(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】乾燥機及び乾燥方法
(51)【国際特許分類】
F26B 11/04 20060101AFI20250508BHJP
C02F 11/12 20190101ALI20250508BHJP
【FI】
F26B11/04
C02F11/12 ZAB
(21)【出願番号】P 2023142759
(22)【出願日】2023-09-04
【審査請求日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】P 2022140886
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 一平
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-205395(JP,U)
【文献】特開昭53-024671(JP,A)
【文献】特開昭62-223592(JP,A)
【文献】特開2003-284509(JP,A)
【文献】特開昭61-017885(JP,A)
【文献】特開平06-082160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 11/04
C02F 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在に設けられた円筒状の回転ドラムと、
前記回転ドラムに取り付けられ、前記回転ドラム内に投入される被乾燥物を前記回転ドラムの回転に伴って切断する1以上の第1刃と、
前記回転ドラムの一端の少なくとも一部を塞ぐ固定板を備え
、
前記固定板は、前記被乾燥物を前記回転ドラム内に投入する投入口を有し、
前記1以上の第1刃のそれぞれは、前記回転ドラムの前記投入口側の一端において、前記回転ドラムが回転することで前記投入口と対向可能な位置に取り付けられ、前記投入口から投入される前記被乾燥物を前記回転ドラムの回転力によって切断する、乾燥機。
【請求項2】
さらに、前記回転ドラム内において前記回転ドラムの長手方向に沿って延びる第1空気管と、
前記第1空気管から分岐して下方に向けて延びる1以上の第2空気管と、を備え、
前記回転ドラムは、前記長手方向の所定位置において、前記回転ドラムの内周に沿って前記回転ドラムの内壁に取り付けられた第1堰部を有し、
前記第1空気管及び前記1以上の第2空気管は、前記回転ドラム内に投入された前記被乾燥物のうち、少なくとも前記投入口側の一端と前記第1堰部との間に位置する前記被乾燥物に対して乾燥用空気を供給する、請求項
1に記載の乾燥機。
【請求項3】
さらに、前記第1堰部と前記回転ドラムの他端との間における前記回転ドラムの内壁に取り付けられ、前記第1堰部を超えて前記第1堰部と前記他端との間に移動した前記被乾燥物を、前記回転ドラムの回転により撹拌する1以上のリフターを備える、請求項
2に記載の乾燥機。
【請求項4】
さらに、前記回転ドラム内において前記回転ドラムの長手方向に沿って延びる第1空気管と、
前記第1空気管から分岐して下方に向けて延びる1以上の第2空気管と、
前記第1空気管と前記1以上の第2空気管とのうちの少なくともいずれかにおける前記長手方向の第1位置に取り付けられ、下方側の一部が前記回転ドラムの内周に沿う第2堰部と、を備え、
前記第1空気管及び前記1以上の第2空気管は、前記回転ドラム内に投入された前記被乾燥物に対して乾燥用空気を供給し、
前記回転ドラムは、前記長手方向の前記第1位置と異なる第2位置において、前記回転ドラムの内周に沿って前記回転ドラムの内壁に取り付けられた第2刃を有し、
前記第2刃は、前記回転ドラムの回転力によって、前記第2堰部上に位置する前記被乾燥物を前記第2堰部との間に挟み込んで切断する、請求項
1に記載の乾燥機。
【請求項5】
回転自在に設けられた円筒状の回転ドラムと、前記回転ドラムに取り付けられ、前記回転ドラム内に投入される被乾燥物を前記回転ドラムの回転に伴って切断する1以上の第1刃と、前記回転ドラムの一端
の少なくとも一部を塞ぐ固定板と、を備え、前記固定板は、前記被乾燥物を前記回転ドラム内に投入する投入口を有し、前記1以上の第1刃のそれぞれは、前記回転ドラムの前記投入口側の一端において、前記回転ドラムが回転することで前記投入口と対向可能な位置に取り付けられる乾燥機における乾燥方法であって、
前記1以上の第1刃のそれぞれが、前記投入口から投入される前記被乾燥物を前記回転ドラムの回転力によって切断する、乾燥方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥機及び乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、焼却前の下水汚泥(以下、単に汚泥とも呼ぶ)を乾燥させる乾燥機が様々提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような乾燥機では、下水汚泥の含水率が高く、例えば、ポンプで圧送された汚泥においても十分に乾燥することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような十分な乾燥を実現するため、本発明における乾燥機は、回転自在に設けられた円筒状の回転ドラムと、前記回転ドラムに取り付けられ、前記回転ドラム内に投入される被乾燥物を前記回転ドラムの回転に伴って切断する1以上の第1刃と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明における乾燥機及び乾燥方法によれば、下水汚泥の含水率が高く、ポンプで圧送された汚泥においても十分な乾燥を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態における乾燥機10の構成図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態における乾燥機10の構成図である。
【
図3】
図3は、カッター16による汚泥1の切断について説明する図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態における乾燥機10の変形例を説明する図である。
【
図5】
図5は、第2の実施の形態における乾燥機20の構成図である。
【
図6】
図6は、第2の実施の形態における乾燥機20の構成図である。
【
図7】
図7は、第3の実施の形態における乾燥機30の構成図である。
【
図8】
図8は、第3の実施の形態における乾燥機30の構成図である。
【
図9】
図9は、第3の実施の形態における乾燥機30の変形例を説明する図である。
【
図10】
図10は、第1の実施の形態における乾燥機10、第2の実施の形態における乾燥機20または第3の実施の形態における乾燥機30を有する乾燥システム100の構成図である。
【
図11】
図11は、制御装置90における処理を説明するフローチャート図である。
【
図12】
図12は、制御装置90における処理を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる説明は限定的な意味に解釈されるべきではなく、特許請求の範囲に記載の主題を限定するものではない。また、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することがなく様々な変更や置換や改変をすることができる。また、異なる実施の形態を適宜組み合わせることができる。
【0009】
[第1の実施の形態における乾燥機10]
初めに、第1の実施の形態における乾燥機10について説明を行う。
図1及び
図2は、第1の実施の形態における乾燥機10の構成図である。
【0010】
具体的に、
図1は、乾燥機10の全体断面図(後述する汚泥供給管13及び空気管14の内部を通る断面図)である。また、
図2(A)は、乾燥機10のA-A断面図であり、
図2(B)は、乾燥機10のB-B断面図であり、
図2(C)は、乾燥機10のC-C断面図である。
【0011】
乾燥機10は、例えば、汚泥1(以下、被乾燥物1とも呼ぶ)の焼却を行う焼却炉(図示せず)の前段に設置され、焼却炉に供給される前の汚泥1を乾燥させて含水率を低下させる装置である。
【0012】
具体的に、乾燥機10は、
図1に示すように、例えば、固定板11と、回転ドラム12と、汚泥供給管13と、空気管14(以下、第1空気管14とも呼ぶ)と、1以上の空気管15(以下、1以上の第2空気管15とも呼ぶ)と、カッター16(以下、第1刃16とも呼ぶ)と、汚泥排出管17と、乾燥排ガス排出管18とを有する。
【0013】
固定板11は、
図1に示すように、例えば、回転ドラム12のX2方向側の端に配置される固定板11aと、回転ドラム12のX1方向側の端に配置される固定板11bとによって構成される。固定板11aは、例えば、回転ドラム12のX2方向側の端部12a(以下、単に一端とも呼ぶ)を塞ぎながら、回転ドラム12のX2方向側から端部12aを支持する。また、固定板11bは、例えば、回転ドラム12のX1方向側の端部12b(以下、単に他端とも呼ぶ)を塞ぎながら、回転ドラム12のX1方向側から端部12bを支持する。なお、固定板11a及び固定板11bのそれぞれは、例えば、地面や床等において固定されており、回転ドラム12の回転時においても回転しない部材である。
【0014】
具体的に、固定板11aは、
図1に示すように、例えば、固定板11aに設けられた凹部11cにおいて端部12aを覆うことによって端部12aを支持する。また、固定板11bは、例えば、固定板11bに設けられた凹部11dにおいて端部12bを覆うことによって端部12bを支持する。これにより、固定板11a及び固定板11bは、例えば、X軸方向の前後から回転ドラム12を回転自在な状態で挟持することが可能になる。
【0015】
回転ドラム12は、例えば、回転自在に設けられた円筒状のドラムである。具体的に、回転ドラム12は、
図2(B)及び
図2(C)の矢印に示すように、例えば、乾燥機10の管理者(以下、単に管理者とも呼ぶ)によって指定された速度で一定方向に向けて回転する。
【0016】
なお、回転ドラム12は、例えば、地面や床等において固定された複数のレール(図示せず)と嵌合する複数のローラ(図示せず)によって下方から支持されるものであってもよい。そして、回転ドラム12は、例えば、複数のローラを回転駆動させるモータ(図示せず)の動力によって回転するものであってよい。
【0017】
汚泥供給管13は、例えば、乾燥機10の前段(例えば、汚泥圧送ポンプ等の図示しない供給装置)から乾燥機10に対して汚泥1を供給する配管である。具体的に、汚泥供給管13は、
図1及び
図2(A)に示すように、例えば、少なくとも一部がX軸に沿って延びる配管であって、X1方向側の端部が固定板11aにおける汚泥投入口13a(以下、単に投入口13aとも呼ぶ)と連通する配管である。そして、汚泥供給管13は、例えば、汚泥投入口13aを介して回転ドラム12の内部に汚泥1を投入する。すなわち、汚泥供給管13は、例えば、供給装置によって圧送された汚泥1を回転ドラム12の内部に順次投入する。
【0018】
空気管14は、例えば、回転ドラム12の内部に対して空気2(以下、乾燥用空気2とも呼ぶ)を供給する配管である。具体的に、空気管14は、
図1及び
図2(A)に示すように、例えば、少なくとも一部がX軸に沿って延びる配管であって、固定板11aにおける空気投入口14aを貫通し、さらに、固定板11bの近傍まで延びる配管である。なお、空気管14は、例えば、固定板11a等において固定されており、回転ドラム12の回転時においても回転しない配管である。
【0019】
1以上の空気管15のそれぞれは、例えば、空気管14から分岐して下方向(Z2方向)に向けて延びる配管である。具体的に、1以上の空気管15のそれぞれは、
図1、
図2(B)及び
図2(C)に示すように、例えば、先端(Z2方向側の一端)が回転ドラム12の内壁の近傍まで延びる配管である。また、1以上の空気管15のそれぞれは、
図1に示すように、例えば、空気管14の軸線方向に沿って互いに間隔を隔てて配置される。具体的に、1以上の空気管15のそれぞれは、例えば、空気管14のX軸方向に沿って等間隔に配置される。
【0020】
そして、汚泥投入口13aから回転ドラム12内に投入された汚泥1は、例えば、回転ドラム12の回転に伴って回転ドラム12内を転動しながら、1以上の空気管15のそれぞれから噴出される空気2(例えば、熱風)によって乾燥される。
【0021】
図1に戻り、カッター16は、例えば、回転ドラム12の筒壁(回転ドラム12の内壁)に取り付けられ、回転ドラム12の内部に投入される汚泥1を順次切断する。具体的に、カッター16は、例えば、端部12aの内壁における汚泥投入口13aと対向可能な位置に取り付けられる。すなわち、カッター16は、例えば、回転ドラム12が回転することによって汚泥投入口13aと一時的に対向する位置に取り付けられる。そして、カッター16は、例えば、汚泥投入口13aを介して汚泥供給管13から投入される汚泥1を回転ドラム12の回転力によって切断する。以下、カッター16による汚泥1の切断について説明を行う。
【0022】
[カッター16による汚泥1の切断]
図3は、カッター16による汚泥1の切断について説明する図である。具体的に、
図3(A)及び
図3(B)は、乾燥機10のB-B断面図であり、カッター16の回転を説明する図である。また、
図3(C)及び
図3(D)は、カッター16による汚泥1の切断を説明する図である。なお、
図3(A)及び
図3(B)は、汚泥1の先端1a(以下、単に先端1aとも呼ぶ)がX1方向に向けて汚泥投入口13aから突出している場合を示す図である。また、
図3(A)及び
図3(B)では、空気管15についての記載を省略している。
【0023】
固定板11aにおける汚泥投入口13aは、
図2(A)に示すように、例えば、X1方向を向いた場合における側面視で固定板11aの外周縁に近い位置に設けられる。また、カッター16は、
図2(B)に示すように、例えば、端部12aの内壁において先端が空気管14(回転ドラム12の軸線)に向けて延びるように取り付けられる。
【0024】
そのため、汚泥投入口13a及びカッター16は、例えば、回転ドラム12が回転することによって一時的に対向する。すなわち、例えば、回転ドラム12が
図3(A)に示す状態から
図3(B)に示す状態まで回転する場合、カッター16の少なくとも一部は、YZ平面における位置が汚泥投入口13aと同一である位置に移動する。
【0025】
また、カッター16は、
図1に示すように、例えば、端部12aの内壁における汚泥投入口13aと近接する位置に取り付けられる。そのため、例えば、汚泥投入口13aから先端1aが突出している場合、先端1aは、X軸上における位置がカッター16の回転位置と同一の位置まで到達する。なお、汚泥1が圧送ポンプ等の供給装置により汚泥供給管13(汚泥投入口13a)内に押し出され、さらに、回転ドラム12内に押し出されることにより、このように汚泥1(先端1a)が突出する。
【0026】
したがって、例えば、回転ドラム12が
図3(A)に示す状態から
図3(B)に示す状態まで回転する場合において、
図3(C)に示すように、先端1aが汚泥投入口13aからX1方向に向けて突出している場合、先端1aは、
図3(D)に示すように、カッター16によって切断される。
【0027】
すなわち、本実施の形態における乾燥機10において、汚泥供給管13を通過した汚泥1は、例えば、回転ドラム12の内壁と接触する前に、カッター16によって切断される。言い換えれば、汚泥投入口13aから突出した汚泥1は、例えば、自重によって汚泥投入口13aから離れて落下する前に、カッター16によって切断される。
【0028】
図1に戻り、汚泥排出管17は、例えば、乾燥が完了した汚泥1を回転ドラム12から外部に排出する。具体的に、汚泥排出管17は、
図1に示すように、例えば、少なくとも一部がX軸に沿って延びる配管であって、X2方向側の端部が固定板11bにおける汚泥排出口17aと連通する配管である。そして、汚泥排出管17は、例えば、汚泥排出口17aを介して回転ドラム12内の汚泥1を外部に排出する。
【0029】
乾燥排ガス排出管18は、例えば、回転ドラム12内において汚泥1の乾燥に用いられた空気2(以下、乾燥排ガス2aとも呼ぶ)を外部に排出する。具体的に、乾燥排ガス排出管18は、例えば、少なくとも一部がX軸に沿って延びる配管であって、X2方向側の端部が固定板11bにおける乾燥排ガス排出口18aと連通する配管である。そして、乾燥排ガス排出管18は、例えば、乾燥排ガス排出口18aを介して回転ドラム12内の乾燥排ガス2aを外部に排出する。
【0030】
このように、本実施の形態における乾燥機10は、例えば、回転自在に設けられた円筒状の回転ドラム12を備える。また、乾燥機10は、例えば、回転ドラム12に取り付けられ、回転ドラム12内に投入される汚泥1を回転ドラム12の回転に伴って切断するカッター16を備える。
【0031】
具体的に、乾燥機10は、例えば、回転ドラム12の端部12aの少なくとも一部を塞ぐ固定板11aを備える。そして、固定板11aは、例えば、汚泥1を回転ドラム12内に投入する汚泥投入口13aを有し、さらに、カッター16は、例えば、回転ドラム12の汚泥投入口13a側の端部12aにおいて、回転ドラム12が回転することで汚泥投入口13aと対向可能な位置に取り付けられ、汚泥投入口13aから投入される汚泥1を回転ドラム12の回転力によって切断する。
【0032】
これにより、本実施の形態における乾燥機10は、例えば、回転ドラム12の回転に伴って、汚泥供給管13から回転ドラム12内に投入される汚泥1のサイズを細かくすることが可能になる。そのため、乾燥機10は、例えば、回転ドラム12に投入された汚泥1の表面積を大きくすることが可能になり、回転ドラム12における汚泥1の乾燥を促進することが可能になる。したがって、乾燥機10は、例えば、汚泥1の含水率が高い場合であっても、汚泥1の乾燥を十分に行うことが可能になる。
【0033】
また、本実施の形態における乾燥機10は、例えば、回転ドラム12内に汚泥切断用の簡易な刃を設けた構成であるので、別途、汚泥切断用の機器を乾燥機10の前段に設置する必要がなく、コスト面やスペース面においても利点がある。
【0034】
また、本実施の形態における乾燥機10は、回転ドラム12に投入された汚泥1の乾燥を促進させることで、例えば、汚泥1の乾燥に要する時間を短縮させることが可能になる。そのため、管理者は、例えば、乾燥機10内における汚泥1の滞留時間を長くすることを目的として、乾燥機10のサイズを大きく(X軸方向の長さを長く)する必要がなくなる。
【0035】
なお、乾燥機10は、例えば、筐体(図示しない)内に設置されるものであってもよい。そして、筐体は、この場合、例えば、保温材料によって形成され、汚泥1の乾燥中における回転ドラム12の冷却を抑制するものであってもよい。
【0036】
また、上記の例では、回転ドラム12の両端(端部12a及び端部12b)が開口している場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、回転ドラム12は、例えば、端部12a側のみが開口しており、端部12b側が閉塞しているものであってもよい。そして、乾燥機10は、この場合、固定板11bを有しないものであってもよい。
【0037】
また、汚泥投入口13aは、例えば、回転ドラム12の筒壁に設けられるものであり、汚泥供給管13は、回転ドラム12の筒壁に設けられた汚泥投入口13aに対して汚泥1を投入するものであってもよい。なお、この場合、汚泥投入口13aの位置が回転ドラム12の回転に伴って移動することになるため、汚泥供給管13から汚泥投入口13aに対する汚泥1の投入は、汚泥投入口13aの少なくとも一部が汚泥供給管13と対向する位置を移動しているタイミングにおいて行われる。言い換えれば、汚泥供給管13から汚泥投入口13aに対する汚泥1の投入は、汚泥投入口13aの全てが汚泥供給管13と対向しない位置を移動しているタイミングにおいては行われない。
【0038】
具体的に、汚泥投入口13aは、この場合、例えば、回転ドラム12の筒壁において回転ドラム12の回転方向(回転ドラム12の周方向)に延びる矩形形状を有するものであってよい。そして、回転ドラム12の回転に伴って汚泥投入口13aの少なくとも一部が汚泥供給管13と対向している間、汚泥供給管13から汚泥投入口13aに対する汚泥1の投入が連続的に行われ、汚泥投入口13aから回転ドラム12内に向けて汚泥1(先端1a)が突出する。
【0039】
さらに、この場合、汚泥投入口13aから突出した汚泥1は、例えば、回転ドラム12の回転に伴って汚泥供給管13と対向する箇所のうちの汚泥投入口13a以外の箇所(以下、単に汚泥投入口13a以外の箇所とも呼ぶ)によって切断される。
【0040】
具体的に、汚泥投入口13aから突出した汚泥1は、例えば、回転ドラム12の回転に伴って汚泥供給管13と対向する箇所が汚泥投入口13aの少なくとも一部から汚泥投入口13a以外の箇所(すなわち、回転ドラム12の筒壁の一部)に移行した際に、汚泥投入口13a以外の箇所によって切断される。さらに具体的に、汚泥投入口13aから突出した汚泥1は、例えば、汚泥投入口13a以外の箇所のうち、回転ドラム12の回転方向における端部を含む汚泥投入口13aの近傍箇所(以下、切断箇所とも呼ぶ)によって切断される。なお、切断箇所には、例えば、汚泥1を切断するカッター(図示せず)が取り付けられるものであってもよい。
【0041】
また、回転ドラム12の回転に伴って汚泥供給管13と対向する箇所には、例えば、複数の汚泥投入口13aが設けられるものであってもよい。この場合、切断箇所についても複数設けられることになるため、汚泥供給管13から回転ドラム12内に投入される汚泥1のサイズをより細かくすることが可能になる。
【0042】
[第1の実施の形態における変形例]
次に、第1の実施の形態における変形例について説明を行う。
図4は、第1の実施の形態における乾燥機10の変形例を説明する図である。
【0043】
図1から
図3で説明した例では、1枚のカッター16が回転ドラム12に取り付けられている場合について説明を行った。これに対し、回転ドラム12には、例えば、複数枚のカッター16が取り付けられるものであってもよい。
【0044】
具体的に、回転ドラム12には、
図4(A)に示すように、例えば、2枚のカッター16が取り付けられるものであってもよい。また、回転ドラム12には、
図4(B)に示すように、例えば、4枚のカッター16が取り付けられるものであってもよい。さらに、回転ドラム12には、例えば、2枚及び4枚以外の枚数のカッター16が取り付けられるものであってもよい。
【0045】
これにより、本変形例の乾燥機10は、例えば、汚泥投入口13aから突出した汚泥1の切断頻度を高くすることが可能になる。そのため、乾燥機10は、例えば、回転ドラム12内に投入される汚泥1のサイズをより小さくすることが可能になり、回転ドラム12内における汚泥1の乾燥をより促進することが可能になる。
【0046】
[第2の実施の形態における乾燥機20]
次に、第2の実施の形態における乾燥機20について説明を行う。
図5及び
図6は、第2の実施の形態における乾燥機20の構成図である。具体的に、
図5は、乾燥機20の全体断面図である。また、
図6(A)は、乾燥機20のD-D断面図であり、
図6(B)は、乾燥機20のE-E断面図である。なお、
図6(A)では、乾燥排ガス排出口18aについての記載を省略している。
図6(B)では、汚泥排出口17a、乾燥排ガス排出口18a及び後述する砂投入口22aについての記載を省略している。以下、第1の実施の形態における乾燥機10と異なる点について説明を行う。
【0047】
乾燥機20は、例えば、汚泥1を乾燥させるとともに、乾燥させた汚泥1と珪砂等の砂3(以下、被混合物3とも呼ぶ)とを混合(好ましくは、均一混合)させる。そのため、乾燥機20は、
図5に示すように、例えば、汚泥1の乾燥を行う乾燥室20aと、汚泥1と砂3とを混合させる混合室20bとを回転ドラム12の内部においてそれぞれ有する。なお、以下、汚泥1と砂3とを混合させる場合について説明を行うが、砂3以外の他の被混合物として乾燥汚泥等を汚泥1と混合させるものであってもよい。
【0048】
具体的に、乾燥機20は、例えば、第1の実施の形態における乾燥機10が有する各構成に加え、堰部21(以下、第1堰部21とも呼ぶ)と、砂供給管22と、1以上のリフター23とをさらに有する。
【0049】
堰部21は、
図5及び
図6(A)に示すように、例えば、回転ドラム12の内部を乾燥室20aと混合室20bとに仕切る堰である。具体的に、堰部21は、
図5に示すように、例えば、回転ドラム12の長手方向(X軸方向)の所定位置において回転ドラム12の内周の周方向に沿って取り付けられる。さらに具体的に、堰部21は、
図6(A)示すように、例えば、X1方向を向いた場合における側面視で環状形状を有する板状部材である。
【0050】
そして、乾燥室20aにおいて乾燥中の汚泥1(汚泥投入口13aから投入された後の汚泥1)は、例えば、回転ドラム12の回転に伴って乾燥室20a内をX1方向側に徐々に移動し、堰部21の乾燥室20a側(X2方向側)における下方側(Z2方向側)の位置(以下、位置21aとも呼ぶ)に到達する。すなわち、位置21aには、例えば、乾燥室20a内において乾燥が進行した汚泥1が回転ドラム12内のX2方向側から順に送られる。
【0051】
その後、位置21aに到達した汚泥1は、例えば、回転ドラム12の回転に伴う転動によって堰部21の高さ(Z1方向の高さ)よりも高い位置に堆積された場合、堰部21を乗り越えて混合室20b側に順次移動する。
【0052】
砂供給管22は、例えば、回転ドラム12内に対して砂3を投入する配管である。具体的に、砂供給管22は、
図5に示すように、例えば、少なくとも一部がX軸に沿って延びる配管であって、X2方向側の端部が固定板11bにおける砂投入口22aと連通する配管である。そして、砂供給管22は、例えば、砂投入口22aを介して回転ドラム12(混合室20b)内に汚泥1を投入する。
【0053】
なお、
図5に示す例では、砂投入口22aが固定板11bに設けられ、砂供給管22から混合室20bに対して砂3が供給されているが、これに限られない。具体的に、砂投入口22aは、例えば、固定板11aにおいて設けられるものであってもよい。そして、砂供給管22は、この場合、例えば、固定板11aに設けられた砂投入口22aを介して乾燥室20aに砂3を供給するものであってもよい。また、砂3を汚泥供給管13内の汚泥1に供給してもよい。
【0054】
1以上のリフター23のそれぞれは、
図5及び
図6(B)に示すように、例えば、回転ドラム12の内壁に取り付けられ、回転ドラム12の回転に伴って汚泥1をかき上げることによって汚泥1を撹拌する。そして、1以上のリフター23のそれぞれは、例えば、砂投入口22aを介して混合室20b内に投入された砂3と汚泥1とを混合(好ましくは、均一混合)する。具体的に、1以上のリフター23のそれぞれは、例えば、矩形部材であり、回転ドラム12の内壁においてX軸と平行になるように取り付けられる。
【0055】
なお、1以上のリフター23のそれぞれは、
図6(B)に示すように、例えば、X1方向を向いた場合における側面視で等間隔になるように取り付けられるものであってよい。
【0056】
汚泥排出管17は、例えば、混合室20bにおいて砂3と混合した汚泥1を回転ドラム12から外部に排出する。
【0057】
このように、本実施の形態における乾燥機20は、例えば、回転ドラム12内において回転ドラム12の長手方向に沿って延びる空気管14と、空気管14から分岐して下方に向けて延びる1以上の空気管15と、を有する。そして、回転ドラム12は、例えば、回転ドラム12の長手方向の所定位置において、回転ドラム12の内周に沿って回転ドラム12の内壁に取り付けられた堰部21を有し、さらに、空気管14及び1以上の空気管15は、例えば、回転ドラム12内に投入された汚泥1のうち、少なくとも汚泥投入口13a側の端部12aと堰部21との間に位置する汚泥1に対して空気を供給する。
【0058】
また、乾燥機20は、例えば、堰部21と端部12bとの間における回転ドラム12の内壁に取り付けられ、堰部21を超えて堰部21と端部12bとの間に移動した汚泥1を、回転ドラム12の回転により撹拌する1以上のリフター23を有する。
【0059】
すなわち、本実施の形態における乾燥機20は、例えば、乾燥室20aに投入される汚泥1を細かく切断することで汚泥1の乾燥を促進するだけでなく、乾燥が完了した汚泥1に対して砂3を混合してから焼却炉(図示せず)に供給する。
【0060】
これにより、乾燥機20は、例えば、乾燥が十分に行われ、かつ、砂3が混合した状態の汚泥1を焼却炉に供給することが可能になる。そのため、乾燥機20は、例えば、焼却炉における汚泥1の焼却を促進させることが可能になる。
【0061】
[第3の実施の形態における乾燥機30]
次に、第3の実施の形態における乾燥機30について説明を行う。
図7及び
図8は、第3の実施の形態における乾燥機30の構成図である。具体的に、
図7は、乾燥機30の全体断面図である。また、
図8(A)及び
図8(B)は、乾燥機30のF-F断面図である。なお、
図8(A)及び
図8(B)では、汚泥排出口17a及び乾燥排ガス排出口18aについての記載を省略している。以下、第1の実施の形態における乾燥機10及び第2の実施の形態における乾燥機20と異なる点について説明を行う。
【0062】
乾燥機30は、
図7に示すように、例えば、汚泥1の乾燥を順次行う乾燥室30a(以下、第1乾燥室30aとも呼ぶ)と乾燥室30b(以下、第2乾燥室30bとも呼ぶ)とを回転ドラム12の内部においてそれぞれ有する。すなわち、汚泥投入口13aから回転ドラム12内に投入された汚泥1は、例えば、乾燥室30aにおいて乾燥が行われた後、回転ドラム12の回転に伴って乾燥室30aから乾燥室30bに移動する。そして、乾燥室30aから乾燥室30bに移動した汚泥1は、例えば、乾燥室30bにおいてさらに乾燥が行われる。
【0063】
具体的に、乾燥機30は、例えば、第1の実施の形態における乾燥機10が有する各構成に加え、堰部31と、稼働板32(以下、第2刃32とも呼ぶ)とをさらに有する。
【0064】
堰部31は、
図7及び
図8(A)に示すように、例えば、回転ドラム12内を乾燥室30aと乾燥室30bとに仕切る堰である。具体的に、堰部31は、
図7に示すように、例えば、空気管14と1以上の空気管15とのうちの少なくともいずれかにおける回転ドラム12の長手方向(X軸方向)の所定位置(以下、第1位置とも呼ぶ)に取り付けられ、下方側(Z2方向側)の一部が回転ドラム12の内周の周方向に沿う形状を有する。すなわち、堰部31は、例えば、空気管14と1以上の空気管15とのうちの少なくともいずれかに固定され、回転ドラム12の回転時においても回転しない部材である。さらに具体的に、堰部31は、例えば、X1方向を向いた場合における側面視で環状扇型形状(略半円形状)を有する板状部材である。
【0065】
なお、堰部31は、
図7及び
図8(A)に示すように、例えば、回転ドラム12の回転時における回転ドラム12の内壁との接触を防止する必要性から、回転ドラム12の内壁との間に隙間を形成するように取り付けられるものであってよい。
【0066】
そして、乾燥室30aにおいて乾燥中の汚泥1(汚泥投入口13aから投入された後の汚泥1)は、例えば、回転ドラム12の回転に伴って乾燥室30a内をX1方向側に徐々に移動し、堰部31の乾燥室30a側(X2方向側)における下方側(Z2方向側)の位置(以下、位置31aとも呼ぶ)に到達する。すなわち、位置31aには、例えば、乾燥室30a内において乾燥が進行した汚泥1が回転ドラム12内のX2方向側から順に送られる。
【0067】
その後、位置31aに到達した汚泥1は、例えば、回転ドラム12の回転に伴う転動によって堰部31の高さ(Z1方向の高さ)よりも高い位置に堆積された場合、堰部31(堰部31の上端縁31b)を乗り越えて乾燥室30b側に順次移動する。
【0068】
稼働板32は、
図7及び
図8(A)に示すように、例えば、回転ドラム12の長手方向(X軸方向)の第1位置と異なる位置(以下、第2位置とも呼ぶ)において、回転ドラム12の内周の周方向に沿って回転ドラム12の内壁に取り付けられる部材である。すなわち、稼働板32は、例えば、回転ドラム12の内壁に固定され、回転ドラム12の回転に伴って併せて回転する部材である。さらに具体的に、稼働板32は、例えば、X1方向を向いた場合における側面視で環状扇型形状(略扇型形状)を有する板状部材である。
【0069】
なお、稼働板32は、
図8(A)に示すように、例えば、回転ドラム12の回転時における空気管14の外周との接触を防止する必要性から、空気管14との間に隙間を形成するように取り付けられるものであってよい。
【0070】
そして、稼働板32は、
図8(B)に示すように、例えば、堰部31の上端縁31b上に位置する汚泥1(堰部31の上端縁31b上を移動中の汚泥1)を、稼働板32の回転方向側の側端縁32aによって切断する。
【0071】
具体的に、稼働板32は、例えば、堰部31と近接する位置であって、かつ、X1方向側の面が堰部31のX2方向側の面と対向可能な位置に取り付けられる。さらに具体的に、稼働板32は、例えば、回転ドラム12が回転する場合であっても堰部31と接触しない位置であって、かつ、回転ドラム12が回転することによってX1方向側の面が堰部21のX2方向側の面と一時的に対向可能な位置に取り付けられる。そして、稼働板32は、例えば、回転ドラム12が回転することによって、堰部31の上端縁31b上に位置する汚泥1を、堰部31の上端縁31bと稼働板32の側端縁32aとの間に挟み込んで切断する。言い換えれば、稼働板32の側端縁32aは、
図8(B)に示すように、例えば、YZ平面における位置が堰部31の上端縁31bと同一である位置に移動する過程において、堰部31の上端縁31b上に位置する汚泥1を堰部31の上端縁31bとの間に挟み込んで切断する。
【0072】
すなわち、回転ドラム12の長手方向(X軸方向)における稼働板32の位置(第2位置)は、例えば、堰部31の上端縁31bと稼働板32の側端縁32aとのそれぞれを鋏の刃のように機能させることによって、堰部31の上端縁31b上に位置する汚泥1を鋏状に切断することが可能な位置に決定される。
【0073】
なお、稼働板32の側端縁32aには、例えば、堰部31の上端縁31b上に位置する汚泥1を切断するカッター(図示せず)が取り付けられるものであってもよい。
【0074】
このように、本実施の形態における乾燥機30は、例えば、空気管14と1以上の空気管15とのうちの少なくともいずれかにおける回転ドラム12の長手方向の第1位置に取り付けられ、下方側の一部が回転ドラム12の内周に沿う堰部31を有する。また、回転ドラム12は、例えば、空気管14と1以上の空気管15とのうちの少なくともいずれかにおける回転ドラム12の長手方向の第1位置と異なる第2位置において、回転ドラム12の内周に沿って回転ドラム12の内壁に取り付けられた稼働板32を有する。そして、稼働板32は、例えば、回転ドラム12の回転力によって、堰部31上に位置する汚泥1を稼働板32との間に挟み込んで切断する。
【0075】
すなわち、回転ドラム12内において乾燥中の汚泥1は、例えば、回転ドラム12内への投入時においてカッター16によって細かく切断される場合であっても、回転ドラム12の回転によって練られることにより、再度塊状になる場合がある。そのため、回転ドラム12内では、例えば、汚泥1の乾燥効率が低下する可能性がある。
【0076】
そこで、本実施の形態における乾燥機30は、例えば、堰部31と稼働板32とを有することで、回転ドラム12内においても汚泥1の切断を行う。
【0077】
これにより、本実施の形態における乾燥機30は、例えば、回転ドラム12内において乾燥中の汚泥1のサイズを再度細かくすることが可能になる。そのため、乾燥機30は、例えば、回転ドラム12において乾燥中の汚泥1の表面積を大きくすることが可能になり、回転ドラム12における汚泥1の乾燥効率の低下を抑制すること(回転ドラム12における汚泥1の乾燥効率を向上させること)が可能になる。したがって、乾燥機30は、例えば、回転ドラム12における汚泥1の乾燥を十分に行うことが可能になる。
【0078】
また、本実施の形態における乾燥機30は、回転ドラム12における汚泥1の乾燥効率の低下を抑制することで、例えば、汚泥1の乾燥に要する時間を短縮させることが可能になる。そのため、管理者は、例えば、乾燥機30内における汚泥1の滞留時間を長くすることを目的として、乾燥機30のサイズを大きく(X軸方向の長さを長く)する必要がなくなる。
【0079】
なお、本実施の形態における乾燥機30は、例えば、
図5等で説明した混合室20bを回転ドラム12の内部においてさらに有するものであってもよい。
【0080】
具体的に、本実施の形態における乾燥機30は、例えば、回転ドラム12内における乾燥室30bのX1方向側において、乾燥室30bとの間が堰部21によって仕切られた混合室20bを有するものであってもよい。そして、混合室20bに取り付けられた1以上のリフター23のそれぞれは、例えば、回転ドラム12の回転によって、堰部21を乗り越えることによって乾燥室30bから移動した汚泥1と、砂投入口22aを介して混合室20b内に投入された砂3とを混合するものであってもよい。
【0081】
すなわち、混合室20bには、この場合、例えば、乾燥がより十分に行われ、かつ、サイズがより細かい汚泥1が供給されることになる。そのため、本実施の形態における乾燥機30は、この場合、例えば、乾燥がより十分に行われ、かつ、砂3がより均一に混合した状態の汚泥1を焼却炉に供給することが可能になる。したがって、乾燥機30は、この場合、例えば、焼却炉における汚泥1の焼却をより促進させることが可能になる。
【0082】
[第3の実施の形態における変形例]
次に、第3の実施の形態における変形例について説明を行う。
図9は、第3の実施の形態における乾燥機30の変形例を説明する図である。具体的に、
図9(A)及び
図9(B)は、
図7に示す乾燥機30のF-F断面図である。
【0083】
図8で説明した例では、堰部31の形状がX1方向を向いた場合における側面視で略半円形状である場合について説明を行った。これに対し、堰部31の形状は、
図9(A)に示すように、例えば、X1方向を向いた場合における側面視で逆T字形状であるものであってもよい。
【0084】
すなわち、堰部31の形状は、
図9(A)に示すように、例えば、
図8(A)で説明した場合よりも上端縁31bの高さ(Z1方向の高さ)が低いものであってもよい。そして、堰部31及び稼働板32は、
図9(B)に示すように、例えば、
図8(A)で説明した場合よりも低い位置(Z2方向側の位置)において、堰部31の上端縁31b上に位置する汚泥1の切断を行うものであってもよい。
【0085】
これにより、本変形例の乾燥機30は、例えば、汚泥1が乾燥室30aから乾燥室30bに移動する際に乗り越える必要がある堰部31の高さを抑えることが可能になる。そのため、乾燥機30は、例えば、乾燥室30aから乾燥室30bに対する汚泥1の移動が開始されるタイミング(言い換えれば、焼却炉に対する汚泥の供給が開始されるタイミング)を早めることが可能になる。
【0086】
[乾燥機10、乾燥機20または乾燥機30を有する乾燥システム100]
次に、乾燥機10、乾燥機20または乾燥機30を有する乾燥システム100において説明を行う。
図10は、第1の実施の形態における乾燥機10、第2の実施の形態における乾燥機20または第3の実施の形態における乾燥機30を有する乾燥システム100の構成図である。また、
図11及び
図12は、制御装置90における処理を説明するフローチャート図である。
【0087】
乾燥システム100は、
図10に示すように、例えば、第1の実施の形態における乾燥機10、第2の実施の形態における乾燥機20または第3の実施の形態における乾燥機30に加え、乾燥機10、乾燥機20または乾燥機30(以下、単に乾燥機10等とも呼ぶ)に対して汚泥1を供給する供給装置80と、供給装置80による汚泥1の供給速度(単位時間あたりの汚泥1の供給量)と乾燥機10等の回転ドラム12の回転速度(単位時間あたりの回転数)とのうちの少なくともいずれかを制御する制御装置90とを有する。
【0088】
供給装置80は、例えば、管理者によって予め指定された供給速度または制御装置90によって指定された供給速度に従って、乾燥機10等に対して汚泥1を供給(圧送)する。具体的に、供給装置80は、例えば、汚泥供給管13を介して乾燥機10等に汚泥1を供給する。
【0089】
制御装置90は、例えば、汚泥供給管13に取り付けられた測定装置(図示せず)によって測定された汚泥1の供給速度に応じて、回転ドラム12の回転速度を制御する処理を行う。また、制御装置90は、例えば、回転ドラム12に取り付けられた測定装置(図示せず)によって測定された回転ドラム12の回転速度に応じて、供給装置80による汚泥1の供給速度を制御する処理を行う。制御装置90は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やメモリを有するコンピュータ装置である。
【0090】
具体的に、制御装置90は、
図11に示すように、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度が閾値(以下、第1閾値とも呼ぶ)よりも速いか否かを判定する(
図11のステップS1)。
【0091】
その結果、供給装置80による汚泥1の供給速度が第1閾値よりも速くないと判定した場合(
図11のステップS1のNO)、制御装置90は、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度が第1閾値より低い閾値(以下、第2閾値とも呼ぶ)よりも速いか否かを判定する(
図11のステップS2)。
【0092】
そして、供給装置80による汚泥1の供給速度が第2閾値よりも速くないと判定した場合(
図1のステップS2のNO)、制御装置90は、例えば、回転ドラム12の回転速度を低速に設定する(
図11のステップS3)。
【0093】
一方、供給装置80による汚泥1の供給速度が第2閾値よりも速いと判定した場合(
図11のステップS2のYES)、制御装置90は、例えば、回転ドラム12の回転速度を中速に設定する(
図11のステップS4)。
【0094】
また、供給装置80による汚泥1の供給速度が第1閾値よりも速いと判定した場合(
図11のステップS1のYES)、制御装置90は、例えば、回転ドラム12の回転速度を高速に設定する(
図11のステップS5)。
【0095】
このように、本実施の形態における制御装置90は、例えば、回転ドラム12に投入する汚泥1の供給速度(以下、投入速度とも呼ぶ)に応じて、回転ドラム12の回転速度を制御する。
【0096】
すなわち、カッター16によって切断される汚泥1のサイズや稼働板32によって切断される汚泥1のサイズ(以下、これらを総称して単に汚泥1のサイズとも呼ぶ)は、例えば、回転ドラム12の回転速度と、供給装置80による汚泥1の供給速度との両方によって決定される。そのため、制御装置90は、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度に従って、回転ドラム12の回転速度の調整を行う。
【0097】
具体的に、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度が低下していると判定した場合、制御装置90は、これに合わせて回転ドラム12の回転速度を低下させる。一方、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度が上昇していると判定した場合、制御装置90は、これに合わせて回転ドラム12の回転速度を上昇させる。
【0098】
これにより、制御装置90は、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度が変化した場合であっても、汚泥1のサイズが予め定められた所定の範囲(以下、単に所定の範囲とも呼ぶ)内に含まれるように制御することが可能になる。
【0099】
具体的に、制御装置90は、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度が上昇した場合であっても、汚泥1のサイズが所定の範囲を超えて大きくなること防止することが可能になる。そのため、制御装置90は、例えば、汚泥1の供給速度の上昇による汚泥1の乾燥効率の低下を防止することが可能になる。
【0100】
なお、
図11に示す例では、制御装置90が回転ドラム12の回転速度を3段階(低速、中速及び高速)のうちのいずれかに切り替える場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、制御装置90は、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度の変化に応じて、回転ドラム12の回転速度を2段階または4段階以上のうちのいずれかに切り替えるものであってもよい。
【0101】
また、制御装置90は、例えば、回転ドラム12の回転速度に応じて、供給装置80による汚泥1の供給速度を調整するものであってもよい。
【0102】
具体的に、制御装置90は、
図12に示すように、例えば、回転ドラム12の回転速度が閾値(以下、第3閾値とも呼ぶ)よりも速いか否かを判定する(
図12のステップS11)。
【0103】
その結果、回転ドラム12の回転速度が第3閾値よりも速くないと判定した場合(
図12のステップS11のNO)、制御装置90は、例えば、回転ドラム12の回転速度が第3閾値よりも低い閾値(以下、第4閾値とも呼ぶ)よりも速いか否かを判定する(
図12のステップS12)。
【0104】
そして、回転ドラム12の回転速度が第4閾値よりも速くないと判定した場合(
図12のステップS12のNO)、制御装置90は、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度を低速に設定する(
図12のステップS13)。
【0105】
一方、回転ドラム12の回転速度が第4閾値よりも速いと判定した場合(
図12のステップS12のYES)、制御装置90は、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度を中速に設定する(
図12のステップS14)。
【0106】
また、回転ドラム12の回転速度が第3閾値よりも速いと判定した場合(
図12のステップS11のYES)、制御装置90は、例えば、供給装置80による汚泥1の供給速度を高速に設定する(
図12のステップS15)。
【0107】
このように、本実施の形態における制御装置90は、例えば、回転ドラム12に投入する汚泥1の供給速度に応じて、回転ドラム12の回転速度を制御するものであってもよい。
【0108】
具体的に、例えば、回転ドラム12の回転速度が低下していると判定した場合、制御装置90は、これに合わせて供給装置80による汚泥1の供給速度を低下させるものであってもよい。一方、例えば、回転ドラム12の回転速度が上昇していると判定した場合、制御装置90は、これに合わせて供給装置80による汚泥1の供給速度を上昇させるものであってもよい。
【0109】
これにより、制御装置90は、例えば、回転ドラム12の回転速度が変化した場合であっても、汚泥1のサイズが所定の範囲内に含まれるように制御することが可能になる。
【0110】
具体的に、制御装置90は、例えば、回転ドラム12の回転速度が低下した場合であっても、汚泥1のサイズが所定の範囲を超えて大きくなること防止することが可能になる。そのため、制御装置90は、例えば、回転ドラム12の回転速度の低下による乾燥効率の低下を防止することが可能になる。
【0111】
なお、
図12に示す例では、制御装置90が供給装置80による汚泥1の供給速度を3段階(低速、中速及び高速)のうちのいずれかに切り替える場合について説明を行ったが、これに限られない。具体的に、制御装置90は、例えば、回転ドラム12の回転速度の変化に応じて、供給装置80による汚泥1の供給速度を2段階または4段階以上のうちのいずれかに切り替えるものであってもよい。
【符号の説明】
【0112】
1:汚泥 2:空気
2a:乾燥排ガス 3:砂
10:乾燥機 11:固定板
11a:固定板 11b:固定板
11c:凹部 11d:凹部
12:回転ドラム 12a:端部
12b:端部 13:汚泥供給管
13a:汚泥投入口 14:空気管
14a:空気供給口 15:空気管
16:カッター 17:汚泥排出管
17a:汚泥排出口 18:乾燥排ガス排出管
18a:乾燥排ガス排出口 20:乾燥機
21:堰部 21a:位置
22:砂供給管 22a:砂投入口
23:リフター 31:堰部
31a:位置 31b:上端縁
32:稼働板 32a:側端縁
80:供給装置 90:焼却炉
100:乾燥システム