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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】非定常システムのモデル管理
(51)【国際特許分類】
   G06N 7/00 20230101AFI20250508BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20250508BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20250508BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20250508BHJP
【FI】
G06N7/00
G06N20/00
H01L21/02 Z
G05B23/02 302Y
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022521145
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 IB2020059626
(87)【国際公開番号】W WO2021074800
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】16/654,604
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ズン、ティエン
(72)【発明者】
【氏名】ベースマン、ロバート、ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ティプ、ファテ、アリ
(72)【発明者】
【氏名】グエン、ナム
(72)【発明者】
【氏名】ムラリダー、ラマチャンドラン
【審査官】大倉 崚吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0130659(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0060832(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0012250(US,A1)
【文献】特表2017-514294(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109116834(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 7/00- 7/01
G06N 20/00-99/00
G05B 23/02
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善するための方法であって、少なくとも1つのプロセッサが、
前記物理的プロセスのそれぞれの実行から、前記物理的プロセスに関連した複数の変数の値を得ることであって、一変量データを、前記一変量データに関連する時間データに少なくとも部分的に基づいて多変量データに変換することを含む、前記値を得ることと、
前記物理的プロセスの前記実行に関する前記複数の変数の前記値を表す少なくとも1つのガウス混合モデル(GMM)を判定することと、
前記少なくとも1つのガウス混合モデルに少なくとも部分的に基づいて、前記物理的プロセスの前記実行のうちの少なくとも1つに関する前記変数のうちの少なくとも1つに関する少なくとも1つの異常スコアを計算することと、
前記変数のうちの前記少なくとも1つに関する前記少なくとも1つの異常スコアに基づいて、前記物理的プロセスの前記実行のうちの前記少なくとも1つを外れ値として識別することと、
前記外れ値の識別に少なくとも部分的に基づいて、前記物理的プロセスの質および歩留まりのうちの前記少なくとも1つを改善するように、前記物理的プロセスの1つまたは複数の後続の実行に関する動作パラメータのうちの少なくとも1つを修正することと
を含む方法。
【請求項2】
前記物理的プロセスが半導体製造プロセスの少なくとも一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物理的プロセスに関連する前記複数の変数が、電圧、電流、電力、および圧力のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのGMMが、少なくとも1つの時間的に結合された多モードのモデル(TMM)を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのTMMを判定することが、
前記物理的プロセスの前記実行のそれぞれのサブセットが、対応する期間内の前記物理的プロセスの前記実行を含むように、前記物理的プロセスの前記実行のそれぞれのサブセットの間の前記複数の変数の値をそれぞれ表す複数のガウス・グラフィカル・モデル(GGM)を判定することと、
前記複数のGGMのそれぞれの混合重みを判定することと、
前記混合重みに応じて前記複数のGGMの加重和を判定することと
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のGGMのうちの第1のものに対応する第1の期間の少なくとも一部が、前記複数のGGMのうちの第2のものに対応する第2の期間のうちの少なくとも一部とオーバラップする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのTMMを判定することが、制約付きの正規化対数尤度を最大化することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのTMMを判定することが正確な非凸lノルムを使用することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記時間データが、前記一変量データの中の値についてそれぞれのタイムスタンプを含む、請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記時間データが、前記一変量データの中の直接時間的に隣接する値間の少なくとも1つの差を含む、請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記変数のうちのいずれか1つの異常スコアが前記物理的プロセスの前記実行のうちの所与の1つについて規定された閾値を超えたとき、前記実行のうちの前記所与の1つが外れ値と識別される、請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記物理的プロセスの前記1つまたは複数の後続の実行のうちの少なくとも1つの値に少なくとも部分的に基づいて、前記物理的プロセスの前記実行のうちの少なくとも1つに関する前記変数のうちの少なくとも1つの、前記少なくとも1つの異常スコアを再計算することをさらに含む、請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記物理的プロセスの1つまたは複数の過去の実行からの値を用いて前記モデルを訓練することと、
前記物理的プロセスの前記1つまたは複数の後続の実行からの値を用いて前記モデルを検査することと
をさらに含む、請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記外れ値を識別することが、過去の実行の逆解析および前記1つまたは複数の後続の実行の前方予測のうちの少なくとも1つを含む、請求項1ないし13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記物理的プロセスの所与の実行に関する所与の変数の異常スコアを計算することが、
前記物理的プロセスの前記所与の実行に関する前記所与の変数の値と、前記所与の実行の直前の前記物理的プロセスの実行に関する前記所与の変数に関する前記所与の変数の値との間の差の、絶対値の最小値を計算することと、
前記所与の実行に関する前記所与の変数の前記値と、前記所与の実行の直後の前記物理的プロセスの実行に関する前記所与の変数に関する前記所与の変数の値との間の差の、絶対値の最小値を計算することと
を含む、請求項1ないし14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記物理的プロセスの所与の実行に関する所与の変数の異常スコアを計算することが、前記所与の実行に関する前記所与の変数の値と、前記物理的プロセスの前記1つまたは複数の後続の実行に関する前記所与の変数の平均値との間の差を計算することを含む、請求項1ないし15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのGMMを判定することが、逆共分散更新(ICU)、時間的順序付けクラスタ化(TOC)、およびスパース重み選択アルゴリズム(SWSA)の少なくとも一部を実行することにより、マルチモデルのグラフィカル・モデル(MGM)を判定することを含む、請求項1ないし16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善するための装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、前記プロセッサが、
前記物理的プロセスのそれぞれの実行から、前記物理的プロセスに関連した複数の変数の値を得て、ここで、当該値を得ることは、一変量データを、前記一変量データに関連する時間データに少なくとも部分的に基づいて多変量データに変換することを含み、
前記物理的プロセスの前記実行に関する前記複数の変数の前記値を表す少なくとも1つのガウス混合モデル(GMM)を判定し、
前記少なくとも1つのガウス混合モデルに少なくとも部分的に基づいて、前記物理的プロセスの前記実行のうちの少なくとも1つに関する前記変数のうちの少なくとも1つに関する少なくとも1つの異常スコアを計算し、
前記変数のうちの前記少なくとも1つに関する前記少なくとも1つの異常スコアに基づいて、前記物理的プロセスの前記実行のうちの前記少なくとも1つを外れ値として識別して、
前記外れ値の識別に少なくとも部分的に基づいて、前記物理的プロセスの質および歩留まりのうちの前記少なくとも1つを改善するように、前記物理的プロセスの1つまたは複数の後続の実行に関する動作パラメータのうちの少なくとも1つを修正する
ように作動する、装置。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサに、請求項1ないし17のいずれかに記載の方法における各ステップを実行させる、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子技術、電気技術、およびコンピュータ技術に関し、より具体的には、集積回路(IC)の製作など、マイクロエレクトロニクス製品または半導体素子あるいはその両方の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
IC製作など、マイクロエレクトロニクス製品または半導体素子あるいはその両方の製造は、一般的には何百もの単位プロセスを含む複数のステージを包含している。マイクロエレクトロニクス製品の全般的な品質および歩留まり(yield)は、個々の単位プロセスの歩留まりの質、ならびに何百もの単位プロセスをうまく統合することに依拠する。その上に、半導体製造は非定常システムを包含する可能性がある。しかしながら、簡単な統計的手法によって非定常システムの異常を検知することは困難である。したがって、個々の単位プロセスまたはそれらの小規模な集約の質および歩留まりの改善は、長年にわたって必要とされているが未解決のままである。
【0003】
したがって、前述の問題に対して技術的に対処する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様の観点から、本発明が提供する、物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善するための方法は、物理的プロセスのそれぞれの実行から、物理的プロセスに関連した複数の変数の値を得ることと、物理的プロセスの実行に関する複数の変数の値を表す少なくとも1つのガウス混合モデル(Gaussian mixture model、GMM)を判定することと、少なくとも1つのガウス混合モデルに少なくとも部分的に基づいて、物理的プロセスの実行のうちの少なくとも1つに関する変数のうちの少なくとも1つに関する少なくとも1つの異常スコアを計算することと、変数のうちの少なくとも1つに関する少なくとも1つの異常スコアに基づいて、物理的プロセスの実行のうちの少なくとも1つを外れ値として識別することと、外れ値の識別に少なくとも部分的に基づいて、物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善するように、物理的プロセスの1つまたは複数の後続の実行に関する変数のうちの少なくとも1つを修正することとを含む。
【0005】
さらなる態様の観点から、本発明が提供する、物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善するための装置は、メモリと、メモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備え、プロセッサは、物理的プロセスのそれぞれの実行から、物理的プロセスに関連した複数の変数の値を得て、物理的プロセスの実行に関する複数の変数の値を表す少なくとも1つのガウス混合モデル(GMM)を判定し、少なくとも1つのガウス混合モデルに少なくとも部分的に基づいて、物理的プロセスの実行のうちの少なくとも1つに関する変数のうちの少なくとも1つに関する少なくとも1つの異常スコアを計算し、変数のうちの少なくとも1つに関する少なくとも1つの異常スコアに基づいて、物理的プロセスの実行のうちの少なくとも1つを外れ値として識別して、外れ値の識別に少なくとも部分的に基づいて、物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善するように、物理的プロセスの1つまたは複数の後続の実行に関する変数のうちの少なくとも1つを修正するように作動する。
【0006】
さらなる態様の観点から、本発明が提供する、物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善するためのコンピュータ・プログラム製品は、処理回路によって可読であり、本発明のステップを実行する方法を実行するための処理回路が実行する命令を記憶しているコンピュータ可読記憶媒体を備える。
【0007】
さらなる態様の観点から、本発明が提供するコンピュータ・プログラムは、コンピュータ可読媒体に記憶されており、デジタル・コンピュータの内部メモリにロード可能であって、前記プログラムがコンピュータで実行されるときには本発明のステップを実行するためのソフトウェア・コード部分を含む。
【0008】
さらなる態様の観点から、本発明が提供するコンピュータ・プログラム製品は、物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善するための機械可読プログラム・コードが具現された非一過性機械可読記憶媒体を備え、前記機械可読プログラム・コードが含む機械可読プログラム・コードは、物理的プロセスのそれぞれの実行から、物理的プロセスに関連した複数の変数の値を得て、物理的プロセスの実行に関する複数の変数の値を表す少なくとも1つのガウス混合モデル(GMM)を判定し、少なくとも1つのガウス混合モデルに少なくとも部分的に基づいて、物理的プロセスの実行のうちの少なくとも1つに関する変数のうちの少なくとも1つに関する少なくとも1つの異常スコアを計算し、変数のうちの少なくとも1つに関する少なくとも1つの異常スコアに基づいて、物理的プロセスの実行のうちの少なくとも1つを外れ値として識別して、外れ値の識別に少なくとも部分的に基づいて、物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善するように、物理的プロセスの1つまたは複数の後続の実行に関する変数のうちの少なくとも1つを修正するように構成されている。
【0009】
本発明の一態様は、物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善する方法を対象とするものである。この方法は、物理的プロセスのそれぞれの実行から、物理的プロセスに関連した複数の変数の値を得ることと、物理的プロセスの実行に関する複数の変数の値を表す少なくとも1つのガウス混合モデル(GMM)を判定することと、少なくとも1つのGMMに少なくとも部分的に基づいて、物理的プロセスの実行のうちの少なくとも1つに関する変数のうちの少なくとも1つに関する少なくとも1つの異常スコアを計算することと、変数のうちの少なくとも1つに関する少なくとも1つの異常スコアに基づいて、物理的プロセスの実行のうちの少なくとも1つを外れ値として識別することと、外れ値の識別に少なくとも部分的に基づいて、物理的プロセスの質および歩留まりのうちの少なくとも1つを改善するように、物理的プロセスの1つまたは複数の後続の実行に関する変数のうちの少なくとも1つを修正することとを含む。
【0010】
本明細書で使用される、アクションを「促進する」ことは、アクションを実行すること、アクションをより容易にすること、アクションの実行を支援すること、またはアクションを行わせることを含む。したがって限定ではない例として、1つのプロセッサ上で実行する命令が、適切なデータまたはアクションを行わせるかもしくは支援する命令を送ることにより、遠隔プロセッサ上で実行する命令によって実行されるアクションを促進し得る。疑念を避けるために、アクタが、アクションを実行するのではなく、他のものによるアクションを促進する場合には、それにもかかわらず、アクションはいくつかのエンティティまたはエンティティの組合せによって行われる。
【0011】
本発明またはその要素の1つまたは複数の実施形態は、指示された方法のステップを実行するためにコンピュータが使えるプログラム・コードを伴うコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータ・プログラム製品の形式で実施され得る。その上、本発明またはその要素の1つまたは複数の実施形態は、メモリを含むシステム(または装置)(たとえばコンピュータ)と、メモリに結合されて例示的方法のステップを実行するように機能する少なくとも1つのプロセッサとの形態で実施され得る。またさらに、別の態様では、本発明またはその要素の1つまたは複数の実施形態は、本明細書で説明された方法のステップのうちの1つまたは複数を実行するための手段の形態で実施され得、手段は、(i)ハードウェア・モジュール(複数可)、(ii)コンピュータ可読記憶媒体(または複数のそのような媒体)に記憶され、ハードウェア・プロセッサ上で実施されるソフトウェア・モジュール、あるいは(iii)(i)と(ii)の組合せ、本明細書で説明された特定の技術を実施する(i)~(iii)のうちの任意のものを含むことができる。
【0012】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、添付図面に関連して読み取られるべき、例示的実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0013】
次に、本発明が、以下の図に示される好ましい実施形態を参照しながら、例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の好ましい実施形態が実施され得る、従来技術によるIC製作の態様を示すフローチャートである。
図2】例示的実施形態による制御プロセスを示すフローチャートである。
図3】本発明の好ましい実施形態が実施され得る、従来技術による時系列測定を示す図である。
図4A】本発明の好ましい実施形態が実施され得る、従来技術による、周期的な関係のある、外れ値を伴う通常の変数を示すグラフである。
図4B】本発明の好ましい実施形態が実施され得る、従来技術による、多モードの、外れ値を伴う通常の変数を示すグラフである。
図4C】本発明の好ましい実施形態が実施され得る、従来技術による、ドリフトする、外れ値を伴う通常の変数を示すグラフである。
図5】本発明の一態様による異常検知手法を示す図である。
図6】本発明の一態様と共に使用可能なガウス混合モデル(GMM)の態様を表す図である。
図7】本発明の一態様による時間的結合の多モード混合モデル(temporal-coupling multi-modal mixture model、TMM)の態様を表す図である。
図8】本発明の一態様による異常検知システムを示す図である。
図9】本発明の一態様による(たとえば半導体製造の)質および歩留まりを向上するシステムを示す図である。
図10】本発明の一態様による、アセットの特性を観測したり変化させたりするためのシステムを示す図である。
図11】本発明の一態様によるマルチモデルのグラフィカル・モデル(MGM)アルゴリズムを示す図である。
図12】本発明の一態様による逆共分散更新(inverse covariance update、ICU)アルゴリズムを示す図である。
図13】本発明の一態様による時間的順序付けクラスタ化(temporal ordering clustering、TOC)アルゴリズムを示す図である。
図14】本発明の一態様によるスパース重み選択アルゴリズム(sparse weight selection algorithm、SWSA)を示す図である。
図15A】本発明の一実施形態と共に使用可能な一変量のトレース特徴データ(trace feature data)を示す図である。
図15B】本発明の一実施形態による、GMMを用いる一変量のトレース特徴データの逆解析の実験結果を示す図である。
図15C】Zスコアを用いる一変量のトレース特徴データの逆解析の実験結果を示す図である。
図15D】ボックスプロットによる一変量のトレース特徴データの逆解析の実験結果を示す図である。
図16A】本発明の一実施形態と共に使用可能な多変量のトレース特徴データを示す図である。
図16B】本発明の一実施形態と共に使用可能な多変量のトレース特徴データを示す図である。
図17A】本発明の一実施形態による、GMMを用いる3次元トレース特徴データの逆解析の実験結果を示す図である。
図17B】ホテリングのT2乗(T)統計を用いる3次元トレース特徴データの逆解析の実験結果を示す図である。
図18A】本発明の一実施形態と共に使用可能な多変量のトレース特徴データを示す図である。
図18B】本発明の一実施形態と共に使用可能な多変量のトレース特徴データを示す図である。
図18C】本発明の一実施形態と共に使用可能な多変量のトレース特徴データを示す図である。
図19A】本発明の一実施形態による、GMMを用いる6次元トレース特徴データの逆解析の実験結果を示す図である。
図19B】ホテリングのT2乗(T)統計を用いる6次元トレース特徴データの逆解析の実験結果を示す図である。
図20A】本発明の一実施形態による時変スコアの連続検査を示す図である。
図20B】本発明の一実施形態による時変スコアの連続検査を示す図である。
図20C】本発明の一実施形態による時変スコアの連続検査を示す図である。
図21A】本発明の一実施形態と共に使用可能な一変量のトレース特徴データを示す図である。
図21B】本発明の一実施形態による、GMMを用いる一変量のトレース特徴データの前方予測の実験結果を示す図である。
図21C】Zスコアを用いる一変量のトレース特徴データの前方予測の実験結果を示す図である。
図22A】本発明の一実施形態と共に使用可能な一変量のトレース特徴データを示す図である。
図22B】本発明の一実施形態による、GMMを用いる一変量のトレース特徴データの前方予測の実験結果を示す図である。
図22C】Zスコアを用いる一変量のトレース特徴データの前方予測の実験結果を示す図である。
図22D】ボックスプロットによる一変量のトレース特徴データの前方予測の実験結果を示す図である。
図23】本発明の1つまたは複数の態様または要素あるいはその両方を実施するのに有効であり得るコンピュータ・システムを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態は、主として集積回路(IC)の製作など、マイクロエレクトロニクス製品または半導体素子あるいはその両方の製造を参照しながら説明されるが、当業者なら、本発明の態様が他の多くの用途に使用され得ることを理解するであろう。たとえば、本発明の原理は、半導体製造に加えて、たとえばモノのインターネット(IOT)技術およびソリューション、ビッグデータ、または分析論あるいはその組合せに広く適用可能であり得る。
【0016】
図1はICの製作プロセス100の態様を示すフローチャートである。ICの最終的な物理配置に基づいてマスク110が製作され得る。いくつかの実施形態では、ICレイアウトは物理設計データを含む設計構造としてインスタンスを作成され得、設計構造による物理的集積回路の製作を促進するように、製作機器に設計構造が与えられ得る。次いで、ステップ130において、ウェーハ120が、たとえばマスク140を使用してウェーハ120のフォトリソグラフィおよびエッチングを実行することにより、処理される。一般に、処理130中に、最終設計の複数のコピー151、152、153を伴うウェーハ130が製作され、各ダイ151、152、153が集積回路の1つのコピーになるように切断される(すなわちダイシングされる)。一旦、ウェーハがダイシングされると、いかなる不良のダイも除去するために、160において各ダイの検査および選別が行われる。したがって、各IC(ダイ)は、良品170(すべての検査に合格したもの)または不良品180(1つまたは複数の検査で不合格のもの)のいずれかに選別される。
【0017】
前述のように、IC製作など、マイクロエレクトロニクス製品または半導体素子あるいはその両方の製造は、一般的には何百もの単位プロセスを含む複数のステージを包含している。マイクロエレクトロニクス製品の全般的な品質および歩留まりは、個々の単位プロセスの歩留まりの質、ならびに何百もの単位プロセスをうまく統合することに依拠する。プロセス(たとえば単位プロセス)の質は、ツール・センサの時系列測定(ツール状態および製法を反映する)、入ってくる(部分的に仕上げられた)製品の特性、および他のインプロセス測定によって推測され得る。したがって、例示的実施形態によって提供される方法は、プロセスにおける異常の検知および矯正のために、ツール・セット関連データ、ウェーハ・データ、および補助データを使用する半導体製造の予測モデルを採用して、製品品質または(たとえば金属化処理の)歩留まりあるいはその両方を改善するものである。
【0018】
図2は、例示的実施形態による制御プロセス200を示すフローチャートである。処理ステップs1...sNの各々の間に、202において(たとえばアセットの現在の状態を観察する)インプロセス測定が行われ、204において、それらのインプロセス測定に基づいて(たとえば予測モデルを学習する)ポストプロセス測定が予測される。ポストプロセス測定の非限定的な例にはウェーハ抵抗率がある。インプロセス測定の非限定的な例には、プラズマ電圧、電流、温度、および圧力ならびに材料の堆積またはエッチング中の経過時間がある。206において、予測とポストプロセス測定の目標値との間の誤差を低減するように、ポストプロセス測定の予測に応答して、(たとえばアセットの特性を変化させる制御動作によって)現行の処理ステップの少なくとも1つの制御可能変数が調整される。
【0019】
図3は、例示的IC製作プロセスの時系列測定結果を示す図である。より詳細には、図3は、列310~360に様々な変数を示し、行は、プロセス(製法)のそれぞれの実行(流れ)に対応する。列310はチャンバIDを示す。これらの変数は、図3に示されるすべての行について同一である。図3には示されていないが、各実施形態がウェーハIDまたはツールIDあるいはその両方をも含み得る。列320は時間スタンプを示し、列330は製法のステップを示す。列340は電圧を示し、列350は時間を示し、列360は圧力を示す。図3の各行は、これらの値の各々に関する固有の値を含有しているが、当業者なら、重複値もあり得ることを理解するであろう。
【0020】
図4Aは周期的な関係のある通常の変数を示すグラフである。具体的には、図4Aは、別々の日付におけるプロセスの実行に関する、ステップ7におけるチャンバ1(CH1)の平均の直流電源電圧DCSrc.rVoltageを示す図である。したがって、図4Aに示される四角の各々が、所与の日付(x軸)におけるプロセスの実行に関する電圧値(y軸)を表し、多くの日付において複数回実行されているので、その日付については複数の値がある。図4Aは、この電圧値が周期的な関係のある通常の変数であることを示しており、急激に増加し(たとえば少なくとも10月10日ごろ始まって640を超え)、次いで(たとえば少なくとも11月15日ごろまでには620未満に)徐々に減少してから、再び急激に増加し(たとえば少なくとも11月15日ごろ始まって650を超え)、次にもう一度(たとえば少なくとも1月15日ごろまでには610未満に)徐々に減少するといった、変数の繰返しパターンがある。図4Aは、四角ではなく円として示された値をも含み、これらは前述の周期的な関係のある通常のパターンに対する外れ値である。
【0021】
図4Bは周期的な関係のある、多モードの通常の変数を示すグラフである。具体的には、図4Bは、異なる日付におけるプロセスの実行に関して、ステップ2におけるチャンバ2(CH2)の加熱時間の中央値を示すグラフである。したがって、図4Bに示される四角の各々が、所与の日付(x軸)におけるプロセスの実行に関する加熱時間の値(y軸)を表し、多くの日付において複数回実行されているので、その日付については複数の値がある。図4Bは、この加熱時間の値が多モードの通常の変数であることを示し、この変数は、第1の期間中(少なくとも12月10日から12月21日まで)は第1の範囲内(21.885~21.887)の群れになり、次いで、第2の期間中(12月22日から少なくとも1月11日まで)は第2の範囲内(21.880~21.882)の群れになる。図4Bは、四角ではなく円として示された値をも含み、これらは前述の多モードの通常のパターンに対する外れ値である。
【0022】
図4Cは、ドリフトする通常の変数を示すグラフである。具体的には、図4Cは、別々の日付におけるプロセスの実行に関して、アンバ・ランプの第1のウォームアップ製法のステップ1におけるチャンバ4(CH4)用のマグネット・リフト・モータの平均の実際位置(MagNetLift/Motor.rPos)を示す図である。したがって、図4Cに示される四角の各々が、所与の日付(x軸)におけるプロセスの実行に関する平均の実際位置(y軸)を表し、多くの日付において複数回実行されているので、その日付については複数の値がある。図4Cは、この平均の実際位置の値はドリフトする通常の変数であることを示しており、この変数は、たとえば12月21日以前の約37から、1月18日以後の約20まで、一定の割合(たとえば一定の傾斜)で徐々に減少する。図4Cは、四角ではなく円として示された値をも含み、これらは前述のドリフトする通常のパターンに対する外れ値である。
【0023】
図5は、本発明の一態様による異常検知手法を示す。異常検知手法は、一変量データ510または多変量(たとえば多次元)データ520のいずれかから開始してよい。一変量データ510が与えられた場合には、時間的情報を使用して多変量(たとえば3次元)データ520に変換される。図8を参照しながら以下でさらに論じられるように、各データ・ポイントXは、観測値x、タイムスタンプt、および観測値と1つまたは複数の他の値(たとえば、観測値に先行する、または観測値に後続する、あるいはその両方の、1つまたは複数の値)との間のギャップの関数を含む3次元空間において検討され得る。
【0024】
先行する値と後続の値との間の最小のギャップは次式で表される。
min(|x-xt-1|,|x-xt+1|)
【0025】
多変量データ520は、直接与えられようと、一変量データ510を変換することによって間接的に与えられようと、スパース・グラフィカル・モデル530を決定するために使用され、スパース・グラフィカル・モデル530は、以下で図6を参照しながらさらに論じられるように、たとえばガウス・グラフィカル・モデル(Gaussian graphical model)(GGM)またはガウス混合モデル(GMM)あるいはその両方でよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のスパース・グラフィカル・モデル530は、ベイズの公式に基づいてデータから学習された、1つまたは複数のダブル・スパース(doubly-sparse)・マルチタスク、多モードのガウス・グラフィカル・モデル(multi-task, multi-modal Gaussian graphical models、MTL-MM GGM)を含み得る。ダブル・スパース性は、GGMの従属性構造におけるスパース性および混合コンポーネントにわたるスパース性を含み得る。
【0026】
図4の530によって表されたものなどの所与のGGMグラフの中で、ノードは変数を表し、ラインは変数間の非ゼロの(正または負の)依存性を表す。いくつかの実施形態は、実線を使用して正の依存性を表し得、破線を使用して負の依存性を表し得る。いくつかの実施形態は、接続するラインの太さによって依存性の強さを表し得、より太いラインはより強い依存性を表す。依存情報はGGMモデルによって捕捉された相関係数であり、特定のシステムの通常状態を把握する概要を提供する。動作の通常状態は、GGMグラフによって捕捉された種々の動的状態の混合である。この依存情報は可変洞察(variable insights)を理解するのに有効である。
【0027】
前述の一変量データ510、多変量データ520、およびスパース・グラフィカル・モデル430は、訓練データ570を含み得る。対照的に、検査データ590は異常スコア540を含み得る。新規の試料xに関して、異常スコア540はa(x)=-lnp(x|D)と表され、lnは自然対数を表し、p(x|D)は、Dと表される訓練データ570に基づいて学習された予測分布である。
【0028】
いくつかの実施形態では、異常スコア540は、たとえば15分ごとなど、あらかじめ定義された時間において周期的に生成され得る。いくつかの実施形態では、システム全体にわたって、およびシステム内のセンサの各々について(またはシステム内のセンサのうちの少なくとも1つまたは複数について)異常スコア540が生成され得る。たとえば、最近の多変量センサ・データ520の現在の(オンラインの)サンプルが受け取られ得、現在の時間窓の受け取られたデータを使用して、システムに関する全体的な異常スコア540が生成されてよい。その上、システムのセンサの各々(あるいは少なくとも1つまたは複数)からの最近の時系列に対応する最新の多変量データ520が処理されてよく、システムの動特性または「健全性」を指示するために、個々の「変数ごとの」異常スコア540が生成されてよい。説明されるように、異常スコア540(複数可)の生成は、システムに関連したモデル530(複数可)を自動的に解く(更新する)ことを包含し得る。
【0029】
前述のように、スパース・グラフィカル・モデル530はガウス・グラフィカル・モデル(GGM)を含み得、より具体的にはガウス混合モデル(GMM)を含み得る。GMMは、K個の単一コンポーネントのガウス密度または分布xの加重和あるいはその両方として形成された確率分布p(x)であって、次式で表され、
【数1】

【数2】

πは混合係数であり、N(x|μ,Σ)はコンポーネントであり、μは平均であって、Σは共分散である。共分散の逆数
【数3】

は精度マトリクスである。
【0030】
図6は、本発明の一態様と共に使用可能なガウス混合モデル(GMM)の態様を表す。x軸はxを表し、y軸は確率分布であり得るp(x)を表す。図6ではK=3であり、破線は、3つの単一コンポーネントのガウス分布602、604、606を指示する。実線は、コンポーネント602、604、606の加重和から成るGMM 600を示す。
【0031】
従来、GGMを使用するとき、次式のように対数尤度が最大化される。
【数4】
【0032】
混合重みは次のように更新される。
【数5】
【0033】
共分散は次式のように更新される。
【数6】
【0034】
しかしながら、これらの技術は、構造化学習(たとえばスパース性または相関あるいはその両方)を採用するわけではない。無関係なコンポーネントはスパース・モデルによって除去され得る。スパース・モデルは、スパース混合重みπおよびスパース逆共分散
【数7】

を含み得る。スパース混合重みπはパターンの数の自動判定をもたらし得、一方、スパース逆共分散
【数8】

または逆精度マトリクス
【数9】

あるいはその両方はスパース・ガウス・グラフィカル・モデル(GGM)をもたらし得る。したがって、もたらされるモデルはスパースGGMの多層スパース混合であり得、GGMの依存性構造におけるスパース性と混合コンポーネントにわたるスパース性との両方を含み得る。
【0035】
図7を参照しながらさらに論じられるように、本発明の例示的実施形態は、
【数10】

に関して、lノルムを促進するおおよその凸スパース性ではなく、正確な非凸lノルムを使用する。本発明の実施形態は、時間的結合の多モード混合モデル(TMM)を利用する。このモデルは、いくつかの類似点がある別々のモードにおいてアセットが動作し得ることを認識する。各モードは徐々に調整される。依存性グラフの構造は、いくつかの共通点を共有するべきである。
【0036】
図7は、本発明の一態様による時間的結合の多モード混合モデル(TMM)の態様を表す。図7において、図6と同様に、実線は、破線で表された3つのコンポーネントの加重和から成るガウス混合モデル(GMM)を表す。しかしながら、図7では、これら3つのコンポーネントは、別々の(場合により少なくとも部分的にオーバラップする)時間窓中の変数の同一のセットから成る多変量データに対応する。したがって、GMM(ここではTMM)の3つのコンポーネントのガウス・グラフィカル・モデル(GGM)表現は、それぞれがノードの同一のセットを有し、唯一の相違はノード間の接続にある。
【0037】
本明細書で使用される|v|は、ベクトルvのi番目の要素の絶対値を表す。多くの要素が小さいε>0について|v|≦εを満たすとき、ベクトルvはε-スパース解と呼ばれる。||v||εはε-ノルムを表し、エントリ|v|>εの数をカウントするものである。たとえば、||v||はベクトルvのlノルム(非ゼロ要素の数)を表す。以前に論じられたように、本発明の例示的実施形態は、
【数11】

に関して、おおよその凸lノルムとは対照的に、lノルムを促進する正確な非凸スパース性を使用する。
【0038】
したがって、本発明の例示的実施形態によるTMMでは、制約付きの正規化対数尤度は次式のように最大化され、
【数12】

スパース性は、精度マトリクス||Σ||≦κk、∀k=1,...,Kにおいて許容し得る非ゼロの最大数を規定することによって直接制約を加えられる。重要でないコンポーネントは、制約条件||π||ε≦Kεによって除去される。
【0039】
コンポーネントに関する依存性グラフにわたって、いくつかの構造類似性が課される。重要なコンポーネントのみが制約を加えられ(たとえば、ペナルティを課されるのは重要なコンポーネントのみであり)、すなわち、混合重みは次式のようにかなり大きくなる。
【数13】
【0040】
データが少し変更されているにもかかわらず、元データにアクセスできないことがある。精度マトリクスを得るための優れたモデルが構築されているなど、精度マトリクスに関するいくらかのドメイン知識が得られる可能性がある。Σは、正規化
【数14】

を加えることによって、
【数15】

に近い値に設定され得る。
【0041】
図8は、本発明の一態様による異常検知システム800を示す。入力データ810は、図5を参照しながら上記で論じられたように、一変量データ510または多変量データ520を含み得る。入力データ810は、時系列センサ・データでよく、たとえば図1図4を参照しながら上記で論じられたようなIC製造処理システムの内部のもう1つのセンサからリアルタイムで受け取られ得る。データ・プロセッサ820は、図5の530ならびに図6および図7を参照しながら上記で論じられたように、入力データ810を処理して、たとえばGGM、GMM、またはTMMあるいはその組合せといった、たとえば1つまたは複数のスパース・グラフィカル・モデルにする。データ・プロセッサ820は、図5を参照しながら上記で論じられたように、入力データ810を一変量データ510から多変量データ520に変換することをも含み得る。図5を参照しながら論じられたように、異常スコア計算器830は、入力データ810およびステップ820で決定されたモデルに基づいて1つまたは複数の異常スコア540を計算する。
【0042】
逆解析840は、たとえばオフライン診断のために使用され得る後方予測ツールである。逆解析のために、データ・ポイントXは、観測値x、タイムスタンプt、および直前の値と続く値との間の最小のギャップ min(|x-xt-1|,|x-xt+1|)を含む3次元空間において検討され得る。逆解析840は、すべてのデータ・セットまたは各履歴サンプルについて計算された外れ値スコアあるいはその両方のからのスパースGMMの学習されたスパース混合を含み得る。逆解析は、アセットの現在の状態を観察すること、アセットの予測モデルを学習すること、およびアセットの特性を変化させるための制御動作を行うことを含み得る。したがって、逆解析840は、以前に図2を参照しながら上記で論じられたように、また図9および図10を参照しながら以下でさらに論じられるように、入力データ810を変更することを含み得る。逆解析840は、図15図19を参照しながら以下でさらに論じられる。
【0043】
前方予測850は、たとえばオンライン異常検知のために使用され得る前方予測ツールである。前方予測850は連続的検査を含み得、これは、n-1個のデータ・ポイント(図5の訓練データ570を参照されたい)に対して訓練してから、n番目のインスタンス(検査データ590を参照されたい)を検査することと、また、(たとえばセンサから)より多くのサンプルが受け取られたとき、n番目のポイントに関する時変スコアを繰り返し計算することとを含み得る。順解析では、データ・ポイントXは、観測値x、タイムスタンプt、および観測値と1つまたは複数の(好ましくは3つなどいくつかの)前回値との間の平均ギャップを含む3次元空間において検討されてよく、平均ギャップは、より一般的な式は
【数16】

であり、特定の場合(N=3)にはx-average(xt-1,xt-2,xt-3)となる。前方予測850は、図20図22を参照しながら以下でさらに論じられる。
【0044】
図9は、本発明の一態様による(たとえば半導体製造の)質および歩留まりを向上するシステム900を示す。時系列センサ・ネットワーク910は、各アセットにおける個々のセンサを、たとえば911、912、913といった各センサからの時系列データを受け取り得る/記憶し得る中央制御センタ920(コンピュータシステム)に接続する。例として、変数911は、図4Aを参照しながら上記で論じられたDC電源電圧などの周期的な関係のある通常の変数でよく、変数912は、図4Bを参照しながら上記で論じられた加熱時間などの多モードの通常の変数でよく、変数913は、図4Cを参照しながら上記で論じられたモータ位置などのドリフトする通常の変数でよい。
【0045】
各アセットは多くの別個の部分から成り得、個々の部分は複数のセンサで監視されてよい。システム(アセット)の別個の部分は必ずしも独立したものではないので、各センサからの信号は多変量のやり方で分析する必要がある。センサ・ネットワーク910から、個々のアセットに関連した多変量の時系列データが、モデル構築フレームワークをもたらすコンピュータ・システム920に入力され、モデル構築フレームワークは、アセットの異常検知モデルを構築するための命令を呼び出すように構成されたモデル・ビルダ・モジュール930と、アセットの異常な動作/誤った動作を指示し得る1つまたは複数の異常スコアを計算するための命令を呼び出すように構成された異常スコア計算モジュール940と、アセット・メンテナンスを行ったり優先順位を付けたりするように計算される異常スコアを処理するための命令を呼び出すように構成された異常スコア・コーディネータ・モジュール950と、図2および図8を参照しながら上記で論じられ、図10を参照しながら下記で論じられるような、動作の更新を処理するための命令を呼び出すように構成された処理動作更新モジュール960とで構成される。
【0046】
モデル・データベースまたは類似の記憶装置935は、モデル・ビルダ・モジュール930によって用意されたS個の異常検知モデルを記憶し、Sはフリートにおけるアセット(システムまたはタスク)の数である。一実施形態では、学習される異常検知モデルは、マルチタスクかつ多モードのガウス・グラフィカル・モデル(MTL-MM GGMモデル)または時間的結合の多モードの混合分布モデル(TMM)あるいはその両方である。より一般的には、異常検知モデルは、ガウス混合モデル(GMM)またはガウス・グラフィカル・モデル(GGM)あるいはその両方でよい。
【0047】
一実施形態では、モデル・ビルダ930によってモデルを構築することは、(1)Sセットのスパース混合重みと、(2)1セットのスパースGGM 330との、2つのモデル・コンポーネントの組合せを計算することを含み得る。前者はアセットごとに異なり得、したがってフリートにおけるアセットの特性を表す。後者はS個のアセットと共有され、したがってS個のアセットにわたる共通化を表す。アセット向けの個々にスパースな混合重みは、GGMの重要性を規定する。すなわち、計算された重みは、データベース935におけるGGMのセレクタとして機能し、別々のセンサ921、922、923は、別々の重みまたは符号重み分布(signature weight distributions)を有する。これらの重みは、一般的には頑健性および解釈可能性のために多くのゼロを有し、たとえばベイズの公式に基づいてデータから自動的に学習される。したがって、各アセットについて、モデル・ビルダ930は、基底系としてのスパースGGMの共通の集合と、混合重みに対するスパース解をもたらす個々のスパース混合重みとを組み合わせた表現に基づいて学習モデルを最適に構築するために、混合重み学習を使用してよく、それによって、データベース935におけるスパースGGMの数が自動的に判定され得る。例示的実施形態では、モデル・ビルダ930は、半閉形式の解(semi-closed form solution)および凸混合整数計画法の定式化(convex mixed-integer programming formulation)を使用し、寄与が最小の重みを切り捨てるために「隠された」パラメータを使用しないという点で、速く、正確で(大域解がもたらされ)しかも簡単である。
【0048】
「オンライン」プロセス中に学習モデルが与えられると、異常スコア計算器940は、多変量信号921、922、923を受け取って、たとえば15分ごとなど、あらかじめ定義された時間において異常スコアを周期的に計算する。異常計算モジュール940は、システム全体について、また各センサについて、異常スコアを生成し得る。一実施形態では、異常スコア計算モジュール940は、システムの全体的な異常スコア540を生成するために、時系列センサ・ネットワーク920から最近の多変量のセンサ・データの現在の(オンライン)サンプル921、922、923を受け取り、現在の時間窓の受け取られたデータを使用して、図5を参照しながら上記で説明されたステップを実施する。加えて、モジュール930は、そのシステムの動特性または「健全性」を指示するために、そのシステムのセンサの各々からの最近の時系列データに対応する最新の多変量データをさらに処理して、各変数について個々の「変数ごとの」異常スコアを生成する。以下で説明されるように、スコアを生成することは、そのシステムに関連したダブル・スパース混合モデルであり得るモデル530を自動的に解くこと(更新すること)を包含している。
【0049】
異常スコア・コーディネータ・モジュール950は、各アセットについて全体的な異常スコアおよび変数ごとの異常スコアをランク付けして、各スコアを、モデル・ビルダ950によって用意された1組の閾値と比較するための機能を実施し得る。いくつかの異常スコアが閾値よりも大きければ、そのアセットの機能不全の可能性を指示し得、モジュール950は、それらのアセットおよび対応するスコア(複数可)を指示する信号を生成する。一実施形態では、これらの信号は、同一のコンピュータ・システムまたは外部のコンピュータ・システムにおいてメンテナンス・アクションをスケジューリングして優先順位を付ける命令を実行するメンテナンス・プランナ・モジュール970に対して自動的に通信され得る。
【0050】
一実施形態では、アセットの異常スコアが、異常値の履歴から導出され得る閾値を超えると判定されたときには、出力信号は個々のアセットに関する全体的な異常スコアを指示する。その特定のアセットの各センサ変数について判定された個々の「変数ごとの」異常スコアが、たとえば各変数の分位値に基づいて判定されたそれらの対応するセンサ変数の各々の閾値に対してさらに比較される。変数ごとの比較結果がある特定の閾値を超えると、その変数スコアに基づいて、その変数に対応する特定のセンサまたは異常な動作をしている可能性があるコンポーネントを指示することになる。全体的な異常スコアおよび変数ごとの異常スコアの閾値は、通常状態で取得されたデータ・セットに対してスコアを計算することによって決定され得る。具体的には、閾値は、たとえば95パーセントの分位点として、またはより簡単に通常状態での異常スコアの最大値として、決定され得る。このようにして、そのアセットの潜在的な欠陥に最も寄与していると考えられる特定のコンポーネントに関連する変数またはセンサあるいはその両方を指示する出力信号がさらに生成される。信号の中で表されたアセット・データから、そのアセットの、早急なメンテナンスを必要とするコンポーネントが判定され得る。
【0051】
処理動作更新モジュール960は、ツール状態および製法、入ってくる(部分的に仕上げられた)製品の特性、および他のデータを更新する。次いで、処理動作更新モジュール960は、更新されたデータをメンテナンス・プランナ970に渡す。メンテナンス・プランナ・モジュール970は、メンテナンス・アクションに優先順位を付けるための命令を実行してよい。メンテナンス・プランナ970は、重大度およびリソース利用性、ならびに属性データベース975から取り出した値に依拠して、アセット(システム)の問題になりそうな特定の部分を修理するために、サービス中断の指示またはフラグの必要性を判定してよい。たとえば、異常スコア・コーディネータ950を参照しながら後に論じられる、変数ごとの異常スコアによって判定された問題に対処するために、新規の部分、コンポーネント、またはセンサを、特定のアセットで置換しなければならなくなる可能性がある。一実施形態では、メンテナンス・プランナ・モジュール970は、異常の可能性があるアセットに対するサービス中断、修理、または他のタイプのメンテナンスのフラグを立てるかまたはスケジューリングするためのメッセージを具現するさらなる信号を自動的に生成し得る。
【0052】
図10は、本発明の一態様による、アセットの特性を観測したり変化させたりするためのシステムを示す。データ・プロセッサ1020は、図8の820と全体的に類似したものでよく、図9の975と全体的に類似したものであり得る属性データベース1015から入力データ810を取り出す。
【0053】
統計解析エンジン1030は、図9のモデル・ビルダ930と全体的に類似したものでよく、異常スコア計算器1040は、図9の940または950あるいはその両方と全体的に類似したものでよい。統計解析エンジンは、スパースGMMまたはGPR(ガウス過程退縮)を使用して処理されるウェーハのバッチに対する外れ値を検知するように機能し得る。異常スコア計算器1040は、スパースGMMを用いた1つまたは複数のセンサ測定値を使用して履歴データまたは即時サンプルの異常スコアを計算し、以前の測定値に基づいて、次のウェーハの測定値を予測するように機能し得る。
【0054】
異常スコア計算器1040によって生成された出力の少なくとも一部(たとえば図9の940または950あるいはその両方を参照しながら論じられた出力の少なくとも一部)は、ビジュアル・インターフェース(たとえばグラフィカル・ユーザ・インターフェース)または電子メール通知システム1050あるいはその両方によってユーザに通信され得る。モジュール1060は、図9の950を参照しながら上記で論じられたのと同様のやり方で、異常スコアが閾値よりも小さいかどうかを判定する。異常スコアが閾値よりも小さければ、制御下のツール1070は正常に動作している。
【0055】
異常スコアが閾値を超えると、制御動作モジュール1080は、たとえば実際的要求1091またはエンジニアリング・ドメイン知識1092あるいはその両方に少なくとも部分的に基づいて、制御下のツール1070の1つまたは複数の動作パラメータを修正する。制御動作モジュールは、図9の960のまたは970あるいはその両方と全体的に類似したものでよい。したがって、モジュール1060は、(モジュール1040からの)予測を、GPRを使用する後続の測定値と比較して、実測値が異常かどうかを判定するように機能し得る。1060において異常な測定値が識別されると、モジュール1080は、改善措置を行うように機能し得る。
【0056】
図11が示す、本発明の一態様によるマルチモデルのグラフィカル・モデル(MGM)アルゴリズムは、ライン1111において、図12に示される逆共分散更新(ICU)アルゴリズムを呼び出す。このICUアルゴリズムは、ライン1202において、図13に示される時間的順序付けクラスタ化(TOC)アルゴリズムを呼び出す。図14が示す、本発明の一態様によるスパース重み選択アルゴリズム(SWSA)は、図11のライン1110においてπについて解くように使用される。
【0057】
本発明の例示的実施形態は、有利には、教師なしガウス混合モデル(GMM)を導入して、より詳細には時間的結合の多モード混合分布モデル(TMM)を導入して、非定常システムの質を改善するものである。例示的実施形態は、たとえば1つまたは複数の時間的予測変数といった時間的情報を用いて非定常システムの外れ値や異常を検知するための予測モデルを提供するものである。例示的実施形態は、複数の通常の動作状態を自動的に取り込み、モデルをドリフトおよびシフトに適合させ、観測の時間的順序を考慮する。例示的実施形態はまた、ノイズに対して頑健であり、診断目的のために高度に解釈可能である。
【0058】
例示的実施形態は、グラフィカル混合モデルを使用することによって非定常システム用の密度関数を学習するための斬新な多モード予測モデルを提供するものである。例示的実施形態は、サンプルの時間的順序を考慮に入れて、たとえば各コンポーネントの依存性グラフといった種々の動作モードにわたって構造類似性を強化する。精度マトリクスのスパース性はlノルムによって扱われ得、ドメイン知識はモデルに組み込まれ得る。例示的実施形態は、モデルを訓練するための最適化アルゴリズム、ならびにオフライン診断およびオンライン異常検知のための後方予測ツールおよび前方予測ツールを提供するものである。これらのツールは、時系列の一変量データを多変量(たとえば3次元)データに変換することを含み得る。これらのツールは、それに加えて、またはその代わりに、さらに多くの観測が得られたとき異常スコアを更新することを含み得る。
【0059】
図15Aは、本発明の一実施形態と共に使用可能な一変量のトレース特徴データを示す。図15Aは、連続的に処理されたウェーハ(x軸)の、ステップ7における電圧値(y軸)を示し、これは、図4Aを参照しながら上記で論じられたように、周期的な関係のある通常の変数である。図4Aの四角は図15Aの中空円のサブセットに対応し得る。図4Aと同様に、図15は、中空円(または四角)ではなく塗りつぶした円で示された外れ値を含む。具体的には、図15Aは、ハロ・ペースト(AT/CH1/DCSrc.rVoltage)_平均の間のチャンバ1の平均電圧の931のサンプルを示しており、3つの外れ値を含む。
【0060】
図15B図15Dは、図15Aに示された一変量トレース・データの逆解析の実験結果を示す。実験計画は、外れ値を検知し、カウントを比較し、差を視覚化するように意図されたものであった。図15Bは、本発明の一実施形態による、GMMを用いる一変量のトレース特徴データの逆解析の実験結果を示す。図15Bは、連続的に処理されたウェーハ(x軸)のステップ7における変化スコア(y軸)を可視化したものである。図15Bの塗りつぶした円によって示されるように、本発明の例示的実施形態は、図15Aの一変量のトレース特徴データの中に存在する3つの外れ値を正確に識別した。Zスコアやボックスプロットなどの従来技術と比較して、図15Aの一変量のトレース特徴の中の3つの外れ値を正確に識別したのは、GMMを使用する本発明の技術のみであった。
【0061】
図15Cは、Zスコアを用いる一変量のトレース特徴データの逆解析の実験結果を示す。Zスコアまたは標準スコアは、所与のデータ・ポイントが平均値を標準偏差いくつ分だけ下回るまたは上回るかを示す。図15Cは連続的に処理されたウェーハ(x軸)のステップ7における変化スコア(y軸)を可視化したものである。図15Cの塗りつぶした円によって示されるように、この従来技術が識別した外れ値は、図15Aの一変量のトレース特徴データの中に存在する3つの外れ値ではなく、1つだけであった。
【0062】
図15Dは、ボックスプロットによる一変量のトレース特徴データの逆解析の実験結果を示す。図15Aと同様に、図15Dは、連続的に処理されたウェーハ(x軸)の、ステップ7において観測された電圧値(y軸)を示す。図15Dに示されるボックスプロットでは、水平方向の破線1514、1515、および1516は、それぞれデータ・セットの中の第1の四分値(25パーセンタイル値)、第2の四分値(50パーセンタイル値すなわち平均値)、および第3の四分値(75パーセンタイル値)を表す。図15Dの塗りつぶした円によって示されるように、この従来技術が識別した外れ値は、図15Aの一変量のトレース特徴データの中に存在する3つの外れ値ではなく、1つ(ウェーハ647)だけであった。
【0063】
図16Aおよび図16Bは、本発明の一実施形態と共に使用可能な多変量のトレース特徴データを示す。より詳細には、図16Aおよび16Bは、図15Aと同一の連続的に処理されたウェーハ(x軸)に関してステップ7における追加の変数の値(y軸)を示す。前述のように、図15Aは、連続的に処理されたウェーハ(x軸)の、ステップ7における電圧値(y軸)を示し、これは、図4Aを参照しながら上記で論じられたように、3つの外れ値(塗りつぶした円)を伴う、周期的な関係のある通常の変数(中空の円)である。図16Aは、図15Aのものと同じ3つのウェーハにおける外れ値(塗りつぶした円)と共に、別の周期的な関係のある通常の変数(中空円)である連続的に処理されたウェーハ(x軸)のステップ7における現在値(y軸)を示す。図16Bは、連続的に処理されたウェーハ(x軸)のステップ7における電力値(y軸)を示し、これは、図15Aおよび図16Aの外れ値であった3つのウェーハのうちの1つにおける外れ値を伴う通常の変数である。
【0064】
図15A図16A、および図16Bは、それぞれ一変量のトレース特徴データを示す。しかしながら、図15A図16A、および図16Bは、同一のウェーハ(x軸)の同一の処理ステップ(ステップ7)の別々の変数の値(y軸)を示す。したがって、図15A図16A、および図16Bは、多変量のトレース特徴データの3つの次元と考えることができるであろう。図15A図16A、および図16Bが組み合わせたときにもたらされる多変量のトレース特徴データは、ウェーハ267、470、および647といった3つの外れ値を有し、その各々が、3つの次元のうち少なくとも1つに関する外れ値である。
【0065】
図17Aは、本発明の一実施形態による、GMMを用いる3次元トレース特徴データの逆解析の実験結果を示す。本発明の例示的実施形態は、図15A図16A、および図16Bにおいてまとめて示された3次元多変量のトレース特徴データの中に存在する3つの外れ値(ウェーハ267、470、および647)を正確に識別した。
【0066】
図17Bは、ホテリングのT2乗(T)統計を用いる3次元トレース特徴データの逆解析の実験結果を示す。この従来技術が識別したのは、図15A図16A、および図16Bにおいてまとめて示された3次元多変量のトレース特徴データの中に存在する前述の3つの外れ値(ウェーハ267、470、および647)のうちの1つの外れ値(ウェーハ647)だけであった。
【0067】
図18A図18Cは、本発明の一実施形態と共に使用可能な多変量のトレース特徴データを示す。より詳細には、図18A図18Cは、図15A図16A、および図16Bと同一の連続的に処理されたウェーハ(x軸)に関してステップ7における追加の変数の値(y軸)を示す。図18Aは、連続的に処理されたウェーハ(x軸)のステップ7における圧力値(y軸)を示しており、これは、図15A図16A、または図16Bにおける外れ値ではなかったウェーハである、ウェーハ307における外れ値を伴う通常の変数(中空円)である。図18Bは、連続的に処理されたウェーハ(x軸)のステップ7における現在の(AT.CH1.EMCoils.BOM)値(y軸)を示しており、これは、外れ値(塗りつぶした円)なしの、通常の変数(中空円)である。図18Cは、連続的に処理されたウェーハ(x軸)のステップ7における背面ガス圧値(y軸)を示しており、これは、外れ値(塗りつぶした円)なしの、通常の変数(中空円)である。
【0068】
図15A図16A、および図16Bと同様に、図18A図18Cのそれぞれが一変量のトレース特徴データを示す。しかしながら、図15A図16A図16B、および図18A図18Cは、同一のウェーハ(x軸)の同一の処理ステップ(ステップ7)の別々の変数の値(y軸)を示す。したがって、図15A図16A図16B、および図18A図18Cは、多変量のトレース特徴データの6つの次元と見ることができるであろう。図15A図16A図16B、および図18A図18Cを組み合わせたときにもたらされる多変量のトレース特徴データは、ウェーハ267、307、470、および647といった4つの外れ値を有し、その各々が、6つの次元のうち少なくとも1つに関する外れ値である。
【0069】
図19Aは、本発明の一実施形態による、GMMを用いる6次元トレース特徴データの逆解析の実験結果を示す。本発明の例示的実施形態は、図15A図16A図16B、および図18A図18Cにおいてまとめて示された6次元多変量のトレース特徴データの中に存在する4つの外れ値(ウェーハ267、307、470、および647)を正確に識別した。
【0070】
図19Bは、ホテリングのT2乗(T)統計を用いる6次元トレース特徴データの逆解析の実験結果を示す。この従来技術が識別したのは、図15A図16A図16B、および図18A図18Cにおいてまとめて示された6次元多変量のトレース特徴データの中に存在する前述の4つの外れ値(ウェーハ267、307、470、および647)のうちの2つの外れ値(ウェーハ307および647)だけであった。
【0071】
図20A図20Cは、本発明の一実施形態による時変スコアの連続検査を示す。具体的には、図20Aは、図15Aを参照しながら上記で論じられたものに類似の一変量のトレース・データを示す。図8を参照しながら上記で論じられたように、前方予測850は、n-1個のデータ・ポイントに対して訓練してからn番目のインスタンスを検査する連続検査を含み得る。図20Aでは、これらn-1個のデータ・ポイントは訓練セット2017として表され、図7の訓練データ570に全体的に対応し得、n番目のインスタンスは、検査ポイント2011として表され、図7の検査データ590に全体的に対応し得る。
【0072】
図8を参照しながら上記で論じられたように、前方予測850は、(たとえばセンサから)さらなるサンプルが受け取られたとき、n番目のポイントに関する時変スコアを繰り返し計算することをも含み得る。図20Bにおける訓練セット2027および検査ポイント2021は、図20Aの2017および2011に対応する。しかしながら、検査ポイント2021のスコアは、2021に対して着実に減少する値を有する後続のデータ・ポイント(たとえば観測またはサンプルあるいはその両方)2022および2023を受け取った後に再計算され、したがって、検査ポイント2021は外れ値ではなく、図4Aを参照しながら上記で論じられたものと同様に、周期的な関係のある正常パターンの一部であることを示す。
【0073】
図20Cでは、図20Bと同様に、訓練セット2037および検査ポイント2031は図20Aの2017および2011に対応し、検査ポイント2031のスコアは、後続のデータ・ポイント(たとえば観測またはサンプルあるいはその両方)2032および2033を受け取った後に再計算される。しかしながら、ここで、後続のサンプル2032および2033は、2031の直前のデータ・ポイントに類似の(2031には似ていない)値を有し、したがって、検査ポイント2031は周期的な関係のある正常パターンの一部ではなく、外れ値であることを示す。
【0074】
図21Aは、本発明の一実施形態と共に使用可能な一変量のトレース特徴データを示す。具体的には、図21Aは、図15A図20A、および図20Bを参照しながら上記で論じられたものに類似のデータを示す。ここで、検査ポイント2111は図20Aの検査ポイント2011および図20Bの検査ポイント2021に対応し、後続のポイントは検査ポイント2111に対して着実に減少するので、検査ポイント2111は外れ値ではなく、周期的な関係のある正常パターンの一部であることを示す。図21Aにおいて、検査窓2119は、検査ポイント2011の以前のポイントはすべて含むが後続のポイントは含まない図20Aの訓練セット2017とは対照的に、検査ポイント2111の以前のいくつかのポイントおよびすべての後続のポイントを含む。
【0075】
図21Bは、本発明の一実施形態による、GMMを用いる一変量のトレース特徴データの前方予測の実験結果を示す。より詳細には、図21Bは、複数の後続のデータ・ポイント(x軸に示される)が受け取られた後に、検査ポイント2111の変化スコア(y軸に示される)を再計算するやり方を示す。検査ポイント2111は、最初に、平均値をかなり(たとえば1標準偏差超)上回るので外れ値と判定され、実際、検査ポイント2111は、平均値を2標準偏差上回る。いくつかの追加の検査ポイントを受け取ると平均値が少し大きくなるが、検査ポイント2111は、まだ(現在、少し大きい)平均値をほぼ2標準偏差上回り、したがって平均値を1標準偏差超上回るので、依然として外れ値と見なされる。
【0076】
図21Cは、Zスコアを用いる一変量のトレース特徴データの前方予測の実験結果を示す。図21Bと同様に、図21Cは、複数の後続のデータ・ポイント(x軸に示される)が受け取られた後に、検査ポイント2111の変化スコア(y軸に示される)を再計算するやり方を示す。図21Cと同様に、検査ポイント2111は、最初に、直前のデータ・ポイントよりもかなり大きいので外れ値と判定される。しかしながら、追加のデータ・ポイントが受け取られると、図21Cに示されるように、図20Bよりも図20Cに類似したパターンを示すので、検査ポイント2111は、もはや外れ値には分類されない。
【0077】
図22Aは、本発明の一実施形態と共に使用可能な一変量のトレース特徴データを示す。トレース特徴データは、図15A図20A、および図21Aに示されたものに類似であり、実際、検査窓2219は図21Aの検査窓2119に類似である。しかしながら、図20Aおよび図21Aと異なり、図22Aには検査ポイントが表示されていない。図22Aの検査窓2219の中にあるのは、3つの外れ値である。
【0078】
図22Bは、本発明の一実施形態による、GMMを用いる一変量のトレース特徴データの前方予測の実験結果を示す。図22Bが含むのは図22Aの検査窓2219の中の値のみであることに留意されたい。本発明の例示的実施形態は、図22Aに示されたトレース特徴データの検査窓2219の中に存在する3つの外れ値を正確に識別した。
【0079】
図22Cは、Zスコアを用いる一変量のトレース特徴データの前方予測の実験結果を示す。図22Bと同様に、図22Cが含むのは図22Aの検査窓2219の中の値のみである。破線2238は、値を外れ値と見なすための基準を指示しており、2238より上の値は平均値を1標準偏差超上回るものであり、したがって外れ値と識別される。したがって、図22Aに示されたトレース特徴データの検査窓2219の中に存在する外れ値は3つであるが、この従来技法により、図22Cにおける17のデータ・ポイントが外れ値と識別される。
【0080】
図22Dは、ボックスプロットによる一変量のトレース特徴データの前方予測の実験結果を示す。図22Dは、図22B図22Cとは異なり、検査窓2219の中の値だけでなく図22Aに示されたすべての値を含むことに留意されたい。垂直の破線2248の左側の値は訓練データであり、垂直の破線2248の右側の値は検査データである。図22Dに示されるボックスプロットでは、水平方向の破線2244、2245、および2246は、それぞれデータ・セットの中の第1の四分値(25パーセンタイル値)、第2の四分値(50パーセンタイル値すなわち平均値)、および第3の四分値(75パーセンタイル値)を表す。これら水平の破線は、値を外れ値と見なすための基準を指示しており、25パーセンタイル値~75パーセンタイル値(たとえば破線2244~2246)の間にない値は外れ値と識別される。図22Dに示されるデータ・ポイントにはこれらの基準を満たすものがないため、この従来技法では、図22Aに示されたトレース特徴データの検査窓2219の中に存在する3つの外れ値のどれも外れ値と識別されない。
【0081】
本発明の1つまたは複数の実施形態またはその要素は、メモリと、メモリに結合されて例示的方法のステップを実行するように機能する少なくとも1つのプロセッサとを含む装置の形式で、少なくとも部分的に実施され得る。
【0082】
1つまたは複数の実施形態は、汎用コンピュータまたはワークステーションで実行するソフトウェアを利用することができる。図23を参照して、そのような実装形態は、たとえば、プロセッサ2302と、メモリ2304と、たとえばディスプレイ2306およびキーボード2308によって形成された入出力インターフェースとを採用し得る。本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、たとえば、CPU(中央処理装置)または他の形式の処理回路あるいはその両方を含むものなど、任意の処理装置を含むように意図されている。さらに、「プロセッサ」という用語は、複数の個々のプロセッサを指し得る。「メモリ」という用語は、たとえばRAM(ランダム・アクセス・メモリ)、ROM(読取り専用メモリ)、固定メモリ(たとえばハード・ディスク)、取外し可能メモリ(たとえばディスケット)、フラッシュ・メモリ等、プロセッサまたはCPUに関連するメモリを含むように意図されている。加えて、本明細書で使用される「入出力インターフェース」という語句は、たとえば処理ユニット(たとえばマウス)にデータを入力するための1つまたは複数の機構、および処理ユニット(たとえばプリンタ)に関連する結果を供給するための1つまたは複数の機構を含むように意図されている。プロセッサ2302、メモリ2304、ならびにディスプレイ2306およびキーボード2308など入出力インターフェースは、データ処理ユニット2312の一部として、たとえばバス2310によって相互接続され得る。たとえばバス2310を介した適切な相互接続はまた、コンピュータ・ネットワークとインターフェースで連結するために用意され得るネットワーク・カードなどのネットワーク・インターフェース2314と、ディスケットまたはCD-ROMドライブなどの媒体2318とインターフェースで連結するために用意され得る媒体インターフェース2316とにもたらされ得る。
【0083】
したがって、本発明の技法を実行するための命令またはコードを含むコンピュータソフトウェアは、本明細書で説明されたように、関連するメモリ(たとえばROM、固定メモリまたは取外し可能メモリ)のうちの1つまたは複数に記憶され、利用される準備ができているときには、部分的または全体的に(たとえばRAMに)ロードされて、CPUによって実施され得る。そのようなソフトウェアは、それだけではないが、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含むことができるはずである。
【0084】
プログラム・コードの記憶または実行あるいはその両方に適したデータ処理システムは、システムバス2310によってメモリ要素2304に対して直接的または間接的に結合された少なくとも1つのプロセッサ2302を含むことになる。メモリ要素は、プログラム・コードの実際の実施中に採用されるローカル・メモリと、大容量記憶装置と、実施中に大容量記憶装置からのコードの必要な取り出し回数を減らすために少なくともいくつかのプログラム・コードの一時記憶域をもたらすキャッシュ・メモリとを含むことができる。
【0085】
入出力装置すなわちI/O装置(それだけではないが、キーボード908、ディスプレイ906、ポインティング・デバイス等を含む)は、システムに対して(バス910などによって)直接結合されてよく、またはI/Oコントローラ(明瞭さのために省略されている)を介して結合されてもよい。
【0086】
ネットワーク・インターフェース2314などのネットワーク・アダプタもシステムに結合されてよく、データ処理システムは、プライベート・ネットワークまたはパブリック・ネットワークを介して、他のデータ処理システム、または遠隔プリンタ、または記憶装置に結合することが可能になる。現在入手可能なタイプのネットワーク・アダプタのほんの数例として、モデム、ケーブル・モデムおよびイーサネット(R)・カードが挙げられる。
【0087】
特許請求の範囲を含めて本明細書で使用される「サーバ」は、サーバ・プログラムを実行する物理的データ処理システム(たとえば図23に示されるシステム2312)を含む。そのような物理的サーバは、ディスプレイやキーボードを含んでも含まなくてもよいことが理解されよう。
【0088】
本明細書で説明された方法のうち任意のものが、コンピュータ可読記憶媒体上に具現される別個のソフトウェア・モジュールを含むシステムをもたらす付加手順を含み得、これらのモジュールは、たとえば、ブロック図もしくは他の図に表された要素、または本明細書で説明された要素、あるいはその両方のうち任意のものまたはすべてを含み得ることに留意されたい。その後、方法のステップは、上記で説明されたように、1つまたは複数のハードウェア・プロセッサ2302上で実行する、システムの別個のソフトウェア・モジュールまたはサブモジュールあるいはその両方を使用して実行され得る。さらに、コンピュータ・プログラム製品は、別個のソフトウェア・モジュールを用いるシステムを提供することを含めて、本明細書で説明した1つまたは複数の方法のステップを実行するように実施されるように適合されたコードを有するコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。
【0089】
例示的システムおよび製品の詳細
本発明は、システム、方法、またはコンピュータ・プログラム製品あるいはその組合せであり得る。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(複数可)を含み得る。
【0090】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行装置によって使用するための命令を保持したり記憶したりすることができる有体の装置であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、それだけではないが、たとえば電子記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、またはこれらの任意の適切な組合せであり得る。コンピュータ可読記憶媒体の、より具体的な例の非網羅的リストは、携帯用コンピュータのディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去書込み可能な読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、携帯用コンパクト・ディスクを使った読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピ・ディスク、命令が記録されているパンチカードまたは溝の中で高くした構造などの機械的に符号化された装置、および前述のものの任意の適切な組合せを含む。本明細書で使用されたコンピュータ可読記憶媒体自体は、電波または他の自由に伝搬する電磁波、導波管または他の伝送媒体によって伝搬させる電磁波(たとえば光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、あるいは電線を通って伝送される電気信号などの一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0091】
本明細書で説明されたコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から、たとえばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワークまたは無線ネットワークあるいはその組合せといったネットワークを介して、それぞれの演算装置/処理装置または外部コンピュータもしくは外部記憶装置にダウンロードされ得る。ネットワークは、銅の伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータまたはエッジ・サーバあるいはその組合せを備え得る。各演算装置/処理装置におけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受け取って、それぞれの演算装置/処理装置の内部のコンピュータ可読記憶媒体に記憶させるように転送する。
【0092】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)の命令、機械語命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路設計のための構成データ、あるいは1つまたは複数のプログラム言語の任意の組合せで書かれたソース・コードまたはオブジェクト・コードのいずれかでよく、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラム言語と、「C」プログラム言語などの手続き型プログラム言語または類似のプログラム言語とを含む。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンド・アロンのソフトウェア・パッケージとして、全体的にユーザのコンピュータ上で実行してよく、部分的にユーザのコンピュータ上で実行してよく、一部をユーザのコンピュータで実行し、一部を遠隔コンピュータ上で実行してよく、または全体的に遠隔のコンピュータまたはサーバ上で実行してもよい。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてよく、または(たとえばインターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、たとえば、プログラム可能論理回路、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラム可能論理アレイ(PLA)を含む電子回路が、本発明の態様を実行するために、電子回路をパーソナライズするコンピュータ可読プログラム命令の利用状態情報によってコンピュータ可読プログラム命令を実行してよい。
【0093】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら本明細書で説明されている。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、ならびにフローチャート図またはブロック図あるいはその両方のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施され得ることが理解されよう。
【0094】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロック(複数可)で規定された機能/行為を実施するための手段を生成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはマシンを製作するための他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに供給され得る。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロック(複数可)において規定された機能/行為の態様を実施する命令を含む製品を備えるように、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、または特定のやり方で機能する他の装置、あるいはその組合せに指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0095】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他の装置において実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方のブロック(複数可)で規定された機能/行為を実施するために、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他の装置において一連の動作のステップを実行して、コンピュータ実施プロセスを生成するように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他の装置にロードされてもよい。
【0096】
図の中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態の、アーキテクチャ、機能性、および動作を示すものである。この点に関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、規定された論理関数(複数可)を実施するための1つまたは複数の実行命令を含む命令の、モジュール、セグメント、または一部を表し得る。いくつかの代替実装形態では、ブロックにおいて指示された機能は、図の中で指示された順序から外れて生じる可能性がある。たとえば、連続して示された2つのブロックは、実際には、包含されている機能性に依拠して、実質的に同時に実行されてよく、時には逆の順序で実行されてもよい。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、ならびにブロック図またはフローチャート図あるいはその両方におけるブロックの組合せは、規定された機能または行為あるいは特殊目的のハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行する、特殊目的のハードウェア・ベースのシステムによって実施され得ることも注目されよう。
【0097】
本発明の様々な実施形態の説明が例証のために提示されてきたが、網羅的であることや、開示された実施形態に限定されることを意図するものではない。当業者には、多くの修正形態および変形形態が、説明された実施形態の範囲から逸脱することなく明らかになるはずである。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、実用的な用途、もしくは市場に見られる技術に対する技術的な改善について最もよく説明するように、または他の当業者が本明細書で開示された実施形態を理解することを可能にするように、選択されたものである。
【0098】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定するようには意図されていない。本明細書で用いられる単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈がはっきりと別様に示さなければ、複数形も含むように意図されている。「備える」または「備えている」という用語あるいはその両方は、本明細書で使用されたとき、明示された特徴、整数、ステップ、動作、要素、またはコンポーネントあるいはその組合せの存在を指示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、またはそのグループあるいはその組合せの存在や追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0099】
以下の特許請求の範囲におけるすべての手段またはステップに機能要素を加えたものに対応する、構造、材料、行為、および等価物は、特に特許請求されるような他の特許請求される要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むように意図されている。本発明の記述は例証および説明のために提示されたものであるが、網羅的であることや、本発明を開示された形態に限定することを意図するわけではない。当業者には、多くの修正形態および変形形態が、本発明の範囲から逸脱することなく明らかになるはずである。実施形態は、本発明の原理および実用的応用例について最もよく説明するように、また、他の当業者が、企図された特定の用途に適する様々な変更を加えた様々な実施形態について本発明を理解することができるように、選択して説明されたものである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図22C
図22D
図23