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特許7678239吸込み空気開口を備えた、シートを加工および/または処理する機械用のシリンダ、ならびにこのようなシリンダを備えた、シート状の基材を加工および/または処理するための機械
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  • 特許-吸込み空気開口を備えた、シートを加工および/または処理する機械用のシリンダ、ならびにこのようなシリンダを備えた、シート状の基材を加工および/または処理するための機械 図18
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-07
(45)【発行日】2025-05-15
(54)【発明の名称】吸込み空気開口を備えた、シートを加工および/または処理する機械用のシリンダ、ならびにこのようなシリンダを備えた、シート状の基材を加工および/または処理するための機械
(51)【国際特許分類】
   B41F 21/10 20060101AFI20250508BHJP
   B41F 19/00 20060101ALI20250508BHJP
   B41F 23/00 20060101ALI20250508BHJP
   B41F 13/18 20060101ALI20250508BHJP
【FI】
B41F21/10
B41F19/00
B41F23/00
B41F13/18
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024568350
(86)(22)【出願日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2023071447
(87)【国際公開番号】W WO2024083377
(87)【国際公開日】2024-04-25
【審査請求日】2024-11-15
(31)【優先権主張番号】102022127807.7
(32)【優先日】2022-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390014188
【氏名又は名称】ケーニッヒ ウント バウアー アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Koenig & Bauer AG
【住所又は居所原語表記】Friedrich-Koenig-Str. 4, 97080 Wuerzburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100210099
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 太介
(72)【発明者】
【氏名】ビェアン クリーゲ
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】実開平6-53143(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第112058875(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0170032(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 5/00-13/70
B41F 19/00-30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを加工および/または処理する機械(01)用のシリンダ(26;17;152;12)であって、該シリンダ(26;17;152;12)は周面に保持手段(33)を備え、該保持手段(33)によって、前記シリンダ(26;17;152;12)を介して搬送すべき基材シート(02)が、該基材シート(02)の前方の端部でもって受け取られるかまたは受取り可能であり、前記シリンダ(26;17;152;12)の回転中、前記基材シート(02)の受取りと下流側での引渡しとの間の回転角範囲にわたって保持されるかまたは保持可能であり、ロータリフィードスルー(123)を備え、該ロータリフィードスルー(123)は、前記シリンダ(26;17;152;12)と共に回転するロータ(124)であって、端面側で、前記シリンダ(26;17;152;12)を駆動する軸(32)の軸端部(128)に、または端面側のシリンダピン(128)に相対回動不能に配置されたロータ(124)と、運転時に回転しないステータ(126)と、を備え、前記ロータリフィードスルー(123)を介して、前記シリンダ(26;17;152;12)の周面に設けられた複数の吸込み開口(42)または吸込み開口(42)の群に、前記シリンダ(26;17;152;12)の回転軸線(R)を中心とした前記シリンダ(26;17;152;12)のアクティブな回転角フェーズの通過中、負圧が供給可能である、シリンダ(26;17;152;12)において、前記ロータリフィードスルー(123)は、前記アクティブな回転角フェーズの大きさを規定する通過角セクタ(ΔΦ)の大きさおよび/または前記アクティブな回転角フェーズの位置を規定する通過角セクタ(ΔΦ)の位置に関して調整可能であることを特徴とする、シリンダ(26;17;152;12)。
【請求項2】
前記ロータリフィードスルー(123)は、前記ロータ(124)の側に複数の通路を備えて形成されており、複数の通路を備えた前記ロータ(124)の通路開口(127)からシリンダ側に延在する複数の管路接続部が、周方向で相前後して位置するそれぞれ異なる吸込み開口(42)または吸込み開口(42)の群に通じていることを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ。
【請求項3】
前記ステータ(126)は、吸込み空気を通過させるために働く切欠き(129)または切欠き(129)の群を備え、該切欠き(129)または切欠き(129)の群は、前記シリンダ(26)と共に回転する前記ロータ(124)の回転位置に応じて、前記ロータ(124)の前記通路開口(127)のその都度変わる部分に重なっていることを特徴とする、請求項2に記載のシリンダ。
【請求項4】
前記ステータ(126)は、吸込み空気を通過させるために、前記シリンダ(26;17;152;122)と、該シリンダ(26;17;152;122)と一緒に回動する、前記ロータリフィードスルー(123)の前記ロータ(124)と、の回転中、相応の管路経路を介して、前記シリンダ(26;17;152;12)の回転軸線(R)を中心とした前記シリンダ(26;17;152;12)の360°未満の回転角フェーズの範囲内に位置する吸込み開口(42)または吸込み開口(42)の群に接続された前記通路開口(127)の部分だけが、前記ステータ(126)の切欠き(129)または切欠き(129)の群の自由横断面に常に管路接続されているように、前記切欠き(129)または前記切欠き(129)の群を備えて形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のシリンダ。
【請求項5】
前記切欠き(129)または前記切欠き(129)の群を有する前記ステータ(126)は、前記通過角セクタ(ΔΦ)の位置ひいては規定の前記回転角フェーズの位置を変化させるために、かつ/または前記切欠き(129)または前記切欠き(129)の群に同時に重なる前記通路開口(127)の位置と、該通路開口(127)に管路接続された前記吸込み開口(42)または前記吸込み開口(42)の群の位置と、を変化させるために、前記シリンダ(26)の前記回転軸線(R)または該回転軸線(R)に合致する軸線を中心として旋回可能であることを特徴とする、請求項3に記載のシリンダ。
【請求項6】
前記ステータ(126)は、複数の部分から成るステータ(126)として第1のステータ部分(131)と第2のステータ部分(132)とを備えて形成されており、前記第1のステータ部分(131)と前記第2のステータ部分(132)との回転位置が、前記シリンダ(26;17;152;12)の回転軸線(R)または該回転軸線(R)に合致する軸線を中心として、互いにかつ前記回転軸線に対して相対的に調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ。
【請求項7】
前記アクティブな回転角フェーズの大きさおよび位置を規定する前記通過角セクタ(ΔΦ)の位置および大きさ、および/または前記アクティブな回転角フェーズの始端および終端が、少なくとも1つの各々の調整範囲にわたって、両方の前記ステータ部分(131;132)相互の位置決めによって、かつ両方の前記ステータ部分(131;132)の、前記回転軸線または該回転軸線に合致する軸線を中心として占められる各々の角度位置において、選択可能または調整可能であることを特徴とする、請求項6に記載のシリンダ。
【請求項8】
前記ステータ(126)は、複数の部分から成るステータ(126)として、切欠き(129)または切欠き(129)の群を有する第1のステータ部分(131)と、カバー要素(133)を有する第2のステータ部分(132)と、を備えて形成されており、前記第1のステータ部分(131)と前記第2のステータ部分(132)とは、両者の相対的な回転位置に関して、前記通過角セクタ(ΔΦ)の大きさひいては規定の前記回転角フェーズの大きさを変化させるために、かつ/または前記切欠き(129)を通る自由通流横断面の大きさひいては前記切欠き(129)に同時に重なっている前記通路開口(127)の割合を変化させるために、可変に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のシリンダ。
【請求項9】
前記第2のステータ部分(132)は、前記第1のステータ部分(131)に対して旋回可能であり、かつ/または該第1のステータ部分(131)の前記切欠きに係合する遮断要素(134)を備え、該遮断要素(134)は、前記切欠き(129)の、前記カバー要素(133)により覆われていない部分を、前記切欠き(129)の覆われた部分から分離していることを特徴とする、請求項8に記載のシリンダ。
【請求項10】
前記第2のステータ部分(132)は、調整手段(137,139)を介して前記第1のステータ部分(131)に対してかつ/または前記シリンダ(26)の前記回転軸線(R)または該回転軸線(R)に合致する軸線を中心として旋回可能であり、かつ/または前記第1のステータ部分(131)は、調整手段(136,141)を介して前記シリンダ(26)の前記回転軸線(R)または該回転軸線(R)に合致する軸線を中心としてかつ/または前記第2のステータ部分(132)に対して旋回可能であり、かつ/または前記ステータ(126)は、調整手段(136,141)を介して前記シリンダ(26)の前記回転軸線(R)または該回転軸線(R)に合致する軸線を中心として旋回可能であることを特徴とする、請求項6に記載のシリンダ。
【請求項11】
軸線平行に延在する行および周方向に延在する列で配置された、n×m(n,m∈N)の数のマトリックス状に配置された複数の磁石要素(24)を、外周面の領域に備えた磁石シリンダ(26)として形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ。
【請求項12】
周方向に延在する列の前記磁石要素(24)のうちの複数または全てが、シリンダ軸(32)に取り付けられた、各々のオープンリング状または閉じたリング状の支持要素(31)に接してまたは支持要素(31)上に配置されており、該リング状の支持要素(31)は、周方向で見て、相前後して複数のチャンバ(55)を備え、該複数のチャンバ(55)は、それぞれ互いに独立して、相応の管路経路を介して、前記ロータリフィードスルー(123)の前記ロータ(124)と、周面に開口した吸込み開口(42)の少なくとも1つの群と、に管路接続されていることを特徴とする、請求項11に記載のシリンダ。
【請求項13】
前記シリンダ(26;17;152;12)を支持する前記軸(32)または前記端面側のシリンダピン(128)に、シリンダ内部に通じる複数の通路(48)が設けられており、該通路(48)は、前記ロータ(124)の端面側の通路開口(127)に管路接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のシリンダ。
【請求項14】
シート状の基材(02)を加工および/または処理するための機械(01)であって、基材供給部(13)と、運搬経路において前記機械(01)を通して案内される基材(02)の少なくとも第1の側にm個の列およびn個の行の割付け面(09)をマトリックス状に印刷しかつ/または印刷することができる少なくとも1つの印刷ユニット(04)と、加工された基材(02)を束にまとめることができる製品受け部(22)と、基材経路内の前記基材供給部(13)と前記製品受け部(22)との間で前記基材経路内に設けられた少なくとも1つの運搬シリンダ(26;17;152;12)と、を備える、機械(01)において、前記運搬シリンダ(26;17;152;12)は、請求項1から13までのいずれか1項に記載のシリンダ(26;17;152;12)により形成されていることを特徴とする、機械(01)。
【請求項15】
記運搬シリンダ(26)は、印刷ユニット(04)と製品受け部(22)との間に設けられた、磁性のまたは磁化可能な粒子(P)を方向付けるための方向付け装置(07)の磁石シリンダ(26)として形成されており、該磁石シリンダ(26)はその外周面の領域に、軸線平行に延在する行および周方向に延在する列で配置された、n×m(n,m∈N)の数のマトリックス状に配置された複数の磁石要素(24)を備え、かつ/または前記運搬シリンダ(17)は、前記印刷ユニット(04)のインプレッションシリンダ(17)として、印刷ユニットシリンダ(14)に支えとして用いられ、該印刷ユニットシリンダ(14)と共に印刷箇所(11)を形成しており、かつ/または前記運搬シリンダ(152)は、検査シリンダ(152)として、搬送される前記基材(02)に支持体を提供していて、検査装置の構成部材として、前記基材経路に向けられたセンサ装置(153)と協働することを特徴とする、請求項14に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、吸込み空気開口を備えた、シートを加工および/または処理する機械用のシリンダ、ならびに請求項15の前提部に記載の、このようなシリンダを備えた、シート状の基材を加工および/または処理するための機械に関する。
【0002】
独国特許発明第102018212429号明細書によって、印刷機械であって、スクリーン印刷ユニットと、印刷インキまたはニス中に含まれる磁性のまたは磁化可能な粒子を方向付けるための装置と、を備え、この装置は、周面に、磁場を生じさせる複数の要素を備えたシリンダを備え、要素は、軸線方向に位置調整可能な複数のリング状要素に配置されている、印刷機械が公知である。リング状要素は、シリンダ被覆体の高さに吸込み空気開口を有しており、この吸込み空気開口は、搬送されるシートを保持するために働き、ロータリフィードスルーを介して負圧管路または負圧源に管路接続されているかまたは管路接続可能である。
【0003】
独国特許発明第112012006348号明細書は、複合印刷機械に関し、特に、回転するシリンダ外体の周面に吸込み開口を備えた磁石シリンダを開示しており、吸込み開口には、回転中、内部に所定の角度範囲にわたって延在する空気チャンバから、角度範囲の通過時に吸込み空気が供給される。空気チャンバは、内側の軸に固く取り付けられた、軸線方向に延在する2つの分割条片によって画定されている。
【0004】
独国特許発明第102012220401号明細書によって、印刷シートを運搬するために用いられるトランスファドラムであって、内管と、この内管に対して同軸にこの内管に回動可能に配置された外管と、を有し、この外管は周面に吸込み開口を備える、トランスファドラムが開示されている。相対回動不能な内管に対して同軸に、この内管と回動可能な外管との間に、内管に対して相対的に、制限された回転角だけ調整可能な中間管が配置されており、この中間管はその内壁でもって内管の周壁面を取り囲んでいる。中間管は、周方向に少なくとも1つの溝を有しており、この溝は、内管または中間管の周面の単に一部に沿って延在しており、中間管の回動によって周方向におけるその位置ひいては吸込み空気を通流させるための角度範囲の位置を変化させる。
【0005】
独国特許出願公開第1917795号明細書は、吸込み空気により作業する、シート状の物体用の運搬装置であって、半径方向の通路を備えたロール周壁が、ロータリ弁の形態で回転可能に内側ステータに支承されており、この内側ステータはその内部に、吸込み空気源に常に接続された吸込み管路を有する、運搬装置に関する。
【0006】
独国特許発明第102014001969号明細書は、シート運搬ドラムの判型変換のための装置であって、空気圧用のノズル通路を備えた外側スリーブと、このノズル通路を判型に応じて覆うためのカバーセグメントを備えた内側スリーブと、を有する、装置に関する。
【0007】
本発明の根底にある課題は、吸込み空気開口を備えた、シートを加工および/または処理する機械用のシリンダ、ならびにこのようなシリンダを備えた、シート状の基材を加工および/または処理するための機械を提供することである。
【0008】
この課題は、本発明によれば、請求項1または請求項15の特徴によって解決される。
【0009】
本発明により得ることができる利点は、例えば、シリンダが、特にコントロールされない運動を実施してしまうことなく、シート運搬をシリンダ上で特に正確かつ/または確実に行うことができることにある。このことは、少なくとも所定の回転角フェーズにわたるシリンダへの吸着によって達成される。
【0010】
シート運搬を、特に別のシート搬送手段からの受取りおよび/または別のシート搬送手段への引渡しに関して最適化することができることが、特別に有利である。このことは、特に、吸込み開口がアクティブにされて、つまり、負圧が加えられた状態で、回転角フェーズが、少なくともある程度の限度内でシリンダの回転軸線を中心としたその位置および/または大きさに関して可変であることによって達成可能となる。
【0011】
好適には端面側で、シリンダを駆動する軸に、または端面側のシリンダピンに相対回動不能に配置すべきロータリフィードスルーによって、手間のかかるシリンダ組込み体および/または調整機構が不要となり、かつ/またはロータリフィードスルーの、既存のシリンダへの後付けが可能となる。
【0012】
本発明に係る、シートを加工および/または処理する機械用のシリンダは、周面に保持手段を備え、この保持手段によって、シリンダを介して搬送すべき基材シートが、この基材シートの前方の端部でもって受け取られ、シリンダの回転中、基材シートの受取りと下流側での引渡しとの間の回転角範囲にわたって保持されるかまたは保持可能であり、ロータリフィードスルーを備え、このロータリフィードスルーを介して、特に入口側で負圧が加えられておりかつ/または吸込み空気源に接続されているときに、シリンダの周面に設けられた複数の吸込み開口に、シリンダのアクティブなかつ/または規定の回転角フェーズ中、負圧が供給可能であり、このロータリフィードスルーは、少なくとも、規定のかつ/またはアクティブな回転角フェーズの大きさを規定する、吸込み空気を通過させるための角度セクタ、略して通過角セクタの大きさ、および/または規定のかつ/またはアクティブな回転角フェーズの位置を規定する通過角セクタの位置に関して調整可能である。
【0013】
位置および/または大きさに関して可変の回転角フェーズ、または位置および/または大きさに関して可変の通過角セクタを有する上述した解決手段は、以下に同じく記載する、リング状要素を固定するクランプ装置および/または以下に同じく記載する、構成ユニットとしての磁石要素および吸込み要素の構成、および/または以下に同じく記載する、軸線方向および/または周方向での個々のまたは全ての磁石要素の可動性、および/または以下に同じく記載する、磁石要素または構成ユニットをクランプするクランプ装置に関連して、基材を加工しかつ/または処理する際の、特に光学的可変の画像要素を製作する際の高い精度および/または良好な調整可能性に関して有利である。
【0014】
好適な構成では、シリンダは磁石シリンダとして形成されていて、その外周面の領域にマトリックス状に複数、例えばn×m(n,m∈N)の磁石要素を備えており、これらの磁石要素は、軸線平行に延在する行および周方向に延在する列で配置されていて、外方に向けられた吸込み開口を備えた吸込み要素を有している。有利な改良形態では、周方向に延在する列の磁石要素のうちの複数または全てが、シリンダ軸に取り付けられた、各々のオープンリング状または閉じたリング状の支持要素に接してまたは支持要素上に配置されており、このリング状の支持要素は、周方向で見て、相前後して複数のチャンバを備えており、これら複数のチャンバは、それぞれ互いに独立して、相応の管路経路を介して、一方では、ロータリフィードスルーのロータに管路接続されていて、他方では、周面に開口した吸込み開口の少なくとも1つの群に管路接続されている。
【0015】
本発明に係る、特にシート状の基材を加工および/または処理するための機械は、基材供給部と、初期基材がウェブ状である場合は、例えばクロスカッタと、運搬経路において機械を通して案内される基材の少なくとも第1の側にm個の列およびn個の行の割付け面をマトリックス状に印刷しかつ/または印刷することができる少なくとも1つの印刷ユニットと、加工された基材を束にまとめることができる製品受け部と、基材経路内の基材供給部と製品受け部との間で基材経路内に設けられた少なくとも1つの運搬シリンダと、を備えており、運搬シリンダは、上述したように、吸込み開口と、この吸込み開口に管路接続されたロータリフィードスルーと、を備えて形成されている。
【0016】
更なる詳細および実施変化形態は実施例から知ることができる。
【0017】
本発明の実施例を図面に示し、以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】基材に光学的可変の画像要素を生成するための機械の一実施例を示す図である。
図2】印刷要素において光学的可変のコーティング剤が印刷された基材の概略図であり、a)には、まだ配向されていない磁性のまたは磁化可能な粒子を備えた状態が示してあり、b)には、ここでは例えば数字の「1」の形態になるように画像付与する部分を方向付けた後の状態が示してある。
図3】後方の端部に向かって台形状に拡幅された基材シートを伴う例を示した、画像付与する印刷ユニットシリンダと、磁石要素を有するシリンダと、による印刷プロセスおよび下流側での方向付けプロセスの概略図である。
図4】磁石シリンダの一実施例の斜視図である。
図5】周方向で相前後して例示的に複数の磁石要素が装着された支持要素の詳細図である。
図6】1つの磁石要素が装着された支持要素の、図5に比べて狭幅の構成の断面図である。
図7図4に示したシリンダの縦断面の一部を示す図である。
図8】吸込み空気開口を選択的に開閉する弁の一実施例を示す図である。
図9】1つの磁石要素と1つの吸込み要素とを備える、より簡素な構成の作用ユニットの一実施例を示す図である。
図10図9に示した作用ユニットを磁石およびハウジングなしで示す平面図である。
図11】磁石要素を軸線方向で調整するための調整機構を認めることができる、1つの磁石要素と1つの吸込み要素とを備える作用ユニットの一実施例の断面図である。
図12】磁石要素を周方向で調整するための調整機構を認めることができる、1つの磁石要素と1つの吸込み要素とを備える作用ユニットの一実施例の断面図である。
図13】作用ユニットを取り付けるかまたは取り外しかつ/または位置決めするための組付け補助手段の斜視図である。
図14図13に示した組付け補助手段が載着された、リング状要素に配置された作用ユニットの斜視図である。
図15】6つのリング状要素が装着されたシリンダ内体の斜視図である。
図16】シリンダ内体と、このシリンダ内体に配置されたリング状セグメント状の支持要素と、この支持要素に配置された、例えば10個の作用ユニットと、を備えたシリンダの横断面図である。
図17】支持要素用の固定装置を拡大して示す部分図である。
図18】支持要素用の固定装置の詳細を示す部分図である。
図19】ロータリフィードスルーの運転時に回転しないステータへの、シリンダに対する端面側の結合部の斜視図である。
図20図19に示したロータリフィードスルーの運転時に回転しない部分を、外方に延長している軸と共に示す図である。
図21図20に示したロータリフィードスルーの、2つの部分から形成されたステータの拡大部分図である。
図22】ステータを調整するための調整手段への、ロータリフィードスルーを備えるシリンダのための結合部の斜視的な側面図である。
【0019】
好適には、ウェブ状または特にシート状の基材02、例えば特にシート状の被印刷物02に光学的可変の画像要素03を生成するための、基材02を加工および/または処理する機械01、特に有価証券機械01、例えば印刷機械01、特に有価証券印刷機械01は、例えば、光学的可変のコーティング剤06、例えば光学的可変の印刷インキ06またはニス06を少なくとも1つの塗工箇所、例えば印刷箇所11において基材02、例えば被印刷物02の少なくとも一方の第1の側に全面にわたってまたは部分領域で印刷画像要素08の形態にて被着することができる塗工装置04、例えば印刷ユニット04と、光学的可変の画像要素03を生成するための機械01の場合は、基材02に被着される光学的可変のコーティング剤06中に含まれていて、光学的可変性をもたらす粒子Pを方向付けるための装置07と、を備えている(例えば図1を参照)。この装置07を、以下では、略して方向付け装置07と呼ぶこともあれば、粒子Pの規定の方向付けにより光学的可変のパターンまたはモチーフのための画像付与を生じさせる理由から、画像付与する方向付け装置07とも呼ぶこともある。被印刷物02への、粒子Pを含んだコーティング剤06の塗工と、これに続く、当初ランダムに配向されていた粒子Pの、画像付与する方向付けにより得られた画像要素03とは、例えば、図2に数字の「1」の表示に基づき概略的に示してある。図2において、a)には、コーティング剤06が被着されていて、例えば、まだランダムに配向されて存在している状態が示してあり、b)には、画像付与する方向付けが行われた状態が示してある。
【0020】
方向付け装置07による処理前に塗工装置04により基材02に被着された、可変のコーティング剤06から成る印刷画像要素08は、大きさおよび位置に関して、生成すべき光学的可変の画像要素03に相当していてもよく、場合により、これより大きくてもよく、場合により、複数の割付け面09の面積にわたって延在していてすらよい。より大きな印刷画像要素08の場合は、例えば、光学的可変のコーティング剤06によりコーティングされた面全体に方向付けによって光学的可変の画像要素03は生成されない。
【0021】
光学的可変性をもたらす粒子Pとして、ここでは、コーティング剤06、例えば印刷インキ06またはニス06中に、以下で略して磁性のフレークとも呼ぶ磁性のまたは磁化可能な球形でない粒子P、例えば顔料粒子Pが含まれている。
【0022】
機械01は、好ましくは、割付け面09、例えば有価証券09、特に銀行券09を製造するように構成されている。製造には、特に、複数の有価証券09の印刷画像を備えた有価証券中間製品の製造、例えば被印刷物02、特にウェブ状またはシート状の被印刷物区分02、特に被印刷物シート02の形態の製造も含まれている。基材02は、例えばセルロースまたは好適には木綿繊維をベースとしたまたは少なくとも含む紙によって形成されていてもよく、プラスチックポリマーによって形成されていてもよく、これらのハイブリッド製品によって形成されていてもよい。基材02は、コーティング前に、上述した塗工装置04内にコーティングされずに存在していてもよく、すでにコーティングされていてもよく、基材02には、印刷が行われていなくてもよく、すでに上流側の1つ以上のプロセスで1回以上印刷が行われていてもよく、基材02は、別の形態で機械的に加工されていてもよい。ウェブ状の基材02の長手方向区分またはシート状の基材02のシートにより形成された被印刷物区分02には、好適には、マトリックス状に複数の割付け面09、例えば製造すべき銀行券09またはその印刷画像が、運搬方向Tに対して横方向に延在する行で相並んでかつ運搬方向Tに延在する列で相前後して配置されているか、または基材02の加工の途中に配置される(例えば図2および図3を参照)。
【0023】
印刷機械01として形成された機械01は、基本的には、任意の印刷法の1つ以上の印刷ユニット04を備えていてよい。しかしながら、図示の構成では、機械01は、便宜上、光学的可変のコーティング剤06を被印刷物02の第1の側に塗工するかまたは塗工することができる印刷ユニット04、特にフレキソ印刷法または好適にはスクリーン印刷法に従って作業する印刷ユニット04を備えている。上述した印刷法、特にスクリーン印刷法によって、例えば、別の印刷法に比べて大きな層厚さが施与可能となる。この場合、基材02または被印刷物02の「第1の側」という表現は任意に選択されていて、ここでは、被印刷物02の、方向付け装置07により下流側で処理すべき光学的可変のコーティング剤06が塗工されているかまたは塗工されたか、または塗工されてよい側を表している。
【0024】
図示の好適な構成では、印刷機械01は、好適にはシートフィーダ13として形成された基材供給部13を備えており、この基材供給部13から、例えばシート状の被印刷物02として形成された基材02が、場合により別の印刷ユニットまたは加工ユニットを経て、光学的可変のコーティング剤06を塗工する少なくとも1つの印刷ユニット04、例えばフレキソ印刷ユニットまたは好適にはスクリーン印刷ユニット04に供給されるかまたは供給されてよく、この印刷ユニット04は、印刷ユニットシリンダ14、特に版シリンダ14、例えばスクリーン印刷シリンダ14と、1つの共通のシリンダ17、例えばインプレッションシリンダ17と、の間に、被印刷物02の、例えば第1の側に印刷を行うための印刷箇所11を形成している(例えば図1を参照)。
【0025】
好適には、印刷ユニット04は、画像付与するシリンダとして、以下で印刷主体18とも呼ぶ、特に同形のかつ/または同様の、多数の画像付与する印刷要素18または特に同形のかつ/または同様の、画像付与する印刷要素18または印刷主体18の群を周面に備えた版シリンダ14を備えており、画像付与する印刷要素18または印刷主体18は、印刷画像長さに相当する周長さにおいて、運搬方向Tに対して横方向で互いに離間させられた複数、例えば幾つか、例えば4~8、特に5~7、例えば6の列と、印刷画像幅に相当するシリンダ幅において、運搬方向Tで互いに離間させられた複数の行とで配置されている。印刷主体18は、フレキソ印刷に従って作業する印刷ユニット04の場合は、凸版印刷レリーフの形態で形成されており、スクリーン印刷に従って作業する印刷ユニット04の好適な場合は、スクリーン印刷版の形態で形成されている。
【0026】
光学的可変のコーティング剤06を塗工する印刷ユニット04から、被印刷物02は、搬送手段、例えば、運搬シリンダ12として形成された1つ以上の搬送装置12を介して方向付け装置07に供給可能である。ウェブ状の被印刷物02の場合は、搬送手段は、強制駆動のかつ/または非駆動の1つ以上のロールによって形成されていてもよい。
【0027】
以下に詳しく説明する方向付け装置07を通過した後、被印刷物02は、直接または別の搬送手段、例えば別の運搬シリンダを介して別の、例えば第2の搬送装置21に供給可能であり、この搬送装置21によって、機械01内で処理および/または加工された被印刷物02を受け取るための製品受け部22、シート状の被印刷物02の場合はパイルデリバリ22に供給可能である。シート状の被印刷物02の好適な場合は、ここでは、搬送手段として、シート搬送手段、例えば1つ以上のトランスファシリンダもしくはトランスファドラム、またはここで説明しているように、例えばグリッパ循環コンベヤ21として形成された搬送装置21、特にチェーングリッパシステム21が設けられており、このシート搬送手段によって、被印刷物シート02は、方向付け装置07の運搬経路区分から、場合により1つ以上の別の運搬シリンダを介して受け取られ、例えばパイルデリバリ22に供給される。
【0028】
方向付け装置07から離れる方向に延在する運搬経路には、被印刷物02の第1の側に向けられた1つ以上のドライヤ23、例えば放射ドライヤ23を備えた少なくとも1つの乾燥装置と、場合により、冷却装置(図示せず)、例えば冷却ロールと、が設けられていてよい。一改良形態では、方向付け装置07とパイルデリバリ22との間の運搬経路に検査装置、例えば、シリンダ152、例えば運搬シリンダ152、特に検査シリンダ152と協働するセンサ装置153、例えばカメラ153、特にラインカメラ153が設けられていてよい。
【0029】
有利な改良形態では、印刷ユニット04と方向付け装置07とは、例えばモジュールの形態で構造的にまとめられて、光学的可変の画像要素を生成するための装置16を形成していてよい。一改良形態では、このような装置16は、例えば、機械01内に複数回相前後して設けられていてよい。モジュールの形態の有利な構成では、装置16は、上流側および下流側で延長している搬送システムの対応するインタフェースに対する入口側および出口側のインタフェースによって、装備すべき機械01の運搬経路内に接合されているかまたは接合可能である。
【0030】
以下に詳しく説明する方向付け装置07は、その構成、実施変化形態または構造において、確かに、基本的に任意であるが、しかしながら、好適には、上述した機械01または印刷機械01に設けられているかまたは設けられてよい。
【0031】
光学的可変の画像要素03を形成するための、例えば、光学的可変の効果を、例えば印刷画像要素08の形態で予め基材02、特に被印刷物02に被着された光学的可変のコーティング剤06に形成するための方向付け装置07は、規定の運搬経路を備えており、この運搬経路に沿って、方向付け装置07を通して搬送すべき基材02は、第1の側に光学的可変のコーティング剤06を有する処理すべき基材02が供給されるかまたは供給可能となる入口領域から、作用要素24として磁場を提供する要素24、略して磁石要素24を備える方向付け機構26と規定の形式で相互作用関係を成すかまたは相互作用関係を成してよく、好適には、これによって、方向付け機構26の、画像付与する方向付けのために用いられる磁石要素24と、粒子Pを含む印刷インキ06が印刷された被印刷物02とが、少なくとも運搬経路の一区分において互いに同期して運動させられる。方向付け機構26は、ここでは、磁気的に有効なシリンダ26、略して磁石シリンダ26として形成されており、このシリンダ26は、周面に磁石要素24のアレイを有しており、また、シリンダ26を介して、被印刷物02が、方向付け装置07の入口領域から出口領域の方向に案内または搬送される。
【0032】
磁石要素24は、1つ以上の部分から成る磁石27自体によって直接形成されていてもよく、好適には1つ以上の磁石27を備えていてもよく、この磁石27は、保持体28内にまたは保持体28に接して、例えば台座28上にまたは台座28内に、好適には解離可能に配置されている。磁石27とは、ここでは、概して、持続的にまたは切換可能に少なくとも運搬経路の側へと、特にコーティング剤06内に含まれる粒子Pを、ここで説明したように、上方で案内される基材02に方向付けるために十分に強い磁場を生じさせる磁気的に有効な装置を意味している。この場合、磁石27は、彫込み部を有するかまたは有しない1つ以上の永久磁石、電磁石または1つ以上の永久磁石および/または1つ以上の電磁石の組合せによって形成されていてよい。単一の磁石であるか、複数の磁石、例えば永久磁石および/または電磁石の組合せであるかに左右されることなく、以下で磁石27という表現は、明示的に別のことを記載しない限り、同じ磁石要素24に割り当てられた、全体として1つの磁気的なユニットを形成する複数の磁石27も意味している。磁石要素24には、例えば、同じ割付け面09に2つの異なる箇所において各々の磁場を作用させるべき場合に使用することができるような、磁石要素24に含まれる、互いに離間させられた、1つ以上の部分から成る複数の磁石27を備えた構成も含まれている。この場合、このような磁石27または同じ磁石要素24の複数の磁石27のアレイは、磁石要素24のハウジング38内に収容されていてよく、このハウジング38は、例えば保持体28から解離可能にこの保持体28内にまたは保持体28上に配置されている。
【0033】
運搬経路には、基本的には、このような2つの磁石シリンダ26が設けられていてもよく、これら2つの磁石シリンダ26は、運搬経路に沿って搬送すべき基材02の同じ側または互いに異なる側に配置されている。
【0034】
有利な構成では、方向付け装置07には、乾燥および/または硬化装置19、例えば放射ドライヤ19、特にUV放射ドライヤ19、略してUVドライヤ19が割り当てられており、この放射ドライヤ19は、好適にはUV-LEDドライヤ19として形成されており、かつ/または運搬経路内の、基材02が磁石シリンダ26と協働する箇所に向けられている。
【0035】
磁石シリンダ26は、搬送すべき基材02の運搬経路において、好適には基材の第2の側に配置されており、これによって、基材02は、第1の、特に上流側においてインラインで光学的可変のコーティング剤06によりコーティングされた側でもって、この磁石シリンダ26を通過するときに、特に磁石シリンダ26を介して運搬するときに、外方に向けられている。
【0036】
磁石シリンダ26は、1つまたは好適には複数の部分から成るシリンダボディ29を備えており、このシリンダボディ29に接してまたはシリンダボディ29上に磁石要素24が、好適には解離可能に配置されている。1つまたは好適には複数の部分から成るシリンダボディ29は、回転可能に架構内に支承可能であるかまたは支承されている。この場合、シリンダボディ29という用語には、閉じられた構造、つまり、多少なりとも閉じられたシリンダ周壁面を有する閉じられた構造だけでなく、開いた構造、つまり、骨組み状またはフレーム状の構造物、例えば図4に示した例も含まれている。
【0037】
磁石シリンダ26は、基材経路に向かい合う面の領域、例えば外周面の領域、特にシリンダボディ29の外側の円筒形の包絡面の領域に複数の磁石要素24を有しており、これらの磁石要素24は、通過する被印刷物02に被着されたコーティング剤06の磁性のまたは磁化可能な粒子Pの少なくとも一部を配向するために用いられる。
【0038】
特にここで好適な図示の、基材区分ごとに、例えば被印刷物シートまたは基材シート02ごとに複数の割付け面09がある場合は、シリンダボディ29に、軸線方向で見て、特に被印刷物区分02における列数に相当する数m(m∈N>1)の複数の列または群が、特に処理すべき被印刷物区分02における割付け面09の行数に相当する数n(n∈N>1)の、軸線平行に延びるそれぞれ複数の行と共に、または基材02の運搬方向Tおよび/またはシリンダ26の周方向で見て、1つの列または群内で相前後して配置された磁石要素24が設けられているかまたはマトリックス状に配置されており、つまり、外周面にマトリックス状にn×m、言葉で表すとnかけるm(n,m∈N)の数の磁石要素24が設けられている。これらの磁石要素24は、好ましくは、列または群ごとに同じ数nの磁石要素24が周面に設けられており、軸線平行に延在する行で配置されているように、かつ/または特に、これによって、基材02上で展開して、運搬方向Tでの基材位置とシリンダ角位置との間の適正なレジスタを前提として、基材02に磁場を作用させるべき画像要素03のパターンに対応するように配置されている。行または列での配置とは、磁石要素24が、場合により一部で補正または位置調整目的のために軸線平行な方向で互いに僅かにずらされている場合の相応の格子状またはマトリックス状の配置も意味している。この場合、列または群の、相前後して配置されたn個の磁石要素24は、場合により部分的に補正または位置調整目的のために相互に僅かにずらされている場合でさえ、周方向において、例えば少なくとも、円形の周線に沿った展開において少なくとも互いに交差しかつ/または処理すべき基材02の同じ列の割付け面09内に位置することになるように、相前後して配置されている。軸線平行な配置に対しても、周方向での僅かな相互のずれが存在する場合、相応のことが当てはまる。
【0039】
このように形成された磁石シリンダ26を介して基材02を案内し、その際、例えば、第1の基材側が第1のシリンダ26を介した運搬時に外方に向けられていることによって、割付け面09に設けられた画像要素03の領域での粒子Pの方向付けまたは配向が磁石要素24により、つまり、ここでは例えば基材02を通して達成可能となる。
【0040】
この場合、列または群の数mは、例えば、4~8、特に5および7、例えば6であり、かつ/または1つの列または群の磁石要素24の数nは、例えば、2~12、有利には5~10である。磁石シリンダ26またはそのシリンダボディ29は、好適には、種々異なる要求に適合させるために、列または群の数mおよび/または行の数nもしくは1つの列、または群で相前後して配置された磁石要素24の数nが、例えば上述した境界の範囲内で可変となるように構成されている。
【0041】
好ましくは、磁石要素24は、好適には相応の保持体28内にまたは保持体28に接して、この保持体28と一緒にシリンダ26に解離可能に配置されているかまたは配置可能であり、これによって、磁石要素24は、組付け状態で、シリンダ26の周面における規定の場所に配置可能であり、好ましくは、完全にシリンダ26から取外し可能であり、かつ/またはシリンダ26の周面に軸線方向および/または周方向で位置決め可能である。
【0042】
上述したマトリックス状の配置のために、磁石要素24は、1つのシリンダボディ29に接してまたはシリンダボディ29内に配置かつ支承されていてよく、これによって、少なくとも磁石要素24の同じ列または群の別の磁石要素24に対して相対的にその軸線方向の位置に関して、1つ以上の部分から成るシリンダボディ29に対して相対的に可変にこのシリンダボディ29に接してまたはシリンダボディ29内に支承されている。このことは、例えば、シリンダボディ29の周面に軸線方向に延在するガイドを介して実現されていてよく、このガイド内またはガイド上に、該当する磁石要素24が間接的にまたは直接支承されており、それぞれ異なる軸線方向の位置に移動可能である。このようなガイドは、基本的には、1つの行の個々の磁石要素24に対して個別に設けられていてもよいが(例えば、図11に示した構成を参照)、しかしながら、場合により、1つの同じ行の複数または全ての磁石要素24に対して一貫して設けられていてもよい。この場合は、ガイドは、軸線方向に延在する上述した支持要素に設けられていてもよく、この支持要素は、同じ行の全ての磁石要素24を支持している。
【0043】
有利な構成では、各行または好適には各列の磁石要素24は、場合により、以下に詳しく記載する、軸線方向および/または周方向に延在する、行または列の個々のまたは全ての磁石要素24の独立した位置決め可能性に対して付加的に、全体的にかつ隣り合った行または列に左右されることなく、磁石シリンダ26またはシリンダボディ29において、行の場合は周方向の位置に関して可変であり、ここに図示した群としての列の場合は軸線方向の位置に関して可変である。群としてまとめられた行の場合(図示せず)では、特に複数、好適には全ての行の磁石要素24が、それぞれ例えば軸線方向に延在する支持要素に行ごとに、周方向に共通に位置決め可能な群としてまとめられている。群としてまとめられた列の好適な場合は、特に複数、有利には、少なくとも3つの列のうちの、少なくとも端面に一番近い両方の列、有利には全ての列が、群としてこのように軸線方向に可動に磁石要素支持体29内にまたは磁石要素支持体29に接して、特にシリンダボディ29内にまたはシリンダボディ29に接して支承されている。
【0044】
群にまとめられた列の好適な場合は、磁石要素24は、間接的にまたは直接、複数、例えば、例えば4~8、特に5~7、例えば6の数mの、軸線方向で互いに離間させられた、好適には上述した部分または好適には全体的に軸線方向でシリンダ内体32、特に軸線方向に延在するシリンダ軸32、略して軸32に位置決め可能な、好ましくはリング状の支持要素31内にまたは支持要素31に接して、例えばここではリング状要素31内にまたはリング状要素31に接して配置されていてよいかまたは配置可能であってよく、この場合、このリング状要素31内にまたはリング状要素31に接して、やはり、それぞれ複数、例えば、2~12、有利には5~10の磁石要素24が、周方向で相前後して、好適には少なくとも部分的にまたは全体的に周方向で位置決め可能に配置されているかまたは配置可能である(例えば図4および図5を参照)。
【0045】
磁石シリンダ26は、ウェブ状の基材02の場合は、この基材02に作用する保持手段一切なしに、例えば、周方向で閉じられたリング状要素31を備えて形成されていてよい。シート状の基材02のここで好適な場合は、シリンダ26の周面に、好ましくは保持手段33、例えば、いわゆるグリッパ条片のグリッパ33が設けられており、この保持手段33によって、シリンダ26を介して搬送すべき基材シート02の前方の端部が受け取られ、シリンダ26の回転中、所定の回転角範囲にわたって保持されてよいかまたは保持される。この場合、このように形成された磁石シリンダ26は、同時に基材02の運搬に用いられる。この場合、リング状要素31は、例えば、例えば図4および図5に認めることができるように、保持手段33を収容するために、周方向で中断されている。したがって、ここでは、「リング状の」支持要素または「リング状要素」という用語には、明確に区別しない場合、閉じられていない、つまり、リングセグメント状の要素も含まれている。図5には、場合により、例えば、図15図18の実施例に関連して示されており、図1図14に示した構成にも適用可能であるような、固定に用いられる固定手段は示されていない。
【0046】
磁石シリンダ26の特に有利な構成では、複数または全ての磁石要素24に対して、シリンダボディ29に接してまたはシリンダボディ29内に上記の意味で列および行にマトリックス状に位置決めされたかまたは位置決め可能な、以下で作用ユニット36、特に磁石ユニット36とも呼ぶ個々の構成ユニット36が設けられており、この構成ユニット36は、それぞれ少なくとも1つの磁石要素24と、それぞれ少なくとも1つの吸込み要素34と、を備えている。
【0047】
磁性のまたは磁化可能な粒子Pを方向付けるための装置07の特に好適な構成では、磁石要素24のm個の列のうちの複数、好適には全てにおいて、それぞれ複数、特に全ての相前後して配置された磁石要素24が、少なくとも1つの割り当てられた吸込み要素34と共に作用ユニット36としての各々の構成ユニット36にまとめられており、それ自体全体としてかつ別の全てのこのような作用ユニット36からそれぞれ独立して周方向に位置決め可能であり、かつ/またはシリンダ26から解離可能である。
【0048】
作用ユニット36は、それぞれ1つの磁石要素支持体37を備えており、この磁石要素支持体37に接してまたは磁石要素支持体37内に、その外方に向けられた面において、磁石要素24が配置されている。少なくとも1つの吸込み要素34は、磁石要素支持体37の一部として、この磁石要素支持体37に一体化されていてもよく、別個の部材として磁石要素支持体37に配置されていてもよい。好適には、作用ユニット36は、シリンダボディ26の軸線方向で見て、磁石要素24の両側に、それぞれ少なくとも1つの吸込み要素34を備えている。各々の吸込み要素34は、外方に向けられた、つまり、シリンダ26の外側に向けられたかつ/またはシリンダ被覆体の高さに位置する表面に複数の吸込み開口42を備えており、これらの吸込み開口42は、例えば、吸込み要素34に設けられた吸込み空気通路39(例えば図11を参照)を覆う、好適には吸込み通路39の上方に解離可能に固定されたカバー要素41に設けられている。図面には示されていない通路アセンブリは、各々の吸込み空気通路39から作用ユニット36を通って底部側の管路インタフェース43に通じており、この管路インタフェース43は、例えば、シリンダ内部の方向に開放した少なくとも1つの空所43(例えば図11を参照)によって、作用ユニット36の、シリンダ内部に向けられた底部に形成されている。この少なくとも1つの空所43またはここではこれにより形成された、作用ユニット36に割り当てられた管路インタフェース43によって、通路アセンブリと吸込み空気通路39とを介して接続された吸込み開口42から空気を吸い込むことができる。
【0049】
作用ユニット36は、基本的には、図示していない実施形態において、軸線方向に延在するシリンダ内体32、特に軸32の、例えば円筒形の周壁面44にマトリックス状に間接的にまたは直接配置されていてよいかまたは配置可能であってよい。1つ以上の作用ユニット36は、例えば、磁石要素24を間接的にまたは直接支持する長手方向区分に、吸込み空気を案内する管路インタフェース46として、半径方向外側に向けられた吸込み空気開口46を有しており、この吸込み空気開口46は、例えば、半径方向に延在するフィードスルー47、例えば孔47を介して、例えば軸線方向で軸32に延在しかつ少なくとも1つのシリンダ端部から吸込み空気を供給するべき通路48、例えば吸込み空気通路48に管路接続されている。
【0050】
作用ユニット36が、軸線方向に延在するシリンダ内体32または軸32の上述した周壁面44にマトリックス状にダイレクトに、つまり、直接配置されているかまたは配置されてよい場合は、作用ユニット36は、この作用ユニット36の底部に設けられた管路インタフェース43、ここでは、例えば各々の作用ユニット36の底部に設けられた上述した空所43の自由横断面が、例えば軸32に設けられた吸込み空気開口46により形成された管路インタフェース43の少なくとも1つにオーバラップするように、周壁面44に位置決めされているかまたは位置決めされる。上述した空所43は、ここでは、例えば、底部側で周壁面44により画定されたチャンバ43を形成しており、この場合、空所43を全周にわたって取り囲む壁が、作用ユニット36の基礎領域において、軸32の周壁面44の向かい合った領域と共に、チャンバ43をリング状に密封する封止面を形成している。空気は、この構成では、該当する吸込み要素34に設けられた吸込み開口42から、吸込み空気通路39と通路アセンブリとを介して、例えば作用ユニット36の、空所43により形成された管路インタフェース43と、シリンダ内体32の少なくとも1つの吸込み空気開口46と、吸込み空気通路48と、を介して吸い込まれる。このような構成のために、例えば、例えばクランプ結合手段またはねじ締結手段の形態の適切な固定手段が設けられていてよく、この固定手段によって、各々の作用ユニット36は周壁面44に位置固定可能となる。
【0051】
しかしながら、ここに図示した特に有利な構成では、作用ユニット36が、シリンダ内体32または軸32の、吸込み空気開口46を有する区分に直接配置されていないかまたは配置可能ではなく、各列に対して設けられた作用ユニット36のうちの複数または好適には全てが、群として、すでに上述した、特にリング状の支持要素31、例えばリング状要素31に接してまたはリング状要素31上に配置されているかまたは配置可能であり、この場合、有利には、少なくともシリンダ内体32または軸32における、作用ユニット36の各群または各列を支持する、両側で一番外側の、しかしながら、好ましくは全ての支持要素31がその軸線方向の位置に関して可変となる。
【0052】
好適にはリング状の支持要素31またはリング状要素31は、内方に向けられた、つまり、組付け状態でシリンダ内体32または軸32に向けられた面と、外方に向けられた面とに、それぞれ該当する支持要素31に割り当てられた管路インタフェース49;51と、吸込み空気を通過させるために、内側の管路インタフェース49のうちの1つ以上を外側の管路インタフェース51のうちの1つ以上に接続する通路アセンブリと、を有している。この場合、内面には、管路インタフェース49として、例えば空所49が、シリンダ内部の方向に向けられた壁52に設けられており、この空所49は、それぞれリング状要素31に延在する1つ以上の通路53を介して、支持要素31を通って外側の管路インタフェース51に通じる、例えば半径方向に延在するフィードスルー54、例えば孔54に管路接続されている。個々の孔54の開口は、同時に外向きに有効な管路インタフェース51を成していてもよいが、好適には、孔54のうちの1つまたは特に複数は、外側でも、支持要素31の、外方に向けられた壁56に設けられた、例えば外側の管路インタフェース51を形成する空所51に通じている。
【0053】
特に以下で詳しく説明する、規定の回転角フェーズの通過中にのみ負圧を吸込み開口42に供給することに関して、リング状要素31は、1つ以上の内側の管路インタフェース49と、1つ以上の外側の管路インタフェース51と、の間に、特にそれぞれ半径方向で互いに反対側に位置する周区分においてセグメントごとに別個の管路接続部を備えていてよく、これによって、1つのセグメント45における1つ以上の内側の管路インタフェース49に負圧を加えることが、特に1つの別のまたは隣り合ったセグメント45の1つ以上の内側の管路インタフェース49への供給に左右されることなく、同じセグメント45に割り当てられた1つ以上の外側の管路インタフェース51への負圧の提供のみ生じさせる。このために、内側の管路インタフェース49と外側の管路インタフェース51との間に直接的な管路接続部が設けられていてよいか、または、例えば図5に示したように、セグメント45に割り当てられたチャンバ55が設けられていてよく、このチャンバ55は、互いにリング状要素31の外側の壁56と内側の壁52との間に延在する壁により互いに分離されている。この場合、このように形成されたセグメント45またはチャンバ55は、所望の段付けに応じて、周方向でより小さなまたはより大きな区分にわたって延在していてよく、かつ/または周方向で相前後して設けられた1つ以上の内側の管路インタフェース49および/または外側の管路インタフェース51を備えていてよい。この場合、規定のセグメント45における負圧または吸込み空気の供給は、シリンダ26の周面における対応する角度セグメントΔ内での吸込み開口42による吸込みを結果的に生じさせる。
【0054】
リング状要素31は、例えば周壁面44に、特に、リング状要素31の内面に設けられた1つ以上の各々の管路インタフェース49、ここでは、例えば、上述した空所49の自由横断面が、軸32またはシリンダ内体32に設けられた吸込み空気開口46のうちの少なくとも1つにオーバラップするように位置決めされているかまたは位置決めされる。この場合、上述した空所49は、例えば、底部側で周壁面44により画定されたチャンバ49を形成しており、この場合、リング状要素31の、内方に向けられた壁52の、空所49の外側に位置する面が、リング状要素31の、内方に向けられた側において、周壁面44の向かい合った領域と共に、チャンバ49を密封する封止面を形成している。類似して、例えば、作用ユニット36は、特に、この作用ユニット36の底部に設けられた管路インタフェース43、ここでは、例えば、該当する作用ユニット36の底部に設けられた上述した空所43の自由横断面が、リング状要素31の、外方に向けられた側において、外側の管路インタフェース51のうちの少なくとも1つにオーバラップするように、リング状要素31の、外方に向けられた側に位置決めされているかまたは位置決めされる。この場合、空所43は、例えば、底部側で外側の壁56により画定されたチャンバ43を形成しており、この場合、空所43を全周にわたって取り囲む壁は、作用ユニット36の基礎領域において、支持要素31の壁56の向かい合った領域と共に、チャンバ43を密封する封止面を形成している。空気は、この構成では、該当する吸込み要素34に設けられた吸込み開口42から、吸込み空気通路39と通路アセンブリとを介して、例えばオーバラップした空所43および51により形成された管路インタフェース43;51と、リング状要素31の通路アセンブリと、例えばリング状内面に空所49により形成された管路インタフェース49と、少なくとも1つの吸込み空気開口46と、吸込み空気通路48と、を介して、例えばロータリフィードスルー123を介して、シリンダ26の外側に位置する吸込み空気源から吸い込まれる。吸込み空気源とは、吸込み開口42への相応の管路接続部を介して、周辺圧に比べて小さな圧力、つまり、負圧を、該当する吸込み開口42に生じさせる任意の形態の空気圧を減少させる装置を意味している。これは、例えば、真空ポンプであってもよく、場合により、負圧が供給される容器であってもよい。
【0055】
上述した第1の変化形態(支持要素31なし)に関連して、シリンダ内体32に設けられた吸込み空気開口46または管路インタフェース46の各々のパターンと、作用ユニット36の底部領域に設けられた協働する管路インタフェース43または空所43の位置および形状とは、好ましくは互いに調整されているため、周方向において、軸32に設けられた周方向で互いに離間させられた2つの吸込み空気開口46の少なくとも1つの調整範囲にわたる作用ユニット36の連続的な位置決めは、第1の変化形態では、該当する調整範囲に位置する各々の位置において、吸込み空気開口46または管路インタフェース46のうちの少なくとも1つが、作用ユニット36の下面によって完全に覆われる一方、少なくとも1つの吸込み空気開口46または管路インタフェース46の開口横断面が、少なくとも部分的に作用ユニット36の底部側の管路インタフェース43または空所43に同時にオーバラップしていることによって可能となる。
【0056】
第2の変化形態(支持要素31あり)に関連して、シリンダ内体32に設けられた吸込み空気開口46または管路インタフェース46の各々のパターンと、支持要素31の内面に設けられた協働する管路インタフェース49または空所49の位置および形状と、一方では支持要素31の外面、他方では作用ユニット36の底部領域に設けられた協働する管路インタフェース51;43または空所51;43の位置および形状とは、好ましくは互いに調整されているため、周方向において、支持要素31の外面に設けられた少なくとも2つの管路インタフェース51または空所51の調整範囲にわたる第2の変化形態における作用ユニット36の連続的な位置決めは、支持要素31の外面に設けられた少なくとも1つの管路インタフェース51または空所51が、作用ユニット36の下面によって完全に覆われる一方、支持要素31の外面に設けられた少なくとも1つの管路インタフェース51または空所51の開放横断面が、少なくとも部分的に、作用ユニット36の底部側の管路インタフェース43または空所43に同時にオーバラップしていることによって可能となる。
【0057】
可変の位置決めに関連して、特に有利な改良形態では、シリンダ内体32の軸線方向および/または支持要素31における周方向で、運転に関する個々の特殊な構成のために必要となる箇所よりも多くの箇所に、管路インタフェース46;51が設けられている。しかしながら、作用ユニット36またはリング状要素31により覆われていない管路インタフェース46;51を通して誤入空気を吸い込まないようにするために、閉鎖手段57;58が設けられており、この閉鎖手段57;58によって、作用ユニット36または支持要素31により覆われていない管路インタフェース46;51に供給するフィードスルー47;54が、シリンダ内体32および/または支持要素31の外周面において選択的に閉鎖可能となる。閉鎖手段57;58は、最も単純な場合は、閉鎖のために、該当するフィードスルー47;54内に挿入され、必要に応じて再びフィードスルー47;54から取り出される一種の栓体であってよい。
【0058】
しかしながら、好適には、選択的に閉鎖すべきフィードスルー47または54に、例えば弁57;58として形成された閉鎖手段57;58が設けられており、この閉鎖手段57;58は、フィードスルー47または54内で、作用ユニット36または支持要素31により全く覆われないかまたは部分的にのみ直接覆われているフィードスルー47または54から閉鎖位置に移動させられているかまたは移動可能である一方、フィードスルー47または54のうちの少なくとも幾つかは、作用ユニット36または支持要素31により完全に覆われた管路インタフェース46;51から通過位置に移動させられているかまたは移動可能である。
【0059】
このような閉鎖手段57;58の好適な構成は、弁57;58の形態で形成されており、この弁57;58は、取出しまたは挿入を必要とすることなしに、選択的に通過位置と閉鎖位置とに移動可能である。有利な構成では、特に孔47;54として形成されたフィードスルー47;54が、内法の横断面の側でのみ、シリンダ内体32または支持要素31の、吸込み側に続く通路48;53に管路接続されている。弁57;58は、例えば、特に有利な構成では、スリーブ57;58によって形成されており、このスリーブ57;58は、一方の側に、側方の壁62に設けられた切欠き61を有しており、この切欠き61は、通過位置を表す回転位置において、吸込み側でシリンダ内体32内または支持要素31内に続く通路48;53への経路を開放する一方、別の回転位置において、スリーブ壁を通して、該当する通路47;54への接続を遮断する。有利な構成では、スリーブ状の弁57;58は、例えば少なくとも組付け状態でさらに外側に位置する区分に、工具59に係合可能な操作インタフェース63を有しており、この操作インタフェース63を介して、弁57;58が、特に取り出す必要なしに、対応する工具59によって通過位置と閉鎖位置との間で回動可能となる。対応する工具インタフェース対59,63として、ここでは、例えば、多角レンチ59と、スリーブ57;58に設けられた、多角穴63として形成された内周区分63と、が使用される。
【0060】
シリンダ26の改良形態では、構成ユニットまたは作用ユニット36のそれぞれ2つの列または群の間に、それぞれ1つの支持要素66が設けられており、この支持要素66は、シリンダ被覆体の高さに、シリンダ26を介して搬送される基材02を支持するための支持面67;68を有している。この場合、この支持面67は、円環状の支持ディスク64の、外方に向けられた円筒形の面67であってもよく、支持ディスク69に配置された、例えばプラスチックまたは金属から成る支持プレート71の、外方に向けられた面68であってもよい。この場合、「円環状」または「リング状」という用語には、周において完全には閉じられていない、つまり、円環セグメント状の支持ディスク69も含まれている。
【0061】
1つの群の複数または全ての磁石要素24が、1つの共通のリング状の支持要素31に接してまたは支持要素31上に支承されていて、支持要素31に周方向で位置決め可能となる、磁石要素24をシリンダ26に固定するための特に有利な構成では、磁石要素24または磁石要素24を支持する磁石要素支持体37が、軸線方向で見て両側にそれぞれ少なくとも1つのクランプ要素72;73、例えばクランプレバー72;73を備えており、このクランプ要素72;73の、クランプのために有効な端部のそれぞれは、組付け状態でリング状の支持要素31の各々の端面に周方向で延在しかつ内方に向けられた、つまり、その面法線においてシリンダ内部に向けられた、かつ/またはクランプ位置にあるクランプ要素72;73との協働により磁石要素24または磁石要素支持体37の半径方向の取出しを阻止する当接面74;77に下方から係合する。この場合、この当接面74;77は、特に有利な構成では、支持要素31において端面側で周方向に延在する溝76;78の、内方に向けられた面であってよく、この面には、クランプ要素72;73がその有効な、例えば爪状またはクランプ状の端部で係合する。この場合、周方向に延在する当接面74;77または溝76;78には、好適には全周にわたってまたは図示のように関連する円弧区分にわたって連続する当接面74;77または溝76;78のほかに、場合により中断された、複数の円弧区分において連続する当接面74;77または溝76;78も含まれている。しかしながら、後者は、周方向での位置決めの可変性を限定することがある。「内方に」向けられた面とは、ここでは、狭義に半径方向内側に向けられた面のほかに、この面に対して傾けられた面、つまり、この面の面ベクトルが、シリンダ内部に向けられているものの、好適には、端面ごとに全周にわたって延在する面としてシリンダ軸線上の同じ箇所に集束させられており、これによって、クランプ要素72;73に、半径方向の取出しと逆向きのストッパを提供する面も意味している。特に固着の安定性を高めるための有利な実施変化形態では、各側に、周方向で互いに離間させられた2つのクランプ要素72;73または互いに離間させられて支持要素31と協働する2つの爪を備えたクランプ要素72;73が設けられている。
【0062】
クランプ要素72;73は、基本的に一腕状のレバー72;73として形成されていてもよいが、好適には、磁石要素24もしくはその保持体28、または磁石要素24を備える構成ユニット36に支承された軸81、例えば旋回軸81を中心として旋回可能な二腕状のレバー72;73の形態で形成されており、このレバー72;73のうちの、シリンダ中間のより近くに位置するレバーアームは、当接面74;77と協働する、例えば爪状またはクランプ状の部分を有しており、より外側に位置するレバーアームは、操作に用いられる。好適には、クランプ要素72;73には、自縛式に、例えばレバー72;73、特により外側に位置するレバーアームと、磁石要素24もしくは保持体28、または構成ユニット36と、の間で有効なばね要素79、特に圧縮ばね79によってばね予荷重が加えられており、これによって、クランプ要素72;73は、静止状態、つまり、操作なしの状態では、クランプ位置にあり、磁石要素24もしくは保持体38、または構成ユニット36を支持要素31に保持している。説明した固定装置が、以下で詳しく説明する組付け補助手段97と一緒に特別な利点を提供する。
【0063】
図示の固定手段72;73,74,77による上述した形態の固定は、確かに、基本的には、上述した構成ユニット36、特に作用ユニット36の構成および/または吸込み空気案内路または吸込み空気供給路の特殊な形態および/または個々の磁石要素24の、以下で詳しく説明する軸線方向の可動性および/または周方向における個々の磁石要素24の、以下で詳しく説明する可動性に左右されないが、しかしながら、有利には、これらに関連している。クランプ要素72;73によって、外部から結合を解離することが可能となり、このために、該当する磁石要素24を取り出す必要はない。連続的な調整可能性によって、まさに、該当する磁石要素24を周方向で、場合によりまだ存在する摩擦力に対して、しかしながら、例えば傾倒、滑落または落下のリスクなしに位置決めすることができる範囲で、解離を行うことができる。
【0064】
図面、例えば図11図12および図14の一部には、任意選択的に設けられた線路84が示してあるかまたは略示してあり、この線路84は、磁石27が磁石要素24内でモータによって回転可能に形成されている場合は、モータに信号および/または電気的なエネルギーを供給する。
【0065】
すでに図2および図3に関連して上述したように、版シリンダ14の周方向に延在する、画像付与する印刷主体18の各列は、基材02に相前後して設けられたかまたは設けるべき割付け面09の同じ列に該当している。これらの割付け面09は、理想的には、運搬方向Tに沿って互いに整合していて、一様の幅を有している。これと異なる場合、例えば、上流側のプロセスにおいてまたは別の機械的または物理的な負荷によって、場合によりすでに当初割付け面09のパターンで印刷が行われた基材02の台形状の変形が生じている場合は、このように変化させられる幾何学形状に、版シリンダ14における印刷主体18の相応に変化させられた配置によって対応することができる。この場合、個々の列の印刷主体18は、例えば、周方向で互いに厳密に整合しているのではなく、例えば部分的に周線に対して僅かに傾けられた螺旋上に位置している(例えば、より良好な知覚のために、図3に誇張して示した)。この場合、基材02における割付け面09の幅は、例えば、基材区分または基材シート02の前方の端部から後方の端部に増加するか、または例えば印刷機械01の入口側における相応の逆向きの供給時には、場合により減少する。しかしながら、場合により個々の磁石要素24の軸線方向の位置と、基材02への磁石要素24の作用のための目標位置と、の間の相対位置におけるずれに対する別の理由、例えば、シリンダ26における磁石要素24の、僅かに欠陥を伴う軸線方向の位置決め等があることもある。
【0066】
したがって、基本的には、上述した構成ユニット36における磁石要素24の配置および/または上述した固定装置の構成および/または周方向における調整可能性に左右されないものの、好ましくは、記載した有利な実施形態のうちの1つ以上に関連して、特に有利な構成では、少なくとも、磁石要素24の、周方向に延在する列または群のうちの複数、好ましくは全てにおいて、磁石要素24のうちのそれぞれ少なくとも1つが、同じ列または群のうちの少なくとも1つの別の磁石要素24に左右されることなく、少なくとも軸線方向に調整可能または可動に間接的にまたは直接磁石シリンダ26のシリンダボディ29に支承されている。好適には、同じ群の複数、有利には1つを除く少なくとも全て、しかしながら、特に有利には全ての磁石要素24が、この群の別の磁石要素24に左右されることなく、軸線方向に可動に、かつ/または少なくとも3つの列または群の、少なくとも端面に最も近い両方の、特に全ての列または群の複数、有利には1つを除く全てのまたは全ての磁石要素24が、各列または各群の別の磁石要素24に左右されることなく、軸線方向に可動に、シリンダボディ29内にまたはシリンダボディ29に接して支承されている。これによって、軸線方向の位置への個々の磁石要素24の、上述したランダムなまたは系統的な相対ずれを後調整または補正することができる。特に、直接または上述した支持要素31を介して間接的にシリンダボディ29に設けられた磁石要素支持体37を介した磁石要素24の、上述した間接的な支承に関連して、このような軸線方向に調整可能な磁石要素24は、好適には、該当する磁石要素支持体37において、この磁石要素支持体37に対して相対的に軸線方向に調整可能である。
【0067】
n×mのマトリックス状に配置された磁石要素24を備えたシリンダ26の特に有利な構成では、同じ列内で相前後して設けられた少なくとも2つまたは全ての磁石要素24が、上述した共通の支持要素31に接してまたは支持要素31上に支承されており、この支持要素31と一緒にかつ隣り合った群に左右されることなく、シリンダ26内でのまたはシリンダ26に接する軸線方向の位置に関して可変であり、この場合、これに対して付加的に、これらのまたは好適には各列の少なくとも2つまたは好適には全ての磁石要素24が、互いに独立して周方向で共通の支持要素31に位置決め可能なかつ/または支持要素31から解離可能な各々の磁石要素支持体37に配置されており、該当する磁石要素支持体37に軸線方向において、例えば全体的に少なくとも1mm、好適には少なくとも2mmの調整範囲内で調整可能に支承されている。
【0068】
つまり、この構成では、軸線方向に可動の磁石27または保持体28が、割り当てられた磁石要素支持体37を介して間接的に支持されており、この磁石要素支持体37は、少なくとも軸線方向可動の各々の磁石要素24を支持しており、好適にはそれ自体周方向で可変にリング状要素31に位置決め可能である。
【0069】
簡単かつ簡素な実施形態(例えば図10を参照)では、各々の磁石要素24または保持体28が、磁石要素支持体37もしくはその保持体28内にまたは磁石要素支持体37もしくはその保持体28上に固定手段83、例えばねじ83によって、固定を少なくとも部分的に緩めた後、例えば、相応の工具によりねじ83を少なくとも部分的に緩めることによって、磁石要素24または保持体28が解放され、その後、少なくとも磁石要素支持体37における関連する調整範囲内で軸線方向に可動となるように固定されている。例えばねじ83として形成された固定手段83には、例えば、磁石要素24の取外し後にこの磁石要素24を収容する保持体28の底部領域に設けられた長穴82として形成された空所を通してアクセス可能である。
【0070】
しかしながら、軸線方向での磁石要素24または磁石要素24に含まれる保持体28の運動または調整は、好適には、例えば純粋に手を用いたかつ/または工具なしの運動と異なり、機械的な、特に伝動装置を備える調整手段86,87,89を介して行われる。
【0071】
軸線方向運動を生じさせる調整手段86,87,89は、任意の適切な機構または伝動装置によって実現されていてよいが、図示の特に有利な場合は、特に磁石要素24または磁石要素24を支持する保持体28の、特に入口側の回転運動を線形運動に、例えば間接的にまたは直接変換する伝動装置、特に偏心駆動装置を備えており、この偏心駆動装置は、例えば偏心的に支承された軸区分86によって形成される偏心体86の回動運動を、ここでは軸線方向に延在する、偏心体周壁側の作用面との接触を介して間接的にまたは直接作用結合された、線形可動に磁石要素支持体37内にまたは磁石要素支持体37に接して支承されたキャリッジ87、例えば、磁石要素24またはその保持体28を間接的にまたは直接支持する支持要素87の線形運動に変換する。この場合、偏心体86はその回動軸線でもって、好適にはシリンダ26に対して半径方向に延在しており、かつ/または外方に向けられたシリンダ側から間接的にまたは直接操作可能である。このために、例えば、偏心体86を備えるかまたは外向きに延長している軸89がその外方に向けられた端部の領域に、操作インタフェース88、例えば多角穴88を有しており、この操作インタフェース88は、対応する工具、ここでは、例えば多角レンチによって操作可能、特に旋回可能である。回動軸線でもって半径方向に位置する偏心体86に対して代替的に、接線方向の位置または接線に対して平行な位置も可能であり、この場合、偏心体86は、例えば、周方向に向けられた側からまたはアングル伝動装置を介して外側から操作可能である。
【0072】
軸線方向での調整範囲は、中間位置から見て、例えば少なくとも±1.0mm(つまり、全体的に少なくとも2mmの調整距離)、好適には少なくとも±1.2mm、例えば±1.5mmである。
【0073】
少なくとも1つの吸込み要素34を備える作用ユニット36としての上記の構成では、一実施変化形態において、少なくとも1つの吸込み要素34が、磁石要素24と一緒に磁石要素支持体37において軸線方向に可動であってよい。この場合、例えば相対的に可動の封止面またはフレキシブルな管路を介した相応の吸込み空気フィードスルーが設けられてよい。
【0074】
シリンダ26の周方向での個々の磁石要素24の位置と、運搬方向Tでの基材02への作用に対する目標位置と、の間の相対位置にずれが存在することがあり、このずれは、種々異なる理由、例えば、シリンダボディ29または特に場合により設けられる支持要素31における粗いかつ/または手を用いた事前位置決めの制限された可能性を有していることがある。
【0075】
したがって、基本的には、上述した構成ユニット36における磁石要素24の配置および/または上述した固定装置の構成および/または軸線方向における上述した調整可能性に左右されないものの、好ましくは、記載した有利な実施形態のうちの1つ以上に関連して、特に有利な構成では、少なくとも、磁石要素24の、軸線方向に延在する複数、好適には全ての行において、磁石要素24のうちのそれぞれ少なくとも1つが、同じ行のうちの少なくとも1つの別の磁石要素24に左右されることなく、少なくとも周方向に調整可能または可動に間接的にまたは直接磁石シリンダ26のシリンダボディ29に支承されている。好適には、複数、特に全ての行において、同じ行の複数、有利には1つを除く少なくとも全て、しかしながら、特に有利には全ての磁石要素24が、この行の別の磁石要素24に左右されることなく、軸線方向に可動に支承されている。
【0076】
これに代えてまたはこれに対して付加的に、マトリックス状に配置された磁石要素24を備えたシリンダ26の特に有利な構成では、同じ列内で相前後して設けられた少なくとも2つの磁石要素24が、シリンダ26に周方向で互いに独立して位置決め可能な互いに異なる磁石要素支持体37上にまたは磁石要素支持体37内に配置されており、この場合、各々の磁石要素支持体37に配置された少なくとも2つ、特に全ての磁石要素24は、磁石要素24を支持する磁石要素支持体37に対して相対的に周方向に、例えば全体的に少なくとも1mm、好適には少なくとも2mmの調整範囲内で調整可能に支承されている。このことは、好適には、全ての列の少なくとも2つまたは全ての磁石要素24に当てはまる。
【0077】
周方向での磁石要素24または磁石要素24に含まれる保持体28の運動または調整は、ここでは、例えば純粋に手を用いたかつ/または工具なしの運動と異なり、好適には機械的な、特に伝動装置を備える調整手段91,92,94を介して行われる。
【0078】
周方向での調整または調整運動には、ここでの意味では、円弧状の軌道での運動のほかに、明示的には、周面において、該当する調整範囲にわたって接線方向または接線に対して平行に延在する直線状の運動軌道に沿った運動も含まれている。ここでは、関連する調整範囲が、シリンダ直径に対して比較的、通常、極めて小さいことによって、線形の調整距離は、通常、許容できないほど大きな結像誤差をもたらさない。
【0079】
周方向での運動を生じさせる調整手段91,92,94は、任意の適切な機構または伝動装置によって実現されていてよいが、図示の特に有利な場合は、特に磁石要素24または磁石要素24を支持する保持体28の、特に入口側の回転運動を線形運動に、例えば間接的にまたは直接変換する伝動装置、特に偏心駆動装置を備えており、この偏心駆動装置は、例えば偏心的に支承された軸区分91によって形成される偏心体91の回動運動を、偏心体周壁側の作用面との接触を介して間接的にまたは直接作用結合された、線形可動に磁石要素支持体37内にまたは磁石要素支持体37に接して支承されたキャリッジ92、例えば、磁石要素24またはその保持体28を間接的にまたは直接支持する支持要素92の線形運動に変換する。線形運動は、上記の意味では、労力ゆえに好適な直線状の運動であるが、場合により円弧上での運動であってもよい。偏心体91はその回動軸線でもって、好適にはシリンダ26に対して半径方向に延在しており、かつ/または外方に向けられたシリンダ側から操作可能である。このために、例えば、偏心体91を備えるかまたは外向きに延長している軸94がその外方に向けられた端部の領域に、操作インタフェース93、例えば多角穴93を有しており、この操作インタフェース93は、対応する工具、ここでは、例えば多角レンチによって操作可能、特に旋回可能である。回動軸線でもって半径方向に位置する偏心体91に対して代替的に、接線方向の位置または接線に対して平行な位置も可能であり、この場合、偏心体91は、例えば、周方向に向けられた側からまたはアングル伝動装置を介して外側から操作可能である。
【0080】
周方向での調整範囲は、中間位置から見て、例えば少なくとも±1.0mm(つまり、全体的に少なくとも2mmの調整距離)、好適には少なくとも±1.2mm、例えば±1.5mmである。
【0081】
少なくとも1つの吸込み要素34を備える作用ユニット36としての上記の構成では、一実施変化形態において、少なくとも1つの吸込み要素34が、磁石要素24と一緒に磁石要素支持体37において周方向に可動であってよい。この場合、例えば相対的に可動の封止面またはフレキシブルな管路を介した相応の吸込み空気フィードスルーが設けられてよい。
【0082】
各々の磁石要素支持体37における磁石要素24の調整可能性が、軸線方向でも周方向でも想定されている場合は、両方のキャリッジ87;92が、交差ガイドの形態で間接的にまたは直接上下にかつ/または互いに重なり合って配置されていてよい。
【0083】
上述した実施変化形態では、軸線方向および/または周方向での該当する磁石要素24の調整が、一改良形態において、遠隔操作可能なそれぞれ1つの駆動手段、例えば、偏心体86;91を、例えば減速機を介して駆動する電動モータによって行われてよい。
【0084】
基本的には、上述した構成ユニット36における磁石要素24の配置および/または軸線方向における上述した調整可能性および/または周方向における上述した調整可能性に左右されないものの、好ましくは、記載した有利な実施形態のうちの1つ以上に関連して、すでに上述した組付け補助手段97が設けられており、この組付け補助手段97は、磁石要素24もしくは磁石要素24を支持する磁石要素支持体37、または磁石要素24を備える構成ユニット36に載置可能であり、また、組付け補助手段97によって、両側のクランプ要素72;73と支持要素31との間のクランプ嵌めまたはクランプ結合が解離可能となる。好適には、クランプは、組付け補助手段97または組付け手段97に含まれる、特に手動操作可能な駆動手段102によって、磁石要素24またはこれを備える構成ユニット36が支持要素31から取外し可能となるように解離可能かつ開放可能であるだけでなく、中間位置では、クランプの強さもしくは開度において、磁石要素24または構成ユニット36がまだ完全には自由でないものの、全体的に周方向で支持要素31に位置決め可能となる程度に解離可能でもある。この場合、開度は、まさに、確かにまだクランプ要素72;73同士の間に接触があるものの、場合によりまだ存在する僅かな摩擦力を凌駕した場合に位置決めが可能となるように調整可能であってよい。このためには、操作アーム98が、駆動手段102によって、好適には連続的に、クランプ要素72;73が支持要素31に対して完全なクランプ力を発揮するクランプ位置と、磁石要素24またはこれを支持する磁石要素支持体37が支持要素31から取外し可能となる程度にクランプが緩められた位置と、の間の調整距離にわたって位置決め可能である。
【0085】
シリンダ外面からの簡単な操作および/または特にこのような規定の開放も実現することができるようにするために、組付け補助手段97は、該当する磁石要素24または該当する構成ユニット36に載置可能であるベース104のほかに、半径方向で磁石要素24または構成ユニット36の両方の端面に延在しかつ操作のために1つ以上の各々の端面側のクランプ要素72;73に作用結合可能であるかまたは作用結合される操作アーム98を両方の端面に備えている。さらに、組付け補助手段97は、上述した駆動手段102、特に調整駆動装置102を備えており、この駆動手段102または調整駆動装置102によって、操作アーム98は、例えば、上述したばね力に抗して、磁石要素24または構成ユニット36が支持要素31に取付け可能となるかまたは支持要素31から完全に解離可能となるまでクランプ要素72;73を開放する第1の位置に移動可能であり、操作アーム98によって、クランプ力と逆方向に向けられた力をもはや受け止めることなくクランプ要素72;73が完全なクランプ力を支持要素31に発揮する第2の位置にまで移動可能である。好ましくは、駆動装置によって、介在する全ての位置に調整可能となる。
【0086】
二腕状のレバー72;73としてのクランプ要素72;73の上述した構成では、操作アーム98は、それぞれ間接的にまたは直接、より外側に位置するレバーアームに作用し、クランプ結合部を開放するために、駆動手段102によって互いに近づく方向に、つまり、それぞれ支持要素31の方向に可動であり、クランプ結合部を閉鎖するために、再び互いに離れる方向に可動である。相並んで配置されたそれぞれ2つのクランプ要素72;73の上述した場合は、これらのクランプ要素72;73は、例えば、より外側に位置する両方のレバーアームを互いに結合する連結部材96、例えば、外側の両方のレバーアームに支承された結合軸96を介して互いに連結されており、この結合軸96は、各々の操作アーム98に、例えば同時に作用点として働く。単一のクランプ要素72;73の場合は、各々の操作アーム98が、該当するクランプ要素72;73の、より外側に位置するレバーアームに間接的にまたは直接作用してよい。
【0087】
駆動手段102として、基本的には、互いに反対側の両方の操作アーム98を上記の意味で互いに近づく方向に運動させることができると共に互いに離れる方向に運動させることができる任意の駆動機構が可能である。しかしながら、ここでは、例えばねじ伝動装置において実現されているような自縛式の伝動装置を備えた駆動機構が好適である。したがって、駆動手段102は、例えば、操作アーム98を一方の側において支持する第1の部材99、例えば第1のブシュ99と、この第1の部材99に対して相対回動不能であるものの、軸線方向に可動に支承された、操作アーム98を他方の側において支持する第2の駆動部材99、例えば第2のブシュ101と、内部に形成されたねじ伝動装置と、を備えており、このねじ伝動装置によって、一方では、例えば手動式の操作インタフェース103、例えば回動グリップ103を介して回動可能なねじ山付きスピンドル(図示せず)と、駆動手段102の両方の部材99;101のうちの他方に設けられた雌ねじ山と、を介して、操作アーム98を支持する部材同士が、互いに離れる方向に、また、互いに近づく方向に可動となる。
【0088】
軸線方向の位置に関して可変の、特にリング状の支持要素31を備えた磁石シリンダ26の構成では、軸線方向に位置決め可能なこの支持要素またはリング状要素31が、基本的には、各々の支持要素31とシリンダ内体32との間の解離可能な結合と、軸線方向の相対運動と、を可能にするあらゆる形態で固定可能であってよい。特に、軸32に設けられた管路インタフェース46と、リング状要素31の、内方に向けられた壁52に設けられた協働する管路インタフェース49と、から成る、吸込み空気を通過させる管路インタフェース対の領域において、管路インタフェース46;49を取り囲む面が、吸込み空気通流に対して十分に閉鎖された封止面を互いに形成するように、結合によって押し合わされる結合が特に有利である。
【0089】
基本的には、上述した構成ユニット36における磁石要素24の配置および/または軸線方向における上述した調整可能性および/または周方向における上述した調整可能性および/または磁石要素24もしくは保持体29、または構成ユニット36をクランプするための上述したクランプ装置に左右されないものの、好ましくは、記載した有利な実施形態のうちの1つ以上に関連して、リング状要素31の固定のための好適な構成では、固定のために、締付け装置が設けられており、この締付け装置によって、支持要素またはリング状要素31が、上述した封止面を形成することができるように、特に軸32として形成されたシリンダ内体32に締付け可能となる。この場合、ここでは実際に円環セグメント状に、つまり、周面において完全には閉じられずに形成されたリング状要素31の、セグメント角範囲内のリング状要素31の内径が、協働する周面領域における、軸32として形成されたシリンダ内体32の外径よりも僅かに、例えば2~50μm、特に5~20μm大きいような構成が役立つ。
【0090】
特にすでに説明した、列内に配置された磁石要素24を備えたシリンダ26では、複数または全ての列の磁石要素24が、各群として各々の支持要素31に接してまたは支持要素31上に設けられている。各々の支持要素31は、ここでは、明示的には、リング状セグメント状の、つまり、周面区分または中間角にわたって中断されたリング状の支持要素31として形成されておい、製造回転方向Dに関して前方の端部106と後方の端部107とを有している。この場合、製造回転方向Dは、例えば、すでに上述したグリッパ条片の配置によって規定されており、このグリッパ条片は、セグメント状のリング状要素31の前方の端部106に、運転中に基材シート02を受け取るために開閉するグリッパ33を有している。各々の支持要素31は、シリンダ26に含まれるシリンダ内体32に解離可能にかつ解離状態でその軸線方向の位置に関して可変に配置されている。支持要素31をシリンダ内体32に所望の位置で固定するために、支持要素31が、シリンダ内体32におけるリング状セグメント状の支持要素31の前方の端部106と後方の端部107との間の領域でシリンダ内体32に組み付けられる場合、締付け装置108が設けられているかまたは設けられ、この締付け装置108によって、周方向で互いに離間させられた両方の端部106;107に、締付け装置108に含まれる調整手段109を介して、周方向で互いに近づく方向に向けられた力を加えることができる。これによって、セグメント状のリング状要素31が、場合により僅かな弾性変形を介して軸32の周壁面に密に押し付けられ、これによって、上述した封止面が提供されている。
【0091】
この場合、締付け装置108は、特に支持要素31の両方の端部106;107に作用し、締付け装置108に含まれる調整手段109を介して、両側の作用のために有効な長さに関して周方向で可変である。
【0092】
好適には、締付け装置108は締付け条片111を備えており、この締付け条片111は、支持要素31の前方の端部106と後方の端部107との間の領域でシリンダ内体32の周面に配置されており、少なくとも一方の側に向かって、シリンダ内体32に対する相対運動に対して周方向で位置固定されている。しかしながら、好ましくは、締付け条片111とシリンダ内体32とは、両方の回動方向で有効なストッパ対によって、周方向での回動に対して位置固定されている。このような位置固定は、例えば、ストッパ対として有効な、リング状要素31の内周線と、シリンダ内体32の外周線と、の対応し合うずれによって実現されていてよい。しかしながら、ここで図示した有利な構成では、このような相対的な回動防止は、一般に嵌合キー112とも呼ばれる、いわゆる嵌合要素112によるものであり、この嵌合要素112は、例えば、シリンダ内体32の周壁面にアンカ固定され、締付け条片111に設けられた切欠き、特に溝と適正に嵌合して協働するかまたはその逆も然りである。この場合、対応して協働する切欠きを備えた嵌合要素112は、シリンダ内体32への締付け条片111の簡単な半径方向の装着が可能となる点で有利である。回動防止に対して付加的に、固定手段(図示せず)、例えばねじが設けられていてよく、この固定手段によって、締付け条片11を半径方向でシリンダ内体32に固定することができる。
【0093】
この場合、好ましくは、締付け条片111は、締付け装置108の弛緩状態、つまり、力なしの状態において、直接または上述した固定手段を緩めた後、支持要素31がまだシリンダ内体32に残されている場合にシリンダ内体32から取外し可能であるか、またはリング状要素31がすでにシリンダ内体32に位置決めされている場合にシリンダ内体32において中断の領域で挿入可能である。
【0094】
有利な構成では、締付け装置108は、一方の端部107;106、好適には後方の端部107に静的に、つまり、締付け条片111と該当する端部107;106との間の不変の周面相対位置で作用し、他方の、好ましくは前方の端部106に調整手段109を介して間隔可変に、つまり、締付け条片111と該当する他方の端部106;107との間の可変の周面相対位置で作用する。つまり、例えば、作用点の調整によって、ひいては、該当する端部106;107は、締付け条片111の近くに向かって変位可能であるかまたは例えばリング状要素31における弾性的な戻し力によって、再び出発位置に戻ることができる。
【0095】
静的な作用のために、例えば、該当する端部107;106と締付け条片111との間で有効なストッパ対を介して、周方向で有効な形状接続が設けられている。ストッパ対106,107は、例えば、締付け条片111に設けられたフック状の張出し部と、この張出し部に逆方向で係合する、例えばリング状要素31の端部107に設けられた掛込み縁部117としてのフック状の張出し部117の、互いに向かい合った面によって形成されている。
【0096】
好適な構成では、該当する端部106;107への調整手段109を介した作用の場所は、周方向で見て、シリンダ内体32の周面に接する接線が調整手段109の調整方向に対して平行に延びる箇所に、まさにまたは少なくとも5°以下の偏差で位置している。これによって、ここに存在する小さな調整範囲において、調整手段109により締め付けられた端部106;107に実質的に接線方向で力が加えられ、これによって、場合により接線から逸脱する力方向により生じることがある、半径方向の変形を阻止することが可能となる。
【0097】
基本的には別の形態でも実現可能であるが、調整手段109は、好ましくは、締付け条片111に支持された、例えば手動で操作すべきねじ伝動装置113,114、例えば、締付け条片111に回動可能に支承されたねじ山付きロッド113、特にねじ113と、対応するねじ山114、例えばねじ山付きブシュ114と、によって、リング状要素31の端部領域に、または好適にはリング状要素31に作用する、ねじ伝動装置113,114を介してこのねじ伝動装置113,114の調整方向に位置可変の締付け手段116に直接形成されており、この場合、この締付け手段116は、周方向で有効なストッパ対を介して、該当する端部106と協働するように構成かつ配置されている。ストッパ対は、例えば、引張り条片116として形成された締付け手段116の互いに向かい合った面と、引張り条片116を収容するフック状の張出し部118とによって、例えば、掛込み縁部118として、リング状要素31に設けられて形成されている。
【0098】
有利な改良形態では、引張り条片116は、シリンダ軸線に対して垂直に延在する横断面で見て、少なくとも一部でもって、締付け条片111に設けられた、形状および横断面に対応する空所122または切欠き122内に進入しており、これによって、調整方向に沿った締付け条片116の、切欠き122を通してガイドされる運動が保証されている。
【0099】
基本的には、固定すべきリング状要素31ごとに、各々の締付け条片111および/または割り当てられた各々の締付け手段116が設けられていてよい。しかしながら、好適な構成では、シリンダ26の軸線方向で見て、シリンダ内体32に配置された複数または全ての支持要素31にわたって延在する締付け条片111および/またはシリンダ26の軸線方向で見て、シリンダ内体32に配置された複数または全ての支持要素31にわたって延在する締付け手段116が設けられている。この場合、リング状要素31に割り当てるべき調整手段109またはねじ伝動装置113,114の、数的または空間的な不変の割当ては不要となる。この場合、固定装置は、連続したまたは場合により分割された締付け装置108がそのクランプのために協働するリング状要素31の個数および位置に左右されることなく維持されたままであってよい。特に、引張り条片116なしの、つまり、リング状要素31に直接係合する調整手段109を備えた上述した締付け装置108は、可能な位置がねじ山付きロッド113用の穴間隔によって左右されているため、連続的な位置決め可能性のためには適していない。
【0100】
締付け条片111は、1つ以上の部分から成るグリッパ条片の基礎支持体を同時に形成するように配置かつ構成されていてよい。この場合、例えば、グリッパ軸119を支持する軸受121が、基礎支持体を形成する締付け条片111に配置されている。
【0101】
好適な構成では、このようなシリンダ26は、上述した機械01の構成部材であり、かつ/または特に有利には、軸線方向および/または周方向での各々の磁石要素支持体37における個々の磁石要素24の位置調整可能性のための、かつ/または各々の磁石要素24および吸込み要素34を備えた上述した作用ユニット36の形成のための、かつ/またはリング状要素31への個々の磁石要素24もしくはその保持体28、または磁石要素支持体37のクランプのための1つ以上の態様に関連している。
【0102】
基本的には、上述した構成ユニット36における磁石要素24の配置および/または軸線方向における上述した調整可能性および/または周方向における上述した調整可能性および/または磁石要素24もしくは保持体29、または構成ユニット36をクランプするための上述したクランプ装置および/またはリング状要素31を締付け装置によって固定するための上述した構成に左右されないものの、好ましくは、記載した有利な実施形態のうちの1つ以上に関連して、好適な構成では、シリンダ26、特に磁石シリンダ26が、吸込み開口42と、吸込み空気源または空気圧を減少させる装置に通じる相応の管路接続部と、を備えて形成されており、これによって、吸込み開口42が、規定のまたは規定可能な回転角フェーズ、つまり、シリンダ26の回転軸線を中心とした360°未満の規定のまたは規定可能な角度範囲の通過中または超過中にのみ吸込み空気源または空気圧を減少させる装置に管路接続されており、この場合、この角度範囲または回転角フェーズは、好ましくは、その位置および/または大きさに関して周方向で可変である。この場合、管路インタフェース123、特にロータリフィードスルー123が設けられており、この管路インタフェース123を介して、負圧が入口側に加えられたときに、シリンダ26の周面に設けられた吸込み開口42またはその一部に、シリンダ26の、例えば、負圧を加えることに起因してアクティブな回転角フェーズとも呼ばれるこの回転角フェーズの通過時に負圧が供給可能となり、この場合、ロータリフィードスルー123は、好適には、以下で略して通過角セクタΔΦと呼ぶ、吸込み空気を通過させるための、アクティブな回転角フェーズを規定する角度セクタΔΦの位置および/または大きさに関して調整可能である。
【0103】
この場合、シリンダ26の周面には、この周面または例えば少なくともシリンダ周面の半分にわたって延在する少なくとも1つの周面区分にわたって、個々のセグメントΔ、つまり、周面または前述した周面区分の部分区分(例えば図5を参照)に吸込み開口42が設けられており、こうして、有利には、吸込み開口42または吸込み開口42の群に、シリンダ26の周方向に連続する複数のセグメントΔ、例えば角度セグメントまたはリング状セグメントΔのうちの少なくとも1つのセグメントにおいて、周方向で隣り合ったセグメントΔに左右されることなく、負圧または吸込み空気が供給可能となり、つまり、吸込み空気源または空気圧を減少させる装置が管路接続可能または管路離脱可能となる。このためには、シリンダ26における互いに別々に供給を被ることができる角度セグメントΔに、例えば別個の管路経路を通して負圧または吸込み空気が供給可能となる。このことは、例えば、例えば有利な構成では、吸込み空気をセグメント化して通過させるための個々のセグメント45、例えば上記の構成では、分離されたチャンバ55に開口する吸込み開口の群を備えた、吸込み空気を案内するための、相応に周方向でセグメント化された構造体を介して実現されていてよい。
【0104】
吸込み空気を通過させるために、吸込み開口42または群は、シリンダ07に設けられた相応の管路、通路および/またはチャンバを介して、上述したロータリフィードスルー123に管路接続されており、このロータリフィードスルー123は、例えば、以下でロータリフィードスルー123のロータ124とも呼ぶ、シリンダ固定のかつ一緒に回転する部材124と、例えば、以下でロータリフィードスルー123のステータ126とも呼ぶ、運転時に架構固定の部材126と、を有している。後者は、組付け状態でロータ124と協働して、特にロータ124またはシリンダ26の回転軸線を中心とした位置に関する通過角セクタΔΦにおいて吸込み空気を通過させ、その吸込み側において、つまり、ロータリフィードスルーの吸込み側の出口でもって下流側で吸込み空気源に上記の意味で管路接続されているかまたは吸込み空気源に管路接続可能となる。
【0105】
この場合、シリンダ07の周方向で見て、複数または全ての連続する角度セグメントΔの吸込み開口42または吸込み開口42の群には、例えば、通過のための相応のセグメント45を介して、セグメントごとに互いに分離された管路経路を介して、特に複数の通路を備えて形成されたロータリフィードスルー123の各々の開口、例えば、回転する部材124、つまり、ロータ124の通路開口127が管路接続されており、これによって、互いに別個に相応の通路開口127と該当する管路経路とを介してセグメントごとに吸込み空気が供給可能となる。通路開口127は、好適には離心して、特に、シリンダ26の回転軸線またはシリンダ26の回転軸線に合致する軸線を中心として同心に配置されており、周方向で見て、対応する角度セグメントΔまたは割り当てられたセグメント45の順序および/または個数に対して同じ順序および/または個数で設けられている。
【0106】
ロータリフィードスルー123は、好ましくは、そのシリンダ固定の部材124でもって端面側で、軸32の側方の軸端部128によりまたは別の形態で形成されたシリンダピン128に、特にシリンダ端面に対して側方でかつ/またはシリンダスリーブの外側で相対回動不能に配置されている。この場合、通路開口127は、基本的には、ロータ124の周面に設けられていてよく、ロータ124を取り囲むステータ126の内周面に設けられた切欠きと協働してよいかまたはその逆も然りである。しかしながら、ここに図示した好適な構成では、通路開口127は、端面側にかつ上述したように離心して、特にロータ124における軸線に対して同心に設けられており、吸込み空気または負圧を通過させるために、端面側で、ステータ126の、離心して配置された1つ以上の切欠き129と協働する。後者は、吸込み側で相応の管路経路を介して吸込み空気源または空気圧を減少させる装置に接続されているかまたは接続可能であり、これらが、シリンダ26の回転軸線またはシリンダ26の回転軸線に合致する軸線を中心としたロータ124とステータ126との相対的な回動によって、少なくとも一時的に、吸込み空気を供給すべき角度セグメントΔまたはセグメント45の各々の通路開口127に少なくとも部分的に重なり可能となるように、離心して配置されている。通路開口127が少なくとも部分的に切欠き129または1つの切欠き129に重なる場合、該当する角度セグメントΔまたは相応のセグメント45において、吸込み開口42に吸込み空気または負圧が供給されているかまたは供給可能となる。
【0107】
好適な構成では、運転時に回転しないステータ126は、シリンダ26の回転軸線またはこれに合致する軸線を中心とした回転位置において調整可能であり、これによって、この回転軸線を中心として、通路開口127と通過のために協働する1つ以上の切欠き129の角度位置が可変となる。ステータ126に設けられた、円弧セグメントにわたって延在する切欠き129または切欠き129の群が、離心してロータ124にかつ上記のように相対運動により重なり可能に配置された通路開口127の群に向かい合って位置していると、ステータ126の回動を介して、1つの通路開口127が切欠き129または1つの切欠き129との重なり領域に進入する回転角位置が可変となる。ステータ126またはこのようなステータ126を備えるロータリフィードスルー123のこの形態では、ステータ126の回動によって、同時に、重なりからの進出の角度位置も同じ程度に変化させられる。ステータ126の回動を介して、通路開口127と通過のために協働する1つ以上の切欠き129の角度位置の調整を介して、通路開口129を介して吸込み空気または負圧を供給すべき角度セグメントΔまたはセグメント45の、順序および/または個数において相応に対応する配置を前提として、通過角セクタΔΦの位置ひいてはシリンダ26の回転軸線を中心とした上述したアクティブな回転角フェーズの位置が可変となり、この位置の範囲内で、吸込み開口42が、シリンダ26の回転時に通過中に吸込み空気源または空気圧を減少させる装置に管路接続されている。
【0108】
例えば、運搬すべき基材シート02のシート走行をさらに一層改善することができる特に有利な構成では、ステータ126が複数の部分から形成されており、これによって、吸込み空気が1つ以上の切欠き129を通過するための自由横断面が、例えば、1つ以上の切欠き129を備える第1のステータ部分131と、例えば、この第1のステータ部分131に対する相対的な回転位置に応じて、第1のステータ部分131の1つ以上の切欠き129の可変の部分を吸込み空気通流に対して閉鎖する第2のステータ部分132と、の間の相対的な回動運動を介して可変となる。この相対的な回動運動は、例えば、シリンダ26の回転軸線に対して平行な、特に整合した回動軸線を中心として、好ましくは、第2のステータ部分132の回動によって行われる。
【0109】
ロータリフィードスルー124は、複数の部分、特に2つの部分から成るこの構成では、両方のステータ部分131;132の位置決めを介して、それぞれ自体かつ互いに相対的に、アクティブな回転角フェーズの始端、つまり、シリンダ26の回転時に、吸込みを開始するための回転角と、アクティブな回転角フェーズの終端、つまり、シリンダ26の回転時に、吸込みを終了するための回転角とが、少なくとも1つの各々の調整範囲にわたって互いに独立して選択可能または調整可能となるように構成されている。
【0110】
図示の好適な第1の変化形態(例えば図19図21を参照)では、第1のステータ部分131が、好適には、その長さの少なくとも一部において円環セグメント状に周方向に延在する切欠き129を備えており、軸線方向で見て、ロータ124に直接隣り合って配置されており、これによって、ロータ124の通路開口127と、特に円環セグメント状の切欠き129の端面の開口とが、相応に適合する相対位置において、少なくとも部分的に直接向かい合って位置している。この実施変化形態において、第1のステータ部分131の、ロータ124と反対の側で端面に設けられた第2のステータ部分132は、回転位置に応じて、切欠き129の可変の部分またはその円環セグメント状に形成された部分をロータ124と反対の側で覆うカバー要素133、例えば、例えば閉じられた円環の内側に配置された円形ディスクセクタ133と、回動方向で見て、カバー要素133の一方の側に配置された遮断要素134と、を備えており、この遮断要素134は、切欠き129の横断面形状に関して円環セグメント状の長手方向延在に対して垂直に形状相補的に円環セグメント状の切欠き129または少なくともそのリング状セグメント状の区分に係合しており、これによって、切欠き129の内部での、この切欠き129の覆われた部分と空いた部分との間での自由な吸込み空気通流を阻止している。この場合、例えば公差に基づき、まだ残量が通流するかまたは通流することがある構成も含まれている。この場合、第1のステータ部分131と第2のステータ部分132との間の相対的な回転位置に応じて、吸込み側では、切欠き129の可変の部分が、軸線方向での吸込み空気通流に対して覆われており、切欠き129の覆われた部分から、切欠き129に係合した遮断要素134を通る吸込み空気の顕著な通流は、上記の意味で阻止されている。したがって、吸込み空気は、少なくとも言及に値する範囲内で、もはや空いた切欠き129の重なり領域でしか、ステータ126ひいてはロータリフィードスルー123を通流しない。切欠き129の、通路開口127と通過のために協働する空いた部分の、周方向で有効な大きさの変化を介して、吸込み開口42または基礎となるセグメント45がシリンダ26の回転時に通過中に吸込み空気源または空気圧を減少させる装置に管路接続される、シリンダ26の回転軸線を中心とした上述した回転角フェーズの位置の上述した変化に対して付加的に、第1のステータ部分131と第2のステータ部分132との間の相対的な回動によって、通過角セクタΔΦひいては上述したアクティブな通過角セクタΔΦの大きさが、周方向で可変となる。
【0111】
代替的な実施変化形態(図示せず)では、カバー要素133を備えた第2のステータ部分132が、ロータ124に直接隣り合って配置されており、第1のステータ部分131が、ロータ124から離れる方向に向けられた側に配置されており、カバー要素133として、例えば、例えば円環の内側に配置された円環セグメント133または配置された円形ディスクセクタ133が設けられており、しかしながら、この場合、ロータ124の側へのカバー要素133の配置に基づき、上述した遮断要素134は省かれてよい。
【0112】
ステータ126を調整するために、または2つの部分から形成されている場合は、少なくとも1つの切欠き129を有する第1のステータ部分131を調整するために、調整手段136,141、例えば、例えばステータ126または第1のステータ部分131に相対回動不能に結合された中空軸136またはスリーブ136の形態の調整軸136と、例えば、この調整軸136を旋回させることができる調整レバー141と、が設けられている。ステータ126または第1のステータ部分131を旋回させることによって、上述したように、少なくとも1つの切欠き129の角度位置ひいてはシリンダ26の回転時に開口に負圧または吸込み空気が供給される通過角セクタΔΦまたはアクティブな回転角フェーズの位置が可変となる。例えば再現可能性を改善するために、例えば、調整レバー141に結合された指針148が設けられていてよく、この指針148は、架構固定のスケール149と協働する。一体形のステータ126の場合は、吸込み空気の通過が、例えば、中空軸136として形成された調整軸139を通して行われてよい。不本意な変位を阻止するために、例えばねじニップルの形態のクランプ要素144が設けられていてよく、このクランプ要素144によって、調整レバー141を選択的に変位に対して位置固定することができる。
【0113】
ステータ126が、上述したような2つのステータ部分131,132を備えている場合には、例えば上述した中空軸136の内部に延在する別の調整手段137,139、例えば、第2のステータ部分132に結合された別の調整軸137、例えば、ステータ126と協働するロータ124とにより形成されるロータリフィードスルー123の吸込み側の出口から吸込み空気を通過させる中空軸またはスリット軸137と、例えば、例えば調整軸137を旋回させることができる別の調整レバー139と、が設けられている。第1のステータ部分131を同時に静止させたまま第2のステータ部分132を旋回させることによって、上述したように、周方向での切欠き129の、通流のための自由横断面の長さひいてはシリンダ26の回転時に開口に負圧または吸込み空気が供給される、ロータリフィードスルー123の通過角セクタΔΦまたはアクティブな回転角フェーズの大きさが可変となる。例えば再現可能性を改善するために、例えば、調整レバー139にスリーブまたはロッド146を介して結合された指針146が設けられていてよく、この指針146は、架構固定のスケール147と協働する。調整レバー139の不本意な変位を阻止するために、例えばねじニップルの形態のクランプ要素143が設けられていてよく、このクランプ要素143によって、調整レバー141を選択的に変位に対して位置固定することができる。
【0114】
両方の調整軸136;137の間には、それらを支承するために、架構固定されたスリーブが設けられていてよい。
【0115】
吸込み空気をロータリフィードスルー123内にまで通過させる管路接続部、例えば該当する調整軸136;137はその端部の領域で、例えば空気チャンバを介して吸込み空気管路142に管路接続されており、この吸込み空気管路142自体は、吸込み空気源または空気圧を減少させる装置に管路接続されている。
【0116】
シリンダ26は、組付け状態で、例えば1つ以上の軸受シェル151内に収容されており、この軸受シェル151は、側方架構内に回転可能に、ここでは示されていないラジアル軸受を介して支承されており、この場合、ロータ124(例えば図4または図15を参照)とステータ126(例えば図19または図20を参照)とは、端面側で、上述したように、吸込み空気を通過させるために協働する。
【0117】
吸込み開口42または吸込み開口42の群を備えたシリンダ26の上記の構成に対して説明した、上述したアクティブな回転角フェーズ、つまり、シリンダ26の回転軸線を中心とした360°未満の規定のまたは規定可能な角度範囲の通過中または超過中にのみ吸込み空気源または空気圧を減少させる装置に管路接続されており、この場合、通過角セクタΔΦまたはアクティブな回転角フェーズが、好ましくは、周方向での位置および/または大きさに関して可変であることは、確かに、磁石シリンダ26としてのシリンダ26の好適な構成に関連して上述したが、しかしながら、別の特に有利な構成では、別のシリンダ12;17;153、特に運搬シリンダ12;17;153として有効な、例えば、シートを加工および/または処理する機械01、特に有価証券機械01、例えば印刷機01または特に有価証券印刷機01の、周面に基材シート02を有するシリンダ12;17;153を把持するための保持手段33にも異論なく転用可能に適用することができる。
【0118】
この場合、機械01は、上記のように、例えば、上記のように形成された磁石シリンダ26を備えて形成されていてよい。しかしながら、これに対して付加的にまたはこれに代えて、シート状の基材02の場合、運搬シリンダ17として有効なインプレッションシリンダ17および/または運搬シリンダ152として有効な、上述したセンサ装置153、例えばカメラ153、特にラインカメラ153と協働するシリンダ152、例えば検査シリンダ152が、上述した構成で吸込み開口42または吸込み開口42の群を備えて形成されていてよく、これらの吸込み開口42は、上述したアクティブな回転角フェーズ、つまり、シリンダ26の回転軸線を中心とした360°未満の規定のまたは規定可能な角度範囲の通過中または超過中にのみ吸込み空気源または空気圧を減少させる装置に管路接続されており、この場合、回転角フェーズは、好ましくは、周方向での位置および/または大きさに関して、磁石シリンダ26の例において上述したように可変である。これら全てのシリンダ26;17;152には、これらのシリンダ26;17;152が、基材シート02に作用するかまたは基材シート02を検査する装置の構成部材であり、特に確実な載置と、最適化されたシート引渡し特性と、を必要とすることが共通している。
【0119】
基本的には、位置および/または大きさに関するアクティブな回転角フェーズの上述した調整可能性は、最適化可能な引渡し特性のため、基材シートのトランスファのほかに別の機能を果たす必要がない純粋な運搬シリンダ12に対しても有利であり得る。
【0120】
特に有利な改良形態では、シリンダ26;17;152;12の端面ごとに、このようなロータリフィードスルー123が設けられており、これによって、例えば両側から、該当する吸込み開口42または吸込み開口42の群にアクティブな回転角フェーズで負圧が供給されるかまたは供給可能となる。この場合、負圧は、チャンバ55に両側から供給可能であってもよく、軸線方向で分割されて別々に供給可能であってもよい。
【符号の説明】
【0121】
01 機械、有価証券機械、印刷機械、有価証券印刷機械
02 基材、被印刷物、被印刷物区分、被印刷物シート、基材シート
03 画像要素
04 塗工装置、印刷ユニット、フレキソ印刷ユニット、スクリーン印刷ユニット
05 -
06 コーティング剤、印刷インキ、ニス
07 画像要素内の磁性の粒子を方向付けるための装置、方向付け装置
08 印刷画像要素
09 割付け面、有価証券、銀行券
10 -
11 印刷箇所
12 搬送装置、運搬シリンダ
13 基材供給部、シートフィーダ
14 印刷ユニットシリンダ、版シリンダ、スクリーン印刷シリンダ
15 -
16 光学的可変の画像要素を生成するための装置
17 シリンダ、インプレッションシリンダ、運搬シリンダ
18 印刷要素、印刷主体
19 乾燥および/または硬化装置、放射ドライヤ、UV放射ドライヤ、UVドライヤ、UV-LEDドライヤ
20 -
21 搬送装置、グリッパ循環コンベヤ、チェーングリッパシステム
22 製品受け部、パイルデリバリ
23 ドライヤ、放射ドライヤ
24 作用要素、要素、磁石要素
25 -
26 方向付け機構、シリンダ、磁石シリンダ
27 磁石
28 保持体、台座
29 シリンダボディ
30 -
31 支持要素、リング状要素
32 シリンダ内体、シリンダ軸、軸
33 保持手段、グリッパ
34 吸込み要素
35 -
36 構成ユニット、作用ユニット、磁石ユニット
37 磁石要素支持体
38 ハウジング
39 吸込み空気通路
40 -
41 カバー要素
42 吸込み開口
43 管路インタフェース、空所、チャンバ
44 周壁面(32)
45 セグメント
46 管路インタフェース、吸込み空気開口(32)
47 フィードスルー、孔
48 通路、吸込み空気通路
49 管路インタフェース、空所
50 -
51 管路インタフェース、空所
52 壁
53 通路
54 フィードスルー、孔
55 チャンバ
56 壁
57 閉鎖手段、弁、スリーブ
58 閉鎖手段、弁、スリーブ
59 工具、多角レンチ
60 -
61 切欠き
62 壁
63 操作インタフェース、多角穴、内周区分
64 支持ディスク
65 -
66 支持要素
67 支持面、面
68 支持面
69 支持ディスク
70 -
71 支持プレート
72 クランプ要素、クランプレバー、レバー
73 クランプ要素、クランプレバー、レバー
74 当接面
75 -
76 溝
77 当接面
78 溝
79 ばね要素、圧縮ばね
80 -
81 軸、旋回軸
82 長穴
83 固定手段、ねじ
84 線路
85 -
86 偏心体、軸区分
87 キャリッジ、支持要素
88 操作インタフェース、多角穴
89 軸
90 -
91 偏心体、軸区分
92 キャリッジ、支持要素
93 操作インタフェース、多角穴
94 軸
95 -
96 連結部材、結合軸
97 組付け補助手段
98 操作アーム
99 第1の部材、第1のブシュ
100 -
101 第2の部材、第2のブシュ
102 駆動手段、調整駆動装置
103 操作インタフェース、回動グリップ
104 ベース
105 -
106 前方の端部(31)
107 後方の端部(31)
108 締付け装置
109 調整手段
110 -
111 締付け条片
112 嵌合要素、嵌合キー
113 ねじ山付きロッド、ねじ
114 ねじ山、ねじ山付きブシュ
115 -
116 締付け手段、引張り条片
117 張出し部、掛込み縁部
118 張出し部、掛込み縁部
119 グリッパ軸
120 -
121 軸受
122 空所、切欠き
123 管路インタフェース、ロータリフィードスルー
124 第1の部分(123)、ロータ
125 -
126 第2の部材(123)、ステータ
127 通路開口
128 軸端部、シリンダピン
129 切欠き
130 -
131 第1のステータ部分(126)
132 第2のステータ部分(126)
133 カバー要素、円環セグメント、円形ディスクセクタ
134 遮断要素
135 -
136 調整軸、中空軸、スリーブ
137 調整軸、中空軸、スリット軸
138 -
139 調整レバー
140 -
141 調整レバー
142 吸込み空気管路
143 クランプ要素
144 クランプ要素
145 -
146 指針
147 スケール
148 指針
149 スケール
150 -
151 軸受シェル
152 シリンダ、運搬シリンダ、検査シリンダ
153 センサ装置、カメラ、ラインカメラ
Δ セグメント、リング状セグメント、角度セグメント(x=1,2,3,…)
D 製造回転方向
P 粒子、顔料粒子
R 回転軸線
T 運搬方向
ΔΦ 角度セクタ、通過角セクタ
【要約】
本発明は、シートを加工および/または処理する機械(01)用のシリンダ(26;17;152;12)であって、このシリンダ(26;17;152;12)は周面に保持手段(33)を備え、この保持手段(33)によって、シリンダ(26;17;152;12)を介して搬送すべき基材シート(02)が、この基材シート(02)の前方の端部でもって受け取られるかまたは受取り可能であり、シリンダ(26;17;152;12)の回転中、基材シート(02)の受取りと下流側での引渡しとの間の回転角範囲にわたって保持されるかまたは保持可能であり、ロータリフィードスルー(123)を備え、このロータリフィードスルー(123)は、シリンダ(26;17;152;12)と共に回転するロータ(124)であって、端面側で、シリンダ(26;17;152;12)を端面側で駆動する軸(32)の側方の軸端部(128)に、または端面側のシリンダピン(128)に相対回動不能に配置されたロータ(124)と、運転時に回転しないステータ(126)と、を備え、前記ロータリフィードスルー(123)を介して、前記シリンダ(26;17;152;12)の周面に設けられた複数の吸込み開口(42)または吸込み開口(42)の群に、シリンダ(26;17;152;12)の回転軸線(R)を中心としたシリンダ(26;17;152;12)のアクティブな回転角フェーズの通過中、負圧が供給可能である、シリンダ(26;17;152;12)において、ロータリフィードスルー(123)は、アクティブな回転角フェーズの大きさを規定する通過角セクタ(ΔΦ)の大きさおよび/またはアクティブな回転角フェーズの位置を規定する通過角セクタ(ΔΦ)の位置に関して調整可能であることを特徴とする、シリンダ(26;17;152;12)に関する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22