(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-08
(45)【発行日】2025-05-16
(54)【発明の名称】螺旋ばね備えるプローブデバイス、回転ヘッド、およびテスト装置
(51)【国際特許分類】
G01B 21/00 20060101AFI20250509BHJP
G01N 27/87 20060101ALI20250509BHJP
【FI】
G01B21/00 P
G01N27/87
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020218231
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】10 2020 200 480
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521000611
【氏名又は名称】プルフテヒニック ディーター ブッシュ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100182903
【氏名又は名称】福田 武慶
(72)【発明者】
【氏名】ピーターズ,ユルゲン
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第04121948(DE,A1)
【文献】特表2018-521327(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第02945586(DE,A)
【文献】特開2019-174358(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0052413(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00-5/30
21/00-21/32
G01N 27/00-27/9093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ヘッド(1)のためのプローブデバイス(19、27)であって、
回転の軸(8)の周りを回転するように取り付けられる少なくとも1つの支持アーム(21、28、29)と、
前記支持アーム(21、28、29)に連結される少なくとも1つのプローブ(22、31)と、
前記回転ヘッド(1)に支持され得、かつ前記支持アーム(21、28、29)に係合し、そして
前記回転の軸(8)に対するトルクを前記支持アーム(21、28、29)に
与えるために設けられ
る、
少なくとも1つのばね要素(20、30)と、を有し、
前記支持アーム(21、28、29)は、前記ばね要素(20、30)のための、前記回転の軸(8)と同心である少なくとも1つのマウント(23)を有し、前記ばね要素は、前記マウント(23)
の周りもしくは前記回転の軸(8)の周りに1回もしくは複数回巻かれて配置される
、プローブデバイス(19、27)。
【請求項2】
前記ばね要素(20、30)は、ねじりばねまたは螺旋ばねまたは
線ばねまたはレッグスプリングである、請求項1に記載のプローブデバイス(19、27)。
【請求項3】
前記ばね要素(20、30)は、前記回転ヘッド(1)の停止部(25)でそれを支持するための支持セグメント(24)を有する、請求項1または2に記載のプローブデバイス(19、27)。
【請求項4】
前記支持アーム(21、28、29)および/または前記プローブ(22、31)の
回転の角度
を制限するための少なくとも1つの機械的デリミタ(36)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のプローブデバイス(19、27)。
【請求項5】
プローブケーブルを案内するための少なくとも1つのケーブル管路を有し、前記ケーブル管路が、前記プローブ(31)から前記回転の軸まで前記支持アーム(28、29)に沿って延びる第1端部セグメント(33)と、実質的に前記回転の軸から始まる第2端部セグメント(34)とを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のプローブデバイス(27)。
【請求項6】
前記第1端部セグメント(33)および前記第2端部セグメント(34)が互いに直接連結されるか、または前記回転の軸に沿って延びるケーブル管路セグメント(35)が前記第1端部セグメント(33)および前記第2端部セグメント(34)を互いに連結する、請求項5に記載のプローブデバイス(27)。
【請求項7】
前記支持アーム(21、28、29)は、片側または両側レバーの様式で取り付けられている、請求項1~6のいずれか1項に記載のプローブデバイス(19、27)。
【請求項8】
前記支持アーム(21、28、29)上に配置された少なくとも1つのカウンターウェイト(32)を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のプローブデバイス(19、27)。
【請求項9】
少なくとも1つの、請求項1~
8のいずれか1項に記載の
プローブデバイス(19、27)を有する
、回転ヘッド(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの、請求項1~8のいずれか1項に記載の
プローブデバイス(19、27)を有する、
テスト装置。
【請求項11】
少なくとも1つの、請求項9に記載の回転ヘッド(1)を有する、テスト装置。
【請求項12】
前記プローブ(22、31)が互いに向かい合って配置される、少なくとも1対のプローブデバイス(19、27)を有する、請求項10
または11に記載のテスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ヘッドのためのプローブデバイスに関し、それは回転の軸の周りを回転するように取り付けられる少なくとも1つの支持アームと、支持アームに連結される少なくとも1つのプローブと、回転ヘッドに支持され得、かつ支持アームに係合し、そして支持アームに力を与えるために設けられ、この力の結果として、回転の軸に対してトルクを受ける少なくとも1つのばね要素と、を有する。さらに、本発明は、この種の少なくとも1つのプローブデバイスを有する回転ヘッド、ならびにこの種の少なくとも1つのプローブデバイスおよび/またはこの種の少なくとも1つの回転ヘッドを有するテスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転システムとして設計されたテスト装置は、特に棒状の丸い金属半製品の亀裂や吹き抜けなどの欠陥を渦電流法および漏洩磁束法で検査するために使用されるようになり、この種の回転システムでは、プローブデバイスは、テスト装置の回転可能な回転ヘッドに配置される。その上に配置されたプローブデバイスと共に回転ヘッドを回転させて、回転ヘッドを貫通する中央の開口部から長尺のテストピースを挿入することにより、プローブデバイスはテストピースに対して螺旋状の経路に沿って移動する。テストピースの欠陥の位置に起因する磁場の変化を検出できるようにするために、渦電流法のプローブデバイスに設けられるプローブは、テストピースの表面から所定の距離またはそれからできるだけ近い位置に配置されていなければならない。これに対し、漏洩磁束法では、プローブがテストピースに接触し、その表面に沿って擦れてしまう。この場合、プローブは摩耗し、定期的に交換する必要がある。このような理由から、プローブを持ち上げると検査が中断されたり、検査が完全にできなくなったりするため、プローブをテストピースから持ち上げることなく、テストピースの表面にかかるプローブの接触圧力はできるだけ小さくする必要がある。
【0003】
したがって、DE 10 2012 108 241 A1により知られているのは、漏洩磁束または渦電流による細長いテストピースの非破壊検査のための回転システムとして設計されたテスト装置のためのプローブデバイスまたはプローブキャリアである。プローブキャリアは、モジュール式およびプラグイン式に設計されているので、テストピースの変化した直径へのテスト装置の適応が迅速に行われ得る。
【0004】
他の既知のプローブデバイス、例えば、DE 10 2015 214 232 A1に示されているプローブデバイスは、ピボットポイントの周りを自由に移動するように取り付けられた支持アームを有する。プローブは、両側レバーのように取り付けられる支持アームの一端に配置され、この一端と対向する支持アームの一端にはカウンターウェイトが設けられる。回転ヘッドに配置された引張ばねが支持アームに係合することで、支持アームに力がかかり、それによりトルクが支持アームにかかる。例えば、回転ヘッドの貫通開口部を通って、テストピースが不規則に動く限り、プローブを運ぶ支持アームの回転可能な取り付けにより、プローブがそれらを避けることが可能である。支持アームに係合された引張ばねと同様にカウンターウェイトにより、プローブの位置をテストピースの表面から所定の距離で調整したり、さらに必要に応じて、回転ヘッドの所定の回転の速度とテストピースの所定の直径に対してプローブのテストピースへの接触圧を調整したりすることが可能である。
【0005】
回転ヘッドの回転中、ばね要素は遠心力を受ける。回転ヘッドの回転の速度および支持アームの位置に応じて、ばね要素が支持アームに及ぼす力が変化し、回転の軸の周りで支持アームに作用するトルクも変化する。特に、テストピースに対するプローブの接触圧または位置は、このように影響を受ける。テストピースに対するプローブの接触圧力が増加すると、プローブの摩耗が増加する。逆に、接触圧が低下すると、磁束法または渦電流法が関係するかによって、プローブがテストピースから持ち上がったり、テストピースからの距離が長くなったりして、その結果、検査が中断されたり、または完全に不可能になったりすることがある。
【0006】
大型のテストピースとそれに対応する回転ヘッドの回転の速度の場合には、漏洩磁束法において検査動作が中断される結果として、プローブがテストピースの表面から持ち上がらないようにするために、実際には、ばねの力を設計し、それによりテストピース上のプローブの接触圧力を過度に高くしたり、または回転ヘッドの回転の速度を低下させたりする傾向がある。しかし、接触圧が高いと、テストピースの表面をこするプローブの摩耗が増加し、回転ヘッドの回転の速度を低下させると、テストピースのスループットが低下することになる。また、回転の速度およびテストピースの直径の影響を考慮すると、渦電流法ではテストピースの表面からのプローブの距離を正確に調整することが困難であることがわかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、遠心力に依存しないテストピースに対するプローブの調整を可能にするプローブデバイス、回転ヘッド、およびテスト装置を製造することにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有するプローブデバイス、請求項9の特徴を有する回転ヘッド、および請求項10の特徴を有するテスト装置によって達成される。
【0009】
既知のプローブデバイスでは、ばね要素は概して、テストピース上のプローブの接触圧が、回転ヘッドの回転の速度またはテストピースの直径に応じて変化するように、回転の軸から離れた支持アーム上の点で係合する引張ばねとして設計されるが、本発明によるプローブデバイスにおける支持アームは、回転の軸と同心であるばね要素のための少なくとも1つのマウントを有し、ばね要素は、それがマウントに配置されたときに回転の軸を中心として少なくとも部分的に湾曲する。言い換えれば、回転の軸は、ばね要素によって少なくとも部分的に包囲されているか、またはばね要素は、回転の軸の周りに少なくとも部分的にグルグル巻きにされるもしくは巻かれている。このようにして、ばね要素は、マウントの周りもしくは回転の軸の周りに少なくとも1回のターンもしくは複数回のターンでグルグル巻きにされるか、またはマウントの周りもしくは回転の軸の周りに1回もしくは数回巻かれ得る。この場合、回転の軸の周りで湾曲したまたは巻かれたばね要素は、回転の軸から離れた支持アーム上の点で係合する。この点は、特にマウント上に位置され得るが、それはまたマウントから離れて配置され得る。
【0010】
かなり一般的には、支持アームは長手方向軸を有し得、長手方向軸と回転の軸とは、互いに対して斜めになるように設計することが可能である。しかし、支持アームまたはその長手方向軸はまた、回転の軸と交差し得る。さらに、プローブは、互いに平行に配置された2つの支持アームまたは複数の支持アームの端部に固定され得、すべてが同じ回転の軸の周りに回転するように取り付けられる。さらに、接触圧力またはプローブの位置を調整するために、少なくとも1つのカウンターウェイトが支持アーム上に配置され得、その位置は支持アームに沿って有利に移動させることができる。
【0011】
ばね要素は、回転の軸と同心でそしてまた回転の軸の周りにあるマウントの周りで湾曲したりまたは巻かれたりしているため、ばね要素は遠心力の作用下でマウントに押し付けられ、それにより、ばね要素に任意の曲げ応力が生じることはない。したがって、ばね要素はまた、遠心力によって引き起こされる力を支持アームに及ぼすことができず、結果として、それにトルクが発生しない。代わり、支持アームは、回転ヘッドの回転の任意の速度およびテストピースの任意の直径に対して、バランスが保たれる。回転ヘッドの回転の速度が速い場合でも、プローブのテストピースからの持ち上がりまたは取り外れは発生しない。接触圧力が常に最適または可能な限り最小に調整されているため、プローブの摩耗が減少し、その結果、プローブの耐用年数およびそのメンテナンス間隔が大幅に長くなる。プローブの接触圧力は、ばねの力によってのみ発生し、支持アームは、適切なカウンターウェイトによって一度だけバランスをとる必要があるため、例えば、テストピースの表面上のプローブの接触圧力を調整するため、またはテストピースの表面からのプローブの距離を調整するためのカウンターウェイトの後続の操作を省略することが可能である。このようなカウンターウェイトの後続の調整は、異なる重量のプローブが使用されている場合にのみ必要となる。特に、直径に依存したカウンターウェイトの調整、または直線速度の強制的な低下でさえもはや必要ない。回転ヘッドの必要な回転の速度を常に確保できるので、本発明によるプローブデバイスを有する検査デバイスの生産性が向上する。
【0012】
ばね要素は、特に、例えば、螺旋ばねまたは楕円ばねまたはパラボリックスプリングまたはウェーブスプリングまたは線ばねまたはレッグスプリングのようなねじりばねであり得る。ねじりばねは、曲げトルクを伴う曲げによって弾性的に変形され得、その結果、要素に曲げ応力が生じる要素を一般的に指す。ねじりばねは、例えば、螺旋ばね、すなわち、平面内で螺旋状に巻かれている、強く曲げられた金属バンドを含む。対照的に、楕円ばねは、わずかに曲がった板ばねからなり、一般的に、他の板の上に横たわっている個々のばねの板を含有するばねアセンブリとして、それは互いに対になって取り付けられる。パラボリックスプリングの場合は、層状のばねアセンブリの代わりに、中央部から端部に向かって放物線状に強度が低下する板ばねが使用される。次に、ウェーブスプリングは、波状の平らなワイヤから作られたリングであり、荷重がかかるとウェーブが湾曲する。ウェーブスプリングは、アセンブリ内で上下に重ねたり、またはその他単層で使用され得る。断面が長方形の板ばねに対し、線ばねはワイヤからなる。線ばねには、とりわけレッグスプリングを含み、これは、グルグル巻または螺旋状に巻かれ、ワイヤを曲げるトルクを導入するための直線端部が突出している線ばねである。
【0013】
ばね要素は、永久的な方法でまたは取り外し可能な方法で、支持アームに連結または固定することが基本的に可能である。これに対応して、ばね要素は、回転ヘッドの適当な点またはこの目的のために意図された回転ヘッドの要素で、永久的な方法でまたは取り外し可能な方法でそれを連結することによって、回転ヘッド上に支持され得る。しかしながら、好ましいのは、ばね要素が回転ヘッドに連結されておらず、むしろ、回転ヘッドの停止部に対してそれを支持するためまたはそれを静止させるための支持セグメント、例えば端部セグメントを有するプローブデバイスの実施形態である。この種の実施形態は、ばね要素が支持アームもしくはそのマウントに取り付けられていない場合、個々のばね要素の単純な交換が可能であるという特別な利点を有する、またはばね要素を支持アームに永久的または取り外し可能に取り付ける場合、この目的のためにばね要素を回転ヘッドから取り外したり分離したりする必要なしに、支持アームもしくはプローブデバイス全体の交換さえ可能である。新しいばね要素または支持アームまたはプローブデバイスの取り付けも同様に簡単である。
【0014】
本発明によるプローブデバイスは、任意の回転システム、すなわち、プローブが支持アームに移動可能に吊り下げられているものにも適する。また、非接触検査方法において、支持アームおよび/またはプローブの回転の角度を制限するための機械的デリミタを提供することも可能であり、これに対して、支持アームまたはプローブがわずかな圧力で静止することができ、その結果、それが可能な限り容易に外れることができるようにし得る。このようにして、プローブディフレクタに対するテストピースの衝撃のエネルギーを低減し得る。
【0015】
プローブデバイスのプローブは、測定信号を評価ユニットに送信できるようにするために評価ユニットとの接続部を有する必要があるため、例えば、プローブケーブルは、プローブから支持アームを介して案内される。プローブケーブルはしばしば、回転ヘッド上の接続端子または入り口からプローブデバイスまでケーブルベンドまたはループとして延びており、支持アームの可動性を確保するためにプローブデバイスの支持アームを介して後者のケーブル管路内でプローブまで案内される。既知のプローブデバイスのばね要素と同様に、これらのケーブルベンドもまた、回転ヘッドが回転する際に遠心力を受け、その結果として、支持アームにトルクを与え、その結果として、それらはテストピースに対するプローブの接触圧力または位置に影響を与える。
【0016】
この種のトルクを低減または防ぐために、プローブデバイスは好ましくは、プローブから回転の軸まで支持アームに沿って延びる第1端部セグメントと、実質的に回転の軸から始まる第2端部セグメントとを有するケーブル管路と共に、プローブケーブルを案内するための少なくとも1つのケーブル管路を有する。言い換えれば、第1端部セグメントおよび第2端部セグメントの両方は、回転の軸に対してそれらの端部の一方に実質的に帰する、または、それらのそれぞれの端部の他の一方が回転の軸上に実質的に配置される、または、それらのそれぞれの端部の一方が回転の軸のレベルに配置される。第1端部セグメントおよび第2端部セグメントの両方は、このようにして回転の軸との角度を囲む。このようにして、プローブケーブルが、支持アームの回転の軸のレベルでプローブデバイスに案内されるもしくはそのプローブに案内される、またはそれから離れて案内されることがもたらされる。その結果、プローブケーブルは、プローブデバイスおよびプローブケーブルの両方が回転システムの回転ヘッドの一部として回転し、遠心力を受けたときに、支持アームにいかなるトルクも生じ得ない。したがって、プローブケーブルはまた、プローブの位置の調整またはテストピースの表面上でのその接触圧の調整にいかなる影響を与え得ない。
【0017】
プローブデバイスの実施形態では、第1端部セグメントと第2端部セグメントとが互いに直接連結されることが可能である。これらの場合、2つの端部セグメントは、実質的に支持アームのピボットポイントで互いに直接移行する。プローブデバイスの他の実施形態では、回転の軸に沿って延びるケーブル管路セグメントが、第1端部セグメントと第2端部セグメントとを互いに連結する。例えば、第1端部セグメントは、プローブから回転の軸へ、または支持アームのピボットポイントへ導くことができ、ここで、それは回転の軸に平行なケーブル管路セグメントへ通じ、次いで、回転の軸に沿って支持アームのピボットポイントから離れて導かれ、支持アームから離れたところで第2端部セグメントに通じる。
【0018】
本発明によるプローブデバイスにおいて、支持アームは、ある種の片側レバーまたは両側レバーとして取り付けられ得る。いずれの場合も、プローブは、支持アームの端部または端部セグメントでそれに連結され得る。支持アームが一種の両側レバーとして取り付けられている場合、好ましくは、プローブの他に少なくとも1つのカウンターウェイトが支持アームに固定されており、プローブおよびカウンターウェイトは、支持アームの回転の軸に対して反対側、すなわち好ましくは支持アームの両端または端部セグメントに配置される。
【0019】
有利には、本発明による回転ヘッドは、本発明による少なくとも1つのプローブデバイスを有する。ばね要素のばね定数の適切な選択は、テストピースに対するプローブの位置またはテストピース上のプローブの接触圧力の調整に寄与し得る。
【0020】
本発明によるテスト装置は、好ましくは、少なくとも1対のプローブデバイスを有し、そのプローブは、互いに向き合って配置される。テストピースがプローブ間に配置または挿入されている場合、プローブは、互いに対向するテストピースの2つの側面を同時に検査し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。以下、
【0022】
【
図1】2つのプローブデバイスを備える従来技術による回転ヘッドを示す。
【0023】
【0024】
【
図3】
図2のプローブデバイスの概略側面図である。
【0025】
【
図4】本発明によるプローブデバイスの概略側面図を示す。
【0026】
【
図5】本発明によるプローブデバイスの空間描写を示す。
【0027】
【
図6】ケーブル管路を備えるプローブデバイスの空間描写を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、回転システムとして設計されたテスト装置の既知の円形回転ヘッド1である。回転ヘッド1は、中央貫通孔2と、2つの実質的に同一に設計されたプローブデバイス3および4と、を有する。
【0029】
プローブデバイス3は、
図2の拡大図および
図3の概略側面図で見られ得る。これらは互いに平行に配置され、実質的に中央に配置された中央接続ピース7によって互いに連結される。中央接続ピース7のレベルで、支持アーム5および6は、
図2に破線で示した回転の軸8の周りを、一種の両側レバーのように回転するように取り付けられる。支持アーム5と6との間に延びるプローブ9は、貫通孔2に面する支持アーム5および6の端部に保持され、貫通孔2から離れて面する支持アーム5の端部にはカウンターウェイト10が配置される。さらに、プローブデバイス3は、プローブ9から始まって支持アーム5に沿って延びる第1端部セグメント11と、第1端部セグメント11に隣接する第2端部セグメント12とを有するケーブル管路を有し、第2端部セグメント12は、回転の軸8と交差していないし、それから始まっていない。ケーブル管路は、明確にするために、図示しないが、プローブケーブルを取り付けるために設けられる。最後に、コイル張力ばねまたはコイルばね13は、中央接続ピース7と支持アーム5上のカウンターウェイト10との間の点で係合し、その結果、プローブ9から離れて面する支持アーム5の端部セグメントで係合する。
【0030】
その構造において、プローブデバイス4は、プローブデバイス3に実質的に対応する。特に、プローブデバイス4はまた、その支持アームの端部セグメントに固定されたプローブ14を有する。プローブに対向するプローブデバイス4の支持アームの端部には、カウンターウェイト15が設けられる。
図1の空間的観点からは、プローブデバイス4のケーブル管路の第2端部セグメント16のみが見える。コイルばね17は、ケーブル管路の第2端部セグメント16と支持アーム上のカウンターウェイト15との間の点で、プローブ14から離れて面するプローブデバイス4の支持アームの端部セグメントの一端と係合する。
【0031】
回転ヘッド1において、2つのプローブデバイス3および4は、それぞれのプローブ9および14が貫通孔2に対して実質的に直径方向に互いに対向するように配置される。
【0032】
テスト装置の動作では、次いで回転ヘッド1をテストピース18の周りで回転させながら、プローブ9および14の一方を、孔2から検査対象の細長いテストピース18に向けて挿入する。プローブデバイス3および4のカウンターウェイト10および15ならびにプローブデバイス3および4上のコイルばね13および17を適切に選択することにより、プローブ9および14がテストピース18の表面に押し付ける接触圧力を調整することが可能である。テストピース18からの距離は、非接触方式において、例えば、プローブデバイス3のために
図2に描かれたデリミタ36のように、回転の角度の機械的な区切りによって調整される。接触方式では、デリミタ36は、テストピース18のための経路が遮断されないように、支持アーム5を保持する役割を果たす。対照的に、テストピース18からの距離は、接触方式では、プローブ9がテストピース18から持ち上がるか、または非接触方式では、デリミタ36への接触が失われる程度に、カウンターウェイト10およびコイルばね13によって影響される。
【0033】
回転ヘッド1の回転中、コイルばね13および17は遠心力を受ける。これらの遠心力は、コイルばね13および17のばね張力に影響を与え、したがって、コイルばね13および17によってそれぞれの支持アームに及ぼされる力およびトルクに影響を与える。このため、テストピース18の表面からのプローブ9および14の予め調整された距離、またはテストピース18の表面上のその接触圧力が影響を受ける。さらに、この影響は、回転ヘッド1のそれぞれの回転の速度に依存する。
【0034】
この遠心力の影響を防ぐために、コイルばねの代わりに湾曲したばね要素がプローブデバイス19に設けられており、これは
図4に概略側面図で、
図5に概略側面図で描かれる。本実施例で関与しているのは、レッグスプリング20である。先に説明したプローブデバイス3の場合と同様に、プローブデバイス19はまた、プローブ22のための支持アーム21を有しており、これは、回転の軸8の周りに回転可能に取り付けられる。レッグスプリング20のためのマウント23は、それぞれの場合において支持アーム21の一方に設けられており、回転の軸8と同心である。レッグスプリング20は、マウント23上に配置され、マウント23の周囲に複数回巻き付けられる。端部セグメント24によって、レッグスプリング20は、回転ヘッド1の突出した停止部または停止部ピン25に対して静止し、それによりそれによって支持される。さらに、レッグスプリング20は、回転の軸8から間隔をおいた支持アーム21上の点で係合し、この場合、それは、ファスナー26によって支持アーム21の所定の位置に固定される。
【0035】
レッグスプリング20の端部セグメント24が停止部ピン25に押し付けられ、それが支持アーム21に係合するファスナー26によって所定の位置に固定されているという事実の結果として、レッグスプリング20が支持アーム21に力およびトルクを作用させることが可能である。対照的に、レッグスプリング20は回転の軸8と同心に配置されているので、レッグスプリング20の曲げ応力を増加させ、それによってレッグスプリング20を介して支持アーム21に作用する力および効果的なトルクに影響を及ぼす遠心力が生じることは、回転ヘッド1の動作中には不可能である。この代わりに、レッグスプリング20は、その曲げ応力に影響を与えることなく、遠心力によってマウント23に押し付けられる。このため、テストピース18の表面に対するプローブ22の接触圧または互いのそれらの距離は、回転ヘッド1の回転の速度およびテストピース18の直径にも依存しない。
【0036】
回転ヘッド1が回転すると、既知のプローブデバイス3および4のケーブル管路内に収容され、その第2端部セグメント12および16から出た後、回転ヘッド1の接続端子または入り口まで円弧状に延びるプローブケーブルは、遠心力を受ける。次いで、これらの遠心力は、回転可能に取り付けられたプローブデバイス3および4にレバー効果を及ぼし、その結果、テストピース18の表面からのプローブ9および14の予め調整された距離、またはテストピース18の表面上のその接触圧力が影響を受ける。
【0037】
図6は、この問題も克服されたプローブデバイス27を示す。上述した既知のプローブデバイス3および4とは対照的に、プローブデバイス27は、2つの支持アーム28および29を含み、これらは一体部品として設計される。2つの支持アーム28および29は、同じ回転の軸を中心に回転可能に取り付けられており、その回転は上述したようにレッグスプリング30の影響を受けている。支持アーム28および29の一端には、支持アーム28および29間に延びるプローブ31が保持されており、一方でそれに対向する支持アーム29の端部にはカウンターウェイト32が配置される。
【0038】
プローブデバイス27は、支持アーム28および29の一体設計という点だけでなく、プローブケーブルを取り付けるためのそのケーブル管路の点でも、先に説明したプローブデバイス3および4とは異なる。したがって、プローブデバイス27のケーブル管路は、プローブ31から回転の軸まで支持アーム28に沿って延びる第1端部セグメント33を有する。第2端部セグメント34は、回転の軸から実質的に延びる、またはそれとの角度を囲む。第1端部セグメント33および第2端部セグメント34は、中空軸として設計され、回転の軸に沿って延びるケーブル管路セグメント35によって連結される。回転ヘッド1へのプローブデバイス27の取り付け状態では、第2端部セグメント34は、回転ヘッド1に対して永久的または着脱可能に配置されるが、支持アーム28および29が回転の軸の周りで回転可能であり、したがって、第2端部セグメント34に対して回転運動を行うことができる。中空ケーブル管路セグメント35の内部では、支持アーム28および29が傾いたときに、プローブケーブルがその位置またはその距離が大きく変化することなく、柔軟にねじられることが可能である。支持アーム29上に提供されるのは、支持アーム28のケーブル管路に対応するケーブル管路である。
【0039】
第1端部セグメント33が回転の軸まで走り、第2端部セグメント34が回転の軸から始まり、ケーブル管路セグメント35が回転の軸と平行である、特別なケーブル管路の結果として、プローブケーブルは、回転ヘッド1が回転するときに、遠心力がプローブデバイス27に及ぼす影響を最小限にするような方法で案内され得る。特に、プローブデバイス27の場合には、この種の遠心力を受け、この遠心力を支持アーム28および29に伝達するようないかなるケーブルベンドが生じることはない。例えば、支持アーム28が回転の軸を中心に回転するとき、プローブケーブルは、その形状を変えたり、または回転の軸から遠ざかったりすることなく、中空ケーブル管路セグメント35の内部で自由にねじることができるので、それはプローブデバイス27上の回転ヘッド1の回転に起因する任意の力を発揮することができない。したがって、プローブデバイス27は、プローブ31の重量に応じてカウンターウェイト32により1回でバランスをとられ得る。その後、バランスがとれたプローブデバイス27は、回転ヘッド1の直径の全範囲および回転速度の範囲にわたって均一に機能する。したがって、テストピース18への接触圧力またはその表面からのプローブ31の距離は、遠心力とは無関係である。
【0040】
本発明によるプローブデバイスの別の実施形態では、中空ケーブル管路セグメント無しで済まされ、第1端部セグメントが第2端部セグメントに直接連結される。
参照番号一覧
1.回転ヘッド
2.貫通孔
3.プローブデバイス
4.プローブデバイス
5.支持アーム
6.支持アーム
7.中央接続ピース
8.回転の軸
9.プローブ
10.カウンターウェイト
11.第1端部セグメント
12.第2端部セグメント
13.コイルばね
14.プローブ
15.カウンターウェイト
16.第2端部セグメント
17.コイルばね
18.テストピース
19.プローブデバイス
20.レッグスプリング
21.支持アーム
22.プローブ
23.マウント
24.端部セグメント
25.止めピン
26.ファスナー
27.プローブデバイス
28.支持アーム
29.支持アーム
30.レッグスプリング
31.プローブ
32.カウンターウェイト
33.第1端部セグメント
34.第2端部セグメント
35.ケーブル管路セグメント
36.デリミタ