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特許7678541訪問介護サービス事業者の支援装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-08
(45)【発行日】2025-05-16
(54)【発明の名称】訪問介護サービス事業者の支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20250509BHJP
【FI】
G06Q50/22
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2025003058
(22)【出願日】2025-01-08
【審査請求日】2025-01-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】525009786
【氏名又は名称】株式会社KROIM
(74)【代理人】
【識別番号】100173679
【弁理士】
【氏名又は名称】備後 元晴
(72)【発明者】
【氏名】北出 洋樹
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-036345(JP,A)
【文献】国際公開第2021/039641(WO,A1)
【文献】特開2008-003655(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第117875274(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108920611(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/22
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
訪問介護サービスに係る訪問に関する訪問情報を画面に表示させる表示指令部と、
前記訪問について、前記訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が、利用者宅を訪問してサービス利用者に介護サービスを提供する実務担当者に伝達する文章を自動生成する指示生成部と、
を備え、
前記表示指令部は、前記実務担当者及び前記訪問介護サービスを提供されるサービス利用者それぞれの識別情報と、前記指示生成部が自動生成した文章とを少なくとも含む訪問情報を画面に表示させ、
前記指示生成部は、複数の文章候補を含む文章候補群からの無作為抽出により前記文章を自動生成する、
訪問介護サービス事業者の支援装置。
【請求項2】
前記指示生成部は、重み付けを行わずに文章候補を無作為抽出するよう構成される、請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記指示生成部は、各訪問につき1つの文章を自動生成するよう構成される、請求項1に記載の支援装置。
【請求項4】
前記指示生成部は、身体状態確認用文章候補群、精神状態確認用文章候補群、日常生活確認用文章候補群、及び、安全確認用文章候補群を有する文章候補群から無作為抽出する、請求項1に記載の支援装置。
【請求項5】
前記表示指令部は、前記実務担当者のスケジュールを入力及び表示するスケジュール領域、前記スケジュールに基づく賃金計算結果を表示する賃金領域、並びに、前記スケジュールに基づく稼働率計算結果を表示する稼働率領域をさらに表示させる、請求項1から4のいずれか1項に記載の支援装置。
【請求項6】
子計算機に、
訪問介護サービスに係る訪問に関する訪問情報を画面に表示させる表示指令ステップと、
前記訪問について、表計算ソフトのファイルに記録されている、訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が、利用者宅を訪問してサービス利用者に介護サービスを提供する実務担当者に伝達する文章の自動生成に用いられる複数の文章候補を含む文章候補群のデータから、前記訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が、利用者宅を訪問してサービス利用者に介護サービスを提供する実務担当者に伝達する文章を自動生成する指示生成ステップと、
を実行させ、
前記表示指令ステップは、前記実務担当者及び前記訪問介護サービスを提供されるサービス利用者それぞれの識別情報と、前記指示生成ステップにおいて自動生成された文章とを少なくとも含む訪問情報を画面に表示させ、
前記指示生成ステップは、前記データからの無作為抽出により前記文章を自動生成する、
表計算ソフトのファイルに付随するマクロの機能を電子計算機に実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、訪問介護サービス事業者の支援装置及び表計算ソフトのファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
訪問介護サービス事業を持続的に続け、国民の保健医療の向上及び福祉の増進に寄与するためには、適切な事業運営が求められる。
【0003】
訪問介護サービス事業における適切な事業運営について、特許文献1は、訪問看護を業とする事業所の集中訪問看護管理装置によって実行される集中訪問看護管理方法において、訪問スケジュール作成担当によって、要求高の空き表示に、他のいずれかの事業所の訪問看護担当割り振り表の経験高の訪問看護担当欄に割り振られた要求高表示を移動させる指示がなされたときに、当該事業者間移動指示情報を取得して、再編された事業所の訪問看護担当訪問スケジュール一覧を画面表示することを特徴とする訪問看護を業とする事業所の集中訪問看護管理装置によって実行される集中訪問看護管理方法を開示している。特許文献1の技術は、訪問看護業務における訪問スケジュール管理での間接業務を軽減し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-134586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、訪問介護サービス事業の適切な事業運営においては、特定事業所加算に関する各種要件を満たし、当該加算を得ることが重要である。そのような各種要件には、例えば、要件「(3)利用者情報の文書等による伝達、訪問介護員等からの報告」を含む体制要件等が含まれる。漏れなく親身な介護・介助ができるように事業運営する場合、伝達及び報告に係る該要件は、伝達及び報告を担当するサービス提供責任者に係る負担が大きい。
【0006】
特許文献1の技術は、訪問スケジュール管理での間接業務を軽減し得るものの、伝達及び報告に係るサービス提供責任者の負担低減にはつながらない。加えて、特許文献1の技術は、複数の事業所を集中管理する高度な装置の導入を要するため、小規模事業者が導入する場合の費用面における負担が大きい。よって、当該技術は、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担を低減する点において、さらなる改良の余地がある。
【0007】
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであり、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、サービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章を無作為抽出により自動生成すること等によって上述の課題を解決可能であることを見出した。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0009】
第1の特徴に係る発明は、訪問介護サービスに係る訪問に関する訪問情報を画面に表示させる表示指令部と、前記訪問について、前記訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章を自動生成する指示生成部と、を備え、前記表示指令部は、前記訪問介護員等及び前記訪問介護サービスを提供されるサービス利用者それぞれの識別情報と、前記指示生成部が自動生成した文章とを少なくとも含む訪問情報を画面に表示させ、前記指示生成部は、複数の文章候補を含む文章候補群からの無作為抽出により前記文章を自動生成する、訪問介護サービス事業者の支援装置を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明によれば、特定事業所加算に係る体制要件のうち「(3)利用者情報の文書等による伝達、訪問介護員等からの報告」について、サービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章を自動生成し、画面に表示させることで、当該文章の起案に係るサービス提供責任者の負担を低減する。ここでいう「訪問介護員等」とは、訪問介護員によって例示される、利用者宅を訪問してサービス利用者に介護サービスを提供する実務担当者の総称である。
【0011】
無作為抽出は、文章候補を選別する高度なアルゴリズム及びそれに伴うデータ管理を必要とせず、単純なランダム選択の計算処理で実現可能である。当該発明は、上記文章の自動生成において、複数の文章候補を含む文章候補群からの無作為抽出という、適切な文章候補群を作成するための作業量が多い一方で、自動生成に係る計算処理コストが最小限となる手法を採用する。これにより、当該発明は、上記文章の起案に係るサービス提供責任者の負担を低減して漏れなく親身な介護・介助ができるようにするだけでなく、計算処理の簡素化により支援装置に求められるハードウェア性能を低減し、支援装置の導入及び運用に係る事業者の金銭的負担も軽減する。
【0012】
したがって、第1の特徴に係る発明は、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段を提供できる。
【0013】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、前記指示生成部は、重み付けを行わずに文章候補を無作為抽出するよう構成される、支援装置を提供する。
【0014】
文章候補への重み付けを伴う抽出は、重み付けを行わずに文章候補を無作為抽出する手法より計算処理コストが高い。また、重み付けを伴う抽出は、特定の文章候補が優先的に選択される可能性があるため、自動生成される文章を偏らせ、漏れなく親身な介護・介助ができるようにする指示を行えなくなることが懸念される。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、重み付けを行わずに文章候補を無作為抽出する手法を採用することで、上述の課題を解決し、サービス提供責任者の負担を低減して漏れなく親身な介護・介助ができるようにするとともに、計算処理コストを低減することで支援装置を導入する事業者の金銭的負担をよりいっそう低減する。
【0016】
したがって、第2の特徴に係る発明は、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段を提供できる。
【0017】
第3の特徴に係る発明は、第1または第2の特徴に係る発明であって、前記指示生成部は、各訪問につき1つの文章を自動生成するよう構成される、支援装置を提供する。
【0018】
第3の特徴に係る発明によれば、各訪問につき最小限の自動生成を行うことで、過剰な情報提供によりサービス提供責任者が文章の取捨選択に労力を費やしてしまい、親身な介護・介助に差し支えてしまうことを防ぎつつ、自動生成を行う支援装置を導入する事業者の負担をよりいっそう低減する。
【0019】
したがって、第3の特徴に係る発明は、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段を提供できる。
【0020】
第4の特徴に係る発明は、第1から第3の特徴のいずれかに係る発明であって、前記指示生成部は、身体状態確認用文章候補群、精神状態確認用文章候補群、日常生活確認用文章候補群、及び、安全確認用文章候補群を有する文章候補群から無作為抽出する、支援装置を提供する。
【0021】
特定事業所加算に係る体制要件のうち「(3)利用者情報の文書等による伝達、訪問介護員等からの報告」の要件では、サービス利用者の身体状態、精神状態、日常生活、及び安全の確認を行い、報告するよう訪問介護員等に伝達することが求められる。
【0022】
第4の特徴に係る発明によれば、無作為抽出に係る文章候補群が、身体状態確認用文章候補群、精神状態確認用文章候補群、日常生活確認用文章候補群、及び、安全確認用文章候補群を有するよう、事前に整備された適切な構成となっているため、特定事業所加算に係る要件を満たし、漏れなく親身な介護・介助ができるような文章が生成され、上記要件を満たすための伝達がよりいっそう適切に行われる。
【0023】
したがって、第4の特徴に係る発明は、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段を提供できる。
【0024】
第5の特徴に係る発明は、第1から第4の特徴のいずれかに係る発明であって、前記表示指令部は、前記文章の伝達状況を示す伝達チェック情報と、前記文章に対応する報告状況を示す報告チェック情報と、をさらに含む訪問情報を画面に表示させる、支援装置を提供する。
【0025】
漏れなく親身な介護・介助ができているかを確認するために、サービス提供責任者は、文章の伝達状況及び報告状況を正確に把握することが求められる。第5の特徴に係る発明によれば、伝達チェック情報及び報告チェック情報という、伝達状況及び報告状況に関する十分な情報を含む簡潔な表示を加えることにより、支援装置を導入する事業者の負担を増加させることなく、「(3)利用者情報の文書等による伝達、訪問介護員等からの報告」の要件が満たされているか否かを容易に確認できる画面を提供できる。
【0026】
したがって、第5の特徴に係る発明は、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段を提供できる。
【0027】
第6の特徴に係る発明は、第1から第5の特徴のいずれかに係る発明であって、前記表示指令部は、前記訪問介護員等のスケジュールを入力及び表示するスケジュール領域、前記スケジュールに基づく賃金計算結果を表示する賃金領域、並びに、前記スケジュールに基づく稼働率計算結果を表示する稼働率領域をさらに表示させる、支援装置を提供する。
【0028】
第6の特徴に係る発明によれば、スケジュールに基づいて賃金及び稼働率を算出し、表示することにより、これらの算出に係るサービス提供責任者の負担を低減するとともに、サービス提供責任者が賃金及び稼働率を考慮した効率的なスケジュール管理を通じて、漏れなく親身な介護・介助ができるようにすることを支援する。
【0029】
したがって、第6の特徴に係る発明は、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段を提供できる。
【0030】
第7の特徴に係る発明は、訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章の自動生成に用いられる複数の文章候補を含む文章候補群のデータと、電子計算機に、訪問介護サービスに係る訪問に関する訪問情報を画面に表示させる表示指令ステップと、前記訪問について、前記訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章を自動生成する指示生成ステップと、を実行させるマクロと、を備え、前記表示指令ステップは、前記訪問介護員等及び前記訪問介護サービスを提供されるサービス利用者それぞれの識別情報と、前記指示生成ステップにおいて自動生成された文章とを少なくとも含む訪問情報を画面に表示させ、前記指示生成ステップは、前記データからの無作為抽出により前記文章を自動生成する、表計算ソフトのファイルを提供する。
【0031】
第7の特徴に係る発明によれば、上述した本発明と同様の処理(訪問情報の表示及び文章の自動生成に係る処理)を電子計算機に行わせるマクロ並びに文章候補群のデータを備える表計算ソフトのファイルを提供する。
【0032】
これにより、サービス提供責任者及び事業者は、当該シートを表計算ソフトで開くことで、既存の電子計算機を、上述した本発明に係る支援装置として機能させることができる。すなわち、サービス提供責任者及び事業者は、専用装置の導入、新規ソフトウェアのインストール等に伴う高額な設備投資または複雑な手続きなしで、上述した本発明の支援装置を実現できる。
【0033】
これにより、当該発明は、上記文章の起案に係るサービス提供責任者の負担を低減して漏れなく親身な介護・介助ができるようにするだけでなく、サービス提供責任者及び事業者における、本発明の支援装置を導入する際の負担を低減する。
【0034】
したがって、第7の特徴に係る発明は、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段を提供できる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、本発明の実施形態に係るシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、文章候補群テーブル131の一例である。
図3図3は、前図から続く図である。
図4図4は、前図から続く図である。
図5図5は、前図から続く図である。
図6図6は、スケジュールテーブル132の一例である。
図7図7は、支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。
図8図8は、前図から続く図である。
図9図9は、前図から続く図である。
図10図10は、スケジュール領域R1の表示例である。
図11図11は、訪問情報領域R2の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
まず初めに、以下の開示、図表、及び/又は請求項等が、単独であるか、又は1つ以上の他の側面との組み合わせとして記述されていると説明されているものの、即時開示の主題はそのように限定されることを意図していない。つまり、即時開示、図表、及び請求項は、ここで記載されている様々な側面を、それぞれ単独であるか、又はお互いと1つ以上の組み合わせで包含することを意図する。例えば、即時開示が第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態を、第1実施形態が特に第2実施形態に関連して記述及び図示されるか、第2実施形態が第3実施形態に関連してのみ記述及び図示されるような方法で記述及び図示する場合でも、即時開示と図示はそのように限定されるものではなく、第1実施形態のみ、第2実施形態のみ、第3実施形態のみ、又は第1、第2及び/又は第3実施形態の1つ以上の組み合わせ、例えば第1実施形態と第2実施形態、第1実施形態と第3実施形態、第2実施形態と第3実施形態、又は第1、第2、及び第3実施形態が含まれることがある。
【0038】
本文中でのフレーズ「又は」の使用は、明示的に指定されていない限り、「排他的ではない」取り決めを意味するものとする。例えば、「項目xがA又はBである」という場合、次のいずれかを意味するものとする:(1)項目xがA又はBのどちらか一方のみである、(2)項目xがAとBの両方である。言い換えれば、単語「又は」は、「排他的」な取り決めを定義するために使用されない。
【0039】
また、本文中で用いられるフレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、システム又は要素と組み合わせて使用される場合、そのシステム又は要素がフレーズの後に列挙された要素の1つ以上を含むことを意味する。例えば、要素が第1要素から第3要素の3種類である場合、フレーズ「少なくとも1つを含む」や「以下の少なくとも1つを含む」は、次のような構造的配置のいずれかとして解釈する:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0040】
本文中で「以下の少なくとも1つで使用されている」というフレーズが使用される場合も同様の解釈が意図されている。さらに、本文中で使用される「及び/又は」は、言語的な接続詞として用いられ、記載された要素や条件の1つ以上が含まれるか発生することを示すために使用されている。例えば、第1要素、第2要素、及び/又は第3要素を含むデバイスは、次の構造的配置のいずれかとして解釈される:第1要素を含むデバイス、第2要素を含むデバイス、第3要素を含むデバイス、第1要素と第2要素を含むデバイス、第1要素と第3要素を含むデバイス、第2要素と第3要素を含むデバイス、又は第1要素、第2要素、第3要素を含むデバイス。
【0041】
なお、本文中でのフレーズ「及び/又は」の使用が「排他的ではない」取り決めを意味することは、日本産業規格(JIS)の「規格票の様式及び作成方法 JIS Z 8301」にも規定されている。
【0042】
以下、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
<システムS>
図1は、本発明の実施形態に係るシステムSのハードウェア構成及びソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
システムSは、少なくとも1台の端末TとネットワークNを通じて互いに通信可能に構成された訪問介護サービス事業者の支援装置(支援装置1)を含んで構成される。
【0045】
〔支援装置1〕
本実施形態に係る訪問介護サービス事業者の支援装置(支援装置1)は、制御部11、記憶部13、通信部14、画面15、及び入力部16を備える。支援装置1は、本実施形態のプログラムを実行することにより、サービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章を自動生成する処理等を含む、訪問介護サービス事業者の支援処理を行う。
【0046】
[訪問介護員等]
本実施形態において、「訪問介護員等」は、訪問介護員によって例示される、利用者宅を訪問してサービス利用者に介護サービスを提供する実務担当者の総称として用いられる。訪問介護サービスのサービス管理責任者は、訪問介護員等に、利用者情報を文書等により伝達し、また、訪問介護員等に報告させることが求められる。
【0047】
以下、訪問介護サービスに係る訪問を担当する訪問介護員等は、単に「担当者」とも称される。また、訪問介護サービスの利用者は、単に「利用者」とも称される場合がある。サービス管理責任者は、単に「サ責」と称される場合がある。
【0048】
[制御部11]
制御部11は、Central Processing Unit(CPU)、Random Access Memory(RAM)、及びRead Only Memory(ROM)等を備える。
【0049】
制御部11は、必要に応じて、記憶部13及び通信部14のうち、少なくともいずれか一方と協働する。そして、制御部11は、支援装置1で実行される本実施形態のプログラムのソフトウェア構成要素である、表示指令部111、指示生成部112を実現する。
【0050】
本実施形態のプログラムにより実行される支援処理は、図7から図9を用いて後述される。
【0051】
[記憶部13]
記憶部13は、データ及び/又はファイルが記憶される装置であって、ハードディスク、半導体メモリ、記録媒体、及びメモリカード等によってデータを非一時的に格納するストレージ部を有する。記憶部13には、マイクロコンピューターで実行されるプログラム、文章候補群テーブル131、スケジュールテーブル132、担当者ごとの稼働時間と賃金との対応関係、担当者ごとの上限稼働時間、担当者に係る備考等が格納されている。
【0052】
記憶部13には、マイクロコンピューターで実行されるプログラムとしてのマクロ、文章候補群テーブル131、及びスケジュールテーブル132等の本実施形態に係るデータ一式が、表計算ソフトのファイルの態様で格納されることが好ましい。
【0053】
表計算ソフトのファイルの態様において、記憶部13には、訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章の自動生成に用いられる複数の文章候補を含む文章候補群のデータ(文章候補群テーブル131)等を含むデータと、電子計算機(支援装置1)に本実施形態の支援処理を実行させるマクロと、を備える表計算ソフトのファイルが格納される。表計算ソフトのファイルは、マクロを実行可能であれば特に限定されず、例えば、Microsoft Excel(登録商標)のシート等でよい。
【0054】
(文章候補群テーブル131)
文章候補群テーブル131には、訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章候補が格納される。
【0055】
特定事業所加算に係る要件を満たし、漏れなく親身な介護・介助ができる文章が自動生成されるよう適切に整備された文章候補とするために、文章候補群テーブル131には、身体状態確認用文章候補群、精神状態確認用文章候補群、日常生活確認用文章候補群、及び、安全確認用文章候補群を有する文章候補群が格納されることが好ましい。
【0056】
文章候補群テーブル131に格納される文章候補の数は、48から80までの範囲であることが好ましい。これにより、特定事業所加算に係る「(3)利用者情報の文書等による伝達、訪問介護員等からの報告」の要件を満たすために必要な情報を網羅しつつ、文章候補の数が多すぎる場合に生じる自動生成された文章の偏りを防ぐ。本発明者らが試行錯誤の結果、64個が最適値であると判断したため、文章候補の数は、56から72の範囲であることがより好ましい。文章候補の数が64個である場合における、身体状態確認用文章候補群、精神状態確認用文章候補群、日常生活確認用文章候補群、及び、安全確認用文章候補群それぞれに属する文章候補の数及び構成の好ましい例は、以下の通りである。
【0057】
図2は、文章候補群テーブル131の一例である。図3図4、及び図5は、それぞれ前図から続く図である。以下、図2から図5を用いて、文章候補群テーブル131に含まれる文章候補の好ましい一例が説明される。図2から図5では、説明のため、各文章候補に通し番号及び種類が付されているが、通し番号及び種類が各文章候補に付されていることは、文章候補群テーブル131に係る必須の要件ではない。
【0058】
((身体状態確認用文章候補群))
図2には、身体状態確認用文章候補群に属する24個の文章候補が示されている。加齢等による身体状態の変化(身体能力の低下、体調不良、五感の衰え等)は、介護サービスにおける重要な確認事項である。これらの文章候補は、訪問介護員等が、利用者の身体状態を把握し、身体状態に応じた親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0059】
適切な食事、食事に伴う服薬・排泄、及び水分補給などの食事状況は、介護における重要な確認事項である。24個の文章候補のうち、「食事後の口腔ケアができているか確認してください。」「飲食時に食べこぼしが無いか確認してください。」「食欲の変化や食事を残すことが増えていないか確認してください。」「スプーンや箸の扱いが難しくなっていないか確認してください。」「排泄の回数を確認してください。」「利用者の飲水量を確認してください。」「水分補給が十分に行われているか確認してください。」「内服状況に関する変化があれば報告してください。」の8個の文章候補は、食事確認用文章候補に該当する。食事確認用文章候補は、サービス利用者の身体状態を確認する上で重要な食事に関する確認を訪問介護員等に促し、食事に係る親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0060】
自覚症状のヒアリング又は他覚症状のチェックにより判断される利用者の体調は、介護における重要な確認事項である。24個の文章候補のうち、「体を動かす際に手足の動きに制限や痛みがないか確認してください。」「動くときに息切れや呼吸の乱れがないか確認してください。」「体調面に関する変化を教えてください。」「手足のむくみがないか確認してください。」「足元や手元の感覚に違和感がないか確認してください。」「痛みやしびれがないか確認してください。」「テレビやラジオの音量が適切か確認してください。」「利用者の訴えや特段の要望に変化があれば報告してください。」の8個の文章候補は、体調確認用文章候補に該当する。体調確認用文章候補は、サービス利用者の身体状態を確認する上で重要な体調に関する確認を訪問介護員等に促し、体調を踏まえた親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0061】
自覚症状のヒアリング又は他覚症状のチェックにより判断される利用者の活動量は、介護における重要な確認事項である。24個の文章候補のうち、「日中の活動量が減っていないか確認してください。」「座っている時間や寝ている時間が長くなっていないか確認してください。」「利用者の疲れやすさを確認してください。」「利用者が疲れている様子がないか確認してください。」「動作がゆっくりになっていないか確認してください。」「ベッドや椅子で同じ姿勢が続いていないか確認してください。」「介助量に関する変化があれば教えてください。」「介助を必要とする動作を確認してください。」の8個の文章候補は、活動量確認用文章候補に該当する。活動量確認用文章候補は、サービス利用者の身体状態を確認する上で重要な活動量に関する確認を訪問介護員等に促し、活動量を踏まえた親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0062】
((精神状態確認用文章候補群))
図3には、精神状態確認用文章候補群に属する16個の文章候補が示されている。加齢等による精神状態の変化(意欲・認知機能の低下、睡眠不順等)は、介護サービスにおける重要な確認事項である。これらの文章候補は、訪問介護員等が、利用者の精神状態を把握し、精神状態に応じた親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0063】
サービス利用者の意欲は、介護における重要な確認事項である。16個の文章候補のうち、「ADLやIADLに対する意欲の変化を教えてください。」「最近の食欲について確認してください。」「外出意欲について聞いてみてください。」「気持ちや意欲が低下していないか確認してください。」「趣味や楽しみが続けられているか確認してください。」「体の疲れやすさや筋力の低下を感じていないか確認してください。」「体を動かすことが億劫になっていないか確認してください。」「疲れやすさが増していないか確認してください。」の8個の文章候補は、意欲確認用文章候補に該当する。意欲確認用文章候補は、サービス利用者の精神状態を確認する上で重要な意欲の維持に関する確認を訪問介護員等に促し、意欲を踏まえた親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0064】
心理的健康は、介護における重要な確認事項である。16個の文章候補のうち、「精神面に関する変化を報告してください。」「最近の気分や気持ちを確認してください。」「毎日の習慣が維持できているか確認してください。」「会話や返答がスムーズにできているか確認してください。」「衛生、清潔保持に関する変化を教えてください。」「体の清潔が保たれているか確認してください。」「睡眠の質を聞いてください。」「利用者の表情に注意して観察してください。」の8個の文章候補は、心理的健康確認用文章候補に該当する。心理的健康確認用文章候補は、サービス利用者の精神状態を確認する上で重要な心理的健康の観察を訪問介護員等に促し、心理的健康等を踏まえた親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0065】
((日常生活確認用文章候補群))
図4には、日常生活確認用文章候補群に属する16個の文章候補が示されている。サービス利用者の身体状態及び精神状態が反映され、健康的で安全な暮らしの維持にもつながる日常生活の把握は、介護サービスにおける重要な確認事項である。これらの文章候補は、訪問介護員等が、利用者の日常生活を把握し、日常生活に応じた親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0066】
日常生活が健康的に維持されているかは、介護における重要な確認事項である。16個の文章候補のうち、「家の中の片付けが滞っていないか確認してください。」「郵便物や書類の整理が滞っていないか確認してください。」「冷蔵庫内の食品が適切に保存されているか確認してください。」「洗濯物がたまっていないか確認してください。」「ゴミ出しができているか確認してください。」「生活リズムに変化がないか確認してください。」「洗顔や手洗いができているか確認してください。」「日用品の在庫管理ができているか確認してください。」の8個の文章候補は、生活維持確認用文章候補に該当する。生活維持確認用文章候補は、サービス利用者の日常生活を確認する上で重要な日常生活の維持に関する確認を訪問介護員等に促し、日常生活の維持状況を踏まえた親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0067】
日常生活における課題は、介護における重要な確認事項である。16個の文章候補のうち、「前回の訪問報告を踏まえた変化を報告してください。」「家族や住宅環境についての変化の報告をしてください。」「利用者の環境、特に家族関係に変化があればお知らせください。」「前回のサービス提供時の状況についての変化の報告をしてください。」「家の中の明るさや照明の状態を確認してください。」「食事に偏りがないか確認してください。」「日常生活に困っていることがないか確認してください。」「外出に関する希望がないか確認してください。」の8個の文章候補は、生活課題確認用文章候補に該当する。生活課題確認用文章候補は、サービス利用者の日常生活を確認する上で重要な日常生活の課題に関する確認を訪問介護員等に促し、それら課題を踏まえた親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0068】
((安全確認用文章候補群))
図5には、安全確認用文章候補群に属する8個の文章候補が示されている。サービス利用者の安全は、介護サービスにおける重要な確認事項である。これらの文章候補は、訪問介護員等が、利用者の安全を把握し、より安全に暮らせるようにする親身な介護・介助を漏れなくできるようにすることに寄与する。
【0069】
「忘れ物や物を探すことが多くないか確認してください。」「食事中に咀嚼や飲み込みが難しくなっていないか確認してください。」「動く際に不安や困難がないか確認してください。」「体温調節が自分でできているか、部屋の温度が適切か確認してください。」「薬が適切に保管されているか確認してください。」「緊急連絡先がわかりやすい場所にあるか確認してください。」「電気コードが邪魔になっていないか確認してください。」「転倒リスク(ふらつき、つまづき、臥床、座位の転落等)に関する変化を教えてください。」の8個の文章候補は、安全確認用文章候補群に属する。
【0070】
(スケジュールテーブル132)
スケジュールテーブル132には、担当者のスケジュールが格納される。スケジュールは、担当者及び当該担当者の訪問それぞれに係る予定を含む。予定は、訪問に係る時間、サービス利用者及びサービス内容を有する。スケジュールは、サービスが提供される時間の長さ、又は訪問に係る備考を含んでもよい。
【0071】
本実施形態に係るデータ一式が表計算ソフトのファイルの態様で格納される場合、スケジュールテーブル132は、縦軸に時間、横軸に担当者を配したテーブルの態様であることが好ましい。これにより、表計算ソフトにより表示されたスケジュールテーブル132そのものが、スケジュール表として視覚的に表示され、サービス管理責任者等の利用者が直感的にスケジュールを把握できるようになる。当該態様は横書きに適しているが、縦軸に担当者、横軸に時間を配した同様のテーブルは、縦書きに適している。
【0072】
このとき、スケジュールは、サービス利用者を示すセル、サービス提供時間帯を示すセル、サービス内容を示すセル、時間の長さを示すセルが同じ列において順に並べられた態様であることが好ましい。これにより、スケジュールテーブル132は、本実施形態のプログラムがサービス利用者を示す行を検索し、当該セルに続く一連のセルから他のデータを取得できるようにするとともに、スケジュールテーブル132そのものの表示がこれら一群の情報を含むスケジュールを分かりやすく示すものにすることができる。
【0073】
サービス管理責任者にとっての利便性のために、表計算ソフトのファイルは、1週間分のスケジュールが日ごとに別シートに格納されるよう構成されることが好ましい。これにより、サービス管理責任者は、日ごとにシートを切り替え、週ごとにファイルを複製する手順で、特定事業所加算に係る体制要件のうち「(3)利用者情報の文書等による伝達、訪問介護員等からの報告」の要件に係る文章を用いた伝達、スケジュール管理等に費やす労力を抑えることができる。
【0074】
図6は、スケジュールテーブル132の一例である。当該例には、朝7時から昼12時までの時間帯を10分刻みで示す時間の列と、担当者Aのスケジュールを示す列と、担当者Bのスケジュールを示す列と、担当者Cのスケジュールを示す列とが含まれている。
【0075】
担当者Aの列は、スケジュールに相当するデータを含んでいない。これにより、支援装置1は、担当者Aが朝7時から昼12時まで、サービス利用者を訪問する予定がないものとして、稼働率及び賃金を算出できる。
【0076】
担当者Bの列は、朝9時30分の行から10時20分の行にかけて、サービス利用者が「平○初○」であることを示すセル、その種類が「△生3」との符丁で示される種類であることを示すセル、時間帯が「9:30~10:30」であることを示すセル、サービス内容が「掃除・買物」であることを示すセル、時間の長さが「60」分であることを示すセルが順に並んでいる。これにより、支援装置1は、担当者Cが朝9時30分から10時30分までの60分間、「平○初○」さま(種類「△生3」)宅を訪問して「掃除・買物」のサービスを提供する予定であるものとして、当該訪問に係る文章を自動生成し、また、担当者Bの稼働率及び賃金を算出できる。
【0077】
担当者Cの列は、朝11時の行から12時の行にかけて、サービス利用者が「久○尚○」であることを示すセル、その種類が「△(障)生4」との符丁で示される種類であることを示すセル、時間帯が「11:00~12:00」であることを示すセル、サービス内容が未定であることを示す空欄のセル、時間の長さが「60」分であることを示すセルが順に並んでいる。これにより、支援装置1は、担当者Bが朝11時から12時までの60分間、「久○尚○」さま(種類「△(障)生4」)宅を訪問して別途定められたサービスを提供する予定であるものとして、当該訪問に係る文章を自動生成し、また、担当者Cの稼働率及び賃金を算出できる。
【0078】
[通信部14]
通信部14の具体的な構成は、支援装置1をネットワークNに接続して通信を行うためのものであれば、特に限定されない。通信部14として、例えば、イーサネット規格に対応したネットワークカード、無線LANに対応した通信機器等を用いた構成が挙げられる。
【0079】
[画面15]
画面15は、スケジュール領域R1、訪問情報領域R2、賃金領域、稼働率領域、確認領域等を表示できるよう構成されていれば、特に限定されない。画面15は、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等でよい。画面15は、支援装置1と一体に構成されていてもよく(例えば、ノートパソコンが備える内蔵ディスプレイ)、別体に構成されたディスプレイ装置でもよい。
【0080】
[入力部16]
入力部16は、サービス管理責任者が各種入力を行うよう構成されていれば、特に限定されない。入力部16は、例えば、キーボード、各種ポインティングデバイス等を有する。入力部16は、支援装置1と一体に構成されていてもよく(例えば、ノートパソコンが備えるキーボード及びポインティングデバイス)、別体に構成されていてもよい。
【0081】
[サーバとしての構成]
支援装置1は、画面15及び入力部16を備えないサーバの態様でもよい。このとき、支援装置1は、例えば、スケジュール領域R1、訪問情報領域R2、賃金領域、稼働率領域、確認領域等を表示させるデータを、支援装置1と別体に構成されたサービス管理責任者端末に送信する処理、サービス管理責任者等からの入力を示すデータをサービス管理責任者端末から受信する処理等を実行する。
【0082】
〔ネットワークN〕
ネットワークNの種類は、支援装置1等が通信を行うためのものであれば特に限定されない。ネットワークNの種類は、例えば、インターネット、携帯電話ネットワーク、無線LAN等である。
【0083】
〔端末T〕
端末Tは、訪問介護員等により利用される。端末Tは、支援装置1から送信された文章を受信・表示する処理、当該文章に対する報告を送信する処理等を実行する。端末Tの種類は、例えば、スマートフォン及びタブレット端末により例示される携帯端末等である。
【0084】
〔支援処理のメインフローチャート〕
図7は、支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例を示すメインフローチャートである。図8及び図9は、それぞれ前図から続く図である。以下は、図7から図9を用いた、支援装置1で実行される支援処理の好ましい流れの一例の説明である。なお、以下に示す例では、支援装置1が画面15及び入力部16を備えるものとして説明しているが、当業者であれば、支援装置1と別体に構成されたサービス管理責任者端末において表示及び入力を行う態様についても、以下の例に基づいて同様に構成できる。
【0085】
スケジュールの入力から文章の自動生成までをまとめて実現するために、支援処理は、スケジュール領域R1等を含む画面の表示と、スケジュール領域R1を介したスケジュールの入力とに係る一連の処理を含むことが好ましい。ステップS1からステップS3は、当該処理の一例である。
【0086】
当該処理は、表計算ソフトの機能を用いて実現されてもよく、表計算ソフトのファイルが備えるマクロと表計算ソフトとの協働により実現されてもよい。表計算ソフトの機能を援用することにより、本実施形態の支援装置1の導入に係るコストがよりいっそう低減される。表計算ソフトは、例えば、入力、表示、データ更新等の機能を提供する。マクロは、例えば、判別、入力されたセルと他のセルとのデータ連動等の機能を提供する。
【0087】
[ステップS1:画面を表示]
制御部11は、記憶部13及び画面15等と協働し、表示指令部111を実現する。そして、制御部11は、表示指令部111により、訪問介護員等のスケジュールを入力及び表示するスケジュール領域R1を含む画面15を表示させる処理を実行する(スケジュール画面表示ステップ)。制御部11は、処理をステップS2に移す。
【0088】
[ステップS2:スケジュールが入力されたか判別]
制御部11は、記憶部13及び入力部16と協働し、スケジュール領域R1にスケジュールが入力されたか否かを判別する処理を実行する(スケジュール入力判別ステップ)。制御部11は、入力されたと判別したならば処理をステップS3に移し、しなかったならば処理をステップS6に移す。
【0089】
[ステップS3:スケジュールを更新]
制御部11は、記憶部13と協働し、スケジュール入力判別ステップに係る入力に基づいて、スケジュールテーブル132に格納されたスケジュールを更新する処理を実行する(スケジュール更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS4に移す。
【0090】
支援処理は、スケジュール領域R1を介した賃金及び稼働率の算出・表示に係る一連の処理を含むことが好ましい。これにより、これらの算出に係るサービス提供責任者の負担を低減するとともに、サービス提供責任者が賃金及び稼働率を考慮した効率的なスケジュール管理を通じて、漏れなく親身な介護・介助ができるようにすることを支援できる。ステップS4からステップS5は、当該処理の一例である。
【0091】
当該処理は、表計算ソフトの機能を用いて実現されてもよく、表計算ソフトのファイルが備えるマクロと表計算ソフトとの協働により実現されてもよい。表計算ソフトの機能を援用することにより、本実施形態の支援装置1の導入に係るコストがよりいっそう低減される。表計算ソフトは、例えば、入力、表示、データ更新等の機能を提供する。マクロは、例えば、算出等の機能を提供する。
【0092】
[ステップS4:賃金及び稼働率を算出]
制御部11は、表示指令部111により、上述のスケジュールに基づいて、賃金及び稼働率を算出する処理を実行する(賃金等算出ステップ)。制御部11は、処理をステップS5に移す。
【0093】
[ステップS5:賃金及び稼働率を表示]
制御部11は、表示指令部111により、上述のスケジュールに基づいて、賃金等算出ステップで算出された賃金及び稼働率を画面15に表示させる処理を実行する(賃金等表示ステップ)。制御部11は、処理をステップS6に移す。当該処理は、例えば、賃金領域および稼働率領域を有する訪問情報領域R2を画面15に表示させることにより実現される。
【0094】
支援処理は、訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章を自動生成する一連の処理を含む。ステップS6からステップS11は、当該一連の処理の一例である。
【0095】
[ステップS6:担当者すべてについて繰り返す]
制御部11は、記憶部13及び画面15等と協働し、指示生成部112を実現する。そして、制御部11は、指示生成部112により、ステップS7からステップS11までの処理を、担当者すべてについて繰り返す処理を実行する(ループ開始ステップ)。制御部11は、処理をステップS7に移す。
【0096】
ループ開始ステップに係るループは、繰り返し処理によって実現されてもよく、担当者の人数に合わせて予めループ処理を展開した展開済ループ処理によって実現されてもよい。表計算ソフトのファイルに含まれるマクロによって支援処理が実現される場合、ループ回数に応じた表示を行うマクロによる処理負荷の増大を防ぐために、当該ループは、展開済ループ処理によって実現されることが好ましい。
【0097】
[ステップS7:休みであるか判別]
制御部11は、指示生成部112により、ループ処理の現在の繰り返しにおいて処理対象となっている担当者が休みであるか否かを判別する処理を実行する(休み判別ステップ)。制御部11は、休みであると判別したならば処理をステップS11に移し、しなかったならば処理をステップS8に移す。
【0098】
[ステップS8:未表示の訪問があるか判別]
制御部11は、指示生成部112により、ループ処理の現在の繰り返しにおいて処理対象となっている担当者が担当する訪問のうち、未表示の訪問があるか否かを判別する処理を実行する(未表示訪問判別ステップ)。制御部11は、あると判別したならば処理をステップS9に移し、しなかったならば処理をステップS11に移す。
【0099】
[ステップS9:文章を自動生成]
制御部11は、指示生成部112により、訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章を自動生成する処理を実行する(文章自動生成ステップ)。制御部11は、処理をステップS10に移す。当該ステップにおいて、指示生成部112は、複数の文章候補を含む文章候補群(文章候補群テーブル131)からの無作為抽出により上述の文章を自動生成する。
【0100】
自動生成される文章の偏りを防ぎ、また、計算処理コストを抑えるために、当該ステップにおいて、指示生成部112は、文章候補への重み付けを行わずに文章候補を無作為抽出するよう構成されることが好ましい。
【0101】
過剰な情報提供によりサービス提供責任者が文章の取捨選択に労力を費やしてしまうことを防ぎ、また、計算処理コストを抑えるために、当該ステップにおいて、指示生成部112は、各訪問につき1つの文章を自動生成するよう構成されることが好ましい。
【0102】
当該ステップにおいて、指示生成部112は、身体状態確認用文章候補群、精神状態確認用文章候補群、日常生活確認用文章候補群、及び、安全確認用文章候補群を有する文章候補群から無作為抽出するよう構成されることが好ましい。これにより、支援装置1は、事前に整備された適切な構成の文章候補群を用いて、特定事業所加算に係る要件を満たし、漏れなく親身な介護・介助ができるような文章を生成し、上記要件を満たすための伝達がよりいっそう適切に行われるように支援できる。
【0103】
支援処理が表計算ソフトのマクロにより実現される場合、支援装置1は、表計算ソフトのシートの表示が更新されるごとに文章を自動生成することが好ましい。これにより、支援装置1は、シートの表示を更新するという、表計算ソフトの標準操作を介した簡便な手順により、文章を自動生成できる操作体系を提供できる。
【0104】
[ステップS10:文章を表示]
制御部11は、表示指令部111により、文章自動生成ステップにおいて生成された文章を画面15に表示させる処理を実行する(表示指令ステップ)。制御部11は、処理をステップS8に移す。
【0105】
表示指令ステップにおいて表示指令部111は、訪問介護員等及び訪問介護サービスを提供されるサービス利用者それぞれの識別情報と、指示生成部112が自動生成した文章とを少なくとも含む訪問情報を画面15に表示させる。
【0106】
また、表示指令部111は、上述の文章の伝達状況を示す伝達チェック情報と、上述の文章に対応する報告状況を示す報告チェック情報とをさらに含む訪問情報を画面15に表示させることが好ましい。当該表示は、例えば、確認領域を有する訪問情報領域R2を画面15に表示させることにより実現される。
【0107】
[ステップS11:ループを継続するか判定]
制御部11は、指示生成部112により、ループ開始ステップに係るループを継続するか判定する処理を実行する(ループ継続判定ステップ)。制御部11は、継続すると判別したならばループ処理の繰り返しにおいて処理対象となる担当者を未処理の担当者に変更した上で処理をステップS7に移し、しなかったならば処理をステップS12に移す。ループ継続判定ステップにおいて指示生成部112は、未処理の担当者がいる場合に、継続すると判別する。
【0108】
支援処理において、上述の文章の伝達状況を示す伝達チェック情報と、上述の文章に対応する報告状況を示す報告チェック情報とをさらに含む訪問情報を画面15に表示させる処理が行われる場合、支援処理は、伝達状況及び報告状況を入力に応じて更新する一連の処理を含むことが好ましい。これにより、支援装置1は、事業者の負担を増すことなく、「(3)利用者情報の文書等による伝達、訪問介護員等からの報告」の要件が満たされているか否かを容易に確認できる画面15を提供できる
【0109】
伝達状況等の更新に係る処理は、表計算ソフトの機能を用いて実現されてもよく、表計算ソフトのファイルが備えるマクロと表計算ソフトとの協働により実現されてもよい。表計算ソフトの機能を援用することにより、本実施形態の支援装置1の導入に係るコストがよりいっそう低減される。表計算ソフトは、例えば、入力、表示、データ更新等の機能を提供する。表計算ソフトは、例えば、入力、表示、データ更新等の機能を提供する。マクロは、例えば、データの連動等の機能を提供する。
【0110】
[ステップS12:伝達状況が入力されたか判別]
制御部11は、表示指令部111により、上述の文章の伝達状況が入力されたか判別する処理を実行する(伝達状況入力判別ステップ)。制御部11は、入力されたと判別したならば処理をステップS13に移し、しなかったならば処理をステップS14に移す。
【0111】
[ステップS13:伝達状況を更新]
制御部11は、表示指令部111により、上述の入力に基づいて当該伝達状況を更新する処理を実行する(伝達状況更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS14に移す。
【0112】
[ステップS14:報告状況が入力されたか判別]
制御部11は、表示指令部111により、上述の文章に対応する報告状況が入力されたか判別する処理を実行する(報告状況入力判別ステップ)。制御部11は、入力されたと判別したならば処理をステップS15に移し、しなかったならば処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS15の処理を繰り返す。
【0113】
[ステップS15:報告状況を更新]
制御部11は、表示指令部111により、上述の入力に基づいて当該報告状況を更新する処理を実行する(報告状況更新ステップ)。制御部11は、処理をステップS1に戻し、ステップS1からステップS15の処理を繰り返す。
【0114】
〔支援処理の効果〕
本実施形態のプログラムにより上述の支援処理が実行されることにより、支援装置1は、特定事業所加算に係る体制要件のうち「(3)利用者情報の文書等による伝達、訪問介護員等からの報告」について、サービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章を自動生成し(ステップS9)、画面に表示させることで(ステップS10)、当該文章の起案に係るサービス提供責任者の負担を低減する。ここでいう「訪問介護員等」は、訪問介護員によって例示される、利用者宅を訪問してサービス利用者に介護サービスを提供する実務担当者の総称である。
【0115】
無作為抽出は、文章候補を選別する高度なアルゴリズム及びそれに伴う複雑なデータ管理を必要とせず、単純なランダム選択の計算処理で実現可能である。指示生成部112は、上記文章の自動生成において、複数の文章候補を含む文章候補群(文章候補群テーブル131)からの無作為抽出という、適切な文章候補群を作成するための作業量が多い一方、自動生成に係る計算処理コストが最小限となる手法を採用する(ステップS9)。
【0116】
これにより、支援装置1は、上記文章の起案に係るサービス提供責任者の負担を低減して漏れなく親身な介護・介助ができるようにするだけでなく、計算処理の簡素化により支援装置に求められるハードウェア性能を低減し、支援装置1の導入及び運用に係る事業者の金銭的負担も軽減する。
【0117】
この自動生成に関し、文章候補への重み付けを伴う無作為抽出は、重み付けを行わずに文章候補を無作為抽出する手法より計算処理コストが高い。また、重み付けを伴う無作為抽出は、特定の文章候補が優先的に選択される可能性があるため、自動生成される文章を偏らせ、漏れなく親身な介護・介助ができるようにする指示を行えなくなることが懸念される。
【0118】
上述の自動生成は、重み付けを行わずに文章候補を無作為抽出する手法を採用するよう構成できる(ステップS9)。当該構成は、上述の課題を解決し、サービス提供責任者の負担を低減して漏れなく親身な介護・介助ができるようにするとともに、計算処理コストの低減を介して自動生成を行う支援装置1を導入する事業者の金銭的負担をよりいっそう低減する。
【0119】
また、上述の自動生成は、各訪問につき最小限の自動生成を行うよう構成できる(ステップS9)。当該構成は、過剰な情報提供によりサービス提供責任者が文章の取捨選択に労力を費やしてしまい、親身な介護・介助に差し支えてしまうことを防ぎつつ、計算処理コストの低減を介して自動生成を行う支援装置1を導入する事業者の負担をよりいっそう低減する。
【0120】
担当者すべてについてループ処理を行い(ステップS6からステップS11)、このループ処理において、担当者が休みでないと判別され(ステップS7)、さらに未表示の訪問があると判別された場合に(ステップS8)、文章の自動生成を行う(ステップS9)構成は、各訪問につき最小限の自動生成を行う構成の一例である。これにより、支援装置1は、各担当者のすべての訪問について、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、文章を自動生成できる。
【0121】
上述の自動生成は、身体状態確認用文章候補群、精神状態確認用文章候補群、日常生活確認用文章候補群、及び、安全確認用文章候補群を有する、無作為抽出に係る文章候補群(文章候補群テーブル131)を用いる構成にできる。当該構成における文章候補群テーブル131が事前に整備された適切な内容であるため、指示生成部112は、特定事業所加算に係る要件を満たし、漏れなく親身な介護・介助ができるような文章を生成する。これにより、支援装置1は、上記要件を満たすための伝達がよりいっそう適切に行われるよう支援できる。
【0122】
したがって、本実施形態は、漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段を提供できる。
【0123】
ところで、漏れなく親身な介護・介助ができているかを確認するために、サービス提供責任者は、文章の伝達状況及び報告状況を正確に把握することが求められる。支援処理は、伝達チェック情報及び報告チェック情報という、伝達状況及び報告状況に関する必要十分な情報を含む簡潔な表示を加える構成にできる(ステップS10、ステップS12からステップS15)。これにより、支援装置1を導入する事業者の負担を増すことなく、「(3)利用者情報の文書等による伝達、訪問介護員等からの報告」の要件が満たされているか否かを容易に確認できる画面を提供できる。
【0124】
これにより、支援装置1は、文章の生成から伝達、報告までの一連の手順をシームレスに支援し、情報伝達及び報告の抜け漏れを防止し、サービス管理責任者がリアルタイムで状況を把握できるようにする。よって、支援装置1は、特定事業所加算の要件を効率的に満たすための一連の手順における、サービス提供責任者及び事業者の負担を大幅に低減する支援を行える。
【0125】
また、支援処理は、入力に応じてスケジュールを更新し(ステップS1からステップS3)、スケジュールに基づいて賃金及び稼働率を算出し(ステップS4)、表示する(ステップS5)構成にできる。これにより、支援装置1は、これらの算出に係るサービス提供責任者の負担を低減するとともに、サービス提供責任者が賃金及び稼働率を考慮した効率的なスケジュール管理を通じて、漏れなく親身な介護・介助ができるように支援する。
【0126】
これにより、支援装置1は、訪問指示の作成とスケジュール管理とを連動させ、サービス管理責任者が文章を伝達する現場と経営との双方を支援することで、指示内容の適正化と訪問計画の最適化を同時に実現できる。よって、支援装置1は、特定事業所加算要件の達成を効率化し、管理負担を低減する支援を行える。
【0127】
本実施形態の支援処理は、電子計算機に行わせるマクロ並びに文章候補群のデータを備える表計算ソフトのファイルにより実行することができる(記憶部13)。
【0128】
これにより、サービス提供責任者及び事業者は、当該ファイルを表計算ソフトで開くことで、既存の電子計算機を、本実施形態の支援装置1として機能させることができる。すなわち、サービス提供責任者及び事業者は、専用装置の導入、新規ソフトウェアのインストール等に伴う高額な設備投資又は複雑な手続きなしで、上述した本実施形態の支援装置1を実現できる。
【0129】
これにより、当該ファイルは、表計算ソフトの柔軟性とリアルタイム処理を活用し、訪問情報管理と指示生成とを一体化した支援を行える。表計算ソフトのファイルによる支援処理の実行は、支援装置1の導入コストと運用負担を低減し、特定事業所加算の要件を効率的に達成することに寄与する。これにより、特に、専用装置の導入に係る金銭的負担を負うことに困難がある小規模の事業者への適応性が向上する。
【0130】
<使用例>
以下は、本実施形態の支援装置1及びシステムSの使用例である。以下では、記憶部13に格納された表計算ソフトのファイルにより、本実施形態の支援装置1及びシステムSが実現される使用例が説明される。
【0131】
〔ファイルの準備〕
サービス管理責任者は、本実施形態の支援処理を実行させるマクロ及び各種データが格納された表計算ソフトのファイルを準備する。当該ファイルに1週間分のスケジュール等が格納される場合、サービス管理責任者は、週ごとにファイルを複製し、ファイル名を変更する手順等により、当該準備を行う。また、サービス管理責任者は、必要に応じて担当者の追加・削除・変更等を行う。
【0132】
〔スケジュールの入力〕
表計算ソフトにより該ファイルを開くことにより、支援装置1は、スケジュール領域R1を表示する。
【0133】
サービス管理責任者は、担当者ごとのスケジュールをスケジュール領域R1に入力する。図10は、スケジュール領域R1の表示例である。当該例には、担当者A、担当者B、及び担当者Cについて、スケジュールテーブル132に示したものと同様のスケジュールが示されている。このとき、サービス管理責任者は、スケジュールの入力ごとに更新される稼働率及び賃金を参照して、スケジュールを調整することができる。
【0134】
〔利用者情報の文書等による伝達〕
支援装置1は、訪問情報領域R2を表示する。図11は、訪問情報領域R2の表示例である。当該例には、担当者Cについて、「久〇尚〇さま」(△(障)生4)を訪問すること及び当該訪問について自動生成された文章「疲れやすさが増していないか確認してください。」と、「長〇操さま」(△生3)を訪問すること及び当該訪問について自動生成された文章「テレビやラジオの音量が適切か確認してください。」が示されている。また、当該例には、担当者Dについて、「喜〇良〇さま」(△身2生1)を訪問すること及び当該訪問について自動生成された文章「飲食時に食べこぼしが無いか確認してください。」と、「長〇操さま」(△身1生2)及び当該訪問について自動生成された文章「生活リズムに変化がないか確認してください。」が示されている。さらに、当該例には、担当者Eについて、担当者名の表示列を変えることで、休みであることを示している。
【0135】
サービス管理責任者は、スケジュール入力時に更新された訪問情報領域R2の表示のスクリーンショットを撮り、適宜の連絡手段(例えば、LINE(登録商標)を用いたチャット)を介して、当該スクリーンショットを担当者に送信する。その後、サービス管理責任者は、文章の伝達状況を入力する欄を更新する。また、サービス管理責任者は、文章の伝達状況を入力する欄を参照して、文章を伝達していない担当者へのスクリーンショット送信を続ける。
【0136】
〔担当者によるサービス提供及び報告〕
担当者は、当該スクリーンショットを介して訪問情報を確認し、自動生成された文章等に沿ってサービスを提供する。そして、担当者は、上述の連絡手段を介して、上述の文章に対応する報告をサービス管理責任者に送信する。サービス管理責任者は、報告の伝達状況を入力する欄を更新する。また、サービス管理責任者は、報告の伝達状況を入力する欄を参照して、報告していない担当者に報告を促す。
【0137】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0138】
S システム
1 支援装置
11 制御部
111 表示指令部
112 指示生成部
13 記憶部
131 文章候補群テーブル
132 スケジュールテーブル
14 通信部
15 画面
16 入力部
R1 スケジュール領域
R2 訪問情報領域
N ネットワーク
T 端末
【要約】
【課題】漏れなく親身な介護・介助ができるよう、特定事業所加算を得ることに係るサービス提供責任者及び事業者の負担をともに低減する支援を行う技術的手段の提供。
【解決手段】本発明に係る訪問介護サービス事業者の支援装置1は、訪問介護サービスに係る訪問に関する訪問情報を画面に表示させる表示指令部111と、訪問について、訪問介護サービスに係るサービス提供責任者が訪問介護員等に伝達する文章を自動生成する指示生成部112と、を備え、表示指令部111は、訪問介護員等及び訪問介護サービスを提供されるサービス利用者それぞれの識別情報と、指示生成部112が自動生成した文章とを少なくとも含む訪問情報を画面に表示させ、指示生成部112は、複数の文章候補を含む文章候補群(文章候補群テーブル131)からの無作為抽出により文章を自動生成する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
図9
図10
図11