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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】加工装置、及び加工品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 41/06 20120101AFI20250508BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20250508BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20250508BHJP
   B24B 49/08 20060101ALI20250508BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALI20250508BHJP
   B23Q 7/00 20060101ALI20250508BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20250508BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20250508BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20250508BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20250508BHJP
   C03B 33/03 20060101ALI20250508BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20250508BHJP
【FI】
B24B41/06 A
B24B41/06 L
B24B27/06 J
B24B27/06 M
B24B49/10
B24B49/08
B23Q7/04 A
B23Q7/00 E
H01L21/78 Q
H01L21/78 N
H01L21/68 A
H01L21/68 U
H01L21/68 P
C03B33/03
H05K3/00 L
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023506721
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 JP2021035885
(87)【国際公開番号】W WO2022195931
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2021044356
(32)【優先日】2021-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021130829
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021133294
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(74)【代理人】
【識別番号】100231038
【弁理士】
【氏名又は名称】正村 智彦
(72)【発明者】
【氏名】深井 元樹
(72)【発明者】
【氏名】片岡 昌一
(72)【発明者】
【氏名】堀 聡子
(72)【発明者】
【氏名】坂上 雄哉
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕子
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 翔
(72)【発明者】
【氏名】今井 一郎
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2138003(KR,B1)
【文献】特開2019-202353(JP,A)
【文献】特開2014-138011(JP,A)
【文献】特開2015-033729(JP,A)
【文献】特開2003-266263(JP,A)
【文献】特開2019-051645(JP,A)
【文献】国際公開第2010/137072(WO,A1)
【文献】特開2015-188024(JP,A)
【文献】特開平06-135546(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2146784(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-2167500(KR,B1)
【文献】特開2019-016700(JP,A)
【文献】特開2016-054256(JP,A)
【文献】特開2010-118376(JP,A)
【文献】特表2008-511164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B3/00-3/60
B24B21/00-51/00
B23Q7/00-7/18
C03B23/00-35/26
C03B40/00-40/04
H01L21/301;21/78
H01L21/677
H01L21/673
H01L21/683
H05K3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象物を加工する加工機構と、
前記加工対象物を保持するための保持用プレートを収容するプレート収容部と、
前記保持用プレートが着脱可能に取り付けられ、前記保持用プレートを用いて前記加工対象物を保持する保持ベース部と、
前記保持用プレートを前記プレート収容部及び前記保持ベース部の間で搬送するプレート搬送機構と、
前記保持ベース部に対する前記保持用プレートの取り付け状態を検査する検査機構とを備え、
前記プレート収容部は、前記保持用プレートが載置される複数段のスライド棚部を有しており、
前記プレート搬送機構は、前記保持ベース部から取り外された前記保持用プレートを前記プレート収容部に搬送して外側にスライドされた前記スライド棚部に載置し、前記プレート収容部において外側にスライドされた前記スライド棚部から前記保持用プレートを取り出して前記保持ベース部に搬送するものであり、
前記スライド棚部は、前記プレート搬送機構によって外側にスライドされる、加工装置。
【請求項2】
前記検査機構は、
前記保持用プレートが搭載される搭載面に開口する検査用流路と、
前記検査用流路に設けられ、前記開口からの流体の漏れを検知する検知センサとを有する、請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記検査用流路は、圧縮空気が供給されるものであり、
前記検知センサは、前記検査用流路を流れる圧縮空気の圧力又は流量を検出することによって、前記開口からの圧縮空気の漏れを検知する、請求項2に記載の加工装置。
【請求項4】
前記保持ベース部は、前記保持用プレートに形成された固定用挿入孔に挿入される固定用シリンダ部を有しており、
前記固定用シリンダ部は、前記固定用挿入孔に挿入されるシリンダ本体と、当該シリンダ本体の外側周面から突出した位置及び没入した位置で移動可能に設けられた可動子と、当該可動子を前記シリンダ本体に対して突出した位置となるように力を付与する弾性体とを有し、
前記固定用シリンダ部が前記固定用挿入孔に挿入された状態で、前記可動子が突出した状態となることにより、前記保持ベース部に対して前記保持用プレートが固定される、請求項1に記載の加工装置。
【請求項5】
前記検査機構により前記保持ベース部の搭載面に前記保持用プレートが密着していないと判断された場合に、前記固定用シリンダ部が前記保持用プレートの固定を解除して、前記保持用プレートを取り付け直す、請求項4に記載の加工装置。
【請求項6】
前記プレート搬送機構は、前記保持用プレートに形成された搬送用保持孔に挿入される搬送用シリンダ部を有しており、
前記搬送用シリンダ部は、前記搬送用保持孔に挿入されるシリンダ本体と、当該シリンダ本体の外側周面から突出した位置及び没入した位置で移動可能に設けられた可動子と、当該可動子を前記シリンダ本体に対して突出した位置となるように力を付与する弾性体とを有し、
前記搬送用シリンダ部が搬送用挿入孔に挿入された状態で、前記可動子が突出した状態となることにより、前記プレート搬送機構に前記保持用プレートが保持される、請求項1に記載の加工装置。
【請求項7】
前記プレート搬送機構は、前記保持用プレートを上昇させて搬送する、請求項1に記載の加工装置。
【請求項8】
前記プレート搬送機構は、
前記加工対象物を加工するための加工用テーブルの保持用プレート、
前記加工機構により加工された加工後の前記加工対象物を乾燥するための乾燥用テーブルの保持用プレート、
前記加工後の前記加工対象物を検査するための検査用テーブルの保持用プレート、
前記加工後の前記加工対象物が仕分け前に載置される移載テーブルの保持用プレート、又は、
前記加工後の前記加工対象物を搬送するために保持する搬送用保持機構の保持用プレートの少なくとも1つを搬送する、請求項1に記載の加工装置。
【請求項9】
前記プレート搬送機構は、前記加工後の前記加工対象物を搬送することができる、請求項1に記載の加工装置。
【請求項10】
前記プレート搬送機構は、前記加工後の前記加工対象物が仕分けされるトレイを搬送することができる、請求項1に記載の加工装置。
【請求項11】
前記プレート搬送機構は、
前記プレート収容部と仮置き部との間で前記保持用プレートを搬送する第1搬送機構と、
前記仮置き部と前記保持ベース部との間で前記保持用プレートを搬送する第2搬送機構とを有する、請求項1に記載の加工装置。
【請求項12】
前記第1搬送機構は、前記加工後の前記加工対象物が仕分けされるトレイを搬送することができる、請求項11に記載の加工装置。
【請求項13】
前記第2搬送機構は、前記加工後の前記加工対象物を搬送することができる、請求項11に記載の加工装置。
【請求項14】
前記加工機構により個片化された前記加工対象物が貼り付けられる粘着面を有する貼付部材が載置される載置テーブルをさらに備え、
前記プレート搬送機構は、前記貼付部材を前記載置テーブルに搬送することができる、請求項1に記載の加工装置。
【請求項15】
前記プレート搬送機構は、
前記プレート収容部と仮置き部との間で前記保持用プレートを搬送する第1搬送機構と、
前記仮置き部と前記保持ベース部との間で前記保持用プレートを搬送する第2搬送機構とを有する、請求項14に記載の加工装置。
【請求項16】
前記第1搬送機構は、前記貼付部材を前記載置テーブルに搬送することができる、請求項15に記載の加工装置。
【請求項17】
前記第2搬送機構は、前記個片化された前記加工対象物を搬送することができる、請求項15に記載の加工装置。
【請求項18】
前記加工対象物を加工用テーブルに搬送するために前記加工対象物を保持する第1保持機構と、
前記個片化された前記加工対象物を前記加工用テーブルから搬送するために前記個片化された前記加工対象物を保持する第2保持機構と、
前記貼付部材を前記載置テーブルに搬送するための前記貼付部材を保持する第3保持機構と、
前記第1保持機構、前記第2保持機構及び前記第3保持機構を移動させるための共通のトランスファ軸を有する搬送用移動機構とをさらに備え、
前記第1搬送機構は、前記第3保持機構及び前記搬送用移動機構を用いて構成され、
前記第2搬送機構は、前記第2保持機構及び前記搬送用移動機構を用いて構成されている、請求項15に記載の加工装置。
【請求項19】
前記貼付部材を収容する貼付部材収容部をさらに備え、
前記プレート収容部及び前記貼付部材収容部は互いに上下に配置されている、請求項15に記載の加工装置。
【請求項20】
前記加工機構により個片化された前記加工対象物が落下して収容される収容ボックスをさらに備え、
前記プレート搬送機構は、前記個片化された前記加工対象物を前記収容ボックスに搬送することができる、請求項1に記載の加工装置。
【請求項21】
前記加工機構により個片化された前記加工対象物を一端開口部から収容する筒状容器が設置される容器設置部と、
前記個片化された前記加工対象物を前記容器設置部に設置された前記筒状容器に搬送して収容する搬送収容機構とをさらに備える、請求項1に記載の加工装置。
【請求項22】
前記加工対象物を加工用テーブルに搬送するために前記加工対象物を保持する第1保持機構と、
前記個片化された前記加工対象物を前記加工用テーブルから搬送するために前記個片化された前記加工対象物を保持する第2保持機構と、
前記第1保持機構及び前記第2保持機構を移動させるための共通のトランスファ軸を有する搬送用移動機構とをさらに備え、
前記プレート搬送機構は、前記第2保持機構及び前記搬送用移動機構を用いて構成されている、請求項15に記載の加工装置。
【請求項23】
請求項1乃至22の何れか一項に記載の加工装置を用いて加工品を製造する加工品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置、及び加工品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、被切断物を切断して個片化された複数の製品を製造する切断装置において、切断用テーブルに対して吸着治具を着脱可能に構成したものが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-040060号公報
【0004】
しかしながら、上記の切断装置では、単に切断用テーブルに対して吸着治具を着脱可能にしただけであり、実際に吸着治具を交換する際には作業者が作業を行う必要がある。そのため、作業者の人件費がかかるだけでなく、取り付け状態にばらつきが出てしまうという問題がある。また、交換作業に時間がかかってしまい、切断装置の生産性が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、加工対象物を保持するための保持用プレートを自動的に交換することをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る加工装置は、加工対象物を加工する加工機構と、前記加工対象物を保持するための保持用プレートを収容するプレート収容部と、前記保持用プレートが着脱可能に取り付けられ、前記保持用プレートを用いて前記加工対象物を保持する保持ベース部と、前記プレートを前記プレート収容部及び前記保持ベース部の間で搬送するプレート搬送機構とを備え、前記プレート搬送機構は、前記保持ベース部から取り外された前記保持用プレートを前記プレート収容部に搬送し、前記プレート収容部にある前記保持用プレートを前記保持ベース部に搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このように構成した本発明によれば、加工対象物を保持するための保持用プレートを自動的に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る切断装置の構成を模式的に示す図である。
図2】同実施形態の切断用テーブル及びその周辺構造を模式的に示す斜視図である。
図3】同実施形態の切断用テーブル及びその周辺構造の構成を模式的に示すZ方向から見た図(平面図)である。
図4】同実施形態の切断用テーブル及びその周辺構造の構成を模式的に示すY方向から見た図(正面図)である。
図5】同実施形態の第1保持機構及び搬送用移動機構の構成を模式的に示すY方向から見た図(正面図)である。
図6】同実施形態の第1保持機構及び搬送用移動機構の構成を模式的に示すX方向から見た図(側面図)である。
図7】同実施形態のラックアンドピニオン機構の構成を模式的に示す断面図である。
図8】同実施形態の第2保持機構及び搬送用移動機構の構成を模式的に示すY方向から見た図(正面図)である。
図9】同実施形態の切断装置の動作を示す模式図である。
図10】同実施形態の保持用プレート及び保持ベース部の構成を示す模式図である。
図11】同実施形態の第1搬送機構(トレイ搬送機構)及びプレート収容部を示す斜視図である。
図12】同実施形態の固定機構の構成を模式的に示す断面図である。
図13】同実施形態の第2保持機構の保持ベース部を示す斜視図である。
図14】同実施形態の保持用プレートの交換動作を示す図である。
図15】同実施形態の保持用プレートの交換動作を示す図である。
図16】第1実施形態におけるプレート搬送機構の変形例の構成を模式的に示す(a)Z方向から見た部分図(部分平面図)、(b)X方向から見た部分図(部分側面図)、及び(c)Y方向から見た部分図(部分正面図)である。
図17】本発明の第2実施形態に係る切断装置の構成を模式的に示す図である。
図18】同実施形態の移載テーブル及び載置テーブルの各位置を模式的に示すZ方向から見た図(平面図)である。
図19】同実施形態の移載テーブル、載置テーブル及び貼付用搬送機構の構成を模式的に示すY方向から見た図(正面図)である。
図20】同実施形態の貼付部材の構成を模式的に示す(a)平面図、(b)断面図、及び(c)部分拡大断面図である。
図21】同実施形態の載置テーブル、貼付部材収容部及び貼付部材搬送機構の構成を模式的に示すY方向から見た図(正面図)である。
図22】同実施形態の第1搬送機構(プレート搬送機構)及びプレート収容部を示す斜視図である。
図23】同実施形態の(a)貼付部材収容部に対して貼付部材を出し入れする場合における貼付部材収容部及びプレート収容部の位置関係を示す図、及び(b)プレート収容部に対して保持用プレートを出し入れする場合における貼付部材収容部及びプレート収容部の位置関係を示す図である。
図24】同実施形態の保持用プレートの交換動作を示す図である。
図25】同実施形態の保持用プレートの交換動作を示す図である。
図26】変形実施形態の(a)載置テーブル、貼付部材収容部及び貼付部材搬送機構の構成を模式的に示すY方向から見た図(正面図)、(b)上のガイドレールの間隔が拡がった状態を示す模式図、及び(c)上のガイドレールの間隔が縮まった状態を示す模式図である。
図27】本発明の第3実施形態に係る切断装置の構成を模式的に示す図である。
図28】同実施形態の乾燥用テーブル及び収容ボックスの周辺構造を模式的に示すZ方向から見た図(平面図)である。
図29】同実施形態の乾燥用テーブル及び収容ボックスの周辺構造を模式的に示すY方向から見た図(正面図)である。
図30】同実施形態の切断装置の動作を示す模式図である。
図31】同実施形態のプレート搬送機構及びプレート収容部を示す斜視図である。
図32】同実施形態の保持用プレートの交換動作を示す図である。
図33】本発明の第4実施形態に係る切断装置の構成を模式的に示す図である。
図34】同実施形態の筒状容器の構成を模式的に示す(a)斜視図、及び(b)断面図である。
図35】同実施形態の移載テーブル及び搬送収容機構の構成を模式的に示すY方向から見た図(正面図)である。
図36】同実施形態の保持用プレートの交換動作を示す図である。
【符号の説明】
【0009】
100・・・切断装置(加工装置)
W・・・封止済基板(加工対象物)
P・・・製品(加工品)
2A、2B・・・切断用テーブル(加工用テーブル)
4・・・切断機構(加工機構)
5・・・移載テーブル
6・・・第2保持機構(搬送用保持機構、第2搬送機構)
7・・・搬送用移動機構(第2搬送機構)
141・・・保持テーブル(検査用テーブル)
24・・・プレート収容部
M2・・・保持ベース部
M1・・・保持用プレート
25・・・プレート搬送機構
21・・・トレイ
22・・・トレイ搬送機構(第1搬送機構)
261・・・固定用挿入孔
262・・・固定用シリンダ部
262a・・・シリンダ本体
262b・・・可動子
262c・・・弾性体
27・・・仮置き部
281・・・搬送用保持孔
282・・・搬送用シリンダ部
29・・・検査機構
29a・・・検査用流路
101・・・貼付部材
102・・・載置テーブル
106・・・貼付部材収容部
107・・・貼付部材搬送機構
1071・・・第3保持機構(第1搬送機構)
111・・・収容ボックス
112・・・乾燥用テーブル
116・・・筒状容器
116x・・・一端開口部
117・・・容器設置部
118・・・搬送収容機構
119・・・中間テーブル
120・・・第1製品搬送機構
121・・・第2製品搬送機構
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明について、例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
【0011】
本発明の加工装置は、前述のとおり、加工対象物を加工する加工機構と、前記加工対象物を保持するための保持用プレートを収容するプレート収容部と、前記保持用プレートが着脱可能に取り付けられ、前記保持用プレートを用いて前記加工対象物を保持する保持ベース部と、前記プレートを前記プレート収容部及び前記保持ベース部の間で搬送するプレート搬送機構とを備え、前記プレート搬送機構は、前記保持ベース部から取り外された前記保持用プレートを前記プレート収容部に搬送し、前記プレート収容部にある前記保持用プレートを前記保持ベース部に搬送することを特徴とする。
この加工装置であれば、保持ベース部から取り外された保持用プレートをプレート収容部に搬送し、プレート収容部にある保持用プレートを保持ベース部に搬送するプレート搬送機構を有するので、保持ベース部に対して保持用プレートを自動的に交換することができる。その結果、保持用プレートを交換するための人件費を削減することができる。また、保持用プレートを自動的に交換するので、保持ベース部に対する保持用プレートの取り付け状態のばらつきを低減することができる。さらに、保持用プレートを自動的に交換するので、保持用プレートの交換時間を短縮することができ、加工装置の生産性を向上することができる。
【0012】
前記プレート搬送機構は、前記保持用プレートを上昇させて搬送することが望ましい。
この構成であれば、保持用プレートを搬送する際に、保持用プレートと他の部材との干渉を回避して、保持用プレートを容易に搬送することができる。
【0013】
前記プレート搬送機構は、前記加工対象物を加工するための加工用テーブルの保持用プレート、前記加工機構により加工された加工後の前記加工対象物を乾燥するための乾燥用テーブルの保持用プレート、加工後の前記加工対象物を検査するための検査用テーブルの保持用プレート、加工後の前記加工対象物が仕分け前に載置される移載テーブルの保持用プレート、又は、加工後の前記加工対象物を搬送するために保持する搬送用保持機構の保持用プレートの少なくとも1つを搬送することが望ましい。
この構成であれば、加工用テーブル、検査用テーブル、移載テーブル及び搬送用保持機構それぞれの保持用プレートを自動的に交換することができる。
【0014】
本発明の加工装置は、前記加工対象物を搬送する加工対象物搬送機構をさらに備えている。
この構成において保持用プレートの自動的な交換を可能にしながらも装置構成を簡素化しつつ装置コストを削減するためには、前記プレート搬送機構は、前記加工対象物搬送機構を用いて構成されていることが望ましい。つまり、プレート搬送機構が、加工対象物を搬送する機能を有する構成となる。
【0015】
本発明の加工装置は、加工後の前記加工対象物を、トレイに収容(「トレイ収容」とも呼ばれる。)できる構成とすることができる。この加工装置は、加工後の前記加工対象物が仕分けされるトレイを搬送するトレイ搬送機構をさらに備えている。
この構成において、保持用プレートの自動的な交換を可能にしながらも装置構成を簡素化しつつ装置コストを削減するためには、前記プレート搬送機構は、前記トレイ搬送機構を用いて構成されていることが望ましい。つまり、プレート搬送機構が、加工後の加工対象物が仕分けされるトレイを搬送する機能を有する構成となる。
【0016】
前記プレート搬送機構は、前記プレート収容部と仮置き部との間で前記保持用プレートを搬送する第1搬送機構と、前記仮置き部と前記保持ベース部との間で前記保持用プレートを搬送する第2搬送機構とを有することが望ましい。
この構成であれば、仮置き部を介して第1搬送機構及び第2搬送機構により保持用プレートを搬送するので、プレート搬送機構を1つの搬送機構で構成する場合に比べて、保持用プレートの搬送先の自由度を増すことができる。
【0017】
前記プレート搬送機構を第1搬送機構及び第2搬送機構により構成する場合には、前記第1搬送機構が、前記貼付部材を前記載置テーブルに搬送し、前記第2搬送機構が、前記個片化された前記加工対象物を搬送することが望ましい。
この構成であれば、保持用プレートの自動的な交換を可能にしながらも装置構成を簡素化しつつ装置コストを削減することができる。
【0018】
本発明の加工装置は、個片化された加工対象物を、粘着面を有する貼付部材に貼り付けて収容(「リング収容」とも呼ばれる。)できる構成とすることができる。この加工装置は、前記加工機構により個片化された前記加工対象物が貼り付けられる粘着面を有する貼付部材が載置される載置テーブルをさらに備えている。
この構成において、前記プレート搬送機構は、前記貼付部材を前記載置テーブルに搬送することができることが望ましい。
この加工装置であれば、プレート搬送機構が、貼付部材を載置テーブルに搬送することができるので、プレート搬送機構とは別に貼付部材用の搬送機構を設ける必要がなく、個片化された加工対象物を粘着面に貼り付けて収容する加工装置の装置構成を簡素化することができる。さらに、装置コストも削減することができる。その他、個片化された加工対象物に対して、スパッタリング工程又は実装工程などの後工程を行う場合に、個片化された加工対象物が貼り付けられた貼付部材を移動させればよく、その取り扱いを容易にすることができる。
【0019】
前記プレート搬送機構は、前記プレート収容部と仮置き部との間で前記保持用プレートを搬送する第1搬送機構と、前記仮置き部と前記保持ベース部との間で前記保持用プレートを搬送する第2搬送機構とを有することが望ましい。
この構成であれば、仮置き部を介して第1搬送機構及び第2搬送機構により保持用プレートを搬送するので、プレート搬送機構を1つの搬送機構で構成する場合に比べて、保持用プレートの搬送先の自由度を増すことができる。
【0020】
前記プレート搬送機構を第1搬送機構及び第2搬送機構により構成する場合には、前記第1搬送機構が、前記貼付部材を前記載置テーブルに搬送し、前記第2搬送機構が、前記個片化された前記加工対象物を搬送することが望ましい。
この構成であれば、保持用プレートの自動的な交換を可能にしながらも装置構成を簡素化しつつ装置コストを削減することができる。
【0021】
装置構成の簡素化するための具体的な実施の態様としては、本発明の加工装置は、前記加工対象物を前記加工用テーブルに搬送するために前記加工対象物を保持する第1保持機構と、前記個片化された前記加工対象物を前記加工用テーブルから搬送するために前記個片化された前記加工対象物を保持する第2保持機構と、前記貼付部材を前記載置テーブルに搬送するための前記貼付部材を保持する第3保持機構と、前記第1保持機構、前記第2保持機構及び前記第3保持機構を移動させるための共通のトランスファ軸を有する搬送用移動機構とをさらに備えることが望ましい。
この構成において、保持用プレートの自動的な交換を可能にしながらも装置構成を簡素化しつつ装置コストを削減するためには、前記第1搬送機構は、前記第3保持機構及び前記搬送用移動機構を用いて構成され、前記第2搬送機構は、前記第2保持機構及び前記搬送用移動機構を用いて構成されていることが望ましい。
【0022】
本発明の加工装置は、前記貼付部材を収容する貼付部材収容部をさらに備えている。
この構成において、加工装置のフットプリントを小型化するためには、前記プレート収容部及び前記貼付部材収容部は互いに上下に配置されていることが望ましい。
【0023】
本発明の加工装置は、個片化された加工対象物をばらばらの状態で収容(「バルク収容」とも呼ばれる。)できる構成とすることができる。この加工装置は、前記加工機構により個片化された前記加工対象物が落下して収容される収容ボックスをさらに備えている。
この構成において、前記プレート搬送機構は、前記個片化された前記加工対象物を前記収容ボックスに搬送することができることが望ましい。
この加工装置であれば、プレート搬送機構が、個片化された加工対象物を収容ボックスに搬送することができるので、プレート搬送機構とは別の搬送機構を設ける必要がなく、個片化された加工対象物を落下させて収容する加工装置の装置構成を簡素化することができる。さらに、装置コストも削減することができる。その他、個片化された加工対象物を収容ボックスに落下させて収容するので、従来のトレイ収容する構成に比べて、収容スペースを小型化することができる。これによっても、加工装置のフットプリントを低減することができる。
【0024】
また、本発明の加工装置は、個片化された加工対象物を筒状容器に収容(「チューブ収容」とも呼ばれる。)できる構成とすることができる。なお、筒状容器は、チューブ、マガジンスティック、スティックマガジン、スティックなどと呼ばれることがある。この加工装置は、前記個片化された前記加工対象物を一端開口部から収容する筒状容器が設置される容器設置部と、前記個片化された前記加工対象物を前記容器設置部に設置された前記筒状容器に搬送して収容する搬送収容機構とをさらに備えている。
【0025】
上記のバルク収容又はチューブ収容する加工装置の装置構成の簡素化するための具体的な実施の態様としては、本発明の加工装置は、前記加工対象物を前記加工用テーブルに搬送するために前記加工対象物を保持する第1保持機構と、前記個片化された前記加工対象物を前記加工用テーブルから搬送するために前記個片化された前記加工対象物を保持する第2保持機構と、前記第1保持機構及び前記第2保持機構を移動させるための共通のトランスファ軸を有する搬送用移動機構とをさらに備え、前記プレート搬送機構は、前記第2保持機構及び前記搬送用移動機構を用いて構成されていることが望ましい。
【0026】
保持用プレートの固定が正確に行われているかを自動的に検査するためには、本発明の加工装置は、前記保持ベース部に対する前記保持用プレートの取り付け状態を検査する検査機構をさらに備えることが望ましい。
【0027】
検査機構の具体的な実施の態様としては、前記検査機構は、前記保持用プレートが搭載される搭載面に開口する検査用流路と、前記検査用流路に設けられ、前記開口からの流体の漏れを検知する検知センサとを有することが望ましい。ここで検知センサは、流体の圧力又は流量を測定することによって前記開口からの流体の漏れを検知する。
【0028】
保持ベース部に対する保持用プレートの固定構造を簡単にするためには、前記保持ベース部は、前記保持用プレートに形成された固定用挿入孔に挿入される固定用シリンダ部を有しており、前記固定用シリンダ部は、前記固定用挿入孔に挿入されるシリンダ本体と、当該シリンダ本体の外側周面から突出した位置及び没入した位置で移動可能に設けられた可動子と、当該可動子を前記シリンダ本体に対して突出した位置となるように力を付与する弾性体とを有し、前記固定用シリンダ部が前記固定用挿入孔に挿入された状態で、前記可動子が突出した位置となることにより、前記保持ベース部に対して前記保持用プレートが固定されることが望ましい。
【0029】
また、プレート搬送機構に対する保持用プレートの着脱構造を簡単にするためには、前記プレート搬送機構は、前記保持用プレートに形成された搬送用保持孔に挿入される搬送用シリンダ部を有しており、前記搬送用シリンダ部は、前記搬送用保持孔に挿入されるシリンダ本体と、当該シリンダ本体の外側周面から突出した位置及び没入した位置で移動可能に設けられた可動子と、当該可動子を前記シリンダ本体に対して突出した位置となるように力を付与する弾性体とを有し、前記搬送用シリンダ部が搬送用挿入孔に挿入された状態で、前記可動子が突出した位置となることにより、前記プレート搬送機構に前記保持用プレートが保持されることが望ましい。
【0030】
また、上記の加工装置を用いて加工品を製造する加工品の製造方法も本発明の一態様である。
【0031】
<本発明の各実施形態>
以下に、本発明に係る加工装置の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0032】
<第1実施形態>
<加工装置の全体構成>
本実施形態の加工装置100は、加工対象物である封止済基板Wを切断することによって、複数の加工品である製品Pに個片化する切断装置である。
【0033】
ここで、封止済基板Wとは、半導体チップ、抵抗素子、キャパシタ素子等の電子素子が接続された基板に対して、少なくとも電子素子を樹脂封止するように樹脂成形したものである。封止済基板Wを構成する基板としては、リードフレーム、プリント配線板を用いることができ、これら以外にも、半導体製基板(シリコンウェーハ等の半導体ウェーハを含む)、金属製基板、セラミック製基板、ガラス製基板、樹脂製基板等を用いることができる。また、封止済基板Wを構成する基板には、配線が施されていても施されていなくてもよい。
【0034】
また、本実施形態の封止済基板W及び製品Pは、一方の面が後に実装される実装面となる。本実施形態の説明では、後に実装される一方の面を「実装面」と記載し、その反対側の面を「マーク面」と記載する。
【0035】
具体的に切断装置100は、図1に示すように、封止済基板Wを保持する2つの切断用テーブル(加工用テーブル)2A、2Bと、封止済基板Wを切断用テーブル2A、2Bに搬送するために封止済基板Wを保持する第1保持機構3と、切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wを切断する切断機構(加工機構)4と、複数の製品Pが移される移載テーブル5と、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから移載テーブル5に搬送するために複数の製品Pを保持する第2保持機構6と、第1保持機構3及び第2保持機構6を移動させるための共通のトランスファ軸71を有する搬送用移動機構7と、切断機構4を切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wに対して移動させる切断用移動機構(加工用移動機構)8とを備えている。なお、第1保持機構3及び搬送用移動機構7により封止済基板Wを搬送する搬送機構(ローダ)が構成され、第2保持機構6及び搬送用移動機構7により複数の製品Pを搬送する搬送機構(アンローダ)が構成される。
【0036】
以下の説明において、切断用テーブル2A、2Bの上面に沿った平面(水平面)内で互いに直交する方向をそれぞれ第1方向であるX方向及び第2方向であるY方向、X方向及びY方向に直交する鉛直方向をZ方向とする。具体的には、図1の左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とする。後述するが、X方向は、支持体812の移動方向であり、また、門型の支持体812における一対の脚部を架け渡される梁部(ビーム部)の長手方向(梁部の延びる方向)に直交する方向である(図2及び図3参照)。
【0037】
<切断用テーブル2A、2B>
2つの切断用テーブル2A、2Bは、X方向、Y方向及びZ方向に固定して設けられている。なお、切断用テーブル2Aは、切断用テーブル2Aの下に設けられた回転機構9Aによってθ方向に回転可能である。また、切断用テーブル2Bは、切断用テーブル2Bの下に設けられた回転機構9Bによってθ方向に回転可能である。
【0038】
これら2つの切断用テーブル2A、2Bは、水平面上においてX方向に沿って設けられている。具体的には、2つの切断用テーブル2A、2Bは、それらの上面が同一の水平面上に位置する(Z方向において同じ高さ位置する)ように配置されるとともに(図4参照)、それらの上面の中心(具体的には回転機構9A、9Bによる回転中心)がX方向に延びる同一直線上に位置するように配置されている(図2及び図3参照)。
【0039】
また、2つの切断用テーブル2A、2Bは、封止済基板Wを吸着保持するものであり、図1に示すように、2つの切断用テーブル2A、2Bに対応して、吸着保持するための2つの真空ポンプ10A、10Bが配置されている。各真空ポンプ10A、10Bは、例えば水封式真空ポンプである。
【0040】
ここで、切断用テーブル2A、2BがXYZ方向に固定されているため、真空ポンプ10A、10Bから切断用テーブル2A、2Bに接続される配管(不図示)を短くすることができ、配管の圧力損失を低減して、吸着力の低下を防止することができる。その結果、例えば1mm角以下の極小パッケージであっても確実に切断用テーブル2A、2Bに吸着することができる。また、配管の圧力損失による吸着力の低下を防止できるので、真空ポンプ10A、10Bの容量を小さくすることができ、小型化やコストダウンにもつながる。
【0041】
<第1保持機構3>
第1保持機構3は、図1に示すように、封止済基板Wを基板供給機構11から切断用テーブル2A、2Bに搬送するために封止済基板Wを保持するものである。この第1保持機構3は、図5及び図6に示すように、封止済基板Wを吸着保持するための複数の吸着部311が設けられた吸着ヘッド31と、当該吸着ヘッド31の吸着部311に接続された真空ポンプ又は真空エジェクタ(不図示)とを有している。そして、吸着ヘッド31が、後述する搬送用移動機構7などにより所望の位置に移動されることにより、封止済基板Wを基板供給機構11から切断用テーブル2A、2Bに搬送する。
【0042】
基板供給機構11は、図1に示すように、複数の封止済基板Wが外部から収容される基板収容部11aと、当該基板収容部11aに収容された封止済基板Wを第1保持機構3により吸着保持される保持位置RPに移動させる基板供給部11bとを有している。この保持位置RPは、2つの切断用テーブル2A、2BとX方向において同列となるように設定されている。なお、基板供給機構11は、第1保持機構3により吸着される封止済基板Wを平らにするため、加熱しながら封止済基板Wをプレスする加熱部11cを有していても良い。
【0043】
<切断機構4>
切断機構4は、図1図2及び図3に示すように、ブレード41A、41B及び2つのスピンドル部42A、42Bからなる2つの回転工具40を有するものである。2つのスピンドル部42A、42Bは、それらの回転軸がY方向に沿うように設けられており、それらに取り付けられるブレード41A、41Bが互いに対向するように配置される(図3参照)。スピンドル部42Aのブレード41A及びスピンドル部42Bのブレード41Bは、X方向とZ方向とを含む面内において回転することによって各切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wを切断する。なお、本実施形態の切断装置100には、図4に示すように、ブレード41A、41Bによって発生する摩擦熱を抑えるために切削水(加工液)を噴射する噴射ノズル12aを有する液体供給機構12が設けられている。この噴射ノズル12aは、例えば、後述するZ方向移動部83に支持されている。
【0044】
<移載テーブル5>
本実施形態の移載テーブル5は、図1に示すように、後述する検査部13により検査された複数の製品Pが移されるテーブルである。この移載テーブル5は、いわゆるインデックステーブルといわれるものであり、複数の製品Pを各種トレイ21に仕分けする前に、複数の製品Pが一時的に載置される。また、移載テーブル5は、2つの切断用テーブル2A、2Bと水平面上においてX方向に沿って一列に配置される。さらに、移載テーブル5は、Y方向に沿って前後に移動可能であり、仕分け機構20まで移動することができる。移載テーブル5に載置された複数の製品Pは、検査部13による検査結果(良品、不良品など)に応じて、仕分け機構20によって各種トレイ21に仕分けされる。
【0045】
なお、各種トレイ21は、トランスファ軸71に沿って移動するトレイ搬送機構22により所望の位置に搬送され、仕分け機構20によって仕分けられる製品Pが載置される。仕分けされた後に各種トレイ21は、トレイ搬送機構22によりトレイ収容部23に収容される。本実施形態では、トレイ収容部23に、例えば製品Pを収容する前のトレイ21、良品の製品Pを収容したトレイ21、リワークが必要な不良品の製品Pを収容したトレイ21といった3種類のトレイを収容するように構成されている。
【0046】
<検査部13>
ここで、検査部13は、図1に示すように、切断用テーブル2A、2Bと移載テーブル5との間に設けられ、第2保持機構6に保持された複数の製品Pを検査するものである。本実施形態の検査部13は、製品Pのマーク面を検査する第1検査部131と、製品Pの実装面を検査する第2検査部132とを有している。第1検査部131は、マーク面を検査するための光学系を有する撮像カメラであり、第2検査部132は、実装面を検査するための光学系を有する撮像カメラである。なお、第1検査部131及び第2検査部132を共通としても良い。
【0047】
また、検査部13により複数の製品Pの両面を検査可能にするために、複数の製品Pを反転させる反転機構14が設けられている(図1参照)。この反転機構14は、複数の製品Pを保持する保持テーブル141と、当該保持テーブル141を表裏逆となるように反転させるモータなどの反転部142とを有している。
【0048】
第2保持機構6が切断用テーブル2A、2Bから複数の製品Pを保持した際には、製品Pのマーク面が下側を向いている。この状態で、切断用テーブル2A、2Bから反転機構14に複数の製品Pを搬送する途中で、第1検査部131により製品Pのマーク面が検査される。その後、第2保持機構6に保持された複数の製品Pが反転機構14により反転されて、その後、反転機構14が移載テーブル5の位置まで移動する。この移動の間に、第2検査部132により下側を向いている製品Pの実装面が検査される。その後、製品Pが移載テーブル5に受け渡される。
【0049】
<第2保持機構6>
第2保持機構6は、図1に示すように、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから反転機構14に搬送するために複数の製品Pを保持するものである。この第2保持機構6は、図8に示すように、複数の製品Pを吸着保持するための複数の吸着部611が設けられた吸着ヘッド61と、当該吸着ヘッド61の吸着部611に接続された真空ポンプ又は真空エジェクタ(不図示)とを有している。そして、吸着ヘッド61が、後述する搬送用移動機構7などにより所望の位置に移動されることにより、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから保持テーブル141に搬送する。
【0050】
<搬送用移動機構7>
搬送用移動機構7は、図1に示すように、第1保持機構3を少なくとも基板供給機構11と切断用テーブル2A、2Bとの間で移動させるとともに、第2保持機構6を少なくとも切断用テーブル2A、2Bと保持テーブル141との間で移動させるものである。
【0051】
そして、搬送用移動機構7は、図1に示すように、2つの切断用テーブル2A、2B及び移載テーブル5の配列方向(X方向)に沿って一直線に延び、第1保持機構3及び第2保持機構6を移動させるための共通のトランスファ軸71を有する。
【0052】
このトランスファ軸71は、第1保持機構3が基板供給機構11の基板供給部11bの上方に移動できるとともに、第2保持機構6が移載テーブル5の上方に移動できる範囲で設けられている(図1参照)。また、このトランスファ軸71に対して、第1保持機構3、第2保持機構6、切断用テーブル2A、2B及び移載テーブル5は、平面視において同じ側(手前側)に設けられている。その他、検査部13、反転機構14、各種トレイ21、トレイ搬送機構22、トレイ収容部23、後述する第1クリーニング機構18及び第2クリーニング機構19、回収容器172も、トランスファ軸71に対して同じ側(手前側)に設けられている。
【0053】
さらに搬送用移動機構7は、図5図6及び図8に示すように、トランスファ軸71に沿ってX方向に第1保持機構3及び第2保持機構6を移動させるメイン移動機構72と、トランスファ軸71に対して第1保持機構3及び第2保持機構6をZ方向に昇降移動させる昇降移動機構73と、トランスファ軸71に対して第1保持機構3及び第2保持機構6をY方向に水平移動させる水平移動機構74とを有している。
【0054】
メイン移動機構72は、図5図8に示すように、トランスファ軸71に設けられ、第1保持機構3及び第2保持機構6をガイドする共通のガイドレール721と、当該ガイドレール721に沿って第1保持機構3及び第2保持機構6を移動させるラックアンドピニオン機構722とを有している。
【0055】
ガイドレール721は、トランスファ軸71に沿ってX方向に一直線に延びており、トランスファ軸71と同様に、第1保持機構3が基板供給機構11の基板供給部11bの上方に移動できるとともに、第2保持機構6が移載テーブル5の上方に移動できる範囲で設けられている。このガイドレール721には、昇降移動機構73及び水平移動機構74を介して第1保持機構3及び第2保持機構6が設けられるスライド部材723がスライド可能に設けられている。ここで、ガイドレール721は第1保持機構3及び第2保持機構6に共通するが、昇降移動機構73、水平移動機構74及びスライド部材723は、第1保持機構3及び第2保持機構6のそれぞれに対して個別に設けられている。
【0056】
ラックアンドピニオン機構722は、第1保持機構3及び第2保持機構6に共通のカムラック722aと、第1保持機構3及び第2保持機構6それぞれに設けられ、アクチュエータ(不図示)により回転するピニオンギア722bとを有している。カムラック722aは、共通のトランスファ軸71に設けられており、複数のカムラック要素を連結することにより、種々の長さに変更することができるものである。また、ピニオンギア722bは、スライド部材723に設けられ、いわゆるローラピニオンと呼ばれるものであり、図7に示すように、モータの回転軸とともに回転する一対のローラ本体722b1と、当該一対のローラ本体722b1の間において周方向に等間隔に設けられ、ローラ本体722b1に対して転動可能に設けられた複数のローラピン722b2とを有するものである。本実施形態のラックアンドピニオン機構722は、上記のローラピニオンを用いているので、カムラック722aに対して2つ以上のローラピン722b2が接触することになり、正逆方向にバックラッシが発生せず、第1保持機構3及び第2保持機構6をX方向に移動させる際に位置決め精度が良くなる。
【0057】
昇降移動機構73は、図5及び図8に示すように、第1保持機構3及び第2保持機構6それぞれに対応して設けられている。第1保持機構3の昇降移動機構73は、図5及び図6に示すように、トランスファ軸71(具体的にはメイン移動機構72)と第1保持機構3との間に介在して設けられており、Z方向に沿って設けられたZ方向ガイドレール73aと、当該Z方向ガイドレール73aに沿って第1保持機構3を移動させるアクチュエータ部73bとを有している。なお、アクチュエータ部73bは、例えばボールねじ機構を用いたものであっても良いし、エアシリンダを用いたものであっても良いし、リニアモータを用いたものであっても良い。なお、第2保持機構6の昇降移動機構73の構成は、図8に示すように、第1保持機構3の昇降移動機構73と同様である。
【0058】
水平移動機構74は、図5図6及び図8に示すように、第1保持機構3及び第2保持機構6それぞれに対応して設けられている。第1保持機構3の水平移動機構74は、図5及び図6に示すように、トランスファ軸71(具体的には昇降移動機構73)と第1保持機構3との間に介在して設けられており、Y方向に沿って設けられたY方向ガイドレール74aと、第1保持機構3に対してY方向ガイドレール74aの一方側に力を付与する弾性体74bと、第1保持機構3をY方向ガイドレール74aの他方側に移動させるカム機構74cとを有する。ここで、カム機構74cは、偏心カムを用いたものであり、当該偏心カムをモータ等のアクチュエータで回転させることにより、第1保持機構3のY方向への移動量を調整することができる。
【0059】
なお、第2保持機構6の水平移動機構74の構成は、図8に示すように、第1保持機構3の昇降移動機構73と同様である。また、第2保持機構6には水平移動機構74を設けない構成としても良いし、第1保持機構3及び第2保持機構6の両方に水平移動機構74を設けない構成としても良い。さらに、水平移動機構74は、昇降移動機構73と同様に、カム機構74cを用いることなく、例えばボールねじ機構を用いたものであっても良いし、エアシリンダを用いたものであっても良いし、リニアモータを用いたものであっても良い。
【0060】
<切断用移動機構(加工用移動機構)>
切断用移動機構8は、2つのスピンドル部42A、42Bそれぞれを、X方向、Y方向及びZ方向の各方向に直線移動させるものである。
【0061】
具体的に切断用移動機構8は、図2図4に示すように、スピンドル部42A、42BをX方向に直線移動させるX方向移動部81と、スピンドル部42A、42BをY方向に直線移動させるY方向移動部82と、スピンドル部42A、42BをZ方向に直線移動させるZ方向移動部83とを備えている。
【0062】
X方向移動部81は、2つの切断用テーブル2A、2Bで共通のものであり、特に図2及び図3に示すように、2つの切断用テーブル2A、2Bを挟んでX方向に沿って設けられた一対のX方向ガイドレール811と、当該一対のX方向ガイドレール811に沿って移動するとともに、Y方向移動部82及びZ方向移動部83を介してスピンドル部42A、42Bを支持する支持体812とを有している。一対のX方向ガイドレール811は、X方向に沿って設けられた2つの切断用テーブル2A、2Bの側方に設けられている。また、支持体812は、例えば門型のものであり、Y方向に延びる形状を有している。具体的に支持体812は、一対のX方向ガイドレール811から上方に延びる一対の脚部と、当該一対の脚部に架け渡される梁部(ビーム部)とを有し、当該梁部がY方向に延びている。
【0063】
そして、支持体812は、例えば、X方向に延びるボールねじ機構813により、一対のX方向ガイドレール811上をX方向に沿って直線的に往復移動する。このボールねじ機構813はサーボモータ等の駆動源(不図示)により駆動される。その他、支持体812は、リニアモータ等の他の直動機構により往復移動するように構成しても良い。
【0064】
Y方向移動部82は、特に図3に示すように、支持体812においてY方向に沿って設けられたY方向ガイドレール821と、当該Y方向ガイドレール821に沿って移動するY方向スライダ822とを有している。Y方向スライダ822は、例えばリニアモータ823により駆動されるものであり、Y方向ガイドレール821上を直線的に往復移動する。本実施形態では、2つのスピンドル部42A、42Bに対応して2つのY方向スライダ822が設けられている。これにより、2つのスピンドル部42A、42Bは互いに独立してY方向に移動可能とされている。その他、Y方向スライダ822は、ボールねじ機構を用いた他の直動機構により往復移動するように構成しても良い。
【0065】
Z方向移動部83は、図2図4に示すように、各Y方向スライダ822においてZ方向に沿って設けられたZ方向ガイドレール831と、当該Z方向ガイドレール831に沿って移動するとともにスピンドル部42A、42Bを支持するZ方向スライダ832とを有している。つまり、Z方向移動部83は、各スピンドル部42A、42Bに対応して設けられている。Z方向スライダ832は、例えば、偏心カム機構(不図示)により駆動されるものであり、Z方向ガイドレール831上を直線的に往復移動する。その他、Z方向スライダ832は、ボールねじ機構等の他の直動機構により往復移動するように構成しても良い。
【0066】
この切断用移動機構8とトランスファ軸71との位置関係は、図1及び図4に示すように、トランスファ軸71が、切断用移動機構8の上方において切断用移動機構8を横切るように配置されている。具体的にトランスファ軸71は、支持体812の上方において当該支持体812を横切るように配置され、トランスファ軸71及び支持体812は互いに交差する位置関係となる。
【0067】
<加工屑収容部17>
また、本実施形態の切断装置100は、図1に示すように、封止済基板Wの切断により生じた端材などの加工屑Sを収容する加工屑収容部17をさらに備えている。
【0068】
この加工屑収容部17は、図2図4に示すように、切断用テーブル2A、2Bの下方に設けられており、平面視において切断用テーブル2A、2Bを取り囲む上部開口171Xを有する案内シュータ171と、当該案内シュータ171によりガイドされた加工屑Sを回収する回収容器172とを有している。加工屑収容部17を切断用テーブル2A、2Bの下方に設けることによって、加工屑Sの回収率を向上することができる。
【0069】
案内シュータ171は、切断用テーブル2A、2Bから飛散又は落下した加工屑Sを回収容器172に導くものである。本実施形態は、案内シュータ171の上部開口171Xが切断用テーブル2A、2Bを取り囲むように構成されているので(図3参照)、加工屑Sを取りこぼしにくくなり、加工屑Sの回収率を一層向上することができる。また、案内シュータ171は、切断用テーブル2A、2Bの下に設けられた回転機構9A、9Bを取り囲むように設けられており(図4参照)、加工屑S及び切削水から回転機構9A、9Bを保護するように構成されている。
【0070】
本実施形態では、加工屑収容部17は2つの切断用テーブル2A、2Bに共通のものとされているが、切断用テーブル2A、2Bそれぞれに対応して設けられても良い。
【0071】
回収容器172は、案内シュータ171を自重により通過した加工屑Sを回収するものであり、本実施形態では、図4等に示すように、2つの切断用テーブル2A、2Bそれぞれに対応して設けられている。そして、2つの回収容器172は、トランスファ軸の手前側に配置されており、それぞれ独立して切断装置100の手前側から取り外すことができるように構成されている。この構成により、加工屑Sの廃棄等のメンテナンス性を向上することができる。なお、回収容器172は、封止済基板Wのサイズや、加工屑Sのサイズ及び量、作業性などを考慮して、全ての切断用テーブルの下全体に1つ設けて良いし、3つ以上に分割して設けても良い。
【0072】
また、加工屑収容部17は、図4等に示すように、切削水と加工屑とを分離する分離部173を有している。この分離部173の構成としては、例えば、回収容器172の底面に切削水を通過させる多孔板等のフィルタを設けることが考えられる。この分離部173により、回収容器172に切削水を溜めることなく、加工屑Sを回収することができる。
【0073】
<第1クリーニング機構18>
また、本実施形態の切断装置100は、図1及び図5に示すように、切断用テーブル2A、2Bに保持された複数の製品Pの上面側(実装面)をクリーニングする第1クリーニング機構18をさらに備えている。この第1クリーニング機構18は、切断用テーブル2A、2Bに保持された複数の製品Pの上面に洗浄液及び/又は圧縮空気を噴射する噴射ノズル18a(図5参照)によって、製品Pの上面側(実装面)をクリーニングするものである。
【0074】
この第1クリーニング機構18は、図5に示すように、第1保持機構3とともにトランスファ軸71に沿って移動可能に構成されている。ここでは、第1クリーニング機構18は、トランスファ軸71に設けられるガイドレール721をスライドするスライド部材723に設けられている。ここで、第1クリーニング機構18及びスライド部材723の間には、第1クリーニング機構18をZ方向に昇降移動するための昇降移動機構181が設けられている。この昇降移動機構181は、例えばラックアンドピニオン機構を用いたもの、ボールねじ機構を用いたもの、又はエアシリンダを用いたもの等が考えられる。
【0075】
<第2クリーニング機構19>
さらに、本発明の切断装置100は、図1に示すように、第2保持機構6に保持された複数の製品Pの下面側(マーク面)をクリーニングする第2クリーニング機構19をさらに備えている。この第2クリーニング機構19は、切断用テーブル2Bと検査部13との間に設けられており、第2保持機構6に保持された複数の製品Pの下面に洗浄液及び/又は圧縮空気を噴射することによって、製品Pの下面側(マーク面)をクリーニングする。つまり、第2保持機構6がトランスファ軸71に沿って移動される途中において、第2クリーニング機構19は製品Pの下面側(マーク面)をクリーニングする。
【0076】
<切断装置100の動作の一例>
次に、切断装置100の動作の一例を説明する。図9には、切断装置10の動作における第1保持機構3の移動経路、及び、第2保持機構6の移動経路を示している。なお、本実施形態においては、切断装置100の動作、例えば封止済基板Wの搬送、封止済基板Wの切断、製品Pの検査、後述する保持用プレートM1の交換など、すべての動作や制御は制御部CTL(図1参照)により行われる。
【0077】
基板供給機構11の基板供給部11bは、第1保持機構3により保持される保持位置RPに向けて、基板収容部11aに収容された封止済基板Wを移動させる。
【0078】
次に、搬送用移動機構7は第1保持機構3を保持位置RPに移動させ、第1保持機構3は封止済基板Wを吸着保持する。その後、搬送用移動機構7は、封止済基板Wを保持した第1保持機構3を切断用テーブル2A、2Bに移動させて、第1保持機構3は吸着保持を解除して、封止済基板Wを切断用テーブル2A、2Bに載置する。このとき、メイン移動機構72により封止済基板WのX方向の位置を調整し、水平移動機構74により封止済基板WのY方向の位置を調整する。そして、切断用テーブル2A、2Bは、封止済基板Wを吸着保持する。
【0079】
ここで、封止済基板Wを保持した第1保持機構3を切断用テーブル2Bに移動させる場合には、昇降移動機構73が第1保持機構3を切断用移動機構8(支持体812)に物理的に干渉しない位置まで上昇させる。なお、封止済基板Wを保持した第1保持機構3を切断用テーブル2Bに移動させる際に、支持体812を切断用テーブル2Bから移載テーブル5側に退避させる場合には、上記のように第1保持機構3を昇降させる必要はない。
【0080】
この状態で、切断用移動機構8が2つのスピンドル部42A、42BをX方向及びY方向に順次移動させるとともに、切断用テーブル2A、2Bが回転することによって、封止済基板Wを格子状に切断して個片化する。
【0081】
切断後に、搬送用移動機構7は第1クリーニング機構18を移動させて、切断用テーブル2A、2Bに保持されている複数の製品Pの上面側(実装面)をクリーニングする。このクリーニングの後、搬送用移動機構7は、第1保持機構3及び第1クリーニング機構18を所定の位置に退避させる。
【0082】
次に、搬送用移動機構7は第2保持機構6を切断後の切断用テーブル2A、2Bに移動させ、第2保持機構6は複数の製品Pを吸着保持する。その後、搬送用移動機構7は、複数の製品Pを保持した第2保持機構6を第2クリーニング機構19に移動させる。これにより、第2クリーニング機構19が、第2保持機構6に保持されている複数の製品Pの下面側(マーク面)をクリーニングする。
【0083】
クリーニングの後、第2保持機構6に保持された複数の製品Pは、検査部131で下面側(マーク面)の検査が行われ、その後、反転機構14に受け渡され、反転機構14によりマーク面が吸着保持された後、反転される。反転後、反転機構14が移動し、検査部132で製品Pの実装面が検査される。このように両面検査がされた後、製品Pは反転機構14から移載テーブル5に受け渡される。移載テーブル5に載置された複数の製品Pは、検査部13による検査結果(良品、不良品など)に応じて、仕分け機構20によって各種トレイ21に仕分けされる。
【0084】
<保持用プレートM1の自動交換機能>
さらに本実施形態の切断装置100は、封止済基板W又は製品Pを保持するための保持用プレートM1を自動的に交換できる機能を有している。
【0085】
本実施形態では、図10に示すように、封止済基板Wを切断するための切断用テーブル2A、2B、製品Pを検査するための検査用テーブル(保持テーブル141)、製品Pが仕分け前に載置される移載テーブル5、及び、製品Pを搬送するために保持する搬送用保持機構(第2保持機構6)が、交換可能な保持用プレートM1と、保持用プレートM1が着脱可能に取り付けられ、保持用プレートM1を用いて封止済基板W又は製品Pを保持する保持ベース部M2とを有している。なお、図10では、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1及び保持ベース部M2を代表して示しているが、保持テーブル141、移載テーブル5及び第2保持機構6も、保持用プレートM1及び保持ベース部M2を有する構成は同じである。
【0086】
具体的に切断装置100は、図1及び図11に示すように、保持用プレートM1を収容するプレート収容部24と、保持用プレートM1をプレート収容部24及び保持ベース部M2の間で搬送するプレート搬送機構25とを備えている。
【0087】
保持用プレートM1は、封止済基板W又は製品Pを吸着するための図示しない吸着部(吸着孔)が形成されており、保持ベース部M2に取り付けられることによって、当該保持ベース部M2に設けられた吸着流路M21を介して封止済基板W又は製品Pを吸着する(図10参照)。また、保持用プレートM1は、切断用テーブル2A、2Bに用いられるもの、保持テーブル141に用いられるもの、移載テーブル5に用いられるもの、及び、第2保持機構6に用いられるもので、形状又は吸着部の構成などが異なっている。なお、保持用プレートM1は、切断用テーブル2A、2Bに用いられるもの、保持テーブル141に用いられるもの、移載テーブル5に用いられるもの、及び、第2保持機構6に用いられるもので、形状又は吸着部の構成などが共通化して同じにしてもよい。さらに、各種保持用プレートM1は、封止済基板W又は製品Pごとに形状又は吸着部の構成などが異なり、封止済基板W又は製品Pに合わせて選択される。
【0088】
また、切断装置100は、図10に示すように、保持ベース部M2に対して保持用プレートM1を着脱可能に構成するための固定機構26が設けられている。具体的に固定機構26は、保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261と、保持ベース部M2に設けられ、保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261に挿入される固定用シリンダ部262を有している。
【0089】
固定用シリンダ部262は、いわゆるチャックシリンダと呼ばれるものであり、図12に示すように、固定用挿入孔261に挿入されるシリンダ本体262aと、シリンダ本体262aの外側周面から突出した位置及び没入した位置で移動可能に設けられた球状の可動子262bと、当該可動子262bをシリンダ本体262aに対して突出した位置となるように力を付与する弾性体262cとを有し、圧縮空気を供給することによって、可動子262bが突出した位置(図12(a))と没入した位置(図12(b))とで切り替えられるように構成されている。
【0090】
さらに、固定用シリンダ部262は、ピストン部262dを有する。このピストン部262dは、シリンダ本体262aの内部において、可動子262b及び弾性体262cの間に介在され、圧縮空気によりシリンダ本体262aの内部を移動することによって、可動子262bを突出した位置及び没入した位置の間で切り替える。このピストン部262dは、圧縮空気の供給が開始されると、弾性体262cから受ける力に対抗してシリンダ本体262aの内部を移動し、可動子262bを没入した位置に移動させ(図12(b))、圧縮空気の供給が停止されると、弾性体262cから受ける力によってシリンダ本体262aの内部を移動し、可動子262bを突出した位置に移動させる(図12(a))。
【0091】
また、保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261は、図12に示すように、固定用シリンダ部262が挿入された状態において、可動子262bが突出した位置となったときに、当該可動子262bが引っ掛かり、固定用シリンダ部262が抜けないようにする凸部261aを有している。この凸部261aは、突出した位置にある可動子262bが引っ掛かり、没入した位置にある可動子262bは引っ掛からない。このため、固定用シリンダ部262が固定用挿入孔261に挿入された状態で、可動子262bが突出した位置とすることにより、保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される(図12(a)参照)。一方、固定用シリンダ部262が固定用挿入孔261に挿入された状態で、可動子262bが没入した位置とすることにより、保持ベース部M2に対する保持用プレートM1の固定が解除される(図12(b)参照)。
【0092】
プレート収容部24は、交換前後(使用前後)の保持用プレートM1を収容するものであり、図11に示すように、各保持用プレートM1が載置されるスライド棚部241を有している。本実施形態では、上側複数段のスライド棚部241を交換前の新しい保持用プレートM1を収容するものとし、下側複数段のスライド棚部241を交換後の古い保持用プレートM1を収容するものとしている。このプレート収容部24は、例えばプレート搬送機構25により対象となるスライド棚部241が前方にスライドされることにより、当該スライド棚部241に使用後の古い保持用プレートM1が載置される、又は、使用前の新しい保持用プレートM1が取り出される。なお、スライド棚部241の前辺部には引っ掛け部241aが設けられており、当該引っ掛け部241aを用いて引き出される。
【0093】
プレート搬送機構25は、保持ベース部M2から取り外された保持用プレートM1をプレート収容部24に搬送し、プレート収容部24にある保持用プレートM1を保持ベース部M2に搬送するものである。また、プレート搬送機構25は、保持用プレートM1を上昇させて搬送することができる。より具体的には、プレート搬送機構25は、保持用プレートM1を上方から保持して上昇させた上昇位置にて、保持用プレートM1を水平方向に搬送することができる。ここで、「上昇位置」とは、交換する対象の保持ベース部M2に取り付けられた保持用プレートM1の位置又は搬送中に取り得る最も低い保持用プレートM1の位置より、保持用プレートM1を上昇させた高さの位置を意味する。
【0094】
具体的にプレート搬送機構25は、図1に示すように、プレート収容部24と仮置き部27との間で保持用プレートM1を搬送する第1搬送機構25aと、仮置き部27と保持ベース部M2との間で保持用プレートM1を搬送する第2搬送機構25bとを有している。本実施形態の仮置き部27は、反転機構14の保持テーブル141である。なお、移載テーブル5を仮置き部27としても良いし、保持テーブル141及び移載テーブル5とは別に仮置き部27を設けても良い。
【0095】
第1搬送機構25aは、トレイ搬送機構22を用いて構成されており、加工後の加工対象物W(製品P)が仕分けされるトレイ21を搬送することができる。第2搬送機構25bは、第2保持機構6及び搬送用移動機構7(加工対象物搬送機構)を用いて構成されており、加工対象物Wを搬送することができる。つまり、プレート搬送機構25(第1搬送機構25a及び第2搬送機構25b)は、上述した共通のトランスファ軸71によってX方向に移動する構成とされている。また、プレート搬送機構25は、トランスファ軸71に対して、平面視において同じ側(手前側)に設けられていることになる。
【0096】
ここで第1搬送機構25aとなるトレイ搬送機構22では、図11に示すように、トレイ21を保持するためのトレイ保持機構221に、トレイ21を保持するための例えば保持爪などのトレイ用保持部221aの他に、保持用プレートM1を保持するための例えば保持爪などのプレート用保持部221bを有している。ここでは、互いに対向する一対の対向辺にトレイ用保持部221aが設けられており、それとは異なる一対の対向辺にプレート用保持部221bが設けられている。なお、プレート用保持部221bは、上述したキャッチシリンダを用いた構成としても良い。トレイ搬送機構22は、プレート用保持部221bを昇降可能に構成され、保持用プレートM1を保持したプレート用保持部221bを上昇させて上昇位置とした状態で、保持用プレートM1を搬送することができる。
【0097】
その他、トレイ搬送機構22は、第1保持機構3及び第2保持機構6の搬送用移動機構7と同様の構成である。つまり、トレイ搬送機構22は、図11に示すように、トランスファ軸71に沿ってX方向にトレイ保持機構を移動させる上述したメイン移動機構72と、トランスファ軸71に対してトレイ保持機構221をZ方向に昇降移動させる昇降移動機構75と、トランスファ軸71に対してトレイ保持機構221をY方向に水平移動させる水平移動機構76とを有している。なお、昇降移動機構75及び水平移動機構76は、例えばラックアンドピニオン機構を用いたもの、ボールねじ機構を用いたもの、リニアモータを用いたもの又はエアシリンダを用いたもの等の直動機構により往復移動するように構成されている。
【0098】
また、第2搬送機構25bとなる第2保持機構6は、図13に示すように、保持用プレートM1に形成された搬送用保持孔281(図10参照)に挿入される搬送用シリンダ部282を有している。本実施形態では、第2保持機構6の保持ベース部M2の固定用シリンダ部262を用いて搬送用シリンダ部282を構成している。搬送用保持孔281は、上述した固定機構26の固定用挿入孔261と同様の構成である。なお、搬送用保持孔281と固定用挿入孔261とは、上下逆の構成である。なお、第2保持機構6は、搬送用シリンダ部282の代わりに、保持用プレートM1の縁部に引っ掛けて保持する保持爪を用いても良い。第2保持機構6は、保持用プレートM1を保持する部分を昇降可能に構成され、保持用プレートM1を保持した部分を上昇させて上昇位置とした状態で、保持用プレートM1を搬送することができる。
【0099】
<保持用プレートM1の検査機構29>
本実施形態の切断装置100は、図10及び図13に示すように、保持ベース部M2に対する保持用プレートM1の取り付け状態を検査する検査機構29をさらに備えている。
【0100】
この検査機構29は、保持用プレートM1が搭載される搭載面M22に開口する検査用流路29aと、検査用流路29aに設けられ、開口からの流体の漏れを検知する検知センサ(不図示)とを有している。検査用流路29aは、保持ベース部M2の搭載面M22に形成された開口を有しており、圧縮空気が供給されるものである。また、検知センサは、検査用流路29aを流れる圧縮空気の圧力又は流量を検出することによって、開口からの圧縮空気の漏れを検知するものである。この検査機構29により、保持ベース部M2の搭載面M22に保持用プレートM1が密着して固定されているか否かがわかる。検査機構29により保持ベース部M2の搭載面M22に保持用プレートM1が密着していない場合には、固定機構26により固定を解除して、再度保持用プレートM1を取り付け直すことができる。
【0101】
<保持用プレートM1の交換動作>
次に本実施形態のプレート搬送機構25による保持用プレートM1の交換動作について、図14及び図15を参照して説明する。
【0102】
なお、以下の交換動作において、プレート収容部24から保持用プレートM1を取り出す際の保持用プレートM1の判別は、保持用プレートM1に設けられたRFIDなどの識別子を、第1搬送機構25a(トレイ搬送機構22)に設けられた識別子リーダ(不図示)により読み取ることにより行う。
【0103】
(1)移載テーブル5及び保持テーブル141の保持用プレートの交換動作(図14参照)
【0104】
保持テーブル141の保持用プレートM1を取り外し、第1搬送機構25a(トレイ搬送機構22)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送する。なお、保持テーブル141の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0105】
次に、第1搬送機構25a(トレイ搬送機構22)が、プレート収容部24から保持テーブル141の新しい保持用プレートM1を取り出し上昇位置とした状態で保持テーブル141の保持ベース部M2に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、保持用プレートM1が下降して固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、保持テーブル141の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0106】
また、移載テーブル5の保持用プレートM1を取り外し、第1搬送機構25a(トレイ搬送機構22)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送する。なお、移載テーブル5の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0107】
次に、第1搬送機構25a(トレイ搬送機構22)が、プレート収容部24から移載テーブル5の新しい保持用プレートM1を取り出し上昇位置とした状態で移載テーブル5の保持ベース部M2に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、保持用プレートM1が下降して固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、移載テーブル5の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0108】
なお、保持テーブル141の保持用プレートM1の交換と移載テーブル5の保持用プレートM1の交換の順番は上記に限られず、逆であっても良いし、保持テーブル141及び移載テーブル5それぞれの保持用プレートM1を取り外した後に、保持テーブル141及び移載テーブル5それぞれに新しい保持用プレートM1を取り付けるようにしても良い。
【0109】
(2)切断用テーブル2A、2B及び第2保持機構6の保持用プレートの交換動作(図15参照)
【0110】
切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を取り外し、第2搬送機構25b(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態で仮置き部27である保持テーブル141に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。なお、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。ここで、保持テーブル141を仮置き部27とする場合には、保持テーブル141を予め取り外しておくことが望ましい。
【0111】
また、第1搬送機構25a(トレイ搬送機構22)が、保持テーブル141に載置された切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送し、保持用プレートM1を下降させて収容する。
【0112】
次に、第1搬送機構25a(トレイ搬送機構22)が、プレート収容部24から切断用テーブル2A、2Bの新しい保持用プレートM1を取り出し上昇位置とした状態で、仮置き部27である保持テーブル141に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。
【0113】
そして、第2搬送機構25b(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)が、保持テーブル141に載置された新しい保持用プレートM1を切断用テーブル2A、2Bの保持ベース部M2に上昇位置とした状態で搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、切断用テーブル2A、2Bの保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0114】
第2保持機構6の保持用プレートM1を交換する場合には、搬送用移動機構7により第2保持機構6を仮置き部27である保持テーブル141に移動させるとともに、保持用プレートM1を下降させて取り外し、仮置き部27である保持テーブル141に保持用プレートM1を載置する。なお、第2保持機構6の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0115】
そして、第1搬送機構25a(トレイ搬送機構22)が、保持テーブル141に載置された第2保持機構6の保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送し、保持用プレートM1を下降させて収容する。ここで、保持テーブル141を仮置き部27とする場合には、保持テーブル141の保持用プレートM1を予め取り外しておくことが望ましい
【0116】
次に、第1搬送機構25a(トレイ搬送機構22)が、プレート収容部24から第2保持機構6の新しい保持用プレートM1を取り出し上昇位置とした状態で仮置き部27である保持テーブル141に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。
【0117】
そして、搬送用移動機構7により第2保持機構6を保持テーブル141に移動させ、保持ベース部M2を下降させて、保持テーブル141に載置された新しい保持用プレートM1が取り付けられる。ここでは、搬送用移動機構7により第2保持機構6の保持ベース部M2に設けられた固定用シリンダ部262が保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261に差し込まれる。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、第2保持機構6の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0118】
なお、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を交換する際に、第2搬送機構25bとなる第2保持機構6の保持用プレートM1を予め取り外しておくことが望ましい。
【0119】
また、移載テーブル5、保持テーブル141、切断用テーブル2A、2B及び第2保持機構6の保持用プレートM1の交換を一連の動作としても行ってもよい。例えば、移載テーブル5、保持テーブル141、第2保持機構6及び切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1をこの順に取り外し、その後、切断用テーブル2A、2B、第2保持機構6、保持テーブル141及び移載テーブル5の保持用プレートM1をこの順で取り付けることが考えられる。
【0120】
<本実施形態の効果>
本実施形態の切断装置100によれば、保持ベース部M2から取り外された保持用プレートM1をプレート収容部24に搬送し、プレート収容部24にある保持用プレートM1を保持ベース部M2に搬送するプレート搬送機構25を有するので、保持ベース部M2に対して保持用プレートM1を自動的に交換することができる。その結果、保持用プレートM1を交換するための人件費を削減することができる。また、保持用プレートM1を自動的に交換するので、保持用プレートM1の交換時間を短縮することができ、切断装置100の生産性を向上することができる。さらに、保持ベース部M2に対する保持用プレートM1の取り付け状態のばらつきを低減することができる。
【0121】
また、プレート搬送機構25が、プレート収容部24と仮置き部27との間で保持用プレートM1を搬送する第1搬送機構25aと、仮置き部27と保持ベース部M2との間で保持用プレートM1を搬送する第2搬送機構25bとを有するので、プレート搬送機構25を1つの搬送機構で構成する場合に比べて、保持用プレートM1の搬送先の自由度を増すことができる。ここで、第1搬送機構25aをトレイ搬送機構22を用いて構成しているので、装置構成を簡素化するとともに装置コストを削減することができる。また、第2搬送機構25bを第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いて構成しているので、装置構成を簡素化するとともに装置コストを削減することができる。
【0122】
その他、本実施形態では、切断用テーブル2A、2B及び移載テーブル5の配列方向に沿って延びる共通のトランスファ軸71により第1保持機構3及び第2保持機構6を移動させる構成とし、切断用移動機構8により切断機構4を水平面においてトランスファ軸71に沿ったX方向及びX方向に直交するY方向それぞれに移動させるので、切断用テーブル2A、2BをX方向及びY方向に移動させることなく、封止済基板Wを加工することができる。このため、切断用テーブル2A、2Bをボールねじ機構により移動させることなく、ボールねじ機構を保護するための蛇腹部材及び当該蛇腹部材を保護するためのカバー部材を不要にすることができる。その結果、切断装置100の装置構成を簡素化することができる。また、切断用テーブル2A、2BをX方向及びY方向に移動しない構成にすることができ、切断装置100のフットプリントを低減することができる。
【0123】
<第1実施形態の変形例>
例えば、前記第1実施形態では、切断用テーブル2A、2B、検査用テーブル(保持テーブル141)、移載テーブル5、及び、搬送用保持機構(第2保持機構6)それぞれの保持用プレートM1を自動的に交換する構成であったが、切断用テーブル2A、2B、検査用テーブル(保持テーブル141)、移載テーブル5、及び、搬送用保持機構(第2保持機構6)の少なくとも1つを自動的に交換する構成としても良い。
【0124】
前記第1実施形態のプレート搬送機構25は、第1搬送機構25a及び第2搬送機構25bを有する構成であったが、単一の搬送機構を有する構成としても良い。また、プレート搬送機構25は、トレイ搬送機構22を用いない構成としても良いし、第2保持機構6及び搬送用移動機構7(加工対象物搬送機構)を用いない構成としても良い。
【0125】
プレート搬送機構25にトレイ搬送機構を用いない構成の一例として、例えば図16に示すものが考えられる。この切断装置100は、トレイ搬送機構22を有さないものであり、各種トレイ21がトレイ移動機構TMによってプレート収容部24の下方を移動することにより、仕分け機構20により製品Pが仕分けられる仕分け位置に移動するように構成されている。なお、トレイ移動機構TMは、Y方向に沿って延びる搬送レールTM1と、当該搬送レールTM1上でトレイ21を移動させる移動機構(不図示)と、各種トレイ21をX方向に移動する移動機構TM2と、各種トレイ21毎に設けられ、各種トレイ21をZ方向に移動する移動機構TM3とを有している。この切断装置100において、プレート搬送機構25は、第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いて構成することができる。
【0126】
また、前記第1実施形態のプレート収容部24は、切断用テーブル2A、2B、検査用テーブル(保持テーブル141)、移載テーブル5、及び、搬送用保持機構(第2保持機構6)それぞれの保持用プレートM1を収容するものであったが、保持用プレートM1の種類に応じて専用のプレート収容部24を複数設ける構成としても良い。
【0127】
また、前記第1実施形態の移載テーブル5は、各種トレイ21に仕分ける前に一時的に載置されるインデックステーブルであったが、移載テーブル5を反転機構14の保持テーブル141としても良い。
【0128】
その上、前記第1実施形態の構成において、切断用テーブル2A、2Bにおいて封止済基板を切断することなく、溝を形成する構成としても良い。この場合、例えば、切断用テーブル2A、2Bで溝加工が施された封止済基板Wは、第1保持機構3及び搬送用移動機構7によって、基板供給部11bに戻す構成としても良い。また、この基板供給部11bに戻された封止済基板Wを基板収容部11aに収容する構成としても良い。
【0129】
<本発明の第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の切断装置100は、前記第1実施形態のトレイ収容とは異なり、複数の製品Pを粘着面101xを有する貼付部材101に貼り付けて収容(「リング収容」とも呼ばれる。)できるように構成されている。
【0130】
具体的に切断装置100は、図17に示すように、封止済基板Wを保持する2つの切断用テーブル(加工用テーブル)2A、2Bと、封止済基板Wを切断用テーブル2A、2Bに搬送するために封止済基板Wを保持する第1保持機構3と、切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wを切断する切断機構(加工機構)4と、複数の製品Pが移される移載テーブル5と、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから移載テーブル5に搬送するために複数の製品Pを保持する第2保持機構6と、第1保持機構3及び第2保持機構6を移動させるための共通のトランスファ軸71を有する搬送用移動機構7と、切断機構4を切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wに対して移動させる切断用移動機構(加工用移動機構)8とを備えている。
【0131】
以下、第1実施形態とは異なる構成について主に説明する。
【0132】
第2実施形態の移載テーブル5は、複数の製品Pを後述する貼付部材101に貼り付ける前に、複数の製品Pが一時的に載置されるものである。また、移載テーブル5は、図17及び図18に示すように、Y方向に沿って移動可能に設けられており、第2保持機構6により複数の製品Pが載置される移載位置X1と、貼付用搬送機構103により複数の製品Pが搬送される取り出し位置X2との間で移動する。なお、移載位置X1は、トランスファ軸71よりも手前側に設定されており、2つの切断用テーブル2A、2Bと水平面上においてX方向に沿って一列に配置される位置であり、取り出し位置X2は、トランスファ軸71よりも奥側に設定されている。
【0133】
また、搬送用移動機構7のトランスファ軸71は、第1保持機構3が基板供給機構11の基板供給部11bの上方に移動できるとともに、第2保持機構6が移載テーブル5の上方に移動できる範囲に加えて、後述する貼付部材搬送機構107が貼付部材搬送位置X3とガイドレール108の間を移動できる範囲に延びている。また、このトランスファ軸71に対して、後述する載置テーブル102、貼付部材収容部106及び貼付部材搬送機構107も、トランスファ軸71に対して同じ側(手前側)に設けられている。
【0134】
<リング収容の具体的な構成>
そして、第2実施形態の切断装置100は、図17図19に示すように、複数の製品Pが貼り付けられる粘着面101xを有する貼付部材101が載置される載置テーブル102と、複数の製品Pを移載テーブル5から載置テーブル102に載置された貼付部材101に搬送する貼付用搬送機構103とを備えている。
【0135】
載置テーブル102は、本実施形態ではX方向に沿って2つ設けられており(図17参照)、各載置テーブル102には、貼付部材101が載置される。具体的には、2つの載置テーブル102は、それらの上面が同一の水平面上に位置する(Z方向において同じ高さ位置する)ように配置されている。
【0136】
また、2つの載置テーブル102は、図17及び図18に示すように、Y方向に沿って移動可能に設けられており、貼付部材搬送機構107により貼付部材101が搬送される貼付部材搬送位置X3と、貼付用搬送機構103により複数の製品Pが搬送される貼り付け位置X4との間で移動する。2つの載置テーブル102は、互いに独立して貼付部材搬送位置X3と貼り付け位置X4との間で移動する。なお、貼付部材搬送位置X3は、トランスファ軸71よりも手前側に設定されており、貼り付け位置X4は、トランスファ軸71よりも奥側に設定されている。また、貼り付け位置X4にある載置テーブル102と、取り出し位置X2にある移載テーブル5とは、X方向に沿って配置される(図17参照)。
【0137】
ここで、貼付部材101は、図20に示すように、例えば円環状又は矩形状をなす枠状部材101aと、当該枠状部材101aの内側に配置された粘着面101xを有する樹脂シート101bとを備えている。枠状部材101aは、例えばステンレス等の金属製のものである。また、樹脂シート101bは、例えば、樹脂製のシート状基材101b1と、当該シート状基材101b1の上面に塗布された接着剤からなる接着層(粘着層)101b2とを備えている。なお、接着層(粘着層)101b2の上面が粘着面101xとなる。
【0138】
貼付用搬送機構103は、取り出し位置X2に移動した移載テーブル5から、貼り付け位置X4に移動した載置テーブル102に載置された貼付部材101に複数の製品Pを搬送するものである。
【0139】
具体的に貼付用搬送機構103は、図17及び図18に示すように、移載テーブル5に保持された複数の製品Pを例えば1列毎に吸着する製品吸着機構1031と、当該製品吸着機構1031をX方向に沿って移動させる吸着用移動機構1032とを備えている。本実施形態では、貼付用搬送機構103が2つ設けられており、それぞれの貼付用搬送機構103が互いに独立して駆動するように構成されている。
【0140】
製品吸着機構1031は、図19に示すように、複数の製品Pを個別に吸着保持するための複数の吸着部1031aが設けられた吸着ヘッド1031Aと、当該吸着ヘッド1031Aの吸着部1031aに接続された真空ポンプ又は真空エジェクタ(不図示)とを有している。この製品吸着機構1031は、それぞれの吸着部1031aが1つの製品Pを吸着する構成としてある。また、複数の吸着部1031aは、互いに独立して昇降移動可能に構成されており、各吸着部1031aが下降することにより、個別に製品Pを吸着することができる。
【0141】
吸着用移動機構1032は、図19に示すように、製品吸着機構1031をX方向に移動させるX方向移動部1032aと、製品吸着機構1031をZ方向に移動させるZ方向移動部1032bとを備えている。なお、吸着用移動機構1032は、製品吸着機構1031をY方向に移動させるY方向移動部を有していても良い。
【0142】
X方向移動部1032aは、トランスファ軸71の奥側においてX方向に沿って設けられたX方向ガイドレール1032a1と、当該X方向ガイドレール1032a1に沿って移動するとともに、Z方向移動部1032bを介して製品吸着機構1031を支持する支持体1032a2とを有している。そして、支持体1032a2は、例えば、X方向に延びるボールねじ機構(不図示)により、X方向ガイドレール1032a1上をX方向に沿って直線的に往復移動する。このボールねじ機構はサーボモータ等の駆動源(不図示)により駆動される。その他、支持体1032a2は、リニアモータ等の他の直動機構により往復移動するように構成しても良い。
【0143】
Z方向移動部1032bは、図19に示すように、支持体1032a2においてZ方向に沿って設けられたZ方向ガイドレール1032b1と、当該Z方向ガイドレール1032b1に沿って移動するとともに製品吸着機構1031を支持するZ方向スライダ1032b2とを有している。そして、Z方向スライダ1032b2は、例えば、Z方向に延びるボールねじ機構(不図示)により、Z方向ガイドレール1032b1上をZ方向に沿って直線的に往復移動する。その他、Z方向スライダ1032b2は、リニアモータ等の他の直動機構により往復移動するように構成しても良い。
【0144】
また、貼付用搬送機構103に吸着保持された製品Pは、第1撮像部201(図17参照)により貼付用搬送機構103における製品Pの位置が確認される。この第1撮像部201は、貼付用搬送機構103の製品吸着機構1031に吸着保持された製品Pを下方から撮像する撮像カメラであり、製品Pの下面(マーク面)を撮像する。また、第1撮像部201は、前後方向(Y方向)に移動可能に設けられている。これにより、2つの貼付用搬送機構103それぞれに吸着保持された製品Pの位置を確認できるように構成している。
【0145】
さらに、各貼付用搬送機構103には、図17に示すように、貼付部材101において製品Pが貼付される位置を確認する第2撮像部202が設けられている。この第2撮像部202は、貼り付け位置X4にある載置テーブル102上の貼付部材101を上方から撮像する撮像カメラであり、貼付部材101の上面(粘着面101x)を撮像する。そして、第1撮像部201により得られた撮像データと、第2撮像部202により得られた撮像データとに基づいて、貼付部材101に対して製品Pの位置合わせが行われて、貼付用搬送機構103が製品Pを貼付部材101の粘着面101xに貼り付ける。なお、製品Pの位置合わせは、貼付用搬送機構103の吸着用移動機構1032や貼付用搬送機構103に設けられた回転機構(不図示)、又は、載置テーブル102の移動機構(不図示)又は載置テーブル102に設けられた回転機構(不図示)により行うことができる。
【0146】
また、本実施形態の切断装置100は、図21に示すように、貼付部材101を収容する貼付部材収容部106と、貼付部材101を載置テーブル102と貼付部材収容部106との間で搬送する貼付部材搬送機構107とを備えている。
【0147】
貼付部材収容部106は、製品Pが貼り付けられていない空の貼付部材101を収容するとともに、製品Pが貼り付けられた貼付済の貼付部材101を収容するものである。この貼付部材収容部106は、貼付部材搬送位置X3にある載置テーブル102とX方向に沿って一列に配置されている(図17参照)。
【0148】
また、貼付部材収容部106の開口部には、図17及び図21に示すように、貼付部材101を貼付部材収容部106に出し入れするための一対のガイドレール108が設けられている。この一対のガイドレール108は、貼付部材101が載置されるものであり、貼付部材収容部106の開口部の前方においてX方向に沿って設けられている。
【0149】
貼付部材搬送機構107は、貼付部材搬送位置X3にある載置テーブル102と貼付部材収容部106との間で貼付部材101を搬送するものである。具体的に貼付部材搬送機構107は、図21に示すように、貼付部材101の枠状部材101aを吸着して保持する第3保持機構1071と、当該第3保持機構1071を少なくともX方向及びZ方向に移動させる移動機構1072とを備えている。
【0150】
第3保持機構1071は、貼付部材101を吸着保持するための複数の吸着部1071aが設けられた吸着ヘッド1071Aと、当該吸着ヘッド1071Aの吸着部1071aに接続された真空ポンプ又は真空エジェクタ(不図示)とを有している。また、移動機構1072は、上記の搬送用移動機構7のメイン移動機構72を用いて構成されており、第3保持機構1071は、共通のトランスファ軸71に沿って移動する。さらに、移動機構1072は、搬送用移動機構7の昇降移動機構73と同様の昇降移動機構1072aを有している。なお、移動機構1072は、第3保持機構1071をY方向に移動させるY方向移動機構を有していても良い。
【0151】
<切断装置100の動作の一例>
次に、第2実施形態の切断装置100の動作の一例を、図9図17図19及び図21を参照して説明する。本実施形態においては、切断装置100の動作、例えば封止済基板Wの搬送、封止済基板Wの切断、製品Pの検査、製品Pのクリーニング、及び、製品Pのリング収容など、すべての動作や制御は制御部CTL(図17参照)により行われる。
【0152】
本実施形態の切断装置100の動作において、封止済基板Wの搬送、封止済基板Wの切断、製品Pのクリーニング、及び、製品Pの検査までの動作は、前記第1実施形態と同様である(図9参照)。
【0153】
そして、両面検査がされた後、製品Pは反転機構14から移載テーブル5に受け渡される。複数の製品Pが載置された移載テーブル5は、取り出し位置X2に移動する(図17図18及び図19参照)。
【0154】
一方で、貼付部材搬送位置X3にある載置テーブル102には、貼付部材搬送機構107によって貼付部材収容部106から空の貼付部材101が搬送される。そして、空の貼付部材101が搬送された載置テーブル102は、貼り付け位置X4に移動する(図18及び図19参照)。
【0155】
この状態で、図19に示すように、貼付用搬送機構103は、取り出し位置X2にある移載テーブル5から製品Pを吸着保持する。そして、第1撮像部201の上方に移動する。これにより、第1撮像部201により貼付用搬送機構103における製品Pの位置が確認される。また、貼付用搬送機構103を移動させて第2撮像部202により、貼り付け位置X4にある載置テーブル102上の貼付部材101における製品Pが貼り付けられる位置を確認する。そして、貼付用搬送機構103は、保持している製品Pを貼付部材101に貼り付ける。この動作は、貼付部材101に貼り付けることができる許容数の製品Pが貼り付けられるまで、或いは、移載テーブル5にある複数の製品Pの全部が貼り付けられるまで、複数回繰り返される。
【0156】
その後、載置テーブル102は、図18及び図21に示すように、貼付部材搬送位置X3に移動する。そして、貼付部材搬送機構107が、載置テーブル102に載置された貼付済の貼付部材101を貼付部材収容部106に搬送する。具体的には、貼付部材搬送機構107が、貼付部材収容部106に設けられた一対のガイドレール108に貼付済の貼付部材101を載置し、一対のガイドレール108に載置された貼付済の貼付部材101を押すことにより、貼付済の貼付部材101を貼付部材収容部106に収容する。
【0157】
次に、空の貼付部材101を貼付部材収容部106から取り出す場合には、貼付部材搬送機構107は、貼付部材収容部106内の貼付部材101を引き出して、一対のガイドレール108に載置し、一対のガイドレール108に載置された空の貼付部材101を吸着保持して貼付部材搬送位置X3にある載置テーブル102に搬送する。
【0158】
<保持用プレートM1の自動交換機能>
さらに第2実施形態の切断装置100は、前記第1実施形態と同様に、封止済基板W又は製品Pを保持するための保持用プレートM1を自動的に交換できる機能を有している。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に、切断用テーブル2A、2B、保持テーブル141、移載テーブル5及び第2保持機構6が、保持用プレートM1及び保持ベース部M2を有している。なお、保持用プレートM1及び保持ベース部M2の具体的構成は、第1実施形態と同様である。
【0159】
具体的に切断装置100は、図17及び図22に示すように、保持用プレートM1を収容するプレート収容部24と、保持用プレートM1をプレート収容部24及び保持ベース部M2の間で搬送するプレート搬送機構25とを備えている。なお、第2実施形態の切断装置100には、前記第1実施形態と同様に、固定機構26及び検査機構29が設けられている。
【0160】
本実施形態のプレート収容部24は、第1実施形態と同様の構成であるが、図23に示すように、プレート収容部24及び貼付部材収容部106は互いに上下に配置されている。本実施形態のプレート収容部24は、貼付部材収容部106の上方に設けられている。そして、プレート収容部24及び貼付部材収容部106は上下方向(Z方向)に昇降移動可能に構成されている。ここでは、プレート収容部24を昇降移動させる昇降移動部109と、貼付部材収容部106を昇降移動させる昇降移動部110とが設けられており、プレート収容部24及び貼付部材収容部106は互いに独立して昇降移動可能に構成されている。なお、昇降移動部109、110は、例えばボールねじ機構を用いたものであっても良いし、エアシリンダを用いたものであっても良いし、リニアモータを用いたものであっても良い。また、プレート収容部24と貼付部材収容部106とは共通の昇降移動機構によって一体的に昇降移動可能に構成してもよい。
【0161】
貼付部材収容部106に対して貼付部材101を出し入れする場合には、図23(a)に示すように、プレート収容部24が昇降移動部109により上方に退避し、貼付部材収容部106が昇降移動部110により所望の高さ位置H1に配置され、貼付部材搬送機構107により貼付部材収容部106に対して貼付部材101が出し入れされる。
【0162】
一方、プレート収容部24に対して保持用プレートM1を出し入れする場合には、図23(b)に示すように、貼付部材収容部106が昇降移動部110により下方に退避し、プレート収容部24が昇降移動部109により所望の高さ位置H2に配置され、プレート搬送機構25によりプレート収容部24に対して保持用プレートM1が出し入れされる。ここで、貼付部材搬送機構107がガイドレール108に干渉しないように、貼付部材収容部106の高さ位置H1よりもプレート収容部24の高さ位置H2が高い位置としてある。
【0163】
本実施形態のプレート搬送機構25は、図17に示すように、プレート収容部24と仮置き部27との間で保持用プレートM1を搬送する第1搬送機構25aと、仮置き部27と保持ベース部M2との間で保持用プレートM1を搬送する第2搬送機構25bとを有している。本実施形態の仮置き部27は、反転機構14の保持テーブル141である。なお、移載テーブル5を仮置き部27としても良いし、保持テーブル141及び移載テーブル5とは別に仮置き部27を設けても良い。
【0164】
第2実施形態の第1搬送機構25aは、前記第1実施形態とは異なり、貼付部材搬送機構107(第3保持機構1071及び移動機構1072)を用いて構成されている。つまり、第2実施形態の第1搬送機構25aは、加工後の加工対象物W(製品P)が貼り付けられる貼付部材101を搬送することができる。第2搬送機構25bは、第1実施形態と同様に、第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いて構成されており、加工対象物Wを搬送することができる。つまり、プレート搬送機構25(第1搬送機構25a及び第2搬送機構25b)は、上述した共通のトランスファ軸71によってX方向に移動する構成とされている。また、プレート搬送機構25は、トランスファ軸71に対して、平面視において同じ側(手前側)に設けられていることになる。
【0165】
ここで第1搬送機構25aとなる貼付部材搬送機構107では、図21に示すように、貼付部材101を吸着保持するための複数の吸着部1071aの他に、上述したキャッチシリンダを用いた搬送用シリンダ部1071bを有している。貼付部材搬送機構107は、保持用プレートM1を保持する部分を昇降可能に構成され、保持用プレートM1を保持した部分を上昇させて上昇位置とした状態で、保持用プレートM1を搬送することができる。
【0166】
<保持用プレートM1の交換動作>
次に本実施形態のプレート搬送機構25による保持用プレートM1の交換動作について、図24及び図25を参照して説明する。
【0167】
なお、以下の交換動作において、プレート収容部24から保持用プレートM1を取り出す際の保持用プレートM1の判別は、保持用プレートM1に設けられたRFIDなどの識別子を、第1搬送機構25a(プレート搬送機構25)に設けられた識別子リーダ(不図示)により読み取ることにより行う。また、この交換動作では、図23(b)に示すように、貼付部材収容部106が昇降移動部110により下方に退避し、プレート収容部24が昇降移動部109により所望の高さ位置H2に配置され、プレート搬送機構25によりプレート収容部24に対して保持用プレートM1が出し入れされる。
【0168】
(1)移載テーブル5及び保持テーブル141の保持用プレートM1の交換動作(図24参照)
【0169】
保持テーブル141の保持用プレートM1を取り外し、第1搬送機構25a(貼付部材搬送機構107)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送する。なお、保持テーブル141の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0170】
次に、第1搬送機構25a(貼付部材搬送機構107)が、プレート収容部24から保持テーブル141の新しい保持用プレートM1を取り出し上昇位置とした状態で保持テーブル141の保持ベース部M2に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、保持用プレートM1が下降して固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、保持テーブル141の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0171】
また、移載テーブル5の保持用プレートM1を取り外し、第1搬送機構25a(貼付部材搬送機構107)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送する。なお、移載テーブル5の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0172】
次に、第1搬送機構25a(貼付部材搬送機構107)が、プレート収容部24から移載テーブル5の新しい保持用プレートM1を取り出し上昇位置とした状態で移載テーブル5の保持ベース部M2に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、保持用プレートM1が下降して固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、移載テーブル5の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0173】
なお、保持テーブル141の保持用プレートM1の交換と移載テーブル5の保持用プレートM1の交換の順番は上記に限られず、逆であっても良いし、保持テーブル141及び移載テーブル5それぞれの保持用プレートM1を取り外した後に、保持テーブル141及び移載テーブル5それぞれに新しい保持用プレートM1を取り付けるようにしても良い。
【0174】
(2)切断用テーブル2A、2B及び第2保持機構6の保持用プレートM1の交換動作(図25参照)
【0175】
切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を取り外し、第2搬送機構25b(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態で仮置き部27である保持テーブル141に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。なお、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。ここで、保持テーブル141を仮置き部27とする場合には、保持テーブル141の保持用プレートM1を予め取り外しておくことが望ましい。
【0176】
また、第1搬送機構25a(貼付部材搬送機構107)が、保持テーブル141に載置された切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送し、保持用プレートM1を下降させて収容する。
【0177】
次に、第1搬送機構25a(貼付部材搬送機構107)が、プレート収容部24から切断用テーブル2A、2Bの新しい保持用プレートM1を取り出し上昇位置とした状態で、仮置き部27である保持テーブル141に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。
【0178】
そして、第2搬送機構25b(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)が、保持テーブル141に載置された新しい保持用プレートM1を切断用テーブル2A、2Bの保持ベース部M2に上昇位置とした状態で搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、切断用テーブル2A、2Bの保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0179】
第2保持機構6の保持用プレートM1を交換する場合には、搬送用移動機構7により第2保持機構6を仮置き部27である保持テーブル141に移動させるとともに、保持用プレートM1を下降させて取り外し、仮置き部27である保持テーブル141に保持用プレートM1を載置する。なお、第2保持機構6の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0180】
そして、第1搬送機構25a(貼付部材搬送機構107)が、保持テーブル141に載置された第2保持機構6の保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送し、保持用プレートM1を下降させて収容する。
【0181】
次に、第1搬送機構25a(貼付部材搬送機構107)が、プレート収容部24から第2保持機構6の新しい保持用プレートM1を取り出し上昇位置とした状態で仮置き部27である保持テーブル141に搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。
【0182】
そして、搬送用移動機構7により第2保持機構6を保持テーブル141に移動させ、保持ベース部M2を下降させて、保持テーブル141に載置された新しい保持用プレートM1が取り付けられる。ここでは、搬送用移動機構7により第2保持機構6の保持ベース部M2に設けられた固定用シリンダ部262が保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261に差し込まれる。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、第2保持機構6の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0183】
なお、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を交換する際は、第2搬送機構25bとなる第2保持機構6の保持用プレートM1と、保持テーブル141の保持用プレートM1を予め取り外しおく。また、第2保持機構6の保持用プレートM1を交換する際は、保持テーブル141の保持用プレートM1をあらかじめ取り外しておく。
【0184】
また、移載テーブル5、保持テーブル141、切断用テーブル2A、2B及び第2保持機構6の保持用プレートM1の交換を一連の動作としても行ってもよい。例えば、移載テーブル5、保持テーブル141、第2保持機構6及び切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1をこの順に取り外し、その後、切断用テーブル2A、2B、第2保持機構6、保持テーブル141及び移載テーブル5の保持用プレートM1をこの順で取り付けることが考えられる。
【0185】
<第2実施形態の効果>
第2実施形態の切断装置100によれば、第1実施形態と同様に、保持ベース部M2から取り外された保持用プレートM1をプレート収容部24に搬送し、プレート収容部24にある保持用プレートM1を保持ベース部M2に搬送するプレート搬送機構25を有するので、保持ベース部M2に対して保持用プレートM1を自動的に交換することができる。その結果、保持用プレートM1を交換するための人件費を削減することができる。また、保持用プレートM1を自動的に交換するので、保持用プレートM1の交換時間を短縮することができ、切断装置100の生産性を向上することができる。さらに、保持ベース部M2に対する保持用プレートM1の取り付け状態のばらつきを低減することができる。その他、第2実施形態において、前記第1実施形態と同様の構成により生じる効果は同じである。
【0186】
特に、第2実施形態では、プレート搬送機構25が、貼付部材101を載置テーブル102に搬送することができるので、プレート搬送機構25とは別に貼付部材用の搬送機構を設ける必要がなく、リング収容する切断装置100の装置構成を簡素化することができる。さらに、装置コストも削減することができる。その他、複数の製品Pに対して、スパッタリング工程又は実装工程などの後工程を行う場合に、複数の製品Pが貼り付けられた貼付部材101を移動させればよく、その取り扱いを容易にすることができる。
【0187】
さらに、プレート搬送機構25が、プレート収容部24と仮置き部27との間で保持用プレートM1を搬送する第1搬送機構25aと、仮置き部27と保持ベース部M2との間で保持用プレートM1を搬送する第2搬送機構25bとを有するので、プレート搬送機構25を1つの搬送機構で構成する場合に比べて、保持用プレートM1の搬送先の自由度を増すことができる。ここで、第1搬送機構25aを貼付部材搬送機構107(第3保持機構1071及び移動機構1072)を用いて構成しているので、装置構成を簡素化するとともに装置コストを削減することができる。また、第2搬送機構25bを第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いて構成しているので、装置構成を簡素化するとともに装置コストを削減することができる。
【0188】
<第2実施形態の変形例>
例えば、前記第2実施形態では、切断用テーブル2A、2B、検査用テーブル(保持テーブル141)、移載テーブル5、及び、搬送用保持機構(第2保持機構6)それぞれの保持用プレートM1を自動的に交換する構成であったが、切断用テーブル2A、2B、検査用テーブル(保持テーブル141)、移載テーブル5、及び、搬送用保持機構(第2保持機構6)の少なくとも1つを自動的に交換する構成としても良い。
【0189】
前記第2実施形態のプレート搬送機構25は、第1搬送機構25a及び第2搬送機構25bを有する構成であったが、単一の搬送機構を有する構成としても良い。また、プレート搬送機構25は、貼付部材搬送機構107を用いない構成としても良いし、第2保持機構6及び搬送用移動機構7(加工対象物搬送機構)を用いない構成としても良い。
【0190】
プレート搬送機構25に貼付部材搬送機構107を用いない構成とする場合、プレート収容部24を第2保持機構6がアクセス可能な位置(例えば移載テーブル5(インデックステーブル)と貼付部材101の載置テーブル102との間)に配置することによって、プレート搬送機構25を貼付部材搬送機構107を用いること無く、第2保持機構6及び搬送用移動機構7により構成することができる。
【0191】
また、前記第2実施形態のプレート収容部24は、切断用テーブル2A、2B、検査用テーブル(保持テーブル141)、移載テーブル5、及び、第2保持機構6それぞれの保持用プレートM1を収容するものであったが、保持用プレートM1の種類に応じて専用のプレート収容部24を複数設ける構成としても良い。
【0192】
例えば、前記第2実施形態では載置テーブル102を複数(具体的には2つ)設けた構成について説明したが、図26(a)に示すように、載置テーブル102が1つであっても良い。この場合、貼付部材収容部106の開口部において上下に2つのガイドレール108A、108Bを設けても良い。この構成において、上のガイドレール108Aは、互いの間隔が図示しない拡縮機構によって拡縮できるように構成されている。
【0193】
この上下2段構成のガイドレール108A、108Bを有する場合の動作は以下のようになる。
【0194】
まず上のガイドレール108Aの間隔が拡縮機構によって拡がる(図26(b)参照)。そして、貼付部材搬送機構107は、上のガイドレール108Aの間を下降して、貼付部材収容部106から下のガイドレール108Bに空の貼付部材101を引き出して仮置きする。その後、貼付部材搬送機構107は、貼付部材搬送位置X3にある載置テーブル102に移動して、貼付済の貼付部材101を受け取る。
【0195】
次に、上のガイドレール108Aの間隔が拡縮機構によって縮まる(図26(c)参照)。そして、貼付部材搬送機構107は、上のガイドレール108Aに貼付済の貼付部材101を載置するとともに、その貼付部材101を貼付部材収容部106に押し入れる。
【0196】
その後、上のガイドレール108Aの間隔が拡縮機構によって拡がる。そして、貼付部材搬送機構107は、上のガイドレール108Aの間を下降して、下のガイドレール108Bに載置されている空の貼付部材101を受け取り、載置テーブル102に搬送する。
【0197】
また、前記第2実施形態では2つの貼付用搬送機構103を有する構成であったが、1つの貼付用搬送機構103を有する構成としても良い。
【0198】
さらに、第1撮像部201は、2つの貼付用搬送機構103に共通のものとしていたが、2つの貼付用搬送機構103それぞれに対応して第1撮像部201を設けても良い。
【0199】
また、前記第2実施形態の移載テーブル5は、貼付部材101に貼り付ける前に一時的に載置されるインデックステーブルであったが、移載テーブル5を反転機構14の保持テーブル141としても良い。
【0200】
<本発明の第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の切断装置100は、前記第1実施形態のトレイ収容及び第2実施形態のリング収容とは異なり、複数の製品Pをばらばらの状態で収容(「バルク収容」とも呼ばれる。)できるように構成されている。
【0201】
具体的に切断装置100は、図27に示すように、封止済基板Wを保持する2つの切断用テーブル(加工用テーブル)2A、2Bと、封止済基板Wを切断用テーブル2A、2Bに搬送するために封止済基板Wを保持する第1保持機構3と、切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wを切断する切断機構(加工機構)4と、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから収容ボックス111に搬送するために複数の製品Pを保持する第2保持機構6と、第1保持機構3及び第2保持機構6を移動させるための共通のトランスファ軸71を有する搬送用移動機構7と、切断機構4を切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wに対して移動させる切断用移動機構(加工用移動機構)8とを備えている。
【0202】
以下、第1、第2実施形態とは異なる構成について主に説明する。
【0203】
第3実施形態の第2保持機構6は、図27に示すように、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから乾燥用テーブル112又は収容ボックス111に搬送するために複数の製品Pを保持するものである。この第2保持機構6は、図8に示すように、第1、第2実施形態と同様の構成である。そして、吸着ヘッド61が、後述する搬送用移動機構7などにより所望の位置に移動されることにより、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから乾燥用テーブル112に搬送し、乾燥用テーブル112から収容ボックス111に搬送する。
【0204】
第3実施形態の搬送用移動機構7は、図27に示すように、第1保持機構3を少なくとも基板供給機構11と切断用テーブル2A、2Bとの間で移動させるとともに、第2保持機構6を少なくとも切断用テーブル2A、2Bと収容ボックス111との間で移動させるものである。
【0205】
また、トランスファ軸71は、第1保持機構3が基板供給機構11の基板供給部11bの上方に移動できるとともに、第2保持機構6が収容ボックス111の上方に移動できる範囲で設けられている(図27参照)。また、このトランスファ軸71に対して、後述する収容ボックス111及び乾燥用テーブル112も、平面視において同じ側(手前側)に設けられている。
【0206】
さらに、メイン移動機構72のガイドレール721は、トランスファ軸71に沿ってX方向に一直線に延びており、トランスファ軸71と同様に、第1保持機構3が基板供給機構11の基板供給部11bの上方に移動できるとともに、第2保持機構6が収容ボックス111の上方に移動できる範囲で設けられている。
【0207】
<切断装置100の乾燥機能>
第3実施形態の切断装置100は、第2クリーニング機構19によりクリーニングされた複数の製品Pをさらに乾燥する機能を有している。具体的に切断装置100は、図27図29に示すように、複数の製品Pを乾燥するための乾燥用テーブル112と、乾燥用テーブル112に載置された複数の製品Pを乾燥する乾燥機構113と、当該乾燥機構113を乾燥用テーブル112に沿って移動させる乾燥用移動機構114とを備えている。
【0208】
乾燥用テーブル112は、第2保持機構6及び搬送用移動機構7により複数の製品Pが搬送されて載置されるものである。この乾燥用テーブル112は、複数の製品Pを吸着して保持する。また、乾燥用テーブル112は、2つの切断用テーブル2A、2Bと水平面上においてX方向に沿って一列に配置される。本実施形態の乾燥用テーブル112は、平面視において矩形状をなすものであるが、その他の形状であってもよい。
【0209】
乾燥機構113は、乾燥用テーブル112の上方から気体である圧縮空気を噴射して、乾燥用テーブル112に吸着保持された複数の製品Pを乾燥するものである。この乾燥機構113は、乾燥用テーブル112に保持された複数の製品Pに圧縮空気を噴射する噴射ノズル113aを有している。本実施形態の噴射ノズル113aは、乾燥用テーブル112に向けて設けられた、直線状に延びるスリット状をなす開口を有するものであるが(図28参照)、X方向に沿って間欠的に設けられた複数の開口を有するものであっても良い。
【0210】
本実施形態の乾燥機構113は、乾燥用移動機構114による移動方向に向けて圧縮空気を噴射するように構成されている(図28参照)。つまり、噴射ノズル113aによる圧縮空気の噴射方向が乾燥用移動機構114による移動方向(ここでは、Y方向において手前側から奥側)を向くように構成されている。
【0211】
また、乾燥機構113の噴射ノズル113aは、図28に示すように、乾燥用テーブル112上に保持された複数の製品PのX方向に沿った配列方向に対して例えば30度未満で傾斜して配置されている。ここで、乾燥用テーブル112には、複数の製品PがX方向及びY方向においてマトリックス状に配置されており、乾燥機構113の噴射ノズル113aは、各製品PのX方向に沿った一辺に対して傾斜して圧縮空気を噴射することになる。これにより、隣接する製品Pの間に溜まっている水分を製品Pから吹き飛ばしやすくしている。これにより、複数の製品Pの乾燥が促進される。また、乾燥機構113の噴射ノズル113aのスリット状の開口を、乾燥用テーブル112に向けて若干傾斜するように設け、圧縮空気が乾燥機構113の移動方向に向けて吹き飛ばされるようにしてもよい。
【0212】
乾燥用移動機構114は、乾燥機構113を乾燥用テーブル112の上方においてY方向に移動させるものである。本実施形態の乾燥用移動機構114は、乾燥用テーブル112に対して乾燥機構113をY方向に往復移動させるものである。具体的に乾燥用移動機構114は、図28及び図29に示すように、Y方向に延びるY方向ガイドレール1141と、当該Y方向ガイドレール1141に沿って移動するとともに乾燥機構113を保持するスライド部材1142と、当該スライド部材1142をY方向ガイドレール1141に沿って移動させる駆動部(不図示)とを備えている。なお、駆動部としては、例えばボールねじ機構を用いたものであっても良いし、エアシリンダを用いたものであっても良いし、リニアモータを用いたものであっても良い。
【0213】
<乾燥動作の一例>
次に乾燥機構113及び乾燥用移動機構114による乾燥動作について説明する。
【0214】
乾燥用テーブル112に複数の製品Pを載置する前において、乾燥用移動機構114は、複数の製品Pの載置を邪魔しないように、乾燥機構113を乾燥用テーブル112のY方向一方側(例えば手前側)に退避させている。そして、乾燥用テーブル112に複数の製品Pが載置されて保持されると、乾燥機構113は圧縮空気の噴射を開始するとともに、乾燥用移動機構114は乾燥機構113をY方向他方側(例えば奥側)に移動させる。これにより、乾燥用テーブル112に保持された複数の製品Pの乾燥が行われる。なお、乾燥用移動機構114が、乾燥機構113をY方向他方側(奥側)からY方向一方側(手前側)に移動させる際には、乾燥機構113は気体の噴射を停止する。なお、乾燥機構113は往路だけでなく復路においても圧縮空気を噴射する構成としても良い。
【0215】
<バルク収容の具体的な構成(収容ボックス111及び掻き落とし部材115)>
収容ボックス111は、図27図29に示すように、複数の製品Pをばらばらの状態で収容する(いわゆるバルク収容する)ものである。また、収容ボックス111は、2つの切断用テーブル2A、2Bと水平面上においてX方向に沿って一列に配置される。この収容ボックス111は、第2保持機構6から複数の製品Pを掻き落とす掻き落とし部材115をさらに備えている。
【0216】
収容ボックス111は、平面視において矩形状の上部開口111Xを有するものである(図28参照)。そして、掻き落とし部材115は、収容ボックス111の上部開口111Xの一辺に固定されている。この掻き落とし部材115に対して第2保持機構6をX方向に移動させることにより、製品Pが掻き落とされて落下して収容ボックス111に収容される。
【0217】
また、本実施形態の収容ボックス111は、X方向において乾燥用テーブル112と後述する保持用プレートM1を収容するプレート収容部24との間に設けられており、掻き落とし部材115は、収容ボックス111の上部開口111Xにおいて乾燥用テーブル112側の一辺に設けられている。これにより、製品Pを掻き落とす際に、第2保持機構6がプレート収容部24に干渉しない構成としている。
【0218】
掻き落とし部材115は、上部開口111Xにおける乾燥用テーブル112側の一辺から上方に延び設けられている(図29参照)。また、掻き落とし部材115としては、吸着解除された第2保持機構6から離れない製品Pを掻き落とすものであれば良く、例えば、PEEK材などの樹脂製のものであり、その形態は、ブラシ形状であっても良いし、平板形状であってもよい。
【0219】
本実施形態では、収容ボックス111は、トランスファ軸71の手前側に配置されており、収容ボックス111の手前側の外面に取っ手1111(図28参照)が設けられており、切断装置100の手前側から取り外すことができるように構成されている。この構成により、製品Pの取出し、回収等のメンテナンス性を向上することができる。なお、収容ボックス111の取り出す方向は手前側に限られず、例えば、切断装置100の横側から取り出す構成としても良いし、奥側から取り出す構成としても良い。
【0220】
<切断装置100の動作の一例>
次に、第3実施形態の切断装置100の動作の一例を、図30を参照して説明する。図30には、切断装置100の動作における第1保持機構3の移動経路、及び、第2保持機構6の移動経路を示している。なお、本実施形態においては、切断装置100の動作、例えば封止済基板Wの搬送、封止済基板Wの切断、製品Pのクリーニング、製品Pの乾燥、及び、製品Pの掻き落とし動作など、すべての動作や制御は制御部CTL(図27参照)により行われる。
【0221】
本実施形態の切断装置100の動作において、封止済基板Wの搬送、封止済基板Wの切断、及び、製品Pのクリーニングまでの動作は、前記第1実施形態と同様である。
【0222】
そして、製品Pのクリーニングの後、搬送用移動機構7は第2保持機構6を乾燥用テーブル112に移動させて、第2保持機構6は吸着保持を解除して、複数の製品Pを乾燥用テーブル112に載置する。そして、乾燥用テーブル112は、封止済基板Wを吸着保持する。このとき、搬送用移動機構7は、第2保持機構6を乾燥機構113の移動を邪魔しない位置に退避させる。
【0223】
この状態で、乾燥用移動機構114が乾燥機構113をY方向に往復移動させるとともに、乾燥機構113が圧縮空気を噴射することによって、複数の製品Pの乾燥が行われる。なお、乾燥用移動機構114による乾燥機構113の往復回数は、適宜設定可能であり、1回であっても良いし、複数回であっても良い。
【0224】
乾燥の後、搬送用移動機構7は第2保持機構6を乾燥用テーブル112に移動させて、第2保持機構6は、乾燥用テーブル112から複数の製品Pを吸着保持する。その後、搬送用移動機構7は、複数の製品Pを保持した第2保持機構6を収容ボックス111に移動させる。
【0225】
そして、第2保持機構6は、収容ボックス111の上部開口111Xの上方において、複数の製品Pの吸着保持を解除する。その後、搬送用移動機構7は、第2保持機構6から落下せずに第2保持機構6に残存している製品Pが掻き落とし部材115に当たるように、第2保持機構6を掻き落とし部材115に対して乾燥用テーブル112側に移動させる。本実施形態では、製品Pを確実に掻き落とすために、掻き落し部材115が第2保持機構6の吸着面である下面に接触するように第2保持機構6を掻き落とし部材115に対して移動させる。これにより、複数の製品Pが収容ボックス111に落下して収容される。
【0226】
<保持用プレートM1の自動交換機能>
さらに第3実施形態の切断装置100は、前記第1、第2実施形態と同様に、封止済基板W又は製品Pを保持するための保持用プレートM1を自動的に交換できる機能を有している。なお、本実施形態では、切断用テーブル2A、2B、乾燥用テーブル112及び第2保持機構6が、保持用プレートM1及び保持ベース部M2を有している。なお、保持用プレートM1及び保持ベース部M2の具体的構成は、第1実施形態と同様である。
【0227】
具体的に切断装置100は、図27及び図31に示すように、保持用プレートM1を収容するプレート収容部24と、保持用プレートM1をプレート収容部24及び保持ベース部M2の間で搬送するプレート搬送機構25とを備えている。なお、第2実施形態の切断装置100には、前記第1実施形態と同様に、固定機構26及び検査機構29が設けられている。
【0228】
第3実施形態のプレート搬送機構25は、第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いて構成されており、複数の製品Pを搬送することができる。言い換えれば、第2保持機構6及び搬送用移動機構7が、保持用プレートM1を搬送する機能を有している。このプレート搬送機構25は、上述した共通のトランスファ軸71によってX方向に移動する構成とされている。また、プレート搬送機構25は、トランスファ軸71に対して、平面視において同じ側(手前側)に設けられていることになる。ここで、プレート搬送機構25を構成する第2保持機構6は、第1実施形態と同様に、保持用プレートM1に形成された搬送用保持孔281(図10参照)に挿入される搬送用シリンダ部282を有している(図13参照)。
【0229】
<保持用プレートM1の交換動作>
次に本実施形態のプレート搬送機構25による保持用プレートM1の交換動作について、図32を参照して説明する。
【0230】
なお、以下の交換動作において、プレート収容部24から保持用プレートM1を取り出す際の保持用プレートM1の判別は、保持用プレートM1に設けられたRFIDなどの識別子を、プレート搬送機構25(第2保持機構6)に設けられた識別子リーダ(不図示)により読み取ることにより行う。
【0231】
(1)第2保持機構6の保持用プレートM1の取り外し動作(図32(a)参照)
まず、第2保持機構6の保持用プレートM1を取り外す。具体的には、搬送用移動機構7により第2保持機構6をプレート収容部24に移動させるとともに、第2保持機構6を下降させて保持用プレートM1を取り外し、スライド棚部241に保持用プレートM1を載置して収容する。なお、第2保持機構6の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0232】
この保持用プレートM1が取り外された状態の第2保持機構6を用いて、切断用テーブル2A、2B又は乾燥用テーブル112の保持用プレートの交換動作が行われる。
【0233】
(2)切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1の交換動作(図32(b)参照)
切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を取り外し、プレート搬送機構25(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送し、保持用プレートM1を下降させてスライド棚部241に載置して収容する。なお、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0234】
次に、プレート搬送機構25(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)が、プレート収容部24から切断用テーブル2A、2Bの新しい保持用プレートM1を取り出し、切断用テーブル2A、2Bの保持ベース部M2に上昇位置とした状態で搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、切断用テーブル2A、2Bの保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0235】
(3)乾燥用テーブル112の保持用プレートM1の交換動作(図32(b)参照)
乾燥用テーブル112の保持用プレートM1を取り外し、プレート搬送機構25(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送し、保持用プレートM1を下降させて前方にスライドされたスライド棚部241に載置して収容する。なお、乾燥用テーブル112の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0236】
次に、プレート搬送機構25(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)が、プレート収容部24から乾燥用テーブル112の新しい保持用プレートM1を取り出し、乾燥用テーブル112の保持ベース部M2に上昇位置とした状態で搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、乾燥用テーブル112の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0237】
(4)第2保持機構6の保持用プレートM1の取り付け動作(図32(c)参照)
上記の通り、切断用テーブル2A、2B及び乾燥用テーブル112の保持用プレートM1の交換動作を行った後に、搬送用移動機構7により第2保持機構6をプレート収容部24に移動させるとともに、第2保持機構6を下降させて、スライド棚部241に載置された新しい保持用プレートM1が取り付けられる。ここでは、搬送用移動機構7により第2保持機構6の保持ベース部M2に設けられた固定用シリンダ部262が保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261に差し込まれる。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、第2保持機構6の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0238】
なお、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1の交換動作と、乾燥用テーブル112の保持用プレートM1の交換動作とはどちらを先に行っても構わない。また、切断用テーブル2A、2B及び乾燥用テーブル112の保持ベース部M2から保持用プレートM1を取り外し、その後、切断用テーブル2A、2B及び乾燥用テーブル112の保持ベース部M2に新しい保持用プレートM1を取り付けることもできる。
【0239】
また、上記では、第2保持機構6、切断用テーブル2A、2B及び乾燥用テーブル112の保持用プレートM1の交換を一連の動作としているが、第2保持機構6、切断用テーブル2A、2B又は乾燥用テーブル112の少なくとも1つにおける保持用プレートM1の交換を個別に行うようにしても良い。このとき、切断用テーブル2A、2B又は乾燥用テーブル112の保持用プレートM1を交換する際には、プレート搬送機構25を構成する第2保持機構6の保持用プレートM1を予め取り外すことが考えられる。
【0240】
<第3実施形態の効果>
第3実施形態の切断装置100によれば、第1、第2実施形態と同様に、保持ベース部M2から取り外された保持用プレートM1をプレート収容部24に搬送し、プレート収容部24にある保持用プレートM1を保持ベース部M2に搬送するプレート搬送機構25を有するので、保持ベース部M2に対して保持用プレートM1を自動的に交換することができる。その結果、保持用プレートM1を交換するための人件費を削減することができる。また、保持用プレートM1を自動的に交換するので、保持用プレートM1の交換時間を短縮することができ、切断装置100の生産性を向上することができる。さらに、保持ベース部M2に対する保持用プレートM1の取り付け状態のばらつきを低減することができる。その他、第3実施形態において、前記第1、第2実施形態と同様の構成により生じる効果は同じである。
【0241】
特に、第3実施形態では、プレート搬送機構25が、複数の製品Pを収容ボックス111に搬送することができるので、プレート搬送機構25とは別の製品搬送機構を設ける必要がなく、バルク収容する切断装置100の装置構成を簡素化することができる。さらに、装置コストも削減することができる。その他、複数の製品Pを収容ボックス111に落下させて収容するので、従来のトレイ収容する構成に比べて、収容スペースを小型化することができる。これによっても、切断装置100のフットプリントを低減することができる。
【0242】
<第3実施形態の変形例>
例えば、第3実施形態では、切断用テーブル2A、2B、乾燥用テーブル112及び保持機構(第2保持機構6)それぞれの保持用プレートM1を自動的に交換する構成であったが、切断用テーブル2A、2B、乾燥用テーブル112及び保持機構(第2保持機構6)の少なくとも1つを自動的に交換する構成としても良い。
【0243】
第3実施形態のプレート搬送機構25は、第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いない構成としても良い。
【0244】
また、前記第3実施形態のプレート収容部24は、切断用テーブル2A、2B、乾燥用テーブル112及び保持機構(第2保持機構6)それぞれの保持用プレートM1を収容するものであったが、保持用プレートM1の種類に応じて専用のプレート収容部24を複数設ける構成としても良い。
【0245】
また、掻き落とし部材115を有さずに、第2保持機構6により吸着保持を解除した後に、第2保持機構6からガスを噴射することによって、複数の製品Pを落下させる構成にすることもできる。
【0246】
さらに、掻き落とし部材115を収容ボックス111に固定する構成の他、他の部材に固定しても良いし、又は、掻き落とし部材115を移動可能に構成して、第2保持機構6に対して掻き落とし部材115が移動することにより、複数の製品Pを掻き落とす構成としても良い。
【0247】
<本発明の第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態の切断装置100は、前記第1実施形態のトレイ収容、第2実施形態のリング収容及び第3実施形態のバルク収容とは異なり、複数の製品Pを筒状容器116に収容(「チューブ収容」とも呼ばれる。)できるように構成されている。なお、筒状容器116は、チューブ、マガジンスティック、スティックマガジン、スティックなどと呼ばれることがある。
【0248】
具体的に切断装置100は、図33に示すように、封止済基板Wを保持する2つの切断用テーブル(加工テーブル)2A、2Bと、封止済基板Wを切断用テーブル2A、2Bに搬送するために封止済基板Wを保持する第1保持機構3と、切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wを切断する切断機構(加工機構)4と、複数の製品Pが移される移載テーブル5と、複数の製品Pを切断用テーブル2A、2Bから移載テーブル5に搬送するために複数の製品Pを保持する第2保持機構6と、第1保持機構3及び第2保持機構6を移動させるための共通のトランスファ軸71を有する搬送用移動機構7と、切断機構4を切断用テーブル2A、2Bに保持された封止済基板Wに対して移動させる切断用移動機構(加工用移動機構)8とを備えている。
【0249】
以下、第1~第3実施形態とは異なる構成について主に説明する。
【0250】
本実施形態の移載テーブル5は、複数の製品Pを後述する筒状容器116に収容する前に、複数の製品Pが一時的に載置される。また、移載テーブル5は、図33に示すように、Y方向に沿って移動可能に設けられており、第2保持機構6により複数の製品Pが載置される移載位置X1と、搬送収容機構118により複数の製品Pが搬送される取り出し位置X2との間で移動する。なお、移載位置X1は、トランスファ軸71よりも手前側に設定されており、2つの切断用テーブル2A、2Bと水平面上においてX方向に沿って一列に配置される位置であり、取り出し位置X2は、トランスファ軸71よりも奥側に設定されている。
【0251】
<チューブ収容の具体的な構成>
そして、本実施形態の切断装置100は、図33図35に示すように、複数の製品Pを一端開口部116xから収容する筒状容器116が設置される容器設置部117と、複数の製品Pを移載テーブル5から容器設置部117に設置された筒状容器116に搬送して収容する搬送収容機構118とを備えている。
【0252】
容器設置部117は、製品Pが収容されていない空の筒状容器116が設置されて、搬送収容機構118により筒状容器116の一端開口部116xから製品Pが挿入されるものである。
【0253】
本実施形態の容器設置部117は、図33に示すように、空の筒状容器116を収容する空容器収容部117aと、当該空容器収容部117aから空の筒状容器116が送り出されるとともに、空の筒状容器116を製品Pが一端開口部116xから挿入される挿入位置に設置する挿入位置設置部117bと、製品Pが満載となった又は所望の個数が収容された収容済の筒状容器116を収容する収容済容器収容部117cとを備えている。
【0254】
ここで、筒状容器116は、図34に示すように、複数の製品Pを列状に整列した状態で収容するものである。具体的に筒状容器116は、直線状に延びる形状を有しており、内部に製品Pを収容する空間を有している。また、筒状容器116の長手方向に直交する断面形状は、製品Pの断面形状に対応した形状である。なお、図34に示す筒状容器116は、長手方向に沿って延びる側周壁の一部が空いている構成であるが、前記側周壁が閉じた構成であっても良い。また、筒状容器116は、複数の製品Pを一列に整列した状態で収容する構成の他に、複数の製品Pを複数列に整列した状態で収容する構成のものであっても良い。さらに、筒状容器116は、樹脂製のものであっても良いし、金属製のものであっても良い。また、図34には製品Pとしてリードがある形態を示しているが、QFN等のノンリードタイプであっても良い。
【0255】
搬送収容機構118は、図33及び図35に示すように、複数の製品Pが一時的に載置される中間テーブル119と、複数の製品Pを取り出し位置X2にある移載テーブル5から中間テーブル119に搬送する第1製品搬送機構120と、複数の製品Pを中間テーブル119から容器設置部117の挿入位置設置部117bに設置された筒状容器116に搬送して収容する第2製品搬送機構121とを備えている。
【0256】
中間テーブル119は、取り出し位置X2にある移載テーブル5から第1製品搬送機構120により製品Pが搬送されて一時的に載置されるものである。また、中間テーブル119に一時的に載置された製品Pは、第2製品搬送機構121により容器設置部117に設置された筒状容器116に搬送される。本実施形態の中間テーブル119は、X方向及びY方向において固定されているが、移動可能に構成しても良い。
【0257】
第1製品搬送機構120は、取り出し位置X2に移動した移載テーブル5から、中間テーブル119に複数の製品Pを所定個数(例えば1個)ずつ搬送するものである。
【0258】
具体的に第1製品搬送機構120は、図35に示すように、移載テーブル5に保持された複数の製品Pを所定個数(例えば1個)ずつ吸着する製品吸着機構1201と、当該製品吸着機構1201をX方向に沿って移動させる吸着用移動機構1202とを備えている。
【0259】
製品吸着機構1201は、図35に示すように、複数の製品Pを吸着保持するための吸着部1201aが設けられた吸着ヘッド1201Aと、当該吸着ヘッド1201Aの吸着部1201aに接続された真空ポンプ又は真空エジェクタ(不図示)とを有している。この製品吸着機構1201は、それぞれの吸着部1201aが1つの製品Pを吸着する構成としてある。また、複数の吸着部1201aは、互いに独立して昇降移動可能に構成されており、各吸着部1201aが下降することにより、個別に製品Pを吸着することができる。なお、第1製品搬送機構120の下部に、吸着する製品Pの状態を確認するための撮像カメラ203が設けられている。
【0260】
吸着用移動機構1202は、図35に示すように、製品吸着機構1201をX方向に移動させるX方向移動部1202aと、製品吸着機構1201をZ方向に移動させるZ方向移動部1202bとを備えている。なお、吸着用移動機構1202は、製品吸着機構1201をY方向に移動させるY方向移動部を有していても良い。
【0261】
X方向移動部1202aは、トランスファ軸71の奥側においてX方向に沿って設けられたX方向ガイドレール1202a1と、当該X方向ガイドレール1202a1に沿って移動するとともに、Z方向移動部1202bを介して製品吸着機構1201を支持する支持体1202a2とを有している。そして、支持体1202a2は、例えば、X方向に延びるボールねじ機構(不図示)により、X方向ガイドレール1202a1上をX方向に沿って直線的に往復移動する。このボールねじ機構はサーボモータ等の駆動源(不図示)により駆動される。その他、支持体1202a2は、リニアモータ等の他の直動機構により往復移動するように構成しても良い。
【0262】
Z方向移動部1202bは、支持体1202a2においてZ方向に沿って設けられたZ方向ガイドレール1202b1と、当該Z方向ガイドレール1202b1に沿って移動するとともに製品吸着機構1201を支持するZ方向スライダ1202b2とを有している。そして、Z方向スライダ1202b2は、例えば、Z方向に延びるボールねじ機構(不図示)により、Z方向ガイドレール1202b1上をZ方向に沿って直線的に往復移動する。その他、Z方向スライダ1202b2は、リニアモータ等の他の直動機構により往復移動するように構成しても良い。
【0263】
第2製品搬送機構121は、図33及び図35に示すように、中間テーブル119に載置された製品Pを容器設置部117の挿入位置設置部117bに設置された筒状容器116に搬送して、当該筒状容器116の一端開口部116xから製品Pを挿入して収容するものである。
【0264】
具体的に第2製品搬送機構121は、図35に示すように、中間テーブル119に載置された製品Pを押す押圧部材121aと、当該押圧部材121aをY方向に沿って移動させる駆動部121bとを有している。なお、駆動部121bとしては、例えばボールねじ機構を用いたものであっても良いし、エアシリンダを用いたものであっても良いし、リニアモータを用いたものであっても良い。また、第2製品搬送機構121は、製品Pを筒状容器116の一端開口部116xにガイドする製品ガイド部を有していても良い。さらに、押圧部材121aを昇降させる機構を有していてもよい。
【0265】
<切断装置の動作の一例>
次に、切断装置100の動作の一例を図9図33及び図35を参照して説明する。本実施形態においては、切断装置100の動作、例えば封止済基板Wの搬送、封止済基板Wの切断、製品Pの検査、製品Pのクリーニング、製品Pのチューブ収容など、すべての動作や制御は制御部CTL(図33参照)により行われる。
【0266】
本実施形態の切断装置100の動作において、封止済基板Wの搬送、封止済基板Wの切断、製品Pのクリーニング、及び、製品Pの検査までの動作は、前記第1実施形態と同様である。
【0267】
そして、両面検査された後、製品Pは反転機構14から移載テーブル5に受け渡される。複数の製品Pが載置された移載テーブル5は、取り出し位置X2に移動する(図33及び図35参照)。一方で、容器設置部117の挿入位置設置部117bには、空の筒状容器116が設置されている(図32及び図34参照)。
【0268】
この状態で、図35に示すように、第1製品搬送機構120は、取り出し位置X2にある移載テーブル5から製品Pを吸着保持する。その後、第1製品搬送機構120は、製品Pを中間テーブル119に移動して、製品Pの吸着保持を解除して、製品Pを中間テーブル119に載置する。中間テーブル119に載置された製品Pは、第2製品搬送機構121により、筒状容器116の内部に挿入されて収容される。
【0269】
筒状容器116が満載となった場合、又は、筒状容器116に所望の個数の製品Pが収容された場合には、挿入位置設置部117bにある収容済の筒状容器116は、収容済容器収容部117cに移動されるとともに、挿入位置設置部117bには、空容器収容部117aから空の筒状容器116が送り出されて設置される。
【0270】
<保持用プレートM1の自動交換機能>
さらに第4実施形態の切断装置100は、前記第1実施形態などと同様に、封止済基板W又は製品Pを保持するための保持用プレートM1を自動的に交換できる機能を有している。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に、切断用テーブル2A、2B、保持テーブル141、移載テーブル5及び第2保持機構6が、保持用プレートM1及び保持ベース部M2を有している。なお、保持用プレートM1及び保持ベース部M2の具体的構成は、第1実施形態と同様である。
【0271】
具体的に切断装置100は、第3実施形態と同様に、図33及び図36に示すように、保持用プレートM1を収容するプレート収容部24と、保持用プレートM1をプレート収容部24及び保持ベース部M2の間で搬送するプレート搬送機構25とを備えている。なお、第2実施形態の切断装置100には、前記第1実施形態と同様に、固定機構26及び検査機構29が設けられている。
【0272】
第4実施形態のプレート搬送機構25は、第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いて構成されており、複数の製品Pを搬送することができる。言い換えれば、第2保持機構6及び搬送用移動機構7が、保持用プレートM1を搬送する機能を有している。このプレート搬送機構25は、上述した共通のトランスファ軸71によってX方向に移動する構成とされている。また、プレート搬送機構25は、トランスファ軸71に対して、平面視において同じ側(手前側)に設けられていることになる。ここで、プレート搬送機構25を構成する第2保持機構6は、第1実施形態と同様に、保持用プレートM1に形成された搬送用保持孔281(図10参照)に挿入される搬送用シリンダ部282を有している(図13参照)。
【0273】
<保持用プレートM1の交換動作>
次に、本実施形態のプレート搬送機構25による保持用プレートM1の交換動作について、図36を参照して説明する。
【0274】
なお、以下の交換動作において、プレート収容部24から保持用プレートM1を取り出す際の保持用プレートM1の判別は、保持用プレートM1に設けられたRFIDなどの識別子を、プレート搬送機構25(第2保持機構6)に設けられた識別子リーダ(不図示)により読み取ることにより行う。
【0275】
(1)第2保持機構6の保持用プレートM1の取り外し動作(図36(a)参照)
まず、第2保持機構6の保持用プレートM1を取り外す。具体的には、搬送用移動機構7により第2保持機構6をプレート収容部24に移動させるとともに、第2保持機構6を下降させて保持用プレートM1を取り外し、スライド棚部241に保持用プレートM1を載置して収容する。なお、第2保持機構6の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0276】
この保持用プレートM1が取り外された状態の第2保持機構6を用いて、切断用テーブル2A、2B又は保持テーブル141の保持用プレートの交換動作が行われる。
【0277】
(2)切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1の交換動作(図36(b)参照)
切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を取り外し、プレート搬送機構25(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送し、保持用プレートM1を下降させてスライド棚部241に載置して収容する。なお、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0278】
次に、プレート搬送機構25(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)が、プレート収容部24から切断用テーブル2A、2Bの新しい保持用プレートM1を取り出し、切断用テーブル2A、2Bの保持ベース部M2に上昇位置とした状態で搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、切断用テーブル2A、2Bの保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0279】
(3)保持テーブル141の保持用プレートM1の交換動作(図36(b)参照)
保持テーブル141の保持用プレートM1を取り外し、プレート搬送機構25(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送し、保持用プレートM1を下降させて前方にスライドされたスライド棚部241に載置して収容する。なお、保持テーブル141の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0280】
次に、プレート搬送機構25(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)が、プレート収容部24から保持テーブル141の新しい保持用プレートM1を取り出し、保持テーブル141の保持ベース部M2に上昇位置とした状態で搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、保持テーブル141の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0281】
(4)移載テーブル5の保持用プレートの交換動作(図36(b)参照)
移載テーブル5の保持用プレートM1を取り外し、プレート搬送機構25(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)により保持用プレートM1を上昇させて上昇位置とした状態でプレート収容部24に搬送し、保持用プレートM1を下降させて前方にスライドされたスライド棚部241に載置して収容する。なお、移載テーブル5の保持用プレートM1を取り外す際には、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にして固定機構26の固定を解除する。
【0282】
次に、プレート搬送機構25(搬送用移動機構7及び第2保持機構6)が、プレート収容部24から移載テーブル5の新しい保持用プレートM1を取り出し、移載テーブル5の保持ベース部M2に上昇位置とした状態で搬送し、保持用プレートM1を下降させて載置する。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、移載テーブル5の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0283】
(5)第2保持機構6の保持用プレートM1の取り付け動作(図36(c)参照)
上記の通り、切断用テーブル2A、2B、保持テーブル141及び移載テーブル5の保持用プレートM1の交換動作を行った後に、搬送用移動機構7により第2保持機構6をプレート収容部24に移動させるとともに、第2保持機構6を下降させて、スライド棚部241に載置された新しい保持用プレートM1が取り付けられる。ここでは、搬送用移動機構7により第2保持機構6の保持ベース部M2に設けられた固定用シリンダ部262が保持用プレートM1に形成された固定用挿入孔261に差し込まれる。この状態で、固定用シリンダ部262に圧縮空気を供給して可動子262bを没入した位置にすると、固定用シリンダ部262が保持用プレートM1の固定用挿入孔261に入り、その後、圧縮空気の供給を停止すると、可動子262bが突出した位置となり、第2保持機構6の保持ベース部M2に対して保持用プレートM1が固定される。
【0284】
なお、切断用テーブル2A、2Bの保持用プレートM1の交換動作と、保持テーブル141の保持用プレートM1の交換動作と、移載テーブル5の保持用プレートM1の交換動作の順番は適宜変更可能である。また、切断用テーブル2A、2B、保持テーブル141及び移載テーブル5の保持ベース部M2から保持用プレートM1を取り外し、その後、切断用テーブル2A、2B、保持テーブル141及び移載テーブル5の保持ベース部M2に新しい保持用プレートM1を取り付けることもできる。
【0285】
また、上記では、第2保持機構6、切断用テーブル2A、2B、保持テーブル141及び移載テーブル5の保持用プレートM1の交換を一連の動作としているが、第2保持機構6、切断用テーブル2A、2B、保持テーブル141又は移載テーブル5の少なくとも1つにおける保持用プレートM1の交換を個別に行うようにしても良い。このとき、切断用テーブル2A、2B、保持テーブル141又は移載テーブル5の保持用プレートM1を交換する際には、プレート搬送機構25を構成する第2保持機構6の保持用プレートM1を予め取り外すことが考えられる。
【0286】
<第4実施形態の効果>
本実施形態の切断装置100によれば、第1~第3実施形態と同様に、保持ベース部M2から取り外された保持用プレートM1をプレート収容部24に搬送し、プレート収容部24にある保持用プレートM1を保持ベース部M2に搬送するプレート搬送機構25を有するので、保持ベース部M2に対して保持用プレートM1を自動的に交換することができる。その結果、保持用プレートM1を交換するための人件費を削減することができる。また、保持用プレートM1を自動的に交換するので、保持用プレートM1の交換時間を短縮することができ、切断装置100の生産性を向上することができる。さらに、保持ベース部M2に対する保持用プレートM1の取り付け状態のばらつきを低減することができる。その他、第4実施形態において、前記第1~第3実施形態と同様の構成により生じる効果は同じである。
【0287】
特に、第4実施形態の切断装置100であれば、搬送収容機構118により複数の製品Pを移載テーブル5から容器設置部117に設置された筒状容器116に搬送して、当該筒状容器116の一端開口部116xから複数の製品Pを収容することができる。
【0288】
また、チューブ収容する切断装置100において、プレート搬送機構25を第2保持機構6及び搬送用移動機構7を用いて構成しているので、装置構成を簡素化するとともに装置コストを削減することができる。
【0289】
<第4実施形態の変形例>
例えば、前記第4実施形態では、容器設置部117がトランスファ軸71の奥側に設けられていたが、トランスファ軸71の手前側に設けられていても良い。
【0290】
また、容器設置部117に設置された筒状容器116は、X方向に沿って設けられる構成のほか、Y方向に沿って設けられていても良いし、その他の方向に沿って設けられていても良い。
【0291】
<その他の変形実施形態>
前記各実施形態では、ツインカットテーブル方式であって、ツインスピンドル構成の切断装置を説明したが、これに限らず、シングルカットテーブル方式であって、シングルスピンドル構成の切断装置や、シングルカットテーブル方式であって、ツインスピンドル構成の切断装置などであってもよい。
【0292】
また、トランスファ軸71を構成するカムラック要素は複数を連結して構成することができるので、例えば、切断装置(加工装置)100を、第2クリーニング機構19と検査部13又は乾燥用テーブル112との間で分離及び連結可能(着脱可能)なモジュール構成とすることができる。この場合、例えば、第2クリーニング機構19側のモジュールと、検査部13側のモジュール又は乾燥用テーブル112側のモジュールとの間に、検査部13での検査とは異なる種類の検査を行うモジュールを追加することができる。なお、ここに例示した構成以外にも、切断装置(加工装置)100をどこで分離及び連結可能(着脱可能)なモジュール構成としてもよく、追加するモジュールを検査以外の様々な機能のモジュールとしてもよい。
【0293】
また、本発明の加工装置は、切断以外の加工を行うものであってもよく、例えば切削や研削などのその他の機械加工を行うものであってもよい。
【0294】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0295】
本発明によれば、加工対象物を保持するための保持用プレートを自動的に交換する加工装置を提供することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36