(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-05-08
(45)【発行日】2025-05-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20250509BHJP
【FI】
G16H20/10
(21)【出願番号】P 2025003139
(22)【出願日】2025-01-08
【審査請求日】2025-02-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524188974
【氏名又は名称】株式会社OZ
(74)【代理人】
【識別番号】110004174
【氏名又は名称】弁理士法人エピファニー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 猛
(72)【発明者】
【氏名】関根 照拡
(72)【発明者】
【氏名】栄羽 浩之
(72)【発明者】
【氏名】黒野 聖爾
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-004012(JP,A)
【文献】特開2023-011214(JP,A)
【文献】特開2021-140735(JP,A)
【文献】特開2021-140619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00ー80/00
G06Q 10/00ー99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬局店舗でオンライン服薬指導を提供する情報処理システムであって、
サーバと、前記薬局店舗の患者端末と、前記薬局店舗とは異なる場所の薬剤師端末と、を備え、
前記サーバは、識別処理と、依頼処理と、通話処理と、を実行し、
前記識別処理では、前記薬局店舗に来局した来局患者の患者識別情報を取得し、
前記依頼処理では、前記患者識別情報と対応する服薬指導タスクを、前記薬剤師端末で提示し、
前記通話処理では、
提示された前記服薬指導タスク
が選択された前記薬剤師端末と、前記患者端末とを、通話可能に接続する、情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
少なくとも1つの画像を、前記サーバに取得させ、
前記少なくとも1つの画像は、前記依頼処理又は前記通話処理において前記薬剤師端末に表示するための画像である、情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記少なくとも1つの画像は、監査画像、処方箋画像、薬情画像、お薬手帳画像、調剤録画像、薬袋画像、領収証画像、領収証明細画像、受付番号票画像、検査結果画像、健診結果画像、上限管理表画像、及び機器出力情報画像からなる群から選択される1つ又は複数の画像を含む、情報処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記少なくとも1つの画像は、前記依頼処理における依頼時の情報伝達のための画像、又は前記通話処理において服薬指導に用いる画像を含む、情報処理システム。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記依頼処理では、前記少なくとも1つの画像とともに前記服薬指導タスクを提示する、情報処理システム。
【請求項6】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記通話処理では、前記薬剤師端末の通話画面に、前記少なくとも1つの画像を表示する、情報処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記サーバは、集計処理を、更に実行し、
前記集計処理では、前記薬剤師端末を使用する薬剤師について、前記服薬指導タスクの割当状況を集計する、情報処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記識別処理では、
前記来局患者のオンライン服薬指導が有ることを示す情報を取得し、
前記依頼処理は、
前記オンライン服薬指導が有りの場合に行われる、情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記サーバは、前記依頼処理時又は前記依頼処理後に前記オンライン服薬指導を無しに切り替え可能に構成される、情報処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
複数の前記薬剤師端末が設置され、
前記依頼処理では、下記(B1)又は(B2)に応じて、各薬剤師端末に前記服薬指導タスクを提示する、情報処理システム。
(B1)各薬剤師端末を使用する各薬剤師の所属店舗又は他店舗ヘルプ履歴
(B2)薬剤師若しくは店舗に対する指定、又は、指定なしの一括依頼
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記依頼処理では、下記(C1)又は(C2)に応じて、前記薬剤師端末に前記服薬指導タスクを提示する、情報処理システム。
(C1)前記来局患者の処方箋の内容
(C2)前記来局患者の情報、症状、又は薬歴
【請求項12】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
複数の前記薬剤師端末が設置され、
前記依頼処理では、下記(D1)又は(D2)に応じて、各薬剤師端末に前記服薬指導タスクを提示する、情報処理システム。
(D1)各薬剤師端末が設置される設置場所の状況又は外部環境
(D2)各薬剤師端末を使用する各薬剤師の負荷状況、活動状況又は評価
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか1つに記載の情報処理システムの各処理をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項14】
請求項1~請求項12の何れか1つに記載の情報処理システムの各処理をコンピュータ
に実行させる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、薬局において高精度な服薬指導を提供するための服薬指導支援装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬局店舗では人的資源が有限であり、例えば混雑時等に業務対応の遅延が生じる課題がある。
【0005】
本発明は、薬局店舗の業務対応能力を向上可能な情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、薬局店舗でオンライン服薬指導を提供する情報処理システムであって、サーバと、前記薬局店舗の患者端末と、前記薬局店舗とは異なる場所の薬剤師端末と、を備え、前記サーバは、識別処理と、依頼処理と、通話処理と、を実行し、前記識別処理では、前記薬局店舗に来局した来局患者の患者識別情報を取得し、前記依頼処理では、前記患者識別情報と対応する服薬指導タスクを、前記薬剤師端末で提示し、前記通話処理では、前記服薬指導タスクを受任した前記薬剤師端末と、前記患者端末とを、通話可能に接続する、情報処理システムが提供される。
【0007】
本発明によれば、薬局店舗内でのオンライン服薬指導を効果的に導入して、薬局店舗の業務対応能力を向上可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1Aは、実施形態の情報処理システム1の全体構成の一例を示す。
図1Bは、実施形態の各サーバ2(2a~2d)及び各端末3(3a~3d)のハードウェア構成の一例を示す。
【
図2】実施形態における、サーバ2及び端末3の処理内容等と、各人員の業務フロー等とを、模式的に例示するブロック図である。
【
図3】サーバ2cがWebアプリケーションとして提供する機能及び各画面等を模式的に例示する図である。
【
図4】
図4Aの画面10は監査画像等送信画面の一例を示し、
図4Bは監査画像等に関連する関連機能の提示画面11、12,13の一例を示す。
【
図5】
図5Aの画面20は薬剤師端末3c2の依頼受信画面の一例を示し、
図5Bの画面30は薬剤師端末3c2の通話待機画面の一例を示す。
【
図6】
図6Aの画面40は薬剤師端末3c2の通話画面の一例を示し、
図6Bの画面42は患者端末3c1の通話画面の一例を示す。
【
図7】画面60は、薬剤師端末3c2の通話画面の他の例(通話待機画面を兼ねる通話画面)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の好ましい実施形態が図面を参照して詳しく説明されている。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0010】
1.情報処理システムの構成
1.1.全体構成
以下、来局患者が来局した薬局店舗を単に「自店舗」とも称す。
図1Aの実施形態の情報処理システム1は、薬局店舗(自店舗)の来局患者に、その薬局店舗(自店舗)とは異なる場所(例:他店舗又は服薬指導センター等)の薬剤師によるオンライン服薬指導を提供する。
図1に示すように、実施形態の情報処理システム1は、一例として、複数のサーバ2(2a~2d)と、複数の端末3(3a、3b1、3b2、3c1、3c2、3cc1、3d)とを備える。各サーバ2と各端末3は、通信網4で接続される。通信網4に限定はなく、インターネット、イントラネット若しくはLAN等又はこれらの任意の組み合わせを採用可能である。
【0011】
一例として、複数のサーバ2(2a~2d)において、サーバ2aがレセコンシステム(レセプトコンピュータシステム:医事会計システム)を提供し、サーバ2bが電子薬歴システムを提供し、サーバ2cがオンライン服薬指導システムを提供し、サーバ2dがレジシステム(例:POSシステム等)を提供する。サーバ2a~2dは、互いに独立でもよいが、その幾つか又は全部が互いに連携可能であるか又は統合されてもよい。
【0012】
複数の端末3は、一例として、薬局店舗(自店舗)内の各端末3と、自店舗と異なる場所(例:他店舗、又は服薬指導センター等の任意施設等)の各端末3と、を含む。自店舗内の各端末3は、具体的には、一例として、窓口のレセコン端末3a、患者端末3c1、調剤室の端末3(薬歴端末3b1、画像端末3cc1)、及びレジ端末3dを含む。自店舗と異なる場所の各端末3は、一例として、薬剤師端末3c2及び薬歴端末3b2を含む。一例として、薬局店舗(自店舗)又は自店舗と異なる場所にある任意のハードウェア端末が、各サーバ2にログイン(接続)することで、各ハードウェア端末が各端末3として動作してもよい。実施形態では、薬歴端末3b1、3b2が例えばクラウド薬歴システムにより共通の薬歴データを参照可能である。
【0013】
1.2.ハードウェア構成
図1Bを参照されたい。ここでは説明の便宜上、サーバ2及び端末3をまとめて「コンピュータ」とも呼称する。
図1Bに示すように、実施形態では一例として、各コンピュータ2、3が、制御部51、記憶部52、通信部53、入力部54、出力部55及び計時部56を備える。各コンピュータ2、3のハードウェアの各構成要素は、バスを介して相互に接続される。
【0014】
制御部51は、物理的に構造化された回路を有する。この回路は、プログラム内に含まれたコード又は命令に従って、任意の機能を実現するための各処理を実行する。制御部51は、例えば、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。そのため、制御部51は、制御回路と表現されてもよい。制御部51は、例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、又はFPGA(field programmable gate array)でもよい。
【0015】
記憶部52は、各コンピュータ2、3が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。ここでは記憶部52を内部記憶装置と外部記憶装置とに区別せずに述べており、記憶部52には、例えば、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)など各種の記憶媒体を任意に採用可能である。また、記憶部52は、メモリ(memory)と表現される場合もある。
【0016】
各コンピュータ2、3は、プログラムを記憶部52に記憶可能である。このプログラムを実行することで、制御部51が、各コンピュータ2、3の各種機能を実現する。
【0017】
通信部53は、通信網4を介して、コンピュータ2、3間(又はこれらと他の任意のコンピュータとの間)での、各種データの送受信を行う。通信は、有線、無線のいずれでもよく、任意の通信プロトコルを採用可能である。通信部53は、各種データを制御部51からの指示に従って、各種装置に送信する。また、通信部53は、通信網4を介して各種データを受信し、制御部51に伝達する。
【0018】
入力部54は、各コンピュータ2、3に対する各種操作を入力する装置である。出力部55は、各コンピュータ2、3で処理された処理結果を出力する装置である。入力部54及び出力部55は、分離した装置であってもよく、一体化した装置であってもよい。
【0019】
入力部54は、ユーザ(各コンピュータの操作者等)からの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部51に伝達できる全ての種類の装置のいずれか又はその組み合わせにより実現される。入力部54は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)、ヘッドセット、又は骨伝導マイク等でもよい。入力部54は、音入力部又は撮像部を備えていてもよい。音入力部は、音データを入力可能であり、マイクなどを含む。撮像部は、画像データ(静止画像データ、動画像データ、又は三次元画像データ等。以下同様。)の取得に利用される。
【0020】
出力部55は、制御部51で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか又はその組み合わせにより実現される。出力部55は、ディスプレイ、タッチパネル、タッチディスプレイ、スピーカ(音声出力)、指向性スピーカ、ヘッドセット、骨伝導イヤホン、又はプリンターなどでもよい。出力部55としてのディスプレイ、タッチパネル又はタッチディスプレイは、フレームバッファ(メモリ)に書き込まれた表示データに従って、表示することができる全ての種類の装置のいずれか又はその組み合わせにより実現される。
【0021】
例えば、入力部54がタッチパネルの場合、入力部54と出力部55としての表示部とは、略同一の大きさ及び形状で対向して配置されていてもよい。
【0022】
計時部56は、例えば各コンピュータ2、3に内蔵された時計であり、時刻情報(計時情報)を出力する。計時部56は、例えば水晶発振器を利用したクロック等を有する。
【0023】
なお、上記のハードウェア構成はあくまで一例である。また、実施形態の各サーバ2の提供形態は、専用の物理サーバでもよく、任意の仮想サーバでもよい。この点は後述の変形例で補足説明する。
【0024】
2.情報処理システムの動作
以下、
図2を用いて、実施形態の業務フロー及びシステム処理の一例を説明する。
図2では、各サーバ2と各端末3との間のやりとりは、システム処理に対応する。各端末3と人間との間のやりとりは、任意のユーザインタフェース(UI)入出力に対応する。このUI入出力は、任意の入力操作や任意の出力(例:画面や音等を通じた視覚的、聴覚的又は触覚的な通知等)を含む。なお、
図2では一例として、サーバ2a、2b間の連携を、矢印線で模式的に簡略に記載している。留意されたい点として、具体的なサーバ連携方法について本発明に限定はなく、任意の連携を採用可能である。通常、サーバ間の連携技術は、メーカ相違やクラウドか否か等に応じて様々な態様を採用可能であり、連携が複雑になることも有りうる。なお、サーバ間の連携は必要に応じて構築されればよく、他の例として、サーバ2a、2bの一方又は両方とサーバ2cとが連携されてもよく、更に追加でサーバ2dが連携されてもよい。
【0025】
図2のステップS1~S31のうち、システム処理(入出力又は演算処理)に対応するものについては、記憶部52から読み出されたプログラムが制御部51で実行されることで、制御部51上に各処理の機能部(例:識別部、依頼部、指導部、集計部)が実現される。また、各端末3(3b1~3c2)の各画面(画面10、20、30、40、42、及び変形例の画面60)の詳細な例は、後述の項目「3.端末機能等の例示」を参照されたい。
【0026】
留意されたい点として、実施形態の説明はあくまで一例であり様々な変形が可能である。下記の各ステップS1~S31の順番又は内容は必要に応じて置換、統合又は省略可能であり、またステップ間に他のステップを挿入可能である。なお、便宜上、会計システムのサーバ2d(
図1参照)は、
図2では図示を省略している。
【0027】
2.1.ステップS0~S12bの説明(識別処理S12bを含む)
まず
図2の紙面右上のステップS0に着目されたい。薬局店舗に来局した来局患者は薬局窓口に各種情報を提示し、これに応じて薬局事務員がレセコン端末3aに入力操作を行う(S0、S1参照)。具体的には、例えば、薬局窓口に、処方箋の紙面、受付カード及び保険証等が提出されてもよく、あるいは、例えばマイナンバーカードが提出されてマイナンバーを介して電子処方箋が取得されてもよい。これにより処方箋情報及び来局患者の個人情報(例:住所、氏名、生年月日、被保険者番号、及びマイナンバー等)等がサーバ2a(レセコン)で取得される(S2参照)。サーバ2a(レセコン)は受付番号を連番で発行し、レセコン端末3aに受付番号が出力される(S3参照)、薬局事務員はその受付番号を取得する(S4参照)。薬局事務員は受付番号に基づいて患者を案内可能である。受付番号は自動発券機等で発券されてもよい。少なくとも一部のレセコン入力作業が代行(外注)されてもよく、通信網4で接続された他のリモート端末からサーバ2aに処方箋等の入力が行われてもよい。
【0028】
このとき実施形態では、一例としてステップS0において、来局患者の「オンライン服薬指導の有無」が取得される。この「有無の取得」には、具体例として「希望取得」がある。「希望取得」では、任意の手段で来局患者にオンライン服薬指導を希望するか否かを質問し、その回答が取得される。
【0029】
なお、例えば来局患者が病院で診療を受けた場合等に、その診療に対応する処方箋に「オンライン対応」もしくは「オンライン服薬指導希望」と処方箋に記載されていることがある。この記載は、「来局せずに患者が自宅等でオンライン服薬指導を受けること」の可否を表している。つまりこの記載に基づき、処方箋原本なしでの調剤・指導・投薬等が可能かどうかを判定できる。これとは対照的に、実施形態(店舗内オンライン服薬指導)では、自店舗で処方箋原本を受領する通常の運用がなされ、店舗内で来局患者にオンライン服薬指導を提供するものである。実施形態のオンライン服薬指導は、は、処方箋における「オンライン対応」等の記載で想定される場面とは異なっている。他の規制等(例:自治体毎の各種ルール)を受けない限りは、処方箋の「オンライン対応」等の記載によらずに、実施形態のオンライン服薬指導を提供可能である。
【0030】
上記の「希望取得」で述べたように、実施形態では、来局患者に対して、オンライン服薬指導の提供を受けるかどうかの確認が行われる。希望取得の際には、オンライン服薬指導の利点(例:少ない待ち時間)などを説明して、来局患者に判断材料等が提供されることで、来局患者の利便性が向上する。
【0031】
オンライン服薬指導の有無は、任意の手段及び場所で、任意のスタッフ又は任意のデバイスにより取得可能である。例えば窓口で薬局事務員が来局患者に口頭で確認してもよいし、又は例えば店頭受付端末(例:タブレット)等で来局患者の操作により取得されてもよい。オンライン服薬指導の有無は、薬局店舗内の業務フローで任意の方法で管理される。一例として、
図2のステップS0付近に示すように「紙ベース管理」でもよく、例えば任意の紙書類(例:処方箋、お薬手帳、又は任意の帳票)等に、任意の目印(例:付箋)等で、オンライン服薬指導の「有り」を明確化してもよい。なお、一定の場合(例:処方薬又は患者の症状等がオンライン服薬指導に適さない場合等)には、「有り」が採用されないことがあってもよく、業務フローの任意の段階でオンライン服薬指導が「無し(キャンセル)」とされてもよい。オンライン服薬指導が「無し」とされる場合、薬局店舗内で薬剤師が対面服薬指導を提供するように、他の業務フロー(図示省略)へ進む。なお、「無し」となる場合の例は、来局患者がオンライン服薬指導を希望しない場合、或いは例えば何らかの理由でオンライン服薬指導が不適切等の場合が考えられる。
【0032】
次に、ステップS5以降で、薬局店舗内の調剤室の業務が進行する。具体的には、調剤室の薬剤師が、薬歴端末3b1で処方箋情報等を取得閲覧し、監査(処方箋監査)を行い、サーバ2b(電子薬歴システム、
図1A参照)で薬歴等を確認し、必要に応じて疑義照会等を行う(S5,S6参照)。薬剤師は調剤後に薬歴端末3b1に調剤情報を入力し、これをサーバ2bが取得する(S7、S8参照)。
【0033】
次に、調剤室でさらなる監査(調剤薬監査)が行われる。薬剤師は、薬歴端末3b1で調剤情報を取得する(S9、S10参照)。調剤室の薬剤師は、監査(調剤薬監査)を行い、問題がなければ最終監査結果と監査画像とを薬歴端末3b1に入力する(S11参照)。これによりサーバ2bは最終監査結果を取得する(S12参照)。監査完了により来局患者に渡す物品(処方薬、薬袋、薬の説明書等)が揃う。なお、調剤薬監査は、調剤薬「鑑査」とも称されることがあるが、実施形態ではこれらは同じ意味として取り扱われる。
【0034】
なお、実施形態では、調剤室内での監査の具体的な運用等(例:端末の種類や調剤室内の手順等)についての説明を例示しているが、これはあくまで例にすぎない。各薬局店舗での運用に応じて、
図2のフローの具体的内容は任意に変形可能であることに留意されたい。
【0035】
次に、オンライン服薬指導が「有り」の来局患者については、実施形態では一例として調剤室の薬剤師が、患者識別情報(例:受付番号、氏名等)及び画像F(例:監査画像G等、詳細は後述)を、画像端末3cc1の画面10(
図4A参照)に入力する(S12a参照)。患者識別情報は、受付番号に限定されず、各来局患者を区別可能な任意の情報(例:患者氏名等)を採用可能である。これにより、サーバ2cが患者識別情報を取得し(識別処理S12b)、特定の来局患者へのオンライン服薬指導の提供指示がサーバ2cに与えられる。
【0036】
実施形態では一例として、サーバ2cに、「画像F」を取得(受信)させる。画像Fは、「依頼処理S13又は通話処理S23a、S23において、(少なくとも)薬剤師端末3c2に表示するための、少なくとも1つの画像」である。画像Fは、例えば「服薬指導薬剤師への依頼時の情報伝達に利用可能な任意の画像」、又は「服薬指導に利用可能な任意の画像」を採用可能である。画像Fは、患者識別情報と対応付けられる。
【0037】
実施形態の「画像F」は、具体的には例えば、「監査画像」でもよく、「処方箋画像」でもよく、「薬情画像」でもよく、「お薬手帳画像」でもよく、「調剤録画像」でもよく、「薬袋画像」でもよく、「領収証画像」でもよく、「領収証明細画像」でもよく、「受付番号票画像」でもよく、「検査結果画像」でもよく、「健診結果画像」でもよく、「上限管理表画像」でもよく、「調剤機器出力情報画像」でもよい。ここで例示列挙した各画像のうち、1つ(1種)又は複数(複数種)を、画像Fに採用可能である。
【0038】
上記の各画像例について説明する。「監査画像」は、調剤薬監査(調剤薬鑑査とも称される)において、来局患者の処方薬を撮像した画像である。実施形態の監査画像は、監査プロセスの最終段階で取得される画像であり、最終監査画像と称してもよい。実施形態において、「処方箋画像」は、来局患者の処方箋の画像である。「薬情画像」は、来局患者の処方薬についての薬剤情報提供書の画像である。「お薬手帳画像」は、来局患者のお薬手帳(紙又は電子を問わない)の画像である。「調剤録画像」は、来局患者に関連する調剤録の画像である。
【0039】
「薬袋画像」は、薬袋の画像である。薬袋には、法規に基づく記載事項(調剤された薬剤の容器又は被包に記載しなければならない事項として、患者の氏名、用法及び用量、調剤年月日、調剤した薬剤師氏名、調剤した薬局又は病院若しくは診療所等の名称及び所在地)が記載される。薬袋には、その他の注意事項(例:保管又は使用上の注意等)も記載されることがある。「領収証画像」は、領収証の画像である。領収証には、「医療費の内訳が分かるもの」として提供され、例えば「調剤技術料」、「薬学管理料」、「薬剤料」などに区分されて各項目の点数、費用が記載される。「領収証明細画像」は、領収証明細の画像である。領収証明細は、「領収証よりも更に詳しい医療費の内訳が分かるもの」として提供され、例えば処方される薬剤ごとの費用が記載される。
【0040】
「受付番号票画像」は、受付番号票(
図2、ステップS4参照)の画像である。「検査結果画像」は、来局患者の任意の検査結果(有る場合)を示す書類又はデータ等の画像である。「健診結果画像」は、来局患者の健康診断の結果(有る場合、一部又は全部を問わない)を示す書類又はデータ等の画像である。「上限管理表画像」は、自己負担上限管理票の画像である。自己負担上限管理票は、所定期間(1ヶ月)の自己負担が上限額を超えることがないよう、医療機関や薬局の窓口で確認するために使用される。「機器出力情報画像」は、「自店舗の機器から出力された出力情報」の帳票又はデータの画像である。「自店舗の機器」は、例えば調剤室内等の任意の機器(例:調剤機器等)でもよい。例えば調剤機器の場合には、出力情報として監査結果等が含まれる。
【0041】
なお、上記に画像Fとして採用可能な各画像を例示したが、この中には、単体で運用可能なものもあれば、単体ではなく併用が前提の画像もある。併用が前提の画像については、単体運用可能な画像とともにサーバ2cに送信されてもよいし、或いは、必要情報が例えばテキストデータ等でサーバ2cに送信されるとともにこの併用前提画像がサーバ2cに送信されてもよい。
【0042】
複数種類の画像が画像Fに採用されてもよく、実施形態では一例として、監査画像G、処方箋画像H及び薬情画像Jが画像Fとして採用される(
図4A参照)。画像Fの幾つかには、患者識別情報(例:患者の氏名等)が記載されるものも含まれる。なお、上記の例示に限られず他の画像も採用可能であり、例えば「上記で例示した各画像が示す情報又は項目を提示可能な任意の他の画像」を、画像Fに採用可能である。例えば、上記で例示した各画像の幾つかでは、処方薬の情報(例:外観、内容、成分、数量、用法、容量、服薬時又は保管等の注意事項、調剤の日時、場所又は調剤者等に関する各種情報等)、又は来局患者の情報(例:氏名、年齢、検診結果、健診結果、医療費の関連情報等)等を提示可能である。このように、例えば「処方薬の情報と来局患者とのうち少なくとも一方を提示可能な任意の画像」を、画像Fに採用してもよい。なお、画像Fは、OCR処理で文字情報が抽出されてもよい。また、画像Fのフォーマットは、任意の画像フォーマットを採用可能であり、ラスター画像とベクター画像とを問わない。また、画像Fの一例にPDFデータが含まれることはもちろんである。なお、もし仮に来局患者への対応順に基づく優先順位があれば、画面10にその優先順位が入力されてもよい。
【0043】
2.2.依頼処理S13の説明
次に、サーバ2cは、依頼処理を実行する(S13参照)。依頼処理S13では、サーバ2cが、患者識別情報(例:受付番号)と対応する服薬指導タスクを、薬剤師端末3c2の画面20(
図5A参照)を介して、服薬指導薬剤師に提示する(S14参照)。薬剤師端末3c2は、来局患者のいる薬局店舗とは異なる場所(例:他店舗等)に設けられている。服薬指導薬剤師が所望の服薬指導タスクを選択(クリック)すると(S15参照)、サーバ2cに選択情報が送られる(S16参照)。なお、服薬指導タスクに優先順位指示があれば、服薬指導薬剤師に対し優先順位指示に従う選択を促すように、表示内容を変えてもよい。
【0044】
2.3.通話関連の処理の説明(通話処理S23aを含む)
次に、サーバ2cが、選択情報(S16)に従って、選択された服薬指導タスクについての通話関連処理を実行する。通話関連処理の具体的内容は様々に構築可能であるが、実施形態では2つの例を提供する。第1の例では、通話待機画面と通話画面とをそれぞれ設けて(例:画面30及び画面40、
図5B及び
図6A参照)、通話待機→通話実行のように画面遷移させる。第2の例では、通話待機機能と通話機能とを統合した画面(例:画面60、
図7参照)を用いる。
【0045】
2.3.1.第1の例(画面30、40)
第1の例を説明すると、実施形態では一例として、サーバ2cが、選択情報(S16)に従って、選択された服薬指導タスクについての画面30(
図5B参照)を薬剤師端末3c2に表示し、通話待機状態とする(S17参照)。この時点ではまだ受任は画定しておらず、画面30で「戻る」ボタンを押すとキャンセル可能である。服薬指導薬剤師は、画面30で、メモ、及び画像F(例:監査画像G、処方箋画像H、薬情画像J等、他にもお薬手帳画像や調剤録画像も採用可能)を確認する(S18a参照)。薬歴の確認も行われるが、サーバ2b(電子薬歴システム)に服薬指導薬剤師が自らアクセスする等して確認してもよいし(S18b参照)、あるいは変形例としてサーバ2b、2cを連携させて画面30に薬歴表示してもよい。その後、服薬指導を開始可能であれば、タスク受任の意図をもって接続操作をする(S19参照)。実施形態の接続操作は、
図5Bの画面30で「患者呼出・通話開始」ボタンをクリックする操作である。接続操作に応答して、薬剤師端末3c2は、接続の指示(又はアクセス情報等の任意の接続情報等)を送信する(S20参照)。
【0046】
実施形態では一例として、ステップS20で接続(又は接続情報)が送信されると、「服薬指導通知」等の処理が行われる(S21参照)。実施形態では、一例としてサーバ2cからレセコン端末3aに、服薬指導通知及び患者識別情報(例:受付番号)が送信される。なお通知方法の具体例は、後述の項目「3.2.通知機能の例」で説明する。実施形態では、一例として、薬局事務員が、服薬指導通知に従って、特定の受付番号の来局患者を呼び出し、患者端末3c1の設置場所(例:窓口近くのオープンスペース等の任意のデスク、仕切りのあるブース、又は個室等)へと案内し、薬局事務員(又は来局患者)が患者端末3c1の「通話開始操作」をする(S22参照)。通話開始操作は、例えば、患者端末3c1の画面に表示された通話開始ボタン等(例:画面30の「患者呼出・通話開始」ボタン)を押す等である。これに伴い薬剤師端末3c2ではタスク受任確定となる。なお同一薬局店舗内に、複数の患者端末3c1が設置されてもよい。この場合、服薬指導通知は、端末指定情報(何れの患者端末3c1へと案内すべきかの表示)を含む。
【0047】
次に、実施形態では、一例としてサーバ2cが通話処理(S23a、S23b参照)を実行する。この処理では、サーバ2cが、服薬指導タスクを受任した薬剤師端末3c2と、患者端末3c1とを、通話可能に接続する。接続中には、薬剤師端末3c2に画面40(通話画面:
図6A参照)が表示され、患者端末3c1に画面42(通話画面:
図6B参照)が表示される。
【0048】
以上の第1の例によれば、服薬指導薬剤師が自店舗の外からオンライン服薬指導を提供可能となり(S24a参照)、自店舗内の来局患者がその提供を受けることができる(S24b参照)。
【0049】
2.3.2.第2の例(画面60)
実施形態では、上記第1の例に限定されること無く、様々な任意の画面及び処理を採用可能である。第2の例では、上記の画面30、40に代えて、画面60(
図7参照)が使用される。第2の例では、通話待機から通話中に移行する際に画面が遷移せず、画面60が維持される。
【0050】
第2の例を説明すると、実施形態では一例として、サーバ2cが、選択情報(S16)に従って、選択された服薬指導タスクについての画面60(
図7参照)を薬剤師端末3c2に表示する。実施形態では、一例として、画面60が初期状態では通話待機状態となる(S17に対応)。画面60には、画面30、40の各機能が設けられている。第2の例では、画面60により、第1の例の各ステップS17、S18a、S19、S20に対応する処理及び作業を実行可能である。
【0051】
ここで、第2の例では、
図7の画面60で「患者呼出・通話開始」ボタン(ボタン61)をクリックすると、一例として次の各処理(x1)~(x4)が実行されてもよい。
(x1)店舗(自店舗)に対して、患者呼び出し通知が送信される(ステップS21に対応)。
(x2)遠隔側(薬剤師端末3c2)は、通話待機状態となる。このとき、下記(x2-1)、(x2-2)の処理が実行される。
(x2-1)セルフカメラが起動して、通話開始の待機状態となる。
(x2-2)「患者呼出・通話開始」ボタン(ボタン61)が、「通話終了」ボタンに変わる。つまりボタン61は、「通話開始/終了の操作ボタン」である。
(x3)患者端末3c1が通話開始をすることで、通話開始となる(ステップS23a、S23bに対応)。服薬指導薬剤師は、画面60を通じてオンライン服薬指導を提供可能となる。なお患者端末3c1の設置場所は任意であり、例えば店舗の投薬カウンタ等に設置されてもよい。
(x4)上記(x2-2)で表示されている「通話終了」ボタンをクリックすると、通話が終了する(後述のステップS25参照)。
【0052】
この第2の例でも、服薬指導薬剤師が自店舗の外からオンライン服薬指導を提供可能となり(S24a参照)、自店舗内の来局患者がその提供を受けることができる(S24b参照)。
【0053】
2.3.3.通話終了
上記第1又は第2の例で例示した処理の後に、オンライン通話での服薬指導が完了すると、完了操作(S25参照)に応じてサーバ2cが接続解除の指示を受け取り(S26参照)、サーバ2cが接続を解除する。この時点でタスク完了となる。
【0054】
2.4.ステップS27~S31(服薬指導後の処理)
その後、実施形態では、一例としてサーバ2cが、案内情報(例:会計案内、会計情報、引換券番号など)を患者端末3c1に表示させる(S27参照)。引換券番号は患者端末3c1と接続された発券機から印刷されてもよい。案内情報を受け取った来局患者は、これに従って窓口等へ移動する(S28参照)。患者端末3c1とともに又はこれに代えて、レセコン端末3aに通知が送られてもよい。
【0055】
通話処理終了(接続解除S26)に応じて、案内情報の表示等(S27、S28)と同時又はその前後に、サーバ2cはレセコン端末3aに「服薬指導完了通知」を送信する(S29参照)。その後、薬局事務員は会計等の準備をし(S30参照)、来局患者は会計を済ませて処方薬を受け取る(S31参照)。
【0056】
以上説明したように、実施形態では、サーバ2cが、識別処理S12bと、依頼処理S13と、通話処理S23a、S23bとを実行する。これにより薬局店舗の運営にオンライン服薬指導を効果的に導入して、自店舗の外の人的資源(他店舗の薬剤師)を有効活用でき、薬局店舗の業務対応能力を向上可能となる。薬局店舗で対面対応することで、様々な利点(例:対面での事務手続及び服薬指導の安心感、処方箋原本を受け取って管理可能、処方薬の直接の手渡しが可能等)が得られる。このような薬局店舗対応の各種利点と、業務対応能力向上とを、両立可能となる。従来は混雑時等に本部又は別店舗から時間と費用をかけて薬剤師が応援に行くことで服薬指導に対応する場合もあったが、実施形態によればオンライン服薬指導の効果的な導入によりそのような時間や費用などを節減可能な利点がある。好ましくは、店舗運用に大幅な変更をせずに(より好ましくは基本的な店舗運営には全く変更なく)、実施形態の情報処理システムが導入されることが好ましい。
【0057】
なお、実施形態では、一例として、依頼処理S13又は通話処理S23aで薬剤師端末3c2に、画像Fの例として監査画像G等を表示する(
図4A、
図5A~
図6A、
図7参照)。これにより、依頼確認時又は通話時の利便性が向上する。
【0058】
3.端末機能等の例示
3.1.ログイン及び画面遷移等の例
図3を参照されたい。実施形態では、一例として、サーバ2cが、Webアプリケーションの形態で、オンライン服薬指導サービスを提供する。薬局店舗の各端末3は、一例として、予め登録設定された各店舗アカウントでログインする。その後のモード選択画面で、調剤室モードを選択すると画像端末3cc1の機能(例:画面10の表示等)が提供され、窓口モードを選択すると患者端末3c1の機能(例:画面42の表示等)が提供される。
【0059】
自店舗の外(例:他の薬局店舗等)の各端末3は、予め登録設定された各薬剤師アカウントでログインする。これにより薬剤師端末3c2の機能(例:画面20、30、40の表示、他の端末3への通知等)が提供される。ログイン後に、一例として、アカウントに紐づけられた1つ以上の薬局店舗(例:担当、所属、同一チェーン、又は同一グループ等)が一覧表示されてもよく、関連情報が表示されてもよい。
【0060】
3.2.通知機能の例
図3に「通知」と図示しているが、これは端末3の通知機能を意味している。実施形態では一例として、各端末3における端末OSの機能を利用して、任意の通知音、通知メッセージ、又は通知画像等を出力してもよい。具体的には、薬剤師端末3c2は、薬局店舗の各端末3におけるOS設定やメッセージ又はアラームの設定機能等にアクセス可能でもよい。通知機能の設定は、端末3同士で任意の通信機能を利用してもよいし、サーバ2cのWebアプリケーションを通じて提供されてもよい。
【0061】
具体的には、実施形態では、薬剤師端末3c2による通知機能の利用例として、少なくとも下記の3パターンを採用する。各パターンが各通知(例:通知音を鳴らす、又はメッセージ表示等)を含む。
・第1パターン:患者呼出・通話開始
・第2パターン:薬剤師呼出(例:疑義発生連絡等)
・第3パターン:会計連絡
【0062】
第1パターンの通知は、一例として、後述の画面30(
図5B参照)で「患者呼出・通話開始」ボタンの押下時に行われる。この通知は、
図2のステップS21(服薬指導通知)に対応する。
【0063】
第2及び第3パターンの通知では、一例として通知音と共にメッセージを表示し、その表示タイミングは、例えば、後述の画面30(
図5B参照)で「薬剤師呼出」又は「会計連絡」のボタンが押されたタイミングである。なお、服薬指導完了操作(S25)の後の第3パターン通知(会計連絡)は、服薬指導完了通知(S29)に対応する。
【0064】
第1及び第3パターンでは、一例として、受付窓口等の任意の事務員端末(例:レセコン端末3a)で通知機能を作動させる。場合によっては、隣の窓口にある他の任意の端末(例:電子薬歴端末)でもよい。第2パターンの店舗薬剤師呼出(例:疑義照会発生時等)では、一例として調剤室内の任意の端末(例:薬歴端末3b1又は画像端末3cc1)の通知機能を作動させてもよい。
【0065】
実施形態では、上記の第1~第3パターンに対応するために、各端末3でどの通知を行うかを設定可能である。例えば窓口の任意の端末(例:レセコン端末3a等)では第1及び第3パターンの通知を受信可能とし、調剤室の任意の端末(例:薬歴端末3b1又は画像端末3cc1)では第2パターンの通知を受信可能とするように、通知条件を設定可能でもよい。同じ端末3で異なる複数の通知(例:第1、第3パターン)を受信する場合は、通知内容(例:アラーム音等)に違いをつけることが好ましいので、通知内容(例:アラーム音等)も異なる複数の内容に設定可能なことが好ましい。また、アラーム音は、ループ再生するものと、ループ再生しないものとを、選択可能でもよい。
【0066】
3.3.画像端末の画面例
図4Aは、画像端末3cc1に表示される画面10の一例を示す。画面10は、画像Fを送信する画像送信画面の一例である。調剤室の薬剤師は、画面10を介して、患者識別情報(例:受付番号)を入力し、「画像を撮影(撮像)」ボタンをクリックして、画像Fを添付し、必要に応じてメモを記入し、送信ボタンを押す。これによりサーバ2cがそれらの各種情報を受け取る。なお、「後で来局」チェックボックスは優先順位指定機能の一例であり、チェックして送信ボタンを押すと送信情報に優先順位が反映される。画像Fは、撮像される対象物の情報(例:形状、色、模様、文字、数字、記号等)を正確に視認可能な程度に十分に鮮明であることが好ましい。例えば監査画像Gは、実際にはトレイ等の上に処方薬を見やすく並べた状態で撮像されることが好ましい。
【0067】
図4Bは、実施形態において状況確認等で使用される画面11~13の例である。画像端末3cc1では画面11(状況確認画面)を表示可能であり、「撮影済み画像一覧」ボタンを押すと、画面12(画像一覧画面)に遷移する。画面12では、送信済みの画像F(例:監査画像G等)が一覧表示される。送信日(例:当日)等の絞り込み機能も使用可能である。当初オンライン服薬指導の予定であったが対面服薬指導に変更したい場合等に、所望の画像Fを指定して取消ボタンを押すことで、対応する服薬指導タスクを取り消し可能でもよい。画面12にはステータスボタンSTも提供される。ステータスボタンSTは、「受信完了」、「薬剤師確認」、「保留中」、及び「指導完了」を備えており、受信した画像のステータスを表示可能である。各ステータスボタンSTは、一例として、クリックしてイベントが発動するボタンではなくともよく、クリックするごとにオンオフが切り替わるチェックボックスが採用されてもよい。例えば、ステータスボタンSTの全ボタン(4つ全て)をオンにした状態で、「検索」ボタンをクリックすると、全てのステータスの画像が表示される。例えば「受信完了」以外をオフにして検索すれば、ステータスが「受信完了」である画像のみを絞り込み表示可能である。例えば「薬剤師確認」ボタンをオンにして、「検索」ボタンをクリックすると、「既に薬剤師端末で開かれた画像F」(つまり薬剤師確認済の監査画像等)を、を絞り込み表示可能である。「メッセージ」ボタンを押すことで、画面13(メッセージウインドウ)が開き、メッセージの受信履歴を確認可能である。これにより、遠隔の薬剤師端末3c2からのメッセージを確認可能である。
【0068】
3.4.薬剤師端末の画面例
3.4.1.依頼受信画面
図5Aの画面20は、依頼処理(
図2のS13)により薬剤師端末3c2に表示される。画面20は、依頼受信画面であり、服薬指導タスクの依頼を受け取る画面である。画面20の画面レイアウトは、一例として各服薬指導タスクをタイル表示している。実施形態では、一例として、画像Fとともに服薬指導タスク21、22が提示される。具体的には、実施形態では、一例として、
図5Bに示すように、監査画像G等(例:全体サムネイル表示)とともに、服薬指導タスク21、22が提示されている。
図5Aの例では、受付番号55番と対応する服薬指導タスク21(例:画像Fとして監査画像G1等が添付)と、他の受付番号56番と対応する服薬指導タスク22(例:画像Fとして監査画像G2等が添付)とが図示される。なお、
図4Bで述べたステータスボタンSTも、画面20で提供されている。所望の服薬指導タスク(例:服薬指導タスク21)が選択(クリック)されると、
図5Bの画面30に遷移する。
【0069】
なお、一例として、画面20等に、様々な表示切替メニューが設けられてもよく、これにより服薬指導タスクを絞り込み表示又は並べ替えが可能でもよい。表示切替メニューは、例えば、下記メニュー(M1)~(M5)のうち1つ以上を備えるか、又はこれらを組み合わせて採用してもよい。
(M1)依頼元薬局店舗別に絞り込み表示又は序列表示
(M2)依頼時間で序列表示
(M3)受付番号で序列表示
(M4)優先順位(例:「緊急」、「後で」、「標準」など)で序列表示
(M5)自己への指定ありの依頼のみを絞り込み表示
【0070】
3.4.2.通話関連画面Qの第1の例
図3の破線Qは、通話機能に関連する通話関連画面を指しており、具体的には画面30、40を含んでいる。
図5Bの画面30は、通話待機画面の一例である。一例として、服薬指導タスク21(受付番号:55番)が選択されている。窓口選択メニューでは、一例として「1番窓口」が選択されており、これはつまり1番窓口に設置された患者端末3c1を通話接続先に指定している。
図5Bでは、画像Fの一例として監査画像G1が表示(この例では3枚中2枚目を表示)されており、隣にはメモ欄が設けられ、この服薬指導タスクのステータス表示(取消、保留、完了)も設けられる。「保留」は、疑義照会等で中断したあと、店舗ではなく遠隔で再開するための連絡待ち等である。「薬剤師呼出」ボタンは画像端末3cc1へ、「会計連絡」ボタンはレセコン端末3aへ、メッセージ及び通知を送信可能である。薬剤師呼出は、例えば疑義照会に使用可能である。「患者呼出・通話開始」ボタンが押されると、患者端末3c1に送信メッセージが送信されて服薬指導通知(
図2のS21参照)が出される。同時に、事務員等の使用する任意の端末(例:レセコン端末3a)にも通知を送る。患者端末3c1で応答(接続開始)があると、
図6Aの画面40に遷移する。
【0071】
図6Aの画面40は、薬剤師端末3c2の通話画面の一例である。画面40は、患者呼び出しボタンと、監査画像等の画像共有画面と、通話終了ボタンと、通話開始と終了時刻及びユーザ記録と、を備える。背景制御機能(例:背景ぼかし機能)又は音声字幕等をオンにする各ボタンが設けられてもよい。
【0072】
実施形態では、一例として、通話待機画面(例:画面30)又は通話画面(例:画面40)に、前述した画像Fを表示してもよい。
図5B及び
図6Aでは画像Fの一例として監査画像G1が表示されているが、画像切替操作(例:
図5B及び
図6Aの監査画像G1下方の「<」「>」ボタン)をクリックして他の任意の画像を表示可能である。
【0073】
図6Aの画面40は、通話処理(S23a)で接続された薬剤師端末3c2の通話画面である。一例として、服薬指導タスク21(受付番号:55番)を選択した薬剤師端末3c2が、これと対応する患者識別情報(例:受付番号55番)と紐づけられた患者端末3c1と、通話可能に接続されている。メイン表示エリア40aには、患者端末3c1のカメラに映り込んだ来局患者(受付番号:55番)が表示されている。サブ表示エリア40bには、セルフカメラ画像(服薬指導薬剤師自身)が表示される。実施形態では、一例として画面40に監査画像G1等も表示される。
【0074】
3.4.2.通話関連画面Qの第2の例
通話関連画面Qは、1つの画面60(
図7参照)で統合的に実現されてもよい。画面60は、通話待機と通話とを兼用可能な画面である。画面60では、画面30と同様に、例えば、「戻る」ボタン(キャンセル機能)と、メモ記入欄と、「画像確認」機能(例:監査画像G、処方箋画像H、薬情画像J等の任意の画像Fを確認可能)と、「薬剤師呼出」機能(疑義照会機能)と、「患者呼出・通話開始」機能と、「会計連絡」機能と、服薬指導ステータス機能とが提供されている。画面60では、画面40(
図6A参照)と同様に、メイン表示エリア40aと、サブ表示エリア40bと、「画像共有」機能とが提供される。
【0075】
画面60では、画像確認機能として、サムネイルエリア62と、拡大表示エリア63と、注釈機能63a(例:書込ペンの選択、書込消去)と、が更に提供されている。サムネイルエリア62から任意のサムネイル画像を選択すると(
図7では一例として監査画像G1を選択)、画面60右側の拡大表示エリア63に、選択した画像が拡大表示される。その後「画像共有」ボタンをクリックすると、患者端末3c1で共有される。注釈機能63aは、例えばボタン風ラジオボタン等を採用可能であり、拡大表示エリア63の画像に任意の描画(例:図形描画、ペン描画、文字入力等)が可能である。患者端末3c1にも、描画が合成された画像が共有される。なお、画像共有中でも「通話画面拡大」ボタンをクリックすると、患者端末3c1に写る患者の顔が、拡大表示エリア63に拡大表示される。一般的には、最初の挨拶時は患者の顔を拡大表示し、以後は監査画像等を共有して服薬指導を提供可能である。
【0076】
3.5.患者端末の画面例
図6Bの画面42は、通話処理(S23b)で接続された患者端末3c1(例:1番窓口)の画面の一例である。メイン表示エリア42aには、薬剤師端末3c2のカメラに映り込んだ服薬指導薬剤師が表示される。サブ表示エリア42bには、セルフカメラで撮像された自己(来局患者)が表示される。
【0077】
薬剤師端末3c2で画像共有が行われると、メイン表示エリア42aに共有画像を表示可能である。画像共有時には、薬剤師の顔を映すための他のサブ表示エリアが追加表示されてもよい。共有画像として、画像Fの任意の1つを共有可能である。
【0078】
4.依頼処理のバリエーション
実施形態では、一例として、「互いに異なる場所」又は「同じ場所」に、複数の薬剤師端末3c2が設置されてもよい。「互いに異なる場所」は、他の薬局店舗(チェーン店舗等でもよい)でもよく、或いは薬局店舗に限らない任意の場所でもよい。薬剤師端末3c2の設置場所の数は、2つ以上の任意の数にすることができ、例えば多数のチェーン店舗等に網羅的に設置されてもよい。「同じ場所」は、例えば同一の建物内等である。「同じ場所」については、一例として、「服薬指導センター」を設けてこのセンター内で複数の薬剤師がオンライン服薬指導を提供する運用等が考えられる。
【0079】
依頼処理S13では、「個別具体的状況」に応じて、各薬剤師端末3c2に服薬指導タスクを提示してもよい(例:提示可否又は配分等の決定)。個別具体的状況は、例えば「処方箋、薬剤師、端末の場所(店舗等)又は来局患者等」についての、例えば「現状、状態、環境、属性、地理、時間、指定(取り決め)、評価又は履歴等」でもよい。個別具体的状況は、例えば自然要因、地理的要因、人的要因、又はシステム要因等の様々な要因に基づくものでもよい。下記(B1)~(D2)は個別具体的状況の例である。
【0080】
(B1)各薬剤師(薬剤師端末3c2を使用)の所属店舗、又は他店舗ヘルプ履歴が、例として考えられる。例えば、過去のヘルプ履歴(例:他店舗ヘルプ勤務の回数又は積算時間)、近隣店舗かどうか(例:距離が近いほど優先、又は所定距離内を優先等)、又は類似診療科の門前薬局かどうか等でもよい。後述の「集計処理」のデータを利用してもよい。
(B2)薬剤師若しくは店舗に対する指定、又は、指定なしの一括依頼が、例として考えられる。例えば、画像端末3cc1の入力項目で、1人以上の特定の薬剤師又は1つ以上の特定の薬局店舗を指定する指定メニューがあってもよい。例えば、予め定めた任意条件(例:業務負荷に差のある複数店舗間でのシフト設定又はスケジュール設定等)で依頼側店舗及び受任側店舗を設定してもよい。このシフト設定等は、リアル店舗でのヘルプ勤務のオンライン版といえる。一括依頼も採用可能である。
【0081】
(C1)来局患者の処方箋の内容が、例として考えられる。例えば、処方内容に応じた依頼のしやすさを判別してもよい。例えば、店舗混雑時に、回転率を高めるために、他店舗に依頼しやすい処方内容等(例:よくある風邪等で単発の急性期患者等)を、自動ピックアップする処理が採用されてもよい。サーバ2a、2cで、処方箋情報等を連携してもよい。
(C2)来局患者の情報、症状、又は薬歴が、例として考えられる。上記(C1)と同様に、他店舗に依頼しやすい患者個人、症状、又は薬歴を、自動ピックアップする処理が採用されてもよい。サーバ2a、2b、2cで、来局患者情報等を連携してもよい。
【0082】
(D1)各薬剤師端末3c2が設置される設置場所の状況又は外部環境が考えられる。設置場所は、自店舗以外の各薬局店舗、又は服薬指導センターが考えられる。各薬局店舗(各薬剤師端末3c2の設置先)の外部環境又は店舗状況が、例として考えられる。外部環境は、例えばインターネットで取得した各店舗地域又は服薬指導センター地域の天気情報又は交通混雑状況等でもよい。例えば良好な天候のほうが悪天候よりも来局数が多い等の傾向がある。設置場所の状況は、例えば各店舗の来局患者数又は欠員状況等でもよいし、あるいは、各店舗内又は服薬指導センター内の任意の状況(例:臨時休業等)でもよい。これらに基づいて、例えば負荷集中等を回避するように各服薬指導タスクを配分してもよい。BCP(事業継続計画)の対策として、設置場所の状況又は外部環境に、各種緊急事態が含まれてもよい。各種緊急事態は、例えば、自然災害(例:地震、火災、台風、水害等)、人的災害(例:事件、事故、不祥事等)、又はシステム障害等が含まれてもよい。例えば緊急事態の店舗(例:緊急事態発生地又はその近隣店舗)を避けて、平常店舗(例:緊急事態発生地から相対的に遠い店舗)が優先されるように、依頼タスクが割り振られてもよい。
(D2)各薬剤師の負荷状況、活動状況又は評価が、例として考えられる。例えば、各薬剤師端末3c2を使用する各薬剤師の勤務状況、業務負荷その他の直近状況をデータ収集してもよい。後述の「集計処理」のデータを利用してもよい。
【0083】
上記(B1)~(D2)の2つ以上を、互いに組み合わせ可能である。また、例えばサーバ2cのデータ管理部2c1で上記(B1)~(D2)の各情報を格納及び管理してもよく、データ管理部2c1の格納データに基づいて服薬指導タスクを配分してもよい。なお、個別具体的状況(例:上記(B1)~(D2))に応じて、例えば適した依頼先候補が見つからなかった(又は現在タスク依頼不可)場合や、例えばオンライン服薬指導の適/不適の判別処理を行って結果が不適であった場合等には、その旨が任意の端末(例:レセコン端末3a又は画像端末3cc1等)に通知されてもよい。
【0084】
上記に様々な個別具体的状況の例を挙げたが、必ずしも、複数の薬剤師端末3c2を前提にしなくともよい。例えば、依頼処理S13において(C1)又は(C2)に応じて1つの薬剤師端末3c2への服薬指導タスク提示を行ってもよい。この例のように、1つの薬剤師端末3c2に対して、個別具体的状況に応じたタスク依頼可否が採用されてもよい。
【0085】
5.集計処理
実施形態では、一例として、サーバ2cが集計処理を更に実行してもよい。集計処理は、任意の項目を対象に実行可能であり、集計データを薬剤師アカウント毎に又は薬局店舗毎に個別管理可能である。また、各薬局店舗のサーバ2cの間で、データ通信により任意の集計データを共有等してもよい。
【0086】
実施形態では、集計処理の一例として、薬剤師端末3c2を使用する各薬剤師について、服薬指導タスクの割当状況を集計する。「割当状況」は、一例として、タスク受任数、タスク完了数、又はタスク指名数でもよく、これらの2つ以上を含んでもよい。タスク指名後は、受任・辞退がまとめて又は区別して集計されてもよい。各薬剤師のタスク受任数は、他店舗ヘルプ履歴又は活動状況等として、一括して又は店舗ごと等に集計されてもよい。タスク割当状況に基づいて各薬剤師の評価を記録してもよい。集計処理は、例えばサーバ2c内のデータ管理部2c1で実行可能だが、これに限られず、例えばサーバ2cの外部にある任意のデータベースシステム(図示せず)で行ってもよい。
【0087】
6.変形例等
6.1.業務フロー等の変形
図2の業務フロー及びシステム処理は、各種変形を採用可能である。例えば実施形態では、識別処理S12bにおいて、画像端末3cc1を介してサーバ2cが患者識別情報(例:受付番号)を取得し、この患者識別情報と紐づけて各種処理が実行されるが、これに限定されない。例えば識別処理のバリエーションとして、「任意の主体」が「任意のタイミング」で、「任意の端末」からサーバ2cに患者識別情報(例:受付番号)を入力することで、識別処理を実現してもよい。
【0088】
例えば、ステップS0においてコンピュータ管理が採用されてもよい。コンピュータ管理として、例えば、来局患者がオンライン服薬指導を希望する場合に、薬局事務員等による端末(例:レセコン端末3a)の操作に応じて、「オンライン服薬指導有り」及び患者識別情報が、直接に又は任意のサーバ2(例:サーバ2a)を介して、サーバ2cに伝達されてもよい。或いは、オンライン服薬指導を希望する来局患者が、店頭受付端末(例:タブレット)等での有無確認ボタンを押下したことに応じて、「オンライン服薬指導有り」及び患者識別情報が、直接に又は任意のサーバ2(例:サーバ2a)を介して、サーバ2cに伝達されてもよい。
【0089】
例えば、サーバ2cが、「来局患者のオンライン服薬指導が有ることを示す情報」を取得してもよい。サーバ2cは、この「情報」をテーブル等に格納して、オンライン服薬指導が「有り」の場合に、依頼処理S13等を実行したり、レセコン端末3aや画像端末3cc1等に任意の通知等を行ったりしてもよい。例えばテーブルの所定カラム等に、各来局患者ごと(例:受付番号ごと)のオンライン服薬指導の「希望」等が記録及び管理されてもよい(キャンセル等の管理にも利用可)。データ管理は、サーバ2cが、他のサーバ2(例:サーバ2a又はサーバ2b)と連携して行ってもよい。
【0090】
また、実施形態では、依頼処理(S13)の後、幾つかのシステム処理又は業務手順(S15~S22)が行われた後に、接続処理(S23a、S23b)が実行される。しかしこれは一例であり、依頼処理と接続処理との間の処理等は任意に変更可能である。例えば、応答確認操作(S22)が省略されてもよく、この場合、先に薬剤師端末3c2が通話接続状態となって患者端末3c1の着席を待ってもよい。他の例として、通話待機に関連する各処理(S17等)が省略されてもよく、この場合、タスク選択操作(S15)に応じて、例えば即時に通話処理が実行されてもよく、あるいは例えば確認メッセージ表示(例:「接続しますか?」等)又はカウントダウン表示(カウントダウン終了後に通話接続)等が採用されてもよい。これらの場合、画面20(依頼受信画面)の画面レイアウトが各服薬指導タスクの詳細を確認可能に設計されてもよく、あるいは、画面20の任意の操作で詳細情報を確認可能(例:カーソルを重ねると詳細情報をポップアップ表示等)でもよい。
【0091】
なお、
図2の破線枠Zで示すステップS22、S30は、ハードウェアの一例としてレセコン端末3aを例示しているが、これに限定されない。ステップS22、S30の少なくとも一方の処理を、レセコン端末3a以外の他の端末で実施してもよい。
【0092】
6.2.服薬指導タスクのキャンセル及び履歴管理
サーバ2cは、依頼処理S13時(最中)又は依頼処理S13の後に、オンライン服薬指導が「有り」の状態を「無し」へと切替可能でもよい。各端末3(例:レセコン端末3a、画像端末3cc1、患者端末3c1又は薬剤師端末3c2等)で切替可能でもよい。切替の履歴が保存されてもよい。
【0093】
サーバ2cは、来局患者ごとに、オンライン服薬指導の履歴を記憶及び管理してもよく、履歴に基づいて様々な処理を実行してもよい。例えば、サーバ2cは、任意の端末3に対してオンライン服薬指導の実施履歴、又は履歴に基づく推奨通知(画像又は音声等を問わない)を出力してもよい。
【0094】
6.3.優先順位指定機能
優先順位指定機能(例:「後で来局」チェックボックス等)は、画像端末3cc1に限らず、幾つかの端末3(例:3a、3c2)の任意の画面に表示されてもよい。例えば優先順位指定メニュー等が設けられてもよく、複数種類(例:「急ぎ(又は緊急)」、「後で」、「標準」又は、時刻指定(例:11時00分)等)の優先順位を設定可能であってもよい。例えば、「後で」等の利用例は、来局患者が受付を済ませ、一旦外出してから戻る場合等がある。
【0095】
6.4.画像Fの撮像機器
画像Fは、撮像対象(例えば監査画像Gであれば処方薬)を、見やすく鮮明に撮像したものであることが好ましい。画像Fの撮像機器が提供されてもよく、例えば、撮像端末(例:スマートフォン又はタブレット端末)と、端末用の固定器具(例:屈曲可能なアーム)と、撮像対象(例:処方薬等)を置く載置部(例:トレイ等)とを、準備してもよい。撮像端末は、例えば無線通信で、画像端末3cc1に、画像Fを送信可能である。なお、画像端末3cc1がカメラ付き端末であれば、撮像端末を兼ねてもよい。
【0096】
なお、「調剤室に設置される監査機器」で、監査画像が撮像される場合がある。この監査機器は、公知の様々なものがあり、例えばスタンドアローン型の機器でもよく、或いは、例えば調剤監査システム(調剤監査支援システム、薬剤鑑査支援システム、監査支援システム、調剤秤量監査システム、医療用医薬品処方監査システム等とも呼ばれる)の端末でもよい。画像端末3cc1は、この監査機器から監査画像データを受信して、サーバ2cに送信してもよい。
【0097】
6.5.各端末3の変形例
患者端末3c1は、来局患者の端末(例:スマートフォン)で実現してもよい。来局患者が、ブラウザ上で又はアプリをインストールして自己の端末でサーバ2cにアクセスし、自己の端末を患者端末3c1として用いて薬局店舗内のオンライン服薬指導を受けてもよい。患者アカウントがサーバ2cで管理されてもよい。
【0098】
6.6.その他
実施形態において、各サーバ2は、「クライアント・サーバモデルにおけるサーバ機能」を提供可能な任意の構成を採用可能である。各サーバ2は、クライアント(各端末3)からの要求に応じて、データ、機能又は処理能力を提供するための任意の論理的・機能的構成要素である。各サーバ2は、物理サーバ(例:オンプレミス又はデータセンター利用等)に限定されず、仮想サーバ、コンテナ、又は「サーバレスアーキテクチャを利用した動的に割り当てられるコンピューティングリソース」等でもよい。各サーバ2は、AWS(Amazon Web Services)等のインフラ上に構築されてもよい。各サーバ2は、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)、又はXaaS(Everything as a Service)等のサービスモデルを利用して、Webアプリケーション(例:
図3参照)をクラウド上に構築したものでもよい。複数のサーバ2のうち、幾つか物理サーバでもよく他の幾つかが仮想サーバ等でもよい。
【0099】
以上に本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態の構成のみに限定されるものではない。クライアント・サーバシステムを構成しないパーソナルコンピュータ等の各種コンピュータや、携帯端末やタブレット等の各種通信端末・携帯情報端末において、情報処理システム1と同機能を実現してもよい。コンピュータプログラムを各種コンピュータや各種通信端末・携帯情報端末に実装してもよい。
【0100】
実施形態では、上記の情報処理システム1の各処理をコンピュータに実行させるプログラム又は情報処理方法も提供可能である。留意されたい点として、このプログラム又は情報処理方法では、実施形態の各処理を「任意のコンピュータ」に実行させればよく、サーバが各処理の実行主体になるかどうか(又はサーバサイド処理かどうか)は、任意である。例えばクライアント(例:端末3)で実施形態の各処理の一部又は全部が実行されてもよい(全部の場合は、端末3間で通信のみ行ってサーバ省略も可)。また、上記実施形態及び変形例の各特徴は、各々が独立して発明を構成可能であり、適宜組み合わせ可能でもある。いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本発明の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
【0101】
また、上記に説明した情報処理システム1は、以下の各付記に示す各特徴の組み合わせも含み得るものである。その組み合わせについて下記に示す。
【0102】
[付記1]
薬局店舗でオンライン服薬指導を提供する情報処理システムであって、
サーバと、前記薬局店舗の患者端末と、前記薬局店舗と異なる場所の薬剤師端末と、を備え、
前記サーバは、識別処理と、依頼処理と、通話処理と、を実行し、
前記識別処理では、前記薬局店舗に来局した来局患者の患者識別情報を取得し、
前記依頼処理では、前記患者識別情報と対応する服薬指導タスクを、前記薬剤師端末で提示し、
前記通話処理では、前記服薬指導タスクを受任した前記薬剤師端末と、前記患者端末とを、通話可能に接続する、情報処理システム。
【0103】
[付記2]
付記1に記載の情報処理システムであって、
少なくとも1つの画像を、前記サーバに取得させ、
前記少なくとも1つの画像は、前記依頼処理又は前記通話処理において前記薬剤師端末に表示するための画像である、情報処理システム。
【0104】
[付記3]
付記2に記載の情報処理システムであって、
前記少なくとも1つの画像は、監査画像、処方箋画像、薬情画像、お薬手帳画像、調剤録画像、薬袋画像、領収証画像、領収証明細画像、受付番号票画像、検査結果画像、健診結果画像、上限管理表画像、及び機器出力情報画像からなる群から選択される1つ又は複数の画像を含む、情報処理システム。
【0105】
[付記4]
付記2又は付記3に記載の情報処理システムであって、
前記少なくとも1つの画像は、前記依頼処理における依頼時の情報伝達のための画像、又は前記通話処理において服薬指導に用いる画像を含む、情報処理システム。
【0106】
[付記5]
付記2~付記4の何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記依頼処理では、前記少なくとも1つの画像とともに前記服薬指導タスクを提示する、情報処理システム。
【0107】
[付記6]
付記2~付記5の何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記通話処理では、前記薬剤師端末の通話画面に、前記少なくとも1つの画像を表示する、情報処理システム。
【0108】
[付記7]
付記1~付記6の何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記サーバは、集計処理を、更に実行し、
前記集計処理では、前記薬剤師端末を使用する薬剤師について、前記服薬指導タスクの割当状況を集計する、情報処理システム。
【0109】
[付記8]
付記1~付記7の何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記識別処理では、
前記来局患者のオンライン服薬指導が有ることを示す情報を取得し、
前記依頼処理は、
前記オンライン服薬指導が有りの場合に行われる、情報処理システム。
【0110】
[付記9]
付記1~付記8の何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記サーバは、前記依頼処理時又は前記依頼処理後に前記オンライン服薬指導を無しに切り替え可能に構成される、情報処理システム。
【0111】
[付記10]
付記1~付記9の何れか1つに記載の情報処理システムであって、
複数の前記薬剤師端末が設置され、
前記依頼処理では、下記(B1)又は(B2)に応じて、各薬剤師端末に前記服薬指導タスクを提示する、情報処理システム。
(B1)各薬剤師端末を使用する各薬剤師の所属店舗又は他店舗ヘルプ履歴
(B2)薬剤師若しくは店舗に対する指定、又は、指定なしの一括依頼
【0112】
[付記11]
付記1~付記10の何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記依頼処理では、下記(C1)又は(C2)に応じて、前記薬剤師端末に前記服薬指導タスクを提示する、情報処理システム。
(C1)前記来局患者の処方箋の内容
(C2)前記来局患者の情報、症状、又は薬歴
【0113】
[付記12]
付記1~付記11の何れか1つに記載の情報処理システムであって、
複数の前記薬剤師端末が設置され、
前記依頼処理では、下記(D1)又は(D2)に応じて、各薬剤師端末に前記服薬指導タスクを提示する、情報処理システム。
(D1)各薬剤師端末が設置される設置場所の状況又は外部環境
(D2)各薬剤師端末を使用する各薬剤師の負荷状況、活動状況又は評価
【0114】
[付記13]
付記1~付記12の何れか1つに記載の情報処理システムの各処理をコンピュータに実行させる、プログラム。
【0115】
[付記14]
付記1~付記12の何れか1つに記載の情報処理システムの各処理をコンピュータで実行する、情報処理方法。
【符号の説明】
【0116】
1:情報処理システム
2:サーバ、2a:サーバ(レセコンシステム)、2b:サーバ(電子薬歴システム)、2c:サーバ(オンライン服薬指導システム)、2c1:データ管理部、2d:サーバ(レジシステム)
3:端末、3a:端末(レセコン端末)、3b1、3b2:端末(薬歴端末)、3c1:端末(患者端末)、3c2:端末(薬剤師端末)、3cc1:端末(画像端末)、3d:端末(レジ端末)
4:通信網
10:画面(監査画像撮影画面)、11、12、13:画面、20:画面(依頼受信画面)、30:画面(通話待機画面)、40:画面(通話画面)、42:画面(通話画面)、60:画面(通話待機及び通話中の兼用画面)
21、22:服薬指導タスク
40a、42a:メイン表示エリア、40b、42b:サブ表示エリア
51:制御部、52:記憶部、53:通信部、54:入力部、55:出力部、56:計時部
61:ボタン(患者呼出・通話開始)、62:サムネイルエリア、63:拡大表示エリア、63a:注釈機能
F:画像(少なくとも1つの画像)、G、G1、G2:監査画像、H:処方箋画像、J:薬情画像、S12b:識別処理、S13:依頼処理、S23a、S23b:通話処理
【要約】
【課題】薬局店舗の業務対応能力を向上可能な情報処理システム等を提供する。
【解決手段】薬局店舗でオンライン服薬指導を提供する情報処理システムであって、サーバと、前記薬局店舗の患者端末と、前記薬局店舗とは異なる場所の薬剤師端末と、を備え、前記サーバは、識別処理と、依頼処理と、通話処理と、を実行し、前記識別処理では、前記薬局店舗に来局した来局患者の患者識別情報を取得し、前記依頼処理では、前記患者識別情報と対応する服薬指導タスクを、前記薬剤師端末で提示し、前記通話処理では、前記服薬指導タスクを受任した前記薬剤師端末と、前記患者端末とを、通話可能に接続する、情報処理システムが提供される。
【選択図】
図1