1で安定にトランスフェクションされたMDCK細胞の尿素輸送能に対する実施例3の化合物の阻害効果を示し、Fが、UT-B又はUT-A1で安定にトランスフェクションされたMDCK細胞の尿素輸送に対する実施例3の化合物の阻害率を示す。データが、平均±標準誤差、n=3;P<0.01として示され、UT-A1で安定にトランスフェクションされたMDCK細胞の尿素輸送に対する阻害率と比較した、UT-Bで安定にトランスフェクションされたMDCK細胞の尿素輸送に対する実施例3の化合物の阻害率を表している。
図3】ラットにおける本発明の実施例3の化合物の単回皮下注射の利尿効果及び非尿素排泄を例示的に示す。ラットを代謝ケージに入れ、且つ0~2時間の尿を基礎尿量として回収した。次いで、実験群に100mg/kgの実施例3の化合物を皮下投与し、且つコントロール群にトウモロコシ油を投与した。Aが、尿量を示し、Bが、浸透圧を示し、Cが、非尿素溶質排泄を示す。結果が、平均±標準誤差、n=6、P<0.05、**P<0.01、***P<0.001として示され、溶媒コントロール群のラットと比較した実施例3の化合物で投与された群のラットを表し、P<0.05、###P<0.001であり、基礎レベルと比較した実施例3の化合物投与後のレベルを表している。
図4】マウスにおける本発明の実施例3の化合物の単回皮下注射の利尿効果及び非尿素排泄を例示的に示す。マウスを代謝ケージに入れ、且つ0~2時間の尿を基礎尿量として回収した。次いで、実験群に100mg/kgの実施例3の化合物を皮下投与し、且つコントロール群にトウモロコシ油を投与した。Aが、尿量を示し、Bが、浸透圧を示し、Cが、非尿素溶質排泄を示す。結果が、平均±標準誤差、n=6、P<0.05、**P<0.01として示され、溶媒コントロール群のマウスと比較した実施例3の化合物で投与された群のマウスを表し、P<0.05であり、基礎レベルと比較した実施例3の化合物投与後のレベルを表している。
図5】ラットにおける本発明の実施例3の化合物の単回胃内投与の利尿効果及び非尿素排泄を例示的に示す。ラットを代謝ケージに入れ、且つ0~2時間の尿を基礎尿量として回収した。次いで、実験群に100mg/kgの実施例3の化合物を胃内投与し、且つコントロール群にカルボキシメチルセルロースナトリウムを投与した。Aが、尿量を示し、Bが、浸透圧を示し、Cが、非尿素溶質排泄を示す。結果が、平均±標準誤差、n=6、P<0.05、**P<0.01として示され、溶媒コントロール群のラットと比較した実施例3の化合物で投与された群のラットを表し、P<0.05、##P<0.01であり、基礎レベルと比較した実施例3の化合物投与後のレベルを表している。
図6】マウスにおける本発明の実施例3の化合物の単回胃内投与の利尿効果及び非尿素排泄を例示的に示す。マウスを代謝ケージに入れ、且つ0~2時間の尿を基礎尿量として回収した。次いで、実験群に100mg/kgの実施例3の化合物を胃内投与し、且つコントロール群にカルボキシメチルセルロースナトリウムを投与した。Aが、尿量を示し、Bが、浸透圧を示し、Cが、非尿素溶質排泄を示す。結果が、平均±標準誤差、n=6、P<0.05として示され、溶媒コントロール群のマウスと比較した実施例3の化合物で投与された群のマウスを表し、P<0.05であり、基礎レベルと比較した実施例3の化合物投与後のレベルを表している。
図7】ラット及びマウスへの長期間の胃内投与後の本発明の実施例3の化合物の利尿効果を例示的に示す。ラット及びマウスを代謝ケージに入れ、且つ1日目の尿を基礎尿量として採取した。実験群に100mg/kgの実施例3の化合物を胃内投与し、且つコントロール群にカルボキシメチルセルロースナトリウムを1日3回投与(初回用量は2倍であった)し、7日間連続投与し、且つ最後の投与後、腎臓の髄質内部及び外部を分析のために採取した。Aが、マウスの尿量(左)及びマウスの尿浸透圧(右)を示す。Bが、ラットの尿量(左)及びラットの尿浸透圧(右)を示す。Cが、ラットの尿素排泄(左)及びラットの非尿素溶質排泄(右)を示す。Dが、髄質内部及び外部の浸透圧(左)、髄質内部及び外部の尿素濃度、並びに髄質内部及び外部の非尿素濃度を示す。データが、平均±標準誤差、n=8;P<0.05、**P<0.01として示され、コントロール群との比較を表している。
図8】本発明の実施例3の化合物の毒性の検証を例示的に示す。実施例3の化合物を添加されたMDCK細胞の観察の24時間後、CCK-8を使用して細胞生存率アッセイを行った。ラット及びマウスを代謝ケージに入れた。実験群に100mg/kgの実施例3の化合物を胃内投与し、且つコントロール群にカルボキシメチルセルロースナトリウムを1日3回投与(初回用量は2倍であった)し、7日間連続投与し、観察及び秤量を行い、且つ最後の投与後に血液、腎臓及び肝臓の組織を分析のために採取した。Aが、細胞生存率を示し、Bが、ラット及びマウスの体重を示し、Cが、ラットの血中尿素を示し、Dが、ラットの腎臓指数(左)、及びラットの肝臓重量指数(右)を示し、Eが、ラットの腎臓形態を示す。データが、平均±標準誤差、n=8;P<0.05、***P<0.001として示され、コントロール群との比較を表している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態が以下で詳細に説明されるであろう。しかし、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、且つ本発明が属する技術分野における通常の当業者は、その方式及び詳細は種々の形態に変更され得ることを容易に理解することができる。また、本発明は、以下に示される実施形態に記載された内容のみに限定されているものとして解釈されるべきではない。
【0021】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、不飽和の任意の単位(例えば、二重結合、三重結合、又は環)を除いた、任意の可能な幾何異性体及び立体異性体を含む、炭素及び水素原子のみからなる置換基を指す。アルキル基は、単結合によって分子の残りに結合する。アルキルの非限定的な例として、以下の直鎖又は分岐鎖基、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル及び他の7つのその異性体、n-ヘキシル及び他の16のその異性体が例示され得る。本発明における炭素原子の数の記載は、両末端及びそれらの間の全ての整数値を含み、例えば、C1-6アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル及びそれらの全ての異性体を含む。
【0022】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する、直鎖、分岐又は環式不飽和炭化水素原子団を指す。例えば、C2-6アルケニルは、2~6個の炭素鎖及び少なくとも1つの二重結合を有するアルケニル基を含む(例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチルアリル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル等)。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する不飽和炭化水素原子団を指す。例えば、C2-6アルキニル基は、2~6個の炭素鎖及び少なくとも1つの三重結合を有するアルキニル基を含む(例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、イソペンチニル、1,3-ヘキサジイニル、n-ヘキシニル、3-ペンチニル、1-ヘキセン-3-イニル等)。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「環式置換基」は、少なくとも3個の炭素原子で構成される飽和非芳香族環系を指す。環系は、単環式、二環式、多環式、縮合、架橋又はスピロ環であり得る。シクロアルキル基の非限定的な例として、以下の置換基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル;並びに共通のエッジ及び共通の炭素原子を介して上記の単環式環のうちの2つ以上によって形成される、縮合、架橋、又はスピロ環基が例示され得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、任意の可能な幾何異性体及び立体異性体を含む、上記アルキル基が酸素原子に結合し、当該酸素原子を介して単結合によって分子の残りに結合する置換基を指す。アルコキシの非限定的な例として、以下の直鎖又は分岐鎖置換基、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ及び他の7つのその異性体、n-ヘキシルオキシ及び他の16のその異性体が例示され得る。
【0026】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、5~10員環の芳香族単環式環、8~12員環の芳香族縮合二環式環又は11~14員環の芳香族縮合三環式環系を指す。例えば、5又は6員環のアリールは、環系の炭素原子の数が5又は6であることを意味する。いくつかの実施形態では、各環における1、2、3、又は4個の水素原子は、置換基によって置き換えられ得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、N、O又はSから独立して選択される1つ以上のヘテロ原子を有する5~14員環の芳香族複素環式置換基を指し、単環式、二環式、又は多環式であり得、二環式又は多環式環は、単結合接続を介して又は縮合様式で単環式環によって形成され得る。ヘテロアリールの非限定的な例として、以下の置換基、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、フラニル、インドリル、イソインドリル、ピロリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾピラニル、カルバゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、プリニル、キノキサリニル、チアジアゾリル、インドリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フタラジニル、クマリニル、ピラゾロ-ピリジニル、ピリジノ-ピリダジニル、ピロロ-ピリジニル、イミダゾ-ピリジニル、ピラゾロ-ピリダジニル、及び単結合接続又は縮合様式で上のヘテロアリール基によって形成された置換基によって例示され得る。
【0028】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロシクリル」は、炭素原子及びN、O又はSから独立して選択されるヘテロ原子からなる3~15員環の非芳香族環置換基を指し、単環式、二環式、又は多環式であり得、縮合、架橋、又はスピロでもあり得、且つ任意に1つ以上の二重結合を含むことができる。ヘテロシクリルの非限定的な例として、以下の置換基、オキシラニル、チオレニル、アジリジニル、オキセタニル、チエタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、1,4-ジオキサニル、1,4-オキサチアニル、モルホリニル、1,4-ジチアニル、ピペラジニル、1,4-アザチアン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラニル、5,6-ジヒドロ-2H-ピラニル、1,2,3,4-テトラヒドロピリジニル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジニルによって例示され得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「N-(アルキル)アミノ又はN,N-ジ(アルキル)アミノ」は、それぞれ-NHアルキル又は-N(アルキル)、例えば、-NHCH、-N(CH等を指す。
【0031】
上記の全ての説明を通して、名称が複合名称である任意の置換基、例えばアルキルスルホニルは、当該アルキルスルホニルが由来する部分、例えばアルキルによって更に置換されたスルホニル基で従来解釈されるように意図されなければならず、アルキルは上記で定義されたとおりであることは当業者には明らかである。
【0032】
用語「予防又は治療」は、疾患又は疾患に関連する1つ以上の症状を予防、改善又は排除するために本願に記載の化合物又は製剤を投与することを意味し、且つ
(i)特に、哺乳動物が疾患状態に罹患し易いが、疾患状態を有すると診断されていない場合に、哺乳動物における疾患又は疾患状態の発生を予防することと、
(ii)疾患又は疾患状態を阻害すること、すなわち、その発症を抑制することと、
(iii)疾患又は疾患状態を緩和させること、すなわち、疾患又は疾患状態が弱まることと、
を含む。
【0033】
用語「治療有効量」は、(i)特定の疾患、状態又は障害を治療又は予防すること、(ii)特定の疾患、状態又は障害の1つ以上の症状を軽減、改善又は排除すること、或いは(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態、又は障害の1つ以上の症状の発症を予防又は遅延することができる本願の化合物の量を意味する。「治療有効量」を構成する本願の化合物の量は、化合物、疾患の状態及びその重症度、投与様式、並びに治療対象の哺乳動物の年齢に応じて異なるが、当業者により、自らの知識及び本開示によって日常的に決定され得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、本発明は、尿素輸送体阻害剤としての薬物の調製における式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を記載し、
【化2】
式中、
環A及び環Bは、それぞれ独立して、5~6員環のヘテロアリール基又は5~6員環のアリール基であり、
環A及び環Bは、それぞれR及びRで任意に置換され、
は、ニトロ、ハロゲン、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルキルスルホニル及びピリド基からなる群から選択され、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ピリド、Rで任意に置換されたアルキルカルボニルアミノ、Rで任意に置換された複素環式又は環式置換基、Rで任意に置換されたヘテロアリールカルボニルアミノ、N-アルキルアミノ、N,N-ジ(アルキル)アミノ、並びにR及びRで置換されたアミノカルボニルからなる群から選択され、
ここで、R及びRは、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル、アルキル、Rで任意に置換された複素環式又は環式置換基、Rで任意に置換された複素環式又は環式のアルキル、Rで任意に置換されたヘテロアリール又はアリールアルキル、N-(アルキル)アミノアルキル、及びN,N-ジ(アルキル)アミノアルキルからなる群から選択され、且つ
は、アルキル、ニトロ、アルキルカルボニルアミノ、N-(アルキル)アミノ、N,N-ジ(アルキル)アミノ、N,N-ジ(アルキル)アミノアルキルアミノ、及び複素環式又は環式置換基からなる群から選択される。
【0035】
いくつかの実施形態では、上記の各置換基の規定は、以下のうち1つ以上を満たす。
が、ニトロ、ハロゲン、C1-6アルキル、C1-6アルキルカルボニル、C1-6アルキルカルボニルアミノ、C1-6アルキルスルホニル及びピリド基からなる群から選択されること;
が、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、ヒドロキシC1-6アルキル、アミノC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルカルボニル、C1-6アルコキシカルボニル、ピリド、Rで任意に置換されたC1-6アルキルカルボニルアミノ、Rで任意に置換された5~6員環の複素環式又は環式置換基、Rで任意に置換された5~6員環のヘテロアリールカルボニルアミノ、N-(C1-6アルキル)アミノ、N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノ、並びにR及びRで置換されたアミノカルボニルからなる群から選択されること;
及びRが、それぞれ独立して、H、ヒドロキシル、C1-6アルキル、Rで任意に置換された5~6員環の複素環式又は環式置換基、Rで任意に置換された5~6員環の複素環式又は環式のC1-6アルキル、Rで任意に置換された5~6員環のヘテロアリール又はアリールC1-6アルキル、N-(C1-6アルキル)アミノC-Cアルキル、及びN,N-ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルからなる群から選択されること;並びに
が、C1-6アルキル、ニトロ、C1-6アルキルカルボニルアミノ、N-(C1-6アルキル)アミノ、N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノ、N,N-ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキルアミノ、及び5~6員環の複素環式又は環式置換基からなる群から選択されること。
【0036】
いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基及び複素環式置換基のヘテロ原子は、O、S及び/又はNから独立して選択され、且つヘテロ原子の数は、1、2、3の整数から選択される。
【0037】
いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、フラニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリルからなる群から選択される。
【0038】
いくつかの実施形態では、複素環式置換基は、ピペリジニル、ジオキサニル、オキサチアニル、モルホリニル、及びピペラジニルからなる群から選択される。
【0039】
いくつかの実施形態では、環式置換基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルからなる群から選択される。
【0040】
いくつかの実施形態では、環A及び環Bは、それぞれ独立して、以下のヘテロアリール又はアリール基、フラニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルからなる群から選択される。
【0041】
いくつかの実施形態では、環A及び環Bの規定は、以下のうちの1つ以上を満たす。
環Aが、以下のヘテロアリール又はアリール基、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、ピラゾリル、フェニルからなる群から選択されること;及び
環Bが、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、及びピリダジニルからなる群から選択されること。
【0042】
いくつかの実施形態では、環A及び/又は環Bは、更にRで置換され、Rは、ヒドロキシル、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシカルボニル、C~Cアルキルアミノカルボニルからなる群から選択されるか、又はRは、共有結合を介して、当該共有結合が所在する環とオキソ5員又は6員環のN-複素環を形成し、且つN-複素環は、Rで置換される。
【0043】
いくつかの実施形態では、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容可能な塩は、以下の化合物(1)~(79)又はその薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される。
(1)N-(4-アセトアミドフェニル)-4-ニトロベンズアミド;
(2)N-(4-アセチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(3)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(4)N-(4-アセトアミドフェニル)フラン-2-カルボキサミド;
(5)N-フェニル-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(6)N-(4-アセトアミドフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド;
(7)N-(4-アセトアミドフェニル)-1H-ピロール-2-カルボキサミド;
(8)N-(4-アセトアミドフェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド;
(9)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド;
(10)N-(ピリジン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(11)N-(ピリジン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(12)N-(ピリジン-4-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(13)N-(ピラジン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(14)N-(ピリミジン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(15)N-(ピリダジン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(16)N-(キノリン-6-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(17)N-(チオフェン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(18)N-(チオフェン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(19)N-(イソオキサゾール-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(20)N-(1H-ピラゾール-5-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(21)N-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(22)N-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(23)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-ブロモフラン-2-カルボキサミド;
(24)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセトアミドフラン-2-カルボキサミド;
(25)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-メチルスルホニルフラン-2-カルボキサミド;
(26)N-(2-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(27)N-(3-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(28)N-(3-メチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(29)N-(2-メトキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(30)N-(3-メトキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(31)N-(4-メトキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(32)N-(3-ヒドロキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(33)N-(4-ヒドロキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(34)N-(3-アミノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(35)N-(2-フルオロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(36)N-(3-フルオロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(37)N-(4-フルオロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(38)N-(3-クロロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(39)N-(4-クロロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(40)N-(3-シアノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(41)N-(4-シアノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(42)エチル3-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート;
(43)エチル4-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート;
(44)N-(3-カルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(45)N-(4-カルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(46)N-(3-アセチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(47)N-(4-ジメチルアミノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(48)N-(4-モルホリニルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(49)N-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(50)N-(4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(51)N-(4-アミノメチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(52)N,N’-(1,4-フェニレン)ビス(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド);
(53)N-(3-(メチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(54)N-(3-(ジメチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(55)N-(3-(エチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(56)N-(3-(イソプロピルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(57)N-(3-(イソブチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(58)N-(3-(シクロヘキシルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(59)N-(3-(ベンジルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(60)N-(3-((2-ジメチルアミノエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(61)N-(3-((2-モルホリニルエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(62)N-(3-((3-モルホリニルプロピル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(63)N-(4-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(64)N-(5-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(65)N-(4-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(66)N-(5-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(67)N-(4-ヒドロキシ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(68)N,N-ジメチル-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)イソフタルアミド;
(69)N-(2-メチル-1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-5-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(70)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセチルフラン-2-カルボキサミド;
(71)N-(4-(2-ジメチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(72)N-(4-(2-モルホリニル)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(73)N-(4-(3-ジメチルアミノ)プロピオンアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(74)N-(4-((2-ジメチルアミノ)エチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(75)エチル2-アセトアミド-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート;
(76)エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート;
(77)エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート;
(78)N-メチル-3-[(5-アセチル-2-フロイル)アミノ]ベンズアミド;及び
(79)N-3-(エチニルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド。
【0044】
いくつかの実施形態では、薬物は、尿素輸送体阻害剤に関連する疾患を治療又は予防するためのものであり、好ましくは、薬物は、利尿薬若しくは降圧薬及び/又は尿素輸送体を研究するためのツール薬物であり、好ましくは、尿素輸送体は、UT-Bタンパク質又はUT-Aタンパク質である。
【0045】
いくつかの実施形態では、本発明の尿素輸送体阻害剤に関連する疾患は、尿素輸送体阻害剤に関連する浮腫疾患であり、ここで、好ましくは、浮腫疾患は、好ましくは、心原性浮腫がうっ血性心不全及び/又は収縮性心膜炎による心原性浮腫である心原性浮腫;好ましくは、腎原発性浮腫が急性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、腎動脈硬化症及び/又は尿細管疾患による腎原発性浮腫である腎原発性浮腫;好ましくは、肝性浮腫が、肝硬変、肝壊死、肝臓癌及び/又は急性肝炎による肝性浮腫である肝性浮腫;好ましくは、栄養障害性浮腫が、原発性の食物摂取不足、続発性栄養不良、消化吸収障害及び/又はタンパク質合成障害による栄養障害性浮腫である栄養障害性浮腫;結合組織疾患による浮腫;アレルギー性浮腫;内分泌浮腫;特発性浮腫;静脈閉塞性浮腫;リンパ性閉塞性浮腫;炎症性浮腫;血管神経性浮腫;脳浮腫;喉頭浮腫;肺水腫並びに/或いは下肢浮腫を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明の尿素輸送体阻害剤に関連する疾患は、尿素輸送体阻害剤に関連する非浮腫疾患であり、非浮腫疾患は、好ましくは、心不全、好ましくは、うっ血性心不全、急性心不全、慢性心不全、心血管疾患及び脳血管疾患、好ましくは、軽度の高血圧、中等度の高血圧、老年性収縮期高血圧、心不全を伴う高血圧を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本発明はまた、治療有効量の本発明に係る式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を、それらを必要とする患者に投与することを含む、尿素輸送体阻害剤に関連する疾患を治療又は予防する方法を記載する。
【0048】
いくつかの実施形態では、本発明はまた、尿素輸送体阻害剤に関連する疾患の治療における使用のための本発明に係る式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を記載する。
【0049】
いくつかの実施形態では、本発明はまた、尿素輸送体阻害剤としての使用のための本発明に係る式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を記載する。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明はまた、尿素輸送体阻害剤に関連する疾患の治療における本発明に係る式(I)で表される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩の使用を記載する。
【0051】
他の実施形態では、本発明は、以下の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される、ジアリールアミド化合物、又はその薬学的に許容可能な塩を記載する。
(15)N-(ピリダジン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(17)N-(チオフェン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(25)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-メチルスルホニルフラン-2-カルボキサミド;
(26)N-(2-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(51)N-(4-アミノメチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(53)N-(3-(メチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(55)N-(3-(エチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(56)N-(3-(イソプロピルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(57)N-(3-(イソブチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(58)N-(3-(シクロヘキシルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(59)N-(3-(ベンジルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(60)N-(3-((2-ジメチルアミノエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(61)N-(3-((2-モルホリニルエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(62)N-(3-((3-モルホリニルプロピル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(63)N-(4-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(64)N-(5-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(65)N-(4-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(66)N-(5-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(67)N-(4-ヒドロキシ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(68)N,N-ジメチル-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)イソフタルアミド;
(69)N-(2-メチル-1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-5-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(70)N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセチルフラン-2-カルボキサミド;
(71)N-(4-(2-ジメチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(72)N-(4-(2-モルホリニル)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(73)N-(4-(3-ジメチルアミノ)プロピオンアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(74)N-(4-((2-ジメチルアミノ)エチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド;
(75)エチル2-アセトアミド-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート;
(76)エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート;
(77)エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート;及び
(78)N-メチル-3-[(5-アセチル-2-フロイル)アミノ]ベンズアミド
【0052】
さらに他の実施形態では、本発明は、上記のジアリールアミド化合物又はその薬学的に許容可能な塩;及び薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を記載する。
【0053】
用語「医薬組成物」は、本願の化合物又はその塩のうちの1つ以上、及び薬学的に許容可能な担体を含む混合物を指す。医薬組成物の目的は、本願の化合物の生物への適用を容易にすることである。
【0054】
用語「薬学的に許容可能」は、信頼できる医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物組織と接触して使用するのに適し、合理的な利益/リスク比に見合った化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指す。
【0055】
本発明のジアリールアミド化合物の薬学的に許容可能な塩は、硝酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、フマル酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、イセチオン酸及びサリチル酸等の無機又は有機酸で形成された酸付加塩を含む。本発明のジアリールアミド化合物の薬学的に許容可能な塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、特にナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム又はマグネシウムの水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩、及び非環式又は環式アミン、好ましくはメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン等の無機又は有機塩基で形成される塩も含む。
【0056】
本発明の薬学的に許容可能な担体は、限定されないが、水、塩水溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシ-エトキシル化ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ゼラチン、ラクトース、石膏粉末、スクロース、デキストリン、炭酸マグネシウム、糖、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアガム、ステアリン酸又は低アルキルセルロースエーテル、ケイ酸、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリド及びジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エーテル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロース並びにポリビニルピロリドンを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能なアジュバント、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、浸透圧調節剤、緩衝剤、甘味剤、香味剤、着色剤又は上記の任意の組合わせを更に含み得る。
【0058】
本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、エアゾール剤、液剤、懸濁剤、糖衣剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、ソフト軟膏剤、軟膏剤、注射剤、散剤、顆粒剤、ペースト剤、徐放剤、発泡剤等の任意の剤形に製造され得る。異なる投与経路に応じて、本発明の医薬組成物は、経口投与製剤、経鼻投与製剤、経肺投与製剤、頬側投与製剤、皮下投与製剤、皮内投与製剤、経皮投与製剤、非経口投与製剤、直腸投与製剤、持続性投与製剤、静脈内投与製剤、尿道内投与製剤、筋肉内投与製剤、鼻腔内投与製剤、眼適用製剤、硬膜外投与製剤又は局所投与製剤に製造され得る。
【0059】
本発明の化合物及びその組成物は、赤血球膜による尿素輸送体UT-B媒介尿素透過を阻害することができ、且つその効果は用量依存関係にあり、インビボ試験結果は、胃内投与又は皮下投与後、本発明の化合物がラット及びマウスの尿量を有意に増加させ、その浸透圧を低下させ、且つ非尿素溶質の排泄に変化を引き起こさないことを示し、それはラット及びマウスの腎髄質中の尿素の濃度を低下させることができるが、非尿素溶質の濃度の変化を引き起こさず、本発明の化合物が明らかな毒性なしに体内で尿素選択性利尿効果をもたらすことができることを示している。
【0060】
本文脈において、特に明記しない限り、用語「含む(comprise、comprises、comprising)」又は同等な表現は、オープンエンドな表現であり、列挙された要素、構成要素及び工程に加えて、他の不特定の要素、構成要素及び工程も網羅され得ることを意味する。
【0061】
説明及び開示の目的で、特定された全ての特許、特許出願及び他の刊行物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためにのみ提供される。これらの文書の日付に関する全ての記述又はこれらの文書の内容に関する表現は、出願人にとって入手可能な情報に基づいており、且つこれらの文書の日付又は内容の正確さに関するいかなる承認も構成しない。さらに、いずれの国においても、本出願におけるこれらの刊行物へのいかなる参照も、これらの刊行物が当技術分野における共通知識の一部を形成することの承認を構成しない。
【実施例
【0062】
以下、本発明が以下の実施例により詳細に説明される。当業者は、以下の実施例が本発明を例示するためにのみ使用され、且つ本発明の範囲を限定すると見なされるべきではないことを理解するであろう。実施例において特定の技術又は条件を示さないものについては、当該技術分野の文献に記載されている技術又は条件に従って、又は製品仕様に従って実施されるものとする。製造業者又は供給源を示さずに使用される試薬、化合物又は機器は全て、購入され得る従来の製品又は既知の方法によって得られ得る既知の製品である。
【0063】
(実施例1)
N-(4-アセトアミドフェニル)-4-ニトロベンズアミド
【化3】
p-ニトロ安息香酸(3-1a、167mg、1mmol)をジクロロメタン(5mL)に懸濁し、DMF2滴を添加し、且つ氷水浴で0℃に冷却した。塩化オキサリル(190mg、0.13mL、1.5mmol)をゆっくり滴下で添加し、且つ次いで、添加が完了した後、室温で2時間撹拌した。反応溶液を濃縮して溶媒及び過剰の塩化オキサリルを除去して、p-ニトロベンゾイルクロリド(3-2a)を得、精製せずに使用するためにテトラヒドロフラン(1mL)を添加した。アセトアミノアニリド(3-3a、150mg、1mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(152mg、1.5mmol)を添加し、且つ次いで、氷浴下で上記塩化アシル3-2aのテトラヒドロフラン溶液を滴下で添加した。添加が完了した後、TLC(CHCl:MeOH=15:1)が反応が完了したことを示すまで、反応を室温で行った。30mLの水を反応系に添加し、これを10分間撹拌し続け、且つ次いで吸引濾過した。濾過ケークを10mLの5%塩酸及び10mLの蒸留水で連続的に洗浄した。乾燥後、黄色固体を80%の収率及び301~330℃の融点で得た(文献値[93]293℃(分解))。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.51(s,1H),9.95(s,1H),8.36(d,J=8.4 Hz,2H),8.17(d,J=8.4 Hz,2H),7.69(d,J=8.4 Hz,2H),7.57(d,J=8.4 Hz,2H),2.04(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.54,163.98,149.54,141.12,134.27,129.60,124.00,121.40,119.65,24.39.
【0064】
(実施例2)
N-(4-アセチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化4】
合成方法は実施例1のものと同様であった。81%の収率、及び233~234℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.91(s,1H),7.99(d,J=8.0 Hz,2H),7.90(d,J=8.0 Hz,2H),7.82(d,J=2.4 Hz,1H),7.69(d,J=2.4 Hz,1H),2.55(s,3H);13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 197.13,155.33,152.36,147.92,142.68,133.14,129.84,120.31,117.57,113.90,26.98.
【0065】
(実施例3)
N-(4-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化5】
合成方法は実施例1のものと同様であった。80%の収率、及び233~234℃の融点を有する橙色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.59(s,1H),9.97(s,1H),7.81(d,J=4.0 Hz,1H),7.62-7.66(m,3H),7.57(d,J=8.8 Hz,2H),2.04(s,3H);13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.61,154.79,152.20,148.56,136.49,133.32,121.66,119.71,116.77,113.97,24.40.HRMS m/z:C1613([M+H])の計算値:285.08698;実測値:285.08696。
【0066】
(実施例4)
N-(4-アセトアミドフェニル)フラン-2-カルボキサミド
【化6】
合成方法は実施例1のものと同様であった。68%の収率、及び212~214℃の融点を有する白色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.11(s,1H),9.91(s,1H),7.92(d,J=1.7 Hz,1H),7.64(d,J=8.9 Hz,2H),7.53(d,J=8.9 Hz,2H),7.30(d,J=3.4 Hz,1H),6.69(dd,J=3.4,1.7 Hz,1H),2.03(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.46,156.44,148.06,146.02,135.77,134.07,121.28,119.65,114.89,112.55,24.37.HRMS m/z:C1313[M+H]の計算値:245.09207;実測値:244.10848。
【0067】
(実施例5)
N-フェニル-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化7】
合成方法は実施例1のものと同様であった。63%の収率、及び178~180℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.63(s,1H),7.82(d,J=3.9 Hz,1H),7.74(d,J=7.7 Hz,2H),7.64(d,J=3.9 Hz,1H),7.39(t,J=7.9 Hz,2H),7.17(t,J=7.4 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 165.05,152.22,148.39,138.26,129.29,125.04,121.17,116.98,113.93.HRMS m/z:C11[M+H]の計算値:233.05568;実測値:233.05517。
【0068】
(実施例5A)
N-メチル-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化8】
4-5a(141mg、1mmol)をジクロロメタン(5mL)に懸濁し、EDCI(230mg、1.2mmol)、HOBT(148mg、1.1mmol)を添加し、且つ室温で30分間撹拌した。次いで、4-7d(74mg、1.1mmol)、トリエチルアミン(253mg、2.5mmol)を添加し、且つ混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を回転蒸発によって除去し、且つ2N塩酸(5mL)を残渣に添加した。激しく撹拌した後、固体が沈殿し、これを吸引濾過した。固体を水洗し、且つ乾燥させて、59%の収率、及び187~190℃の融点を有する淡黄色粉末100mgを得た。
【0069】
(実施例6)
N-(4-アセトアミドフェニル)チオフェン-2-カルボキサミド
【化9】
合成方法は実施例1のものと同様であった。55%の収率、及び247~248℃の融点を有する白色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.17(s,1H),9.91(s,1H),7.99(d,J=3.5 Hz,1H),7.84(d,J=4.9 Hz,1H),7.62(d,J=8.8 Hz,2H),7.54(d,J=8.8 Hz,2H),7.22(t,J=4.3 Hz,1H),2.03(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.57,160.16,140.71,135.88,134.34,132.20,129.40,128.59,121.43,119.76,24.47.HRMS m/z:C1313S[M+H]の計算値:261.06992;実測値:261.06953。
【0070】
(実施例7)
N-(4-アセトアミドフェニル)-1H-ピロール-2-カルボキサミド
【化10】
合成方法は実施例5Aのものと同様であった。56%の収率、及び260~262℃の融点を有する白色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 11.61(s,1H),9.87(s,1H),9.68(s,1H),7.62(d,J=8.8 Hz,2H),7.51(d,J=8.8 Hz,2H),7.03(s,1H),6.94(s,1H),6.15(d,J=2.9 Hz,1H),2.03(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.37,159.39,135.13,134.95,126.56,122.77,120.80,119.70,111.50,109.27,24.35.HRMS m/z:C1314[M+H]の計算値:244.10805;実測値:244.10848。
【0071】
(実施例8)
N-(4-アセトアミドフェニル)オキサゾール-5-カルボキサミド
【化11】
合成方法は実施例1のものと同様であった。62%の収率、及び255~257℃の融点を有する白色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.37(s,1H),9.94(s,1H),8.64(s,1H),7.96(s,1H),7.63(d,J=9.0 Hz,2H),7.56(d,J=9.0 Hz,2H),2.04(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.55,155.16,154.21,145.74,136.17,133.59,130.29,121.45,119.71,24.39.HRMS m/z:C1214[M+H]の計算値:246.08732;実測値:246.08681。
【0072】
(実施例9)
N-(4-アセトアミドフェニル)-5-ニトロチオフェン-2-カルボキサミド
【化12】
合成方法は実施例1のものと同様であった。56%の収率、及び296℃の融点(分解)を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.61(s,1H),9.97(s,1H),8.21(d,J=4.4 Hz,1H),8.04(d,J=4.4 Hz,1H),7.64(d,J=9.0 Hz,2H),7.58(d,J=9.0 Hz,2H),2.04(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.61,158.37,153.67,147.07,136.54,133.38,130.62,128.57,121.61,119.71,24.40.HRMS m/z:C1312S[M+H]の計算値:306.05430;実測値:306.05418。
【0073】
(実施例10)
N-(ピリジン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化13】
4-6a(263mg、1.5mmol)をジクロロエタン(1mL)に溶解し、溶解させた4-6aを、4-12a(141mg、1.5mmol)のジクロロエタン(4mL)溶液に氷水浴冷却下で滴下で添加した。添加が完了した後、温度を65℃に上昇させ、且つ混合物を3時間撹拌した。TLC(CHCl:MeOH=15:1)は、反応がほぼ完了したことを示した。反応溶液を室温に冷却した後、水15mL及び酢酸エチル15mLを添加し、十分に混合し、且つ層に分離した。水相を酢酸エチル(15mL×2)で抽出した。有機相を合わせた後、それらを連続的に抽出し、且つ飽和NaHCO溶液、10%クエン酸、及び飽和NaCl溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、且つ濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=5:1)で分離して、46%の収率及び189~190℃の融点を有する160mgの黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.94(s,1H),8.38(d,J=4.6 Hz,1H),8.29(d,J=8.4 Hz,1H),7.79(t,J=7.8 Hz,1H),7.42(s,2H),7.15(t,J=6.0 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 154.15,150.10,148.30,147.23,138.64,120.90,117.22,114.49,112.42.HRMS m/z:C10[M+H]の計算値:234.05093;実測値:234.05065。
【0074】
(実施例11)
N-(ピリジン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化14】
合成方法は実施例10のものと同様であった。収率は63%であり、且つ融点は205~208℃であった。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.87(s,1H),8.91(s,1H),8.37(d,J=3.8 Hz,1H),8.15(d,J=8.2 Hz,1H),7.84(d,J=3.2 Hz,1H),7.66(d,J=3.2 Hz,1H),7.44(dd,J=8.2,3.8 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 155.45,152.30,147.89,145.88,142.69,135.04,128.33,124.16,117.50,113.93.HRMS m/z:C10[M+H]の計算値:234.05093;実測値:234.05086。
【0075】
(実施例12)
N-(ピリジン-4-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化15】
合成方法は実施例10のものと同様であった。収率は45%であり、且つ融点は230~232℃であった。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.94(s,1H),8.52(d,J=5.2 Hz,2H),7.83(d,J=3.2 Hz,1H),7.75(d,J=5.2 Hz,2H),7.70(d,J=3.2 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 155.78,152.42,150.96,147.54,145.26,117.91,114.72,113.84.HRMS m/z:C10[M+H]の計算値:234.05093;実測値:234.05038。
【0076】
(実施例13)
N-(ピラジン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化16】
合成方法は実施例10のものと同様であった。収率は36%であり、且つ融点は211~212℃であった。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 11.60(s,1H),9.38(s,1H),8.53(s,1H),8.48(d,J=2.4 Hz,1H),7.91(d,J=4.0 Hz,1H),7.83(d,J=4.0 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 155.59,152.72,148.63,147.10,143.27,137.86,118.16,113.70.HRMS m/z:C[M+H]の計算値:235.04618;実測値:235.04610。
【0077】
(実施例14)
N-(ピリミジン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化17】
合成方法は実施例10のものと同様であった。収率は22%であり、且つ融点は207~208℃であった。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 11.43(s,1H),8.93-8.63(m,2H),7.82(d,J=2.0Hz,2H),7.32(t,J=4.8 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 159.11,157.78,154.77,152.64,147.71,118.42,117.86,113.70.HRMS m/z:C[M+H]の計算値:235.04618;実測値:235.04607。
【0078】
(実施例15)
N-(ピリダジン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化18】
合成方法は実施例10のものと同様であった。収率は51%であり、且つ融点は209~211℃であった。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 11.91(s,1H),9.07(d,J=4.2 Hz,1H),8.36(d,J=9.0 Hz,1H),7.95(d,J=3.2 Hz,1H),7.84(d,J=3.2 Hz,1H),7.80-7.77(m,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 156.10,155.61,152.67,149.67,147.13,129.17,120.06,118.10,113.65.HRMS m/z:C[M+H]の計算値:235.04618;実測値:235.04607。
【0079】
(実施例16)
N-(キノリン-6-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化19】
合成方法は実施例1のものと同様であった。生成物をメタノールで再結晶させて、42%の収率及び193~195℃の融点を有する黄色結晶を得た。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.96(s,1H),8.85(dd,J=4.0,1.2 Hz,1H),8.47(s,1H),8.37(d,J=8.4 Hz,1H),8.05(s,2H),7.86(d,J=4.0 Hz,1H),7.72(d,J=4.0 Hz,1H),7.53(q,J=4.0 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 155.38,152.34,150.19,148.18,145.61,136.28,130.06,128.55,124.60,122.41,117.61,117.32,113.96.HRMS m/z:C1410[M+H]の計算値:284.06658;実測値:284.06597。
【0080】
(実施例17)
N-(チオフェン-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化20】
合成方法は実施例1のものと同様であった。65%の収率、及び214~215℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 11.11(s,1H),7.81(s,1H),7.74(s,1H),7.58(d,J=2.8 Hz,1H),7.53(t,J=2.4 Hz,1H),7.34(d,J=5.0 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 154.21,152.21,148.31,136.07,125.57,122.41,116.88,114.03,111.54.HRMS m/z:CS[M+H]の計算値:239.01210;実測値:239.01212。
【0081】
(実施例18)
N-(チオフェン-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化21】
合成方法は実施例1のものと同様であった。57%の収率、及び212~214℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 12.01(s,1H),7.82(d,J=4.0 Hz,1H),7.60(d,J=4.0 Hz,1H),7.10(d,J=5.4 Hz,1H),7.02(d,J=3.1 Hz,1H),6.94(dd,J=5.4 Hz,4.0 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 153.14,152.33,147.58,139.05,124.88,119.04,117.31,114.08,114.04.HRMS m/z:CS[M+H]の計算値:239.01210;実測値:239.01156。
【0082】
(実施例18A)
N-(チアゾール-2-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化22】
4-12j(100mg、1mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、且つトリエチルアミン(151mg、1.5mmol)を添加した。4-6a(175mg、1mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、溶解させた4-6aを、氷浴下で上記溶液に滴下で添加した。添加が完了した後、温度を室温まで上昇させ、且つ混合物を一晩反応させた。TLC(CHCl:MeOH=15:1)は、反応が完了したことを示した。溶媒を回転蒸発によって除去し、且つ水(5mL)を残渣に添加し、これを30分間激しく撹拌し、且つ吸引濾過した。固体を少量のメタノールで洗浄し、且つ乾燥させて、75%の収率及び265~268℃の融点を有する180mgの褐色固体を得た。
【0083】
(実施例19)
N-(イソオキサゾール-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化23】
合成方法は実施例18Aのものと同様であった。58%の収率、及び230~232℃の融点を有する淡褐色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 11.96(s,1H),8.90(s,1H),7.81(q,J=4.0 Hz,2H),7.02(s,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 161.07,157.59,155.00,152.63,146.93,118.02,113.65,100.10.HRMS m/z:C[M+H]の計算値:224.03020;実測値:224.03009。
【0084】
(実施例20)
N-(1H-ピラゾール-5-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化24】
合成方法は実施例18Aのものと同様であった。32%の収率、及び197~198℃の融点を有する橙色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 8.25(d,J=3.0 Hz,1H),8.08(d,J=3.9 Hz,1H),7.84(d,J=3.9 Hz,1H),6.11(d,J=3.0 Hz,1H),5.96(s,2H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 160.53,153.13,152.08,145.52,131.76,124.39,113.32,104.04.HRMS m/z:C[M+H]の計算値:223.04618;実測値:223.04568。
【0085】
(実施例21)
N-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化25】
合成方法は実施例1のものと同様であった。85%の収率、及び218~219℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 11.36(s,1H),7.79(d,J=3.8 Hz,1H),7.73(d,J=3.8 Hz,1H),7.65(d,J=1.8 Hz,1H),6.56(d,J=1.8 Hz,1H),3.80(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 154.10,152.37,148.05,146.24,131.76,116.57,113.79,97.94,38.90.HRMS m/z:C[M+H]の計算値:237.06183;実測値:237.06160。
【0086】
(実施例22)
N-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化26】
合成方法は実施例1のものと同様であった。87%の収率、及び209~211℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.93(s,1H),8.04(s,1H),7.80(d,J=3.8 Hz,1H),7.60(s,1H),7.51(d,J=3.8 Hz,1H),3.84(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 153.32,152.05,148.44,130.81,122.58,120.87,116.46,114.09,39.22.HRMS m/z:C[M+H]の計算値:237.06183;実測値:237.06160。
【0087】
(実施例23)
N-(4-アセトアミドフェニル)-5-ブロモフラン-2-カルボキサミド
【化27】
合成方法は実施例1のものと同様であった。85%の収率、及び217~219℃の融点を有する淡黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.15(s,1H),9.92(s,1H),7.62(d,J=9.0 Hz,2H),7.53(d,J=9.0 Hz,2H),7.34(d,J=3.6 Hz,1H),6.83(d,J=3.6 Hz,1H),2.03(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.50,155.35,149.84,135.94,133.81,125.61,121.39,119.67,117.32,114.69,24.38.HRMS m/z:C1312BrN[M+H]の計算値:323.00258;実測値:323.00219。
【0088】
(実施例24)
N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセトアミドフラン-2-カルボキサミド
5-アセトアミドフラン-2-カルボン酸(4-14c)
【化28】
4-18(171mg、1mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、Pd/C(10%、17mg)を添加し、且つ水素化器に入れて室温で2時間反応させた。TLC(PE:EA=3:1)は、反応が完了したことを示した。反応溶液をcelatomで濾過し、且つ濾液を濃縮して黄色油(4-17)を得た。
【0089】
無水酢酸(2mL)を4-17に添加し、且つ室温で1時間撹拌した。反応液が濁り、且つTLC(PE:EA=3:1)が反応が完了したことを示した。水(10mL)を添加し、且つ混合物を更に15分間撹拌し、且つ吸引濾過した。固体を水で洗浄して、白色固体(4-16)を得た。
【0090】
未乾燥の4-16にメタノール(4mL)及びLiOH溶液(4N、1mL)を添加し、且つ加水分解が完了するまで室温で撹拌した。水(5mL×3)を反応溶液に添加し、有機相を合わせ、且つ無水NaSOで乾燥させ、且つ濃縮して、80mgの白色固体4-14cを得た。3つの工程の合計収率は47%であった。
【0091】
N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセトアミドフラン-2-カルボキサミド(実施例24)
【化29】
合成方法は実施例1のものと同様であった。85%の収率、及び250~251℃の融点を有する淡黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.37(s,1H),9.95(s,1H),7.64(d,J=8.8 Hz,2H),7.58-7.54(m,3H),7.45(d,J=3.6 Hz,1H),2.53(s,3H),2.04(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 187.18,168.55,155.92,152.90,150.25,136.25,133.57,121.69,119.67,119.37,116.04,26.78,24.40.HRMS m/z:C1515[M+H]の計算値:287.10263;実測値:287.10235。
【0092】
(実施例25)
N-(4-アセトアミドフェニル)-5-メチルスルホニルフラン-2-カルボキサミド
N-(4-アセトアミドフェニル)-5-メチルスルホニルフラン-2-カルボキサミド
5-メチルスルホニルフラン-2-カルボン酸(4-14d)
【化30】
4-21(205mg、1mmol)、メタンスルホン酸ナトリウム(510mg、5mmol)、無水DMSO(5mL)を反応フラスコに添加し、且つ110℃で20時間撹拌した。TLC(PE:EA=4:1)は、少量の原料が反応において未反応のままであることを示した。反応溶液を室温に冷却し、酢酸エチル(20mL)を添加し、飽和NaCl溶液(15mL×3)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、且つ濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=4:1)で分離して、72mgの淡黄色固体4-19を35%の収率で得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 10.37(s,1H),9.95(s,1H),7.64(d,J=8.8 Hz,2H),7.58-7.54(m,3H),7.45(d,J=3.6 Hz,1H),2.53(s,3H),2.04(s,3H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 157.89,151.99,147.77,117.82,117.70,52.68,43.07.
【0093】
テトラヒドロフラン(4mL)及びLiOH水溶液(3N、1mL)を4-19(72mg、0.35mmol)に添加し、室温で5分間撹拌し、且つTLC(PE:EA=2:1)は反応が完了したことを示した。溶媒の大部分を回転蒸発によって除去し、且つ残渣に水(5mL)を添加し、4N塩酸でpH=3に調整し、且つ酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、且つ飽和NaClで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、且つ濃縮して、63mgの白色固体4-14dを95%の収率で得た。
【0094】
N-(4-アセトアミドフェニル)-5-メチルスルホニルフラン-2-カルボキサミド(実施例25)
【化31】
合成方法は実施例5Aのものと同様であった。37%の収率、及び251~253℃の融点を有するオフホワイト固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.40(s,1H),9.96(s,1H),7.62(d,J=8.8 Hz,2H),7.57(d,J=8.8 Hz,2H),7.48(d,J=3.6 Hz,1H),7.44(d,J=3.6 Hz,1H),3.43(s,3H),2.04(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.58,155.31,151.01,150.91,136.39,133.32,121.76,119.70,118.23,115.31,43.28,24.40.HRMS m/z:C1415S[M+H]の計算値:323.06962;実測値:323.06897。
【0095】
(実施例26)
N-(2-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化32】
合成方法は実施例1のものと同様であった。64%の収率、及び212~213℃の融点を有する黄色結晶。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.16(s,1H),9.73(s,1H),7.83(d,J=3.7 Hz,1H),7.60-7.56(m,3H),7.27-7.20(m,2H),2.10(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 169.66,155.28,152.01,148.57,132.47,129.03,126.66,125.28,124.85,116.89,114.01,23.99.HRMS m/z:C1312[M+H]の計算値:290.07715;実測値:290.07695。
【0096】
(実施例27)
N-(3-アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化33】
合成方法は実施例1のものと同様であった。77%の収率、及び212~214℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.63(s,1H),10.03(s,1H),8.09(s,1H),7.82(d,J=3.9 Hz,1H),7.67(d,J=3.9 Hz,1H),7.44(d,J=7.8 Hz,1H),7.35-7.27(m,2H),2.06(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.87,155.05,152.27,148.41,140.15,138.57,129.39,116.95,115.93,115.76,113.89,111.87,24.52.HRMS m/z:C1312[M+H]の計算値:290.07715;実測値:290.07690。
【0097】
(実施例28)
N-(3-メチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化34】
合成方法は実施例1のものと同様であった。生成物をシリカゲルカラム(PE:EA=6:1)によって分離して、62%の収率及び144~145℃の融点を有する黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.15(s,1H),7.50-7.46(m,2H),7.41(d,J=3.8 Hz,1H),7.37(d,J=3.8 Hz,1H),7.29(d,J=7.6 Hz,1H),7.03(d,J=7.6 Hz,1H),2.38(s,3H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 153.89,147.94,139.31,136.24,129.10,126.40,120.99,117.49,116.70,112.68,21.48.HRMS m/z:C1211[M+H]の計算値:247.07133;実測値:247.07116。
【0098】
(実施例29)
N-(2-メトキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化35】
合成方法は実施例1のものと同様であった。72%の収率、及び142~144℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.86(s,1H),8.41(d,J=8.0 Hz,1H),7.41(d,J=3.7 Hz,1H),7.35(d,J=3.7 Hz,1H),7.15(t,J=7.8 Hz,1H),7.02(t,J=7.8 Hz,1H),6.96(d,J=8.0 Hz,1H),3.98(s,3H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 153.70,148.39,148.21,126.24,125.14,121.14,120.26,116.39,112.57,110.18,55.95.HRMS m/z:C1211[M+H]の計算値:263.06625;実測値:263.06540。
【0099】
(実施例30)
N-(3-メトキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化36】
合成方法は実施例1のものと同様であった。91%の収率、及び123~124℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.25(s,1H),7.42-7.37(m,3H),7.29(t,J=8.0 Hz,1H),7.17(d,J=7.2 Hz,1H),6.76(dd,J=8.0,1.8 Hz,1H),3.84(s,3H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 160.27,153.94,147.83,137.53,129.98,116.80,112.70,112.53,111.45,106.09,55.40.HRMS m/z:C1211[M+H]の計算値:263.06625;実測値:263.06565。
【0100】
(実施例31)
N-(4-メトキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化37】
合成方法は実施例1のものと同様であった。72%の収率、及び185~187℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.53(s,1H),7.82(d,J=3.8 Hz,1H),7.65(d,J=8.8 Hz,2H),7.61(d,J=3.8 Hz,1H),6.96(d,J=8.8 Hz,2H),3.76(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 156.61,154.71,152.14,148.85,131.21,122.78,116.63,114.40,113.98,55.67.HRMS m/z:C1211[M+H]の計算値:263.06625;実測値:263.06567。
【0101】
(実施例32)
N-(3-ヒドロキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化38】
合成方法は実施例5Aのものと同様であった。生成物をエタノールで再結晶させて、89%の収率及び226~228℃の融点を有する黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.47(s,1H),9.52(s,1H),7.81(d,J=3.9 Hz,1H),7.64(d,J=3.9 Hz,1H),7.30(d,J=2.0 Hz,1H),7.18-7.12(m,2H),6.56(dt,J=7.6,2.0 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 158.06,154.91,152.20,148.47,139.29,129.92,116.83,113.88,112.15,111.78,108.17.HRMS m/z:C11[M+H]の計算値:249.05060;実測値:249.05046。
【0102】
(実施例33)
N-(4-ヒドロキシフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化39】
合成方法は実施例5Aのものと同様であった。86%の収率、及び247~249℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.42(s,1H),9.39(s,1H),7.80(d,J=3.9 Hz,1H),7.58(d,J=3.9 Hz,1H),7.50(d,J=8.8 Hz,2H),6.77(d,J=8.8 Hz,2H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 154.89,154.59,152.10,148.82,129.67,123.03,116.42,115.64,113.97.HRMS m/z:C1211[M+H]の計算値:263.06625;実測値:263.06567。
【0103】
(実施例34)
N-(3-アミノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化40】
m-フェニレンジアミン(108mg、1mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(151mg、1.5mmol)を添加し、且つ混合物を氷水浴下で0℃に冷却した。4-6a(175mg、1mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、溶解させた4-6aを上記溶液に数回に分けて滴下で添加した。添加が完了した後、反応物を室温に昇温させ、且つTLC(CHCl:MeOH=15:1)が反応が完了したことを示すまで反応させた。10mLの2NのHCl溶液を反応溶液に添加し、且つ継続して10分間更に撹拌した。混合物を吸引濾過して不溶性物質を除去し、且つ濾液を飽和炭酸ナトリウム水溶液でpH=9に調整し、酢酸エチル(8mL×3)で抽出した。有機相を濃縮して黄色固体を得、これを少量の水/メタノールで洗浄し、且つ乾燥させて、100mgの純粋な生成物を得た。収率は41%であり、且つ融点は191~193℃であった。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.30(s,1H),7.80(d,J=3.9 Hz,1H),7.62(d,J=3.9 Hz,1H),7.03-6.97(m,2H),6.83(d,J=8.0 Hz,1H),6.36(dd,J=8.0,1.2 Hz,1H),5.17(s,2H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ154.75,152.17,149.57,148.69,138.86,129.47,116.57,113.88,111.00,108.85,106.57.HRMS m/z:C1110[M+H]の計算値:248.06658;実測値:248.06640。
【0104】
(実施例35)
N-(2-フルオロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化41】
合成方法は実施例1のものと同様であった。92%の収率、及び164~165℃の融点を有する淡黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.57(s,1H),7.82(d,J=3.9 Hz,1H),7.64(d,J=3.9 Hz,1H),7.58(t,J=7.8 Hz,1H),7.35-7.32(m,2H),7.27-7.23(m,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 157.46,155.33,154.99,152.28,147.88,128.33,128.25,127.68,125.01,124.98,124.63,124.51,117.35,116.60,116.40,113.85.HRMS m/z:C11FN[M+H]の計算値:251.04626;実測値:251.04616。
【0105】
(実施例36)
N-(3-フルオロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化42】
合成方法は実施例1のものと同様であった。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=5:1)によって分離して、50%の収率及び164~165℃の融点を有する黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.24(s,1H),7.65(d,J=10.6 Hz,1H),7.41(dd,J=11.4,3.8 Hz,2H),7.36-7.31(m,2H),6.92(t,J=8.0 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 164.21,161.76,153.93,147.42,137.84,137.73,130.47,130.38,117.11,115.64,115.61,112.65,112.48,112.27,108.11,107.84.HRMS m/z:C11FN[M+H]の計算値:251.04626;実測値:251.04602。
【0106】
(実施例37)
N-(4-フルオロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化43】
合成方法は実施例1のものと同様であった。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=5:1)によって分離して、46%の収率及び173~174℃の融点を有する黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.18(s,1H),7.66-7.63(m,2H),7.42(d,J=3.8 Hz,1H),7.38(d,J=3.8 Hz,1H),7.10(t,J=8.6 Hz,2H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 161.31,158.86,153.93,147.65,132.29,122.35,122.27,116.87,116.18,115.95,112.64.HRMS m/z:C11FN[M+H]の計算値:251.04626;実測値:251.04611。
【0107】
(実施例38)
N-(3-クロロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化44】
合成方法は実施例1のものと同様であった。86%の収率、及び153~154℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.21(s,1H),7.82(t,J=1.8 Hz,1H),7.52(d,J=8.0 Hz,1H),7.43(d,J=4.0 Hz,1H),7.39(d,J=4.0 Hz,1H),7.33(t,J=8.0 Hz,1H),7.19(d,J=8.0 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 153.94,147.38,137.43,135.00,130.26,125.65,120.52,118.33,117.14,112.64.HRMS m/z:C11ClN[M+H]の計算値:267.01671;実測値:267.01600。
【0108】
(実施例39)
N-(4-クロロフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化45】
合成方法は実施例1のものと同様であった。80%の収率、及び179~180℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ10.76(s,1H),7.83(d,J=3.7 Hz,1H),7.78(d,J=8.6 Hz,2H),7.64(d,J=3.7 Hz,1H),7.45(d,J=8.6 Hz,2H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 155.09,152.26,148.11,137.26,129.22,128.70,122.67,117.24,113.93.HRMS m/z:C11FN[M+H]の計算値:251.04626;実測値:251.04611。
【0109】
(実施例40)
N-(3-シアノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化46】
合成方法は実施例1のものと同様であった。58%の収率、及び193~194℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.93(s,1H),8.19(s,1H),8.03(d,J=7.2 Hz,1H),7.83(d,J=4.0 Hz,1H),7.67-7.60(m,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 155.41,152.34,147.77,139.14,130.80,128.51,125.74,123.96,118.97,117.66,113.91,112.11.HRMS m/z:C12[M+H]の計算値:258.05093;実測値:258.05055。
【0110】
(実施例41)
N-(4-シアノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化47】
合成方法は実施例1のものと同様であった。65%の収率、及び229~231℃の融点を有する淡黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.99(s,1H),7.96(d,J=8.8 Hz,2H),7.87(d,J=8.8 Hz,2H),7.83(d,J=4.0 Hz,1H),7.70(d,J=4.0 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 155.47,152.39,147.68,142.64,133.74,121.07,119.31,117.84,113.88,106.76.HRMS m/z:C12[M+H]の計算値:258.05093;実測値:258.05055。
【0111】
(実施例42)
エチル3-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート
【化48】
合成方法は実施例1のものと同様であった。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=4:1)によって分離して、66%の収率及び126~128℃の融点を有する黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.43(s,1H),8.22(s,1H),8.03(d,J=8.0 Hz,1H),7.88(d,J=8.0 Hz,1H),7.48(t,J=8.0 Hz,1H),7.42-7.40(m,2H),4.40(q,J=6.8 Hz,2H),1.41(t,J=6.8 Hz,3H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 165.93,154.21,151.40,147.61,136.64,131.68,129.46,126.59,124.76,121.37,117.11,112.72,61.40,14.37.HRMS m/z:C1413[M+H]の計算値:305.07681;実測値:305.07662。
【0112】
(実施例43)
エチル4-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート
【化49】
合成方法は実施例1のものと同様であった。77%の収率、及び221~223℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.92(s,1H),7.99(d,J=8.8 Hz,2H),7.91(d,J=8.8 Hz,2H),7.84(d,J=3.9 Hz,1H),7.70(d,J=3.9 Hz,1H),4.31(q,J=7.2 Hz,2H),1.33(t,J=7.2 Hz,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 165.67,155.31,152.36,147.89,142.72,130.64,125.84,120.41,117.55,113.89,61.05,14.66.HRMS m/z:C1413[M+H]の計算値:305.07681;実測値:305.07648。
【0113】
(実施例44)
N-(3-カルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化50】
合成方法は実施例1のものと同様であった。84%の収率、及び238~240℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.76(s,1H),8.20(s,1H),7.99-7.94(m,2H),7.82(d,J=4.0 Hz,1H),7.69-7.66(m,2H),7.47(t,J=8.0 Hz,2H),7.40(s,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ168.06,155.14,152.29,148.21,138.35,135.57,129.16,123.80,123.69,120.81,117.10,113.91.HRMS m/z:C1210[M+H]の計算値:276.06150;実測値:276.06126。
【0114】
(実施例45)
N-(4-カルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化51】
合成方法は実施例1のものと同様であった。87%の収率、及び297℃の融点(分解)を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.85(s,1H),7.96-7.91(m,3H),7.85-7.82(m,3H),7.72-7.70(m,1H),7.37(s,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 167.71,155.21,152.31,148.93,130.46,128.81,120.20,117.37,113.92.HRMS m/z:C1210[M+H]の計算値:276.06150;実測値:276.06125。
【0115】
(実施例46)
N-(3-アセチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化52】
合成方法は実施例1のものと同様であった。95%の収率、及び182~183℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.82(s,1H),8.29(t,J=2.0 Hz,1H),8.06(dd,J=8.4,1.2 Hz,1H),7.83(d,J=3.9 Hz,1H),7.78(d,J=7.8 Hz,1H),7.67(d,J=3.9 Hz,1H),7.56(t,J=7.8 Hz,1H),2.60(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 197.99,155.26,152.30,148.11,138.73,129.77,125.53,125.03,120.32,117.26,113.92,27.23.HRMS m/z:C1311[M+H]の計算値:275.06625;実測値:275.06598。
【0116】
(実施例47)
N-(4-ジメチルアミノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化53】
合成方法は実施例1のものと同様であった。63%の収率、及び202~205℃の融点を有する褐色固体。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.09(s,1H),7.52(d,J=8.8 Hz,2H),7.40(d,J=3.6 Hz,1H),7.34(d,J=3.6 Hz,1H),6.74(d,J=8.8 Hz,2H),2.96(s,6H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 153.58,148.61,148.45,125.77,122.02,121.91,116.19,112.80,112.73,40.68.HRMS m/z:C1410[M+H]の計算値:284.06658;実測値:284.06597。
【0117】
(実施例48)
N-(4-モルホリニルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化54】
合成方法は実施例1のものと同様であった。35%の収率、及び208~209℃の融点を有する褐色固体。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.11(s,1H),7.58(d,J=8.4 Hz,2H),7.41(s,1H),7.36(s,1H),6.94(d,J=8.4 Hz,2H),3.87(s,4H),3.17(s,4H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 153.69,151.25,149.06,148.11,128.70,121.74,116.49,116.08,112.81,66.84,49.32.HRMS m/z:C1410[M+H]の計算値:284.06658;実測値:284.06597。
【0118】
(実施例49)
N-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化55】
合成方法は実施例1のものと同様であった。71%の収率、及び185~186℃の融点を有する褐色固体。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.10(s,1H),7.55(d,J=8.4 Hz,2H),7.41(s,1H),7.35(s,1H),6.95(d,J=8.4 Hz,2H),3.23(s,4H),2.62(s,4H),2.49(q,J=7.0 Hz,2H),1.14(t,J=7.0 Hz,3H).13C NMR(101 MHz,CDCl3)δ 153.73,151.21,149.10,148.24,128.38,121.75,116.43,116.28,112.86,52.76,52.38,49.10,12.05.HRMS m/z:C1410[M+H]の計算値:284.06658;実測値:284.06597。
【0119】
(実施例50)
N-(4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化56】
合成方法は実施例1のものと同様であった。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(CHCl:MeOH=25:1)によって分離して、35%の収率及び147~148℃の融点を有する黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.55(s,1H),7.81(d,J=4.0 Hz,1H),7.64-7.62(m,3H),7.23(d,J=8.4 Hz,2H),4.62(t,J=5.2 Hz,1H),3.60(dd,J=12.4,6.8 Hz,2H),2.71(t,J=6.8 Hz,2H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 154.90,152.17,148.53,136.40,136.13,129.61,121.11,116.80,113.93,62.59,38.96.HRMS m/z:C1313[M+H]の計算値:277.08190;実測値:277.08177。
【0120】
(実施例51)
N-(4-アミノメチルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化57】
4-24の合成方法は実施例1のものと同様であった。4-24を4NのHCl酢酸エチル溶液(2mL)に添加し、且つTLC(CHCl:MeOH=15:1)が反応が完了したことを示すまで室温で撹拌した。混合物を吸引濾過して、232mgの淡黄色固体を得、これは実施例51の塩酸塩であった。収率は60%であり、且つ融点は249~252℃であった。
H NMR(400 MHz,DO)δ 7.84(d,J=8.2 Hz,2H),7.59(d,J=3.6 Hz,1H),7.50-7.48(m,3H),4.12(s,2H).13C NMR(101 MHz,DO)δ 155.49,152.14,147.75,138.34,129.55,129.39,121.15,116.39,111.98,42.48.HRMS m/z:C1410[M+H]の計算値:284.06658;実測値:284.06597。
【0121】
(実施例52)
N,N’-(1,4-フェニレン)ビス(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)
【化58】
m-フェニレンジアミン(108mg、1mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(302mg、3mmol)を添加し、且つ氷水浴下で冷却した。4-6a(350mg、2mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)に溶解し、溶解させた4-6aを上記溶液に滴下で添加した。添加が完了した後、反応物を室温に昇温させ、且つ一晩撹拌した。TLC(CHCl:MeOH=15:1)は、反応が完了したことを示した。水(20mL)を反応溶液に添加し、これを十分に撹拌し、且つ吸引濾過した。乾燥後、60%の収率、及び185~186℃の融点を有する、232mgの黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 10.73(s,2H),8.26(s,1H),7.82(s,2H),7.68(s,2H),7.54(s,1H),7.52(s,1H),7.40(t,J=8.0 Hz,1H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 155.12,152.30,148.30,138.68,129.59,117.40,117.10,113.92,113.46.HRMS m/z:C1410[M+H]の計算値:284.06658;実測値:284.06597。
【0122】
(実施例53)
N-(3-(メチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
3-アミノ-N-メチルベンズアミド(4-25a)
【化59】
4-26aの合成方法は実施例5Aのものと同様であった。4-26a(180mg、1mmol)をメタノール(10mL)に溶解し、Pd/C(10%、18mg)を添加し、水素化器に入れて室温で2時間反応させた。TLC(CHCl:MeOH=15:1)は、反応が完了したことを示した。反応溶液をcelatomで濾過し、且つ濾液を濃縮して、黄色固体4-25aを収率70%で得た。4-25b及び4-32a~nを同様に合成した。
【0123】
N-(3-(メチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド(実施例53)
【化60】
合成方法は実施例1のものと同様であった。70%の収率、及び250~252℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.79(s,1H),8.49(s,1H),8.19(s,1H),7.95(d,J=7.8 Hz,1H),7.83(s,1H),7.70(s,1H),7.61(d,J=7.8 Hz,1H),7.48(t,J=7.8 Hz,1H),2.80(d,J=2.8 Hz,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 166.74,155.13,152.28,148.16,138.42,135.71,129.22,123.51,123.12,120.40,117.11,113.90,26.76.HRMS m/z:C1312[M+H]の計算値:290.07715;実測値:290.07696。
【0124】
(実施例54)
N-(3-(ジメチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化61】
合成方法は実施例1のものと同様であった。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=1:3)によって分離して、56%の収率及び157~159℃の融点を有する黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 9.45(s,1H),7.77(d,J=8.0 Hz,1H),7.66(s,1H),7.38-7.30(m,3H),7.16(d,J=8.0 Hz,1H),3.12(s,1H),3.00(s,1H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 171.19,154.47,151.41,148.06,137.06,136.77,129.12,123.17,121.73,119.46,116.73,112.60,39.57,35.36.HRMS m/z:C1414[M+H]の計算値:304.09280;実測値:304.09265。
【0125】
(実施例55)
N-(3-(エチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化62】
合成方法は実施例1のものと同様であった。85%の収率、及び197~199℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.77(s,1H),8.50(t,J=5.2 Hz,1H),8.16(t,J=1.8 Hz,1H),7.94(dd,J=8.0,1.2 Hz,1H),7.83(d,J=3.9 Hz,1H),7.68(d,J=3.9 Hz,1H),7.62(d,J=8.0 Hz,1H),7.47(t,J=8.0 Hz,1H),3.32-3.26(m,2H),1.13(t,J=7.2 Hz,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 166.08,155.15,152.30,148.18,138.37,135.94,129.19,123.53,123.26,120.47,117.12,113.92,34.55,15.24.HRMS m/z:C1414[M+H]の計算値:304.09280;実測値:304.09286。
【0126】
(実施例56)
N-(3-(イソプロピルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化63】
合成方法は実施例1のものと同様であった。31%の収率、及び196~198℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.77(s,1H),8.26(d,J=8.0 Hz,1H),8.12(t,J=1.6 Hz,1H),7.95(dd,J=8.0,1.6 Hz,1H),7.83(d,J=3.9 Hz,1H),7.68(d,J=3.9 Hz,1H),7.63(d,J=8.0 Hz,1H),7.46(t,J=8.0 Hz,1H),4.14-4.07(m,1H),1.17(d,J=6.8 Hz,6H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 165.53,155.14,152.29,148.17,138.27,136.14,129.09,123.48,120.55,117.10,113.92,41.50,22.77.HRMS m/z:C1516[M+H]の計算値:318.10845;実測値:318.10893。
【0127】
(実施例57)
N-(3-(イソブチルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化64】
合成方法は実施例1のものと同様であった。45%の収率、及び191~192℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.78(s,1H),8.50(t,J=5.4 Hz,1H),8.15(s,1H),7.94(d,J=8.0 Hz,1H),7.83(d,J=3.9 Hz,1H),7.68(d,J=3.9 Hz,1H),7.62(d,J=8.0 Hz,1H),7.47(t,J=8.0 Hz,1H),3.08(t,J=6.4 Hz,2H),1.88-1.81(m,1H),0.89(d,J=6.4 Hz,6H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 166.48,155.16,152.31,148.20,138.37,136.11,129.19,123.53,123.35,120.19,117.13,113.94,47.21,28.57,20.69.HRMS m/z:C1516[M+H]の計算値:318.10845;実測値:318.10893。
【0128】
(実施例58)
N-(3-(シクロヘキシルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化65】
合成方法は実施例1のものと同様であった。48%の収率、及び249~252℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.78(s,1H),8.25(d,J=7.8 Hz,1H),8.12(s,1H),7.97(d,J=7.8 Hz,1H),7.84(d,J=3.9 Hz,1H),7.70(d,J=3.9 Hz,1H),7.64(d,J=7.8 Hz,1H),7.46(d,J=7.8 Hz,1H),3.78(s,1H),1.88-1.72(m,4H),1.62(d,J=11.8 Hz,1H),1.38-1.24(m,4H),1.20-1.10(m,1H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 165.54,155.15,152.31,148.20,138.28,136.17,129.09,123.51,120.59,117.11,113.93,48.86,32.85,25.73,25.41.HRMS m/z:C1516[M+H]の計算値:318.10845;実測値:318.10893。
【0129】
(実施例59)
N-(3-(ベンジルカルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化66】
合成方法は実施例1のものと同様であった。69%の収率、及び165~167℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.80(s,1H),9.10(s,1H),8.21(s,1H),7.97(d,J=7.8 Hz,1H),7.82(d,J=3.2 Hz,1H),7.70-7.68(m,2H),7.49(t,J=7.8 Hz,1H),7.40-7.19(m,5H),4.49(d,J=5.4 Hz,2H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 166.39,155.15,152.29,148.15,140.06,138.44,135.60,129.30,128.75,127.65,127.21,123.76,123.37,120.57,117.14,113.91,43.09.HRMS m/z:C1516[M+H]の計算値:318.10845;実測値:318.10893。
【0130】
(実施例60)
N-(3-((2-ジメチルアミノエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化67】
合成方法は実施例1のものと同様であった。85%の収率、及び149~150℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.71(s,1H),8.02(s,1H),7.97(dd,J=8.0,1.2 Hz,1H),7.60(d,J=8.0 Hz,1H),7.46(t,J=8.0 Hz,1H),7.42(d,J=3.8 Hz,1H),7.39(d,J=3.8 Hz,1H),6.97(s,1H),3.53(q,J=5.6 Hz,2H),2.53(t,J=5.6 Hz,2H),2.28(s,6H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 166.24,155.18,152.27,148.28,138.53,135.77,129.20,123.64,123.24,120.46,117.09,113.93,58.62,45.74,37.91.HRMS m/z:C1516[M+H]の計算値:318.10845;実測値:318.10893。
【0131】
(実施例61)
N-(3-((2-モルホリニルエチル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化68】
合成方法は実施例1のものと同様であった。49%の収率、及び193~194℃の融点を有する白色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.78(s,1H),8.44(t,J=5.6 Hz,1H),8.16(t,J=1.6 Hz,1H),7.94(dd,J=8.0,1.2 Hz,1H),7.82(d,J=3.9 Hz,1H),7.67(d,J=3.9 Hz,1H),7.60(d,J=8.0 Hz,1H),7.47(t,J=8.0 Hz,1H),3.57(t,J=4.4 Hz,4H),3.40(q,J=6.4 Hz,3H),2.52-2.40(m,6H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 166.32,155.22,152.26,148.41,138.69,135.79,129.21,123.69,123.18,120.51,117.04,113.94,66.66,57.80,53.76,37.05.HRMS m/z:C1821[M+H]の計算値:389.14556;実測値:389.14653。
【0132】
(実施例62)
N-(3-((3-モルホリニルプロピル)カルバモイル)フェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化69】
合成方法は実施例1のものと同様であった。68%の収率、及び156~158℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.44(s,1H),8.10(s,1H),8.03(s,1H),7.92(d,J=8.0 Hz,1H),7.61(d,J=8.0 Hz,1H),7.48(t,J=8.0 Hz,1H),7.41(d,J=8.0 Hz,2H),3.69(s,4H),3.59(d,J=5.2 Hz,2H),2.66-2.42(m,6H),1.80(s,2H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 166.63,154.12,147.49,136.91,136.19,129.48,123.57,122.97,119.06,117.01,112.63,66.95,58.70,53.83,40.74,24.13.HRMS m/z:C1821[M+H]の計算値:389.14556;実測値:389.14653。
【0133】
(実施例63)
N-(4-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化70】
合成方法は実施例1のものと同様であった。65%の収率、及び225~226℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.65(s,1H),8.20(d,J=4.4 Hz,1H),7.82(d,J=3.6 Hz,1H),7.72(s,2H),7.64(d,J=3.6 Hz,1H),7.25(d,J=8.8 Hz,1H),2.76(d,J=4.4 Hz,3H),2.29(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 169.59,154.96,148.27,138.14,135.84,131.51,131.22,121.59,119.67,116.97,113.94,26.37,19.27.HRMS m/z:C1821[M+H]の計算値:389.14556;実測値:389.14653。
【0134】
(実施例64)
N-(5-メチル-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化71】
合成方法は実施例1のものと同様であった。63%の収率、及び195~198℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.69(s,1H),8.42(d,J=4.8 Hz,1H),7.97(s,1H),7.82(d,J=3.9 Hz,1H),7.76(s,1H),7.67(d,J=3.9 Hz,1H),7.44(s,1H),2.78(d,J=4.4 Hz,3H),2.37(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 166.89,155.07,152.29,148.20,138.60,138.30,135.73,123.97,117.73,117.04,113.92,26.76,21.64.HRMS m/z:C1821[M+H]の計算値:389.14556;実測値:389.14653。
【0135】
(実施例65)
N-(4-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化72】
合成方法は実施例1のものと同様であった。35%の収率、及び195~198℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.69(s,1H),8.42(d,J=4.8 Hz,1H),7.97(s,1H),7.82(d,J=3.9 Hz,1H),7.76(s,1H),7.67(d,J=3.9 Hz,1H),7.44(s,1H),2.78(d,J=4.4 Hz,3H),2.37(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 166.89,155.07,152.29,148.20,138.60,138.30,135.73,123.97,117.73,117.04,113.92,26.76,21.64.HRMS m/z:C1821[M+H]の計算値:389.14556;実測値:389.14653。
【0136】
(実施例66)
N-(5-フルオロ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化73】
合成方法は実施例1のものと同様であった。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(CHCl:MeOH=25:1)によって分離して、40%の収率及び211~213℃の融点を有する黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.97(s,1H),8.58(d,J=4.2 Hz,1H),8.05(s,1H),7.92(d,J=10.8 Hz,1H),7.85(d,J=3.9 Hz,1H),7.71(d,J=3.9 Hz,1H),7.47(d,J=9.2 Hz,1H),2.82(d,J=4.4 Hz,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 165.48,163.31,160.90,155.31,152.36,147.75,140.07,139.95,137.41,137.33,117.51,116.29,113.88,110.26,110.00,109.82,109.59,26.80.HRMS m/z:C1821[M+H]の計算値:389.14556;実測値:389.14653。
【0137】
(実施例67)
N-(4-ヒドロキシ-3-メチルカルバモイルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化74】
合成方法は実施例5Aのものと同様であった。30%の収率、及び260~262℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 12.16(s,1H),10.60(s,1H),8.73(d,J=3.6 Hz,1H),8.09(s,1H),7.82(d,J=3.6 Hz,1H),7.66-7.59(m,2H),6.94(d,J=8.8 Hz,1H),2.82(d,J=4.0 Hz,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.45,156.53,154.94,152.21,148.50,129.13,127.72,122.35,117.81,116.70,114.00,26.61.HRMS m/z:C1821[M+H]の計算値:389.14556;実測値:389.14653。
【0138】
(実施例68)
,N-ジメチル-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)イソフタルアミド
【化75】
合成方法は実施例1のものと同様であった。55%の収率、及び151~153℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.92(s,1H),8.56(d,J=4.4 Hz,2H),8.35(s,2H),8.06(s,1H),7.86(d,J=3.9 Hz,1H),7.73(d,J=3.9 Hz,1H),2.83(d,J=4.4 Hz,6H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 166.59,155.23,152.36,147.96,138.50,135.99,122.46,121.86,117.30,113.92,26.82.HRMS m/z:C1821[M+H]の計算値:389.14556;実測値:389.14653。
【0139】
(実施例69)
N-(2-メチル-1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-5-イル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化76】
合成方法は実施例1のものと同様であった。50%の収率、及び252~254℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 11.09(s,1H),8.26(d,J=1.6 Hz,1H),8.09(dd,J=8.2,1.6 Hz,1H),7.87(d,J=8.2 Hz,1H),7.83(d,J=3.9 Hz,1H),7.69(d,J=3.9 Hz,1H),3.02(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.11,168.01,155.52,152.42,147.61,143.68,133.64,127.29,125.09,124.50,117.92,114.60,113.90,24.24.HRMS m/z:C1821[M+H]の計算値:389.14556;実測値:389.14653。
【0140】
(実施例70)
N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセチルフラン-2-カルボキサミド
5-アセチルフラン-2-カルボン酸(4-14e)
【化77】
4-21(205mg、1mmol)を無水DMF(5mL)に溶解し、4-33(361mg、1.5mmol)、PdCl(PPh(70mg、0.1mmol)を添加し、且つアルゴン保護下、115℃で18時間撹拌した。TLC(PE:EA=3:1)は、反応がほぼ完了したことを示した。反応溶液を室温に冷却し、塩酸(4N、0.5mL)を添加し、且つ混合物を30分間撹拌した。水15mLを反応系に添加し、これを酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、無水NaSOで乾燥させ、且つ濃縮した。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=10:1)で分離して、100mgの白色固体4-34を60%の収率で得た。
【0141】
テトラヒドロフラン(4mL)及びLiOH水溶液(3N、1mL)を4-34(100mg、6mmol)に添加し、室温で5分間撹拌し、且つTLC(PE:EA=3:1)は反応が完了したことを示した。溶媒の大部分を回転蒸発によって除去し、且つ残渣に水(5mL)を添加し、4N塩酸でpH=3~4に調整し、且つ酢酸エチル(5mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、飽和NaClで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、且つ濃縮して、90mgの白色固体4-14eを98%の収率で得た。
【0142】
N-(4-アセトアミドフェニル)-5-アセチルフラン-2-カルボキサミド(実施例70)
【化78】
合成方法は実施例5Aのものと同様であった。82%の収率、及び250~251℃の融点を有する淡黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.37(s,1H),9.95(s,1H),7.64(d,J=8.8 Hz,2H),7.58-7.54(m,3H),7.45(d,J=3.6 Hz,1H),2.53(s,3H),2.04(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 187.18,168.55,155.92,152.90,150.25,136.25,133.57,121.69,119.67,119.37,116.04,26.78,24.40.HRMS m/z:C1515[M+H]の計算値:287.10263;実測値:287.10235。
【0143】
(実施例71)
N-(4-(2-ジメチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化79】
p-ニトロアニリン(276mg、2mmol)及びトリエチルアミン(303mg、3mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に添加し、且つ氷水浴下、クロロアセチルクロリド(226mg、2mmol)を滴下で添加した。添加が完了した後、反応物を室温で2時間撹拌し、且つTLC(CHCl:MeOH=10:1)は、反応が完了したことを示した。1NのHCl(20mL)を反応溶液に添加し、これを更に15分間撹拌し、吸引濾過し、且つ乾燥させて、408mgの黄色粉末4-35aを95%の収率で得た。
【0144】
4-35a(214mg、1mmol)、ジメチルアミン塩酸塩(163mg、2mmol)、無水炭酸カリウム(414mg、3mmol)、ヨウ化ナトリウム(165mg、1.1mmol)、及びアセトニトリル(15mL)を反応フラスコに添加し、80℃で3時間撹拌し、次いで、TLC(CHCl:MeOH=10:1)は、反応が完了したことを示した。反応溶液を冷却し、且つ吸引濾過した。濾液を濃縮した。残渣に水15mL及び酢酸エチル15mLを添加した。混合後、混合物を分離のために静置させた。水相を廃棄した。有機相を2N塩酸(3mL×3)で抽出した。抽出物を合わせ、且つ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH=9に調整した。黄色固体を沈殿させ、濾過し、且つ乾燥させて、150mgの4-36aを64%の収率で得た。
【0145】
4-37aの合成方法は4-25aのものと同様であり、且つ分離せずに次の反応に直接使用した。
【0146】
実施例71の合成方法は、実施例5Aのものと同様であった。68%の収率、及び207~209℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.61(s,1H),9.76(s,1H),7.82(d,J=3.5 Hz,1H),7.71-7.49(m,5H),3.06(s,2H),2.27(s,6H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.98,154.79,152.19,148.50,135.81,133.60,121.53,120.23,116.80,113.98,63.73,45.83.HRMS m/z:C1516[M+H]の計算値:333.11935;実測値:333.11900。
【0147】
(実施例72)
N-(4-(2-モルホリニル)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化80】
合成方法は実施例71のものと同様であった。32%の収率、及び255~257℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.63(s,1H),9.80(s,1H),7.83(d,J=3.8 Hz,1H),7.69-7.61(m,5H),3.64(t,J=4.0 Hz,4H),3.13(s,2H),2.51(t,J=4.0 Hz,4H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.41,154.81,152.20,148.49,135.68,133.71,121.55,120.29,116.82,113.99,66.53,62.48,53.64.HRMS m/z:C1718[M+H]の計算値:375.12991;実測値:375.13017。
【0148】
(実施例73)
N-(4-(3-ジメチルアミノ)プロピオニルアミノフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化81】
合成方法は実施例71のものと同様であった。30%の収率、及び213~215℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.78(s,1H),10.18(s,1H),7.81(d,J=1.5 Hz,2H),7.70(d,J=8.8 Hz,2H),7.60(d,J=8.8 Hz,2H),2.54(t,J=6.9 Hz,2H),2.44(t,J=6.9 Hz,2H),2.16(s,6H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 170.55,154.79,152.22,148.58,136.44,133.45,121.59,119.68,116.92,113.95,55.61,45.44,35.16.HRMS m/z:C1618[M+H]の計算値:347.13500;実測値:347.13491。
【0149】
(実施例74)
N-(4-((2-ジメチルアミノ)エチルアミノ)アセトアミドフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化82】
合成方法は実施例71のものと同様であった。28%の収率、及び160~162℃の融点を有する橙色固体。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 9.80(s,1H),8.24(s,1H),7.80-7.53(m,4H),7.42(d,J=3.6 Hz,1H),7.37(d,J=3.6 Hz,1H),3.41(d,J=2.2 Hz,2H),2.78(s,2H),2.45(s,2H),2.28(d,J=2.2 Hz,6H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 170.42,153.79,147.94,135.58,132.19,121.06,120.08,116.68,112.73,58.77,53.09,47.43,45.34.HRMS m/z:C1721[M+H]の計算値:376.16155;実測値:376.16271。
【0150】
(実施例75)
エチル2-アセトアミド-5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)ベンゾアート
【化83】
合成方法は実施例1のものと同様であった。89%の収率、及び214~215℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.79(s,1H),10.46(s,1H),8.34(d,J=2.5 Hz,1H),8.19(d,J=9.0 Hz,1H),7.98(dd,J=9.0,2.5 Hz,1H),7.82(d,J=3.9 Hz,1H),7.64(d,J=3.9 Hz,1H),3.88(s,3H),2.13(s,3H).13C NMR(101 MHz,DMSO-d)δ 168.81,167.57,155.00,152.25,148.15,136.39,133.54,126.29,122.46,117.08,113.91,52.84,25.01.HRMS m/z:C1513[M+H]の計算値:348.08263;実測値:348.08242。
【0151】
(実施例76)
エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート
【化84】
合成方法は実施例5Aのものと同様であった。48%の収率、及び174~175℃の融点を有する黄色固体。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.15(d,J=3.8 Hz,1H),7.80(s,1H),7.41(d,J=3.8 Hz,1H),4.32(q,J=7.1 Hz,2H),1.37(t,J=7.1 Hz,3H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 163.67,156.79,154.70,153.38,144.86,144.32,125.33,111.45,94.67,60.22,14.48.
【0152】
(実施例77)
エチル5-(5-ニトロフラン-2-カルボキサミド)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
【化85】
合成方法は実施例5Aのものと同様であった。黄色固体、30%の収率。
H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 13.79(s,1H),11.62(s,1H),7.81(d,J=3.8 Hz,1H),7.75(d,J=3.8 Hz,1H),7.06(s,1H),4.33(q,J=7.1 Hz,2H),1.33(t,J=7.1 Hz,3H).
【0153】
(実施例78)
N-メチル-3-[(5-アセチル-2-フロイル)アミノ]ベンズアミド
【化86】
合成方法は実施例5Aのものと同様であった。白色固体、36%の収率。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.63(s,1H),8.09(s,1H),7.85(d,J=8.0 Hz,1H),7.59(d,J=8.0 Hz,1H),7.44(t,J=8.0 Hz,1H),7.31(d,J=3.8 Hz,1H),7.26(d,J=3.8 Hz,1H),6.38(s,1H),3.02(d,J=4.8 Hz,3H),2.56(s,3H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 186.51,167.56,155.52,152.33,149.69,137.27,135.60,129.53,123.50,122.91,119.12,118.47,116.52,26.90,26.29.HRMS m/z:C1514[M+H]の計算値:287.10263;実測値:287.10218。
【0154】
(実施例79)
N-3-(エチニルフェニル)-5-ニトロフラン-2-カルボキサミド
【化87】
合成方法は実施例1のものと同様であった。生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(PE:EA=5:1)によって分離して、46%の収率及び173~174℃の融点を有する黄色固体を得た。
H NMR(400 MHz,CDCl)δ 8.20(s,1H),7.82(s,1H),7.69(dt,J=7.4,2.0 Hz,1H),7.42(d,J=3.8 Hz,1H),7.39(d,J=3.8 Hz,1H),7.34-7.31(m,2H),3.11(s,1H).13C NMR(101 MHz,CDCl)δ 153.96,147.53,136.39,129.31,129.22,123.78,123.28,120.81,117.02,112.63,82.72,78.03.
【0155】
(試験例)
UT-B阻害剤のスクリーニング及び薬力学的評価
1.スクリーニング検査法
1)血液を採取し、15mLの目盛り付き遠心管に入れ(ヘパリンナトリウムを含有するPBSに懸濁した)、且つ3000r/分で10分間遠心分離し、次いで上清を廃棄した。
2)血液と同量のPBSを添加し、且つ3000r/分で10分間遠心分離し、次いで上清を廃棄した。
3)赤血球を、1.25M尿素を含有する高浸透圧性PBSで希釈して、2%の比体積を有する細胞懸濁液を得た。
4)赤血球懸濁液を室温で2時間インキュベートして、細胞内及び細胞外の尿素濃度を平衡させ、且つピペットで定期的に混合した。
5)99μLの上記赤血球懸濁液を96ウェル丸底マイクロプレートの各ウェルに入れ、次いで1μLの試験化合物を添加し、十分混合し、且つ室温で6分間インキュベートした(試験化合物の最終濃度は20μMであり、且つDMSOの最終濃度は1%であった)。
6)別の96ウェル平底黒色壁マイクロプレートを取り、且つ180μLの等浸透圧性PBS(1%DMSOを含有)を各ウェルに添加した。
7)上記工程5)の赤血球懸濁液20μLを取り、96ウェルプレートに素早く添加し、且つ素早くよく混合した。
8)マイクロプレートリーダで5分以内に波長710nmの吸光度値を測定した。
9)各マイクロプレートは、ポジティブコントロールウェル(非特異的UT-B阻害剤フロレチン)及びネガティブコントロールウェル(PBS)を備えていた。
赤血球溶血速度を計算した。
【数1】
【0156】
数1は、赤血球の溶血速度百分率を計算するための式であって、式中、Atestは試験ウェルの吸光度値であり、Anegはネガティブコントロールウェルの吸光度値であり、且つAposはポジティブコントロールウェルの吸光度値であった。赤血球溶血速度は、波長710nmにおける吸収を測定することによって計算した。
【0157】
2.尿素輸送体阻害剤としての潜在的な化合物の探索
潜在的な尿素輸送体化合物を見出す可能性を高めるために、本発明は、コンピュータシミュレーションを使用することによって、UT-Bタンパク質の分子構造に基づいてUT-B阻害活性を有し得る1,040個の化合物を最初にふるい出した。上記化合物をDMSOに溶解し、且つスクリーニング化合物ライブラリとして96ウェルマイクロタイタープレート中の1mM塗布溶液に希釈した。
【0158】
ヒト、ラット(SDラット)及びマウス(C57マウス)の3種の赤血球を採取し、且つ赤血球尿素輸送体阻害剤スクリーニングモデルを使用することによって、上記スクリーニング化合物ライブラリから尿素輸送体阻害剤を事前にスクリーニングした。スクリーニングした化合物の濃度は10μMであり、且つスクリーニングを一度繰り返して潜在的な化合物を決定した。
【0159】
3.潜在的な化合物は尿素輸送体を特異的に阻害する
潜在的な化合物の特異性を決定するために、赤血球を等浸透圧性PBS又は1.25M尿素を含有するPBSで平衡化し、且つ潜在的な化合物(10μM)をインキュベートし、且つ等浸透圧性PBSに素早く移して赤血球の溶血速度を検出した。結果:等浸透圧性PBSとインキュベートした赤血球では明らかな溶血は見られなかったが、1.25M尿素PBSとインキュベートした赤血球では赤血球を溶血した。これは、赤血球の破裂が、潜在的な化合物による尿素輸送体タンパク質の尿素透過性の特異的阻害によって引き起こされたことを示した。
【0160】
4.最良の潜在的な化合物の決定
得られた潜在的な化合物の親原子核構造に基づいて、置換基置換を行って化学構造類似体を得て、二次スクリーニング小分子ライブラリを確立した。上記のモデル及び方法を使用して活性をスクリーニング及び決定して、用量-効果実験の結果を得た(表3)(注:表3のIC50は、マウス、ラット及びヒトの赤血球溶血速度がそれぞれ50%であった場合の濃度である)。表3に示されるように、本発明化合物は全て尿素輸送体阻害作用を有し、且つ尿素輸送体阻害剤として使用され得る。
【0161】
分析及び比較の後、3つの種に対して良好な阻害効果を有する実施例3の化合物を、例示的な好ましい化合物として選択した(図2A図2C)。
【0162】
5.尿素輸送体UT-Aに対する実施例3の化合物の阻害効果
UT-Aに対する実施例3の化合物の阻害効果を決定するために、UT-A1を安定に発現するMDCK細胞をTranswellのコンパクトな単層に培養し、且つフォルスコリンを使用して原形質膜へのUT-Aタンパク質の転写を刺激した。細胞を実施例3の化合物と共に15分間インキュベートし、Transwell下の培地を15mM尿素を含有する培地に交換し、且つTranswell上の培地中の尿素濃度を特定の時間に検出して、UT-A尿素の透過性に対する実施例3の化合物の阻害効果を評価した。
【0163】
実験結果は、本発明の実施例3の例示的化合物が、UT-A1によって媒介される尿素透過性を有意に阻害し(図2D)、且つ実施例3の化合物がUT-BよりもUT-Aに対するより強力な阻害活性を有することを示した(図2E図2F)。
【0164】
6.実施例3の化合物は明らかな利尿効果を有する
(1)SDラット、雄、各群6匹、体重約200gを取得した。動物を代謝ケージに入れ、且つ水に自由にアクセスできる標準的な食餌で実験前に3日間順化させた。尿回収システムは、尿損失を防ぐために事前にシリコン処理した。順化後、2時間の尿を回収し、且つ予め秤量したEPチューブに移した。実施例3の化合物100mg/kgを皮下注射し、且つ2時間ごとに合計12時間尿を回収した。溶媒コントロール:トウモロコシ油。尿の重量を減量法により測定し、且つ体積(1g≒1mL)に変換した。横座標として時間及び縦座標として尿量をとることによって曲線を描き、且つ結果を図4Aに示し、溶媒コントロール群と比較し、実施例3の化合物は明らかな利尿効果を示した。利尿効果のピークは投与後4時間であり、且つ利尿効果の持続時間は約6~8時間であった。結果を平均±SEM、n=6として示した。回収した尿の尿浸透圧を、凝固点浸透圧計を使用して測定した。横座標として時間及び縦座標として尿浸透圧をとることによって曲線を描き、且つ結果を図4Bに示し、溶媒コントロール群と比較し、実施例3の化合物は尿浸透圧を有意に低下させることができる。作用のピークは投与後4時間であり、且つ投与後6~8時間で投与前のレベルに戻った。結果を平均±SEM、n=6として示した。尿中の尿素のレベルについて尿素キットを使用することによって尿試料を検出した。先に測定した2時間当たりの尿量、尿浸透圧及び尿素排泄に従って、2時間当たりの非尿素溶質の排泄を計算した。コントロール群と比較して、各用量群の2時間当たりの非尿素溶質排泄は有意な変化を有さなかった(図3C)。結果を平均±SEM、n=6として示した。
【0165】
(2)C57BL/6Jマウス、雄、各群6匹、体重20~22gを取得した。動物を代謝ケージに入れ、且つ水に自由にアクセスできる標準的な食餌で実験前に3日間順化させた。尿回収システムは、尿損失を防ぐために事前にシリコン処理した。順化後、2時間の尿を回収し、予め秤量した試験管に移した。実施例3の化合物100mg/kgを皮下注射し、且つ2時間ごとに合計12時間尿を回収した。溶媒コントロール:40%トウモロコシ油。尿の重量を減量法により測定し、且つ体積(1g≒1mL)に変換した。横座標として時間及び縦座標として尿量をとることによって曲線を描き、且つ結果を図4Aに示し、溶媒コントロール群と比較し、実施例3の化合物は明らかな利尿効果を示した。結果を平均±SEM、n=6として示した。回収した尿の尿浸透圧を、凝固点浸透圧計を使用して測定した。横座標として時間及び縦座標として尿浸透圧をとることによって曲線を描き、且つ結果を図4Bに示し、溶媒コントロール群と比較し、実施例3の化合物は尿浸透圧を有意に低下させることができる。結果を平均±SEM、n=6として示した。尿中の尿素のレベルについて尿素キットを使用することによって尿試料を検出した。先に測定した2時間当たりの尿量、尿浸透圧及び尿素排泄に従って、2時間当たりの非尿素溶質の排泄を計算した。コントロール群と比較して、各用量群の2時間当たりの非尿素溶質排泄は有意な変化を有さなかった(図4C)。結果を平均±SEM、n=6として示した。
【0166】
(3)SDラット、雄、各群6匹、体重約200gを取得した。動物を代謝ケージに入れ、且つ水に自由にアクセスできる標準的な食餌で実験前に3日間順化させた。尿回収システムは、尿損失を防ぐために事前にシリコン処理した。順化後、2時間の尿を回収し、且つ予め秤量した試験管に移した。実施例3の化合物100mg/kgを皮下注射し、且つ2時間ごとに合計12時間尿を回収した。溶媒コントロール:0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)。尿の重量を減量法により測定し、且つ体積(1g≒1mL)に変換した。横座標として時間及び縦座標として尿量をとることによって曲線を描き、且つ結果を図5Aに示し、溶媒コントロール群と比較し、実施例3の化合物は明らかな利尿効果を示した。尿量は投与後2時間で上昇し始め、利尿効果のピークは投与後4時間であり、且つ利尿効果の持続時間は約6~8時間であった。結果を平均±SEM、n=6として示した。回収した尿の尿浸透圧を、凝固点浸透圧計を使用して測定した。横座標として時間及び縦座標として尿浸透圧をとることによって曲線を描き、且つ結果を図5Bに示し、溶媒コントロール群と比較し、実施例3の化合物は尿浸透圧を有意に低下させることができる。作用のピークは投与後4時間であり、且つ投与後6~8時間で投与前のレベルに戻った。結果を平均±SEM、n=6として示した。尿中の尿素のレベルについて尿素キットを使用することによって尿試料を検出した。先に測定した2時間当たりの尿量、尿浸透圧及び尿素排泄に従って、2時間当たりの非尿素溶質の排泄を計算した。図5Cに示されるように、コントロール群と比較して、各用量群の2時間当たりの非尿素溶質排泄は有意な変化を有さなかった。C57BL/6Jマウス、雄、各群6匹、体重20~22gを取得した。動物を代謝ケージに入れ、且つ水に自由にアクセスできる標準的な食餌で実験前に3日間順化させた。尿回収システムは、尿損失を防ぐために事前にシリコン処理した。順化後、2時間の尿を回収し、且つ予め秤量した試験管に移した。実施例3の化合物100mg/kgを胃内投与し、且つ2時間ごとに合計12時間尿を回収した。溶媒コントロール:CMC-Na。尿の重量を減量法により測定し、且つ体積(1g≒1mL)に変換した。横座標として時間及び縦座標として尿量をとることによって曲線を描き、且つ結果を図6Aに示し、溶媒コントロール群と比較し、実施例3の化合物は明らかな利尿効果を示した。結果を平均±SEM、n=6として示した。回収した尿の尿浸透圧を、凝固点浸透圧計を使用して測定した。横座標として時間及び縦座標として尿浸透圧をとることによって曲線を描き、且つ結果を図6Bに示し、溶媒コントロール群と比較し、実施例3の化合物は尿浸透圧を有意に低下させることができる。結果を平均±SEM、n=6として示した。尿中の尿素のレベルについて尿素キットを使用することによって尿試料を検出した。先に測定した2時間当たりの尿量、尿浸透圧及び尿素排泄に従って、2時間当たりの非尿素溶質の排泄を計算した。コントロール群と比較して、各用量群の2時間当たりの非尿素溶質排泄は有意な変化を有さなかった(図6C)。結果を平均±SEM、n=6として示した。
【0167】
続いて、本発明者等は、実施例3の化合物の長期利尿効果を更に観察した。正常なC57BL/6Jマウス、8週齢、雄、各群8匹のマウスを取得した。動物を代謝ケージに入れ、且つ水に自由にアクセスできる標準的な食餌で実験前に3日間順化させた。順化後、100mg/kgの実施例3の化合物を8時間ごとに胃内投与した(最初の用量は2倍であった)。溶媒コントロール:0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)。尿を24時間ごとに回集し、且つ予め秤量した試験管に移した。投与を7日間継続し、体重を記録し、且つ結果を図7に示した。尿の重量を減量法により測定し、且つ体積(1g≒1mL)に変換した。横座標として時間及び縦座標として尿量をとることによって曲線を描き、且つ結果を図7Aに示し、溶媒コントロール群と比較し、尿量は実施例3の化合物投与後1日目から増加し始め、且つ7日目まで持続した。溶媒コントロール群と比較して、実施例3の化合物は明らかな利尿効果を有していた。結果を平均±SEM、n=8として示した。尿浸透圧を、凝固点浸透圧計を使用して測定した。横座標として時間及び縦座標として尿浸透圧をとることによって曲線を描き、且つ結果を図7Aに示し、溶媒コントロール群と比較し、尿浸透圧は実施例3の化合物投与後1日目から低下し始め、且つ7日目まで持続し、実施例3の化合物の連続投与がマウスの尿の浸透圧を低下させることができることを示した。結果を平均±SEM、n=8として示した。
【0168】
正常SDラット、8週、雄、各群8匹のラットを取得した。動物を代謝ケージに入れ、且つ水に自由にアクセスできる標準的な食餌で実験前に3日間順化させた。順化後、100mg/kgの実施例3の化合物を8時間ごとに胃内投与した(最初の用量は2倍であった)。溶媒コントロール:0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)。尿を24時間ごとに回集し、且つ予め秤量した試験管に移した。投与を7日間継続した。体重を記録し、且つ結果を図7に示した。尿の重量を減量法により測定し、且つ体積(1g≒1mL)に変換した。横座標として時間及び縦座標として尿量をとることによって曲線を描き、且つ結果を図7Bに示し、溶媒コントロール群と比較し、尿量は実施例3の化合物投与後1日目から増加し始め、且つ7日目まで持続した。溶媒コントロール群と比較して、実施例3の化合物は明らかな利尿効果を有していた。結果を平均±SEM、n=8として示した。尿浸透圧を、凝固点浸透圧計を使用して測定した。横座標として時間及び縦座標として尿浸透圧をとることによって曲線を描き、且つ結果を図7Bに示し、溶媒コントロール群と比較し、尿浸透圧は実施例3の化合物投与後1日目から低下し始め、且つ7日目まで持続し、実施例3の化合物の連続投与がマウスの尿の浸透圧を低下させることができることを示した。結果を平均±SEM、n=8として示した。先に測定した24時間当たりの尿量、尿浸透圧及び尿素排泄に従って、24時間当たりの非尿素溶質の排泄を計算した。コントロール群と比較して、各用量群の24時間当たりの尿素及び非尿素溶質排泄は有意な変化を有さなかった(図7C)。結果を平均±SEM、n=8として示した。正常SDラット、8週、雄、各群8匹のラットを取得した。動物を代謝ケージに入れ、且つ水に自由にアクセスできる標準的な食餌で実験前に3日間順化させた。順化後、100mg/kgの実施例3の化合物を8時間ごとに胃内投与した(最初の用量は2倍であった)。溶媒コントロール:0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)。投与を継続し、且つ7日間記録した。7日目に、ラットをペントバルビタールナトリウムで麻酔し、且つ腎臓内部及び髄質外部組織における浸透圧、尿素及び非尿素溶質濃度の変化を検出した。結果を図7Dに示した。腎髄質内部組織液中の浸透圧は、主に尿素の濃度の減少に起因して有意に減少したが、非尿素溶質の濃度は有意な変化を有しなかった。
【0169】
7.実施例3の化合物は明らかな毒性を有さない
本発明の化合物の細胞毒性を検討するため、CCK-8キットを使用することにより、MDCK細胞毒性試験を完了した。結果を図8Aに示し、実施例3の化合物が有意な細胞毒性作用を有さないことを示した。この試験では、CCK-8キットを使用して化合物の細胞毒性を検出した。対数増殖期のMDCK細胞懸濁液を96ウェル培養プレート(1×104細胞/ウェル/100μL)にインキュベートし、且つ10%ウシ胎児血清と、100U/mLペニシリンと、100μg/mLストレプトマイシンとを含有する100μLのDMEM培養液を各ウェルに投与し、次いで37℃、5%COインキュベータ内で培養した。細胞が70%~80%コンフルエントになった時、同期化のために血清飢餓を12時間実施した。次いで、各ウェルに、異なる濃度(7.8、15.6、31.3、62.5及び125μM)の化合物を含有するDMEM培地100μLを投与し、且つ12時間培養した。各ウェルに10μLのCCK-8検出溶液を投与し、暗所で37℃で1時間インキュベートし、且つ470nmでOD値を検出した。同時に、ブランクウェル(培地、CCK-8)及びコントロールウェル(細胞、同じ濃度の化合物の溶解培地、培地、CCK-8)に、1群当たり3反復ウェルを設定した。細胞生存率を計算した。細胞生存率(%)=[(OD実験ウェル-ODブランクウェル)/(ODコントロールウェル-ODブランクウェル)]×100%であり、式中、ODは、各ウェルの吸光度値を指す。
【0170】
正常SDラット、8週齢、雄、各群8匹のラットを取得した。動物を代謝ケージに入れ、且つ水に自由にアクセスできる標準的な食餌で実験前に3日間順化させた。順化後、100mg/kgの実施例3の化合物を8時間ごとに胃内投与した(最初の用量は2倍であった)。溶媒コントロール:0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)。投与を7日間継続した。7日目にラットをペントバルビタールナトリウムで麻酔し、且つ肝臓及び腎臓を採取し、秤量し、且つ腎臓重量指数及び肝臓重量指数を算出した。コントロール群との有意差はなかった(図8B図8D)。長期投与後の血清尿素レベルに対する実施例3の化合物の効果を、尿素キットを使用することによって検出し、且つコントロール群との統計学的有意差はなかった(図8C)。腎臓組織を固定液(4%パラホルムアルデヒド)に浸漬し、パラフィン包埋機で包埋し、且つ次いでパラフィンミクロトームで6μmの厚さのパラフィン切片に切断した。切片をキシレンで15分間、2回;キシレン:無水エタノール=1:1で2分間;100%エタノールで5分間、2回;80%エタノールで5分間、及び蒸留水で5分間;並びに次いで、最初にヘマトキシリン精液で5分間染色し、続いて洗浄して流水(1~3秒間)によってヘマトキシリン精液を除去し、次いで、1%塩酸及びエタノールで1~3秒間処理し、水で10~30秒間洗浄し、蒸留水で1~2秒間過剰洗浄し、その後、0.5%エオシン溶液で1~3分間染色し、次いで、蒸留水で1~2秒間洗浄し、80%エタノールで1~2秒間、95%エタノール(I)で2~3秒間、95%エタノール(II)で3~5秒間、無水エタノールで5~10分間、カルボキシロールで5~10分間、キシレンで2分間3回洗浄し、且つ次いで、中性ガムで密封した。切片を光学顕微鏡下で観察した。光学顕微鏡による比較観察のために、各腎臓の髄質内部、髄質外部、及び皮質を選択した。実施例3の化合物は、腎臓の組織学的形態に有意に影響を及ぼさないことが見出された。しかし、実施例3の化合物は有意な利尿効果を示したため、実施例3の化合物投与後に髄質内部に尿細管腫大が出現した。心臓穿刺によって血液を採取し、次いで遠心分離して血清を得、これを使用して器具によって血清指数を測定した。実施例3の化合物は、グルコース代謝及び脂質代謝に影響を及ぼさないことが見出された(表2)。
【0171】
【表1-1】
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【表1-2】
【0173】
【表2】
【0174】
【表3-1】
【0175】
【表3-2】
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図8